JP2019073638A - 廃棄物ガス化処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃棄物ガス化改質炉と冷却装置とを連結する連結管内壁へのダスト付着を防止することを、安価に行うことができる廃棄物ガス化処理方法を提供することを課題とする。【解決手段】廃棄物を部分酸化・熱分解しガス化して発生したガスを改質して改質ガスを生成するガス化改質炉10と、該ガス化改質炉からの改質ガスを受けてこれを冷却する冷却装置20と、該ガス化改質炉と冷却装置とを連結して改質ガスを冷却装置へ送る連結管30とを有する廃棄物ガス化処理装置を用いる廃棄物ガス化処理方法において、ガス化改質炉で鉄を含む廃棄物を部分酸化・熱分解させて生成した熱分解残渣を溶融し溶融スラグとし、さらに該溶融スラグを冷却した後に磨砕して得られるスラグ粉体をガス化改質炉に装入する。【選択図】図1
Description
本発明は、廃棄物を部分酸化・熱分解しガス化して発生したガスを改質して改質ガスを生成し燃料ガス等として供給する廃棄物ガス化処理方法に関する。
近年、廃棄物を高温反応塔にて部分酸化・熱分解しガス化して得られるガスを燃料ガスなどとして利用することが進められている。このような廃棄物ガス化処理装置として、特許文献1に開示されている装置が挙げられる。
廃棄物の圧縮成形物が高温反応塔の下部で部分酸化・熱分解され熱分解ガスが発生し、高温反応塔の上部で熱分解ガスが改質されて一酸化炭素と水素を含む改質ガスが生成され、得られた改質ガスは精製され燃料ガスとして利用される。高温反応塔から抜き出された改質ガスは冷却装置で冷却液と接触し、後段のガス精製プロセスに適した温度にまで冷却される。
本発明ではかかる高温反応塔をガス化改質炉という。炉内で廃棄物が部分酸化・熱分解される際に灰分が生じ、ダストとして改質ガスに随伴されて排出される。
ガス化改質炉と冷却装置を連結していて改質ガスを冷却装置へ送る連結管の内壁に、ガス化改質炉からの改質ガスに随伴されるダストが付着する状況が度々発生する。連結管内壁にダストが付着して堆積すると管内が狭まり、連結管における改質ガスの圧力損失が増大し、ガス化改質炉から排出される改質ガスの流れに影響を及ぼして、連結管を通過するガス量が低下し、ガス化改質炉内の圧力が上昇する。安全上の理由から炉内の圧力を所定値以下に抑えることが求められており、そのためには、連結管の管内が狭められている状況下では、廃棄物の処理量を低下させ発生ガス量を低減させざるを得なくなり、その結果、ガス化改質炉の操業効率が低下してしまう。また、連結管内壁に付着したダストを除去するには、定期的にガス化改質炉の操業を停止しなければならないため、ガス化改質炉の稼働率が低くなる。
連結管内壁へのダスト付着を防止する対策として、特許文献2には、この特許文献2における高温反応塔に接続されている連結管の内壁に付着するダストの軟化点(溶融温度)が1180〜1185℃であるが故に、連結管内壁温度を1190℃超1300℃以下に保持する加熱装置を設置することが記載されている。すなわち、この特許文献2では、ガス化改質炉から改質ガスに随伴されるダストの溶融温度以上に、連結管内壁温度を保持することにより、ダストを溶融状態に保持し、連結管内壁表面で溶融ダストが冷却され固化し付着するのを防ぐこととしている(特許文献2、段落[0022],[0027],[0028],[0034])。
また、特許文献3に、高温反応塔(ガス化改質炉)に接続されている連結管の内壁温度を該連結管に付着するダストの溶融温度以上に制御することによって連結管内での付着物による詰まりを防ぐことができること(特許文献3、段落[0026],[0029])、さらにこれに加え、ガス化改質炉に溶融促進剤(石灰石、消石灰)を添加することにより、ダストの溶融温度を低下させることで、ダストの溶融温度以上に連結管内壁温度を保持する際に、連結管の内壁温度の制御目標温度を低下させること(特許文献3、段落[0037],[0038])が記載されている。
しかしながら、特許文献2又は特許文献3に記載の方法では、連結管内壁温度をダストの溶融温度以上に保持する加熱装置として連結管内に加熱用高温ガスを流通させる機構や、電気ヒータを設けることが必要であり、設備コストや運転コストが嵩むという問題がある。また、特許文献3では、別途、溶融促進剤を高温反応塔内へ添加供給するため運転コストが嵩む問題がある。
本発明は、上述したような事情に鑑み、廃棄物ガス化改質炉と冷却装置とを連結する連結管内壁へのダスト付着を防止することを、安価に行うことができる廃棄物ガス化処理方法を提供することを課題とする。
本発明に係る廃棄物ガス化処理方法は、廃棄物を部分酸化・熱分解しガス化して発生したガスを改質して改質ガスを生成するガス化改質炉と、該ガス化改質炉からの改質ガスを受けてこれを冷却する冷却装置と、該ガス化改質炉と冷却装置とを連結して改質ガスを冷却装置へ送る連結管とを有する廃棄物ガス化処理装置を用いる廃棄物ガス化処理方法に関する。
かかる廃棄物ガス化処理方法において、本発明は、ガス化改質炉で鉄を含む廃棄物を部分酸化・熱分解させて生じた熱分解残渣を溶融し溶融スラグとし、さらに該溶融スラグを冷却した後に磨砕して得られるスラグ粉体をガス化改質炉に装入することを特徴としている。
本発明において、スラグ粉体は、粒度分布がメディアン径を500μm以下としていることが好ましい。
このように構成される本発明では、鉄を含む廃棄物を部分酸化・熱分解させて生じた熱分解残渣を溶融、冷却そして磨砕して生成するスラグ粉体には、酸化鉄が含まれており、酸化鉄を含むスラグ粉体をガス化改質炉に装入し、廃棄物のガス化により発生したダストにスラグ粉体を混合させることとしたので、この酸化鉄を含むスラグ粉体の混合により、連結管内に流入するダストの溶融温度が低下し、この低下したダストの溶融温度以上に連結管内壁温度が保持されるようにすればよく、別途に溶融促進剤を用意しなくとも、容易にダストが溶融状態を保持し連結管内壁面で冷却固化して付着することを防止することができる。
以上のように、本発明により、スラグ粉体をガス化改質炉に装入し、廃棄物のガス化で発生したダストにスラグ粉体を混合させることにより、連結管内に流入するダストの溶融温度を低下させ、ダストの溶融温度以上に連結管内壁温度が保持されるようにして、ダストが液体状態を保持し連結管内壁面で冷却固化して付着することを防止することが可能となり、その結果、連結管のための加熱装置が不要、もしくは小規模ですむという効果を得る。これに加え、スラグ粉体は、ガス化改質炉で鉄を含む廃棄物を部分酸化・熱分解させて生じた熱分解残渣を溶融し溶融スラグとし、さらに溶融スラグを冷却し磨砕により調製して得られるものであり、言わば廃棄物を部分酸化・熱分解する際に製造される副産物であるため、ダストの溶融温度を低下させるために外部から融点降下剤を調達する必要がなくなり、廃棄物ガス化改質炉と冷却装置とを連結する連結管内壁へのダスト付着を防止することを、安価に行うことができるという効果を得る。
以下、添付図面にもとづき、本発明の一実施形態を説明する。
図1において、本実施形態の廃棄物ガス化処理装置は、廃棄物を熱分解してガス化するガス化改質炉10と、該ガス化改質炉10で生成かつ改質された改質ガスを受けてこれを冷却する冷却装置20と、上記ガス化改質炉10と冷却装置20を連結して改質ガスを冷却装置20へ送る連結管30とを備えている。
ガス化改質炉10は、竪型の炉本体11の内部空間の上部にガス改質のためのガス改質空間12が形成されており、上記炉本体11の内部空間の下部には廃棄物Pを堆積してこれを加熱し熱分解する熱分解部13と該熱分解部13から横方向に延びる溶融部14が設けられている。該溶融部14の下流側(図にて右側)には均質化炉14Aが設けられていて、該均質化炉14Aの出口部から溶融物排出管14Bが垂下している。さらに、上記熱分解部13の上部側壁には、側方から廃棄物Pを装入するための廃棄物装入部15が設けられている。これらの熱分解部13、溶融部14そして廃棄物装入部15自体は、例えば、特許文献1で公知であり、本発明の主旨とする部分ではないので、これらについてのこれ以上の説明は省略する。
上記ガス化改質炉10は、そのガス改質空間12へガス改質のための酸素含有ガスを炉本体11内へ供給する酸素含有ガス供給口12Aが設けられていて、熱分解部13で加熱され熱分解された廃棄物Pから生成され炉本体11内を上昇するガスを上記酸素含有ガスで改質し、改質ガスとして上記冷却装置20へ送り出すようになっている。かかるガス化改質炉10の炉本体11の頂部には、改質ガス送出口10Aが設けられており、該改質ガス送出口10Aに、上記連結管30の一端側(図1にて左端側)が接続されている。該連結管30はその他端側で冷却装置20に接続されている。すなわち、連結管30はガス化改質炉10と冷却装置20とを連結している。
上記冷却装置20は、冷却槽21と、その上方に位置する連結管30の他端部と該冷却槽21を結ぶ冷却管22とを有している。該冷却管22は上記連結管30の他端部から垂下しており、その下端で冷却槽21に連通している。該冷却管22の上部には、下方に向けて該冷却管22内へ冷却洗浄液を噴射する洗浄液ノズル23が設けられている。また、該冷却管22内の上端位置には、管内面の付着物を掻き取る掻き取り装置24が設けられている。該掻き取り装置24は、管外に向け上方に延出するロッド24Aの下端に取り付けられた掻き部材24Bを有し、ロッド24Aを昇降させることで、該掻き部材24Bが冷却管22の内面を掻いて、付着物を掻き落とすようになっている。
冷却槽21は、その下部に洗浄液排出口21Aが、そして上部に冷却された改質ガスのガス排出口21Bが設けられている。
一方、上記ガス化改質炉10の溶融物排出管14Bの下方には水砕装置41が設けられ、また、該水砕装置41に接続されて磁選装置45、磨砕装置46が順次設けられている。上記水砕装置41は、振動篩機42、搬送コンベア43、供給装置44を順次介して磁選装置45に接続され、該磁選装置45の下方に位置する磨砕装置46の下方には篩機47が配されている。
水砕装置41は、上方に開口する槽内に水が収容されており、溶融物が溶融物排出管14Bから落下すると、冷却凝固するとともに水砕されて金属塊とスラグ塊の混合物を形成し槽底部に堆積される。槽底部からは斜め上方に向け上記混合物を槽外へ搬送する斜行コンベア41Aが設けられている。
上記斜行コンベア41Aの上端側方には、振動篩機42が設けられていて、該斜行コンベア41Aの上端から落下する混合物を受けて、これを振動篩により粗大物を篩上として除去し、所定粒径以下のもののみを落下させて、上記搬送コンベア43の下端部上に供給する。
搬送コンベア43は、例えば、図示のように、縦走行部を有していて、混合物を上方へ搬送し、その上端部から該混合物を落下させて、その下方に設けられた供給装置44に該混合物を受け渡す。供給装置44は磁選装置45へ混合物を供給するようになっている。
磁選装置45は、公知のように、磁力を用いて、混合物を金属塊とそれ以外のスラグ塊とに分別する。本実施形態では、金属塊は別途処理され再利用に供される。一方、スラグ塊は下方に位置する磨砕装置46へ供給されて、磨砕されることで、粉体化される。磨砕装置46の下方には、篩機47が設けられていて、スラグ粉体を粗粉分と微粉分とに分級する。該篩機47は、微粉スラグ粉体を、炉本体11に設けられたスラグ粉体供給口16からスラグ粉体供給ライン48を経て炉内へ供給するように該炉本体11と接続されている。一方、粗粉分は、別途用途に向けて処理される。
上記微粉スラグ粉体は、粒度分布がメディアン径を500μm以下とすることが好ましい。
かかる本実施形態装置では、廃棄物の部分酸化・熱分解によるガス化そしてガス改質は、次の要領で行われる。
ピット(図示せず)に集積された都市ごみ、産業廃棄物等の廃棄物はガス化改質炉10の廃棄物装入部15を経て該ガス化改質炉10内に装入され熱分解部13で熱分解されて炭化水素等にガス化される。ガス化改質炉10のガス改質空間12の下部に設けられた酸素含有ガス供給口12Aから炉内に酸素含有ガスが導入され、この酸素ガスが廃棄物中の炭素と反応し、一酸化炭素と二酸化炭素が生成される。また、廃棄物から発生し又は外部から供給された高温水蒸気が存在するため、炭素と水蒸気とによる水性ガス反応が生じて、水素と一酸化炭素が生成される。さらに、廃棄物の熱分解・部分酸化により発生した炭化水素が水蒸気と反応して、水素と一酸化炭素が生成される。これらの廃棄物から発生したガスから水素と一酸化炭素に富むガスを生成されることをガス改質といい、ガス化改質炉の頂部の改質ガス送出口10Aより改質ガスが排出される。
改質ガスは、該改質ガス送出口10Aから連結管30を経て冷却装置20へ送られ、該冷却装置20で洗浄液ノズル23からの冷却洗浄液と接触し急冷洗浄された後に、ガス排出口21Bから排出される。改質ガスはガス精製工程(説明省略)で精製処理されるのに適切な温度にまで冷却され、ガス精製工程を経て燃料ガス等として利用される。
一方、ガス化改質炉10の下部で生成された熱分解残渣や灰分は溶融部14で溶融され、溶融スラグと溶融金属との溶融物がガス化改質炉10の下部から後段に設けられた均質化炉14Aを経て溶融物排出管14Bから流れ出る。その際、均質化炉14Aにおいて溶融金属は比重が大きいため、溶融スラグは上層をなし溶融金属が下層をなすようにして分離した状態で均質化炉14A内を流れる。溶融金属と溶融スラグは水砕装置41に流下して、冷却固化され、該水砕装置41で水砕された金属塊とスラグ塊の混合物を形成し、該混合物は斜行コンベア41Aにより搬出されて振動篩機42へ供給される。混合物は、振動篩機42にて、粗大物が除去され、所定粒径以下の混合物が搬送コンベア43の端部へ供給される。所定粒径以下の混合物は、搬送コンベア43により搬送されて供給装置44へ供給される。該混合物は、該供給装置44により磁選装置45へ供給される。混合物を形成している金属塊とスラグ塊のうち、金属塊は磁性金属分を含んでいるので磁性を有し、磁選装置45では、磁性を有する金属塊と非磁性のスラグ塊とに分離選別される。金属塊は搬出されて別途資源としての再利用に供される。一方、スラグ塊は、磨砕装置46へ供給される。
スラグ塊は磨砕装置46で磨砕されてスラグ粉体となる。このスラグ粉体は、篩機47へ供給されて、その粒度により、微粉分と粗粉分とに分級される。この粒度による分級は、例えば、粒度分布がメディアン径を500μm以下とする微粉分と、500μm超とする粗粉分とに分けることが好ましい。スラグ粉体は酸化鉄を含んでおり、磨砕されたスラグ粉体を篩により分級した後の、スラグ粉体の微粉分をスラグ粉体供給ライン48を経てスラグ粉体供給口16からガス化改質炉10へ装入する。
本実施形態では、このようなガス改質の工程において、上記ガス改質炉10から改質ガス送出口10Aを経て抜き出される改質ガスには、廃棄物の熱分解により発生した灰分のダストが溶融した粒子状で含まれており、これが改質ガスに随伴されて連結管30内を流れている。
鉄を含む廃棄物をガス化改質炉で部分酸化・熱分解させ、生じた熱分解残渣を溶融して生成するスラグ塊を上述のように粉体化して、スラグ粉体の微粉分をガス化改質炉10に装入し、廃棄物のガス化により発生したダストにスラグの微粉分を混合させることにより、連結管内に流入するダストの溶融温度を低下させ、ダストの溶融温度以上に連結管内壁温度が容易に保持されるようにして、ダストが液体状態を保持し連結管内壁面で冷却固化して付着することを防止する。鉄を含む廃棄物から生成されたスラグ粉体には酸化鉄を含んでおり、ダストの溶融温度を低下させる効果が高い。
このようにして、連結管30の内壁の表面温度をダストの溶融温度(スラグ粉体の混合により低下した溶融温度)以上に保有することが容易にでき、したがって、連結管30内を流れる改質ガス中の溶融状ダストは、連結管30の内壁面と接触しても、冷却されて固化されることがなく溶融状態に保たれており、上記内壁面に付着せずに、連結管30を改質ガスと共に下流端まで流れて冷却装置20まで導かれる。
改質ガスは、冷却装置20の冷却管22に達すると、洗浄液ノズル23から噴射される冷却洗浄液と接触して冷却され、ダストは溶融温度以下となって固化して洗浄液で捕捉され冷却槽21へ至る。冷却管22の内面に付着物が生じたときには、掻き取り装置24を作動させて該付着物を掻き落とす。固化したダストを捕捉した洗浄液は洗浄液排出口21Aから排出され、ガス分としての改質ガスがガス排出口21Bから排出される。
次に、本発明にて、ガス化改質炉10へ装入されるスラグ粉体についてさらに説明する。
本発明においては、ダストによる連結管の閉塞により、圧力損失が増大するような廃棄物を処理する場合、ダストの溶融温度を降下させる物質として、新たに酸化鉄を含有する融点降下剤を添加するのではなく、酸化鉄を含むスラグ粉体をガス改質炉に装入して、ダストの溶融温度自体を降下させるものである。スラグ粉体は、連結管まで改質ガスに同伴させダストと混合させるため、微粉であることが好ましい。
スラグ粉体の粒度を調整するためには既述したように磨砕装置と篩機を用いるとよい。ダストの溶融温度を低下させるために、本発明では、改質ガスへスラグ粉体を装入するが、廃棄物に直接混合するのではなく、ダストにスラグ粉体を接触、混合させるだけでよく、連結管を流通する改質ガス中のダスト量に対して十分な量を供給することとして、スラグ粉体量はダスト量に対応する量でよいため、少量の装入でよくなる。そのためスラグ粉体の僅か一部を使用するだけであるので、スラグ塊の磨砕時に発生する微粉分を分級して取り出し利用するのが好ましい。磨砕し分級して得られ、ダストへの接触、混入に用いられるスラグ粉体の微粉分以外のスラグ粉体は土木資材等に利用することができる。スラグ粉体は酸化鉄濃度の高いものほどダストの溶融温度を低下させる作用が高く、鉄を多く含む廃棄物をガス化処理したときのスラグ粉体には酸化鉄濃度が高いため、これを用いるのが好ましい。
酸化鉄が多いスラグ粉体を得る方法として、鉄分を多く含む粗大ごみなどを焼却処理した際の残渣を含む廃棄物を処理する方法などがある。
ガス化改質炉10へ装入するスラグ粉体の粒度分布としては、粒径が小さいほどダストとよく混合されダストの溶融温度を低下させる効果が大きいため、メディアン径は500μm以下が好ましく、メディアン径が200μm以下であればさらに好ましい。また、このような粒度分布の微粉スラグ粉体を用いると、溶融温度低下効果を得るための装入量を少なくできるので好ましい。
スラグ粉体のダストへの装入方法としては、粉体のまま搬送ガスを用いて該搬送ガスに同伴させてガス化改質炉の上部空間へ装入してもよいし、水分と混合しスラリー状にして、ガス化改質炉入り口に供給された廃棄物上部に装入して廃棄物の熱分解により発生するダストと混合させるようにしてもよい。スラリー中の水分はすぐに蒸発して、スラグ粉体は分散して、発生したガスに同伴してダストと混合させることができる。
スラグ塊を磨砕し、磨砕して得られたスラグ粉体をさらに、分級した微粉のスラグ粉体を使用するのが好ましい。別途、酸化鉄を含む融点降下剤を直接装入するようにすると、融点降下剤の費用が嵩むが、スラグ粉体の磨砕時に発生する微粉分のみを利用することにより、別に融点降下剤を購入することが不要となり安価に行うことができる。
次に、本発明による実施例を比較例とともに示す。
ガス化改質炉装置を用いて、5t/hの廃棄物処理量でガス化改質処理を行った。ガス改質炉出口のガス温度は1200℃になるように操業した。操業を継続したところ、ガス化改質炉出口の連結管の圧損が上昇したため、ガス化改質炉に装入している酸素量を増加させて、ガス化改質炉出口のガス温度を1350℃に昇温し、連結管内面に付着したダストを加熱し溶融して流動化させて排出させる昇温操業を、5日間に8時間程度行うことが必要であった。このように昇温操業を行うためガス化改質炉の耐火物の劣化が早く、通常の操業の場合に比べて耐火物の耐用寿命が1/8となった。
ガス化改質炉装置を用いて、5t/hの廃棄物処理量でガス化改質処理を行った。鉄を多く含む廃棄物を処理した際に生成したスラグを磨砕して磨砕粉体を分級し、微粉分のスラグ粉体をダストの融点降下剤としてガス化改質炉に装入した。スラグ粉体は酸化鉄を18mass% 含む。このスラグ粉体をガス化改質炉に装入することによって、ダストの溶融温度を低下させ、ガス改質炉出口のガス温度を1200℃になるような通常の操業を継続したところ、連結管を閉塞させることなく、運転を長期継続させることができた。
10 ガス化改質炉
16 スラグ粉体供給口
20 冷却装置
30 連結管
46 磨砕装置
48 スラグ粉体供給ライン
16 スラグ粉体供給口
20 冷却装置
30 連結管
46 磨砕装置
48 スラグ粉体供給ライン
Claims (2)
- 廃棄物を部分酸化・熱分解しガス化して発生したガスを改質して改質ガスを生成するガス化改質炉と、該ガス化改質炉からの改質ガスを受けてこれを冷却する冷却装置と、該ガス化改質炉と冷却装置とを連結して改質ガスを冷却装置へ送る連結管とを有する廃棄物ガス化処理装置を用いる廃棄物ガス化処理方法において、
ガス化改質炉で鉄を含む廃棄物を部分酸化・熱分解させて生成した熱分解残渣を溶融し溶融スラグとし、さらに該溶融スラグを冷却した後に磨砕して得られるスラグ粉体をガス化改質炉に装入することを特徴とする廃棄物ガス化処理方法。 - スラグ粉体は、粒度分布がメディアン径を500μm以下としていることとする請求項1に記載の廃棄物ガス化処理方法。
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WO2021042699A1 (zh) * | 2019-09-03 | 2021-03-11 | 牛强 | 一种双熔浴有机固废喷吹气化装置 |
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