JP2019079812A - カーボンナノチューブ被覆電線 - Google Patents

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英樹 會澤
Hideki Aizawa
英樹 會澤
山崎 悟志
Satoshi Yamazaki
悟志 山崎
山下 智
Satoshi Yamashita
智 山下
憲志 畑本
Kenji Hatamoto
憲志 畑本
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Abstract

【課題】銅やアルミニウム等からなる線材に匹敵する優れた導電性を有しつつ、軽量化及び放熱特性に優れたカーボンナノチューブ被覆電線を提供する。また、識別性に優れたカーボンナノチューブ被覆電線を提供する。【解決手段】複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体の単数または複数からなるカーボンナノチューブ線材と、カーボンナノチューブ線材を被覆する中間層と、中間層を被覆する絶縁被覆層とを備え、中間層は識別マークを有する、カーボンナノチューブ被覆電線。【選択図】図5

Description

本発明は、複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ線材を中間層及び絶縁材料で被覆したカーボンナノチューブ被覆電線に関するものである。
カーボンナノチューブ(以下、「CNT」ということがある。)は、様々な特性を有する素材であり、多くの分野への応用が期待されている。
例えば、CNTは、六角形格子の網目構造を有する筒状体の単層、または略同軸で配された多層で構成される3次元網目構造体であり、軽量であると共に、導電性、熱伝導性、機械的強度等の諸特性に優れる。しかし、CNTを線材化することは容易ではなく、CNTを線材として利用している技術は少ない。
例えば、CNT材料の導電性をさらに向上させるために、隣接したCNT線材の電気的接合点に、金属等からなる導電性堆積物を形成したカーボンナノチューブ材料が提案され、このようなカーボンナノチューブ材料は広汎な用途に適用できることが開示されている(特許文献1)。
一方で、自動車や産業機器などの様々な分野における電力線や信号線として、一又は複数の線材からなる芯線と、該芯線を被覆する絶縁被覆とからなる電線が用いられている。芯線を構成する線材の材料としては、通常、電気特性の観点から銅又は銅合金が使用されるが、近年、軽量化の観点からアルミニウム又はアルミニウム合金が提案されている。例えば、アルミニウムの比重は銅の比重の約1/3、アルミニウムの導電率は銅の導電率の約2/3(純銅を100%IACSの基準とした場合、純アルミニウムは約66%IACS)であり、アルミニウム線材に、銅線材と同じ電流を流すためには、アルミニウム線材の断面積を、銅の線材の断面積の約1.5倍と大きくする必要があるが、そのように断面積を大きくしたアルミニウム線材を用いたとしても、アルミニウム線材の質量は、純銅の線材の質量の半分程度であることから、アルミニウム線材を使用することは、軽量化の観点から有利である。
また、自動車、産業機器等の高性能化・高機能化が進められており、これに伴い、各種電気機器、制御機器などの配設数が増加するとともに、これら機器に使用される電気配線体の配線数と芯線からの発熱も増加する傾向にある。そこで、絶縁被覆による絶縁性を損なうことなく、電線の放熱特性を向上させることが要求されている。また、その一方で、環境対応のために自動車等の移動体の燃費を向上させるため、線材の軽量化も要求されている。
更に、従来から、電線の種類・用途を識別するために、電線の外表面に識別マークが付与されていた。例えば、自動車には、多種多様な電気部品や電子機器が搭載され、電気部品(電子機器)間に電力や制御信号などを伝えるために、ワイヤハーネスが配索されている。このような各種の電線において、電気回路ごとに対応する電線を識別するための識別マークが付与されている。このような識別マークを外表面に付与した場合、摩耗などにより識別性が低下してしまう。一方、識別マークを外表面より内側に入れた場合、金属線のように加工をすることや加工後に導電性を維持することは容易ではなく、カーボンナノチューブそのものへ加工をすることは難しい。
特表2015−523944号公報
本発明は、カーボンナノチューブ被覆電線の識別性を向上させることを目的とする。
本発明は、以下の各実施態様を有する。
[1]複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体の単数または複数からなるカーボンナノチューブ線材と、該カーボンナノチューブ線材を被覆する中間層と、該中間層を被覆する絶縁被覆層と、
を備え、
前記中間層は、識別マークを有する、カーボンナノチューブ被覆電線。
[2]前記識別マークは、カプセルを含む、上記[1]に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
[3]前記カプセルは、蛍光物質を含む、上記[2]に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
[4]前記識別マークは、蛍光物質を含むコア部と、シリカを含むシェル部とからなる、上記[1]に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
[5]前記識別マークは、タグを含む、上記[1]に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
[6]前記識別マークは、前記カーボンナノチューブ被覆電線の温度変化又は応力変化に応じて色が変化する材料を含む、上記[1]に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
[7]前記識別マークは、磁性材料を含む、上記[1]に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
[8]前記識別マークは、メッキを含む、上記[1]に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
[9]前記識別マークは、前記中間層の外表面において、前記カーボンナノチューブ被覆電線の長手方向の少なくとも一方の端部に位置する、上記[1]から[8]までの何れか1項に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
[10]前記識別マークは、前記中間層の外表面において、前記カーボンナノチューブ被覆電線の長手方向における第1の端部から第2の端部まで延在する、上記[1]から[8]までの何れか1項に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
[11]前記中間層は、前記カーボンナノチューブ線材のバリを覆う、上記[1]から[10]までの何れか1項に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
[12]前記絶縁被覆層を構成する材料の屈折率nは1.5未満であり、前記絶縁被覆層の膜厚/(前記カーボンナノチューブ線材の線径+前記中間層の膜厚)は0.2未満である、上記[1]から[11]までの何れか1項に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
[13]前記絶縁被覆層を構成する材料の、JIS 7375:2008に規定する全光線透過率は75%以上であり、前記絶縁被覆層の膜厚/(前記カーボンナノチューブ線材の線径+前記中間層の膜厚)は0.2未満である、上記[1]から[11]までの何れか1項に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
[14]前記カーボンナノチューブ線材が、複数の前記カーボンナノチューブ集合体からなり、複数の該カーボンナノチューブ集合体の配向性を示す小角X線散乱によるアジマスプロットにおけるアジマス角の半値幅Δθが60°以下である、上記[1]から[13]までの何れか1項に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
[15]複数の前記カーボンナノチューブの密度を示すX線散乱による散乱強度の(10)ピークにおけるピークトップのq値が2.0nm−1以上5.0nm−1以下であり、且つ半値幅Δqが0.1nm−1以上2.0nm−1以下である、上記[1]から[14]までの何れか1項に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
中間層が識別マークを有することにより、カーボンナノチューブ被覆電線は優れた識別性を有することができる。
一実施形態に係るカーボンナノチューブ被覆電線の説明図である。 一実施形態に係るカーボンナノチューブ被覆電線に用いるカーボンナノチューブ線材の説明図である。 (a)図は、SAXSによる複数のカーボンナノチューブ集合体の散乱ベクトルqの二次元散乱像の一例を示す図であり、(b)図は、二次元散乱像において、透過X線の位置を原点とする任意の散乱ベクトルqの方位角−散乱強度の一例を示すグラフである。 カーボンナノチューブ集合体を構成する複数のカーボンナノチューブのWAXSによるq値−強度の関係を示すグラフである。 一実施形態に係る、識別マークを有するカーボンナノチューブ被覆電線の説明図である。 一実施形態に係る、識別マークを有するカーボンナノチューブ被覆電線の説明図である。
1.カーボンナノチューブ被覆電線
以下に、一実施形態に係るカーボンナノチューブ被覆電線について、図面を用いながら説明する。
図1に示すように、一実施形態に係るカーボンナノチューブ被覆電線(以下、「CNT被覆電線」ということがある。)1は、カーボンナノチューブ線材(以下、「CNT線材」ということがある。)10の外周面に中間層35が被覆され、中間層35の外周面に、最外層である絶縁被覆層21が被覆された構成となっている。すなわち、CNT線材10の長手方向に沿って中間層35、及び絶縁被覆層21がこの順に被覆されている。CNT被覆電線1では、CNT線材10の外周面全体が中間層35によって被覆され、中間層35の外周面全体が絶縁被覆層21によって被覆されている。CNT被覆電線1では、中間層35はCNT線材10の外周面と直接接した態様となっている。また、絶縁被覆層21は中間層35の外周面と直接接した態様となっている。この場合、CNT被覆電線1は、複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体の単数または複数からなるカーボンナノチューブ線材と、カーボンナノチューブ線材を被覆する中間層と、中間層を被覆する絶縁被覆層とを備える。また、図1には示していないが、中間層35は識別マークを有する。図1では、CNT線材10は、1本のCNT線材10からなる素線(単線)となっているが、CNT線材10は、複数本のCNT線材10を撚り合わせた撚り線の状態でもよい。CNT線材10を撚り線の形態とすることで、CNT線材10の円相当直径や断面積を適宜調節することができる。
図2に示すように、CNT線材10は、1層以上の層構造を有する複数のCNT11a,11a,・・・で構成されるカーボンナノチューブ集合体(以下、「CNT集合体」ということがある。)11の単数から、または複数が束ねられて形成されている。ここで、CNT線材とはCNTの割合が90質量%以上のCNT線材を意味する。なお、CNT線材におけるCNT割合の算定においては、メッキとドーパントは除く。図2では、CNT線材10は、CNT集合体11が、複数、束ねられた構成となっている。CNT集合体11の長手方向が、CNT線材10の長手方向を形成している。従って、CNT集合体11は、線状となっている。CNT線材10における複数のCNT集合体11,11,・・・は、その長軸方向がほぼ揃って配されている。従って、CNT線材10における複数のCNT集合体11,11,・・・は、配向している。素線であるCNT線材10の円相当直径は、特に限定されないが、例えば、0.01mm以上4.0mm以下である。また、撚り線としたCNT線材10の円相当直径は、特に限定されないが、例えば、0.1mm以上15mm以下である。
CNT集合体11は、1層以上の層構造を有するCNT11aの束である。CNT11aの長手方向が、CNT集合体11の長手方向を形成している。CNT集合体11における複数のCNT11a,11a、・・・は、その長軸方向がほぼ揃って配されている。従って、CNT集合体11における複数のCNT11a,11a、・・・は、配向している。CNT集合体11の円相当直径は、例えば、20nm以上1000nm以下であり、より典型的には、20nm以上80nm以下である。CNT11aの最外層の幅寸法は、例えば、1.0nm以上5.0nm以下である。
CNT集合体11を構成するCNT11aは、単層構造又は複層構造を有する筒状体であり、それぞれ、SWNT(single-walled nanotube)、MWNT(multi-walled nanotube)と呼ばれる。図2では、便宜上、2層構造を有するCNT11aのみを記載しているが、CNT集合体11には、3層構造以上の層構造を有するCNTや単層構造の層構造を有するCNTも含まれていてもよく、3層構造以上の層構造を有するCNTまたは単層構造の層構造を有するCNTから形成されていてもよい。
2層構造を有するCNT11aでは、六角形格子の網目構造を有する2つの筒状体T1、T2が略同軸で配された3次元網目構造体となっており、DWNT(Double-walled nanotube)と呼ばれる。構成単位である六角形格子は、その頂点に炭素原子が配された六員環であり、他の六員環と隣接してこれらが連続的に結合している。
CNT11aの性質は、上記筒状体のカイラリティ(chirality)に依存する。カイラリティは、アームチェア型、ジグザグ型、及びカイラル型に大別され、アームチェア型は金属性、ジグザグ型は半導体性および半金属性、カイラル型は半導体性および半金属性の挙動を示す。従って、CNT11aの導電性は、筒状体がいずれのカイラリティを有するかによって大きく異なる。CNT被覆電線1のCNT線材10を構成するCNT集合体11では、導電性をさらに向上させる点から、金属性の挙動を示すアームチェア型のCNT11aの割合を増大させることが好ましい。
一方で、半導体性の挙動を示すカイラル型のCNT11aに電子供与性もしくは電子受容性を持つ物質(異種元素)をドープすることにより、カイラル型のCNT11aが金属的挙動を示すことが分かっている。また、一般的な金属では、異種元素をドープすることによって金属内部での伝導電子の散乱が起こって導電性が低下するが、これと同様に、金属性の挙動を示すCNT11aに異種元素をドープした場合には、導電性の低下を引き起こす。
このように、金属性の挙動を示すCNT11a及び半導体性の挙動を示すCNT11aへのドーピング効果は、導電性の観点からはトレードオフの関係にあることから、理論的には金属性の挙動を示すCNT11aと半導体性の挙動を示すCNT11aとを別個に作製し、半導体性の挙動を示すCNT11aにのみドーピング処理を施した後、これらを組み合わせることが望ましい。しかし、現状の製法技術では、金属性の挙動を示すCNT11aと半導体性の挙動を示すCNT11aとを選択的に作り分けることは困難であり、金属性の挙動を示すCNT11aと半導体性の挙動を示すCNT11aが混在した状態で作製される。このため、金属性の挙動を示すCNT11aと半導体性の挙動を示すCNT11aの混合物からなるCNT線材10の導電性をさらに向上させるために、異種元素・分子によるドーピング処理が効果的となるCNT11aの層構造を選択することが好ましい。
例えば、2層構造又は3層構造のような層数が少ないCNTは、それより層数の多いCNTよりも比較的導電性が高く、ドーピング処理を施した際には、2層構造又は3層構造を有するCNTでのドーピング効果が最も高い。従って、CNT線材10の導電性をさらに向上させる点から、2層構造又は3層構造を有するCNTの割合を増大させることが好ましい。具体的には、CNT全体に対する2層構造又は3層構造をもつCNTの割合が50個数%以上が好ましく、75個数%以上がより好ましい。2層構造又は3層構造をもつCNTの割合は、CNT集合体11の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察及び解析し、100個のCNTのそれぞれの層数を測定することで算出することができる。
上記のように、CNT線材10は、素線(単線)または撚り線とすることができる。CNT線材10が単線の場合にはCNT集合体11から構成され、CNT線材10が撚り線の場合には複数の素線から構成されるため、CNT線材10に局所的に力が負荷された場合などには、部分的にCNT集合体11や素線がほぐれてCNT線材10の表面にバリ(例えば、突出部、突起部、CNT線材10の外周面よりも高さが高い部分)が発生する場合がある。このような場合に、更にCNT線材10の表面に識別マークを付与すると、該バリ状の露出物と識別マークとの区別が困難となり識別マークの視認性が低下することがあった。特に、識別マークとしてバーコードを用いた場合には、バリ状の露出物がバーコードに類似しているため、識別マークの視認性が著しく低下する場合があった。これに対して、本実施形態のCNT被覆電線1はCNT線材10を被覆する中間層35を有するため、CNT線材10の表面にバリ状の露出物が発生することを効果的に抑制できる。また、仮にCNT線材10の表面にバリ状の露出物が発生した場合であっても、中間層はCNT線材10のバリを覆うこととなる。この場合、CNT線材10の表面とは離間した中間層35の表面に識別マークを設けるため、識別マークは高い識別性・視認性を有することができる。CNT線材10において、バリの発生しやすい部分としては、CNT線材10の外周面の一部を挙げることができる。一実施形態のCNT被覆電線1をコイルとして用いる場合、外周面の一部(特に、CNT線材10の一方の端部から他方の端部に向かって延在する外周面の一部など)に高い応力が負荷されやすくなるため、この外周面の一部にバリが発生しやすくなる。このように発生したCNT線材10のバリを中間層で覆うことができる。また、CNT線材10の端部に局所的に高い応力が負荷されて該端部にバリが発生することがある。このような場合であっても端部に発生したCNT線材10のバリを中間層で覆うことができる。
次に、CNT線材10におけるCNT11a及びCNT集合体11の配向性について説明する。
図3(a)は、小角X線散乱(SAXS)による複数のCNT集合体11,11,・・・の散乱ベクトルqの二次元散乱像の一例を示す図であり、図3(b)は、二次元散乱像において、透過X線の位置を原点とする任意の散乱ベクトルqの方位角−散乱強度の関係を示すアジマスプロットの一例を示すグラフである。
SAXSは、数nm〜数十nmの大きさの構造等を評価するのに適している。例えば、SAXSを用いて、以下の方法でX線散乱画像の情報を分析することで、外径が数nmであるCNT11aの配向性及び外径が数十nmであるCNT集合体11の配向性を評価することができる。例えば、CNT線材10についてX線散乱像を分析すると、図3(a)に示すように、CNT集合体11の散乱ベクトルq(q=2π/d、dは格子面間隔)のx成分であるqよりも、y成分であるqの方が狭く分布している。また、図3(a)と同じCNT線材10について、SAXSのアジマスプロットを分析した結果、図3(b)に示すアジマスプロットにおけるアジマス角の半値幅Δθは、48°である。これらの分析結果から、CNT線材10において、複数のCNT11a,11a・・・及び複数のCNT集合体11,11,・・・が良好な配向性を有しているといえる。このように、複数のCNT11a,11a・・・及び複数のCNT集合体11,11,・・・が良好な配向性を有しているので、CNT線材10の熱は、CNT11aやCNT集合体11の長手方向に沿って円滑に伝達して行きながら放熱されやすくなる。従って、CNT線材10は、上記CNT11a及びCNT集合体11の配向性を調節することで、放熱ルートを長手方向、径の断面方向にわたり調節できるので、金属製の芯線と比較して優れた放熱特性を発揮する。なお、配向性とは、CNTを撚り集めて作製した撚り線の長手方向へのベクトルVに対する内部のCNT及びCNT集合体のベクトルの角度差のことを指す。
複数のCNT集合体11,11,・・・の配向性を示す小角X線散乱(SAXS)のアジマスプロットにおけるアジマス角の半値幅Δθにより示される一定以上の配向性を得ることで、CNT線材10の放熱特性をより向上させる点から、アジマス角の半値幅Δθは60°以下が好ましく、50°以下が特に好ましい。
次に、CNT集合体11を構成する複数のCNT11aの配列構造及び密度について説明する。
図4は、CNT集合体11を構成する複数のCNT11a,11a,・・・のWAXS(広角X線散乱)によるq値−強度の関係を示すグラフである。
WAXSは、数nm以下の大きさの物質の構造等を評価するのに適している。例えば、WAXSを用いて、以下の方法でX線散乱画像の情報を分析することで、外径が数nm以下であるCNT11aの密度を評価することができる。任意の1つのCNT集合体11について散乱ベクトルqと強度の関係を分析した結果、図4に示すように、q=3.0nm−1〜4.0nm−1付近に見られる(10)ピークのピークトップのq値から見積られる格子定数の値が測定される。この格子定数の測定値とラマン分光法やTEMなどで観測されるCNT集合体の直径とに基づいて、CNT11a,11a,・・・が平面視で六方最密充填構造を形成していることを確認することができる。従って、CNT線材10内で複数のCNT集合体の直径分布が狭く、複数のCNT11a,11a,・・・が、規則正しく配列、すなわち、高密度を有することで、六方最密充填構造を形成して高密度で存在しているといえる。
このように、複数のCNT集合体11,11・・・が良好な配向性を有していると共に、更に、CNT集合体11を構成する複数のCNT11a,11a,・・・が規則正しく配列して高密度で配置されているので、CNT線材10の熱は、CNT集合体11の長手方向に沿って円滑に伝達して行きながら放熱されやすくなる。従って、CNT線材10は、上記CNT集合体11とCNT11aの配列構造や密度を調節することで、放熱ルートを長手方向、径の断面方向にわたり調節できるので、金属製の芯線と比較して優れた放熱特性を発揮する。
高密度を得ることで放熱特性をより向上させる点から、複数のCNT11a,11a,・・・の密度を示すX線散乱による散乱強度の(10)ピークにおけるピークトップのq値が2.0nm−1以上5.0nm−1以下であり、且つ半値幅Δq(FWHM)が0.1nm−1以上2.0nm−1以下であることが好ましい。
CNT集合体11及びCNT11の配向性、並びにCNT11aの配列構造及び密度は、後述する、乾式紡糸、湿式紡糸等の紡糸方法と該紡糸方法の紡糸条件とを適宜選択することで調節することができる。
次に、CNT線材10の外表面を被覆する中間層35について説明する。
中間層35は一層以上の層から構成される。中間層35の材料としては特に限定されないが例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。中間層35の材料として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いる場合、中間層35は絶縁被覆層21とCNT線材10を接着させる接着層として機能することができる。
熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、ポリメチルペンテン−1、エチレン−メチルペンテン−1共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、EEA、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、塩素化PE、エチレン−一酸化炭素共重合体などのポリオレフィン類、ポリスチレン(PS)、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、ポリ(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、メタクリル酸ブチル−2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸−2−エチルヘキシル共重合体などのアクリル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルプロピオナールなどのポリビニルアセタール類、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチルエーテルなどのポリビニルエーテル類、ポリエチレンオキシド、ポリオキシメチレン、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体などのポリエーテル類、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンセバテートなどのポリエステル類、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネートのようなポリカーボネート類、ポリアミド類、ポリウレタン類を挙げることができる。
熱硬化性樹脂としては特に限定されないが、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アニリン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキルベンゼン樹脂、グアナミン樹脂、シリコン樹脂等を挙げることができる。
次に、中間層35の外表面を被覆する絶縁被覆層21について説明する。
絶縁被覆層21は不透明、半透明、透明の何れであってもよい。絶縁被覆層21が不透明である場合、CNT被覆電線1をその外側から見た時に、絶縁被覆層21を介して中間層35に位置する識別マークを視認できない、CNT被覆電線1を使用することとなる。この場合、絶縁被覆層21が摩耗などにより薄膜化したり、絶縁被覆層21の一部が剥落して中間層35の外表面が露出した時には、中間層35に位置する識別マークを視認することにより、絶縁被覆層21の薄膜化や剥落を確認することができる。この識別マークの識別性は高いため、遠くからでも識別マークを確認することができ、簡易かつ低コストでCNT被覆電線1の劣化を早期に検知できる。この識別マークは、環状形状を有するように配置することや、長手方向に連続して配置することが好ましい。
半透明な絶縁被覆層21を用いる場合、CNT被覆電線1をその外側から見た時に、絶縁被覆層21を介して中間層35に位置する識別マークを視認できない場合が多い。しかし、絶縁被覆層21が薄膜化した場合には中間層35に位置する識別マークを視認できるようになるため、早期にCNT被覆電線1の劣化を検知できる。
また、透明な絶縁被覆層21を用いる場合、CNT被覆電線1をその外側から見た時に、絶縁被覆層21を介して中間層35に位置する識別マークを視認できる、CNT被覆電線1を使用することとなる。このような絶縁被覆層21が透明なCNT被覆電線1としては例えば、下記のようなCNT被覆電線を挙げることができる。
(a)絶縁被覆層21を構成する材料の屈折率nは1.5未満であり、絶縁被覆層21の膜厚/(CNT線材10+中間層35の膜厚)の線径は0.2未満である、CNT被覆電線1、
(b)絶縁被覆層21を構成する材料の、JIS 7375:2008に規定する全光線透過率は75%以上であり、絶縁被覆層21の膜厚/(CNT線材10+中間層35の膜厚)の線径は0.2未満である、CNT被覆電線1。
識別マークの視認性を高める観点から、絶縁被覆層は透明であることが好ましい。
上記(a)又は(b)の場合、絶縁被覆層21の透明度が高く、CNT線材10の外表面に位置する識別マークを効果的に視認できる。また、上記(b)の場合、JIS 7375:2008に規定する全光線透過率は90%以上が好ましい。絶縁被覆層21を構成する材料の屈折率n及び全光線透過率が上記範囲内にあることにより、識別マークの識別性をより良好なものとすることができる。
また、絶縁被覆層21の膜厚/(CNT線材10の線径+中間層35の膜厚)が0.2未満であることにより、識別マークの識別性をより良好なものとすることができる。なお、絶縁被覆層21及び中間層35の膜厚、CNT線材10の線径は、1.0mのCNT被覆電線1の長手方向において10cmごとに径方向の同一断面について、CNT被覆電線の断面をSEMあるいは光学顕微鏡で観察した画像を用いて得た情報を平均して算出することができる。
絶縁被覆層21の材料としては、芯線として金属を用いた被覆電線の絶縁被覆層に用いる材料を使用することができ、例えば、熱可塑性樹脂を挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を適宜混合して使用してもよい。
なお、本明細書において絶縁被覆層21は図1に示すように、CNT被覆電線1の最外層(少なくとも一層)を意味する。このため、本明細書において、最外層である絶縁被覆層21と、CNT線材10の間に存在する層は中間層を意味する。
次に、本発明の実施形態例に係るCNT被覆電線1の製造方法例について説明する。CNT被覆電線1は、まず、CNT11aを製造し、得られた複数のCNT11aからCNT線材10を形成し、CNT線材10の外周面に中間層35、絶縁被覆層21を順次又は同時に被覆することで、製造することができる。
CNT11aは、浮遊触媒法(特許第5819888号公報)や、基板法(特許第5590603号公報)などの手法で作製することができる。CNT線材10の素線は、乾式紡糸(特許第5819888号公報、特許第5990202号公報、特許第5350635号公報)、湿式紡糸(特許第5135620号公報、特許第5131571号公報、特許第5288359号公報)、液晶紡糸(特表2014−530964号公報)等で作製することができる。
また、CNT線材10の外周面に、樹脂からなる中間層35及び絶縁被覆層21を形成する方法は、アルミニウムや銅の芯線を樹脂層で被覆する方法を使用でき、例えば、中間層35及び絶縁被覆層21の原料である熱可塑性樹脂を溶融させ、CNT線材10の周りに順次又は同時に押し出して被覆する方法を挙げることができる。
本発明の実施形態例に係るCNT被覆電線1は、ワイヤハーネス等の一般電線として使用することができ、また、CNT被覆電線1を使用した一般電線からケーブルを作製してもよい。
2.識別マーク
一実施形態に係るカーボンナノチューブ被覆電線の中間層は識別マークを有する。識別マークは中間層の露出した外表面の少なくとも一部又はその内部に設けられている。識別マークは、カーボンナノチューブ被覆電線の種類、用途、状態(例えば、正常状態、異常状態)を識別するためのものであってよい。また、識別マークには、電線自体の情報や、電線に関連する情報など特定の情報が付与されていてもよい。識別マークの材料は、目視、双眼鏡、可視光やそれ以外の光など特定波長の電磁波、磁気等により識別可能なものであれば、特に限定されない。
識別マークは、カプセルを含むことができる。このカプセルは蛍光物質を含むことができる。カプセルのサイズは特に限定されず、カプセルとしてマイクロカプセル、ナノカプセルを挙げることができる。カプセルは、蛍光物質を含むことができる。また、識別マークは、蛍光物質を含むコア部と、シリカを含むシェル部とからなるものとすることができる。識別マークは、タグを含むことができる。また、識別マークは顔料、染料、樹脂、磁性材料や、カーボンナノチューブ被覆電線の温度変化又は応力変化に応じて色が変化する材料、メッキを含むことができる。識別マークが磁性材料を含む場合、磁気によって識別マークを識別することができる。さらに、識別マークを、バーコードまたはQRコード(登録商標)とすることができる。この場合、バーコードおよびQRコード(登録商標)に特定の情報を付与することができる。以下では、識別マークを構成する各材料について詳細に説明する。
(カプセル)
カプセルは例えば、数十nmから数百μmの範囲の粒径を有するマイクロカプセル又はナノカプセルである。カプセルの形状としては、特に限定されず、例えば、球形、楕円形等のものを用いることができる。カプセル化法としては例えば、insitu重合法、界面重合法、コアセルベーション法、噴霧乾燥法、乾式混合法、オリフィス法等を用いることができる。
(コア部とシェル部を有する識別マーク)
識別マークのコア部には液体材料を充填しており、シェル部により該液体材料を覆うことで液体材料をコア部に保持している。このため、コア部内に液体材料が保持されている時には識別マークとしてマイクロカプセルを用いた場合は識別性を有さず、コア部内の液体材料が放出された際には該液体材料によって識別性を発現させることもできる。例えば、マイクロカプセルに高い応力や高い温度が負荷された時には瞬間的にマイクロカプセルから液体材料が放出され、短時間で識別性を発現させることができる。また、コア部から液体材料が長い時間をかけて少量ずつ放出される場合(徐放性)には、徐々に識別性を発現させることができる。
なお、コア部に充填する液体材料は識別性に優れるものであれば特に限定されず、絶縁ゲルや、後述する顔料、染料、蛍光物質、磁性材料、導電材料などを用いることができる。これらの液体材料の中でも、特に暗所などでの識別性に優れるため、液体材料として蛍光物質を使用することが好ましい。また、識別マークは、蛍光物質を含むコア部と、シリカを含むシェル部とからなるものであることが好ましい。例えば、蛍光シリカ粒子などが挙げられる。また、識別マークとしてナノカプセルがカーボンナノチューブ被覆電線の端部に位置する場合には、カーボンナノチューブ被覆電線を端子に圧着させる時にナノカプセルには高い応力が負荷される。この応力により、ナノカプセル中の蛍光物質が放出されて蛍光を発する。通常のカーボンナノチューブ被覆電線の場合、外見から圧着したものかどうか、を確認することが困難である。しかし、ナノカプセルがカーボンナノチューブ被覆電線の端部に位置する場合、蛍光により圧着したカーボンナノチューブ被覆電線であることを確認できる。
また、シェル部の材料は特に限定されず、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂などを用いることができるが、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
(タグ)
識別マークは、タグを含むことができる。タグとしては特に限定されないが、ICタグ、バーコードタグ等の認証タグを用いることができる。これらのタグには、カーボンナノチューブ被覆電線の種類、用途等の電線自体の情報や、電線に関連する情報など特定の情報を付与することができる。ICタグを用いる場合、ICチップリーダーで特定の情報を読み込んだり、ICチップライターで特定の情報を書き込むことができる。また、バーコードタグを用いる場合、バーコードリーダーで特定の情報を読み込むことができる。タグは中間層の外表面に位置しても、中間層の内部に存在してもよい。認証が容易になることから、絶縁被覆層は透明又は半透明であることが好ましい。また、中間層上には更に絶縁被覆層が被覆されているため、中間層に位置するタグは絶縁被覆層によって保護され、タグの摩擦や衝撃などによる破損を防止できる。
(メッキ)
メッキとしては特に限定されず、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム、カドミウム、ケイ素等の金属からなるものを挙げることができる。これらの金属は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
メッキ自体が特有の光沢や色を有するため、識別マークとして使用することができる。メッキを有する識別マークを使用する場合、絶縁被覆層は透明であることが好ましい。また、メッキは導電性が高いため、メッキを有する識別マークとすることによりカーボンナノチューブ被覆電線の導電性や電気的接続性を向上させることができる。例えば、カーボンナノチューブ被覆電線の長手方向において、中間層の端部にメッキが位置する場合、カーボンナノチューブ被覆電線と端子との電気的接続性を向上させることができる。また、カーボンナノチューブ被覆電線の長手方向の第1の端部から第2の端部まで延在するようにメッキが位置する場合、カーボンナノチューブ被覆電線全体の導電性を向上させることができる。
上記のようにして得られたCNT線材10の外周面に、メッキからなる中間層35を被覆する方法は特に限定されず、電解メッキ法や無電解メッキ法等、アルミニウムや銅の芯線にメッキを施す方法を使用できる。
(顔料)
顔料としては特に限定されないが例えば、赤色顔料、青色顔料、緑色顔料、黄色顔料、オレンジ顔料、紫色顔料やこれらの顔料の組合せを用いることができる。また、無機顔料や有機顔料を使用することもできる。
無機顔料としては例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、
酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー等を挙げることができる。
有機顔料としては例えば、アントラキノン系顔料、アミノアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、キナクリドンキノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、アントアントロン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ジスアゾ縮合物系顔料、アゾ系顔料、チオインジゴ系顔料、ピラントロン系顔料、ジオキサジン系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、フタロシアニン系顔料等を挙げることができる。
また、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラック等を挙げることができる。
識別マークの材料として顔料を使用することにより、識別マークの視認性を向上させることができる。
(染料)
染料としては特に限定されないが例えば、赤色染料、青色染料、緑色染料、黄色染料やこれらの染料の組合せを用いることができる。染料としては例えば、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等を挙げることができる。識別マークの材料として染料を使用することにより、識別マークの視認性を向上させることができる。
(蛍光物質)
識別マークは蛍光物質を含むこともできる。識別マークの材料として蛍光物質を用いることで暗所でもカーボンナノチューブ被覆電線を認識することができる。蛍光物質に関して特に制限はなく、有機化合物、無機化合物、半導体粒子等である。蛍光物質の材料は特に限定されないが例えば、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、17、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、11:1、14、C.I.アシッドイエロー73、184、250、C.I.アシッドレッド51、52、92、94、C.I.ダイレクトイエロー11、24、26、87、100、147、C.I.ダイレクトオレンジ26、29、29:1、46、C.I.ダイレクトレッド1、13、17、239、240、242、254等を挙げることができる。
(変色材料)
識別マークは、カーボンナノチューブ被覆電線の特定の特性値や物性値が変化して、カーボンナノチューブ被覆電線が使用不可能な異常状態となった場合に、正常状態とは異なる色に変化する材料を含むことができる。例えば、識別マークは、カーボンナノチューブ被覆電線の温度変化又は応力変化に応じて色が変化する変色材料を含むことができる。変色材料は、可逆的に変色しても、不可逆的に変色してもよい。すなわち、変色材料が可逆的に変色する場合、カーボンナノチューブ被覆電線が異常状態になると変色するが、該カーボンナノチューブ被覆電線が正常状態に戻ると元の色に戻る。一方、変色材料が不可逆的に変色する場合、カーボンナノチューブ被覆電線が異常状態になると変色し、該カーボンナノチューブ被覆電線が正常状態に戻っても変色した色は変わらない。
温度変化に応じて色が変化する変色材料を含む識別マークを使用すると、カーボンナノチューブ被覆電線が低温や高温環境下におかれ使用不可能な温度になった時に、識別マークの変色を視認することにより、このような異常状態を認識することができる。従って、カーボンナノチューブ被覆電線の温度を直接、測定する必要がなく、遠方からでも該変色を確認できるため、簡易的に低コストでカーボンナノチューブ被覆電線の異常状態を確認でき、カーボンナノチューブ被覆電線の劣化を早期に検知できる。
温度変化に応じて色が変化する変色材料としては例えば、ロイコ染料、顕色性物質、及び変色温度調整剤を含有する顔料やこれらを樹脂でコーティングしてカプセル化したもの等が挙げられる。ロイコ染料としては、ジフェニルメタンフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類などを挙げることができる。ロイコ染料、顕色性物質、及び変色温度調整剤の組成内容を変更することで変色する色の種類や変色温度域を調節することも可能である。
応力変化に応じて色が変化する変色材料を含む識別マークを使用すると、カーボンナノチューブ被覆電線が曲がったり、雪などの重いものがカーボンナノチューブ被覆電線に載ることにより、カーボンナノチューブ被覆電線に高い応力が負荷された時に、識別マークの変色を視認することにより、このような異常状態を確認することができる。従って、カーボンナノチューブ被覆電線に負荷される応力を直接、測定する必要がなく、遠方からでも該変色を確認できるため、簡易的に低コストでカーボンナノチューブ被覆電線の異常状態を確認でき、カーボンナノチューブ被覆電線の劣化を早期に検知できる。また、CNTは金属線と比べて非常に強度が高いうえ、接続部材周辺で優先的に劣化が発生してしまう可能性がある。そのような状態変化も、識別マークの変色により認識することが可能となる。そのため、接続部材周辺に識別マークを使用することも好ましい。
(樹脂)
識別マークは樹脂を含むこともできる。この場合、中間層の外表面のうち、識別マークを構成する樹脂と、識別マーク以外の部分の材料を異なるものとすることで、識別マークとそれ以外の部分の表面性状、色、質感などが異なるものとなり、識別マークを視認することができる。識別マークを構成する樹脂としては熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の何れの材料も使用することができる。
熱可塑性樹脂としては特に限定されないが、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などビニル系ポリマー,ポリ乳酸樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル,ナイロン、ポリアミドアミンなどのポリアミド、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルベンザール、ポリビニルブチラール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネイト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、ABS樹脂、LCP(液晶ポリマー)、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、エラストマー、またはこれらの樹脂の変性品などを挙げることができる。
熱硬化性樹脂としては特に限定されないが、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド、ポリウレタン、シリコン樹脂等を挙げることができる。
(磁性材料)
識別マークは磁性材料を含むことができる。識別マークが磁性材料を含むことにより、磁気を検知可能な機器によって識別マークを識別することができる。磁性材料としては特に限定されないが、マグネタイト、マグヘマイト、及びフェライト等の酸化鉄、又は他の金属酸化物を含む酸化鉄、Fe、Co、及びNi等の金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、及びV等の金属との合金、及びこれらの混合物等を挙げることができる。
(識別マークの付与方法)
中間層への識別マークの付与方法は特に限定されない。識別マークの付与方法としては例えば、下記の方法を挙げることができる。
(a)所定の大きさ・形状を有する識別マークの材料と、識別マークの材料以外の中間層の材料と、を混合した混合材料から中間層を形成する方法、
(b)中間層の外表面上へ識別マークを印刷したり、貼り付ける方法、
(c)中間層の外表面の材料と、識別マークの材料とを化学的に反応させて、外表面の材料と識別マークの材料との間に化学結合を形成する方法。
上記(a)の方法において混合材料を得るための混合法は特に限定されないが、ボールミル混合、ビーズミル混合、V型混合器、ボーレコンテナミキサー等の容器回転型の混合方法、リボンミキサーのように機械的撹拌力により混合する方法、流動層のように気流により撹拌混合する方法等を挙げることができる。得られた混合材料により中間層を得ることができる。
上記(b)の識別マークを印刷する方法としては特に限定されないが、中間層の外表面に、識別マークの材料を含むインクを印刷する方法を挙げることができる。インクの印刷法としては特に限定されないが、インクジェット印刷、スーパーインクジェット印刷、スクリーン印刷、転写印刷、オフセット印刷、ジェットプリンティング法、ディスペンサ、ジェットディスペンサ、ニードルディスペンサ、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、グラビアコータ、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、ソフトリソグラフィ、ディップペンリソグラフィ、スプレーコータ、スピンコータ、ディップコータ、電着塗装等を挙げることができる。インクは、識別マークの材料以外の成分として、必要に応じて溶媒、分散剤、界面活性剤などを含むことができる。
上記(b)の識別マークを貼り付ける方法としては特に限定されないが、例えば、タグなどを、接着層を介してカーボンナノチューブ被覆電線の外表面に貼り付ける方法を挙げることができる。
上記(c)の方法としては特に限定されないが、中間層の外表面に、有機過酸化物等を使用して該中間層と識別マークの材料とを化学反応させる方法を挙げることができる。例えば、有機過酸化物は、比較的低い温度で熱的に分解し、または、還元性物質と反応して、容易に遊離ラジカル(遊離基)を生成する。この生成した遊離ラジカルの性質は、中間層の材料中の不飽和二重結合への識別マーク材料の付加や、水素原子等の引き抜き及び識別マーク材料の付加を促進させることができる。有機過酸化物としては特に限定されないが例えば、ケトンペルオキサイド、ペルオキシケタール、ハイドロペルオキサイド、ジアルキルペルオキサイド、ジアシルペルオキサイド、ペルオキシエステル、ペルオキシジカーボネート等を挙げることができる。
(識別マークの形状、大きさ、位置)
識別マークの形状及び大きさ、中間層での識別マークの位置は特に限定されない。識別マークを付与する目的に応じて、識別マークの形状、大きさ、位置を適宜、決定することができる。識別マークの形状は例えば、多角形、丸、中間層の外周を囲む形状、文字、複数色からなる模様などとすることができる。また、識別マークの大きさは、中間層の外表面の一部を占める大きさであれば特に限定されない。好ましくは、識別マークは、中間層の外表面においてカーボンナノチューブ被覆電線の長手方向の少なくとも一方の端部に位置するのがよい。また、好ましくは、識別マークは、中間層の外表面においてカーボンナノチューブ被覆電線の長手方向における第1の端部から第2の端部まで延在するのがよい。
図5(a)〜図5(d)は、識別マークを有するCNT被覆電線1を表す模式図である。なお、図5(a)〜図5(d)では中間層35の外表面を実線で表し、CNT被覆電線1内部の構造は省略すると共に絶縁被覆層の外表面を点線で表す。
図5(a)は、識別マーク31が、中間層35の外表面において、CNT被覆電線1の長手方向33の少なくとも一方の端部32に位置する例である。識別マーク31は、中間層35の一方の端部32に位置しても、両側の端部に位置してもよい。図5(a)では例えば、メッキからなる識別マーク31とすることができ、絶縁被覆層が透明な場合、識別マーク31によって端子と接続するための電線端部を視認すると共に、端子との電気的接続性を向上させることができる。
図5(b)は、識別マーク31が、中間層35の外表面において、CNT被覆電線1の長手方向33に一定間隔で位置する例である。図5(b)では例えば絶縁被覆層が透明な場合、識別マーク31を、CNT被覆電線1の長さを認識するためのレングスマークとして使用することができる。
図5(c)は、中間層35の外表面において、CNT被覆電線1の長手方向33に向かって連続して識別マーク31を設けた例である。すなわち、図5(c)では、中間層の外表面において、識別マーク31は、CNT被覆電線1の長手方向における第1の端部から第2の端部まで延在する。図5(c)では例えば絶縁被覆層が透明な場合、識別マーク31が、CNT被覆電線1の温度変化又は応力変化に応じて色が変化する材料を含む態様を挙げることができる。この態様では、低温又は高温環境下や、高い応力の負荷によりCNT被覆電線1の特定部分が劣化した場合、該特定部位に位置する識別マーク31だけが、他の部位に位置する識別マーク31とは異なる色を呈する。従って、CNT被覆電線1の劣化部分を早期に検知して、その対応策をとることができる。また、図5(c)の他の例では、識別マーク31の線幅や色によって、CNT線材10の撚りの程度等のCNT被覆電線1に関する情報を示すことができる。更に、図5(c)の他の例では、絶縁被覆層が透明の場合、CNT被覆電線1のリサイクル時に識別マークに沿って絶縁被覆層を切断することができ、リサイクル処理を容易に行うことができる。
また、図5(d)は、中間層35の外表面に、バーコードを識別マーク31として設けた例であり、該バーコードにCNT被覆電線1に関する特定の情報を付与することができる。
図6のCNT被覆電線1では、絶縁被覆層21の全体にわたって蛍光物質39が分布している。また、蛍光物質39の量を多くすることにより、絶縁被覆層21全体がほぼ蛍光性を有することとなり、暗所において非常に高い識別性を有するCNT被覆電線1とすることができる。
(実施例1)
浮遊触媒気相成長(CCVD)法を用い、CNT製造装置の電気炉によって、1300℃に加熱された、内径φ60mm、長さ1600mmのアルミナ管内部に、炭素源であるデカヒドロナフタレン、触媒であるフェロセン、及び反応促進剤であるチオフェンを含む原料溶液を、スプレー噴霧により供給した。キャリアガスは、水素を9.5L/minで供給した。生成したCNTを連続的に巻き取りながら回収し、直径約100μm、長さ75mのCNT線材を得た。次に、得られたCNT線材を、大気下において500℃に加熱し、さらに酸処理を施すことによって高純度化を行った。その後、高純度化したCNT集合体に対し、硝酸ドープを施した。次に、押出成形機を用いて熱可塑性樹脂(ポリエチレンテレフタレート)を溶融させCNT線材の周りに押し出すことで、CNT線材の外表面上に20μmの中間層を被覆させた。次に、中間層の外表面上にバーコード貼付機によりバーコードを貼り付けた。この後、中間層の外表面上に、押出成形機を用いて熱可塑性樹脂(ポリプロピレン)を溶融させて押し出すことで厚さが20μmの透明な絶縁被覆層を被覆させ、最終的にCNT被覆電線を得た。得られたCNT被覆電線のバーコードをバーコードリーダーで読み取ったところ、正確にバーコードの情報を読み取ることができた。
1 カーボンナノチューブ被覆電線
10 カーボンナノチューブ線材
11 カーボンナノチューブ集合体
11a カーボンナノチューブ
21 絶縁被覆層
31 識別マーク
32 端部
33 長手方向
35 中間層

Claims (15)

  1. 複数のカーボンナノチューブで構成されるカーボンナノチューブ集合体の単数または複数からなるカーボンナノチューブ線材と、該カーボンナノチューブ線材を被覆する中間層と、該中間層を被覆する絶縁被覆層と、
    を備え、
    前記中間層は、識別マークを有する、カーボンナノチューブ被覆電線。
  2. 前記識別マークは、カプセルを含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
  3. 前記カプセルは、蛍光物質を含む、請求項2に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
  4. 前記識別マークは、蛍光物質を含むコア部と、シリカを含むシェル部とからなる、請求項1に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
  5. 前記識別マークは、タグを含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
  6. 前記識別マークは、前記カーボンナノチューブ被覆電線の温度変化又は応力変化に応じて色が変化する材料を含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
  7. 前記識別マークは、磁性材料を含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
  8. 前記識別マークは、メッキを含む、請求項1に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
  9. 前記識別マークは、前記中間層の外表面において、前記カーボンナノチューブ被覆電線の長手方向の少なくとも一方の端部に位置する、請求項1から8までの何れか1項に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
  10. 前記識別マークは、前記中間層の外表面において、前記カーボンナノチューブ被覆電線の長手方向における第1の端部から第2の端部まで延在する、請求項1から8までの何れか1項に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
  11. 前記中間層は、前記カーボンナノチューブ線材のバリを覆う、請求項1から10までの何れか1項に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
  12. 前記絶縁被覆層を構成する材料の屈折率nは1.5未満であり、前記絶縁被覆層の膜厚/(前記カーボンナノチューブ線材の線径+前記中間層の膜厚)は0.2未満である、請求項1から11までの何れか1項に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
  13. 前記絶縁被覆層を構成する材料の、JIS 7375:2008に規定する全光線透過率は75%以上であり、前記絶縁被覆層の膜厚/(前記カーボンナノチューブ線材の線径+前記中間層の膜厚)は0.2未満である、請求項1から11までの何れか1項に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
  14. 前記カーボンナノチューブ線材が、複数の前記カーボンナノチューブ集合体からなり、複数の該カーボンナノチューブ集合体の配向性を示す小角X線散乱によるアジマスプロットにおけるアジマス角の半値幅Δθが60°以下である、請求項1から13までの何れか1項に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
  15. 複数の前記カーボンナノチューブの密度を示すX線散乱による散乱強度の(10)ピークにおけるピークトップのq値が2.0nm−1以上5.0nm−1以下であり、且つ半値幅Δqが0.1nm−1以上2.0nm−1以下である、請求項1から14までの何れか1項に記載のカーボンナノチューブ被覆電線。
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