JP2019062645A - 非接触給電装置および非接触給電システム - Google Patents

非接触給電装置および非接触給電システム Download PDF

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Abstract

【課題】回路構成を複雑化、大規模化することなく、貫通電流によるインバータ回路のスイッチング素子の破壊を防ぐことが可能な非接触給電装置および非接触給電システムを提供する。【解決手段】非接触給電装置2は、1次コイルL1と2次コイルL2との電磁誘導により非接触受電装置3に給電を行う際に、電圧計25により1次側共振回路24に印加される1次側電圧Vtを測定し、電流計26により1次側共振回路24に流れる1次側電流Itを測定する。判定部27は、1次側電圧Vtに対する1次側電流Itの位相に基づいて、インバータ回路22から見た1次側共振回路24側の負荷側インピーダンスを判定する。制御部28は、負荷側インピーダンスが容量性である場合には、1次コイルL1と2次コイルL2との距離が設計距離未満となるので、非接触受電装置3への給電を停止させる。【選択図】図2

Description

本発明は、1次コイルと2次コイルとの電磁誘導により非接触で電力を供給する非接触給電装置及び非接触給電システムに関する。
コイル間の電磁誘導などを利用して非接触で電力の供給を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術を利用した電磁誘導方式の非接触給電システムでは、非接触給電装置に搭載された1次コイルと、非接触受電装置に搭載された2次コイルとを近接配置した状態で1次コイルに共振周波数の交流電力を供給することにより、1次コイルで磁界を発生させ、この磁界による電磁誘導によって2次コイルに発生した起電力を用いて、非接触受電装置に接続された負荷に電力を供給する。
このような電磁誘導方式のうち、一次直列二次並列コンデンサ方式(S−P方式ともいう)では、1次コイルにコンデンサを直列に接続して1次側共振回路を構成し、2次コイルにはコンデンサを並列に接続して2次側共振回路を構成している。2次側のコンデンサは、2次コイルと共振周波数(送電周波数)とから一意に求められるが、1次側のコンデンサは、コイル間の設計距離(所定距離)に応じた最適な値が用いられる。
1次コイルに供給する交流電力の生成には、インバータ回路が用いられる。インバータ回路には、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)などのスイッチング素子を2つ用いたハーフブリッジ回路や、4つのスイッチング素子を利用したフルブリッジ回路がある。インバータ回路は、これらのスイッチング素子のスイッチング動作により、直流電流から任意の周波数の交流電力を生成して1次コイルに印加する。
特開2012−130173号公報
上述した非接触給電システムを例えば電気自動車に搭載された電池の充電に用いる場合、非接触受電装置が搭載された電気自動車を非接触給電装置に対して所定位置に停車して充電を行うことになる。しかしながら、電気自動車の停車位置のずれによって1次コイルと2次コイルとの距離が変動し、1次コイルと2次コイルとの距離が設計距離よりも近くなった場合に、インバータ回路のスイッチング素子に貫通電流が流れて破壊されることがあった。
特許文献1に記載の非接触給電装置では、1次側共振回路にコンデンサの静電容量や、1次コイルのインダクタンスなどを切り替える回路を設けておき、1次コイルにかかる電圧と1次コイルに流れる電流とから求められる力率が変化して、1次コイルと2次コイルとの相対位置が変化したことが検出された場合には、切替回路を作動させて力率を調整している。しかしながら、特許文献1では、コンデンサの静電容量や1次コイルのインダクタンスなどを切り替える切替回路が必要になるなど、回路構成が複雑、大規模になってしまう。また、特許文献1には、貫通電流によるFETの破壊については何ら記載がない。
そこで本発明は、回路構成を複雑化、大規模化することなく、貫通電流によるインバータ回路のスイッチング素子の破壊を防ぐことが可能な非接触給電装置および非接触給電システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、2次コイルを含む2次側共振回路を備える非接触受電装置に対し、電磁誘導により非接触で交流電力を供給する非接触給電装置であって、前記2次コイルとの電磁誘導により交流電力を供給するための磁界を発生する1次コイルを含む1次側共振回路と、複数個のスイッチング素子により交流電力を生成して前記1次側共振回路に供給するインバータ回路と、前記1次側共振回路にかかる1次側電圧を測定する電圧測定手段と、前記1次側共振回路に流れる1次側電流を測定する電流測定手段と、前記1次側電圧に対する前記1次側電流の位相に基づいて、前記インバータ回路から見た前記1次側共振回路側のインピーダンスが誘導性であるか、あるいは容量性であるかを判定する判定手段と、前記判定手段により前記インピーダンスが容量性と判定された場合に、前記非接触受電装置への給電を停止させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
発明者は、インバータ回路から見た1次側共振回路側、すなわち、インバータ回路から見た負荷側のインピーダンスが、コイル間距離が設計距離かそれ以上のときにリアクタンス成分がプラス側の範囲になって誘導性となり、コイル間距離が設計距離よりも近くなるとリアクタンス成分がマイナス側にシフトし誘導性から容量性に変化することに着目し、インバータ回路では、容量性負荷の場合に、スイッチング素子であるFETをオフしたときにボディダイオードに順方向電流が流れ、そこに電圧が係るとFETがオフであるにも関わらず逆方向に貫通電流が流れて大きな損失が発生し、貫通電流が大きい場合にFETが破壊されることを突き止めた。そのため、請求項1に記載の発明では、1次側共振回路にかかる1次側電圧と、1次側共振回路に流れる1次側電流とを電圧測定手段および電流測定手段によって測定し、判定手段により、インバータ回路から見た1次側共振回路側のインピーダンスが誘導性であるか、あるいは容量性であるかを判定する。そして、制御手段では、インピーダンスが容量性と判定された場合に、非接触受電装置への給電を停止させる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の非接触給電装置であって、前記判定手段は、前記1次側電圧が立ち下がり方向で0Vになったときの前記1次側電流の値が予め設定された基準値以上である場合に前記インピーダンスを誘導性と判定し、前記1次側電流の値が前記基準値未満である場合に前記インピーダンスを容量性と判定する、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の非接触給電装置であって、前記判定手段は、前記1次側電圧が立ち上がり方向で0Vになったときの前記1次側電流の値が予め設定された基準値以下である場合に前記インピーダンスを誘導性と判定し、前記1次側電流の値が前記基準値より大きい場合に前記インピーダンスを容量性と判定する、ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の非接触給電装置であって、前記判定手段は、前記1次側電流のゼロクロス点が前記1次側電圧のゼロクロス点よりも進んでいる場合に前記インピーダンスを容量性と判定し、前記1次側電流のゼロクロス点が前記1次側電圧のゼロクロス点よりも遅れている場合に前記インピーダンスを誘導性と判定する、ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の非接触給電装置と、2次コイルを含む2次側共振回路を備え、前記1次コイルと前記2次コイルとの電磁誘導により前記非接触給電装置から供給された前記交流電力を受電して、負荷に供給する非接触受電装置と、を備えることを特徴とする非接触給電システムである。
請求項1、5に記載の発明によれば、1次側共振回路の1次側電圧に対する1次側電流の位相に基づいて、インバータ回路から見た1次側共振回路側のインピーダンスが誘導性と容量性のいずれであるか、すなわち、1次コイルと2次コイルとの距離が所定距離であるか否かを判定することができる。したがって、給電動作中に任意のタイミングで1次コイルと2次コイルとの距離を判定することが可能となる。また、インバータ回路から見た1次側共振回路側のインピーダンスが容量性と判定された場合、すなわち、1次コイルと2次コイルとの距離が予め設定された所定距離よりも近いと判定された場合には、非接触受電装置への給電を停止させるので、1次コイルと2次コイルとの距離が所定距離よりも近い状態で給電が続けられるのを防ぐことができる。したがって、貫通電流によってインバータ回路の出力に大きな損失が発生し、スイッチング素子が破壊されるのを防ぐことが可能である。
請求項2、3、4に記載の発明によれば、1次側電圧が0Vになったときの1次側電流の値や、1次側電圧のゼロクロス点に対する1次側電流のゼロクロス点の進み具合など、比較的簡単な1次側電流の監視で負荷側インピーダンスが誘導性か容量性かを判定することができるので、適用が容易である。また、種々の観点から負荷側インピーダンスが誘導性と容量性のいずれであるか、すなわち、1次コイルと2次コイルとの距離が所定距離であるか否かを判定することができるので、非接触給電装置および非接触給電システムの設計自由度が高くなり、適用が容易となる。
この発明の実施の形態に係る非接触給電システムの概略を示す機能ブロック図である。 図1の非接触給電システムの一部の構成を示す回路図である。 コイル間が設計距離の際のハイ側スイッチング素子のドレーン・ソース間電圧(a)と、電流(b)とを示す波形図である。 コイル間が設計距離の際のロー側スイッチング素子のドレーン・ソース間電圧(a)と、電流(b)と、損失(c)とを示す波形図である。 コイル間が設計距離未満の際のハイ側スイッチング素子のドレーン・ソース間電圧(a)と、電流(b)とを示す波形図である。 コイル間が設計距離未満の際のロー側スイッチング素子のドレーン・ソース間電圧(a)と、電流(b)と、損失(c)とを示す波形図である。 実施の形態1に係り、コイル間が設計距離の際の1次側電流値(a)と、コイル間が設計距離未満の際の1次側電流値(b)とを示す波形図である。 インバータ回路の貫通電流を防止するための処理手順を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る負荷側インピーダンスの判定手順を示すフローチャートである。 実施の形態2に係り、コイル間が設計距離の際のゼロクロス点(a)と、コイル間が設計距離未満の際のゼロクロス点(b)とを示す波形図である。 実施の形態2に係る負荷側インピーダンスの判定手順を示すフローチャートである。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1ないし図9は、この発明の実施の形態に係る非接触給電システム1を示し、図1は、非接触給電システム1の概略を示す機能ブロック図である。この非接触給電システム1は、1次コイルL1(図2参照)を備えた非接触給電装置2から、2次コイルL2(図2参照)を備えた非接触受電装置3に対し、1次コイルL1と2次コイルL2との電磁誘導により非接触で交流電力を供給するシステムである。
非接触給電装置2は、主として電源21と、インバータ回路22と、整合回路23と、1次側共振回路24と、電圧計(電圧測定手段)25と、電流計(電流測定手段)26と、判定部(判定手段)27と、制御部(制御手段)28とを備えている。
電源21は、例えば100Vまたは200Vの商用電源(図示せず)と、交流電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータ(図示せず)と、直流電力の電圧を調整するDC/DCコンバータ(図示せず)とを備える。
インバータ回路22は、電源21から入力される直流電力を任意の周波数の交流電力に変換して整合回路23に出力する。このインバータ回路22は、例えば、単相フルブリッジ型のインバータ回路であり、4個のスイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4(図2参照)を備えている。スイッチング素子Q1〜Q4としては、例えば、MOSFETが用いられる。なお、インバータ回路22の構成は、フルブリッジ型に限定されず、ハーフブリッジ型でもよい。整合回路23は、インバータ回路22のインピーダンスと、1次側共振回路24のインピーダンスとを合わせるインピーダンス整合を行う。
1次側共振回路24は、非接触受電装置3との電磁誘導により非接触で送電する。1次側共振回路24は、1次コイルL1と、コンデンサC1(図2参照)とが直列に接続された直列共振回路である。1次コイルL1は、インバータ回路22から入力された交流電力により磁界を発生させ、この磁界により非接触受電装置3の2次コイルL2との間で電磁誘導を生じさせる。コンデンサC1は、1次コイルL1と2次コイルL2との設計距離(所定距離)に応じた最適な値に設定されている。
電圧計25は、1次側共振回路24と並列に接続されており、1次側共振回路24にかかる1次側電圧を測定する。測定結果は、判定部27に入力される。電流計26は、インバータ回路22と1次側共振回路24との間に接続されており、1次側共振回路24に流れる1次側電流を測定する。測定結果は、判定部27に入力される。
判定部27は、1次側電圧に対する1次側電流の位相に基づいて、インバータ回路22から見た1次側共振回路24側、すなわちインバータ回路22から見た負荷側のインピーダンス(以下、負荷側インピーダンスという)が誘導性であるか、あるいは容量性であるかを判定する。負荷側インピーダンスは、1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離のときにリアクタンス成分がゼロになって誘導性となり、コイル間距離が設計距離よりも近くなるとリアクタンス成分が大きくなって誘導性から容量性に変化する。したがって、判定部27で負荷側インピーダンスの変化を特定することにより、1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離を特定することができる。
制御部28は、判定部27により負荷側インピーダンスが容量性と判定された場合に、インバータ回路22のスイッチング素子の動作を停止させて非接触受電装置3の給電を停止する。これにより、1次コイルL1と2次コイルL2との距離が設計距離よりも近い状態で給電が続けられないようにして、貫通電流によるインバータ回路22の損失と、スイッチング素子の破壊とを防止する。判定部27および制御部28は、例えば、CPUと、CPUの動作プログラムを記憶したメモリとを備えたマイクロコンピュータによって構成されている。
非接触受電装置3は、主として2次側共振回路31と、整合回路32と、整流回路33と、DC/DCコンバータ34と、負荷35とを備えている。
2次側共振回路31は、非接触給電装置2との電磁誘導により非接触で給電される。2次側共振回路31は、2次コイルL2と、コンデンサC2(図2参照)とが並列に接続された並列共振回路である。2次コイルL2は、1次コイルL1との電磁誘導によって生じた起電力によって交流電力を生成し、整合回路32に出力する。整合回路32は、2次側共振回路31のインピーダンスと、整流回路33のインピーダンスとを合わせるインピーダンス整合を行う。
整流回路33は、受電した交流電力を整流して直流電力としてDC/DCコンバータ34に供給する。DC/DCコンバータ34は、直流電力の電圧を調整して負荷35に供給する。負荷35は、DC/DCコンバータ34から供給された直流電力により動作する装置である。
図2は、非接触給電システム1の構成の一部を示す回路図であり、非接触給電装置2として、インバータ回路22と、1次側共振回路24と、電圧計25と、電流計26と、判定部27と、制御部28とを図示している。なお、図面の煩雑化を避けるため、電源11は、インバータ回路22内に2つの電源21a、21bとして図示し、整合回路23の図示は省略している。また、非接触受電装置3として、2次側共振回路31のみを図示している。
インバータ回路22は、4個のスイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4を備えたフルブリッジ型であり、ハイ側のスイッチング素子Q1と、ロー側のスイッチング素子Q2とがレグAを構成し、ハイ側のスイッチング素子Q3と、ロー側のスイッチング素子Q4とがレグBを構成し、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q4とが同じタイミングで動作し、スイッチング素子Q2とスイッチング素子Q3とが同じタイミングで動作する。
1次側共振回路24は、一端がインバータ回路22のスイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との間に接続され、他端がスイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4との間に接続されている。電圧計25は、1次側共振回路24と並列に接続されて1次側共振回路24にかかる1次側電圧を測定し、測定結果を判定部27に入力する。電流計26は、インバータ回路22と1次側共振回路24との間に接続されて1次側共振回路24に流れる1次側電流を測定し、測定結果を判定部27に入力する。
判定部27は、1次側電圧に対する1次側電流の位相に基づいて、負荷側インピーダンスが誘導性であるか、あるいは容量性であるかを判定し、その判定結果を制御部28に入力する。制御部28は、判定部27により負荷側インピーダンスが容量性と判定された場合に、インバータ回路22のスイッチング素子の動作を停止させて非接触受電装置3への給電を停止する。
図3(a)、(b)は、1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離であるときのハイ側のスイッチング素子Q1のドレーン・ソース間電圧VQ1と、スイッチング素子Q1に流れる電流IQ1を示している。また、図4(a)、(b)、(c)は、同じく1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離であるときのロー側のスイッチング素子Q2のドレーン・ソース間電圧VQ2と、スイッチング素子Q2に流れる電流IQ2と、スイッチング素子Q2に生じる損失WQ2とを示している。なお、詳しくは図示しないが、スイッチング素子Q3、Q4のドレーン・ソース間電圧VQ3、VQ4と、電流IQ3、IQ4と、スイッチング素子Q4の損失WQ4もスイッチング素子Q1、Q2と同様の値となる。
これらのグラフから分かるように、1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離であるときには、インバータ回路22から見た負荷側インピーダンスは誘導性となるので、スイッチング素子Q1〜Q4には貫通電流は流れず、大きな損失も発生しない。
これに対し、図5(a)、(b)は、1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離未満であるときのハイ側のスイッチング素子Q1のドレーン・ソース間電圧VQ1aと、スイッチング素子Q1に流れる電流IQ1aを示している。また、図6(a)、(b)、(c)は、同じく1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離未満であるときのロー側のスイッチング素子Q2のドレーン・ソース間電圧VQ2aと、スイッチング素子Q2に流れる電流IQ2aと、スイッチング素子Q2に生じる損失WQ2aとを示している。なお、詳しくは図示しないが、スイッチング素子Q3、Q4のドレーン・ソース間電圧VQ3a、VQ4aと、電流IQ3a、IQ4aと、スイッチング素子Q4aの損失WQ4aもスイッチング素子Q1、Q2と同様の値となる。
これらのグラフから分かるように、1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離未満であるときには、インバータ回路22から見た負荷側インピーダンスは容量性となるので、スイッチング素子Q1〜Q4に大きな貫通電流Fが流れてしまい、損失も大きくなる。この貫通電流Fが大きくなると、スイッチング素子が破壊されてしまう。
図7(a)は、1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離であるときに1次側共振回路24にかかる1次側電圧Vtと、1次側共振回路24に流れる1次側電流Itとを示している。これに対し、図7(b)は、1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離未満であるときに1次側共振回路24にかかる1次側電圧Vtaと、1次側共振回路24に流れる1次側電流Itaとを示している。
これらのグラフから分かるように、コイル間距離が設計距離であるとき、すなわち、インバータ回路22から見た負荷側インピーダンスが誘導性のときには、1次側電圧Vtが立ち下がり方向で0Vになるときの電流値It1が0A(予め設定された基準値)以上、すなわちプラス側の範囲となり、コイル間距離が遠くなるほど高くなる。これに対し、コイル間距離が設計距離未満であるとき、すなわち、インバータ回路22から見た負荷側インピーダンスが容量性のときには、1次側電圧Vtaが立ち下がり方向で0Vになるときの電流値Ita1が0A未満、すなわちマイナス側にシフトし、電流値It1は、コイル間距離が近くなるほどマイナス側になる。
したがって、判定部27は、1次側電圧Vtが立ち下がり方向で0Vになるときの1次側電流Itの電流値It1と、予め設定された基準値(例えば、0A)とを比較することにより、負荷側インピーダンスが誘導性と容量性とのいずれであるか、すなわち1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離であるか否かを判定する。なお、基準値は、0Aに限定されず、1次コイルL1と1次コイルL2との設計距離や、共振周波数などに応じて適宜最適な値が適当される。
次に、本実施の形態の作用について、図8のフローチャートに基づいて説明する。電圧計25および電流計26は、非接触給電装置2から非接触受電装置3への電力供給が開始されると、1次側共振回路24にかかる1次側電圧Vtと、1次側共振回路24に流れる1次側電流Itとを測定し、測定結果を判定部27に入力する(ステップS1)。判定部27は、所定の時間間隔で起動して、インバータ回路22から見た負荷側インピーダンスが誘導性か、あるいは容量性かの判定を行う(ステップS2)。
この負荷側インピーダンスの判定は、図9のフローチャートに示すように、1次側電圧Vtが0Vのときの1次側電流の電流値It1を検出し(ステップ21)、検出した電流値It1と、予め設定された基準値(例えば、0A)とを比較する(ステップ22)。そして、電流値It1が基準値以上である場合には(ステップS22でYES)、負荷側インピーダンスが誘導性、すなわち1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離であると判定する(ステップS23)。これに対し、電流値It1が基準値未満である場合には(ステップS22でNO)、負荷側インピーダンスが容量性、すなわち1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離未満であると判定する(ステップS24)。
図8のフローチャートに示すように、負荷側インピーダンスが誘導性、すなわち1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離である場合には(ステップS3でYES)、制御部28はインバータ回路22の動作状態を継続させる。これに対し、負荷側インピーダンスが容量性、すなわち1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離未満である場合には(ステップS3でNO)、制御部28は、インバータ回路22の各スイッチング素子Q1〜Q4の動作を停止させ、非接触給電装置3への給電を停止させる(ステップS4)。
以上で説明したように、本実施の形態によれば、1次側共振回路24の1次側電圧Vtに対する1次側電流Itの位相に基づいて、インバータ回路22から見た1次側共振回路24側のインピーダンスである負荷側インピーダンスが誘導性と容量性のいずれであるか、すなわち、1次コイルL1と2次コイルL2との距離が設計距離であるか否かを判定することができる。したがって、給電動作中に任意のタイミングで1次コイルL1と2次コイルL2との距離を判定することが可能となる。また、インバータ回路22から見た負荷側インピーダンスが容量性と判定された場合、すなわち、1次コイルL1と2次コイルL2との距離が設計距離よりも近いと判定された場合には、非接触受電装置3への給電を停止させるので、1次コイルL1と2次コイルL2との距離が設計距離よりも近い状態で給電が続けられるのを防ぐことができる。したがって、貫通電流Fによってインバータ回路22の出力に大きな損失が発生し、スイッチング素子Q1〜Q4が破壊されるのを防ぐことが可能である。
また、1次側電圧Vtが0Vになったときの1次側電流Itの電流値It1と、予め設定された基準値との比較という簡単な処理で負荷側インピーダンスが誘導性か容量成果を判定することができるので、適用が容易である。
(実施の形態2)
図10は、この実施の形態に係る1次側共振回路24にかかる1次側電圧Vtと、1次側共振回路24に流れる1次側電流Itとを示すグラフである。より具体的には、同図(a)は、1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離であるときに1次側共振回路24にかかる1次側電圧Vtと、1次側共振回路24に流れる1次側電流Itとを示し、同図(b)は、1次コイルL1と2次コイルL2とのコイル間距離が設計距離未満であるときに1次側共振回路24にかかる1次側電圧Vtaと、1次側共振回路24に流れる1次側電流Itaとを示している。
この実施の形態における負荷側インピーダンスの判定は、図11のフローチャートに示すように、判定部27により1次側電流Itのゼロクロス点Ziと、1次側電圧Vtのゼロクロス点Zvとを検出し(ステップS21a)、図10(a)のように、1次側電流Itのゼロクロス点Ziが1次側電圧Vtのゼロクロス点Zvよりも遅れている(遅相)場合(ステップS22aでYES)、負荷側インピーダンスが誘導性であると判定する(ステップS23a)。また、判定部27は、図10(b)のように、1次側電流Itaのゼロクロス点Ziが1次側電圧Vtのゼロクロス点Zvよりも進んでいる(進相)場合(ステップS22aでNO)には、負荷側インピーダンスが容量性であると判定する(ステップS24a)。
このように、1次側電流Itのゼロクロス点Ziと、1次側電圧Vtのゼロクロス点Zvとの比較という簡単な処理で負荷側インピーダンスが誘導性か容量成果を判定することができるので、適用が容易である。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態1では、1次側電圧Vtが立ち下がり方向で0Vになるときの電流値It1に基づいて判断するように説明したが、1次側電圧Vtが立ち上がり方向で0Vになるときの電流値It1に基づいて判断してもよい。この場合、立ち下がり方向で判断するのとは逆に、1次側電圧Vtが立ち上がり方向で0Vになるときの電流値It1が0A(予め設定された基準値)以下、すなわち0Aを含むマイナス側の範囲である場合に誘導性と判定し、1次側電圧Vtaが立ち上がり方向で0Vになるときの電流値Ita1が0Aより大きい場合、すなわちプラス側にシフトした場合に容量性と判定する。
1 非接触給電システム
2 非接触給電装置
21 電源
22 インバータ回路
24 1次側共振回路
25 電圧計(電圧測定手段)
26 電流計(電流測定手段)
27 判定部(判定手段)
28 制御部(制御手段)
3 非接触受電装置
31 2次側共振回路
C1、C2 コンデンサ
L1 1次側コイル
L2 2次側コイル
Q1〜Q4 スイッチング素子

Claims (5)

  1. 2次コイルを含む2次側共振回路を備える非接触受電装置に対し、電磁誘導により非接触で交流電力を供給する非接触給電装置であって、
    前記2次コイルとの電磁誘導により交流電力を供給するための磁界を発生する1次コイルを含む1次側共振回路と、
    複数個のスイッチング素子により交流電力を生成して前記1次側共振回路に供給するインバータ回路と、
    前記1次側共振回路にかかる1次側電圧を測定する電圧測定手段と、
    前記1次側共振回路に流れる1次側電流を測定する電流測定手段と、
    前記1次側電圧に対する前記1次側電流の位相に基づいて、前記インバータ回路から見た前記1次側共振回路側のインピーダンスが誘導性であるか、あるいは容量性であるかを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記インピーダンスが容量性と判定された場合に、前記非接触受電装置への給電を停止させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする非接触給電装置。
  2. 前記判定手段は、前記1次側電圧が立ち下がり方向で0Vになったときの前記1次側電流の値が予め設定された基準値以上である場合に前記インピーダンスを誘導性と判定し、前記1次側電流の値が前記基準値未満である場合に前記インピーダンスを容量性と判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触給電装置。
  3. 前記判定手段は、前記1次側電圧が立ち上がり方向で0Vになったときの前記1次側電流の値が予め設定された基準値以下である場合に前記インピーダンスを誘導性と判定し、前記1次側電流の値が前記基準値より大きい場合に前記インピーダンスを容量性と判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触給電装置。
  4. 前記判定手段は、前記1次側電流のゼロクロス点が前記1次側電圧のゼロクロス点よりも進んでいる場合に前記インピーダンスを容量性と判定し、前記1次側電流のゼロクロス点が前記1次側電圧のゼロクロス点よりも遅れている場合に前記インピーダンスを誘導性と判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の非接触給電装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の非接触給電装置と、
    2次コイルを含む2次側共振回路を備え、前記1次コイルと前記2次コイルとの電磁誘導により前記非接触給電装置から供給された前記交流電力を受電して、負荷に供給する非接触受電装置と、
    を備えることを特徴とする非接触給電システム。
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