JP2019064734A - 化粧用パックシートの包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、簡易な使い勝手を狙って、例えば目尻、ほうれい線等に局部的に用いる小片状のパックシートも市販されている(例えば特許文献2参照)。このものはシートが小片状であることに起因して、パック液の湿潤保存が充分ではなく、使用した際の満足感に欠けるという指摘もあった。
またゲルシート状のパックシートにおいて、皿状乃至はうす型カップ状の保形カップに入れたものもあるが(例えば特許文献2参照)、このような形態で小片状のパックシートが何枚か平重なり状態で収納される場合には、湿潤状態にあるから使用時に取り出しにくいという指摘もされていた。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
また特にパック液にセルロースナノファイバー(CNF)が添加されている場合には、バラエキスの香気成分がセルロースナノファイバー(CNF)に担持されるため、特に余ったパック液を使用者の身体に塗布することにより、バラエキスの芳香を長時間に渡って維持することができる。
本発明の化粧用パックシートの包装体1は、保形性を有するカップ2内に、小片状のパックシート3と、パック液4とを収納し、カップ2の上面をシールシート5を用いて密閉して構成されるものである。
またこのフランジ24の一部は、フランジ24外周部に接する二本の接線が略90°で交差するように、外側に突出した形状のつまみ部25とされている。更にこのつまみ部25の一部には、底部22側に向かって凹んだ凹部26が形成される。
なお底部22の形状を上記正六角形以外の多角形状、円形状等とするようにしてもよい。
更に前記カップ2の平面視における底部22の周長p2は、パックシート3の立ち整列状態における見かけ周長p3以上となるように設定されるものであり、これについても後ほど、化粧用パックシートの包装体1の具体的な構成の説明の際に詳しく説明する。
なおシールシート5によってカップ2の開口部21を密閉するにあたっては、フランジ24及びつまみ部25上に設置されたシールシート5を加熱することにより、シールシート5の最下層のポリエチレンを溶融させて接着(ヒートシール)するものであるが、エチレンビニルアセテート(EVA)接着剤等を用いて接着するようにしてもよい。
この実施例で示すパックシート3は図3(a)に示すように、長軸65mm程度、短軸35mm程度の楕円形の小片状とされ、更にその素材としては、一例として綿、ポリエステル、レーヨン、アクリル等を不織布としたものが採用される。
なお化粧水41に前記グリセリンを添加することにより保湿性が向上し、また化粧水41に前記PEG−30水添ヒマシ油を添加することにより界面活性性が向上する。
因みに化粧水41に、グリセリン、PEG−60水添ヒマシ油を添加することにより、後述するバラエキス43等の香料に含まれる香気成分43aを包含するミセル44(分子間力による多数の分子の集合体)が構成される(図5(a)参照)。更にこのミセル44が、後述するセルロースナノファイバー(CNF)42の形成する三次元ネットワークに包接された状態が得られる。なおミセル44がセルロースナノファイバー(CNF)42に担持された状態となる場合もある(図5(b)参照)。
そして前記セルロースナノファイバー(CNF)42の性状は、幅3〜100nm、好ましくは幅3〜80nm、更に好ましくは幅3〜50nmとされる。
また前記化粧水41に対するセルロースナノファイバー(CNF)42の添加量は、固形分量で0.01〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%、更に好ましくは0.01〜0.2重量%の範囲とされる。
更にまたセルロースナノファイバー(CNF)42により、香気成分の緩放散性(徐放性)を発現させるものであり、その作用原理は必ずしも明確ではないものの、上述のように繊維状のセルロースナノファイバー(CNF)42が、香気成分を包接または担持していることによるものと推察される。
なお前記バラエキス43以外にも、香料として既に公知の種々の成分が利用できるものであって、目的に応じて鎮静作用を発現するもの(ローズ、カモミール等)、あるいは覚醒性を発現するもの(ミント、ジャスミン等)等、適宜のものが利用し得る。
はじめにパックシート3を折り畳むものであり、図6(a)〜(c)に示すようにパックシート3を二枚重ねにしてから長軸部で二つ折りにし、更に図6(d)に示すように短軸部で二つ折りにして四つ折り状態とする。
なおこのようなパックシート3の折り畳みは、折り紙のように完全に折り目を付けるものではなく、線対称部を重ね合わせる程度のものとする。
また二枚のパックシート3をそれぞれ長軸部で二つ折りにし、次いでこれら二つ折り状態のパックシート3二枚を重ね合わせ、この状態で短軸部で二つ折りにすることにより、四つ折り状態としてもよい。
次に上述のように四つ折り状態とされた二枚のパックシート3を、カップ2に投入するものであり、この実施例では、図6(e)に示すように長軸部が上部になるように投入する。このようにカップ2に投入されたパックシート3は、折り畳み状態の長軸部が直線状に戻ろうとするため、図7に示すように長軸部が側壁23の内壁面に添うように展開して、二つ折り状態で湾曲した状態となる。この結果、図7に示すように複数枚(二枚)のパックシート3が立ち整列状態で重ねられた状態で、カップ2に収納されることとなる。
ここでカップ2の高さh2とは、図2(b)に示すように底部22の上面から、フランジ24の上面までの長さを意味するものである。またパックシート3の立ち整列状態における見かけ高さh3とは、カップ2に収納された状態のパックシート3の側面視における高さを意味するものであり、実質的に図3(b)に示すような長軸部で二つ折り状態とされたパックシート3の高さ寸法となる。
なおこの時点では図7に示すように、パックシート3はカップ2における側壁23の内壁面に添った状態となってはいるものの、全域に亘って密接した状態とはなっていない。
ここでパックシート3の立ち整列状態における見かけ周長p3とは、図7(b)に示すようにカップ2に収納された状態のパックシート3の平面視における周長を意味するものであり、実質的に図3(b)に示すような長軸部で二つ折り状態とされたパックシート3の長さ寸法となる。
なお図7(b)に示すように平面視において、パックシート3の長軸部の頂点がつまみ部25の付近で対向するように、パックシート3をカップ2に収納することが好ましい。
次いで図8に示すようにカップ2内にパック液4を充填するものであり、本発明においてこのパック液4の量は、パックシート3の飽和湿潤量以上とされる。また静置時のパック液4の液高がカップ2高さの3/4以下、好ましくは1/2以下とすることが好ましい。
このためパックシート3はカップ2内においてパック液4を吸収して湿潤状態となるものであり、パックシート3が吸収しきれなかったパック液4は、カップ2内の下部に位置することとなり、パックシート3はパック液4中に浸漬された状態となる。
因みにカップ2内の上部にまでパック液4が充填された場合、パックシート3は側壁23の内壁面に貼り付くことなく、パック液4中を浮遊してしまうこととなる。
更に前記パック液4には、セルロースナノファイバー(CNF)42が添加されているためパック液4の粘性が増すこととなり、パックシート3がカップ2の内壁面に添った状態がより確実に維持されることとなる。
また本発明では、前記カップ2の平面視における底部22の周長p2は、パックシート3の立ち整列状態における見かけ周長p3以上に設定されているため、収納状態のパックシート3の両端が重なってしまうのを回避することができる。
次いでシールシート5により開口部21を封鎖するものであり、図8(d)(e)に示すようにフランジ24及びつまみ部25にシールシート5を重ね合わせた後、適宜の加熱手段によってシールシート5を加熱し、最下層のポリエチレンを溶融させてシールシート5とフランジ24及びつまみ部25との接着が成される。これにより、内容物の流出防止、腐敗防止が図られる。
なおこのような接着の際、実際に溶着が行なわれる範囲は、図8(e)中仮想線で示すフランジ24の内周部の約5mm以下の範囲であり、凹部26を含むつまみ部25の大部分の範囲は、シールシート5の剥離部55と接着されないようにしておく。
また静置時のパック液4の液高がカップ2高さの1/2以下とされる場合には、パックシート3の湿潤状態を充分に保ちながらも、パック液4に浸漬されていない部位が形成されるため、パックシート3が遊離してしまうのを防ぎ、パックシート3がカップ2内壁に添った状態を確実に維持することができる。
そして上述のようにして構成された化粧用パックシートの包装体1の使用時には、図9(a)に示すように凹部26を手掛かりとして未接着状態となっている剥離部55を摘み、シールシート5を引き剥がすことにより、カップ2の開口部21を開放状態とする。
次いで使用者は図9(b)に示すように、パックシート3の一方の端部を指つまんでこれをカップ2から取り出すものであり、この際、収納状態のパックシート3の両端は重なっていないため、その端部を的確につまむことができる。
次いで使用者は図9(c)に示すように、二つ折り状態のまま、あるいは二つつ折り状態となっているパックシート3を展開した後、カップ2上でパックシート3を吊り下げ状態とし、パックシート3から滴るパック液4をカップ2で受けるようにする。その後、パック液4の滴りがなくなった時点で図9(c)に示すように、二枚重ね状態をなっているパックシート3を分離して、それぞれのパックシート3を使用者の顔の一部(左右のほうれい線部分、涙袋部分)に貼付する(図1参照)。
この際、パック液4にはグリセリン、PEG−30水添ヒマシ油及びセルロースナノファイバー(CNF)42が添加されているため、バラエキス43の香気成分がセルロースナノファイバー(CNF)42に担持され、香気成分の緩放散性(徐放性)を発現させるものであり、終止アロマ効果を持続させることができる。
なおカップ2内には、残余のパック液4が残ることとなるが、このパック液4は顔に用いることを前提として調合されたものであるため、いわば高級な成分を含むパック液4を、顔以外の手、腕、胸、背中、足等の部位に供することもできる。
2 カップ
21 開口部
22 底部
23 側壁
24 フランジ
25 つまみ部
26 凹部
3 パックシート
4 パック液
41 化粧水
42 セルロースナノファイバー(CNF)
43 バラエキス
43a香気成分
44 ミセル
5 シールシート
55 剥離部
h2 高さ
h3 見かけ高さ
p2 周長
p3 見かけ周長
Claims (7)
- 保形性を有するカップ内に、小片状のパックシートと、パック液とを収納し、カップの開口部をシールシートを用いて密閉したことを特徴とする化粧用パックシートの包装体。
- 前記パックシートは、複数枚が立ち整列状態で重ねられ、カップの内壁面に添った状態を維持して収納されていることを特徴とする請求項1記載の化粧用パックシートの包装体。
- 前記カップの高さは、パックシートの立ち整列状態における見かけ高さ以上に設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の化粧用パックシートの包装体。
- 前記カップの平面視における底部の周長は、パックシートの立ち整列状態における見かけ周長以上に設定されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の化粧用パックシートの包装体。
- 前記パック液には、セルロースナノファイバー(CNF)が添加されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の化粧用パックシートの包装体。
- 前記パック液の量は、パックシートの飽和湿潤量以上とされていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の化粧用パックシートの包装体。
- 前記パック液には、バラエキスが添加されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の化粧用パックシートの包装体。
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