JP2019066359A - 食品処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、認証された使用者以外の使用者による装置の使用を抑制することができる食品処理装置を提供することである。【解決手段】食品処理装置10は、処理部61と、認証部63と、判定部66と、管理部64とを備える、食品を製造するラインにおいて食品Aを処理する装置である。処理部は、食品に対して少なくとも1つの処理を行う。認証部は、食品処理装置の使用者を認証する。判定部は、使用者が所定の領域R内に存在するか否かを判定する。管理部は、認証部によって認証された使用者が、処理部による処理を実行可能な状態にする。管理部は、判定部による判定結果に基づいて、処理部による処理を実行可能な状態を自動的に解除する。【選択図】図12

Description

本発明は、食品処理装置に関する。
食品の製造工程では様々な食品処理装置が用いられている。食品処理装置は、例えば、X線および光(可視光線、赤外線および紫外線等)を用いて食品中の異物を検査する装置、食品の重量を測定して選別する装置、食品の包装のシール部をチェックする装置、食品の包装に貼付されるラベルに印字を行う装置、および、食品の温度および食品に使用される薬剤の濃度等を管理する装置等である。食品工場等に設置される食品製造ラインでは、製造される食品の安全性を確保するために、食品処理装置の様々な保守管理作業が行われる。保守管理作業は、例えば、食品中の異物混入を検知するための検査装置の検査精度の調整作業、食品中の細菌の増殖を抑制するために行われる温度および次亜塩素酸水濃度の点検作業、および、食品の包装に貼付される値付けシール等の印字内容の作成および確認作業である。これらの保守管理作業は、いずれも重要な作業であり、特定の権限を有する使用者が行う必要がある。そのため、食品処理装置は、使用者を認証する機能を有することが好ましい。
従来、そのような認証機能を有する装置として、特許文献1(特開2009−191101号公報)に開示されるような物品検査装置が知られている。この物品検査装置は、被検査物の品質を検査する検査モードと、装置の点検を行う点検モードとを切り替えるモード切替手段と、使用者が点検を行うことができる資格を持つ有資格点検者であることを認証する点検者認証手段とを備える。この物品検査装置では、使用者は、有資格点検者であると認証された場合のみ、装置の点検作業を開始することができる。
しかし、従来の認証機能を有する食品処理装置では、ある使用者が認証された後は、当該使用者が認証されたままの状態が維持される。そのため、一度認証された使用者が食品処理装置のそばを離れても、当該装置を用いる作業が可能な状態が維持されるという問題がある。その結果、認証された使用者が食品処理装置を監視できない状態であっても、認証された使用者以外の使用者が、当該装置で本来は開始できない作業を開始することができるおそれがある。
本発明の目的は、認証後に使用者が食品処理装置のそばを離れた場合でも、認証された使用者以外の使用者による装置の使用を抑制することができる食品処理装置を提供することである。
本発明に係る食品処理装置は、処理部と、認証部と、判定部と、管理部とを備える食品を処理する装置である。処理部は、食品を製造するラインにおいて食品に対して少なくとも1つの処理を行う。認証部は、食品処理装置の使用者を認証する。判定部は、使用者が所定の領域内に存在するか否かを判定する。管理部は、認証部によって認証された使用者が、処理部による処理を実行可能な状態にする。管理部は、判定部による判定結果に基づいて、処理部による処理を実行可能な状態を自動的に解除する。
この食品処理装置は、認証された使用者が存在する領域に基づいて、使用者の認証を自動的に解除する。従って、この食品処理装置は、認証された使用者以外の使用者による装置の使用を抑制することができる。
また、本発明に係る食品処理装置では、判定部は、食品処理装置の近傍の所定の領域内に使用者が存在するか否かを判定することが好ましい。管理部は、所定の領域内に使用者が存在しないと判定部が判定した場合に、処理部による処理を実行可能な状態を自動的に解除する。
この食品処理装置は、認証された使用者が装置の近傍に存在しない場合に、使用者の認証を自動的に解除する。従って、この食品処理装置は、認証された使用者以外の使用者による装置の使用を抑制することができる。
また、本発明に係る食品処理装置では、判定部は、使用者が保持する標識が所定の領域内に存在するか否かを検知して、所定の領域内に使用者が存在するか否かを判定することが好ましい。
この食品処理装置は、使用者が保持する標識を利用して、装置の近傍に使用者が存在するか否かを高精度で把握できる。従って、この食品処理装置は、使用者の認証を自動で解除する処理の精度を向上させることができる。
また、本発明に係る食品処理装置は、使用者と標識とを関連付けて記憶する第1記憶部をさらに備えることが好ましい。判定部は、複数の標識を互いに区別して検知することができる。判定部は、第1記憶部に記憶されている、認証部によって認証された使用者に対応する標識が、所定の領域内に存在しないことを検知した場合に、所定の領域内に使用者が存在しないと判定する。
この食品処理装置は、標識を保持する各使用者が、装置の近傍に存在するか否かを判定することができる。従って、この食品処理装置は、認証された使用者以外の使用者が、自身が認証される前に装置を使用することを抑制することができる。
また、本発明に係る食品処理装置は、使用者と、管理部によって使用者が実行可能な状態になる処理とを関連付けて記憶する第2記憶部をさらに備えることが好ましい。
この食品処理装置は、装置の使用者と、その使用者が実行可能な処理とを関連付けて予め記憶しておくことで、使用者ごとに実行可能な処理を事前に設定することができる。
また、本発明に係る食品処理装置では、第2記憶部は、複数の認証レベルの一つであって使用者ごとに設定された認証レベルと、認証レベルごとに設定され管理部によって実行可能な状態になる処理とを関連付けて記憶することが好ましい。
この食品処理装置は、認証レベルごとに実行可能な処理を事前に設定できるので、各使用者に認証レベルを設定することで、各使用者が実行可能な処理を容易に管理できる。
また、本発明に係る食品処理装置では、管理部は、認証部によって認証された使用者のみが、処理部による第1種処理を実行可能な状態にし、かつ、全ての使用者が、処理部による第2種処理を実行可能な状態にすることが好ましい。この場合、処理部は、食品に対して、第1種処理と第2種処理とを含む少なくとも2種類の処理を行う。
この食品処理装置は、使用者の認証が必要な処理と、使用者の認証が不要な処理とを区別できるので、特別な権限を必要とする重要な処理を行わない使用者の認証処理を行う必要がない。
また、本発明に係る食品処理装置は、認証部によって認証された使用者と、管理部によって使用者が実行可能な状態になった処理とを関連付けて記憶する第3記憶部をさらに備えることが好ましい。
この食品処理装置は、認証された使用者と、認証後の使用者の作業内容とを関連付けて記憶することで、食品のトレーサビリティを向上させることができる。
また、本発明に係る食品処理装置では、第3記憶部は、関連付けて記憶された、認証部によって認証された使用者と、管理部によって使用者が実行可能な状態になった処理とに対する変更および削除を受け付けないように構成されていることが好ましい。
この食品処理装置は、既に記憶された使用者と、認証後の使用者の作業内容とが変更および削除できないので、これらの情報の改竄が防止でき、記憶された情報の信頼性を向上させることができる。
また、本発明に係る食品処理装置では、認証部は、使用者の生体情報に基づいて、使用者の認証を行うことが好ましい。
この食品処理装置は、使用者の目の画像に含まれている虹彩を用いて使用者を認証することにより、高精度に使用者を認証することができる。
また、本発明に係る食品処理装置では、処理部は、食品に含まれる異物の有無を判定する処理を行うことが好ましい。
この食品処理装置は、食品に含まれる異物を検出することで、食品の安全性および質を担保することができる。
本発明に係る食品処理装置は、認証された使用者以外の使用者による装置の使用を抑制することができる。
本発明の一実施形態であるX線検査装置10の外観を示す斜視図である。 X線検査装置10が組み込まれる検査ライン100の概略図である。 X線検査装置10のシールドボックス11の内部の概略図である。 ラインセンサ30によって検出される透過X線の強度の例を示すグラフである。 虹彩撮像装置60の概略的な外観図である。 制御装置50のブロック図である。 判定部66の動作、および、認証有効領域Rを説明するための図である。 処理情報データベース71の一例である。 虹彩情報データベース72の一例である。 ビーコン端末情報データベース73の一例である。 X線検査装置10の認証処理の手順を表すフローチャートである。 自動認証解除処理を含む使用者の認証処理の手順を表すフローチャートである。 変形例Iにおける、認証レベルデータベース171の一例である。 変形例Iにおける、レベル別処理情報データベース172の一例である。 変形例Iにおける、制御装置50のブロック図である。 変形例Kにおける、認証後処理情報データベース173の一例である。 変形例Kにおける、制御装置50のブロック図である。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)食品処理装置の全体構成
本発明に係る食品処理装置は、食品を製造するラインにおいて、食品に対して少なくとも1以上の処理を行う装置である。食品処理装置は、例えば、食品に含まれる異物を検出するX線検査装置、食品にラベルを貼り付けるラベル貼付装置、食品に貼り付けられたラベルを検査するラベル検査装置、および、食品を検査して検査結果に応じて複数の方向に振り分ける振分装置である。また、食品処理装置は、これらの装置を2つ以上連携させて組み合わせたものでもよい。このような食品処理装置は、例えば、食品の製造工場において生産ラインおよび検査ライン等に組み込まれて使用される。
本実施形態では、食品処理装置は、X線検査装置10である。図1は、X線検査装置10の外観を示す斜視図である。図2は、X線検査装置10が組み込まれる検査ライン100の概略図である。検査ライン100は、被検査物である食品Aの検査を行う。食品Aは、例えば、フィルム包装された調理済み冷凍食品である。検査ライン100において、食品Aは、前段コンベア101によってX線検査装置10まで搬送される。図2において、食品Aの搬送方向は、矢印で示されている。
X線検査装置10は、前段コンベア101によって連続的に搬送されてくる食品AにX線を照射することにより、食品Aの良否判断を行う。具体的には、X線検査装置10は、食品Aの異物混入検査を行い、検査結果に基づいて食品Aを良品または不良品に分類する。X線検査装置10による検査結果は、X線検査装置10の下流側に配置されている振り分け機構102に送られる。振り分け機構102は、X線検査装置10において良品と判断された食品Aを、良品を排出する後段コンベア103へ送る。振り分け機構102は、X線検査装置10において不良品と判断された食品Aを、不良品排出方向102a,102bに振分けて検査ライン100から排出する。
(2)X線検査装置の詳細説明
X線検査装置10は、主として、シールドボックス11と、搬送ユニット12と、X線照射器20と、ラインセンサ30と、モニタ40と、虹彩撮像装置60と、無線通信装置70と、制御装置50とから構成される。
(2−1)シールドボックス
図3は、X線検査装置10のシールドボックス11の内部の概略図である。シールドボックス11は、X線検査装置10のケーシングである。図1に示されるように、シールドボックス11の両側面には、食品Aを搬出入するための開口11aが形成されている。開口11aは、シールドボックス11の外部から内部に食品Aを搬入するため、または、シールドボックス11の内部から外部に食品Aを搬出するために用いられる。開口11aは、遮蔽のれん19により塞がれている。遮蔽のれん19は、シールドボックス11の内部から外部へのX線の漏洩を抑える。遮蔽のれん19は、タングステンシートから成形される。遮蔽のれん19は、食品Aが搬出入される時に食品Aによって押しのけられる。
シールドボックス11の内部には、搬送ユニット12、X線照射器20、ラインセンサ30および制御装置50等が収容されている。シールドボックス11の正面上部には、モニタ40、入力用のキー、および、電源スイッチ等が配置されている。
(2−2)搬送ユニット
搬送ユニット12は、シールドボックス11の内部を通過するように食品Aを搬送するためのベルトコンベアである。図1に示されるように、搬送ユニット12は、シールドボックス11の両側面に形成された開口11aを貫通するように配置されている。
搬送ユニット12は、主として、コンベアモータ12aと、エンコーダ12bと、コンベアローラ12cと、無端状のベルト12dとから構成されている。コンベアローラ12cは、コンベアモータ12aによって駆動される。コンベアローラ12cの駆動により、ベルト12dが回転し、ベルト12d上の食品Aが搬送される。図3において、食品Aの搬送方向は、矢印で示されている。
搬送ユニット12による食品Aの搬送速度は、X線検査装置10の操作者によって入力された設定速度に応じて変動する。制御装置50は、設定速度に基づいてコンベアモータ12aをインバータ制御し、食品Aの搬送速度を細かく制御する。搬送ユニット12のエンコーダ12bは、コンベアモータ12aの回転速度を検出することで食品Aの搬送速度を算出し、制御装置50に送信する。
なお、搬送ユニット12は、搬送機構としてベルトコンベアを用いているが、ベルトコンベアの代わりにトップチェーンコンベアおよび回転テーブル等を搬送機構として用いてもよい。
(2−3)X線照射器
X線照射器20は、シールドボックス11内部の所定の位置まで搬送ユニット12によって搬送された食品AにX線を照射するX線源である。X線照射器20から照射されるX線には、様々なエネルギーのX線が含まれている。
図3に示されるように、X線照射器20は、搬送ユニット12の上方に配置されている。X線照射器20は、搬送ユニット12の下方に配置されるラインセンサ30に向けて扇状のX線(放射光)を照射する。X線の照射範囲Xは、図3に示されるように、搬送ユニット12の搬送面に対して垂直であり、かつ、搬送ユニット12による食品Aの搬送方向に対して直交する方向に広がる。すなわち、X線照射器20から照射されるX線は、ベルト12dの幅方向に広がる。
(2−4)ラインセンサ
ラインセンサ30は、X線照射器20から照射されたX線を検出するセンサである。具体的には、ラインセンサ30は、搬送ユニット12によって搬送された食品Aを透過したX線である透過X線を検出する。
図3に示されるように、ラインセンサ30は、搬送ユニット12の下方に配置されている。ラインセンサ30は、複数のX線検出素子から構成されている。複数のX線検出素子は、搬送ユニット12による食品Aの搬送方向に直交する方向(ベルト12dの幅方向)に沿って一直線に水平に配置されている。
ラインセンサ30は、透過X線を検出し、検出された透過X線の強度に応じた電圧を示すX線透過信号を出力する。X線透過信号は、後述するように、食品Aの透過画像の生成に用いられる。図4は、ラインセンサ30によって検出される透過X線の強度の例を示すグラフである。グラフの横軸は、ラインセンサ30上の位置を表す。グラフの縦軸は、ラインセンサ30が検出した透過X線の強度を表す。食品Aの透過画像では、透過X線の検出量の多いところが明るく(輝度が高く)表示され、透過X線の検出量が少ないところが暗く(輝度が低く)表示される。すなわち、食品Aの透過画像の明暗(輝度値)は、透過X線の検出量に依存する。図4に示されるように、食品Aを透過したX線の検出量は、食品Aを透過しなかったX線の検出量より低い。
また、ラインセンサ30は、食品AがX線の扇状の照射範囲X(図4参照)を通過するタイミングを検知するためのセンサとしても機能する。すなわち、ラインセンサ30は、搬送ユニット12によって搬送される食品Aがラインセンサ30の上方の位置(照射範囲Xと重なる位置)に来たとき、所定の閾値以下の電圧を示すX線透過信号(第1信号)を出力する。一方、ラインセンサ30は、食品Aが照射範囲Xを通過すると、所定の閾値を上回る電圧を示すX線透過信号(第2信号)を出力する。第1信号および第2信号が制御装置50に送られることにより、照射範囲Xにおける食品Aの有無が検出される。
(2−5)モニタ
モニタ40は、タッチパネル機能付きの液晶ディスプレイである。モニタ40は、X線検査装置10の表示部および入力部として機能する。モニタ40には、食品Aの検査結果等が表示される。また、モニタ40には、初期設定、および、食品Aの良否判断に関するパラメータを入力するための画面等が表示される。
X線検査装置10の操作者は、モニタ40を操作して、検査パラメータおよび動作設定情報等を入力することができる。検査パラメータとは、食品Aの良否を判定するために必要なパラメータである。具体的には、検査パラメータは、食品Aに含まれる異物の検出精度に影響を与えるパラメータであり、例えば、食品Aに含まれる異物の有無を判定するために用いられる透過X線の強度の閾値等である。動作設定情報とは、食品Aの検査速度、および、搬送ユニット12の搬送方向等の情報である。
モニタ40は、制御装置50に接続されており、制御装置50と信号の送受信を行う。モニタ40によって入力された検査パラメータおよび動作設定情報は、制御装置50の記憶部52に記憶される。
(2−6)虹彩撮像装置
虹彩撮像装置60は、X線検査装置10の使用者(以下、単に「使用者」と記載する。)の認証のために使用される。使用者の認証とは、X線検査装置10を用いて食品Aの製造に関係する処理を実行する権限を使用者が有することを電子的に確認する処理である。食品Aの製造に関係する処理とは、例えば、X線検査装置10を用いて食品Aの良否を判定するための感度を調整するための処理(以下、「感度調整処理」と呼ぶ。)である。この場合、使用者は、X線検査装置10の感度調整処理を実行するためには、虹彩撮像装置60を用いて自身が認証される必要がある。
虹彩撮像装置60は、使用者の目の虹彩の画像を利用する、非接触タイプの生体認証装置である。図5は、虹彩撮像装置60の概略的な外観図である。虹彩撮像装置60は、主として、ポータブルケーシング60aと、赤外線カメラ60bと、赤外線照明60cと、接続ケーブル60dを有する。図1に示されるように、虹彩撮像装置60は、モニタ40の近傍等、使用者がX線検査装置10を操作するときにアクセスしやすい位置に設置されている。
ポータブルケーシング60aは、赤外線カメラ60bおよび赤外線照明60cが内蔵され、接続ケーブル60dを介してX線検査装置10の本体に接続されている。ポータブルケーシング60aは、シールドボックス11に取り付けられているブラケット(図示せず)に対して着脱可能である。使用者は、虹彩撮像装置60を使用するとき、必要に応じて、ポータブルケーシング60aをシールドボックス11から取り外し、ポータブルケーシング60aを保持することができる。
赤外線カメラ60bは、赤外線を検知することができるカメラである。赤外線照明60cは、低強度の赤外線を照射するLEDである。赤外線カメラ60bおよび赤外線照明60cは、保護カバー60eによって保護されている。保護カバー60eは、透明のプラスチック板およびガラス板等である。
接続ケーブル60dは、USBケーブル等である。接続ケーブル60dは、赤外線カメラ60bおよび赤外線照明60cと、制御装置50とを互いに通信可能にするための接続ケーブルである。なお、赤外線カメラ60bおよび赤外線照明60cと、制御装置50とは無線で接続されてもよい。その場合、虹彩撮像装置60は、接続ケーブル60dを有していなくてもよい。
使用者は、虹彩撮像装置60を用いて自身の認証を行う前に、自身の虹彩に関する生体情報を予め登録しておく必要がある。この登録処理については後述する。使用者は、虹彩撮像装置60を用いて自身の認証を行うとき、ポータブルケーシング60aをシールドボックス11のブラケットから取り外してポータブルケーシング60aを保持し、自身の目と保護カバー60eとを互いに近付ける。このとき、赤外線照明60cは、赤外線を照射している。赤外線照明60cから照射された赤外線は、保護カバー60eを通過して、使用者の目で反射する。赤外線カメラ60bは、使用者の目で反射して保護カバー60eを再度通過した赤外線を検知することで、使用者の目を撮像する。赤外線カメラ60bが取得した使用者の目の画像は、接続ケーブル60dを介して制御装置50に送られ、使用者の認証処理に使用される。
(2−7)無線通信装置
無線通信装置70は、複数のビーコン端末80と無線通信を行う。ビーコン端末80とは、使用者によって保持される標識(小型の携帯機器)である。各使用者は、1つのビーコン端末80を保持した状態で、X線検査装置10を操作して食品Aの異物混入検査を行う。ビーコン端末80は、例えば、使用者の作業衣のポケット等に入れられている。無線通信部70は、ビーコン端末80との通信品質を向上させるためのアンテナを有してもよい。
ビーコン端末80は、内蔵されている電池の電力を利用して、ビーコンと呼ばれる所定の長さの信号を所定の周期で送信する。ビーコンは、電波、または、赤外線等の電磁波の信号である。ビーコンには、端末識別情報が含まれている。端末識別情報とは、各ビーコン端末80に付与され、ビーコン端末80を一意に識別するための情報である。無線通信部70は、複数のビーコン端末80から送信されるビーコンを受信する。そのため、無線通信部70が受信したビーコンに含まれる端末識別情報から、当該ビーコンを送信したビーコン端末80を特定することができる。
(2−8)制御装置
制御装置50は、主として、CPU、ROM、RAMおよびHDD(ハードディスクドライブ)等によって構成されている。なお、HDDの代わりにSSD(ソリッドステートドライブ)が用いられてもよい。制御装置50は、図示されない表示制御回路、入力回路および通信ポート等も備えている。表示制御回路は、モニタ40の表示を制御する回路である。入力回路は、モニタ40のタッチパネルおよび入力キーを介して操作者によって入力された入力データを取り込む回路である。通信ポートは、プリンタ等の外部機器、および、LAN等のネットワークとの接続を可能にするポートである。
図6は、制御装置50のブロック図である。制御装置50は、主として、制御部51と、記憶部52とを有する。制御装置50は、コンベアモータ12a、エンコーダ12b、X線照射器20、ラインセンサ30、モニタ40、虹彩撮像装置60および無線通信装置70等に電気的に接続されている。
(2−8−1)制御部
制御部51は、主として、処理部61と、撮像部62と、認証部63と、判定部66と、管理部64と、登録部65とを有する。これらは、それぞれ、記憶部52に記憶されているプログラムを実行することによって実現される機能である。
(2−8−1−1)処理部
処理部61は、搬送ユニット12、X線照射器20およびラインセンサ30を制御して、食品Aに含まれる異物の有無を判定して、食品Aの良否を判定する。具体的には、最初に、処理部61は、エンコーダ12bからコンベアモータ12aの回転数に関するデータを取得し、そのデータに基づいて食品Aの移動距離を算出する。次に、処理部61は、ラインセンサ30から出力されたX線透過信号を受信し、搬送ユニット12のベルト12d上の食品AがX線の照射範囲Xに到達したタイミングを検出する。次に、処理部61は、透過X線の強度に基づいて、食品Aに含まれる異物の有無を判定して、食品Aの良否を判定する。また、処理部61は、食品Aの良否の判定結果をモニタ40に表示する。
また、処理部61は、認証された使用者によるX線検査装置10の感度調整処理を実行する。ここで、感度調整処理について説明する。X線検査装置10を用いて食品Aに含まれる異物の検出を高い精度で行うためには、事前調整または定期点検によって、異物の検出精度を適切にするための感度調整処理が行われる必要がある。そのため、X線検査装置10は、食品Aの安全性および質を担保するため、特別な権限を有する使用者による感度調整処理が事前に行われない場合には、特別な権限を有さない使用者による食品Aの異物混入検査が開始できない構成を有することが望ましい。しかし、このような構成の場合、感度調整処理の実行を許可するための認証をパスワードおよびICカード等に基づいて行うと、特別な権限を有さない使用者が認証される状況が生じ得る。この場合、異物混入検査を開始可能にするために、特別な権限を有さない使用者が感度調整処理を行ってしまう問題が生じる可能性がある。そこで、X線検査装置10では、後述するように、虹彩撮像装置60を用いて撮像された目の画像という、各使用者に固有の生体情報に基づいて、使用者を認証する。これにより、X線検査装置10は、使用者本人を確実に認証できるので、感度調整作業等の重要な作業を、使用者が認証された場合のみ実行することができる。その結果、特別な権限を有さない使用者が認証される状況が生じ得ないため、感度調整処理が適切に行われていない場合の異物の検出エラー(誤検出および検出漏れ等)の不具合による、検査が適切に行われたか疑いのある食品の再検査または回収等の問題の発生が抑制される。
(2−8−1−2)撮像部
撮像部62は、虹彩撮像装置60を制御して、使用者の目を撮像する。具体的には、最初に、撮像部62は、虹彩撮像装置60による使用者の認証処理が開始されることを検知する。認証処理の開始は、例えば、シールドボックス11のブラケットから虹彩撮像装置60が取り外されたことを撮像部62が検出したり、使用者がモニタ40等を介して認証処理を開始することを入力したりすることによって検知される。次に、撮像部62は、認証処理の開始を検知すると、赤外線照明60cから赤外線を照射する。次に、使用者が、自身の目と虹彩撮像装置60の保護カバー60eとを互いに近付けると、撮像部62は、使用者の目で反射した赤外線を赤外線カメラ60bで検知して、使用者の目の画像を取得する。次に、撮像部62は、取得した使用者の目の画像のデジタルデータを、赤外線カメラ60bから制御装置50に送信する。
(2−8−1−3)認証部
認証部63は、撮像部62によって取得されて送信された、使用者の目の画像のデータに基づいて、使用者の認証処理を行う。使用者の認証処理は、X線検査装置10の使用開始前に行われる。使用者は、認証部63によって認証された場合のみ、X線検査装置10の感度調整処理を実行することができる。
具体的には、最初に、認証部63は、使用者の目の画像から、使用者の虹彩に相当する部分を抜き出す。次に、認証部63は、使用者の虹彩部分のみの画像を、専用のアルゴリズムを用いて、使用者の虹彩情報に変換する。虹彩情報は、生体認証情報として利用できる所定長のビット列である。
次に、認証部63は、X線検査装置10の使用開始前に使用者の目の画像から変換された虹彩情報(認証時虹彩情報)が、登録部65に予め登録されている虹彩情報(後述の登録済み虹彩情報)に含まれているか否かを判定する。認証部63は、認証時虹彩情報が登録済み虹彩情報に含まれている場合、X線検査装置10の感度調整処理を実行できる権限を使用者が有すると判定する。一方、認証部63は、認証時虹彩情報が登録済み虹彩情報に含まれていない場合、X線検査装置10の感度調整処理を実行できる権限を使用者が有さないと判定する。認証された使用者とは、X線検査装置10の感度調整処理を実行できる権限を有すると認証部63によって判定された使用者である。
(2−8−1−4)判定部
判定部66は、使用者が所定の領域内に存在するか否かを判定する。以下、この「所定の領域」を認証有効領域と呼ぶ。認証有効領域とは、X線検査装置10の近傍の領域である。近傍の領域とは、例えば、使用者が操作しているX線検査装置10までの距離が所定の長さ以下の領域である。
図7は、判定部66の動作、および、認証有効領域Rを説明するための図である。図7に示される認証有効領域Rは、X線検査装置10の無線通信装置70の位置を中心とし、所定の長さLを半径とする円である。所定の長さLは、例えば、5mである。図7には、ビーコン端末80を保持する二人の使用者U1,U2が示されている。使用者U1は認証有効領域R内に存在し、使用者U2は認証有効領域R内に存在しない。
判定部66は、使用者が保持するビーコン端末80から無線通信装置70が受信したビーコンの信号強度に基づいて、当該使用者が認証有効領域R内に存在するか否かを判定することができる。無線通信装置70とビーコン端末80との間の距離が長いほど、無線通信装置70がビーコン端末80から受信するビーコンの信号強度は弱くなる。そのため、判定部66は、無線通信装置70が受信したビーコンの信号強度が所定の値以下の場合に、当該ビーコンを送信したビーコン端末80は、無線通信装置70を中心とする認証有効領域R内に存在しないと検知する。反対に、判定部66は、無線通信装置70が受信したビーコンの信号強度が所定の値より大きい場合に、当該ビーコンを送信したビーコン端末80は、無線通信装置70を中心とする認証有効領域R内に存在すると検知する。判定部66は、ビーコン端末80が認証有効領域R内に存在しないと検知した場合に、当該ビーコン端末80を保持する使用者が認証有効領域R内に存在しないと判定する。反対に、判定部66は、ビーコン端末80が認証有効領域R内に存在すると検知した場合に、当該ビーコン端末80を保持する使用者が認証有効領域R内に存在すると判定する。
また、上述したように、無線通信部70が受信したビーコンに含まれる端末識別情報から、当該ビーコンを送信したビーコン端末80を特定することができる。そのため、判定部66は、複数のビーコン端末80を互いに区別して検知することができるので、ビーコン端末80を保持しているそれぞれの使用者が認証有効領域R内に存在するか否かを判定することができる。
(2−8−1−5)管理部
管理部64は、認証部63によって認証された使用者が、処理部61による処理を実行可能な状態にする。具体的には、管理部64は、認証部63が使用者を認証すると、認証された使用者が、処理部61による感度調整処理を開始できるように、X線検査装置10を制御する。例えば、管理部64は、認証部63が使用者を認証した場合に、感度調整処理を実行するための画面をモニタ40に表示する。
また、管理部64は、判定部66の判定結果に基づいて、認証部63によって使用者が認証された状態を自動的に解除する。具体的には、管理部64は、使用者が認証有効領域R内に存在しないと判定部66が判定した場合に、処理部61による感度調整処理を実行可能な状態を自動的に解除する。
X線検査装置10では、使用者は、虹彩撮像装置60を用いて撮像した使用者の目の画像のデータに基づいて、自身の認証処理を行う。そのため、認証部63によって使用者が認証された時、使用者は、虹彩撮像装置60の近傍、すなわち、認証有効領域R内に存在する。認証された使用者は、X線検査装置10を用いて食品Aの異物混入検査を行うことができる。しかし、認証された使用者がX線検査装置10から離れて認証有効領域Rの外に出た場合、判定部66によって使用者が認証有効領域R内に存在しないと判定され、管理部64によって使用者の認証が自動的に解除される。
(2−8−1−6)登録部
登録部65は、使用者の目の画像に関するデータを登録する。具体的には、登録部65は、X線検査装置10の運用を開始する前に、X線検査装置10を使用する可能性がある全ての使用者について、各使用者の目の画像から変換された虹彩情報を登録する。登録部65は、使用者識別情報と登録済み虹彩情報とを関連付けて、後述する虹彩情報データベース72に登録する。使用者識別情報とは、使用者を一意に識別するためのID番号である。このID番号は、例えば、複数の英数字から構成される文字列である。登録済み虹彩情報とは、撮像部62によって予め撮像された使用者の目の画像から変換された、生体認証情報として利用できるビット列である。
(2−8−2)記憶部
記憶部52は、主として、処理情報データベース71と、虹彩情報データベース72と、ビーコン端末情報データベース73とを有する。これらは、HDDまたはSSDに記憶されている。
(2−8−2−1)処理情報データベース
図8は、処理情報データベース71の一例である。処理情報データベース71は、使用者と、管理部64によって使用者が実行可能な状態になる処理とを関連付けて記憶する。具体的には、処理情報データベース71は、使用者識別情報と処理識別情報とが関連付けられ、かつ、使用者識別情報を主キーとするデータベースである。使用者識別情報は、使用者を一意に識別するためのID番号である。処理識別情報は、認証部63によって認証された場合に、使用者がX線検査装置10を用いて実行可能な処理を表すビット列である。処理識別情報の各ビットは、対応する「実行可能な処理」を表す。
処理情報データベース71は、例えば、X線検査装置10または検査ライン100の管理者等によってX線検査装置10の運用開始前に事前に作成され、X線検査装置10の運用開始後に修正される。
(2−8−2−2)虹彩情報データベース
図9は、虹彩情報データベース72の一例である。虹彩情報データベース72は、使用者と、登録部65によって予め登録された使用者の虹彩情報(登録済み虹彩情報)とを関連付けて記憶する。具体的には、虹彩情報データベース72は、使用者識別情報と登録済み虹彩情報とが関連付けられ、かつ、使用者識別情報を主キーとするデータベースである。使用者識別情報は、処理情報データベース71が使用している使用者識別情報と共通のID番号である。登録済み虹彩情報は、使用者の目の画像から変換された、生体認証情報として利用できるビット列である。
虹彩情報データベース72は、例えば、X線検査装置10または検査ライン100の管理者等によってX線検査装置10の運用開始前に事前に作成され、X線検査装置10の運用開始後に修正される。
(2−8−2−3)ビーコン端末情報データベース
図10は、ビーコン端末情報データベース73の一例である。ビーコン端末情報データベース73は、使用者と、使用者が保持するビーコン端末80とを関連付けて記憶する。具体的には、ビーコン端末情報データベース73は、使用者識別情報と、ビーコン端末80の端末識別情報とが関連付けられ、かつ、使用者識別情報を主キーとするデータベースである。使用者識別情報は、処理情報データベース71が使用している使用者識別情報と共通のID番号である。端末識別情報は、ビーコン端末80を一意に識別するためのID番号である。各使用者は、自身の使用者識別情報に関連付けられている端末識別情報が付与されているビーコン端末80のみを保持する。
ビーコン端末情報データベース73は、例えば、X線検査装置10または検査ライン100の管理者等によってX線検査装置10の運用開始前に事前に作成され、X線検査装置10の運用開始後に修正される。
判定部66は、ビーコン端末80が認証有効領域R内に存在するか否かを検知して、当該ビーコン端末80を保持する使用者が認証有効領域R内に存在するか否かを判定する。この判定処理では、判定部66は、ビーコン端末情報データベース73を参照して、各ビーコン端末80を保持している使用者を特定することができる。
(3)X線検査装置の認証処理
図11は、X線検査装置10の認証処理の手順を表すフローチャートである。ステップS1〜S2は、X線検査装置10の認証処理の開始前に予め行われる、虹彩情報の登録処理に関する。ステップS1〜S2は、事前準備に関し、任意の順番で実行可能である。ステップS3〜S9は、X線検査装置10の使用開始前に行われる、使用者の認証処理に関する。
ステップS1では、使用者の虹彩情報が登録される。ステップS1では、X線検査装置10の各使用者は、虹彩撮像装置60を用いて自身の目の画像を撮像し、自身の虹彩情報を虹彩情報データベース72に予め登録しておく。この作業は、X線検査装置10の感度調整処理を開始する前に、X線検査装置10を使用し得る全ての使用者によって行われる。
ステップS2では、ステップS1で虹彩情報データベース72に登録された各使用者について、X線検査装置10を用いて使用者が実行することができる処理に関する情報が処理情報データベース71に登録される。この作業は、通常、X線検査装置10または検査ライン100の管理者によって行われる。管理者は、X線検査装置10のモニタ40、または、X線検査装置10に接続されているサーバ等を操作して、各使用者が実行可能な処理に関する情報を入力して、処理情報データベース71に一括登録することができる。
ステップS3では、X線検査装置10による使用者の認証処理の準備が行われる。これは、通常、使用者がX線検査装置10の使用を開始する直前に行われる。これにより、使用者は、X線検査装置10の認証処理を実行できるようになる。
ステップS4では、使用者は、虹彩撮像装置60を用いて自身の目の画像を撮像する。具体的には、使用者は、X線検査装置10のシールドボックス11から虹彩撮像装置60を取り外して、虹彩撮像装置60の保護カバー60eを自身の目に近付ける。これにより、虹彩撮像装置60は、使用者の目の画像を自動で撮像する。
ステップS5では、ステップS4で撮像された使用者の目の画像に基づいて、使用者の虹彩情報が取得される。ステップS5以降の処理は、自動で行われる。
ステップS6では、ステップS5で取得された使用者の虹彩情報が、ステップS1で登録された虹彩情報データベース72に含まれているか否かが判定される。判定結果がYESの場合、使用者は認証され、ステップS7に移行する。判定結果がNOの場合、使用者は認証されず、ステップS8に移行する。
ステップS7では、ステップS6で認証された使用者が実行可能な処理に関する情報が、ステップS2で登録された処理情報データベース71から取得される。
ステップS8では、ステップS7で取得された、使用者が実行可能な処理を、使用者が実際にX線検査装置10で実行できる状態にされる。この時、ステップS6で認証された使用者、および、ステップS7で取得された、使用者が実行可能な処理が、モニタ40に表示されてもよい。これにより、使用者は、モニタ40を参照して、認証された自身に関する情報(名前および所属部署等)、および、自身が実行可能な処理を確認することができる。以降、認証された使用者は、X線検査装置10の感度調整処理を実行することができる。
ステップS9では、ステップS6で認証されなかった使用者の虹彩情報が、虹彩情報データベース72に登録されていないこと等が使用者に報知される。例えば、「虹彩情報が未登録ですので、装置を操作することができません。」等の警告メッセージがモニタ40に表示される。
(4)使用者の自動認証解除処理
次に、管理部64が使用者の認証を自動的に解除する処理(自動認証解除処理)について説明する。自動認証解除処理は、X線検査装置10の制御装置50の認証部63が、少なくとも一人の使用者を認証している間、実行される。図12は、自動認証解除処理を含む使用者の認証処理の手順を表すフローチャートである。
ステップS11では、図11に示される認証処理によって、使用者が認証される。認証された使用者は、X線検査装置10の近傍の認証有効領域Rにおいて、X線検査装置10を操作して食品Aの異物混入検査を行うことができる。
ステップS12では、使用者が認証有効領域R内に存在するか否かが判定される。この判定処理は、判定部66によって行われる。使用者が認証有効領域R内に存在すると判定された場合、所定時間の経過後に、ステップS12の判定処理が再度実行される。一方、使用者が認証有効領域R内に存在しないと判定された場合、ステップS13に移行する。
ステップS13では、ステップS11で認証された使用者の認証が解除される。認証が解除された使用者は、X線検査装置10を操作して食品Aの異物混入検査を行うことができない。この場合、使用者は、食品Aの異物混入検査を再度行うためには、ステップS11の認証処理を再度行う必要がある。
(5)特徴
(5−1)
本実施形態に係る食品処理装置であるX線検査装置10は、自動認証解除処理の機能を有する。すなわち、X線検査装置10の使用者が認証処理を行って認証された後、使用者がX線検査装置10から所定の距離より離れると、使用者が認証されている状態が自動的に解除される。すなわち、認証された使用者がX線検査装置10の近傍から離れたためにX線検査装置10を監視できない状態になると、当該使用者は、X線検査装置10を用いて食品Aの異物混入検査を行うためには、自身の認証処理を再度行わなければならない。これにより、X線検査装置10は、認証された使用者がX線検査装置10の近傍に存在しない間に、認証されていない他の使用者がX線検査装置10を用いて食品Aの異物混入検査を行うことを抑制することができる。従って、X線検査装置10は、認証された使用者以外の使用者による装置の使用を抑制することができる。
(5−2)
X線検査装置10は、使用者が保持するビーコン端末80を利用して、X線検査装置10の近傍に使用者が存在するか否かを高精度で把握することができる。従って、X線検査装置10は、ビーコン端末80を用いることで、自動認証解除処理の精度を向上させることができる。
(5−3)
X線検査装置10は、無線通信部70がビーコン端末80から受信したビーコンに含まれる端末識別情報に基づいて、複数のビーコン端末80を互いに区別して検知することができる。そのため、X線検査装置10は、ビーコン端末80を保持する複数の使用者のそれぞれについて、使用者がX線検査装置10の近傍に存在するか否かを判定することができる。
これにより、例えば、認証されたある使用者がX線検査装置10の近傍で食品Aの異物混入検査を行っており、当該認証された使用者が、認証されていない他の使用者と検査作業を交代する場合、当該認証されていない使用者がX線検査装置10の近傍にいても、当該認証された使用者がX線検査装置10から離れると認証が自動で解除される。そのため、前の使用者と検査作業を交代した使用者は、自身の認証処理を行って認証されない限り、食品Aの異物混入検査を行うことができない。従って、X線検査装置10は、認証された使用者以外の使用者が、自身が認証される前に装置を使用することを抑制することができる。
(5−4)
X線検査装置10は、使用者の目の画像を、使用者の認証処理のための生体情報として利用する。これにより、認証されるべきでない使用者が認証される状況、および、認証された使用者と実際の使用者とが一致しない状況の発生が回避される。従って、X線検査装置10は、認証された使用者のみが処理を実行することができる。
(5−5)
X線検査装置10は、使用者の目の画像に含まれる虹彩の画像データから得られる虹彩情報を、使用者の認証処理のための生体情報として利用する。使用者の虹彩を用いる生体認証は、使用者の指紋を用いる生体認証と同程度の高い識別能力を有するが、次に述べるような利点があるので、認証処理に特に適している。第一に、人間の虹彩の模様は複雑であるので、使用者を特定するための情報として適している。第二に、人間の虹彩の模様は、長い時間が経過してもほとんど変化せず、また、改竄も実質的に不可能であるので、虹彩情報は、一度登録すれば、信頼性が高い生体情報として半永久的に利用可能である。第三に、虹彩撮像装置60のような比較的小型の装置を用いて使用者の目の画像を撮影するだけで非接触の認証処理を行うことができるので、認証処理のための特別な機器を設置するスペースを大きく確保する必要がない。従って、X線検査装置10は、高精度かつ高信頼性の認証処理を実行することができる。
(5−6)
X線検査装置10が設置される食品製造工場等では、使用者は、髪の毛の食品Aへの混入、および、皮膚の細菌の食品Aへの付着を防止するため、目以外の部分を被覆する作業衣を着用することがある。この場合、使用者の体の内、外部に露出している部分は、使用者の目のみである。そのため、使用者の目の画像から得られる情報を、使用者を特定することができる生体情報として用いることで、使用者は、作業衣を着用したまま認証処理を行ってX線検査装置10の使用を開始することができる。すなわち、使用者は、認証処理を行うために作業衣を取り外して体の一部を露出させる必要がないので、認証処理を行う際に、使用者の髪の毛が食品Aに混入したり、使用者の皮膚の細菌が食品Aに付着したりする問題の発生が抑制される。従って、X線検査装置10は、製品の安全性および質を担保するために異物の混入および付着をできるだけ防止する必要がある食品製造工場等において特に有用である。
(5−7)
X線検査装置10の記憶部52は、使用者と、認証後に使用者が実行可能な状態になる処理とを関連付けて記憶する処理情報データベース71を有している。そのため、X線検査装置10の管理者(特別な権限を有する使用者)は、処理情報データベース71を操作して、使用者ごとに実行可能な処理を予め一括して設定および管理することができる。これにより、例えば、管理者のみが実行するべき重要な作業を使用者が実行してしまう状況の発生が回避される。このような重要な作業は、例えば、食品Aに含まれる異物の検出精度の調整作業であり、食品Aの安全性および質を担保するためには、必要な技能および資格を有する管理者によって行われる必要がある。
(5−8)
X線検査装置10の記憶部52は、使用者と、使用者の目の画像から得られる虹彩情報とを関連付けて記憶する虹彩情報データベース72を有している。これにより、X線検査装置10の管理者は、虹彩情報データベース72を操作して、使用者ごとに虹彩情報を登録および参照する処理を容易に行うことができる。
(6)変形例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(6−1)変形例A
実施形態では、X線検査装置10の自動認証解除処理は、使用者が保持する標識であるビーコン端末80を利用して、判定部66がX線検査装置10の近傍に使用者が存在するか否かを判定することで行われる。しかし、X線検査装置10の自動認証解除処理は、ビーコン端末80以外の無線通信端末を、使用者が保持する標識として利用して行われてもよい。例えば、使用者は、ビーコン端末80の代わりに、パッシブタイプのICタグであるパッシブタグを標識として保持してもよい。パッシブタグは、例えば、RFIDを利用したRFタグである。
この場合、使用者が保持するパッシブタグは、無線通信部70から送信される電波をエネルギー源として、受信した当該電波を反射し、反射波に様々な情報を乗せて無線通信部70に返すことができる。パッシブタグが自身の識別情報を反射波の信号に含めることで、無線通信部70は、複数のパッシブタグを互いに区別することができる。また、判定部66は、使用者が保持するパッシブタグから無線通信装置70が受信した反射波の信号強度に基づいて、当該使用者が認証有効領域R内に存在するか否かを判定することができる。すなわち、パッシブタグは、実施形態のビーコン端末80と同じ方法で利用することができる。
パッシブタグは、ビーコン端末80と比較して、無線通信装置70から受信可能な距離が短い。しかし、パッシブタグは、ビーコン端末80と比較して安価であり、かつ、エネルギー源を必要としないのでほぼ恒久的に動作可能である。また、パッシブタグは、非常に軽量であるので、例えば、使用者の作業衣にパッシブタグを容易に取り付けることができる。
なお、X線検査装置10は、ビーコン端末80およびパッシブタグ等の標識を利用せずに、使用者が認証有効領域R内に存在するか否かを判定部66が判定するように構成されてもよい。例えば、X線検査装置10およびその周辺の画像または動画をリアルタイムで撮像し、取得された画像データまたは動画データを解析することにより、使用者が認証有効領域R内に存在するか否かを判定部66が判定してもよい。また、レーザーセンシング等を利用して、使用者が認証有効領域R内に存在するか否かを判定部66が判定してもよい。
(6−2)変形例B
実施形態では、図12に示されるように、使用者が認証有効領域R内に存在しないと判定された場合、認証された使用者の認証が解除される。すなわち、使用者が認証有効領域R内に存在しないと判定部66が判定した瞬間に、管理部64は、当該使用者の認証を解除する。
しかし、管理部64は、使用者が認証有効領域R内に所定の時間以上連続して存在しない場合に、当該使用者の認証を解除してもよい。具体的には、判定部66は、使用者が認証有効領域R内に存在しなくなった時点から所定の時間(例えば、1分〜3分程度の短時間)が経過するまで、使用者が認証有効領域R内に存在しなかったことを検知した場合に、使用者が認証有効領域R内に存在しないと判定する。これにより、例えば、X線検査装置10が設置されている部屋の照明を操作するために、使用者が認証有効領域Rから一時的に出て同じ認証有効領域Rにすぐに戻ってくる場合でも、使用者の認証が解除されないので、使用者は認証処理を再度行う必要がない。
(6−3)変形例C
実施形態では、X線検査装置10は、無線通信部70がビーコン端末80から受信したビーコンに含まれる端末識別情報に基づいて、複数のビーコン端末80を互いに区別して検知することができる。しかし、X線検査装置10は、複数のビーコン端末80を互いに区別して検知しなくてもよい。この場合、使用者は、任意のビーコン端末80を保持することができる。
(6−4)変形例D
実施形態では、X線検査装置10または検査ライン100の管理者等によって予め作成されるビーコン端末情報データベース73に基づいて、各使用者は、自身の使用者識別情報に関連付けられている端末識別情報が付与されているビーコン端末80を保持する。
しかし、使用者は、任意のビーコン端末80を保持した状態で、認証部63によって認証された時に、自身が保持しているビーコン端末80と関連付けられてもよい。この場合、ビーコン端末情報データベース73は、使用者が認証された時に更新される。具体的には、X線検査装置10の判定部66は、使用者が認証された時に、当該使用者が保持しているビーコン端末80から無線通信部70が受信したビーコンに含まれる端末識別情報から、当該使用者が保持しているビーコン端末80を特定する。そして、制御装置50は、認証された使用者の使用者識別情報と、認証された使用者が保持しているビーコン端末80の端末識別情報とを関連付けて、ビーコン端末情報データベース73に登録する。
(6−5)変形例E
実施形態では、認証部63によって使用者が認証された後に、判定部66は、使用者が保持するビーコン端末80を利用して、当該使用者が認証有効領域R内に存在するか否かを判定する。しかし、使用者が認証有効領域R内に存在すると判定部66が判定した場合のみ、認証部63は使用者の認証処理を許可してもよい。
(6−6)変形例F
実施形態では、X線検査装置10の管理部64は、認証部63によって認証された使用者が、処理部61による食品Aに対する処理を実行できる状態にする。ここで、X線検査装置10は、食品Aに対して、第1種処理と第2種処理とを含む少なくとも2種類の処理を行ってもよい。第1種処理とは、認証部63によって認証された使用者のみが実行可能な処理である。第2種処理とは、認証部63によって認証された使用者、および、認証部63によって認証されていない使用者を含む、全ての使用者が実行可能な処理である。第1種処理は、認証が必要な処理であり、例えば、食品Aの異物混入検査の処理である。第2種処理は、認証が不要な処理であり、例えば、モニタ40を操作して現在の設定を参照する処理である。第1種処理および第2種処理に関する情報は、記憶部52に記憶され、管理部64は、使用者が実行する処理が、第1種処理および第2種処理のいずれであるのかを判定することができる。
本変形例では、X線検査装置10は、使用者の認証が必要な第1種処理と、使用者の認証が不要な第2種処理とを区別できるので、特別な権限を必要とする重要な処理(第1種処理)を行わない使用者の認証処理を行う必要がない。このような使用者は、ビーコン端末80を保持する必要がないので、準備する必要があるビーコン端末80の数を減らすことができる。
(6−7)変形例G
実施形態では、X線検査装置10は、使用者の目の画像に含まれる虹彩の画像データから得られる虹彩情報を、使用者の認証処理のための生体情報として利用する。しかし、X線検査装置10は、虹彩以外の生体情報を、使用者の認証処理のために利用してもよい。例えば、X線検査装置10は、指紋、声紋および顔の形状等を、使用者の認証処理のために利用してもよい。
また、X線検査装置10は、生体情報を利用せずに、使用者の認証処理を行ってもよい。例えば、X線検査装置10は、使用者が設定したパスワードを用いて、使用者の認証処理を行ってもよい。
(6−8)変形例H
実施形態では、X線検査装置10の記憶部52は、使用者と、使用者の目の画像から取得される虹彩情報とを関連付けて記憶する虹彩情報データベース72を有している。しかし、X線検査装置10の記憶部52は、虹彩情報データベース72の代わりに、使用者と、使用者の目の画像データとを関連付けて記憶するデータベースを有してもよい。このデータベースでは、例えば、使用者ごとに、主キーである使用者識別情報と、目の画像データまたは当該画像データのアドレス(保存場所)とが関連付けられている。
また、実施形態では、虹彩撮像装置60は、使用者の目の画像を撮像する機能を有するが、撮像時に使用者の目の動画を撮像する機能を有してもよい。この場合、X線検査装置10は、虹彩情報データベース72の代わりに、使用者と、使用者の目の動画データとを関連付けて記憶するデータベースを有してもよい。このデータベースでは、例えば、使用者ごとに、主キーである使用者識別情報と、目の動画データまたは当該動画データのアドレスとが関連付けられている。
本変形例では、実施形態の図11のステップS1において、使用者の虹彩情報が登録される代わりに、使用者の目の画像データまたは動画データ(またはそのアドレス)が登録される。そして、図11のステップS6において、ステップS5で取得された使用者の虹彩情報が、ステップS1で登録された目の画像データまたは動画データから取得された虹彩情報に含まれているか否かが判定される。
(6−9)変形例I
実施形態では、X線検査装置10の記憶部52は、使用者と、認証後に使用者が実行可能な状態になる処理とを関連付けて記憶する処理情報データベース71を有している。しかし、X線検査装置10の記憶部52は、処理情報データベース71の代わりに、認証レベルデータベース171と、レベル別処理情報データベース172とを有してもよい。図13は、認証レベルデータベース171の一例である。図14は、レベル別処理情報データベース172の一例である。図15は、本変形例における、制御装置50のブロック図である。
認証レベルデータベース171は、使用者と、認証レベルとを関連付けて記憶する。図13では、使用者ごとに、主キーである使用者識別情報と、認証レベルとが関連付けられている。各使用者に関連付けられる認証レベルは、複数の認証レベルの内の一つのみである。ここでは、最も低い認証レベルは1であり、最も高い認証レベルは4である。認証レベルは、使用者に付与される権限のレベルを表す。
例えば、認証レベルが1である使用者は、X線検査装置10で食品Aの良否を判定するために必要な最低限の処理のみ実行できる。認証レベルが2である使用者は、さらに、食品Aの検査速度、および、搬送ユニット12の搬送方向等の動作設定情報を制御する処理を実行できる。認証レベルが3である使用者は、さらに、食品製造工程の重要管理点(CCP)における処理を実行できる。ここで、食品製造工程の重要管理点(CCP)における処理とは、例えば、実施形態の感度調整処理等、異物の検出精度に影響を与える検査パラメータを制御する処理の他に、食品Aの温度の(定期的な)測定結果の記録作業および測定精度の調整作業、および、食品Aに付着している有害な化学物質の濃度の(定期的な)測定結果の記録作業および測定精度の調整作業等である。認証レベルが4である使用者は、さらに、X線検査装置10の特別な動作モードを立ち上げることができる。特別な動作モードとは、例えば、X線検査装置10の緊急時における対応および保守点検作業を行うためのモード、および、X線検査装置10の納入時に特別な権限を有する使用者を登録する作業を行うためのモードである。本変形例では、1〜4のいずれかの認証レベルが付与されている使用者は、X線検査装置10を用いて食品Aの製造に関する処理を行うためには、自身の目の画像に含まれる虹彩情報によって認証処理を行う必要がある。
レベル別処理情報データベース172は、認証レベルと、認証された場合に実行可能な状態になる処理とを関連付けて記憶する。図14では、認証レベルごとに、主キーである認証レベルと、処理識別情報とが関連付けられている。処理識別情報は、実施形態と同様に、認証された場合に実行可能な状態になる処理を表すビット列である。
本変形例では、認証部63は、実施形態の図11のステップS7において、ステップS6で認証された使用者が実行可能な処理に関する情報が、認証レベルデータベース171およびレベル別処理情報データベース172に基づいて取得される。具体的には、最初に、認証部63は、認証レベルデータベース171に基づいて、認証された使用者の認証レベルを取得する。次に、認証部63は、レベル別処理情報データベース172に基づいて、認証された使用者の認証レベルに対応する、使用者が実行可能な処理に関する情報を取得する。
本変形例では、X線検査装置10の管理者は、認証レベルによって使用者を複数のグループに分け、使用者が実行可能な処理をグループごとに設定することができる。すなわち、X線検査装置10の管理者は、使用者ごとに、使用者が実行可能な処理を設定する必要がない。そのため、本変形例のX線検査装置10は、認証レベルごとに実行可能な処理を事前に設定し、各使用者に認証レベルを設定することで、各使用者が実行可能な処理を容易に管理することができる。
(6−10)変形例J
変形例Iでは、X線検査装置10の記憶部52は、認証レベルデータベース171と、レベル別処理情報データベース172とを有する。認証部63は、認証された使用者が実行可能な処理に関する情報が、認証レベルデータベース171およびレベル別処理情報データベース172に基づいて取得される。
しかし、変形例Bでは、認証部63は、複数の認証レベルの内、最も高い認証レベルが設定された使用者の認証処理を、使用者の目の画像以外に基づいて行ってもよい。図13に示される認証レベルデータベース171では、最も高い認証レベルは4である。認証レベルが4である使用者は、特別な技能および資格を有する者のみが実行する権限を有する処理を実行することができる。
本変形例では、最高の認証レベルが設定されている使用者(特別な権限を有する使用者)は、自身の目の画像に含まれる虹彩情報による認証処理の他に、虹彩情報以外の方法によっても認証処理を行うことができる。例えば、認証レベルが4である使用者は、モニタ40を用いて専用のパスワードを入力することで認証処理を行い、専用のモードでX線検査装置10を動作させて、緊急時における対応および保守点検作業を行うことができる。そのため、本変形例のX線検査装置10では、例えば、虹彩撮像装置60等に不具合が発生した場合のような緊急時でも、最高の認証レベルが設定されている使用者は、虹彩情報による認証処理を行わずに、緊急時における対応の一例としての感度調整処理、および、保守点検作業等を実行することができる。この場合、虹彩情報による認証処理以外の方法で認証処理を行った使用者に関する情報、および、当該使用者が実行した処理に関する情報等が、記憶部52に自動的に記憶されてもよい。
(6−11)変形例K
X線検査装置10の記憶部52は、認証後処理情報データベース173をさらに備えてもよい。図16は、認証後処理情報データベース173の一例である。図17は、本変形例における、制御装置50のブロック図である。認証後処理情報データベース173は、認証部63によって認証された使用者と、管理部64によって使用者が実行可能な状態になった処理とを関連付けて記憶する。具体的には、認証後処理情報データベース173は、使用者ごとに、主キーである使用者識別情報と、認証後処理識別情報とが関連付けられている。認証後処理識別情報は、使用者が認証された後において、使用者が実行可能となった処理を表す。認証後処理識別情報は、実施形態の処理識別情報と同様に、処理部61による処理を表すビット列である。
本変形例では、X線検査装置10は、認証された使用者と、認証後の使用者の作業内容とを関連付けて認証後処理情報データベース173に記憶しておくことで、食品Aのトレーサビリティを向上させることができる。なお、作業内容とは、実行された処理を表す情報(処理ID等)の他、処理中に取得したデータ(値)および処理の結果等を含む。
また、本変形例では、制御装置50は、認証後処理情報データベース173に含まれるレコードの変更および削除を禁止することが好ましい。すなわち、認証後処理情報データベース173は、レコードの追加は認められるが、レコードの変更および削除は禁止されるように構成されていることが好ましい。この場合、認証後処理情報データベース173の改竄が防止されるので、認証後処理情報データベース173に記憶されている情報の信頼性が向上する。なお、制御装置50は、他の記録媒体へのレコードの移行が完了した場合等、レコードの保存が担保される条件が満たされた場合には、当該レコードを削除することができるように構成されてもよい。
(6−12)変形例L
実施形態では、図11のステップS6では、ステップS5で取得された使用者の虹彩情報が、ステップS1で登録された虹彩情報データベース72に含まれているか否かが判定される。しかし、図11のステップS6では、ステップS5で取得された使用者の虹彩情報(認証時虹彩情報)と、ステップS1で登録された虹彩情報データベース72に含まれる虹彩情報(登録済み虹彩情報)との一致率に基づいて、認証時虹彩情報が登録済み虹彩情報に含まれているか否かが判定されてもよい。具体的には、認証部63は、認証時虹彩情報のビット列と、登録済み虹彩情報のビット列とを比較して、ビットの一致率が所定の値以上の場合、認証時虹彩情報が登録済み虹彩情報に含まれていると判定して、使用者を認証してもよい。
(6−13)変形例M
実施形態では、使用者は、シールドボックス11のブラケットから虹彩撮像装置60を着脱することができる。そのため、使用者は、ブラケットから取り外した虹彩撮像装置60を自身の目に近付けて、自身の目の画像を撮像することができる。しかし、X線検査装置10は、虹彩撮像装置60の位置および向きの少なくとも一方を調整可能な機構を有してもよい。この場合、使用者は、自身の目の位置に合わせて虹彩撮像装置60の位置および向きを調整することで、ブラケットから虹彩撮像装置60を取り外すことなく、目の画像を撮像することができる。従って、本変形例では、X線検査装置10は、使用者の身長に合わせて使用者の目の画像を容易に取得することができる。
(6−14)変形例N
実施形態では、X線検査装置10の管理部64は、認証部63によって認証された使用者が、処理部61による処理を実行可能な状態にする。しかし、管理部64は、認証部63によって使用者の認証が行われた時から所定の時間が経過した場合、認証部63による使用者の再度の認証が行われるまで、処理部61による処理を実行不可能な状態にしてもよい。なお、所定の時間として、一定の長さの時間が設定されてもよいし、処理部61による処理の必要時間が設定されてもよいし、X線検査装置10が未操作である状態が維持された時間等が設定されてもよい。この場合、使用者は、認証処理を行って異物混入検査が実行可能となっても、認証された時から所定時間が経過した場合には、認証処理を再度行わないと異物混入検査を続行することができない。これにより、認証処理を行って認証された使用者がX線検査装置10から一時的に離れている間に、他の使用者が、自身の目の画像に基づく認証処理を行うことなく、異物混入検査を実行することができる不具合の発生が抑制される。すなわち、本変形例では、X線検査装置10は、認証された使用者と実際の使用者とが異なる場合に、実際の使用者が処理を実行できる状態が維持されることを抑制することができる。
また、例えば、X線検査装置10の使用者が、認証された後に異物の検出精度の調整作業を行う場合、1回目の調整作業が完了した後に再度の調整作業が行われると、2回目以降の調整作業が認証された使用者によって行われたか否かが不明になることがある。そのため、本変形例では、管理部64は、認証部63によって認証された使用者が特定の処理(例えば、異物の検出精度の調整作業)を行った場合に、当該使用者が認証部63によって再度認証されるまで、処理部61による当該特定の処理を実行不可能な状態にしてもよい。これにより、上記の例では、X線検査装置10の使用者は、異物の検出精度の調整作業を行う度に認証処理を行う必要があるので、特別な権限を有さない使用者が調整作業を行ってしまうことが回避される。
(6−15)変形例O
実施形態では、X線検査装置10は、食品Aの異物混入検査を行う食品処理装置であり、被検査物である食品Aに対して一つの処理(異物混入検査)を行う装置である。しかし、食品処理装置は、複数の処理を連続的または並列的に行う装置でもよい。例えば、食品処理装置は、X線検査装置10と、X線検査装置10の下流側に位置するラベル貼付装置とから構成されてもよい。X線検査装置10およびラベル貼付装置は、食品Aの生産ライン上において互いに近い位置にあるので、同じ使用者によって同時に使用される可能性がある。そのため、この食品処理装置は、X線検査装置10およびラベル貼付装置の一方の装置の認証処理を使用者が行うことで、他方の装置の認証処理が行われる構成を有してもよい。同様に、食品処理装置が3つ以上の処理装置から構成されている場合でも、当該食品処理装置は、いずれか1つの処理装置の認証処理を使用者が行うことで、その他の全ての処理装置の認証処理が行われる構成を有してもよい。
(6−16)変形例P
実施形態では、本発明に係る食品処理装置は、X線を用いて食品Aの異物混入検査を行うX線検査装置10である。しかし、本発明に係る食品処理装置は、X線検査装置10に限られない。例えば、食品処理装置は、食品製造工程で用いられる光(赤外線、紫外線および可視光等)による異物検査装置、食品Aの温度管理装置、食品Aに用いられる(次亜塩素酸水等の)薬剤の供給管理装置、および、食品Aに貼り付けられるラベルの印刷装置でもよい。
食品処理装置がラベル印刷装置である場合、使用者の認証が必要な処理は、例えば、ラベルに印字される情報(商品名、内容物、内容量、消費期限、単価、アレルギー表示等の少なくとも1つを含む、食品に関する情報)を変更および決定する処理である。この処理は、ラベルに印字される情報が適切でない場合には食品Aを回収する必要が生じるため、所定の権限を有する使用者、または、変形例Iにおいて所定の認証レベルを有する使用者によって行われなければならない。
本発明に係る食品処理装置は、認証された使用者以外の使用者による装置の使用を抑制することができるので、食品の安全性および品質を担保するために有用である。
10 X線検査装置(食品処理装置)
61 処理部
63 認証部
64 管理部
66 判定部
71 処理情報データベース(第2記憶部)
73 ビーコン端末情報データベース(第1記憶部)
80 ビーコン端末(標識)
173 認証後処理情報データベース(第3記憶部)
A 食品
R 認証有効領域(所定の領域)
特開2009−191101号公報

Claims (11)

  1. 食品を製造するラインにおいて前記食品を処理する食品処理装置であって、
    前記食品に対して少なくとも1つの処理を行う処理部と、
    前記食品処理装置の使用者を認証する認証部と、
    前記使用者が所定の領域内に存在するか否かを判定する判定部と、
    前記認証部によって認証された前記使用者が、前記処理部による前記処理を実行可能な状態にする管理部と、
    を備え、
    前記管理部は、前記判定部による判定結果に基づいて、前記処理部による前記処理を実行可能な状態を自動的に解除する、
    食品処理装置。
  2. 前記判定部は、前記食品処理装置の近傍の前記所定の領域内に前記使用者が存在するか否かを判定し、
    前記管理部は、前記所定の領域内に前記使用者が存在しないと前記判定部が判定した場合に、前記処理部による前記処理を実行可能な状態を自動的に解除する、
    請求項1に記載の食品処理装置。
  3. 前記判定部は、前記使用者が保持する標識が前記所定の領域内に存在するか否かを検知して、前記所定の領域内に前記使用者が存在するか否かを判定する、
    請求項2に記載の食品処理装置。
  4. 前記使用者と前記標識とを関連付けて記憶する第1記憶部をさらに備え、
    前記判定部は、複数の前記標識を互いに区別して検知することができ、
    前記判定部は、前記第1記憶部に記憶されている、前記認証部によって認証された前記使用者に対応する前記標識が、前記所定の領域内に存在しないことを検知した場合に、前記所定の領域内に前記使用者が存在しないと判定する、
    請求項3に記載の食品処理装置。
  5. 前記使用者と、前記管理部によって前記使用者が実行可能な状態になる前記処理とを関連付けて記憶する第2記憶部をさらに備える、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の食品処理装置。
  6. 前記第2記憶部は、
    複数の認証レベルの一つであって、前記使用者ごとに設定された前記認証レベルと、
    前記認証レベルごとに設定され、前記管理部によって実行可能な状態になる前記処理と、
    を関連付けて記憶する、
    請求項5に記載の食品処理装置。
  7. 前記処理部は、前記食品に対して、第1種処理と第2種処理とを含む少なくとも2種類の前記処理を行い、
    前記管理部は、前記認証部によって認証された前記使用者のみが、前記処理部による前記第1種処理を実行可能な状態にし、かつ、全ての前記使用者が、前記処理部による前記第2種処理を実行可能な状態にする、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の食品処理装置。
  8. 前記認証部によって認証された前記使用者と、前記管理部によって前記使用者が実行可能な状態になった前記処理とを関連付けて記憶する第3記憶部をさらに備える、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の食品処理装置。
  9. 前記第3記憶部は、関連付けて記憶された、前記認証部によって認証された前記使用者と、前記管理部によって前記使用者が実行可能な状態になった前記処理とに対する変更および削除を受け付けないように構成されている、
    請求項8に記載の食品処理装置。
  10. 前記認証部は、前記使用者の生体情報に基づいて、前記使用者の認証を行う、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の食品処理装置。
  11. 前記処理部は、前記食品に含まれる異物の有無を判定する前記処理を行う、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の食品処理装置。
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