JP2019073490A - 機能性フィルムおよび皮膚貼付用シート、並びに皮膚貼付用シートの製造方法 - Google Patents

機能性フィルムおよび皮膚貼付用シート、並びに皮膚貼付用シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒドロゲルを形成し得る成分を備え、かつ、ガス透過性を有する機能性フィルムを提供する。【解決手段】ガス透過性を有するフィルム基材と、前記フィルム基材の第1の表面に配置され、ヒドロゲルを形成し得る第1成分を含む第1の粒状体と、を備える、機能性フィルムである。第1の粒状体の平均粒径D1は0.2μm以上であることが好ましい。機能性フィルムは、さらに、フィルム基材の第1の表面に配置され、水溶性の第2成分を主成分として含む第1の繊維をさらに備え、第1の粒状体が第1の繊維に支持されていることが好ましい。【選択図】図3B

Description

本発明は、フィルム基材と粒状体とを備える機能性フィルムおよび皮膚貼付用シート、並びに皮膚貼付用シートの製造方法に関する。
近年、皮膚に接触させて用いられるシートに、予め、コラーゲン等の機能性成分を保持させることが提案されている。このようなシートは、例えば、機能性成分を含むヒドロゲルを基材に塗布することにより形成される(特許文献1)。
特表2010−536810号公報
特許文献1のヒドロゲルのシートは、使用時に基材から剥離されて、皮膚に転写される。このようなシートは、ガス透過性を有さない。そのため、シートを皮膚に接触させている間、皮膚の呼吸が阻害されたり、汗腺が閉塞されたりする。よって、長時間にわたって使用すると、皮膚にかぶれ等が生じる場合がある。
本発明の一局面は、ガス透過性を有するフィルム基材と、前記フィルム基材の第1の表面に配置され、ヒドロゲルを形成し得る第1成分を含む第1の粒状体と、を備える、機能性フィルムに関する。
本発明の他の局面は、上記機能性フィルムを備える、皮膚貼付用シートに関する。
本発明のさらに他の局面は、皮膚に接触させて使用される皮膚貼付用シートの製造方法であって、ヒドロゲルを形成し得る第1成分と、水と、を含む原料液を準備する準備工程と、前記原料液とガス透過性を有するフィルム基材との間に電圧が印加された状態で、ノズルから前記原料液を放出して、前記第1成分を含む第1の粒状体を生成させるとともに、生成した前記第1の粒状体を前記フィルム基材の第1の表面に配置する配置工程と、を備える、皮膚貼付用シートの製造方法に関する。
本発明によれば、ヒドロゲルを形成し得る成分を備え、かつ、ガス透過性を有する機能性フィルムが得られる。
本発明の一実施形態に係る皮膚貼付用シートの製造に用いられる電界紡糸装置の構成例を示す側面図である。 実施例1で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真(倍率2,500倍)である。 実施例1で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真である(倍率5,000倍)。 実施例2で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真(倍率500倍)である。 実施例2で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真である(倍率1,000倍)。 比較例1で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真(倍率500倍)である。 比較例1で得られた積層フィルムの電子顕微鏡写真である(倍率1,000倍)。 実施例3で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真(倍率100倍)である。 実施例3で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真(倍率250倍)である。 実施例4で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真(倍率2,500倍)である。 実施例4で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真である(倍率5,000倍)。 実施例5で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真(倍率750倍)である。 実施例6で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真(倍率500倍)である。 実施例7で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真(倍率100倍)である。 実施例7で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真(倍率2,500倍)である。 実施例8で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真(倍率250倍)である。 実施例9で用いられた機能性フィルムの電子顕微鏡写真(倍率250倍)である。 実施例9で得られた機能性フィルムの電子顕微鏡写真(倍率1,000倍)である。
(機能性フィルム)
本実施形態に係る機能性フィルムは、ガス透過性(水蒸気、酸素等の気体の透過性)を有するフィルム基材と、フィルム基材の第1の表面に配置され、ヒドロゲルを形成し得る第1成分を含む第1の粒状体と、を備える。
本実施形態に係る機能性フィルムにおいて、ヒドロゲルは粒状である。そのため、機能性フィルムもガス透過性を有しており、皮膚貼付用シートとして有用である。機能性フィルムを、皮膚に長時間にわたり接触、さらには貼付させる場合であっても、皮膚の呼吸の阻害や汗腺の閉塞が抑制されるためである。このような機能性フィルムを含む皮膚貼付用シートは、皮膚にフィルム基材の第1の表面が対向するように接触させて使用する。機能性フィルムは、フィルム基材に応じた酸素ガス透過度(例えば、5×10cm/m・24h・atm以上、好ましくは7×10cm/m・24h・atm以上)を備える。
さらに、粒状のヒドロゲルは、フィルム基材の任意の位置に配置することができる。例えば、機能性フィルムにより顔面全体を覆う場合、機能性フィルムの目元や口元に対応する部分に特に第1の粒状体を多く配置したり、異なる第1成分を含む第1の粒状体を配置したりすることができる。つまり、オンデマンド型の皮膚貼付用シートが得られる。
以下、本実施形態に係る機能性フィルムの構成を、皮膚貼付用シートに適する形態として具体的に説明するが、機能性フィルムの用途および構成はこれに限定されるものではない。例えば、第1成分は、機能性フィルムの用途等に応じて適宜選択すればよい。
(フィルム基材)
フィルム基材は、ガス透過性を有する膜状の基材であり、第1の粒状体を支持する役割を担う。ガス透過性を有するとは、フィルム基材を皮膚に接触させたとき、皮膚の健常な代謝(発汗、蒸散、皮膚呼吸)、排熱等を過度に阻害しない程度に、酸素、二酸化炭素および/または水蒸気を透過する能力を備えることをいう。例えば、フィルム基材の酸素の透過度が5×10cm/m・24h・atm以上である場合、皮膚の健常な代謝および排熱等を過度に阻害せず、ガス透過性を有する。このようなガス透過性は、フィルム基材を薄膜化および/または多孔質化等することにより付与することが可能である。
フィルム基材の材質は特に限定されず、用途や使用方法に応じて適宜選択すればよい。例えば、フィルム基材の材質としては、生体適合性を有する高分子材料が好ましい。このような高分子材料としては、例えば、コラーゲン類(後述参照)、ケラチン、ゼラチンなどのタンパク質類、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレン、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンテレフタレートまたはこれらの共重合体に代表されるポリエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールに代表されるポリエーテル類、ポリグルタミン酸、またはこれらの塩に代表されるポリアミド類、プルラン、セルロース、セロファン、デンプン、キチン、キトサン、アルギン酸、コーンスターチに代表される多糖類またはこれらの塩、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリ酸無水物、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。機能性フィルムを皮膚に接触させた後、剥離しないことを前提として用いる場合、フィルム基材は、生体適合性に加えて、生分解性を有することがさらに好ましい。
機能性フィルムを皮膚に接触させた後、剥離する場合、例えば、上記の高分子材料に加え、合成樹脂材料、あるいはこれらの混合物等を用いることができる。機能性フィルムを皮膚から剥離せずに、例えば長時間にわたり使用する場合であっても、機能性フィルムはフィルム基材に応じたガス透過性を有するため、皮膚への負担は低減される。
フィルム基材の厚みは、ハンドリング性の観点から、50nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。一方、皮膚への密着性が高まり易い点で、フィルム基材の厚みは、500μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。特に、フィルム基材のガス透過性が薄膜化により得られる場合、フィルム基材の厚みは、10μm以下であることが好ましく、1000nm以下であることがより好ましい。例えば、フィルム基材の材質がセルロースあるいはポリ乳酸である場合、その厚みは100nm〜500nmであることが好ましい。
(第1の粒状体)
第1の粒状体は、ヒドロゲルを形成し得る第1成分を含む。第1成分が粒状でフィルム基材に配置されているため、フィルム基材のガス透過性は維持される。さらに、粒状体である第1成分は、フィルム基材の任意の位置に配置され得る。第1成分の効果が発揮され易い点で、第1成分は、第1の粒状体の主成分(水分を除いた第1の粒状体の50質量%以上を占める成分)であることが好ましい。
第1の粒状体は、水分の存在下で機能性フィルムを皮膚に接触させたとき、皮膚に密着して、皮膚に直接的に作用することができる。この点を考慮すると、第1の粒状体は、第1成分とともに水を含んでいることが好ましい。機能性フィルムを皮膚に接触させたとき、水分を供給することなく、第1の粒状体を皮膚に密着できるためである。ただし、機能性フィルムを皮膚に接触させた後、適宜、ミスト発生器、霧吹き等で水分を供給してもよい。
第1の粒状体の平均粒径D1は、0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。これにより、第1の粒状体が皮膚に接触し易くなるとともに、機能性フィルムに含まれる第1成分の量を多くすることができる。一方、第1の粒状体が過度に大きいと粒状を維持できずに広がり易くなって、フィルム基材のガス透過性が低下する場合がある。そのため、平均粒径D1は、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。
第1の粒状体の平均粒径D1は、第1の繊維集合体に含まれる複数の第1の粒状体(例えば10個)の最大径の平均値である。第1の粒状体の最大径は、機能性フィルムを第1の表面側から見たときに、明確に外縁が確認できる第1の粒状体の最大径である。
第1の粒状体は、皮膚に作用し易くなる点で、第1の表面に2mg/m以上配置されていることが好ましく、5mg/m以上配置されていることがより好ましい。第1の粒状体を第1の表面に上記の割合で配置させても、フィルム基材のガス透過性は阻害され難い。脱落防止の観点から、第1の粒状体は、第1の表面に500mg/m以下配置されていることが好ましく、150mg/m以下配置されていることがより好ましい。また、後述するように、第1の粒状体が第1の繊維に支持されている場合、第1の粒状体は、第1の表面に1000mg/m以下の割合で配置することができる。第1の粒状体を第1の表面に上記の割合で配置させても、第1の繊維に支持されているため、機能性フィルムからの脱落は抑制される。
第1の粒状体の表面には、凹凸が形成されていることが好ましい。第1の粒状体の比表面積が大きくなって、皮膚との接触面積が増加するためである。凹凸の形状および高さは、特に限定されない。
第1成分は、ヒドロゲルを形成し得る成分である。なかでも、第1成分は、薬効を有する医薬成分あるいは美容効果が期待できる化粧成分であって、経皮吸収性を有する成分であることが好ましい。
このような第1成分としては、例えば、ヒアルロン酸塩、ヒアルロン酸誘導体、水溶性アルギン酸塩およびアルギン酸誘導体よりなる群から選択される少なくとも1つが挙げられる。塩を形成するカチオンは、水溶性であれば特に限定されず、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオン、カルシウムイオン等が挙げられる。ただし、マグネシウムイオン以外の2価のカチオン(例えば、カルシウムイオン)により形成されるアルギン酸塩は、水溶性でないため、第1成分には含まれない。各誘導体としては、エステル、アセチル化物等が挙げられる。第1成分は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
なかでも、保湿作用を備える点で、ヒアルロン酸塩、ヒアルロン酸誘導体が好ましい。第1成分としてヒアルロン酸塩および/またはヒアルロン酸誘導体が含まれることにより、機能性フィルムに保湿作用を付与することができる。また、止血作用を備える点で、カルシウムイオンにより形成される塩であることが好ましい。第1成分としてカルシウム塩が含まれることにより、機能性フィルムに止血作用を付与することができる。
(第1の繊維)
機能性フィルムは、さらに、フィルム基材の第1の表面に配置され、水溶性の第2成分を主成分(第1の繊維の50質量%以上を占める成分)として含む第1の繊維を備えていてもよい。このとき、第1の粒状体は、第1の繊維に支持されることが好ましい。機能性フィルムからの脱落が抑制されるためである。第1の粒状体は、複数の第1の繊維で支持されていることがより好ましい。第1の繊維は、例えば、不織布状あるいは綿状で第1の表面に配置される。なお、第1の繊維と第1の粒状体とは、点接触あるいは線接触するため、第1の粒状体の露出面積は大きい。
さらに、第1の繊維の主成分は水溶性の第2成分であるため、機能性フィルムを水分の存在下において皮膚に貼付すると、水分によって第2成分(第1の繊維の一部または全部)が溶解して、皮膚に作用し得る。さらに、第2成分が溶解することにより、第1成分を含む第1の粒状体を、皮膚に直接、接触させることができる。この点を考慮すると、第1の繊維は、第2成分とともに水を含むことが好ましい。この場合、機能性フィルムは皮膚に密着し易くなる。また、第1の繊維が水を含むことによって、機能性フィルムを皮膚に接触させている間、皮膚の乾燥が抑制される。
第1の粒状体および第1の繊維の単位面積当たりの合計の質量(総質量)は、特に限定されないが、皮膚への効果や第1の粒状体の脱落防止を考慮すると、10mg/m以上であることが好ましく、100mg/m以上であることがより好ましい。一方、皮膚との密着性を考慮すると、上記総質量は3000mg/m以下であることが好ましい。
第1の繊維と第1の粒状体との合計に対する第1の粒状体の割合は、5〜35質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることがより好ましい。第1の粒状体が、皮膚により作用し易くなるためである。
第1の繊維の平均繊維径D2は、600nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることが特に好ましい。これにより、第1の繊維が溶解し易くなるとともに、皮膚への密着性が高まる。一方、第1の粒状体の脱落防止の観点から、平均繊維径D2は、20nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。
第1の繊維の平均繊維径D2と第1の粒状体の平均粒径D1とは、D1>D2の関係を満たすことが好ましい。この場合、第1の粒状体の露出面積が大きくなるため、第1の粒状体はより皮膚に接触し易くなる。なかでも、D1×1/20>D2の関係を満たすことが好ましく、D1×1/25>D2の関係を満たすことがより好ましい。
ここで、第1の繊維には、紡錘型の膨らみ(以下、ビーズと称す。)が形成される場合がある。ビーズは、粒状体とは異なり、主に紡糸の過程で十分に延伸されず、第1の繊維に成りきれなかった第2成分により形成される。ビーズによって、機能性フィルムの皮膚への密着性が向上する。さらに、ビーズによって、第2成分の溶解に要する時間的な分布が広がる。そのため、機能性フィルムに含まれる各成分の作用時間を制御することができる。なお、第1の繊維がこのようなビーズを含む場合、ビーズ部分を避けて直径を計測して、平均繊維径D2を算出すればよい。なお、ビーズには、第2成分とともに、第1成分および/または後述する第3成分が含まれ得る。
ビーズの大きさは特に限定されないが、紡糸の安定性の観点、および、第1の繊維による粒状体の支持性を阻害しない点で、ビーズの平均径D3は、D3<D2×20であることが好ましい。なお、含まれる各成分の徐放など長時間に渡って作用させる用途等では、ビーズを、一本の繊維上に複数配置することにより、上記の溶解に要する時間的な分布に更に広がりもたせ、各成分の作用時間を制御することができる。上記の時間的な分布がより広がる点で、ビーズは、一本の繊維上に複数あることが好ましい。
ビーズの平均径D3は、複数のビーズ(例えば10個)の最大径の平均値である。ビーズの最大径は、機能性フィルムを第1の表面側から見たときに、明確に外縁が確認できるビーズの最大径である。ビーズの最大径は、例えば、以下のようにして決定できる。機能性フィルムの第1の表面のSEM画像において、1本の第1の繊維上をビーズに向かって移動しながら、その繊維径を計測していき、繊維径が初めて平均繊維径D2の2倍以上になった地点を、ビーズの一方の端部T1と仮定する。今度は、同じビーズの反対側から、同じ第1の繊維上をビーズに向かって移動しながら繊維径を計測していき、繊維径が初めて平均繊維径D2の2倍以上になった地点をビーズの他方の端部T2と仮定する。端部T1とT2とを結ぶ直線を引いて、この直線に直交する方向におけるビーズの最大の長さをビーズの最大径とする。
第2成分は、水溶性であって、かつ、ヒドロゲルを形成しない成分である。このような第2成分としては、例えば、コラーゲン類が挙げられる。コラーゲン類は、第1の繊維を形成し易い点でも好ましい。コラーゲン類としては、例えば、コラーゲン、コラーゲンペプチド、ゼラチン等が挙げられる。第2成分の重量平均分子量は、水溶性を備え、かつ、第1の繊維が形成され易い点で、500〜80,000であることが好ましく、1,000〜40,000であることがより好ましい。
第1の繊維および/または第1の粒状体は、第1成分(例えば、コラーゲン類)および第2成分(例えば、ヒアルロン酸塩、ヒアルロン酸誘導体、水溶性アルギン酸塩およびアルギン酸誘導体よりなる群から選択される少なくとも1つ)以外の機能性成分(第3成分)を含んでいてもよい。
第3成分は、水溶性であってもよいし、水に難溶であってもよいし、水分散性であってもよい。また、第3成分は、ヒドロゲルを形成し得る物質であってもよいし、ヒドロゲルを形成しない物質であってもよい。第3成分は、例えば、薬効を備える医薬成分、美容効果が期待できる化粧成分、あるいは、後述する原料液の性状等を調整する調整成分である。医薬成分としては、例えば、止血剤、消炎剤、オートインデューサー阻害剤、経皮吸収性医薬品等があげられる。化粧成分としては、ビタミンC、ビタミンC誘導体、乳酸、リンゴ酸、リンゴ酸塩、リンゴ酸誘導体、酒石酸、酒石酸塩、酒石酸誘導体、クエン酸、クエン酸塩、クエン酸誘導体、セリシン、香料等が挙げられる。調整成分としては、例えば、増粘剤、防腐剤、PH調整剤、導電率調整剤等が挙げられる。第3成分は、1種を単独で、あるいは2種以上が組み合わされて用いられる。
第3成分は、第1成分および第2成分との相溶性の高さや水への溶解性等によって、第1の粒状体により多く含まれる場合もあれば、第1の繊維により多く含まれる場合もある。例えば、第1成分との相溶性が高い第3成分は、第1の粒状体に含まれ易い。この場合、第3成分をフィルム基材の任意の位置に配置することができる点で好ましい。例えば、機能性フィルムにより患部およびその周辺を覆う場合、第3成分として患部に止血剤を配置し、さらに第3成分としてその周辺部に消炎剤を配置することができる。さらに、粒状体に、第3成分として医薬成分および/または化粧成分が含まれる場合、長時間に渡って皮膚に作用し続けることができる点で好ましい。
一方、第2成分との相溶性が高い第3成分は、第1の繊維に含まれ易い。第3成分として、医薬成分および/または化粧成分が第1の繊維に含まれる場合、第2成分の溶解によって、短時間で皮膚に作用できる点で好ましい。第1成分の溶解は、例えば、水分の供給、周囲の湿度の調節によって制御される。
第1の繊維および/または第1の粒状体は、第3成分としてpH調整剤を含むことが好ましい。これにより、第1の繊維および/または第1の粒状体のpHが制御される。医薬成分および化粧成分の機能の発現は、pHに依存する場合がある。そのため、第1の繊維および/または第1の粒状体が、第3成分として医薬成分および化粧成分の少なくとも一方を含む場合、さらに、第3成分としてpH調整剤を含むことにより、医薬成分および化粧成分の効果がより発揮され易くなる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、酢酸、リン酸、硫酸、グルコン酸、コハク酸等の酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。上記成分は、pHを安定させるために、それらの塩を含む緩衝液(例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液等)として使用されることが好ましい。
フィルム基材の第1の表面とは反対側の第2の表面には、印刷層(インク層)が配置されてもよい。印刷層は、例えば、フィルム基材の第2の表面に、機能性フィルムが接触する皮膚の色味に対応する印刷を施すことにより形成される。印刷層の形成方法(印刷方法)は、フィルム基材のガス透過性を阻害しない限り特に限定されず、例えば、インクジェット印刷、スプレー印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、静電気を利用した静電印刷等が挙げられる。
印刷層の成分としては特に限定されず、無機顔料、有機顔料、染料等を用いることができる。なかでも、無機顔料が好ましい。無機顔料としては、例えば、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄等の無機赤色顔料;γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料;酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の白色顔料;マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料;水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料;紺青(フェロシアン化第二鉄)、群青等の無機青色系顔料;レーキ化された各種タール系色素;レーキ化された各種天然色素;酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等のパール顔料;これら顔料の粉体と合成樹脂とを複合化した合成樹脂粉体等が挙げられる。これらは、1種を単独で、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることができる。
フィルム基材の第2の表面には、第2の粒状体が配置されてもよい。第2の粒状体は、例えば、上記の第3成分を含む。なかでも、第2の粒状体は、皮膚に直接的に作用させることを要しない香料を含むことが好ましい。この場合、第2の表面には、さらに第2の繊維が配置されることが好ましい。第2の繊維によって第2の粒状体が支持されて、第2の粒状体の脱落が抑制されるためである。第2の繊維は、例えば、上記の第2成分を含む。
機能性フィルムは、使用前に第1の粒状体が脱落したり、第1の繊維が損傷したりするのを抑制するための第4の層(保護層)を備えていてもよい。保護層としては、離型性を有するフィルム、不織布等が挙げられる。保護層は、機能性フィルムの第1の表面を覆うように配置される。
(皮膚貼付用シートの製造方法)
以下、機能性フィルムを備える皮膚貼付用シートの製造方法を、図面を参照しながら具体的に説明するが、皮膚貼付用シートの製造方法はこれに限定されるものではない。図1は、機能性フィルムの製造に用いられる電界紡糸装置の構成例を示す側面図である。
皮膚貼付用シートは、例えば、ヒドロゲルを形成し得る第1成分と、水と、を含む原料液を準備する準備工程と、原料液とガス透過性を有するフィルム基材との間に電圧が印加された状態で、ノズルから原料液を放出して、第1成分を主成分として含む第1の粒状体を生成させるとともに、生成した第1の粒状体をフィルム基材の第1の表面に配置する配置工程と、を備える方法により製造される。配置工程は、例えば、電界紡糸装置を用いることにより実施され得る。
電界紡糸装置を用いる電界紡糸法では、通常、繊維の原料を溶解させた溶液(原料液)が用いられる。原料液とターゲットとの間に電圧を印加して、原料液およびターゲットをそれぞれ異なる極性に帯電させる。帯電したターゲットに向かって、帯電した原料液をノズルから放出させると、ターゲットに到達する過程において原料液の溶媒は揮発し、ターゲットには、静電延伸現象により生成した繊維が堆積する。
本実施形態において、原料液は、ヒドロゲルを形成する第1成分と水とを含む。原料液において、第1成分は、溶解しているか、あるいは、分散している。原料液は、放出によって静電延伸される。このとき、原料液に含まれる水の少なくとも一部が除去(蒸発)される。これにより、第1成分は、濃度が高まるとともに、放出の圧力から解放されることにより、ゲル構造を形成する。つまり、第1成分は延伸されずに粒状となって、ターゲット(この場合、フィルム基材の第1の表面)に堆積する。言い換えれば、フィルム基材の第1の表面に、第1成分を含む第1の粒状体が配置される。このとき、第1成分の一部が繊維状に形成されて、フィルム基材の第1の表面に堆積する場合がある。
さらに、原料液が第2成分を含む場合、第2成分は、電界紡糸法により繊維状に形成される。つまり、同じ空間内で、第1成分を含む第1の粒状体と第2成分を含む第1の繊維とが生成するため、両者は接触し、そのまま接着する。その後、第1の繊維と第1の粒状体とは、接着された状態でフィルム基材の第1の表面に堆積する。この方法により、フィルム基材の第1の表面に、第2成分を含む第1の繊維と、第1の繊維に支持され、第1成分を含む第1の粒状体が配置される。さらに、このようなプロセスが連続して行われることにより、第1の粒状体は、フィルム基材および/または第1の繊維と複数の接触点で接着され、第1の粒状体は、より強固にフィルム基材に固定される。なお、第1成分と第2成分との紡糸性の違いは、分子量、溶媒への溶解性、表面張力、分子間の相互作用等の相違により生じるものと考えられる。
フィルム基材の第2の表面に、第2の粒状体あるいは第2の粒状体および第2の繊維を配置する場合も同様に、電界紡糸法を採用することができる。
原料液の準備工程に先立って、皮膚貼付用シートが接触、さらには貼付される皮膚に関する情報(第1情報)を取得してもよい(データ取得工程)。この場合、準備工程では、取得された第1情報に基づいて原料液が準備される。さらに、配置工程において、取得された皮膚に関する情報に基づいて、原料液の放出位置や放出量等の制御が行われる。
データ取得工程では、第1情報を取得する。第1情報とは、皮膚貼付用シートが接触、さらには貼付される皮膚に関する情報であって、例えば、皮膚の水分量、弾力性、色、損傷の度合い等、皮膚表面の画像解析結果、専門家による問診結果等である。これらの情報に基づいて、第1成分、第2成分、さらには第3成分の種類、量、機能性フィルムにおける配置場所等が設定される。
データ取得工程の後で、予め取得された皮膚に関する複数の基本情報と、複数の基本情報に対応する複数の基本原料液の組成と、を備えるデータベースから、データ取得工程で取得された第1情報に対応する基本原料液の組成を選出するようにしてもよい(データ選出工程)。
以下、原料液20が、第1成分と第2成分と水とを含む場合を例に挙げて、各工程を説明する。
(準備工程)
第1成分と第2成分と水とを含む原料液20を準備する。原料液20において、第1成分は溶解しているか、あるいは、分散しており、第2成分は溶解している。データ取得工程で取得された第1情報および第1の粒状体の配置に応じて、複数種の原料液20を準備してもよい。
原料液20における第1成分の濃度は、電界における原料液の放出に適し、かつ、第1の粒状体が形成され易い点で、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましい。原料液20における第2成分の濃度は特に限定されず、原料液20の粘度等を考慮して、適宜設定すればよい。なかでも、第1の繊維が形成され易い点で、第2成分の濃度は、5〜40質量%であることが好ましく、10〜25質量%であることがより好ましい。
原料液20の粘度は、電界における原料液の放出に適するように適宜設定すればよい。なかでも、25℃の条件下、せん断速度1(1/s)で回転粘度計によって測定される原料液20の粘度は、0.1〜30Pa・Sであることが好ましく、0.5〜30Pa・Sであることがより好ましく、1〜15Pa・Sであることが特に好ましい。原料液20の粘度がこの範囲であると、安定した電界紡糸が可能になって、第1の粒状体がフィルム基材の第1の表面に均一に配置され易くなる。なお、第1成分は、原料液20の粘度を増加させる作用を有するため、第1成分を配合することにより、原料液20の粘度を制御することができる。ただし、原料液20には、増粘剤として他の成分を含ませてもよい。
原料液20には、水以外の溶媒(以下、第2の溶媒と称す。)が含まれていてもよい。第2の溶媒は、水との相溶性を有する限り特に限定されず、第1成分および第2成分の種類や、製造条件等に応じて、適宜選択すればよい。なかでも、水との相溶性および揮発性に優れる点で、第2の溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール、ヘキサフルオロイソプロパノール等のアルコールが好ましい。これらは単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。ただし、第2成分の溶解性の観点から、全溶媒に占める第2の溶媒の割合は、50質量%未満であることが好ましく、25質量%未満であることがより好ましい。
また、第1成分が、コラーゲン類であり、第2成分が、ヒアルロン酸塩、ヒアルロン酸誘導体、水溶性アルギン酸塩およびアルギン酸誘導体よりなる群から選択される少なくとも1つである場合、原料液20は、第1成分および第2成分以外の第3成分を含むことが好ましい。この場合、第3成分は、繊維および/または粒状体に含まれる。本実施形態によれば、原料液20に機能性成分を配合するという非常に簡単な作業により、種々の機能性成分を、脱落し難い状態で繊維集合体に保持させることができる。
原料液20が第3成分としてpH調整剤を含む場合、原料液20の粘度を、紡糸に適した粘度に調整することが容易となる。コラーゲン類、ヒアルロン酸塩、ヒアルロン酸誘導体、水溶性アルギン酸塩およびアルギン酸誘導体の水への溶解性は、pHに依存するためである。
原料液20における第3成分の濃度は、第1の粒状体の形成を妨げない範囲であれば特に限定されず、第3成分の機能を考慮して適宜設定すればよい。第3成分の濃度は、例えば、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましい。
(配置工程)
配置工程で用いられる電界紡糸装置10は、例えば、原料液20を放出するための放出体11と、放出された原料液20をプラスに帯電させる帯電手段と、ターゲット12を支持するコンベアベルト13と、を備えている。コンベアベルト13は、ターゲット12とともに、第1の粒状体および第1の繊維を収集するコレクタ部として機能する。ここでは、ターゲット12としてフィルム基材を用いる。
第1の粒状体の配置に応じて、フィルム基材に部分的にマスキングしてもよい。これにより、フィルム基材の任意の位置に第1の粒状体を配置することができる。必要に応じて、マスキングする位置および/または原料液20の種類を変えながら、配置工程を複数回繰り返してもよい。これにより、オンデマンド型の皮膚貼付用シートが得られる。
放出体11は、導体で構成されており、長尺の形状を有し、その内部は中空になっている。中空部は原料液20を収容する収容部となる。放出体11のターゲット12と対向する側には、原料液20の放出口(図示せず)が複数箇所設けられている。放出体11の放出口と、ターゲット12との距離は、電界紡糸装置10の規模や所望の平均粒径D1、平均繊維径D2にもよるが、例えば、100〜600mmであればよい。
原料液20は、放出体11の中空部と連通するポンプ(図示せず)の圧力により、パイプ18を通って放出体11の中空に供給されるとともに、放出口からターゲット12に向かって放出される。放出された原料液20は、帯電した状態で放出体11とターゲット12との間の空間(生成空間)を移動中に静電爆発を起し、第1成分を含む第1の粒状体と第2成分を含む第1の繊維とを生成する。生成した第1の繊維とこれに支持された第1の粒状体は、ターゲット12上に堆積する。第1の繊維および第1の粒状体の堆積量、堆積場所、第1の粒状体の平均粒径D1および第1の繊維の平均第1の繊維径D2は、原料液20の吐出圧力、印加電圧、原料液20における原料の組成、濃度、生成空間の環境(組成、温度、湿度、圧力等)を調整することにより、制御される。
放出体11およびターゲット12を帯電させる帯電手段は、放出体11に電圧を印加する電圧印加装置14と、コンベアベルト13に平行に設置された対電極15とで構成されている。対電極15は接地(グランド)されている。これにより、放出体11と対電極15(ターゲット12)との間には、電圧印加装置14により印加される電圧に応じた電位差を設けることができる。なお、帯電手段の構成は、特に限定されない。例えば、ターゲット12はマイナスに帯電されていてもよい。また、対電極15を設ける代わりに、コンベアベルト13を導体から構成してもよい。
放出体11は、例えば、放出体11の上方に設置された、ターゲット12と平行な第1支持体16から下方に延びる第2支持体17により、自身の長手方向がターゲット12の主面と平行になるように支持されている。第1支持体16は、放出体11を揺動できるように、可動であってもよい。
電界紡糸装置10は、上記の構成に限定されない。例えば、放出体11の長手方向に垂直な断面の形状は、上方から下方に向かって次第に小さくなる形状(V型ノズル)であってもよい。また、放出体11は、1以上のニードル形状のノズルを備えていてもよい。
電界紡糸工程の後、風乾、減圧、あるいは第1の繊維集合体にダメージを与えない条件での加熱等により、第1の繊維および/または第1の粒状体に含まれる溶媒の除去、あるいは含水量の調節を行ってもよい。含水量は、第1の繊維集合体の柔らかさや感触に加えて、各成分の作用、第1の繊維集合体の保存性等に影響し得る。
以下、本発明を実施例に基づいて、更に詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)原料液の準備
超純水に、ヒアルロン酸ナトリウム(第1成分)を0.25質量%となるように混合して溶解させることにより、原料液(粘度:0.16Pa・S)を得た。
(2)粒状体の形成
ガス透過性を有するフィルム基材として、ポリウレタン製の薄膜(厚み7μm)を準備した。
電界紡糸装置を用いて、上記(1)で得られた原料液を、上記フィルム基材の第1の表面に、印加電圧45kVの条件で放出して、平均粒径D1が約0.5μmの粒状体を備える機能性フィルムを得た。また、赤外吸光スペクトルから、粒状体にヒアルロン酸ナトリウムが含まれていることを確認した。得られた機能性フィルムを、第1の表面側から走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影した写真を図2A(倍率2,500倍)および図2B(倍率5,000倍)に示す。
ポリウレタン製の薄膜は、市販のポリウレタン製医療用ドレッシング材(株式会社共和製、エアウォール(登録商標))をイソプロピルアルコールに浸漬して、振とう攪拌し、粘着剤を除去した後、洗浄および乾燥することにより得た。
[実施例2]
ヒアルロン酸ナトリウム(第1成分)を1.5質量%、酵素分解コラーゲンペプチド(第2成分、重量平均分子量2,000)を10質量%含有する原料液(粘度:10.5Pa・S)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、機能性フィルムを得た。得られた機能性フィルムを、第1の表面側から撮影したSEM写真を図3A(倍率500倍)および図3B(倍率1,000倍)に示す。
得られた機能性フィルムにおいて、フィルム基材の第1の表面に、複数の粒状体(平均粒径D1:約2μm、15mg/m)と、これを支持する複数の繊維(平均繊維径D2:約90nm、96mg/m)とを含む電界紡糸層が形成されていた。
赤外吸光スペクトルから、電界紡糸層に含まれる繊維の50質量%以上を酵素分解コラーゲンペプチドが占めており、粒状体にはヒアルロン酸ナトリウムが含まれていることを確認した。また、得られた機能性フィルムの酸素ガス透過度を、JIS K 7126−1(GC)法に準拠して測定した。結果を表1に示す。表1には、フィルム基材単体の酸素ガス透過度も示した。
[比較例1]
実施例2と同様にして準備した原料液を、超純水で10倍希釈して、比較原料液を準備した。また、実施例2と同様にして、ガス透過性を有するフィルム基材を準備した。
得られた比較原料液を、上記フィルム基材の第1の表面全体に塗布(塗布量110mg/m)した後、乾燥させることにより、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムを、第1の表面側から撮影したSEM写真を図4A(倍率500倍)および図4B(倍率1,000倍)に示す。
得られた積層フィルムにおいて、フィルム基材の第1の表面全体に、ヒアルロン酸ナトリウムおよびコラーゲンペプチドを含む層が形成されていた。ただし、図4Aおよび図4Bに示されるように、上記層には、複数のクラックが発生していた。これらクラックは、比較原料液を塗布した後の乾燥により発生したものと考えられる。さらに、得られた積層フィルムの酸素ガス透過度を、実施例2と同様にして測定した。結果を表1に示す。
実施例2の機能性フィルムのガス透過度は、フィルム基材単体の94%であり、ガス透過度は高く維持されている。一方、比較例1の積層フィルムのガス透過度は、フィルム基材単体の78%にまで低下している。なお、実施例1のように、フィルム基材に粒状体のみが配置されている場合、実施例2と同等以上の酸素ガス透過度を有すると考えられる。
さらに、比較例1のようにフィルム基材に塗膜を形成する場合、溶媒の乾燥によるクラックが発生し易い。クラック部分からは、塗膜の剥離が生じ易く、品質の低下を招く。これに対して、実施例2のようにフィルム基材に繊維および粒状体を配置する場合、クラックは発生し難く、これに伴う剥離も生じ難い。さらに、繊維および粒状体を電界紡糸法により形成する場合、電界紡糸層の形成時に溶媒の大部分は揮発してしまうため、乾燥による不具合はさらに発生し難い。
[実施例3]
ガス透過性を有するフィルム基材として、ポリエチレン製の薄膜(穿孔膜、3M社製、トランスポア(登録商標)、厚み120μm)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、機能性フィルムを得た。
得られた機能性フィルムには、複数の粒状体(平均粒径D1:約2μm、15mg/m)と、これを支持する複数の繊維(平均繊維径D2:約90nm、96mg/m)とが配置されていた。
得られた機能性フィルムを、第1の表面側から撮影したSEM写真を図5A(倍率100倍)および図5B(倍率250倍)に示す。上記フィルム基材には、元から凹凸および穿孔が形成されている。しかし、特に図5Bからわかるように、複数の繊維が穿孔を横断するように配置されており、粒状体がこの繊維に保持されているものの、穿孔は、繊維および粒状体のいずれによっても閉塞されていない。つまり、得られた機能性フィルムは、フィルム基材のガス透過性を損なうことなく、粒状体および繊維を備えている。
[実施例4]
ヒアルロン酸ナトリウム(第1成分)を1質量%含有する原料液(粘度:0.5Pa・S)を用いたこと、および、ガス透過性を有するフィルム基材として、ポリ乳酸製の薄膜(厚み約200nm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、機能性フィルムを得た。
得られた機能性フィルムには、複数の粒状体(平均粒径D1:約2μm)が配置されていた。また、赤外吸光スペクトルから、粒状体にヒアルロン酸ナトリウムが含まれていることを確認した。得られた機能性フィルムを、第1の表面側から撮影したSEM写真を図6A(倍率2,500倍)および図6B(倍率5,000倍)に示す。
ガス透過性を有するポリ乳酸製の薄膜は、例えば、以下の手順で作製してもよい。
まず、重量平均分子量250,000のポリ乳酸をクロロホルムに溶解させて、1質量%のポリ乳酸溶液を調製する。次いで、スピンコーティング(回転速度:2000rpm)にて、重量平均分子量500程度のポリビニルアルコール膜が予め形成された基板上に上記ポリ乳酸溶液を塗布し、クロロホルムを気化させる。その後、ポリ乳酸溶液が塗布された基板を水に浸漬してポリビニルアルコールを除去することにより、ポリ乳酸製の薄膜が得られる。この方法により得られるポリ乳酸製の薄膜の酸素ガス透過度(理論値)は、例えば、1.5×10cm/m・24h・atmである。
[実施例5]
ヒアルロン酸ナトリウム(第1成分)を1質量%、酵素分解コラーゲンペプチド(第2成分、重量平均分子量2,000)を10質量%含有する原料液(粘度:1Pa・S)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、機能性フィルムを得た。
得られた機能性フィルムには、複数の粒状体(平均粒径D1:約2μm、31mg/m)と、これを支持する複数の繊維(平均繊維径D2:約70nm、65mg/m)とが配置されていた。得られた機能性フィルムを、第1の表面側から撮影したSEM写真(倍率750倍)を図7に示す。
[実施例6]
ヒアルロン酸ナトリウム(第1成分)を2質量%、酵素分解コラーゲンペプチド(第2成分、重量平均分子量2,000)を10質量%、ビタミンC(L−アスコルビン酸ナトリウム、第3成分)を0.5質量%含有する原料液(粘度:0.52Pa・S)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして、機能性フィルムを得た。
得られた機能性フィルムには、複数の粒状体と、これを支持する複数の繊維とが配置されていた。得られた機能性フィルムのSEM写真(倍率500倍)を図8に示す。
[実施例7]
ヒアルロン酸ナトリウム(第1成分)を1質量%、酵素分解コラーゲンペプチド(第2成分、重量平均分子量2,000)を20質量%含有する原料液(粘度:6Pa・S)を用いたこと、および、ガス透過性を有するフィルム基材として、セルロース製の薄膜(厚み300nm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、機能性フィルムを得た。
ガス透過性を有するセルロース製の薄膜は、例えば、以下の手順で作製してもよい。
まず、木材を原料とする漂白パルプ(セルロース純度90%以上)を準備する。漂白パルプをイオン液体に溶解させて、セルロース溶液を調製する。イオン液体としては、例えば、メチルエチルイミダゾリウムジエチルホスフェートを用いる。次いで、ギャップコーティングにて、ガラス基板上に上記セルロース溶液を塗布して、液膜を形成する。このとき、乾燥後のセルロース膜の厚さが、所望の厚さ(例えば300nm)となるように、ギャップの大きさを調整する。続いて、形成された液膜をエタノールで洗浄して、イオン液体を除去した後、自然乾燥させる。
以上の手順により、例えば、一辺が約5cmの正方形で、厚み約300nmのセルロース製の薄膜が得られる。
得られた機能性フィルムには、複数の粒状体(平均粒径D1:約2μm)と、これを支持する複数の繊維(平均繊維径D2:約150nm)とが配置されていた。得られた機能性フィルムを、第1の表面側から撮影したSEM写真を図9A(倍率100倍)および図9B(倍率2,500倍)に示す。図9Bには、第1の粒状体の表面に形成された凹凸、および、第1の繊維に形成されたビーズが示されている。ビーズの平均径D3は、850nmであった。
[実施例8]
実施例2で準備された原料液を用いたこと、および、実施例7で準備されたフィルム基材(セルロース製薄膜)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、機能性フィルムを得た。
得られた機能性フィルムには、複数の粒状体(平均粒径D1:約2μm、43mg/m)と、これを支持する複数の繊維(平均繊維径D2:約90nm、285mg/m)とが配置されていた。得られた機能性フィルムのSEM写真を図10(倍率250倍)に示す。
[実施例9]
実施例2で準備された原料液と、ガス透過性を有するフィルム基材として、ポリエチレン多孔質膜(ポリエチレン粉末の焼結体を切削して得られるフィルム、日東電工株式会社製、サンマップLC(登録商標)膜、厚み100μm、空隙率30%、孔径17μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、機能性フィルムを得た。
得られた機能性フィルムには、複数の粒状体(平均粒径D1:約2μm、43mg/m)と、これを支持する複数の繊維(平均繊維径D2:約90nm、280mg/m)とが配置されていた。得られた機能性フィルム、第1の表面側から撮影したSEM写真を図11A(倍率250倍)および図11B(倍率1,000倍)に示す。図11Bから、複数の繊維が孔を横断するように配置されており、粒状体がこの繊維に保持されているものの、フィルム基材の孔は、繊維および粒状体のいずれによっても閉塞されていないことがわかる。よって、得られた機能性フィルムは、フィルム基材のガス透過性を損なうことなく、粒状体および繊維を備えている。
本発明の機能性フィルムは、ヒドロゲルを形成し得る成分を備え、かつ、ガス透過性を有するため、皮膚貼付用シート等の種々の用途に使用できる。
10:電界紡糸装置
11:放出体
12:ターゲット
13:コンベアベルト
14:電圧印加装置
15:対電極
16:第1支持体
17:第2支持体
18:パイプ
20:原料液

Claims (16)

  1. ガス透過性を有するフィルム基材と、
    前記フィルム基材の第1の表面に配置され、ヒドロゲルを形成し得る第1成分を含む第1の粒状体と、を備える、機能性フィルム。
  2. 前記第1の粒状体の平均粒径D1が0.2μm以上である、請求項1に記載の機能性フィルム。
  3. 前記第1の粒状体が、表面に凹凸を備える、請求項1または2に記載の機能性フィルム。
  4. 前記第1成分が、ヒアルロン酸塩、ヒアルロン酸誘導体、水溶性アルギン酸塩およびアルギン酸誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の機能性フィルム。
  5. 前記フィルム基材の前記第1の表面に配置され、水溶性の第2成分を主成分として含む第1の繊維をさらに備え、
    前記第1の粒状体が、前記第1の繊維に支持されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の機能性フィルム。
  6. 前記第1の粒状体の平均粒径D1と、前記第1の繊維の平均繊維径D2とが、
    D1>D2の関係を満たす、請求項5に記載の機能性フィルム。
  7. 前記第1の繊維の前記平均繊維径D2が100nm以下である、請求項5または6に記載の機能性フィルム。
  8. 前記第1成分が、ヒアルロン酸塩、ヒアルロン酸誘導体、水溶性アルギン酸塩およびアルギン酸誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記第2成分が、コラーゲン類であり、
    前記第1の繊維および前記第1の粒状体の少なくとも一方が、前記第1成分および前記第2成分以外の第3成分をさらに含む、請求項5〜7のいずれか一項に記載の機能性フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の機能性フィルムを備える、皮膚貼付用シート。
  10. 前記フィルム基材の前記第1の表面とは反対側の第2の表面に配置される印刷層をさらに備える、請求項9に記載の皮膚貼付用シート。
  11. 前記フィルム基材の前記第1の表面とは反対側の第2の表面に配置される第2の粒状体をさらに備える、請求項9に記載の皮膚貼付用シート。
  12. 前記フィルム基材の前記第2の表面に配置される第2の繊維をさらに備え、
    前記第2の粒状体が、前記第2の繊維に支持されている、請求項11に記載の皮膚貼付用シート。
  13. 皮膚に接触させて使用される皮膚貼付用シートの製造方法であって、
    ヒドロゲルを形成し得る第1成分と、水と、を含む原料液を準備する準備工程と、
    前記原料液とガス透過性を有するフィルム基材との間に電圧が印加された状態で、ノズルから前記原料液を放出して、前記第1成分を含む第1の粒状体を生成させるとともに、生成した前記第1の粒状体を前記フィルム基材の第1の表面に配置する配置工程と、を備える、皮膚貼付用シートの製造方法。
  14. 前記原料液が、水溶性の第2成分をさらに含み、
    前記配置工程では、前記第1の粒状体とともに、前記第2成分を主成分として含む第1の繊維を生成させて、前記第1の粒状体および前記第1の繊維を、前記フィルム基材の前記第1の表面に配置する、請求項13に記載の皮膚貼付用シートの製造方法。
  15. 前記第1成分が、ヒアルロン酸塩、ヒアルロン酸誘導体、水溶性アルギン酸塩およびアルギン酸誘導体よりなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記第2成分が、コラーゲン類であり、
    前記原料液が、前記第1成分および前記第2成分以外の第3成分をさらに含み、
    前記配置工程で生成される前記第1の繊維および前記第1の粒状体の少なくとも一方が、前記第3成分を含む、請求項14に記載の皮膚貼付用シートの製造方法。
  16. 前記準備工程の前に、
    前記皮膚に関する第1情報を取得するデータ取得工程と、
    予め取得された皮膚に関する複数の基本情報と、複数の前記基本情報に対応する複数の基本原料液の組成と、を備えるデータベースから、前記第1情報に対応する前記基本原料液の組成を選出するデータ選出工程と、を備え、
    前記準備工程では、選出された前記基本原料液の組成に基づいて、前記原料液を準備する、請求項13〜15のいずれか一項に記載の皮膚貼付用シートの製造方法。
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