JP2019065105A - 繊維強化複合材料及びこれを用いた風車翼 - Google Patents

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Masanori Nakamura
雅則 中村
泰詩 中田
Yasushi Nakada
泰詩 中田
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Abstract

【課題】 本発明は、軽量性及び機械的強度に優れ、風車翼の桁材として好適に用いることができる繊維強化複合材料を提供する。【解決手段】 本発明の繊維強化複合材料は、複数のリブ構造体からなる繊維強化複合材料であって、上記リブ構造体は、合成樹脂を含む芯部と、樹脂含浸繊維を含む表皮層と、第1の繊維状基材を含む接着部とを備え、上記リブ構造体の接着部を介して、複数の上記リブ構造体が交差した状態で結合していることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、繊維強化複合材料及びこれを用いた風車翼に関する。
近年、地球温暖化が問題となっており、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーの重要性が増している。なかでも、風力発電は、昼夜問わず安定的にエネルギーを供給できることから、再生可能エネルギーの中でも特に注目されている。
風力発電に用いられる風車翼にて得られる風力エネルギーは、風速と受風面積に比例するため、受風面積を拡大できる大型の風車翼が有利である。
しかしながら、風車翼の大型化は、重量の増加を引き起こし、構造設計の複雑化や始動時のエネルギーロスを引き起こすという問題がある。
従って、風車翼に用いられる構造材料は、軽量で且つ優れた機械的強度を有している必要があり、各種検討がなされている。
例えば、特許文献1には、繊維強化プラスチックで形成された外皮材と、シアウェブと、このシアウェブよりも後縁側に配置された後縁サンドイッチ材とを有する風車回転翼であって、前記後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する背側の外皮材または前記後縁サンドイッチ材の後縁端近傍と、前記後縁サンドイッチ材の後縁端よりも後縁側に位置する腹側の外皮材または前記後縁サンドイッチ材の後縁端近傍とが、補強材を介して連結されている風車回転翼が開示されている。
更に、特許文献2には、繊維強化プラスチックで形成された外皮材と、該外皮材の背側および腹側の内面に配置された主強度材と、該主強度材間に配置された桁材とを有する風車回転翼であって、前記主強度材は、長手方向に一定幅の強化繊維シートが積み重なって形成されている風車回転翼が開示されている。
又、特許文献3には、樹脂を含浸していない表面を有する樹脂未含浸繊維束部又は樹脂を含浸していない表面を有する繊維強化シートが開示されており、該繊維強化シートを風車翼の部材に用いることができることが開示されている。
国際公開2011−077545号公報 特開2011−137386号公報 特許6126761号公報
本発明者らによれば、特許文献1、2に開示された風車回転翼を軽量に且つ優れた機械的強度を有するものにするために、全ての部材を炭素繊維複合材に置き換える検討を行ったが、炭素繊維複合材のコストが高く、現在において実用は困難である。
そこで、主強度材(スパーキャップ材)同士を接続する桁材(シアウェブ)に炭素繊維複合材を用いることで、最低限のコストで最大限の軽量化及び機械的強度の向上効果が得られることを見出したものの、数mもの長さになる複雑な形状を有する部材を一括成型することができず、既存の炭素繊維複合材を接着剤などで接着する場合にも、炭素繊維複合材と接着剤との相溶性が悪く、接着部の強度が不足するという問題点がある。
本発明は、軽量性及び機械的強度に優れ、風車翼の桁材として好適に用いることができる繊維強化複合材料を提供する。
本発明の繊維強化複合材料は、
複数のリブ構造体からなる繊維強化複合材料であって、
上記リブ構造体は、合成樹脂を含む芯部と、樹脂含浸繊維を含む表皮層と、第1の繊維状基材を含む接着部とを備え、
上記リブ構造体の接着部を介して、複数の上記リブ構造体が交差した状態で結合していることを特徴とする。
本発明の風車翼は、
上側シェル及び下側シェルを含む風車翼本体と、
上下シェル間に配設一体化された桁材とを含み、
上記桁材は、上記繊維強化複合材料を含むことを特徴とする。
本発明の繊維強化複合材料はリブ体を有し、このリブ体は、合成樹脂を含む芯部と、樹脂含浸繊維を含む表皮層とを含むので、軽量性及び機械的強度に優れている。
しかも、リブ体は、芯部に合成樹脂を含有し且つ表皮層が樹脂含浸繊維を含有していることから、適度な柔軟性を有しており、様々な方向から加えられる応力に対して僅かに撓むことによって応力を円滑に吸収することができる。
そして、本発明の繊維強化複合材料は、リブ構造体同士が互いに交差した状態に一体化され、複数個のリブ体は、それらの長さ方向が複数の方向に指向した状態に配設されているので、様々な方向から加えられる応力に円滑に抗することができる。
風車翼は、様々な方向から風力を受けて変形し、この変形に伴って風車翼本体内に配設された桁材も様々な方向から変形応力を受ける。上述の通り、本発明の繊維強化複合材料は、様々な方向からの応力に対する機械的強度に優れると共に軽量性に優れる。特に、繊維強化複合材料は、そのリブ体が、適度な柔軟性を有し歪み応力を円滑に吸収することができるので、風車翼の桁材として好適に用いることができる。
リブ構造体を示した断面図である。 リブ構造体を示した斜視図である。 繊維強化複合材料を示した斜視図である。 繊維強化複合材料を示した正面図である。 繊維強化複合材料を示した斜視図である。 風車翼を示した断面図である。 風車翼を示した断面を示した斜視図である。
本発明の繊維強化複合材料の一例を図面を参照しながら説明する。図1〜3に示したように、繊維強化複合材料1は、複数のリブ構造体2、2同士が互いに交差した状態に接着一体化されて構成されている。リブ構造体2は、リブ体3と、このリブ体3の基端に一体的に配設された接着部4とを有しており、リブ体3は、合成樹脂を含む芯部31と、この芯部31の少なくとも一部を被覆する表皮層32とを含む。
芯部31は、合成樹脂を含み、所定の長さを有する直条の棒状に形成されている。なお、複数ある芯部31は、全て同じ長さである必要はなく、異なる長さであってもよい。
芯部31を構成している合成樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の何れであってもよいが、柔軟性及び耐衝撃性に優れており、繊維強化複合材料に加えられる応力を円滑に吸収することができるので、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂がより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂が挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン系樹脂、中密度ポリエチレン系樹脂、高密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状中密度ポリエチレン系樹脂、直鎖状高密度ポリエチレン系樹脂などが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体、酸変性ポリプロピレンなどが挙げられる。プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであってもよい。
なお、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィンなどが挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂などが挙げられ、不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂が好ましい。
芯部31を構成している合成樹脂は、非発泡であっても発泡されていてもよい。又、芯部31を構成している合成樹脂には、必要に応じて、タルク、マイカ、チョップドストランド(チョップド繊維)などが含有されていてもよい。芯部31の内部に空隙部が形成されていてもよい。
芯部31の表面の少なくとも一部が表皮層32によって被覆されてリブ体3が形成されている。好ましくは、芯部31において、基端面30及び長さ方向の両端面33a、33bを除いた表面の全てが表皮層32によって被覆されてリブ体3が構成されている。
具体的には、図1及び図2に示したように、表皮層32は、樹脂含浸繊維を含む。樹脂含浸繊維は、繊維状補強材及びこの繊維状補強材に含浸された合成樹脂を含む。表皮層32は、繊維状補強材及びこの繊維状補強材に含浸された合成樹脂を含むシート状物を芯部31上に該芯部31の表面に沿って積層一体化させることによって形成されている。
表皮層32を構成している繊維状補強材は、繊維を含んでいれば、特に限定されない。繊維の配向形態は、特に限定されず、一軸配向、二軸配向、三軸配向などが挙げられる。表皮層32の繊維状補強材の繊維の配向形態は、一軸配向が好ましい。表皮層32を構成している合成樹脂との馴染み性を向上させ、繊維状補強材及びこれに含浸させている合成樹脂の使用量を抑制しつつ、両者を長期間に亘って強固に且つ安定的に一体化させることができ、得られる繊維強化複合材料の軽量性及び機械的強度を向上させることができる。
表皮層32の繊維状補強材を構成している繊維の配向形態が二軸配向及び三軸配向などの多軸配向(二軸配向以上)である場合、繊維状補強材の形態としては、織物、編物及び不織布などが挙げられる。
繊維状補強材を構成している繊維としては、特に限定されないが、ガラス繊維及び炭素繊維が好ましい。
炭素繊維としては、例えば、PAN系炭素繊維、PITCH系炭素繊維などが挙げられる。ガラス繊維としては、例えば、Eガラス繊維などが挙げられる。
繊維状補強材を構成している繊維の平均径は3〜30μmが好ましく、6〜27μmがより好ましい。繊維径とは、繊維の長さ方向に直交する方向に沿った断面において、この断面を包囲し得る最小径の真円の直径をいう。
表皮層32を構成している繊維状補強材には合成樹脂が含浸されている。合成樹脂としては、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂の何れであってもよいが、柔軟性及び耐衝撃性に優れており、繊維強化複合材料に加えられる応力を円滑に吸収することができるので、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましく、ポリオレフィン系樹脂がより好ましい。これらの合成樹脂は、芯部31を構成している合成樹脂と同様であるので詳細な説明は省略する。
リブ体3の断面形状は、特に限定されず、例えば、長方形の先端部を外方に向かって突円弧状に膨出させた形状(図1及び図2参照)、半円形状、半楕円形状の他、三角形状、四角形状などの多角形状の何れであってもよいが、図1及び図2に示したような、長方形の先端部を外方に向かって突円弧状に膨出させた形状が好ましい。
リブ体3の断面積は、100〜3500mm2が好ましく、125〜3000mm2がより好ましく、150〜2500mm2が特に好ましい。
そして、リブ体3の基端面30には、リブ体3の長さ方向の全長に亘って接着部4が一体的に設けられてリブ構造体2が構成されている。接着部4は、第1の繊維状基材を含んでいる。なお、接着部4は、後述するが、リブ構造体2、2同士が交差する部分において、リブ体3の基端面30に一体的に設けられておればよい。
接着部4を構成している第1の繊維状基材は、繊維を含み、リブ構造体同士を一体化させるための接着剤を含浸させることができれば、特に限定されない。繊維の配向形態は、特に限定されず、一軸配向、二軸配向、三軸配向などが挙げられるが、複数方向からの応力に対して優れた機械的強度を発揮することから、二軸配向以上であることが好ましく、接着剤を良好に含浸させてリブ構造体同士を強固に接着一体化させることができるので、二軸配向がより好ましい。接着部4を構成している第1の繊維状基材は、合成樹脂が含浸されていなくてもよいし、一部に合成樹脂が含浸されていてもよい。
なお、本発明において、N軸配向とは、繊維がN方向にのみ配向している形態をいう。N軸配向以上とは、繊維がN方向以上の方向に配向している形態をいう。但し、Nは自然数である。
接着部4を構成している第1の繊維状基材の形態としては、織物、編物及び不織布などが挙げられる。
接着部4を構成している第1の繊維状基材としては、機械的強度に優れており、接着剤を均一に含浸させ易く、リブ構造体同士を強固に接着一体化させることができるので、織物及び編物が好ましく、織物がより好ましい。織物の形態としては、平織、綾織及び朱子織などが挙げられ、平織が好ましい。又、編物の形態としては、各繊維配向方向に繊維が直進性をもった形で配置されるノンクリンプファブリックが好ましい。
接着部4を構成している第1の繊維状基材の繊維としては、特に限定されないが、ガラス繊維及び炭素繊維が好ましく、ガラス繊維がより好ましい。炭素繊維としては、例えば、PAN系炭素繊維、PITCH系炭素繊維などが挙げられる。ガラス繊維としては、例えば、Eガラス繊維などが挙げられる。
接着部4を構成している第1の繊維状基材の繊維の平均径は3〜30μmが好ましく、6〜27μmがより好ましい。
接着部4を構成している第1の繊維状基材の目付は、400〜1000g/m2が好ましく、400〜800g/m2がより好ましい。第1の繊維状基材の目付が上記範囲内にあると、接着剤の含浸性を失うことなく、高密度の繊維配置が実現できるので、リブ構造体同士の接着部における接着強度及び機械的強度を向上させることができ、繊維強化複合材料は優れた機械的強度を有する。
接着部4のリブ体3の基端面30への一体化は、特に限定されず、(1)芯部31を構成している合成樹脂の一部を接着部4内に進入、含浸させて、合成樹脂のアンカー効果によって接着部4をリブ体3の基端面30に一体化させる方法の他、(2)接着部4をリブ体3の基端面30に汎用の接着剤(例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤など)を用いて接着させる方法などが挙げられ、リブ体と接着部4とを強固に一体化させることができることから、上記(1)の方法が好ましい。
そして、複数個の上記リブ構造体2、2をこれらの接着部4同士が対向した状態に重ね合わせた上で、リブ構造体2、2の接着部4、4同士が重なり合う部分(交差部分)において、接着部4、4に接着剤を含浸させることによって、リブ構造体2、2の接着部4、4同士を直接、接着一体化させて、複数のリブ構造体2、2同士が接着部4、4を介して接着一体化されて繊維強化複合材料1が構成されている(図3〜5参照)。
更に、互いに接着一体化されたリブ構造体2、2は、これらの長さ方向、即ち、リブ体3、3の長さ方向が互いに交差した状態に接着一体化されている。
繊維強化複合材料1は、そのリブ構造体2、2同士が互いに交差した状態に接着一体化されているので、長さ方向が異なる複数のリブ体を有している。従って、繊維強化複合材料1は、様々な方向から加えられる応力に対して優れた機械的強度を有している。
リブ構造体2、2(リブ体3、3)の交差角度は、20〜80°が好ましく、30〜70°がより好ましく、40〜50°が特に好ましい。なお、リブ構造体2、2の交差角度とは、一方のリブ構造体2のリブ体3の長さ方向に指向する直線L1と、他方のリブ構造体2のリブ体3の長さ方向に指向する直線L2とが一の点から出るように描いたときに直線L1と直線L2とがなす角度αをいう。但し、0°<α≦90°とする。
詳細には、図4に示したように、繊維強化複合材料1は、複数のリブ構造体2が、そのリブ体3の長さ方向が同一方向となるように且つリブ体3の長さ方向に交差する方向に所定間隔(好ましくは一定間隔)を存して配列された第1のリブ構造体列Aを有している。
更に、繊維強化複合材料1は、上記第1のリブ構造体列を構成しているリブ構造体2とは別の複数のリブ構造体2が、そのリブ体3の長さ方向が同一方向となるように且つ長さ方向に交差する方向に所定間隔(好ましくは一定間隔)を存して配列された第2のリブ構造体列Bを有している。第2のリブ構造体列Bのリブ体3の長さ方向と、第1のリブ構造体列Aのリブ構造体2のリブ体3の長さ方向とは互いに交差した状態となっている。
そして、第1のリブ構造体列Aと、第2のリブ構造体列Bとは、これらの接着部4、4同士が交差した部分において、接着部4、4に含浸させた接着剤によって接着一体化されて繊維強化複合材料1が構成されている。接着剤としては、汎用の接着剤を用いることができ、例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤などが挙げられる。
なお、リブ体の長さ方向が同一方向とは、互いに隣接する二つのリブ構造体2において、一方のリブ構造体2のリブ体3の長さ方向に指向する直線L3と、他方のリブ構造体2のリブ体3の長さ方向に指向する直線L4とが一の点から出るように描いたときに直線L3と直線L4とがなす角度βが0〜10°であることを意味する。図4においては、互いに隣接する二つのリブ構造体2、2同士が平行に配設されているため、角度βは0°となる。
繊維強化複合材料1は、複数のリブ構造体2がそれらのリブ体3の長さ方向が複数の方向に指向された状態で配設されている。リブ体3は、上述の通り、様々な方向からの応力に対する優れた機械的強度と、適度な柔軟性を有しており、複数のリブ体が複数の方向に指向しているので、繊維強化複合材料1は、様々な方向からの応力に対する機械的強度に優れ且つ様々な方向への適度な柔軟性を有している。
そして、繊維強化複合材料1のリブ構造体2の長さ方向の両端面33a、33bのそれぞれには、繊維強化複合材料1を被補強体に接続一体化させるための接続部5が一体的に配設されている。
具体的には、図4及び図5に示したように、繊維強化複合材料1のリブ構造体2におけるリブ体3の長さ方向の一側端面33a(同一方向にある端面)には、リブ体3の一側端面33a同士を接続するように所定幅を有する一の接続部5が配設一体化されている。繊維強化複合材料1のリブ構造体2におけるリブ体3の長さ方向の他側端面33b(一側端面33aとは反対側にある端面)には、リブ体3の他側端面33b同士を接続するように所定幅を有する一の接続部5が配設一体化されている。
上記では、第1のリブ構造体列A及び第2のリブ構造体列B内におけるリブ構造体2の配設方向に配設された、リブ体3の長さ方向の一側端面33a同士(又は他側端面33b同士)を接続するように一個の接続部5が、リブ体3の長さ方向の一側端面33a(又は他側端面33b)に配設一体化されている場合を説明した。
第1のリブ構造体列A及び第2のリブ構造体列B内におけるリブ構造体2の配設方向に配設された、リブ体3の長さ方向の一側端面33a(又は他側端面33b)のうちの複数個の一側端面33a同士(又は他側端面33b同士)を接続するように、一個の接続部5が、リブ体3の長さ方向の一側端面33a(又は他側端面33b)に配設一体化されていてもよい。
又、第1のリブ構造体列A及び第2のリブ構造体列Bのリブ構造体2のリブ体3の長さ方向の一側端面33a(又は他側端面33b)のそれぞれに接続部5が独立して配設一体化されていてもよい。
接続部5は第2の繊維状基材から構成されており、第2の繊維状基材は、接着部4を構成している第1の繊維状基材と同様の繊維状基材を用いることができる。第2の繊維状基材の説明を省略する。なお、接続部5を構成している第2の繊維状基材と、接着部4を構成している第1の繊維状基材とは、同一である必要はなく、相違していてもよい。
接続部5のリブ体3の一側端面33a(又は他側端面33b)への一体化は、特に限定されず、(1)芯部31を構成している合成樹脂の一部を接続部5内に進入、含浸させて、合成樹脂のアンカー効果によって接続部5をリブ体3の一側端面33a(又は他側端面33b)に一体化させる方法の他、(2)接続部5をリブ体3の一側端面33a(又は他側端面33b)に汎用の接着剤(例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤など)を用いて接着させる方法などが挙げられ、リブ体3と接続部5とを強固に一体化させることができることから、上記(1)の方法が好ましい。
上述のように構成された繊維強化複合材料は、優れた機械的強度及び軽量性と、適度な柔軟性とを有していることから、被補強体の補強材として様々な用途(例えば、風車翼用途、自動車などの車両用途、船舶用途、船舶用途など)に用いることができるが、特に風車翼用途に好適に用いることができる。
具体的には、図6及び図7に示したように、風車翼Cは、上側シェルC1と下側シェルC2とを上下シェルC1、C2の開口縁部同士が接合した状態に上下に重ね合わせて一体化することによって構成された風車翼本体C3を有しており、上下シェルC1、C2の対向面間には空隙部C4が形成されている。風車翼Cの上下シェルC1、C2は、風圧に耐え得る強度を有しておればよく、例えば、繊維強化プラスチックなどから形成されている。
風車翼Cの空隙部C4内には、風車翼Cの機械的強度を向上させるために、上側シェルC1と下側シェルC2との対向面間を橋架けした状態に一又は複数個の上記繊維強化複合材料1を含む桁材C5が配設一体化されて風車翼Cが構成されている。図6及び図7では、風車翼Cの空隙部C4内に、二個の桁材C5、C5を互いに平行に配設している風車翼Cを示した。
桁材C5を構成している繊維強化複合材料1は、風車翼Cの全長よりも若干短い長さを有し且つ上下高さが上下シェルC1、C2の対向面間の距離に等しくなるように形成されている。そして、繊維強化複合材料1の上下の接続部5、5を上下シェルC1、C2の内面に汎用の接着剤によって接着一体化させている。詳細には、繊維強化複合材料1の上下の接続部5、5に接着剤を含浸させ、この接続部5、5に含浸させた接着剤によって上下シェルC1、C2の内面に接続部5、5を接着一体化させている。
風車翼C内に配設一体化された繊維強化複合材料1は、そのリブ構造体2同士がリブ体の長さ方向を互いに交差させた状態に直接、接合一体化されて格子状に組み合わされているので、優れた軽量性を有していると共に、様々な方向から加えられる応力に対して優れた機械的強度を有し且つ適度な柔軟性を有している。
繊維強化複合材料1は、リブ構造体2が格子状に組合せられ、リブ構造体2同士がこれらの交差部分においてのみ一体化されており、リブ構造体2の柔軟性ができるだけ阻害されないように構成されている。
そして、繊維強化複合材料1は、リブ構造体2がそのリブ体3の長さ方向を交差させた状態に組み合わせられているので、様々な方向からの応力に対して柔軟に対応することができる。
一方、風車翼Cは、これに当たる風によって様々な方向から応力を受けるが、上述の通り、繊維強化複合材料1は、軽量にして優れた機械的強度及び適度な柔軟性を有しているので、風車翼Cの風車翼本体C3に歪み応力が加わっても、繊維強化複合材料1が適宜柔軟に変形しつつ歪み応力を緩和し、風車翼Cに破損を生じるのを効果的に防止することができる。
更に、繊維強化複合材料1は優れた軽量性を有しているので、風車翼Cの軽量性を損なうことなく機械的強度を向上させ、風力発電の発電効率を向上させることができる。
1 繊維強化複合材料
2 リブ構造体
3 リブ体
4 接着部
5 接続部
30 基端面
31 芯部
32 表皮層
33a 一側端面
33b 他側端面
A リブ構造体列
B リブ構造体列
C 風車翼
C1 上側シェル
C2 下側シェル
C3 風車翼本体
C4 空隙部
C5 桁材

Claims (8)

  1. 複数のリブ構造体からなる繊維強化複合材料であって、
    上記リブ構造体は、合成樹脂を含む芯部と、樹脂含浸繊維を含む表皮層と、第1の繊維状基材を含む接着部とを備え、
    上記リブ構造体の接着部を介して、複数の上記リブ構造体が交差した状態で結合していることを特徴とする繊維強化複合材料。
  2. 表皮層の樹脂含浸繊維は、一軸配向した炭素繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載の繊維強化複合材料。
  3. 合成樹脂がポリオレフィン系樹脂を含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の繊維強化複合材料。
  4. 接着部の第1の繊維状基材は、ガラス繊維織物を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の繊維強化複合材料。
  5. 複数のリブ構造体が、リブ体をその長さ方向が同一方向となるように且つ長さ方向に交差する方向に間隔を存して配設された第1のリブ構造体列と、
    複数のリブ構造体が、リブ体をその長さ方向が同一方向となるように且つ長さ方向に交差する方向に間隔を存して配設されており、上記リブ構造体のリブ体の長さ方向が、上記第1のリブ構造体列におけるリブ構造体のリブ体の長さ方向と交差している第2のリブ構造体列とを含み、
    上記第1のリブ構造体列と上記第2のリブ構造体列とが、上記リブ構造体の接着部を介して一体化していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の繊維強化複合材料。
  6. リブ構造体のリブ体の長さ方向の両端部に、被補強体に一体的に接続するための第2の繊維状基材を含む接続部が一体的に配設されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の繊維強化複合材料。
  7. 風車翼に用いられることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の繊維強化複合材料。
  8. 上側シェル及び下側シェルを含む風車翼本体と、
    上下シェル間に配設一体化された桁材とを含み、
    上記桁材は、請求項1〜7の何れか1項に記載の繊維強化複合材料を含むことを特徴とする風車翼。
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