JP2019070628A - 非破壊検査システム - Google Patents

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Takanori Akiike
孝則 秋池
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Abstract

【課題】 直達波の画像化を防ぐことを可能にする非破壊検査システムを提供する。【解決手段】 送受信素子の各組み合わせで得た測定波形を基に測定対象を画像化するために、ノートパソコン20は、各組み合わせに対応する送受信間距離を得る処理と、送受信間距離が同じ組み合わせで得ると共に供試体210の測定で得た測定波形を平均化して、直達波を含む平均波形を予め算出する処理を繰り返して、各送受信間距離に対応する平均波形を得る処理とを行う。さらに、ノートパソコン20は、送受信間距離が同じ組み合わせで得た測定対象の各測定波形と、この送受信間距離に対応する平均波形との差分をそれぞれ算出する処理を繰り返して、各送受信間距離の組み合わせで得た測定波形の直達波を低減する処理と、この処理で得た各測定波形を基に測定対象を画像化する処理を行う。【選択図】 図1

Description

この発明は、超音波を使用した非破壊検査システムに関する。
超音波を使用して非破壊検査を行う非破壊検査装置は、コンクリートで造られた建物の壁や床、橋梁などを検査するときに用いられる。つまり、非破壊検査装置は、コンクリート内のクラックやヒビの発生を検出して、コンクリートの劣化を早期に発見する。超音波はクラックやヒビのような空隙の空気で完全反射をするので、この性質を利用してコンクリート内の空隙が検知される。
非破壊検査装置には、例えば図18に示すように、リニアアレイ探触子110を用いるものがある(例えば、特許文献1参照。)。リニアアレイ探触子110は、超音波を送受信する多数の送受信素子110〜110をリニアに配置して構成されている。リニアアレイ探触子110にはコンピュータのような処理装置120が接続されている。
リニアアレイ探触子110がコンクリートで造られたコンクリート構造体130にセットされ、処理装置120が測定を行うための測定指示をリニアアレイ探触子110に出力する。これにより、リニアアレイ探触子110が送受信素子110〜110に対してパルス状の駆動信号を順に加えていくと、送受信素子110〜110が超音波をコンクリート構造体130の内部に順に送信していく。送信された超音波はコンクリート構造体130の骨材、気泡、測定目的であるターゲットなどで反射して反射波となる。ターゲットはクラック、ヒビなどのような検出したい測定目標の空隙である。
例えば、リニアアレイ探触子110の送受信素子110が超音波を送信すると、送受信素子110〜110はコンクリート構造体130からの超音波の反射波を測定し、測定結果の波形を表す測定波形信号を出力する。つまり、リニアアレイ探触子110は、
1.送受信素子110と送受信素子110との組み合わせで得た測定波形信号
2.送受信素子110と送受信素子110との組み合わせで得た測定波形信号
3.送受信素子110と送受信素子110との組み合わせで得た測定波形信号
・・・
n.送受信素子110と送受信素子110との組み合わせで得た測定波形信号
のn個の測定波形信号を処理装置120に送る。n個の測定信号には、超音波を受信する送受信素子の位置に応じて、コンクリート構造体130の骨材、気泡、ターゲットなどからの反射波が含まれる。同じようにして、送受信素子110が超音波を送信すると、送受信素子110〜110は測定結果を表す測定波形信号を出力する。つまり、リニアアレイ探触子110は、
1.送受信素子110と送受信素子110との組み合わせで得た測定波形信号
2.送受信素子110と送受信素子110との組み合わせで得た測定波形信号
3.送受信素子110と送受信素子110との組み合わせで得た測定波形信号
・・・
n.送受信素子110と送受信素子110との組み合わせで得た測定波形信号
のn個の測定波形信号を処理装置120に送る。リニアアレイ探触子110は、送受信素子110〜110についても駆動信号を順に加えていき、得られた測定波形信号を処理装置120に送る。
処理装置120は、送受信素子110〜110の組み合わせによる測定波形信号をリニアアレイ探触子110からそれぞれ受け取ると、これらの測定波形信号が表す測定波形を基にして、コンクリート構造体130の骨材、気泡、ターゲットなどを表す画像を生成して表示する。
特開2009−281805号公報
ところで、従来の非破壊検査装置には次の課題がある。リニアアレイ探触子110の送受信素子110〜110の例えば1組の送受信素子110、110について、送受信素子110が超音波を送信し、送受信素子110がコンクリート構造体130の内部からの反射波を受信して測定波形信号を出力する。しかし、送受信素子110が超音波を送信したとき、送受信素子110が受信する超音波には直達波が含まれる。直達波は次のようなものである。例えば送受信素子110が送信用であり送受信素子110が受信用である場合、送受信素子110からの超音波がコンクリート構造体130の表面を伝わって送受信素子110に直接入射したものが直達波である。
処理装置120は、直達波を含む測定波形信号から測定波形を得て画像を生成して表示する。この結果、処理装置120は直達波を画像化し、この画像化された直達波を表示することになる。これにより、例えばリニアアレイ探触子110がセットされたコンクリート構造体130の表面付近にターゲットがあっても、直達波の画像がターゲットの画像に重なり合って、測定目的であるターゲットの判別が困難になってしまう。
この発明の目的は、前記の課題を解決し、直達波の画像化を防ぐことを可能にする非破壊検査システムを提供することにある。
前記の課題を解決するために、請求項1の発明は、超音波を送受信する複数の送受信素子を備え、超音波を測定対象に送信する送受信素子と、この測定対象から超音波の反射波を受信する送受信素子とを1つの組み合わせとし、各組み合わせで得た測定波形を基に前記測定対象を画像化する非破壊検査システムにおいて、各組み合わせの送受信素子間の距離を直達波の送受信間距離として、各組み合わせに対応する送受信間距離を得る距離算出処理と、送受信間距離が同じ組み合わせで得ると共に供試体の測定で得た測定波形を平均化して、直達波を含む平均波形を予め算出する処理を繰り返して、各送受信間距離に対応する平均波形を得る平均波形生成処理と、送受信間距離が同じ組み合わせで得た測定対象の各測定波形と、この送受信間距離に対応する平均波形との差分をそれぞれ算出する処理を繰り返して、各送受信間距離の組み合わせで得た測定波形の直達波を低減する直達波低減処理と、前記直達波低減処理で得た各測定波形を基に前記測定対象を画像化する画像化処理とを行う処理装置、を備えることを特徴とする非破壊検査システムである。
請求項1の発明では、処理装置は、各組み合わせの送受信素子間の距離を直達波の送受信間距離として、各組み合わせに対応する送受信間距離を得る距離算出処理と、送受信間距離が同じ組み合わせで得ると共に供試体の測定で得た測定波形を平均化して、直達波を含む平均波形を予め算出する処理を繰り返して、各送受信間距離に対応する平均波形を得る平均波形生成処理とを行う。さらに、処理装置は、送受信間距離が同じ組み合わせで得た測定対象の各測定波形と、この送受信間距離に対応する平均波形との差分をそれぞれ算出する処理を繰り返して、各送受信間距離の組み合わせで得た測定波形の直達波を低減する直達波低減処理を行い、直達波低減処理で得た各測定波形を基に測定対象を画像化する画像化処理とを行う。
請求項2の発明は、超音波を送受信する複数の送受信素子を備え、超音波を測定対象に送信する送受信素子と、この測定対象から超音波の反射波を受信する送受信素子とを1つの組み合わせとし、各組み合わせで得た測定波形を基に前記測定対象を画像化する非破壊検査システムにおいて、各組み合わせの送受信素子間の距離を直達波の送受信間距離として、各組み合わせに対応する送受信間距離を得る距離算出処理と、送受信間距離が同じ組み合わせで得ると共に供試体の測定で得た測定波形を平均化して、直達波を含む平均波形を予め算出する処理を繰り返して、各送受信間距離に対応する平均波形を得る平均波形生成処理と、送受信間距離が同じ組み合わせで得た測定波形に含まれる直達波の発生状態と、この送受信間距離に対応する平均波形に含まれる直達波の発生状態とを基にこの平均波形を補正して、この送受信間距離の各測定波形に対応する平均波形をそれぞれ算出する処理を繰り返して、各送受信間距離の各測定波形に対応する平均波形を得る平均波形補正処理と、送受信間距離が同じ組み合わせで得た各測定波形と、これらの測定波形に対応すると共に補正した平均波形との差分を算出する処理を繰り返して、各測定波形の直達波を低減する直達波低減処理と、前記直達波低減処理で得た各測定波形を基に前記測定対象を画像化する画像化処理とを行う処理装置、を備えることを特徴とする非破壊検査システムである。
請求項2の発明では、処理装置は、各組み合わせの送受信素子間の距離を直達波の送受信間距離として、各組み合わせに対応する送受信間距離を得る距離算出処理と、送受信間距離が同じ組み合わせで得ると共に供試体の測定で得た測定波形を平均化して、直達波を含む平均波形を予め算出する処理を繰り返して、各送受信間距離に対応する平均波形を得る平均波形生成処理とを行う。さらに、処理装置は、送受信間距離が同じ組み合わせで得た測定波形に含まれる直達波の発生状態と、この送受信間距離に対応する平均波形に含まれる直達波の発生状態とを基にこの平均波形を補正して、この送受信間距離の各測定波形に対応する平均波形をそれぞれ算出する処理を繰り返して、各送受信間距離の各測定波形に対応する平均波形を得る平均波形補正処理と、送受信間距離が同じ組み合わせで得た各測定波形と、これらの測定波形に対応すると共に補正した平均波形との差分を算出する処理を繰り返して、各測定波形の直達波を低減する直達波低減処理と行い、直達波低減処理で得た各測定波形を基に測定対象を画像化する画像化処理とを行う。
請求項3の発明は、請求項2に記載の非破壊検査システムにおいて、前記処理装置は、平均波形補正処理で、同じ送受信間距離の組み合わせで得た測定波形に含まれる直達波が発生する時間および振幅と、この送受信間距離に対応する平均波形に含まれる直達波が発生する時間および振幅とを基にこの平均波形を補正する、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2または3に記載の非破壊検査システムにおいて、前記供試体は、側面および底面での超音波の反射によるノイズが発生しないように、前記送受信素子に比べて大きく造られている、ことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の非破壊検査システムにおいて、前記測定対象がコンクリート構造体である場合に、前記供試体は骨材および測定目標となる空隙が除去された状態である、ことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非破壊検査システムにおいて、前記送受信素子はマトリクス状に配置され、前記処理装置は、行方向に配置された前記送受信素子の第1の間隔と、列方向に配置された前記送受信素子の第2の間隔とを基にして、距離算出処理で送受信間距離を算出する、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、各測定波形の直達波を低減するので、直達波を画像化しないようにすることができる。また、この発明によれば、直達波が画像化されないので、直達波の近傍にある測定目的であるターゲットの画像化を可能にする。
請求項2の発明によれば、各送受信間距離の各測定波形に対応する平均波形を得て直達波低減処理を行うので、直達波を確実に画像化しないようにすることができる。また、この発明によれば、測定対象の近傍ターゲットの画像化が可能になる。
請求項3の発明によれば、直達波が発生する時間および振幅で直達波の発生状態を表すので、平均波形の補正を容易に行うことを可能にする。
請求項4の発明によれば、供試体は送受信素子に比べて大きく造られ、側面および底面での超音波の反射によるノイズが発生しないようにしているので、例えばコンクリート構造体の底面のような断面積の大きい反射による測定波形の画像化が可能になる。
請求項5の発明によれば、骨材および測定目的となる空隙が供試体から除去された状態であるので、平均波形の生成に際して、骨材などによるノイズが発生することを防ぐことができる。
請求項6の発明によれば、行方向に配置された送受信素子の第1の間隔と、列方向に配置された送受信素子の第2の間隔とを基にして送受信間距離を算出するので、各送受信間距離を簡単な計算で得ることを可能にする。
この発明による非破壊検査システムの一例を示す構成図である。 素子アレイの一例を示す正面図である。 素子アレイの使用例を示す図である。 波形マトリクスを説明する説明図である。 波形マトリクスの各波形を示す波形図である。 送受信間距離を説明する説明図である。 送受信間距離テーブルの一例を示す図である。 供試体に素子アレイをセットする様子を示す説明図である。 測定波形を示す図である。 平均波形の算出を説明する説明図である。 平均波形テーブルの一例を示す図である。 測定波形の差分の算出を説明する説明図である。 コンクリート構造体の画像を示す図であり、図13(a)は従来の手法により表示された画像であり、図13(b)は実施の形態1により表示された画像である。 別供試体に素子アレイをセットする様子を示す説明図である。 平均波形を示す図である。 測定波形の差分の算出を説明する説明図である。 コンクリート構造体の画像を示す図であり、図17(a)は従来の手法により表示された画像であり、図17(b)は実施の形態1により表示された画像であり、図17(c)は実施の形態3により表示された画像である。 従来の非破壊検査システムを示す図である。
次に、この発明の実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
(実施の形態1)
この実施の形態による非破壊検査システムを図1に示す。この非破壊検査システムは、センサ10とノートパソコン20とを備えている。センサ10とノートパソコン20とはローカルエリアネットワーク(LAN)30によって通信可能に接続されている。
センサ10は、超音波を送受信するためのものであり、制御回路11と、送信回路12と、受信回路13と、素子アレイ14とを備えている。
素子アレイ14は、超音波を送受信する送受信素子をマトリクス状に配列したものであり、その一例を図2に示す。この素子アレイ14は、制御回路11と送信回路12と受信回路13とを納める箱状の本体14Aを備えている。本体14Aの1つの平面である取り付け面14Aに対して、送受信素子14i,jが行方向および列方向のマトリクス状に配列されている。図2では、値i、jが例えばi=m、j=nである場合を示している。素子アレイ14は、例えば図3に示すように、送受信素子141,1〜14m,nが先に述べたコンクリート構造体130(図18)に接触するように配置される。この後、送受信素子141,1〜14m,nに送信回路12からパルス状の駆動信号が加えられると、送受信素子141,1〜14m,nはコンクリート構造体130に超音波を送信する。また、超音波を送信した後、送受信素子141,1〜14m,nはコンクリート構造体130からの反射波を測定し、測定結果の波形を表す測定波形信号を受信回路13に出力する。
送信回路12は、制御回路11から選択信号を受け取ると、送受信素子141,1〜14m,nの中から選択された送受信素子に対して、超音波を送信するための駆動信号を送る。
受信回路13は、制御回路11から選択信号を受け取ると、送受信素子141,1〜14m,nの中から選択された送受信素子から、超音波の測定結果を示す測定波形信号を受け取る。受信回路13は、受け取った測定波形信号を制御回路11に送る。
制御回路11は、ノートパソコン20から測定指示を受け取ると測定を開始し、コンクリート構造体130に向けて超音波を送信する送受信素子と、コンクリート構造体130からの超音波を受信する送受信素子とを送受信素子141,1〜14m,nの中から選択する。制御回路11は、選択した送受信素子を表す選択信号を送信回路12と受信回路13とに送る。例えば、制御回路11は、測定指示を受け取ると、送受信素子141,1〜14m,nの中から、
送受信素子141,1(送信用)、送受信素子141,1(受信用)
送受信素子141,1(送信用)、送受信素子141,2(受信用)
・・・
送受信素子14m,n(送信用)、送受信素子14m,n(受信用)
のような一連の組み合わせを表すm×n通りの選択信号を作成する。
制御回路11は、選択信号を送信回路12に送った後、受信回路13から測定波形信号を受け取ると、この測定波形信号に選択信号を付加し、LAN30を経てノートパソコン20に測定波形信号を送信する。制御回路11は一連の選択信号による測定波形信号の送信を終了すると、次の選択信号に応じて同様の測定を繰り返す。
ノートパソコン20は、センサ10から受信した測定波形信号を画像化するための処理を行う。このために、ノートパソコン20は、ユーザインターフェース21と、信号処理部22と、表示部23と、入力部24と、記憶部25とを備えている。
表示部23は、画像を表示するLCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置である。例えば、表示部23は、信号処理部22による処理で得た画像であり、コンクリート構造体130の内部を示す画像を表示する。入力部24は、センサ10を用いた測定を行うための測定指示や測定を終了するための測定終了指示などを入力するための入力装置であり、キーボード等のようなものである。
記憶部25は、信号処理部22の制御によって測定波形信号などを記憶する記憶装置である。例えば、記憶部25は予め平均波形を記憶している。平均波形については後で述べる。
ユーザインターフェース21は、LAN30を経てセンサ10から測定波形信号を含む各種の信号を受信して信号処理部22に渡す。また、ユーザインターフェース21は、信号処理部22からの指示などをLAN30を経てセンサ10に送信する。
信号処理部22は、入力部24からコンクリート構造体130を検査するための測定指示を受け取ると、センサ10を用いた非破壊検査のための処理を行う。つまり、信号処理部22はユーザインターフェース21とLAN30とを経て測定指示をセンサ10に送信する。この後、信号処理部22は、センサ10から一連の測定波形信号を受信すると、コンクリート構造体130の内部を示す画像を作成するための処理を行う。
信号処理部22は、LAN30とユーザインターフェース21とを経て一連の測定波形信号をセンサ10から受信すると、これらの測定波形信号をコンクリート構造体130用の波形マトリクスMとして記憶部25に記憶する。信号処理部22は、波形マトリクスMとして記憶するときには、各測定波形信号に付加されている選択信号を利用して各測定波形信号が表す測定波形をマトリクス状にする。例えば、送受信素子141,1〜14m,nが図4に示すように4つの送受信素子141,1〜142,2であり、送受信素子141,1〜142,2が測定した測定波形をM1,1、・・・、M2,2とする。以下では、4つの送受信素子141,1〜142,2から成る素子アレイ14を具体例として説明する。
なお、説明の都合により送受信素子141,1〜142,2に対してNo.1、No.2、No.3、No.4の番号を付けて各送受信素子を表す場合がある。また、送信側の送受信素子をTxで表し、受信側の送受信素子をRxで表す。例えば、送受信素子141,1(No.1の送受信素子)が送信側であると、この送受信素子1,1を符号Tx1で表し、送受信素子1,1が受信側であると、この送受信素子1,1を符号Rx1で表す。
測定波形M1,1、・・・、M4,4は、受信側の送受信素子Rx1〜Rx4(送受信素子141,1〜144,4)から得た各測定波形信号が表す波形である。つまり、
(Tx1,Rx1)の組み合わせで得た測定波形がM1,1
(Tx1,Rx2)の組み合わせで得た測定波形がM1,2
・・・
(Tx4,Rx4)の組み合わせで得た測定波形がM4,4
のように、波形マトリクスMは4×4の16通りの波形から成っている。
波形マトリクスMの測定波形M1,1、・・・、M4,4は図5に示すようなターゲットからの反射波を含む波形となるが、実際には測定の開始直後に、図示を省略しているが直達波が発生する。そこで、信号処理部22は波形マトリクスMの測定波形M1,1、・・・、M4,4に対して平均波形差分処理を行って直達波を低減する。この処理を行うために、信号処理部22は、送受信間距離と平均波形とを予め算出して、波形マトリクスMの平均波形差分処理をする。波形マトリクスMに対する処理を終了すると、画像を作成するための処理を行う。
ここで、送受信間距離と平均波形とを算出するための処理について説明する。
信号処理部22は、素子アレイ14について、次のようにして送受信間距離を算出する。送受信間距離は、直達波の伝播経路の距離であり、組み合わされた送受信素子間の間隔である。この実施の形態では、図6に示すように、行方向に配置されたNo.1の送受信素子とNo.2の送受信素子との隣接間隔が値aであり、列方向に配列されたNo.1の送受信素子とNo.3の送受信素子との隣接間隔が値bである。送受信素子が4つより多い場合も同様である。
信号処理部22は、送受信間距離を算出する指示を入力部24から受け取ると、行方向に配置された送受信素子の隣接間隔aと、列方向に配列された送受信素子の隣接間隔bとを用いた計算で、図7に示す送受信間距離テーブルを作成する。
送受信間距離テーブルに示すように、No.1〜No.4の送受信素子141,1〜142,2が用いられた場合の送受信間距離は、
0、a、b、√(a+b
の4通りになる。4つより多くの送受信素子が用いられた場合には、この他にも、信号処理部22は、例えば、
2a、2b、√{(2a)+(2b))}
のような送受信間距離を、隣接間隔a、bを用いて計算する。
信号処理部22は次のようにして平均波形を算出する。このために供試体が使用される。例えば図8に示すようなコンクリート製の供試体210を使用する場合、供試体210に対して素子アレイ14がセットされる。供試体210はターゲット211の他にも骨材212や気泡213を含んでいる。つまり、供試体210は実際に現場で使用されているコンクリートに類似したものである。なお、図8では、素子アレイ14のNo.1〜No.4の送受信素子141,1〜142,2を配置した状態を記載し、素子アレイ14の本体14Aの記載を省略している。
素子アレイ14のNo.1〜No.4の送受信素子141,1〜142,2が供試体210の表面210Aに配置された後、信号処理部22は、平均波形を算出するための指示を入力部24から受け取ると、ユーザインターフェース21とLAN30とを経てセンサ10に測定指示を送信する。この後、信号処理部22は、供試体210を用いた場合の一連の測定波形をセンサ10から受信し、平均波形算出用の波形マトリクスMとして記憶する。
こうした状態のときに、信号処理部22は次のようにして平均波形を算出する。信号処理部22は、図9に示すように、No.1〜No.4の送受信素子による16通りの平均波形算出用の測定波形M1,1、・・・、M4,4をセンサ10から得て、先に述べた平均波形算出用の波形マトリクスMとして記憶部25に記憶する。図9では、直達波をW1で表し、ターゲットをW2で表している。また、ノイズ成分をW3で表している。
次に、信号処理部22は、送受信間距離に応じた平均波形を算出する。この実施の形態では送受信間距離テーブル(図7)に示すように、送受信間距離は、
0、a、b、√(a+b
の4通りになる。例えば、送受信間距離が「0(ゼロ)」である場合の平均波形を算出するときは、信号処理部22は送受信間距離が0(ゼロ)の4つの測定波形を、平均波形算出用の波形マトリクスMから抽出する。この場合には図10に示すように送受信素子が
(Tx1,Rx1)の組み合わせ
(Tx2,Rx2)の組み合わせ
(Tx3,Rx3)の組み合わせ
(Tx4,Rx4)の組み合わせ
で得た各測定波形を抽出する。ここで、抽出される測定波形は、
1,1
2,2
3,3
4,4
になる。
次に、信号処理部22は、抽出した測定波形を基に平均波形Aveを算出する。この後、信号処理部22は、各測定波形のレベルを加え合わせる演算、つまり次に示す、
Ave=(M1,1+M2,2+M3,3+M4,4)/4
の計算で平均化の演算を行って、平均波形Aveを算出する。これにより、各測定波形に含まれる直達波は時間軸上で同じ時点に発生するが、ターゲット、骨材、気泡などによる反射波は時間軸上の異なる時点で発生するので、各測定波形の平均化により、直達波のレベルは変化しないが、ターゲット、骨材、気泡などによる反射波のレベルが低くなる。
信号処理部22はこうした平均波形の算出を各送受信間距離毎に行う。送受信素子が4つの場合(図7)には4通りの平均波形を算出する。この後、信号処理部22は算出した各平均波形を記憶部25に記憶する。例えば、信号処理部22は、算出した平均波形Aveを、図11に示すように送受信間距離と共に平均波形テーブルとして記憶する。同じようにして、信号処理部22は、送受信間距離a、b、√(a+b)に対応する平均波形Ave、Ave、Aveを算出して平均波形テーブルに記憶する。
このように記憶部25が送受信間距離テーブル(図7)と平均波形テーブル(図11)とを記憶している状態で、信号処理部22は、先に述べたようにコンクリート構造体130の深さ方向の画像を作成する。コンクリート構造体130の内部を示す画像を作成するときには、測定指示を送信した後であり、信号処理部22は、コンクリート構造体130の測定波形を既に得て、波形マトリクスMを作成している。具体例の場合には、信号処理部22は測定波形M1,1、・・・、M4,4の波形マトリクスMを作成している。
信号処理部22は、コンクリート構造体130用の波形マトリクスMの測定波形M1,1、・・・、M4,4に対して平均波形差分処理を行う。このために、信号処理部22は、最初の送受信間距離に該当する測定波形、例えば最短の送受信間距離に該当する測定波形を波形マトリクスMの中から読み出す。つまり、信号処理部22は、送受信間距離テーブル(図7)を参照して送受信間距離が0(ゼロ)になる送信側の送受信素子と受信側の送受信素子とを調べ、さらに、コンクリート構造体130用の波形マトリクスM(図4)を参照してこれらの送受信素子に該当する測定波形を記憶部25から読み出す。これにより、信号処理部22は、
1,1・・・送受信素子(Tx1,Rx1)による測定波形
2,2・・・送受信素子(Tx2,Rx2)による測定波形
3,3・・・送受信素子(Tx3,Rx3)による測定波形
4,4・・・送受信素子(Tx4,Rx4)による測定波形
を読み出す。
信号処理部22は、読み出した測定波形M1,1〜M4,4と平均波形Aveとの差分を算出して、測定波形AM1,1、・・・、AM4,4を得る。具体例では、図12に示すように、信号処理部22は、
1,1−Ave=AM1,1
2,2−Ave=AM2,2
3,3−Ave=AM3,3
4,4−Ave=AM4,4
を計算する。これにより、信号処理部22は測定波形M1,1、・・・、M4,4の直達波w1を低減する。
同じようにして、信号処理部22は、残りの送受信間距離a、b、√(a+b)についても直達波低減処理をする。これにより、信号処理部22は、直達波を低減した波形マトリクスMを作成する。
信号処理部22は、直達波を低減したコンクリート構造体130用の波形マトリクスMを作成すると、この波形マトリクスMを用いてフォーカシングやデコンボリューションを行い、コンクリート構造体130の画像を作成する。フォーカシングはコンクリート構造体130の例えばターゲットを画像化するための画像処理であり、デコンボリューションはフィルタを用いて画像の不鮮明を補正する画像処理である。信号処理部22は、画像処理を終了すると、表示部23を制御してコンクリート構造体130の深さ方向の画像を表示する。
この後、信号処理部22は、入力部24から測定終了指示がなければ、ユーザインターフェース21を経て次の測定指示をセンサ10に送信する。一方、入力部24から測定終了指示があると、信号処理部22は測定を終了する。
以上がこの実施の形態1による非破壊検査システムの構成である。次に、この非破壊検査システムの作用について、4つの送受信素子を用いた具体例で説明する。担当者は、コンクリート構造体130の非破壊検査をする場合、先ず、平均波形を得るための処理を行う。このために、担当者はセンサ10を供試体210にセットして、入力部24に送受信間距離を算出する指示を入力する。
信号処理部22は、送受信間距離を算出するための指示を受け取ると、行方向に配置された送受信素子の隣接間隔aと、列方向に配列された送受信素子の隣接間隔bとを用いた計算で送受信間距離テーブル(図7)を作成する。送受信間距離テーブルの作成が終了すると、信号処理部22はセンサ10に測定指示を送信する。この後、信号処理部22は、センサ10が供試体210の測定で得た測定波形M1,1、・・・、M2,2から、平均波形算出用の波形マトリクスMを作成する。
平均波形算出用の波形マトリクスMの作成を終了すると、信号処理部22は、この波形マトリクスMを使用して、平均波形Ave〜Aveを算出して記憶部25に平均波形テーブル(図11)として記憶する。
ノートパソコン20に平均波形テーブルを作成した状態で、担当者は、非破壊検査の対象であるコンクリート構造体130にセンサ10をセットし、コンクリート構造体130の測定指示を入力部24に入力する。これにより、信号処理部22はセンサ10に測定指示を送信する。この後、信号処理部22はセンサ10から測定波形M1,1、・・・、M4,4を受信すると、コンクリート構造体130用の波形マトリクスMを作成する。そして、信号処理部22は、コンクリート構造体130用の波形マトリクスMの測定波形M1,1、・・・、M4,4に対して、平均波形テーブルの平均波形Ave〜Aveを用いて平均波形差分処理を行う。これにより、信号処理部22は、直達波を低減した波形マトリクスMを作成する。
信号処理部22は、直達波を低減したコンクリート構造体130用の波形マトリクスMを作成すると、この波形マトリクスMを用いてフォーカシングやデコンボリューションを行い、コンクリート構造体130の画像を作成する。そして、信号処理部22は、表示部23を制御してコンクリート構造体130の深さ方向の画像を表示する。これにより、従来であれば、例えば図13(a)の楕円で囲んだ部分に示すように、直達波が画像化されて、ターゲットの画像が不鮮明である。これに対して、この実施の形態によれば、図13(b)に示すように、直達波が画像化されないので、ターゲットが鮮明に画像化されている。
この後、信号処理部22は、入力部24から測定終了指示がなければ、ユーザインターフェース21を経て次の測定指示をセンサ10に送信する。一方、入力部24から測定終了指示があると、信号処理部22は測定を終了する。
こうして、この実施の形態によれば、各測定波形の直達波を低減するので、直達波を画像化しないようにすることができる。また、この実施の形態によれば、直達波が画像化されないので、直達波の近傍にあるターゲットの画像化を可能にする。
(実施の形態2)
実施の形態1では供試体210(図8)を用いて平均波形テーブルを作成したが、この実施の形態では次のようにしている。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態1と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。
この実施の形態では、供試体210の代わりに例えばコンクリート構造体130を使用して平均波形テーブルを作成する。つまり、担当者は測定する現場でコンクリート構造体130を用いて平均波形テーブルを作成し、コンクリート構造体130の深さ方向を表す画像を作成する。
この実施の形態によれば、供試体210の準備することを不要にすることができる。
(実施の形態3)
実施の形態1では、各送受信間距離に応じて平均波形を作成したが、この実施の形態では次のようにしている。なお、この実施の形態では、先に説明した実施の形態1と同一もしくは同一と見なされる構成要素には、それと同じ参照符号を付けて、その説明を省略する。
この実施の形態では図14に示す別供試体220を用いて平均波形を作成する。別供試体220は、モルタルで造られ、かつ、素子アレイ14の送受信素子110〜110の形状に比べて十分大きく造られている。これは別供試体220の側面や底面での超音波の反射を防ぐためである。別供試体220は内部に気泡213だけが残っているが、ターゲットや骨材(図8)を含まない。これは骨材で超音波が反射してノイズとなることを防ぐためである。
こうした別供試体220が用いられて、信号処理部22が平均波形を予め算出する。平均波形の算出は実施の形態1と同様に計算され、信号処理部22は送受信間距離に応じた平均波形を表す平均波形テーブル(図11)を記憶部25に記憶する。
こうした状態の場合に、担当者がコンクリート構造体130を検査するための測定指示を入力部24に入力すると、信号処理部22は実施の形態1と同様にセンサ10に測定指示を送信する。これにより、信号処理部22は送受信素子141,1〜14m,nの組み合わせに応じて波形マトリクスMを作成する。以下では送受信素子141,1〜14m,nが4つの送受信素子141,1〜142,2である場合(図4)を具体例として説明する。なお、実施の形態1と同様に、説明の都合により送受信素子141,1〜142,2に対してNo.1、No.2、No.3、No.4の番号を付けて各送受信素子を表す場合がある。また、送信側の送受信素子をTxで表し、受信側の送受信素子をRxで表す。
4つの送受信素子141,1〜142,2により、波形マトリクスMは、実施の形態1で述べたように、
(Tx1,Rx1)の組み合わせで得た測定波形がM1,1
(Tx1,Rx2)の組み合わせで得た測定波形がM1,2
・・・
(Tx4,Rx4)の組み合わせで得た測定波形がM4,4
のような、4×4の16通りの波形から成っている。
波形マトリクスMを作成した後、信号処理部22は振幅・時間補正を次のようにして行う。送受信間距離0(ゼロ)、a、b、√(a+b)に対応する別供試体220の平均波形Ave、Ave、Ave、Aveの直達波については、測定波形の直達波と発生状態、つまり振幅および時間が異なるために、平均波形Ave、Ave、Ave、Aveに対して、測定波形毎に振幅・時間補正を行う。
例えば、送受信間距離が0(ゼロ)である場合、信号処理部22は図15に示すように、平均波形テーブル(図12)からこの送受信間距離に対応する平均波形Aveを読み出す。平均波形Aveについては、直達波の発生時間をt0とし、振幅をa0としている。
また、信号処理部22は波形マトリクスMから、送受信間距離が0(ゼロ)である場合の測定波形として、
1,1・・・送受信素子(Tx1,Rx1)による測定波形
2,2・・・送受信素子(Tx2,Rx2)による測定波形
3,3・・・送受信素子(Tx3,Rx3)による測定波形
4,4・・・送受信素子(Tx4,Rx4)による測定波形
を読み出す。送受信素子(Tx1,Rx1)による測定波形M1,1では、直達波の発生時間をt11とし、振幅をa11としている。同じように、送受信素子(Tx2,Rx2)による測定波形M2,2では、直達波の発生時間をt22とし、振幅をa22とし、送受信素子(Tx3,Rx3)による測定波形M3,3では、直達波の発生時間をt33とし、振幅をa33としている。送受信素子(Tx4,Rx4)による測定波形M4,4では、直達波の発生時間をt44とし、振幅をa44としている。
そして、信号処理部22は測定波形毎に平均波形を補正する。つまり、信号処理部22は各測定波形用の平均波形をそれぞれ算出する。例えば、平均波形Aveについては、
Ave×(a11/a0)×(t11−t0)
の補正式を用いる。つまり、この補正式により、信号処理部22は平均波形Aveの振幅をa11/a0だけ変え、平均波形Aveの発生時間をt11−t0だけずらして、補正した平均波形Ave0,11を作成する。同じようにして、測定波形M2,2、M3,3、M4,4についても、
Ave×(a22/a0)×(t22−t0)
Ave×(a33/a0)×(t33−t0)
Ave×(a44/a0)×(t44−t0)
の補正式により、測定波形M2,2、M3,3・・・M4,4に応じて平均波形Aveの振幅を変えて発生時間をずらし、送受信間距離が0(ゼロ)である場合の補正した平均波形
Ave0,22、Ave0,33、Ave0,44
を算出する。
同じようにして、信号処理部22は、送受信間距離aである測定波形
1,2、M2,1、M3,4、M4,3
に対して、平均波形Aveの振幅を変えて発生時間をずらして、
Ave1,12、Ave1,21、Ave1,34、Ave1,43
を算出し、送受信間距離bである測定波形
1,3、M3,1、M2,4、M4,2
に対して、平均波形Aveの振幅を変えて発生時間をずらして、
Ave2,13、Ave2,31、Ave2,24、Ave2,42
を算出する。そして、送受信間距離√(a+b)である測定波形
1,4、M2,3、M3,2、M4,1
に対して、平均波形Aveの振幅を変えて発生時間をずらして、
Ave3,14、Ave3,23、Ave3,32、Ave3,41
を算出する。
このように、信号処理部22は16通りの補正した平均波形を算出する。
この後、信号処理部22は、16通りの補正した平均波形を用いて平均波形差分処理を行う。送受信間距離テーブルと16通りの補正した平均波形とを記憶部25が記憶している状態で、信号処理部22は、先に述べたようにコンクリート構造体130の深さ方向の画像を作成する。コンクリート構造体130の内部を示す画像を作成するときには、測定指示を送信した後であり、信号処理部22は、コンクリート構造体130の測定波形を既に得て、波形マトリクスMを作成している。具体例の場合には、信号処理部22はコンクリート構造体130用の16通りの測定波形M1,1、・・・、M4,4の波形マトリクスM(図4)を作成している。
信号処理部22は、コンクリート構造体130用の波形マトリクスMの測定波形M1,1、・・・、M4,4に対して平均波形差分処理を行う。このために、信号処理部22は、最初の送受信間距離に該当する測定波形、例えば最短の送受信間距離に該当する測定波形を波形マトリクスMの中から読み出す。つまり、信号処理部22は、送受信間距離テーブル(図7)を参照して送受信間距離が0(ゼロ)になる送信側の送受信素子と受信側の送受信素子とを調べ、さらに、コンクリート構造体130用の波形マトリクスM(図4)を参照してこれらの送受信素子に該当する測定波形を記憶部25から読み出す。これにより、信号処理部22は、
1,1・・・送受信素子(Tx1,Rx1)による測定波形
2,2・・・送受信素子(Tx2,Rx2)による測定波形
3,3・・・送受信素子(Tx3,Rx3)による測定波形
4,4・・・送受信素子(Tx4,Rx4)による測定波形
を読み出す。
信号処理部22は、各送受信間距離に対応する測定波形と、この送受信間距離に対応する、補正した平均波形とにより差分をそれぞれ算出する。具体例では、送受信間距離が0(ゼロ)である場合の測定波形M1,1、M2,2、M3,3、M4,4と、送受信間距離が0(ゼロ)である場合の補正した平均波形Ave0,22、Ave0,33、Ave0,44とにより、図16に示すように、信号処理部22は、
1,1−Ave0,11=AM0,11
2,2−Ave0,22=AM0,22
3,3−Ave0,33=AM0,33
4,4−Ave0,44=AM0,44
を計算する。これにより、信号処理部22は測定波形M1,1、M2,2、M3,3、M4,4の直達波w1を低減する。
同じようにして、信号処理部22は、残りの送受信間距離a、b、√(a+b)についても平均波形差分処理をする。これにより、信号処理部22は、直達波を低減した波形マトリクスMを作成する。
信号処理部22は、直達波を低減したコンクリート構造体130用の波形マトリクスMを作成すると、この波形マトリクスMを用いてフォーカシングやデコンボリューションを行い、コンクリート構造体130の画像を作成する。フォーカシングはコンクリート構造体130の例えばターゲットを画像化するための画像処理であり、デコンボリューションはフィルタを用いて画像の不鮮明を補正する画像処理である。信号処理部22は、画像処理を終了すると、表示部23を制御してコンクリート構造体130の深さ方向の画像を表示する。
この後、信号処理部22は、入力部24から測定終了指示がなければ、ユーザインターフェース21を経て次の測定指示をセンサ10に送信する。一方、入力部24から測定終了指示があると、信号処理部22は測定を終了する。
この実施の形態によれば、次の効果を達成することができる。従来であれば、図17(a)の楕円で囲んだ部分に示すように、直達波が画像化されてターゲットの画像が不鮮明である。また、実施の形態1によれば、供試体210は、素子アレイ14の送受信素子110〜110の形状に比べて十分大きく造られていないので、図17(b)の楕円で囲んだ部分に示すように、コンクリート構造体の底面などのように断面積の大きい部分の画像化がされていない。これに対して、この実施の形態によれば、図17(c)に示すように、直達波が画像化されない。また、近傍ターゲットの画像化が可能になる。さらに、断面積の大きい反射(底面など)の画像化が可能になる。
10 センサ
11 制御回路
12 送信回路
13 受信回路
14 素子アレイ
20 ノートパソコン(処理装置)
21 ユーザインターフェース
22 信号処理部
23 表示部
24 入力部
25 記憶部
30 LAN
130 コンクリート構造体
210 供試体
220 別供試体

Claims (6)

  1. 超音波を送受信する複数の送受信素子を備え、超音波を測定対象に送信する送受信素子と、この測定対象から超音波の反射波を受信する送受信素子とを1つの組み合わせとし、各組み合わせで得た測定波形を基に前記測定対象を画像化する非破壊検査システムにおいて、
    各組み合わせの送受信素子間の距離を直達波の送受信間距離として、各組み合わせに対応する送受信間距離を得る距離算出処理と、送受信間距離が同じ組み合わせで得ると共に供試体の測定で得た測定波形を平均化して、直達波を含む平均波形を予め算出する処理を繰り返して、各送受信間距離に対応する平均波形を得る平均波形生成処理と、送受信間距離が同じ組み合わせで得た測定対象の各測定波形と、この送受信間距離に対応する平均波形との差分をそれぞれ算出する処理を繰り返して、各送受信間距離の組み合わせで得た測定波形の直達波を低減する直達波低減処理と、前記直達波低減処理で得た各測定波形を基に前記測定対象を画像化する画像化処理とを行う処理装置、
    を備えることを特徴とする非破壊検査システム。
  2. 超音波を送受信する複数の送受信素子を備え、超音波を測定対象に送信する送受信素子と、この測定対象から超音波の反射波を受信する送受信素子とを1つの組み合わせとし、各組み合わせで得た測定波形を基に前記測定対象を画像化する非破壊検査システムにおいて、
    各組み合わせの送受信素子間の距離を直達波の送受信間距離として、各組み合わせに対応する送受信間距離を得る距離算出処理と、送受信間距離が同じ組み合わせで得ると共に供試体の測定で得た測定波形を平均化して、直達波を含む平均波形を予め算出する処理を繰り返して、各送受信間距離に対応する平均波形を得る平均波形生成処理と、送受信間距離が同じ組み合わせで得た測定波形に含まれる直達波の発生状態と、この送受信間距離に対応する平均波形に含まれる直達波の発生状態とを基にこの平均波形を補正して、この送受信間距離の各測定波形に対応する平均波形をそれぞれ算出する処理を繰り返して、各送受信間距離の各測定波形に対応する平均波形を得る平均波形補正処理と、送受信間距離が同じ組み合わせで得た各測定波形と、これらの測定波形に対応すると共に補正した平均波形との差分を算出する処理を繰り返して、各測定波形の直達波を低減する直達波低減処理と、前記直達波低減処理で得た各測定波形を基に前記測定対象を画像化する画像化処理とを行う処理装置、
    を備えることを特徴とする非破壊検査システム。
  3. 前記処理装置は、平均波形補正処理で、同じ送受信間距離の組み合わせで得た測定波形に含まれる直達波が発生する時間および振幅と、この送受信間距離に対応する平均波形に含まれる直達波が発生する時間および振幅とを基にこの平均波形を補正する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の非破壊検査システム。
  4. 前記供試体は、側面および底面での超音波の反射によるノイズが発生しないように、前記送受信素子に比べて大きく造られている、
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の非破壊検査システム。
  5. 前記測定対象がコンクリート構造体である場合に、前記供試体は骨材および測定目標となる空隙が除去された状態である、
    ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の非破壊検査システム。
  6. 前記送受信素子はマトリクス状に配置され、
    前記処理装置は、行方向に配置された前記送受信素子の第1の間隔と、列方向に配置された前記送受信素子の第2の間隔とを基にして、距離算出処理で送受信間距離を算出する、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の非破壊検査システム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110849724A (zh) * 2019-11-23 2020-02-28 福州大学 一种用于装配式混凝土剪力墙损伤识别的概率成像方法

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