JP2019066598A - アクティブノイズキャンセル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】広範な周波数帯域においてノイズを低減しやすいアクティブノイズキャンセル装置を提供する。【解決手段】メインスピーカの発生音とサブスピーカの発生音との合成音は、100Hz近傍においてノイズと発生音との強め合いが生じにくくなっている。メインスピーカによってノイズキャンセルする場合に、ノイズとメインスピーカの発生音とが強め合ってしまう周波数帯域において、メインスピーカの発生音をサブスピーカによってキャンセルすることにより、ノイズと発生音との強め合いを抑制し、広範な周波数帯域においてノイズを低減しやすくすることができる。【選択図】図11

Description

本発明は、アクティブノイズキャンセル装置に関する。
一般に、スピーカ装置(音発生装置)では、磁気回路に入力される入力信号と、振動板が振動することによって発生する発生音と、の間に位相差が生じることが知られている。このようなスピーカ装置がノイズキャンセル装置として用いられることがある。このとき、ノイズを集音するとともにノイズと逆位相の音を発生させて打ち消そうとしても、集音から音発生までの時間差だけでなく、上記の位相差により、発生音がノイズの逆位相からずれやすく、発生音とノイズとが打ち消し合いにくかった。そこで、位相差の周波数特性(位相特性)を予め測定又は算出しておき、発生音がノイズの逆位相となるように入力信号を制御する方法も考えられる。しかしながら、例えば最低共振周波数の前後のように位相差の変化率が高くなる周波数帯域が存在することがあるため、このような周波数帯域においては、発生音がノイズの逆位相からずれやすいという不都合があった。
一方、振動板の等価質量と最低共振周波数とを調節することにより、入力信号と発生音との位相差の低減を図ったスピーカユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された従来のスピーカユニットでは、振動板の等価質量と最低共振周波数との積を400g・Hz以下に設定することで位相差を低減しており、即ち、位相差の変化率も低くなっている。
特開平9−247777号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたスピーカユニットでは、特定の周波数のノイズを低減することはできても、他の周波数においては、ノイズと発生音とが同位相となってしまうことがあり、ノイズと発生音とが強め合ってしまうことがあった。即ち、広範な周波数帯域においてノイズを低減することが困難であるという不都合があった。
したがって、本発明の課題は、広範な周波数帯域においてノイズを低減しやすいアクティブノイズキャンセル装置を提供することが一例として挙げられる。
前述した課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のアクティブノイズキャンセル装置は、少なくとも第1スピーカ及び第2スピーカを含む複数のスピーカと、前記複数のスピーカを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1スピーカを制御してノイズキャンセルする際に、前記第2スピーカによって前記第1スピーカの発生音の一部をキャンセルさせることを特徴としている。
請求項10に記載の本発明のアクティブノイズキャンセル方法は、少なくとも第1スピーカ及び第2スピーカを含む複数のスピーカを用い、前記第1スピーカを制御してノイズキャンセルさせる際に、前記第2スピーカによって前記第1スピーカの発生音の一部をキャンセルさせることを特徴としている。
本発明の実施例に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置におけるメインスピーカのスピーカ本体を示す断面図である。 前記メインスピーカの機械要素を示す模式図である。 前記メインスピーカの機械要素を回路要素に置換した等価回路図である。 前記メインスピーカの等価回路のインピーダンス及び発生音の周波数特性のシミュレーション結果を示すグラフである。 前記メインスピーカにおける位相特性のシミュレーション結果を示すグラフである。 ノイズ信号と前記メインスピーカが発生するキャンセル信号とこれらの合成信号との波を示すグラフである。 前記メインスピーカの発生音の音圧特性及び位相特性を示すグラフである。 前記サブスピーカの発生音の音圧特性及び位相特性を示すグラフである。 前記メインスピーカの発生音と前記サブスピーカの発生音との合成音の音圧特性及び位相特性を示すグラフである。 本発明の変形例1−1に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例1−2に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例1−3に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例2−1に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例2−2に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例2−3に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例2−4に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例3−1に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例3−2に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例3−3に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例4−1に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例4−2に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例4−3に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例4−4に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例5−1に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例5−2に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例5−3に係るアクティブノイズキャンセル装置を示す斜視図である。 前記アクティブノイズキャンセル装置を示す断面図である。 本発明の変形例6に係るアクティブノイズキャンセル装置が車両に設けられた様子を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の実施形態に係るアクティブノイズキャンセル装置は、少なくとも第1スピーカ及び第2スピーカを含む複数のスピーカと、複数のスピーカを制御する制御部と、を備える。制御部は、第1スピーカを制御してノイズキャンセルする際に、第2スピーカによって第1スピーカの発生音の一部をキャンセルさせる。
第1スピーカによってノイズキャンセルする場合、ノイズと第1スピーカの発生音とが強め合ってしまう(即ち、ノイズと第1スピーカの発生音との位相差が0°±120°以内となる)周波数帯域が生じる。このような周波数帯域における第1スピーカの発生音を第2スピーカによってキャンセルすることにより、ノイズと発生音との強め合いを抑制し、広範な周波数帯域においてノイズを低減しやすくすることができる。尚、第2スピーカの発生音の音圧は、第1スピーカの発生音の一部を完全に除去するような値であってもよいし、減少させるような値であってもよく、完全に除去することと減少させることとをまとめて「キャンセル」と呼ぶ。
制御部は、第1スピーカの発生音のうちノイズと強め合う周波数成分をキャンセルするように、第2スピーカを制御してもよい。より好ましくは、第1スピーカの発生音のうちノイズと同相(即ち、ノイズと第1スピーカの発生音との位相差が±0°)となる周波数成分をキャンセルするように、第2スピーカを制御してもよい。また、第1スピーカと第2スピーカとでは、最低共振周波数が互いに異なっていてもよい。即ち、第2スピーカの発生音の位相を制御することにより、第1スピーカの発生音をキャンセルさせてもよいし、第1スピーカの発生音のうちノイズと強め合うような周波数帯域の音のキャンセルに適した最低共振周波数を有する第2スピーカを用いてもよい。さらに、上記のように第2スピーカの制御により第1スピーカの発生音の一部をキャンセルしやすくする方法と、適切な第2スピーカの選択により第1スピーカの発生音の一部をキャンセルしやすくする方法と、を組み合わせてもよい。即ち、第1スピーカと第2スピーカとが同じ特性を有するものであってもよいし、異なる特性を有するものであってもよい。第1スピーカと第2スピーカとが同じ特性を有する場合、部品を共通化することができる。
制御部は、第1スピーカの発生音のうち音圧が最大となる周波数よりも高周波数側において、第1スピーカの発生音のうちノイズと強め合う周波数成分をキャンセルするように、第2スピーカを制御することが好ましい。さらに、制御部は、第1スピーカの発生音のうち音圧が最大となる周波数よりも高周波数側において、第1スピーカの発生音とノイズとの合成音の音圧が最大の周波数成分をキャンセルするように、第2スピーカを制御することが好ましい。
これにより、第2スピーカとして高音用スピーカを用いることができ、第2スピーカを小型化しやすい。また、第1スピーカの発生音のうち音圧が最大となる周波数は、ノイズのうち最もキャンセルしたい周波数に設定される。このような周波数よりも低周波数側の音は使用者に認識されにくく、高周波数側の音の方が認識されやすい。従って、高周波数側において第1スピーカの発生音を第2スピーカによってキャンセルすれば、使用者がノイズの低減を実感しやすい。また、さらに高周波数のノイズは吸音材等を用いて消音しやすい。即ち、第1スピーカの発生音のうち音圧が最大となる周波数よりも高周波数側において、第2スピーカによって、第1スピーカとノイズとの合成音の音圧が最大の周波数成分をキャンセルすれば、吸音材等により消音しにくい周波数のノイズを低減することができる。
複数のスピーカが第3スピーカを含み、制御部が、第1スピーカを制御してノイズキャンセルする際に、第1スピーカの発生音のうち、第2スピーカによって低減される周波数成分とは異なる周波数成分をキャンセルするように、第3スピーカを制御してもよい。
第1スピーカと第2スピーカとのうち少なくとも一方は、スピーカ本体と、スピーカ本体の最低共振周波数とは異なる周波数の共振音を発生させる1又は複数の共振素子と、を備えることが好ましい。スピーカが共振素子を備えることで、その発生音の音圧の周波数特性は、スピーカ本体の最低共振周波数に応じたピーク以外に、共振素子が発生する共振音の共振周波数(素子共振周波数)に応じた周波数において、サブピークを有する。スピーカにおける入出力位相差の周波数特性は、周波数が高くなるにしたがって位相差が小さくなる傾向を示すが、音圧特性がサブピークを有することにより、入出力位相差の周波数特性のグラフが、サブピークの周波数やその近傍において下向きに凸に変形しようとする。従って、このグラフには、位相差の変化が比較的緩やかな平坦領域が形成される。これにより、スピーカの発生音のうちノイズと逆位相となる周波数帯域を広くすることができる。
尚、共振素子は、スピーカ本体に設けられていてもよいし、エンクロージャに設けられていてもよいし、スピーカ本体とエンクロージャとに跨って設けられていてもよいし、スピーカ本体とエンクロージャとの両方に設けられていてもよい。さらに、共振素子は、重量部と弾性部とを有した振動部材であってもよいし、エンクロージャの壁に設けられてスピーカ本体の放射音が通過する管状部材であってもよい。
制御部は、第2スピーカによって第1スピーカの発生音の一部をキャンセルする周波数において、第2スピーカによってノイズキャンセルもさせてもよいし、第2スピーカによって第1スピーカの発生音の一部をキャンセルする周波数以外の周波数において、第2スピーカによってノイズキャンセルもさせてもよい。これにより、第2スピーカによって、第1スピーカの発生音とノイズとの強め合いを抑制するだけでなく、ノイズ自体もキャンセルすることができる。
本発明の実施形態に係るアクティブノイズキャンセル方法は、少なくとも第1スピーカ及び第2スピーカを含む複数のスピーカを用い、第1スピーカを制御してノイズキャンセルさせる際に、第2スピーカによって第1スピーカの発生音の一部をキャンセルさせる。本実施形態のアクティブノイズキャンセル方法によれば、上記のように、第1スピーカの発生音のうちノイズと強め合ってしまう周波数帯域の音を第2スピーカによってキャンセルすることにより、ノイズと発生音との強め合いを抑制し、広範な周波数帯域においてノイズを低減しやすくすることができる。
また、上述したアクティブノイズキャンセル方法をコンピュータにより実行させるアクティブノイズキャンセルプログラムとしてもよい。このようにすることにより、コンピュータを用いて、第1スピーカの発生音のうちノイズと強め合ってしまう周波数帯域の音を第2スピーカによってキャンセルし、広範な周波数帯域においてノイズを低減しやすくすることができる。
また、上述したアクティブノイズキャンセルプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。このようにすることにより、当該プログラムを機器に組み込む以外に単体でも流通させることができ、バージョンアップ等も容易に行える。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。図1は、本発明の実施例に係るアクティブノイズキャンセル装置100を示す斜視図であり、図2は、アクティブノイズキャンセル装置100を示す断面図であり、図3は、アクティブノイズキャンセル装置100におけるメインスピーカ10のスピーカ本体11を示す断面図であり、図4は、メインスピーカ10の機械要素を示す模式図であり、図5は、メインスピーカ10の機械要素を回路要素に置換した等価回路図であり、図6は、メインスピーカ10の等価回路のインピーダンス及び発生音の周波数特性のシミュレーション結果を示すグラフであり、図7は、メインスピーカ10における位相特性のシミュレーション結果を示すグラフであり、図8は、ノイズ信号とメインスピーカ10が発生するキャンセル信号とこれらの合成信号との波を示すグラフである。
アクティブノイズキャンセル装置100は、図1、2に示すように、第1スピーカとしてのメインスピーカ10と、第2スピーカとしてのサブスピーカ20と、制御部と、位相調節部と、位置固定部30と、集音部40と、を備え、移動体(例えば車両)に設けられてロードノイズをキャンセルする。
メインスピーカ10は、スピーカ本体11と、スピーカ本体11を収容するエンクロージャ12と、共振素子としての弾性部材8Aと、を備える。スピーカ本体11は、図3に示すように、フレーム2と、フレーム2に接続される振動板3と、振動板3をフレーム2に接続するエッジ4と、振動板3に直接的に接続される筒状のボイスコイル5と、ボイスコイル5をフレーム2に接続するダンパ6と、ボイスコイル5の内側に挿入される磁気回路7と、を備えた一般的なコーン型のスピーカ装置である。スピーカ本体11の振動板3に弾性部材8Aが接続されている。尚、本実施例では、メインスピーカ10が共振素子を備えるものとして説明するが、共振素子を備えないメインスピーカを用いてもよい。
磁気回路7は、ボイスコイル5の内側において、図3における下から順に、磁石71とプレート72と磁石73とが積み重ねられた突出形状を有している。
弾性部材8Aは、例えばゴムによって平面視円環状に形成されるとともに、その外周縁81が振動板3の音放射面(本実施例では中央部よりもボイスコイル5側)に接続されるとともに、内周縁82が自由端となり、自由端の内側におもり85が接続される。
このようなスピーカ本体11において音を放射する際、振動板3及び弾性部材8Aは次のように振動する。振動板3は、その内周側(ボイスコイル5側)に対して外周縁(エッジ4側)にほとんど遅れが生じず、全体が一体的に振動する。一方、弾性部材8Aは、外周縁81においては振動板3と一体的に振動するものの、その弾性により、内周縁82においては外周縁81よりも遅れて振動する。言い換えれば、弾性部材8A内を伝搬する振動の波は、内周縁82に対して外周縁81よりも遅れて到達するので、内周縁82における振動の波の位相と、外周縁81における振動の波の位相と、の間に所定の差が生じる。
従って、メインスピーカ10における機械要素を図4のように模式的に示すことができる。即ち、弾性部材8Aが、振動板3に接続されるとともに所定の質量を有する剛体83と、剛体83に接続されて伸縮時に機械抵抗を生じるとともに所定の質量を有するバネ84と、により構成されているとみなすことができる。また、弾性部材8Aには、おもり85が接続されている。また、振動板3については機械要素を図示しないが、振動板3とダンパ6とエッジ4は、弾性及び質量を有していることから、バネとおもりと機械抵抗とにより構成されているものとみなすことができる。
図4に示すような機械要素を電気的な回路要素に置換すると、図5に示すような等価回路となる。即ち、振動板3による部分E1と、弾性部材8Aによる部分E2と、が直列に接続された回路となる。振動板3による部分E1においては、ダンパ6及びエッジ4の機械抵抗による抵抗R1と、ダンパ6及びエッジ4のコンプライアンスによるコンデンサC1と、振動板3、ダンパ6及びエッジ4の振動質量によるコイルL1と、が直列に接続されている。また、弾性部材8Aによる部分E2においては、バネ84のコンプライアンスによるコンデンサC2と、バネ84の機械抵抗による抵抗R2と、が直列に接続されるとともに、コンデンサC2及び抵抗R2に対し、おもり85の振動質量によるコイルL2が並列に接続されている。
サブスピーカ20は、スピーカ本体21と、スピーカ本体21を収容するエンクロージャ22と、を備える。サブスピーカ20は、メインスピーカ10と同様に共振素子を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。また、メインスピーカ10におけるスピーカ本体11の最低共振周波数と、サブスピーカ20におけるスピーカ本体21の最低共振周波数と、は互いに等しくてもよいし、異なっていてもよい。また、サブスピーカ20は、メインスピーカ10と特性が等しい(ハードウェア的に同じ構成を有する)ものであってもよいし、メインスピーカ10より小型のものであってもよい。
上記のような等価回路に基づいて求めたメインスピーカ10のインピーダンスの周波数特性、並びに、音圧特性のシミュレーション結果を図6に示す。尚、図6では、左側の縦軸が音圧特性に対応し、右側の縦軸がインピーダンスに対応している。また、周波数を示す横軸は対数表示されている。
メインスピーカ10における音圧特性は、スピーカ本体2の最低共振周波数に応じたピーク(約90Hz)と、他の回路要素によるサブピーク(約30〜40Hz)と、を有する。サブピークの周波数は、主に弾性部材8Aの共振周波数によって定まる。
メインスピーカ10の入出力位相差の周波数特性(以下、単に「位相特性」とする)のシミュレーション結果を図7に示す。図7では、位相が−180°以下の値については、360°を加算した値で表示し直し、位相が180°よりも大きい値については、360°を減算した値で表示し直している。メインスピーカ10の位相特性は、変化が比較的なだらかな平坦領域(約40〜60Hz)を有するとともに、平坦領域の前後に、変化が急峻な領域を有している。
制御部は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリを備えたCPU(Central Processing Unit)で構成され、アクティブノイズキャンセル装置100の全体制御を司る。具体的には、集音部40から受信した信号に応じて、メインスピーカ10とサブスピーカ20とを独立に制御する。
位相調節部は、メインスピーカ10およびサブスピーカ20のそれぞれの発生音の位相を調節するためのものであって、アナログフィルタまたはデジタルフィルタによって構成される。
位置固定部30は、メインスピーカ10とサブスピーカ20との相対位置を固定する4本の柱部材30A〜30Dによって構成されている。4本の柱部材30A〜30Dは、エンクロージャ12、22におけるスピーカ配置面(スピーカ本体11、21が設けられた面)121、221の四隅のそれぞれに配置されている。これにより、メインスピーカ10とサブスピーカ20とは、スピーカ本体11、21の音放射面111、211同士が対向するように配置される。また、メインスピーカ10とサブスピーカ20との間隔は、柱部材30A〜30Dの長さによって決まる。
4本の柱部材30A〜30Dのうち隣り合う2本と、メインスピーカ10およびサブスピーカ20の側面(スピーカ配置面121、221と交差する面)と、によって4つの開口部50A〜50Dが構成されている。
集音部40は、マイクであって、メインスピーカ10のエンクロージャ12の側面に隣り合うように配置されている。即ち、集音部40は、開口部50Bの周囲に配置されている。尚、本実施例では1つの集音部40が設けられているものとするが、4つの開口部50A〜50Dのそれぞれの周囲に集音部が設けられてもよい。
ここで、アクティブノイズキャンセル装置100が放射する音の経路について説明する。まず、本実施例では、アクティブノイズキャンセル装置100が車両の座席下に配置され、搭乗者が位置する空間を、アクティブノイズキャンセル装置100が音を放射する音放射空間とする。このとき、音放射空間S0は、サブスピーカ20を挟んでメインスピーカ10の反対側(即ち、メインスピーカ10から見てサブスピーカ20のさらに奥側)に位置する。即ち、サブスピーカ20は、メインスピーカ10と音放射空間S0とに挟まれる位置に配置されている。音放射空間S0は、使用者が存在する空間であり、移動体に搭載される本実施例のアクティブノイズキャンセル装置100においては、搭乗者が存在する空間(車両の場合には座席が設けられた車室内空間)である。メインスピーカ10から放射された音は、スピーカ配置面121、221同士の間を通過して各開口部50A〜50Dに向かって進行し、開口部50A〜50Dから音放射空間S0に向かう。即ち、スピーカ配置面121、221及び4つの開口部50A〜50Dによって4つの音通過経路RT1〜RT4が形成されている。
サブスピーカ20のスピーカ本体21は、その音放射面211がメインスピーカ10のスピーカ本体11に向けられており、スピーカ配置面121、221同士の間に音を放射する。即ち、サブスピーカ20は、音通過経路RT1〜RT4に音放射面211を向けて配置されている。
以上のようなアクティブノイズキャンセル装置100によってノイズキャンセルしようとした場合、ノイズ信号と、アクティブノイズキャンセル装置100が放射するキャンセル信号と、の間に位相差が生じてしまうと、キャンセル効果が低下したり、逆にノイズが増大したりしてしまうことがある。例えば、ノイズ信号とキャンセル信号との位相差が60°の場合について、ノイズ信号、ノイズ信号と振幅の等しいキャンセル信号及びこれらの合成信号の波を図8に示す。ノイズ信号及びキャンセル信号が放射された空間において実際に発生する音の音圧は、合成信号の振幅となる。図8の例では、ノイズ信号とキャンセル信号とで振幅が等しい場合には、ノイズ信号の振幅と合成信号の振幅とが等しくなり、ノイズ信号とキャンセル信号との位相差が60°を超えるとキャンセル効果が得られなくなる。
メインスピーカ10は、図9に示すように、ノイズのうち40Hzを主にキャンセルするように制御されて音を放射する。図9では、横軸が周波数を示し、左側の縦軸が位相(余弦表示)を示し、右側の縦軸が音圧を示す。また、実線がメインスピーカ10の発生音の音圧特性を示し、破線が位相特性を示す。位相θの余弦cosθが−1となる周波数では、メインスピーカ10の発生音とノイズとが逆位相となり、1となる周波数では、メインスピーカ10の発生音とノイズとが同位相となる。このとき、40Hzにおいてメインスピーカ10の発生音とノイズとが逆位相となり、130Hzにおいてメインスピーカ10の発生音とノイズとが同位相となる。
メインスピーカ10の発生音とノイズとの合成音の音圧は、発生音の音圧と、ノイズの音圧と、位相差と、によって決まる。図9に示す例では、メインスピーカ10の発生音の音圧は、40Hzにおいて最大となり、高周波数側に向かうにしたがって小さくなる傾向を示す。このとき、メインスピーカ10の発生音とノイズとの合成音の音圧は、100Hzで最大となる。合成音の音圧が最大となる周波数は、この例のようにメインスピーカ10の発生音とノイズとが同位相となる周波数(130Hz)から若干ずれることもあるし、メインスピーカ10の発生音とノイズとが同位相となる周波数と一致することもある。
そこで、制御部は、位相調節部を用いることにより、図10に示すように、発生音が100Hzにおいてノイズと逆位相となるとともに、100Hzでの音圧が極大となるように、サブスピーカ20を制御する。これにより、メインスピーカ10の発生音とサブスピーカ20の発生音との合成音は、図11に示すような特性を有する。図11に示す合成音の位相特性では、図9に示すメインスピーカ10単独の発生音と比較して、100Hz近傍においてノイズと発生音との強め合いが生じにくくなっている。即ち、制御部は、メインスピーカ10の発生音のうち音圧が最大となる周波数よりも高周波数側において、メインスピーカ10の発生音とノイズとの合成音の音圧が最大の周波数成分をキャンセルするように、サブスピーカ20を制御している。
尚、メインスピーカ10によって主にキャンセルするノイズの周波数(メインスピーカ10の発生音のうち音圧が最大となる周波数)が決まれば、強め合いが生じやすい周波数も決まる。このとき制御部は、リアルタイムで集音したノイズの基づき、位相調節部を用いることでサブスピーカ20の発生音の位相を調節してもよい。また、メインスピーカ10によってノイズと強め合いが生じやすい周波数を、例えばテーブルとして適宜な記憶手段に記憶しておき、この記憶した情報に基づき、制御部がサブスピーカ20の発生音の位相を調節してもよい。このとき、制御部は、アクティブノイズキャンセル装置の使用環境に応じて、記憶した情報を適宜補正し、サブスピーカ20の発生音の位相を調節してもよい。
このとき、サブスピーカ20の放射音の音圧を、メインスピーカ10による発生音の音圧以下とし、メインスピーカ10による発生音のみをキャンセルしてもよいし、メインスピーカ10による発生音の音圧よりも大きくしてロードノイズもキャンセルしてもよい。
また、キャンセル対象発生音の周波数以外の周波数において、ロードノイズと逆位相の音をサブスピーカ20に発生させることにより、サブスピーカ20を用いてロードノイズをキャンセルさせてもよい。
上記の構成により、メインスピーカ10によってノイズキャンセルする場合に、ノイズとメインスピーカ10の発生音とが強め合ってしまう周波数帯域において、メインスピーカ10の発生音をサブスピーカ20によってキャンセルすることにより、ノイズと発生音との強め合いを抑制し、広範な周波数帯域においてノイズを低減しやすくすることができる。
メインスピーカ10が共振素子を備えることで、メインスピーカ10の発生音のうちノイズと逆位相となる周波数帯域を広くすることができる。
また、制御部は、メインスピーカ10の発生音のうち音圧が最大となる周波数よりも高周波数側において、メインスピーカ10の発生音とノイズとの合成音の音圧が最大の周波数成分をキャンセルするように、サブスピーカ20を制御している。これにより、サブスピーカ20として高音用スピーカを用いることができ、サブスピーカ20を小型化しやすい。また、メインスピーカ10の発生音のうち音圧が最大となる周波数は、ノイズのうち最もキャンセルしたい周波数に設定される。このような周波数よりも低周波数側の音は使用者に認識されにくく、高周波数側の音の方が認識されやすい。従って、高周波数側においてメインスピーカ10の発生音をサブスピーカ20によってキャンセルすることで、使用者がノイズの低減を実感しやすい。また、さらに高周波数のノイズは吸音材等を用いて消音しやすい。即ち、メインスピーカ10の発生音のうち音圧が最大となる周波数よりも高周波数側において、サブスピーカ20によって、メインスピーカ10の発生音とノイズとの合成音の音圧が最大の周波数成分をキャンセルすれば、吸音材等により消音しにくい周波数のノイズを低減することができる。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、位置固定部30が4本の柱部材30A〜30Dによって構成され、4つの音通過経路RT1〜RT4が形成されるものとしたが、このような構成に限定されない。
変形例1−1のアクティブノイズキャンセル装置100Bとして図12、13に示すように、位置固定部は、3枚の板状部材60A〜60Cによって構成されてもよい。メインスピーカ10とサブスピーカ20とは、前記実施例と同様に対向配置されている。3枚の板状部材60A〜60Cは、メインスピーカ10とサブスピーカ20との間の空間を三方から囲み、一面において開口部50Eが形成されている。即ち、開口部50Eを通過する1つの音通過経路が形成されている。また、集音部40は、開口部50Eの周囲に(メインスピーカ10のエンクロージャ12の側面に隣り合うように)配置されている。
変形例1−2のアクティブノイズキャンセル装置100Cとして図14、15に示すように、位置固定部は、4枚の板状部材60A〜60Dによって構成されてもよい。メインスピーカ10とサブスピーカ20とは、前記実施例と同様に対向配置されている。4枚の板状部材60A〜60Dは、メインスピーカ10とサブスピーカ20との間の空間を四方から囲み、1枚の板状部材60Dに開口筒部601が形成されている。即ち、開口筒部601を通過する1つの音通過経路が形成されている。また、集音部40は、開口筒部601の周囲に配置されている。
変形例1−3のアクティブノイズキャンセル装置100Dとして図16、17に示すように、位置固定部が設けられず、メインスピーカ10及びサブスピーカ20が、ノイズキャンセル装置100以外の部材に固定される構成としてもよい。例えば、メインスピーカ10が車両の床面に固定され、サブスピーカ20が座席の下面に固定されることにより、メインスピーカ10とサブスピーカ20とが対向配置されていればよい。このとき、メインスピーカ10とサブスピーカ20との間の空間は四方において周囲と連通している。メインスピーカ10から放射された音は、スピーカ配置面121、221同士の間を通過し、メインスピーカ10とサブスピーカ20との間の空間から周囲に放射される。即ち、スピーカ配置面121、221によって音通過経路が形成されている。
また、前記実施例では、メインスピーカ10とサブスピーカ20とが対向配置されるものとしたが、メインスピーカ10とサブスピーカ20との配置はこれに限定されない。即ち、変形例2−1〜変形例2−4のアクティブノイズキャンセル装置100E〜100Hとして図18〜25に示すように、メインスピーカ10とサブスピーカ20とが、音放射方向が直交するようにL字状に配置されてもよい。このとき、メインスピーカ10のスピーカ配置面121と、サブスピーカ20のエンクロージャ22の側面と、が固定されることにより、相対位置が固定されている。尚、メインスピーカ10のエンクロージャ12とサブスピーカ20のエンクロージャ22とは、区画されていてもよいし連通していてもよい。
変形例2−1のアクティブノイズキャンセル装置100Eでは、図18、19に示すように、メインスピーカ10に対向する対向板部70Aと、サブスピーカ20に対向する対向板部70Bと、対向板部70Aとスピーカ配置面121とを連結する2本の柱部材30Eと、対向板部70Bとスピーカ配置面221とを連結する2本の柱部材30Fと、が設けられている。これにより、スピーカ配置面121と対向板部70Aと柱部材30Eとによって開口部50Fが形成される。また、スピーカ配置面221と対向板部70Bと柱部材30Fとによって開口部50Gが形成される。また、スピーカ配置面121と対向板部70Aとスピーカ配置面221と対向板部70Bとによって、2つのL字状の開口部50H、50Iが形成される。
メインスピーカ10から放射された音は、4つの開口部50F〜50Iを通過して音放射空間S0に向かう。即ち、4つの音通過経路が形成されている。集音部40は、開口部50Hの周囲に(メインスピーカ10のエンクロージャ12の側面に隣り合うように)配置されている。このとき、集音部40は、メインスピーカ10の音放射面111からの距離と、サブスピーカ20の音放射面211からの距離と、が略等しくなるように、メインスピーカ10とサブスピーカ20とによって構成されるL字の角部に配置されている。
変形例2−2のアクティブノイズキャンセル装置100Fは、図20、21に示すように、変形例2−1の構成に加え、開口部50F、50H、50Iを閉塞する板状部材60E〜60Gが設けられたものである。即ち、1つの開口部50Gのみが形成されており、1つの音通過経路が形成されている。集音部40は、開口部50Gの周囲に(対向板部70Bに隣り合うように)配置されている。開口部50Gは、サブスピーカ20に近い側に形成されたものである。メインスピーカ10の放射音の位相は、集音したノイズの逆位相となるように制御される。一方、サブスピーカ20の放射音の位相は、メインスピーカ10の放射音の一部の逆位相となるように制御される。サブスピーカ20に近い開口部50Fの周囲において、メインスピーカ10の放射音を集音し、この逆位相となるようにサブスピーカ20に音を放射させれば、サブスピーカ20の放射音によってメインスピーカ10の放射音の一部をキャンセルさせやすい。
変形例2−3のアクティブノイズキャンセル装置100Gは、図22、23に示すように、変形例2−2の構成に加え、開口部50Gを閉塞する板状部材60Hが設けられたものである。板状部材60Hには開口筒部601が形成されている。即ち、開口筒部601を通過する1つの音通過経路が形成されている。また、集音部40は、開口筒部601の周囲に配置されている。
変形例2−4のアクティブノイズキャンセル装置100Hは、図24、25に示すように、変形例2−1のアクティブノイズキャンセル装置100Eから対向板部および柱部材を取り除いたものである。メインスピーカ10から放射された音は、サブスピーカ20のスピーカ配置面221に沿うように進行し、音放射空間S0に向かう。即ち、メインスピーカ10のスピーカ配置面121からその面直方向に沿って延びる音通過経路が形成されており、サブスピーカ20はこの音通過経路に音放射面211を向けて配置されている。また、集音部40は、変形例2−1のアクティブノイズキャンセル装置100Eと同様に配置されている。
また、変形例3−1〜変形例3−3のアクティブノイズキャンセル装置100I〜100Kとして図26〜31に示すように、メインスピーカ10とサブスピーカ20とが、音放射方向が互いに同じ方向を向くように配置されてもよい。このとき、メインスピーカ10とサブスピーカ20とは、エンクロージャ同士が一体に形成されている(共通エンクロージャ13を有する)ことで、相対位置が固定されている。尚、共通エンクロージャ13の内側において、メインスピーカ10用の空間とサブスピーカ20用の空間とが区画されていてもよい。
変形例3−1のアクティブノイズキャンセル装置100Iでは、図26、27に示すように、メインスピーカ10及びサブスピーカ20に対向する対向板部70Cと、対向板部70Cとスピーカ配置面131(スピーカ本体11、21が設けられる面)とを連結する4本の柱部材30Gと、が設けられている。これにより、スピーカ配置面131と対向板部70Cと柱部材30Gとによって4つの開口部50J〜50Mが形成される。メインスピーカ10から放射された音は、4つの開口部50J〜50Mを通過して音放射空間S0に向かう。即ち、4つの音通過経路が形成されている。このとき、サブスピーカ20は、4つの音通過経路のうち、開口部50Kを通過する経路に音放射面211を向けている。集音部40は、開口部50Jの周囲に(共通エンクロージャ13の側面に隣り合うように)配置されている。このとき、集音部40は、メインスピーカ10の音放射面111からの距離と、サブスピーカ20の音放射面211からの距離と、が略等しくなるように配置されている。
変形例3−2のアクティブノイズキャンセル装置100Jでは、図28、29に示すように、変形例3−1の構成に加え、開口部50J、50L、50Mを閉塞する板状部材60I〜60Kが設けられたものである。即ち、1つの開口部50Kのみが形成されており、1つの音通過経路が形成されている。集音部40は、開口部50Kの周囲に(共通エンクロージャ13の側面に隣り合うように)配置されている。開口部50Kは、サブスピーカ20に近い側に形成されたものである。
変形例3−3のアクティブノイズキャンセル装置100Kは、図30、31に示すように、変形例3−2の構成に加え、開口部50Kを閉塞する板状部材60Lが設けられたものである。板状部材60Lには開口筒部601が形成されている。即ち、開口筒部601を通過する1つの音通過経路が形成されている。また、集音部40は、開口筒部601の周囲に配置されている。
また、前記実施例では、アクティブノイズキャンセル装置100が2つのスピーカ10、20を備えるものとしたが、アクティブノイズキャンセル装置は、3つ以上のスピーカを備えていてもよい。このとき、1つのメインスピーカに対して複数のサブスピーカが設けられてもよいし、複数のメインスピーカに対して共通した1つのサブスピーカが設けられてもよいし、複数のメインスピーカのそれぞれに対して1又は複数のサブスピーカが設けられてもよい。また、メインスピーカに対してサブスピーカを設け、さらに、サブスピーカの発生音の一部をキャンセルするように、第2のサブスピーカを設けてもよい。
変形例4−1のアクティブノイズキャンセル装置100Lでは、図32、33に示すように、1つのメインスピーカ10に対し、2つのサブスピーカ20A、20Bが設けられている。サブスピーカ20Aは、メインスピーカ10に対し、音放射面同士が対向するように配置されている。サブスピーカ20Bは、メインスピーカ10に対し、音放射方向が直交するように配置されている。さらに、サブスピーカ20Bに対向するように対向板部70Dが設けられている。即ち、スピーカ10、20A、20Bと対向板部70Dとが四角筒を構成し、筒の両端が開口部50L、50Mとなっている。メインスピーカ10から放射された音は、2つの開口部50L、50Mを通過して音放射空間S0に向かう。即ち、2つの音通過経路が形成されている。集音部40は、開口部50Lの周囲に(メインスピーカ10のエンクロージャ12の側面に隣り合うように)配置されている。尚、隣り合うスピーカのエンクロージャ同士は連通していてもよい。
変形例4−2のアクティブノイズキャンセル装置100Mは、図34、35に示すように、変形例4−1の構成に加え、開口部50Mを閉塞する板状部材60Mが設けられたものである。即ち、1つの開口部50Lのみが形成されており、1つの音通過経路が形成されている。集音部40は、変形例4−1と同様に配置されている。
変形例4−3のアクティブノイズキャンセル装置100Nは、図36、37に示すように、変形例4−2の構成に加え、開口部50Lを閉塞する板状部材60Nが設けられたものである。板状部材60Nには開口筒部601が形成されている。即ち、開口筒部601を通過する1つの音通過経路が形成されている。また、集音部40は、開口筒部601の周囲に配置されている。
変形例4−4のアクティブノイズキャンセル装置100Oは、図38、39に示すように、変形例4−1のアクティブノイズキャンセル装置100Lから対向板部を取り除いたものである。メインスピーカ10から放射された音は、3つのスピーカ配置面によって囲まれた空間内を進行し、音放射空間S0に向かう。即ち、この空間が音通過経路となっており、サブスピーカ20A、20Bはこの音通過経路に音放射面211を向けて配置されている。また、集音部40は、変形例4−1のアクティブノイズキャンセル装置100Lと同様に配置されている。
変形例5−1のアクティブノイズキャンセル装置100Pでは、図40、41に示すように、1つのメインスピーカ10に対し、3つのサブスピーカ20A、20B、20Cが設けられている。サブスピーカ20Aは、メインスピーカ10に対し、音放射面同士が対向するように配置されている。サブスピーカ20B、20Cは、互いに対向するように配置されるとともに、メインスピーカ10に対し、音放射方向が直交するように配置されている。即ち、4つのスピーカ10、20A、20B、20Cが四角筒を構成し、筒の両端が開口部50N、50Oとなっている。メインスピーカ10から放射された音は、2つの開口部50N、50Oを通過して音放射空間S0に向かう。即ち、2つの音通過経路が形成されている。集音部40は、開口部50Nの周囲に(メインスピーカ10のエンクロージャ12の側面に隣り合うように)配置されている。尚、隣り合うスピーカのエンクロージャ同士は連通していてもよい。
変形例5−2のアクティブノイズキャンセル装置100Qは、図42、43に示すように、変形例5−1の構成に加え、開口部50Oを閉塞する板状部材60Oが設けられたものである。即ち、1つの開口部50Nのみが形成されており、1つの音通過経路が形成されている。集音部40は、変形例5−1のアクティブノイズキャンセル装置100Pと同様に配置されている。
変形例5−3のアクティブノイズキャンセル装置100Rは、図44、45に示すように、変形例5−2の構成に加え、開口部50Nを閉塞する板状部材60Pが設けられたものである。板状部材60Pには開口筒部601が形成されている。即ち、開口筒部601を通過する1つの音通過経路が形成されている。また、集音部40は、開口筒部601の周囲に配置されている。
また、前記実施例では、集音部40が開口部50Bの周囲に配置されるものとしたが、集音部は、ノイズを効果的にキャンセルできるような位置に配置されていればよい。例えば、変形例6のアクティブノイズキャンセル装置100Sとして図46に示すように、メインスピーカ10およびサブスピーカ20が車両の床面Fと座席SHとの間に配置され、これと離れた位置に集音部40が配置されていてもよい。このとき、メインスピーカ10およびサブスピーカ10と、集音部40と、の間隔は、サブスピーカ20が主にキャンセルしようとする周波数帯域(例えば100〜300Hz)の波長の1/6以下であることが好ましい。尚、アクティブノイズキャンセル装置において、発生音がノイズの逆位相に対して±60°以内であればキャンセル効果が得られる。1/6波長とは、60°/360°に対応したものである。また、メインスピーカ10とサブスピーカ20との音放射面同士の間隔は、上記波長の1/6以下であることが好ましい。変形例6のアクティブノイズキャンセル装置100Sでは、集音部40が車両(移動体)の座席における背もたれ部の上側部分に配置(内蔵)されていることにより、着座者の耳の近傍のノイズを集音可能となっている。また、集音部は、座席部SHのヘッドレストに内蔵されてもよい。
また、前記実施例では、アクティブノイズキャンセル装置100が第1スピーカとしてのメインスピーカ10および第2スピーカとしてのサブスピーカ20を備えるものとしたが、アクティブノイズキャンセル装置は、さらに第3スピーカを備えていてもよい。このとき、制御部は、メインスピーカ10を制御してノイズキャンセルする際に、メインスピーカ10の発生音のうち、サブスピーカ20によって低減される周波数成分とは異なる周波数成分をキャンセルするように、第3スピーカを制御してもよい。
また、前記実施例では、制御部が、メインスピーカ10の発生音のうち音圧が最大となる周波数よりも高周波数側において、メインスピーカ10の発生音とノイズとの合成音の音圧が最大の周波数成分をキャンセルするように、サブスピーカ20を制御するものとしたが、このような構成に限定されない。例えば、メインスピーカ10の発生音のうち音圧が最大となる周波数よりも高周波数側において、メインスピーカ10の発生音とノイズとの合成音の音圧が2番目に大きい極大値となるような周波数成分(図9に示す例では200Hz近傍)をキャンセルするように、サブスピーカ20を制御してもよい。また、メインスピーカ10の発生音のうち音圧が最大となる周波数よりも低周波数側において、メインスピーカ10の発生音のうちノイズと強め合う周波数成分をキャンセルするように、サブスピーカ20を制御してもよい。
また、前記実施例では、メインスピーカ10が、共振素子として、スピーカ本体11に設けられた弾性部材を有するものとしたが、共振素子は、エンクロージャに設けられていてもよいし、スピーカ本体とエンクロージャとに跨って設けられていてもよいし、スピーカ本体とエンクロージャとの両方に設けられていてもよい。さらに、共振素子は、エンクロージャの壁に設けられてスピーカ本体の放射音が通過する管状部材であってもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施例に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施例に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
100 アクティブノイズキャンセル装置
10 メインスピーカ
20 サブスピーカ

Claims (12)

  1. 少なくとも第1スピーカ及び第2スピーカを含む複数のスピーカと、
    前記複数のスピーカを制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記第1スピーカを制御してノイズキャンセルする際に、前記第2スピーカによって前記第1スピーカの発生音の一部をキャンセルさせることを特徴とするアクティブノイズキャンセル装置。
  2. 前記制御部は、前記第1スピーカの発生音のうちノイズと強め合う周波数成分をキャンセルするように、前記第2スピーカを制御することを特徴とする請求項1に記載のアクティブノイズキャンセル装置。
  3. 前記制御部は、前記第1スピーカの発生音のうち音圧が最大となる周波数よりも高周波数側において、前記第1スピーカの発生音のうちノイズと強め合う周波数成分をキャンセルするように、前記第2スピーカを制御することを特徴とする請求項2に記載のアクティブノイズキャンセル装置。
  4. 前記制御部は、前記第1スピーカの発生音のうち音圧が最大となる周波数よりも高周波数側において、前記第1スピーカとノイズとの合成音の音圧が最大の周波数成分をキャンセルするように、前記第2スピーカを制御することを特徴とする請求項2に記載のアクティブノイズキャンセル装置。
  5. 前記複数のスピーカは、第3スピーカを含み、
    前記制御部は、前記第1スピーカを制御してノイズキャンセルする際に、前記第1スピーカの発生音のうち、前記第2スピーカによって低減される周波数成分とは異なる周波数成分をキャンセルするように、前記第3スピーカを制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアクティブノイズキャンセル装置。
  6. 前記第1スピーカと前記第2スピーカとでは、最低共振周波数が互いに異なることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアクティブノイズキャンセル装置。
  7. 前記第1スピーカと前記第2スピーカとのうち少なくとも一方は、スピーカ本体と、該スピーカ本体の最低共振周波数とは異なる周波数の共振音を発生させる1又は複数の共振素子と、を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のアクティブノイズキャンセル装置。
  8. 前記制御部は、前記第2スピーカによって前記第1スピーカの発生音の一部をキャンセルする周波数において、当該第2スピーカによってノイズキャンセルもさせることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のアクティブノイズキャンセル装置。
  9. 前記制御部は、前記第2スピーカによって前記第1スピーカの発生音の一部をキャンセルする周波数以外の周波数において、当該第2スピーカによってノイズキャンセルもさせることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のアクティブノイズキャンセル装置。
  10. 少なくとも第1スピーカ及び第2スピーカを含む複数のスピーカを用い、
    前記第1スピーカを制御してノイズキャンセルさせる際に、前記第2スピーカによって前記第1スピーカの発生音の一部をキャンセルさせることを特徴とするアクティブノイズキャンセル方法。
  11. 請求項10に記載のアクティブノイズキャンセル方法を、コンピュータにより実行させることを特徴とするアクティブノイズキャンセルプログラム。
  12. 請求項11に記載のアクティブノイズキャンセルプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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