JP2019075891A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パワー半導体素子の閾値電圧やオン電圧などの特性が経時劣化したとしても、各パワー半導体素子の発熱を均一化する。【解決手段】本発明の一態様の電力変換装置は、パワー半導体素子と、パワー半導体素子を駆動する駆動回路とを搭載した電力変換ユニットが並列に接続されて構成される。各電力変換ユニットの駆動回路を制御する制御回路部は、制御対象とする電力変換ユニットのうち各電力変換ユニットのパワー半導体素子の温度履歴に基づいて、最も温度変化が小さいパワー半導体素子の温度を基準温度として、基準温度よりも温度が高いパワー半導体素子のゲート電圧を下げ、基準温度よりも温度が低いパワー半導体素子のゲート電圧を上げる指令を、該当するパワー半導体素子に対応するゲート電圧可変回路部に出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、インバータ装置及びコンバータ装置に好適な電力変換装置に関する。
電力変換装置として、直流電力を交流電力に変換するインバータ装置や、交流電力を直流電力に変換するコンバータ装置がある。これらの電力変換装置では、パワー半導体素子のスイッチング動作によって電力変換を行う訳であるが、変換電力容量を増大させることを目的として、複数のパワー半導体素子を並列に接続し、これら複数のパワー半導体素子を同時にスイッチング駆動するようにしている。
このように複数のパワー半導体素子を並列に接続して駆動する場合、個々のパワー半導体素子には閾値電圧やオン電圧などの素子固有の特性のばらつきが存在するため、それらが導通する際にそれぞれのパワー半導体素子に流れる電流値がアンバランスしてしまう課題がある。この電流値のアンバランス(以下「電流アンバランス」という。)を考慮して、従来は、パワー半導体素子を並列に接続する際に、各々の定格電流よりも小さい電流値で設計し、パワー半導体素子が異常な電圧や電流によって破壊されないようにする必要があった。それ故、パワー半導体素子の性能を最大限に発揮することができない。
また、パワー半導体素子の選別を行い、同じような特性を持つパワー半導体素子同士を組み合わせることで、上記の課題を解決できるものの、特性を選別する際のコスト増加及び並列数の制限が課題となる。これらの課題を解決する技術として、特許文献1に記載の電力変換装置が提案されている。
特許文献1には、「パワー半導体素子の特性情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶されている特性情報に基づいて、パワー半導体素子のゲート駆動条件を制御するゲート駆動制御部と、を備える。」と記載されている。
特開2017−46438号公報
特許文献1に記載の従来技術は、記憶部に記憶されている閾値電圧などパワー半導体素子の特性情報に基づいて、パワー半導体素子のゲート駆動条件を個別制御することにより、電流アンバランスを改善することが特徴となっている。一般的に、主にパワー半導体素子の出荷検査時にパワー半導体素子の静特性情報として閾値電圧を得ることができるが、実際にパワー半導体素子が電力変換装置に実装されて実動作している際は、測定することが非常に困難である。
電力変換装置が運転開始され、実動作している場合はパワー半導体素子の閾値電圧が経時劣化して、その電圧値が変動することがある。閾値電圧が変動すると、並列接続されたパワー半導体素子の電流アンバランスが発生し、その電流アンバランスにより、パワー半導体素子の発熱が不均等になる。その結果、特定のパワー半導体素子に発熱が集中して電力変換装置としての信頼性が低下する問題がある。
上記の状況から、パワー半導体素子の閾値電圧やオン電圧などの特性が経時劣化したとしても、各パワー半導体素子の発熱を均一化することが望まれていた。
本発明の一態様の電力変換装置は、パワー半導体素子及びそのパワー半導体素子を駆動する駆動回路を搭載し、並列に接続されて用いられる複数の電力変換ユニットと、駆動回路を制御する制御回路部と、を備える。
上記駆動回路は、パワー半導体素子の温度を算出する温度算出部と、この温度算出部で算出されたパワー半導体素子の温度の情報を時系列で記憶する記憶部と、制御回路部からの指令に基づいて前記パワー半導体素子のゲート電圧を調整するゲート電圧可変回路部と、を有する。
制御回路部は、各電力変換ユニットの前記記憶部に記憶されている時系列の温度の情報である温度履歴情報に基づいて、最も温度変化が小さいパワー半導体素子の温度を基準温度として、基準温度よりも温度が高いパワー半導体素子のゲート電圧を下げ、基準温度よりも温度が低いパワー半導体素子のゲート電圧を上げる指令を、該当するパワー半導体素子に対応するゲート電圧可変回路部に出力する。
本発明の少なくとも一態様によれば、パワー半導体素子の特性が経時劣化した場合でも、各パワー半導体素子の発熱を均一化することができる。それにより、電力変換装置の信頼性向上と長寿命化を図ることができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施形態に係る電力変換装置及びその駆動回路の構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る記憶部に記憶されている温度履歴情報の一例を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るゲート電圧制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る電力変換装置及びその駆動回路の構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る情報端末のハードウェア構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る温度履歴表示画面の一例を示す説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る電力変換装置が適用されたモータ駆動システムの構成例を示す概略図である。 本発明の第3の実施形態に係る記憶部に記憶されている温度履歴情報の一例を示す説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る電力変換装置が適用されたエレベーターシステムの構成例を示す概略図である。 ゲート電圧可変回路部の変形例を示す回路図である
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)の例について、添付図面を参照しながら説明する。添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
<1.第1の実施形態>
電力変換装置は、直流電力を交流電力に変換するインバータ機能(インバータ装置)、あるいは、交流電力を直流電力に変換するコンバータ機能(コンバータ装置)を有する。この種の電力変換装置は、例えば、蓄電池などに蓄えられたエネルギーを使って、サーバなどの負荷に対して交流の電力を途切れることなく供給することを目的とした無停電電源装置(Uninterruptible Power System:UPS)に用いることができる。
ただし、ここで例示した用途は一例であって、無停電電源装置への用途に限られるものではない。すなわち、無停電電源装置の他、産業機器向け電力変換装置、鉄道向け電力変換装置、エレベータ向け電力変換装置、自動車向け電力変換装置、家庭用電気製品向け電力変換装置など、種々の用途に用いることができる。
まず、本発明の第1の実施形態に係る電力変換装置及びその駆動回路の構成例について、図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る電力変換装置及びその駆動回路の構成例を示す。
図1において、電力変換装置1は、並列接続された3個の電力変換ユニット11−1、電力変換ユニット11−2、及び電力変換ユニット11−3と、上位制御回路部6を備える。電力変換ユニット11−1,11−2,11−3は、正側パワー端子12と、負側パワー端子13と、出力パワー端子9を共有している。電力変換ユニット11−1には、パワー半導体モジュール10−1が搭載されている。同様に、電力変換ユニット11−2には、パワー半導体モジュール10−2が搭載され、電力変換ユニット11−3には、パワー半導体モジュール10−3が搭載されている。
パワー半導体モジュール10−1,10−2,10−3はそれぞれ、上アームパワー半導体素子2、下アームパワー半導体素子3、及びダイオード7,8を備える。上アームパワー半導体素子2、下アームパワー半導体素子3、及びダイオード7,8がモジュール化されてパワー半導体モジュール10−1,10−2,10−3が構成される。パワー半導体素子2とパワー半導体素子3の各々には、ダイオード7又はダイオード8が逆極性で並列に接続されている。
以下、パワー半導体モジュール10−1,10−2,10−3を区別しない場合には、パワー半導体モジュール10−1,10−2,10−3を単にパワー半導体モジュール10と記述する場合もある。また電力変換ユニット11−1,11−2,11−3を区別しない場合には、電力変換ユニット11−1,11−2,11−3を電力変換ユニット11と記述する場合もある。
上アームパワー半導体素子2及び下アームパワー半導体素子3は、高電圧の電源電圧をゲート電圧に応じてスイッチングするスイッチング素子であり、このスイッチング動作によって電力変換を行う。以下、上アームパワー半導体素子2及び下アームパワー半導体素子3を単に、パワー半導体素子2及びパワー半導体素子3と記述する場合もある。パワー半導体素子2,3としては、電圧駆動型の素子の一例である、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)などを用いることができる。
上アームパワー半導体素子2及び下アームパワー半導体素子3は、電力変換装置1における主回路であり、高電位側電源(正側パワー端子12)と低電位側電源(負側パワー端子13)との間に直列に接続されている。すなわち、上アームパワー半導体素子2のコレクタが高電位側電源に接続され、下アームパワー半導体素子3のエミッタが低電位側電源に接続され、さらに上アームパワー半導体素子2のエミッタと下アームパワー半導体素子3のコレクタとが出力パワー端子9に共通に接続されている。そして、出力パワー端子9に導出される電圧(出力電圧)は、モータ83(図7参照)等の負荷に供給される。このように、パワー半導体モジュール10は、上アームとしてパワー半導体素子2を、下アームとしてパワー半導体素子3を搭載した2in1構成である。
さらに、電力変換ユニット11は、上アームパワー半導体素子2を駆動する上アーム駆動回路4と、下アームパワー半導体素子3を駆動する下アーム駆動回路5を有する構成となっている。以下、上アーム駆動回路4を単に駆動回路4と、下アーム駆動回路5を単に駆動回路5と記述する場合もある。
上位制御回路部6(制御回路部の一例)は、上アーム駆動回路4及び下アーム駆動回路5に対して、これらを制御するためのパルス列信号(制御信号)を供給する。パルス列信号は、例えば、一定の周波数でパルスのオンの時間幅が変化する搬送波を使用したパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)信号である。パルス列信号がPWM信号である場合、搬送波の周波数を高くすることにより、制御の精度を高めることができる。
パワー半導体モジュール10にはそれぞれ、温度検知素子(温度センサ)50が搭載されている。温度検知素子50は、上アームパワー半導体素子2及び下アームパワー半導体素子3の近傍に設置されており、測定対象のパワー半導体素子のジャンクション温度(「接合温度」、「素子温度」とも呼ばれる)に応じた信号を駆動回路へ出力する。なお、図1では、上アームパワー半導体素子2のジャンクション温度を検出する温度検知素子50の図示を省略している。
上位制御回路部6は、パワー半導体モジュール10−1,10−2,10−3の各々の温度検知素子50を用いて得られたパワー半導体素子2,3の時系列の温度変化(温度履歴情報)に基づいて、上アーム駆動回路4及び下アーム駆動回路5に対してパルス列信号(駆動指令)を出力する。この上アーム駆動回路4、下アーム駆動回路5、及び上位制御回路部6の動作については、後に図2,3を用いて詳述する。
このような上アームパワー半導体素子2及び下アームパワー半導体素子3を搭載した電力変換ユニット11を並列接続し、これら複数の電力変換ユニット11内のパワー半導体素子2,3を同時にスイッチング駆動することにより、変換電力容量の増大を図ることができる。本例では、3個の並列接続を例に挙げたが、電力変換ユニット11(パワー半導体素子2,3)の並列接続数は3個に限られるものではなく、並列接続数が多いほど変換電力容量の増大化の効果が大きくなる。
本例の場合、電力変換ユニット11が3つであり、3つの電力変換ユニット11−1,11−2,11−3が互いに並列接続されて用いられる。より具体的には、電力変換ユニット11−1の上アームパワー半導体素子2のコレクタと、電力変換ユニット11−2,11−3の上アームパワー半導体素子2のコレクタとが正側パワー端子12に共通に接続されている。また、電力変換ユニット11−1の下アームパワー半導体素子3のエミッタと、電力変換ユニット11−2,11−3の下アームパワー半導体素子3のエミッタとが負側パワー端子13に共通に接続されている。そして、電力変換ユニット11−1及び電力変換ユニット11−2,11−3の上アームパワー半導体素子2のエミッタと下アームパワー半導体素子3のコレクタとが出力パワー端子9に共通に接続されている。
なお、本例では、電力変換ユニット11に、高電位側の上アームパワー半導体素子2、及び低電位側の下アームパワー半導体素子3の両方を搭載した2in1構成のパワー半導体モジュール10を例示したが、これに限られない。すなわち、本実施形態のパワー半導体モジュール10は、2in1構成の他、片方のアームのパワー半導体素子を搭載した1in1構成であってもよい。
電力変換ユニット11及び電力変換装置1の外観構成は、例えば特許文献1の図3に記載された構成を採用することができる。ただし、電力変換装置の構成は一例であり、この構成に限られるものではない。
[駆動回路]
次に、パワー半導体素子2,3の駆動回路4,5、及び上位制御回路部6について図1〜図3を参照して詳細に説明する。以下では、電力変換ユニット11の下アーム駆動回路5の具体的な構成について説明するが、上アーム駆動回路4も同じ構成となっている。下アーム駆動回路5(以下、単に「駆動回路5」と記述する)は、温度算出部51、記憶部(記憶装置)52、及びゲート電圧可変回路部53を備えている。
温度算出部51は、温度検知素子50から測定対象のパワー半導体素子3の温度に応じた信号を定期的に受信し、その信号からパワー半導体素子3の温度を算出する。例えば温度算出部51は、温度検知素子50から受信した信号(アナログ信号)をアナログ/デジタル変換して温度を算出し、温度情報のデジタルデータを記憶部52に出力する。
記憶部52は、温度算出部51が算出したパワー半導体素子3の温度情報のデータを時系列で記憶する。すなわち、記憶部52には、パワー半導体素子3の時系列の温度情報である温度履歴情報が記憶される。記憶部52は、RAM等の揮発性メモリでもよいし、不揮発性メモリでもよい。
電力変換ユニット11には、駆動回路5の上位制御系として、上位制御回路部6が搭載されている。上位制御回路部6は、不図示のインターフェース回路部を介して、各電力変換ユニット11の記憶部52からパワー半導体素子3の温度履歴情報を読み出す機能を備える。また、上位制御回路部6は、各々のパワー半導体素子3の温度履歴情報に基づいてゲート電圧制御量を算出し、各々のゲート電圧可変回路部53にゲート電圧指令(パルス列信号)を伝達する機能を有する。
ゲート電圧可変回路部53は、上位制御回路部6から受信したゲート電圧指令に基づき、パワー半導体素子3に供給するゲート電圧を調整する。オン状態(定常状態)におけるパワー半導体素子3の出力電流(コレクタ電流)は、ゲート印加電圧(Vge)と閾値電圧との差分に比例し、オン電圧は出力電流に比例する。よって、ゲート印加電圧を調整することにより、パワー半導体素子3の出力電流を制御することができる。
一方、詳細な内部構成は図示していないが、電力変換ユニット11−1,11−2,11−3にそれぞれ搭載されたパワー半導体モジュール10−1,10−2,10−3の高電位側の上アームパワー半導体素子2には、駆動回路5と同様な構成の駆動回路4がそれぞれ接続されている。また、高電位側における駆動回路4に搭載された記憶部(記憶部52に相当)には、上アームパワー半導体素子2の温度履歴情報が記録されている。そして、上アームパワー半導体素子2を駆動する際には、上位制御回路部6は、下アームパワー半導体素子3を駆動する場合と同様に、上アームパワー半導体素子2の温度履歴情報に基づいて駆動回路4を制御する。
なお、本実施形態では、並列接続された3個の電力変換ユニット11の例を説明したが、本発明は各電力変換ユニット11のパワー半導体素子2,3のゲート電圧を独立に制御できるため、3個以上の電力変換ユニット11が並列接続された構成にも対応可能である。
[温度履歴情報]
次に、第1の実施形態に係る駆動回路5の記憶部52に記憶されている温度履歴情報について図2を参照して説明する。図2は、第1の実施形態に係る記憶部52に記憶されている温度履歴情報の一例を示す説明図である。ここでは、各パワー半導体モジュール10の下アームパワー半導体素子3の温度履歴情報について説明する。図2の横軸は運転時間、縦軸はパワー半導体素子のジャンクション温度Tjを示している。
電力変換装置1は、各電力変換ユニット11に搭載されているパワー半導体モジュール10のパワー半導体素子3の閾値電圧のデータを、出荷検査時に取得済みであるとする。運転開始後の初期においては、上位制御回路部6は、各パワー半導体素子3の閾値電圧に対応してゲート電圧を個別制御しているため、各パワー半導体素子3の出力電流(コレクタ電流)の均等化が図られている。熱損失が均等になるため、各パワー半導体素子3のジャンクション温度Tjも均等化されている。図2では、パワー半導体モジュール10−1,10−2,10−3の各々のパワー半導体素子3を、素子3−1,素子3−2,3−3と表記している。
運転開始後は、定期的に各電力変換ユニット11の駆動回路5に搭載されている温度算出部51によって算出された温度を、温度履歴として記憶部52に記録する。ただし、温度算出部51によって温度を算出する際の条件としては、常に実質的に同一環境温度下かつ同一負荷電流下であることを前提とする。環境温度は、例えば各電力変換ユニット11の周囲温度であり、不図示の温度検知素子により検知した電力変換装置内部の温度である。例えば上位制御回路部6は、周囲温度がある一定値になったときに、あるいは、周囲温度がある一定値を維持している間に一定の時間間隔で、温度検知素子50から測定データを取得する。負荷電流は、オン状態(定常状態)のパワー半導体素子2,3に流れるコレクタ電流である。
電力変換装置1が一定期間運転を継続すると、パワー半導体素子3の閾値電圧の特性変動により、出力電流の分担に差異が生じる。この出力電流の分担の差異により、パワー半導体素子のジャンクション温度Tjが不均等となる。このジャンクション温度Tjの不均等が発生した場合、特定のパワー半導体素子3に熱負荷が集中し、電力変換装置1全体の信頼性が低下する恐れがある。
そこで本実施形態では、記憶部52に記録されている温度履歴情報から、最も温度経時変化が小さいパワー半導体素子(素子3−2)の温度を基準温度として、所定の上限のジャンクション温度Tjmaxを超えたパワー半導体素子(素子3−1)が存在する場合は、該当パワー半導体素子の電流分担が大きいことから閾値電圧が低下したと推定し、該当パワー半導体素子に印加するゲート電圧を下げる制御を行う。また、所定の下限のジャンクション温度Tjminより温度が低いパワー半導体素子(素子3−3)が存在する場合は、該当パワー半導体素子の電流分担が小さいことから閾値電圧が上昇したと推定し、該当パワー半導体素子に印加するゲート電圧を上げる制御を行う。
すなわち上位制御回路部6は、基準温度に第1の所定値を加えた温度よりも高いジャンクション温度Tjのパワー半導体素子のゲート電圧を下げる。第1の所定値は、基準温度に第1の所定値を加えた温度が上限値Tjmaxを上回らない範囲で任意に設定することができる。また、上位制御回路部6は、基準温度から第2の所定値を差し引いた温度よりも低いジャンクション温度Tjのパワー半導体素子のゲート電圧を上げる指令を、該当するパワー半導体素子に対応するゲート電圧可変回路部53に出力する。第2の所定値は、基準温度から第2の所定値を差し引いた温度が上限値Tjminを下回らない範囲で任意に設定することができる。このように基準温度から高い方向と低い方向に幅を持たせることにより、外部環境及び負荷電流の測定誤差、ノイズ等の影響を極力排除することができる。
上述したとおり、パワー半導体素子3の閾値電圧を直接測定しなくても、閾値電圧が基準値より上昇したか、もしくは下降したかを、パワー半導体素子3の温度変化から推定し、ゲート電圧を再設定することでパワー半導体素子3のジャンクション温度Tjの均一化が図れる。
各パワー半導体モジュール10の上アームパワー半導体素子2の温度履歴情報、及び、駆動回路4の動作についても同様である。なお、パワー半導体モジュール10が、上アームパワー半導体素子2のジャンクション温度を検出するための温度検知素子50を有しない構成でもよい。電力変換ユニット11の小型化が進んでいるため、下アームパワー半導体素子3を制御するために設けられた温度検知素子50の検知結果を用いて、上アームパワー半導体素子2を適切に制御することが可能である。この場合、駆動回路4はゲート電圧可変回路部53のみを備える。
[ゲート電圧制御の処理手順]
次に、電力変換装置1の駆動回路によるゲート電圧制御の処理手順について図3を参照して説明する。図3は、ゲート電圧制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、駆動回路5によるゲート電圧制御の処理手順を例に説明する。
電力変換装置1のゲート電圧制御の処理手順としては、まず初期条件として各パワー半導体素子3の閾値電圧の特性データに基づき、各パワー半導体素子3に対応する駆動回路5に搭載されたゲート電圧可変回路部53によって個別調整を行い、並列接続された電力変換ユニット11間の電流均等化制御を行う(S1)。
次に、駆動回路5は、運転開始後は定期的に各電力変換ユニット11に備えた温度検知素子50を用いてパワー半導体素子3の温度を検知し、記憶部52に記録する(S2)。駆動回路5に搭載されている温度算出部51は、温度検知素子50が出力する信号に基づいて温度を算出し、算出した温度情報を記憶部52に温度履歴情報として記録する。ただし、温度算出部51によって温度を算出する際の条件としては、常に実質的に同一環境温度下かつ同一負荷電流下であることを前提とする。
次に、電力変換装置1が一定期間運転を継続し、パワー半導体素子3の閾値電圧の特性変動により出力電流分担に差異が生じた場合には、上位制御回路部6は、各駆動回路5の記憶部52に記録された温度履歴情報から、温度変化が最も小さいパワー半導体素子3の温度を基準に設定する(S3)。この基準に設定されたパワー半導体素子3を「基準素子」と記述する。
次に、上位制御回路部6は、ジャンクション温度Tjが基準素子(図2では素子3−2)の基準温度の上限値Tjmaxよりも高いパワー半導体素子3が存在するか否かを判定する(S4)。基準温度の上限値Tjmaxよりも高いジャンクション温度Tjであるパワー半導体素子3が存在する場合には(S4のYES)、上位制御回路部6は、例えば該当するパワー半導体素子3の閾値電圧が低下したことが推定されるため、印加するゲート電圧の設定値(目標値)を小さくする(S5)。
基準温度の上限値Tjmaxよりも高いジャンクション温度Tjであるパワー半導体素子3が存在しない場合には(S4のNO)、上位制御回路部6は、ジャンクション温度Tjが基準素子の基準温度の下限値Tjminよりも低いパワー半導体素子3が存在するか否かを判定する(S6)。基準温度の下限値Tjminよりも低いジャンクション温度Tjであるパワー半導体素子3が存在する場合には(S6のYES)、上位制御回路部6は、例えば該当するパワー半導体素子3の閾値電圧が上昇したことが推定されるため、印加するゲート電圧の設定値(目標値)を大きくする(S7)。基準温度の下限値Tjminよりも低いジャンクション温度Tjであるパワー半導体素子3が存在しない場合には(S6のNO)、本フローチャートの処理を終了する。
そして、ステップS6又はステップS7の処理が終了後、上位制御回路部6は、該当駆動回路5のゲート電圧可変回路部53へ制御信号を出力し、再設定したゲート電圧で運転を継続するようゲート電圧可変回路部53を制御する(S8)。ステップS8の処理後、本フローチャートの処理を終了する。駆動回路4についても上記と同様のゲート電圧制御を行う。
上述した構成の第1の実施形態によれば、パワー半導体素子2,3の温度履歴情報を利用して、パワー半導体素子2,3の閾値電圧やオン電圧などの特性の個体差によって生じる電流アンバランスを改善することができ、パワー半導体素子2,3の選別を不要とする。また、電流アンバランスの改善により、電力変換ユニット11の並列数の増加及び電力変換装置1の信頼性の向上を図ることができる。
さらに、パワー半導体素子2,3の閾値電圧などの特性が経時劣化した場合でも、パワー半導体素子2,3の温度履歴情報に基づき、該当パワー半導体素子のゲート電圧を再調整することにより、経時劣化による電流アンバランスの悪化を改善することが可能となる。それにより、各パワー半導体素子の発熱を均一化することができ、電力変換装置1の信頼性向上と長寿命化を図ることができる。
<2.第2の実施形態>
次に、電力変換装置1の運用方法の一例として、パワー半導体素子2,3の遠隔診断及び遠隔調整について図4〜図6を参照して説明する。図4は、第2の実施形態に係る電力変換装置及びその駆動回路の構成例を示すブロック図である。
図4に示す電力変換装置1Aと、図1に示した電力変換装置1との違いは、上位制御回路部6に通信インターフェース61が接続されている点である。通信インターフェース61は、情報端末70と無線もしくは有線で通信し、データの送信及び受信が可能である。電力変換装置1Aのその他の構成は、電力変換装置1と同じである。上位制御部6が、通信インターフェース61を内蔵する構成でもよい。情報端末70は、電力変換装置1の各記憶部52から読み出した温度履歴情報を表示する表示部75を備える。
[情報端末のハードウェア構成]
図5は、情報端末70のハードウェア構成例を示すブロック図である。情報端末70としては、例えばパーソナルコンピューターやタブレット端末などを用いることができる。
情報端末70は、バス74にそれぞれ接続されたCPU(Central Processing Unit)71、ROM(Read Only Memory)72、RAM(Random Access Memory)73を備える。さらに、情報端末70は、表示部75、操作部76、不揮発性ストレージ77、通信インターフェース78を備える。
CPU71は、制御部の一例であり、本実施形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM72(記録媒体の一例)から読み出して実行する。これらのハードウェアとソフトウェアが協働することで、情報端末70の遠隔診断機能及び遠隔調整機能が実現される。なお、情報端末70は、CPU71の代わりに、MPU(Micro-Processing Unit)等の処理装置を備えるようにしてもよい。RAM73には、演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。
表示部75は、例えば、液晶ディスプレイモニタであり、パワー半導体素子2,3の遠隔診断及び遠隔調整を行うためのGUI(Graphical User Interface)画面を表示する。
操作部76には、例えば、キーボード、マウス又はタッチパネル等が用いられ、保守員が所定の操作入力、指示を行うことが可能である。
不揮発性ストレージ77としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等が用いられる。この不揮発性ストレージ77には、OS(Operating System)や各種のパラメータの他に、情報端末70を機能させるためのプログラムが記録されていてもよい。
通信インターフェース78には、例えば、NIC(Network Interface Card)等が用いられ、LAN等のネットワークNを介して通信インターフェース61との間で各種のデータを送受信することが可能である。通信インターフェース78は、無線もしくは有線の通信プロトコルに対応している。
上記構成を備える情報端末70は、通信インターフェース61を介して電力変換装置1Aで得られた各パワー半導体素子2,3の温度履歴情報を表示する機能と、上位制御回路部6を介して各パワー半導体素子2,3のゲート電圧可変回路部53を制御する機能を有する。
[温度履歴表示画面]
図6は、情報端末70に表示される温度履歴表示画面の一例を示す説明図である。保守員は、情報端末70の表示部75に表示された温度履歴表示画面75sによって、各パワー半導体素子の温度履歴を確認(遠隔診断)することができる。図6には、各パワー半導体素子3(素子3−1,3−2,3−3)の温度履歴が表示されている。各パワー半導体素子のジャンクション温度が不均一となっている場合には、保守員は、情報端末70の操作部76を操作して温度を均一化するための調整(遠隔調整)を行うことが可能である。
さらに、保守員は、温度履歴表示画面75sによって、調整後のパワー半導体素子3の温度履歴も確認することが可能である。それ故、保守員は、電力変換装置1Aによるゲート電圧制御の効果を一目瞭然に確認することができる。なお、図6の温度履歴表示画面75sに表示された内容は、図2に対応して表示されたものである。図6では、パワー半導体素子3−1,3−3のゲート電圧を適切に調整したことにより(図2参照)、その後パワー半導体素子3−1,3−3のジャンクション温度Tjが、基準のパワー半導体素子3−2のジャンクション温度Tjに近づいていることがわかる。すなわち、パワー半導体素子3−1,3−2,3−3の出力電流(コレクタ電流)が均等化されている。
第2の実施形態において、保守員がパワー半導体素子のゲート電圧の制御量を決定してゲート電圧を調整する例を示したが、この例に限られない。情報端末70が、上位制御回路部6により各電力変換ユニット11の駆動回路4,5を自動で制御するよう設定する機能を備え、保守員が情報端末70のこの設定機能をオンすることにより、上位制御回路部6が各電力変換ユニット11の駆動回路4,5を自動で制御する構成としてもよい。また、情報端末70が上位制御回路部6の機能(電流均等化制御、後述の電流集中制御)を備え、
情報端末70が温度履歴情報の表示と並行して、各電力変換ユニット11の駆動回路4,5に制御信号を送信し、パワー半導体素子2,3を制御してもよい。
上述した第2の実施形態によれば、情報端末70の表示部75に各パワー半導体素子の温度履歴を表示し、保守員が各パワー半導体素子の温度履歴を確認(診断)することができる。また、各パワー半導体素子のジャンクション温度が不均一となっている場合には、保守員は、情報端末70の操作部76を操作して温度を均一化するための調整を手動で行うことが可能である。さらに、保守員は、遠隔地に置かれた情報端末70を用いることで、上記パワー半導体素子の温度履歴を確認する作業(遠隔診断)と、各パワー半導体素子の温度を均一化するための調整を遠隔操作により実現できる。
<3.第3の実施形態>
次に、第3の実施形態として、本発明に係る電力変換装置をモータ駆動システムに適用した場合の例について、図7及び図8を参照して説明する。第3の実施形態は、上述した実施形態に係る駆動回路を利用して特定の電力変換ユニットの出力電流が大きくなるように制御し(電流集中制御)、特定の電力変換ユニットに熱負荷をかける例である。
図7は、第3の実施形態に係る電力変換装置が適用されたモータ駆動システムの構成例を示す概略図である。図8は、第3の実施形態に係る記憶部52に記憶されている温度履歴情報の一例を示す説明図である。
図7に示すモータ駆動システム80は、直流電源81、インバータシステム82、上位制御回路部6、及びモータ83を備える。このモータ駆動システム80は、エレベーターシステムに適用した例である。
インバータシステム82は、電力変換ユニット11−1、11−2、11−3の並列接続の回路構成を有し、直流電源81の直流電力を交流に変換し、モータ(巻上機)83を駆動する。なお、モータ駆動システム80は、一般的に三相であるが、図7はそのうちの一相分のみを図示したものである。
本実施形態では、並列接続された電力変換ユニット11−1,11−2,11−3のうち、電力変換ユニット11−1のみに回路を遮断する遮断装置84,85が接続されている。遮断装置84,85には、主回路に過大な電流が流れたときに溶けて回路を遮断する配線部材であるヒューズや、ある量以上の電力を使ったり異常電流が流れたりすると、回路を自動的に遮断する遮断器などが用いられる。なお、2個以上の電力変換ユニット11に遮断装置を接続してもよい。
また、本実施形態に係る上位制御回路部6は、運転初期からパワー半導体素子3−1の駆動回路5のゲート電圧設定値を他のパワー半導体素子3−1,3−2よりも大きくなるように設定し、パワー半導体素子3−1の電流分担を大きくして電流集中制御を行う(図8参照)。一方、他のパワー半導体素子3−2,3−3は、第1の実施形態及び第2の実施形態に記載した電流均等化制御の対象とする。
その結果、図8に示すように、パワー半導体素子3−1のジャンクション温度Tjは、常に他のパワー半導体素子3−2,3−3よりも高くなっている。このため、パワー半導体素子3−1は、運転が継続されると他のパワー半導体素子3−2,3−3よりも確実に寿命が短くなり、最初に壊れることが予想できる。また、パワー半導体素子3−1を搭載した電力変換ユニット11−1が壊れた場合には、遮断装置84,85によって電力変換ユニット11−1をインバータシステム82から切り離すことで、モータ駆動システム80は停止することなく、縮退運転で継続して運転することが可能である。なお、インバータシステム82から電力変換ユニット11−1が切り離された場合に、電力変換ユニット11−1の電力の減少分を、電力変換ユニット11−2,11−3が補うように制御してもよい。
上述した第3の実施形態によれば、最初に壊れるパワー半導体素子3−1がわかる(寿命をコントロールできる)ため、対応する電力変換ユニット11−1のみに保護装置である遮断装置84,85を設ければよい。このように構成することにより、モータ駆動システム80全体の寿命管理の精度が向上し、モータ駆動システム80の計画外の停止を防ぐことが可能である。例えば、あるパワー半導体素子を他より早めに故障するようにコントロールし、そのパワー半導体素子だけ交換周期を早めることで、他のパワー半導体素子の交換時期の目安とすることができる。
<4.第4の実施形態>
次に、第4の実施形態として、本発明に係る電力変換装置をエレベーターシステムに適用した場合の例について、図9を参照して説明する。図9は、第4の実施形態に係る電力変換装置が適用されたエレベーターシステムの構成例を示す概略図である。
図9に示すエレベーターシステム90は、系統91から供給される交流の電力を、高周波等のノイズを除去するフィルタ回路92を介して、コンバータシステム100により直流の電力に変換する。コンバータシステム100は、上述した実施形態に係る駆動回路を用いた電力変換ユニット101−1〜101−Nを複数個並列に接続したものである。各電力変換ユニット101−1〜101−Nは、上位制御回路部6の指令に基づいて動作する。電力変換ユニット101−1〜101−Nの各々は、上述した電力変換ユニット11を用いてコンバータ装置として構成することができる。
また、エレベーターシステム90は、コンバータシステム100から出力される直流の電力を、インバータシステム110により交流の電力に変換する。インバータシステム110は、上述した実施形態に係る駆動回路を用いた電力変換ユニット111−1〜111−Nを複数個並列に接続したものである。各電力変換ユニット111−1〜111−Nは、上位制御回路部6の指令に基づいて動作する。そして、エレベーターシステム90は、インバータシステム110から出力される交流の電力を、フィルタ回路93を介してモータ(巻上機)83に供給し、モータ83を駆動する。
モータ83の負荷としては、ロープ94に繋がれたエレベーターシステム90のかご95と、かご95と釣り合いをとるためのおもり96とがある。モータ83の電力は、ロープ94を介してかご95を上下させるために消費される。
なお、コンバータシステム100及びインバータシステム110に対し、別個に上位制御回路部6を設けてもよい。
かご95に載せた重量物を速く移動させるためには、モータ83の出力パワーを増やす必要があり、出力パワーを増やすためには、コンバータシステム100及びインバータシステム110に搭載された電力変換ユニットの並列数を増加させる必要がある。電力変換ユニットの並列数が増加すれば、パワー半導体素子の閾値電圧等の変化による出力電流(コレクタ電流)の不均一化の影響が増大するが、上記実施形態に係る電流均等化制御技術を使えば、パワー半導体素子の出力電流の不均一化の影響をなくし、エレベーターシステム90の信頼性を向上させることが期待できる。
図9に示すように、本発明の各実施形態に係る電力変換装置は、エレベーターシステム90の他にも、記述のとおり種々のシステムに適用することが可能である。しかし、電力変換装置が適用されるシステムが大型化すればするほど、パワー半導体素子の破壊が発生してからシステムを復帰するまでに要する時間が増大する。上述した第4の実施形態における遠隔診断及び遠隔調整により、保守員がシステムに用いられる電力変換装置を遠隔で制御し、かつ長寿命化が期待できる。
さらに、上述した第5の実施形態のように、特定の電力変換ユニットに対して電流集中制御を行うことにより、エレベーターシステム90全体の寿命管理の精度を向上させることが可能である。
なお、以上説明した各実施形態では、電流均等化制御を行うパワー半導体素子(パワー半導体モジュール)が2並列もしくは3並列の場合を例に挙げて説明したが、この例に限られない。例えば、パワー半導体素子の並列数をn個(nは4以上の整数)に増やした電力変換装置に対しても、本実施形態に係る駆動回路及びその駆動方法(電流均等化制御)は適用可能である。同様に、電流集中制御を行うパワー半導体素子(パワー半導体モジュール)が1つの場合を例に挙げて説明したが、2つ以上のパワー半導体素子が並列接続されていてもよい。
<5.変形例>
[変形例1]
上述した各実施形態に係るパワー半導体素子の駆動回路4,5におけるゲート電圧可変回路部53の具体例を説明する。ゲート電圧可変回路部53は、一例として特許文献1(図14参照)に示されたように、ゲート電源と、スイッチ制御部と、抵抗素子と、ツェナー電圧が異なる例えば3個のツェナーダイオード(定電圧ダイオード)と、3個のスイッチと、により構成することができる。3個のスイッチを切り替えることで、ツェナー電圧の異なるツェナーダイオードの接続が切り替わることになるので、ツェナー電圧が変化することによってパワー半導体素子のゲート印加電圧を変えることが可能である。
一般的には、パワー半導体素子のゲート印加電圧を変化させることにより、オン電圧とオン電流の特性が変化するため、定常電流を変化させることができる。したがって、記憶部52に記憶される特性情報及びジャンクション温度Tjに基づいて、パワー半導体素子のゲート電圧を制御することにより、定常動作時の電流アンバランスを改善することができる。
[変形例2]
図10は、各駆動回路が備えるゲート電圧可変回路部53の変形例を示す回路図である。すなわち図10は、ゲート電圧可変回路部53における可変電圧源の回路構成例を示す。
図10に示すように、可変電圧源120は、絶縁トランス130と、絶縁トランス130の1次巻線131に接続されるDC/DCコントローラ140と、絶縁トランス130の2次巻線133に接続されるダイオード整流器150と、可変電圧源120の出力電圧値を設定するためのポテンショメータ(可変抵抗器)160を主要部品として構成される。
ここで、DC/DCコントローラ140は、絶縁トランス130の1次巻線131に接続されるインバータを構成する半導体スイッチと、インバータに直流電力を供給すると共に半導体スイッチを制御する制御回路とを備えており、他の部品と共に、可変電圧源120の主回路部となるDC/DCコンバータ回路を構成する。なお、DC/DCコントローラ140、又はDC/DCコントローラ140が備える制御回路は、集積回路としてもよい。
1次側正電源入力端子142と1次側負電源入力端子141の端子間、すなわちDC/DCコントローラ140の直流入力端子間に、図示されない直流電源から1次側直流電圧が与えられる。DC/DCコントローラ140は、直流電源から入力する電力を、絶縁トランス130を介して2次側に伝送する。伝送される電力は、ダイオード整流器150を介してコンデンサ151に蓄積される。これにより、2次側の正バイアス端子121と負バイアス端子122の端子間に2次側直流電圧が出力される。また、中間電位端子124の電位が、定電圧ダイオード153と抵抗152によって設定される。
DC/DCコントローラ140によって伝送される電力の一部は、絶縁トランス130の補助巻線132、及び補助巻線132に接続される整流ダイオード163を介して、コンデンサ162に蓄積される。なお、コンデンサ151の両端の電圧とコンデンサ162の両端の電圧に発生する電圧は比例する。
コンデンサ162の両端には、フィードバック端子161を備えるポテンショメータ160が接続される。ポテンショメータ160は、DC/DCコントローラ140に指令を与えて可変電圧源120の出力電圧を制御するためのものである。コンデンサ162の両端電圧はフィードバック端子161によって抵抗分圧され、抵抗分圧比はポテンショメータ制御端子164に与えられる指令信号によって制御される。したがって、ポテンショメータ160の抵抗分圧比を制御することによって、正バイアス端子121と負バイアス端子122の端子間の電圧、すなわち可変電圧源120の出力電圧(ゲート電圧)を制御することができる。
変形例2において、ポテンショメータ制御端子164に与えられる指令信号は、上位制御回路部6から送信されるゲート電圧目標指令である。ゲート電圧目標指令に応じてポテンショメータ160の抵抗分圧比が設定されるので、可変電圧源120はゲート電圧目標指令の示すゲート駆動電圧値の電源電圧を出力する。
さらに、本発明は上述した各実施形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。例えば、上述した実施形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ある実施形態例の構成の一部を他の実施形態例の構成に置き換えることは可能である。また、ある実施形態例の構成に他の実施形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、例えば上位制御回路部6が備えるプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又はICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1,1A…電力変換装置、 2…上アームパワー半導体素子、 3(3−1,3−2,3−3)…下アームパワー半導体素子、 4…上アーム駆動回路、 5…下アーム駆動回路、 6…上位制御回路部、 7,8…ダイオード、 9…出力パワー端子、 10−1,10−2,10−3…パワー半導体モジュール、 11−1、11−2、11−3…電力変換ユニット、 12…正側パワー端子、 13…負側パワー端子、 50…温度検知素子(温度センサ)、 51…温度算出部、 52…記憶部、 53…ゲート電圧可変回路部、 61…通信インターフェース、 70…情報端末、 75…表示部、 75s…温度履歴表示画面、 80…モータ駆動システム、 84,85…遮断装置、 90…エレベーターシステム、 100…コンバータシステム、 110…インバータシステム

Claims (6)

  1. パワー半導体素子及び前記パワー半導体素子を駆動する駆動回路を搭載し、並列に接続されて用いられる複数の電力変換ユニットと、
    前記駆動回路を制御する制御回路部と、を備え、
    前記駆動回路は、
    前記パワー半導体素子の温度を算出する温度算出部と、
    前記温度算出部で算出された前記パワー半導体素子の温度の情報を時系列で記憶する記憶部と、
    前記制御回路部からの指令に基づいて前記パワー半導体素子のゲート電圧を調整するゲート電圧可変回路部と、を有し、
    前記制御回路部は、制御対象とする電力変換ユニットのうち各電力変換ユニットの前記記憶部に記憶されている時系列の温度の情報である温度履歴情報に基づいて、最も温度変化が小さいパワー半導体素子の温度を基準温度として、前記基準温度よりも温度が高いパワー半導体素子のゲート電圧を下げ、前記基準温度よりも温度が低いパワー半導体素子のゲート電圧を上げる指令を、該当するパワー半導体素子に対応する前記ゲート電圧可変回路部に出力する
    電力変換装置。
  2. 前記制御回路部は、前記指令として、前記基準温度に第1の所定値を加えた温度よりも高い温度のパワー半導体素子のゲート電圧を下げ、前記基準温度から第2の所定値を差し引いた温度よりも低い温度のパワー半導体素子のゲート電圧を上げる指令を出力する
    請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御回路部は、通信部を介して表示部を備えた情報端末と通信可能であり、
    前記制御回路部は、各電力変換ユニットの前記記憶部に記憶された前記パワー半導体素子の前記温度履歴情報を前記通信部から前記情報端末に送信し、前記温度履歴情報を前記表示部に表示させる
    請求項1又は2に記載の電力変換装置。
  4. 前記制御回路部は、情報端末と通信を行う通信部を備え、
    前記制御回路部は、前記通信部により前記情報端末から受信した制御信号に基づいて、各駆動回路の前記ゲート電圧可変回路部に前記指令を出力する
    請求項1又は2に記載の電力変換装置。
  5. 少なくとも一つの前記電力変換ユニットに接続された遮断装置、を更に備え、
    前記制御回路部は、前記遮断装置が接続された前記電力変換ユニットの前記ゲート電圧可変回路部に、前記パワー半導体素子に対して他の前記電力変換ユニットのパワー半導体素子のゲート電圧よりも高いゲート電圧を印加する指令を出力し、また、前記遮断装置が接続されていない前記電力変換ユニットの前記記憶部に記憶されている前記温度履歴情報に基づいて、最も温度変化が小さいパワー半導体素子の温度を基準温度として、前記基準温度よりも温度が高いパワー半導体素子のゲート電圧を下げ、前記基準温度よりも温度が低いパワー半導体素子のゲート電圧を上げる指令を、該当する前記ゲート電圧可変回路部に出力する
    請求項1又は2に記載の電力変換装置。
  6. 2つのパワー半導体素子が直列に接続されたパワー半導体モジュール、及び前記パワー半導体素子の各々に対応して設けられ、前記パワー半導体素子を駆動する駆動回路を搭載し、並列に接続されて用いられる複数の電力変換ユニットと、
    複数の前記電力変換ユニットの前記パワー半導体モジュール内に設けられ、前記パワー半導体素子の温度に応じた信号を出力する複数の温度検知素子と、
    前記駆動回路を制御する制御回路部と、を備え、
    前記駆動回路は、
    前記温度検知素子から出力された前記信号に基づいて前記パワー半導体素子の温度を算出する温度算出部と、
    前記温度算出部で算出された前記パワー半導体素子の温度の情報を時系列で記憶する記憶部と、
    前記制御回路部からの指令に基づいて前記パワー半導体素子のゲート電圧を調整するゲート電圧可変回路部と、を有し、
    前記制御回路部は、制御対象とする電力変換ユニットのうち各電力変換ユニットの前記記憶部に記憶されている時系列の温度の情報である温度履歴情報に基づいて、最も温度変化が小さいパワー半導体素子の温度を基準温度として、前記基準温度よりも温度が高いパワー半導体素子のゲート電圧を下げ、前記基準温度よりも温度が低いパワー半導体素子のゲート電圧を上げる指令を、該当する前記ゲート電圧可変回路部に出力する
    電力変換装置。
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