JP2019069625A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019069625A
JP2019069625A JP2019020700A JP2019020700A JP2019069625A JP 2019069625 A JP2019069625 A JP 2019069625A JP 2019020700 A JP2019020700 A JP 2019020700A JP 2019020700 A JP2019020700 A JP 2019020700A JP 2019069625 A JP2019069625 A JP 2019069625A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
line segment
print
printing
print head
detection chart
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019020700A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6900409B2 (ja
Inventor
修 森園
Osamu Morisono
修 森園
一希 福井
Kazuki Fukui
一希 福井
知孝 加藤
Tomotaka Kato
知孝 加藤
国男 連
Kunio Muraji
国男 連
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Screen Holdings Co Ltd
Original Assignee
Screen Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from JP2015066616A external-priority patent/JP6480231B2/ja
Application filed by Screen Holdings Co Ltd filed Critical Screen Holdings Co Ltd
Priority to JP2019020700A priority Critical patent/JP6900409B2/ja
Publication of JP2019069625A publication Critical patent/JP2019069625A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6900409B2 publication Critical patent/JP6900409B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】印刷媒体から搬送速度に関連する情報を直接的に得ることにより、搬送速度の変動に起因する極微小な見当ズレも抑制して印刷品質を向上させることができる。【解決手段】ズレ検出用チャートDCは、連続紙の搬送速度が変動すると、第1の線分群L1gと第2の線分群L2gとの重なり具合が変化し、ズレ検出用チャートDCのいずれか一方に濃度が高い部分が移動する。補正部は、検査部で撮影されたズレ検出用チャートDCにおけるその濃度変化に基づいて、基準の印刷ヘッドに対する後続の印刷ヘッドによる印刷タイミングを補正する。したがって、連続紙の搬送速度に関連する情報をズレ検出用チャートDCから直接的に得るので、搬送速度の変動に起因する極微小な見当ズレも抑制して印刷品質を向上できる。【選択図】図3

Description

本発明は、印刷媒体の搬送方向に離間して配置された複数個の印刷ヘッドにより印刷を行う印刷装置に関する。
従来、この種の装置として、印刷ヘッドと、第1ガイドローラと、第2ガイドローラと、ロータリエンコーダと、駆動ローラとを備えた印刷機がある(例えば、特許文献1参照)。
この印刷機では、連続紙の搬送経路における上流側から順に、第1ガイドローラと、第2のガイドローラと、駆動ローラとを配置し、第1ガイドローラと第2ガイドローラとの間に印刷ヘッドを配置して構成されている。印刷は、連続紙の搬送速度に基づいて印刷ヘッドからインク滴の吐出タイミングを調整しつつ行われる。
印刷品質は、連続紙の搬送速度とインクジェットヘッドからのインク滴の吐出タイミングが影響する。そこで、連続紙の搬送速度は、印刷ヘッドの下流側の第2ガイドローラの回転数をロータリエンコーダで検出することで行い、これに基づいて印刷ヘッドからの吐出タイミングを調整している。これにより、印刷ヘッドの近くにおける搬送速度の変動を的確に検出して、インク滴の吐出タイミングを調整できるので、搬送速度の変動に起因する見当ズレを抑制して印刷品質の向上を図ることができる。
特開2010−158814号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、連続紙の搬送速度に基づきインク滴の吐出タイミングを調整しているとはいえ、ロータリエンコーダからの間接的な情報に基づいて行われているので、連続紙の搬送速度の変動に起因する見当ズレが残ることがある。特に、印刷機の解像度が高い場合には、極微小な見当ズレの残りであっても印刷品質が低下するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、印刷媒体から搬送速度に関連する情報を直接的に得ることにより、搬送速度の変動に起因する極微小な見当ズレも抑制して印刷品質を向上させることができる印刷装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、印刷媒体に印刷を行う印刷装置であって、印刷媒体を搬送する搬送手段と、前記印刷媒体の搬送方向に離間して配置され、前記印刷媒体に画像を印刷する複数個の印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドの下流側に配置され、前記印刷ヘッドで印刷された前記印刷媒体を撮影する撮影手段と、前記複数個の印刷ヘッドのうち、搬送方向における印刷の基準位置となる基準印刷ヘッドにより、搬送方向と直交する方向に第1の線分を所定間隔で前記印刷媒体に複数印刷して形成された第1の線分群と、前記複数個の印刷ヘッドのうち、前記基準印刷ヘッドから搬送方向に離間して配置された後続印刷ヘッドにより、第2の線分を、一方側の前記第1の線分から他方側の前記第1の線分に向かって前記第1の線分との間隔が順次狭くなり、その後、前記第1の線分との間隔が順次広くなるように、または、一方側の前記第1の線分から他方側の前記第1の線分に向かって前記第1の線分との間隔が順次広くなり、その後、前記第1の線分との間隔が順次狭くなるように、前記第1の線分群に合わせて形成された第2の線分群とを備えたズレ検出用チャートを形成するズレ検出用チャート形成手段と、前記撮影手段で撮影された前記ズレ検出用チャートの濃度変化に基づいて、前記基準印刷ヘッドに対する後続印刷ヘッドによる印刷タイミングを補正する補正手段と、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、ズレ検出用チャート形成手段が形成したズレ検出用チャートは、搬送手段による印刷媒体の搬送速度が変動すると、第1の線分群と第2の線分群との重なり具合が変化し、ズレ検出用チャートのいずれか一方に濃度が高い部分または濃度が低い部分が移動する。補正手段は、撮影手段で撮影されたズレ検出用チャートにおけるその濃度変化に基づいて、基準印刷ヘッドに対する後続印刷ヘッドによる印刷タイミングを補正する。したがって、印刷媒体の搬送速度に関連する情報をズレ検出用チャートから直接的に得るので、搬送速度の変動に起因する極微小な見当ズレも抑制して印刷品質を向上させることができる。
また、本発明において、前記ズレ検出用チャート形成手段は、前記印刷媒体のうち、印刷領域外に印刷される印刷開始マークに続いて前記ズレ検出用チャートを形成するが好ましい(請求項2)。
印刷領域外でズレ検出用チャートを形成するので、印刷領域内の画像に対して影響を与えることがない。また、印刷媒体の反対面に形成された画像等の影響で濃度の読み取りに支障が生じない。したがって、濃度変化に基づく補正を正確に行うことができる。
また、本発明において、前記補正手段は、前記撮影手段で撮影されたズレ検出用チャートを複数色の色成分に分解し、当該分解した色成分の一つの成分に基づいて前記印刷タイミングを補正することが好ましい(請求項3)。
カラー撮影されたズレ検出量チャートを複数色の各成分に分けると、いずれか一つの成分において濃淡が明瞭に判別できる。したがって、濃度変化を捉えやすく、補正を正確に行える。
また、本発明において、前記補正手段は、前記色成分の一つの成分の前記各線分の長さ方向における階調値の平均値に基づいて前記印刷タイミングを補正することが好ましい(請求項4)。
線分の長さ方向に階調値の平均値を算出し、平均値に基づいて印刷タイミングを補正するので、濃度成分にバラツキがあっても正確に印刷タイミングを補正できる。
また、本発明において、前記基準印刷ヘッドがブラックの印刷を行い、前記後続印刷ヘッドがイエローの印刷を行う場合には、前記補正手段は、前記撮影手段で撮影されたズレ検出用チャートの色成分のうち、ブルーの成分に基づいて前記印刷タイミングを補正するが好ましい(請求項5)。
ブラックとイエローでズレ検出用チャートが形成された場合には、カラー撮影されたズレ検出量チャートをR(ブルー)・G(グリーン)・B(ブルー)の各チャネルに分けると、ブルーの成分において濃淡が明瞭に判別できる。したがって、濃度変化を捉えやすく、補正を正確に行える。
また、本発明において、前記補正手段は、前記ズレ検出用チャートのブルーの成分を前記各線分の長さ方向における階調値の平均値に基づいて前記印刷タイミングを補正するが好ましい(請求項6)。
線分の長さ方向に階調値の平均値を算出し、平均値に基づいて印刷タイミングを補正するので、濃度成分にバラツキがあっても正確に印刷タイミングを補正できる。
本発明に係る印刷装置によれば、ズレ検出用チャート形成手段が形成したズレ検出用チャートは、搬送手段による印刷媒体の搬送速度が変動すると、第1の線分群と第2の線分群との重なり具合が変化し、ズレ検出用チャートのいずれか一方に濃度が高い部分または濃度が低い部分が移動する。補正手段は、撮影手段で撮影されたズレ検出用チャートにおけるその濃度変化に基づいて、基準印刷ヘッドに対する後続印刷ヘッドによる印刷タイミングを補正する。したがって、印刷媒体の搬送速度に関連する情報をズレ検出用チャートから直接的に得るので、搬送速度の変動に起因する極微小な見当ズレも抑制して印刷品質を向上させることができる。
実施例に係るインクジェット印刷システムの全体を示す概略構成図である。 連続紙と各印刷ヘッドとの平面視における位置関係を示す模式図である。 ズレ検出用チャートの実例を拡大した図である。 搬送速度に変動がない場合のズレ検出用チャートと階調値の分布を示すグラフである。 搬送速度に変動がある場合のズレ検出用チャートと階調値の分布を示すグラフである。 ズレ検出用チャートのカラー画像と、それをRGBに分解した画像である。 ズレ検出用チャートの階調値の平均値を示すグラフである。 階調値の分散値を示すグラフである。 ズレ検出用チャートの変形例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。
図1は、実施例に係るインクジェット印刷システムの全体を示す概略構成図であり、図2は、連続紙と各印刷ヘッドとの平面視における位置関係を示す模式図である。
実施例に係るインクジェット印刷システムは、給紙部1と、インクジェット印刷装置3と、排紙部5とを備えている。
給紙部1は、ロール状の連続紙WPを水平軸周りに回転可能に保持し、インクジェット印刷装置3に対して連続紙WPを巻き出して供給する。排紙部5は、インクジェット印刷装置3で印刷された連続紙WPを水平軸周りに巻き取る。連続紙WPの供給側を上流とし、連続紙WPの排紙側を下流とすると、給紙部1はインクジェット印刷装置3の上流側に配置されており、排紙部5はインクジェット印刷装置3の下流側に配置されている。
インクジェット印刷装置3は、給紙部1からの連続紙WPを取り込むための駆動ローラ7を上流側に備えている。駆動ローラ7によって給紙部1から巻き出された連続紙WPは、複数個の搬送ローラ9に沿って下流の排紙部5に向かって搬送される。最下流の搬送ローラ9と排紙部5との間には、駆動ローラ11が配置されている。この駆動ローラ11は、搬送ローラ9上を搬送されている連続紙WPを排紙部5に向かって送り出す。
なお、上記のインクジェット印刷装置3が本発明における「印刷装置」に相当する。また、上記の駆動ローラ7,11と搬送ローラ9とが本発明における「搬送手段」に相当し、連続紙WPが本発明における「印刷媒体」に相当する。
インクジェット印刷装置3は、駆動ローラ7と駆動ローラ11との間に、印刷ユニット13と、乾燥部15と、検査部17とを上流側からその順序で備えている。乾燥部15は、印刷ユニット13によって印刷された部分の乾燥を行う。検査部17は、印刷面における画像を収集し、画像に汚れや抜け等がないかを検査する。
なお、上述した検査部17が本発明における「撮影手段」に相当する。
印刷ユニット13は、インク滴を吐出する複数個の印刷ヘッド19を備えている。本実施例では、印刷ヘッド19が4個備えられている構成を例にとって説明する。
各印刷ヘッド19は、上流側から順に、印刷ヘッド19aと、印刷ヘッド19bと、印刷ヘッド19cと、印刷ヘッド19dである。本明細書では、各印刷ヘッド19を区別する必要がある場合には、符号19に符号(aなど)を付加するが、区別する必要がない場合には、符号19のみとする。各印刷ヘッド19は、それぞれインク滴を吐出する複数個のインクジェットノズル21を備えている。複数個のインクジェットノズル21は、連続紙WPの搬送方向と、連続紙WPの搬送方向と直交する方向とに配置されている。これらの印刷ヘッド19a〜19dは、少なくとも2色のインク滴を吐出し、連続紙WPに多色印刷が可能に構成されている。ここでは、例えば、印刷ヘッド19aがブラック(K)のインク滴を吐出し、印刷ヘッド19bがシアン(C)のインク滴を吐出し、印刷ヘッド19cがマゼンタ(M)のインク滴を吐出し、印刷ヘッド19dがイエロー(Y)のインク滴を吐出する。各印刷ヘッド19a〜19dは、ブラック(K)のインク滴を吐出する印刷ヘッド19aの位置を基準として、搬送方向に沿って所定距離だけ互いに離間して配置されている。
制御部25は、図示しないCPUやメモリを備えている。制御部25は、図示しない外部コンピュータから印刷データを受け取って、印刷データを印刷処理用データに変換した後、駆動ローラ7,11を操作して連続紙WPを搬送させつつ、印刷処理用データに応じて印刷ヘッド19からインク滴を吐出させ、印刷データに基づく画像を連続紙WPに印刷させる。制御部25は、以下に説明するような、連続紙WPの搬送方向における搬送速度の変動を検出するためのズレ検出用チャートの印刷処理用データを予め記憶している。インクジェット印刷システムのオペレータがズレ検出用チャートの印刷を指示しておくと、制御部25は、ズレ検出用チャートの印刷処理用データを読み出して、駆動ローラ7,11及び印刷ヘッド19を操作してズレ検出用チャートを連続紙WPに印刷させる。
補正部27は、後述するように、ズレ検出用チャートを用いて得られたズレに関する補正値を算出する。算出された補正値は、制御部25に与えられる。制御部25は、印刷処理用データに応じて印刷ヘッド19からインク滴を吐出させる際のタイミングを、与えられた補正値に基づいて逐次的に補正する。
なお、上述した補正部27が本発明における「補正手段」に相当する。
図2に示すように、ズレ検出用チャートDCは、連続紙WPの印刷領域PAの外に印刷される。印刷領域PAの上流側には、搬送方向における印刷の開始位置を示すための印刷開始マークPSが形成されている。ズレ検出用チャートDCは、印刷開始マークPSの後部にできるだけ小さく形成されることが好ましい。印刷開始マークPSの直後に配置することで、印刷領域PAの終わり付近に印刷するのに比較して、早いタイミングで補正を行うことができる。また、印刷範囲PA外で、かつ、できるだけ小さくズレ検出用チャートDCを形成することで、反対面にズレ検出用チャートDCが形成されている場合に濃度検出に与える影響を抑制できる。
次に、図3を参照してズレ検出用チャートDCについて説明する。なお、図3は、ズレ検出用チャートの実例を拡大した図である。
ズレ検出用チャートDCは、4個の印刷ヘッド19のうち、連続紙WPに対して最先に吐出を行うブラック(K)のインク滴を吐出する印刷ヘッド19aにより、搬送方向と直交する方向に第1の線分L1を所定間隔で連続紙WPに複数印刷して形成された第1の線分群L1gと、4個の印刷ヘッド19のうち、印刷ヘッド19aから搬送方向に離間して最下流に配置されたイエロー(Y)のインク滴を吐出する印刷ヘッド19dにより、第2の線分L2を、上流側の第1の線分L1から下流側の第1の線分L1に向かって第1の線分L1との間隔dが順次狭くなり、その後、第1の線分L1との間隔dが順次広くなるように、第1の線分群L1gに合わせて形成された第2の線分群L2gとを備えている。
ズレ検出用チャートDCは、上述した形態の他、第2の線分L2を、上流側の第1の線分L1から下流側の第1の線分L1に向かって第1の線分L1との間隔dが順次広くなり、その後、第1の線分L1との間隔dが順次狭くなるように、第1の線分群L1gに合わせて形成された第2の線分群L2gとを備えるようにしてもよい。
なお、上述した印刷ヘッド19aが本発明における「基準印刷ヘッド」に相当し、印刷ヘッド19dが本発明における「後続印刷ヘッド」に相当し、印刷ヘッド19a、19dが本発明における「ズレ検出用チャート形成手段」に相当する。
次に、図4及び図5を参照する。なお、図4は、搬送速度に変動がない場合のズレ検出用チャートと階調値の分布を示すグラフであり、図5は、搬送速度に変動がある場合のズレ検出用チャートと階調値の分布を示すグラフである。
連続紙WPに印刷されたズレ検出用チャートDCは、検査部17によって撮影される。検査部17は、印刷領域PAを含む連続紙WPの全幅にわたって撮影し、その画像データに基づいて印刷領域PAの検査を行う。さらに、本実施例では、補正部27が、検査部17が撮影した画像データのうち、ズレ検出用チャートDCの濃度分布を階調値として取り出す。図4は、第1の線分群L1gと第2の線分群L2gとがずれていない、つまり、印刷ヘッド19aで印刷されている時点と、印刷ヘッド19dで印刷されている時点とで、連続紙WPの搬送速度が変動していない状態を示す。この基準となる状態では、イエロー(Y)のインク滴による中央の第2の線分L2による階調値が最も高い。補正部27は、この位置を基準として予め記憶している。
図5は、一例として、第2の線分群L2gが、第1線分群L1gの上流側にずれている状態を示している。これは、印刷ヘッド19aによる印刷時点よりも、印刷ヘッド19dによる印刷時点で、連続紙WPの搬送速度が早くなったことを示す。つまり、基準となる図4に対して、階調値のピークが上流側に移動したことで判別することができる。補正部27は、この階調値のピーク位置からのズレ量に基づいて、印刷ヘッド19dからのインク滴の吐出タイミングを補正する補正値を制御部25に与える。また、印刷ヘッド19bと印刷ヘッド19cは、印刷ヘット19aと印刷ヘッド19dとの位置関係が既知であるので、その位置関係に基づいて搬送速度の変動に起因するズレを補正するための補正値が補正部27によって求められて、その補正値が制御部25に与えられる。
なお、補正部27は、ズレ検出用チャートDCにおける濃度(階調値)の変化に基づいて搬送速度の変動をズレとして検出し、ズレを補正するための補正値を決定する。したがって、検査部17によって撮影される画像データは、印刷解像度よりも低い解像度であってもよい。したがって、検査部17の構成を簡易化することができ、装置コストを抑制することができる。
本実施例によると、印刷ヘッド19a、19dが形成したズレ検出用チャートDCは、駆動ローラ7,11と搬送ローラ9による連続紙WPの搬送速度が変動すると、第1の線分群L1gと第2の線分群L2gとの重なり具合が変化し、ズレ検出用チャートDCのいずれか一方に濃度が高い部分が移動する。補正部27は、検査部17で撮影されたズレ検出用チャートDCにおけるその濃度変化に基づいて、印刷ヘッド19aに対する印刷ヘッド19dによる印刷タイミングを補正する。したがって、連続紙WPの搬送速度に関連する情報をズレ検出用チャートDCから直接的に得るので、搬送速度の変動に起因する極微小な見当ズレも抑制して印刷品質を向上できる。
ここで、図6〜8を参照して、ズレ検出用チャートDCの好ましい処理について説明する。なお、図6は、ズレ検出用チャートのカラー画像と、それをRGBに分解した画像であり、図7は、ズレ検出用チャートの階調値の平均値を示すグラフであり、図8は、階調値の分散値を示すグラフである。
補正部27は、ズレ検出用チャートDCの画像データを検査部17から受け取る。その画像データは、図6の左側に示すようにカラー画像であるので、そのカラーの画像データを、図6の右側に示すようにR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のチャネルに分解する。そして、そのうちのB(ブルー)の成分において濃淡が明瞭に判別できるので、これを用いて上述したズレを判別することが好ましい。
これにより、ズレ検出用チャートDCの濃度変化を捉えやすく、補正を正確に行える。
また、補正部27は、上述した濃淡のピークを検出する際に、図7に示すように、ズレ検出用チャートDCのB(ブルー)の成分について、第1の線分L1及び第2の線分L2の長さ方向における階調値の平均値を求め、この平均値に基づいてズレを求めるようにするのが好ましい。具体的には、図8に示すように、各階調値についてさらに分散値を求めることが好ましい。分散値が高い箇所は、ブラック(K)とイエロー(Y)の重なりが多い部分を表し、分散値が低い箇所は、ブラック(K)とイエロー(Y)の重なりが少ない部分を表す。これらの箇所と基準との差分からズレを求めることができる。
このようにしてズレを求めることにより、ズレ検出用チャートDCの各線分L1,L2方向に濃度成分の分布にバラツキがあっても正確に印刷タイミングを補正できる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、ズレ検出用チャートDCが図3に示すように、第1の線分L1と第2の線分L2とが平行に形成されているが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、図9に示すようなズレ検出用チャートDCを採用してもよい。
このズレ検出用チャートDCは、第1の線分群L1gは上述した実施例と同様に形成されているが、第2の線分群L2gが異なる。具体的には、第2の線分L2gが、第1の線分群L1gの線分方向に濃度の傾斜を有する。濃度の傾斜は、線分L1,L2の長さを、長さ方向に直交する方向に5個の領域AR1〜AR5に分割し、領域AR1〜AR5ごとにイエロー(Y)の濃度が濃い部分が異なるように第2の線分群L2g(濃度傾斜線分群)を形成する。このようにすることで、一つのズレ検出用チャートDCによって、5個の濃淡のピークが得られ、それぞれの基準からズレを平均する等することで、ズレを正確に求めることができる。
(2)上述した実施例では、連続紙WPを印刷媒体の一例として挙げているが、本発明は、印刷媒体が連続紙WPに限定されるものではなく、例えば、枚葉紙やフィルムなどにも適用できる。
(3)上述した実施例では、印刷装置としてインクジェット式を例示した。しかしながら、本発明は、印刷ヘッドが紙送り方向に離間して配置された構成の印刷装置であれば適用することができる。
(4)上述した実施例では、基準印刷ヘッドを印刷ヘッド19aとしているが、他の印刷ヘッド19b〜19のいずれかを基準としてもよい。また、上述した実施例では、後続印刷ヘッドを印刷ヘッド19dとしているが、基準印刷ヘッドと異なるものであれば他の印刷ヘッド19a〜eのいずれかを採用してもよい。
(5)上述した実施例では、ズレ検出用チャートDCのカラー画像のうち、B(ブルー)の成分に基づきズレを判別しているが、本発明はこのような形態に限定されない。インク滴が上述したKCMYとは異なる場合には、B(ブルー)以外の異なる色成分に基づいてズレを求めるようにしてもよい。
WP … 連続紙
3 … インクジェット印刷装置
13 … 印刷ユニット
19、19a〜19d … 印刷ヘッド
21 … インクジェットノズル
25 … 制御部
27 … 補正部
DC … ズレ検出用チャート
PA … 印刷領域
PS … 印刷開始マーク
L1 … 第1の線分
L2 … 第2の線分
L1g … 第1の線分群
L2g … 第2の線分群
本発明は、印刷媒体の搬送方向に離間して配置された複数個の印刷ヘッドにより印刷を行う印刷装置に関する。
従来、この種の装置として、印刷ヘッドと、第1ガイドローラと、第2ガイドローラと、ロータリエンコーダと、駆動ローラとを備えた印刷機がある(例えば、特許文献1参照)。
この印刷機では、連続紙の搬送経路における上流側から順に、第1ガイドローラと、第2のガイドローラと、駆動ローラとを配置し、第1ガイドローラと第2ガイドローラとの間に印刷ヘッドを配置して構成されている。印刷は、連続紙の搬送速度に基づいて印刷ヘッドからインク滴の吐出タイミングを調整しつつ行われる。
印刷品質は、連続紙の搬送速度とインクジェットヘッドからのインク滴の吐出タイミングが影響する。そこで、連続紙の搬送速度は、印刷ヘッドの下流側の第2ガイドローラの回転数をロータリエンコーダで検出することで行い、これに基づいて印刷ヘッドからの吐出タイミングを調整している。これにより、印刷ヘッドの近くにおける搬送速度の変動を的確に検出して、インク滴の吐出タイミングを調整できるので、搬送速度の変動に起因する見当ズレを抑制して印刷品質の向上を図ることができる。
特開2010−158814号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、連続紙の搬送速度に基づきインク滴の吐出タイミングを調整しているとはいえ、ロータリエンコーダからの間接的な情報に基づいて行われているので、連続紙の搬送速度の変動に起因する見当ズレが残ることがある。特に、印刷機の解像度が高い場合には、極微小な見当ズレの残りであっても印刷品質が低下するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、印刷媒体から搬送速度に関連する情報を直接的に得ることにより、搬送速度の変動に起因する極微小な見当ズレも抑制して印刷品質を向上させることができる印刷装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、印刷媒体に印刷を行う印刷装置であって、印刷媒体を搬送する搬送手段と、前記印刷媒体の搬送方向に離間して配置され、前記印刷媒体に画像を印刷する複数個の印刷ヘッドと、前記印刷ヘッドで印刷された前記印刷媒体を撮影する撮影手段と、前記複数個の印刷ヘッドのうち、搬送方向における印刷の基準位置となる基準印刷ヘッドにより、搬送方向と直交する方向に延伸する第1の線分を前記搬送方向に所定間隔で前記印刷媒体に複数印刷して形成された第1の線分群と、前記複数個の印刷ヘッドのうち、前記基準印刷ヘッドから搬送方向に離間して配置された後続印刷ヘッドにより、第2の線分を、各々が前記第1の線分群の線分方向に濃度の傾斜を有するように、前記第1の線分群に合わせて形成された第2の線分群とを備えたズレ検出用チャートを形成するズレ検出用チャート形成手段と、前記撮影手段で撮影された前記ズレ検出用チャートの濃度変化に基づいて、前記基準印刷ヘッドに対する後続印刷ヘッドによる印刷タイミングを補正する補正手段と、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、ズレ検出用チャート形成手段が形成したズレ検出用チャートは、搬送手段による印刷媒体の搬送速度が変動すると、第1の線分群と濃度傾斜線分群である第2の線分群との重なり具合が変化し、ズレ検出用チャートのいずれか一方に濃度が高い部分または濃度が低い部分が移動する。補正手段は、撮影手段で撮影されたズレ検出用チャートにおけるその濃度変化に基づいて、基準印刷ヘッドに対する後続印刷ヘッドによる印刷タイミングを補正する。したがって、印刷媒体の搬送速度に関連する情報をズレ検出用チャートから直接的に得るので、搬送速度の変動に起因する極微小な見当ズレも抑制して印刷品質を向上させることができる。
また、本発明において、前記印刷基準ヘッドは、第1の色で前記印刷媒体に印刷を行い、前記後続印刷ヘッドは、前記第1の色とは異なる第2の色で前記印刷媒体に印刷を行うものであり、前記第1の線分及び前記第2の線分の長さをその長さ方向に交差する方向にn個(n>1)の領域に分割したときに、前記後続印刷ヘッドは、前記n個の領域ごとに前記第2の色の濃度が濃い部分が異なるように前記第2の線分群を形成するが好ましい(請求項2)。
1つのズレ検出用チャートからn個の濃淡変化が得られる。
また、本発明において、前記補正手段は、前記撮影手段で撮影されたズレ検出用チャートの前記n個の領域ごとの前記搬送方向における濃度変化に基づいて、前記基準印刷ヘッドに対する後続印刷ヘッドによる印刷タイミングを補正することが好ましい(請求項3)。
1つのズレ検出用チャートからn個の濃淡変化が搬送方向において得られるので、それぞれの基準からのズレにより、ズレを正確に求めることができる。
また、本発明において、前記補正手段は、前記ズレ検出用チャートにおける前記n個の濃淡ピークに基づいて、前記基準印刷ヘッドに対する後続印刷ヘッドによる印刷タイミングを補正することが好ましい(請求項4)。
1つのズレ検出用チャートからn個の濃淡のピークが得られるので、それぞれの基準からのズレにより、ズレを正確に求めることができる。
(削除)
(削除)
(削除)
(削除)
本発明に係る印刷装置によれば、ズレ検出用チャート形成手段が形成したズレ検出用チャートは、搬送手段による印刷媒体の搬送速度が変動すると、第1の線分群と濃度傾斜線分群である第2の線分群との重なり具合が変化し、ズレ検出用チャートのいずれか一方に濃度が高い部分または濃度が低い部分が移動する。補正手段は、撮影手段で撮影されたズレ検出用チャートにおけるその濃度変化に基づいて、基準印刷ヘッドに対する後続印刷ヘッドによる印刷タイミングを補正する。したがって、印刷媒体の搬送速度に関連する情報をズレ検出用チャートから直接的に得るので、搬送速度の変動に起因する極微小な見当ズレも抑制して印刷品質を向上させることができる。
実施例に係るインクジェット印刷システムの全体を示す概略構成図である。 連続紙と各印刷ヘッドとの平面視における位置関係を示す模式図である。 ズレ検出用チャートの実例を拡大した図である。 搬送速度に変動がない場合のズレ検出用チャートと階調値の分布を示すグラフである。 搬送速度に変動がある場合のズレ検出用チャートと階調値の分布を示すグラフである。 ズレ検出用チャートのカラー画像と、それをRGBに分解した画像である。 ズレ検出用チャートの階調値の平均値を示すグラフである。 階調値の分散値を示すグラフである。 ズレ検出用チャートの変形例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。
図1は、実施例に係るインクジェット印刷システムの全体を示す概略構成図であり、図2は、連続紙と各印刷ヘッドとの平面視における位置関係を示す模式図である。
実施例に係るインクジェット印刷システムは、給紙部1と、インクジェット印刷装置3と、排紙部5とを備えている。
給紙部1は、ロール状の連続紙WPを水平軸周りに回転可能に保持し、インクジェット印刷装置3に対して連続紙WPを巻き出して供給する。排紙部5は、インクジェット印刷装置3で印刷された連続紙WPを水平軸周りに巻き取る。連続紙WPの供給側を上流とし、連続紙WPの排紙側を下流とすると、給紙部1はインクジェット印刷装置3の上流側に配置されており、排紙部5はインクジェット印刷装置3の下流側に配置されている。
インクジェット印刷装置3は、給紙部1からの連続紙WPを取り込むための駆動ローラ7を上流側に備えている。駆動ローラ7によって給紙部1から巻き出された連続紙WPは、複数個の搬送ローラ9に沿って下流の排紙部5に向かって搬送される。最下流の搬送ローラ9と排紙部5との間には、駆動ローラ11が配置されている。この駆動ローラ11は、搬送ローラ9上を搬送されている連続紙WPを排紙部5に向かって送り出す。
なお、上記のインクジェット印刷装置3が本発明における「印刷装置」に相当する。また、上記の駆動ローラ7,11と搬送ローラ9とが本発明における「搬送手段」に相当し、連続紙WPが本発明における「印刷媒体」に相当する。
インクジェット印刷装置3は、駆動ローラ7と駆動ローラ11との間に、印刷ユニット13と、乾燥部15と、検査部17とを上流側からその順序で備えている。乾燥部15は、印刷ユニット13によって印刷された部分の乾燥を行う。検査部17は、印刷面における画像を収集し、画像に汚れや抜け等がないかを検査する。
なお、上述した検査部17が本発明における「撮影手段」に相当する。
印刷ユニット13は、インク滴を吐出する複数個の印刷ヘッド19を備えている。本実施例では、印刷ヘッド19が4個備えられている構成を例にとって説明する。
各印刷ヘッド19は、上流側から順に、印刷ヘッド19aと、印刷ヘッド19bと、印刷ヘッド19cと、印刷ヘッド19dである。本明細書では、各印刷ヘッド19を区別する必要がある場合には、符号19に符号(aなど)を付加するが、区別する必要がない場合には、符号19のみとする。各印刷ヘッド19は、それぞれインク滴を吐出する複数個のインクジェットノズル21を備えている。複数個のインクジェットノズル21は、連続紙WPの搬送方向と、連続紙WPの搬送方向と直交する方向とに配置されている。これらの印刷ヘッド19a〜19dは、少なくとも2色のインク滴を吐出し、連続紙WPに多色印刷が可能に構成されている。ここでは、例えば、印刷ヘッド19aがブラック(K)のインク滴を吐出し、印刷ヘッド19bがシアン(C)のインク滴を吐出し、印刷ヘッド19cがマゼンタ(M)のインク滴を吐出し、印刷ヘッド19dがイエロー(Y)のインク滴を吐出する。各印刷ヘッド19a〜19dは、ブラック(K)のインク滴を吐出する印刷ヘッド19aの位置を基準として、搬送方向に沿って所定距離だけ互いに離間して配置されている。
制御部25は、図示しないCPUやメモリを備えている。制御部25は、図示しない外部コンピュータから印刷データを受け取って、印刷データを印刷処理用データに変換した後、駆動ローラ7,11を操作して連続紙WPを搬送させつつ、印刷処理用データに応じて印刷ヘッド19からインク滴を吐出させ、印刷データに基づく画像を連続紙WPに印刷させる。制御部25は、以下に説明するような、連続紙WPの搬送方向における搬送速度の変動を検出するためのズレ検出用チャートの印刷処理用データを予め記憶している。インクジェット印刷システムのオペレータがズレ検出用チャートの印刷を指示しておくと、制御部25は、ズレ検出用チャートの印刷処理用データを読み出して、駆動ローラ7,11及び印刷ヘッド19を操作してズレ検出用チャートを連続紙WPに印刷させる。
補正部27は、後述するように、ズレ検出用チャートを用いて得られたズレに関する補正値を算出する。算出された補正値は、制御部25に与えられる。制御部25は、印刷処理用データに応じて印刷ヘッド19からインク滴を吐出させる際のタイミングを、与えられた補正値に基づいて逐次的に補正する。
なお、上述した補正部27が本発明における「補正手段」に相当する。
図2に示すように、ズレ検出用チャートDCは、連続紙WPの印刷領域PAの外に印刷される。印刷領域PAの上流側には、搬送方向における印刷の開始位置を示すための印刷開始マークPSが形成されている。ズレ検出用チャートDCは、印刷開始マークPSの後部にできるだけ小さく形成されることが好ましい。印刷開始マークPSの直後に配置することで、印刷領域PAの終わり付近に印刷するのに比較して、早いタイミングで補正を行うことができる。また、印刷範囲PA外で、かつ、できるだけ小さくズレ検出用チャートDCを形成することで、反対面にズレ検出用チャートDCが形成されている場合に濃度検出に与える影響を抑制できる。
次に、図3を参照してズレ検出用チャートDCについて説明する。なお、図3は、ズレ検出用チャートの実例を拡大した図である。
ズレ検出用チャートDCは、4個の印刷ヘッド19のうち、連続紙WPに対して最先に吐出を行うブラック(K)のインク滴を吐出する印刷ヘッド19aにより、搬送方向と直交する方向に第1の線分L1を所定間隔で連続紙WPに複数印刷して形成された第1の線分群L1gと、4個の印刷ヘッド19のうち、印刷ヘッド19aから搬送方向に離間して最下流に配置されたイエロー(Y)のインク滴を吐出する印刷ヘッド19dにより、第2の線分L2を、上流側の第1の線分L1から下流側の第1の線分L1に向かって第1の線分L1との間隔dが順次狭くなり、その後、第1の線分L1との間隔dが順次広くなるように、第1の線分群L1gに合わせて形成された第2の線分群L2gとを備えている。
ズレ検出用チャートDCは、上述した形態の他、第2の線分L2を、上流側の第1の線分L1から下流側の第1の線分L1に向かって第1の線分L1との間隔dが順次広くなり、その後、第1の線分L1との間隔dが順次狭くなるように、第1の線分群L1gに合わせて形成された第2の線分群L2gとを備えるようにしてもよい。
なお、上述した印刷ヘッド19aが本発明における「基準印刷ヘッド」に相当し、印刷ヘッド19dが本発明における「後続印刷ヘッド」に相当し、印刷ヘッド19a、19dが本発明における「ズレ検出用チャート形成手段」に相当する。
次に、図4及び図5を参照する。なお、図4は、搬送速度に変動がない場合のズレ検出用チャートと階調値の分布を示すグラフであり、図5は、搬送速度に変動がある場合のズレ検出用チャートと階調値の分布を示すグラフである。
連続紙WPに印刷されたズレ検出用チャートDCは、検査部17によって撮影される。検査部17は、印刷領域PAを含む連続紙WPの全幅にわたって撮影し、その画像データに基づいて印刷領域PAの検査を行う。さらに、本実施例では、補正部27が、検査部17が撮影した画像データのうち、ズレ検出用チャートDCの濃度分布を階調値として取り出す。図4は、第1の線分群L1gと第2の線分群L2gとがずれていない、つまり、印刷ヘッド19aで印刷されている時点と、印刷ヘッド19dで印刷されている時点とで、連続紙WPの搬送速度が変動していない状態を示す。この基準となる状態では、イエロー(Y)のインク滴による中央の第2の線分L2による階調値が最も高い。補正部27は、この位置を基準として予め記憶している。
図5は、一例として、第2の線分群L2gが、第1線分群L1gの上流側にずれている状態を示している。これは、印刷ヘッド19aによる印刷時点よりも、印刷ヘッド19dによる印刷時点で、連続紙WPの搬送速度が早くなったことを示す。つまり、基準となる図4に対して、階調値のピークが上流側に移動したことで判別することができる。補正部27は、この階調値のピーク位置からのズレ量に基づいて、印刷ヘッド19dからのインク滴の吐出タイミングを補正する補正値を制御部25に与える。また、印刷ヘッド19bと印刷ヘッド19cは、印刷ヘット19aと印刷ヘッド19dとの位置関係が既知であるので、その位置関係に基づいて搬送速度の変動に起因するズレを補正するための補正値が補正部27によって求められて、その補正値が制御部25に与えられる。
なお、補正部27は、ズレ検出用チャートDCにおける濃度(階調値)の変化に基づいて搬送速度の変動をズレとして検出し、ズレを補正するための補正値を決定する。したがって、検査部17によって撮影される画像データは、印刷解像度よりも低い解像度であってもよい。したがって、検査部17の構成を簡易化することができ、装置コストを抑制することができる。
本実施例によると、印刷ヘッド19a、19dが形成したズレ検出用チャートDCは、駆動ローラ7,11と搬送ローラ9による連続紙WPの搬送速度が変動すると、第1の線分群L1gと第2の線分群L2gとの重なり具合が変化し、ズレ検出用チャートDCのいずれか一方に濃度が高い部分が移動する。補正部27は、検査部17で撮影されたズレ検出用チャートDCにおけるその濃度変化に基づいて、印刷ヘッド19aに対する印刷ヘッド19dによる印刷タイミングを補正する。したがって、連続紙WPの搬送速度に関連する情報をズレ検出用チャートDCから直接的に得るので、搬送速度の変動に起因する極微小な見当ズレも抑制して印刷品質を向上できる。
ここで、図6〜8を参照して、ズレ検出用チャートDCの好ましい処理について説明する。なお、図6は、ズレ検出用チャートのカラー画像と、それをRGBに分解した画像であり、図7は、ズレ検出用チャートの階調値の平均値を示すグラフであり、図8は、階調値の分散値を示すグラフである。
補正部27は、ズレ検出用チャートDCの画像データを検査部17から受け取る。その画像データは、図6の左側に示すようにカラー画像であるので、そのカラーの画像データを、図6の右側に示すようにR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)のチャネルに分解する。そして、そのうちのB(ブルー)の成分において濃淡が明瞭に判別できるので、これを用いて上述したズレを判別することが好ましい。
これにより、ズレ検出用チャートDCの濃度変化を捉えやすく、補正を正確に行える。
また、補正部27は、上述した濃淡のピークを検出する際に、図7に示すように、ズレ検出用チャートDCのB(ブルー)の成分について、第1の線分L1及び第2の線分L2の長さ方向における階調値の平均値を求め、この平均値に基づいてズレを求めるようにするのが好ましい。具体的には、図8に示すように、各階調値についてさらに分散値を求めることが好ましい。分散値が高い箇所は、ブラック(K)とイエロー(Y)の重なりが多い部分を表し、分散値が低い箇所は、ブラック(K)とイエロー(Y)の重なりが少ない部分を表す。これらの箇所と基準との差分からズレを求めることができる。
このようにしてズレを求めることにより、ズレ検出用チャートDCの各線分L1,L2方向に濃度成分の分布にバラツキがあっても正確に印刷タイミングを補正できる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、ズレ検出用チャートDCが図3に示すように、第1の線分L1と第2の線分L2とが平行に形成されているが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、図9に示すようなズレ検出用チャートDCを採用してもよい。
このズレ検出用チャートDCは、第1の線分群L1gは上述した実施例と同様に形成されているが、第2の線分群L2gが異なる。具体的には、第2の線分L2gが、第1の線分群L1gの線分方向に濃度の傾斜を有する。濃度の傾斜は、線分L1,L2の長さを、長さ方向に直交する方向に5個の領域AR1〜AR5に分割し、領域AR1〜AR5ごとにイエロー(Y)の濃度が濃い部分が異なるように第2の線分群L2g(濃度傾斜線分群)を形成する。このようにすることで、一つのズレ検出用チャートDCによって、5個の濃淡のピークが得られ、それぞれの基準からズレを平均する等することで、ズレを正確に求めることができる。
(2)上述した実施例では、連続紙WPを印刷媒体の一例として挙げているが、本発明は、印刷媒体が連続紙WPに限定されるものではなく、例えば、枚葉紙やフィルムなどにも適用できる。
(3)上述した実施例では、印刷装置としてインクジェット式を例示した。しかしながら、本発明は、印刷ヘッドが紙送り方向に離間して配置された構成の印刷装置であれば適用することができる。
(4)上述した実施例では、基準印刷ヘッドを印刷ヘッド19aとしているが、他の印刷ヘッド19b〜19のいずれかを基準としてもよい。また、上述した実施例では、後続印刷ヘッドを印刷ヘッド19dとしているが、基準印刷ヘッドと異なるものであれば他の印刷ヘッド19a〜eのいずれかを採用してもよい。
(5)上述した実施例では、ズレ検出用チャートDCのカラー画像のうち、B(ブルー)の成分に基づきズレを判別しているが、本発明はこのような形態に限定されない。インク滴が上述したKCMYとは異なる場合には、B(ブルー)以外の異なる色成分に基づいてズレを求めるようにしてもよい。
WP … 連続紙
3 … インクジェット印刷装置
13 … 印刷ユニット
19、19a〜19d … 印刷ヘッド
21 … インクジェットノズル
25 … 制御部
27 … 補正部
DC … ズレ検出用チャート
PA … 印刷領域
PS … 印刷開始マーク
L1 … 第1の線分
L2 … 第2の線分
L1g … 第1の線分群
L2g … 第2の線分群

Claims (6)

  1. 印刷媒体に印刷を行う印刷装置であって、
    印刷媒体を搬送する搬送手段と、
    前記印刷媒体の搬送方向に離間して配置され、前記印刷媒体に画像を印刷する複数個の印刷ヘッドと、
    前記印刷ヘッドで印刷された前記印刷媒体を撮影する撮影手段と、
    前記複数個の印刷ヘッドのうち、搬送方向における印刷の基準位置となる基準印刷ヘッドにより、搬送方向と直交する方向に第1の線分を所定間隔で前記印刷媒体に複数印刷して形成された第1の線分群と、前記複数個の印刷ヘッドのうち、前記基準印刷ヘッドから搬送方向に離間して配置された後続印刷ヘッドにより、第2の線分を、一方側の前記第1の線分から他方側の前記第1の線分に向かって前記第1の線分との間隔が順次狭くなり、その後、前記第1の線分との間隔が順次広くなるように、または、一方側の前記第1の線分から他方側の前記第1の線分に向かって前記第1の線分との間隔が順次広くなり、その後、前記第1の線分との間隔が順次狭くなるように、前記第1の線分群に合わせて形成された第2の線分群とを備えたズレ検出用チャートを形成するズレ検出用チャート形成手段と、
    前記撮影手段で撮影された前記ズレ検出用チャートの濃度変化に基づいて、前記基準印刷ヘッドに対する後続印刷ヘッドによる印刷タイミングを補正する補正手段と、
    を備えていることを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記ズレ検出用チャート形成手段は、前記印刷媒体のうち、印刷領域外に印刷される印刷開始マークに続いて前記ズレ検出用チャートを形成することを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1または2に記載の印刷装置であって、
    前記補正手段は、前記撮影手段で撮影されたズレ検出用チャートを複数色の色成分に分解し、当該分解した色成分の一つの成分に基づいて前記印刷タイミングを補正することを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記補正手段は、前記色成分の一つの成分の前記各線分の長さ方向における階調値の平均値に基づいて前記印刷タイミングを補正することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項3または4に記載の印刷装置であって、
    前記基準印刷ヘッドがブラックの印刷を行い、前記後続印刷ヘッドがイエローの印刷を行う場合には、
    前記補正手段は、前記撮影手段で撮影されたズレ検出用チャートの色成分のうち、ブルーの成分に基づいて前記印刷タイミングを補正することを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項5に記載の印刷装置であって、
    前記補正手段は、前記ズレ検出用チャートのブルーの成分を前記各線分の長さ方向における階調値の平均値に基づいて前記印刷タイミングを補正することを特徴とする印刷装置。
JP2019020700A 2015-03-27 2019-02-07 印刷装置 Active JP6900409B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019020700A JP6900409B2 (ja) 2015-03-27 2019-02-07 印刷装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015066616A JP6480231B2 (ja) 2015-03-27 2015-03-27 印刷装置
JP2019020700A JP6900409B2 (ja) 2015-03-27 2019-02-07 印刷装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015066616A Division JP6480231B2 (ja) 2015-03-27 2015-03-27 印刷装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019069625A true JP2019069625A (ja) 2019-05-09
JP6900409B2 JP6900409B2 (ja) 2021-07-07

Family

ID=66440423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019020700A Active JP6900409B2 (ja) 2015-03-27 2019-02-07 印刷装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6900409B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210166363A1 (en) * 2019-11-29 2021-06-03 Ricoh Company, Ltd. Information processing apparatus, control method for information processing apparatus, image forming system, and non-transitory computer-readable storage medium

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003039793A (ja) * 2001-07-27 2003-02-13 Fuji Xerox Co Ltd 記録位置調整用パターンの形成方法、画像記録位置調整方法、記録位置調整用パターン形成装置及び画像記録装置
JP2004264556A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Ricoh Co Ltd 位置ずれ量検出方法、位置ずれ量検出装置および画像形成装置
JP2005271372A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置及び画像形成位置の補正方法
JP2011064825A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2014069322A (ja) * 2012-09-27 2014-04-21 Riso Kagaku Corp 画像形成装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003039793A (ja) * 2001-07-27 2003-02-13 Fuji Xerox Co Ltd 記録位置調整用パターンの形成方法、画像記録位置調整方法、記録位置調整用パターン形成装置及び画像記録装置
JP2004264556A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Ricoh Co Ltd 位置ずれ量検出方法、位置ずれ量検出装置および画像形成装置
JP2005271372A (ja) * 2004-03-24 2005-10-06 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置及び画像形成位置の補正方法
JP2011064825A (ja) * 2009-09-15 2011-03-31 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2014069322A (ja) * 2012-09-27 2014-04-21 Riso Kagaku Corp 画像形成装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210166363A1 (en) * 2019-11-29 2021-06-03 Ricoh Company, Ltd. Information processing apparatus, control method for information processing apparatus, image forming system, and non-transitory computer-readable storage medium
US11776111B2 (en) * 2019-11-29 2023-10-03 Ricoh Company, Ltd. Information processing apparatus, control method for information processing apparatus, image forming system, and non-transitory computer-readable storage medium for detection of malfunction of conveying device that conveys medium to print engine of image forming apparatus and correction of amount of conveyance performed by the conveying device based on the detection

Also Published As

Publication number Publication date
JP6900409B2 (ja) 2021-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7484821B2 (en) Method of determining ink ejection method, printing apparatus, and method of manufacturing printing apparatus
US8842330B1 (en) Method to determine an alignment errors in image data and performing in-track alignment errors correction using test pattern
US20150210070A1 (en) Printing apparatus and processing method therefor
US8842331B1 (en) Multi-print head printer for detecting alignment errors and aligning image data reducing swath boundaries
EP2927004B1 (en) Printing apparatus, method for controlling printing apparatus, and program
US9452603B1 (en) Printing apparatus
JP2012101441A (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
US9623685B2 (en) Inspecting chart and printing apparatus
US9684859B2 (en) Registration correction for continuous printing
CN109551904B (zh) 基材处理装置以及检测方法
US9067412B2 (en) Printing apparatus and method of correcting step shift thereof
JP6900409B2 (ja) 印刷装置
JP2019034501A (ja) インクジェット印刷装置、および、インクジェット印刷方法
US9085169B2 (en) Inkjet printing apparatus and method of correcting step shift thereof
JP2018134758A (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP2019059034A (ja) インクジェット印刷装置および濃淡補正方法
JP7169825B2 (ja) 補正方法およびインクジェット印刷装置
US20160031668A1 (en) Transport Apparatus and Recording Apparatus
JP2011167920A (ja) 印刷装置
JP5616809B2 (ja) 画像記録装置および画像記録方法
JP2016107429A (ja) 検査装置、画像形成装置、及び検査方法、プログラム
US11312154B2 (en) Method and device for improving the print image uniformity of a printed print image
JP2013136170A (ja) インクジェット印刷装置およびチャート
US20160078330A1 (en) Printing apparatus and printing method

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190307

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200324

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210525

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210616

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6900409

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150