JP2019062878A - 筍の栽培方法 - Google Patents

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圭輔 宮澤
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Abstract

【課題】 国産筍は外国産の安価な加工筍の到来や農家の高齢化もあり、人の手の入らない放置竹林が拡大。この放置竹林は全国的な問題となっている。放置竹林対策として筍の栽培があげられるが、魅力的な栽培とするには通常の出荷時期よりも早く、通常サイズ且つ、高品質の筍を収穫する必要がある。【解決手段】 本発明はこれら放置竹林内にある枯れ竹や不必要な親竹を粉砕機で破砕し、竹チップをつくる。竹チップは長辺の長さが10mm以上のものを含む大きさで、竹林内に厚さ10〜40cmの厚みで積層させる。積層させた竹チップの保温効果、成長促進効果により早期に肥大化させ、竹チップの性質を活かした高品質な筍を栽培することができるものである。【選択図】図2

Description

本発明は、筍の育成収穫方法にかかり、特に竹チップを早い時期に大きく、高品質な筍を育成収穫する農法である。
筍の発生の母体となる地下茎には等間隔で節がある。これに芽子がつき、地上部に出た物を筍と称する。
地下茎は一般的に地表面より下、5〜15cmの深さを上下に波打ちながら伸び、2年目以降の親竹から筍の発生が始まり、10年ぐらい経過した部分から枯死する。
国内の筍の収穫量は農水省平成21年度都道府県別のタケノコ生産量のデータによれば鹿児島県(8935t)、福岡県(8051t)、熊本県(3438t)、京都府(1410t)、徳島県(1072t)などとなっている。
筍の発生割合と時期は、特産品シリーズタケノコによるとJAふくおか八女出荷「最早年(平成14年)と最遅年(平成12年)でのタケノコ発生パターン」(ページ32)によると、筍の発生で最早年であった平成14年度は3月10日から徐々に筍が発生し、ピークは4月1日付近で、最遅年であった平成12年度は3月下旬より筍が徐々に発生し出し、4月21日付近がピークとなっている。また、最早と最遅の両方を鑑みても、発生割合の大半を占めるのは3月下旬から4月末までの約一か月半となっている。
収穫時期になった筍は地中から芽を出す前に、固くなった地表面の地割れを見つけ、筍収穫専用の鍬で起こす収穫方法と、地表面から出た筍を鍬や鋸などの道具を使用し、収穫する方法とがある。
3月末から5月初旬までに一般に収穫される筍は、旬の食材として親しまれているが、供給量が一時期に集中し、筍のグラム辺りの単価が下がる傾向にある。平成18年JAふくおか八女の「青果用タケノコ時期別出荷割合と価格」をみると、筍が発生しない2月から3月初旬までにはキログラム当たり1000円以上であるのに対し、出荷量が増えるにあたってキログラム当たりの単価は値下がりし、出荷割合がピークになる4月中旬にはキログラム当たり200円以下となってしまう。このことから、青果用に出荷された筍は出荷量が少ない時期ほど高値がついている。早期出荷の割合を増やして、筍栽培の収益性を向上させることがこれからの大きな課題のひとつと指摘している。
このような状況の中で、筍栽培での収益を上げるためには、1月から3月初旬までの通常より早い時期に収穫すること、早期の収穫であっても高品質で通常サイズの筍を栽培することである。筍の成長について、平成18年度JAふくおか八女の「タケノコの形状変化」のグラフによれば、発筍割合が出始める3月初旬では、筍の平均荷重が100グラムから200グラム程度と小径である。発筍割合が増加する4月に入り500グラムを超え、4月中旬で900グラムまで達し、そこからまた小径化してゆく。本発明でいう通常のサイズとは最盛期に収穫される重さ500gから1000gの筍を指す。
筍を早い時期に収穫するための栽培方法として、成長を早めるために積算温度を上げる取り組みがある。作業としては、成長過程の竹の先を途中で折り、親竹の背丈を低くし、地表面への日射量を増やすことで、表面の積算温度を早めるウラ止め手法などがある。(例えば、非特許文献1参照)
また、積算温度を上げる取り組みとして、地表面の保温効果を高める取り組みとして、ビニールマルチ法、ビニールカーテン法などの取り組みがある(例えば、非特許文献2参照。)。
高品質の筍を栽培する手法として、地表面に3〜4cmの客土をして、地下茎の位置を深くし、地中内で成長させる客土がある。客土することで、日光に当たらずに大きくなるため、えぐ味の少ないシロコタケノコなどの高品質の発生割合を高めるといった手法がある。(例えば、非特許文献3参照)
竹肥料農法として、「植繊機」という機械で竹をすりつぶしてセルロース・ヘミセルロース、リグニンの構造をほどき、竹のパウダーを造る。竹パウダーは作物を問わず、表面散布でリン酸が効き、健全な根が伸び、生産物の甘味・旨味が増し、土壌病害が抑制され、竹の持つ成長力や神秘的効果を肥料に活かすといった農法がある(例えば、非特許文献4参照。)。
高品質の筍を栽培する手法として、先行技術文献では米ぬかを肥料として活用することで苦味やアクの少ない筍の栽培を可能とする筍の栽培方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開 2011−223916号 公報
「新特産シリーズ タケノコ」社団法人農山漁村文化協会,p.42 「新特産シリーズ タケノコ」社団法人農山漁村文化協会,p.72 「新特産シリーズ タケノコ」社団法人農山漁村文化協会,p.81 「民間農法シリーズ竹肥料農法」バイケミ農法の実際
放置竹林の拡大を止める手法として、筍の収穫が効果的だと云われている。ただし、経済的に魅力のあるものとするには、通常の出荷時期よりも早く、通常サイズ且つ、高品質の筍を栽培する必要がある。
そこで、第一の課題として、累積温度をどのように早期に達成させるかが課題である。筍の早取りを実施するために従来では、地表面の累積温度をあげる取り組みとして、地表面への日射量を増やす親竹のウラ止め作業、保温効果を高め累積温度を上げる取り組みとしてビニールマルチ法、ビニールカーテン法などの取り組みがある
本発明を実証した放置竹林においても、ウラ止め作業と同じく、枯れ竹や不必要な親竹を数千本と伐採し、地表面に多くの日射量を当て、地表面の地温をあげる環境を再現したが、日射量が多いエリアと反日陰のエリアと比べ、筍の生育が著しく進んだと云える明確な効果は見込めなかった。
また、本発明を検証した竹林内において、地表面にビニールマルチング材を敷き、地表面の保温効果を高めるビニールマルチ法を実試してみたが、ビニールを被せているエリアと被せていないエリアと比べ、筍の生育が著しく進んだと云える明確な効果は見込めなかった。
第2の課題として、筍の大きさが課題である。稀に早く筍が収穫出来ても、12月から3月初旬の時期の筍の大きさは100グラムから200グラム程度と小さく、竹皮を剥いて調理する際に食べられる部分はごく僅かとなってしまう。
第3の課題にどのように高品質の筍を収穫するかである。高品質な筍を収穫するには、日を当てない事である。京都などでは、高品質な発生割合を高めるために地表面に3〜4cmの客土をし、地下茎の位置を深くすることで日中、日の当らないまま地中内で筍を成長させ、高品質な筍を収穫する手法がある。しかし、客土の場合、一度に多くの土を地表面に堆積させると地下茎の位置が深くなり過ぎ、酸素不足によって親竹の活力低下や筍の発生時期の遅れや減少などが見られるため、客土の場合にはせいぜい3cm〜4cm程度の積層が一般である。
筍の成長や品質を高めるため、筍の栽培では竹林内に施肥を行う。ただし、通常の硬くなった土壌では、筍が付いている地下茎を傷つける恐れもあることから土地を耕して肥料を剥き込むことが難しい。そのため、地表面に散布するも雨などにより施肥した肥料が流出してしまうことがある。
高品質の筍を収穫する場合、通常は日の当たる前に地割れを見つけ掘り出す収穫方法をとっているが、通常、地割れ個所を見つけ、専用鍬を用いて収穫するのは熟練の技が必要である。また、地割れぼりの場合、多くが掘り起こしてみないと筍の様子がわからない。
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、通常時期よりも早い時期に通常時期に劣らない500g〜1000gまで育成させ、かつ高品質の筍を収穫することを目的とするものである。
そして、本発明は上記目的を達成するために、破砕した竹チップを竹林内において、表層上に積層する工程を備える筍の育成収穫方法である。
第2の課題解決手段は前記竹チップの長辺の長さが10mm以上を含むことを特徴とした筍の育成収穫方法である。
第3の課題解決手段は竹林内に積層させる竹チップの厚さを10cmから40cmとする筍の育成収穫方法である。
上述したように本発明の竹チップ農法では、以下の3つの効果を奏する。
1.通常の発筍時期よりも時期を早めて育成させる効果。
2.通常に比べ、早い時期であっても筍を大きく育成させる効果。
3.さらに、高品質かつ簡易に筍を収穫できる効果。
以下、本発明の効果を説明する。効果の1点目は、成長に必要な累積温度の到達を竹チップによって、早める効果である。筍の発生時期は、冬期を中心として晩秋から早春の温度に左右される。例えば、筍の出荷量日本一の福岡県では、晩秋からの累積温度が1250〜1300℃になる3月下旬で筍が「ぼちぼち発生」、1500〜1550℃になる4月中旬から下旬で「発芽最盛期」、1800〜1850℃で「発生終了」となる。竹チップは発酵すると70〜80℃の発酵熱を発生させる。この発酵熱の作用で冬場に散布した竹チップ内は温かく、筍発生に必要な累積温度を早期に実現することで、筍の早期の成長を促すことができる。
効果の2点目は、客土効果によって、筍の成長を促すことができる点である。効果の理由として、破砕した長編の長さが10mm以上の竹チップを竹林内に厚さ10〜40cmの範囲で客土する。筍は筍の先端部分にある生長点にセンサー機能を備えている。この生長点の役目は、地表面の2〜3cm下まで大きくなり、そこで春の訪れを待つことである。上積みされた竹チップに対し、筍の生長点は地表面がまだ上部であると判断し、竹チップの地表面近くまで成長しようとする。そうすると、チップの下にある筍は長伸する。
ちなみに、京都などでおこなわれている竹林内での客土は、一度にすると地中内で酸素不足が起きるとされているため、2から3cmの厚さで客土がおこなわれている。
竹チップは土よりも軽く、通気性にも優れているといったことがあげられており、本発明でも竹チップを10cm以上積層させているが、酸欠によりチップ内から筍が発生しなかったということはなかった。
成長を促進させる効果の3点目として、竹チップの生長促進剤としての効果である。竹チップの原材料である、竹皮や若竹には1日に1mも伸びると言われている竹の驚異的な成長を支えるジベレリンをはじめ、カイネチン、チロシンといった成長促進物質が含まれている。それら竹を破砕し、植物用肥料として活用する竹肥料農法(非特許文献4.参照)などがあり、積層させている竹チップそのものにも成長を促進させる効果がある。
同時に、通常の竹林への施肥では、地中を掘ることが出来ないため、地表面に散布することが一般的で、降雨時は流失してしまうことがある。本発明である竹チップ農法では、施肥をする場合、隙鍬などで肥料を竹チップ内に剥きこむことで、肥料が継続的に地下茎に浸透し、筍を生育させる効果もある。
3点目の効果として、高品質の筍栽培が可能になる点である。
高品質な筍の条件で、重要なのが日に当てないことである。地表に出てくれば、光や風の影響を受けて急激に品質が低下する。そのため、高品質筍を生産するためには徹底した地割れ掘りと収穫後の乾燥防止が挙げられている。ただし、地割れ掘りは熟練の技術と、掘り起こしてみなければ筍の状態が判らないといった点に対し、竹チップ農法では軽い竹チップを除けるだけで、地表数センチ下にある筍を発見することが出来る。
また、地割れ掘りでは、掘り起こしてから筍の状態が判るが、竹チップ農法の場合は筍の状況を簡易に確認し、生長点を傷つけることがなければ、埋め戻すことができため、出荷調整も可能である。
通常の竹林内の土壌下の地下茎から派生する筍の状態の一例を示す様式図である。 本発明を適応した筍の栽培方法における土壌下と竹チップ及び、地下茎から派生する筍の状態の一例を示す様式図である。 本発明を実施した期間中において、竹チップを用いて収穫した筍と中国産の筍の状態を一例を示す様式図である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1と図2においては、地下茎1で、節4から筍2を派生させる。土壌3の中にある筍2は筍の生長点5で地表面の位置や地温を感知する。本発明では竹チップ6を土壌3の上に積層する。収穫時は竹チップを除けて収穫する7ことを示す図である。図3においては、本発明を実施した期間中の3月6日時点において、竹チップを用いて収穫した筍7と中国産の筍8が八百屋の店頭に並べられた様子を示す。尚、国内産筍の発生が例年になく遅れ、店頭には出回っていなかった。
以下、上記構成の動作を説明する。本発明では竹チップ6の製造に株式会社大橋製のGS122GB自走式樹木粉砕機(以下粉砕機)を使用した。竹林内に樹木粉砕機を自走して持ち込み、放置竹林内で筍3の成長に必要のない孟宗竹の若竹、竹皮、親竹、枯竹を粉砕機で破砕し、竹チップ6化する。
粉砕機で竹チップ6大きさを決めるフィルターは20mm×40mmのフィルターを使用した。粉砕機を用いて、竹をチップ状にする場合と、パウダー状にする場合があるが、パウダー状ではなくチップ状の状態で散布する。
本発明で使用した竹チップ6とは、粉砕機を用いて竹を粉砕する場合は、粉状となった竹が混じってもよいが、主要形態として破砕した竹の形状の長辺が10mm以上の大きさを含むチップ状のものを指す。
パウダー状の場合、積層した後に雨などが降ると表面が土のように硬くなり、地下茎への酸欠が懸念される。
また、粉砕機を用いて竹をパウダー状にする際に、竹の幹の中に水がたまっていると竹パウダーと水が混じることで粘土状態になり粉砕機からパウダーが出るのに時間がかかる。パウダーに比べ、竹チップ6の方が時間あたりに粉砕する量が多いことや、発酵過程や、その後の筍3の探しやすさななど、竹パウダーよりも竹チップ6の方が優れているといえる。
11月頃に竹林内で粉砕機を用いて上記竹チップ6の原料を粉砕する。粉砕した竹チップ6は土壌3から林地内に20〜40cmの厚みで堆積させる。斜面などの傾斜地は竹を切り倒し、土止を作り、その上に竹チップ6を積み上げる。斜面上部は竹チップ6が薄くなるが、できるだけ平らな形状になるようにする。竹チップ6を一度に林地内に積層させるのは困難である。積層させる時期は11月から2月末の間に行うことで積層後の時間経過と共に筍3が成長することもわかった。
竹チップ6は土に比べて軽い為、平らにしくことで安定する。
竹チップ6のみを散布すると窒素不足となる恐れがある為、堆肥や油粕を適宜補充し、隙鍬で混ぜ込むとより良い。
粉砕機を用いて竹チップ6を生産する際は、枯れ竹以外にも林地内に伐採できる竹があれば竹チップ6の原料として混ぜ合せる。枯れ竹に親竹や1、2年生の若竹を一定程度混入させると、竹チップ6の発酵が進み、熱が発生しやすい。
積層させた竹チップ6は特に冬場は乾燥が進む。近くに水源があれば、水を竹チップ6の上に撒く。散水しても、竹チップ6には多くの油分を含んでいるため、水をはじく。隙鍬を使用して、竹チップ6を天地返しして混ぜることでより竹チップ6内に水分が浸透する。
竹チップ6への散水は、竹林内の乾燥も防ぐが、合わせて水を加えることで竹チップ6を散布した初期段階では竹チップ6の発酵も進み、水分は地下茎1から吸い上げられ、筍3の成長も促す。
竹チップ6を天地返しした後も表面をなるべく平らにしておき、経過を待つ。
竹チップ6内で筍3や地下茎1の変化がある場合、チップが盛り上がり、チップの表面に割れ目が見える。チップを手、もしくは隙鍬で竹チップを除ける7と筍8を発見することができる。もしくは、時々隙鍬や足で竹チップを除ける7と筍8を発見できる。
1月から3月初旬の間で竹チップ6を除けて筍8を確認する際、直射日光に当たらないように確認する。直射日光を浴びると筍8が黒く変色し始め、えぐ味を増し、品質が低下する。
竹チップを除けて7筍3を確認する場合、筍3の頂上部にある生長点5を傷つけてはならない。生長点5を傷つけてしまうと筍3の成長が弱まったり、止まってしまうことがある。掘り起こした筍3が小さい場合や筍3の出荷の予定が無い場合は再度竹チップ6を戻し、筍3は成長させることができる。
時期の早い筍を収穫する場合は、付加価値も高い筍3であるため、チップ下にある土壌を10cm〜20cm程度掘り起こし、地下茎1と筍3との節4からの接合部分を切り離す。これにより、筍3の呼吸を最小限に抑え、甘味成分のグルコースや旨味成分であるアミノ酸の中にあるチロシンが、エグ味成分のホモゲンチジン酸に変わるのを抑制する。
竹チップ6を除けて、筍8を収穫した後の掘り起こした個所には、竹チップ6と堆肥を合せて埋め戻しておくと、次の節4に付いている筍3の生長を促進させる。
筍収穫後の竹林内では、5年目以降の親竹や形状の悪い筍は次年度以降の竹チップ6の原料として取っておく。
夏場の施肥を終えたら、11月から粉砕機を用いて竹林内に竹チップ6を散布し、次年度以降の筍3の収穫に備える。
本発明を実施した2017年は国産の筍3の発生が遅れ、春を訪れる筍3の不足が新聞報道等でも取り上げられた。市場では国産筍が出回らず、八百屋の店頭には中国産の筍9が僅かながら店頭に陳列された。同時に本発明の筍8も商品展示されているが大きさの違いが判る。
2016年9月より着工。場所は静岡県静岡市清水区内の竹林にて実施。竹林の面積は8800m中、約3000mを整備、本発明の実施をおこなった。
粉砕機は株式会社大橋製のGS122GB自走式樹木粉砕機(以下粉砕機)を使用した。粉砕のチップサイズを決めるフィルターは20mm×40mmを使用した。粉砕機の導入期間は11月17日から2月27日まで、使用日数は46日、1日稼働時間は平均4時間であった。
実施地は放置竹林であり、人が入れないほど、枯れ竹や親竹が込み合っていた。それら竹をチェンソー及び竹専用鋸で切り倒す。切り倒した竹の枝葉は払わず、倒れた竹の根元から、粉砕機の投入部分に入れていった。
粉砕機は自走して林地内に入り、竹の粉砕をおこなった。竹林内の地表面は凹凸があるので、粉砕機が自走できないところや、竹チップを積層する際、窪地など竹チップが入り過ぎてしまうようなところはツルハシで地表面を整備した。整備した後に粉砕機で粉砕した竹チップを地表面に積層した。
積層した竹チップの厚みは斜面や窪地などを考慮しても20cmから40cmの範囲が最も広い。
斜面では、切り倒した竹を、生えている竹の斜面上側に、横にして倒して壁を作る。そこに枯れ葉など詰め、その上から破砕した竹チップを積層していった。
積層した竹チップのサイズは長辺が10mm以上の竹チップを含み、竹チップのサイズは均一ではない。
放置竹林内においては、一度に竹チップを竹林内に積層することは出来ない。ただし、最初の11月17日に竹チップを積層した竹林正面部分においては、積層から40日ほど経過した1月3日、竹チップ表面の盛り上がりを確認し、竹チップを除けると筍が育っていることが確認できた。筍を収穫し計量すると1300gであった。
同時期に竹チップを積層していない地表面を掘り起こしてみたが、100g〜200g程度の筍を数本発見した程度であった。明らかに竹チップの効果があることが確認することができた。
その後も粉砕機で放置竹林の竹を切り倒し、破砕しながら、竹チップを20〜40cmの厚さで積層していった。しばらく時間が経過した場所を隙鍬や足で竹チップを除けると国産筍が品薄で出回っていない時期に1000g以上の筍を何本も収穫した。
竹チップを積層させた厚みだが、10cm以下では筍が竹チップ効果により早期に成長した形跡はみられなかった。また、竹チップが10cm以下だと雑草が筍の生育より早くチップ表面より芽を出し、効率的な収穫の妨げになる。
積層する竹チップが逆に40cm以上だと筍が肥大化する前に長伸してしまい、高品質の筍とはならなかった。
日本国内に広がる孟宗竹は260年ほど前に中国より輸入され、当時は税として米を治めていた農民が現金収入を得る為に、裏山に孟宗竹の根を植えて筍の収穫や竹細工など加工品を作り、現金収入の源として利用されていた。
一方、年月が過ぎ、竹細工は石油製品に代わり、食用筍は安価な中国産のたけのこが輸入され、現金収入としての魅力のなくなった竹林は拡大の一途を辿っている。その結果、人の手が入らなくなった竹林は植樹林、雑木林、畑や果樹園などの土地を侵食していった。また、竹は地下茎が浅い為、密集した状況下では暴風や大雨などの自然災害時の土砂崩れの恐れ、枯竹が倒れ道路を塞ぐなど近隣住民へも被害を及ぼしている。更には日の差仕込まない放置竹林は動植物や生態系へも影響を与えている。
日本国内の放任竹林の面積は全国41万ヘクタールと国内の農地の耕地面積の1割に匹敵する規模となっており、放置竹林は地域における課題となっている。
一方、放置竹林の最善の対応策は筍を収穫することとされているが、国産筍の発生は年間を通じてその多くが僅か1ヶ月ほどの短期間に集中し、収穫し市場に出回る。その頃には供給が飽和状態となり、市場での単価は下がってしまう。
本発明が適している場所は全国で拡大する放置竹林であり、放置竹林問題を解決しながら付加価値の高い筍を収穫できる栽培方法である。放置竹林とは、枯れた竹と合わせて無数の親竹が存在する竹林である。この放置竹林には竹チップの原材料が多く存在し、原材料が安易に確保できる。一方で、整備されている経済的な筍園では既に不必要な竹は処理されていることが多い。本発明である竹チップ農法は竹チップの原材料である竹が多く存在する放置竹林の方が有利である。
本発明の竹チップ農法では、放置竹林対策としても効果が見込めることに加え、希少価値の高い筍を生産できることから産業上の利用可能性も高いと考える。
1 竹地下茎
2 筍
3 元の土壌
4 地下茎と筍の接続箇所
5 筍の成長点
6 竹チップ
7 竹チップを除けた状況
8 竹チップの下から収穫された筍
9 中国産の筍

Claims (3)

  1. 竹林内において、地表上に積層させる竹チップの製造工程と竹チップの積層工程と育成した筍の収穫工程を備える筍の育成収穫方法。
  2. 前記、竹チップ製造工程は、粉砕された竹の長辺が10mm以上のもの含むことを特徴とする請求項1記載の筍の育成収穫方法。
  3. 前記、積層工程は筍の栽培方法において、竹林内の地表面に積層させる竹チップの厚さを10cmから40cmを特徴とする請求項1または請求項2記載の筍の育成収穫方法。
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