JP2019060007A - カドミウムの回収設備および回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な設備でカドミウムを回収できるカドミウムの回収設備を提供する。【解決手段】カドミウムの回収設備1は、硫酸カドミウム水溶液に金属亜鉛粉末を添加して、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応により、金属カドミウムを析出させる反応槽13と、反応槽13から排出されたセメンテーション尾液を、金属亜鉛粉末で形成されたケーキでケーキ濾過することで、セメンテーション尾液に含まれる金属カドミウムを分離するとともに、セメンテーション尾液に含まれるカドミウムイオンとケーキに含まれる金属亜鉛とのセメンテーション反応を生じさせる濾過器14とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、カドミウムの回収設備および回収方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、硫酸カドミウム水溶液中のカドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応により、金属カドミウムを回収する設備および方法に関する。
カドミウムを含有する排水の処理方法として、排水に金属亜鉛粉末を投入し、セメンテーション反応によりカドミウムを析出させて、排水からカドミウムを分離回収する方法が知られている。
特許文献1には、排出液中のカドミウムを二段階のセメンテーション処理によって分離回収することが開示されている。より詳細には、第1処理槽において排出液中に亜鉛プレートを浸漬することによりカドミウムを析出させる第1セメンテーション処理と、第2処理槽において金属亜鉛粉末による第2セメンテーション処理とを行なう。これにより、カドミウムの分離回収のために消費される亜鉛の総量を大幅に低減できる。
特開2014−214316号公報
しかし、特許文献1の方法はセメンテーション処理に2つの処理槽が必要である。そのため、設備構成が大きくなり、また、設備コストが高くなる。また、第2セメンテーション処理は2当量相当の金属亜鉛粉末によるため、第2セメンテーション処理後の固体中には多量の金属亜鉛が含まれることになる。そのため、カドミウムを回収するためにはさらなる分離操作が必要となる。さらに、プロセス外に抜き出された第2セメンテーション処理後の固体中の金属亜鉛粉末がロスとなる。
本発明は上記事情に鑑み、簡素な設備でカドミウムを回収できるカドミウムの回収設備および回収方法を提供することを目的とする。
第1発明のカドミウムの回収設備は、硫酸カドミウム水溶液に金属亜鉛粉末を添加して、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応により、金属カドミウムを析出させてセメンテーション尾液を生成する反応槽と、前記反応槽から固液分離により排出された前記セメンテーション尾液を、金属亜鉛粉末で形成されたケーキでケーキ濾過することで、前記セメンテーション尾液に含まれる金属カドミウムを分離するとともに、前記セメンテーション尾液に含まれるカドミウムイオンと前記ケーキに含まれる金属亜鉛とのセメンテーション反応を生じさせる濾過器と、を備えることを特徴とする。
第2発明のカドミウムの回収設備は、第1発明において、前記反応槽は前記セメンテーション尾液と析出した金属カドミウムとを沈降分離するものであることを特徴とする。
第3発明のカドミウムの回収設備は、第1または第2発明において、前記反応槽には、セメンテーション反応に当って硫酸カドミウム水溶液に含まれるカドミウムイオンに対して当量以下の金属亜鉛粉末が添加されることを特徴とする。
第4発明のカドミウムの回収設備は、第1、第2または第3発明において、前記濾過器はフィルタープレスまたはリーフフィルターであることを特徴とする。
第5発明のカドミウムの回収設備は、第1、第2、第3または第4発明において、カドミウム原料に硫酸を添加し、前記反応槽に供給される硫酸カドミウム水溶液を生成する準備槽を備えることを特徴とする。
第6発明のカドミウムの回収設備は、第5発明において、前記カドミウム原料には前記濾過器から回収された脱滓物が含まれることを特徴とする。
第7発明のカドミウムの回収方法は、硫酸カドミウム水溶液に金属亜鉛粉末を添加して、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応により、金属カドミウムを析出させてセメンテーション尾液を生成するセメンテーション工程と、前記セメンテーション工程から固液分離により排出された前記セメンテーション尾液を、金属亜鉛粉末で形成されたケーキでケーキ濾過することで、前記セメンテーション尾液に含まれる金属カドミウムを分離するとともに、前記セメンテーション尾液に含まれるカドミウムイオンと前記ケーキに含まれる金属亜鉛とのセメンテーション反応を生じさせる濾過工程と、を備えることを特徴とする。
第8発明のカドミウムの回収方法は、第7発明において、前記セメンテーション工程において、前記セメンテーション尾液と析出した金属カドミウムとを沈降分離することを特徴とする。
第9発明のカドミウムの回収方法は、第7または第8発明において、前記濾過工程で用いられる濾過器に、金属亜鉛粉末を含有するスラリーを供給して前記ケーキを形成するケーキ形成工程を備えることを特徴とする。
第10発明のカドミウムの回収方法は、第7、第8または第9発明において、前記セメンテーション工程において、セメンテーション反応に当って硫酸カドミウム水溶液に含まれるカドミウムイオンに対して当量以下の金属亜鉛粉末を添加することを特徴とする。
第11発明のカドミウムの回収方法は、第7、第8、第9または第10発明において、カドミウム原料に硫酸を添加し、前記セメンテーション工程に供給される硫酸カドミウム水溶液を生成する準備工程を備えることを特徴とする。
第12発明のカドミウムの回収方法は、第11発明において、前記濾過工程で用いられる濾過器から回収された脱滓物を前記カドミウム原料として前記準備工程に供給することを特徴とする。
第13発明のカドミウムの回収方法は、第12発明において、前記濾過工程から排出される濾液のカドミウム濃度が閾値を超えた場合に、前記濾過器から前記脱滓物を回収することを特徴とする。
第1発明によれば、反応槽と濾過器とからなる簡素な設備でカドミウムを回収できる。また、反応槽と濾過器とでセメンテーション反応を二段階で行なうので、排出液のカドミウム濃度を低減できる。
第2発明によれば、反応槽とは別にセメンテーション尾液と金属カドミウムとを分離する装置を必要とせず、反応槽から直接金属カドミウムを回収できる。
第3発明によれば、添加された金属亜鉛粉末のほぼ全量がセメンテーション反応で消費されるので、未反応の金属亜鉛粉末がほとんど残らず、純度の高い金属カドミウムを回収できる。
第4発明によれば、濾過器としてケーキ濾過方式のフィルタープレスまたはリーフフィルターを用いれば、工業的な規模で効率的なカドミウムの回収を行なうことができる。
第5発明によれば、カドミウム原料から硫酸カドミウム水溶液を生成することで、種々のカドミウム原料からカドミウムを回収できる。
第6発明によれば、脱滓物をカドミウム原料として繰り返すことで、脱滓物に含まれるカドミウムを回収でき、カドミウムのロスを低減できる。
第7発明によれば、セメンテーション反応を二段階で行なうので、排出液のカドミウム濃度を低減できる。また、濾過工程でセメンテーション反応を生じさせるので、工程の数が少なくて済む。
第8発明によれば、セメンテーション工程において金属カドミウムを回収できる。
第9発明によれば、濾過器に金属亜鉛粉末からなるケーキを形成することで、濾過工程においてメンテーション反応を生じさせることができる。
第10発明によれば、添加された金属亜鉛粉末のほぼ全量がセメンテーション反応で消費されるので、未反応の金属亜鉛粉末がほとんど残らず、純度の高い金属カドミウムを回収できる。
第11発明によれば、カドミウム原料から硫酸カドミウム水溶液を生成することで、種々のカドミウム原料からカドミウムを回収できる。
第12発明によれば、脱滓物をカドミウム原料として繰り返すことで、脱滓物に含まれるカドミウムを回収でき、カドミウムのロスを低減できる。
第13発明によれば、濾過器から脱滓物を回収し、新たなケーキを形成することで、排出液のカドミウム濃度を低い状態で維持できる。
本発明の一実施形態に係るカドミウム回収設備の説明図である。 実施例におけるセメンテーション尾液および濾液のカドミウム濃度の測定結果を示すグラフである。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(カドミウム回収設備)
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るカドミウム回収設備1は、準備槽11と、第1濾過器12と、反応槽13と、第2濾過器14とを備える。なお、第2濾過器14が特許請求の範囲に記載の「濾過器」に相当する。
準備槽11にはカドミウム原料と硫酸とが供給されている。準備槽11においてカドミウム原料に硫酸を添加することで硫酸カドミウム水溶液を生成する。カドミウム原料は硫酸の添加により硫酸カドミウム水溶液を生成できるものであれば特に限定されない。例えば、ウェルツ法による粗酸化亜鉛プラントから排出された含亜鉛滓がカドミウム原料として用いられる。また、カドミウム原料として、炭酸カドミウム、水酸化カドミウムなどを用いてもよい。カドミウム原料は液体でもよいし、固体でもよいし、スラリーでもよい。固体のカドミウム原料は硫酸により溶解する。カドミウム原料から硫酸カドミウム水溶液を生成することで、種々のカドミウム原料からカドミウムを回収できる。
ここで、カドミウム原料として用いられる含亜鉛滓について説明する。
ロータリーキルンを用いたウェルツ法により粗酸化亜鉛を製造できる。このときに使用する原料は鉄鋼ダストである。電気炉などの製鋼炉から発生する亜鉛や鉛を含む鉄鋼ダストは、必要に応じてあらかじめ適当な粒子径のペレットに成形される。鉄鋼ダストは、適当量の石炭、コークスなどの還元剤とともに、ロータリーキルン中に連続的に装入される。
鉄鋼ダストは、ロータリーキルン内で、反応帯の温度と滞留時間とをコントロールされながら還元焙焼される。このとき鉄鋼ダストに含まれる亜鉛は還元揮発され、排ガスとなる。排ガスは集塵機に送られ、排ガスに含まれる粗酸化亜鉛ダストが回収される。一方、揮発されずにロータリーキルン内に残った残渣は、還元鉄ペレットとして回収され、再び鉄鋼原料として使用される。
回収された粗酸化亜鉛ダストはハロゲンを多く含有している。粗酸化亜鉛ダストは水でレパルプされて脱ハロゲン処理が行われた後、乾燥・焼成キルンにて焼成される。これによりペレット状の粗酸化亜鉛が得られる。
脱ハロゲン処理後の排水はカドミウムを含有した工場排水である。この工場排水には、ハロゲンのほか、カドミウムなどの微量の重金属が溶解している。工場排水を金属亜鉛粉末の添加によるセメンテーション反応に供することで、金属カドミウムを含む金属粉末を生成する。セメンテーション処理後の上澄み液は無害化されているので放流可能となる。そして金属カドミウムを含む金属粉末が前記含亜鉛滓として産出される。
準備槽11の説明に戻る。準備槽11から排出された液は第1濾過器12で濾過され、不溶な固形分が除去される。第1濾過器12の濾液は硫酸カドミウム水溶液である。この硫酸カドミウム水溶液が反応槽13に供給される。
反応槽13には硫酸カドミウム水溶液のほか金属亜鉛粉末が供給されている。反応槽13において硫酸カドミウム水溶液に金属亜鉛粉末を添加することで、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応が生じる。セメンテーション反応により金属カドミウムが析出する。金属亜鉛粉末はセメンテーション反応により溶解し、硫酸亜鉛水溶液が生成する。
析出した金属カドミウムは沈降し、反応槽13の底部から排出される。これにより、金属カドミウムが回収される。反応槽13内の上澄み液はセメンテーション尾液として排出される。セメンテーション尾液の主成分は硫酸亜鉛水溶液である。
このように、反応槽13として、セメンテーション尾液と金属カドミウムとを沈降分離するものを用いるのが好ましい。そうすれば、反応槽13から直接金属カドミウムを回収できる。反応槽13とは別にセメンテーション尾液と金属カドミウムとを固液分離する装置を必要としなので、カドミウム回収設備1の構成を簡素化できる。
反応槽13にはセメンテーション反応に照らして金属亜鉛粉末を少なめに添加することが好ましい。より詳細には、反応槽13には、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応に当って、反応槽13に供給される硫酸カドミウム水溶液に含まれるカドミウムイオンに対して当量以下の金属亜鉛粉末を添加することが好ましい。そうすれば、添加された金属亜鉛粉末のほぼ全量がセメンテーション反応で消費されるので、未反応の金属亜鉛粉末がほとんど残らない。金属カドミウムとともに反応槽13の底部から排出される金属亜鉛を低減できるので、純度の高い金属カドミウムを回収できる。
反応槽13から排出されたセメンテーション尾液には、反応槽13において沈降しなかった金属カドミウムの微粒子が含まれている。また、セメンテーション尾液にはセメンテーション反応に供しなかったカドミウムイオンが含まれている。特に、反応槽13に添加する金属亜鉛粉末を少なめに調整した場合には、セメンテーション尾液のカドミウム濃度は高くなる。そこで、第2濾過器14によりセメンテーション尾液から金属カドミウム粒子とカドミウムイオンとを除去する。
第2濾過器14としてケーキ濾過方式の濾過器が用いられる。ケーキ濾過方式の濾過器として、例えば、フィルタープレス、リーフフィルターが挙げられる。第2濾過器14としてフィルタープレスまたはリーフフィルターを用いれば、工業的な規模でカドミウムの回収を行なうことができる。
第2濾過器14には予め金属亜鉛粉末からなるケーキが形成されている。例えば、金属亜鉛粉末を含有するスラリーを第2濾過器14で濾過することで、金属亜鉛粉末からなるケーキを形成できる。濾滓容量の40〜50%の金属亜鉛粉末を第2濾過器14に充填することが好ましい。
反応槽13から排出されたセメンテーション尾液を第2濾過器14に供給し、金属亜鉛粉末で形成されたケーキでケーキ濾過する。そうすると、セメンテーション尾液に含まれる金属カドミウムの粒子がケーキに捕捉され分離する。また、セメンテーション尾液がケーキ内を通過する際に、セメンテーション尾液に含まれるカドミウムイオンとケーキに含まれる金属亜鉛とのセメンテーション反応が生じる。これにより、セメンテーション尾液からカドミウムイオンが除去され、ケーキ内に金属カドミウムが生じる。ケーキを構成する金属亜鉛粉末はセメンテーション反応により溶解し、濾液として排出される。濾液の主成分は硫酸亜鉛水溶液である。
反応槽13から排出されたセメンテーション尾液には金属カドミウムの粒子が含まれるため、そのままでは排水処理ができない。固液分離によりセメンテーション尾液から金属カドミウムの粒子を除去することが求められる。一方、カドミウム回収設備1からの排出液はカドミウム濃度が低いことが求められる。排出液のカドミウム濃度を低減するにはセメンテーション反応を多段階で行なうことが考えられる。
通常、セメンテーション尾液から金属カドミウムの粒子を除去するには濾過器が用いられる。また、セメンテーション反応を多段階で行なうには、複数の反応槽が用いられる。これに対し、本実施形態のカドミウム回収設備1は、セメンテーション尾液からの金属カドミウム粒子の除去と、二段階目のセメンテーション反応とを第2濾過器14で行なうものである。したがって、カドミウム回収設備1は通常の設備に比べて簡素な構成となっている。
このように反応槽13と第2濾過器14とからなる簡素な設備でカドミウムを回収できる。しかも、反応槽13と第2濾過器14とでセメンテーション反応を二段階で行なうので、排出液(第2濾過器14の濾液)のカドミウム濃度を低減できる。
第2濾過器14によりセメンテーション尾液の濾過を繰り返し行なうと、ケーキに含まれる金属亜鉛粉末が徐々に溶解し、減少する。そうすると、セメンテーション反応が生じにくくなり、排出液のカドミウム濃度を低い状態に維持できなくなる。そこで、ケーキに含まれる金属亜鉛粉末が減少した場合には、第2濾過器14からケーキを除去し、新たにケーキを形成する操作が行われる。これにより、排出液のカドミウム濃度を低い状態に維持できる。
上記の操作により第2濾過器14から回収された脱滓物には、ケーキを構成する金属亜鉛粉末、セメンテーション反応により生じた金属カドミウム、セメンテーション尾液から除去された金属カドミウムの粒子、その他の残渣が含まれる。このように、脱滓物にはカドミウムが含まれる。そこで、脱滓物をカドミウム原料の一部として準備槽11に供給することが好ましい。換言すれば、準備槽11に供給されるカドミウム原料には第2濾過器14から回収された脱滓物が含まれる。
準備槽11において脱滓物を硫酸で溶解することで、硫酸カドミウム水溶液を生成する。このように、脱滓物をカドミウム原料として繰り返すことで、脱滓物に含まれるカドミウムを回収でき、カドミウムのロスを低減できる。
(カドミウム回収方法)
つぎに、カドミウム回収設備1によるカドミウムの回収方法を説明する。本実施形態のカドミウム回収方法は、主に、(1)ケーキ形成工程、(2)準備工程、(3)セメンテーション工程、(4)濾過工程からなる。以下、順に説明する。
(1)ケーキ形成工程
まず、第2濾過器14に金属亜鉛粉末を含有するスラリーを供給して、そのスラリーを濾過する。これにより、金属亜鉛粉末からなるケーキを形成する。第2濾過器14に金属亜鉛粉末からなるケーキを形成することで、後の(4)濾過工程においてセメンテーション反応を生じさせることができる。
(2)準備工程
つぎに、準備槽11にカドミウム原料と硫酸とを供給する。カドミウム原料に硫酸を添加することで、次工程であるセメンテーション工程に供給される硫酸カドミウム水溶液を生成する。ここで、カドミウム原料には系外から供給された原料が含まれてもよいし、第2濾過器14から回収された脱滓物が含まれてもよい。
生成された硫酸カドミウム水溶液は、必要に応じて第1濾過器12で濾過され、不溶な固形分が除去される。
(3)セメンテーション工程
準備工程で得られた硫酸カドミウム水溶液を反応槽13に供給する。また、反応槽13において硫酸カドミウム水溶液に金属亜鉛粉末を添加する。これにより、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応が生じる。セメンテーション反応により金属カドミウムが析出する。反応槽13においてセメンテーション尾液と金属カドミウムとを沈降分離し、反応槽13の底部から金属カドミウムを回収する。
ここで、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応に当って、反応槽13に供給される硫酸カドミウム水溶液に含まれるカドミウムイオンに対して当量以下の金属亜鉛粉末を添加することが好ましい。そうすれば、純度の高い金属カドミウムを回収できる。
(4)濾過工程
セメンテーション工程から排出されたセメンテーション尾液を第2濾過器14に供給し濾過する。セメンテーション尾液を金属亜鉛粉末で形成されたケーキでケーキ濾過することで、セメンテーション尾液に含まれる金属カドミウムを分離する。また、セメンテーション尾液に含まれるカドミウムイオンとケーキに含まれる金属亜鉛とのセメンテーション反応が生じる。これにより、セメンテーション尾液からカドミウムイオンが除去され、ケーキ内に金属カドミウムが生じる。
第2濾過器14から排出された濾液は、カドミウム回収設備1の排出液として系外に排出される。排出液は、さらなる排水処理によって無害化された後、工場排水として公共水域に排出される。(3)セメンテーション工程と(4)濾過工程とでセメンテーション反応を二段階で行なうので、排出液のカドミウム濃度を低減できる。また、濾過工程でセメンテーション反応を生じさせるので、工程の数が少なくて済む。
濾過工程を繰り返し行なうと、第2濾過器14内のケーキに含まれる金属亜鉛粉末が減少し、セメンテーション反応が生じにくくなる。そこで、所定のタイミングで第2濾過器14からケーキを除去し、新たにケーキを形成する操作を行なう。具体的には以下の操作を行なう。
まず、濾過工程(第2濾過器14)から排出される濾液のカドミウム濃度を測定する。そして、測定値が閾値を超えた場合に、第2濾過器14の脱滓を行い、脱滓物を回収する。ここで、閾値は、例えば、カドミウム回収設備1の排出液のカドミウム濃度として許容される最大値に設定される。カドミウム回収設備1の排出液として許容されるカドミウム濃度は、排出液を排水処理する設備の許容度、法定された排水管理基準値などから定められる。
第2濾過器14の脱滓を行った後は、再び(1)ケーキ形成工程を行い、金属亜鉛粉末からなる新たなケーキを形成する。第2濾過器14から脱滓物を回収し、新たなケーキを形成することで、排出液のカドミウム濃度を低い状態で維持できる。
第2濾過器14から回収された脱滓物は、カドミウム原料として準備工程に供給する。脱滓物をカドミウム原料として繰り返すことで、脱滓物に含まれるカドミウムを回収でき、カドミウムのロスを低減できる。
つぎに、実施例を説明する。
図1に示すカドミウム回収設備1を用いてカドミウムの回収を行った。第2濾過器14としてフィルタープレスを用いた。第2濾過器14を用いてバッチ処理によりセメンテーション尾液の濾過を行った。
各バッチにおいて、第2濾過器14に供給されたセメンテーション尾液および第2濾過器14から排出された濾液のカドミウムイオン濃度をICP発光分光分析装置で測定した。その結果を図2のグラフに示す。
セメンテーション尾液のカドミウムイオン濃度の最大値は0.8g/Lであった。測定値には標準偏差0.19g/Lのばらつきがあった。濾液のカドミウムイオン濃度は0.2g/L以下に抑えることができた。また、測定値の標準偏差は0.06g/Lであり、ばらつきを抑えることができた。
26バッチ目で濾液のカドミウム濃度が0.2g/Lを超えた。そこで、第2濾過器14の脱滓を行い、新たなケーキを形成した。そうすると、27バッチ目以降の濾液のカドミウム濃度が再び低くなることが確認された。
第2濾過器14から回収された脱滓物の組成を蛍光X線分析装置(RIGAKU社製、ZSX PrimusII)で測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2019060007
表1より脱滓物にはカドミウムが多く含まれていることが分かる。セメンテーション尾液と金属亜鉛粉末とのセメンテーション反応により金属カドミウムが析出したことが分かる。
以上より、第2濾過器14でセメンテーション反応を生じさせることにより、排出液のカドミウム濃度を低く抑えられることが確認された。
1 カドミウム回収設備
11 準備槽
12 第1濾過器
13 反応槽
14 第2濾過器

Claims (13)

  1. 硫酸カドミウム水溶液に金属亜鉛粉末を添加して、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応により、金属カドミウムを析出させてセメンテーション尾液を生成する反応槽と、
    前記反応槽から固液分離により排出された前記セメンテーション尾液を、金属亜鉛粉末で形成されたケーキでケーキ濾過することで、前記セメンテーション尾液に含まれる金属カドミウムを分離するとともに、前記セメンテーション尾液に含まれるカドミウムイオンと前記ケーキに含まれる金属亜鉛とのセメンテーション反応を生じさせる濾過器と、を備える
    ことを特徴とするカドミウムの回収設備。
  2. 前記反応槽は前記セメンテーション尾液と析出した金属カドミウムとを沈降分離するものである
    ことを特徴とする請求項1記載のカドミウムの回収設備。
  3. 前記反応槽には、セメンテーション反応に当って硫酸カドミウム水溶液に含まれるカドミウムイオンに対して当量以下の金属亜鉛粉末が添加される
    ことを特徴とする請求項1または2記載のカドミウムの回収設備。
  4. 前記濾過器はフィルタープレスまたはリーフフィルターである
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のカドミウムの回収設備。
  5. カドミウム原料に硫酸を添加し、前記反応槽に供給される硫酸カドミウム水溶液を生成する準備槽を備える
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のカドミウムの回収設備。
  6. 前記カドミウム原料には前記濾過器から回収された脱滓物が含まれる
    ことを特徴とする請求項5記載のカドミウムの回収設備。
  7. 硫酸カドミウム水溶液に金属亜鉛粉末を添加して、カドミウムイオンと金属亜鉛とのセメンテーション反応により、金属カドミウムを析出させてセメンテーション尾液を生成するセメンテーション工程と、
    前記セメンテーション工程から固液分離により排出された前記セメンテーション尾液を、金属亜鉛粉末で形成されたケーキでケーキ濾過することで、前記セメンテーション尾液に含まれる金属カドミウムを分離するとともに、前記セメンテーション尾液に含まれるカドミウムイオンと前記ケーキに含まれる金属亜鉛とのセメンテーション反応を生じさせる濾過工程と、を備える
    ことを特徴とするカドミウムの回収方法。
  8. 前記セメンテーション工程において、前記セメンテーション尾液と析出した金属カドミウムとを沈降分離する
    ことを特徴とする請求項7記載のカドミウムの回収方法。
  9. 前記濾過工程で用いられる濾過器に、金属亜鉛粉末を含有するスラリーを供給して前記ケーキを形成するケーキ形成工程を備える
    ことを特徴とする請求項7または8記載のカドミウムの回収方法。
  10. 前記セメンテーション工程において、セメンテーション反応に当って硫酸カドミウム水溶液に含まれるカドミウムイオンに対して当量以下の金属亜鉛粉末を添加する
    ことを特徴とする請求項7、8または9記載のカドミウムの回収方法。
  11. カドミウム原料に硫酸を添加し、前記セメンテーション工程に供給される硫酸カドミウム水溶液を生成する準備工程を備える
    ことを特徴とする請求項7、8、9または10記載のカドミウムの回収方法。
  12. 前記濾過工程で用いられる濾過器から回収された脱滓物を前記カドミウム原料として前記準備工程に供給する
    ことを特徴とする請求項11記載のカドミウムの回収方法。
  13. 前記濾過工程から排出される濾液のカドミウム濃度が閾値を超えた場合に、前記濾過器から前記脱滓物を回収する
    ことを特徴とする請求項12記載のカドミウムの回収方法。
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