JP2019065187A - 粘着テープ及び建築用面構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着性及び遮音性が良好な粘着テープを提供することを目的とする。【解決手段】(1)厚みが0.03〜7mmであり、(2)25℃での90°ピール粘着力が15〜100N/25mmであり、(3)直径0.04〜2.2mmの貫通孔を複数有し、該貫通孔の面密度が0.2個/mm2以上である粘着テープである。【選択図】なし

Description

本発明は粘着テープ、粘着テープにより各種構造用面材を支持体に固定した建築用面構造に関する。
従来、建築物の施工において、合板、化粧材、石膏ボード、セメント板などの各種構造用面材を、接着剤、治具などを用いて、壁、木枠材などの支持体に固定化する技術が知られている。
このような技術に関して様々な開発が行われている。例えば、施工の容易性を考慮して、接着剤の代わりに粘着テープを用いて、構造用面材を支持体に貼付することが検討されている。また、石膏ボードなどに多数の小径の貫通孔を形成した有孔ボードを構造用面材として用いて、遮音する技術が検討されている(特許文献1)。このような技術は、例えば、音楽室の壁構造などに利用され、外部への音漏れを有効に防止している。
特許第4535382号公報
しかしながら、上記有孔ボードを用いて遮音する場合には、有孔ボードの支持体側に、空気層を設け、有孔ボード中の孔と、該空気層を連通させることが重要であると考えられている。すなわち、有孔ボード中の孔内の空気と空気層からなる振動系を形成させ、これにより音の減衰を生じさせて遮音している。
したがって、有孔ボードを用いて遮音する場合には、支持体との間に空気層が必要なるため、空気層を形成するための特定の治具が必要となる。そのため、遮音性を有する壁構造を製造する場合は、施工が煩雑となる傾向があり、また上記のとおり空気層を要するため、その分、壁構造自体のサイズが大きくなりやすいため、部屋のスペースが狭くなるという問題もある。
一方、施工が容易であることで知られる通常の粘着テープを用いて、有孔ボートと支持体とを接着させる場合には、有孔ボードと粘着テープ間に空気層が形成されないため、良好な遮音性を得ることができない。
以上より、本発明の課題は、被着体(例えば、建築材など)に対する粘着性を維持したまま、遮音性を併せ持つ粘着テープ、及び該粘着テープを用いた遮音性の良好な建築用面構造を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の(1)〜(3)を満足する特定の粘着テープを用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1]下記の(1)〜(3)を満足する粘着テープ。(1)厚みが0.03〜7mm
(2)25℃での90°ピール粘着力が15〜100N/25mm(3)直径0.04〜2.2mmの貫通孔を複数有し、該貫通孔の面密度が0.2個/mm以上
[2]粘着テープの粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率が30万〜50万Paである、上記[1]に記載の粘着テープ。
[3]前記粘着テープが両面粘着テープである、上記[1]又は[2]に記載の粘着テープ。
[4]前記粘着テープが、基材を含まない両面粘着テープである、上記[3]に記載の粘着テープ。
[5]構造用面材と、支持体と、前記構造用面材と前記支持体の間に配置され、前記構造用面材を前記支持体に固定させる上記[3]又は[4]に記載の粘着テープとを備える、建築用面構造。
[6]前記構造用面材が、有孔ボードである、上記[5]に記載の建築用面構造。
本発明によれば、被着体に対する粘着性及び遮音性が良好な粘着テープ、及び該粘着テープを有する建築用面構造を提供することができる。
本発明の建築用面構造の一実施形態を示す模式的な断面図である。
<粘着テープ>
本発明の粘着テープは、基材の両面に粘着剤層が設けられた両面粘着テープであってもよいし、基材を含まない粘着テープであってもよい。基材を含まない粘着テープは、粘着剤層単体からなるものであるため、両面粘着テープの概念に含まれる。
この中でも、例えば後述する建築用面構造を作製する観点から、両面粘着テープが好ましく、両面粘着テープの中でも、コスト、製造上の容易性の観点から、基材を含まない両面粘着テープがより好ましい。
なお、粘着テープの粘着剤層上(両面粘着テープである場合には、両面の粘着剤層上)には、一般的に、剥離シートが貼付されており、その剥離シートを剥離した後に被着体に貼着されるものである。剥離シートとしては、樹脂フィルムの一方の面にシリコーン剥離剤等の剥離剤により剥離処理したものなどが使用され、剥離シートは剥離処理面が粘着剤層に接触するように貼付される。
粘着テープの基材としては、不織布、和紙等の紙、天然繊維、合成繊維等からなる織布、ポリエステル、ポリオレフィン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、アセテート等からなる樹脂フィルム、フラットヤーンクロスなどが挙げられる。
また、粘着テープの粘着剤層を構成する粘着剤は、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及びシリコーン系粘着剤などが挙げられる。これらは単独で使用してよいし、組み合わせて使用してもよい。これらの中では、アクリル系粘着剤を使用することが好ましい。アクリル系粘着剤を使用すると、ピール粘着力、貯蔵弾性率を後述する所望の範囲に調整しやすくなる。
本発明の粘着テープは、(1)厚みが0.03〜7mmであること、(2)25℃での90°ピール粘着力が15〜100N/25mmであること、(3)直径0.04〜2.2mmの貫通孔を複数有し、該貫通孔の面密度が0.2個/mm以上であること、を満足する粘着テープである。該粘着テープは、粘着性を維持しつつ、遮音性も良好である。
本発明における粘着テープの厚みは0.03mm〜7mmである。厚みが0.03mm未満であると、2つの被着体(例えば、後述する構造用面材及び支持体などの建築材)を接着する接着力が弱くなりやすく、また遮音性も悪くなりやすい。また、厚みが7mmを超えると、被着体に貼り合わせる際の位置調整が難しくなる場合や、段差ができて、外観上目立つ場合などがある。粘着テープの厚みは、好ましくは0.04〜6mmであり、より好ましくは0.05〜5mmである。粘着テープの厚みが、このような範囲であると、被着体に対する接着性がよく、かつ遮音性も良好となる。
なお、粘着テープの厚さとは、粘着テープが粘着剤層単体からなる場合には、粘着剤層単体の厚さを意味し、基材の一方又は両方の面に粘着剤層が設けられた粘着テープの場合は、基材と粘着剤層とを含む全体の厚さを意味する。
厚みは、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明における粘着テープは、25℃での90°ピール粘着力が15〜100N/25mmである。ピール粘着力が15N/25mm未満であると、被着体に対する粘着力が十分でなくなる。そのため、地震などにより振動が生じたときなどに被着体を支持できなくなり、被着体の剥がれなどが発生する。また、100N/25mmを超える場合は、被着体を貼り合わせる際の位置調整が難しくなるなど、施工性が悪くなる場合がある。
粘着テープの90°ピール粘着力は、好ましくは15〜90N/25mmであり、より好ましくは50〜80N/25mmである。
また、粘着テープの90°ピール粘着力は以下の方法で測定することができる。
粘着テープを幅25mm×長さ150mmに切断し、その後SUS板を貼り合わせる。この際、両面粘着テープの場合は、一方の面にPETフィルム(厚さ25μm)を貼り合わせ、他方の面をSUS板に貼り合わせればよい。その後、2kgの圧着ローラーを2往復させて粘着テープをSUS板に接合し、25℃で1時間放置する。
次いで、25℃、50%RHの環境下、引張速度300mm/minで90°方向に引っ張ることでピール粘着力として測定することができる。同様の測定を3回行い、3点平均を90°ピール粘着力とすることができる。
本発明の粘着テープは特定の直径の貫通孔を一定数以上有している。貫通孔は、一方の面から他方の面に向かって直線状又は非直線状に連通している微細な空間である。
本発明の粘着テープが有する貫通孔の直径は0.04〜2.2mmである。貫通孔の直径が0.04mm未満であると、遮音性が悪くなる傾向がある。一方、貫通孔の直径が2.2mmを超えると、粘着テープの粘着力が低下する傾向にある。粘着テープの貫通孔の直径は、好ましくは0.045〜2.1mm、より好ましくは0.05〜2.0mmである。
なお貫通孔の直径とは、粘着テープの厚さ方向に垂直な断面の孔に外接する円の直径と定義する。
また、上記断面の孔に外接する円の直径が、厚さ方向によって異なる場合は、例えば、厚さ方向に等間隔の10個の断面における、各断面の孔に外接する円の直径の平均値を貫通孔の直径とする。
本発明の粘着テープは、上記した特定の直径を有する貫通孔の面密度が0.2個/mm以上である。面密度が0.2個/mm未満であると、遮音性が悪くなる傾向がある。また、粘着性を良好とする観点から、貫通孔の数は多すぎないほうがよく、粘着性と遮音性のバランスを良好とする観点から、貫通孔の面密度は、好ましくは0.3個/mm以上5個/mm以下であり、より好ましくは0.5個/mm以上3個/mm以下である。
本発明における粘着テープの粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は、好ましくは30万〜50万Paである。粘着剤層の貯蔵弾性率を30万Pa以上とすることにより、遮音性が良好となる傾向にある。これは、粘着剤層を構成する樹脂が一定程度の硬さ(変形しにくさ)を有するため、例えば施工時などで、圧力がかかった際に、孔が塞がれることが抑制されるからと推定される。
また、粘着剤層の貯蔵弾性率を50万Pa以下とすることにより、被着体に対する接着性が良好になりやすい。
これらの観点から、粘着テープの粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は、より好ましくは30万〜45万Paであり、さらに好ましくは35万〜40万Paである。
貯蔵弾性率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
(アクリル系粘着剤)
以下、粘着剤層に使用されるアクリル系粘着剤の一実施形態についてより詳細に説明する。アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)を含む重合性モノマーを重合したアクリル系重合体を含有する粘着剤である。
なお、本明細書において、用語「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、アクリル酸アルキルエステル、及びメタクリル酸アルキルエステルの両方を含む概念を指すものであり、他の類似の用語も同様である。また、用語「重合性モノマー」は、繰り返し単位を有しない化合物のみならず、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)と共重合する化合物であれば、後述するオレフィン重合体(C)などのモノマー自身が繰り返し単位を有するものも含みうる概念を指す。
[(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)]
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)は、(メタ)アクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルであって、脂肪族アルコールのアルキル基の炭素数が、好ましくは2〜14、より好ましくは4〜10である脂肪族アルコールに由来するアルキルエステルが好ましい。アルキル基の炭素数がこの範囲内であると、粘着剤層のガラス転移温度(Tg)を適切な温度範囲にして、ピール粘着力及び貯蔵弾性率を上記した範囲に調整しやすくなる。
具体的な(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、及びテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレートが好ましく、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート又はこれらの組み合わせがより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位は、粘着剤において主成分を構成するものであって、その含有量は、粘着剤全量基準で一般的に30質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上である。このように、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)の含有量を多くすると、粘着剤に所望の粘着力を付与することが可能になる。
なお、粘着剤における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位の含有量は、後述する粘着剤組成物における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)の含有量と実質的に同じであるので、置き換えて表すことができる。以下で説明する(B)(C)成分など、(A)成分以外の成分も同様である。
[極性基含有ビニルモノマー(B)]
重合性モノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)に加えて、極性基含有ビニルモノマー(B)を含有することが好ましい。極性基含有ビニルモノマー(B)は、極性基とビニル基を有するものである。粘着剤層に極性基含有モノマー(B)を用いることで、粘着剤層の貯蔵弾性率、ピール粘着力などを調整しやすくなる。
極性基含有ビニルモノマー(B)としては、例えば、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;(メタ)アクリル酸、及びイタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸、及びその無水物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、及びポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモノマー;(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、及びジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等の窒素含有ビニルモノマーが挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸、及びイタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸、及びその無水物が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましく、アクリル酸がさらに好ましい。これらの極性基含有ビニルモノマー(B)は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性基含有ビニルモノマー(B)を使用する場合、粘着剤において極性基含有ビニルモノマー(B)由来の構成単位の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、好ましくは1〜15質量部、より好ましくは2〜12質量部、さらに好ましくは3〜10質量部である。極性基含有ビニルモノマー(B)の含有量をこのような範囲内とすることで粘着剤層のTg、凝集力、粘着力などを制御でき、両面粘着テープの90°ピール粘着力を上記範囲に調整しやすくなる。
[オレフィン重合体(C)]
重合性モノマーは、さらに末端に重合性結合を有するオレフィン重合体(C)を含むことが好ましい。このようなオレフィン重合体(C)を使用することで、両面粘着テープの貯蔵弾性率及びピール粘着力を上記した所望の範囲に調整しやすくなる。なお、重合性結合は、重合性モノマーと重合することが可能な不飽和の炭素−炭素結合を意味し、例えば不飽和二重結合が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。
オレフィン重合体(C)としては、(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンが挙げられ、例えば、片末端のみに(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィン、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンが挙げられる。なお、ポリオレフィンとは、エチレン、プロピレン、ブタン、ブタジエン、イソプレンなどの二重結合を有する脂肪族炭化水素化合物の重合体、又はその水素添加物である。
片末端のみに(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンとしては、例えば、片末端にエポキシ基を有するポリエチレンと(メタ)アクリル酸とを反応させることにより調製された、片末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリエチレン等が挙げられる。また、片末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリブタジエン又はその水素添加物が挙げられ、その市販品として株式会社クラレ製の「L−1253」等が挙げられる。
また、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン重合体としては、例えば、両末端にエポキシ基を有するポリプロピレンと(メタ)アクリル酸とを反応させることにより調製された、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリプロピレン等が挙げられる。また、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリブタジエン又はその水素添加物が挙げられ、その市販品としては、日本曹達株式会社製の「TEAI−1000」、「EA−3000」、「TE−2000」、大阪有機化学工業株式会社製の「BAC−45」等が挙げられる。
オレフィン重合体(C)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
オレフィン重合体(C)としては、上記した中では、両末端又は片末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンが好ましく、中でも両末端又は片末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリブタジエン又はその水素添加物が好ましい。
なお、オレフィン重合体(C)として、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンなどを使用すると、アクリル系重合体を網目状に重合することが可能となる。そのため、粘着剤の凝集力を高めやすくなり、ピーク粘着力を上記所望の範囲に調整しやすくなる。
さらに、凝集力、貯蔵弾性率、ピール粘着力などを良好にする観点から、オレフィン重合体(C)としては、片末端に(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン重合体と、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン重合体とを併用することが好ましい。
オレフィン重合体(C)は、その数平均分子量が好ましくは500〜20000、より好ましくは1000〜10000である。なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出すればよい。
また、粘着剤においてオレフィン重合体(C)由来の構成単位の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、2〜15質量部がより好ましく、4〜12質量部がさらに好ましい。
[多官能モノマー(D)]
重合性モノマーは、多官能モノマー(D)を含有することが好ましい。多官能モノマー(D)を含有させることで、重合時に分子鎖が架橋されて、粘着剤層の貯蔵弾性率を高めることができる。
多官能モノマー(D)としては、ビニル基を2つ以上有するモノマーが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
具体的な多官能モノマーとしては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトシキ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトシキ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロキシ化グリセリルトリアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジアクリレート等が挙げられる。
具体的な商品としては、例えば、日本曹達製TEAI−1000、新中村化学製NKエステルA−HD−N(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)などが挙げられる。
多官能モノマー(D)を使用する場合、多官能モノマー由来の構成単位の含有量は、粘着剤層の貯蔵弾性率を所望の範囲に調整する観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、0.5〜15質量部、より好ましくは0.4〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜3質量部である。
[その他のモノマー]
重合性モノマーは、上記した(A)〜(D)以外のその他のモノマーを含んでいてもよい。その他のモノマーとしては、例えば、スチレン系モノマーなどが挙げられる。スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、及びp−メチルスチレン等が挙げられる。
[粘着付与樹脂]
アクリル系粘着剤は、粘着力を向上させる観点から、粘着付与樹脂を含有してもよい。粘着付与樹脂としては、水添テルペン樹脂、水添ロジン、不均化ロジン樹脂、石油樹脂等の重合阻害性の低い粘着付与樹脂が好ましい。これらの中でも、粘着付与樹脂が二重結合を多く有していると重合反応を阻害することから、水添系のものが好ましく、中でも水添石油樹脂が好ましい。
粘着付与樹脂の軟化点は、粘着剤の凝集力及び粘着力を向上させる観点から、95℃以上程度であればよいが、120℃以上のものを含むことが好ましく、例えば、95℃以上120℃未満のものと、120℃以上150℃以下のものとを併用してもよい。なお、軟化点は、JISK2207に規定される環球法により測定すればよい。
アクリル系粘着剤における粘着付与樹脂の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、好ましくは5〜40質量部、より好ましくは7〜35質量部、さらに好ましくは10〜25質量部である。
[微粒子]
アクリル系粘着剤は、微粒子を含有してもよい。微粒子を含有させることで、被着体に対する粘着力、並びに、粘着剤の凝集力を向上させることができる。
微粒子としては、ガラスバルーン、シラスバルーン、及びフライアッシュバルーン等の無機質中空粒子、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、及びフェノール樹脂等からなる有機質中空粒子、ガラスビーズ、シリカビーズ、及び合成雲母等の無機質微粒子、ポリアクリル酸エチル、ポリウレタン、ポリエチレン、及びポリプロピレン等の有機質微粒子が挙げられる。
アクリル系粘着剤における微粒子の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.5〜10質量部、さらに好ましくは0.7〜5質量部である。
[その他の成分]
本発明において用いるアクリル系粘着剤は、前述した成分以外にも、可塑剤、軟化剤、顔料、染料、光重合開始剤、難燃剤等の粘着剤に従来使用されている各種の添加剤を含有してもよい。
[ゲル分率]
上記アクリル系粘着剤のゲル分率は、45〜80質量%が好ましい。ゲル分率を下限値以上とすることで、粘着剤の凝集力及び貯蔵弾性率を高めやすくなる。また、上限値以下とすることで、粘着剤のピール粘着力を高めやすくなる。これら観点からゲル分率は、40〜70質量%がさらに好ましく、50〜60質量%がより好ましい。
ゲル分率は、例えば、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有するオレフィン重合体(C),多官能モノマーの配合の有無、及び配合量を適宜調整することで上記した範囲内に調整することが可能である。なお、ゲル分率は下記式(1)より算出することができる。
ゲル分率(質量%)=(B/A)×100 式(1)
A:粘着剤層(試験片)の重量
B:40℃のテトラヒドロフランに粘着剤層(試験片)を48時間浸漬し、その後の粘着剤層の不溶解分の乾燥重量
粘着剤層を構成する粘着剤は、アクリル系粘着剤を使用する場合には、上記した重合性モノマーを含む粘着剤組成物に光を照射して、重合性モノマーを重合させることで得ることが可能である。また、粘着剤組成物は、必要に応じて上記した粘着付与樹脂、微粒子、及びその他の成分の少なくとも1種を含んでいてもよい。
より具体的に説明すると、まず、重合性モノマー、さらに必要に応じて配合される粘着付与樹脂、微粒子、その他の成分を、ガラス容器等の反応容器に投入して混合して、粘着剤組成物を得る。
次いで、粘着剤組成物中の溶存酸素を除去するために、一般に窒素ガス等の不活性ガスを供給して酸素をパージする。そして、粘着剤組成物を剥離シート上に塗布するか、又は、樹脂フィルム、織布、不織布等の支持体などに塗布した後、光を照射し重合性モノマーを重合することにより粘着剤層を得ることができる。
前記粘着剤組成物の塗布もしくは含浸から光を照射する工程までは、不活性ガス雰囲気下、又はフィルム等により酸素が遮断された状態で行うことが好ましい。
なお、本製造方法では、各成分を混合して得た粘着剤組成物は、粘度を高くするために、剥離シート又は支持体などに塗布する前に予備重合をしてもよい。
粘着剤組成物に光を照射する際に用いることができるランプとしては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウエーブ励起水銀灯、及びメタルハライドランプ等が挙げられる。これらの中でも、ケミカルランプが好ましい。粘着剤組成物に対して光を照射する際の光照射強度は、光重合開始剤の有無等によっても異なるが、0.1〜100mW/cm2程度が好ましい。
(ゴム系粘着剤)
ゴム系粘着剤は、ゴム成分と、粘着付与樹脂を含有するものであり、ゴム成分としては、スチレン−イソプレンブロック共重合体を使用することが好ましい。スチレン−イソプレンブロック共重合体は、ジブロック率が好ましくは25〜70質量%、より好ましくは30〜65質量%、さらに好ましくは45〜60重量%である。ここでジブロックとは、スチレンとイソプレンとからなるジブロックのことをいう。スチレン−イソプレンブロック共重合体は、ジブロック以外にも、スチレン、イソプレン、スチレンブロックからなるトリブロックなどブロックを3つ以上有するものも含有する。
スチレン−イソプレンブロック共重合体におけるスチレン量は、特に限定されないが、14〜24質量%であることが好ましく、より好ましくは15〜18質量%である。スチレン量が14質量%以上であると、凝集性の高い粘着剤となる。また、24質量%以下とすると、凝集力が適度な大きさとなり粘着力を発現しやすくなる。
スチレン−イソプレンブロック共重合体の分子量は、特に限定されないが、質量平均分子量で100,000〜400,000が好ましく、150,000〜250,000がより好ましい。なお、ここでいう質量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法によりポリスチレン換算分子量として測定されるものをいう。
ゴム系粘着剤に使用される粘着付与樹脂は、各種の粘着付与樹脂が使用可能であるが、好ましくは石油系樹脂、テルペン樹脂、クマロン樹脂を使用する。粘着系樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、石油系樹脂と、テルペン樹脂及びクマロン樹脂から選択される少なくとも1種とを併用することが好ましい。このような粘着付与樹脂の組み合わせによりピール粘着力を良好にしやすくなる。
石油系樹脂としては、脂肪族系石油樹脂(C5系石油樹脂)、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、スチレン−イソプレンブロック共重合体との相溶性の観点から脂肪族系石油樹脂が好ましい。また、石油系樹脂は、軟化点が90〜120℃程度のものを使用することが好ましい。
また、テルペン樹脂としては、軟化点が80〜120℃程度のものが使用可能であるが、粘着力確保の観点から100℃未満のものが好ましい。また、クマロン樹脂としては、凝集力確保のために、軟化点が好ましくは110〜130℃、より好ましくは115〜125℃のものを使用する。
粘着付与樹脂はゴム成分100質量部に対して60〜250質量部が好ましく、100〜200質量部がより好ましく、110〜180質量部がさらに好ましい。粘着付与樹脂の配合量を上記範囲内とすることで、凝集力を良好にして適度なピール粘着力を付与できるようになる。
また、石油系樹脂と、テルペン樹脂及びクマロン樹脂から選択される少なくとも1種とを併用する場合、石油系樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、50〜200質量部が好ましく、60〜150質量部が好ましく、60〜110質量部がより好ましい。一方で、テルペン樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、10〜70質量部が好ましく、20〜60質量部がより好ましく、30〜50質量部がさらに好ましい。さらに、クマロン樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、10〜60質量部が好ましく、15〜50質量部がより好ましく、20〜40質量部がさらに好ましい。
ゴム系粘着剤は、アクリル系粘着剤と同様に上記した微粒子を含有してもよく、また、ゴム系粘着剤は、必要に応じて、軟化剤、酸化防止剤、充填剤等を含有してもよい。
上記したウレタン系粘着剤は特に限定されず、例えば、少なくともポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させて得られるウレタン系樹脂等が挙げられる。上記ポリオールとして、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。上記ポリイソシアネート化合物として、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのウレタン系粘着剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ウレタン系粘着剤としては、ポリウレタンポリオールと多官能イソシアネート系硬化剤とを反応させて得られるウレタン系樹脂を使用してもよい。ポリウレタンポリオールは、上記したポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応したもの、又はポリオールとポリイソシアネート化合物とジアミンなどの鎖延長剤とを反応させたものが挙げられる。多官能イソシアネート系硬化剤としては、2以上のイソシアネート基を有する化合物であればよく、上記したイソシアネート化合物を使用可能である。
ウレタン系粘着剤は、ウレタン系樹脂に加えて、上記した微粒子を含有してもよく、また、ウレタン系粘着剤は、必要に応じて、粘着付与樹脂、軟化剤、酸化防止剤、充填剤等を含有してもよい。
(シリコーン系粘着剤)
また、シリコーン系粘着剤としては、例えば、付加反応型、過酸化物硬化型又は縮合反応型のシリコーン系粘着剤等が挙げられる。なかでも、低温短時間で硬化可能という観点から、付加反応型シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。なお、付加反応型シリコーン系粘着剤は粘着剤層の形成時に硬化するものである。シリコーン系粘着剤として、付加反応型シリコーン系粘着剤を用いる場合、上記シリコーン系粘着剤は白金触媒等の触媒を含んでいてもよい。
また、シリコーン系粘着剤は、微粒子を含有してもよく、また、架橋剤、粘着力を制御するための各種添加剤を加えたりしてもよい。
粘着テープに貫通孔を形成する方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることが可能である。例えば、針状の突起を複数有するロールを用いる方法や、レーザー加工、溶出法などを適用することができる。なお、溶出法とは、水に溶解する材料を粘着テープに含ませ、該粘着テープを水に浸漬させて、水に溶解する材料を溶解させることにより、孔を形成させる方法である。
<用途>
本発明の粘着テープは、あらゆる用途に使用可能であるが、建築用途に使用することが好ましい。建築用途に使用する場合、本発明の粘着テープは、両面粘着テープ、特に基材を含まない両面粘着テープとして使用することが好ましい。
本発明の粘着テープは、被着体に対する粘着性が良好であるため、両面粘着テープとして使用することで、建築材同士を強固に接着できる。この場合、特殊な治具あるいは接着剤を用いる必要がないため、施工性が良好である。さらに、本発明の粘着テープは遮音性も有しているため、建築材同士が接着され、固定化された建築用面構造の遮音性も良好となる。
以下、粘着テープを建築用面構造に使用する態様についてより詳細に説明する。
<建築用面構造>
本発明の建築用面構造は、構造用面材と、支持体と、構造用面材と支持体の間に配置され、構造用面材を支持体に固定させる粘着テープとを備える。該粘着テープは、上記で説明した通りの両面粘着テープであり、基材を含まない両面粘着テープが好ましい。
図1には、建築用面構造の一実施態様として、壁構造10の断面図を示す。図1に示すように、壁面(支持体)11と、有孔ボード(構造用面材)12との間に本発明の粘着テープ13が配置されている。有孔ボード12としては特に限定されないが、例えば、石膏ボード、珪酸カルシウム板、合板などのボード建材に多数の貫通孔を形成した有孔ボードを用いることができる。粘着テープ13は、上記した(1)〜(3)の各要件を満足する本発明の粘着テープであり、基材を含まない両面粘着テープである。粘着テープ13は良好な粘着性を有しているため、壁面11と有孔ボード12とを接着性よく固定化できる。
また、有孔ボード12及び粘着テープ13は、一方の面から他方の面に貫通している貫通孔12A、13Aをそれぞれ複数有しており、有孔ボード12と粘着テープ13の界面において、互いの孔同士が連通している箇所が複数存在している。これにより、有孔ボード12の表面から、粘着テープ内部に渡って音の減衰が生じやすくなり、遮音性が効果的に高まる。
なお、図1に示すように、構造用面材として有孔ボードを用いることが遮音性を高める観点から好ましいが、有孔ボードの代わりに貫通孔を有していない建築材を用いてもよい。貫通孔を有していない建築材を用いた場合でも、粘着テープに貫通孔が存在しているため、一定の遮音性を有する。貫通孔を有していない建築材としては、例えば、貫通孔を有さない石膏ボード、珪酸カルシウム板、木質系合板などのボード建材の他、化粧材などを制限無く使用することができる。
また、支持体としては、壁面以外も使用可能であり、鉄骨などの金属からなるものでもよいし、木枠材などであってもよい。また、支持体は、平面状の壁面でなくても、曲面を有するものであってもよい。
さらに、以上の説明では、建築用面構造が、壁構造である例を示したが、壁構造に限定されず、天井を構成する面構造であってもよいし、床を構成する面構造であってもよい。
本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、本発明における各物性の測定方法、評価方法は以下のとおりである。
[厚さ]
ダイヤルゲージで計測したものを厚さとした。
[貯蔵弾性率]
測定装置:DVA−200(アイティー計測制御株式会社製)を用いて、せん断モード:10Hz、歪み量:0.1%、温度範囲:−100℃〜100℃、昇温速度:10℃/minの条件下で、25℃における貯蔵弾性率を求めた。試料サイズは、長さ40mm(但し、つかみ間距離25mm)、幅5mmであった。
[90°ピール粘着力]
一方の面にPETフィルム(厚さ25μm)を貼り合わせた両面粘着テープを幅25mm×長さ150mmに切断し、その後SUS板を貼り合わせ2kgの圧着ローラーを2往復させて接合し、25℃で1時間放置した。その後、25℃、50%RHの環境下、引張速度300mm/minで90°方向に引っ張ることでピール粘着力として測定した。なお、同様の測定を3回行い、3点平均を90°ピール粘着力とした。
[遮音性の評価]
粘着テープを幅120mm×長さ120mmに切断し、同じサイズの石膏ボード(有孔ボード)に貼り付けて、遮音性の評価試料とした。遮音性の評価は「D値」により行った。なお、D値は数値が大きい方が、遮音性能が高いことを示す。
[実施例1]
表1に記載の配合にしたがって、粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物に窒素をパージして溶存酸素を除去した。次いで、剥離シートの剥離処理面上に厚さ50μmのスペーサーを設置し、粘着剤組成物を剥離シートの剥離処理面上に塗布した。次いで、塗布した粘着剤組成物の上に、剥離処理面が粘着剤組成物に接するように、別の剥離シートを被覆した。なお、剥離シートとしては、シリコーン離型処理されたPETフィルム(厚み50μm)を使用した。
この状態で被覆側の剥離シートにおける紫外線照射強度が5mW/cm2となるようにケミカルランプのランプ強度を調整し、15分間紫外線を照射し、粘着剤層単体からなり、両面に剥離シートが貼付された両面粘着テープを得た。
次いで、複数の突起を備えたロールを用いて、両面粘着テープに複数の貫通孔を形成させた。
なお、各測定は、剥離シートを剥がした上で行った。
[実施例2]
粘着剤組成物の組成を表1に記載のとおり変更し、スペーサーの厚さを5mmに変更した以外は実施例1と同様に両面粘着テープを得た。
次いで、複数の突起を備えたロールを用いて、両面粘着テープに複数の貫通孔を形成させた。
なお、各測定は、剥離シートを剥がした上で行った。
[比較例1]
粘着剤組成物の組成を表1に記載のとおり変更し、スペーサーの厚さを5mmに変更した以外は実施例1と同様に両面粘着テープを得た。
Figure 2019065187

※表1における各成分は、以下のとおりである。
オレフィン重合体:商品名「L−1253」、株式会社クラレ製、(メタ)アクリロイル基を片末端に有する水素化ポリブタジエン
多官能アクリレート:日本曹達製TEAI-1000
粘着付与樹脂:商品名「アルコンP140」、荒川化学工業株式会社製、水添石油樹脂、軟化点140℃
微粒子:商品名「セルスターZ−27」、東海工業株式会社製、ガラスバルーン
重合開始剤:2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
本発明の特定の粘着テープを用いた実施例1、2は、本発明ではない粘着テープを用いた比較例1と比較し遮音性能が高いことが分かった。
10 壁構造(建築用面構造)
11 壁面(支持体)
12 有孔ボード(構造用面材)
12A 貫通孔
13 粘着テープ
13A 貫通孔

Claims (6)

  1. 下記の(1)〜(3)を満足する粘着テープ。
    (1)厚みが0.03〜7mm
    (2)25℃での90°ピール粘着力が15〜100N/25mm
    (3)直径0.04〜2.2mmの貫通孔を複数有し、該貫通孔の面密度が0.2個/mm以上
  2. 粘着テープの粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率が30万〜50万Paである、請求項1に記載の粘着テープ。
  3. 前記粘着テープが両面粘着テープである、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  4. 前記粘着テープが、基材を含まない両面粘着テープである、請求項3に記載の粘着テープ。
  5. 構造用面材と、支持体と、前記構造用面材と前記支持体の間に配置され、前記構造用面材を前記支持体に固定させる請求項3又は4に記載の粘着テープとを備える、建築用面構造。
  6. 前記構造用面材が、有孔ボードである、請求項5に記載の建築用面構造。
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