JP2019065438A - 連結機構、ヘッドバンド及びヘルメット - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘルメットにおいて調整された位置を適切に維持することのできる連結機構、ヘッドバンド、及びヘルメットを提供する。【解決手段】連結機構は、ヘルメットを構成するメインバンド21及び調整バンド30同士を共通する回転軸Cで相対的に回転可能に連結する。連結機構は、メインバンド21及び調整バンド30を相対的に回転可能に連結する部材連結部20JRと、メインバンド21及び調整バンド30の状態として、相対的に回転可能な回転状態と、相対的に固定された固定状態とを、ボタン部材50との係合状態に応じて定めるロック部材60と、回転軸Cの軸線方向に移動することで、ロック部材60との係合状態を変更して回転状態と固定状態とに切り替えるボタン部材50とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、ヘルメットに用いられる連結機構、ヘッドバンド、及びヘルメットに関する。
ヘルメットは、ヘルメットの外殻を構成する半球状を有した帽体と、ヘルメット用内装物の一例であるヘッドバンドとを備える(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に記載のヘッドバンドは、前側バンドと後側バンドとを有し、前側バンドの各端部が後側バンドの各端部のうちの対応する端部とそれぞれバンド調節具を介して接続されている。後側バンドは、その両端がバンド調節具に対して相対的に前後方向に移動することで、ヘッドバンドの作る環の大きさが調整され、ヘッドバンドの環の大きさを頭部の大きさに合わせることができる。また、後側バンドは、その両端がバンド調節具に対して上下方向に回動することで、前側バンドに対する傾きが調整され、後頭部に対してヘッドバンドがあたる位置を適切な位置に調整することができる。
特開2017−57525号公報
ところで、特許文献1に記載の技術等は、上下方向に対する調整を容易とする一方、一旦、使用者に対して好適な位置に調整されたヘッドバンドの上下方向位置であれ、ヘルメットを脱いだり、被ったりする際、調整位置が簡単に変化することも少なくなかった。そのため、ヘッドバンドは、上下方向に対する位置を頻繁に調整せざるを得なかった。
なお、こうした課題は、ヘッドバンドの位置調整に限られるものではなく、ヘルメット用シールドや通気孔等の位置調整においても同様である。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ヘルメットにおいて調整された位置を適切に維持することのできる連結機構、ヘッドバンド、及びヘルメットを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
上記課題を解決する連結機構は、ヘルメットを構成する第1の部材及び第2の部材同士を共通する回転軸で相対的に回転可能に連結する連結機構であって、前記第1の部材及び前記第2の部材を相対的に回転可能に連結する部材連結部と、前記第1の部材及び前記第2の部材の状態として、相対的に回転可能な回転状態と、相対的に固定された固定状態とを、操作部との係合状態に応じて定めるロック部と、前記回転軸の軸線方向に移動することで、前記ロック部との係合状態を変更して前記回転状態と前記固定状態とを切り替える前記操作部とを備える。
上記課題を解決するヘッドバンドは、ヘルメットに対する前後左右の装着位置を規定するヘッドバンドであって、前記ヘッドバンドは、前側を構成する第1の部材と後側を構成する第2の部材とが2点を連結機構によって連結されることにより周状をなすとともに、前記第1の部材の長手方向に対する前記第2の部材の相対角度が調整可能であり、前記連結機構が上記に記載の連結機構である。
上記課題を解決するヘルメットは、帽体と、帽体に対する前後左右の装着位置を規定するヘッドバンドとを備えるヘルメットであって、前記ヘッドバンドは、前記帽体に対して前側に配置される第1の部材と、前記帽体に対して後側に配置される第2の部材とが2点を連結機構によって連結されることにより周状をなすとともに、前記第1の部材の長手方向に対する前記第2の部材の相対角度が調整可能であり、前記連結機構が上記記載の連結機構である。
このような構成によれば、ヘルメットにおいて2つの部材を回転可能に連結する連結機構は、その操作部が回転軸の軸線方向に移動操作されることで、2つの部材の回転状態と固定状態とを切り替える。これにより、ヘルメットにおいて調整された位置を適切に維持することができる連結機構を提供することができる。
この連結機構は、前記ロック部は、前記第2の部材に対して回転不能に設けられており、前記操作部は、前記第1の部材に対して回転不能に設けられており、前記操作部は、前記第2の部材に対する前記第1の部材側、又は、前記第1の部材に対する前記第2の部材側に操作されることによって、前記ロック部に対して前記回転軸の軸線方向に移動するものであり、前記固定状態にあるとき前記ロック部と係合し、前記回転状態にあるとき前記ロック部と非係合となる。
このような構成によれば、第1の部材と第2の部材との固定状態及び回転状態が、第1の部材に対して回転不能に取り付けられた操作部と、第2の部材に回転不能に取り付けられたロック部との係合及び非係合とによって切り替えられる。
この連結機構は、前記ロック部は、前記回転軸を中心に有し、前記中心から所定の半径を有する円周上に所定の角度毎に突起を有し、前記操作部は、前記中心から所定の半径を有する円周上に前記ロック部の突起に嵌合可能な凹部を有し、前記操作部は、前記固定状態にあるとき、当該操作部の前記凹部が前記ロック部の前記突起に嵌合する位置に配置され、前記回転状態にあるとき、当該操作部の前記凹部が前記ロック部の前記突起に対して前記回転軸の軸線方向にずれた位置に配置される。
このような構成によれば、操作部が固定位置にあるとき、ロック部の突起と操作部の凹部とが嵌合して回転軸を中心とした回動が停止され、操作部が回転位置にあるとき、ロック部の突起と操作部の凹部とが回動する方向に干渉しないので回転軸を中心とした回動が可能になる。これにより、第2の部材と第1の部材とは、相対的な固定(停止)及び回動を切り替えられるようになる。
この連結機構は、前記ヘルメットには、前側ヘッドバンドと後側ヘッドバンドとが連結されて周状を形成するヘッドバンドが備えられており、前記部材連結部は、前記前側ヘッドバンドを前記第1の部材とし、前記後側ヘッドバンドを前記第2の部材としたとき、前側ヘッドバンドと後側ヘッドバンドとを回動可能に連結している。
このような構成によれば、後側ヘッドバンドを前側ヘッドバンドに対して回動可能に連結させることができる。すなわち、ヘルメットの後方で後側ヘッドバンドを上下移動させることが可能になる。これにより、ヘッドバンドの調整可能な範囲が広げられるようになる。
また安全確保の観点から被りの深いヘルメットも少なくないが、こうしてヘッドバンドがヘルメット内に深く入り込んだヘルメットであれ、後側ヘッドバンドの位置を下げることによりバックルをヘルメットから露出させて締め付け調整を容易に行うことができるようにもなる。
この連結機構は、前記ヘッドバンドは、前記第1の部材の外周側に前記第2の部材が連結され、前記操作部は、前記第2の部材側への移動操作で前記固定状態とする。
このような構成によれば、第1の部材に対して上下方向に移動する第2の部材が第1の部材の外周側にあるので、第1の部材と第2の部材との間に頭髪等が挟み込まれたりするおそれが小さい。また、頭部側への突出が少なくなり、頭部への接触等が生じるおそれが小さい。
また、ヘッドバンドの外周側にある第2の部材側への操作で固定状態になるので、第1の部材への頭部等の接触によって操作部が回転状態に操作されるおそれもない。よって、固定状態が維持される。
この連結機構は、前記操作部は、前記回転状態にあるとき、及び、前記固定状態にあるときの少なくとも一方において、前記軸線方向に前記第1の部材の表面から前記第2の部材の反対方向に突出しないとともに、前記軸線方向に前記第2の部材の表面から前記第1の部材の反対方向に突出しない。
このような構成によれば、操作部は、回転状態にあるとき、及び、固定状態にあるときの少なくとも一方で、第2の部材の表面から第1の部材の反対方向に突出しないとともに、第1の部材の表面から第2の部材の反対方向に突出しない。よって、回転状態及び固定状態の少なくとも一方にあるとき、操作部がヘッドバンドに接触するものによって操作されるおそれが低減される。特に、固定状態にある操作部を突出させなければ、使用中のヘルメットにおいて、操作部が不用意に操作されるおそれが低減されたり、物体が引っかかるおそれが低減されたりする。
この連結機構は、前記操作部は、前記回転状態を前記固定状態に切り替える操作が可能な前記第1の部材と前記第2の部材との間の回転角度が複数定められている。
このような構成によれば、固定状態に切り替える操作が可能な回転角度が定まっていることから、角度の位置合わせや固定が容易になる。
この連結機構は、前記部材連結部は、前記回転軸の軸線方向に厚みを有し、前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方には前記厚みを囲う周壁を有し、前記周壁の一部には前記回転軸の軸線方向に延びる切れ込みを複数有している。
このような構成によれば、ヘルメットにおける第1の部材と第2の部材との相対角度を視認することができる。すなわち、変化させた角度を視認することができるようになる。また、角度調整が適切に行われるようにもなる。
この連結機構は、前記ロック部は、前記回転軸を中心とする円孔を有し、前記円孔は、その孔内に突出する突起を有し、前記操作部は、前記円孔に挿通される円筒部を有しており、前記円筒部は、前記円孔に対向する周面に前記回転軸の周方向に平行に延びる2本の溝を備え、前記操作部は、前記2本の溝のうちの一方の溝に前記突起が嵌合されることで前記固定状態となり、前記2本の溝のうちの他方の溝に前記突起が嵌合することで前記回転状態となる。
このような構成によれば、操作部の固定状態と回転状態とが操作部の円筒部にある溝とロック部の円孔にある突起との嵌合によって規定されるので操作部の固定状態及び回転状態への操作が容易になる。
本発明によれば、ヘルメットにおいて調整された位置を適切に維持することができる。
ヘルメットの右側を示す右側面図。 ヘルメット用のヘッドバンドの展開構造を示す平面図。 ヘッドバンドにおいて前側ヘッドバンドと後側ヘッドバンドとの連結機構を示す斜視図。 連結機構を外周面から見た分解構造を示す斜視図。 連結機構を内周面から見た分解構造を示す斜視図。 連結機構のロック部材及びボタン部材を内周面から見た構造を示す斜視図。 連結機構のロック部材及びボタン部材を外周面から見た構造を示す斜視図。 ロック部材を内面から見た構造を示す正面図。 連結機構が回転状態にあるときの断面図であって、(a)は図2の9−9切断線における断面図、(b)は図2の10−10切断線における断面図。 連結機構が固定状態にあるときの断面図であって、(a)は図2の9−9切断線における断面図、(b)は図2の10−10切断線における断面図。
以下、図1〜図10を参照して、連結機構、ヘッドバンド及びヘルメットを具体化した一実施形態について説明する。なお、このヘルメットは主に人の頭部に着用される頭部保護用のヘルメットである。
図1に示されるように、ヘルメット1は、その外殻が中空半球状の帽体10により構成されている。帽体10は、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体等のABS樹脂によって形成されたものであり、中空の半球形状が形成する周状の開口である開口部12には外周側に折り返された折り返し部14が設けられている。なお、図1において右側に配置されている帽体10の後側に対し、図1において左側に配置されている帽体10の前側には雨や落下物等から使用者の顔面を保護するように外周方向に突出する庇部13が設けられている。なお、このヘルメット1は、後側に後頭部側を配置させ、前側に顔面を向けるようにして着用者の頭部に装着される。また、このヘルメット1は、帽体10において、開口部12の開口する側が下側であり、半球形状の頂部側が上側である。また、帽体10において、開口部12の中心方向が内側であり、中心から離間する方向が外側である。帽体10には、着用者の頭部に対して帽体10の位置を固定する帯状のヘッドバンド20が開口部12に沿って周状に設けられている。
(ヘッドバンド20)
図2を参照してヘッドバンド20について説明する。なお、図2は、帽体10から取り外されたヘッドバンド20の外周面20bが示されるように展開した平面図であり、このヘッドバンド20は、帽体10に取り付けられた状態では、両端部がヘルメット1の後側(後頭部側)に配置され、中央部がヘルメット1の前側(顔面側)に配置される。
ヘッドバンド20は、周状の外側に外周面20bを有し、周状の内側に内周面20a(図5参照)を有する。ヘッドバンド20は、外周面20bに接続された一方の端部として調整バンド30を有し、外周面20bに接続された他方の端部として保持バンド40を有している。調整バンド30は、外周面20bと同方向に向くバンド面31に複数の凹部32を有している。保持バンド40は、外周面20bと同じ方向に向くバンド面41に調整バンド30を重ね合わさせて保持することができるように、そこに重ね合わされた調整バンド30の位置を固定連結するバックル49を有している。バックル49は、保持バンド40と調整バンド30との固定連結を開放操作により解除することもできる。これにより、ヘッドバンド20は、保持バンド40に重ねあわされる調整バンド30の長さの変化に応じて調整される周長に基づいて頭部に対する締め付け具合が調整されるようになっている。そして、適切に調整された締め付け状態は、バックル49が調整バンド30と保持バンド40との固定連結を続けることにより維持される。本実施形態では、調整バンド30と保持バンド40とがそれぞれ第2の部材であり、調整バンド30及び保持バンド40が後側ヘッドバンドを構成する。
また、ヘッドバンド20には、ヘルメット1の前側から後側に渡り開口部12を半周以上に渡って該開口部12に沿って延びる第1の部材及び前側ヘッドバンドとしてのメインバンド21が設けられている。メインバンド21は、該メインバンド21の後寄りにある左右の外周面20bにそれぞれ分岐部23を有し、各分岐部23を介して上述した調整バンド30及び保持バンド40を連結させている。調整バンド30及び保持バンド40は、各分岐部23から下方に延設されている。換言すると、調整バンド30及び保持バンド40は、分岐部23に向けて上方に延びる中間部34,44を有し、中間部34,44を介してメインバンド21に連結される。なお、前側から見て右側の調整バンド30は右の分岐部23Rを介してメインバンド21に連結され、前側から見て左側の保持バンド40は左の分岐部23Lを介してメインバンド21に連結されている。
メインバンド21、調整バンド30及び保持バンド40はそれぞれ、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、もしくは高密度ポリエチレン(HDPE)などのポリエチレンからなる樹脂材料から形成されている。本実施形態のLDPEは、例えば、密度0.910〜0.925[g/cm]、結晶化度45〜55[%]、融点98〜115[℃]であり、L−LDPEは、例えば、密度0.918〜0.940[g/cm]、結晶化度50〜60[%]、融点122〜124[℃]である。また、HDPEは、例えば、密度0.941〜0.970[g/cm]、結晶化度65〜85[%]、融点130〜137[℃]である。なお、ヘッドバンド20は、通常、柔らかい材料であると被り心地が向上する傾向にあるが一方、少し硬い材料であるほうが嵌合時などの強度が向上する傾向にもあることから、本実施形態では、これら被り心地と強度とに関する条件を好適な状態にすることのできる材料としてポリエチレンが選択されている。
メインバンド21は、外周面20bに4つのバンド係止部22を備えており、それらバンド係止部22が帽体10の内面に形成されている図示しないヘッドバンド取付部に嵌合される。帽体10は、図示しない各ヘッドバンド取付部にバンド係止部22が嵌合されることによって、ヘッドバンド20が取り付けられる。また、メインバンド21は、左右それぞれの2つのバンド係止部22の間に設定される分岐位置にそれぞれ分岐部23を備えている。前側から見て左右に配置された2つの分岐部23は、右側が右の分岐部23R、左側が左の分岐部23Lである。ヘッドバンド20は、右側の分岐部23Rから調整バンド30が分岐され、左側の分岐部23Lから保持バンド40が分岐される。また、分岐部23は、ヘルメット1の内側から外側に向かう回転軸Cを有しており、調整バンド30と保持バンド40はそれぞれ、メインバンド21に対して上下方向である方向に回転軸Cを中心にして回転可能である。
調整バンド30は、右の分岐部23Rに対して後側に延びるように連結されている。調整バンド30は、帯状であり、右の分岐部23R側から順に、右の分岐部23Rに連結される連結部33と、連結部33から下側かつ後方に延びる中間部34と、中間部34より後方に延び、保持バンド40に重ね合わせることのできる調整部35とを有している。調整部35は、保持バンド40に重ね合わせることができるように直線状に形成されているとともに、上述した複数の凹部32がバンド面31に形成されている。また、調整バンド30は、回転軸Cの軸線方向における連結部33の厚みが中間部34とその後側よりも厚く、中間部34から連結部33までの間には厚みを増やす増厚部36(図3参照)を有している。
保持バンド40は、左の分岐部23Lに対して後側に延びるように連結されている。保持バンド40は、帯状であり、左の分岐部23L側から順に、左の分岐部23Lに連結される連結部43と、連結部43から下側かつ後方に延びる中間部44と、中間部44より後方に延び、調整バンド30を重ね合わせることのできる保持部45とを有している。保持部45は、調整バンド30を重ね合わせることができるように直線状に形成されている。保持部45は、そのバンド面41に、中間部44からバンドの先端に向けて順に、重ね合わされた調整バンド30をバンド面41に沿わせて保持するバンド保持部47と、調整バンド30を固定するバックル49を取り付けるバックル取付部46と、を有している。
バックル取付部46は、外方に立ち上がる側壁をバンド面41の幅方向側辺に有し、当該側壁の間にバックル49を支持している。バックル取付部46とバックル49との間には、調整バンド30が挿通可能である間隔が確保されている。バックル取付部46とバックル49とは、それらの間に挿通された調整バンド30の凹部に係止爪を係合させ調整バンド30の抜け方向への移動を禁止して相対位置を固定するとともに、バックル49の操作によって係止爪の調整バンド30の凹部への係合を解除して調整バンド30の抜け方向への移動を許可する。
(部材連結部20J)
図2に示すように、メインバンド21は左右に部材連結部20Jを有している。詳述すると、右の部材連結部20JRは、メインバンド21の右の分岐部23Rと、調整バンド30の連結部33とを含み構成されている。左の部材連結部20JLは、メインバンド21の左の分岐部23Lと、保持バンド40の連結部43とを含み構成されている。なお、右の部材連結部20JRと左の部材連結部20JLとは左右対称であって同様の構造を有することから、以下では、右の部材連結部20JRについて詳細に説明する一方、説明の便宜上、左の部材連結部20JLについての説明は割愛する。
右の部材連結部20JRは、メインバンド21の外周面20bに垂直である回転軸Cを回転中心として、調整バンド30を調整角度の範囲で上下方向に回転移動させる。調整角度の範囲は、ヘルメット1の使用者がバックル49の配置位置を調整可能な範囲であり、例えば40°の範囲に設定されている。
図3〜図5に示すように、右の部材連結部20JRは、メインバンド21の右の分岐部23Rと、調整バンド30の連結部33との間に、操作部としてのボタン部材50と、ロック部としてのロック部材60とを含み構成されている。本実施形態では、部材連結部20JRと、ボタン部材50と、ロック部材60とから連結機構が構成されている。
図3に示すように、連結部33は、回転軸Cを中心とする環状の外面部37と、外面部37の外縁からメインバンド21に向かって立設された外周壁38とを備える。図5に示すように、外面部37は、その裏面37Rが外周壁38に囲まれつつメインバンド21に対向する。
図4に示すように、右の分岐部23Rは、調整バンド30への対向面である外周面20bに凸設される円弧状の内側ガイド24を有している。また、図5に示すように、連結部33は、右の分岐部23Rに対向する裏面37Rに凸設される円弧状の外側ガイド39を有している。
図3に示すように、ボタン部材50は、右の部材連結部20JRにおいて回転軸Cを含む中心範囲に配置されているとともに、ロック部材60に対して回転軸Cの軸線方向に移動可能になっている。例えば、図3は、ボタン部材50がロック部材60に対して押し込まれた状態である回転状態を例示する。
また、ボタン部材50は、回転軸Cの回転方向に回動不可能に、かつ、回転軸Cの軸線方向に移動可能に右の分岐部23Rに保持されている。
ロック部材60は、回転軸Cの回転方向に回動不可能となるように、かつ、回転軸Cの軸線方向に移動不可能となるように調整バンド30の連結部33に保持されている。
(右の分岐部23Rと連結部33)
図4及び図5を参照して、右の分岐部23Rと、連結部33とについて詳述する。
図4に示すように、右の分岐部23Rにおいて、内側ガイド24は、メインバンド21の外周面20bに立設された壁24Pと、壁24Pの立設方向先端から壁24Pの外方に張り出す爪24Jとを備える。壁24Pは、回転軸Cに対して所定の半径を有する円弧状の壁である。爪24Jは、回転軸Cに離間する方向に壁24Pの先端から突出する爪であって、外周面20bに略平行である。内側ガイド24及びその爪24Jは、回転軸Cに対して点対称、かつ、弧状に設けられており、それぞれの形状を周方向に連続させているようにして、回転軸Cを挟んで一対として設けられている。
図5に示すように、連結部33において、外側ガイド39は、外周壁38よりも小さい内径を有する円弧状であって、外面部37の裏面37Rに立設されている壁39Pと、壁39Pの立設方向先端から壁39Pの内周方向に突出する爪39Jとを備える。壁39Pは、回転軸Cに対して所定の半径を有する円弧状の壁であって、所定の半径は、爪24Jの最大半径と同じか少し大きい。爪39Jは、回転軸Cに近づく方向に壁39Pの先端から突出する爪であって、裏面37Rに略平行である。外側ガイド39及びその爪39Jは、回転軸Cに対して点対称、かつ、弧状に設けられており、それぞれの形状を周方向に連続させるようにして、回転軸Cを挟んで一対として設けられている。
こうした内側ガイド24の爪24Jと、外側ガイド39の爪39Jとは周方向に連続した長さで嵌合する。そして、メインバンド21と調整バンド30との接続が維持される範囲で、回転軸Cを回転中心とした回動を可能にする。つまり、内側ガイド24の外側に向く爪24Jは、外側ガイド39の爪39Jを、外周面20bとの間に挟み込むように周方向に摺動可能に保持する。また、内側ガイド24と外側ガイド39とが嵌合したとき、メインバンド21の外周面20bに、連結部33の外周壁38の先端が摺動可能に当接することで、メインバンド21と調整バンド30の連結部33との間の回転軸Cの軸線方向の相対位置が規定される。
図4に示すように、メインバンド21の外周面20bは、爪24Jの周方向各端部からそれぞれ周方向に所定距離離れた位置に回転止め25が凸設されている。回転止め25は、爪24Jの端部からの距離が外側ガイド39の爪39Jの弧長よりも短い位置に設けられている。また、回転止め25は、外周面20bに凸設されていることから、外周面20bの爪24Jに嵌合された連結部33の爪39Jは、内側ガイド24に対する回転範囲が周方向左右に配置された回転止め25によって規定される。なお、内側ガイド24に外側ガイド39が嵌め込まれるとき、材料の弾性変形を利用して、通常使用で変形するよりも大きく変形させて嵌め込む。これにより、通常使用において生じる弾性変形によっては内側ガイド24と外側ガイド39とが外れるおそれがない。
内側ガイド24は、壁24Pの基端の外周側に沿ってメインバンド21を貫通する貫通孔24Hを備える。また、内側ガイド24は、メインバンド21の長手方向に対する長さが、短手方向に対する長さに比較して短い。これにより、メインバンド21が長手方向に湾曲されたとき、内側ガイド24の変形が抑制される。また、内側ガイド24は、メインバンド21の弾性を低下させるおそれがあるが、貫通孔24Hによって弾性の低下が抑制される。
外側ガイド39は、壁39Pの基端の内周に沿って外面部37を貫通する貫通孔39Hを備える。また、外側ガイド39は、調整バンド30の長手方向に対する長さが、短手方向に対する長さに比較して短い。これにより、調整バンド30が長手方向に湾曲されたとき、外側ガイド39の変形が抑制される。また、外側ガイド39は、調整バンド30の弾性を低下させるおそれがあるが、貫通孔39Hによって弾性の低下が抑制される。
図5に示すように、連結部33の外周壁38は、外周のうちメインバンド21の下縁に向かう弧状の部分に目盛り38Aを備える。目盛り38Aは、外周壁38の周方向において回転軸Cに対して40°程度の範囲にあって、0°〜40°の角度に対応する位置に10°毎に5つの切れ込み38Sを有している。切れ込み38Sは、外周壁38を表面から裏面まで貫通しており、外周壁38の内側に配置されるロック部材60の表面が視認可能になっている。連結部33とロック部材60との色彩は同系色でもよいが、色彩が相違すれば目盛り38Aに配置された切れ込み38Sの視認性をより高めることができ、角度調整の操作も容易になる。また、メインバンド21は、目盛り38Aの接する下縁において内周面20aに指示マーク23Mが凹設されている。指示マーク23Mは、視認することができれば凸設されていてもよいし、塗料等によって描画されていてもよい。目盛り38Aは、回転する外周壁38において指示マーク23Mに対応する範囲に設けられており、指示マーク23Mに対応する切れ込み38Sがメインバンド21に対する調整バンド30の傾きを表示する。
図4に示すように、右の分岐部23Rには、ボタン部材50が配置される貫通孔23Hが設けられている。貫通孔23Hは、回転軸Cを含んでメインバンド21の外周面20bから内周面20a(図5参照)に貫通する。貫通孔23Hは、メインバンド21の幅方向を長手方向とする長孔であり、長手方向には平行な長辺を有し、長手方向の端部である短手方向には弧状の短辺を有する。貫通孔23Hは、長辺の長さに比較して短辺の長さが短い。よって、貫通孔23Hは、メインバンド21が長手方向に湾曲されたときの変形が抑制される。
図5に示すように、右の分岐部23Rは、内周面20aに回転軸Cの通る部分を底にする凹部23Aを有する。凹部23Aは、内周面20a側に移動したボタン部材50を、凹部23Aの深さに対応する長さだけ底から内周面20aの方向に露出させて押圧操作を可能にする。一方、右の分岐部23Rは、凹部23Aの裏側には凹部23Aに対応する凸形状23B(図4参照)を有する。よって、貫通孔23Hは、凹部23Aの裏側である外周面20bには凸形状の面に孔が形成されている。
図4に示すように、右の分岐部23Rは、外周面20bに、貫通孔23Hの長辺に沿って立設される規制壁26を備える。規制壁26は、貫通孔23Hを挟んで平行に一対として設けられている。2つの規制壁26は、貫通孔23Hを挿通するボタン部材50を挟んでボタン部材50の回転軸Cを中心とする回動を規制する。詳述すると、図5に示すように、ボタン部材50は、貫通孔23Hを挿通する断面が長丸であって軸心方向に延び棒状の内側操作部54を有し、内側操作部54の長側面を規制壁26に挟むことで回転軸Cを中心とする回動を規制する。一方、2つの規制壁26は、回転軸Cの軸線方向に高さを有することから、内側操作部54を間に挟んでいることができる高さ範囲において、回転軸Cの軸線方向への移動を可能にする。
また、図4に示すように、規制壁26は、貫通孔23Hの長辺の中央部に対応する位置に、壁厚を増した張出部分27を有している。張出部分27は、規制壁26の立設方向に対して外周面20bから立設方向先端まで回転軸Cの軸線方向に延びる溝27Gが設けられている。図5に示すように、ボタン部材50は、内側操作部54の長側面に溝27Gに嵌合する突起53Cを有している。突起53Cは、ボタン部材50が内周面20aの方向に最も移動したとき、溝27Gの端部にある外周面20bに当接してボタン部材50の内周面20aの方向へのそれ以上の移動を防止するとともに、ボタン部材50のメインバンド21の幅方向への揺動を抑制する。
図4に示すように、連結部33は、ロック部材60が配置される貫通孔37Hを有する。貫通孔37Hは、回転軸Cを含んで調整バンド30の内周面30aから外周面30bに貫通するように、調整バンド30の連結部33に形成された円形孔である。連結部33は、メインバンド21の外周面20b側に配置されていることから、メインバンド21よりも湾曲が少なく変形が小さい。つまり、貫通孔37Hとしてもほとんど変形しない。
図5に示すように、連結部33は、外側ガイド39を外周壁38の内周38Bから周の中心方向に張り出すように有している。外側ガイド39は、外周壁38に対して4分の1周よりも短い長さで、回転軸Cを点対象の中心として一対として設けられている。つまり、内周38Bは、2つの外側ガイド39の間に外側ガイド39のない部分を有している。内周38Bは、外側ガイド39がない部分と、外側ガイド39がある部分とが、交互に2回繰り返されている。
(ボタン部材50とロック部材60)
ところで、ヘルメット1は、使用時には使用者にとって適切な状態に調整されたヘッドバンド20であることが望ましく、また、その適切に調整された状態に維持されることが望ましい。しかし上述のように、メインバンド21と調整バンド30とは、内側ガイド24と外側ガイド39との嵌合によって所定の角度範囲で回転可能になるものの、回転角度を位置決めしたり、回転角度を固定したりする機能を有さない。そこで、本実施形態は、ボタン部材50とロック部材60とによって、メインバンド21と調整バンド30との間の回転角度の位置決めと、回転角度の固定とができるようにしている。
図6〜図10を参照して、ボタン部材50及びロック部材60について詳述する。
まず、図5に示すように、ロック部材60は、連結部33の外周壁38の内周38Bに嵌る形状を有する本体部62を備えている。本体部62は、表面62Aを連結部33の裏面37Rに対向させる。本体部62は、内側ガイド24(図4参照)を避けて連結部33の外周壁38の内周38Bに嵌る内側フランジ63を有している。内側フランジ63は、本体部62の外縁のうち外周壁38の内周38Bに対向する位置まで張り出した部分から表面62Aとは反対の方向に延設されている。
図6に示すように、ロック部材60は、表面62Aにおける略中央には連結部33の貫通孔37H(図5参照)に対応する円孔としての貫通孔61を備える。
貫通孔61は、ボタン部材50が配置される形状を有している。貫通孔61は、貫通孔37H(図5参照)よりも小さい径を有し、表面62A側には貫通孔37H(図5参照)の内周に嵌め込まれるフランジ61Aを備えている。
図8に示すように、貫通孔61は、内周面に点状の突起61Dを2つ有している。突起61Dは、ボタン部材50の外周壁53に当接してボタン部材50の位置決めに用いられる。2つ突起61Dは、貫通孔61において回転軸Cを挟んで対向する位置に設けられている。
貫通孔61は、貫通孔61をフランジ61Aとは反対方向に延出される延出壁61Bを備える。延出壁61Bは、外側ガイド39(図5参照)に対応する角度θ2の範囲に設けられている。例えば、延出壁61Bは、貫通孔61の半径D1の内周のうちの4分の1よりも少し小さい角度θ2に対応する周長を有し、回転軸Cを挟んで対向配置されている。なお、角度θ2は、内側ガイド24に外側ガイド39を嵌め込むことができるように、角度θ1よりも少し小さい。また、角度θ1は、ロック部材60に対するボタン部材50の回転可能な角度を確保するためには大きいほうが好ましい。例えば、角度θ1は100°、角度θ2は80°である。
図6に示すように、延出壁61Bは、その先端61Gがメインバンド21に当接する位置まで延出されている。よって、ロック部材60が連結部33と右の分岐部23Rとの間に挟まれた状態で、本体部62の表面62Aが連結部33の裏面37Rに当接し、延出壁61Bの先端61Gが右の分岐部23Rの外周面20bに当接する。
内側フランジ63はそれぞれその先端63Uが、延出壁61Bの先端61Gと同様に、メインバンド21に当接する長さで延出されている。よって、ロック部材60が連結部33と右の分岐部23Rとの間に挟まれた状態で、本体部62の表面62Aが連結部33の裏面37Rに当接し、一対の内側フランジ63の先端63Uが右の分岐部23Rの外周面20bに当接する。
図8に示すように、内側フランジ63は、外側ガイド39(図5参照)のない部分に対応する角度θ1の範囲に設けられている。例えば、内側フランジ63は、貫通孔61の半径D1の内周のうちの4分の1よりも少し大きい角度θ1に対応する周長を有し、回転軸Cを挟んで対向配置されている。
これにより、ロック部材60は、内側フランジ63の外側63Aが外周壁38と、内側フランジ63の弧状端部63Eが外周壁38の内側に張り出す2つの外側ガイド39の間に挟み込まれることで、回転軸Cを中心とする回転方向において、連結部33に対して相対固定される。また、ロック部材60は、回転軸Cの軸線方向において、本体部62が連結部33と右の分岐部23Rとの間に挟まれることで、同軸線方向に対して連結部33に相対固定される。なお、内側フランジ63の外側63Aは半径D4であり、外周壁38の内周38Bは半径D4の内側フランジ63が収納可能な大きさを有している。
図6に示すように、内側フランジ63は、その内周面63Bに本体部62の裏面62Bから先端63Uの方向に延出される複数の突起64を有している。複数の突起64は、回転軸Cに対して90°となる範囲に10°の間隔毎に一つずつ全部で10個設けられている。各突起64は、回転軸Cの軸線方向において裏面62Bとの境界部分63Tから先端63Uの方向に延出される長さが先端63Uには到達しない長さである。よって、内周面63Bは、回転軸Cの軸線方向において裏面62B側には複数の突起64を周方向に有する凸凹のある円弧状の面を有し、先端63U側には突起等を有していない平らな円弧状の面を有している。
図8に示すように、内周面63Bは、半径D3を有し、平らな円弧状の面は内径が半径D3の面であり、凸凹のある円弧状の面は、内径が半径D3よりも短くなる突起64の部分を含む面である。
図6に示すように、ボタン部材50は、ロック部材60の内側に嵌合する形状と、右の分岐部23Rの貫通孔23Hの左右にある一対の規制壁26(図4参照)に挟まれる形状とを有している。詳述すると、ボタン部材50は、円柱状の外側操作体51と、外側操作体51から回転軸Cに対する法線方向であって回転軸Cを対称点として一対となる係止平面55とを備える。係止平面55は、外側操作体51からロック部材60の内側フランジ63の方向に延出されている。係止平面55は、外側操作体51側に表面55Aを有し、内側操作部54側に裏面55Bを有している。
また、ボタン部材50は、右の分岐部23Rの貫通孔23H(図4参照)に挿通される内側操作部54と、右の分岐部23Rの規制壁26に設けられている溝27G(図4参照)に配置される突起53Cとを備える。
図7に示すように、外側操作体51は、貫通孔61、フランジ61A及び延出壁61Bの間に嵌合される円筒部及び周面としての外周壁53を有する。外周壁53は、回転軸Cに垂直な方向に対して貫通孔61を挿通可能な半径D1(図8参照)を有する。外側操作体51は、外周側の端部に凹形状の押圧部51Aを有している。押圧部51Aは、径方向に長さを有する長孔52を有している。長孔52は、内側操作部54の方向に深さを有し、内側操作部54の内側空間を形成している。長孔52は、内側操作部54の成形のためや、ボタン部材50の軽量化のために設けられている。
外側操作体51は、外周壁53の壁面に、第1の溝531と、第1の溝531よりも押圧部51Aから離れた位置に第2の溝532とを備えている。第1及び第2の溝531,532はそれぞれ、回転軸Cに対して40°の角度を有する長さで外周壁53の周方向に延びる溝である。また、第1及び第2の溝531,532は、溝の中心が回転軸Cの軸線方向に対して切替距離L1だけ平行に離間している。また、第1及び第2の溝531,532は、それらのいずれか一方がロック部材60の貫通孔61の突起61Dに嵌合するようになっている。つまり、第1及び第2の溝531,532は、ボタン部材50がロック部材60に嵌合されたとき、突起61Dに嵌合可能な範囲に設けられている。
図10(a),(b)を参照すると、第2の溝532と突起61Dとが係合すると、外側操作体51の押圧部51Aは、ロック部材60のフランジ61Aの端部外周や、連結部33の外面部37に対して略同一の面となるようになっている。逆に、内側操作部54は、操作部端面54aが内周面20aの凹部23Aの底面に略揃う位置に配置される。
図9(a),(b)を参照すると、第1の溝531と突起61Dとが係合すると、外側操作体51の押圧部51Aは、ロック部材60のフランジ61Aの端部外周や、連結部33の外面部37に対して凹んだ位置に配置される。逆に、内側操作部54は、操作部端面54aが内周面20aの凹部23Aの底面から突出して、凹部23Aの外周を含む内周面20aに略揃う位置に配置される。なお本実施形態では、操作部端面54aが内周面20aから少し突出するが、突出する部分と内周面20aに揃う面との間に傾斜部を設け、引っ掛かり等が生じづらいようにしている。
図6に示すように、外側操作体51は、押圧部51Aの反対側の面として内側面53Aを有する。内側面53Aは、規制壁26(図4参照)の先端が進入できる進入スペース53Bを有し、その進入スペース53Bから内側操作部54及び突起53Cを突出させている。進入スペース53Bは、内側操作部54及び突起53Cが対向する規制壁26(図4参照)が進入することができるように、内側操作部54及び突起53Cに沿う溝形状に形成されている。
内側操作部54は、一対の規制壁26(図4参照)の対向する側面の間を摺動しつつ、回転軸Cの軸線方向に移動可能な形状を有している。内側操作部54は、回転軸Cの軸線方向に対する長さとして、規制壁26の先端から右の分岐部23Rの内周面20a(図5参照)までの距離に対応する長さを有する。
突起53Cは、内側操作部54の両側面に突出するとともに、回転軸Cの軸線方向に延設された形状を有しており、規制壁26の溝27G内を回転軸Cの軸線方向に移動可能な形状をしている。突起53Cは、回転軸Cの軸線方向に対する長さが規制壁26の溝27Gの長さに対応した長さであり、内側操作部54の長さよりも短い長さである。具体的には、規制壁26の先端から外周面20b(図4参照)までの距離である。
一対の係止平面55は、内側操作部54を長手方向に挟んで扇形状となるように配置されている。各係止平面55は、回転軸Cの周方向において8分の1の角度よりも少し大きい角度(約50°)に対応する角度範囲において回転軸Cの法線方向に延出されている。つまり、係止平面55の角度範囲は、ロック部材60の角度θ1よりも小さい。係止平面55は、回転軸Cの法線方向に対する長さが内側フランジ63の内周面63Bに近接する長さを有している。係止平面55は、回転軸Cからの距離が、その最外周が内周面63Bに近接する長さであるとともに、内周面63Bの突起64には干渉する長さとなっている。
係止平面55は、その最外縁に複数の凹部56を備える。複数の凹部56は、回転軸Cの軸線方向に溝状に延設された凹部であり、内周面63Bの複数の突起64に嵌合可能な形状を有する。係止平面55においては、複数の凹部56は、回転軸Cの方向に後退することによって突起64に干渉しない長さとなっている。複数の凹部56は、複数の突起64と同じ角度間隔、例えば10°で周方向に並べられている。
図10を参照して、係止平面55は、その複数の凹部56が内周面63Bの複数の突起64に嵌合する状態にあればロック部材60に対するボタン部材50の回転軸Cを中心にした回転を防止する。すなわち、係止平面55が、内周面63Bの凹凸のある円弧状の面に対向するとき、ボタン部材50の状態がメインバンド21と調整バンド30との相対回転を固定する固定状態となる。一方、図9を参照して、係止平面55は、内周面63Bの複数の突起64に対向しないとき、ロック部材60に対するボタン部材50の回転軸Cを中心にした回転が許可される。すなわち、係止平面55が、内周面63Bの平らな円弧状の面に対向するとき、ボタン部材50の状態がメインバンド21と調整バンド30との相対回転が可能になる回転状態となる。
ボタン部材50及びロック部材60はそれぞれ、メインバンド21及び調整バンド30よりも固い材料で形成されている。例えば、ボタン部材50及びロック部材60はそれぞれ、ポリアセタール、もしくはポリカーボネート等の硬質な樹脂材料から形成されている。なお、ボタン部材50及びロック部材60は、柔らかい材料であるとメインバンド21の変形に追従するようになるが、耐久性、耐力や耐圧が低下する一方、硬い材料であればメインバンド21の変形に追従しないが、耐久性、耐力や耐圧が向上するとともに、適切なすべり性能を得ることもできる。本実施形態では、これらを好適な状態にすることのできる材料としてポリアセタールが選択されている。
(作用)
図9及び図10を参照して、本実施形態の作用について説明する。
まず、図9を参照して、ボタン部材50が回転状態となる回転位置に配置されていて、メインバンド21に対して調整バンド30が回転可能な場合について説明する。
図9(a)に示すように、ボタン部材50の第1の溝531が貫通孔61の突起61Dに嵌合しているとき、ボタン部材50は、外側操作体51の押圧部51Aが、ロック部材60のフランジ61Aの開口から切替距離L1だけ凹んだ回転位置に配置される。回転位置は、ロック部材60のフランジ61Aの開口に対して第1の溝531と第2の溝532との間隔に対応する高さ(=切替距離L1)だけ貫通孔61内に凹んだかたちになる。
一方、ボタン部材50は、内側操作部54の操作部端面54aが、内周面20aにある凹部23Aの底から突出している。内側操作部54は、回転軸Cの軸線方向に対して内周面20aの凹部23A中において軸線方向に直立している。しかし、本実施形態では、操作部端面54aは、内周面20aよりも少し突出している部分には傾斜部を介して操作部端面54aが設けられている。
また、図9(b)に示すように、貫通孔61の突起61Dに第1の溝531が嵌合しているとき、ボタン部材50の係止平面55は、内周面63Bにおいて複数の突起64のない平らな円弧状の面に対向する。
よって、ロック部材60は、連結部33とともに、ボタン部材50の係止平面55に対して回転可能であり、係止平面55にロック部材60の延出壁61Bが当接しない範囲で規定された角度範囲で回動が可能である。本実施形態では、規定された角度範囲は、連結部33の外側ガイド39の壁39Pと、メインバンド21の回転止め25とが当接する範囲で定まる。なお、規定された角度範囲が、ボタン部材50の係止平面55とロック部材60の延出壁61Bとの当接で定まってもよい。
次に、図10を参照して、ボタン部材50が固定状態となる固定位置に配置されていて、メインバンド21に対して調整バンド30が固定されている場合について説明する。
図10(a)に示すように、ボタン部材50の第2の溝532が貫通孔61の突起61Dに嵌合しているとき、ボタン部材50は、外側操作体51の押圧部51Aが、ロック部材60のフランジ61Aの開口に揃う固定位置に配置される。固定位置は、回転位置からロック部材60のフランジ61Aの開口に対して第1の溝531と第2の溝532との間隔に対応する高さ(=切替距離L1)だけ貫通孔61を外側に移動した位置になる。
一方、ボタン部材50は、内側操作部54の操作部端面54aが、内周面20aにある凹部23Aの底の方向に移動する。内側操作部54は、回転軸Cの軸線方向に対して内周面20aの凹部23A中において軸線方向に直立しているが、操作部端面54aが凹部23Aの外縁を含む面である内周面20aよりも内側の位置まで移動している。
また、図10(b)に示すように、貫通孔61の突起61Dに第2の溝532が嵌合しているとき、ボタン部材50の係止平面55は、内周面63Bにおいて複数の突起64の存在する面である、凸凹のある円弧状の面に対向する。よって、ロック部材60は、ボタン部材50の係止平面55の複数の凹部56が複数の突起64に嵌合することからボタン部材50に対する相対位置が固定状態である。
貫通孔61の突起61Dは、ボタン部材50の回転軸Cの軸線方向への移動を可能とするとともに、操作時に第1又は第2の溝531,532と嵌合してクリック感を生じさせる高さを有している。
このとき、本実施形態では、複数の突起64と複数の凹部56とが嵌合することから、回転軸Cを中心とする回転方向に対する固定力や耐久性が高まる。回転を止めるとき、係合している部分には大きな力が加わるが、複数の突起64に複数の凹部56が嵌合することで、係合部分に加わる力が分散されて、一組の突起64と凹部56とに加わる力が抑制される。
また、本実施形態では、複数の突起64と複数の凹部56とを係合させることで、切替角度を小さく設定することができる。係合する突起64及び凹部56の組数が少なければ一組に係る力が大きくなるので耐性を向上させるために突起や凹部を大きくしなければならないため、自ずと切替角度も大きくなる。これに対し、複数の突起64と複数の凹部56とを係合させることで、係る力を分散させて一組に係る力を低下させることで、突起や凹部の大きさを小さくして切替角度を細かくする、例えば、10°にすることができる。
また、図9(b)に示すように、ボタン部材50が回転状態にあるとき、ボタン部材50の凹部56とロック部材60の突起64とが僅かに接触するようにすることで、ボタン部材50に対してロック部材60が相対回転したとき、いわゆるクリック感を角度毎に生じさせるようにしている。詳述すると、回転軸Cの軸線方向における係止平面55の厚みと、ロック部材60の内側フランジ63において先端63Uから突起64までの空間距離とが略同じか、係止平面55の厚みよりも空間距離の方が僅かに小さく設定されている。なお、係止平面55の厚みを薄くしつつ、ロック部材60の回転軸Cの軸線方向への移動距離を切替距離L1とすることができるようにするため、ロック部材60の本体部62の裏面62Bへの対向する係止平面55の表面55Aには、調整凸部55Dが設けられている。調整凸部55Dを設けることで、切替距離L1の調節が可能となり、ボタン部材50やロック部材60の製造や設計の自由度の向上が図られるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)ヘルメット1においてメインバンド21と調整バンド30(又は保持バンド40)との2つの部材を回転可能に連結する連結機構は、そのボタン部材50が回転軸Cの軸線方向に移動操作されることで、2つの部材の回転状態と固定状態とが切り替えられる。これにより、ヘルメット1において調整された位置を適切に維持することができる連結機構を提供することができる。
(2)メインバンド21と調整バンド30(又は保持バンド40)との固定状態及び回転状態が、メインバンド21に対して回転不能に取り付けられた操作部と、調整バンド30(又は保持バンド40)に回転不能に取り付けられたロック部との係合及び非係合とによって切り替えられる。
(3)ボタン部材50が固定位置にあるとき、ロック部材60の突起64とボタン部材50の凹部56とが嵌合して回転軸Cを中心とした回動が停止され、ボタン部材50が回転位置にあるとき、ロック部材60の突起64とボタン部材50の凹部56とが回動する方向に干渉しないので回転軸Cを中心とした回動が可能になる。これにより、メインバンド21と調整バンド30(又は保持バンド40)とは、相対的な固定(停止)及び回動を切り替えられるようになる。
(4)調整バンド30及び保持バンド40をメインバンド21に対して回動可能に連結させることができる。すなわち、ヘルメット1の後方で調整バンド30及び保持バンド40を上下移動させることが可能になる。これにより、ヘッドバンド20の調整可能な範囲が広げられるようになる。
また安全確保の観点から被りの深いヘルメット1も少なくないが、こうしてヘッドバンド20がヘルメット1内に深く入り込んだヘルメット1であれ、調整バンド30及び保持バンド40の位置を下げることによりバックル49をヘルメット1から露出させて締め付け調整を容易に行うことができるようにもなる。
(5)メインバンド21に対して上下方向に移動する調整バンド30(又は保持バンド40)がメインバンド21の外周側にあるので、メインバンド21と調整バンド30(又は保持バンド40)との間に頭髪等が挟み込まれたりするおそれが小さい。また、頭部側への突出が少なくなり、頭部への接触等が生じるおそれが小さい。
また、ヘッドバンド20の外周側にある調整バンド30(又は保持バンド40)側への操作で固定状態になるので、メインバンド21への頭部等の接触によってボタン部材50が回転状態に操作されるおそれもない。よって、固定状態が維持される。
(6)ボタン部材50は、外周方向には、回転状態及び固定状態のいずれの配置位置であっても調整バンド30又は保持バンド40から突出しない。また、ボタン部材50は、内周方向には、メインバンド21に対して、固定状態の配置位置にあるときは突出せず、回転状態の配置位置にあるときも実質的に突出しない。このようにボタン部材50が突出しないことからヘルメット1の使用中を含めて、不用意に操作されたり、物が引っかかったりするおそれが低減される。
(7)固定状態に切り替える操作が可能な回転角度が10°毎に定まっていることから、角度の位置合わせや固定が容易になる。
(8)目盛り38Aを設けたことで、ヘルメット1におけるメインバンド21と調整バンド30(又は保持バンド40)との相対角度を視認することができる。すなわち、変化させた角度を視認することができるようになる。また、角度調整が適切に行われるようにもなる。
(9)ボタン部材50の固定状態と回転状態とがボタン部材50の外周壁53にある第1及び第2の溝531,532とロック部材60の貫通孔61にある突起61Dとの嵌合によって規定されるのでボタン部材50の固定状態及び回転状態への操作が容易になる。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のような形態をもって実施することもできる。
・上記実施形態では、ボタン部材50及びロック部材60はそれぞれ、メインバンド21及び調整バンド30よりも固い材料で形成されている場合について例示したが、これに限らず、耐摩耗性等が確保されて耐久性が維持できるのであればボタン部材やロック部材がメインバンドや調整バンドと同様の材料から構成されていてもよい。
・上記実施形態では、回転状態にあるとき、ボタン部材50の凹部56とロック部材60の突起64とが僅かに接触するようにすることで角度毎にクリック感を生じさせるようにした。しかしこれに限らず、クリック感を生じさせる構成をボタン部材とロック部材とに設けてもよい。例えば、ロック部材に突起とは異なる滑りやすい突起を設け、ボタン部材に突起を滑る凹凸を設けるようにしてもよい。
・上記実施形態では、ボタン部材50の第1及び第2の溝531,532にロック部材60の突起61Dが嵌合する場合について例示した。しかしこれに限らず、回転状態や固定状態を維持することができるのであれば第1の溝及び第2の溝のうちの少なくとも一方が設けられていなくてもよい。また、溝が一つもないときロック部材の突起が設けられていなくてもよい。
・上記実施形態では、ボタン部材50に2つの溝が設けられている場合について例示したが、3つ以上設けられてもよい。
・上記実施形態では、突起61Dは、点状の突起である場合について例示したが、これに限らず、突起は周方向に長さを有する突起であってもよい。
・上記実施形態では、調整角度の範囲が40°の範囲である場合について例示したが、これに限らず、調整角度の範囲は40°未満の範囲であってもよいし、40°よりも大きい範囲であってもよい。
・上記実施形態では、目盛り38Aは、10°毎に5つの切れ込み38Sを有する場合について例示したが、これに限らず、切れ込みの数は5つ未満でも、5つより多くてもよい。また、切れ込みの間隔は10°未満でも、10°より大きくてもよい。
・上記実施形態では、目盛り38Aが設けられている場合について例示したが、これに限らず、目盛り38Aが設けられていなくてもよい。
・上記実施形態では、固定角度が10°毎に等間隔である場合について例示したが、これに限らず、固定角度が10°より小さくても、逆に10°より大きくてもよい。また、固定角度が等間隔ではなくてもよい。
また、固定角度が略無段階であってもよい。例えば、固定状態においてボタン部材とロック部材との接触抵抗を高めて、回転状態において同接触抵抗を無くすようにすることで、ボタン部材とロック部材との切離を切り替えるようにすれば、より細かい角度で、又は、略無段階に固定状態を設定することができる。
・上記実施形態では、ボタン部材50は、回転状態及び固定状態のいずれの配置位置であっても調整バンド30又は保持バンド40側に対して突出しない場合について例示した。また、ボタン部材50は、メインバンド21に対して、固定状態の配置位置にあるときは突出せず、回転状態にあるときも実質的に突出しない場合について例示した。
しかしこれに限らず、ボタン部材は、固定状態にあるとき、調整バンド又は保持バンドに対して外周方向に突出してもよい。ヘルメットの使用時の位置である固定状態にあるとき、ヘルメットの外周方向に突出したとしても頭部等に接触するおそれがない。また、ボタン部材は、回転状態にあるとき、メインバンド21に対して内周方向に突出してもよい。ヘルメットのバンド調整が可能である回転状態にあるとき、ヘルメットの内周方向へ多少突出したとしても調整時であれば違和感は小さい。かつ、ボタン部材は、回転状態にあるとき、調整バンド又は保持バンドに対して突出しないことで、固定状態への移動操作が妨げられるおそれも小さい。
・上記実施形態では、ボタン部材50の調整バンド30側への移動操作で固定状態になる場合について例示した。しかしこれに限らず、操作部の調整バンド側への移動操作で回転状態となってもよい。この場合、1.操作部を回転状態に操作されたヘルメットを被る、2.調整バンド及び保持バンドの角度を調整する、3.ヘルメットとヘッドバンドとの間の空間を利用して操作部をメインバンド側に移動操作する、という操作により調整した位置を固定することができるようになる。すなわち、調整後、操作部を固定状態に変更することが容易になる。
・上記実施形態では、第1の部材がメインバンド21であり、調整バンド30及び保持バンド40がそれぞれ第2の部材である場合について例示した。しかしこれに限らず、第2の部材がメインバンドであり、調整バンド及び保持バンドがそれぞれ第1の部材であってもよい。
・上記実施形態では、調整バンド30及び保持バンド40がそれぞれ第2の部材である場合について例示した。しかしこれに限らず、調整バンド又は保持バンドのみが第2の部材であってもよい。
・上記実施形態では、連結機構を構成する部材連結部20Jと、ボタン部材50と、ロック部材60とがヘッドバンドに設けられている場合について例示した。しかし、これに限らず、連結機構はヘルメットに設けられる部材の位置調整に用いられるのであれば、ヘルメット用シールドや通気孔、その他付属品等の位置調整に用いられてもよい。
・上記実施形態では、ロック部材60とボタン部材50とを相互回転できないようにするとき、ロック部材60の内側フランジ63の突起64に、ボタン部材50の係止平面55先端の凹部56が嵌合する場合について例示した。しかしこれに限らず、ロック部材とボタン部材とを相互回転不能に係合させることができるのであれば、例えば、回転軸の軸線方向に向かい合う対向面を設け、それら対向面を接離させることでそれら対向面の表面に設けた突起と凹部とが嵌合可能に設けられてもよい。また、例えば、外周に凹凸を有する柱をロック部材の中心に設け、操作部の凹凸部を柱の周囲を挿入させる穴の内周面に設けてもよい。
・上記実施形態では、ボタン部材50とロック部材60とが部材連結部20Jとは別部材として設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、ロック部材に対応する構造をメインバンドの分岐部や、調整バンドの連結部や、保持バンドの連結部に備えることができれば、ロック部材が分岐部や連結部に一体として設けられていてもよい。
例えば、調整バンドや保持バンド側を表面とするボタン部材の裏面にメインバンドを貫通する操作凸部と、メインバンドに対向するロック用の凹凸を設け、ロック用の凹凸をメインバンドに設けられた凹凸に嵌合可能にしてもよい。この場合、ボタン表面が押されると、ボタン部材のロック用の凹凸とメインバンドの凹凸とが嵌合して回動が固定される。逆に、操作凸部が押されると、ボタン部材のロック用の凹凸とメインバンドの凹凸とが離間して回動が可能になる。
また、例えば、メインバンド側を表面とするボタン部材の裏面に調整バンドや保持バンドを貫通する操作凸部と、調整バンドや保持バンドに対向するロック用の凹凸を設け、ロック用の凹凸を調整バンドや保持バンドに設けられた凹凸に嵌合可能にしてもよい。この場合、ボタン表面が押されると、ボタン部材のロック用の凹凸と調整バンドや保持バンドの凹凸とが嵌合して回動が固定される。逆に、操作凸部が押されると、ボタン部材のロック用の凹凸と調整バンドや保持バンドの凹凸とが離間して回動が可能になる。
1…ヘルメット、10…帽体、12…開口部、13…庇部、14…折り返し部、20…ヘッドバンド、20a…内周面、20b…外周面、20J,20JL,20JR…部材連結部、21…メインバンド、22…バンド係止部、23…分岐部、23A…凹部、23H…貫通孔、23L…分岐部、23M…指示マーク、23R…分岐部、24…内側ガイド、24H…貫通孔、24J…爪、24P…壁、25…回転止め、26…規制壁、27…張出部分、27G…溝、30…調整バンド、30a…内周面、30b…外周面、31…バンド面、32…凹部、33…連結部、34…中間部、35…調整部、36…増厚部、37…外面部、37H…貫通孔、37R…裏面、38…外周壁、38A…目盛り、38B…内周、38S…切れ込み、39…外側ガイド、39H…貫通孔、39J…爪、39P…壁、40…保持バンド、41…バンド面、43…連結部、44…中間部、45…保持部、46…バックル取付部、47…バンド保持部、49…バックル、50…ボタン部材、51…外側操作体、51A…押圧部、52…長孔、53…外周壁、53A…内側面、53B…進入スペース、53C…突起、54…内側操作部、54a…操作部端面、55…係止平面、55A…表面、55B…裏面、55D…調整凸部、56…凹部、60…ロック部材、61…貫通孔、61A…フランジ、61B…延出壁、61D…突起、61G…先端、62…本体部、62A…表面、62B…裏面、63…内側フランジ、63A…外側、63B…内周面、63E…弧状端部、63T…境界部分、63U…先端、64…突起、531…第1の溝、532…第2の溝、C…回転軸、L1…切替距離。

Claims (11)

  1. ヘルメットを構成する第1の部材及び第2の部材同士を共通する回転軸で相対的に回転可能に連結する連結機構であって、
    前記第1の部材及び前記第2の部材を相対的に回転可能に連結する部材連結部と、
    前記第1の部材及び前記第2の部材の状態として、相対的に回転可能な回転状態と、相対的に固定された固定状態とを、操作部との係合状態に応じて定めるロック部と、
    前記回転軸の軸線方向に移動することで、前記ロック部との係合状態を変更して前記回転状態と前記固定状態とを切り替える前記操作部とを備える
    ことを特徴とする連結機構。
  2. 前記ロック部は、前記第2の部材に対して回転不能に設けられており、
    前記操作部は、前記第1の部材に対して回転不能に設けられており、
    前記操作部は、前記第2の部材に対する前記第1の部材側、又は、前記第1の部材に対する前記第2の部材側に操作されることによって、前記ロック部に対して前記回転軸の軸線方向に移動するものであり、前記固定状態にあるとき前記ロック部と係合し、前記回転状態にあるとき前記ロック部と非係合となる
    請求項1に記載の連結機構。
  3. 前記ロック部は、前記回転軸を中心に有し、前記中心から所定の半径を有する円周上に所定の角度毎に突起を有し、
    前記操作部は、前記中心から所定の半径を有する円周上に前記ロック部の突起に嵌合可能な凹部を有し、
    前記操作部は、前記固定状態にあるとき、当該操作部の前記凹部が前記ロック部の前記突起に嵌合する位置に配置され、前記回転状態にあるとき、当該操作部の前記凹部が前記ロック部の前記突起に対して前記回転軸の軸線方向にずれた位置に配置される
    請求項2に記載の連結機構。
  4. 前記ヘルメットには、前側ヘッドバンドと後側ヘッドバンドとが連結されて周状を形成するヘッドバンドが備えられており、
    前記部材連結部は、前記前側ヘッドバンドを前記第1の部材とし、前記後側ヘッドバンドを前記第2の部材としたとき、前側ヘッドバンドと後側ヘッドバンドとを回動可能に連結している
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の連結機構。
  5. 前記ヘッドバンドは、前記第1の部材の外周側に前記第2の部材が連結され、
    前記操作部は、前記第2の部材側への移動操作で前記固定状態とする
    請求項4に記載の連結機構。
  6. 前記操作部は、前記回転状態にあるとき、及び、前記固定状態にあるときの少なくとも一方において、前記軸線方向に前記第1の部材の表面から前記第2の部材の反対方向に突出しないとともに、前記軸線方向に前記第2の部材の表面から前記第1の部材の反対方向に突出しない
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の連結機構。
  7. 前記操作部は、前記回転状態を前記固定状態に切り替える操作が可能な前記第1の部材と前記第2の部材との間の回転角度が複数定められている
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の連結機構。
  8. 前記部材連結部は、前記回転軸の軸線方向に厚みを有し、前記第1の部材及び前記第2の部材の少なくとも一方には前記厚みを囲う周壁を有し、前記周壁の一部には前記回転軸の軸線方向に延びる切れ込みを複数有している
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の連結機構。
  9. 前記ロック部は、前記回転軸を中心とする円孔を有し、
    前記円孔は、その孔内に突出する突起を有し、
    前記操作部は、前記円孔に挿通される円筒部を有しており、
    前記円筒部は、前記円孔に対向する周面に前記回転軸の周方向に平行に延びる2本の溝を備え、
    前記操作部は、前記2本の溝のうちの一方の溝に前記突起が嵌合されることで前記固定状態となり、前記2本の溝のうちの他方の溝に前記突起が嵌合することで前記回転状態となる
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の連結機構。
  10. ヘルメットに対する前後左右の装着位置を規定するヘッドバンドであって、
    前記ヘッドバンドは、前側を構成する第1の部材と後側を構成する第2の部材とが2点を連結機構によって連結されることにより周状をなすとともに、前記第1の部材の長手方向に対する前記第2の部材の相対角度が調整可能であり、
    前記連結機構が請求項1〜9のいずれか一項に記載の連結機構である
    ことを特徴とするヘッドバンド。
  11. 帽体と、帽体に対する前後左右の装着位置を規定するヘッドバンドとを備えるヘルメットであって、
    前記ヘッドバンドは、前記帽体に対して前側に配置される第1の部材と、前記帽体に対して後側に配置される第2の部材とが2点を連結機構によって連結されることにより周状をなすとともに、前記第1の部材の長手方向に対する前記第2の部材の相対角度が調整可能であり、
    前記連結機構が請求項1〜9のいずれか一項に記載の連結機構である
    ことを特徴とするヘルメット。
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