JP2019078269A - エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】インタークーラを加温して凝縮水の生成を効果的に抑制する。【解決手段】正逆転切替可能な電動ポンプ42で圧送された冷却水が循環するインタークーラ冷却回路40上に、エンジン2の吸気通路25上に設けられる水冷インタークーラ28と、吸気通路25を流れる吸気を過給するターボチャージャ27と、ラジエータ41とをこの順に設ける。また、制御装置1が、水冷インタークーラ28に流入する吸気の吸気温度Tiが所定値Ti0よりも高い場合には吸気温度Tiが高いほど高回転で電動ポンプ42を正転させ、吸気温度Tiが所定値Ti0未満の場合には吸気温度Tiが低いほど高回転で電動ポンプ42を逆転させる。【選択図】図1

Description

本発明は、吸気通路に設けられた水冷インタークーラを冷却するための冷却回路を備えたエンジンに関する。
従来、エンジンを冷却する冷却回路とは別に、エンジンの吸気通路に設けられた水冷インタークーラ(以下、インタークーラという)を冷却する冷却回路を備えたエンジンが知られている。すなわち、エンジン本体に形成されるウォータジャケットを含むエンジン冷却回路とは別系統の、インタークーラ冷却回路を備えたエンジンである。このようなインタークーラ冷却回路には、インタークーラの他に、電動ポンプやラジエータが介装され、ラジエータで冷却された冷却水が電動ポンプで圧送される。また、エンジン冷却回路とインタークーラ冷却回路とで熱交換を行い、エンジンの暖機を促進するようにした技術も提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2014−118910号公報
ところで、インタークーラで吸気が冷却されると、吸気に含まれる水蒸気が凝縮して水(以下、凝縮水という)が生成されることが知られている。生成された凝縮水がインタークーラの表面に付着すると、熱交換率が下がり吸気冷却性能が低下するおそれがある。また、凝縮水がインタークーラ内に溜まった状態で過給圧が上昇した場合に、吸気と共に凝縮水が筒内へ導入されて燃焼安定性の低下やエンジンの耐久信頼性の低下といった不具合を招く可能性がある。なお、この凝縮水はインタークーラ内が低温であるほど生成量が多くなることから、インタークーラ内の温度が低くならない構成とすることが望ましい。
本件は、このような課題に鑑み案出されたもので、インタークーラ冷却回路を備えたエンジンに関し、インタークーラを加温して凝縮水の生成を効果的に抑制することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示するエンジンは、正転と逆転とを切り替え可能な電動ポンプを介装し、前記電動ポンプで圧送された冷却水が循環するインタークーラ冷却回路と、エンジンの吸気通路上に設けられるとともに、前記インタークーラ冷却回路上に介装されて前記電動ポンプの正転時に前記電動ポンプの下流側に位置する水冷インタークーラと、前記インタークーラ冷却回路上に介装されて前記正転時に前記水冷インタークーラの下流側に位置し、前記吸気通路を流れる吸気を過給するターボチャージャと、前記インタークーラ冷却回路上に介装されて前記正転時に前記電動ポンプの上流側に位置するラジエータと、を備える。さらに、前記エンジンは、前記水冷インタークーラに流入する吸気の吸気温度が所定値よりも高い場合には前記吸気温度が高いほど高回転で前記電動ポンプを正転させ、前記吸気温度が前記所定値未満の場合には前記吸気温度が低いほど高回転で前記電動ポンプを逆転させる制御装置を備える。
(2)前記制御装置は、前記ターボチャージャの軸受部に供給される潤滑油の油温が所定油温以上の場合には、前記電動ポンプの逆転を禁止することが好ましい。
(3)前記制御装置は、前記油温が前記所定油温以上の場合に、前記電動ポンプの回転数を予め設定された最小回転数以上に制御することが好ましい。
(4)前記制御装置は、前記油温が高いほど前記電動ポンプの回転数を高くすることが好ましい。
(5)前記エンジンは、排気通路と前記ターボチャージャよりも上流側の前記吸気通路とを連通するEGR通路と、前記EGR通路上に設けられて前記EGR通路を流通する還流ガスを冷却するとともに、前記インタークーラ冷却回路上に介装されて前記正転時に前記ターボチャージャの下流側に位置するEGRクーラと、を備えることが好ましい。この場合、前記制御装置は、前記還流ガスの流量が所定量以上の場合に前記電動ポンプを逆転させていれば、前記吸気温度に対する前記電動ポンプの回転数を上昇させることが好ましい。
(6)また、上記の場合、前記制御装置は、前記還流ガスの流量が前記所定量以上の場合に前記電動ポンプを正転させていれば、前記吸気温度に対する前記回転数を減少させることが好ましい。
(7)前記所定値は、前記水冷インタークーラに導入される吸気の湿度が高いほど高い値に設定されることが好ましい。
開示のエンジンによれば、吸気温度が所定値よりも高い場合には、吸気温度が高いほど高回転で電動ポンプを正転させるため、吸気温度が高いときにはラジエータで冷やされた冷却水を水冷インタークーラへ送って吸気を冷却することができる。これにより、充填効率を高めることができるとともに、水冷インタークーラの下流側に設けられるターボチャージャも冷却することができる。他方で、吸気温度が所定値未満の場合には、吸気温度が低いほど高回転で電動ポンプを逆転させるため、ターボチャージャの排熱を利用して水冷インタークーラを加温することができる。これにより、凝縮水の生成を効果的に抑制することができる。
第一実施形態に係るエンジンを示す模式図であり、電動ポンプの正転時を示す。 図1の制御装置で用いられるマップの一例である。 図1の制御装置による制御手順を示すフローチャート例である。 第二実施形態に係るエンジンを示す模式図であり、電動ポンプの正転時を示す。 図4の制御装置で用いられるマップの一例である。 図4の制御装置による制御手順を示すフローチャート例である。 第二実施形態の変形例に係るエンジンを示す模式図であり、電動ポンプの正転時を示す。
図面を参照して、実施形態としてのエンジンについて説明する。以下に示す各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の各実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。
[1.第一実施形態]
[1−1.装置構成]
本実施形態では、車両に搭載されたガソリンエンジン2(以下、エンジン2という)を例示する。図1には、多気筒のエンジン2に設けられた複数のシリンダ3のうちの一つを示すが、他のシリンダ3も同様の構成である。シリンダ3内にはピストン4が摺動自在に内装され、ピストン4の往復運動がコネクティングロッドを介してクランクシャフト5の回転運動に変換される。
シリンダ3の頂面には吸気ポート12及び排気ポート13が設けられる。吸気ポート12の開口には吸気弁14が設けられ、排気ポート13の開口には排気弁15が設けられる。吸気ポート12と排気ポート13との間には、点火プラグ8がその先端を燃焼室側に突出させた状態で設けられる。エンジン2には、シリンダ3への燃料供給用のインジェクタとして、シリンダ3内に直接的に燃料を噴射する筒内噴射弁(直噴インジェクタ)6と、吸気ポート12内に燃料を噴射するポート噴射弁(ポート噴射インジェクタ)7とが設けられる。
筒内噴射弁6は、高圧燃料供給路10Aを介して高圧ポンプ11Aに接続される。一方、ポート噴射弁7は、低圧燃料供給路10Bを介して低圧ポンプ11Bに接続される。筒内噴射弁6には、ポート噴射弁7よりも高圧の燃料が供給される。高圧ポンプ11A及び低圧ポンプ11Bはともに、燃料を圧送するための機械式の流量可変型ポンプであり、エンジン2や電動機などから駆動力の供給を受けて作動して燃料タンク9内の燃料を各供給路10A,10Bに吐出する。
シリンダ3の周囲には、その内部をエンジン冷却水が流通するウォータジャケット16が設けられる。エンジン冷却水はエンジン2を冷却するための冷媒であり、ウォータジャケット16とメインラジエータ21との間を環状に接続するエンジン冷却回路20内を流通している。図1では、エンジン冷却回路20を太矢印で示す。エンジン冷却回路20上には、エンジン2の回転により駆動されるウォータポンプ22が介装される。なお、エンジン冷却回路20は後述のスロットル弁29を内蔵するスロットルボディを経由することで、スロットル弁29を加温する機能も有する。
吸気ポート12の上流側にはインテークマニホールド23(以下、インマニ23という)が設けられる。このインマニ23には吸気ポート12側へと流れる空気を一時的に溜めるためのサージタンク24が設けられる。インマニ23の上流端には吸気通路25が接続される。吸気通路25の最も上流側にはエアフィルタ26が設けられ、エアフィルタ26で濾過された新気が吸気通路25に導入される。
一方、排気ポート13の下流側にはエキゾーストマニホールド30(以下、エキマニ30という)が設けられる。このエキマニ30の下流端には排気通路31が接続され、排気通路31には排気浄化装置32が介装される。排気浄化装置32は、例えば三元触媒が内蔵されて構成される。
また、このエンジン2の吸排気系には、排気圧を利用してシリンダ3内に吸気を過給するターボチャージャ27が設けられる。ターボチャージャ27は、インタークーラ28よりも上流側の吸気通路25と、排気浄化装置32よりも上流側の排気通路31との両方にまたがって介装された過給機である。ターボチャージャ27は、排気通路31内の排気圧でタービンを回転させ、その回転力を利用してコンプレッサを駆動することにより、吸気通路25側の吸気を圧縮してエンジン2への過給を行う。ターボチャージャ27のタービンとコンプレッサとを連結したシャフトを回転可能に支持する軸受部(何れも図示略)には、潤滑油が供給される。
ターボチャージャ27のコンプレッサよりも下流側の吸気通路25には、吸気を冷却するインタークーラ28が設けられる。インタークーラ28は水冷式の熱交換器(水冷インタークーラ)であり、図中白抜き矢印で示すインタークーラ冷却回路40上に介装される。インタークーラ冷却回路40は、エンジン冷却回路20とは別系統で設けられた冷却水循環路であり、インタークーラ28とラジエータ41との間を環状に接続する。インタークーラ冷却回路40上には、電動式のウォータポンプ42(以下、電動ポンプ42という)が介装される。
電動ポンプ42は、正転と逆転とを切り替え可能なポンプである。電動ポンプ42の正転時では、図中白抜き矢印で示すように、電動ポンプ42から圧送された冷却水がインタークーラ28,ターボチャージャ27,ラジエータ41の順に流れて、電動ポンプ42へと戻る。すなわち、インタークーラ冷却回路40上には、電動ポンプ42の正転時において、電動ポンプ42の上流側にラジエータ41が位置し、電動ポンプ42の下流側にインタークーラ28が位置し、さらにその下流側にターボチャージャ27が位置する。
電動ポンプ42の逆転時では、電動ポンプ42から圧送された冷却水が正転時とは反対向きに流れる。すなわち、電動ポンプ42から圧送された冷却水は、ラジエータ41,ターボチャージャ27,インタークーラ28の順に流れて、電動ポンプ42へと戻る。電動ポンプ42の正転と逆転との切り替え及びその回転数(以下、ポンプ回転数Npという)は、後述の制御装置1で制御される。
なお、吸気通路25のインタークーラ28よりも下流側には、吸気を絞るスロットル弁29が介装される。
インタークーラ28には、インタークーラ28に流入する吸気の温度(以下、吸気温度Tiという)を検出する吸気温センサ36と、インタークーラ28に流入する吸気の湿度Hを検出する湿度センサ37とが設けられる。また、ターボチャージャ27の軸受部には、タービン出口における潤滑油の油温Tt(タービン出口油温)を検出する油温センサ38が設けられる。なお、エンジン2には、吸気の圧力を検出する圧力センサ,吸気の流量を検出するエアフローセンサ,吸気や排気の空燃比を検出する空燃比センサ等(何れも図示略)も設けられる。これらの各センサ36〜38等で検出された各情報は、制御装置1へ伝達される。
車両には、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成された制御装置1(Engine Electronic Control Unit)が設けられる。この制御装置1は、エンジン2に関する点火系,燃料系及び吸排気系といった広汎なシステムを制御する電子制御装置である。制御装置1の具体的な制御対象としては、点火プラグ8での点火のタイミング,筒内噴射弁6及びポート噴射弁7から噴射される各燃料量や噴射時期,スロットル弁29の開度,電動ポンプ42の作動等が挙げられる。
[1−2.制御構成]
本実施形態では、インタークーラ28での凝縮水の生成を抑制するために、電動ポンプ42の作動を制御する。以下、この制御をポンプ制御という。インタークーラ28において吸気が冷却されると、吸気に含まれる水蒸気が凝縮して水(凝縮水)が生成される。この凝縮水は、インタークーラ28内の温度が低いほど多く生成されることから、エンジン2ではポンプ制御を実施することで、ターボチャージャ27の排熱を利用してインタークーラ28を加温する。このポンプ制御は制御装置1が実施する。
ポンプ制御では、吸気温度Tiに応じて電動ポンプ42の正転と逆転とが切り替えられるとともにポンプ回転数Npが制御される。電動ポンプ42の正転時(通常運転時)には、ラジエータ41で冷却された冷却水がインタークーラ28へと供給されて、吸気が冷却される。このときポンプ回転数Npを増大させればインタークーラ冷却回路40を流通する冷却水の流量が増大するため、吸気をより冷却することができる(冷却量が増す)。反対にポンプ回転数Npを減少させれば、冷却量が減る。
これに対し、電動ポンプ42の回転方向を逆転させると、ラジエータ41で冷却された冷却水はターボチャージャ27へと供給され、ターボチャージャ27の排熱によって温度上昇したのち、インタークーラ28へと供給される。すなわち、電動ポンプ42の逆転時には、温度上昇した冷却水がインタークーラ28に供給されることになり、インタークーラ28が加温される。このときポンプ回転数Npを増大させれば、インタークーラ冷却回路40を流通する冷却水の流量が増大するため、インタークーラ28をより加温することができる(加温量が増す)。反対にポンプ回転数Npを減少させれば、加温量が減る。
制御装置1は、吸気温センサ36で検出された吸気温度Tiが所定値Ti0よりも高い場合に、吸気温度Tiが高いほど高回転で電動ポンプ42を正転させ、吸気温度Tiがこの所定値Ti0よりも低い場合に、吸気温度Tiが低いほど高回転で電動ポンプ42を逆転させる。すなわち、制御装置1は、電動ポンプ42の回転方向を吸気温度Tiと所定値Ti0との大小関係に応じて切り替え、ポンプ回転数Npを吸気温度Tiと所定値Ti0との差の絶対値が大きいほど高くする。なお、制御装置1は、吸気温度Tiが所定値Ti0と等しい場合には電動ポンプ42を停止させる(ポンプ回転数Npをゼロとする)。以下、この制御を基本ポンプ制御ともいう。
所定値Ti0は、電動ポンプ42の回転方向を切り替えるための切替温度である。すなわち、所定値Ti0は、インタークーラ28の冷却を止めて加温を開始する加温開始温度であるとともに、インタークーラ28の加温を止めて冷却を開始する冷却開始温度であるともいえる。本実施形態の所定値Ti0は、吸気の湿度Hに応じて設定される。湿度Hが高い(吸気中に含まれる水蒸気量が多い)ほど凝縮水が生成され始める温度が高くなることから、本実施形態の所定値Ti0は湿度Hが高いほど高い値に設定される。すなわち、湿度Hが高いほど、より高い吸気温度Tiで電動ポンプ42の回転方向を切り替えることになる。
また、本実施形態のポンプ制御では、油温Ttが所定油温Tt0以上の場合には、電動ポンプ42の逆転が禁止されるとともに吸気温度Tiに応じてポンプ回転数Npが制御される。所定油温Tt0は、ターボチャージャ27の軸受部を積極的に冷却した方がよい温度であり、予め設定されている。つまり、油温Ttが所定油温Tt0以上のときは、ターボチャージャ27が高回転で駆動しているため、電動ポンプ42の逆転を禁止して、インタークーラ28の加温よりもターボチャージャ27の冷却を優先させる。なお、油温Ttが所定油温Tt0未満のときは、上述したように吸気温度Tiのみに応じた基本ポンプ制御が実施される。以下、Tt≧Tt0の場合に実施されるポンプ制御を第一ポンプ制御ともいう。
制御装置1は、油温センサ38で検出された油温Ttが所定油温Tt0以上の場合には、電動ポンプ42の逆転を禁止する。すなわち、油温Ttが所定油温Tt0以上であれば、吸気温度Tiが所定値Ti0より低い場合であっても、電動ポンプ42を逆転させずに、正転を維持する。この場合(Tt≧Tt0かつTi<Ti0の場合)、制御装置1はポンプ回転数Npを最小回転数Npminに制御する。
また、制御装置1は、油温Ttが所定油温Tt0以上であって吸気温度Tiが所定値Ti0以上の場合には、ポンプ回転数Npを最小回転数Npmin以上に制御するとともに、吸気温度Tiが高いほど高回転で電動ポンプ42を正転させる。なお、最小回転数Npminは、ゼロよりも大きい値であり、例えばインタークーラ冷却回路40の通水抵抗やターボチャージャ27の冷却性能等を考慮して予め設定される。また、吸気温度Tiに対するポンプ回転数Npの変化率は、例えば基本ポンプ制御時のそれと同一に設定される。したがって、制御装置1は、この場合(Tt≧Tt0かつTi≧Ti0の場合)には、ポンプ回転数Npを、同じ吸気温度Tiにおける基本ポンプ制御でのポンプ回転数Npよりも高回転に制御する。
本実施形態の制御装置1は、図2に示すようなマップを用いてポンプ制御を実施する。図2のマップは、横軸に吸気温度Ti,縦軸にポンプ回転数Npをとったものであり、吸気温度Tiに対するポンプ回転数Npが設定されている。横軸上はポンプ回転数Npをゼロに制御することを意味し、横軸よりも上の領域は電動ポンプ42を正転させることを意味し、横軸よりも下の領域は電動ポンプ42を逆転させることを意味する。
図2のマップには、基本ポンプ制御に対応する基本グラフ(実線)と、第一ポンプ制御に対応する第一グラフ(一点鎖線)とが設定されている。基本グラフは、吸気温度Tiが所定値Ti0のときにポンプ回転数Npがゼロとなり、かつ、所定の正の傾きを持った一次関数として設定されている。一方、第一グラフは、吸気温度Tiが所定値Ti0以下のときにポンプ回転数Npが最小回転数Npminに設定され、吸気温度Tiが所定値Ti0よりも高いときにポンプ回転数Npが基本グラフと同一の傾きを持った一次関数として設定されている。
制御装置1は、図2に示すようなマップ(基本グラフ及び第一グラフ)を湿度H毎に有している。言い換えると、制御装置1には、湿度H毎に設定された複数のマップが予め記憶されている。複数のマップは、湿度Hが高いほど所定値Ti0が高くなり、湿度Hが低いほど所定値Ti0が低くなるように、基本グラフ及び第一グラフが平行移動して設定されている。制御装置1は、複数のマップの中から湿度Hに応じたマップを選択し、油温センサ38で検出された油温Ttが所定油温Tt0以上であれば第一グラフを選択し、油温Ttが所定油温Tt0未満であれば基本グラフを選択する。
例えば、制御装置1が湿度Hに応じて図2のマップを選択したとする。この場合に、油温Ttが所定油温Tt0未満のときは、制御装置1は基本グラフを選択し、吸気温度Tiが所定値Ti0よりも高い温度Ti1であれば電動ポンプ42をポンプ回転数Np1で正転させる。反対に、吸気温度Tiが所定値Ti0よりも低い温度Ti2であれば、制御装置1はマイナスのポンプ回転数Np2(-Np2)を取得することから、電動ポンプ42をポンプ回転数Np2で逆転させる。
また、油温Ttが所定油温Tt0以上のときは、制御装置1は第一グラフを選択し、吸気温度Tiが所定値Ti0よりも高い温度Ti1であれば電動ポンプ42をポンプ回転数Np1′で正転させる。反対に、吸気温度Tiが所定値Ti0よりも低い温度Ti2であれば、制御装置1は電動ポンプ42をポンプ回転数Npminで正転させる。
[1−3.フローチャート]
図3は、ポンプ制御の手順を例示するフローチャートである。図3のフローは、例えば車両のメイン電源がオンのときに、制御装置1において所定の演算周期で繰り返し実行される。
制御装置1では、各センサ36〜38で検出された各情報(センサ値)が取得され(ステップS1)、複数のマップの中から湿度Hに応じたマップが選択される(ステップS2)。油温Ttが所定油温Tt0以上であるとき(ステップS3)、選択されたマップから第一グラフが選択される(ステップS4)。
そして、吸気温度Tiがマップの第一グラフに適用されて、ポンプ回転数Npが取得され(ステップS5)、取得されたポンプ回転数Npで電動ポンプ42が制御される(ステップS6)。すなわち、油温Ttが所定油温Tt0以上であるときは、マップから第一グラフが選択されることで、第一ポンプ制御が実施される。
一方、油温Ttが所定油温Tt0未満であれば、選択されたマップから基本グラフが選択される(ステップS9)。そして、吸気温度Tiがマップの基本グラフに適用されて、ポンプ回転数Npが取得され(ステップS5)、取得されたポンプ回転数Npで電動ポンプ42が制御される(ステップS6)。すなわち、油温Ttが所定油温Tt0未満であるときは、マップから基本グラフが選択されることで、基本ポンプ制御が実施される。
[1−4.効果]
(1)上述のエンジン2では、吸気温度Tiが所定値Ti0よりも高い場合には、吸気温度Tiが高いほど高回転で電動ポンプ42を正転させるため、吸気温度Tiが高いときにはラジエータ41で冷やされた冷却水をインタークーラ28へ送って吸気を冷却することができる。これにより、充填効率を高めることができるとともに、インタークーラ28の下流側に設けられるターボチャージャ27も冷却することができる。他方で、吸気温度Tiが所定値Ti0未満の場合には、吸気温度Tiが低いほど高回転で電動ポンプ42を逆転させるため、ターボチャージャ27の排熱を利用してインタークーラ28を加温することができる。これにより、凝縮水の生成を効果的に抑制することができる。
(2)上述のエンジン2では、油温Tiが所定油温Ti0以上の場合に電動ポンプ42の逆転が禁止される。すなわち、油温Ttが所定油温Tt0以上のときは、電動ポンプ42の逆転が禁止されてターボチャージャ27の冷却が優先されるため、ターボチャージャ27を適切に保護することができる。
(3)上述のエンジン2では、油温Ttが所定油温Tt0以上の場合に、ポンプ回転数Npを最小回転数Npmin以上に制御するため、ターボチャージャ27をより適切に冷却でき、保護性を高めることができる。
特に、本実施形態のエンジン2では、油温Ttが所定油温Tt0以上であって吸気温度Tiが所定値Ti0以上の場合には、ポンプ回転数Npを最小回転数Npmin以上に制御するとともに、吸気温度Tiが高いほど高回転で電動ポンプ42を正転させる。これにより、ターボチャージャ27の冷却性を高めつつ、吸気も適切に冷却することができる。
(4)また、インタークーラ28に流入する吸気の湿度Hが高いほど、吸気中に含まれる水蒸気量が多いことから凝縮水が生成されやすい。これに対し、上述のエンジン2では、電動ポンプ42の正転と逆転とを切り替えるときの吸気温度Tiである所定値Ti0を、湿度Hが高いほど高い値に設定するため、凝縮水の生成をより効果的に抑制することができる。
[2.第二実施形態]
[2−1.構成]
次に、第二実施形態に係るエンジン2′について、図4〜図6を用いて説明する。本実施形態のエンジン2′は、排気通路31を流通する排気を吸気通路25へ還流させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)通路33を備えるとともに、EGR通路33を流通する排気(以下、還流ガスという)の流量をポンプ制御に考慮する点で、上述の第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と同様の構成については第一実施形態と同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図4に示すように、EGR通路33は、排気浄化装置32の下流側の排気通路31とターボチャージャ27のコンプレッサよりも上流側の吸気通路25とを連通する。EGR通路33上には、還流ガスを冷却するEGRクーラ34と、吸気通路25に導入される還流ガスの流量(以下、EGR量Qという)を調節するEGR弁35とが設けられる。EGR量Qは、EGR弁35の開度が大きいほど増加し、開度がゼロ(閉弁)のときにゼロとなる。EGR弁35の開度は制御装置1で制御される。
EGRクーラ34は、図中白抜き矢印で示すインタークーラ冷却回路40′上に介装され、電動ポンプ42の正転時において、ターボチャージャ27の下流側であってラジエータ41の上流側に位置する。すなわち、電動ポンプ42の正転時では、電動ポンプ42から圧送された冷却水がインタークーラ28,ターボチャージャ27,EGRクーラ34,ラジエータ41の順に流れて、電動ポンプ42へと戻る。反対に、電動ポンプ42の逆転時では、電動ポンプ42から圧送された冷却水がラジエータ41,EGRクーラ34,ターボチャージャ27,インタークーラ28の順に流れて、電動ポンプ42へと戻る。
EGR通路33には、EGR弁35の上下流の圧力差ΔPを検出する差圧センサ39が設けられ、差圧センサ39で検出された情報も制御装置1へと伝達される。
本実施形態のエンジン2′では、EGR通路33から流入する還流ガスと新気とが混合された吸気(混合気)が吸気ポート12に導入される。このように吸気中に還流ガスが混合されることで、過度の排気温度上昇やNOxの排出量が抑制される。一方で、還流ガスには燃焼によって生じた水蒸気が含まれているため、還流ガスを含む吸気がインタークーラ28において冷却されると、凝縮水の生成量が増大しうる。
そこで、本実施形態の制御装置1は、EGR量Qが多い場合には、吸気の冷やしすぎを防止するポンプ制御を実施して、凝縮水の生成量を抑制する。具体的には、制御装置1は、EGR量Qが所定量Q0以上の場合に電動ポンプ42を正転させていれば、吸気温度Tiに対するポンプ回転数Npを減少させる。反対に、EGR量Qが所定量Q0以上の場合に電動ポンプ42を逆転させていれば、吸気温度Tiに対するポンプ回転数Npを上昇させる。以下、このポンプ制御を第二ポンプ制御ともいう。すなわち、第二ポンプ制御では、電動ポンプ42の正転時には冷却量が減らされ、電動ポンプ42の逆転時には加温量が増やされることから、回転方向にかかわらず凝縮水の生成が抑制される。
なお、制御装置1は、第二ポンプ制御では、基本ポンプ制御と同様に、吸気温度Tiが所定値Ti0よりも高い場合に、吸気温度Tiが高いほど高回転で電動ポンプ42を正転させ、吸気温度Tiがこの所定値Ti0よりも低い場合に、吸気温度Tiが低いほど高回転で電動ポンプ42を逆転させる。また、吸気温度Tiが所定値Ti0と等しい場合には電動ポンプ42を停止させる(ポンプ回転数Npをゼロとする)。つまり、制御装置1は、第二ポンプ制御においても、電動ポンプ42の回転方向を吸気温度Tiと所定値Ti0との大小関係に応じて切り替え、ポンプ回転数Npを吸気温度Tiと所定値Ti0との差の絶対値が大きいほど高くする。ただし、第二ポンプ制御では、基本ポンプ制御のときのポンプ回転数Npに比べて、正転時はポンプ回転数Npを低くし、逆転時はポンプ回転数Npを高くする。
第二ポンプ制御は、第一ポンプ制御を実施する場合を除いて実施されうる。言い換えると、第二ポンプ制御は、油温Ttが所定油温Tt0未満であり、かつ、EGR量Qが所定量Q0以上の場合に実施される。また、第一ポンプ制御は、油温Ttが所定油温Tt0以上であれば、EGR量にかかわらず実施される。基本ポンプ制御は、油温Ttが所定油温Tt0未満であり、かつ、EGR量Qが所定量Q0未満の場合に実施される。
制御装置1は、EGR弁35の開度と差圧センサ39で検出された圧力差ΔPとを用いてEGR量Qを推定し、推定したEGR量Qが所定量Q0以上の場合であって油温Ttが所定油温Tt0未満であれば、吸気温度Tiに応じて電動ポンプ42を制御する。なお、所定量Q0は、還流ガスに含まれうる水分量やインタークーラ28における凝縮水の生成されやすさ等に基づいて予め設定されている。
本実施形態の制御装置1は、図5に示すようなマップを用いてポンプ制御を実施する。図5のマップは、図2のマップに対して、第二ポンプ制御に対応する第二グラフ(破線)が追加されたものである。第二グラフは、吸気温度Tiが所定値Ti0のときにポンプ回転数Npがゼロとなり、かつ、吸気温度Tiが所定値Ti0以上では基本グラフよりも小さい正の傾きを持った一次関数として設定されるとともに、吸気温度Tiが所定値Ti0未満では基本グラフよりも大きい正の傾きを持った一次関数として設定されている。
本実施形態の制御装置1は、第一実施形態と同様、図5に示すようなマップ(基本グラフ,第一グラフ及び第二グラフ)を湿度H毎に有している。複数のマップは、湿度Hが高いほど所定値Ti0が高くなり、湿度Hが低いほど所定値Ti0が低くなるように、基本グラフ,第一グラフ及び第二グラフが平行移動して設定されている。制御装置1は、複数のマップの中から湿度Hに応じたマップを選択し、油温センサ38で検出された油温Ttが所定油温Tt0以上であれば第一グラフを選択する。また、油温Ttが所定油温Tt0未満であってEGR量Qが所定量Q0以上であれば第二グラフを選択し、油温Ttが所定油温Tt0未満であってEGR量Qが所定量Q0未満であれば基本グラフを選択する。
例えば、制御装置1が湿度Hに応じて図5のマップを選択したとする。この場合に、油温Ttが所定油温Tt0未満であってEGR量Qが所定量Q0以上のときは、制御装置1は第二グラフを選択する。そして、吸気温度Tiが所定値Ti0よりも高い温度Ti1であれば電動ポンプ42をポンプ回転数Np1″で正転させる。反対に、吸気温度Tiが所定値Ti0よりも低い温度Ti2であれば、制御装置1はマイナスのポンプ回転数Np2″(-Np2″)を取得することから、電動ポンプ42をポンプ回転数Np2″で逆転させる。
[2−2.フローチャート]
図6は、本実施形態のポンプ制御の手順を例示するフローチャートである。図6のフローは、例えば車両のメイン電源がオンのときに、制御装置1において所定の演算周期で繰り返し実行される。このフローは、図3のフローに対してステップS7及びS8を追加したものである。
制御装置1では、各センサ36〜39で検出された各情報(センサ値)が取得され(ステップS1)、複数のマップの中から湿度Hに応じたマップが選択される(ステップS2)。油温Ttが所定油温Tt0以上であるとき(ステップS3)、選択されたマップから第一グラフが選択される(ステップS4)。そして、吸気温度Tiがマップの第一グラフに適用されて、ポンプ回転数Npが取得され(ステップS5)、取得されたポンプ回転数Npで電動ポンプ42が制御される(ステップS6)。すなわち、油温Ttが所定油温Tt0以上であるときは、マップから第一グラフが選択されることで、第一ポンプ制御が実施される。
一方、油温Ttが所定油温Tt0未満であって、推定されたEGR量Qが所定量Q0以上であるとき(ステップS7)、選択されたマップから第二グラフが選択される(ステップS8)。そして、吸気温度Tiがマップの第二グラフに適用されて、ポンプ回転数Npが取得され(ステップS5)、取得されたポンプ回転数Npで電動ポンプ42が制御される(ステップS6)。すなわち、油温Ttが所定油温Tt0未満であってEGR量Qが所定量Q0以上であるときは、マップから第二グラフが選択されることで、第二ポンプ制御が実施される。
また、油温Ttが所定油温Tt0未満であってEGR量Qが所定量Q0未満であるときは、選択されたマップから基本グラフが選択される(ステップS9)。そして、吸気温度Tiがマップの基本グラフに適用されて、ポンプ回転数Npが取得され(ステップS5)、取得されたポンプ回転数Npで電動ポンプ42が制御される(ステップS6)。すなわち、油温Ttが所定油温Tt0未満であってEGR量Qが所定量Q0未満であるときは、マップから基本グラフが選択されることで、基本ポンプ制御が実施される。
[2−3.効果]
したがって、本実施形態のエンジン2′によっても、吸気温度Tiが所定値Ti0よりも高い場合には、吸気温度Tiが高いほど高回転で電動ポンプ42を正転させるため、吸気温度Tiが高いときにはラジエータ41で冷やされた冷却水をインタークーラ28へ送って吸気を冷却することができる。これにより、充填効率を高めることができるとともに、インタークーラ28の下流側に設けられるターボチャージャ27も冷却することができる。他方で、吸気温度Tiが所定値Ti0未満の場合には、吸気温度Tiが低いほど高回転で電動ポンプ42を逆転させるため、ターボチャージャ27の排熱を利用してインタークーラ28を加温することができる。これにより、凝縮水の生成を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態のエンジン2′では、制御装置1が、EGR量Qが所定量Q0以上の場合に電動ポンプ42を逆転させていれば、吸気温度Tiに対するポンプ回転数Npを上昇させる。これにより、EGR量Qが多く、かつ、吸気温度Tiが低い場合に、インタークーラ28の加温量を増やすことができるため、凝縮水の生成を効果的に抑制することができる。
さらに本実施形態のエンジン2′では、制御装置1が、EGR量Qが所定量Q0以上の場合に電動ポンプ42を正転させていれば、吸気温度Tiに対するポンプ回転数Npを減少させる。これにより、EGR量Qが多く、かつ、吸気温度Tiが高い場合に、インタークーラ28の冷却量を減らすことができるため、凝縮水の生成を効果的に抑制することができる。すなわち、本実施形態のエンジン2′であれば、電動ポンプ42の回転方向にかかわらず、吸気の冷えすぎを防止でき、凝縮水の生成を効果的に抑制することができる。
なお、第一実施形態と同様の構成からは、同様の作用効果を得ることができる。
[2−4.変形例]
第二実施形態のエンジン2′の変形例を図7に示す。本変形例のエンジン50は、多気筒のディーゼルエンジンである。すなわち、エンジン50のシリンダヘッドには筒内噴射弁6が設けられ、図示しない高圧ポンプで圧送された燃料が筒内噴射弁6から燃料室内に直接噴射される。
また、このエンジン50の排気浄化装置32′は、触媒32Aとフィルタ32Bとが内蔵されて構成される。触媒32Aは、排気中に含まれる炭化水素(HC)成分や一酸化炭素(CO),窒素酸化物(NOx)等を浄化する機能を持ち、例えば酸化触媒である。一方、フィルタ32Bは、排気中に含まれる粒子状物質を捕集する多孔質フィルタである。エンジン50は、これらの構成を除いて、上述のエンジン2′と同様の構成を有する。したがって、図7に示すエンジン50によっても、上述のエンジン2′と同様の作用,効果を得ることができる。
[3.その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
上述した第一ポンプ制御の制御内容は一例であって、上述したものに限られない。例えば、Tt≧Tt0であってTi<Ti0の場合に、ポンプ回転数Npを最小回転数Npminで一定とする代わりに、吸気温度Tiが所定値Ti0以上のときよりも小さな変化率でポンプ回転数Npを減少させるようにしてもよい。
また、Tt≧Tt0であってTi≧Ti0の場合に、吸気温度Tiが高いほどポンプ回転数Npが高くすることに加えて、油温Ttが高いほどポンプ回転数Npを高くするような制御内容としてもよい。すなわち、制御装置1が、Tt≧Tt0の場合には、電動ポンプ42の逆転を禁止するとともに、油温Ttが高いほど電動ポンプ42を高回転で正転させる構成としてもよい。この場合、ターボチャージャ27をより適切に冷却することができ、ターボチャージャ27の保護性を高めることができる。
また、Tt≧Tt0であってTi≧Ti0の場合に、吸気温度Tiに対するポンプ回転数Npの変化率が、基本ポンプ制御におけるそれと同一でなくてもよい。また、Tt≧Tt0のときに、所定値Ti0以外の温度Ti0′(Ti0′≠Ti0)を境界として、吸気温度Tiに対するポンプ回転数Npの変化率を変更してもよい。すなわち、基本ポンプ制御において正転と逆転とを切り替える温度(所定値Ti0)とは異なる温度を用いて、第一ポンプ制御を行ってもよい。例えば、Tt≧Tt0であってTi<Ti0′の場合に、ポンプ回転数Npを最小回転数Npminで一定としてもよいし、Ti<Ti0′のときとTi≧Ti0′のときとで変化率を変更してもよい。また、Tt≧Tt0であってTi≧Ti0′の場合に、ポンプ回転数Npを最小回転数Npmin以上に制御するとともに、吸気温度Tiが高いほど高回転で電動ポンプ42を正転させるようにしてもよい。
また、上述した第二ポンプ制御の制御内容も一例であって、上述したものに限られない。例えば、Tt<Tt0であってQ≧Q0のときに電動ポンプ42を正転させている場合、ポンプ回転数Npを減少させずに、基本ポンプ制御時のポンプ回転数Npを維持してもよい。この場合であっても、吸気温度Tiが低い場合にポンプ回転数Npを上昇させることで、加温量を増やすことができ、インタークーラ28での凝縮水の生成を抑制することができる。
なお、第一ポンプ制御及び第二ポンプ制御を省略し、吸気温度Tiに応じて電動ポンプ42を制御する基本ポンプ制御のみを行う構成としてもよい。あるいは、第一ポンプ制御を省略し、基本ポンプ制御と第二ポンプ制御とを行う構成としてもよい。後者の場合、油温センサ38を省略可能である。
また、上述の各実施形態では、制御装置1が図2及び図5に示すようなマップを用いてポンプ回転数Npを取得し、電動ポンプ42を制御する場合を例示したが、マップを使用せずに電動ポンプ42の回転方向及び回転数Npを制御する構成としてもよい。また、所定値Ti0を湿度Hに応じて変更しない構成としてもよい。
上述の各実施形態では、インタークーラ28に吸気温センサ36及び湿度センサ37が設けられているが、これらのセンサ36,37の位置はこれに限られない。吸気温センサ36は、少なくともターボチャージャ27の下流側であってインタークーラ28に流入する吸気の温度Tiを検出できる位置であればよい。また、湿度センサ37は、EGR通路33を有するエンジン2′であれば、EGR通路33の出口よりも下流側であって、インタークーラ28に流入する吸気の湿度Hを検出できる位置であればよい。なお、湿度HをEGRガス量Qから推定する構成とし、湿度センサ37を省略してもよい。
また、エンジン2,2′,50の構成は上記のものに限られない。例えば、第二実施形態のEGR通路33に加え、いわゆる高圧EGR通路が設けられたエンジンであってもよいし、スロットル弁29のないエンジンであってもよい。また、燃料噴射形態は特に限定されず、ポート噴射のみを行うエンジンであってもよいし、筒内噴射のみを行うエンジンであってもよい。
1 制御装置
2,2′,50 エンジン
25 吸気通路
27 ターボチャージャ
28 インタークーラ(水冷インタークーラ)
31 排気通路
33 EGR通路
34 EGRクーラ
40,40′ インタークーラ冷却回路
41 ラジエータ
42 電動ポンプ
Ti 吸気温度
Ti0 所定値
Np ポンプ回転数(電動ポンプの回転数)
H 湿度
Tt 油温
Tt0 所定油温
Q EGR量(還流ガスの流量)
Q0 所定量

Claims (6)

  1. 正転と逆転とを切り替え可能な電動ポンプを介装し、前記電動ポンプで圧送された冷却水が循環するインタークーラ冷却回路と、
    エンジンの吸気通路上に設けられるとともに、前記インタークーラ冷却回路上に介装されて前記電動ポンプの正転時に前記電動ポンプの下流側に位置する水冷インタークーラと、
    前記インタークーラ冷却回路上に介装されて前記正転時に前記水冷インタークーラの下流側に位置し、前記吸気通路を流れる吸気を過給するターボチャージャと、
    前記インタークーラ冷却回路上に介装されて前記正転時に前記電動ポンプの上流側に位置するラジエータと、
    前記水冷インタークーラを冷却させる場合に前記電動ポンプを正転させ、前記インタークーラを加温させる場合に前記電動ポンプを逆転させるよう前記電動ポンプを制御する制御装置と、を備えた
    ことを特徴とするエンジン。
  2. 前記インタークーラ冷却回路には、前記電動ポンプの正転時に、前記ラジエータの下流に前記水冷インタークーラが位置し、該水冷インタークーラの下流に前記ターボチャージャが位置し、該ターボチャージャの下流に前記ラジエータが位置するように介装され、
    前記インタークーラ冷却回路は、前記ラジエータと前記水冷インタークーラとを環状に接続する
    ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  3. 排気通路と前記ターボチャージャよりも上流側の前記吸気通路とを連通するEGR通路と、
    前記EGR通路上に設けられて前記EGR通路を流通する還流ガスを冷却するとともに、前記インタークーラ冷却回路上に介装されて前記正転時に前記ターボチャージャの下流側に位置するとともに前記ラジエータの上流に位置するEGRクーラと、を備える
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン。
  4. 前記制御装置は、
    前記還流ガスの流量に基づいて前記電動ポンプの作動を制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載のエンジン。
  5. 前記制御装置は、
    前記水冷インタークーラに流入する吸気の温度が所定値よりも高い場合に前記電動ポンプを正転させ、前記吸気の温度が所定値以下の場合に前記電動ポンプを逆転させる
    ことを特徴とする請求項4に記載のエンジン。
  6. 前記制御装置は、
    前記電動ポンプの正転時に前記還流ガスの流量が所定量以上となる場合に、前記電動ポンプの回転数を減少させる
    ことを特徴とする請求項5に記載のエンジン。
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