JP2019058899A - 綿棒 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の綿棒は、清掃や塗布等の度に、綿棒ごと使い捨てするしかなかった。また、綿棒の先端部だけを細かく動かして微細な面等を綺麗に清掃する場合、従来の綿棒は短いため難しかった。【解決手段】片端に狭開口部を有する従来よりも長い中空のスティックに棒状合成繊維束を挿入し、棒状合成繊維束を狭開口部から突出させた先端部で清掃等を行い、汚れた先端部だけを切り捨てゴミの減容化を実現するとともに微細な面等の清掃や塗布の作業性向上を実現した。【選択図】図1
Description
本発明は、半導体や液晶、電気機器類や電子部品、精密機器類や精密加工部品等の細かい箇所の汚れ拭きや清掃等、又は上記同様な物や箇所への滑り止め剤や潤滑剤、さび止め剤や工業用油等の塗布等の用途に幅広く使用できる綿棒に係わり、汚れた先端部分だけを切り取ることで繰り返し使用できる綿棒に関する。
従来、綿棒は衛生用品として、耳の穴の掃除や、傷口への薬液の塗布などに使われていたが、その利便性ゆえ、工業用途として、電子部品や精密機器類の隙間等の清掃、精密加工部品等の細かい箇所や工作機械の工具に付着した切り粉等の掃除や拭き取りなどにも広く使用されてきた。
例えば、特許文献1においては、長繊維間に毛細管を有する様に固形化した頭部を設け、その毛細管現象で従来の綿棒と同等以上の吸水性を有し繊維屑等の分離散在が無い綿棒であり、精密機器細部などの掃除や患部への薬液塗布等の分野で使用されている。
また、磁気ヘッド等の電子機器部品のより狭い隙間や小面積の箇所を清掃するために、特許文献2のように、先端の化学繊維部分の着脱が可能であり、軸自体に導電性を持たせた静電気対策を施した清掃用具が利用されている。
しかし、特許文献1においては、従来の綿棒のように軸の一端ないし両端に繊維質を取り付けているだけで、清掃や塗布等の度に綿棒本体ごと使い捨てするしかなかった。また、綿棒の長さが長5cmから8cm程度と短く、剛性が弱くて奥まった隙間などの作業に適さないという問題もあった。
特許文献2では、先端の着脱が可能であるが、汚れたらその先端部を外し捨てるしかなく、専用の先端部が必要なためコストアップになる問題が生じていた。
そこで本発明は、従来の綿棒より剛性の強い中空スティックを長くし、握る手の手首を固定して作業しやすく、清掃や塗布等で汚れた棒状合成繊維束の先端部だけを切断し廃棄する部分を最小限にでき、新たに先端部を突出させることで繰り返し利用できる、従来の綿棒に比べ作業性に優れた新しいタイプの綿棒を提供するものである。
片端に狭開口部を有する中空のスティックに該中空スティックと同径乃至同径以上の直径を有する棒状合成繊維束を挿入し、該棒状合成繊維束を該中空スティックの狭開口部から突出させ、該中空スティックの狭開口部により任意の長さで該棒状合成繊維束を固定できることを特徴とする綿棒。
前記棒状合成繊維束が前記中空スティックと同じ乃至長い長さを有し、突出した該棒状合成繊維束の先端を任意の形状に切断できることを特徴とする請求項1記載の綿棒。
前記中空スティックの材質が金属製乃至合成樹脂製であることを特徴とする請求項1乃至2記載の綿棒。
本発明は、棒状合成繊維束を中空スティックに挿入し、中空スティックから突出させた棒状合成繊維束の先端は、汚れが生じたらその汚れた先端だけを容易に切断できると共に、中空スティック内に挿入した棒状合成繊維束の先端を新たに突出させることで棒状合成繊維束を無駄なく繰り返し使用できゴミの減容化を提供できる。また、手で握る部分の中空スティックを従来の綿棒より長くすることで、手首が対象面に固定しやすく先端突出部を細かく動かせるため、隙間等の細かな個所の清掃や塗布が効率よくできる。
図1、2に本発明の綿棒の概略図を示し、図3に本発明の断面図を示す。中空スティック2の材質は、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム等の金属であるが、金属に限らずプラスチックや木、竹、紙などでも良い。静電気により内部の電子回路等が破壊される危険がある電子機器や電子部品の清掃や塗布作業等に用いる場合には、材質は金属やカーボン等を加えた導電性合成樹脂製がより望ましい。
中空スティック2の狭開口部3は、中空スティック2の開口部全周を狭めた加工をしているが、この全周を部分的に狭めて作っても良い。
棒状合成繊維束5の直径は、中空スティック2の内径と同じかそれよりも僅かに大きくしている。中空スティック2に挿入された棒状合成繊維束5は、中空スティック2の狭めた開口部3から先端部4を突出させる。棒状合成繊維束5の直径よりも狭開口部3の方が小さいため、棒状合成繊維束5は狭開口部3の内壁面に抵抗しながらも先端部4を突出させることができ且つ固定できる。先端部4は狭開口部3で固定されているので、掃除や塗布の作業では棒状合成繊維束5は中空スティック2から出たり引っ込んだりはしない。ここで、先端部4を突出させるとは、棒状合成繊維束の先端部4を掴んで引き出すことも可能であり、乃至は中空スティック2の他端開口部6から、中空スティック2内の棒状合成繊維束5を押し出すことも可能であり、どちらの方法で棒状合成繊維束5を突出させても良い。
棒状合成繊維束5は、ナイロン、アクリル、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアセタール、ポリアミドなどの合成繊維の長繊維束乃至不織布であり、断面略円形状又は断面多角形状に束ねて溶着、融着又は合成樹脂を染み込ませて樹脂加工し、適度な硬さや適宜形状に固形化して成り、素材内部に微細な隙間(毛細管)を有する様に成している。棒状合成繊維束5の形状は、中空スティック2内に収まり狭開口部3で固定することができれば、円柱または三角柱や四角柱、多角柱等の形状でも良い。
棒状合成繊維束5は、中空スティック2と同程度乃至若干長めの長さにし、中空スティック2内にほとんどの部分が収まるようにしている。棒状合成繊維束5の先端部形状4は、例えば図1〜図3に示す通り円柱を斜めに切断したものとしたが、先細りに形成したものや、その他に円柱形状、偏平状、へら状等、従来の綿棒と同様な形状にしてもよい。
棒状合成繊維束5はハサミやカッター、鋭利な工具等で簡単に切断できるので、清掃や塗布で汚れた先端部分4だけを任意の形状に切断し再度突出させることにより、再び同様に清掃や塗布ができ、切断した棒状合成繊維束だけを廃棄するのでゴミの減容化になる。先にも述べたとおり、棒状合成繊維束5は簡単に切断できるので、その都度、清掃や塗布しやすい形状に加工成形することができる。
中空スティック2は、全長10cm〜20cm程度で、直径は1mm〜16mmが好ましい。中空スティック2の狭めた開口部3の直径は、中空スティック2の直径の50%〜90%が好ましい。また棒状合成繊維束5は、中空スティック2と同程度の全長で、直径は中空スティック2の内径の100%〜150%程度の太さが好ましい。
図1で示す本発明の綿棒1の実施例として、中空スティック2は市販のステンレス製で、全長12.5cm、直径4mm(内径は3.6mm程度)のものを使用し、狭開口部3を約3.5mmの直径に狭めた。中空スティック2に挿入した棒状合成繊維束5は、全長13.5cm、直径4mmで、先端4は円柱を斜めに切断して使用した。
上記本発明の綿棒1を用いて、狭い隙間に位置する精密凹凸加工された金属表面にフッ素系樹脂を塗布する作業を行ったところ、従来の工業用綿棒では、均一に塗布できなかった最奥部の箇所が、中空スティック2が長いため握る手の手元が固定でき、先端だけを細かく動かせるため容易に塗布ができ、塗布不均一による不良を格段に抑えることができた。また、塗布作業中には、中空スティック2に挿入した棒状合成繊維束5は、狭めた開口部3で棒状合成繊維束5が固定されているため、中空スティック2内で出たり入ったり(伸び縮み)せず、スムーズに塗布作業が行えた。
また、塗布作業により先端4が毛羽立っても、その毛羽立ち部分だけを先端の斜め形状と並行して切断するだけで直ぐに塗布が再開できたので、ゴミの減容化だけでなく塗布作業の効率化も実現できた。
また、塗布作業により先端4が毛羽立っても、その毛羽立ち部分だけを先端の斜め形状と並行して切断するだけで直ぐに塗布が再開できたので、ゴミの減容化だけでなく塗布作業の効率化も実現できた。
また別の実施例として、全長12.5cm、狭開口部3の直径を0.8mmに狭めた直径1mmのステンレス製中空スティック2に全長13cm、直径1mmの棒状合成繊維束5を挿入した本発明の綿棒で、スクリューねじ加工した部品のねじ山凹凸部の汚れを清掃した。こちらも中空スティック2が長いため中空スティック2の中央部分を手に持ち手首を支点として棒状合成繊維束の先端部4を細かく動かすことができるので、従来の綿棒での清掃に比べ2/3〜1/2の時間で綺麗に汚れを取ることができた。また、上記同様に汚れた先端部分4をハサミで簡単に切断できるので、清掃効率が良くなると共に廃棄量も極端に削減できた。
以上、本発明の綿棒を使った清掃や塗布作業の具体例を説明したように、細かな汚れや狭い場所の塗布面に対し、従来の綿棒より長い中空スティック2であるため持つ手の手元が固定しやすく、指先で先端部4を細かく正確に動かすことができる。また、先端形状4も対象面に合わせて任意に切断成形でき、汚れた棒状合成繊維束の先端部4だけを切断し破棄できるのでゴミの減容化が実現できた。また、切断部分は、汚れ程度にもよるが長さ3mm程度であり、1本の棒状合成繊維束5において、40回程度使用できるので経済的効果もある。
上記のような用途以外に、理化学機器の洗浄等にも利用できる。また、化粧時において、アイラインやまゆ毛の縁どり、目じりや目元などのシミやクマ隠し等の塗布具として利用可能であり、工芸品の装飾用塗布具やデザート等のデコレーション用ペンや塗布具等の繊細なデザインの塗布具としても好適である。
1 本発明の綿棒
2 中空スティック
3 狭開口部
4 先端部
5 棒状合成繊維束
6 他端開口部
2 中空スティック
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4 先端部
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6 他端開口部
Claims (3)
- 片端に狭開口部を有する中空のスティックに該中空スティックと同径乃至同径以上の直径を有する棒状合成繊維束を挿入し、該棒状合成繊維束を該中空スティックの狭開口部から突出させ、該中空スティックの狭開口部により任意の長さで該棒状合成繊維束を固定できることを特徴とする綿棒。
- 前記棒状合成繊維束が前記中空スティックと同じ乃至長い長さを有し、突出した該棒状合成繊維束の先端を任意の形状に切断できることを特徴とする請求項1記載の綿棒。
- 前記中空スティックの材質が金属製乃至合成樹脂製であることを特徴とする請求項1乃至2記載の綿棒。
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