JP2019059839A - ポリエーテルエステルアミド組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリエーテルエステルアミドポリマー中の微細構造において海島構造を形成し、その島部の直径を制御することによって、衣料用繊維材料に要求される優れた吸放湿性を達成すること。【解決手段】 ε−カプロラクタムを構成単位とするナイロン6ブロックとポリエチレングリコールブロックからなるポリマーであって、TEM観察による微細構造を有し、その形態は海島構造を形成し、島部の平均直径が0.3〜5.0μmであるポリエーテルエステルアミド組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミドブロックとポリエチレングリコールブロックからなるポリエーテルエステルアミド組成物に関するものである。
ポリアミドブロックとポリアルキレンオキシドブロックからなるポリエーテルエステルアミド組成物は、主に樹脂成形物の帯電防止剤として使用されている。
例えば特許文献1には、熱可塑性ポリマーと、ポリアミドブロックとポリエーテルブロックとを有するコポリマーと、鎖中に少なくとも1種のイオン性官能基を有するポリマーまたはオリゴマーとから成る帯電防止ポリマー組成物が記載されている。
また、特許文献2には、特定分子量のポリアミドとポリエーテル成分として高分子量のビスフェノール類のエチレンオキシド付加物から誘導されるポリエーテルエステルアミド、およびこのポリエーテルエステルアミドと熱可塑性樹脂との特定比率からなる樹脂組成物が記載されている。その主用途は、家電・OA機器用ハウジング製品、各種プラスチック容器、自動車部品等の成形材料である。
一方、衣料用繊維としてポリアミド繊維はその独特な柔らかさ、高い引っ張り強度、染色時の発色性、高い耐熱性等の特性に加え、吸湿性に優れており、インナーウエア、スポーツウエアなどの用途に広く使用されている。しかしながら、ポリアミド繊維は綿などの天然繊維と比べると吸湿性は十分とはいえず、また、ムレやべたつきといった問題点を有し、快適性の面で天然繊維に劣ることが問題となっている。そのような背景からムレやべたつきを防ぐための優れた吸放湿性を示し、天然繊維に近い快適性を有する合成繊維が、主にインナー用途やスポーツ衣料用途において要望されている。
ポリエーテルエステルアミド組成物は、ポリアミドにポリエーテル成分を共重合しており、ポリアミド樹脂よりもさらに優れた吸放湿性が発現すること、ポリアミド樹脂との相溶性が良いことから衣料用繊維材料として用途展開が期待される。
特開2002−371189号公報 特開平7−330899号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の組成物は、プラスチック材料としての良好な帯電防止性が得られるものの、衣料用繊維材料としての使用、さらには衣料用繊維に使用された場合の吸放湿性について、以下の課題がある。吸放湿性という点では樹脂組成物の中では比較的高いが、衣料用繊維材料として使用する場合には、従来帯電防止剤として使用する範囲での使用量では吸放湿性が満足できるレベルではない。また、衣料用繊維の基本性能を損なわない範囲での使用量上限でも吸放湿性が満足できるレベルではなかった。
本発明者らは、ポリエーテルエステルアミド組成物は微細構造を有しており、その形態は海島構造を形成し、なおかつその海島構造における島部の平均島径が特定の範囲であると極めて優れた吸放湿性を発現することを見出した。
特許文献1に記載の帯電防止ポリマー組成物は、海島構造を形成するが、海島構造の平均島径は0.3μm以下と小さく、島部に保持することができる水分量が減少し、吸放湿性が満足できるレベルではない。また、特許文献2に記載のポリエーテルエステルアミドは、海島構造を形成せず、吸放湿性が満足できるレベルではない。
したがって本発明では、ポリエーテルエステルアミド組成物の吸放湿性向上を課題として、ポリエーテルエステルアミド中に微細構造で海島構造を形成し、その島径を最適な範囲に制御することによって、衣料用繊維材料に要求される優れた吸放湿性を発現するものである。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成からなる。すなわち、
(1)ε−カプロラクタムを構成単位とするナイロン6ブロックとポリエチレングリコールブロックからなるポリマーであって、TEM観察による微細構造を有し、その形態は海島構造を形成し、島部の平均直径が0.3〜5.0μmであるポリエーテルエステルアミド組成物。
(2)海島構造の島部にジルコニウム元素を含む(1)に記載のポリエーテルエステルアミド組成物。
(3)島部における、ナイロン6ブロックおよびポリエチレングリコールブロックのIR測定によるピーク面積比率(ナイロン6ブロック/ポリエチレングリコールブロック)が3.5〜1.5である(1)、または(2)記載のポリエーテルエステルアミド組成物。
(4)ε−カプロラクタムを構成単位とするナイロン6ブロックとポリエチレングリコールブロックの重量比率が25/75〜50/50である(1)〜(3)のいずれかに記載のポリエーテルエステルアミド組成物。
(5)ポリエチレングリコールブロックの構成単位であるポリエチレングリコールの数平均分子量が1000〜3000である(1)〜(4)いずれかに記載のポリエーテルエステルアミド組成物。
(6)海島構造の島部にジルコニウム元素を組成物に対して100〜2000ppm含む(2)〜(5)いずれかに記載のポリエーテルエステルアミド組成物。
本発明により、ポリエーテルエステルアミド組成物の吸放湿性が向上する。さらには、ポリエーテルエステルアミドポリマー中の微細構造において海島構造を形成し、その島部の直径を制御することによって、衣料用繊維材料に要求される優れた吸放湿性を得ることができる。
本発明のポリエーテルエステルアミド組成物は、ε-カプロラクタムから構成されるナイロン6ブロックとポリエチレングリコールブロックからなるブロック共重合体である。
ε−カプロラクタムを構成単位とするナイロン6ブロックはポリアミドのアミノ末端基にジカルボン酸が付加した構造をしており、H NMRおよび13C NMRにてポリアミドの構造が同定され、さらに熱分解GC/MSにてジカルボン酸が同定される。ジカルボン酸の割合はポリアミドの重合度によって変化するため特に限定はされないが、ジカルボン酸は仕込み量として10wt%以上が望ましい。それ以上であれば、ナイロン6ブロックのアミノ末端基を定量的にカルボシキル基に変換することが可能である。
ポリエチレングリコールブロックも同様にH NMRおよび13C NMRにて構造が同定される。ポリエチレングリコールブロックの数平均分子量は300〜10000が好ましく、より好ましくは500〜5000、さらに好ましくは1000〜3000である。分子量が300以上であると、重縮合反応中に系外に飛散しにくく、吸湿性能が安定した繊維となるため好ましい。また、10000以下であると、ポリエチレングリコールブロックが完全に相分離せず、ポリマー中にポリエチレングリコールブロックが均一に分散し、良好な吸湿性能が得られるため好ましい。ポリエチレングリコールブロックの数平均分子量は、化学処理によってナイロン6ブロックとポリエチレングリコールブロックのエステル結合を切断することによってGPCで測定される。
本発明のポリエーテルエステルアミド組成物は、海島構造を形成している。ここでいう海島構造とは、ポリマーが相分離を起こしている状態であり、凍結したサンプルから作製された薄切片よりTEMで観察する。海島構造を形成することによって、吸湿性能に寄与するポリエチレングリコール(PEG)成分がポリマー中に均一に存在している相溶系に比べ、島部に局所的にPEG成分が高濃度となるため、より大きな吸放湿性を発現することが可能となる。
海島構造において島部の平均直径は0.3〜5.0μmである。0.3μm未満の場合、島部に保持することができる水分量が減少してしまい、十分な吸放湿性を発現できない。また5.0μmを超えると、島部のPEG密度が低下してしまい、こちらも十分な吸放湿性を発現できない。さらに好ましくは、0.8〜3.0μmである。かかる構造とすることにより、吸放湿性に寄与する島部のPEG成分が最適な濃度に制御され、より大きな吸放湿性を発現することが可能となる。島部の平均直径の測定方法は、倍率約4万倍のTEM画像8視野を確認し、その平均径を算出する。
また、島部にはジルコニウム元素を含むことが好ましい。かかる構造とすることにより、ジルコニウム元素が島部のPEGに配位してより安定構造に寄与することが推定される。また、島部のジルコニウム元素含有量は、組成物に対して100〜2000ppmであることがさらに好ましい。かかる範囲とすることにより、前記島部のPEGへの配位が最適な強度となる。
島部を構成するナイロン6ブロックとPEGブロック比は1.5〜3.5であることが好ましい。さらに好ましい範囲としては2.0〜3.0である。かかる範囲とすることにより、島部のPEGブロックの濃度が最適となり、相分離によって海島構造を形成するため優れた吸放湿性を発現する。ここでいうナイロン6ブロックとPEGブロック比は、AFM−IRで測定される値であり、ポリアミドのアミド基中のC=O伸縮振動に由来する1640cm−1とPEG鎖のC−O伸縮振動に由来する1100cm−1とのピーク面積比によって算出される。
ポリエーテルエステルアミド組成物におけるナイロン6ブロックとPEGブロックの構成比率は、ε−カプロラクタムを構成単位とするナイロン6ブロックとPEGブロックの重量比率が25/75〜50/50である。ここでいうポリエーテルエステルアミド組成物におけるナイロン6ブロックとPEGブロックの構成比率は、H NMRにて測定される値であり、ナイロン6ブロック由来の3.2ppmのピークとポリエチレングリコールブロック由来の3.7、4.2ppmのピークの積分比より算出される。
本発明のポリエーテルエステルアミド組成物の相対粘度は、0.5wt%濃度オルトクロロフェノール溶液中、25℃で測定した相対粘度(ηr)が1.1〜3.5であることが好ましく、さらに好ましくは1.5〜2.5である。オルトクロロフェノール相対粘度が1.5以上であると、紡糸時に鞘部に最適な応力が加わり、鞘部のポリアミドの結晶化が進み、高強度化となり好ましい。
本発明のポリエーテルエステルアミド組成物の重合方法は特に限定されないが、例えば、第1段階として、ジカルボン酸の存在下でε−カプロラクタムを縮合してカルボン酸末端基を有するナイロン6オリゴマーを合成し、第2段階として、カルボン酸末端基を有するナイロン6オリゴマーとPEGを混合して重合する。
第1段階で使用するジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸等が挙げられ、1種または2種以上を混合して用いることができる。好ましいジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テレフタル酸、イソフタル酸である。さらに好ましくは、アジピン酸である。
第2段階における、ε−カプロラクタムを構成単位とするナイロン6オリゴマーとPEGの原料仕込み比率(重量)は、30/70〜55/45であることが好ましい。かかる範囲とすることにより、得られる組成物のε−カプロラクタムを構成単位とするナイロン6ブロックとPEGブロックの比が25/75〜50/50(重量%)の範囲となる。また、最適な海島構造を形成し、島部の平均直径を最適な範囲とすることができ、優れた吸放湿性を発現する、本発明のポリエーテルエステルアミド組成物が得られる。
第1段階における縮合時の反応温度は180〜300℃、好ましくは200〜260℃、反応器内の圧力は0.5〜3.0MPa、この温度と圧力を約4時間維持することが好ましい。その後、反応器を脱気して圧力をゆっくりと下げ、過剰な水は蒸留で除去する。カルボン酸末端基を有するナイロン6オリゴマーを合成した後、一旦吐出・固化させて、水分率が2000ppm以下になるように真空乾燥することが好ましい。
その後、第2段階として、ナイロン6オリゴマーに、PEGと重合触媒を添加させて重縮合反応する。PEGおよび重合触媒は、1回または複数回に分けて添加できるが、好ましくは、PEGを添加した後で重合触媒を添加する。この順序とすることで、PEGのヒドロキシル基とナイロン6オリゴマーのカルボン酸末端基との反応と、アミド結合の形成および水の除去とが同時に始まる。反応混合物中の水を蒸留によってできるだけ除去した後、必要に応じて触媒を導入して、ナイロン6オリゴマーのPEGへの結合を完成させる。第2段階目の反応は、好ましくは、667Pa(5mmHg)以下の減圧下で反応物および得られたコポリマーが溶融状態にあるような温度で攪拌しながら実施する。減圧度は好ましくは133Pa(1mmHg)以下である。また、この温度は例えば100〜400℃、好ましくは200〜300℃が好ましい。溶融ポリマーから撹拌機に加わるトルクを測定するか、撹拌機の消費電力値を測定することによって反応をモニターし、このトルクまたは消費電力値によって反応の終点を決定する。
ナイロン6オリゴマーを、第1段階の合成後に一旦吐出・固化させて真空乾燥を実施した後に、第2段階の反応に用いる方法とすることが好ましい。真空乾燥を第1段階と第2段階の反応の間に実施することによって、重合触媒の失活が抑制されるため、島部の平均値径が0.3〜5.0μmの範囲に制御して海島構造を形成することができ、優れた吸放湿性を発現する、本発明のポリエーテルエステルアミド組成物が得られる。
真空乾燥後のナイロン6オリゴマーの水分率は2000ppm以下が好ましい。水分率が高いと重合触媒が加水分解によって失活しやすく、海島構造形成に影響するため、さらに好ましくは1000ppm以下である。
重合触媒は、エステル化によってナイロン6オリゴマーをPEGに結合させる任意の化合物を意味する。重合触媒としては、ジルコニウムテトラアルコキシド(Zr(OR))が挙げられる。アルキル基(R)としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基またはヘキサドデシル基等があるが、好ましくはジルコニウムテトラブトキサイドである。これらは1種または必要に応じて2種以上組み合わせてもよい。触媒量は特に制限されないが、10〜5000ppm程度であることが好ましい。重合反応性が進み易く、副反応が起こり難い触媒量が好ましい。
また、酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤および滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素およびポリエチレンワックス等)、顔料(酸化チタン、硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラック等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホン酸アミド等)、帯電防止剤(4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、難燃剤(メラミンシアヌレート、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンオキシド、臭素化ポリカーボネート、臭素化エポキシ樹脂あるいはこれらの臭素系難燃剤と三酸化アンチモンとの組合せ等)、充填剤(グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、硫化亜鉛、亜鉛、鉛、ニッケル、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ベントナイト、モンモリロナイト、合成雲母等の粒子状、繊維状、針状、板状充填剤等)、他の重合体(他のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン等)を挙げることができる。
本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
[海島構造における島部平均直径]
凍結超薄切片法にて作製した試料サンプルを4万倍の透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察した。任意に選択した8視野のサンプルから目視にて島部の直径を測定し、その平均を島部の平均径とした。島部の形が楕円形の場合は長軸半径と短軸半径の平均値を平均径とした。
装置:透過型電子顕微鏡(日立製H−7100FA)
条件:加速電圧l00kV
試料調製:凍結超薄切片法 。
[ナイロン6ブロック/ポリエチレングリコールブロック比]
クライオミクロトームにより薄片化を行った。本試料では、分析領域のサイズ(100nm程度)と信号強度との兼ね合いから、切片の厚みは約100〜150nmとした。得たスペクトルの波数が1640cm−1の吸光度の強度(A1640)、波数が1100cm−1の吸光度の強度(A1100)を読み取り、以下の式で示したようにA1640をA1100で除し、吸光度の比(R=A1640/A1100)を算出した。
R=(波数が1640cm−1の吸光度の強度(A1640))/(波数が1100cm−1の吸光度の強度(A1100))
AFM−IR法(AFM−based infrared Spectroscopy)
測定装置:NanoIR Spectroscopy System
(Anasys Instruments社製)
測定条件:
光源:Tunable Pulsed Laser (1kHz)
AFMモード: コンタクトモード
測定波数範囲: 3900〜2500cm−1、1900〜950cm−1
波数分解能:4cm−1(3900〜2500cm−1、2cm−1(1900〜950cm−1
Coaverages:256 (スベクトル) 。
[ジルコニウム元素量]
海島構造の島構造におけるジルコニウム元素量は蛍光X線分析法にて確認した。具体的には、試料を秤取し、加熱灰化した。灰化物に炭酸ナトリウムおよびホウ酸を加えて融解した後、希硝酸で溶解して定容とした。この溶液について、ICP発光分光分析法でZrを測定し、含有量を求めた。
装置:ICP発光分光分析装置セイコー電子工業製SPS4000 。
[水分率]
カルボン酸末端基を有するナイロン6ブロックの水分率はカールフィッシャー法にて測定した。
[吸放湿性(ΔMR)]
組成物ペレットを秤量瓶に1〜2g程度はかり取り、110℃で2時間乾燥させた後の重量(W0)を測定し、次にペレットを20℃、相対湿度65%で24時間保持した後の重量(W65)を測定する。そして、ペレットを30℃、相対湿度90%で24時間保持した後の重量(W90)を測定する。そして、以下の式にしたがい計算したものである。
MR65(%)=[(W65−W0)/W0]×100
MR90(%)=[(W90−W0)/W0]×100
ΔMR(%)=MR90−MR65 。
△MRが14%以上であると吸放湿性に優れ、衣料繊維材料として適すると判断した。
(実施例1)
957gのε−カプロラクタムと、155.9gのアジピン酸と、2.7gのイルガノックス(Irganox)1010と、143gの水とを内容積5Lのバッチ式重合缶に入れ、次に重合缶内を密閉化し、充分に窒素置換した後に熱媒を加熱して10バールの加圧下、255℃で4時間撹拌しながら加熱してカルボン酸末端基を有するナイロン6オリゴマーを合成した。このカルボン酸末端基を有するナイロン6オリゴマーを60℃、16時間の真空乾燥にてフレーク状にした。水分率は200ppm以下であった。
このナイロン6オリゴマー451.7gと数平均分子量が1540g/molの647.4gのポリエチレングリコール、続いて、重合触媒として0.74gのテトラジルコニウムブトキサイドと混合し、得られた混合物を255℃で加熱し、1mmHg以下の減圧下で5時間重合して、ナイロン6ブロック/ポリエチレングリコールブロック比35/65(重量%)のポリエーテルエステルアミド化合物を得た。
(実施例2、3)
ナイロン6ブロックとポリエチレングリコールブロックを表1の組成比(重量%)とした以外は実施例1と同様の方法にてポリエーテルエステルアミド化合物を得た。
(実施例4〜7)
ポリエチレングリコールブロックの数平均分子量を表1記載にした以外は実施例1と同様の方法にてポリエーテルエステルアミド化合物を得た。
(比較例1、2)
ナイロン6ブロックとポリエチレングリコールブロックを表1の組成比(重量%)とした以外は実施例1と同様の方法にてポリエーテルエステルアミド化合物を得た。
(比較例3)
カルボン酸末端基を有するナイロン6オリゴマーを合成後、真空乾燥を実施せず、ポリエチレングリコールと重合触媒ジルコニウムブトキサイドと混合した以外は実施例1と同様の方法にてポリエーテルエステルアミド化合物を得た。
Figure 2019059839

Claims (6)

  1. ε−カプロラクタムを構成単位とするナイロン6ブロックとポリエチレングリコールブロックからなるポリマーであって、TEM観察による微細構造を有し、その形態は海島構造を形成し、島部の平均直径が0.3〜5.0μmであるポリエーテルエステルアミド組成物。
  2. 海島構造の島部にジルコニウム元素を含む請求項1に記載のポリエーテルエステルアミド組成物。
  3. 島部における、ナイロン6ブロックおよびポリエチレングリコールブロックのIR測定によるピーク面積比率(ナイロン6ブロック/ポリエチレングリコールブロック)が3.5〜1.5である請求項1または2記載のポリエーテルエステルアミド組成物。
  4. ε−カプロラクタムを構成単位とするナイロン6ブロックとポリエチレングリコールブロックの重量比率が25/75〜50/50である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエーテルエステルアミド組成物。
  5. ポリエチレングリコールブロックの構成単位であるポリエチレングリコールの数平均分子量が1000〜3000である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエーテルエステルアミド組成物。
  6. 海島構造の島部にジルコニウム元素を組成物に対して100〜2000ppm含む請求項2〜5のいずれかに記載のポリエーテルエステルアミド組成物。
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