JP2019077170A - 繊維配置機のヒータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】自動繊維配置(AFP)機が複雑な表面形状の上に変化する速度で材料を配置しているときに、圧密ポイントにおける温度を制御するための、閉ループシステム及び方法の提供。【解決手段】閉ループシステムは、圧密ローラ(12)の前方のレイアップ表面と、圧密ローラの後方の新しいレイアップ表面とに向けられた複数の赤外線温度センサ(22、24)を用いて開始する。これらセンサは、直接的温度読み取りを制御コンピュータに供給し、制御コンピュータは、AFP機から速度データと有効なトウ(14)のリストも受け取り、また現在のレイアップ内のプライ数を用いてプログラムされる。ヒータ制御システムは、偏差−積分−微分ループを使用して、圧密ポイント(例えば、圧密ローラと新しく敷設されるトウとのインターフェース)における温度を制御し、所望の温度に到達するようヒータパワーを調節する。【選択図】図1

Description

本開示内容は、概して、較正されたヒータに依存してパワー出力を制御する自動繊維配置(AFP)機に関する。特に、本開示内容は、繊維強化プラスチック材料のトウを配置する間にヒータ出力を制御するためのシステムと方法に関する。
繊維強化複合材料は、熱硬化性及び熱可塑性ポリマー樹脂といったマトリックス材料に埋め込まれた繊維を含む。繊維は、負荷を担持し、強度及び剛性を提供する。複合材料は、繊維の方向に高い強度と剛性を有し、繊維に直交する方向に低い強度と剛性を有する。
熱硬化性又は熱可塑性樹脂を事前に含侵させた強化繊維から作製された材料(「プリプレグ複合材料」としても知られる)を堆積させることのできる、様々なマシンが存在する。高度な繊維配置(「トウ配置技術」としても知られる)は、複数の幅狭のプリプレグのテープ、即ち「トウ」から複合積層板を製造するための、フィラメントワインディングの差動ペイアウト能と自動テープ敷設の圧密化及び切断再開能とを組み合わせた完全自動化プロセスである。熱硬化性樹脂を事前に含侵させた炭素繊維は、航空宇宙産業において最も広く使用されており、したがって本明細書では熱硬化性材料系を想定して繊維配置プロセスについて記載する。
多くの繊維配置システムは、7の運動軸を有し、コンピュータ制御される。これら運動軸、即ち、3の位置軸、3の回転軸、及び作業マンドレルを回転させるための1の軸は、繊維配置機に対し、繊維配置のヘッドを部品表面上に位置決めするための柔軟性を提供し、複雑な複合部品の製造を可能にする。繊維配置プロセスの間に、スリットプリプレグテープのトウが、コースと呼ばれる平行な繊維の束(即ち、各コースは複数の平行なトウからなる)の表面に配置される。AFPのヘッドは連続するコースを敷設して、最終的な複合積層板を作製する複数の層又はプライを形成する。
繊維配置の間のプリプレグシステムの粘着性及び接着性を制御するための主なプロセスパラメータは、基板の温度(つまり、ツール上に既に配置されているプリプレグ材料の温度)である。基板は、積層プロセスが進行するにつれて、ツール表面上にプリプレグ材料の複数の層を含むように構築されてゆく。自動繊維配置(AFP)機は、圧密ローラの前方に、ヒータ、例えば基板の上に新しいプライを積層する前に材料の粘着性を高めるために基板を加熱する赤外線ヒータを使用する。赤外線加熱は、レーザ加熱源を上回る、安全面での実質的な利益と実施容易性とを提供し、且つ当産業において最初に使用された高温ガスインピンジメントと比較して頑丈で効果的な加熱手段を生成する。熱硬化性複合材料のレイアップの間に、材料を表面に付着させるために熱が必要とされる。赤外線加熱システムは、過熱を生じさせることなく良好な粘着性を確立するために十分に基板を加熱しなければならない。
ヒータ制御の方法は、マシンの敷設速度の関数としてヒータパワーの較正曲線を使用する。典型的には、マシン設置の間に、ヒータ特性化試験を実行して種々のパワー設定に対する基板温度の応答を測定する。一定の範囲の処理条件のスイーピング後、指令されたヒータパワー出力をマシン速度の関数として規定する応答テーブルが確立される。次いで、製造に使用する前に、設定が、プロセス制御ドキュメントといったマシンオペレーションドキュメンテーションに規定される。これは、特に基板の下のプライの数、ツールの材料、基板の放射率、連続処理の間の積層板内での発熱、連続処理の間のヒータアセンブリ及び圧密ローラ内での発熱、周囲条件、及び速度の関数としての動的設定ポイントといった、実際の材料温度に影響する関連変数のすべてを考慮することができない一次的な開ループソリューションである。加えて、既存のヒータ較正方法は、圧密ローラの前に生じる材料のピーク温度のためのプロセスを調整する。次いで、圧密化前に材料がある程度冷える結果、圧密ポイント(つまり、到来する新しい規プライが基板と接触する位置)における材料温度を正確に理解することができない。
当産業では、製造用マシンの定量化の単純性及び便宜性のために、一般的に赤外線ヒータの開ループ制御が用いられる。AFPの間に基板を加熱するために使用されるランプは、現在のところ、オペレータからの単一加熱設定及びヘッドの速度に完全に基づく開ループ制御法を用いている。これは、複雑な形状の部品の加熱を制御する能力を制限している。
以下にある程度詳細に開示される主題は、ヒータの最適なパワー出力を決定するために、センサフィードバック、プロセスモデル、数値制御(NC)プログラミングデータ、周囲条件、及び材料モデルの組み合わせに基づいて、自動トウ配置の間のヒータの出力を制御するためのシステム及び方法に関する。具体的には、本開示内容は、AFP機が繊維強化プラスチック材料のトウを変動する速度で複雑な表面形状の上に配置するときの過熱及び加熱不足を防ぐために、圧密ポイント(「ニップポイント」としても知られる)における温度を制御するための閉ループシステム及び方法に関する。このようなシステム及び方法は、処理中に生じるばらつきに対処するために、繊維配置プロセスの間に圧密ローラ下の材料温度を能動的に制御する。繊維配置に関する部品の品質を制御する一次変数は、圧密化の間の材料温度である。本明細書に開示されるシステムは、可能な限り高い敷設速度で最高の品質を提供するために最適な処理条件が複合材構造の加工の間に維持されるように、閉ループを用いてこの一次パラメータを制御する。
閉ループヒータ制御システムは、一般的な開ループ法を上回る改善を提供する。レイアップ(即ち、基板)の温度は、一又は複数の温度センサによってリアルタイムで測定される。ヒータ制御システムは、プロセス変動性に関係なく、所望の温度に到達することができる。室温、初期レイアップ温度及びツーリング温度はすべて、閉ループシステムが補償しうるプロセス変動の源でありうる。ヒータの閉ループ制御は、AFP部品の形状の複雑性及び容量が増すにつれて、製造プロセス全体の制御を可能にする。実際の基板温度に影響する変数には、ツーリング材料、表面上のプライ数、基板温度、圧密ローラ材料、圧密ローラ温度、敷設速度、赤外線ヒータラグ、ヒータハウジング温度、基板の圧密化レベル、及び輪郭の変動に起因するヒータから基板までの距離が含まれる。閉ループシステムは、最も基本的な変数の周辺に構築することができる。センサフィードバックは、理想的な積層プロセスのために適切な基板温度を駆動するために統合することができる。
具体的には、本明細書に開示される閉ループヒータ制御システムの実施態様は、一又は複数の温度センサ(例えばパイロメータ)からの入力、マシンの速度及び位置、熱的モデル、並びにNCプログラム入力を取り込んで、熱硬化性プリプレグ材料といった繊維強化プラスチック材料の配置のための最適な処理条件を維持する。システムは、リアルタイムで入力を処理し、圧密ポイントで最適な材料温度に到達するために必要なヒータパワーを出力する。ヒータ下の基板温度を決定することもできる。この情報は、圧密ポイントにおける温度を制御することに加えて、材料が最高許容温度を上回ることを防ぐために使用することができる。
本明細書において開示される閉ループシステムは、パイロメータを使用して、新しいトウ又は複数のトウが配置されているときに圧密ポイント温度をリアルタイムで制御する。一実施形態によれば、レイアップ、ツーリング、圧密ローラ及びヒータの熱的モデルが開発された。これらは、基板温度、レイアップ速度及びヒータから基板までの距離を組み込んだ動的モデルである。加えて、現在のレイアップにおけるプライの数が、熱流の変動に対処するために含まれるであろう。熱的モデリングは、圧密ポイントにおける温度を推定し、次いでヒータの出力を調節するために使用される。望ましいヒータの出力は、偏差−積分−微分(PID)制御、又はその他既知の制御戦略の結果であり、形状、レイアップ速度、及び材料によって駆動される。
具体的には、以下のある程度詳細な説明において開示される閉ループヒータ制御システムは、一又は複数の温度センサからの温度測定値を実際の圧密ポイント温度に相関させることのできる二次元(2−D)熱的モデルを使用する制御コンピュータを備える。この圧密ポイント温度は制御ポイントとして使用される。熱的モデルは、基板温度、プライの数、ツール材料、供給速度、ヒータと基板とを隔てる距離、及びヒータパワーといった変数を考慮する。熱的モデルを構築するために、圧密温度を温度センサの測定値に関連付ける相関曲線が生成された。このような相関は、圧密ポイントにおける基板温度を制御する制御ループにおいてリアルタイムで使用される。センサが基板温度を測定するポイントから材料が圧密化されるまでに有意な冷却が起こりうる。高度なAFPプロセスの場合、実際の圧密ポイント温度を知ることが、部品の品質及びプロセス性能を最大にするために重要である。
いくつかの実施形態によれば、複数の赤外線温度センサ(以降「IR温度センサ」という)が、圧密ローラの前方にあるレイアップと、更には圧密ローラの後方(即ちローラの後ろ)の新規レイアップ表面に向けられる。代替的な実施形態によれば、圧密ローラの前方のレイアップ表面に向けられた一又は複数のIR温度センサのみが使用されるか、又は圧密ローラの後方(即ち後ろ)のレイアップ表面に向けられた一又は複数のIR温度センサのみが使用される。
本明細書において使用される用語「IR温度センサ」は、衝突する赤外線を温度測定値へと変換する光電子センサを意味する。このようなIR温度センサは、対象に接することなく温度を測定する能力を有する。このようなセンサは、直接的温度読み取りを、赤外線ヒータに供給されるポワーを制御する制御コンピュータに供給する。IR温度センサは、赤外線ヒータからの光子がセンサ中へと直接反射されることを防止するように、取り付けられて遮蔽されなければならない。
加えて、ロボット及びNCプログラムからのデータが制御プロセスに統合される。制御コンピュータは、ロボットからデータを受け取ることができるように、ロボットコントローラに通信可能に連結される。制御コンピュータ及びロボットコントローラは、データをパスして最終的なヒータパワー出力を計算するようにプログラムされる。この出力は、ヒータパワーをリアルタイムで調節するためにヒータパワーコントローラに送られる。熱的モデリングは、入力変数としてレイアップ速度を使用する。これは、レイアップ中継続的にロボットコントローラによって供給される。加えて、部品に向けられたセンサがある場合、部品及びヘッドの形状による影響がある。このデータは、ロボットコントローラから制御コンピュータに送られる。制御コンピュータは、この情報を使用して、部品表面の上にないセンサを無効にする。また、制御コンピュータは、ロボットコントローラから配置されている有効なトウのリストを受け取り、且つ現在のレイアップ内のプライの数でプログラムされる。一実施形態によれば、制御コンピュータは、PIDループを実行して圧密ポイント(例えば、圧密ローラと新しく敷設されるトウとのインターフェース)における温度を制御し、所望の圧密ポイント温度に到達するようにヒータパワーを調節する。
AFP機の圧密ポイントにおける温度を制御するためのシステム及び方法の種々の実施形態が以下にある程度詳細に記載されるが、これら実施形態の一又は複数は、以下の態様の一又は複数によって特徴付けられる。
以下に詳細に開示される主題の一の態様は、圧密ローラを含むヘッド;圧密ローラの前方に取り付けられたヒータ;圧密ローラの前方とヒータの後ろ、又は圧密ローラの後ろに位置する第1の測定スポットに向けられた第1の温度センサであって、動作時に、圧密ローラが基板と接触するとき第1の温度センサによって電気信号に変換される放射の量を表す第1の温度データを出力する第1の温度センサ;一又は複数の温度センサによって出力された温度データに少なくとも部分的に基づいて圧密ローラ下の基板の推定圧密ポイント温度を推測するように構成された熱的モデルを表すコンピュータコードを記憶する、非一過性の有形コンピュータ可読記憶媒体;並びに次の動作:熱的モデルを使用して、少なくとも第1の温度センサによって出力される第1の温度データの関数としてヒータに供給される電力量を計算すること;及びヒータに供給される電力量を表すヒータパワー制御信号を出力することを実施するように構成された演算システムを備える自動繊維配置機である。自動繊維配置機は、第1の測定スポットが圧密ローラの後ろに位置している場合は圧密ローラの前方及びヒータの後ろに、又は第1の測定スポットが圧密ローラの前方及びヒータの後ろに位置している場合は圧密ローラの後ろに位置する第2の測定スポットに向けられた第2の温度センサであって、作動時に、圧密ローラが基板と接触するとき第2の温度センサによって電気信号に変換される放射の量を表す第2の温度データを出力する第2の温度センサを更に備えることができ、熱的モデルは、第1及び第2の温度データに少なくとも部分的に基づいて圧密ローラ下の基板の推定圧密ポイント温度を推測するように構成される。提案される一実施形態によれば、演算システムは、第1及び第2の温度センサによって出力される第1の温度データと第2の温度データとの差の関数としてヒータに供給される電力量を計算するように構成される。
前パラグラフに記載されたシステムのいくつかの実施形態によれば、ヒータは赤外線ヒータを含み、第1及び第2の温度センサはそれぞれ第1及び第2の赤外線温度センサを含む。ヘッドは、基板によって反射される放射が第1の温度センサに到達することをブロックするように配置及び構成されたシールディングを更に含みうる。
一実施形態によれば、熱的モデルは、ヘッドの移動速度及び基板のプライ数を考慮するように構成される。更に、熱的モデルは、推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を計算するように構成されうる。
本明細書に開示される主題の別の態様は、繊維配置機による繊維強化プラスチック材料のトウの配置の間にヒータを制御するための方法である。この方法は、(a)圧密ローラ下の圧密ポイントの温度を少なくとも第1の測定スポットにおける基板の第1の温度に相関させる熱的モデルを生成することであって、第1の測定スポットが、圧密ローラが基板と接触するとき、圧密ローラの前方及びヒータの後ろ、又は圧密ローラの後ろに位置する、生成すること;(b)間に繊維強化プラスチック材料のトウを置いて圧密ローラを基板の表面上で転がすことにより、トウを基板上で圧密化すること;(c)圧密化の間に、電力ヒータを使用して、第1の測定スポットの上流のエリアで基板を加熱すること;(d)第1の測定スポットから第1の温度測定値を取得すること;(e)熱的モデルを使用して少なくとも第1の温度測定値の関数である推定圧密ポイント温度を推測すること;(f)推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を計算すること;(g)推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を縮小するように計算された電力量をヒータに供給するという指令を表す制御信号を出すこと;並びに(h)前記電力量をヒータに供給することを含み、ステップ(e)から(g)は演算システムによって実施される。
前パラグラフに記載された方法のいくつかの実施形態によれば、熱的モデルはまた、圧密ポイントの温度を第2の測定スポットにおける基板の第2の温度に相関させ、第2の測定スポットは、圧密ローラが基板と接触するとき、第1の測定スポットが圧密ローラの後ろにある場合には圧密ローラの前方及びヒータの後ろに、又は第1の測定スポットが圧密ローラの前方及びヒータの後ろにある場合には圧密ローラの後ろに位置し、ステップ(e)は、熱的モデルを使用して、第1の温度測定値と第2の温度測定値との差の関数である推定圧密ポイント温度を推測することを含む。
更なる態様は、繊維配置機による繊維強化プラスチック材料のトウの配置の間にヒータを制御するための方法であり、(a)間に繊維強化プラスチック材料のトウを置いて基板の表面上で圧密ローラを転がすことにより、ツールによって支持された基板上でトウを圧密化すること;(b)電力ヒータを使用して、圧密ローラの上流のエリアで基板を加熱すること;(c)ヒータの後ろ及び圧密ローラの前方に位置する基板の部分にある第1の測定スポットから第1の温度測定値を取得すること;(d)圧密ローラの後ろに位置する基板の部分にある第2の測定スポットから第2の温度測定値を取得すること;(e)第1の温度測定値と第2の温度測定値の少なくとも一つの関数である推定圧密ポイント温度を推測すること;(f)推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を計算すること;(g)推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を縮小するように計算された電力量をヒータに供給するという指令を表す制御信号を出すこと;並びに(h)前記電力量をヒータに供給することを含み、少なくともステップ(e)から(g)が演算システムによって実施される方法である。いくつかの実施形態によれば、ステップ(c)は、基板に赤外線を放射することを含む。例示的な一実装態様によれば、方法は、第1及び第2の温度センサによって出力される第1の温度データと第2の温度データとの差の関数として、ヒータに供給される電力量を計算することを更に含む。
AFP機の圧密ポイントにおける温度を制御するためのシステム及び方法の他の態様について以下に記載する。
前述の特徴、機能、及び利点は、種々の実施形態において個別に達成することが可能であるか、又は他の実施形態において組み合わせることが可能である。先述の態様及び他の態様を示すために、図面を参照して、種々の実施形態について以下に記載する。このセクションにおいて簡単に記載される図面はいずれも実寸通りには描かれていない。
繊維強化プラスチック材料のトウを基板上に敷設するプロセス中のAFP機のヘッドを示す側面図である。ヘッドは、圧密ローラ、赤外線ヒータ及びIR温度センサを含んでいる。 一実施形態によるAFP機の圧密ポイントにおける温度を制御するための閉ループシステムのいくつかの構成要素を識別するブロック図である。 金属(例えばアルミニウム)から作製されたツール上に置かれた複合材基板に対して押し付けられて、圧密ゾーンにおいて変形したポリマー製(例えばポリウレタン)圧密ローラの断面図である。注目すべき以下の三つのポイント、即ち、A−ローラ後検知位置;B−ローラ前検知位置;及びC−ローラ下の圧密ポイントが示されている。 一実施形態による赤外線ヒータの主制御プロセスのステップを識別するフロー図である。 一実施形態による、赤外線ヒータを制御するように構成された制御コンピュータのいくつかのデータ入力及びいくつかの構成要素を識別するブロック図である。 図1に示したAFPヘッドの側面図と同じであるが、図6では、ツールが赤外線ヒータから遠ざかっている。 図1に示したAFPヘッドの側面図と同じであるが、図7では、ツールが赤外線ヒータに近づいている。 レイアップコース上の任意のポイントにおける概念的な温度履歴を示すグラフである。 埋め込まれた熱電対のデータに基づく、加熱、冷却及びローラ圧密化の間の経時的な基板温度のグラフである。 各表面要素上の熱流速の概念的な時間履歴を示すグラフである。 図3に示した注目すべき三つのポイント(A、B及びC)に関する温度−時間履歴を示すグラフである。 0.05m/秒、0.1m/秒及び0.25m/秒のヒータ(即ちヘッド)速度について圧密ポイントにおける温度−時間履歴を示すグラフである。 20%、40%、60%及び80%のヒータのパワー出力パーセンテージについて圧密ポイントにおける温度−時間履歴を示すグラフである(0.1m/秒のヒータ速度)。 図3に示したポイントBとポイントAとの温度差に対する図3に示したポイントCとポイントAとの温度差の比率を、敷設されるプライ数の関数として示すグラフである(0.1m/秒のヒータ速度)。
これより図を参照する。異なる図中の類似の要素に同一の参照番号が付されている。
例示を目的として、AFP機の圧密ポイントにおける温度の閉ループ制御のためのシステムと方法について、これよりある程度詳細に記載する。しかしながら、実際の実装のすべての特徴が本明細書に記載されるわけではない。当業者であれば、このような実施形態の開発においては、実装態様によって異なるシステム関連及びビジネス関連の制約の順守といった開発者の特定の目的を達成するために、多数の実装時判断を行わねばならないことを理解するであろう。更に、このような開発のための努力は複雑且つ時間を有するものであるが、本開示の利点を有する当業者にとっては、取り組むべき所定の事柄であることを理解するであろう。
以下に開示される特定の例示的実施形態は、次のような全体的制御哲学に基づいている:(1)基板温度を検出するためにIR温度センサが使用される;(2)取り付け及びシールディングは、反射した光子がIR温度センサに衝突することを防ぐように制御される;(3)基板温度は、ヒータパワー、圧密ローラの速度及び基板内のプライ数の関数として特徴付けられる;(4)測定温度を実際のプロセス温度に関連付ける熱的モデルが開発される;(5)温度データが有効でないとき、開ループ制御スキームが実行される;(6)温度データが有効であるとき、温度を調整するために閉ループ制御スキームが実行される;且つ(7)ロボット及び数値制御(NC)プログラミングからのライブデータもプロセス制御として使用される。
一実施形態によれば、コントローラシステムへの入力には以下が含まれる:(1)圧密ローラの近くの材料温度を測定するための少なくとも一つのパイロメータ(以降「温度センサ」という)(ローラの前方、ローラの後方、及びローラの左端と右端での測定のために二つ以上を使用することができる);(2)ヒータの出力、プロセス速度、ツーリング材料、ツール上のプライ数、ヒータから基板までの距離、及び基板に対するヒータの配向に基づいて材料温度を予測する熱的モデル;(3)複雑な輪郭に対処するために基板に対するヒータの配向をパスするNCプログラムデータ;(4)速度、位置、及び加速度に関するロボットステータスデータ;(5)NCプログラムによって提示される、以前に配置されたプライ数;(6)基板材料の放射率;(7)いずれのトウがヘッドによって処理されるかを規定するNCプログラムデータ;(8)圧密ローラ温度;並びに(9)温度センサによって測定された基板温度。制御コンピュータはこれら入力を処理し、指令されたヒータパワーのレベルを表す制御信号を出力する。
図1は、一実施形態による、繊維強化プラスチック材料のトウ14を基板16上に敷設するプロセス中のロボット式AFP機のヘッド10を示す側面図である。ヘッドは、図1において、水平方向の矢印によって示される方向に移動している。ヘッド10は圧密ローラ12を含み、また戦略的位置に取り付けられた赤外線ヒータ20(例えば、複数の赤外線電球)及び複数のIR温度センサを具備している。複数のIR温度センサには、圧密ローラ12の前方の、間隔を空けて配置されたIR温度センサの第1の列22(図1にはそれらのうち一つだけが示されている)と、圧密ローラ12の後方の、間隔を空けて配置されたIR温度センサの第2の列24(図1にはそれらのうち一つだけが示されている)とが含まれる。一実施形態によれば、それら列は共に三つのIR温度センサを有する。IR温度センサ22は、加熱後及び圧密化前の基板温度を測定し、IR温度センサ24は、加熱後及び圧密化後の基板温度を測定する。加熱前の基板温度を測定するための他のIR温度センサ、及び圧密ローラの温度の変化は図1に示されていない。
一般的なIR温度センサは、レンズ、注目対象の波長スペクトルを選択するスペクトルフィルタ、赤外線を電気信号へと変換する光学検出器、及び電気信号を分析して温度測定値へと変換する電子信号処理ユニットを含む。このようなIR温度センサは、対象に接することなく温度を測定することができる。例えば、適切なIR温度センサは、Fluke Process Instruments N.A.(Santa Cruz,California)から市販されている。
基板16からIR温度センサ22への赤外線エネルギーの反射は、適切な制御を妨げるであろう。このような状況を回避するために、電球シールディング26が配置され、基板16によって反射された赤外線エネルギーがIR温度センサ22に到達することをブロックするように構成される。具体的には、赤外線ヒータ20が電球シールディング26に装着され、電球シールディングがAFP機のヘッド10に装着される。好適には、各IR温度センサ22の光学検出器は、取り付け位置が近いこと、及び反射エネルギーの観測を最小限に抑えることが望ましいことを考慮して、妥当な測定スポットのサイズを形成することができる。
基板16は、ツール18(例えばマンドレル)上に以前に敷設された繊維強化プラスチック材料のトウを複数有している。トウは、複合材料のプライを形成する。ヘッド10が図1の矢印の方向に動くと、一又は複数の追加のトウ14が基板16上に敷設される。圧密ローラ12の前方の赤外線電球20は、基板16上に新しいプライを積層する前に材料の粘着性を高めるために、基板16を加熱する。複合材料のプライは、レイアッププロセスが完了した後、オートクレーブ内で硬化される。
繊維配置のために部品の品質を制御する一次変数は、圧密化の間の圧密ローラ12下の基板温度(以降「圧密ポイント温度」という)である。しかしながら、圧密ポイント温度はリアルタイムで測定することができない。本明細書において提案される加熱の方法論は、圧密ローラ12下の基板温度を推測する(即ち、推定する)。具体的には、2−D熱的モデリングを使用して、IR温度センサ22及び24の温度読み取りに圧密ポイント温度を相関させる。提案される方法論は、可能な限り最大のレイアップ速度で最適な品質を提供するために、複合材構造の加工中に最適な処理条件を維持することができるように、この一次パラメータ(即ち圧密ポイント温度)を閉ループヒータ制御システムにおいて制御する。具体的には、本明細書に開示される閉ループヒータ制御システムは、IR温度センサのフィードバック、プロセスモデル、NCプログラミングデータ、周囲条件、及び材料モデルの組み合わせに基づいてヒータの出力を制御し、基板赤外線ヒータ20に供給すべき最適な電力を決定する。
開発中に適合される一実装態様により、8個のIR温度センサがロボット式AFP機のヘッド10に取り付けられた。3個のIR温度センサ22からなる第1の組は、圧密ローラ12の前方に取り付けられた。3個のIR温度センサ24からなる第2の組は、圧密ローラ12の後方に取り付けられた。第1及び第2の組の各IR温度センサは、処理される基板のそれぞれの測定スポットに向けられた。3個の測定スポットは、圧密ローラ12の可能な限り近くに位置させた。7つ目のIR温度センサ(図1には示されていない)は、加熱前の基板温度を測定するために、赤外線ヒータ20の前方に取り付けられた。最後のIR温度センサ(図1には示されていない)は、圧密ローラ12の近くに取り付けられて、圧密ローラ12の温度の変化を測定するように配置された。
圧密ローラ12と赤外線ヒータ20との間のIR温度センサ22は、加熱サイクルが反復されるときに上昇しうる基板温度の綿密な監視を可能にする。圧密ローラ12後方のIR温度センサ24は、ヒータの応答の遅れの指標である、信頼性のある、反射を含まない読み取りを提供する。IR温度センサ22及び24は、好適には、表面に垂直な方向の±45度の間に位置させる。加えて、圧密ポイントは注目対象領域であるので、センサを可能な限りニップの近くに向けることにより、システム性能が向上する。
本明細書に開示されるヒータ制御システムの種々の実施形態によれば、温度センサの数は8個でなくともよい。例えば、熱的モデルは、圧密ローラの前方及びヒータの後ろに位置するそれぞれの測定スポットに向けられた一又は複数の温度センサの関数として(圧密ローラの後ろに位置するそれぞれの測定スポットに向けられた温度センサの関数ではなく)推定圧密ポイント温度を推測するように構成することができる。代替的な一実施例では、熱的モデルは、圧密ローラの後ろに位置するそれぞれの測定スポットに向けられた一又は複数の温度センサの関数として(圧密ローラの前方及びヒータの後ろに位置するそれぞれの測定スポットに向けられた温度センサの関数ではなく)推定圧密ポイント温度を推測するように構成することができる。
図2は、AFP機の圧密ポイントにおける温度を制御するための閉ループシステムのいくつかの構成要素を識別するブロック図である。全体のシステムは、AFP機のヘッド10の動きを制御するために赤外線ヒータ20及びロボットコントローラ4を制御するための制御コンピュータ2を備える。ロボットコントローラ4は、ネットワーク接続(例えばイーサネット接続)を介して制御コンピュータ2にデータを提供する。ロボットコントローラ4は、ネットワーク接続を介して制御コンピュータ2に速度及びトウ制御出力コードを提供するようにプログラムされる。一実施形態によれば、制御コンピュータ2は、マルチプレクサ28に配線されてIR温度センサ22、24を読み取る。IR温度センサもマルチプレクサ28に配線される。
制御コンピュータ2は、閉ループ制御システムにおいて、温度データ、ロボットデータ、及び部品プログラム情報を読み取り、赤外線ヒータ20に供給されるパワーを制御するヒータパワー制御信号を出力する。ヒータパワー制御信号は、制御コンピュータ2によって信号調整器6に送られ、信号調整器は調製したヒータパワー制御信号をヒータパワーコントローラ8に出力する。ヒータパワーコントローラ8は、調整されたヒータパワー制御信号を、赤外線ヒータ20に動力供給するために使用される出力電圧へと変換するように構成される。
制御コンピュータ2は、一組の代数方程式の形態の熱的モデルを利用するように構成されており、このモデルは、それぞれの、形状の熱的分析結果と、ツーリング、レイアップ、圧密ローラ及びヒータの熱的特性と、それらの熱的相互作用とを取り込む。熱的モデルは入力変数(IR温度センサの読み取りを含む)を受け取り、次いで圧密ローラ12と基板16とのインターフェース(以降「圧密ポイント」又は「ニップ」という)における基板温度を推定する。入力変数には、ツール/レイアップモデルのデータ、例えば現在のレイアップ下のプライ数(熱流の変動に対処するため)、ヘッド(例えば圧密ローラ)の形状データ、温度データ(IR温度センサ22、24から、及び任意選択的に、圧密ローラ12の温度を測定するIR温度センサからの)、並びにレイアップ速度(レイアップ中継続的にロボットコントローラ4によって供給される)が含まれる。加えて、部品に向けられたIR温度センサ22及び24がある場合、部品及びヘッドの形状による影響が含まれる。このデータは、ロボットコントローラ4から制御コンピュータ2に送られる。制御コンピュータ2は、この情報を使用して、部品表面の上にない、したがって意味のあるデータを捕獲していないIR温度センサを無効にする。
図3は、金属(例えばアルミニウム)から作製されたツール18上に置かれた複合材基板16に対して押し付けられて、圧密ゾーンにおいて変形したポリマー製(例えばポリウレタン)圧密ローラ12の断面図である。注目対象の三つのポイント、即ち、A−ローラ後検知位置;B−ローラ前方検知位置;及びC−ローラ下圧密ポイントが図3に示されている。図3上部の点線の四角形内の圧密ローラ12、基板16及びツール18の部分の拡大図が図3下部に示されている。この拡大部において、圧密ゾーンで基板16と接触する圧密ローラ12の外周部分が平らになることがわかる。熱的モデルを使用して求められる注目の温度は、圧密ポイントにおける温度である。
熱的モデルは、熱的プロセスが既に定常状態に到達していることを前提としている。したがって、テープ敷設経路上のすべてのポイントは、各ポイントにおける絶対開始時間以外、同じ温度履歴を有する。しかしながら現実には、定常状態は常に正しいとは限らない。例えば、すべてがコールド(周囲温度)である初期スタートアップ経路においてはそうでない。また、他の要因(例えば基板及びローラ温度)は、通常全プロセスにわたって一定ではなく、2−Dの定常状態熱的モデルにおいて対処することは難しい。したがって、時間によって及び経路によって変化する初期条件に起因するモデルの誤差を最小化するために、ポイントA及びBにおける基板温度間の差に対するポイントA及びCにおける基板温度間の差(即ち、R=(T−T)/(T−T))の経験的に得られた比率R(注目の温度範囲にわたって概ね一定)を用いる異なるアプローチが採用された。提案される一実装態様によれば、この熱的モデルは、比率Rを使用して、現在のヒータパワー及びセンサ読み取り(即ち測定温度)TA及びTBを含む上記変数のすべての入力に応答して圧密ポイント温度TCを推定する。熱的モデルは更に、適用可能な処理条件のための最適な値として決定された所定の圧密ポイント温度(事前に記憶された曲線から選択される)からの、推定圧密ポイント温度TCの偏差に基づいてターゲットヒータパワーを計算するように構成される。
熱的モデルを使用して、速度、プライ数及びヒータパワーを圧密ローラ12下のレイアップ温度に関連付ける制御アルゴリズムが開発された。このような制御アルゴリズムは制御コンピュータ2にプログラムされる。一実施形態によれば、制御アルゴリズムは、PIDコントローラ(制御コンピュータ2に組み込まれる)を用いて実装される。PIDコントローラは、所望の設定ポイント(例えばターゲット圧密ポイント温度)と測定されたプロセス変数(例えば推定圧密ポイント温度)との差として誤差の値を継続的に計算し、偏差、積分、及び微分の項に基づいて補正を適用する制御ループフィードバック機構である。この場合、PIDコントローラは、現在のヒータパワーと、熱的モデルからの温度差を使用して決定されたターゲットヒータパワーとの差を継続的に計算する。PIDコントローラの利得は、赤外線ヒータ20に供給されるパワーを確実に満足に制御するために微調整される。例えば、このような利得は、センサとヒータの熱的ラグに対処するように微調整される。
図1に示すように、赤外線ヒータ20の電球は、特定の距離だけ間隔を空けて配置される。放射パターンは、各電球対の各要素について概ね円筒形状であるので、赤外線ヒータ20からの距離に応じて全体の加熱面積は変化し、面積の関数として全体又は平均のパワー密度に変動が生じる。異なるパワー設定、基板の厚み、及び送達ヘッド供給速度での基盤のエネルギー吸収を決定するために試験が行われた。取り付けられたIR温度センサを使用し、基板プライの数を変化させて、一定速度、一定パワーでの一連の試験が実行された。温度データは、圧密ローラ12のそれぞれ前方及び後方のエリアから、材料を敷設している時及び材料を敷設していない時の両方で取得された。このような試験において収集されたデータを使用して、加熱ゾーン全体にわたる赤外線ヒータ20の効率を、パワー入力及び供給速度の関数として較正した。これらデータは、供給速度及びターゲット温度の関数として加熱入力を決定するための、勾配及び切片のパラメータを得るためにも使用された。
ヒータの特徴に直接関連しないものの、圧密ローラ12は、処理中の基板温度に有意に影響する。繊維配置中の実際の処理温度(即ち圧密ポイントにおける温度)は、材料が最も温かいポイントにある時ではない。圧密ローラ12は一定の距離だけ赤外線ヒータ20から離間しているので(図1参照)、圧密ローラ12が圧密ポイントにおいて新しい材料を基板16上に圧縮する前に生じる冷却期間が存在する。これが、AFPプロセスが実際に行われるポイントである。コースに沿った単一ポイントの温度と時間とを対比させたグラフにおいて、圧密化プロセスの位置を特徴付けるために試験が開発された。この試験では、コースの中心線に沿って熱電対(図示されていない)を配置し、熱電対データに対する圧密ローラ12の位置を計算するためのタイミング信号を生成する圧密ローラ−作動スイッチを既知の距離だけ上流に位置させた。コースは、赤外線ヒータ20が一定のパワーモードで動作している状態で、試験設定で走らせた。基板温度及びタイミングスイッチのデータは、正常な圧密負荷の下で圧密ローラ12が基板16と接触した状態で、単一のコースについて収集された。圧密ローラ12が基板16の表面に接触しておらず、基板からの距離の増大の影響を最小化するために基板16の表面からわずかに上方にあること以外は同一の第2のパスにおいて、データが収集された。この試験の結果を図9に示す(以下で更に詳細に説明する)。
上述のように、制御コンピュータ2は、トウの敷設及び基板の圧密化の間に赤外線ヒータ20に供給されるパワーを制御するようにプログラムされる。図4は、一実施形態による赤外線ヒータの主制御プロセス100のステップを識別するフロー図である。このフローの第1の分岐点は、特殊機能が必要とされるか否かの決定が行われる判定点102である。この分岐は、基本的なセンサフィードバックループを使用することができない状況を扱う。例えば、センサがレイアップに直接向けられていないとき、特殊機能である「センサオフパート法」116が採用される。IR温度センサが使用できないとき、ヒータ制御システムの制御コンピュータは、パワー制御のために速度に基づく開ループ方程式を使用する伝統的な方法に戻る。レイアップがコース追加ルーチンを開始しているとき、「コーススタート法」112又は「コースリスタート法」114といった特殊機能が採用される。
図4に示されるフロー図の左側の分岐は、センサが有効である(即ち、特殊機能が必要でない)ときに使用される方法である。このループでは、システムは、ロボットコントローラから速度及びトウステータスデータを、IR温度センサから温度データを取得する(ステップ104)。この情報は、現在のレイアップのプライ数と共に、熱的モデルの方程式に導かれる(ステップ106)。
最初、ヒータは低パワーで動作しうる(例えばスタートアップの間)。すべての関連データを受け取った後、熱的モデル(システム内の代数方程式の形態)は、前方及び後方IR温度センサ22及び24からの温度読み取りに基づいて圧密ポイント温度を推測し(即ち推定し)(ステップ108)、所望の(所定の)圧密ポイント温度(以降「ターゲット圧密ポイント温度」)を生成するはずのヒータパワーレベルを出力する。ここで、ヒータは、熱的モデルによって指令されるパワーレベルで動作することができる。しかしながら、温度読み取りが基板の加熱及びAFP機の動作中に継続して受け取られるにつれ、熱的モデルは、熱的モデルが予測した(即ち推定した)圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との現在の差(即ち、図4の「デルタ」)(ステップ110)を表す信号を、継続的に記録して出力する。制御アルゴリズムに組み込まれたPIDループ118は、このような変化する偏差を使用して、ターゲット圧密ポイント温度を達成又は維持するために継続的にヒータパワーレベルを微調整する(即ち小さな補正を加える)。推定圧密ポイント温度Tは、方程式T=T+R(T−T)を用いて計算される。
図4に示すように、コースの開始及び終了時及びオフパート動作中の特殊機能は、開ループ法において制御される。ヘッドが材料を敷設しており、温度データが有効であるときにのみ、閉ループ制御が実施される。
図5は、一実施形態による、赤外線ヒータパワー制御信号を出力するように構成された制御コンピュータ2へのデータ入力と、同制御コンピュータ2によって実行されるアルゴリズムを識別するブロック図である。この閉ループヒータ制御システムは、制御コンピュータ2のメモリ(例えばランダムアクセスメモリ)にロードすることのできる熱的モデル40(上述)を使用する。熱的モデル40は、ツール/レイアップモデル42(現在のレイアップのプライの数を提供する)とヘッド形状モデル44とを考慮し、これらはいずれも非一過性の有形コンピュータ可読記憶媒体(図示しない)から検索可能である。ツール/レイアップモデル42は、NCプログラミング48からの情報を含む。加えて、熱的モデル40は(制御コンピュータ2にロードされると)、ロボットコントローラ4(図2参照)からロボットデータ入力46(例えばヘッド10の速度及び位置、ヒータと基板とを隔てる距離、並びに有効なトウの数)を、IR温度センサ22、24から温度データを、それぞれ受け取る。熱的モデル40は、熱的モデル40に入力された変数に基づいて温度推定値50を出力するように構成された方程式を含む。これら温度推定値50には、圧密ローラ12下において推測される基板温度、及び赤外線ヒータ20下において推測される基板温度が含まれる。
熱的モデル40は、IR温度センサ(IR温度センサ22、24及びその他のIR温度センサを含む)からの入力を受け取る。圧密ローラの前方、圧密ローラの後方、及び圧密ローラの右端と左端の材料温度を測定するために、二つ以上のIR温度センサを使用することができる。IR温度センサからの温度測定値に加えて、熱的モデル40は、NCプログラミング48によって提示される、以前に配置されたプライ数、及び基板材料の放射率を考慮するように構成され、前記情報はツール/レイアップモデル42に含まれる。ツール18において複雑な輪郭に対処するため、制御コンピュータ4は、AFPヘッド10のリアルタイムの位置、速度及び加速度、基板に対する赤外線ヒータ20のリアルタイムの距離及び配向、AFPヘッド10によって処理されている有効なトウの数を表すロボットデータ46を受け取る。受け取った情報を使用して、熱的モデル40は圧密ローラ12下の基板温度を推定する。
制御コンピュータ2は更に、温度推定値50を受け取ると、熱硬化性プリプレグ材料の繊維配置のための最適な加熱条件を維持するように構成された制御アルゴリズム60を実行する。制御コンピュータ2は、リアルタイムで入力を処理し、圧密ポイントにおけるターゲット基板温度に到達するために必要なヒータパワーを示す制御信号を出力する。制御アルゴリズム52はPIDコントローラを含む。推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差に基づいて、PIDコントローラは、推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差が縮小するように赤外線ヒータ20に供給される電力を変化させるためのヒータパワー制御信号を生成する。加えて、赤外線ヒータ20下の推定温度を使用して、材料が最高許容温度を上回ることを防ぐことができる。
特に、制御コンピュータ2は、ツール18の近接度に基づいて赤外線ヒータ20を制御するように構成される。図6は、図1に示したAFPヘッド10の側面図と同じであるが、図6では、その輪郭に起因してツール18が赤外線ヒータ20から遠ざかっている。逆に、図7では、ツール18が赤外線ヒータ20に近付いている。
最も近いポイントでツール18と赤外線ヒータ20とを隔てる距離(即ち、最小距離)は、ロボットコントローラ4(図2参照)により、ツール/レイアップモデル42からの情報、ヘッド形状モデル44からの情報、及びNCプログラミング48から抽出されたヘッド位置データ(このヘッド位置データはロボットデータ46の構成要素である)を使用して計算することができる。ツール18と赤外線ヒータ20との間の距離の変化を補償するために、パワー可変赤外線ヒータ20に供給されるパワーは、この距離に反比例するように制御コンピュータ2によって調節されなければならない。代替的な実施形態によれば、ツール18と赤外線ヒータ20との間の距離は、距離センサ(例えば、干渉計及び光検出器を含む光学検出器ヘッド)を用いて測定することができる。
一実施形態によれば、トウがヘッドから分配されている三つの状況が存在する。IR温度センサ22、24は、各状況について、制御コンピュータ2が利用できる温度データが存在するように配置される必要がある。第1の状況は、コースがテーパ面を下方へと進み、それに従って外側のトウが切断されてバンド幅が狭まるときである。他の二つの状況は、互いの鏡像であり、トウが、トウバンドの一方の端又は他方の端に有効に配置されているときである。例えば、線維の経路がプライの境界と平行であるとき、プライ終端の最後のコースでは、配置されるトウがわずかしか存在しないことがありうる。このような場合、NCプログラマーにより具体的に選択されない限り、中央のトウではなく外側のトウが使用される。外側のトウが配置されているときの基板温度を測定するセンサが必要とされる。提案される実装態様では、12のトウヘッドが使用される。したがって、各組(即ち、IR温度センサ22の組と、IR温度センサ24の組)の三つのIR温度センサは、トウ#1、トウ#7と#8との間、及びトウ#12のそれぞれの温度を感知するように配置される。7番目のIR温度センサは、圧密ローラ12の後ろ側に向けられてその温度を測定する。最後のIR温度センサは、赤外線ヒータ20の前方に配置されて、能動的加熱に先立って基板温度を測定する。
繊維配置プロセスの間、すべてのIR温度センサが有効な読み取りを提供する位置にあるわけではないだろう。コースの開始及び終了時に、ヘッドが表面に接近又は表面から後退すると、IR温度センサから見える反射が生じることがある。また、外付けのIR温度センサ(例えば、12のトウバンドのうちトウ#1又はトウ#12で測定するように配置されたセンサ)からは、複数のトウが配置されているために、処理中のエリアが見えないであろう。加えて、コースの開始又は終了時には、IR温度センサはツーリング18を見て無関係な応答を生成している場合がある。一実施形態によれば、IR温度センサが有効な信号を提供しているときを決定するための手段が組み込まれる。後処理は、NCプログラムを読み取って、いずれのセンサが有効な信号を生成しているかを規定するコードを挿入するように構成されるであろう。
圧密ローラ12の前方に三つのIR温度センサ22が、圧密ローラ12の後方に3つのIR温度センサ24がそれぞれ存在するため、三つの後方IR温度センサと三つの前方IR温度センサの信号を、制御アルゴリズム52のために使用可能な入力に統合する手段がソフトウエアに含まれる。例えば、圧密ローラ12の前方の三つすべてのIR温度センサ22が異なる温度を生成する場合、制御コンピュータ2への共通信号を生成する方法が望ましい。一の技法によれば、中央のIR温度センサを使用して制御アルゴリズムを導出することができる。
熱的モデリングの目的は、AFP機に、ローラ前及びローラ後のIR温度センサ測定値に関連して正確に予測された圧密ポイントにおける温度を提供することである。二次元の有限要素モデル(FEM)がパラメータ的に構築され、赤外線ヒータ20の処理速度及びパワー出力の関数として圧密ポイント温度を予測するために分析が実行された。また、FEMシミュレーションは、ローラの接触及び既にレイアップされたプライ数の影響に起因する熱損失を説明した。
繊維配置の物理的プロセスを考慮することにより、レイアップコース上の任意のポイントにおける概念的な温度履歴を得ることができる。図8は、レイアップコース上の任意のポイントにおける概念的な温度履歴を示すグラフである。圧密ローラ12の前のIR温度センサ22からの読み取り(図8の左側の黒丸により示される)は、検知位置と赤外線ヒータ20の後端との間の遅れ距離により、ピークのやや右側にある。ローラの接触は、勾配が変化するポイントにおいて起こり、接触の長さ及び速度に応じて一定時間にわたり続く。ローラの接触後、対流による自然な冷却が継続し、圧密ローラ12後のIR温度センサ24からの読み取りが取得される(図8の右側の黒丸により示される)。つまり、熱的モデリングのタスクは、図8に示されるように、この温度履歴曲線を分析的にシミュレートし、ローラゾーン下の冷却の開始ポイントにおける温度と定義される圧密ポイント温度を予測するための方程式を開発することである。実際のプロセスをシミュレートするうえでの技術的アプローチに関する更なる詳細について後述する。
本明細書に開示されるヒータ制御システムは、材料が配置されているが、コースの開始及び終了時などIR温度センサがその位置により有効なデータを提供していないとき、オフパートヒータ制御と遷移領域を管理する開ループアルゴリズムに依存する。制御アーキテクチャも、開ループアルゴリズムに依存してAFPヘッド速度に基づいてターゲットパワー設定を提供し、PID閉ループコントローラは、ターゲットに基づいて実際のパワーを変化させ、指令された基板温度を達成する。ロボット式AFPシステムに設置されたヒータシステムの熱の影響を受けるゾーンのプロファイルを理解するために、赤外線カメラデータが収集される。一のプロトタイプによれば、ヒータ電球の幅は6インチであり、送達ヘッドは、バンド幅6インチとなる、1/2インチ幅の12のトウのために設計された。取得された赤外線画像は、このヒータが6インチのバンド幅全体にわたって均一な温度を生成しないことを示した。ヒータ領域の中央から、外側のトウが配置される外縁までの間には、約40℃の温度差があった。これは静的試験であったため、記録された実際の温度は、繊維配置の間に予想される実際の基板温度を表すものではなく、ヒータの均一性を示すものであった。このような変動性を軽減するために、材料のバンド幅より広い赤外線電球を利用することができる。一実施形態によれば、熱的モデルは、中央のIR温度センサだけを使用するように構成することができる。
コースの最後に、材料温度は降下し、次いでAFPヘッド10がコースの末端に到達して引き上げられるとスパイク波形を生じる。このような動作は温度過渡を生じさせる。閉ループシステムは、表面からAFPヘッド10を後退させたことが温度の過渡を生じるときのように、もはや有効でないときには、到来するデータを無視するように構成することができる。
熱的モデルを較正するプロセスの一部として、前方及び後ろの中央IR温度センサにより検出されたエリアの温度を測定するための試験が実行された。前方センサと後方センサとの間には、基板温度に有意な降下が存在した。実際のプロセスは、圧密化ポイントにおいて発生し、閉ループシステムの制御に望ましいポイントである。しかしながら、このポイントは測定することができない。このため、ローラの前方及び後方のセンサの読み取りと圧密ポイントにおける温度との関係を理解するために、熱的モデルが開発された。熱的モデルに基づき、推測される圧密ポイント温度を計算し、ヒータ制御システムに所望の圧密ポイント温度を生成させるために使用することができる。熱的モデルは、実際の試験の条件を複製するように構成されうる。試験の間に取得された温度データも、熱的モデルのヒータ効率の値を較正するために使用された。
上述の試験は、トウを敷設していないときに実行された。試験の一部を、トウを敷設しながら繰り返した。4又は8のプライの基板の場合、測定された基板温度は、トウを敷設していないときと比較して、摂氏で数度だけ変化した。このデータも、熱的モデルの較正に使用された。
図9は、埋設された熱電対のデータに基づく、加熱、冷却及びローラ圧密化の間の経時的な基板温度のグラフであり、圧密ローラ12の効果の別の例を示している。このグラフは、赤外線ヒータ20と圧密ローラ12が熱電対上を通過するときに、表面下のプライ上熱電対によって測定された基板温度を示している。「圧密化あり」と記した曲線は、ローラが表面と接触した状態で収集されたデータである。「圧密化なし」と記した曲線は、ローラが表面からわずかに離れている状態で収集されたデータである。二つの垂直な線は、材料がローラによって圧密化されていた期間の境界(「圧密化開始」時間と「圧密化停止」時間によって区切られた)を表している。矢印は、前方及び後方IR温度センサが向けられている凡その場所を示す。このポイントにおいて、材料がローラによって圧密化されると圧密ポイントにおける温度が急激に降下する。ここで、ローラは材料を急冷している。ローラの接触なしで再実行すると、急冷は起こらなかった。また、このグラフにおいて明らかであるのは、ヒータが圧密ポイントに近接していることにより、圧密化に先立って基板温度が冷却し始めることである。
図1に示す赤外線ヒータの2つの赤外線電球構成を考慮すれば、加熱された圧密ゾーンの中央における熱流速が縁部より高いとみなすことは妥当である。初期開発を目的とした熱的モデルを構築する際には、近似空間熱流速分布を、ヒータが左から右へと移動するときにすべての表面要素が経験する熱流束の時間履歴へと更に近似させる。図10は、各表面要素上の熱流速の概念的な時間履歴を示すグラフである。この開発例では、平均熱流速は、H(H1=0.5H、H2=1.5H、及びH2=3H1)であった。パラメータtは、特定の表面要素の位置及びヒータ移動速度に従って加熱の開始を制御する遅延時間である。パラメータtは、加熱の終了を制御する遅延時間である。熱流速ピーク時間t=t+L/(2V)(Lは加熱継続時間であり、Vはヒータの移動速度である)である。Δt=t−t=t−tは、演算のみを目的とした、無視可能なランプ時間である。ヒータパワー出力と熱流速との関係を導出するために経験的アプローチが採用され、これは概ね線形であることが分かった。異なる速度で実際のプロセスを実行することにより、熱的モデルに適用される実際の熱流速を調節する経験的効率係数C(V、d)(dはランプ表面と基板の最上のプライの表面との間の距離である)が得られた。熱流速プロファイルを特徴付ける方法の提案された一実施形態に従って、形態係数、電球の数、ツールの湾曲、及びヒータからツールまでの距離のような電球特性に基づいて熱プロファイルを計算することに焦点を当てた熱的プロファイルが設計された。
赤外線ヒータ20の処理速度及びパワー出力の関数として圧密ポイント温度を予測するためにFEM分析が実行された。FEMシミュレーションは、ローラの接触及び既にレイアップされたプライ数の影響に起因する熱損失も説明した。図11は、ヒータが0.1m/秒で移動しており、パワー出力が100%であったときの注目対象の三つのポイント(A、B及びC、図3参照)における温度−時間履歴を示している。ローラ前方検知位置Bの曲線は、基本的に、ローラ接触前の、圧密ポイントCの曲線からのオフセットであり、圧密ポイントCからのみ導入されている。ローラ後検知位置Aは、周囲温度と同じ開始温度で敷設されたばかりのプリプレグプライの上にあるため、圧密ポイントC及びローラ前方検知位置Bより温度が低い。
図12は、パワー出力が100%であるときの、圧密ポイント温度(注目対象ポイントC)に対する処理速度の影響を示している。予想通り、処理速度が0.05m/秒から0.1m/秒及び0.25m/秒に上昇すると、圧密ポイント温度は低下する。(このような低速は、シミュレーションのみを目的として選択された;繊維配置は一般的にもっと高速で、例えば、0.5メートル/秒以上で行われる。)図13は、圧密ポイント温度に対するパワー出力の影響を示しており、これはパワー出力のパーセンテージと直線的に比例している。図12及び13に示されるデータは、やはりFEMシミュレーションを使用して得られたものである。
一のFEMシミュレーションによる圧密ポイント温度制御システムに関するパラメータ研究の結果は、以下の結論を導くものであった。(a)注目対象ポイントの各々における温度の上昇は、パワー出力に直線的に比例する;(b)圧密ポイント(C)の温度は、ローラの接触による冷却、及びポイントBがポイントAよりも圧密ポイントCに近いという事実により、ローラ後検知ポイント(B)により近い;(c)注目期間内での厚さ方向貫通過渡熱伝導が所与のCFRP材料の8のプライを超えることはないため、敷設されるプライの数が5以上であるときに本質的な差は生じない;(d)結果として、敷設されるプライの数の関数としての、B−A間の温度差に対するポイントC−A間の温度差の比率は一定に近づく(図14参照)。
熱的モデルを検証するために、ヒータ特性化試験の結果を、単一プライプリプレグの加熱試験のモデル予測と相関させるために使用した。更なる調査の後、有限要素解析結果は、温度上昇は熱流速入力と比例しているという仮説と一貫していることが結論された。
モデル化された圧密ポイント温度データを、基板内のプライ数、供給速度、及びターゲット温度の関数として赤外線ヒータに必要とされるパワー割合を予測する方法に発展させた。実施されたこの方法は、圧密ポイント温度と後方R温度センサ温度との差を前方IR温度センサと後方IR温度センサとの差で除した固定比率を仮定した。この固定比率を使用して、前方IR温度センサと後方IR温度センサとの温度差を知ることにより、次いで圧密ポイント温度を推定することができる。
上述の閉ループフィードバックシステムは、無縁変数を制御することを意図している。基板温度はそのような変数の一つである。基板温度の変化は、IR温度センサの読み取りに反映され、次いで所望の圧密ポイント温度に到達するようにヒータパワーが変更される。
つまり、上述のシステムは、繊維配置機による繊維強化プラスチック材料のトウの配置の間にヒータ20を制御するための方法の実行を可能にする。一実施形態によれば、方法は:(a)圧密ローラ12の下の圧密ポイントの温度と、それぞれ第1及び第2の測定スポットにおける基板16の第1及び第2の温度とを相関させる熱的モデル40を生成することであって、圧密ローラ12が基板16と接触するとき、第1の測定スポットが圧密ローラ12の前方、ヒータ20の後ろに位置し、第2の測定スポットが圧密ローラ12の後ろに位置する、生成すること;(b)間に繊維強化プラスチック材料のトウを置いて圧密ローラ12を基板16の表面上で転がすことにより、トウを基板16上で圧密化すること;(c)圧密化の間に、電力ヒータ20を使用して、第1の測定スポットの上流のエリアで基板16を加熱すること;(d)第1の測定スポットから第1の温度測定値を取得すること;(e)第2の測定スポットから第2の温度測定値を取得すること;(f)熱的モデル40を使用して、第1の温度測定値と第2の温度測定値の少なくとも一つの関数である推定圧密ポイント温度を推測すること;(g)推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を計算すること;(h)推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を縮小するように計算された電力量をヒータ20に供給するという指令を表す制御信号を出すこと;並びに(i)前記電力量をヒータに供給することを含み、ステップ(f)から(g)は演算システム(例えば制御コンピュータ4)によって実施される。この方法は:ヒータ20の前方に位置する基板16上の第3の測定スポットから第3の温度測定値を取得すること;第1の温度と第3の温度との差に少なくとも部分的に基づいてヒータ20の下の基板16の部分の推定加熱ポイント温度を推測するように熱的モデル40を構成すること;推定加熱ポイント温度が最大許容基板温度を上回るか否かを決定すること;並びに推定加熱ポイント温度が最大許容基板温度を上回る場合にヒータ20をオフにすることを更に含みうる。
種々の実施形態を参照してAFP加熱の閉ループ制御のための方法を説明したが、当業者であれば、本明細書の教示の範囲から逸脱することなく様々な変形例が可能であること及びその要素を同等物で置換できることを理解するだろう。加えて、その範囲から逸脱することなく、多数の修正を行い、本明細書の教示を特定の状況に適合させることができる。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に開示された特定の実施形態に限定されないことが意図される。
さらに、本開示は、以下の条項に記載される実施例を含む。
条項1.圧密ローラ(12)を含むヘッド(10);圧密ローラの前方に取り付けられたヒータ(20);圧密ローラの前方及びヒータの後ろ、又は圧密ローラの後ろに位置する第1の測定スポットに向けられた第1の温度センサ(22又は24)であって、動作時に、圧密ローラが基板と接触するとき第1の温度データを出力する第1の温度センサ;一又は複数の温度センサによって出力された温度データに少なくとも部分的に基づいて圧密ローラ下の基板の推定圧密ポイント温度を推測するように構成された熱的モデル(40)を表すコンピュータコードを記憶する、非一過性の有形コンピュータ可読記憶媒体;並びに次の動作:熱的モデルを使用して、少なくとも第1の温度センサによって出力される第1の温度データの関数としてヒータに供給される電力量を計算すること;及びヒータに供給される電力量を表すヒータパワー制御信号を出力することを実施するように構成された演算システム(2)を備える自動繊維配置機。
条項2.第1の測定スポットが圧密ローラの後ろに位置している場合は圧密ローラの前方及びヒータの後ろに、又は第1の測定スポットが圧密ローラの前方及びヒータの後ろに位置している場合は圧密ローラの後ろに位置する第2の測定スポットに向けられた第2の温度センサ(22又は24)であって、作動時に、圧密ローラが基板と接触するとき第2の温度データを出力する第2の温度センサを更に備え、熱的モデルは、第1及び第2の温度データに少なくとも部分的に基づいて圧密ローラ下の基板の推定圧密ポイント温度を推測するように構成される、条項1に記載の自動繊維配置機。
条項3.ヒータが赤外線ヒータを含み、第1及び第2の温度センサがそれぞれ第1及び第2の赤外線温度センサを含む、条項2に記載の自動繊維配置機。
条項4.演算システムが、第1及び第2の温度センサによって出力される第1の温度データと第2の温度データとの差の関数としてヒータに供給される電力量を計算するように構成される、条項2又は3に記載の自動繊維配置機。
条項5.ヒータの前方に位置する第3の測定スポットに向けられた第3の温度センサであって、動作時に、圧密ローラが基板と接触するとき第3の温度データを出力する第3の温度センサを更に備え、熱的モデルが更に、第1及び第3の温度センサによって出力される第1の温度データと第3の温度センサによって出力される第3の温度データとの差に少なくとも部分的に基づいて、ヒータ下の基板の推定温度を推測するように構成されている、条項2、3、又は4に記載の自動繊維配置機。
条項6.ヘッドが、基板によって反射される放射が第1の温度センサに到達することをブロックするように配置及び構成されたシールディング(26)を更に含む、条項1から5のいずれか一つに記載の自動繊維配置機。
条項7.熱的モデルが、ヘッドの移動速度を考慮するように構成される、条項1から6のいずれか一つに記載の自動繊維配置機。
条項8.熱的モデルが、基板のプライ数を考慮するように構成される、条項1から7のいずれか一つに記載の自動繊維配置機。
条項9.熱的モデルが、推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を計算するように構成される、条項1から8のいずれか一つに記載の自動繊維配置機。
条項10.演算システムが、熱的モデルを使用して計算された差を表す信号を受け取り、推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を縮小するようにヒータを動作させるように構成されたヒータパワー制御信号を出力する、偏差−積分−微分コントローラ(52)を更に含む、条項9に記載の自動繊維配置機。
条項11.演算システムからヒータパワー制御信号を受け取るために動作可能に連結された信号調整器(6);及び信号調整器に動作可能に連結されたヒータパワーコントローラ(8)を更に備え、ヒータパワーコントローラが、調整されたヒータパワー制御信号をヒータに動力供給するために使用される出力電圧に変換するように構成されている、条項1から10のいずれか一つに記載の自動繊維配置機。
条項12.演算システムが更に、ヘッドが材料を敷設しており且つ第1の温度データが無効であるとき開ループ制御アルゴリズムを実行し、ヘッドが材料を敷設しており且つ第1の温度データが有効であるとき閉ループ制御アルゴリズムを実行するように構成されている、条項1から11のいずれか一つに記載の自動繊維配置機。
条項13.繊維配置機のヘッドによる繊維強化プラスチック材料のトウ(14)の配置の間にヒータ(20)を制御するための方法であって、(a)圧密ローラ(12)の下の圧密ポイントの温度を少なくとも第1の測定スポットにおける基板(16)の第1の温度に相関させる熱的モデル(40)を生成することであって、第1の測定スポットが、圧密ローラが基板と接触するとき、圧密ローラの前方及びヒータ(20)の後ろに、又は圧密ローラの後ろに位置する、生成すること;(b)間に繊維強化プラスチック材料のトウ(14)を置いて圧密ローラを基板の表面上で転がすことにより、トウを基板上で圧密化すること;(c)圧密化の間に、電力ヒータ(20)を使用して、第1の測定スポットの上流のエリアで基板を加熱すること;(d)第1の測定スポットから第1の温度測定値を取得すること;(e)熱的モデルを使用して、少なくとも第1の温度測定値の関数である推定圧密ポイント温度を推測すること;(f)推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を計算すること;(g)推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を縮小するように計算された電力量をヒータに供給するという指令を表す制御信号を出すこと;並びに(h)前記電力量をヒータに供給することを含み、少なくともステップ(e)から(g)が演算システム(2)によって実施される、方法。
条項14.熱的モデルが更に、圧密ポイントの温度を第2の測定スポットにおける基板の第2の温度に相関させ、第2の測定スポットは、圧密ローラが基板と接触するとき、第1の測定スポットが圧密ローラの後ろにある場合には圧密ローラの前方及びヒータの後ろに、第1の測定スポットが圧密ローラの前方及びヒータの後ろにある場合には圧密ローラの後ろに位置し、ステップ(e)は、熱的モデルを使用して、第1の温度測定値と第2の温度測定値との差の関数である推定圧密ポイント温度を推測することを含む、条項13に記載の方法。
条項15.ステップ(c)が、基板に赤外線を放射することを含む、条項13又は14に記載の方法。
条項16.基板によって反射される熱が、圧密ローラの前方及びヒータの後ろに位置する第1及び第2の測定スポットの一つに向かって方向付けられている温度センサ(22)に到達することをブロックすることを更に含む、条項14に記載の方法。
条項17.熱的モデルによって出力される推定圧密ポイント温度が、ヘッドの移動速度の関数である、条項13、14、又は15に記載の方法。
条項18.熱的モデルによって出力される推定圧密ポイント温度が、基板のプライ数の関数である、条項13から17のいずれか一つに記載の方法。
条項19.ヒータの前方に位置する基板上の第3の測定スポットから第3の温度測定値を取得すること;第1の温度と第3の温度との差に少なくとも部分的に基づいてヒータ下の基板の部分の推定加熱ポイント温度を推測するように熱的モデルを構成すること;推定加熱ポイント温度が最大許容基板温度を上回るか否かを決定すること;並びに推定加熱ポイント温度が最大許容基板温度を上回る場合にヒータをオフにすることを更に含む、条項13から18のいずれか一つに記載の方法。
条項20.第1及び第2の温度データが有効か否かを決定すること;並びに第1及び第2の温度データが有効でないとき開ループ制御アルゴリズムを実行し、第1及び第2の温度データが有効であるとき閉ループ制御アルゴリズムを実行することを更に含む、条項14又は16に記載の方法。
条項21.繊維配置機による繊維強化プラスチック材料のトウ(14)の配置の間にヒータ(20)を制御するための方法であって、(a)間に繊維強化プラスチック材料のトウ(14)を置いて基板(16)の表面上で圧密ローラ(12)を転がすことにより、ツール(18)によって支持された基板上でトウを圧密化すること;(b)電力ヒータ(20)を使用して、圧密ローラの上流のエリアで基板を加熱すること;(c)ヒータの後ろ及び圧密ローラの前方に位置する基板の部分にある第1の測定スポットから第1の温度測定値を取得すること;(d)圧密ローラの後ろに位置する基板の部分にある第2の測定スポットから第2の温度測定値を取得すること;(e)第1の温度測定値と第2の温度測定値の少なくとも一つの関数である推定圧密ポイント温度を推測すること;(f)推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を計算すること;(g)推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を縮小するように計算された電力量をヒータに供給するという指令を表す制御信号を出すこと;並びに(h)前記電力量をヒータに供給することを含み、少なくともステップ(e)から(g)が演算システムによって実施される、方法。
条項22.ステップ(c)が、基板に赤外線を放射することを含む、条項21に記載の方法。
条項23.それぞれ第1及び第2の測定スポットからの第1の温度測定値と第2の温度測定値との差の関数として、ヒータに供給される電力量を計算することを更に含む、条項21又は22に記載の方法。
上記に開示される実施形態は、一又は複数の演算システムを使用する。特許請求の範囲において使用される用語「演算システム」は、一又は複数の処理又は演算装置を含む。このような処理又は演算装置は、一般に、プロセッサ、コントローラ、中央処理装置、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータプロセッサ、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、デジタル信号プロセッサ、及び/又は本明細書に記載される機能を実行することのできる他のいずれかの回路又は処理装置のうちの一又は複数を含む。上記の例は例示的なものにすぎず、ゆえに「演算システム」という用語の定義及び/又は意味を、いかなる意味でも限定することを意図していない。
本明細書に記載される方法は、非限定的に記憶デバイス及び/又はメモリデバイスを含む、非一過性の有形コンピュータ可読媒体において実現される実行可能な命令として符号化されうる。このような命令は、処理又は演算システムにより実行されると、本明細書に記載された方法の少なくとも一部をシステムデバイスに実行させる。
特許請求の範囲に規定される方法の請求項は、請求項の文言が本明細書に記載されるステップの一部又は全部が実施される特定の順序を示す条件を明示的に特定するか又は述べていない限り、これらステップがアルファベット順(特許請求の範囲におけるいずれのアルファベット順も、既述のステップに言及することのみを目的として使用されている)又は記載順に実施されることが必要であると解釈すべきでない。また、方法の請求項は、請求項の文言がそのような解釈を排除する条件を明示的に述べていない限り、二つ以上の工程のいずれかの部分が同時に又は順番に実施されることを除外すると解釈すべきでない。

Claims (15)

  1. 圧密ローラ(12)を含むヘッド(10)、
    前記圧密ローラの前方に取り付けられたヒータ(20)、
    前記圧密ローラの前方及び前記ヒータの後ろに、又は前記圧密ローラの後ろに位置する第1の測定スポットに向けられた第1の温度センサ(22又は24)であって、動作時に、前記圧密ローラが基板と接触するときに第1の温度データを出力する前記第1の温度センサ、
    一又は複数の温度センサによって出力された温度データに少なくとも部分的に基づいて、前記圧密ローラ下の前記基板の推定圧密ポイント温度を推測するように構成された熱的モデル(40)を表すコンピュータコードを記憶する、非一過性の有形コンピュータ可読記憶媒体;並びに
    以下の工程、即ち:
    前記熱的モデルを使用して、少なくとも前記第1の温度センサによって出力される前記第1の温度データの関数として前記ヒータに供給される電力量を計算する工程;及び
    前記ヒータに供給される電力量を表すヒータパワー制御信号を出力する工程
    を実施するように構成された演算システム(2)
    を備える自動繊維配置機。
  2. 前記第1の測定スポットが前記圧密ローラの後ろに位置している場合は前記圧密ローラの前方及び前記ヒータの後ろに位置し、又は前記第1の測定スポットが前記圧密ローラの前方及び前記ヒータの後ろに位置している場合は前記圧密ローラの後ろに位置する第2の測定スポットに向けられた第2の温度センサ(22又は24)であって、作動時に、前記圧密ローラが前記基板と接触するとき第2の温度データを出力する前記第2の温度センサを更に備え、前記熱的モデルが、前記第1及び前記第2の温度データに少なくとも部分的に基づいて前記圧密ローラ下の前記基板の前記推定圧密ポイント温度を推測するように構成されている、請求項1に記載の自動繊維配置機。
  3. 前記ヒータが赤外線ヒータを含み、前記第1及び第2の温度センサがそれぞれ第1及び第2の赤外線温度センサを含む、請求項2に記載の自動繊維配置機。
  4. 前記演算システムが、前記第1及び第2の温度センサによって出力される前記第1の温度データと前記第2の温度データとの差の関数としてヒータに供給される電力量を計算するように構成されている、請求項2又は3に記載の自動繊維配置機。
  5. 動作時に、前記圧密ローラが前記基板と接触するとき第3の温度データを出力する、前記ヒータの前方に位置する第3の測定スポットに向けられた第3の温度センサを更に備え、前記熱的モデルが更に、前記第1及び第3の温度センサによって出力される前記第1の温度データと前記第3の温度データとの差に少なくとも部分的に基づいて、前記ヒータ下の前記基板の推定温度を推測するように構成されている、請求項2、3又は4に記載の自動繊維配置機。
  6. 前記ヘッドが、前記基板によって反射される放射が前記第1の温度センサに到達することをブロックするように配置及び構成されたシールディング(26)を更に含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の自動繊維配置機。
  7. 前記熱的モデルが、前記推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を計算するように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の自動繊維配置機。
  8. 前記演算システムが、前記熱的モデルを使用して計算された前記差を表す信号を受け取り、前記推定圧密ポイント温度と前記ターゲット圧密ポイント温度との前記差を縮小するように前記ヒータを動作させるように構成されたヒータパワー制御信号を出力する偏差−積分−微分コントローラ(52)を更に含む、請求項7に記載の自動繊維配置機。
  9. 前記演算システムから前記ヒータパワー制御信号を受け取るように動作可能に連結された信号調整器(6)、及び
    調整済みヒータパワー制御信号を、前記ヒータに動力供給するために使用される出力電圧へと変換するように構成された、前記信号調整器に動作可能に連結されたヒータパワーコントローラ(8)
    を更に備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の自動繊維配置機。
  10. 前記演算システムが更に、前記ヘッドが材料を敷設しており且つ前記第1の温度データが無効であるとき開ループ制御アルゴリズムを実行し、前記ヘッドが材料を敷設しており且つ前記第1の温度データが有効であるとき閉ループ制御アルゴリズムを実行するように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の自動繊維配置機。
  11. 繊維配置機のヘッドによる繊維強化プラスチック材料のトウ(14)の配置の間にヒータ(20)を制御するための方法であって、
    (a)圧密ローラ(12)下の圧密ポイントの温度を、少なくとも、第1の測定スポットにおける基板(16)の第1の温度と相関させる熱的モデル(40)であって、前記第1の測定スポットが、前記圧密ローラが前記基板と接触するとき、前記圧密ローラの前方及び前記ヒータ(20)の後ろ、又は前記圧密ローラの後ろに位置する、前記熱的モデルを生成すること、
    (b)繊維強化プラスチック材料のトウ(14)を間に挟んで、前記圧密ローラを前記基板の表面上で転がすことにより、前記基板上で前記トウを圧密化すること、
    (c)電力ヒータ(20)を用いて圧密化の間に前記第1の測定スポットの上流のエリアで前記基板を加熱すること、
    (d)前記第1の測定スポットから第1の温度測定値を取得すること、
    (e)前記熱的モデルを使用して、少なくとも前記第1の温度測定値の関数である推定圧密ポイント温度を推測すること、
    (f)前記推定圧密ポイント温度とターゲット圧密ポイント温度との差を計算すること、
    (g)前記推定圧密ポイント温度と前記ターゲット圧密ポイント温度との前記差を縮小するように計算された電力量を前記ヒータに供給するという指令を表す制御信号を出すこと、並びに
    (h)前記電力量を前記ヒータに供給すること
    を含み、少なくともステップ(e)から(g)が演算システム(2)によって実施される、方法。
  12. ステップ(c)が、前記基板に赤外線を放射することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記熱的モデルによって出力される前記推定圧密ポイント温度が、前記ヘッドの移動速度の関数である、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記熱的モデルによって出力される前記推定圧密ポイント温度が、前記基板のプライ数の関数である、請求項11、12、又は13に記載の方法。
  15. 前記ヒータの前方に位置する前記基板上の第3の測定スポットから第3の温度測定値を取得すること
    前記熱的モデルを、前記第1の温度と前記第3の温度との前記差に少なくとも部分的に基づいて、前記ヒータの下の前記基板の部分の推定加熱ポイント温度を推測するように構成すること、
    前記推定加熱ポイント温度が最大許容基板温度を上回るか否かを決定すること、並びに
    前記推定加熱ポイント温度が前記最大許容基板温度を上回る場合に前記ヒータをオフにすること
    を更に含む、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
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