JP2019068791A - 陸上養殖用池構造及びそれを用いた陸上養殖方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 巡回流形成のための機構が極めて単純で安価であり、水流速度も温和で、稚魚や稚エビの養生に適した陸上養殖用池構造と、それを用いた陸上養殖方法とを提供する。【解決手段】 流入口5より入った水が主散気部3からの気流AFにより池本体2の側壁に沿って迂回しつつ流出口4に流れ、池本体2の側壁内周に沿った緩やかな巡回流を定常的に形成できる。極めて簡単な機構によりながら、酸欠等の水流死角が池本体2内に形成されにくくなり、より個体数密度の高い陸上養殖が可能となる。また、形成される水流は緩やかであり、稚エビや稚魚など養殖対象種が小さい場合も、水流に逆らった遊泳が容易となり、ストレスが溜まりにくく、死滅率の低い健全な養殖状態を維持できる。【選択図】 図11

Description

この発明は陸上養殖用池構造及びそれを用いた陸上養殖方法に関するものである。
陸上養殖用の池構造(水槽)に関し、酸欠等の水流死角の形成を抑制したり、稚エビなどを水流に逆らって遊泳させことでその脱皮を促したりする目的で、池内に巡回流を発生させる機構を備えたものが種々提案されている。その方式には大別して2つあり、特許文献1、2には、円形ないし正方形状の水槽を用い、水巡回の接線方向に気流を噴出する散気管を池の側壁内周方向に沿って複数配置する方式が開示されている。
一方、特許文献3〜6には、長円形状の池の幅方向中央を池長手方向に沿う壁部で仕切ることにより、円弧状の池の両端部分を水流の方向変換部とする形で池内周縁に沿った巡回経路を形成し、その途中に水流ポンプないし一方向に気流を噴射する散気管を配置し、該経路に沿った巡回流を発生させる方式が開示されている。
特開2003−265065号公報 特許 3053793号公報 特開2003−235391号公報 特開2003−284451号公報 特開2005− 95137号公報 特開2011−010645号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示された方式は、池の内周縁形状に合わせた散気管をその都度作成したり、あるいは巡回流の確実な形成のために周方向に沿って多数の散気部を配置したりしなければならず、大きなコストアップにつながる欠点がある。また、水に巡回経路の全周に沿って多数の散気ポイントが形成されることから、巡回水流速度が大きくなりすぎ、稚エビや稚魚など養殖対象種が小さい場合は、水流に逆らった遊泳が困難となり、ストレスが溜まりやすくなる懸念もある。
一方、特許文献3〜6の長円形の池を用いる方法は、横長でかつ中央に仕切り壁を設けた特殊な池構造が常に必要となる。また、長円形の池の内側を長手方向に往復する巡回経路の総延長が大きく、巡回流形成のための散気量やポンプ流量も大きく設定しなければならない。これらは、いずれも池構造全体のコストアップを招く要因となる。
本発明の課題は、巡回流形成のための機構が極めて単純で安価であり、水流も温和で稚魚や稚エビの養生に適した陸上養殖用池構造と、それを用いた陸上養殖方法とを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の陸上養殖用池構造は、
方形の底部を有するとともにその周縁に沿って側壁が形成された池本体と、池本体を満たす水中に沈める形で底部上に配置され、外部から供給される酸素含有気体を水面に向けて噴き上げる主散気部と、一端に池本体の水を流出させる流出口が形成され、他端に池本体に水を流入させる流入口が形成された循環管路と、循環管路上に設けられた循環ポンプとを備え、
池本体の方形の平面外形線において、互いに隣接する二辺のうち第一辺に沿う向きを幅方向、第二辺に沿う向きを奥行方向と定義したとき、循環管路の流入口が奥行方向第一端側にて幅方向第一端側に寄せて開口形成される一方、流出口が幅方向第二端側にて、奥行方向における流入口と奥行方向第二端側壁部との間に位置するように開口形成され、
主散気部の底部における配置位置が、奥行方向においては奥行方向第二端側壁部からの距離が流入口と流出口とを結ぶ仮想線からの距離よりも小さくなり、かつ、幅方向においては幅方向中心線からの距離が、流入口及び流出口のいずれからの距離よりも小さくなるように定められ、
主散気部が形成する、奥行方向第二端側壁部と幅方向第二端側壁部とに沿う壁面流に、流入口からの流れの一部を取り込みつつ合流させ、流入口から幅方向第一端側壁部、奥行方向第二端側壁部及び幅方向第二端側壁部に順次沿って流出口に向けて流れる迂回巡回流を形成するようにしたことを特徴とする。
また、本発明の陸上養殖方法は、上記本発明の陸上養殖用池構造を使用し、池本体に魚類又は甲殻類よりなる被養殖物を迂回巡回流中にて遊泳させつつ養殖することを特徴とする。
上記の位置関係で水循環のための流入口及び流出口とを池本体に形成し、池底部に上記の位置関係で主散気部を配置することで、流入口より入った水が主散気部からの気流により池本体の側壁に沿って迂回しつつ流出口に向かう流れが形成され、ひいては池本体の側壁内周に沿った緩やかな巡回流を定常的に形成できるようになる。その結果、極めて簡単な機構によりながら、酸欠等の水流死角が池本体内に形成されにくくなり、より個体数密度の高い陸上養殖が可能となる。また、形成される水流は緩やかであり、稚エビや稚魚など養殖対象種が小さい場合も水流に逆らった遊泳が容易となり、ストレスが溜まりにくく、死滅率の低い健全な養殖状態を維持できる。本発明の陸上養殖方法の対象は特に限定されるものではないが、水流に逆らった遊泳を好み、それによって脱皮が促されるエビ、特に稚エビ段階での養殖に使用するのが好ましい。わけても、個体数密度を高めやすいバナメイエビの陸上養殖には好適である。
なお、流入口と流出口は、各々複数孔の開口として形成することも可能である。この場合、流入口と流出口の空間的な位置は、複数の開口の中心(幾何学的重心)の空間的な平均座標点により定められるものとする。
この発明の陸上養殖用池構造において、上記のような迂回巡回流が顕著に形成される理由は次のごとくである。すなわち、池本体はごく単純な方形平面形状に形成され、中の貯留水は池外部の循環管路を経てポンプにより循環流動される。その循環のための水の流入口は、奥行方向第一端側にて幅方向第一端側に寄せて開口形成される。他方、流出口は幅方向第二端側にて、流入口と奥行方向第二端側壁部との間に位置するように開口形成される。幾何学的な厳密性を無視して表現すれば、奥行方向第一端側の一方の角部付近にある流入口から池本体内に水が入り、幅方向においてこれと反対側にある側壁部(幅方向第二側壁部)の中間付近に開口する流出口から水が流れ出るイメージである。これにより、前記角部から池本体に入った水は、反対の側壁部中間付近に向け、上記の仮想線に沿って斜めに流れようとする。
他方、池の底部には、奥行方向においては奥行方向第二端側壁部からの距離が流入口と流出口とを結ぶ上記仮想線からの距離よりも小さくなり、かつ、幅方向においては、幅方向中心線からの距離が、流入口及び流出口のいずれからの距離よりも小さくなる位置に主散気部が配置される。これにより、池本体の幅方向の中間付近にて、流入口と流出口とを直結する仮想線(静的には水が最も流れやすい方向)から奥行方向に離間した位置に、気流が水面に向けて噴き上げられる。
例えば奥行方向にて手前幅方向の一方(例えば、左側とする)の角に流入口が位置するように池本体をみたとき、池奥側の水は幅方向他方(例えば右側とする)の側壁部中間に形成された流出口に向けて流れようとするが、上記主散気部からの放射状の気流により、奥側の側壁部(池奥方向第二側壁部)及び右側の側壁部(幅方向第二側壁部)に押しやられ、これら両側壁部に沿う壁面流を形成する。該壁面流により失われる池奥左側の水は、流入口から池奥側に向かう流れの一部を取り込むことで補われる。その結果、流入口から左側の側壁(幅方向第一端側壁部)、奥側の側壁(奥行方向第二端側壁部)及び右側の側壁(幅方向第二端側壁部)に順に沿って流出口に流れ込む迂回巡回流が形成されることとなる。
以下、本発明の陸上養殖用池構造と、それを用いた陸上養殖方法とにおいて、さらに付加可能な種々の要件について説明する。まず、本発明の陸上養殖用池構造には、幅方向中心線よりも幅方向第一端側壁部寄りにて、奥行方向における流入口と主散気部との間に補助散気部を配置することができる。このような補助散気部からの気流により、流入口から流出口へ直接向かおうとする流れの一部を、巡回流区間をなす幅方向第一端側壁部の側に誘導することができ、迂回巡回流の形成をより顕著なものとすることができる。
流出口が流入口の幅方向真正面に位置していると、水は池の内側をほとんど通らずに、奥行方向端部の側壁に沿って短絡して流れてしまい、迂回巡回流の形成が困難となる。一方、流入口に対し流出口が対角線方向反対側に位置している場合も、流通抵抗となる主散気部の両側に流れが多少迂回するだけで流出口に直接流れてしまい、巡回流の顕著な形成は見込めない。したがって、流出口は、奥行方向において、奥行方向中心線からの距離が、流入口からの距離及び奥行方向第二端側壁部からの距離のいずれよりも小さくなるように(つまり、幅方向第二側壁部の中央付近に対応する領域に)形成位置を定めておくことが、迂回巡回流を顕著に形成する観点において望ましい。
池本体は、池上面開口に沿って配置される懸架枠と接地面上にて懸架枠を下方から支持する支持柱体とを備えた支持枠体と、可撓姓樹脂シートにて底部と側壁とを一体的に形成するとともに、側壁をなす樹脂シート部分の上縁が懸架枠に結合され、内部に注水された状態にて支持枠体に懸架状態で支持される簡易貯水部とを備えたものとして構成できる。この場合、流出口は簡易貯水部の側壁をなす樹脂シートを貫通する形で開口形成することができる。可撓姓樹脂シートからなる簡易貯水部とその支持枠体で池本体を形成することで、陸上養殖用池構造の基本構成は大幅に軽量化かつ単純化できる。このような簡易貯水部は、樹脂シート製の側壁に流出口を貫通形成することが容易であり、水面と平行な流れ成分を主体に池本体内の水を流出口から排出でき、単に構成が簡易であるばかりでなく、本発明特有の巡回流の形成にも有利に貢献する。特に、循環管路の流出口の形成側末端を簡易貯水部の側壁の上部に結合し、該側壁を貫通する形で流出口を開口させるとともに、簡易貯水部内に貯留される水の上層部分を、該流出口を経て循環管路内に流入させるようにしておくと、湧き上がった後放射状の水面流を作る主散気部からの気流と、上層部の水を流出口から側方に導く流れとを、迂回巡回流の形成のためにより連携させやすくなる。
また、循環管路は、流入口の形成側末端が簡易貯水部の上方に配置されるとともに流入口を簡易貯水部内の水面に向けて下向きに開口するように形成しておくとさらによい。簡易貯水部に対し液面上方から水を流下させることにより、簡易貯水部の側壁部に流入口を孔設するための加工が不要となるばかりでなく、落下した水流を液面に沿って緩やかに広げることができる。その結果、形成される迂回巡回流の速度との整合も取りやすく、流入水特有の激流により被養殖物が受けるストレスを緩和することができる。
この場合、循環管路は、流出口から簡易貯水部の接地面よりも下方に位置する揚水ポイントまで単調に下る形で配設でき、揚水ポイントに設けられた循環ポンプにより簡易貯水部内の水面よりも上方に循環水を汲み上げつつ流入口に導くよう構成できる。流出口から接地面よりも下方の揚水ポイントまで下り形態の循環管路区間を設けることで、池本体から流出する水の位置エネルギーをより大きく確保することができ、迂回巡回流のより顕著な形成に貢献する。また、この下り形態の循環管路区間を利用してここに濾過槽を設けると、濾過槽の通過圧損が水の位置エネルギーにより補われるので、その通水速度が高められ濾過効率を向上することができる。この場合、循環管路の揚水ポイントよりも上流側に位置する部分の一部を、簡易貯水部の側方にて該簡易貯水部の接地面から掘り下げ形成された槽収容凹部内に配設し、該槽収容凹部内に循環水を濾過する濾過槽を設けておくと大型の濾過槽の設置も容易となる。
次に、簡易貯水部は、水を満たした状態において、側壁の下部から底部の外周縁に連なる移行部分の垂直断面形状を、外向きに凸となるアール面状に形成することができる。簡易貯水部の下部にこのようなアール面状の部分を形成しておくことで、池底部付近によどみが生じにくくなり、迂回巡回流の水深方向への広がりも確保しやすくなる。また、エビ(特に稚エビ)はこうしたアール面形状の区域に好んで集まって遊泳する習性があり、水中での活動を活発化させ、脱皮促進も図ることができる。さらに、アール面形状の区域は、エビを貯水部から収穫する際も網をふるいやすく、特に遊泳方向後ろ側(エビは流れに逆らって泳ぐので、迂回巡回流を前方から受け止める向きとなる)から網ですくうと、一度に大量のエビを網内に導くことができ、収穫時の作業効率を高めることができる。
上記のようなアール面形状の区域は、可撓性樹脂シートで構成された簡易貯水部を水で満たしたときに、側壁が水平方向に膨出する現象を利用すれば、より簡易に形成することができる。具体的には、簡易貯水部は、水を満たした状態にて底部の接地部が側壁の上部開口よりも小さくなるように移行部分の形状を調整しておくことができる。そして、垂直断面形状において上記の側壁は貯留水圧に基づき、上縁側から下縁側に向けて下り勾配形状にて外向きに張り出した後、極大点を経て内向きに収縮する形でアール面状の移行部分を形成しつつ接地面の外周縁に連なる膨出形態とすることができる。これにより、注水後の移行部分のアール面の半径をより大きく確保でき、前述の効果をさらに顕著に達成することが可能となる。
ただし、アール面状の移行部分は水圧に由来した展張力が相当なレベルに達するので、その移行部分の内面に補強材、例えば可撓性樹脂よりなる補強シートを積層しておくことが望ましい。また、支持枠体における支持柱体は、簡易貯水部の側壁上側部分に接する形で極大点よりも外側に位置する接地点に向け外向きに下る傾斜形態で配設されることになる。このような傾斜形態の支持柱体で、注水された簡易貯水部を支持するためには、構造学的に考えた場合、該支持柱体の下端部と底部の接地部分外縁とを底部支持体(例えば可撓姓樹脂シートにて形成されるもの)により突っ張り形態にて結合した構造としておくことが望ましい。すなわち、満水状態の簡易貯水部は静水圧により側方に膨らみつつ、高さ方向にはつぶれる形で変形しようとする。他方、外向き斜めに配設された支持柱体の全長は一定なので、簡易貯水部の高さ減少を伴うつぶれ変形により、支持柱体は外向きに開きつつ、その接地点が底部の接地部分外縁から遠ざかろうとする。そこで、支持柱体の下端部と底部の接地部分外縁とを可撓姓樹脂シートからなる底部支持体により結合しておくと、簡易貯水部のつぶれ変形力が底部支持体の突っ張り力に変換され、注水された簡易貯水部を強固に支持することができる。
また、上記のような簡易貯水部を土面上に配置すると、冬季や寒冷地での陸上養殖を遂行するにあたっても、接地面の冷気により貯留された水の底部が極度に冷たくなる不具合を解消することができる。特に、エビ養殖の場合、側壁の下部から底部外周縁に連なる移行部分をアール面状とすれば、該部分を好むエビが簡易貯水部の底部付近に集まる傾向が高くなる。このとき、池本体の底部が蓄冷能の大きいコンクリート壁等で形成されていると、温水(例えば25℃以上28℃以下)を好むエビの活動が鈍ったり、衰弱したりする不具合を招く可能性も高くなる。しかし、上記の簡易貯水部の底部は蓄冷能の低い可撓性樹脂シートであり、冷えにくい土面と接することで底部付近の水温を適温に維持しやすくなる。また、土面からの冷却作用が大きい場合には、土面と簡易貯水部の底部との間に断熱材層を配置することで、水温調整はさらに容易になる。
この場合、簡易貯水部の底部上に貯留水の加熱機構を配設しておけば、底部付近の水温を高める効果はさらに顕著となる。この加熱機構は、底部上に配設される液状加熱媒体の流通管路と、簡易貯水部の外に設けられ液状加熱媒体を昇温する媒体昇温部と、該媒体昇温部と流通管路との間で液状加熱媒体を循環送液させる媒体循環ポンプとを備えたものとして構成でき、貯留水は流通管路壁を介した液状加熱媒体からの伝熱により加熱することができる。このような液状加熱媒体を用いた加熱機構は、簡易貯水部の底部への設置が容易であり、かつ、流通管路を介した熱交換も穏やかであるため、水温が急上昇したりする問題も生じにくい。特に、流通管路は、樹脂ホースなどの可撓性材料で構成すると簡易貯水部の底部への設置はさらに容易となる。また、液状加熱媒体は温水でもよいが、エチレングリコールなど熱容量の高い有機流体で構成すると、加熱効率をより高めることができる。
本発明の作用及び効果の詳細については、「課題を解決するための手段」の欄にすでに記載したので、ここでは繰り返さない。
本発明の一実施形態にかかる陸上養殖用池構造の平面図。 同じく側面図。 同じく正面図。 池本体の要部を拡大して示す側面図。 懸架枠と簡易貯水部との結合構造の一例を示す断面図。 底部支持体による簡易貯水部と支持柱体との結合構造を示す断面図。 簡易貯水部の底部に形成されるアール面状部分を拡大して示す断面図。 循環配管の簡易貯水部側壁への取り付け構造の一例を示す断面図。 加熱機構の詳細を示す説明図。 簡易貯水部への注水方法の説明図。 図10Aに続く説明図。 図10Bに続く説明図。 迂回巡回流が形成される様子を示す説明図。 稚エビが水流に逆らって遊泳する様子を示す説明図。 循環経路の別の配設形態を示す説明図。
以下、本発明を実施するための形態について、添付の図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる陸上養殖用池構造の平面図、図2は側面図、図3は正面図である。陸上養殖用池構造1は、池本体2、主散気部3、循環管路6及び循環ポンプ7を要部として構成される。池本体2は、方形(本実施形態では長方形:正方形状でもよい)の底部2bを有するとともにその周縁に沿って側壁2sが形成されている。図11に示すように、主散気部3は、池本体2内にて水没させる形で底部2b上に配置され、外部から供給される酸素含有気体を水面に向けて噴き上げる。また、図1に示すように、循環管路6は、一端に池本体2の水を流出させる流出口4が形成され、他端に池本体2に水を流入させる流入口5が形成されており、その途上に循環ポンプ7が設けられている。
図1において、池本体2の長方形状の平面外形線において、互いに隣接する二辺のうち第一辺(短辺)に沿う向きを幅方向、第二辺(長辺)に沿う向きを奥行方向と定義する。循環管路6の流入口5は、奥行方向第一端側(図面下側)にて幅方向第一端側(図面左側)に寄せて開口形成されている。他方、流出口4は、幅方向第二端側(図面右側)にて、流入口5と奥行方向第二端側壁部WB2との間に位置するように開口形成されている。
流出口4は奥行方向にて2か所に分散して形成されており、その空間的な位置は、2つの流出口4の開口中心の空間座標の平均により代表させる。本実施形態においては、流出口4(上記平均的な位置で見た場合)は、奥行方向において、奥行方向中心線OWからの距離DCが、流入口5からの距離DB1及び奥行方向第二端側壁部WB2からの距離DB2のいずれよりも小さくなるように(つまり、幅方向第二側壁部WA2の中央付近に対応した領域に)配置されている。
また、主散気部3は、底部2bに対し、奥行方向においては奥行方向第二端側壁部WB2からの距離DA2が、流入口5と流出口4とを結ぶ仮想線VDLからの距離DA1よりも小さくなり、かつ、幅方向においては幅方向中心線OLからの距離dcが、流入口5からの距離da1及び流出口4からの距離da2のいずれよりも小さくなるように配置されている。また、本実施形態においては、さらに補助散気部8が、幅方向においては幅方向中心線OLよりも幅方向第一端側壁部WA1寄りとなり、奥行方向においては流入口5と主散気部3との中間となる位置に配置されている。補助散気部8は2つ配置されており、一方が奥行方向において流出口4と主散気部3との中間となる位置に、他方が同じく流入口4と流出口5との中間となる位置に、それぞれ配置されている。
主散気部3及び補助散気部8は、気孔を多数形成した散気板あるいは連通気孔が多数形成されたセラミック、樹脂ないし金属製の散気モジュール(いわゆるエアストーン)、あるいは旋回流式のマイクロバブルノズルなど周知の構成を有するものであり、気体供給管20を介してエアポンプ21により酸素含有気体としての空気が供給されるようになっている。図11に示すように、散気部3,8より噴出する空気中の酸素は池本体2内の水に溶解し、水中の養殖物SP(例えばエビ、本実施形態ではバナメイエビとする)が消費する酸素を補うとともに、水中にて噴き上げる気流AFにより、巡回流の形成を補助する役割を果たす。なお、酸素含有気体はボンベ等から供給される純酸素であってもよいし、酸素濃縮装置等により酸素富化された空気であってもよい。
次に、図1〜図3において池本体2は、池上面開口に沿って配置される懸架枠9と接地面GS(図2及び図3)上にて懸架枠9を下方から支持する支持柱体10とを備えた支持枠体11と、可撓姓樹脂シート(例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂等)にて底部2bと側壁2sとが一体的に形成された簡易貯水部12とを備える。簡易貯水部12は、側壁2sをなす樹脂シート部分の上縁が懸架枠9に結合され、内部に注水された状態にて支持枠体11に懸架状態で支持される。本実施形態において、簡易貯水部12は奥行方向寸法が例えば9.8m、幅方向寸法が4.9m、高さが1.3m程度であり、満水水位1.0〜1.1mにて貯水量はおおむね50tである。
懸架枠9は鋼製であり、図4に示すように、池本体2の上部開口の4つのコーナー部に配置される円弧状のコーナージョイント9cと、支持柱体10が結合される各々直管状の複数の支持ジョイント9jと、両端がこれらコーナージョイント9cないし支持ジョイント9jの内側に挿入結合される直管状の複数の本体管9mからなる。また、支持柱体10は、本実施形態では、図6に示すように断面が扁平長方形状をなし、正面形状は底部が平坦な角U字状の一体鋼製フレーム部材とされている。支持ジョイント9jの側面下部にはソケット部9sが一体形成され、支持柱体10の上部両端が差し込まれて固定される。
図4に戻り、簡易貯水部12は、側壁2sの上縁部に沿って袋状の懸架枠収容部12fが形成され、その内部に懸架枠9が収容されている。図5に示すように、懸架枠収容部12fは、側壁部本体12mとは別体の長尺の可撓姓樹脂シート材を幅方向中央で折り返し、その幅方向両縁部間に側壁部本体12mの上縁部を挟み込んで積層部分を作り、該積層部分に対し長手方向に沿って結合部12b(例えば、熱圧着部、シーム溶接部、縫合部ないしそれらの組み合わせ)を形成することで側壁部本体12mに結合されている。また、懸架枠収容部12fの外側にて結合部12bの上方には、収容された懸架枠9に結合される複数の支持柱体10を下方に延出させるための支持柱体延出孔12pが、図4に示すように、懸架枠収容部12fの長手方向に沿って断続的に形成されている。
図7に示すように、簡易貯水部12は、側壁2sの下部から底部2bの外周縁に連なる移行部分12rの垂直断面形状が、水を満たした状態において外向きに凸となるアール面状に形成されている。図4に示すように、移行部分12rの形状は、底部2bの接地部の寸法E2が側壁2sの上部開口の寸法E1よりも小さくなるように調整されている。図4に示すように、垂直断面形状において側壁2sは貯留水圧に基づき、上縁側から下縁側に向けて下り勾配形状にて外向きに張り出した後、極大点Mxを経て内向きに収縮する形でアール面状の移行部分12rを形成しつつ接地面の外周縁に連なる膨出形態とされている。これにより、注水後の移行部分12rのアール面の半径をより大きく確保できている。また、図7に示すように、簡易貯水部12の移行部分12rの内面には、可撓性樹脂(例えば、側壁2sと同じ材質)よりなる補強シート12tが積層されている。補強シート12tの上下縁部は結合部12g,12hにより側壁2s及び底部2bに対し結合されている。
次に、図4に示すように、支持枠体11の支持柱体10は、簡易貯水部12の側壁2sの上側部分に接する形で極大点Mxよりも外側に位置する接地点に向け、外向きに下る傾斜形態で配設されている。そして、支持柱体10の下端部(U字の底をなす直線部分)と底部2bの接地部分外縁とは、可撓姓樹脂シートからなる底部支持体13により突っ張り形態にて結合されている。底部支持体13はU字型の支持柱体10の下端部に結合される帯状部材であり、図6に示すように、第一端側が底部2bの接地部分外縁に対し結合部13bにより結合されるとともに、第二端側は支持柱体10の下端部に三角形状の折返し展張部13cを形成しつつ巻き回されて第一端側に重ね合わされ、接着ないし熱溶着により相互に結合される。
満水状態の簡易貯水部12は静水圧により側方に膨らみつつ、高さ方向にはつぶれる形で変形しようとする。他方、外向き斜めに配設された支持柱体10の全長は一定なので、簡易貯水部12の高さ減少を伴うつぶれ変形は、支持柱体10の傾斜角を増加させる形で外向きに開かせつつ、その接地点を底部2bの接地部分外縁から遠ざけようとする。そこで、支持柱体10の下端部と底部2bの接地部分外縁とを上記のように底部支持体13により結合しておくと、簡易貯水部12のつぶれ変形力が底部支持体13の突っ張り力に変換され、注水された簡易貯水部12を強固に支持することができる。
池本体2を組み立てる際は、図4を参照しつつ説明すれば、本体管9mを支持ジョイント9jにより結合して、完成状態の懸架枠9から4つのコーナージョイント9cを取り除いた各辺部分を予め組み立てておく。簡易貯水部12の4つのコーナー部において懸架枠収容部12fには切欠部12cが形成されており、この切欠部12cから各辺部分を、対応する懸架枠収容部12f内に挿入するとともに、個々の支持ジョイント9jのソケット部9sを支持柱体延出孔12pに位置合わせし、その下端開口を孔内に露出させる。
その状態で、各辺部分両端に位置する本体管9mの切欠部12c内に露出する端部同士をコーナージョイント9cにより結合する。続いて、底部2bに結合されている各底部支持体13の折返し展張部13cに支持柱体10を一端側から挿通し、下端部に折返し展張部13cを位置合わせした後、両上端部を支持ジョイント9jのソケット部9sに差し込み固定する。
次に、図10Aに示すように、各支持柱体10を設置面上に垂直に立て、簡易貯水部12を釣下げた仮組状態とし、図10Bに示すように、簡易貯水部12内に満水位の1/3前後まで注水する。すると、側壁2sの下部が水圧により膨らみ、各支持柱体10はその膨出力を受けて、懸架枠9に固定された上端を旋回軸として外向きに傾斜する。この状態で、各支持柱体10の下端を順次外方へ引き出し、弛緩状態の底部支持体13を展張させて突っ張り状態とする。その後、図10Cに示すように満水位まで注水する。
次に、図2に示すように、循環管路6は、流入口5の形成側末端となる戻り管部6dが簡易貯水部12の上方に配置され、流入口5を簡易貯水部12内の水面に向けて下向きに開口している。他方、循環管路6の流出口4の形成側末端となる流出管部6aが簡易貯水部12の側壁2sの上部に結合され、該側壁2sを貫通する形で流出口4を開口させている。本実施形態では、流出口4は奥行方向に間隔をおいて2か所形成され、各々流出管部6aが接続されている。
図8は、流出口4への流出管部6aの接続形態の一例を示すもので、側壁2sに形成された貫通孔に樹脂製のねじ継手4aを内側からはめ込み、そのフランジ部を周方向に溶接結合することにより流出口4が形成される。他方、流出管部6aの末端にフランジ継手6jを一体化しておき、これをねじ継手4aに対しシール材4bを介して重ね合わせ、外側に継手ナット型のキャップ6eを被せてねじ継手4aと螺合締結することにより流出管部6aが液密に接続される。
図11(下)に示すように、簡易貯水部12内に貯留される水の上層部分は、該流出口4を経て循環管路6(流出管部6a)内に流入する。図2及び図3に示すように、循環管路6は、流出口4から簡易貯水部12の接地面GSよりも下方に位置する揚水ポイントPPまで単調に下る形で配設され、該揚水ポイントPPに設けられた循環ポンプ7により循環水を簡易貯水部12内の水面よりも上方に汲み上げつつ流入口5に導く。
また、循環管路6の揚水ポイントPPよりも上流側に位置する部分の一部(符号6b、6c)は、簡易貯水部12の側方(本実施形態では、図1に示すごとく奥行方向第一端側壁部WB1に隣接する位置)にて、接地面GSから掘り下げ形成された槽収容凹部24内に配設されている。そして、該部分6aの途上にて槽収容凹部24内には循環水を濾過する濾過槽23が設けられている。
本実施形態では、濾過槽23は3連の樹脂製ローリータンク23a,23b,23cにて構成されている。このうち、下流側の2つのタンク23b,23cが槽収容凹部24内に配置され(図3に示すごとく、タンク設置面は階段状に形成されている)、最も上流側のタンク23aは池本体2の接地面GS上に配置されている。これら3つのタンク23a,23b,23cを相互につなぐ接続管路6bは、各タンクの幅方向両端に対をなす形で配設されており、上流側がタンク前面下部に接続され、下流側はタンク上面手前に接続されている。また、最も下流側のタンク23cの下部は、図2に示すように、揚水ポイントPPを形成する揚水槽25と接続管路6cにより連通接続されている。循環ポンプ7は該揚水槽25内に配置される水中ポンプとして構成されており、ここに戻り管部6dが接続される。
図1及び図2に示すように、陸上養殖用池構造1の池本体2は、樹脂シート製の簡易貯水部12を土面からなる接地面GP上に配置する形で形成している。本実施形態では、寒冷地向けの仕様として、接地面GP(土面)と底部2bとの間に押出発泡ポリスチレン断熱材(商標名:スタイロフォーム)等からなる断熱材層が配置されている。
また、図1に示すように、簡易貯水部12の底部2b上には、貯留水の加熱機構14が配設されている。図9に示すように、加熱機構14は、上記底部上に配設される液状加熱媒体14fの流通管路14aと、簡易貯水部12の外に設けられ液状加熱媒体14fを昇温する媒体昇温部14hと、該媒体昇温部14hと流通管路14aとの間で液状加熱媒体14fを循環送液させる媒体循環ポンプ14pとを備えている。貯留水は流通管路壁を介した液状加熱媒体14fからの伝熱により加熱される。
流通管路14aは、樹脂ホースなどの可撓性材料で構成されており、底部2bの全体を均等に加熱できるよう、つづら折れ状に配設されている。液状加熱媒体14fは例えばエチレングリコールを主成分とするもの(例えば、JIS K 2234等に規定されたエンジン用不凍液)が使用される。加熱機構14は液状加熱媒体14fのリザーバタンク14hを備え、電源14sにより抵抗発熱する電熱線ヒータ14nにより液状加熱媒体14fを加熱する。
エチレングリコールは揮発性が低く、加熱媒体としての取り扱いが容易である。また、比熱も水に近接する大きな値を有し、かつ比重は水よりも若干大きいので、軽い樹脂ホースからなる流通管路14aを水底に沈め、底部付近の水に対する加熱効率を高めることができる。さらに、凍結温度が低く、底部水が極度に冷えている場合でも加熱循環を容易に継続することができる。なお、流通管路14aは、少なくとも水中に没する区間部分を継ぎ目のない一体の樹脂ホースにて形成し、リザーバタンク14hとの接続部を池本体2の外に配置することが望ましい。
以下、陸上養殖用池構造1の作用・効果について説明する。
陸上養殖用池構造1の池本体2は、図1に示すように、ごく単純な方形平面形状に形成されており、貯留水は池外部の循環管路6を経て循環ポンプ7により循環流動される。その循環のための水の流入口5は、奥行方向第一端側(図面下側)にて幅方向第一端側(図面左側)に寄せて開口形成されており、流出口4が幅方向第二端側(図面右側)にて、流入口5と奥行方向第二端側壁部WB2との間に位置するように開口形成されている。つまり、図面左下側の角部付近にて流入口5から池本体2内に水が入り、図面右側の側壁部(幅方向第二側壁部)WA2の中間付近に開口する流出口4から水が流れ出る。
これにより、図11に示すように、流入口5から池本体2に入った水は、反対側の側壁部WA2の中間付近に向け、前述の仮想線VDL(図1)に沿う斜めの直接流DFを形成しようとする。他方、池の底部2bには主散気部3が配置され、その位置は、図1に示すように、奥行方向第二端側壁部WB2からの距離DA2が上記仮想線VDLからの距離DA1よりも小さくなり、かつ、幅方向中心線OLからの距離dcが、流入口5及び流出口4からの各距離da1,da2のいずれよりも小さくなるように設定されている。これにより、図11に示すごとく、池本体2の幅方向の中間付近にて、静的には水が最も流れやすくなる直接流DFの経路から奥行方向に離間した位置に、気流AFが水面に向けて噴き上げられる。
池本体2の池奥(図面上)側の水は、図面右側の側壁部WA2の中間に形成された流出口4に向けて流れ込もうとするが、主散気部3からの放射状の気流AFにより該水流は、奥側の側壁部WB2(池奥方向第二側壁部)及び右側の側壁部WA2(幅方向第二側壁部)に押しやられ、これら両側壁部WB2,WA2に沿う壁面流WF2,WF1を形成する。これら壁面流WF2,WF1により失われる池奥左側の水は、直接流DFの一部を幅方向左側壁部WA1に沿った壁面流WF3として取り込むことにより補われる。本実施形態では、さらに補助散気部8からの気流AFにより、直接流DFの一部が幅方向第一端側壁部WA1の側に積極的に押しやられることで、壁面流WF3の形成が促進されている(ただし、池本体2の寸法が小さい場合等は、補助散気部8を省略しても迂回巡回流を十分に形成できる場合がある)。
その結果、流入口5から左側の側壁(幅方向第一端側壁部WA1)に沿う壁面流WF3、奥側の側壁(奥行方向第二端側壁部WB2)に沿う壁面流WF2及び右側の側壁(幅方向第二端側壁部WA2)に沿う壁面流WF1が、流出口4に流れ込む迂回巡回流を形成することとなる。すなわち、本発明によると、主散気部3が形成する壁面流WF2,WF1に、流入口5からの流れの一部を壁面流WF3として取り込みつつ合流させ、流入口5から幅方向第一端側壁部WA1、奥行方向第二端側壁部WB2及び幅方向第二端側壁部WA2に各々沿って流出口4に向かう迂回巡回流が形成されるのである。
上記の位置関係で水循環のための流入口5及び流出口4を池本体2に形成し、池底部2bに上記の位置関係で主散気部3を配置することで、流入口5より入った水が主散気部3からの気流AFにより池本体2の側壁WA1,WB2及びWA2に沿って迂回しつつ流出口4に向かう流れが形成され、ひいては池本体2の側壁2sの内周に沿った巡回流を定常的に形成できる。これにより、極めて簡単な機構によりながら、酸欠等の水流死角が池本体2内に形成されにくくなり、より個体数密度の高い陸上養殖が可能となる。
また、形成される水流は緩やかであり、図12に示すごとく、稚エビSPの水流に逆らった遊泳が容易となり、ストレスが溜まりにくく、死滅率の低い健全な養殖状態を容易に維持できる。そして、池本体2内の稚エビの個体数密度を高めても、稚エビの脱皮が良好に促され、陸上養殖による収穫率を向上できる。なお、池の水交換や収穫時の便宜を図るため、図2に示すように、池本体2内の水を排出する排水管31を池本体2の下部に設け、排水ポンプ32により排水する機構を設けることも可能である。
池本体2は、可撓姓樹脂シートからなる簡易貯水部12とその支持枠体11で形成される簡素な構成であり、大幅な単純化及び軽量化が図られている。その結果、池本体2内の被養殖物の個体数密度が向上できることとも相まって、設備投資償却部分も含めた被養殖物1つ当たりの養殖コストは大幅に削減される。例えば、従来、冷凍輸入品が主となり生食等はほとんど不可能と見られていたバナメイエビ等について、清潔な陸上養殖が実現することで活け魚と同等の取り扱いが可能となり、刺身等での提供すらも可能になる期待が寄せられているが、養殖コストがかさむことから市販価格も輸入品等に比べるとかなり割高となっている。しかし、本発明の採用により、こうした活け魚扱いのバナメイエビ等を手ごろな価格で供給することが可能となり、陸上養殖品の普及に大きく貢献できる。
また、本実施形態で採用している簡易貯水部12は、樹脂シート製の側壁2sに流出口4を貫通形成することが容易であり、図11のごとく、水面と平行な流れ成分を主体に池本体2内の水を流出口4から排出でき、迂回巡回流の形成にも有利に貢献する。そして、図1に示すように、循環管路6の流出管部6aを簡易貯水部12の側壁2sの上部に結合し、図11に示すように、貯留される水の上層部分を流出口4から流出管部6a内に流入させるようにしておくことで、水底から湧き上がりつつ放射状の水面流を作る主散気部3からの気流AFと、上層部の水を流出口4から側方に導く流れSFとの、迂回巡回流の形成のための連携が促進されている。
また、戻り管部6d先端の流入口5が水面に向けて下向きに開口しており、液面上方から水が流下するようになっているので、落下した水流を液面に沿って緩やかに広げることができる。その結果、形成される迂回巡回流の速度との整合も取りやすく、流入水特有の激流により被養殖物が受けるストレスを緩和することができる。
図2等に示すように、循環管路6は、流出口4から接地面GSよりも下方の揚水ポイントPPまでが下り形態となっており、池本体2から流出する水の位置エネルギーがより大きく確保できることから、迂回巡回流のより顕著な形成に貢献している。また、この区間に濾過槽23が設けられていることにより、濾過槽23の通過圧損が水の位置エネルギーにより補われ、濾過槽23の通水速度ひいては濾過効率が高められている。
さらに、図7に示すように、簡易貯水部12の下部にアール面状の移行部分12rが水圧を利用して膨出形成されていることで、底部2b付近のよどみが生じにくくなり、迂回巡回流の水深方向への広がりも確保しやすくなる。また、エビSP(特に稚エビ)はこうしたアール面形状の区域を好んで集まって遊泳する習性があり、水中での活動を活発化させ、脱皮促進も図ることができる。さらに、アール面形状の区域は、エビSPを収穫する際も網をふるいやすく、特に遊泳方向後ろ側(エビは流れに逆らって泳ぐので、迂回巡回流を前方から受け止める向きとなる)から網ですくうと、一度に大量のエビSPを網内に導くことができ、収穫時の作業効率を高めることができる。
図1に示すごとく、簡易貯水部12が土面上に配置されることで、冬季や寒冷地での陸上養殖を遂行するにあたっても、貯留された水の底部が接地面の冷気により極度に冷たくなる不具合が解消される。エビの養殖の場合、アール面状に膨らんだ簡易貯水部12の底部2b付近に集まる傾向が高いが、池本体2の底部2bが蓄冷能の大きいコンクリート壁等で形成されていると、温水(例えば25℃以上28℃以下)を好むエビの活動が鈍ったり、衰弱したりする恐れが高くなる。しかし、上記の簡易貯水部12の底部2bは蓄冷能の低い可撓性樹脂シートであり、断熱材層26を介して冷えにくい土面と接していることで、底部2b付近の水温を適温に維持しやすい。また、簡易貯水部12の底部2b上には加熱機構14が設けられているので、底部2b付近の水温を高める効果はさらに顕著となっている。
なお、設置先が温暖である場合は、池本体2をコンクリート等により築造することももちろん可能であるし、簡易貯水部12を用いる場合も、コンクリート設置面上に配置すること、断熱材層26や加熱機構14を省略することなども可能である。
また、図13に示すように、池本体2の底部に流出口を形成するとともに、槽支持枠51により濾過槽23を水面よりも上方に配設し、底部から循環管路6に流出する水を揚水ポンプ7により汲み上げて濾過槽23に導き、順次濾過しながら下方の流入口5より池本体2に戻して循環させる構成も可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、あくまで例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、養殖対象物はエビに限らず、マス、ふぐ、マグロなどの魚類や、アワビなどの貝類も本発明の適用対象となりえる。
1 陸上養殖用池構造
2 池本体
3 主散気部
4 流出口
5 流入口
6 循環管路
7 循環ポンプ
8 補助散気部
9 懸架枠
10 支持柱体
11 支持枠体
12 簡易貯水部
13 底部支持体
14 加熱機構

Claims (19)

  1. 方形の底部を有するとともにその周縁に沿って側壁が形成された池本体と、前記池本体を満たす水中に沈める形で前記底部上に配置され、外部から供給される酸素含有気体を水面に向けて噴き上げる主散気部と、一端に前記池本体の水を流出させる流出口が形成され、他端に前記池本体に水を流入させる流入口が形成された循環管路と、前記循環管路上に設けられた循環ポンプとを備え、
    前記池本体の方形の平面外形線において、互いに隣接する二辺のうち第一辺に沿う向きを幅方向、第二辺に沿う向きを奥行方向と定義したとき、前記循環管路の前記流入口が前記奥行方向第一端側にて前記幅方向第一端側に寄せて開口形成される一方、前記流出口が前記幅方向第二端側にて、前記奥行方向における前記流入口と前記奥行方向第二端側壁部との間に位置するように開口形成され、
    前記主散気部の前記底部における配置位置が、前記奥行方向においては前記奥行方向第二端側壁部からの距離が前記流入口と前記流出口とを結ぶ仮想線からの距離よりも小さくなり、かつ、前記幅方向においては幅方向中心線からの距離が、前記流入口及び前記流出口のいずれからの距離よりも小さくなるように定められ、
    前記主散気部が形成する、前記奥行方向第二端側壁部と幅方向第二端側壁部とに沿う壁面流に、前記流入口からの流れの一部を取り込みつつ合流させ、前記流入口から幅方向第一端側壁部、前記奥行方向第二端側壁部及び前記幅方向第二端側壁部に順次沿って前記流出口に向けて流れる迂回巡回流を形成するようにしたことを特徴とする陸上養殖用池構造。
  2. 前記幅方向中心線よりも前記幅方向第一端側壁部寄りにて、前記奥行方向における前記流入口と前記主散気部との間に補助散気部が配置されてなる請求項1記載の陸上養殖用池構造。
  3. 前記流出口は、前記奥行方向において奥行方向中心線からの距離が、前記流入口からの距離及び前記奥行方向第二端側壁部からの距離のいずれよりも小さくなるように形成位置が定められている請求項1又は請求項2に記載の陸上養殖用池構造。
  4. 前記池本体は、池上面開口に沿って配置される懸架枠と接地面上にて前記懸架枠を下方から支持する支持柱体とを備えた支持枠体と、可撓姓樹脂シートにて前記底部と前記側壁とを一体的に形成するとともに、前記側壁をなす樹脂シート部分の上縁が前記懸架枠に結合され、内部に注水された状態にて前記支持枠体に懸架状態で支持される簡易貯水部とを備え、
    前記流出口が前記簡易貯水部の前記側壁をなす樹脂シートを貫通する形で開口形成されてなる請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の陸上養殖用池構造。
  5. 前記循環管路は、前記流出口の形成側末端が前記簡易貯水部の前記側壁の上部に結合されるとともに、該側壁を貫通する形で前記流出口を開口するものであり、
    前記簡易貯水部内に貯留される水の上層部分を、該流出口を経て前記循環管路内に流入させるようになっている請求項4記載の陸上養殖用池構造。
  6. 前記循環管路は、前記流入口の形成側末端が前記簡易貯水部の上方に配置されるとともに前記流入口を前記簡易貯水部内の水面に向けて下向きに開口するものである請求項4又は請求項5に記載の陸上養殖用池構造。
  7. 前記循環管路は、前記流出口から前記簡易貯水部の接地面よりも下方に位置する揚水ポイントまで単調に下る形で配設され、前記揚水ポイントに設けられた前記循環ポンプにより前記簡易貯水部内の水面よりも上方に循環水を汲み上げつつ前記流入口に導くようにした請求項6記載の陸上養殖用池構造。
  8. 前記循環管路の前記揚水ポイントよりも上流側に位置する部分の一部が、前記簡易貯水部の側方にて前記接地面から掘り下げ形成された槽収容凹部内に配設され、該槽収容凹部内に循環水を濾過する濾過槽が設けられてなる請求項7記載の陸上養殖用池構造。
  9. 前記簡易貯水部は、水を満たした状態において、前記側壁の下部から前記底部の外周縁に連なる移行部分の垂直断面形状が、外向きに凸となるアール面状に形成されてなる請求項4ないし請求項8のいずれか1項に記載の陸上養殖用池構造。
  10. 前記簡易貯水部は、水を満たした状態にて前記底部の接地部が前記側壁の上部開口よりも小さくなるように前記移行部分の形状が調整され、前記垂直断面形状において前記側壁は貯留水圧に基づき、上縁側から下縁側に向けて下り勾配形状にて外向きに張り出した後、極大点を経て内向きに収縮する形でアール面状の前記移行部分を形成しつつ前記接地面の外周縁に連なる膨出形態とされてなる請求項9記載の陸上養殖用池構造。
  11. 前記簡易貯水部の前記移行部分の内面に可撓性樹脂よりなる補強シートが積層されてなる請求項10記載の陸上養殖用池構造。
  12. 前記支持枠体において前記支持柱体は、前記簡易貯水部の前記側壁の上側部分に接する形で前記極大点よりも外側に位置する接地点に向け外向きに下る傾斜形態で配設されてなり、該支持柱体の下端部と前記底部の接地部分外縁とが、可撓姓樹脂シートからなる底部支持体により突っ張り形態にて結合されてなる請求項11記載の陸上養殖用池構造。
  13. 前記簡易貯水部の前記底部上に貯留水の加熱機構が配設されてなる請求項4ないし請求項12のいずれか1項に記載の陸上養殖用池構造。
  14. 前記加熱機構は、前記底部上に配設される液状加熱媒体の流通管路と、前記簡易貯水部の外に設けられ前記液状加熱媒体を昇温する媒体昇温部と、該媒体昇温部と前記流通管路との間で前記液状加熱媒体を循環送液させる媒体循環ポンプとを備えてなり、前記貯留水は前記流通管路壁を介した前記液状加熱媒体からの伝熱により加熱される請求項13記載の陸上養殖用池構造。
  15. 請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の陸上養殖用池構造を使用し、前記池本体に魚類又は甲殻類よりなる被養殖物を前記迂回巡回流中にて遊泳させつつ養殖することを特徴とする陸上養殖方法。
  16. 前記被養殖物が前記迂回巡回流に逆らって遊泳するエビである請求項15記載の陸上養殖方法。
  17. 前記エビがバナメイエビである請求項16記載の陸上養殖方法。
  18. 請求項4ないし請求項14のいずれか1項に記載の陸上養殖用池構造を使用し、前記簡易貯水部を土面上に配置する請求項14ないし請求項17のいずれか1項に記載の陸上養殖方法。
  19. 前記土面と前記簡易貯水部の底部との間に断熱材層を配置する請求項18記載の陸上養殖方法。
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