JP2019064975A - 抗がん剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】がん細胞、特に食道扁平上皮がん細胞に対する増殖抑制作用に優れているが、ヒト正常細胞に対する毒性が充分に低い新規な抗がん剤の提供。【解決手段】一般式(A−1)〜(A−3)のいずれかで表される化合物を有効成分とし、がん患者に有効量を投与される、抗がん剤。[式中、A101は、フリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基;A102は、置換基を有していてもよいピラゾリル基、フェニル基、ナフチル基、ベンゾチアゾリル基、シクロペンチル基、C5〜10のアルキル基;Z101及びZ102は、それぞれ独立して、単結合、−CH=N−、−CH2−、又は−C2H4−を表す。]【選択図】なし

Description

本発明は、正常細胞に対する毒性が低く、がん細胞、特に食道扁平上皮がん細胞に対する増殖抑制作用に優れた抗がん剤に関する。
食道癌は男性に多く、世界中のがん死亡者数で6番目に多い癌であり、国内ではその9割以上が食道扁平上皮癌である。日本国内における5年生存率は約4割、10年生存率は3割以下で、極めて予後が不良の癌であり、国内で年間1万人以上が、世界で年間約40万人が食道癌で亡くなっており、治療を必要とする食道癌患者数はさらに多い。臨床レベルで有効な食道扁平上皮癌の腫瘍マーカーは見いだされておらず、食道癌初期症状が不定愁訴であることから、食道造影、(超音波)内視鏡検査、CTなどの検診率も極めて低い。さらに、食道は漿膜に覆われておらず、早期に周囲浸潤・リンパ節転移し、進行が早く、大部分が進行癌として発見される。そのため、食道切除術とリンパ節郭清の同時処置といった非常に侵襲性の高い手術的治療とともに、全身性作用を有する抗がん剤治療(化学療法)が、術前・術後のみならず、手術をしない場合にも、食道癌治療の中心となっている。
食道癌で使用される抗がん剤は、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ドセタキセルなどの従来型の細胞増殖そのものを標的とした抗がん剤であり、分子標的薬は未だ開発されていない。細胞増殖そのものを標的とした抗がん剤には、正常細胞の増殖が盛んな骨髄や、消化管や腎臓などの上皮組織などにおける重篤な副作用がある。さらに、抗がん剤に対する耐性の獲得や、再発が充分に抑制できないなどの問題から、副作用が少なく、効果の高い薬物の開発が切望されている。
抗がん剤の副作用を抑えるためには、分子標的薬のように、生体内の特定の分子に特異的に作用する分子を有効成分とすることが好ましい。特定の分子に作用する抗がん剤としては、例えば、特許文献1には、特定の構造のキナゾリン系化合物により特定の経路のセリン/トレオニン蛋白質キナーゼの機能を調節できること、当該キナゾリン系化合物ががん細胞の増殖を抑制する抗がん作用を有すること、が開示されている。
特表2001−524128号公報
本発明は、がん細胞、特に食道扁平上皮がん細胞に対する増殖抑制作用に優れているが、ヒト正常細胞に対する毒性が充分に低い新規な抗がん剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、化合物ライブラリーから、食道扁平上皮癌細胞に阻害作用を有し、かつヒト正常細胞の細胞増殖への影響が極めて低い化合物を探索し、選抜された化合物ががん細胞に対する抗がん作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の抗がん剤及び医薬用組成物を提供するものである。
[1] 下記一般式(A−1)〜(A−3)
Figure 2019064975
[式(A−1)〜(A−3)中、
101は、フリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基を表し、
102は、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいベンゾチアゾリル基、置換基を有していてもよいシクロペンチル基、置換基を有していてもよい炭素数5〜10のアルキル基を表し、
101及びZ102は、それぞれ独立して、単結合、−CH=N−、−CH−、又は−C−を表す。]
のいずれかで表される化合物を有効成分とし、がん患者に有効量を投与される、抗がん剤。
[2] 前記A102が、無置換のピラゾリル基、1又は2個の水素原子が炭素数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、フェニル基からなる群より選択される1種以上で置換されたピラゾリル基、無置換のフェニル基、1〜3個の水素原子が炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノスルホニル基、アルキルカルボニルピペラジニル基からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基、無置換のナフチル基、無置換のベンゾチアゾリル基、1個の水素原子がアルキルチオ基又はアルキルオキシ基で置換されたベンゾチアゾリル基、1個の水素原子がフェニル基で置換されたシクロペンチル基、又は無置換の炭素数5〜10のアルキル基である、前記[1]の抗がん剤。
[3] 下記の化合物a000、化合物a002、化合物a003、化合物a005、化合物a008、化合物a011、化合物a015、化合物a017、化合物a019、及び化合物c009からなる群より選択される1種以上を有効成分とする、前記[1]の抗がん剤。
Figure 2019064975
Figure 2019064975
[4] 食道扁平上皮がんに対する治療に用いられる、前記[1]〜[3]のいずれかの抗がん剤。
[5] 前記[1]〜[4]のいずれかの抗がん剤を有効成分とし、がんの治療又は再発予防に用いられる、医薬用組成物。
本発明に係る抗がん剤は、がん、特に食道扁平上皮がんに対する抗がん作用に優れている上に、ヒト正常細胞への影響が小さいため、がん、特に食道扁平上皮がんに対する治療又は再発防止のための医薬用組成物として有用である。
本発明に係る抗がん剤は、下記一般式(A−1)〜(A−3)のいずれかで表される化合物を有効成分とし、がん患者に有効量を投与される。
Figure 2019064975
一般式(A−1)〜(A−3)中、A101は、フリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基を表す。
一般式(A−1)〜(A−3)中、A102は、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいベンゾチアゾリル基、置換基を有していてもよい炭素数5〜10のアルキル基を表す。
一般式(A−1)〜(A−3)中、Z101及びZ102は、それぞれ独立して、単結合、−CH=N−、−CH−、又は−C−を表す。
102で表される基のうち、「置換基を有するピラゾリル基」とは、ピラゾリル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基を意味する。一のピラゾリル基が有する置換基の数は特に限定されるものではない。A102で表される基としては、例えば、1〜3個の水素原子が置換基に置換されたピラゾリル基が好ましい。ピラゾリル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。
ピラゾリル基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基(アルコキシ基)、ハロゲン原子、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基(アラルキル基)、アルキルカルボニル基、又はアルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
ピラゾリル基が有していてもよい置換基のうち、炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基が挙げられる。
ピラゾリル基が有していてもよい置換基のうち、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基とは、炭素数1〜6のアルキル基中の1個以上の水素原子、好ましくは1〜3個の水素原子がハロゲン原子に置換された基をいう。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、クロロジフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、ペンタフルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、3−クロロプロピル基等が挙げられる。
ピラゾリル基が有していてもよい置換基のうち、アルキルオキシ基としては、アルキル基の部分が、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状であるアルキルオキシ基が挙げられる。当該アルキルオキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、イソアミルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
ピラゾリル基が有していてもよい置換基のうち、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
ピラゾリル基が有していてもよい置換基のうち、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基等が挙げられる。
ピラゾリル基が有していてもよい置換基のうち、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、インデニルオキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
ピラゾリル基が有していてもよい置換基のうち、アリールアルキル基としては、例えば、アルキル基の部分が、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐鎖状であり、アリール基部分がフェニル基、ナフチル基、インデニル基、又はビフェニル基である基が挙げられる。当該アリールアルキル基としては、具体的には、フェニルメチル基(ベンジル基)、フェニルエチル基(フェネチル基)、フェニルイソプロピル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルイソプロピル基等が挙げられる。
ピラゾリル基が有していてもよい置換基のうち、アルキルカルボニル基としては、例えば、アルキル基の部分が、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状、又は環状であるアルキルカルボニル基が挙げられる。当該アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、シクロプロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、ヘキシルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
ピラゾリル基が有していてもよい置換基のうち、アルキルオキシカルボニル基としては、例えば、アルキル基の部分が、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状、又は環状であるアルキルオキシカルボニル基が挙げられる。当該アルキルオキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、n−プロピルオキシカルボニルメチル基、イソプロピルオキシカルボニルメチル基、n−ブチルオキシカルボニルメチル基、イソブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチルオキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルエチル基、エトキシカルボニルエチル基、n−プロピルオキシカルボニルエチル基、イソプロピルオキシカルボニルエチル基、n−ブチルオキシカルボニルエチル基、イソブチルオキシカルボニルエチル基、tert−ブチルオキシカルボニルエチル基等が挙げられる。
102で表される基のうち、「置換基を有していてもよいピラゾリル基」としては、無置換のピラゾリル基、又は、ピラゾリル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアリール基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基が好ましく、無置換のピラゾリル基、又は、ピラゾリル基中の1若しくは2個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキル基部分の炭素数が1〜6であるアルキルオキシ基、及びフェニル基からなる群より選択される基で置換された基がより好ましく、無置換のピラゾリル基、又は、ピラゾリル基中の1若しくは2個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、及びアルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルオキシ基からなる群より選択される基で置換された基がさらに好ましく、無置換のピラゾリル基、ピラゾリル基中の1若しくは2個の水素原子が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、又はクロロジフルオロメチル基で置換された基がよりさらに好ましい。
102で表される基のうち、「置換基を有するフェニル基」とは、フェニル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基を意味する。一のフェニル基が有する置換基の数は特に限定されるものではない。A102で表される基としては、例えば、1〜3個の水素原子が置換基に置換されたフェニル基が好ましい。フェニル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。
フェニル基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノスルホニル基、アルキルカルボニル基、アルキルカルボニルピペラジニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、又はアリールアルキル基が挙げられる。
フェニル基が有していてもよい置換基のうち、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、及びアリールアルキル基としては、具体的には、ピラゾリル基が有していてもよい置換基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。
フェニル基が有していてもよい置換基のうち、アルキルカルボニルピペラジニル基としては、例えば、アルキル基の部分が、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状、又は環状であるアルキルカルボニルピペラジニル基が挙げられる。当該アルキルカルボニルピペラジニル基としては、例えば、4−アセチルピペラジニル基、4−エチルカルボニルピペラジニル基、4−プロピルカルボニルピペラジニル基、4−シクロプロピルカルボニルピペラジニル基、4−ブチルカルボニルピペラジニル基、4−tert−ブチルカルボニルピペラジニル基、4−ペンチルカルボニルピペラジニル基、4−ヘキシルカルボニルピペラジニル基、4−シクロヘキシルカルボニルピペラジニル基等が挙げられる。
102で表される基のうち、「置換基を有していてもよいフェニル基」としては、無置換のフェニル基、又は、フェニル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノスルホニル基、及びアルキルカルボニルピペラジニル基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基が好ましく、無置換のフェニル基、又は、フェニル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキル基部分の炭素数が1〜6であるアルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノスルホニル基、及びアルキル基部分の炭素数が1〜6であるアルキルカルボニルピペラジニル基からなる群より選択される基で置換された基がより好ましく、無置換のフェニル基、又は、フェニル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、アルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノスルホニル基、及びアルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルカルボニルピペラジニル基からなる群より選択される基で置換された基がさらに好ましく、無置換のフェニル基、又は、フェニル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、塩素原子、フッ素原子、アミノスルホニル基、4−アセチルピペラジニル基、4−エチルカルボニルピペラジニル基、又は4−プロピルカルボニルピペラジニル基で置換された基がよりさらに好ましい。
102で表される基のうち、「置換基を有するナフチル基」とは、ナフチル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基を意味する。一のナフチル基が有する置換基の数は特に限定されるものではない。A102で表される基としては、例えば、1〜3個の水素原子が置換基に置換されたナフチル基が好ましい。ナフチル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。
ナフチル基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アルキルカルボニル基、又はアルキルオキシカルボニル基が挙げられる。これらの基としては、具体的には、ピラゾリル基が有していてもよい置換基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。
102で表される基のうち、「置換基を有していてもよいナフチル基」としては、無置換のナフチル基、又は、ナフチル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアリール基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基が好ましく、無置換のナフチル基、又は、ナフチル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、及びアルキル基部分の炭素数が1〜6であるアルキルオキシ基からなる群より選択される基で置換された基がより好ましく、無置換のナフチル基、又は、ナフチル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、及びアルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルオキシ基からなる群より選択される基で置換された基がさらに好ましく、無置換のナフチル基、ナフチル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、又はプロポキシ基で置換された基がよりさらに好ましい。
102で表される基のうち、「置換基を有するベンゾチアゾリル基」とは、ベンゾチアゾリル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基を意味する。一のベンゾチアゾリル基が有する置換基の数は特に限定されるものではない。A102で表される基としては、例えば、1〜3個の水素原子が置換基に置換されたベンゾチアゾリル基が好ましい。ベンゾチアゾリル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。
ベンゾチアゾリル基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、アルキルチオ基、ハロゲン原子、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アルキルカルボニル基、又はアルキルオキシカルボニル基が挙げられる。ベンゾチアゾリル基が有していてもよい置換基のうち、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、アルキルカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基、アリールオキシ基、及びアリールアルキル基としては、具体的には、ピラゾリル基が有していてもよい置換基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。
ベンゾチアゾリル基が有していてもよい置換基のうち、アルキルチオ基としては、例えば、アルキル基の部分が、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状、又は環状であるアルキルチオ基が挙げられる。当該アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、イソアミルチオ基、シクロペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロへキシルチオ基が挙げられる。
102で表される基のうち、「置換基を有していてもよいベンゾチアゾリル基」としては、無置換のベンゾチアゾリル基、又は、ベンゾチアゾリル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアルキルチオ基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基が好ましく、無置換のベンゾチアゾリル基、又は、ベンゾチアゾリル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキル基部分の炭素数が1〜6であるアルキルチオ基、及びアルキル基部分の炭素数が1〜6であるアルキルオキシ基からなる群より選択される基で置換された基がより好ましく、無置換のベンゾチアゾリル基、又は、ベンゾチアゾリル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、アルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルチオ基、及びアルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルオキシ基からなる群より選択される基で置換された基がさらに好ましく、無置換のベンゾチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、メトキシ基、エトキシ基、又はプロポキシ基で置換された基がよりさらに好ましい。
102で表される基のうち、「置換基を有していてもよい炭素数5〜10のアルキル基」とは、炭素数5〜10のアルキル基中の1個以上の水素原子が置換基に置換されている基を意味する。炭素数5〜10のアルキル基としては、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環状であってもよい。無置換の炭素数5〜10のアルキル基としては、具体的には、ペンチル基、イソアミル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロへキシル基、ヘプチル基、2−ヘプチル基、オクチル基、1−メチルヘプチル基、ノニル基、及びデシル基等が挙げられる。
一のアルキル基が有する置換基の数は特に限定されるものではない。A102で表される基としては、例えば、炭素数5〜10のアルキル基のうち1〜3個の水素原子が置換基に置換された基が好ましい。アルキル基中の複数の水素原子が置換基に置換されている場合、各置換基は、同種の置換基であってもよく、異種の置換基の組み合わせであってもよい。
炭素数5〜10のアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、又はアルキルオキシカルボニル基が挙げられる。これらの基としては、具体的には、ピラゾリル基が有していてもよい置換基として挙げられたものと同様のものが挙げられる。
102で表される基のうち、「置換基を有していてもよい炭素数5〜10のアルキル基」としては、無置換の炭素数5〜10のアルキル基、又は、炭素数5〜10のアルキル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、及びアルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基が好ましく、無置換の炭素数5〜10のアルキル基、又は、炭素数5〜10のアルキル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、アリール基、アリールオキシ基、アルキル基部分の炭素数が1〜6であるアルキルオキシ基、アルキル基部分の炭素数が1〜6であるアルキルカルボニル基、及びアルキル基部分の炭素数が1〜6であるアルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される基で置換された基がより好ましく、無置換の炭素数7〜10のアルキル基、又は、炭素数5〜10のアルキル基中の1個の水素原子が、フェニル基、フェノキシ基、アルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルオキシ基、アルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルカルボニル基、及びアルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される基で置換された基がさらに好ましく、ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、オクチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、1−フェニルペンチル基、1−フェニルシクロペンチル基、1−フェニルヘキシル基、又は1−フェニルシクロヘキシル基がよりさらに好ましい。
一般式(A−1)で表される化合物としては、A101がフリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基であり、Z101及びZ102が、それぞれ独立して、単結合、−CH=N−、−CH−、又は−C−であり、A102が、無置換のピラゾリル基、ピラゾリル基中の1個以上の水素原子がそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアリール基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換のフェニル基、フェニル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノスルホニル基、及びアルキルカルボニルピペラジニル基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換のナフチル基、ナフチル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアリール基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換のベンゾチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアルキルチオ基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換の炭素数5〜10のアルキル基、又は、炭素数5〜10のアルキル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、及びアルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基である化合物が好ましい。より好ましい一般式(A−1)で表される化合物は、A101がフリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基であり、Z101及びZ102が、それぞれ独立して、単結合、−CH=N−、−CH−、又は−C−であり、A102が、無置換のピラゾリル基、ピラゾリル基中の1個以上の水素原子がそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアリール基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換のフェニル基、フェニル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノスルホニル基、及びアルキルカルボニルピペラジニル基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換の炭素数5〜10のアルキル基、又は、炭素数5〜10のアルキル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、及びアルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基である化合物である。さらに好ましい一般式(A−1)で表される化合物は、A101がフリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基であり、Z101及びZ102が、それぞれ独立して、単結合、−CH=N−、−CH−、又は−C−であり、A102が、無置換のピラゾリル基、ピラゾリル基中の1若しくは2個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、及びアルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルオキシ基からなる群より選択される基で置換された基、無置換のフェニル基、フェニル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、アルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノスルホニル基、及びアルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルカルボニルピペラジニル基からなる群より選択される基で置換された基、無置換の炭素数7〜10のアルキル基、又は、炭素数5〜10のアルキル基中の1個の水素原子が、フェニル基、フェノキシ基、アルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルオキシ基、アルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルカルボニル基、及びアルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される基で置換された基である化合物である。よりさらに好ましい一般式(A−1)で表される化合物は、A101がフリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基であり、Z101及びZ102が、一方が単結合であり、他方が単結合、−CH=N−、又は−CH−である組合せであり、A102が、無置換のピラゾリル基、ピラゾリル基中の1若しくは2個の水素原子が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、又はクロロジフルオロメチル基で置換された基、無置換のフェニル基、フェニル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、塩素原子、フッ素原子、アミノスルホニル基、4−アセチルピペラジニル基、4−エチルカルボニルピペラジニル基、又は4−プロピルカルボニルピペラジニル基で置換された基、ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、オクチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、1−フェニルペンチル基、1−フェニルシクロペンチル基、1−フェニルヘキシル基、又は1−フェニルシクロヘキシル基である化合物である。
特に好ましい一般式(A−1)で表される化合物としては、A101がフリル基であり、Z101が−CH=N−であり、Z102が単結合であり、A102がピラゾリル基、ピラゾリル基中の1若しくは2個の水素原子が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、又はクロロジフルオロメチル基で置換された基、ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、オクチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、1−フェニルペンチル基、1−フェニルシクロペンチル基、1−フェニルヘキシル基、又は1−フェニルシクロヘキシル基である化合物;A101がフリル基であり、Z101が単結合であり、Z102が−CH−であり、A102がピラゾリル基、ピラゾリル基中の1若しくは2個の水素原子が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、又はクロロジフルオロメチル基で置換された基、ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、オクチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、1−フェニルペンチル基、1−フェニルシクロペンチル基、1−フェニルヘキシル基、又は1−フェニルシクロヘキシル基である化合物;A101がフリル基であり、Z101が単結合であり、Z102が単結合であり、A102がピラゾリル基、ピラゾリル基中の1若しくは2個の水素原子が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、又はクロロジフルオロメチル基で置換された基、ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、オクチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、1−フェニルペンチル基、1−フェニルシクロペンチル基、1−フェニルヘキシル基、又は1−フェニルシクロヘキシル基である化合物;A101がチアゾリル基であり、Z101が−CH=N−であり、Z102が単結合であり、A102がピラゾリル基、ピラゾリル基中の1若しくは2個の水素原子が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、又はクロロジフルオロメチル基で置換された基、ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、オクチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、1−フェニルペンチル基、1−フェニルシクロペンチル基、1−フェニルヘキシル基、又は1−フェニルシクロヘキシル基である化合物;A101がチアゾリル基であり、Z101が単結合であり、Z102が−CH−であり、A102がピラゾリル基、ピラゾリル基中の1若しくは2個の水素原子が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、又はクロロジフルオロメチル基で置換された基、ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、オクチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、1−フェニルペンチル基、1−フェニルシクロペンチル基、1−フェニルヘキシル基、又は1−フェニルシクロヘキシル基である化合物;A101がチアゾリル基であり、Z101が単結合であり、Z102が単結合であり、A102がピラゾリル基、ピラゾリル基中の1若しくは2個の水素原子が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、又はクロロジフルオロメチル基で置換された基、ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、オクチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、1−フェニルペンチル基、1−フェニルシクロペンチル基、1−フェニルヘキシル基、又は1−フェニルシクロヘキシル基である化合物;A101がベンゾチアゾリル基であり、Z101が−CH=N−であり、Z102が単結合であり、A102がピラゾリル基、ピラゾリル基中の1若しくは2個の水素原子が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、又はクロロジフルオロメチル基で置換された基、ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、オクチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、1−フェニルペンチル基、1−フェニルシクロペンチル基、1−フェニルヘキシル基、又は1−フェニルシクロヘキシル基である化合物;A101がベンゾチアゾリル基であり、Z101が単結合であり、Z102が−CH−であり、A102がピラゾリル基、ピラゾリル基中の1若しくは2個の水素原子が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、又はクロロジフルオロメチル基で置換された基、ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、オクチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、1−フェニルペンチル基、1−フェニルシクロペンチル基、1−フェニルヘキシル基、又は1−フェニルシクロヘキシル基である化合物;A101がベンゾチアゾリル基であり、Z101が単結合であり、Z102が単結合であり、A102がピラゾリル基、ピラゾリル基中の1若しくは2個の水素原子が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、又はクロロジフルオロメチル基で置換された基、ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、オクチル基、1−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、1−フェニルペンチル基、1−フェニルシクロペンチル基、1−フェニルヘキシル基、又は1−フェニルシクロヘキシル基である化合物が挙げられる。
一般式(A−2)で表される化合物としては、A101がフリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基であり、Z101及びZ102が、それぞれ独立して、単結合、−CH=N−、−CH−、又は−C−であり、A102が、無置換のピラゾリル基、ピラゾリル基中の1個以上の水素原子がそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアリール基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換のフェニル基、フェニル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノスルホニル基、及びアルキルカルボニルピペラジニル基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換のナフチル基、ナフチル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアリール基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換のベンゾチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアルキルチオ基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換の炭素数5〜10のアルキル基、又は、炭素数5〜10のアルキル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、及びアルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基である化合物が好ましい。より好ましい一般式(A−2)で表される化合物は、A101がフリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基であり、Z101及びZ102が、それぞれ独立して、単結合、−CH=N−、−CH−、又は−C−であり、A102が、無置換のフェニル基、フェニル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノスルホニル基、及びアルキルカルボニルピペラジニル基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換のベンゾチアゾリル基、又は、ベンゾチアゾリル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアルキルチオ基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基である化合物である。さらに好ましい一般式(A−2)で表される化合物は、A101がフリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基であり、Z101及びZ102が、それぞれ独立して、単結合、−CH=N−、−CH−、又は−C−であり、A102が、無置換のフェニル基、フェニル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基、アルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノスルホニル基、及びアルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルカルボニルピペラジニル基からなる群より選択される基で置換された基、無置換のベンゾチアゾリル基、又は、ベンゾチアゾリル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル基、アルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルチオ基、及びアルキル基部分の炭素数が1〜3であるアルキルオキシ基からなる群より選択される基で置換された基である化合物である。よりさらに好ましい一般式(A−1)で表される化合物は、A101がフリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基であり、Z101及びZ102が、一方が単結合であり、他方が単結合、−CH=N−、又は−CH−である組合せであり、A102が、無置換のフェニル基、フェニル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、塩素原子、フッ素原子、アミノスルホニル基、4−アセチルピペラジニル基、4−エチルカルボニルピペラジニル基、又は4−プロピルカルボニルピペラジニル基で置換された基、無置換のベンゾチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、メトキシ基、エトキシ基、又はプロポキシ基で置換された基である化合物である。
特に好ましい一般式(A−2)で表される化合物としては、A101がフリル基であり、Z101及びZ102が単結合であり、A102が無置換のフェニル基、フェニル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、塩素原子、フッ素原子、アミノスルホニル基、4−アセチルピペラジニル基、4−エチルカルボニルピペラジニル基、又は4−プロピルカルボニルピペラジニル基で置換された基、無置換のベンゾチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、メトキシ基、エトキシ基、又はプロポキシ基で置換された基である化合物;A101がチアゾリル基であり、Z101及びZ102が単結合であり、A102が無置換のフェニル基、フェニル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、塩素原子、フッ素原子、アミノスルホニル基、4−アセチルピペラジニル基、4−エチルカルボニルピペラジニル基、又は4−プロピルカルボニルピペラジニル基で置換された基、無置換のベンゾチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、メトキシ基、エトキシ基、又はプロポキシ基で置換された基である化合物;A101がベンゾチアゾリル基であり、Z101及びZ102が単結合であり、A102が無置換のフェニル基、フェニル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、塩素原子、フッ素原子、アミノスルホニル基、4−アセチルピペラジニル基、4−エチルカルボニルピペラジニル基、又は4−プロピルカルボニルピペラジニル基で置換された基、無置換のベンゾチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、メトキシ基、エトキシ基、又はプロポキシ基で置換された基である化合物が挙げられる。
一般式(A−3)で表される化合物としては、A101がフリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基であり、Z101及びZ102が、それぞれ独立して、単結合、−CH=N−、−CH−、又は−C−であり、A102が、無置換のピラゾリル基、ピラゾリル基中の1個以上の水素原子がそれぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアリール基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換のフェニル基、フェニル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノスルホニル基、及びアルキルカルボニルピペラジニル基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換のナフチル基、ナフチル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアリール基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換のベンゾチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアルキルチオ基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基、無置換の炭素数5〜10のアルキル基、又は、炭素数5〜10のアルキル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、及びアルキルオキシカルボニル基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基である化合物が好ましい。より好ましい一般式(A−3)で表される化合物は、A101がフリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基であり、Z101及びZ102が、それぞれ独立して、単結合、−CH=N−、−CH−、又は−C−であり、A102が、無置換のピラゾリル基、1又は2個の水素原子が炭素数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、フェニル基からなる群より選択される1種以上で置換されたピラゾリル基、無置換のフェニル基、1〜3個の水素原子が炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノスルホニル基、アルキルカルボニルピペラジニル基からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基、無置換のナフチル基、無置換のベンゾチアゾリル基、1個の水素原子がアルキルチオ基又はアルキルオキシ基で置換されたベンゾチアゾリル基、1個の水素原子が置換基を有していてもよいフェニル基で置換されたシクロペンチル基、又は無置換の炭素数5〜10のアルキル基である化合物である。よりさらに好ましい一般式(A−3)で表される化合物は、A101がフリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基であり、Z101及びZ102が、それぞれ独立して、単結合、−CH=N−、−CH−、又は−C−であり、A102が、無置換のナフチル基、又はナフチル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアリール基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基である化合物である。
特に好ましい一般式(A−2)で表される化合物としては、A101がフリル基であり、Z101及びZ102が単結合であり、A102が無置換のナフチル基、又はナフチル基中の1個以上の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、アルキルオキシ基、及びアリール基からなる群より選択される1種以上の基で置換された基である化合物が挙げられ、より好ましい一般式(A−2)で表される化合物としては、A101がフリル基であり、Z101及びZ102が単結合であり、A102が無置換のナフチル基、又は、ナフチル基中の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、若しくはプロポキシ基で置換された基である化合物が挙げられ、さらに好ましい一般式(A−2)で表される化合物としては、A101がフリル基であり、Z101及びZ102が単結合であり、A102が無置換のナフチル基である化合物が挙げられる。
本発明に係る抗がん剤の有効成分としては、特に、下記の化合物a000、化合物a002、化合物a003、化合物a005、化合物a008、化合物a011、化合物a015、化合物a017、化合物a019、又は化合物c009が好ましい。
Figure 2019064975
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本発明に係る抗がん剤は、一般式(A−1)〜(A−3)のいずれかで表される化合物の薬理学的に許容される塩として含有していてもよい。当該塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩などが挙げられる。
本発明に係る抗がん剤が含有する有効成分は、一般式(A−1)〜(A−3)のいずれかで表される化合物の1種類のみであってもよく、一般式(A−1)〜(A−3)のいずれかで表される化合物を2種類以上の組み合わせであってもよい。
一般式(A−1)〜(A−3)のいずれかで表される化合物、特に、化合物a000、化合物a002、化合物a003、化合物a005、化合物a008、化合物a011、化合物a015、化合物a017、化合物a019、及び化合物c009は、がん細胞の増殖を抑制するが、ヒト正常細胞の増殖にはあまり影響しない。このため、これらの化合物は、がんの治療又は再発予防に用いられる抗がん剤の有効成分として非常に好適である。
一般式(A−1)〜(A−3)のいずれかで表される化合物は、様々な組織のがんに対して抗がん活性を示し得るが、各化合物が抗がん作用を示すがん種は化合物ごとに異なる。例えば、化合物a000(1H-Pyrazole-3-carboxylic acid, 5-methyl-, 2-[(5-nitro-2-furanyl)methylene]hydrazide)(CAS番号:358730−62−8)は、食道扁平上皮がん、子宮頸がん、胃がん、乳腺がん、結腸がん、肝がん、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病に対して、抗がん作用を有する。本発明に係る抗がん剤は、含有する有効成分の抗がん作用に応じて、食道扁平上皮がん、胃がん、大腸がん、胆管がん、膵臓がん、肝臓がん、喉頭がん、舌がん、肺がん、小細胞肺がん、乳がん、子宮頸がん、卵巣がん、前立腺がん、腎臓がん、膀胱がん、悪性リンパ腫、白血病、歯肉がん等の治療又は再発予防に用いられる。
本発明に係る抗がん剤は、有効成分である一般式(A−1)〜(A−3)のいずれかで表される化合物のみからなるものであってもよく、他の成分を含有するものであってもよい。当該他の成分としては、一般式(A−1)〜(A−3)のいずれかで表される化合物による抗がん作用を損なわないものであればよく、例えば、賦形剤、結合剤、流動性改良剤(固結防止剤)、安定剤、保存剤、pH調整剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、粘稠剤、矯味矯臭剤、着色剤等として用いられている各種物質を、所望の製品品質に応じて適宜含有させてもよい。
本発明に係る抗がん剤の剤型は、特に限定されるものではなく、各種の剤型を適用できる。当該剤型としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、注射剤等が挙げられる。服用が容易であることから、本発明に係る抗がん剤の剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の経口投与に適したものが好ましい。
本発明に係る抗がん剤は、そのまま使用してもよく、その他の成分も含む医薬用組成物として使用することもできる。当該医薬用組成物に含まれるその他の成分としては、例えば、前記の賦形剤、結合剤、流動性改良剤(固結防止剤)、安定剤、保存剤、pH調整剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、粘稠剤、矯味矯臭剤、着色剤等が挙げられる。また、当該医薬用組成物は、本発明に係る抗がん剤以外の他の有効成分を含有していてもよい。当該他の有効成分としては、例えば、一般式(A−1)〜(A−3)のいずれかで表される化合物以外の抗がん剤が挙げられる。本発明に係る抗がん剤を含有する医薬用組成物としては、がんの治療又は再発予防に用いられるものが好ましい。
本発明に係る抗がん剤は、哺乳動物に投与されるものであることが好ましく、ヒトや、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスター、サル、ヒツジ、ウマ、ウシ、ブタ、ロバ、イヌ、ネコ等の家畜や実験動物に投与されるものであることがより好ましく、ヒトに投与されるものであることがさらに好ましい。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
WST−1法により、9,600個の低分子化合物から、食道扁平上皮癌に由来する細胞株KYSE170に対する抗がん作用を有する化合物をスクリーニングした。また、比較対象として、正常ヒト食道上皮細胞、正常ヒト腎上皮細胞、正常ヒト心筋細胞、及び正常ヒト肝細胞に対しても同様にWST−1法を行い、被験化合物の正常細胞の生存及び増殖に対する影響も調べた。WST試薬は、WST−1(和光純薬社製)を終濃度が3.67mg/mLとなるようにPBSに溶解したWST溶液と、1−メトキシPMS(和光純薬社製)を終濃度が0.7mg/mLとなるようにPBSに溶解した1−メトキシPMS溶液を、9:1の容量比となるように混合した混合液(WST−1は3.3mg/mL、1−メトキシPMSは70μg/mL)を用いた。
具体的には、まず、96ウェルプレートに、細胞を5×10個/ウェルとなるように播いて24時間培養した後、培地にDMSOに溶解させた被験化合物を終濃度が13μMとなるように添加して培養した。被験化合物添加後48時間目に、各ウェルの細胞培養培地の1/10容量のWST試薬を添加して混合し、37℃で1時間、5%CO下で静置した。その後、各ウェルの培養上清の450nmの吸光度(A450)及び650nmの吸光度(A650)を測定し、下記の式に基づいてWST1値を求めた。なお、式中、「A(0)450」及び「A(0)650」は、それぞれ、細胞を播種していないウェルの450nmの吸光度及び650nmの吸光度である。
[WST1値]=[A450]−[A650]−([A(0)450]−[A(0)650])
被験化合物を添加しなかったウェル(対照)の培養上清のWST1値を1とし、各ウェルの相対WST1値を算出した。このWST1値は各ウェルの生存細胞数に相関するため、相対WST1値を各ウェルの細胞増殖率とし、KYSE170細胞の細胞増殖率が低いものを、食道扁平上皮癌細胞に対する抗がん作用を有する化合物として選抜した。
WST−1試験は、KYSE170細胞に対しては2回(1回目はn=1、2回目はn=3)、各正常ヒト細胞に対しては1回(各n=2)実施した。この結果、ニトロ基を有する10個の化合物(化合物a000、化合物a002、化合物a003、化合物a005、化合物a008、化合物a011、化合物a015、化合物a017、化合物a019、及び化合物c009)が、食道扁平上皮癌細胞に対する抗がん作用を有する化合物として選抜された。
ニトロ基を有する10個の化合物を、KYSE170細胞、正常ヒト食道上皮細胞、正常ヒト腎上皮細胞、正常ヒト心筋細胞、及び正常ヒト肝細胞にそれぞれ添加した場合の細胞増殖率(相対吸光度値)の結果(平均値及びSE)を表1〜2に示す。この結果、これらの10個の化合物は、いずれも細胞増殖率が0.85以下であり、KYSE170細胞の細胞増殖を抑制しており、抗がん作用を有していることがわかった。なかでも、化合物a000(1H-Pyrazole-3-carboxylic acid, 5-methyl-, 2-[(5-nitro-2-furanyl)methylene]hydrazide)(CAS番号:358730−62−8)は、いずれの正常細胞に対する細胞増殖率もほぼ1であり、正常ヒト細胞の生存や増殖にはあまり影響しないことから、抗がん剤の有効成分として非常に優れていることがわかった。
Figure 2019064975
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Claims (5)

  1. 下記一般式(A−1)〜(A−3)
    Figure 2019064975
    [式(A−1)〜(A−3)中、
    101は、フリル基、チアゾリル基、又はベンゾチアゾリル基を表し、
    102は、置換基を有していてもよいピラゾリル基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基、置換基を有していてもよいベンゾチアゾリル基、置換基を有していてもよいシクロペンチル基、置換基を有していてもよい炭素数5〜10のアルキル基を表し、
    101及びZ102は、それぞれ独立して、単結合、−CH=N−、−CH−、又は−C−を表す。]
    のいずれかで表される化合物を有効成分とし、がん患者に有効量を投与される、抗がん剤。
  2. 前記A102が、無置換のピラゾリル基、1又は2個の水素原子が炭素数1〜3のアルキル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、フェニル基からなる群より選択される1種以上で置換されたピラゾリル基、無置換のフェニル基、1〜3個の水素原子が炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、ハロゲン原子、アミノスルホニル基、アルキルカルボニルピペラジニル基からなる群より選択される1種以上で置換されたフェニル基、無置換のナフチル基、無置換のベンゾチアゾリル基、1個の水素原子がアルキルチオ基又はアルキルオキシ基で置換されたベンゾチアゾリル基、1個の水素原子がフェニル基で置換されたシクロペンチル基、又は無置換の炭素数5〜10のアルキル基である、請求項1に記載の抗がん剤。
  3. 下記の化合物a000、化合物a002、化合物a003、化合物a005、化合物a008、化合物a011、化合物a015、化合物a017、化合物a019、及び化合物c009からなる群より選択される1種以上を有効成分とする、請求項1に記載の抗がん剤。
    Figure 2019064975
    Figure 2019064975
  4. 食道扁平上皮がんに対する治療に用いられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗がん剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗がん剤を有効成分とし、がんの治療又は再発予防に用いられる、医薬用組成物。
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