JP2019072719A - 液体材料塗布装置および液体材料塗布方法 - Google Patents

液体材料塗布装置および液体材料塗布方法 Download PDF

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Abstract

【課題】一連の塗布作業中に、相対移動速度とは関係なく予め定められた単位時間当たりの吐出量の液体材料を吐出することができる液体材料塗布装置および液体材料塗布方法を提供する。【解決手段】吐出ヘッドと、吐出ヘッドをワークに対し相対移動させるロボットと、相対移動を制御する移動制御部と、吐出ヘッドからの液体材料の吐出動作を制御する吐出制御部と、を備える液体材料吐出装置であって、吐出制御部は、吐出ヘッドとワークとの相対移動速度に基づいて吐出ヘッドが吐出する単位時間当たりの吐出量を変更する第1モードの吐出制御を実行可能であり、吐出ヘッドが、吐出口に連通する液室と、液室内に設けられたプランジャーと、進退アクチュエーターと、を備え、プランジャーを進退させることで液体材料に慣性力を与え、吐出口から液滴の状態で液体材料を吐出するジェット方式の吐出ヘッドである液体材料塗布装置および同装置を用いた塗布方法。【選択図】図1

Description

本発明は、吐出ヘッドとワークとを相対移動させることでワークに所望とする線引塗布(描画塗布)を行なう液体材料塗布装置および液体材料塗布方法に関する。
電子機器の製造時に液体材料を所定のパターンで塗布するためにディスペンサーと呼称される吐出装置が多く用いられている。ディスペンサーは、大型機器から小型機器の製造に至るまで広く使用されており、例えば、液晶、有機ELに代表されるフラットパネルディスプレイに蛍光体や接着剤を線状塗布する工程、或いは、スマートフォンのカバーを固定するための接着剤をカバー外周に線状塗布する工程に用いられる。
ディスペンサーを用いた塗布作業は、所定の塗布パターンに従ってディスペンサーとワークテーブルとを相対移動させながら、ディスペンサーから液体材料を吐出することにより行われるが、コーナー部を有する塗布パターンにおいて線引塗布を行う場合には、コーナー部においてディスペンサーとワークテーブルとの相対移動速度に変化が生じ、描画形成した塗布線の線幅に乱れが生じる問題があった(たとえば、図10(A)に示すように、コーナー部においても直線部と同様の太さの線が塗布されることが望ましい場合でも、コーナー部においてディスペンサーとワークテーブルとの相対移動速度に変化が生じると、図10(B)に示すように、直線部に対してコーナー部の線が太くなる場合があった。)。
そこで、コーナー部の開始点でディスペンサーとワークテーブルとの相対移動速度を減速させるとともにディスペンサーの吐出圧を減圧させ、その後、コーナー部の終了点に至る前にディスペンサーとワークテーブルとの相対移動速度を加速させるとともにディスペンサーの吐出圧を増圧させることで、コーナー部において適正な量の液体材料を塗布する技術が提案された。
しかしながら、吐出圧(吐出量)の制御は、マイクロコンピュータに記憶させたパターンデータに基づいて行われるため、たとえば、ディスペンサーとワークテーブルとを相対移動させるロボット(XYZ方向移動装置)を備える塗布装置において所望の線引塗布を実現するためには、次に述べるようなプログラミングが必要であった。
すなわち、まず、塗布パターンに従ってディスペンサーとワークテーブルと相対移動させるための相対移動指令をプログラミングする必要がある。次に、塗布パターン上の各塗布位置における吐出量を制御する吐出量制御指令をプログラミングする必要がある。吐出量制御指令は、例えば、吐出のためのエア圧力を弱めたり、吐出口と連通する環状弁座と弁体との距離を近めたり、吐出推進力を与えるスクリューの回転速度を弱めたりする命令である。また、コーナー部などの相対移動速度が変化する場所については、コーナー部での線引きの軌跡を複数に分割し、分割された各軌跡に対する相対移動速度と吐出圧とをそれぞれプログラミングする必要がある。
このように、各塗布位置における吐出量をプログラムすることは手間がかかるため、ディスペンサーとワークテーブルとの相対移動速度の変化に合わせて自動で吐出圧(吐出量)を制御する技術が提案されている。
たとえば、特許文献1には、液体吐出装置本体の線形移動速度が大きい場合にはバルブロッドを開いて吐出流量を増加させ、逆に、液体吐出装置本体の線形移動速度が小さい場合にはバルブロッドを閉じて吐出流量を減少させて、対象物上の塗布量が一定となるように制御する点が開示されている。
また、特許文献2には、変換部が、ディスペンスヘッドの移動速度と吐出量制御装置の制御量の関係を表す関係式または変換テーブルを有しており、関係式または変換テーブルに移動速度を適用し、設定された線幅を実現するための制御量を算出する点が開示されている。
特開平5−285434号公報 国際公開第2015/083722号
しかしながら、従来技術(特許文献1,2に記載の発明)では、ディスペンサーから吐出される単位時間当たりの吐出量が、ディスペンサーとワークテーブルとの相対移動速度に基づいて決定されるため、作業者が所望する吐出量の液体材料を吐出させるためには、ディスペンサーとワークテーブルとを所望する吐出量に対応した相対移動速度で相対移動させる必要がある。そのため、たとえば、塗布作業中に、捨て打ちや試し打ちを行いたい場合も、捨て打ちエリアあるいは試し打ちエリア上において、ディスペンサーとワークテーブルとを作業者が所望する吐出量に応じた相対移動速度で移動させ続ける必要があった。
また、従来技術では、ディスペンサーとワークテーブルとの相対移動速度が変化した場合でも一定の線幅の塗布線が塗布されるように、作業者が所望する線幅に応じて、ディスペンサーとワークテーブルとの相対移動速度と単位時間当たりの吐出量との関係を設定する必要がある。そのため、一連の塗布作業において塗布線を異なる線幅で塗布する場合には、作業者が所望する線幅ごとに、相対移動速度と単位時間当たりの吐出量との関係を設定する必要があり、手間がかかってしまう問題があった。
さらに、従来技術では、ディスペンサーを停止させて点形状の塗布を行うこともできないという問題もあった。
本発明は、一連の塗布作業中に、相対移動速度とは関係なく予め定められた単位時間当たりの吐出量の液体材料を吐出することができる液体材料塗布装置および液体材料塗布方法を提供することを目的とする。
本発明の液体材料塗布装置は、液体材料を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドをワークに対し相対移動させるロボットと、塗布プログラムに基づいて、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動を制御する移動制御部と、前記吐出ヘッドからの前記液体材料の吐出動作を制御する吐出制御部と、を備え、前記移動制御部と前記吐出制御部とが協働し、前記液体材料を所定の塗布パターンで前記ワークに塗布作業を行う液体材料塗布装置であって、前記吐出制御部は、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動速度に基づいて前記吐出ヘッドが前記液体材料を吐出する単位時間当たりの吐出量を変更する第1モードの吐出制御を実行可能であり、前記吐出ヘッドが、吐出口に連通する液室と、液室内に設けられたプランジャーと、プランジャーを進退する進退アクチュエーターと、を備え、前記プランジャーを進退させることで前記液体材料に慣性力を与え、前記吐出口から液滴の状態で前記液体材料を吐出するジェット方式の吐出ヘッドであることを特徴とする。
上記液体材料塗布装置において、前記吐出ヘッドは、進出移動する前記プランジャーの先端を弁座に接触させて液滴を形成するようにしてもよい。
上記液体材料塗布装置において、前記吐出ヘッドは、進出移動する前記プランジャーの先端を弁座に接触させずに液滴を形成するようにしてもよい。
上記液体材料塗布装置において、前記第1モードの吐出制御では、前記進退アクチュエーターの単位時間当たりの進退回数を制御することによって前記単位時間当たりの吐出量を制御するようにしてもよい。
上記液体材料塗布装置において、前記移動制御部は、前記ロボットに内蔵されており、前記吐出制御部は、前記ロボットと接続解除可能に設けられているようにしてもよい。
上記液体材料塗布装置において、前記移動制御部は、前記塗布プログラムを記憶しており、前記吐出制御部は、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動速度と前記進退アクチュエーターの単位時間当たりの進退回数を制御するための吐出制御量との関係が設定されているようにしてもよい。
上記液体材料塗布装置において、前記第1モードの吐出制御では、前記塗布プログラムに基づいて、単位長さ当たりの塗布量が一定の塗布線を塗布する線引塗布をするようにしてもよい。
上記液体材料塗布装置において、前記吐出制御部は、前記相対移動速度とは関係なく前記吐出ヘッドに予め定められた単位時間当たりの吐出量で吐出させる第2モードの吐出制御を前記第1モードの吐出制御と切り替えて実行可能に構成されるようにしてもよい。
本発明の液体材料塗布方法は、液体材料を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドをワークに対し相対移動させるロボットと、塗布プログラムに基づいて、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動を制御する移動制御部と、前記吐出ヘッドからの前記液体材料の吐出動作を制御する吐出制御部と、を備え、前記移動制御部と前記吐出制御部とが協働し、前記液体材料を所定の塗布パターンで前記ワークに塗布作業を行う液体材料塗布装置を用いた液体材料塗布方法であって、前記吐出ヘッドが、吐出口に連通する液室と、液室内に設けられたプランジャーと、プランジャーを進退する進退アクチュエーターと、を備え、前記プランジャーを進退させることで前記液体材料に慣性力を与え、前記吐出口から液滴の状態で前記液体材料を吐出するジェット方式の吐出ヘッドであり、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動速度に基づいて前記吐出ヘッドが前記液体材料を吐出する単位時間当たりの吐出量を変更する第1モードの吐出制御を実行することを特徴とする。
上記液体材料塗布方法において、前記吐出ヘッドは、進出移動する前記プランジャーの先端を弁座に接触させて液滴を形成するようにしてもよい。
上記液体材料塗布方法において、前記吐出ヘッドは、進出移動する前記プランジャーの先端を弁座に接触させずに液滴を形成するようにしてもよい。
上記液体材料塗布方法において、前記第1モードの吐出制御では、前記進退アクチュエーターの単位時間当たりの進退回数を制御することによって前記単位時間当たりの吐出量を制御するようにしてもよい。
上記液体材料塗布方法において、前記移動制御部は、前記ロボットに内蔵されており、前記吐出制御部は、前記ロボットと接続解除可能に設けられているようにしてもよい。
上記液体材料塗布方法において、前記移動制御部は、前記塗布プログラムを記憶しており、前記吐出制御部は、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動速度と前記進退アクチュエーターの単位時間当たりの進退回数を制御するための吐出制御量との関係が設定されているようにしてもよい。
上記液体材料塗布方法において、前記第1モードの吐出制御では、前記塗布プログラムに基づいて、単位長さ当たりの塗布量が一定の塗布線を塗布する線引塗布をするようにしてもよい。
上記液体材料塗布方法において、前記吐出制御部は、前記相対移動速度とは関係なく前記吐出ヘッドに予め定められた単位時間当たりの吐出量で吐出させる第2モードの吐出制御を前記第1モードの吐出制御と切り替えて実行するようにしてもよい。
本発明に係る第2の観点の液体材料塗布装置は、液体材料を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドをワークに対し相対移動させるロボットと、塗布プログラムに基づいて、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動を制御する移動制御部と、前記吐出ヘッドからの前記液体材料の吐出動作を制御する吐出制御部と、を備え、前記移動制御部と前記吐出制御部とが協働し、前記液体材料を所定の塗布パターンで前記ワークに塗布作業を行う液体材料塗布装置であって、前記移動制御部は前記ロボットに配置され、前記吐出ヘッドは複数の異なる吐出方式の吐出ヘッドからなり、選択された一の吐出ヘッドを前記ロボットに対して着脱可能であり、前記吐出制御部は前記異なる吐出方式の吐出ヘッドに対応した複数の吐出制御部からなり、前記選択された一の吐出ヘッドに対応する一の吐出制御部が前記ロボットと接続解除可能に接続され、前記移動制御部は、指定された座標に経路を問わずに前記相対移動を行うPTP移動と、予め決定された経路で前記相対移動を行う補間移動とを実行可能に構成され、さらに前記移動制御部は、前記補間移動をする間、前記相対移動速度に対応する速度信号を連続的に前記吐出制御部に出力し続けるように構成され、前記吐出制御部は、前記移動制御部から受信した前記速度信号に基づき前記選択された一の吐出ヘッドに対応する吐出制御量を算出し、当該吐出制御量を含む吐出制御指令を当該吐出ヘッドに出力することを特徴とする。
上記第2の観点の液体材料塗布装置において、前記速度信号は、複数の移動軸の速度を合成して得られたスカラー量の速度信号であって、その周期が速度の大きさを表すパルス信号であるようにしてもよい。
上記第2の観点の液体材料塗布装置において、前記ロボットと前記吐出制御部とはケーブルにて接続され、前記ケーブルを介して前記移動制御部から前記吐出制御部への速度信号が送信されるようにしてもよい。
上記第2の観点の液体材料塗布装置において、前記相対移動速度は、前記塗布パターンで前記液体材料を塗布するために前記塗布プログラムに予め入力された相対移動速度、および、前記塗布プログラムに予め入力された相対移動速度を補足するために前記塗布プログラムに予め入力された相対移動速度に基づいて自動で算出された相対移動速度を含むようにしてもよい。
上記第2の観点の液体材料塗布装置において、前記吐出制御部は、前記相対移動速度に基づいて前記吐出ヘッドの単位時間当たりの吐出量を変更する第1モードの吐出制御を実行可能に構成されるようにしてもよい。
上記第2の観点の液体材料塗布装置において、前記第1モードでは、単位長さ当たりの塗布量が一定の塗布線を線引塗布するように、前記吐出ヘッドの単位時間当たりの吐出量を変更するようにしてもよい。
上記第2の観点の液体材料塗布装置において、前記吐出制御部は、前記相対移動速度とは関係なく前記吐出ヘッドに予め定められた単位時間当たりの吐出量で吐出させる第2モードの吐出制御を前記第1モードの吐出制御と切り替えて実行可能に構成されるようにしてもよい。
上記第2の観点の液体材料塗布装置において、前記吐出制御部は、前記塗布プログラムに基づく移動制御部からの信号の受信により、前記第1モードの吐出制御と前記第2モードの吐出制御とを切り替えるように構成されるようにしてもよい。
上記液体材料塗布装置において、前記複数の異なる吐出方式には、スクリュー方式、ジェット方式、プランジャー方式およびエア方式から選択された二以上の吐出方式が含まれるようにしてもよい。
本発明に係る第2の観点の液体材料塗布方法は、液体材料を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドをワークに対し相対移動させるロボットと、塗布プログラムに基づいて、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動を制御する移動制御部と、前記吐出ヘッドからの前記液体材料の吐出動作を制御する吐出制御部と、を備え、前記移動制御部と前記吐出制御部とが協働し、前記液体材料を所定の塗布パターンで前記ワークに塗布作業を行う液体材料塗布装置を用いた液体材料塗布方法であって、前記移動制御部は前記ロボットに配置され、前記吐出ヘッドは複数の異なる吐出方式の吐出ヘッドからなり、選択された一の吐出ヘッドを前記ロボットに対して着脱可能であり、前記吐出制御部は前記異なる吐出方式の吐出ヘッドに対応した複数の吐出制御部からなり、前記選択された一の吐出ヘッドに対応する一の吐出制御部が前記ロボットと接続解除可能に接続され、前記移動制御部が、指定された座標に経路を問わずに前記相対移動を行うPTP移動と、予め決定された経路で前記相対移動を行う補間移動とを選択的に実行し、さらに前記移動制御部が、前記補間移動をする間、前記相対移動速度に対応する速度信号を連続的に前記吐出制御部に出力し続けること、前記吐出制御部が、前記移動制御部から受信した前記速度信号に基づき前記選択された一の吐出ヘッドに対応する吐出制御量を算出し、当該吐出制御量を含む吐出制御指令を当該吐出ヘッドに出力することを特徴とする。
上記液体材料塗布方法において、前記速度信号は、複数の移動軸の速度を合成して得られたスカラー量の速度信号であって、その周期が速度の大きさを表すパルス信号であるようにしてもよい。
上記第2の観点の液体材料塗布方法において、前記ロボットと前記吐出制御部とはケーブルにて接続され、前記ケーブルを介して前記移動制御部から前記吐出制御部への速度信号が送信されるようにしてもよい。
上記第2の観点の液体材料塗布方法において、前記相対移動速度は、前記塗布パターンで前記液体材料を塗布するために、前記塗布プログラムに予め入力された相対移動速度に加えて、前記塗布プログラムに予め入力された相対移動速度を補足するために、前記塗布プログラムに予め入力された相対移動速度に基づいて自動で算出された相対移動速度を含むようにしてもよい。
上記第2の観点の液体材料塗布方法において、前記吐出制御部が、前記相対移動速度に基づいて前記吐出ヘッドの単位時間当たりの吐出量を変更する第1モードの吐出制御を実行するようにしてもよい。
上記第2の観点の液体材料塗布方法において、前記第1モードでは、単位長さ当たりの塗布量が一定の塗布線を線引塗布するように、前記吐出ヘッドの単位時間当たりの吐出量を変更するようにしてもよい。
上記第2の観点の液体材料塗布方法において、前記吐出制御部が、前記相対移動速度とは関係なく前記吐出ヘッドに予め定められた単位時間当たりの吐出量で吐出させる第2モードの吐出制御を前記第1モードの吐出制御と切り替えて実行するようにしてもよい。
上記第2の観点の液体材料塗布方法において、前記吐出制御部が、前記塗布プログラムに基づく移動制御部からの信号の受信により、前記第1モードの吐出制御と前記第2モードの吐出制御とを切り替えるようにしてもよい。
上記第2の観点の液体材料塗布方法において、前記複数の異なる吐出方式には、スクリュー方式、ジェット方式、プランジャー方式およびエア方式から選択された二以上の吐出方式が含まれるようにしてもよい。
本発明に係る第3の観点の液体材料塗布装置は、液体材料を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドをワークに対し相対移動させるロボットと、塗布プログラムに基づいて、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動を制御する移動制御部と、前記吐出ヘッドからの前記液体材料の吐出動作を制御する吐出制御部と、を備え、前記移動制御部と前記吐出制御部とが協働し、前記液体材料を所定の塗布パターンで前記ワークに塗布作業を行う液体材料塗布装置であって、前記吐出制御部は、前記塗布プログラムに基づいて、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動速度に基づいて前記吐出ヘッドが前記液体材料を吐出する単位時間当たりの吐出量を変更する第1モードの吐出制御と、前記相対移動速度とは関係なく前記吐出ヘッドに予め定められた単位時間当たりの吐出量の液体材料を吐出させる第2モードの吐出制御とを切り替え可能である。
上記第3の観点の液体材料塗布装置において、前記第1モードの吐出制御では、前記塗布プログラムに基づいて、単位長さ当たりの塗布量が一定の塗布線を塗布する線引塗布を実行するようにしてもよい。
上記第3の観点の液体材料塗布装置において、前記第1モードの吐出制御では、前記塗布プログラムに基づいて、線幅が一定の塗布線を塗布する線引塗布を実行するようにしてもよい。
上記第3の観点の液体材料塗布装置において、前記第2モードの吐出制御では、前記塗布プログラムに基づいて、線引塗布、捨て打ち塗布、試し打ち塗布、および点塗布のうち少なくとも1つの塗布を実行することが可能であるようにしてもよく、さらには、線引塗布、捨て打ち塗布、試し打ち塗布、および点塗布のうち少なくとも2つの塗布を実行することが可能であるようにしてもよい。
上記第3の観点の液体材料塗布装置において、前記吐出制御部は、前記塗布プログラムに基づく移動制御部からの信号の受信により、前記第1モードの吐出制御と前記第2モードの吐出制御とを切り替えるようにしてもよい。
上記第3の観点の液体材料塗布装置において、前記吐出制御部は、前記相対移動速度と単位時間当たりの吐出量との関係が互いに異なる複数の前記第1モードの吐出制御、または、予め定められた単位時間当たりの吐出量が互いに異なる複数の第2モードの吐出制御を設定することが可能であり、前記複数の第1モードの吐出制御、または、前記複数の第2モードの吐出制御の中から1の吐出制御を選択して実行できるようにしてもよい。
上記第3の観点の液体材料塗布装置において、前記吐出制御部は、第1の相対移動速度および第1の相対移動速度に対応する第1の単位時間当たりの吐出量と、第2の相対移動速度および第2の相対移動速度に対応する第2の単位時間当たりの吐出量とに基づき、第3の相対移動速度に対応する第3の単位時間当たりの吐出量を自動算出する機能を備え、前記第1モードの吐出制御において、前記吐出ヘッドを前記第1ないし第3のいずれかの相対移動速度で移動させながら当該相対移動速度に対応する単位時間当たりの吐出量の液体材料を前記吐出ヘッドから吐出するようにしてもよい。
上記第3の観点の液体材料塗布装置において、前記相対移動速度は、前記塗布パターンで前記液体材料を塗布するために、前記塗布プログラムに予め入力された相対移動速度に加えて、前記塗布プログラムに予め入力された相対移動速度を補足するために、前記塗布プログラムに予め入力された相対移動速度に基づいて自動で算出された相対移動速度を含むようにしてもよい。
本発明に係る第3の観点の液体材料塗布方法は、液体材料を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドをワークに対し相対移動させるロボットと、塗布プログラムに基づいて、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動を制御する移動制御部と、前記吐出ヘッドからの前記液体材料の吐出動作を制御する吐出制御部と、を備え、前記移動制御部と前記吐出制御部とが協働し、前記液体材料を所定の塗布パターンで前記ワークに塗布作業を行う液体材料塗布装置を用いた液体材料塗布方法であって、前記塗布プログラムに基づいて、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動速度に基づいて前記吐出ヘッドが前記液体材料を吐出する単位時間当たりの吐出量を変更する第1モードの吐出制御と、前記相対移動速度とは関係なく前記吐出ヘッドに予め定められた単位時間当たりの吐出量の液体材料を吐出させる第2モードの吐出制御とを切り替えする。
上記第3の観点の液体材料塗布方法において、前記第1モードの吐出制御では、前記塗布プログラムに基づいて、単位長さ当たりの塗布量が一定の塗布線を塗布する線引塗布を実行するようにしてもよい。
上記第3の観点の液体材料塗布方法において、前記第1モードの吐出制御では、前記塗布プログラムに基づいて、線幅が一定の塗布線を塗布する線引塗布を実行するようにしてもよい。
上記第3の観点の液体材料塗布方法において、前記第2モードの吐出制御では、前記塗布プログラムに基づいて、線引塗布、捨て打ち塗布、試し打ち塗布、および点塗布のうち少なくとも1つの塗布を実行するようにしてもよく、さらには、線引塗布、捨て打ち塗布、試し打ち塗布、および点塗布のうち少なくとも2つの塗布を実行するようにしてもようにしてもよい。
上記第3の観点の液体材料塗布方法において、前記吐出制御部は、前記塗布プログラムに基づく移動制御部からの信号の受信により、前記第1モードの吐出制御と前記第2モードの吐出制御とを切り替えるようにしてもよい。
上記第3の観点の液体材料塗布方法において、前記吐出制御部は、前記相対移動速度と単位時間当たりの吐出量との関係が互いに異なる複数の前記第1モードの吐出制御、または、予め定められた単位時間当たりの吐出量が互いに異なる複数の第2モードの吐出制御が設定されており、前記複数の第1モードの吐出制御、または、前記複数の第2モードの吐出制御の中から1の吐出制御を選択して実行できるようにしてもよい。
上記第3の観点の液体材料塗布方法において、前記吐出制御部は、第1の相対移動速度および第1の相対移動速度に対応する第1の単位時間当たりの吐出量と、第2の相対移動速度および第2の相対移動速度に対応する第2の単位時間当たりの吐出量とに基づき、第3の相対移動速度に対応する第3の単位時間当たりの吐出量を自動算出する機能を備え、前記第1モードの吐出制御において、前記吐出ヘッドを前記第1ないし第3のいずれかの相対移動速度で移動させながら当該相対移動速度に対応する単位時間当たりの吐出量の液体材料を前記吐出ヘッドから吐出するようにしてもよい。
上記第3の観点の液体材料塗布方法において、前記相対移動速度は、前記塗布パターンで前記液体材料を塗布するために、前記塗布プログラムに予め入力された相対移動速度に加えて、前記塗布プログラムに予め入力された相対移動速度を補足するために、前記塗布プログラムに予め入力された相対移動速度に基づいて自動で算出された相対移動速度を含むようにしてもよい。
上記第3の観点の液体材料塗布方法において、前記塗布パターンに応じて前記相対移動速度が変わる線引塗布を行う場合には、前記第1モードの吐出制御を実行し、一定の相対移動速度で線引塗布を行う場合には、前記第2モードの吐出制御を実行するようにしてもよい。
上記第3の観点の液体材料塗布方法において、前記ワークが、1個もしくは複数個の半導体チップ、1個の半導体チップが搭載された1枚もしくは複数枚の基板、または、複数個の半導体チップが搭載された1枚もしくは複数枚の基板であるようにしてもよい。
本発明によれば、前記塗布プログラムに基づいて、吐出ヘッドとワークとの相対移動速度に基づいて吐出ヘッドが液体材料を吐出する単位時間当たりの吐出量を変更する第1モードの吐出制御と、相対移動速度とは関係なく吐出ヘッドに予め定められた単位時間当たりの吐出量の液体材料を吐出させる第2モードの吐出制御とを切り替えて実行することができるため、作業者によるプログラミングの手間を低減しながら、塗布作業を適切に行うことができる。
本発明の塗布装置の外観を示す斜視図である。 制御部および関連要素を示すブロック図である。 速度信号と相対移動速度との関係を示すグラフである。 吐出量の制御例を説明するための図である。 ディスペンサーの吐出方式を説明するための図である。 コーナー部を有する塗布パターンの線引塗布と、捨て打ち塗布とを交互に行う一連の塗布作業における塗布動作を説明するための図である。 所定の塗布パターンの直線部分において塗布線の線幅を変更する一連の塗布作業の塗布動作を説明するための図である。 所定の塗布パターンの線引塗布と点塗布とを交互に行う一連の塗布作業の塗布動作を説明するための図である。 所定の塗布パターンの線引塗布と、当該塗布パターンとは異なる線幅の塗布パターンの線引塗布とを捨て打ち塗布、および、第2塗布パターンの線引塗布と捨て打ち塗布を交互に繰り返す一連の塗布作業の塗布動作を説明するための図である。 従来の塗布装置の線引塗布の一例を示す図である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、実施形態では、単位長さ当たりの塗布量が一定である塗布線の一例として、塗布線を上方から見た際の線幅の均一性を実現するための吐出制御を開示対象にしているが、本発明の技術思想は線幅の均一性への適用に限られない。単位長さ当たりの塗布量を一定とするための吐出制御を実現するためには、例えば、塗布線の高さの均一性、線幅と高さの両方の均一性、または、塗布線の断面積の均一性を吐出制御の対象としてもよい。
≪塗布装置≫
図1は、本発明の塗布装置の外観を示す斜視図である。また、図2は、制御部および関連要素を示すブロック図である。図1に示すように、本発明に係る塗布装置1は、ディスペンサー10と、ロボット20とを主要な構成要素とする。また、ディスペンサー10は、ディスペンスヘッド50と、ディスペンスコントローラ40とを有している。図1に示すように、ロボット20とディスペンスコントローラ40とはケーブルA1,A2を介して電気的に接続されており、ディスペンスヘッド50とディスペンスコントローラ40とはケーブルBを介して電気的に接続されている。
≪ロボット≫
ロボット20は、X軸移動装置21と、Y軸移動装置22と、ロボットヘッド23と、架台24と、ロボットコントローラ30とを備えた卓上型の装置である。
X軸移動装置21は二本の支柱に支えられた装置であり、X軸駆動源61を駆動源とする。X軸移動装置21にはロボットヘッド23が配設されており、ロボットヘッド23はX方向の任意の座標に移動することが可能である。
Y軸移動装置22は架台24上に敷設されており、Y軸駆動源62を駆動源とする。Y軸移動装置22にはワーク保持装置としてワークテーブル25が配設されており、ワークテーブル25はY方向の任意の座標に移動することが可能である。ワークテーブル25上の載置面にはワーク26が着脱自在に保持される。
ロボットヘッド23は、移動部材28およびZ軸駆動源63を備え、Z軸駆動源63を駆動源とするZ軸移動装置を構成している。すなわち、ロボットヘッド23は、Z軸駆動源63により移動部材28をZ方向の任意の座標に移動自在としている。プレートからなる移動部材28にはディスペンスヘッド50が着脱可能に固定されおり、ディスペンスヘッド50もロボットヘッド23(Z軸移動装置)によりZ方向の任意の座標に移動自在となっている。
各駆動源61〜63は、特に限定されず、たとえばステッピングモータ、サーボモータ、またはリニアモータにより構成することができる。
架台24は、その上面のディスペンスヘッド50が移動可能な位置に、液体材料を捨て打ち等するための捨て打ちエリア(調整塗布エリア)27を備える。また、架台24には、ロボット20の動作を制御するロボットコントローラ30が内蔵されている。図2に示すように、ロボットコントローラ30は、塗布プログラムを記憶した記憶装置31と、記憶装置31に記憶された塗布プログラムを実行する演算装置32とを備える。また、ロボットコントローラ30は、図2に示すように、ケーブル81を介して、X軸移動装置21、Y軸移動装置22およびZ軸駆移動装置23とそれぞれ電気的に接続している。
ロボットコントローラ30が記憶する塗布プログラムには、XYZ軸移動装置(21〜23)を指定座標に直線的または曲線的に移動させる指令と、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25(またはワーク26)との相対移動速度の指令とを含む相対移動指令に加えて、ディスペンサー10に液体材料の吐出を開始させるための吐出開始指令、ディスペンサー10に液体材料の吐出を終了させるための吐出終了指令、およびディスペンサー10の吐出制御モードを設定するための指令が記述されている。ロボットコントローラ30は、塗布プログラムに基づいて、X軸移動装置21、Y軸移動装置22およびZ軸移動装置23に相対移動指令を送信し、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25とを相対移動させることができる。ディスペンスヘッド50から吐出される液体材料の吐出量に関する指令は、塗布プログラムには記述されておらず、ディスペンスコントローラ40が記憶する吐出制御プログラムに記述される。塗布プログラムには、吐出制御プログラムに第1モードの吐出制御を実行させるタイミングと第2モードの吐出制御を実行させるタイミングを制御する指令が記載されている。
ロボットコントローラ30が、塗布プログラムに基づいて、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25とを相対移動させる移動方式には、PTP移動と補間移動の2種類の方式がある。PTP移動は、ディスペンスヘッド50をワーク26上の指定された座標に経路を問わずに相対移動させる動作であり、たとえば塗布開始点までの相対移動や原点復帰時の相対移動など液体材料を吐出していない場合に実行される。また、補間移動は、予め決定された移動経路を、予め決定された相対移動速度で相対移動させる動作であり、たとえば所定の塗布パターンに基づいて液体材料を塗布する場合に使用される。
ロボットコントローラ30とディスペンスコントローラ40とは、図2に示すように、ケーブルA1およびA2を介して電気的に接続している。そして、ロボットコントローラ30は、ケーブルA1を介して、吐出開始指令や吐出終了指令などの信号をディスペンスコントローラ40に出力する。また、ロボットコントローラ30は、ケーブルA2を介して、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25との相対移動速度Vをディスペンスコントローラ40に出力する。なお、ロボットコントローラ30は、ディスペンスヘッド50が補間移動を実行している間、ケーブルA2を介して、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25との相対移動速度Vをディスペンスコントローラ40に連続的に出力する。
図3は、(a)ディスペンスヘッド50とワークテーブル25との相対移動速度Vと、(b)ロボットコントローラ30からディスペンスコントローラ40に出力される速度信号との関係を示すグラフである。図3に示すように、速度信号は、大小の2つの電圧値が交互に切り替わるパルス状の信号である。また、本実施形態では、図3に示すように、速度信号の周期が相対移動速度Vの速さを表しており、速度信号の周期が短いほど相対移動速度Vは高速となる。なお、速度信号と相対移動速度Vとの関係は、上述した関係に限定されず、たとえば、速度信号の周期が長いほど相対移動速度Vを高速としてもよいし、電圧値の大小(振幅)に応じて相対移動速度Vを変えてもよい。本実施形態では、このような速度信号が、補間移動の間中、ロボットコントローラ30からディスペンスコントローラ40に連続的に出力され続けている。
なお、本実施形態で説明する「相対移動速度」とは、ロボット20の移動軸(X移動軸、Y移動軸、Z移動軸)ごとの移動速度ではなく、X移動軸、Y移動軸、Z移動軸を合成した場合の相対移動速度である(以下においても同様である)。ここで、単位長さ当たりの塗布量が一定の塗布線の形成にあまり影響しない移動軸は、必要に応じて除外してもよい。
また、本実施形態の塗布プログラムは、インタプリタ方式で処理することができるが、これに限定されない。さらに、作業者は、塗布装置1が備えるコンピューター、または、塗布装置1の外部にあるコンピューターを用いて、ロボットコントローラ30の記憶装置31に新しい塗布プログラムを設定し、あるいは、ロボットコントローラ30に記憶させた塗布プログラムを変更することができる。
ロボット20は、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25(またはワーク26)とが少なくとも1次元方向に、より好ましくは2次元方向以上に相対移動できるものであれば、上述した構成に限定されず、たとえば、ロボットヘッド23を設けた一つ以上の関節を有したアームを備える構成としてもよいし、あるいは、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25の両方を移動可能とするのではなく、ディスペンスヘッド50のみを移動可能とする構成としてもよいし、ワークテーブル25(またはワーク26)のみを移動可能とする構成としてもよい。また、本実施形態では、ワーク26をワークテーブル25に置いて塗布を行う構成を例示したが、この構成に限定されず、たとえばワーク26の縁を挟んで保持するワーク保持装置を用いてワーク26に塗布を行う構成とすることもできる。また、ロボット20とは別に用意されたワーク保持装置(たとえば、ベルトコンベア)により、移動中または一時停止中のワークに塗布を行うようにしてもよい。この場合、ロボット20はワークを保持する手段を有しておらず、外部のワーク保持装置に保持されたワークに対してディスペンスヘッド50を相対移動させることとなる。
さらに、本実施形態では、ケーブルA1,A2をそれぞれ1本ずつのケーブルとする構成を例示したが、ケーブルA1,A2をまとめて1本のケーブルとしてもよいし、3本以上のケーブルに分けて構成してもよい。
≪ディスペンスヘッド≫
ディスペンスヘッド50は、図2に示すように、吐出部53と、ノズル54と、吐出駆動装置64とを有する。吐出部53内にはノズル54から吐出させるための液体材料が貯留される。吐出駆動装置64は、詳細は後述するが、吐出部53に貯留された液体材料を吐出させるための駆動装置(たとえば、吐出部53内に設けられたスクリューやプランジャーを駆動するアクチュエーターや、吐出部53内のエア圧力を調整するエア供給装置)であり、当該駆動装置の駆動量が制御可能となっている。吐出駆動装置64は、図2に示すように、ケーブルBを介して、ディスペンスコントローラ40と接続しており、ディスペンスコントローラ40から吐出駆動装置64の駆動量に応じた吐出制御量Dを受信する。吐出制御量Dは、作業者がプログラム可能となっており、吐出駆動装置64は、受信した吐出制御量Dに応じて駆動することで、作業者が所望する単位時間当たりの吐出量の液体材料を、ノズル54の吐出口55から吐出させることができる。
≪ディスペンスコントローラ≫
ディスペンスコントローラ40は、ディスペンスヘッド50から吐出する液体材料の吐出量を制御する吐出制御プログラムを記憶した記憶装置と、吐出制御プログラムを実行する演算装置とを備える。ディスペンスコントローラ40は、ディスペンスヘッド50およびロボットコントローラ30とそれぞれ着脱可能に接続されている。具体的には、ディスペンスコントローラ40は、ケーブルA1,A2を介してロボットコントローラ30と電気的に接続しており、ケーブルBを介しディスペンスヘッド50と電気的に接続している。
ディスペンスコントローラ40は、ケーブルBを介して、ディスペンスヘッド50に吐出動作指令を送信する。吐出動作指令は、吐出開始指令、吐出終了指令、および、吐出量制御指令を含む。本実施形態では、ロボットコントローラ30が、塗布プログラムに基づいて、吐出開始指令、吐出終了指令、および吐出制御モードを設定するための指令を、ディスペンスコントローラ40に送信する。ディスペンスコントローラ40は、ロボットコントローラ30から受信した吐出開始指令および吐出終了指令をディスペンスヘッド50に出力することで、ディスペンスヘッド50による液体材料の吐出動作を開始/停止させることができる。また、詳細は後述するが、ディスペンスコントローラ40は、ロボットコントローラ30から吐出動作指令および吐出制御モードを受信すると、吐出制御プログラムに基づいて吐出制御量Dを決定し、決定した吐出制御量Dを吐出駆動装置64に出力する。これにより、ディスペンスコントローラ40は、吐出駆動装置64を、吐出制御量Dに応じて駆動させることができ、作業者が所望する単位時間当たりの吐出量の液体材料を、ノズル54から吐出させることができる。
ディスペンスヘッド50およびディスペンスコントローラ40は、液体材料の吐出方式ごとに取り換え可能となっている。すなわち、液体材料の吐出方式ごとにディスペンスヘッド50の吐出機構は異なり、また、吐出機構が異なるためにディスペンスコントローラ40が指示する吐出制御量Dの値も変化する。作業者は、所望する吐出方式に対応するディスペンスヘッド50およびディスペンスコントローラ40を搭載することで、塗布装置1に所望する吐出方式での吐出動作を行わせることができる。以下では、図5を参照して、ディスペンサー10による液体材料の吐出方式として、スクリュー方式、ジェット方式、プランジャー方式、およびエア方式について例示する。なお、ディスペンサー10による液体材料の吐出方式は上記方式に限定されるものではない。
(a)スクリュー方式
図5(a)は、スクリュー方式のディスペンスヘッド50の要部断面図である。スクリュー方式のディスペンスヘッド50では、吐出部53の流路内に、スクリュー56が設けられている。そして、このスクリュー56が回転することで、液体材料がノズル54まで送られ、ノズル54の吐出口55から連続的に液体材料を吐出させることができるようになっている。スクリュー方式のディスペンスヘッド50には、スクリュー56を2軸以上有するものや、1条ネジの軸が2条ネジのスリーブ内を偏心しながら回転するモーノ式または一軸偏心ねじポンプと呼ばれるものなど、流路の内壁やスクリュー56に特殊な加工を施したものも含まれる。
スクリュー方式のディスペンスヘッド50から吐出される単位時間当たりの液体材料の吐出量は、スクリュー56の単位時間当たりの回転数により制御されており、スクリュー56の単位時間当たりの回転数は、スクリュー56を回転させる回転アクチュエーターの回転数により制御される。そのため、作業者は、所望する単位時間当たりの吐出量の液体材料をディスペンスヘッド50から吐出させるために、回転アクチュエーターの単位時間当たりの回転数を直接的・間接的に制御する吐出制御量Dを記述した吐出制御プログラムを、スクリュー方式用のディスペンスコントローラ40に設定することとなる。
そして、作業者は、ディスペンサー10にスクリュー方式の吐出動作を行わせる場合には、スクリュー方式に対応するディスペンスヘッド50とディスペンスコントローラ40とを塗布装置1に搭載する。これにより、ディスペンスコントローラ40は、吐出制御プログラムに記述された吐出制御量Dを吐出駆動装置64に送信し、吐出制御量Dに応じて吐出駆動装置64である回転アクチュエーターを回転させることで、作業者が所望する単位時間当たりの吐出量の液体材料を、スクリュー方式にて、ディスペンスヘッド50から吐出させることができる。なお、回転アクチュエーターは主にモータを用いた機構が用いられるがこれに限定さない。
(b)ジェット方式
図5(b)は、ジェット方式のディスペンスヘッド50の要部断面図である。ジェット方式のディスペンスヘッド50では、ノズル54の吐出口55に連通する液室内に、液室の側壁と非接触または一部接触するが液材の流動を妨げない、プランジャー57が設けられている。そして、このプランジャー57を高速で進退させることで、液材に慣性力を与え、ノズル54の吐出口55から液滴の状態で液体材料を飛滴吐出させることができる。ジェット方式のディスペンスヘッド50には、進出移動するプランジャー57の先端を弁座に接触させて液滴を形成する方式(着座方式)のものと、進出移動するプランジャー57の先端を弁座に接触させずに液滴を形成する方式(非着座方式)のものとがある。
ジェット方式のディスペンスヘッド50の単位時間当たりの吐出量はプランジャーの単位時間当たりの進退回数により制御され、プランジャー57の単位時間当たりの進退回数は進退アクチュエーターの単位時間当たりの進退回数により制御される。そのため、作業者は、所望する単位時間当たりの吐出量の液体材料をディスペンスヘッド50から吐出させるために、進退アクチュエーターの単位時間当たりの進退回数を直接的・間接的に制御する吐出制御量Dを記述した吐出制御プログラムを、ジェット方式用のディスペンスコントローラ40に設定することとなる。
そして、作業者は、ディスペンサー10にジェット方式の吐出動作を行わせる場合には、ジェット方式に対応するディスペンスヘッド50とディスペンスコントローラ40とを塗布装置1に搭載する。これにより、ディスペンスコントローラ40は、吐出制御プログラムに記述された吐出制御量Dを吐出駆動装置64に送信し、吐出制御量Dに応じて吐出駆動装置64である進退アクチュエーターを進退させることで、作業者が所望する単位時間当たりの吐出量の液体材料を、ジェット方式にて、ディスペンスヘッド50から吐出させることができる。なお、進退アクチュエーターは、特に限定されず、プランジャー57の後方に設けたピストンをエアやバネによって駆動させる構成でもよいし、電磁石を用いてプランジャー57を進退させる構成でもよい。
(c)プランジャー方式
図5(c)は、プランジャー方式のディスペンスヘッド50の要部断面図である。プランジャー方式のディスペンスヘッド50では、ノズル54と連通する計量部内に、液室の側壁と摺動するプランジャー58が設けられている。そして、このプランジャー58を前進させることで、液体材料をノズル54の吐出口55から吐出させることができる。また、必要に応じてプランジャー58を有する計量部を液室と吐出口55との間で切り換えるバルブ59を設けることもできる。このバルブ59は図示しないバルブ用のアクチュエーターで切り換えることができる。
プランジャー方式のディスペンスヘッド50の単位時間当たりの吐出量はプランジャー58の単位時間当たりの進出量により制御され、プランジャー58の単位時間当たりの進出量は、プランジャー58を計量管内で往復移動させる吐出用モータの単位時間当たりの回転数により制御される。そのため、作業者は、所望する単位時間当たりの吐出量の液体材料をディスペンスヘッド50から吐出させるために、吐出用モータの単位時間当たりの回転数を直接的・間接的に制御する吐出制御量Dを記述した吐出制御プログラムを、プランジャー方式用のディスペンスコントローラ40に設定することとなる。
そして、作業者は、ディスペンサー10にプランジャー方式の吐出動作を行わせる場合には、プランジャー方式に対応するディスペンスヘッド50とディスペンスコントローラ40とを塗布装置1に搭載する。これにより、ディスペンスコントローラ40は、吐出制御プログラムに記述された吐出制御量Dを吐出駆動装置64に送信し、吐出制御量Dに応じて吐出駆動装置64である吐出用モータを回転させてプランジャー58を前進させることで、作業者が所望する単位時間当たりの吐出量の液体材料を、プランジャー方式にて、ディスペンスヘッド50から吐出させることができる。なお、吐出用モータの回転をプランジャー58の進退移動に変換する構成としては、モータでボールネジを回転させて、ボールネジに螺合されたナットを進退移動させる構成が挙げられるが、これに限定されない。また、吐出用モータ以外の進退アクチュエーターを用いて、進退アクチュエーターの単位時間当たりの進出量を制御することで、プランジャー58の単位時間当たりの進出量を制御してもよい。
(d)エア方式
図5(d)は、エア方式のディスペンスヘッド50の要部断面図である。エア方式のディスペンスヘッド50は、ノズル54に連通する液室内の液材に加圧エアを供給することで、液体材料を吐出口55から吐出させることができる。液体材料とエアの間にプランジャーと呼ばれる仲介部材(フロート)を介在させることもできる。エア方式のディスペンスヘッド50の単位時間当たりの吐出量はエア供給装置のエア供給圧力により制御することができる。そのため、作業者は、所望する単位時間当たりの吐出量の液体材料をディスペンスヘッド50から吐出させるために、エア供給装置のエア供給圧力を直接的・間接的に制御する吐出制御量Dを記述した吐出制御プログラムを、エア方式用のディスペンスコントローラ40に設定することとなる。
そして、作業者は、ディスペンサー10にエア方式の吐出動作を行わせる場合には、エア方式に対応するディスペンスヘッド50とディスペンスコントローラ40とを塗布装置1に搭載する。これにより、ディスペンスコントローラ40は、吐出制御プログラムに記述された吐出制御量Dを吐出駆動装置64に送信し、吐出制御量Dに応じて吐出駆動装置64であるエア供給装置のエア供給圧力を増減させることで、作業者が所望する単位時間当たりの吐出量の液体材料を、エア方式により、ディスペンスヘッド50から吐出させることができる。なお、エア供給装置は、特に限定されず、減圧弁を用いたものなどを用いることができる。
なお、ディスペンサー10は、上述した吐出方式に限定されるものではなく、ノズル54の吐出口55から液体材料を吐出する吐出方式であり、単位時間当たりの吐出量を制御できる吐出方式であれば、その吐出方式に対応するディスペンサー10を用いることで、当該吐出方式で液体材料の吐出を行うことができる。また、ディスペンスヘッド50の構成によっては、吐出口55を有するノズル54と、液体材料を吐出させる吐出駆動装置64とが離れて構成される場合もある。この場合、ディスペンスヘッド50は、少なくとも吐出口55を含むノズル54を備えていればよい。すなわち、本明細書で定義される「吐出ヘッド」とは、アクチュエーターなどの駆動部が備えていることが好ましいが、ノズル54を含む部材さえ備えていれば足りる。また、ディスペンスヘッド50とディスペンスコントローラ40との吐出方式の違いによって、ロボットコントローラ30から送信される相対移動速度信号を必要とするタイミングが異なる場合があるが、前述のように、補間移動を実行している間、ロボットコントローラ30から出力される相対移動速度信号を連続的に出力される信号とすることで、ディスペンスコントローラ40の吐出方式の違いによらず必要な時に遅れずに相対移動速度信号を取得することができる。
また、ディスペンスコントローラ40は、同一の吐出方式においても、第1モードの吐出制御と、第2モードの吐出制御という異なる2つの吐出態様で吐出制御を行うことができる。第1モードの吐出制御は、線引塗布を行う場合の吐出制御モードであり、特に、所定の塗布パターンのコーナー部で、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25との相対移動速度が変化することにより塗布線の単位長さ当たりの塗布量が乱れることを抑制するために、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25との相対移動速度Vに応じて、単位時間当たりの液体材料の吐出量を変更する吐出制御モードである。また、第2モードの吐出制御は、捨て打ち、試し打ち、または点状塗布などを行うための吐出制御モードであり、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25との相対移動速度Vとは関係なく、ディスペンスヘッド50に、予め定められた単位時間当たりの吐出量の液体材料を吐出させる吐出制御モードである。
≪第1モードの吐出制御≫
第1モードの吐出制御を行うために、ディスペンスコントローラ40は、相対移動速度Vと吐出駆動装置64の吐出制御量Dとの関係を表す関係式または変換テーブルを有している。相対移動速度Vと吐出駆動装置64の吐出制御量Dとの関係を表す関係式または変換テーブルは、作業者が所望する線幅の塗布線を線引塗布できるように、相対移動速度Vと吐出駆動装置64の吐出制御量Dとの関係が予め設定されている。ディスペンスコントローラ40は、第1モードの吐出制御を行う場合には、ケーブルA2を介して、ロボットコントローラ30から、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25との相対移動速度Vに応じた速度信号を受信する。そして、ディスペンスコントローラ40は、受信した速度信号に基づいて相対移動速度Vを算出し、関係式または変換テーブルに算出した相対移動速度Vを適用することで、作業者が所望する線幅の塗布線を塗布するための吐出制御量Dを算出する。さらに、ディスペンスコントローラ40は、算出した吐出制御量Dを含む吐出量制御指令を吐出駆動装置64に出力することで、吐出制御量Dに応じた分だけ吐出駆動装置64を駆動させ、これにより、作業者が所望する単位時間当たりの塗布量の液体材料をディスペンスヘッド50から吐出させることができる。なお、相対移動速度Vは、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25との相対移動速度のスカラー量である。
ここで、図4を参照して、第1モードの吐出制御における、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25との相対移動速度Vについて説明する。図4の上段は、ディスペンスヘッド50の相対移動速度V〜Vに対応する吐出駆動装置64の吐出制御量D〜Dを示す変換テーブルのイメージ図である。また、相対移動速度V〜Vはスカラー量(絶対値)で記述されているため、加速時と減速時とで同じ変換テーブルを使用することが可能である。図4の下段は、ディスペンスヘッド50の移動速度がVからVに減速する際の吐出制御量Dを示すグラフである。なお、以下においては、一例として、ディスペンスヘッド50およびディスペンスコントローラ40がプランジャー方式に対応しており、吐出駆動装置64がプランジャーを進退させる吐出用モータであり、吐出駆動装置64の吐出制御量Dが吐出用モータの単位時間当たりの回転数であり、吐出用モータの単位時間当たりの回転数(吐出制御量D)を制御することで、ディスペンスヘッド50からの液体材料の吐出量を制御するものとして説明する。
図4の初期状態(時刻tまで)においては、ディスペンスヘッド50が相対移動速度Vで移動し、吐出駆動装置64である吐出用モータは単位時間当たりDの回転数で制御されている。ディスペンスヘッド50の相対移動速度Vは、Δt毎に、ロボットコントローラ30からディスペンスコントローラ40に送られる。ディスペンスコントローラ40は、相対移動速度Vに変化が生じた場合に、変換テーブルに基づいて、受信した相対移動速度Vを対応する吐出制御量Dに変換する。
ディスペンスヘッド50の相対移動速度VがVに低下すると、ディスペンスコントローラ40から減速指令が出され、吐出駆動装置64の単位時間当たりの回転数がDまで減少する。同様に、相対移動速度VがV,V,・・・・Vと順に低下すると、これに対応してディスペンスコントローラ40から減速指令が順次出され、吐出駆動装置64は、単位時間当たりの回転数をD,D,・・・・Dと減少させる。また、ディスペンスヘッド50の相対移動速度VがVに達し維持されると、ディスペンスコントローラ40から速度変更指令が出されないので、吐出駆動装置64は単位時間当たりの回転数をDに維持する。
図4の下段では、ディスペンスヘッド50の相対移動速度Vが線形的に低下する場合を例示したが、非線形的に変化する場合も上記と同様の方法で吐出駆動装置64を制御することが可能である。すなわち、ディスペンスヘッド50の相対移動速度Vに対応する吐出制御量Dを変換テーブルから選び出し、吐出駆動装置64を吐出制御量Dでコントロールすればよい。
また、関係式と変換テーブルを併用し、例えば一定の速度範囲には変換テーブルを使用し、一定の速度範囲を逸脱する場合には関係式を使用することも可能である。なお、関係式または変換テーブルは、理論値または実験値に基づき予め作成しておく必要がある。関係式または変換テーブルは、5つ以上の異なる吐出量を段階的に定めるものであることが好ましい。また、ディスペンスヘッド50の相対移動速度Vは、補間移動の間連続的に、塗布プログラムにおいて相対移動速度Vの変更が指令されたタイミングで、あるいは、所定の時間間隔ごとに、ロボットコントローラ30からディスペンスコントローラ40に送信される。ディスペンスコントローラ40による相対移動速度Vの取得は、ディスペンスコントローラ40からロボットコントローラ30へ送信要求を行うポーリング方式により行うこともできる。
≪第2モードの吐出制御≫
第2モードの吐出制御は、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25との相対移動速度Vとは関係なく、ディスペンスヘッド50に、予め定められた単位時間当たりの吐出量の液体材料を吐出させる吐出制御モードである。作業者は、第2モードの吐出制御において所望する単位時間当たりの吐出量に応じた吐出制御量Dを、実験などにより予め求め、吐出制御プログラムに設定することができる。ディスペンスコントローラ40は、第2モードの吐出制御が設定されている場合には、吐出制御プログラムに基づいて、吐出駆動装置64を第2モードの吐出制御における吐出制御量Dだけ駆動させることで、作業者が第2モードの吐出制御において所望する単位時間当たりの吐出量で液体材料を吐出させることができる。
≪塗布作業≫
塗布装置1は、予め設定された塗布プログラムを実行することで、一連の塗布作業を自動かつ連続して実行する。以下に、塗布装置1が実行する一連の塗布作業の一例として、図6に示すようなコーナー部を有する所定の塗布パターンの線引塗布と、捨て打ち塗布とを交互に行う一連の塗布作業について説明する。この塗布作業では、最初に、捨て打ちエリア27に所定量の液体材料を捨て打ちする捨て打ち塗布を行い、次いで、所定の塗布パターンに従って線引塗布を行い、その後は、捨て打ち塗布と、所定の塗布パターンに基づく線引吐出とを連続的に繰り返す。例示の塗布プログラムには、捨て打ち塗布と線引塗布との組み合わせからなる一連の塗布作業が記述されている。なお、図6は、コーナー部を有する塗布パターンの線引塗布と、捨て打ち塗布とを交互に行う一連の塗布作業における塗布動作を説明するための図である。
この塗布作業を実行する場合、ロボットコントローラ30は、まず、塗布プログラムに基づいて、ディスペンスコントローラ40に第2モードの吐出制御への切換信号を出力する。これにより、ディスペンスコントローラ40は、吐出動作を、第1モードの吐出制御から第2モードの吐出制御に切り替える。次いで、ロボットコントローラ30は、塗布プログラムに基づいて、ディスペンスヘッド50を捨て打ちエリア27まで相対移動させる。第2モードの吐出制御では、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25との相対移動速度Vとは関係なく、単位時間当たりの吐出量が予め決定されているため、ディスペンスヘッド50を捨て打ちエリア27上に停止させたまま捨て打ち塗布を行う場合でも、捨て打ちエリア27において、作業者が所望する所定の吐出量の液体材料を吐出させることができる。
このように、捨て打ち塗布を行うことで、ノズル54の外表面に付着した液体材料や、吐出口55付近で固化した液体材料を捨て打ちすることができる。これにより、ノズル54から吐出する液体材料の状態や吐出量を一定とすることができ、捨て打ち塗布後に行う線引塗布において塗布不良の発生を低減させることができる。
また、捨て打ち塗布が終了すると、ロボットコントローラ30は、塗布プログラムに基づいて、ディスペンスコントローラ40に第2モードの吐出制御から第1モードの吐出制御への切換信号を出力する。これにより、ディスペンスコントローラ40は、ディスペンスヘッド50の相対移動速度Vに応じて、単位時間当たりの吐出量を決定することができる。そして、ロボットコントローラ30は、塗布プログラムに基づいて、ディスペンスヘッド50を所定の塗布パターンの軌跡で相対移動させるとともに、ディスペンスコントローラ40にディスペンスヘッド50の相対移動速度Vに対応する速度信号を送信する。ディスペンスコントローラ40は、受信した速度信号に基づいて相対移動速度Vを算出し、算出した相対移動速度Vに基づいて、吐出駆動装置64を駆動するための吐出制御量Dを算出する。そして、ディスペンスコントローラ40から吐出駆動装置64に吐出制御量Dが出力され、吐出駆動装置64は、吐出制御量Dに基づいて、吐出部53内の液体材料をノズル54から吐出させる。このように、ディスペンスコントローラ40は、線引塗布における塗布動作を第1モードの吐出制御により行うことで、所定の塗布パターンにコーナー部がありディスペンスヘッド50の相対移動速度Vがコーナー部で変化する場合も、塗布線の線幅を一定となるように線引塗布を行うことができる。
以下に、図6〜8を参照して、本実施形態に係る塗布装置1の一連の塗布作業について説明する。なお、本実施形態に係る塗布装置1は、塗布作業の開始ボタンが作業者により押されると塗布作業を開始し、塗布プログラムの命令により塗布作業が終了するか、塗布作業の終了ボタンが作業者により押されるまで、一定の塗布動作を自動かつ連続して繰り返すことで、複数個のワーク26に液体材料を塗布することができる。ここで、「一連の塗布作業」とは、塗布プログラムに記述された塗布作業を意味し、塗布作業が1つのワークを対象とするものである場合には1つのワークに対して設定された線引塗布および捨て打ち塗布を意味し、塗布作業が複数のワークを対象とするものである場合には、複数のワークに対して設定された線引塗布および捨て打ち塗布を意味する。塗布対象物であるワーク26は、特に限定されず、たとえば1個または複数個の半導体チップ、1個の半導体チップが搭載された1枚もしくは複数枚の基板、複数個の半導体チップが搭載された1枚または複数枚の基板がワークとされる。
≪実施例1≫
まず、図6に示す一連の塗布作業について説明する。図6に示す一連の塗布作業では、ワーク26に対する所定の塗布パターンの線引塗布と、捨て打ちエリア27に対する捨て打ち塗布とが交互に行われる。本塗布作業を開始する前に、作業者は、まず、図6に示す四角形状の塗布パターンにおける単位時間当たりの吐出量と、捨て打ちエリア27における単位時間当たりの吐出量とを、ディスペンスコントローラ40に設定(プログラム)する。
四角形状の塗布パターンの線引塗布は、第1モードの吐出制御で行われる。作業者は、第1モードの吐出制御を、たとえば以下のように設定することができる。作業者は、線引塗布において所望するディスペンスヘッド50の相対移動速度Vaにおいて、塗布線の線幅が所望する線幅Waとなるように吐出制御量Dを繰り返し調整し、塗布線の線幅がWaとなる吐出制御量Daを決定する。次に、作業者は、相対移動速度Vaとは異なる相対移動速度Vbにおいて、塗布線の線幅が所望する線幅Waとなるように吐出制御量Dを繰り返し調整し、塗布線の線幅がWaとなる吐出制御量Dbを決定する。そして、作業者は、求めた相対移動速度Va,Vbと、吐出制御量Da,Dbとをディスペンスコントローラ40に入力する。これにより、ディスペンスコントローラ40により、塗布線の線幅がWaとなる、相対移動速度Vと吐出制御量Dとの関係を示す一次関数が算出される。ディスペンスコントローラ40は、算出した一次関数を記憶装置31に記憶する。
なお、上述した実施例では、作業者が、相対移動速度Va,Vbと、吐出制御量Da,Dbとをディスペンスコントローラ40に入力することで、ディスペンスコントローラ40が、作業者が所望する塗布線の線幅Waに応じた、相対移動速度Vと吐出制御量Dとの関係を示す一次関数を算出する構成を例示したが、この構成に限定されない。たとえば、所望する塗布線の線幅Waに応じた相対移動速度Vと吐出制御量Dとの関係を示す一次関数を、作業者が、相対移動速度Va,Vbと、吐出制御量Da,Dbとに基づいて計算し、当該一次関数をディスペンスコントローラ40に記憶させる構成としてもよい。
また、ディスペンスコントローラ40に、第1モードの吐出制御における相対移動速度Vと吐出制御量Dとの関係を設定する場合には、相対移動速度Va,Vbの一方を、塗布パターンの線引塗布における実際の最高速度以上の値とし、もう一方を、実際の最低速度以下の値とすることが好ましい。これにより、作業者が所望する塗布線の線幅Wと、実際に塗布される塗布線の線幅とに誤差が生じにくくなる。また、第1モードの吐出制御における相対移動速度Vと吐出制御量Dとの関係を、実際に塗布パターンを線引塗布する相対移動速度Vの範囲外で求めることで、実際に塗布作業を行う場合に、作業者が所望する塗布線の線幅で塗布するために上記関係から求めた相対移動速度や吐出制御量が、ディスペンサー10やロボット20の動作範囲外となってしまうことを有効に防止することができる。
さらに、相対移動速度Vがゼロ(V)のときに吐出制御量Dがゼロ(D)になることが事前に分かっている場合は、作業者が所望する線幅で塗布可能な、相対移動速度Vaおよび吐出制御量Daの組み合わせを1つのみ求め、相対移動速度V,Vaと吐出制御量D,Daとの組み合わせから、上記関係を算出することができる。この場合も、上述したように、相対移動速度Vaは、塗布パターンを線引塗布する場合の実際の最高速度以上の値とすることが好ましい。なお、第1モードの吐出制御における相対移動速度Vと吐出制御量Dとの関係は、一次関数以外で定義することもでき、また、上述した方法以外の方法で求めることもできる。
捨て打ちエリア27における吐出動作は、相対移動速度Vとは関係なく吐出を行う第2モードの吐出制御により行われる。第2モードの吐出制御における吐出制御量Dは、作業者が捨て打ち塗布において所望する吐出量に応じた、単位時間当たりの吐出制御量Dcとすることができる。
次いで、作業者は、ロボットコントローラ30の設定を行う。具体的には、ロボットコントローラ30が記憶する塗布プログラムを設定する。塗布プログラムには、主に、PTP移動、補間移動、吐出オン/オフの切り換え、第1モードの吐出制御と第2モードの吐出制御との切り換えなどの命令を、所望とする一連の塗布作業を実施できるように記述する。補間移動においては、相対移動速度Vも合わせて設定する。なお、ディスペンスコントローラ40の設定とロボットコントローラ30の設定はどちらかを先に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
次に、図6に示す一連の塗布作業における塗布装置1の動作について説明する。ロボットコントローラ30は、捨て打ち塗布を行うため、第2モードへの切替信号をディスペンスコントローラ40に送信する。これにより、ディスペンスコントローラ40の吐出制御が、相対移動速度Vとは関係なく所定の吐出量の液体材料を吐出する第2モードの吐出制御に設定される。次いで、ロボットコントローラ30は、ディスペンスヘッド50を捨て打ちエリア27までPTP移動により相対移動させる。ディスペンスヘッド50が捨て打ちエリア27まで移動すると、ロボットコントローラ30は、ディスペンスコントローラ40に吐出開始指令を送信する。これにより、ディスペンスコントローラ40は、第2モードの吐出制御において予め設定された吐出制御量Dcに基づいて吐出駆動装置64を駆動させて、ディスペンスヘッド50に捨て打ち塗布に必要な単位時間当たりの吐出量の液体材料を吐出させる。
捨て打ち塗布が終了すると、図6に示すように、四角形状の塗布パターンの線引塗布を行うため、ロボットコントローラ30は、塗布プログラムに基づいて、第2モードの吐出制御から第1モードの吐出制御へと切り替えるための切替信号を、ディスペンスコントローラ40に送信する。これにより、ディスペンスコントローラ40の吐出制御が、ロボットコントローラ30から受信した相対移動速度Vに基づいて吐出制御量Dを決定する第1モードの吐出制御に設定される。
ロボットコントローラ30は、塗布プログラムに基づいて、図6に示す塗布パターンの開始点Aまで、ディスペンスヘッド50をPTP移動により相対移動させる。そして、ロボットコントローラ30は、塗布プログラムに基づいて、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25とを予め設定した相対移動速度Vで相対移動させるとともに、相対移動速度Vに対応する速度信号を、ディスペンスコントローラ40に送信する。
ディスペンスコントローラ40は、ロボットコントローラ30から受信した速度信号を相対移動速度Vに変換する。そして、ディスペンスコントローラ40は、第1モードの吐出制御に関して予め記憶している相対移動速度Vと吐出制御量Dとの関係から、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25との現在の相対移動速度Vcurに基づいて、作業者が所望する塗布線の線幅Wを塗布するための吐出制御量Dcurを算出する。そして、ディスペンスコントローラ40は、算出した吐出制御量Dcurに基づいて吐出駆動装置64を駆動させて、ディスペンスヘッド50に線引塗布に必要な単位時間当たりの吐出量の液体材料を吐出させる。
また、図6に示す塗布パターンでは、A−B−C−D−E−F−G−H−I−Aの順で、線引塗布が行われる。ロボットコントローラ30は、A−B−C−D−E−F−G−H−I−Aの順でディスペンスヘッド50を補間移動させる。この場合、ロボットコントローラ30は、塗布パターンのコーナー部において塗布線の線幅Wが乱れないように、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25との相対移動速度Vを制御する。
具体的には、ロボットコントローラ30は、ディスペンスヘッド50を、塗布開始点Aから点Bに向けて、相対移動速度がVとなるまで加速度VAで加速させ、相対移動速度がVに達すると、残りの直線AB間を相対移動速度Vで相対移動させて、線引塗布を行う。また、ロボットコントローラ30は、ディスペンスヘッド50が点Bに到達すると、コーナー部BCにおいて、ディスペンスヘッド50を、相対移動速度がVになるまで減速度VAで減速させ、相対移動速度Vに達したら、残りのコーナー部BCを相対移動速度Vで相対移動させて、線引塗布を行う。さらに、ロボットコントローラ30は、ディスペンスヘッド50が点Cに到達すると、直線CDにおいて、ディスペンスヘッド50を、相対移動速度がVとなるように加速度VAで加速し、相対移動速度がVに達すると、残りの直線CDを相対移動速度Vで相対移動させて、線引塗布を行う。また、コーナー部DE,FG,HIおよび直線部EF,GH,IAにおいても、同様に塗布動作を行う。
また、補間移動の間中(少なくとも塗布パターンを線引塗布する間中)、ロボットコントローラ30からディスペンスコントローラ40に、現在の相対移動速度Vcurに応じた速度信号(パルス信号)が繰り返し出力され続ける。そのため、たとえば図6に示す例においては、ロボットコントローラ30は、塗布パターンを線引塗布している間中、現在の相対移動速度Vcurに応じた速度信号を連続して出力し続け、コーナー部付近においてディスペンスヘッド50の相対移動速度Vcurが変化した場合には、コーナー部付近における実際の相対移動速度Vcurに応じた速度信号をディスペンスコントローラ40に出力することができる。そして、ディスペンスコントローラ40は、そのディスペンスコントローラ40に適切なタイミングで、受信した速度信号に基づいて、ディスペンスコントローラ40に記憶された第1モードの吐出制御における相対移動速度Vと吐出制御量Dとの関係から、現在の相対移動速度Vcurに対応する吐出制御量Dcurを算出する。これにより、ディスペンスコントローラ40は、コーナー部付近においてディスペンスヘッド50の相対移動速度Vcurが変化した場合でも、コーナー部付近における実際の相対移動速度Vcurに対応する吐出制御量Dcurをそのディスペンスコントローラ40に適切なタイミングで即座に算出することができ、ディスペンサー10に、コーナー部付近における実際の相対移動速度Vcurに対応する吐出量の液体材料をそのディスペンスコントローラ40に適切なタイミングで即座に吐出させることができる。その結果、ディスペンスヘッド50が一定速度で移動している場合も、加速または減速している場合も、ディスペンサー10に、所望する線幅Wとなる吐出量の液体材料を吐出させることができる。
そして、ディスペンスヘッド50が塗布終了点Aに到達すると、ディスペンスヘッド50は停止し、第1モードの吐出制御による吐出動作が終了する。その後、ロボットコントローラ30は、ディスペンスコントローラ40に第2モードへの切替信号を送信するとともに、ディスペンスヘッド50を捨て打ちエリア27にPTP移動にて相対移動させる。以降は、同様に、捨て打ち塗布と線引塗布とが繰り返される。
なお、ロボットコントローラ30は、作業者が塗布プログラムで設定した相対移動速度Vのままディスペンスヘッド50を相対移動させるのではなく、安全面や作業効率などの面から、作業者が塗布プログラム上で設定した相対移動速度Vとは異なる最適化された相対移動速度Vで、ディスペンスヘッド50を相対移動させることができる。具体的には、ロボットコントローラ30は、作業者が塗布プログラムに設定した相対移動速度に加えて、塗布作業開始時の加速度や、塗布作業終了時の減速度を自動的に追加することができる。また、ロボットコントローラ30は、作業者が塗布プログラムに設定した相対移動速度に加えて、塗布パターンの直線部とコーナー部との間の加速度VAや減速度VAを、コーナー部の前後において作業者が設定した相対移動速度Vの差から自動的に算出して追加することもできる。さらに、ロボットコントローラ30は、作業者が設定した相対移動速度Vを、ディスペンスヘッド50が塗布パターンの経路を滑らかに移動するように最適化(修正)することもできる。このように、ロボットコントローラ30が、作業者が塗布プログラムに記述した相対移動速度Vや加速度VAに対して修正や追加を自動で行う場合には、ロボットコントローラ30に、作業者が塗布プログラムに設定した相対移動速度に応じた速度信号を出力するのではなく、ロボットコントローラ30がディスペンスヘッド50を実際に相対移動させている相対移動速度Vに応じた速度信号を出力させる方が好ましい。
図6に示す一連の塗布作業では、一連の塗布作業の途中で第1モードの吐出制御と第2モードの吐出制御とを切替えることができるため、一連の塗布作業中に、ディスペンスヘッド50を停止させた状態で液体材料の吐出を行うことができ、捨て打ちエリア27のスペースが狭い場合でも、吐出作業中に捨て打ち塗布を行える。また、捨て打ち塗布から連続して線引塗布へと移行することができるため、捨て打ち塗布後のノズル54が良好の状態のまま線引塗布を行うことができ、不良発生率の低減を図ることもできる。
なお、加速度VAと減速度VAは、同じ速度(スカラー量)でも、異なる速度でもよい。また、塗布開始時と塗布終了時と、コーナー部とでは状況が異なるので、両者で加速度と減速度を異なる速度にすることができる。また、捨て打ち塗布の代わりに、捨て打ちエリア27に秤量器等の吐出・塗布状態の計測器を配置して、吐出された吐出量を計測して警告したり、フィードバックをかけたりするための試し打ち塗布を行ってもよい。
≪実施例2≫
続いて図7に示す一連の塗布作業における塗布装置1の動作について説明する。図7に示す一連の塗布作業では、図7に示す四角形状の塗布パターンのうち、直線部JKの線幅が他の部分よりも太く塗布される。また、図7に示す一連の塗布作業では、捨て打ち塗布は行われず、図7に示す四角形上の塗布パターンの塗布動作が連続して繰り返される。以下においては、図7に示す一連の塗布作業を、図6に示す一連の塗布作業とは異なる点を中心に説明する。
図7に示す一連の塗布作業において、直線部JKは、コーナー部を有しないため、ディスペンスヘッド50を一定の相対移動速度Vで相対移動させることができる。そのため、作業者は、直線部JKにおいて、相対移動速度Vとは関係なく所定の吐出量で液体材料を吐出する第2モードの吐出制御を行うように、ロボットコントローラ30の塗布プログラムを設定する。また、作業者は、直線部JKにおいて、予定するディスペンスヘッド50の相対移動速度VJKにおいて、所望する線幅WJKの塗布線を塗布できる、単位時間当たりの吐出量に対応する吐出制御量DJKを実験等により予め決定し、第2モードの吐出制御における単位当たりの吐出制御量DJKとして、ディスペンスコントローラ40に設定する。なお、塗布パターンの直線部JK以外の部分については、図6に示す塗布パターンの塗布作業と同様に、ロボットコントローラ30およびディスペンスコントローラ40を設定することができる。
次に、図7に示す一連の塗布作業について説明する。図7に示す一連の塗布作業においても、塗布開始点Aから点Jまでは、図6に示す塗布パターンと同様に、ディスペンスヘッド50が相対移動されるとともに、ディスペンスヘッド50の相対移動速度Vに応じて単位時間当たりの吐出制御量Dが決定される第1モードの吐出制御が行われる。
ディスペンスヘッド50が点Jに到達すると、ロボットコントローラ30は、塗布プログラムに基づいて、第2モードの吐出制御への切換信号をディスペンスコントローラ40に出力する。これにより、ディスペンスコントローラ40は、ディスペンスヘッド50の相対移動速度Vとは関係なく、単位時間当たりの吐出量に対応する吐出制御量DJKを吐出する第2モードの吐出制御に設定される。また、ロボットコントローラ30は、塗布プログラムに基づいて、直線部JKにおいて、ディスペンスヘッド50を相対移動速度VJKで相対移動させる。上述したように、吐出制御量DJKは、ディスペンスヘッド50を相対移動速度VJKで移動させた場合に、塗布線の線幅が、作業者が所望する直線部JKの線幅WJKとなる制御量であるため、塗布装置1は、直線部JKを、作業者が所望する線幅WJKで塗布することができる。
その後、ディスペンスヘッド50が点Kに到達すると、ロボットコントローラ30は、塗布プログラムに基づいて、第1モードの吐出制御への切換信号をディスペンスコントローラ40に出力する。これにより、ディスペンスコントローラ40は、ディスペンスヘッド50の相対移動速度Vに基づいて吐出制御量Dを決定する第1モードの吐出制御に設定される。その結果、塗布パターンのうち直線部JK以外の部分では、ディスペンスコントローラ40は、ディスペンスヘッド50の相対移動速度Vに応じて吐出制御量Dを制御することができ、ディスペンスヘッド50の相対移動速度Vが変化した場合でも、作業者が所望する線幅Wとなる吐出量の液体材料を吐出させることができる。
図7に示すように、一連の塗布作業において、直線部分の一部で線幅を変更する場合には、第1モードの吐出制御と第2モードの吐出制御とを一連の塗布作業の間に切替えることで、線幅の異なる直線を、それまでの塗布動作に連続して塗布することができる。また、図7に示すように、相対移動速度Vが変化しない部分において第2モードの吐出制御を行うことで、当該部分に関して、相対移動速度Vと吐出制御量Dとの関係を求める必要がないため、吐出制御プログラムを設定する作業者の手間を低減することもできる。さらに、塗布プログラムに基づいて、第1モードの吐出制御と第2モードの吐出制御とが自動で切り替わるため、線幅の異なる直線部EJと直線部JK、および直線部JKと直線部KFと、途切れることなく、連続して塗布することができる。
なお、図7に示す例においては、第1モードの吐出制御を行う場合と、第2モードの吐出制御を行う場合とで、ディスペンスヘッド50の相対移動速度Vを変えてもよいし、同じくしてもよい。また、直線部JKの塗布線の線幅を、他の部分よりも太くする構成に限らず、他の部分よりも細くする構成としてもよいし、他の部分と同じ線幅とする構成としてもよい。
≪実施例3≫
続いて、図8に示す一連の塗布作業について説明する。図8に示す一連の塗布作業では、捨て打ち塗布は行われず、四角形状の塗布パターンの線引塗布と、3つ点からなる点形状の点塗布とが交互に行われる。
図8に示す一連の塗布作業において、四角形状の塗布パターンの線引塗布における吐出制御は、第1モードの吐出制御により行われ、点塗布における吐出制御は、第2モードの吐出制御により行われる。作業者は、四角形状の塗布パターンの線引塗布における吐出制御を第1モードの吐出制御により行い、点塗布における吐出制御を第2モードの吐出制御により行うように、ロボットコントローラ30の塗布プログラムに設定することができる。ここで、四角形状の塗布パターンは、図6に示す塗布パターンと同様のため、作業者は、第1モードの吐出制御については、実施例1と同様に、ロボットコントローラ30およびディスペンスコントローラ40を設定することができる。また、第2モードの吐出制御に関して、作業者は、点塗布に必要な吐出量の液体材料が吐出されるように、吐出制御量Dを実験などにより予め求め、ディスペンスコントローラ40に設定することができる。
図8に示す一連の塗布作業において、ロボットコントローラ30およびディスペンスコントローラ40は、四角形状の塗布パターンの線引塗布を、図6に示す塗布パターンの線引塗布と同様に、第1モードの吐出制御により行う。そして、四角の塗布パターンの線引塗布が終了すると、ロボットコントローラ30は、塗布プログラムに基づいて、第2モードの吐出制御への切換信号をディスペンスコントローラ40に出力する。これにより、ディスペンスコントローラ40による吐出制御が、第2モードの吐出制御へと変更される。次いで、ロボットコントローラ30は、PTP移動によりディスペンスヘッド50を点J上まで相対移動させた後、点J上でディスペンスヘッド50を停止させて、ディスペンスコントローラ40に吐出開始指令を送信する。これにより、ディスペンスコントローラ40は、ディスペンスヘッド50を点J上で停止させている状態で、吐出駆動装置64を第2モードの吐出制御において予め定められた吐出制御量Dで駆動させることで、ディスペンスヘッド50に、作業者が所望する単位時間当たりの吐出量の液体材料を吐出させることができる。同様に、ロボットコントローラ30およびディスペンスコントローラ40は、点K、Lについても点塗布を行う。そして、点K,Lについて点塗布を終了すると、ロボットコントローラ30は、ディスペンスヘッドを点AまでPTP移動により相対移動させるとともに、第1モードの吐出制御への切替信号をディスペンスコントローラ40に送信することで、ディスペンスコントローラ40による吐出制御を第1モードの吐出制御へと切り替える。以降は、所定の塗布パターンの線引塗布と点塗布とを連続して繰り返し実行する。
図8に示すように、コーナー部を含む所定の塗布パターンの線引塗布と、点塗布とを交互に行う一連の塗布作業において、線引塗布を第1モードの吐出制御により行い、点塗布を第2モードの吐出制御により行うように、吐出制御モードを自動で切り替えることで、図8に示すように、コーナー部を含む所定の塗布パターンの線引塗布と、点塗布とを交互に行う一連の塗布作業を自動で連続して行うことができる。
≪実施例4≫
続いて、図9に示す一連の塗布作業における塗布装置1の塗布動作について説明する。図9に示す一連の塗布作業では、捨て打ち塗布、第1塗布パターンP1の線引塗布、捨て打ち塗布、第2塗布パターンP2の線引塗布、が順に繰り返し行われる。なお、図9に示すように、塗布パターンP1,P2はともにコーナー部を有する塗布パターンであるが、第2塗布パターンP2の塗布線の線幅は、第1塗布パターンP1の塗布線の線幅よりも太い
ここで、本実施形態に係る塗布装置1は、第1モードの吐出制御として、異なる吐出態様の吐出制御を複数設定することができる。同様に、塗布装置1は、第2モードの吐出制御として、異なる吐出態様の吐出制御を複数設定することができる。たとえば、図9に示す例において、作業者は、ディスペンスコントローラ40に、線引塗布における塗布線の線幅がW1となる、相対移動速度Vと吐出制御量Dとの関係がRW1で示される第1モードの吐出制御X1と、線引塗布における塗布線の線幅がW2となる、相対移動速度Vと吐出制御量Dとの関係がRW2で示される第1モードの吐出制御X2とを設定することができる。
さらに、本実施形態に係る塗布装置1では、第1モードの吐出制御や第2モードの吐出制御を異なる吐出態様で複数設定した場合には、いずれかの第1モードの吐出制御および第2モードの吐出制御の組み合わせをチャンネルとして設定することができる。たとえば、第1モードの吐出制御としてX1,X2を設定し、第2モードの吐出制御としてY1,Y2を設定した場合には、第1モードの吐出制御X1と第2モードの吐出制御Y1をチャンネルC1として設定し、第1モードの吐出制御X2と第2モードの吐出制御Y2をチャンネルC2として設定することができる。これにより、チャンネルC1とチャンネルC2とを繰り返して実行する塗布プログラムを設定することで、塗布装置1は、第1モードの吐出制御X1、第2モードの吐出制御Y1、第1モードの吐出制御X2、第2モードの吐出制御Y2を順に繰り返し行うことができる。なお、塗布装置1においては、第1モードの吐出制御、または第2モードの吐出制御の一方のみを複数設定することもできる。また、チャンネルの設定も、特に限定されず、たとえば第1モードの吐出制御X1と第2モードの吐出制御Y1をチャンネルC1として設定し、第1モードの吐出制御X2と第2モードの吐出制御Y1をチャンネルC2として設定するように、同じモードの吐出制御を複数のチャンネルに設定してもよいし、同一のチャンネルに同じモードの吐出制御を複数設定してもよい。
図9に示す一連の塗布作業では、捨て打ち塗布、塗布線の線幅がW1の第1塗布パターンP1の線引塗布、捨て打ち塗布、塗布線の線幅がW2(W2>W1)の第2塗布パターンP2の線引塗布、が順に繰り返し行われる。この場合、作業者は、ディスペンスコントローラ40に、捨て打ち塗布を行う第2モードの吐出制御Y1と、塗布線の線幅がW1となる第1モードの吐出制御X1とをチャンネルC1として設定し、捨て打ち塗布を行う第2モードの吐出制御Y1と、塗布線の線幅がW2となる第1モードの吐出制御X2とをチャンネルC2として設定する。また、作業者は、ロボットコントローラ30が記憶する塗布プログラムに、第1塗布パターンP1に対してチャンネルC1の吐出制御を行い、第2塗布パターンP2に対してチャンネルC2の吐出制御を行うように設定する。
この場合、ロボットコントローラ30は、まず、塗布プログラムに基づいて、チャンネルC1の吐出制御を行うように、ディスペンスコントローラ40に指示を送信する。そして、ロボットコントローラ30は、塗布プログラムに基づいて、ディスペンスヘッド50を捨て打ちエリア27まで相対移動させ、ディスペンスコントローラ40に、第2モードの吐出制御Y1による捨て打ち塗布を行わせる。次いで、ロボットコントローラ30は、ディスペンスヘッド50を第1塗布パターンP1の塗布開始点まで相対移動させ、ディスペンスコントローラ40に第1モードの吐出制御X1による第1塗布パターンP1の線引塗布を行わせる。第1モードの吐出制御X1は、塗布線の線幅がW1となるように、ディスペンスヘッド50の相対移動速度Vと吐出制御量Dとの関係RW1が定められているため、塗布装置1は、第1塗布パターンP1において、線幅W1の塗布線を線引塗布することができる。
また、第1塗布パターンP1の塗布が終了すると、ロボットコントローラ30は、塗布プログラムに基づいて、チャンネルC2の吐出制御を行うように、ディスペンスコントローラ40に指示を送信する。そして、ロボットコントローラ30は、塗布プログラムに基づいて、ディスペンスヘッド50を捨て打ちエリア27まで相対移動させ、ディスペンスコントローラ40に第2モードの吐出制御Y1による捨て打ち塗布を行わせる。また、ロボットコントローラ30は、ディスペンスヘッド50を第2塗布パターンP2の塗布開始点まで相対移動させ、ディスペンスコントローラ40に第1モードの吐出制御X2による第2塗布パターンP2の線引塗布を行わせる。第1モードの吐出制御X2は、塗布線の線幅がW2となるように、ディスペンスヘッド50の相対移動速度Vと吐出制御量Dとの関係RW2が定められているため、塗布装置1は、第2塗布パターンP2において、線幅W2の塗布線を線引塗布することができる。
なお、ディスペンスヘッド50の相対移動速度Vは、第1塗布パターンP1および第2塗布パターンP2で同じくしても、異ならせてもよい。また、図9に示す例において、捨て打ち塗布における第2モードの吐出制御Y1を、チャンネルC1かチャンネルC2の一方のみに記述し、もう一方のチャンネルでは、第2モードの吐出制御Y1を記述したチャンネルを援用して、第2モードの吐出制御Y1を行う構成とすることもできる。
このように、実施例4に係る塗布装置1では、吐出態様が異なる複数の第1モードの吐出制御および第2モードの吐出制御を設定することができるため、線幅の異なる複数の塗布パターンや、吐出量が異なる複数の捨て打ち塗布などを組み合わせて、一連の塗布作業を行うことができる。
以上のように、本発明に係る実施形態では、塗布プログラムに基づいて一連の塗布作業を行っている間に、ディスペンスヘッド50とワークテーブル25との相対移動速度Vに基づいてディスペンスヘッド50が液体材料を吐出する単位時間当たりの吐出量を変更する第1モードの吐出制御と、相対移動速度Vとは関係なくディスペンスヘッド50に予め定められた単位時間当たりの吐出量の液体材料を吐出させる第2モードの吐出制御とが切り替え可能となっている。これにより、従来では行えなかった塗布作業、たとえば、図6〜8に示すように、コーナー部を有する所定の塗布パターンの線引塗布と捨て打ち塗布との繰り返す一連の塗布作業、コーナー部を有する所定の塗布パターンの線引塗布のうち一部の直線部において線幅を変えて塗布する一連の塗布作業、コーナー部を有する所定の塗布パターンの線引塗布と点塗布との繰り返す一連の塗布作業、異なる線幅を有する複数の塗布パターンの線引塗布を行う一連の塗布作業などを、自動かつ連続して行うことができる。
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
たとえば、上述した図6に示す実施例1では、所定の塗布パターンの線引塗布と、捨て打ち塗布とを交互に行う一連の塗布作業を説明したが、これに限定されず、たとえば、複数個のワーク26に対して所定の塗布パターンの線引塗布を所定回数行った後に、捨て打ち塗布を行い、以降同様に、ワーク26に対する所定の塗布パターンの線引塗布を所定回数行った後に、捨て打ち塗布を行うことを交互に行う構成としてもよい。たとえば、図9に示す実施例4では、捨て打ち塗布、第1塗布パターンP1の線引塗布、捨て打ち塗布、第2塗布パターンP2の線引塗布を順に繰り返すが、捨て打ち塗布、第1塗布パターンP1の線引塗布、第2塗布パターンP2の線引塗布を順に繰り返す構成としてもよい。さらには、所定の塗布パターンの線引塗布を行っている途中に塗布を中断して捨て打ち塗布を行う構成としてもよい。さらには、一定時間ごとに、捨て打ち塗布を行う構成としてもよい。捨て打ち塗布の頻度やタイミングは、塗布する液材に応じて、作業者が塗布プログラムに適宜設定することができる。
また、ロボットコントローラ30が吐出制御モードの切換信号を出力するタイミング、および、切換信号を受信したディスペンスコントローラ40が吐出制御モードを切り換えるタイミングは、上述したタイミングに限定されず、吐出制御モードの変更後の吐出/塗布に支障がなければ、上述の実施形態と異なるタイミングとすることができる。
さらに、上述した実施形態では、コーナー部を有する塗布パターンの線引塗布について、相対移動速度Vの変化に合わせて吐出制御量Dを変化させる第1モードの吐出制御を行う構成を例示したが、コーナー部以外の部分において相対移動速度が変化する場合には、その部分において、第1モードの吐出制御を行う構成とすることもできる。たとえば、直線部分において相対移動速度を変化させる必要がある場合には、このような塗布パターンにおいても第1モードの吐出制御を行うことができる。
加えて、上述した実施形態では、効率化の観点から、PTP移動と補間移動とを使い分けているが、上述したPTP移動の一部または全てにおいて補間移動を行う構成としてもよい。実施例1〜4では、第2モードの塗布に関して、捨て打ち塗布、試し打ち塗布、線引塗布、点塗布のいずれか1種類を適用する例を挙げているが、一連の塗布作業において、第2モードの塗布として、複数の種類の塗布を適用することも可能である。また、必要に応じて第2モードの塗布として、上述した塗布以外の塗布を適用することも可能である。
1:塗布装置
10:ディスペンサー
20:ロボット
21:X軸移動装置
22:Y軸移動装置
23:ヘッド(Z軸移動装置)
24:架台
25:ワーク保持装置(ワークテーブル)
26:ワーク
27:捨て打ちエリア(調整塗布エリア)
28:移動部材
30:ロボットコントローラ
31:記憶装置
32:演算装置
40:ディスペンスコントローラ
50:ディスペンスヘッド
53:吐出部
54:ノズル
55:吐出口
56:スクリュー
57:プランジャー
58:プランジャー
59:バルブ
61:X軸駆動源
62:Y軸駆動源
63:Z軸駆動源
64:吐出駆動装置
81,A1,A2,B:ケーブル

Claims (16)

  1. 液体材料を吐出する吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドをワークに対し相対移動させるロボットと、
    塗布プログラムに基づいて、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動を制御する移動制御部と、
    前記吐出ヘッドからの前記液体材料の吐出動作を制御する吐出制御部と、を備え、
    前記移動制御部と前記吐出制御部とが協働し、前記液体材料を所定の塗布パターンで前記ワークに塗布作業を行う液体材料塗布装置であって、
    前記吐出制御部は、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動速度に基づいて前記吐出ヘッドが前記液体材料を吐出する単位時間当たりの吐出量を変更する第1モードの吐出制御を実行可能であり、
    前記吐出ヘッドが、吐出口に連通する液室と、液室内に設けられたプランジャーと、プランジャーを進退する進退アクチュエーターと、を備え、前記プランジャーを進退させることで前記液体材料に慣性力を与え、前記吐出口から液滴の状態で前記液体材料を吐出するジェット方式の吐出ヘッドである液体材料塗布装置。
  2. 前記吐出ヘッドは、進出移動する前記プランジャーの先端を弁座に接触させて液滴を形成する請求項1に記載の液体材料塗布装置。
  3. 前記吐出ヘッドは、進出移動する前記プランジャーの先端を弁座に接触させずに液滴を形成する請求項1に記載の液体材料塗布装置。
  4. 前記第1モードの吐出制御では、前記進退アクチュエーターの単位時間当たりの進退回数を制御することによって前記単位時間当たりの吐出量を制御する請求項1ないし3のいずれかに記載の液体材料塗布装置。
  5. 前記移動制御部は、前記ロボットに内蔵されており、
    前記吐出制御部は、前記ロボットと接続解除可能に設けられている請求項4に記載の液体材料塗布装置。
  6. 前記移動制御部は、前記塗布プログラムを記憶しており、
    前記吐出制御部は、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動速度と前記進退アクチュエーターの単位時間当たりの進退回数を制御するための吐出制御量との関係が設定されている請求項5に記載の液体材料塗布装置。
  7. 前記第1モードの吐出制御では、前記塗布プログラムに基づいて、単位長さ当たりの塗布量が一定の塗布線を塗布する線引塗布をする請求項1に記載の液体材料塗布装置。
  8. 前記吐出制御部は、前記相対移動速度とは関係なく前記吐出ヘッドに予め定められた単位時間当たりの吐出量で吐出させる第2モードの吐出制御を前記第1モードの吐出制御と切り替えて実行可能に構成される請求項1ないし7のいずれかに記載の液体材料塗布装置。
  9. 液体材料を吐出する吐出ヘッドと、
    前記吐出ヘッドをワークに対し相対移動させるロボットと、
    塗布プログラムに基づいて、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動を制御する移動制御部と、
    前記吐出ヘッドからの前記液体材料の吐出動作を制御する吐出制御部と、を備え、
    前記移動制御部と前記吐出制御部とが協働し、前記液体材料を所定の塗布パターンで前記ワークに塗布作業を行う液体材料塗布装置を用いた液体材料塗布方法であって、
    前記吐出ヘッドが、吐出口に連通する液室と、液室内に設けられたプランジャーと、プランジャーを進退する進退アクチュエーターと、を備え、前記プランジャーを進退させることで前記液体材料に慣性力を与え、前記吐出口から液滴の状態で前記液体材料を吐出するジェット方式の吐出ヘッドであり、
    前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動速度に基づいて前記吐出ヘッドが前記液体材料を吐出する単位時間当たりの吐出量を変更する第1モードの吐出制御を実行する液体材料塗布方法。
  10. 前記吐出ヘッドは、進出移動する前記プランジャーの先端を弁座に接触させて液滴を形成する請求項9に記載の液体材料塗布方法。
  11. 前記吐出ヘッドは、進出移動する前記プランジャーの先端を弁座に接触させずに液滴を形成する請求項9に記載の液体材料塗布方法。
  12. 前記第1モードの吐出制御では、前記進退アクチュエーターの単位時間当たりの進退回数を制御することによって前記単位時間当たりの吐出量を制御する請求項9ないし11のいずれかに記載の液体材料塗布方法。
  13. 前記移動制御部は、前記ロボットに内蔵されており、
    前記吐出制御部は、前記ロボットと接続解除可能に設けられている請求項12に記載の液体材料塗布方法。
  14. 前記移動制御部は、前記塗布プログラムを記憶しており、
    前記吐出制御部は、前記吐出ヘッドと前記ワークとの相対移動速度と前記進退アクチュエーターの単位時間当たりの進退回数を制御するための吐出制御量との関係が設定されている請求項13に記載の液体材料塗布方法。
  15. 前記第1モードの吐出制御では、前記塗布プログラムに基づいて、単位長さ当たりの塗布量が一定の塗布線を塗布する線引塗布をする請求項14に記載の液体材料塗布方法。
  16. 前記吐出制御部は、前記相対移動速度とは関係なく前記吐出ヘッドに予め定められた単位時間当たりの吐出量で吐出させる第2モードの吐出制御を前記第1モードの吐出制御と切り替えて実行する請求項9ないし15のいずれかに記載の液体材料塗布方法。
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