JP2019067592A - 燃料貯留システムの制御方法、および燃料貯留システム - Google Patents

燃料貯留システムの制御方法、および燃料貯留システム Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池又は内燃機関に供給する液体燃料の温度を制御し、燃料電池又は内燃機関の始動性の悪化を抑制することができる燃料貯留システムを提供する。【解決手段】燃料貯留システムの制御方法は、燃料電池及び内燃機関の少なくとも一方を含むパワーユニットと、パワーユニットに供給される液体燃料が貯留される第1燃料貯留部と、第1燃料貯留部の温度を検出又は推定する温度取得部と、第1燃料貯留部に貯留された液体燃料の温度を制御する燃温制御手段と、を備える燃料貯留システムの制御方法であって、燃温制御手段は、パワーユニットの停止時に取得した第1燃料貯留部の温度に基づいて第1燃料貯留部内の液体燃料の温度を所定の温度に制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、燃料貯留システムの制御方法、および燃料貯留システムに関する。
燃料電池等に供給する液体燃料が貯留される燃料貯留システムにおいて、外気温の影響などにより燃料の温度が低下するのに伴い燃料の粘性が増加することがある。この粘性の増加により、燃料の噴霧性状が悪化し、燃料電池の始動性が悪化する等の問題が引き起こされていた。
ここで、燃料タンクと、燃料タンクの下面に接する空間とを断熱材で覆うとともに、該空間に燃料電池からの排気を流通させることにより、排気の持つ熱によって燃料を加熱する燃料電池システムが提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−260996号公報
しかしながら、特許文献1に開示された燃料電池システムは、燃料電池の作動中に発生する排気熱によって液体燃料を加熱するという構成であり、燃料電池の起動時に用いられる液体燃料の温度については考慮されていない。したがって、当該燃料電池システムでは、液体燃料が低温であることに起因する燃料電池の始動性の悪化を抑制することができない場合がある。
本発明は、燃料電池又は内燃機関に供給する液体燃料の温度を制御し、燃料電池又は内燃機関の始動性の悪化を抑制することができる燃料貯留システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様による燃料貯留システムの制御方法は、燃料電池及び内燃機関の少なくとも一方を含むパワーユニットと、パワーユニットに供給される液体燃料が貯留される第1燃料貯留部と、第1燃料貯留部の温度を検出又は推定する温度取得部と、第1燃料貯留部に貯留された液体燃料の温度を制御する燃温制御手段と、を備える燃料貯留システムの制御方法であって、燃温制御手段は、パワーユニットの停止時に取得した第1燃料貯留部の温度に基づいて第1燃料貯留部内の液体燃料の温度を所定の温度に制御する。
本発明によれば、パワーユニットの停止時において液体燃料の温度が所定の温度に制御される。そのため、パワーユニットの起動時に前回停止時において所望の温度に制御された液体燃料を用いることができるので、パワーユニットの始動性の悪化を抑制することができる。
図1は、第1実施形態の燃料貯留システムの主要構成を示す概略構成図である。 図2は、燃料貯留部が加熱される態様を説明するための図である。 図3は、第1実施形態の燃温制御処理を示すフローチャートである。 図4は、燃温制御処理を示すタイムチャートである。 図5は、第1実施形態の変形例1にかかる燃料貯留システムの概略構成図である。 図6は、第1実施形態の変形例2にかかる燃料貯留システムの概略構成図である。 図7は、第1実施形態の変形例3にかかる燃料貯留システムの概略構成図である。 図8は、第1実施形態の変形例4にかかる燃料貯留システムの概略構成図である。 図9は、第1実施形態の変形例5にかかる燃料貯留システムの概略構成図である。 図10は、第2実施形態の燃温制御処理を示すフローチャートである。 図11は、燃温制御処理の他の制御例を示すタイムチャートである。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
−第1実施形態−
図1は、第1実施形態による燃料貯留システム100の主要構成を示す概略構成図である。以下に説明する燃料貯留システム100は、液体燃料を消費する燃料電池を搭載する車両に適用される。図1に示すとおり、燃料貯留システム100は、コントローラ1と、燃料電池10と、第1燃料貯留部20と、温度センサ21と、第2燃料貯留部30と、燃料配管40と、吐出配管50と、開閉弁51と、供給配管60と、ポンプ61とから構成される。
コントローラ1は、例えば、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および、入出力インタフェース(I/Oインタフェース)から構成される。コントローラ1は、特に車両システムの停止時において、燃料貯留部20に貯留する液体燃料の温度を制御するようにプログラムされている。より具体的には、コントローラ1は、パワーユニット10の熱を利用して、取得した第1燃料貯留部20内の温度に基づき、燃料電池10、開閉弁51、及びポンプ61等を適宜制御することにより、第1燃料貯留部20内の液体燃料の温度を制御する。詳細は後述する。なお、コントローラ1およびパワーユニット10は燃料貯留部20内の温度を制御する燃温制御装置として機能する。
パワーユニット10は、後述する燃料貯留部20または燃料貯留部30に貯留された液体燃料が供給されてエネルギー及び熱を発する発熱体であって、本実施形態においては燃料電池10aが含まれる。
燃料電池10aは、電解質材料と、2つの極(アノード極、カソード極)と、セパレータとにより構成されるセルが複数積み重ねられたいわゆる燃料電池スタックがケースに収容されて構成される。燃料電池10aは、液体燃料を改質して得られる燃料ガス(水素ガス、又はアノードガスとも呼ばれる)、及び、酸化剤ガス(カソードガス)の供給を受けて発電する。燃料電池10aが発電した電力は、例えば、燃料貯留システム100が電動車両に適用される場合は、不図示の蓄電装置(二次電池)やモータ等に供給される。
なお、燃料電池10aにおいて燃料を消費するために必要な機器、例えば液体燃料を燃料ガスに改質するために必要となる改質器等の補機類については図示していないが、本実施形態ではこれらもパワーユニット10内に配置されているものとする。
燃料貯留部20は、主に、後述する液体燃料温度制御処理によって加熱するための液体燃料が貯留される燃料貯留用の容器である。燃料貯留部20は、燃料配管40を介してパワーユニット10と接続されており、パワーユニット10の作動により生じる熱により加熱される。すなわち、燃料貯留部20内に液体燃料を貯留させることによって、燃料貯留部20内の液体燃料をパワーユニット10からの受熱により加熱することができる。本実施形態の液体燃料は、燃料電池10aが固体酸化形燃料電池(SOFC; Solid Oxide Fuel Cell)により実現される場合は、所定の濃度のアルコール(例えばエタノール)である。
燃料貯留部20は、図1に示すとおり、後述する燃料貯留部30とは別個に設けられた燃料貯留用の容器を主の構成とするが、当該容器内の空間だけに限られない。すなわち、本実施形態においては、当該容器から燃料電池10aにおいて液体燃料が消費される場所までの流路も燃料貯留部20の一部と見なしても良い。燃料貯留部20は、燃料貯留用の容器だけではなく、当該容器からパワーユニット10に液体燃料が供給される際の流路となる燃料配管40内の領域(空間)、及び、パワーユニット10内において液体燃料が消費されるまでの流路となる内部配管11内の領域のいずれか一つ以上を含んで構成されると定義してもよい。なお、内部配管11は、燃料電池10a内における液体燃料の流路、すなわち、例えば燃料電池10a内部の燃料配管、燃焼器(EHC)、及び、インジェクタの噴射口(燃料消費部)までの内部の領域を含むものとする。
図2は、燃料貯留部20がパワーユニット10の作動により生じる熱で加熱される態様を説明するための図である。図示する矢印(a)が示すように、燃料貯留部20の容器部分は、パワーユニット10の近傍に配置されることにより、パワーユニット10から発せられる熱を受けて加熱される。
また、燃料配管40は、その一方の端部がパワーユニット10に接続されており、燃料配管40と近接するので、矢印(b)が示すように、パワーユニット10の側面からの熱を受けて加熱される。また、燃料配管40は、その端部がパワーユニット10と接続しているので、当該接続部分を介してパワーユニット10の熱が直接的に伝達することによっても加熱される。
さらに、内部配管11は、パワーユニット10の内部に位置しているので、矢印(c)が示すように、パワーユニット10の熱が直接的に伝わることにより加熱される。
このように、燃料貯留部20は、パワーユニット10の近傍ないし内部に配置され、パワーユニット10の作動により生じる熱を直接又は間接的に受熱可能に構成されるので、燃料貯留部20内に貯留された液体燃料はパワーユニット10の熱により効率的に加熱されることができる。図1に戻って以下説明を続ける。
温度センサ21は、温度を計測可能なセンサである。温度センサ21は、燃料貯留部20の内壁に設けられ、燃料貯留部20内の温度を計測する。計測された温度情報は、コントローラ1へ出力される。なお、温度センサ21は、燃料貯留部20だけでなく、その内部に貯留される液体燃料の温度を計測可能にも構成されてよい。したがって、燃料貯留部20内に貯留された液体燃料が少量であっても当該液体燃料の温度を計測可能なように、燃料貯留部20内壁の下部に設けられるのがより好ましい。また、温度センサ21は、図示するように燃料貯留部20の容器部分内に配置されるだけでなく、別個に、或いは代えて、燃料配管40内、又は、内部配管11内に配置されてもよい。ただし、燃料貯留部20内の温度は必ずしも温度センサ21を用いて取得される必要はなく、停止シーケンスを開始してからの時間等に基づき推定されてもよい(後述する図11等参照)。
燃料貯留部30は、燃料貯留部20とは別個に設けられた燃料貯留用の容器である。燃料貯留部30は、燃料貯留部20と吐出配管50及び供給配管60を介して接続されるとともに、図示しないが、パワーユニット10に液体燃料を供給するための燃料配管を介してパワーユニット10と接続されている。本実施形態では、車両の通常走行時における燃料電池10aが使用する液体燃料は燃料貯留部30に貯留された液体燃料を用いるものとする。
つまり、液体燃料は、通常、燃料貯留部30に貯留されており、液体燃料の温度を制御するために当該液体燃料を加熱する際には、燃料貯留部30に貯留されている液体燃料を燃料貯留部20へ供給する。また、燃料貯留部20に貯留された液体燃料の加熱を止めたい時には、パワーユニット10からの受熱を回避するために、燃料貯留部20に貯留されている液体燃料を燃料貯留部30へ吐出させる。なお、以下では、通常走行中に使用される液体燃料が貯留される燃料貯留部30をメイン貯留部30とも称し、主に燃料加熱用に用いられる燃料貯留部20をサブ貯留部20とも称する。
吐出配管50は、燃料貯留部20に貯留された液体燃料が燃料貯留部30内に吐出される際の流路となる配管である。本実施形態の燃料貯留部30は、燃料貯留部20よりも下方に配置されており、かつ、吐出配管50は開閉弁51を備えている。開閉弁51は、コントローラ1によって開閉制御可能に構成される。また、吐出配管50は、燃料貯留部20の底面に接するように接続される。従って、開閉弁51を開弁することにより、燃料貯留部20内の液体燃料を重力によって燃料貯留部30へ吐出させることができる。
供給配管60は、燃料貯留部30に貯留された液体燃料が燃料貯留部20に供給される際の流路となる配管である。そして、供給配管60の燃料貯留部30側の端部にはポンプ61が接続されている。ポンプ61はコントローラ1によって制御可能に構成される。これにより、燃料貯留部30内の液体燃料を供給配管60を介して燃料貯留部20へ圧送することができる。
例えばこのような態様で、燃料貯留部20と燃料貯留部30とが吐出配管50と供給配管60とを介して接続されることにより、燃料貯留部20と燃料貯留部30との間で液体燃料を相互に移動させることが可能となる。これにより、液体燃料の温度を所望の温度に制御することができる。以下では、液体燃料の温度を制御するために実行される液体燃料温度制御処理(燃温制御処理)の詳細について説明する。
<燃温制御処理>
図3は、本実施形態における燃温制御処理の流れを示すフローチャートである。燃温制御処理は、コントローラ1において実行されるようにプログラムされている。
ステップS1では、コントローラ1が、パワーユニット10、すなわち本実施形態においては燃料電池10aの停止シーケンスが開始されたか否かを判定する。停止シーケンスは、ドライバによる車両を停車(駐車)させようとする停止操作に基づいて開始され、最終的に燃料電池10aの発電を完全停止させるための処理である。
停止シーケンスが開始されたか否かは、最終的に燃料電池10aの発電を停止させるための停止動作が開始されたか否かを検知することにより判定される。停止シーケンスの開始は、例えば、ドライバの停止意志に基づくキー操作により車両システムをOFFした場合に、燃料電池10aに対する停止指令が生成されたか否かによって判定することができる。また例えば、燃料電池10aの発電を停止するための具体的な処理、例えばアノード極への燃料ガスの供給を絞るための処理が実行されたか否かによって判定されてもよい。
停止シーケンスが開始されたと判定された場合は、続くステップS2の処理が実行される。一方、停止シーケンスが開始されていない場合は、停止シーケンスが開始されるまで、ステップS1の処理が一定のサイクルで繰り返し実行される。
ステップS2では、コントローラ1が、燃料貯留部20の温度Tgを取得する。なお、上述したとおり、車両の定常時(通常走行時)に使用される液体燃料は燃料貯留部30に貯留されているので、このタイミングにおける燃料貯留部20は原則空である。したがって、コントローラ1は、温度センサ21が計測した燃料貯留部20の内壁の温度を取得する。
ステップS3では、コントローラ1が、燃料貯留部20に液体燃料を貯留可能か否か判定するためにステップS2で取得した温度Tgと予め定めた所定値である貯留部上限温度Ts1とを比較する。貯留部上限温度Ts1(以下単に上限温度Ts1と称する)は、液体燃料の沸点とほぼ同等に設定される。
燃料貯留部20の温度が液体燃料の沸点より高ければ、燃料貯留部20に液体燃料を供給した際に、燃料貯留部20に接触した液体燃料が急激に沸騰する等してタンクを損傷させる虞がある。このような虞を回避するため、本実施形態では、燃料貯留部20へ液体燃料を供給できる燃料貯留部20の上限温度を液体燃料の沸点近傍の温度に設定し、Tg<Ts1が成立する場合にのみ液体燃料を燃料貯留部20へ供給する。
燃料貯留部20の温度が上限温度Ts1より小さく、Tg<Ts1が成立する場合は、液体燃料が沸騰する虞がないので、液体燃料を燃料貯留部20へ貯留するために続くステップS4の処理が実行される。
燃料貯留部20の温度が上限温度Ts1より大きく、Tg<Ts1が成立しない場合は、燃料貯留部20の温度が上限温度Ts1より小さくなるまで、ステップS2及びS3の処理を繰り返し実行する。
なお、上述したとおり、本処理の時点において停止シーケンスは既に開始されているので、ステップS2及びS3の処理が繰り返し実行される間にアノード極への燃料ガスの供給量が徐々に低減するとともに発電量が小さくなり、それに応じて発熱量も小さくなる。したがって、ステップS2及びS3の処理が繰り返し実行される間に燃料貯留部20の温度は徐々に低下していく。
ステップS4では、コントローラ1が、燃料貯留部20への液体燃料の貯留を開始する。具体的には、コントローラ1は、ポンプ61を制御することにより、燃料貯留部30から燃料貯留部20への液体燃料の圧送を開始する。
ステップS5では、コントローラ1が、燃料貯留部20へ貯留された液体燃料量Vaが、規定量Vmaxに達したか否かを判定する。規定量Vmaxは、燃料貯留部20の最大容量を上限として適宜設定される。本実施形態における規定量Vmaxは、例えば、燃料貯留部20の最大容量の80%の容量に設定される。液体燃料量Vaが規定量Vmax以上となり、Va≧Vmaxが成立する場合は、燃料貯留部20への液体燃料の貯留を止めるために、続くステップS6の処理が実行される。液体燃料量Vaが規定量Vmax以下であり、Va≧Vmaxが成立しない場合は、コントローラ1は、液体燃料の燃料貯留部20への圧送を続けるとともに、ステップS5の処理を繰り返し実行する。
ステップS6では、コントローラ1が、燃料貯留部20への液体燃料の貯留を停止する。
ステップS7では、コントローラ1が、温度センサ21が計測した温度Tgを取得する。なお、本ステップ時点では燃料貯留部20には液体燃料が充分に貯留されている。したがって、燃料貯留部20の内壁下部に配置された温度センサ21は、液体燃料に浸漬しているので、液体燃料の温度を計測することができる。したがって、本ステップでは、コントローラ1は、温度センサ21が計測した燃料貯留部20内の液体燃料の温度を取得する。コントローラ1は、燃料貯留部20内の液体燃料の温度を取得した後、ステップS8の処理を実行する。
ステップS8では、コントローラ1が、燃料貯留部20へ貯留した液体燃料の加熱を継続するか否かを判定するために、ステップS7で取得した温度Tgと予め定めた所定値である目標温度Ts2とを比較する。目標温度Ts2は、液体燃料の沸点以下での所望の温度(加熱目標温度)が適宜設定される。本実施形態の目標温度Ts2は、沸点より若干低い温度、例えば沸点の80%に相当する温度に設定される。すなわち、本実施形態においては、目標温度Ts2<Ts1となる。
液体燃料の温度Tgが目標温度Ts2を上回り、Tg>Ts2が成立する場合は、液体燃料の加熱を停止するために続くステップS9の処理が実行される。液体燃料の温度Tgが目標温度Ts2に達しておらず、Tg≦Ts2が成立する場合は、液体燃料の加熱を継続するためにステップS10の処理が実行される。
ステップS10では、コントローラ1が、燃料貯留部20に貯留された液体燃料を加熱するために、燃料電池10aの作動を継続させる。具体的には、例えば、コントローラ1は、停止シーケンスの開始によって徐々に低減されていたアノード極への燃料ガスの供給量をこれ以上低減させずに維持する。これにより、燃料電池10aの発熱量が維持されるので、燃料電池10aの熱による燃料貯留部20の加熱が継続され、結果として液体燃料を加熱することができる。
なお、燃料電池10aの温度が液体燃料の温度よりも十分高く、停止シーケンスを継続してもなお液体燃料を加熱するのに十分な熱量を保持している場合は、ステップS10では何もせずに停止シーケンスを継続させても良い。この場合は、ステップS7、S8及びS10の処理を繰り返し実行することによる時間経過によって液体燃料をさらに加熱することができる。一方で、コントローラ1は、アノード極への燃料ガスの供給量を増加させてもよい。これにより、燃料電池10aの発熱量が増加するので、結果として、燃料貯留部20内の液体燃料をより速く加熱することができる。ステップS10においていずれかの処理がなされた後、コントローラ1は、ステップS7及びS8を再度実行する。
ステップS9では、燃料貯留部20内の液体燃料の温度Tgが目標温度Ts2に達したので、コントローラ1は、液体燃料の加熱を停止する。具体的には、コントローラ1は、アノード極への燃料ガスの供給を完全に停止させて、燃料電池10aの発電を完全停止させる。これにより、燃料電池10の停止シーケンスが終了するとともに、燃温制御処理が終了する。
このような燃温制御処理が実行されることによって、パワーユニット10の停止後において、従来放熱されていたパワーユニット10の熱を燃料貯留部20を介して液体燃料に蓄熱することができる。
以上説明した停止シーケンスに係る燃温制御処理の制御結果の一例について図4を用いて説明する。
図4は、燃温制御処理を説明するためのタイムチャートである。横軸は時間tを表し、縦軸は燃料貯留部20内の温度と液体燃料量を表している。また、実線は燃料貯留部20の温度変化の一例、点線は燃料貯留部20内の液体燃料量の変化の一例を表している。なお、図中のTsは、液体燃料の沸点を表している。ただし、本実施形態におけるTs1、Ts2、及びTs3は、Tsと若干相違していることを上述したが、本タイムチャートにおいてはTsと同一の温度として示している。
なお、時刻t1、t2を含む図の左側に示す起動シーケンス中の処理については第2実施形態の説明時に後述する。すなわち、本実施形態に係る燃料貯留システム100の制御方法は、図4の時刻t3以降の処理を対象とするものであり、図4に示す時刻t1〜t3の処理は参考のための図示であって、本実施形態の制御方法をこれに限定する趣旨ではない。
時刻t3において、停止シーケンスが開始される。この時、燃料貯留部20内に液体燃料は貯留されていない。また、時刻t3以降では、停止シーケンスが進行し、燃料電池10aの発電量及び発熱量が低下するのに応じて、燃料貯留部20の温度も低下していく。
時刻t4では、燃料貯留部20の温度が上限温度T2を下回ったため、液体燃料が沸騰する虞がないと判断されて、燃料貯留部20に液体燃料が貯留され始める。
時刻t4以降、燃料貯留部20に貯留された液体燃料量が上昇していき、時刻t5において燃料貯留部20内の液体燃料量は上限に達する(ステップS6参照)。
そして、時刻t5からt6にかけて、燃料電池10aの熱によって、燃料貯留部20内の液体燃料の温度が沸点近傍になるまで加熱される(ステップS10参照)。
燃料貯留部20内の液体燃料の温度がこのように制御されることにより、車両が停車した後、燃料電池10aを再度起動する際には、燃料貯留部20に貯留され、車両停止時に温度制御された高温の液体燃料を使用することができる。これにより、液体燃料が低温であるために粘性が増加することに起因した始動性の悪化を抑制することができるので、燃料電池10aの始動特性を改善することができる。
以上、第1実施形態の燃料貯留システム100の制御方法であって、特に、燃料電池の停止時に実行される燃温制御処理の詳細について説明した。以下では、燃料貯留システム100の主に構成に関する変形例について説明する。本実施形態の燃料電池システム100は以下の変形例1〜6を含む。
<変形例1>
図5は、燃料貯留システム200を説明するための図である。燃料貯留システム200は、排気ライン201を備え、パワーユニット10から排出される排気熱により燃料貯留部20を加熱することができる。
具体的には、例えばパワーユニット10が燃料電池10aであれば、燃料電池10aの発電後に排出されるアノードオフガス及びカソードオフガスは高温であり、さらに、不図示の排気燃焼器によってアノードオフガス及びカソードオフガスを燃焼させた後の燃焼ガスも高温となる。したがって、これらの排気が車外へ排出される際の流路となる排気ライン201を燃料貯留部20の近傍を通るように配置することによって、燃料電池10aの排気熱を用いて燃料貯留部20を加熱することができる。
このような構成を有する燃料貯留システム200においても、上述した燃温制御処理を実行することによって、パワーユニット10の停止時に、従来捨てられていた排気熱を燃料貯留部20を介して液体燃料に蓄熱することができる。
<変形例2>
図6は、燃料電池システム300を説明するための図である。燃料貯留システム300は、ヒータ301を備え、ヒータ301の熱により燃料貯留部20を加熱することができる。なお、図示していないが、ヒータ301の出力はコントローラ1によって制御可能に構成される。
このような構成を有する燃料貯留システム300によれば、パワーユニット10の停止時においても、燃料貯留部20に貯留された液体燃料を加熱することができる。したがって、例えば、図3を用いて説明した燃温制御処理のステップS10において液体燃料を加熱する際には、上述したように停止シーケンスを止める必要は必ずしもなく、停止シーケンスを通常の手順で完了させつつ、ヒータ301を用いて液体燃料を所望の温度(目標温度Ts2)に加熱することができる。すなわち、停止シーケンスの処理速度をより好適に維持しつつ、液体燃料の加熱を実行することができる。また、複数のヒータ301を適宜配置することにより、加熱したい部分を自由に設定することができる。なお、変形例2においては、コントローラ1およびヒータ301は燃料貯留部20内の温度を制御する燃温制御装置として機能する。
<変形例3>
図7は、燃料貯留システム400を説明するための図である。燃料貯留システム400は、燃料貯留部20が、燃料貯留用の容器、当該容器からパワーユニット10に液体燃料が供給される際の流路となる燃料配管40内の領域、及び、パワーユニット10内において液体燃料が消費される燃料消費部までの流路となる内部配管11内の領域のうちの少なくとも二つ以上から構成される場合に、燃料貯留部20内の各部に貯留された加熱された液体燃料を、燃料貯留部20内で移動可能に構成される。移動させる手段は特に限定しないが、例えば燃料配管40内にコントローラ1によって制御可能なスクリューを設けること等により実現することができる。
このように構成される燃料貯留システム400によれば、燃料貯留部20内の液体燃料を、例えば、内部配管11内から燃料配管40内又は容器内へ、容器内から燃料配管40内又は内部配管11内へ、或いは、燃料配管40内から容器内又は内部配管11内へ、適宜移動させることができる。これにより、燃料貯留部20が加熱される際に生じる燃料貯留部20内における熱の偏在を抑制し、燃料貯留部20内の液体燃料の温度をより均一にすることができる。また、熱源に最も近く、最も高温な液体燃料(本例においては内部配管11内の燃料)を、熱源から遠い部分へ素早く移送させることができるので、燃料貯留部20内の液体燃料をより効率よく全体的に加熱することができる。
<変形例4>
図8は、燃料貯留システム500を説明するための図である。燃料貯留システム500は、燃料貯留部20とパワーユニット10とが断熱材501に覆われるように構成される。
断熱材501は、化学的性質或いは物理的構造により熱移動、熱伝達を妨げる公知の材料或いは構造体である。燃料貯留部20とパワーユニット10とが断熱材501に覆われることにより、断熱材501に覆われた空間の内部と外部との熱移動が遮断あるいは減少される。
このような構成を有する燃料貯留システム500によれば、燃料貯留部20内に貯留された液体燃料をより効率的に加熱することができ、かつ、加熱された液体燃料の温度をより長く保持することができる。
<変形例5>
図9は、燃料貯留システム600を説明するための図である。燃料貯留システム600は、燃料貯留部20の少なくとも一部が断熱材501に覆われるように構成される。
例えば、燃料貯留システム600は、図9(a)のように、燃料貯留部20全体を断熱材501が覆うように構成されてもよいし、図9(b)のように、燃料貯留部20においてパワーユニット10側の側面以外の部分を断熱材501が覆うように構成されてもよい。すなわち、燃料貯留部20を覆う断熱材501の範囲は、所望の断熱効果を実現するように適宜調整されてよい。
このような構成を有する燃料貯留システム600によれば、燃料貯留部20においてより加熱効率の高いパワーユニット10側の部分で加熱された液体燃料を、燃料貯留部20において断熱材501で覆われた断熱性のより高い容器部分において、当該液体燃料の温度をより長く保持しながら貯留し続けることができる。
<変形例6>
また、燃料貯留システム100〜600が備えるパワーユニット10は、上記の燃料電池10aである必要は必ずしもない。パワーユニット10は、液体燃料を消費して発熱する発熱体であればよく、例えば内燃機関(エンジン)10bでもよい。内燃機関(エンジン)20bは、内部で液体燃料を燃焼させて動力を取り出す機関である。内燃機関20bの動力は、例えば、燃料貯留システム100がシリーズ方式のハイブリッド車両に適用される場合は、不図示の発電機を回転駆動させるための駆動源となる。
なお、パワーユニット10に内燃機関10bが含まれる場合は、燃料貯留部20には液体燃料としてのガソリンが貯留される。また、その場合は、上述の燃温制御処理において燃料貯留部20の温度の指標となるTs1及びTs2は、ガソリンの沸点を基準として設定される。
以上、第1実施形態、及び、変形例1〜5の燃料貯留システム100〜600の制御方法は、燃料が供給されてエネルギー及び熱を発するパワーユニット10と、パワーユニット10に供給する液体燃料を貯留する第1燃料貯留部(燃料貯留部20)と、燃料貯留部20の温度を検出又は推定する温度取得部(温度センサ21)と、燃料貯留部20に貯留された液体燃料の温度を制御する燃温制御手段(コントローラ1)と、を備える燃料貯留システム100〜600の制御方法であって、コントローラ1は、パワーユニット10の停止時に取得した燃料貯留部20の温度に基づいて燃料貯留部20内の液体燃料の温度を所定の温度(Ts2)に制御する。これにより、パワーユニット10の起動時に、パワーユニット10の停止後において所望の温度に制御された液体燃料を用いることができるので、パワーユニット10の始動性の悪化を抑制することができる。
また、第1実施形態、及び、変形例1〜5の燃料貯留システム100〜600の制御方法によれば、燃料貯留システム100〜600は、燃料貯留部20に供給可能な液体燃料が貯留される燃料貯留部30をさらに備え、燃料貯留部20の温度が所定の温度(Ts1)に達した場合に、燃料貯留部30に貯留されている液体燃料を燃料貯留部20へ供給することにより液体燃料の温度を制御する。これにより、燃料貯留部20内の液体燃料が所定の温度を大きく超えることを防止することができるので、液体燃料が沸騰する等して燃料貯留部20を損傷すること等を開始することができる。
また、第1実施形態、及び、変形例1〜5の燃料貯留システム100〜600の制御方法によれば、パワーユニット10の起動時に燃料貯留部20に貯留されている液体燃料を、パワーユニット10に供給する。これにより、停止時に温度制御された液体燃料がパワーユニット10の起動時に確実に使用されるので、パワーユニットの始動特性を改善することができる。
また、第1実施形態、及び、変形例1〜5の燃料貯留システム100〜600の制御方法によれば、燃料貯留部20は、パワーユニット10の作動により生じる熱により加熱される。これにより、停止時におけるパワーユニット10の熱によって液体燃料を加熱することができるので、パワーユニット10の停止時において従来放熱されていた熱を液体燃料に蓄熱することができる。
また、第1実施形態の変形例1に係る燃料貯留システム200の制御方法によれば、燃料貯留部20は、パワーユニット10から排出される排気の排気熱により加熱されてもよい。これにより、停止時におけるパワーユニット10の排気熱によって液体燃料を加熱することができるので、パワーユニット10の停止時において従来放熱されていた熱を液体燃料に蓄熱することができる。
また、第1実施形態の変形例2に係る燃料貯留システム300の制御方法によれば、燃料貯留システム100〜600は、ヒータ301をさらに備え、燃料貯留部20は、ヒータ301からの受熱により加熱される。これにより、パワーユニット10とは別個の熱源を用いて液体燃料の温度を制御することができるので、液体燃料に対して、より自由度の高い温度制御が可能となる。
また、第1実施形態の変形例3に係る燃料貯留システム400の制御方法によれば、燃料貯留部20は、燃料貯留用の容器、パワーユニット10に液体燃料が供給される際の流路となる燃料配管40内の領域、又は、パワーユニット10内において、液体燃料が供給される燃料消費部までの流路となる内部配管11内の領域を含む。このように規定されることにより、パワーユニット10の熱を効率よく受熱することができる燃料貯留部20を実現することができる。
また、第1実施形態の変形例4に係る燃料貯留システム500の制御方法によれば、燃料貯留部20とパワーユニット10とが断熱材501で覆われていてもよい。これにより、燃料貯留部20内に貯留された液体燃料をより効率的に加熱することができ、かつ、加熱された液体燃料の温度をより長く保持することができる。
また、第1実施形態の変形例5に係る燃料貯留システム600の制御方法によれば、燃料貯留部10の少なくとも一部が断熱材で覆われていてもよい。このように、燃料貯留部20を覆う断熱材501の範囲は、所望の断熱効果を実現するように適宜調整することができる。
また、第1実施形態、及び、変形例1〜5の燃料貯留システム100〜600の制御方法によれば、燃料貯留部20は、燃料貯留用の容器、パワーユニット10に液体燃料が供給される際の流路となる燃料配管40内の領域、又は、パワーユニット10内において、液体燃料が供給される流路となる内部配管11内の領域を含んで構成される。そして、内部配管11内の液体燃料を燃料配管40又は容器へ移動させることにより、第1燃料貯留部11に貯留された液体燃料の温度を制御する。または、燃料配管11内の液体燃料を容器又は内部配管11へ移動させることにより、燃料貯留部20に貯留された液体燃料の温度を制御する。あるいは、容器内の液体燃料を燃料配管40又は内部配管11へ移動させることにより、燃料貯留部20に貯留された液体燃料の温度を制御する。これにより、燃料貯留部20内の液体燃料における熱分布を均一化することができるので、より正確な温度制御を可能にすることができる。また、燃料貯留部20内の液体燃料をより効率よく全体的に加熱することができる。
−第2実施形態−
第2実施形態の燃料貯留システムの制御方法について説明する。なお、制御対象となる燃料貯留システムの構成は第1実施形態と同様であるので、以下では燃料貯留システム100と表記する。また、停止シーケンスにおける処理も第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
第2実施形態の燃料貯留システム100の制御方法では、パワーユニット10の起動シーケンス開始後に、燃料貯留部20内の液体燃料の温度を制御する。以下では、起動シーケンス時に液体燃料の温度を制御するために実行される液体燃料温度制御処理(燃温制御処理)の詳細について説明する。
<燃温制御処理(起動シーケンス)>
図10は、本実施形態における燃温制御処理の流れを示すフローチャートである。燃温制御処理は、コントローラ1において実行されるようにプログラムされている。
ステップS20では、コントローラ1が、燃料電池10aの起動シーケンスが実行されたか否かを判定する。起動シーケンスは、ドライバによる車両を起動させようとする起動操作に基づいて開始され、最終的に燃料電池10aに車両を駆動可能な電力を発電させるための処理である。
起動シーケンスが開始されたか否かは、例えば、ドライバの起動意思に基づくキー操作により車両システムをONした場合に、燃料電池10aに対する起動指令が生成されたか否かによって判定することができる。また例えば、燃料電池10aの発電を開始させるための具体的な処理、例えばアノード極への燃料ガスの供給を開始するための処理が実行されたか否かにより判定されてもよい。
起動シーケンスが開始されたと判定された場合は、ステップS21の処理が実行される。一方、起動シーケンスが開始されていない場合は、起動シーケンスが開始されるまで、ステップS21の処理が一定のサイクルで繰り返し実行される。
ステップS21では、コントローラ1が、燃料貯留部20の温度Tgを取得する。本ステップでは燃料貯留部20には第1実施形態において説明した停止シーケンスを経た液体燃料が貯留されているので、コントローラ1は、温度センサ21が計測した燃料貯留部20内の液体燃料の温度を取得する。コントローラ1は、燃料貯留部20内の液体燃料の温度を取得した後、ステップS22の処理を実行する。
ステップS22では、コントローラ1が、燃料貯留部20に液体燃料を貯留し続けてもよいか否かを判定するために、ステップS21で取得した温度Tgと予め定めた所定値である上限温度Ts3とを比較する。上限温度Ts3は、液体燃料の沸点とほぼ同等若しくは若干低い値に設定される。
ここで、燃料電池10aは、起動シーケンスが開始されているので、発電量が増加するのに伴い発熱量が増加する。そのため発熱量が増加するのに応じて燃料貯留部20も加熱され始めるので、その内部に貯留された液体燃料の温度も上昇していく。燃料貯留部20に貯留された液体燃料の温度が沸点に到達すれば、燃料貯留部20内で沸騰してタンクを損傷させる虞がある。この虞を回避するため、本実施形態では、燃料貯留部20へ液体燃料を貯留できる上限温度を液体燃料の沸点近傍の温度に設定し、Tg<Ts3が成立する場合にのみ燃料貯留部20内の液体燃料の貯留を継続する。本実施形態におけるTg3は、例えば沸点の80%に相当する温度に設定される。
燃料貯留部20内の液体燃料の温度が上限温度Ts3より小さく、Tg≧Ts3が成立しない場合は、液体燃料が沸騰する虞がないので、ステップS23の処理を実行して、起動シーケンスにおいて通常使用する分の液体燃料を使用(燃料電池10aに供給)する。なお、起動シーケンスの開始直後に燃料貯留部20内の液体燃料が沸点近傍まで上昇していることは通常ないので、燃温制御処理の1サイクル目から燃料電池10aの温度がTs3に到達するまでの所定時間においては、サイクル毎にステップS23の処理が実行される。なお、液体燃料をサイクル毎に使用する必要は必ずしもなく、燃料電池10aに供給する必要がない場合は燃料貯留部30等に排出してもよい。
燃料貯留部20内の液体燃料の温度が上限温度Ts3より大きく、Tg≧Ts3が成立する場合は、コントローラ1は、液体燃料が沸騰する虞を回避するために続くステップS24の処理を実行する。
ステップS24では、コントローラ1は、燃料貯留部20内の液体燃料が所定量以下になるまで、当該液体燃料を強制的に使用、または燃料貯留部30等に排出する。ここでの所定量は、例えば、液体燃料が燃料貯留部20内で沸騰(突沸)しても、燃料貯留部20を損傷させる虞がないと判断できる量以下に設定される。燃料貯留部20の液体燃料が使用又は排出され、所定量以下となった時点で、起動シーケンスにかかる燃温制御処理は終了する。
以上説明した起動シーケンスに係る燃温制御処理の制御結果の一例について図4を用いて説明する。
図4は、燃温制御処理を説明するためのタイムチャートである。横軸は時間tを表し、縦軸は燃料貯留部20内の温度と液体燃料量を表している。また、実線は燃料貯留部20の温度変化の一例、点線は燃料貯留部20内の液体燃料量の変化の一例を表している。
時刻t1において起動シーケンスが開始される。この時、燃料貯留部20には、上述の停止シーケンスにおいて沸点近傍の温度(Ts2)にて貯留された液体燃料が、外気温等の影響により温度が若干低下しているものの、粘性の悪化が生じない程度の高温状態にて保持されている。したがって、車両の停止時に温度制御された高温の液体燃料を使用して燃料電池10aを起動させることができる。
時刻t1からt2にかけては燃料電池10aの発電量及び発熱量が増加するのに応じて液体燃料の温度が上昇する。しかしながら、上述のステップS24の処理において、遅くとも液体燃料がTs1に達して沸騰する前に燃料貯留部20内の液体燃料がその外部に強制排出されるので、時刻t2時点における燃料貯留部20内の液体燃料量はほぼゼロになっている。これにより、燃料貯留部20内において液体燃料が沸騰することによって、燃料貯留部20が損傷する虞を排除することができている。
以上、第2実施形態の燃料電池システム100の制御方法によれば、パワーユニット10の起動時に燃料貯留部20の温度が所定の温度となった場合は、燃料貯留部20に貯留された液体燃料量を所定量以下にする。これにより、燃料貯留部20内において液体燃料が沸騰することによって、燃料貯留部20が損傷する虞を排除することができている。
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は、上述した一実施形態及びその変形例に限定されることはない。
例えば、上述した燃温制御処理においては、燃料貯留部20、及び、その内部に貯留された液体燃料の温度を温度センサ21を用いて検知していたが必ずしもこのような制御方法に限定されない。例えば、起動シーケンスや停止シーケンスが開始してからの経過時間に基づいて燃料貯留部20の温度を推定してもよい。その場合の推定温度は、外気温等の影響を考慮して補正されてもよい。またさらに、燃温制御処理は、燃料貯留部20の温度ではなく、経過時間にのみ基づいて実行されてもよい。その場合の処理方法を図11を用いて説明する。
図11は、経過時間にのみ基づいて実行される燃温制御処理の一例を説明するための図である。同図は、横軸が停止シーケンスが開始された後の時間経過を示し、縦軸が燃料貯留部20内の液体燃料の温度を示している。図11(a)は従来例を示している。従来例では停止シーケンスの開始後に液体燃料を加熱することはないので、燃温制御処理は実行されない。したがって、液体燃料の温度は時間経過とともに低下していく。
図11(b)は、第1及び第2実施形態における燃温制御処理の一例を示している。図示する一点鎖線が示すとおり、第1及び第2実施形態における燃温制御処理では、液体燃料の温度から液体燃料の温度が低下していることを検知し、それに基づいて液体燃料を加熱している。
図11(c)は、経過時間にのみ基づいて実行される燃温制御処理の一例を示している。図示する一点鎖線が示すとおり、液体燃料の温度ではなく、停止シーケンスが開始してからの経過時間に基づいて、所定時間が経過したタイミングで液体燃料を加熱するように制御することもできる。なお、外気温を考慮し、車両状態と経過時間を考慮した温度変化を予め実験等により把握しておくことで、より精度の高い燃温制御を実現することができる。
また、パワーユニット10の一態様として説明した燃料電池10aは、SOFCにより実現される旨説明したが、必ずしもこれに限定されない。燃料電池10aは、液体燃料を直接、又は間接的に消費する限りにおいてはその態様を限定する必要はなく、例えば固体高分子形燃料電池(PEFC; Polymer Electrolyte Fuel Cell)等であってもよい。
以上、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記実施形態及び変形例は、矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせ可能である。
10…パワーユニット
10a…燃料電池
10b…内燃機関
20…第1燃料貯留部(燃料貯留部、サブ貯留部)
30…第2燃料貯留部(燃料貯留部、メイン貯留部)
100、200、300、400、500、600…燃料貯留システム
301…ヒータ

Claims (14)

  1. 燃料が供給されてエネルギー及び熱を発するパワーユニットと、
    前記パワーユニットに供給する液体燃料を貯留する第1燃料貯留部と、
    前記第1燃料貯留部の温度を検出又は推定する温度取得部と、
    前記第1燃料貯留部に貯留された前記液体燃料の温度を制御する燃温制御手段と、を備える燃料貯留システムの制御方法であって、
    前記燃温制御手段は、前記パワーユニットの停止時に取得した前記第1燃料貯留部の温度に基づいて前記第1燃料貯留部内の前記液体燃料の温度を所定の温度に制御する、
    ことを特徴とする燃料貯留システムの制御方法。
  2. 前記燃料貯留システムは、前記第1燃料貯留部に供給可能な液体燃料が貯留される第2燃料貯留部をさらに備え、
    前記第1燃料貯留部の温度が前記所定の温度に達した場合に、前記第2燃料貯留部に貯留されている液体燃料を前記第1燃料貯留部へ供給することにより前記液体燃料の温度を制御する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料貯留システムの制御方法。
  3. さらに、前記パワーユニットの起動時に、前記第1燃料貯留部に貯留されている液体燃料を当該パワーユニットに供給する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料貯留システムの制御方法。
  4. さらに、前記パワーユニットの起動時に前記第1燃料貯留部の温度が前記所定の温度となった場合は、前記第1燃料貯留部に貯留された液体燃料量を所定量以下にする、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の燃料貯留システムの制御方法。
  5. 前記第1燃料貯留部を前記パワーユニットの作動により生じる熱により加熱する、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料貯留システムの制御方法。
  6. 前記第1燃料貯留部を前記パワーユニットから排出される排気の排気熱により加熱する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の燃料貯留システムの制御方法。
  7. 前記燃料貯留システムは、ヒータをさらに備え、
    前記第1燃料貯留部は、前記ヒータの熱により加熱する、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料貯留システムの制御方法。
  8. 前記第1燃料貯留部は、燃料貯留用の容器、前記パワーユニットに前記液体燃料が供給される際の流路となる燃料配管内の領域、又は、前記パワーユニット内において、前記液体燃料が供給される燃料消費部までの流路となる内部配管内の領域を含む、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料貯留システムの制御方法。
  9. 前記第1燃料貯留部と前記パワーユニットとが断熱材で覆われている、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料貯留システムの制御方法。
  10. 前記第1燃料貯留部の少なくとも一部が断熱材で覆われている、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料貯留システムの制御方法。
  11. 前記第1燃料貯留部は、燃料貯留用の容器と、前記パワーユニットに前記液体燃料が供給される際の流路となる燃料配管内の領域と、前記パワーユニット内において、前記液体燃料が消費されるまでの流路となる内部配管内の領域とを含んで構成され、
    前記燃温制御手段によって、前記内部配管内の前記液体燃料を前記燃料配管又は前記容器へ移動させることにより、前記第1燃料貯留部に貯留された前記液体燃料の温度を制御する、
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の燃料貯留システムの制御方法。
  12. 前記第1燃料貯留部は、燃料貯留用の容器と、前記パワーユニットに前記液体燃料が供給される際の流路となる燃料配管内の領域と、前記パワーユニット内において、前記液体燃料が消費されるまでの流路となる内部配管内の領域とを含んで構成され、
    前記燃温制御手段によって、前記燃料配管内の前記液体燃料を前記容器又は前記内部配管へ移動させることにより、前記第1燃料貯留部に貯留された前記液体燃料の温度を制御する、
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の燃料貯留システムの制御方法。
  13. 前記第1燃料貯留部は、燃料貯留用の容器と、前記パワーユニットに前記液体燃料が供給される際の流路となる燃料配管内の領域と、前記パワーユニット内において、前記液体燃料が消費されるまでの流路となる内部配管内の領域とを含んで構成され、
    前記燃温制御手段によって、前記容器内の前記液体燃料を前記燃料配管又は前記内部配管へ移動させることにより、前記第1燃料貯留部に貯留された前記液体燃料の温度を制御する、
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の燃料貯留システムの制御方法。
  14. 燃料電池及び内燃機関の少なくとも一方を含むパワーユニットと、
    前記パワーユニットに供給される液体燃料が貯留される第1燃料貯留部と、
    前記第1燃料貯留部の温度を検出又は推定する温度取得部と、
    前記第1燃料貯留部に貯留された前記液体燃料の温度を制御する燃温制御装置と、を備え、
    前記燃温制御装置は、前記パワーユニットの停止時に取得した前記第1燃料貯留部の温度に基づいて前記第1燃料貯留部内の前記液体燃料の温度を所定の温度に制御する、
    ことを特徴とする燃料貯留システム。
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