JP2019078624A - ボルト破断解析方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ボルトの破断現象を再現可能なボルト破断解析方法を得る。【解決手段】ボルト22及びナット24を締結してブラケット側板金10Aと車体側板金14Aとを接合した場合の、ボルト22の座面22Bからナット24の座面24Bまでのボルト22の軸部を弾塑性体30とみなし、応力の作用で弾塑性体30が塑性変形後、当該応力の集中により弾塑性体30の一部に弾塑性体30を破断させる破断節38が発生すると想定し、弾塑性体30が破断節38で破断する際に弾塑性体30の引張強度に係る項とせん断強度に係る項との和が1になる式(2)に基づき、弾塑性体30を破断させる破断荷重を算出し、破断と判定された場合には、弾塑性体30を弾塑性体34と弾塑性体36とに破断する。【選択図】図2
Description
本発明は、ボルト破断解析方法に関する。
車両の解体等の際においては、ワイヤハーネス等の配索部材が車体から取り外される。この場合、配索部材を車体から破断なく取り外すことが求められる。
配索部材は、ブラケットによって車体に配設され、ブラケットは車体との接触部位においてボルト及びナットで固定される。図6は、車体14にブラケット10が接合された部分を拡大して示す拡大斜視図である。図6に示したように、ブラケット10は矩形状の鋼板材にプレス加工等が施されることにより形成されており、例えば、車両の水平方向から見て略ハット型断面に形成されている。略ハット型断面の空間には配索部材12が配設され、ブラケット10は、上側接合部18でボルト22とナット24とによって、下側接合部20でボルト26とナット28とによって、車体14に取り付けられる。
重機を用いた車両の解体時には、車体14とブラケット10とを締結しているボルト22、26を破断させることにより、配索部材12を回収する。
しかしながら、配索部材12の破断耐力とボルト22、26の破断耐力とが拮抗する場合があり、重機を用いた解体作業で、ボルト22、26が破断せずに配索部材12が破断して、配索部材12を回収できない場合があった。
配索部材12を破断せずに車体14とブラケット10とを締結しているボルト22、26を破断するには、有限要素法(FEM)等を用いた構造解析により、ボルト22、26の変形をシミュレートすることが行われている。特許文献1には、ビームで表現したボルトのモデルに、初期締付力及び熱膨張等の条件を付与して、ボルトの変形及びボルトに作用する応力をシミュレートする構造物の解析方法の発明が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の後続物の解析方法の発明は、ボルトの変形及びボルトに作用する応力をシミュレートするものの、ボルトの破断現象を再現することができないという問題があった。
本発明は上記事実を考慮し、ボルトの破断現象を再現可能なボルト破断解析方法を得ることを目的とする。
請求項1記載のボルト破断解析方法は、ボルト及びナットで対象物を締結した場合の、前記ボルトの座面から前記ナットの座面までの前記ボルトの軸部を弾塑性体とみなし、応力の作用で前記弾塑性体が塑性変形後、該応力の集中により前記弾塑性体の一部に前記弾塑性体を破断させる破断節が発生すると想定し、前記弾塑性体が前記破断節で破断する際に前記弾塑性体の引張強度に係る項とせん断強度に係る項との和が1になる関係式に基づき、前記弾塑性体を破断させる破断荷重を算出し、破断と判定された場合には、前記ボルトを破断させる。
請求項1記載のボルト破断解析方法によれば、弾塑性体とみなしたボルトの軸部の一部に応力集中による破断節が発生すると想定し、当該破断節でボルトが破断する際に弾塑性体の引張強度に係る項とせん断強度に係る項との和が1になる関係式に基づき、弾塑性体であるボルトを破断させる。
本発明に係るボルト破断解析方法は、ボルトの破断現象を再現できるという効果を奏する。
図1は、本実施の形態におけるブラケット側板金10Aと車体側板金14Aとを接合するボルト22のモデルの一例を示した説明図である。図1に示したように、ボルト22は、ブラケット側板金10Aに設けられた孔部22Hと車体側板金14Aの孔部24Hとに挿通され、ナット24(図6)と共に締結されることにより、ブラケット側板金10Aと車体側板金14Aとを接合する。
鋼等の金属で構成されたボルト22は、応力が作用すると、弾性変形を開始し、当該応力が大きくなると塑性変形を開始する。さらに当該応力が大きくなると、ボルト22は破断する。
本実施の形態では、ボルト22を一種のばね又はビームである弾塑性体30とみなし、応力が作用してボルト22が破断する場合には、弾塑性体30の一部に応力が集中して破断節38が生じ、弾塑性体34と弾塑性体36とに破断する。
図2は、図1に示した本実施の形態におけるブラケット側板金10Aと車体側板金14Aとを接合するボルト22のモデルの矢印A方向から見た場合の概略図である。ボルト22及びナット24は、ブラケット側板金10Aの厚さと車体側板金14Aの厚さとの略合計であるボルト−ナット間距離Dでブラケット側板金10Aと車体側板金14Aとを接合する。ボルト−ナット間距離Dは、ボルト22の座面22Bからナット24の座面24Bまでのボルト22の軸部(首下)の長さでもある。
破断節38は、例外もあるが、ボルト−ナット間距離Dの一部、一例としてボルト−ナット間距離Dの略中間で発生しやすい。また、破断節38は、ボルト−ナット間距離Dに対して微小な距離ΔDの間で発生すると本実施の形態では想定する。距離ΔDは、様々な値が考えられるが、一例として0.02mmである。
また、破断節38によって弾塑性体30が破断する場合には、下記の式(1)の関係が認められる。
式(1)中の、Frは計算軸力であり、Fsは計算せん断力である。Fr及びFsは、共にボルト22の破断に係る計算値である。
式(1)中の、Frfailは引張荷重でボルト22が破断するか否かの閾値である軸力閾値であり、Fsfailはせん断による荷重でボルト22が破断するか否かの閾値であるせん断力閾値であり、pはボルト22の破断における計算軸力Frの寄与に係る軸力定数であり、qはボルト22の破断における計算せん断力Fsの寄与に係るせん断力定数である。式(1)中のFrfail、Fsfail、p及びqの各々はボルト22の仕様に固有の定数であり、後述するボルト破断基礎試験を通じて決定される。
また、実物のボルト22が破断する状態では、式(1)の両辺を等号で結んだ下記の式(2)の関係が認められる。
ここで式(1)、(2)の意味について説明する。式(1)、(2)の左辺において、第1項はボルト22の引張強度に係る項であり、第2項はボルト22のせん断強度に係る項である。ボルト22が破断する状態では、ボルト22の引張強度に係る項とボルト22のせん断強度に係る項との和が1に等しくなる。
仮に、ボルト22に引張荷重W1(図3)が作用し、せん断による荷重W2、W3(図4)及び剥離荷重W4(図5)が作用しないのであれば、ボルト22が破断する状態では、|Fr|=Frfailかつ|Fs|=0であり、p=1である。また、仮に、ボルト22に後述するせん断による荷重W2、W3が作用し、引張荷重W1及び剥離荷重W4が作用しないのであれば、ボルト22が破断する状態では、|Fr|=0かつ|Fs|=Fsfailであり、q=1である。
しかしながら重機による車両解体作業でのボルト22の破断では、引張荷重W1のみ、またはせん断による荷重W2、W3のみがボルト22に作用することはあり得ず、引張荷重W1、せん断による荷重W2、W3さらには剥離荷重W4の各々がボルト22には作用する。
本実施の形態では、ボルト22の破断における、計算軸力Frの寄与の程度を冪指数である軸力定数pで、計算せん断力Fsの寄与の程度を冪指数であるせん断力定数qで、各々調整することにより、重機を用いた車両解体作業におけるボルト22の破断荷重を算出する。
本実施の形態では、ボルト22の仕様(M6−6.8、M8−8.8等)毎にボルト破断基礎試験を行って、Frfail、Fsfail、p及びqの各々の定数を決定する。後述するように、本実施の形態におけるボルト破断基礎試験は、引張破断試験(図3)、せん断破断試験(図4)及び剥離破断試験(図5)の3つである。軸力閾値Frfailは引張破断試験の試験結果から、せん断力閾値Fsfailはせん断破断試験結果から、軸力定数p、せん断力定数qは剥離破断試験結果から、各々算出される。Frfail、Fsfail、p及びqの各々の定数の算出は、既知の計算手法に基づくものなので、詳細な説明は省略する。
本実施の形態では、決定した定数の各々を式(2)に適用して、ボルト22が破断するまでの弾塑性体34、36の特性を決定してもよい。例えば、式(2)を満たす計算軸力Fr及び計算せん断力Fsに至るまで、ボルト22に作用する軸力及びせん断力が増大するに従ってボルト22が塑性変形を始め、最終的には式(1)が示す状態に達し破断節38でボルト22が破断すると推計することができる。
図3は、引張破断試験の一例を示した概略図である。図3に示したように、引張破断試験では、引張治具40の孔部(図示せず)と固定治具42の孔部(図示せず)にボルト22を挿通し、ナット24を締結することにより引張治具40と固定治具42とを接合し、固定治具42を固定した状態で引張治具40に引張荷重W1を作用させる。
図4は、せん断破断試験の一例を示した概略図である。図4に示したように、せん断破断試験では、引張治具44の孔部44Hと引張治具46の孔部46Hにボルト22を挿通し、ナット24を締結することにより引張治具44と引張治具46とを接合する。そして、図4に示した状態で、引張治具44に荷重W2を、引張治具46に荷重W3を、各々作用させる。
図5は、剥離破断試験の一例を示した概略図である。図5に示したように、剥離破断試験では、引張治具48の孔部(図示せず)と固定治具50の孔部(図示せず)にボルト22を挿通し、ナット24を締結することにより引張治具48と固定治具50とを接合し、固定治具50を固定した状態で引張治具48に剥離荷重W4を作用させる。
以上説明したボルト破断基礎試験により、ボルト22の仕様に固有の定数であるFrfail、Fsfail、p及びqの各々を決定する。
下記にボルト22がM8−8.8の場合の式(1)の一例を示す。下記の式(3)で示したように、p=0.6、q=1.6であり、軸力閾値Frfail=32.6kN、せん断力閾値Fsfail=23.8kNである。
本実施の形態では、Frfail、Fsfail、p及びqの各々の定数をボルト22の仕様毎に算出してライブラリ化することにより、多様な仕様のボルト22の破断荷重を算出して、ボルト22の破断現象を再現する。
以上説明したように、本実施の形態では、ボルト22のモデルにおいて、ボルト22をばね又はビームのような弾塑性体34、36とみなすと共に、弾塑性体34、36に応力が集中する破断節38を想定し、破断節38で、破断した状態を式(1)で示すことにより、ボルトの破断現象を再現することができる。
本実施の形態に係るボルト破断解析方法では、車両解体時を想定したが、車両の衝突解析に本実施の形態に係るボルト破断解析方法を適用してもよい。例えば、衝突解析で板金間等を接合するボルトの破断が問題となる場合は、本実施の形態に係るボルト破断解析方法の適用が考えられる。
衝突解析で用いられる微分方程式の解法には、有限要素法の一種である陽解法が用いられる場合があるが、陽解法は演算負荷が大きく、演算処理に時間がかかるという難点がある。本実施の形態に係るボルト破断解析方法を適用すればボルトの破断荷重の算出が容易となり、衝突解析における全体の演算処理を軽減し、計算時間を短縮することが可能になる。
また、本実施の形態に係るボルト破断解析方法は、車体の強度解析に適用してもよい。例えば、車体の強度解析で板金間等を接合するボルトの破断が問題となる場合は、本実施の形態に係るボルト破断解析方法の適用が考えられる。車体の強度解析で用いられる微分方程式の解法には、有限要素法の一種である陰解法が用いられる場合があるが、本実施の形態に係るボルト破断解析方法を適用すればボルトの破断荷重の算出が容易となり、強度解析における全体の演算処理を軽減し、計算時間を短縮することが可能になる。
なお、特許請求の範囲に記載のボルトはボルト22に、同ナットはナット24に、同弾塑性体は弾塑性体30、34、36に、同破断節は破断節38に、同関係式は式(2)に各々対応する。
10A ブラケット側板金
14A 車体側板金
22 ボルト
22B 座面
24 ナット
24B 座面
30、34、36 弾塑性体
38 破断節
Fr 計算軸力
Frfail 軸力閾値
Fs 計算せん断力
Fsfail せん断力閾値
p 軸力定数
q せん断力定数
14A 車体側板金
22 ボルト
22B 座面
24 ナット
24B 座面
30、34、36 弾塑性体
38 破断節
Fr 計算軸力
Frfail 軸力閾値
Fs 計算せん断力
Fsfail せん断力閾値
p 軸力定数
q せん断力定数
Claims (1)
- ボルト及びナットで対象物を締結した場合の、前記ボルトの座面から前記ナットの座面までの前記ボルトの軸部を弾塑性体とみなし、応力の作用で前記弾塑性体が塑性変形後、該応力の集中により前記弾塑性体の一部に前記弾塑性体を破断させる破断節が発生すると想定し、前記弾塑性体が前記破断節で破断する際に前記弾塑性体の引張強度に係る項とせん断強度に係る項との和が1になる関係式に基づき、前記弾塑性体を破断させる破断荷重を算出し、破断と判定された場合には、前記ボルトを破断させるボルト破断解析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017205520A JP2019078624A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | ボルト破断解析方法 |
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JP2017205520A JP2019078624A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | ボルト破断解析方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2019078624A true JP2019078624A (ja) | 2019-05-23 |
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JP2017205520A Pending JP2019078624A (ja) | 2017-10-24 | 2017-10-24 | ボルト破断解析方法 |
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2017
- 2017-10-24 JP JP2017205520A patent/JP2019078624A/ja active Pending
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