JP2019060173A - 耐火被覆材の吹付用治具、及び耐火被覆材の吹付方法 - Google Patents
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Abstract
Description
上記の従来技術においては、梁に対してノズルを対面させた状態で、梁の吹付け面に平行にノズルを移動させて吹付けを行っている。
そのため、躯体に対してノズルを対面させた状態で耐火被覆材の吹付けを行うと、躯体の貫通孔の内面に付着する耐火被覆材の厚みが、貫通孔の周囲の平坦部に付着する耐火被覆材の厚みよりも薄くなってしまい、規定の厚みに達しないことがある。
こうすることで、建物の躯体に形成された貫通孔の大きさに依らず、貫通孔の内面に耐火被覆材の吹付用治具を取り付けることができる。
こうすることで、羽根部材の間に隙間が生じにくくなることで、貫通孔の内面の周方向に均等に耐火被覆材を形成しやすくなる。
こうすることで、貫通孔の内面の軸方向について、均等に耐火被覆材を形成しやすくなる。
こうすることで、建物の躯体に形成された貫通孔に吹付用治具を残さないように耐火被覆材を吹き付けることができる。これにより、吹付用治具を繰り返し使用することができる。
まず、図1を参照しながら、耐火被覆材の吹付対象となる建物の躯体1の構成について説明する。図1は、建物の躯体1の斜視図である。建物の躯体1は、例えば住宅の建築構造を支える骨組みにあたる部分である。
そして、梁3は、上端と下端に設けられるフランジ3Aと、上端と下端のフランジ3Aを連結するウェブ3Bを備える。
なお、本実施形態において、梁3の縦断面におけるフランジ3Aの延出方向を前後方向とし、ウェブ3Bの延出方向を上下方向とする。また、本実施形態において、前方向から後方向に梁3を眺める側を正面、後方向から前方向に梁3を眺める側を裏面とする。
図2乃至図7を参照しながら、吹付用治具10の構成について説明する。図2乃至図7の各図の概要は以下の通りである。
図2は、吹付用治具10の正面図である。
図3は、吹付用治具10の上面図である。
図4は、吹付用治具10の部分拡大図である。
図5は、吹付用治具10を湾曲させた状態の部分拡大図である。
図6は、梁3の貫通孔4の内面4Aに吹付用治具10を取り付けた状態を示す図である。
図7は、図6のVII-VII断面図である。
基部11は、長尺状のシート部材である。基部11は、例えばグラスウール等の耐熱材料からなるシートとして構成されてもよいし、アルミ等の金属製の薄板として構成されてもよい。
羽根部材12Aは、例えばグラスウール等の耐熱材料から構成されてもよいし、アルミ等の金属製の薄板として構成されてもよい。
例えば、羽根部材12Aは基部11に対して、接着剤や、耐熱性の粘着テープ等により取り付けることとしてよい。
なお、本実施形態では、図3に示されるように、複数の羽根部材12Aは、基部11の短手方向の中央部に設けられている。すなわち、吹付用治具10は、断面がT字状に構成される。
なお、吹付用治具10の基部11が金属製である場合には、溶接により基部11を貫通孔4の内面4Aに接合してもよい。
次に、図8及び図9を参照しながら、梁3に形成された貫通孔4への耐火被覆材の吹付方法について説明する。
まず、梁3への耐火被覆材の吹付の開始に先立って、上述したように、梁3に形成された貫通孔4の内面4Aに吹付用治具10を取り付ける。
吹付用ノズル20が貫通孔4の上端と対向する位置に移動すると、吹付用ノズル20から貫通孔4に向けて噴射された耐火被覆材21が、吹付用治具10の延出部12に当たり、延出部12から前側に耐火被覆材21が堆積する。
これにより、貫通孔4の内面4Aにおいて、延出部12より前側、すなわち正面側の面には、延出部12の高さ以上の被覆層22を形成することができる。
吹付用ノズル20が貫通孔4の上端と対向する位置に移動すると、吹付用ノズル20から貫通孔4に向けて噴射された耐火被覆材21が、吹付用治具10の延出部12に当たり、延出部12から後ろ側に耐火被覆材21が堆積する。
これにより、貫通孔4の内面4Aにおいて、延出部12より後ろ側、すなわち裏面側の面には、延出部12の高さ以上の被覆層22を形成することができる。
以上説明したように、耐火被覆材の吹付用治具10は、建物の躯体1に形成された貫通孔4の内面4Aに耐火被覆材を吹き付けるために用いられる。吹付用治具10は、貫通孔4の内面4Aに沿って取り付けられる基部11と、基部11から貫通孔4の中心方向に延出する延出部12と、を備える。延出部12の高さは、躯体1に吹き付ける耐火被覆材の規定の厚み以上である。
こうすることで、建物の躯体1に形成された貫通孔4の大きさに依らず、貫通孔4の内面4Aに耐火被覆材の吹付用治具10を取り付けることができる。
こうすることで、羽根部材12Aの間に隙間が生じにくくなり、貫通孔4の内面4Aの周方向に均等に耐火被覆材を形成しやすくなる。
こうすることで、貫通孔4の内面4Aの軸方向について、均等に耐火被覆材を形成しやすくなる。
図11及び図12に示されるように、吹付用治具10Aは、基部11の端部と、延出部12の端部を接合することで、吹付用治具10を断面L字状に構成している点で吹付用治具10と相違する。ここで、吹付用治具10Aの延出部12の高さは、吹付用治具10の延出部12の高さと同じとしてよい。
図12に示されるように、延出部12が貫通孔4の軸方向における中央に位置するように、貫通孔4に吹付用治具10Aを取り付ける。ここでは、後方(すなわち裏面側)に基部11が延出するように吹付用治具10Aを取り付ける。そして、前方(正面側)から貫通孔4に取り付けた吹付用治具10Aに耐火被覆材21を吹き付けて被覆層22を構成する。
次に、図13に示されるように、貫通孔4から吹付用治具10Aを取り外して、裏面側の耐火被覆材21の吹き付けを行う。こうすることで、躯体1には、吹付用治具10Aが残らないようにすることができる。また、吹付用治具10A及び上記の吹付方法によれば、吹付用治具10Aを繰り返し使用することができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態では、長尺状の吹付用治具10を貫通孔4に合わせて湾曲させて、貫通孔4の内面4Aに取り付けることとしたが、貫通孔の大きさに合わせて、予め吹付用治具10を環状に形成しておいてもよい。すなわち、環状の基部11と、環状の延出部12から吹付用治具10を予め構成し、貫通孔のサイズに合わせて選択した吹付用治具10を貫通孔に取り付けてもよい。
また、躯体1において貫通孔が形成される箇所は梁3に限られず、他の部分であってもよい。
2 柱
3 梁
3A フランジ
3B ウェブ
4 貫通孔
4A 内面
10 吹付用治具
10A 吹付用治具
11 基部
12 延出部
12A 羽根部材
20 吹付用ノズル
21 耐火被覆材
22 被覆層
22A 厚み不足部位
Claims (6)
- 建物の躯体に形成された貫通孔の内面に耐火被覆材を吹き付けるために用いられる耐火被覆材の吹付用治具であって、
前記貫通孔の前記内面に沿って取り付けられる基部と、
前記基部から前記貫通孔の中心方向に延出する延出部と、を備え、
前記延出部の高さは、前記躯体に吹き付ける耐火被覆材の規定の厚み以上であることを特徴とする耐火被覆材の吹付用治具。 - 前記基部は、湾曲可能な長尺状のシート部材であり、
前記延出部は、前記シート部材の長手方向に沿って設けられ、前記シート部材から垂直に立ち上がる複数の羽根部材を有することを特徴とする請求項1に記載の耐火被覆材の吹付用治具。 - 前記複数の羽根部材は、前記シート部材の長手方向に沿って隣接して設けられることを特徴とする請求項2に記載の耐火被覆材の吹付用治具。
- 前記延出部は、前記貫通孔の軸方向における略中央部に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の耐火被覆材の吹付用治具。
- 前記基部の端部と、前記延出部の端部とが接合されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の耐火被覆材の吹付用治具。
- 建物の躯体に形成された貫通孔の内面に耐火被覆材を吹き付けるために用いられる耐火被覆材の吹付用治具を用いた耐火被覆材の吹付方法であって、
前記貫通孔の前記内面に耐火被覆材の吹付用治具を取り付ける工程と、
前記貫通孔に対し正面側から耐火被覆材を吹き付ける工程と、
前記貫通孔に対し裏面側から耐火被覆材を吹き付ける工程と、を有し、
前記耐火被覆材の吹付用治具は、
前記貫通孔の前記内面に沿って取り付けられる基部と、
前記基部から前記貫通孔の中心方向に延出する延出部と、を備えることを特徴とする耐火被覆材の吹付方法。
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2017
- 2017-09-27 JP JP2017186718A patent/JP7036558B2/ja active Active
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