JP2019076877A - 鉄バクテリアの固定化および固定化鉄バクテリアによる重金属の除去方法 - Google Patents

鉄バクテリアの固定化および固定化鉄バクテリアによる重金属の除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 鉄バクテリアを固定化する方法、および固定化鉄バクテリアを用いて、金属汚染水および金属汚染土壌を除染し、除染後の固定化バクテリアを容易に除去する方法を提供する。【解決手段】 繊維状の鉄バクテリアを、木綿などの繊維状の素材に吸着させることで固定化し、これを用いて金属イオンを含む水溶液、または金属が結着した土壌に水とともに添加し、一定時間撹拌し、鉄バクテリアに代謝させて除染する方法であり、除染後は固定化バクテリアを除くことで汚染金属を濃縮する方法を提供することである。【選択図】図3

Description

本発明は、鉄バクテリアを固定化する方法、およびその固定化鉄バクテリアを用いた重金属の除去方法に関する。
鉄バクテリアという一群のバクテリアの多くは、鉄およびマンガンを酸化してエネルギーを獲得することが知られている。発明者は、青函トンネルの先進導坑という作業抗の最深部(海底から100メートル、水面から240メートル)付近の壁に開いた排水口付近に繁茂するバクテリアを見出し、鉄バクテリアの一種と同定した。
青函トンネルは常時海水および淡水が湧水しており、浸水を防ぐため、トンネルの壁の各所に排水口を設け、湧水を作業抗の排水溝に受け、作業坑から先進導坑を通り、北海道側の吉岡および青森県側の竜飛付近に集め、ポンプで排出している。排水口は数メートルおきに設置しているが、湧水が壁からしみ出している箇所も多い。このような排水口から排水溝にかけて、淡黄色もしくは黒色のマット様のスラリーがトンネル内の各所に形成されており、特に最深部に多く見られる。スラリーは、水の流れに沿って形成されており、排出口付近では厚さ数センチから10センチメートルに及ぶ。排水は海水と淡水が混合しているため、塩分濃度は2.5%であった。
スラリーを回収し、光学顕微鏡で観察すると、スラリーのほとんどが糸状の繊維状であり、一見植物的であった。しかし、高倍率にすると、単独あるいは数珠繋がりの細胞も観察された。rRNA(リボゾームRNA)タイプから判断すると、バクテリアと同型であった。さらに、走査電子顕微鏡で詳細に観察すると、糸状のものは網状の筒として観察され、ケイ素、および鉄もしくはマンガンで構成されていることが判明した。グラム染色で染まらないグラム陰性であることと加え、鞘を持つ形態学的特徴とその成分から、レプトスリックス属(Leptothrix)である鉄バクテリアと考えられた。しかしながら、レプトスリックス属は淡水で生育するものがほとんどで、本バクテリアのように、海水で生育する例の報告は無い。
これまでに、多くの鉄バクテリアの知見があるが、レプトスリックス属のうち、鞘直径が約1μm、長さ20〜100μmであること、富栄養あるいは貧栄養条件下ともに生育が遅いこと、鞘の分岐が見られないことなどからレプトスリックス・オクラセア(Leptothrix ochracea)の一種であると思われる。
近代文明では多くの金属を工業的原料として用いている。重金属は半導体製造、電池製造には欠かせないが、生産途中での排水、製品の廃棄に伴う処理途中の排水には多く含まれ、環境の汚染を引き起こしており、環境中から除去する効率的な方法の確立が望まれている。
また、原子力発電所が自己もしくは災害によって破壊され、半減期の長い放射性物質(例えばセシウム‐137)が環境中に飛散し、大規模な汚染を引き起こす事態が想定されるし、実際に国内でも発生があった。これらの汚染も例えばゼオライトのような無機物に吸着させ、除去する方法が一般に採られているが、吸着ゼオライトの容積、重量が膨大になり、より効率よく濃縮する技術が望まれている。一方で、汚染物質が広範囲の土壌を汚染しており、微細土壌に固く結着しており、水に不溶なことが示されている。これらの除染はこれまで不可能であったため、汚染土壌は掘削して除くこと以外の方法がなかった。
さらにトンネル掘削工事に伴う掘削土には、天然由来の重金属が含有される場合があり、堆積された掘削土から重金属が地中に流れ出し、地下水を汚染するなどの現状が報告されている。岩石に含まれていた間には溶出しなかった重金属が、掘削により粉砕され、表面積が大きくなったことでこのような汚染を引き起こす事態となったものであり、この対策も現状では解決されていない。
発明者らは、鉄バクテリアが水に溶解している金属イオンのみならず、土壌に結着している金属をも剥ぎ取って利用することを突き止めた。しかしながら、現在までに鉄バクテリアを固定化する方法がないため、土壌と鉄バクテリアを分離する方法が無く、不織布などに閉じ込めるしかなかった。この場合、用いる鉄バクテリアの量が多くなること、不織布表面に微細土壌がアーチ状に堆積し、網目を塞いでしまうため、土壌の出入りが出来なくなり、一定時間経過すると処理の効率が悪くなること、が大きな問題であった。
本発明の目的は、水溶液中に溶解している金属イオン、あるいは土壌中にあり、微細土壌と結合している金属を、鉄バクテリアによって除去した後、鉄バクテリアを分別除去出来る固定化方法を提供することである。
本発明者は、上記目的の達成に鋭意研究を重ねた結果、鉄バクテリアを、あらかじめ繊維状の素材、脱脂綿などに絡ませておき固定化させることで、直接汚染水あるいは汚染土壌の懸濁液に添加し、金属に暴露することにより、金属イオンまたは土壌結着の金属を除去することが出来、金属除去後の鉄バクテリアを、選択的に除くことが可能となり、上記の問題を解決できるとの知見を得た。
本発明は、この知見に基づいて、
1.繊維状の鉄バクテリアを、水溶液中に懸濁し、ここに繊維状の素材を入れて線維同士を絡ませ、当該バクテリアの固定化を行ない、これを重金属汚染水または汚染土壌に直接添加して重金属を除去させ、除去後に固定化した繊維状のバクテリアを、荒いメッシュまたは棒などで絡め取ることで選択除去することを特徴とする、鉄バクテリアの固定化および固定化鉄バクテリアによる重金属の除去方法、
2.繊維状の鉄バクテリアが、繊維状で繋がった細胞と、細胞外部に鞘を持ち、スラリーを形成する形態的特徴を持ち、水溶液中で金属カチオンの種類を問わず、吸収し、酸化することでエネルギーを獲得し、酸化した金属を鞘表面に固定化する種類、好ましくはレプトスリックス属であることを特徴とする、1に記載の鉄バクテリアの固定化および固定化鉄バクテリアによる重金属の除去方法、
3.繊維状の素材が、木綿、麻などに代表される植物繊維、ウール、シルクなどに代表される動物繊維、ポリエステル、アクリルなどの代表される合成繊維、レーヨンなどに代表される半合成繊維、グラスウール、PAN系またはピッチ系炭素繊維、もしくは羽毛を指し、鉄バクテリアの固定化および固定化鉄バクテリアによる重金属の除去方法
4.固定化された鉄バクテリアを、重金属カチオンを含む汚水もしくは汚染土壌の懸濁液に直接添加し、重金属の種類によって1〜96時間、混合、撹拌し、汚水中もしくは汚染土壌の懸濁液から重金属を除去することを特徴とする、1〜3のそれぞれに記載の鉄バクテリアの固定化および固定化鉄バクテリアによる重金属の除去方法、
5.汚水または汚染土壌から重金属を除去した固定化鉄バクテリアは、2x2mm〜4x4mmのメッシュ、もしくは突起のあるヘアーブラシのようなもので絡め取るか、かけ流す方法で回収することを特徴とする、1〜4のそれぞれに記載の鉄バクテリアの固定化および固定化鉄バクテリアによる重金属の除去方法、
を提供する。
本発明者は、まず鉄バクテリアの同定を行なった。
(実験1)
[鉄バクテリアの同定]
青函トンネルの先進導坑から採取されたスラリーを形成するバクテリアは99.5%の割合で純粋存在し、他の生物の混入(ほとんどが原生生物であった)が少ないことが判った。
採取されたバクテリアを用い、光学顕微鏡的な形態の観察、および走査電子顕微鏡による鞘の観察、および染色による方法により同定を行なった。
グラム染色を行なうと、陰性であったので、本バクテリアはグラム陰性菌と同定された。
形態学的な観察では、ほとんどが単一な細胞ではなく、数珠繋がりの糸状の細胞集団が見出され、繊維状であった。走査電子顕微鏡観察では、細胞外部に鞘が認められ、その構成成分はケイ素および鉄またはマンガンであることが判った。これらバクテリアはLeptothrix属に属する鉄バクテリアであり、細胞の形態および鞘の特徴からLeptothrix ochraceaの一種であると特定された。但し、本バクテリアは淡水性ではなく、海水性であり、新種の可能性がある。
実施例及び比較例
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想に基づく、他の例又は変形は、当然本発明に包含されるものである。
[鉄バクテリアの固定化]
湿重量で20gの鉄バクテリアを、500mLの水を入れてある1Lのビーカーに入れ、撹拌し、十分懸濁した。ここに繊維が固まらないようにほぐした5gの脱脂綿を入れ、さらに撹拌を続けた。約10分撹拌するとバクテリアのほとんどが脱脂綿に絡まり、水溶液中に浮遊細胞は目視されなくなり、固定化された。これを2x2mmのステンレス製のメッシュで濾過した。濾液はやや濁っており、鉄バクテリアが残っていると思われたので、これを光学顕微鏡で観察したが、ほとんどが単体かもしくは数個の細胞が繋がったものであり、繊維状のものは見いだせなかった。このことより、繊維状の鉄バクテリアは脱脂綿に固定化されたと判断した。以下の実施例では、このように脱脂綿に固定化した鉄バクテリアを用いた。
[鉄イオンの除去]
青函トンネル内で採取された海水(塩化ナトリウムの濃度で2.5%)100mLに、硫酸第一鉄を20mg/L添加し、実施例1で用意した固定化鉄バクテリア(湿重量で0.2g相当)を入れ25℃で撹拌を行なった。この間、経時的に試水を1mL採り、鉄濃度を測定した。図1に結果をグラフで示した。培養液中の第一鉄イオン濃度は時間とともに減少し、1時間でほぼ0となった。このことにより本バクテリアは鉄イオンを効果的に消費することが判った。
[図1]
[汽水での鉄イオンの除去]
本バクテリアは海水と淡水が混ざっている汽水(塩分濃度2.5%)の条件下で発見された。実施例2では採取された海水で取り扱っていたが、一般的な金属除去方法として用いるためには、淡水でも活性を示さなければならない。したがって、塩分濃度を変化させた時に鉄イオン除去が可能かどうかを次に検証した。塩化ナトリウムの濃度を、0%、0.25%、1%および2.5%にした水100mLに硫酸第一鉄を5mg/L添加し、また湿重量0.2g相当の固定化鉄バクテリアを加えて、25℃で撹拌した。経時的に溶液を採り、鉄イオン濃度を測定した。結果は図2に示してある。塩分濃度が高いほど鉄の消費速度が速いが、時間が経過すると急速に消費速度が上がり、いずれの塩濃度であってもほとんど1時間で消費することが判った。このことから、塩濃度に依存しない鉄イオン消費能力が存在することが判明した。
[図2]
[他の金属イオンの除去]
環境中の様々な金属除去に、本固定化バクテリアが利用できるかどうかを淡水で検討した。
純水100mLに固定化鉄バクテリアの湿重量0.2g相当量と、5mg/Lの各金属すなわち硫酸第一鉄、塩化第一マンガン、硫酸銅、塩化コバルト・6水和物、クロム酸カリウム(六価クロム)、塩化ニッケル・6水和物、亜砒酸、塩化セシウム、塩化第二水銀、硝酸で溶解したセレン、または塩化カドミウムを添加し、経時的に試水中の金属イオン濃度を測定した。反応溶液のpHは、金属イオンを添加後、海水と同じpH8.2になるように、塩酸もしくは水酸化ナトリウムで調整した。結果を図3に示す。
鉄、マンガン、銅、ヒ素は素早く消化するが、クロム、セレン、セシウムはそれらの約4倍の時間がかかり、水銀、ニッケル、コバルト、カドミウム、はさらに消化が遅いなど、金属によってその消化速度は大きく異なることが判明した。しかし、用いた金属は全て消化され、本固定化バクテリアが金属イオン除去一般に利用出来ることが示された。
[図3]
[放射性セシウムの除去]
実施例4で示したように、セシウムが除去される能力があれば、放射性セシウムも除去される可能性がある。そこで放射性セシウムが本バクテリアのエネルギー源として利用出来るかどうかを、放射性物質で汚染されている地域の土壌を用いて検証を行なった。放射性物質で汚染されている地域は、福島県南相馬市内であり、ここは津波被害で炉心が露出した福島第一原子力発電所から30kmの位置にある。避難地域外ではあるが、原子力発電所から近い位置にあるため、ところどころに放射活性が高い地域が点在する。実験には汚染水が必要であったが、微量で測定できるほど高濃度の汚染水は無かったので、汚染土壌に水を加え、水に放射性物質を溶出させて用いた。市内の空中放射線量は0.2〜0.4マイクロシーベルト/時(μSv/h)であったが、建屋の雨樋の真下一帯に高い放射線量(2〜4μSv/h)を示す場所があったため、30cmx30cmのエリアを深さ20cm程度掘り、全ての土壌を採取した。
採取した土壌をよく混合し、均一にした後、1x1mmメッシュの篩かけて、草木の根や小石を取り除いた。この100gを1Lのビーカーに採り、純水を500ml加え、スターラーで一夜撹拌した。これを遠心し、上清と沈殿に分離した。上清は汚染水として、沈殿は汚染微細土壌として除染試料とした。汚染水の放射活性は、セシウムー137が7067Bq/L、汚染土壌では8,119Bq/Lであった。
放射性セシウムの測定は、多機能放射線測定器(ジャパンブランド社製JB5000PLUS‐S)を用い、付属の測定用チャンバーであるマリネリ容器に試料を入れて90分測定を行なった。
汚染水500mLに、あらかじめ用意した実施例1で示した固定化鉄バクテリアを1g相当量加え、室温で一夜撹拌を行なった。バクテリアの除去は、ビーカーの内容物全てをステンレス製の網(目のサイズが2x2mm)で漉し、網に残った固定化バクテリアの水を十分に切って行なった。固定化バクテリアの放射活性は、セシウム‐137が6,322Bq/Lであり、汚染水は559Bq/kgとなり、始めの汚染水の放射性セシウムのうち89.4%が取り除かれ、バクテリアに移行したことが判った。したがって、固定化鉄バクテリアによって放射性セシウムを除去できることが実証された。
[土壌に結着した放射性セシウムの除去]
土壌粒はアルミニウムの作る結晶を介してセシウムイオンと強い結合をすると言われているため、結合セシウムが水溶液中に溶出することはない。特に粒子が細かい泥に結着したセシウム(例えば水田の泥)では、水による溶出においては検出されなかった。
実施例5で分離した汚染土壌に純水500mLを加え、実施例1で調整した固定化鉄バクテリアを1g相当量添加し、室温で4日間に渡り撹拌を行なった。
測定は実施例5と同様に行なった。結果は図4に示してある。図に示す通り、菌体外と菌体内のセシウム‐137の量は、菌体外で減少、菌体内で増加しており、本方法で汚染土壌に対しても有効に作用することが判明した。
汚染水溶液と異なり、土壌からの除染には時間が掛かることが判明したが、これは土壌からセシウムを剥がし取るための何らかの過程があることを示唆している。鉄バクテリアは原始的なバクテリアの一種であり、火山活動によって地中から吹き出た火成岩中に含まれる鉄分などを、酵素的あるいはそのほかの方法で摂取するように適応したとの仮説があるが、現在のところまだ機構は判明していない。本実験によっても、明らかに土壌から放射性セシウムが除去されていることが示された。
[図4]
発明の効果
本発明の鉄バクテリアの固定化によって、水に溶解しているほとんどの金属イオンのみならず、土壌に結着している金属も効率的に除去でき、除染後に鉄バクテリアのみを回収できることが示された。代謝産物である金属は菌体の持つ鞘に排出され結合する。一定の長さになった鞘からはバクテリアが単体で抜け出て、他の場所で生育し新たな鞘を作るので、古い鞘だけ残ることが知られており、取り込んだ金属は鞘に残存する。したがって、固定化鉄バクテリアを乾燥、燃焼することによって、生細胞成分および固定化に用いた木綿を除去できるため、ケイ素が主体の鞘および除染金属のみ残り、さらなる減容化が可能である。
固定化鉄バクテリアの鉄イオンに対する活性 固定化鉄バクテリアが鉄イオンを培養液に入れた時に消化する様子を表わしたグラフである。 塩濃度を変化させた時、固定化鉄バクテリアの鉄イオンに対する活性 培養液の塩濃度を変化させた時、固定化鉄バクテリアが鉄を消化する様子を表わしたグラフである。 様々な金属イオンを与えた時の固定化鉄バクテリアの活性 純水中に様々な金属イオンを添加し、固定化鉄バクテリアが消化する過程を表わしたグラフである。 放射性セシウムで汚染された土壌を、固定化鉄バクテリアによって浄化を行なった結果を表わすグラフである。
符合の説明
[図1]横軸は時間(分)を、縦軸は鉄イオン濃度(mg/L)を示す。
[図2]横軸は時間(分)を、縦軸は鉄イオン濃度(mg/L)を示す。●:塩化ナトリウム濃度2.5%、■:塩化ナトリウム濃度1%、▲:塩化ナトリウム濃度0.5%、○:塩化ナトリウムなし、をそれぞれ表わす。
Figure 2019076877
[図4]横軸は時間(日)を、縦軸は放射線量(Bq/L)を表わす。

Claims (5)

  1. 繊維状の鉄バクテリアを、水溶液中に懸濁し、ここに繊維状の素材を入れて線維同士を絡ませ、当該バクテリアの固定化を行ない、これを重金属汚染水または汚染土壌に直接添加して重金属を除去させ、除去後に固定化した繊維状のバクテリアを、荒いメッシュまたは棒などで絡め取ることで選択除去することを特徴とする、鉄バクテリアの固定化および固定化鉄バクテリアによる重金属の除去方法。
  2. 繊維状の鉄バクテリアが、繊維状で繋がった細胞と、細胞外部に鞘を持ち、スラリーを形成する形態的特徴を持ち、水溶液中で金属カチオンの種類を問わず、吸収し、酸化することでエネルギーを獲得し、酸化した金属を鞘表面に固定化する種類、好ましくはレプトスリックス属であることを特徴とする、請求項1に記載の、鉄バクテリアの固定化および固定化鉄バクテリアによる重金属の除去方法。
  3. 繊維状の素材が、木綿、麻などに代表される植物繊維、ウール、シルクなどに代表される動物繊維、ポリエステル、アクリルなどに代表される合成繊維、レーヨンなどに代表される半合成繊維、グラスウール、PAN系またはピッチ系炭素繊維、もしくは羽毛を指し、請求項1および2のそれぞれに記載の、鉄バクテリアの固定化および固定化鉄バクテリアによる重金属の除去方法。
  4. 固定化された鉄バクテリアを、重金属カチオンを含む汚水もしくは汚染土壌の懸濁液に直接添加し、重金属の種類によって1〜96時間、混合、撹拌し、汚水中もしくは汚染土壌の懸濁液から重金属を除去することを特徴とする、請求項1〜3のそれぞれに記載の、鉄バクテリアの固定化および固定化鉄バクテリアによる重金属の除去方法。
  5. 汚水または汚染土壌から重金属を除去した固定化鉄バクテリアは、2x2mm〜4x4mmのメッシュ、もしくは突起のあるヘアーブラシのようなもので絡め取るか、かけ流す方法で回収することを特徴とする、請求項1〜4のそれぞれに記載の、鉄バクテリアの固定化および固定化鉄バクテリアによる重金属の除去方法。
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