本発明にかかる遊技機は、手段1として、
制御基板を搭載する基板ユニットが遊技盤の裏面側に配設された遊技機であって、
前記基板ユニットが、第1ケースと第2ケースとの間に制御基板を収容した構成を有する基板ケースを備え、
前記基板ケースの一側部分が、金属よりなる連結部材を含む取付構造により遊技盤の裏面側に支持固定され、
前記基板ケースの他側部分が、外部との電波の送受信が可能に構成されたシールを貼付することにより封印されていることを特徴とするものである。
なお本発明において、「基板ケースの一側部分」と「基板ケースの他側部分」とは、基板ケースにおいて相対向する互いに離れた部位を意味し、例えば正面視方形状の基板ケースの場合、左右方向に離れた部位や、上下方向に離れた部位、対角方向に離れた部位等をいずれも含意し、「表側部分/裏側部分」は含意しない。
また、「金属よりなる連結部材」とは、例えば鋼製の添板、ヒンジ、ブラケット等のような、一定のスペースを占有する部材を意味する。
また、「基板ケースをシールを貼付することにより封印する」とは、破壊、変色等の痕跡をなんら残さずに、もしくは電波の送受信機能をなんら損なわずにシールを剥がすことによっては、基板ケースを開封することが不可能な状態とすること、即ち基板ケースを開封するにはシールの少なくとも一部に破壊、変色等の痕跡を残すこと、もしくは電波の送受信機能を損なうことが必要な状態とすることを意味する。
上記のような構成とすることにより、電波の送受信が阻害されることなくシールを確実に作動させることができる。即ち、基板ケースの一側部分においては取付構造を構成する金属製の連結部材がシールの機能に影響を与える可能性があるが、上記構成によればシールはこの金属製の連結部材が存在する一側部分ではなくこれに対向する他側部分に貼付されているので、金属による影響がシールの機能に実質的に及ばない構成となっている。したがって、シールによる外部との電波の送受信を金属部材により阻害されることなく確実に行うことができる。これにより、不正行為の有無を正しく検知することができて信頼性の高い遊技機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段2として、手段1の遊技機において、
前記基板ケースの取付構造が、金属製のブラケットが回動可能に枢着された構造であり、該基板ケースがこのブラケットを介して遊技盤の裏面側に開閉可能に取り付けられていることを特徴とする。
上記のように基板ケースを開閉可能とすることにより、例えば点検の際に基板ケースを分離することなく開放した状態で作業できるため作業性が良好となるといった利点があるが、このような取付構造の場合は特に、基板ケースの一側部分およびその近傍に金属製の連結部材が集中して使用されることとなり、そのぶん金属による影響が大となるので、この一側部分に対向する他側部分にシールを貼付するようにして金属による影響を回避する構成とした本発明の効果もそれだけ大となる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段3として、手段1または手段2の遊技機において、
前記基板ケースの一側部分が金属製の封止部材を用いて封止され、
前記基板ケースの一側部分が、連結台座部材を介して前記取付構造により遊技盤の裏面側に支持固定され、かつ、この連結台座部材が金属製の締結具を用いて基板ケースに連結封止され、
前記連結台座部材に、前記取付構造に含まれる連結部材に係合する金属製の係合部材が設けられ、
前記遊技盤の裏面と基板ユニットとの間に、箱形状に成形されるとともに内部に複数のリブが形成されるようにした中間部材が介装され、かつ、この中間部材において前記基板ケースの一側部分と同じ側に位置する一側部分に、該中間部材と球集合板とを封止するための金属製の締結具を含む封止手段が設けられ、
前記基板ケースの一側部分および連結台座部材に、上記基板ケースの封止部材ならびに連結台座部材を基板ケースに連結封止するための締結具を収容する収容部がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
なお本発明において、「基板ケースを封止する」とは、基板ケースを痕跡を残すことなく開封することができないようにすること、即ち基板ケースを開封するには少なくとも一部を破壊または切断することが必要な状態とすることを意味する。また、「連結台座部材を基板ケースに連結封止する」「中間部材と球集合板とを封止する」とは、痕跡を残すことなくこれら連結台座部材や中間部材の固定状態を解除することができないようにすることを意味する。
上記構成においては、基板ケースの封止部材、連結台座部材を基板ケースに連結封止するための締結具、連結台座部材に設けられる係合部材ならびに中間部材と球集合板とを封止するための締結具がいずれも金属製となっており、これらの金属製の部材や、さらには基板ケースの封止部材ならびに連結台座部材を基板ケースに連結封止するための締結具を収容する収容部がすべて、前記基板ケースを遊技盤の裏面側に支持固定するための取付構造に含まれる金属よりなる連結部材とともに、基板ケースの一側部分およびその近傍に集中して配置されているので、この基板ケースの一側部分が、さらに多量の金属が集中して存在する環境となっており、したがって金属による影響がさらに大となっているため、この一側部分に対向する他側部分にシールを貼付するようにして金属による影響を回避する構成とした本発明の効果もさらに大となっている。
また、本発明にかかる遊技機は、手段4として、手段1または手段3の遊技機において、
前記第1ケースおよび第2ケースの端縁部分に突起片をそれぞれ形成しておき、これら突起片を重合させることによって突起部が構成され、この突起部にシールを貼付することにより前記基板ケースの端縁部分が封印されていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、シールを容易かつ確実に貼付することができて作業性が良好で信頼性の高い封印構造とすることができる。即ち、突起片を重合して突起部を構成することにより、該突起部を基板ケースに比して厚みが小さくなるように形成することができ、これによりシールをより貼付しやすく、かつより強固に貼付することが可能な構造とすることができる。
なお、前記突起部の形状は特に限定されないが、シールの形状に対応した形状(例えば矩形状等)としておくと、シールを所定の位置および姿勢に貼付しやすく作業性が良好となる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段5として、手段4の遊技機において、
前記突起部が、シールを貼付位置に案内し得るガイド構造を有することを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、シールを突起部に貼付する際に、ガイド構造によりシールが貼付位置に案内されて位置決めが容易となり作業性が向上する。
また、本発明にかかる遊技機は、手段6として、手段5の遊技機において、
前記ガイド構造が、シールの周縁を包囲する構造であることを特徴とする。
ガイド構造としては、例えばシールの貼付位置に部分的に突条を形成したもの等でもよいが、上記のようにシールの周縁を包囲する構造とすることにより、シールを貼付位置により正確に案内することができる。また、シールが貼付された状態ではその周縁がガイド構造により包囲されるためより剥がし難くなり、したがって突起部における封印がさらに確実になされる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段7として、手段1から手段6のいずれかの遊技機において、
前記シールが、有機溶剤ないし粘着剤層の粘着力が低下する温度の熱により変色するものであることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、基板ケースからシールを不正に剥がすことを意図して溶剤をかけたり熱を加えたりした場合に、シールが変色することによって不正行為の痕跡を残すことができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段8として、手段1から手段7のいずれかの遊技機において、
前記シールが、長方形状の平面形状を有し、ICチップおよびアンテナを有するICタグユニットを備え、該アンテナがシールの一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるように配置されていることを特徴とする。
シールが剥がされた場合には、剥がす動作に伴う応力によりアンテナが分断され、ICチップに格納されたID情報を確認できなくなるため、シールが不正に剥がされたことを発見することができるが、上記のようにアンテナがシールの一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるように配置されている構成とすることにより、アンテナをシールの一辺に沿って設ける構成に比べ、アンテナの長さ寸法を大きく確保することができ、したがってアンテナの分断が生じる機会を多く設けることができて不正行為をより確実に検知することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段9として、手段8の遊技機において、
シールにおけるアンテナの周囲にアンテナ用切り込みが形成されていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、シールが剥がされた場合にアンテナ用切り込みの端部からシールが破壊されるのに伴ってアンテナも破壊され、その位置にてアンテナが分断されることとなるため、アンテナがより分断され易くなって、不正が行われた場合の発見がより確実になされることとなる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段10として、手段9の遊技機において、
前記アンテナ用切り込みが、アンテナの長手方向およびシールのすべての辺方向に対して交差する方向に延びる線状の切り込みであることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、シールがその一辺に沿う方向に剥がされた場合の剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込みのアンテナ側端部に集中し易くなる。これにより、シールがその一辺に沿う方向に剥がされた場合のアンテナの分断をより確実に発生させることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段11として、手段1から手段10のいずれかの遊技機において、
前記シールの外縁に、内側から外側端部に向けて鋭角のV字状に開いた外縁切り込みが形成されていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、シールをその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が外縁切り込みの内側端部(内側に尖った部位)に集中し、シールがより破壊されやすくなっている。
また、本発明にかかる遊技機は、手段12として、手段8から手段11のいずれかの遊技機において、
前記シールの4隅に、L字状の隅部切り込みがそれぞれ形成されていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、シールがその隅角側から剥がされた場合には、剥がす力に伴う応力が隅部切り込みの端部に集中し、隅部切り込みからシールに破れなどといった破壊が生じる。よって、不正が行われたことの痕跡がシールに残り、当該不正が行われたことを容易に発見することができる。また、当該隅部切り込みを介したシールの破壊を回避すべく、シールの一辺に沿う方向に当該シールが剥がされたとしても、前記のとおりアンテナの分断が生じるので不正を容易に発見することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段13として、手段1から手段12のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機であることを特徴とする。
パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カード書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
パチンコ機にあっては、基板ケースにおいて、金属製の連結部材が存在する一側部分ではなくこれに対向する他側部分にシールが貼付されているので、金属による影響がシールの機能に実質的に及ばない構成となっており、したがって、シールによる外部との電波の送受信を金属部材により阻害されることなく確実に行うことができ、これにより、不正行為の有無を正しく検知することができて信頼性の高いパチンコ機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段14として、手段1から手段12のいずれかの遊技機において、
遊技機がスロット機であることを特徴とする。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
スロット機にあっては、基板ケースにおいて、金属製の連結部材が存在する一側部分ではなくこれに対向する他側部分にシールが貼付されているので、金属による影響がシールの機能に実質的に及ばない構成となっており、したがって、シールによる外部との電波の送受信を金属部材により阻害されることなく確実に行うことができ、これにより、不正行為の有無を正しく検知することができて信頼性の高いスロット機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段15として、手段1から手段12のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機であることを特徴とする。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機にあっては、基板ケースにおいて、金属製の連結部材が存在する一側部分ではなくこれに対向する他側部分にシールが貼付されているので、金属による影響がシールの機能に実質的に及ばない構成となっており、したがって、シールによる外部との電波の送受信を金属部材により阻害されることなく確実に行うことができ、これにより、不正行為の有無を正しく検知することができて信頼性の高い、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機が得られる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、便宜上、パチンコ機を挙げて説明するが、本発明は、パチンコ機以外の弾球遊技機(例えばアレンジボール機や雀球遊技機など)、その他、遊技球を用いる種々の形態の遊技機に適用することができる。
(パチンコ機の正面構成)
図1は本実施形態のパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の左側面図であり、図3は、その平面図である。図4は、外枠11に対して内枠12と前面枠(セット)14と、セット板400を開放した状態を示す斜視図である。(但し、図4では便宜上、遊技盤30面上の遊技領城内の構成〔釘、センター役物等〕を空白で示しているが、アウト口36は描いてある)。
図1ないし図4に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
前記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24(内枠12の左右上端部位置)が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿19が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。
そして、遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38(図4参照)によって遊技球が遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドルと発射モーターなどで構成されている。
音出力口24は、内枠12の左右上端部位置に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は、図1に示すように、下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿15の奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
また、前面枠14は、図4に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠14は内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられている。
つまり、この前面枠14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のものであって、具体的には針金、ピアノ線、セルロイド板等)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、前面枠14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19(図1参照)が前面枠14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
図4に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓部孔21が形成されている。
そして、樹脂ベース20の後側には、図4及び図5に示す遊技盤30が着脱可能に装着されている。図5に示すように、遊技盤30は四角形状の合板よりなり、上部一方のコーナーが肩落ちされており(後に述べる)、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。
従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓部孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている(図4では遊技盤30のアウト口36が示されている)。そして、ここでは、遊技盤30の前記内枠12の外枠11に対する枢着部(パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にした枢着)に近いコーナー(隅)が、図5に示すように、略三角形状に角落ち(切り欠き)720されている。
次に、図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図5は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30の左右やや下方位置には、2組一対の一般入賞口31、31が階段状に配置され、中央下方には、上始動口33aと下始動口33b(作動チャッカ33bで構成)とからなる始動口33ならびに可変入賞装置32が配置されている。これら一般入賞口31、31、可変入賞装置32および始動口33は、遊技領域から裏面へ向けて貫通する開口となっており、これらの開口に対応して入賞装置が取り付けられている。即ち、此れらに対応した入球検出センサが、遊技盤30の背面に設けられており、これらのセンサは、図示しない電気配線を通じて後述する主制御基板(主制御装置)に接続されている。また、下始動口33bの入口には、一対の開閉羽根が設けられており、遊技球を案内する開放位置と、下始動口33b内に遊技球が入りにくくなる閉塞位置を採りうる。開閉羽根は、遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドによって駆動される。
そして、この一般入賞口31、31、可変入賞装置32及び始動口33に遊技球が入球した場合には、上記各検出センサで検出され、この検出センサの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出されると共に、始動口33に遊技球が入球した場合には、後述する抽選が開始されることになる。
上記可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。具体的には、遊技盤30の横方向に複数の遊技球を通過させることのできる幅を持つ収容部の入口からの入球を収容部に収容し、該収容部に設けた排出部から検出センサに至って検出するように構成されている。そして、前記遊技盤30の遊技領域に、窓部101と遊技盤30との間の流下空間を流下する遊技球を入球させる始動口33が設けられ、前記始動口33への入球により、主制御装置によって、所定の確率の当否抽選が行われ、該当たり抽選によって遊技状態が特別遊技状態に移行し、該特別遊技状態において、少なくとも1回、前記可変入賞装置32が、非受球状態から受球状態に切り替わり、前記受球状態において、前記収容部の入口から収容部に収容された規定数の入賞球を、前記検出センサにより検出することによって規定数の賞球を払い出すように構成してある。
尚、上記入賞感知センサにて各々検出された検出結果は、後述する主制御基板に取り込まれ、該主制御基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
また、遊技盤30の中央には液晶パネルを用いた装飾図柄表示装置42が配置されており、その左右横側部には、スルーゲート34,34が配置されている。これらのスルーゲートは、遊技球の通過によって、後述の始動口33の羽根物を開閉作動させる。
その他に、遊技盤30の左右下方位置には、上記一般入賞口31、31を備えた装飾部材35が設けられ、また、遊技盤30の下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って、遊技盤30裏面の図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。さらに、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の誘導釘が植設されているとともに、同様の機能を有する風車が配設されている。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。
なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。
かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図5の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレートが取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路に導くための役目をなす。
なお、遊技盤30の右下隅部および左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図5のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図5のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されている。本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51および外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。
従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
前記樹脂ベースにおいて、窓部孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レールが取り付けられている。発射レールは、その後方の金属板を介して樹脂ベースに取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レールに沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レールとレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路を介して下皿15に排出される。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路に誘導される、これにより、ファール球の全てがファール球通路に確実に案内されるようになり、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
図4中の符号67は、上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。この排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタが取り付けられている、前面枠14を内枠12から開放した状能(図4の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタが略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。
また、前面枠14を閉鎖した状態では、当該前面枠14の裏面に設けられた球通路樋69(図4参照)によりシャッタが押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、本パチンコ機10においては、前面枠14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図4に示すように、内枠12の上側には、前面枠14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、前面枠14が閉じられると、前面枠14の金属製の補強板が、内枠12の一対の金具に接触するようになっており、前面枠14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠14について、図1乃至図4を参照しつつより詳細に説明する。
前面枠14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、ベース部材が窓部101を形成する開口を備えており、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲して細化した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に、演出装置700の一つとして、各種ランプ等の発光部が設けられている。これら発光部は、大当たり遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光部を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光部を内蔵した中央電飾部103が設けられている。
本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光部を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。
その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ810、813(LED:後に言及)とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓部107が設けられている。この小窓部107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓部107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。更に、遊技領域内にも、入賞口用等の電飾ランプ、LEDが存在するが、こうした発光部も演出装置700の一部を構成する。
また、図1に示すように、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
そして、度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
(パチンコ機の背面構成)
図6及び図7は、パチンコ機10の背面図と、セット板400を一部開いた斜視図である。先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)等が取り付けられている。
本実施形態では、各種制御基板を3つの制御基板にユニット化し、これら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。ここでは便宜上、これらのユニットを「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。この場合、第1制御基板ユニット201および第2制御基板ユニット202として、主制御基板と音声ランプ制御基板とがそれぞれ取付台に搭載してユニット化され、第3制御基板ユニット203として、払出制御基板、発射制御基板および電源基板が、セット板400の第2パーツを構成する排出通路盤にユニット化されている。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202および第3制御基板ユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。かかる構成については後に詳述する。これは、各ユニット201、202、203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
図5に示す一般入賞口31、可変入賞装置32および始動口33に入賞した遊技球は何れも前記裏枠セットの回収通路を介して集合し、さらに排出通路盤の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図5参照)も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
その他、図6に示すように、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、または排出通路の何れかに振り分けるための遊技球分配部が設けられている。
第1制御基板ユニット201は、遊技盤30の裏面側に配設され、制御基板を収容する第1基板ケース201Aを有し、この第1基板ケース201Aに主制御装置261が搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる遊技の制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主制御基板を具備しており、この主制御基板が透明樹脂材料等よりなる後述の第1基板ケースに収容された構成とされる。
第2制御基板ユニット202は、台座に音声ランプ制御装置が搭載された構成を有し、装飾図柄表示装置42の裏面側を覆う位置に配置され、遊技盤30に取り付けられている。音声ランプ制御装置は、音声ランプ基板を具備している。
第3制御基板ユニット203は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314が含まれる。払出制御装置311、発射制御装置312および電源制御装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311により、賞品球や貸出球の払出が制御される。
また、発射制御装置312により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モーターの制御が行われ、電源制御装置313により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ケース315(この内側に位置するもう一つの基板ケース),316,318にそれぞれ収容された構成とされ、セット板400の上部から側部にかけて配置された概略逆L字状をなす払出ユニットならびに下部に配置された排出通路盤とともに、第3制御基板ユニット203を構成している。
図6に示すように、払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モーター部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モーターが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。また、電源制御装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。
そして、図4に示す通り、前記内枠12の外枠11に対する枢着部725に近い前記遊技盤30のコーナーが、図5に示すように、略三角形状(遊技盤の中心側は円弧状)に角落ち720されている。前記枢着部725は、図4に示すように、外枠11に固定のブラケット726(上端部)(下端部は図外)に、内枠12に固定の取り付け金具を枢着することで構成されている。
ここで、上述したエラー状態などの状態報知について図1及び図6に基づいて述べる。[遊技球の払い出しに関するエラー報知]
(タンク球無し)
タンク球無しの報知は、タンクとタンクレールに遊技球が無いことを報知するもので、図1に示す右コーナーLED810が点灯し、図6に示すモニターLED811が消灯し、状態表示812が「1」を点滅表示する。
(下受け皿満タン)
下受け皿満タンの報知は、図1に示す右コーナーLED813が点灯し、図6に示すモニターLED811が消灯する。そして、状態表示812が「2」を点滅表示する。
(払出ユニット異常)
払出モーター駆動中にも関わらず払出カウントスイッチに遊技球の通過がない状態を示すもので、右コーナーLED810が点灯し、モニターLED811が消灯し、状態表示812が、「3」を点滅表示する。
[電源に関するエラー報知]
(ヒューズ切れ1及びヒューズ切れ2)
ヒューズ切れ1は、図6に示す第1ヒューズ814に定格以上の電流が流れたとき、ヒューズ切れ2は、第2ヒューズ815に以上の定格以上の電流が流れたときに飛んでしまった状態であるが、このエラー状態報知は、表示されない。
[その他のエラー報知]
その他のエラーとしては、「ガラス枠開放」、「内枠開放」、「遊技球等貸出装置未接続」、「遊技球等貸出装置通信異常」、「コマンド異常」、「コネクタ未接続」がある。そのうち、遊技球等貸出装置が未接続の場合は、図6に示すモニターLED816及びモニターLED817が消灯する。そして、遊技球等貸出装置通信異常は、前記状態表示812が「U」を点滅表示する。
また、コマンド異常は、ハーネスの破損等によるコマンド不良を示すもので、前記状態表示812が「C」を点滅表示する(電源投入時にコマンド異常になった場合は点灯表示)。更に、コネクタ未接続は、モニターLED818が消灯する(ただし、発射動作中は点滅する)。
尚、図6において、819は、遊技機電源コードを示し、820は、電源スイッチを示し、821は、外部接続アース線を示す。
次に、第1制御基板ユニット201について説明する。第1制御基板ユニット201には、主制御装置261が搭載され、該主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を収容してなるものである。
前記第1制御基板ユニット201は、第1基板ケース201Aおよび連結台座部材430を含み、第1基板ケース201Aは、第1制御基板ユニット201の主要部をなす部材であり、図8乃至図16に示すように、外側ケース(第1ケースまたは第2ケース)70および内側ケース(第2ケースまたは第1ケース)85を含む。この実施例では、外側ケース70が主制御装置261の制御基板80を収容する容積のある方であり、内側ケース85がその蓋体に相当する方である。なお、外側ケース70および内側ケース85は、いずれを第1ケースとしてもよい。
この第1基板ケース201Aは、前記外側ケース70側に設けられる外側封止部71と、前記内側ケース85側に設けられる内側封止部86と、その外側封止部71と内側封止部86とを連結する金属製の封止部材87とを有し、その封止部材87によって前記外側封止部71と内側封止部86とが連結されている場合に前記制御基板80を取り出すときには第1基板ケース201Aを破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とするものである。
前記外側ケース70の外側封止部71と内側ケース85の内側封止部86とは対を成すもので、この実施例では、個別に使用することのできる4個の封止部(封止、開封の再使用不可)から構成されており、それぞれを、封止部材87を用いて封止するよう構成されたものであり、こうした封止構造は、公知に属するものと変わらないものであるから、ここでの詳細説明は省略する。
なお、外側ケース70および内側ケース85において、外側封止部71および内側封止部86が設けられた側端縁のほぼ中央部には、該外側封止部71および内側封止部86と並置するようにして、3個の封止部材87を収容し得る収容部871が設けられており、これにより、第1基板ケース201Aの定期検査等で封止を解いた後に、収容部871から封止部材87をとり出して、再び第1基板ケース201Aの封止を行うことができるようになっている。
図8は、遊技球が流下する遊技領域を前面側に形成してある遊技盤30の裏面の斜視図である。図9は、第1基板ケース201Aを開閉機構410から取り外した状態を示す。
上記開閉機構410は、第3部材としての回動連結のための軸411を備え、一端側、即ち、コの字形に折り曲げられた一枚の支持板(約2mm厚の鋼板)からなる第1部材としての支持体412が、図16に示すようにそのコの字の底部部分で遊技盤30の裏面側にネジで固定され、他端側は、その軸411を基点にして回動するように枢着された第2部材としてのブラケット413で構成されている。前記軸411は、リベット構造であり、その両端部を変形させることよって容易に抜き取り出来ないようにされている。
前記第1部材としての支持体412のコの字の底部部分にはネジ孔が設けられ、図16に示すように、遊技盤30の裏面と球集合板460(入賞装置に入球した遊技球を受けて下方へ誘導する排出通路が形成されているもの)との間でネジ固定され、球集合板460の開口部461(又は切り欠き部)を介して遊技機の裏面側に向かう方向に突出する。
上記構造とすることにより、球集合板460を遊技盤30に取り付けた後は支持体412が外側から取り外せない状態となるので、例えば後述する第1基板ケース201Aを不正に取り外したりすることがより困難となる。
上記球集合板460については、その外周部の複数個所を遊技盤30の裏面に対して固定するが、そのうちの少なくとも一つが固定解除できないように、破断ネジ等でするか、ビス留めしたあと、ビス頭部を覆うキャップを取り付けるようにする等して、球集合板460が遊技盤30から容易に外されるのを防止する構造としてもよい。
上記切り欠き係合部415は、後述の第2係合部433とでもって、第1係合部414の抜け出し防止の規制機構440を構成する。前記ブラケット413(約2mm厚の鋼板)には、図17に示すように、前記支持体412に枢支連結される一枚の支持板からなる支持部413aが形成されており、その支持部413aは、ブラケット本体部から直角に折り曲げられて側面視で門型に形成されている。そして、このブラケット413は、第1係合部414(後述の連結台座部材430に対する)に構成され、その第1係合部414には、図17に示す切り欠き係合部415が形成されている。この切り欠き係合部415は、切り欠き部分の両側の先端部が互いに対向する方向に鉤状に突出し、全体として概略C字形状となるように形成されている。
尚、前記第1基板ケース201Aは、既述の通り、外側封止部71を備える外側ケース70と内側封止部86を備える内側ケース85を有し、主に外側ケース70の内部に遊技を制御する制御基板を収容する構成のものである。
次に、図9乃至図19に基づいて、連結台座部材430について述べる。
この連結台座部材430は、前記開閉機構410と前記第1基板ケース201Aとにそれぞれ連結されるものであり、言わば従来から用いられていた基板ケースを取り付けるための台座に相当するものであって、合成樹脂で成型されており、ここでは、幅は、前記第1基板ケース201Aの幅と実質的に同じ幅(約150mm)で、長さが約48mm(第1基板ケース201Aの長手方向に向かう長さ)、厚みが13mm、肉厚は、2mmのものであり、第1基板ケース201Aの内側ケース85の側面に接当する側が開放され、リブが多数設けられ、破断ネジ439を収容する収容部431が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ439がそれぞれ1本づつセットされるようになっているが、周壁、リブの端面は同じレベルに形成され、内側ケース85の側面に密着接当可能にされており、反対側の側面(遊技盤30側)は、平坦に形成されている。
破断ネジは、螺合させて締結(本締め)するのに必要な程度のトルクで回転させて締結した後、さらに大きい所定の高トルクで回転させると破断する破断部を備える金属製のネジであり、具体的には例えば図15に示す破断ネジKのように、頭部K10および軸部K20で構成され、頭部K10が、外側頭部K11および内側頭部K12が軸方向に並置するように形成された構成を有し、外側頭部K11と内側頭部K12との間に、くびれるようにテーパ状に細径化した形状を有する破断部K13が設けられたものとなっている。使用時には、ドライバを外側頭部K11の溝に嵌合し必要なトルクで回転させて軸部K20を締結対象部材のネジ孔に螺入し本締めした後、外側頭部K11をさらに高トルクで回転させると破断部K13で破断して外側頭部K11が離脱し、以降はドライバにより破断ネジKを回転させることができずその取り外しが不可能となる。
前記第1基板ケース201Aのうち、前記連結台座部材430と連結封止される部位である第1台座封止部450が、その内側ケース85の端部に設けられており、ここでは該第1基板ケース201Aの幅方向に、所定の間隔を隔てて4個突設されている。この第1台座封止部450は、外側ケース70の外側封止部71と内側ケース85の内側封止部86との位置と平面視で位相がずれるように変位して配置されており、従って、第1基板ケース201Aを背面から(遊技機の背面から)見たときに、前記外側封止部71と内側封止部86に重なることなく、視認できる状態にある。
即ち、前記外側封止部71と内側封止部86の位置する側に前記第1台座封止部450が配置され、且つ、前記第1基板ケース201Aの背面視(正面)において、前記第1台座封止部450が見えるように前記外側および内側封止部71、86と平面位相をずらせて配置されているのである。
そして、前記連結台座部材430には、前記第1基板ケース201Aの前記第1台座封止部450と連結封止される部位である第2台座封止部432が、ここでは、4個が、前記4個の第1台座封止部450と対応する位置に突設されている。この1個の第2台座封止部432の構造は、この連結台座部材430の本体に繋がるリブに、有底のネジ止め凹部を有する突起体が一体成型されており、そのリブの底面と有底部分の底面は面一で、且つ、前記収容部431のリブ及び周壁のレベルと面一とされている。
そして、前記第1、及び第2台座封止部450、432は、破断ネジを用いて連結封止される。
前記連結台座部材430の内部に、前記開閉機構410の前記第1係合部414と係合する部位である第2係合部433が設けられる。この第2係合部433は、この実施例では、後述する第1被覆部材430Aとは別体成型の第2被覆部材430Bに取り付けられる。勿論、別体の第2被覆部材430Bが存在せず、第2係合部433が連結台座部材430の樹脂成型時に埋め込まれたり、或いは、それ自体の弾性変形を利用して、連結台座部材430に形成された挿入部434の内部に挿入設置されるように構成されてもよいものである。
前記第2係合部433は、ここでは、弾性を備えた一枚の薄い板体(鋼板)を折曲成形して構成されている。即ち、概略縦長の長方形状の板体の一方長辺に沿って延びる帯状部を直角に折曲し、さらにこの帯状部の両端部を内側方向(板体の他方長辺側方向)へ90℃未満の小角度(例えば20〜60°程度)だけ折曲して弾性係合爪を形成した構成となっている。一方、前記第1係合部414は金属製の平板状体で構成され、そこに切り欠き係合部415が形成され、該切り欠き係合部415に前記第2係合部433の係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dが構成されている。そして、前記開閉機構410の前記第1係合部414を挿入して前記連結台座部材430の内部の前記第2係合部433に係合させるために前記連結台座部材430に、挿入部434が形成されている。
このように、前記規制機構440Dは、前記第1係合部414と前記第2係合部433との係合において、前記開閉機構410の第1係合部414が前記挿入部434に挿入されて前記第2係合部433と係合されたあとにその挿入方向とは逆の抜き出す方向への移動を規制するものである。
なお図10には、図示を明確化するため、第1係合部414を前記挿入部434に挿入した状態で、第2部材すなわちブラケット413ごと第1制御基板ユニット201が球集合板460から分離した状態が示されているが、実際のパチンコ機10においては、ブラケット413は第1基板ケース201A側(連結台座部材430)よりも先に、球集合板460側(第1部材すなわち支持体412)に取り付けられた構造となっている。
ここで、更に、前記連結台座部材430について詳述する。前記第2係合部433を被覆するべく、前記連結台座部材430は、第1被覆部材430Aと第2被覆部材430Bとから構成されている。第1被覆部材430Aおよび第2被覆部材430Bは、それぞれ別体として成形され、組み合わせて連結台座部材430として構成され、且つ、これらの少なくとも一方、ここでは第1被覆部材430Aに凹面が形成され、他方、即ち、第2被覆部材430Bに対向するよう組み合わせることで前記第1係合部を挿入するための前記挿入部434を形成している。具体的には、前記挿入部434は、その入口が、入口側から内部に向かって幅狭となるようにテーパ状に形成され、且つ、挿入方向に沿って複数、ここでは4本の案内リブが形成されている。
そして、この第2被覆部材430Bに、前記第2係合部433が設けられるが、その第2係合部433を、第2被覆部材430Bに形成した係止突片430Cに、その入口の側からスライド挿入して係止させ、且つ、ネジ止めされる。
前記第2被覆部材430Bは、前記第1被覆部材430Aよりも小さく構成され、前記連結台座部材430と前記第1基板ケース201Aとが連結した状態においては、前記第2被覆部材430Bの取り外し方向側に前記第1基板ケース201Aが位置された状態となり、前記第1基板ケース201Aと前記第1被覆部材430Aとにより被覆された状態となるように構成されているものである。
また、前記連結台座部材430は、前記第1基板ケース201Aよりも小さく構成され、前記第1基板ケース201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結されるように構成されているものである。
更に、上述した通り、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433を金属製の係合部材により構成してある。
前記第1基板ケース201Aの側面に、係止リブ420、420、420が前記連結台座部材430の略周部に沿って配置されて突出するように備えられ、該係止リブ420、420、420に所定の方向、即ち、第1基板ケース201Aの裏面に沿って第1、第2台座封止部や第1連結部の位置する側から第1基板ケース201Aの中央側に向けてスライド移動させることによって、係合するリブ係合部435が前記連結台座部材430の側部に設けられると共にその一つの係止リブ420が、前記連結台座部材430の収容部431の周壁の内側に形成されたリブ係合部436に係合するように設けられている。
前述の別体構成の前記第2被覆部材430Bの両側部にカム面を備えた係合片430D、430Dが突設され、第1被覆部材430Aの内部に前記係合片430D、430Dに係合する門型の係合部430E、430Eがそれぞれ設けられ、前記第2被覆部材430Bを前記第1被覆部材430Aに対して押し付けることで前記カム面作用により前記係合片430D、430Dの素材の弾性変形を利用して門型の係合部430E、430Eへの係合が行われるように構成されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、遊技機に取り付けられた第1制御基板ユニット201が遊技盤30の裏面に対して開閉することにより、遊技盤裏面の設置物に対しての検査、メンテナンスが容易に行い得るのである。
そして、封止部により封止されることにより、制御基板に対して不正な改変を行ったり、不正品に交換されることを防止でき、また、第1、第2台座封止部450、432により連結封止することによって、第1制御基板ユニット201を不正品に交換されることを防止できる。
更に、連結台座部材430に対して開閉機構410を簡単な操作により装着できるので、作業性が向上するのであり、そして、第1係合部414と第2係合部433とを一度係合させるとその解除が規制機構440Dによって規制され、係合部分は被覆されているので、連結状態の第1基板ケース201Aおよび開閉機構410、即ち第1制御基板ユニット201ごと不正に持ち去ることを防止できるのである。
次に、第1被覆部材430Aと第2被覆部材430Bとがそれぞれ別体に成形され、組み合わせて前記連結台座部材430として構成されることで、第2係合部433を被覆することを行い得ながら、第2係合部433を第2被覆部材430Bに備えておいて、これを後に組み合わせるという作業で、この、第2係合部433を前記連結台座部材430の内部に備えることができる。
また、前記連結台座部材430と前記第1基板ケース201Aとが連結した状態においては、第2被覆部材430Bが前記第1基板ケース201Aの側に位置して、前記第1被覆部材430Aとで挟まれた状態となって第2係合部433の被覆が行われ、その被覆が容易に外れない。
更に、連結台座部材430は、前記第1基板ケース201Aよりも小さく構成され、前記第1基板ケース201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結される構成であるので、従来のような基板ケースと同等の大型の台座を必要とすることがない状態で、その第1基板ケース201Aの開閉を行い得るのである。
更に、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433を金属製の係合部材により構成してあることで、第1係合部414と第2係合部433の係合状態が確実におこなわれているかどうか外部から視認でき、また、強固な係合がされていることが視認されることで、安易な取り外しが行われないようにすることができる。
また、前記第2係合部433を板金で構成してその一部を変形させることで第1係合部414に対する係合を行う構成であるので、極めて構造が簡単であり、同時に、係合状態の解除が容易に行われないものである。
更に、挿入部434の入口をテーパ状として、且つ、案内リブを設けることで、第1係合部414の挿入を容易にすることができると共に内部への侵入がガイドされてスムースに行い得るのである。
また、外側ケース70の前記外側封止部71と内側ケース85の内側封止部86の位置する側に前記第1台座封止部450及び第2台座封止部432が配置されるものの、前記第1、及び第2台座封止部450、432が見えるように前記外側および内側封止部と平面位相をずらせて配置されていることで、前記第1、及び第2台座封止部450、432が前記第1基板ケース201Aの背面視(正面)において、視認可能となり、前記第1、及び第2台座封止部450、432が不正に解除されているかどうか容易に分かるのである。
また、第1基板ケース201Aの側面に、係止リブ420を突出するように設け、前記連結台座部材430を係止させて位置決めすることができ、その後の前記第1台座封止部450及び第2台座封止部432の連結が行い易いのである。
更に、前記第2被覆部材430Bを第1被覆部材430Aに取り付けるに、第2被覆部材430Bのカム面を備えた係合片430Dと、第1被覆部材430Aの前記係合片430Dに係合する係合部430Eの存在によって、第2被覆部材430Bを第1被覆部材430Aに向けて押圧するだけで、素材の弾性変形でもって係合が行われることになり、簡単に組み付けができる。
また、連結台座部材430に、破断ネジ439を収容する収容部431を設けることで、第1基板ケース201Aの定期検査等で封止を解いた後に、そこから破断ネジ439をとり出して、再び新たな第1台座封止部450と第2台座封止部432との封止を行うことができる。
上記開閉機構410の他端側(前記支持体412と反対側)である第2部材、第1、第2台座封止部450,432を、破断ネジで連結させてもよい。
例えば、製造時において開閉機構端部を連結台座部材挿入口に挿入して連結する操作に際し、第1、第2台座封止部の間に、前記開閉機構410の他端側である第2部材の一部が入り込む(挟まれる)ように構成されており、次回以降の連結封止では、これら3部品を一つの破断ネジで留めるようにする。この開閉機構410の他端側である第2部材は、第3台座封止部を構成するもので、前記ブラケット413の本体部の両側部から、前記支持部413aとは反対側に向けて延設され、且つ、その後にブラケット本体部と平行になるように曲折された細幅の取り付け板416からなり、その取り付け板416に2個一対のネジ孔(後述の連結台座部材430と第1基板ケース201Aに対する)が形成されている(ネジ孔ではあるがネジ切りはされていない;図19参照)。
また、第1台座封止部450に形成された切断部450A(図9他参照)を切断して、破断ネジは第2台座封止部及び第2部材に残すようにすれば連結封止を解除できる。
更に、別の変形例として、第1、第2連結部の両方に切断部を形成し、破断ネジを第2部材に残すようにしてもよい。
また、この例では、第1係合部414を構成する金属製の平板状体に切り欠き係合部415が形成されており、該切り欠き係合部415に前記第2係合部433の係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構が構成されている。
遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間には、中間部材501が介装されている。図14及び図16に示すように、遊技盤30の裏面には球集合板460が設けられ、第1制御基板ユニット201はこの球集合板460に外側から取り付けられる構成となっているが、該球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の間隙が形成されている。パチンコ機10の機種によっては、遊技盤30の裏面の設計に応じて、当該部位の寸法(奥行)が異なる。このため、この寸法の変動に対応できるように、球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の余裕、すなわち間隙が形成されているのである。前記中間部材501は、この球集合板460と第1制御基板ユニット201との間の間隙を補填するためのものであり、当該間隙にほぼ対応した寸法を有するものとなっている。
上記中間部材501は、球集合板460に対向する面が開放された概略横長で中空の箱形の形状を有し、その上端部にはほぼ矩形状の切欠部511が形成されている。この切欠部511は、球集合板460と第1制御基板ユニット201とを電気的に接続するスペースを確保するためのものである。
上記中間部材501の内部には、図14に示すように、複数のリブ512が形成されている。このリブ512は、中間部材501の補強の機能だけでなく、該中間部材501の内部に不正基板を設置し得るスペースが形成されないようにするという機能も奏するものである。また、このリブ512は、球集合板460側に設けた電気部品等に接当しないように区画配置されると共にその高さが部分的に変えられている(リブの外縁面が同じレベルではない)。
上記中間部材501は透明樹脂よりなるものであり、これにより、例えば中間部材501より内方側(遊技盤30側)の球集合板460に取り付けられている中継基板、LED基板等の電気部品に対しなんらかの不正行為がなされたか否かが、該中間部材501の外側からでも容易に視認することができ、したがって不正をより効果的に防止し得るようになっている。
上記中間部材501の一方端部には、上下1対の板状のブラケット513が突設されている。該ブラケット513の先端部には孔または切欠が形成されており、一方、前記球集合板460における前記開閉機構410形成側端部とは反対側の端部(図14および図16では右側端部)には、上下1対の軸462がそれぞれ上方に突出するように設けられており、この軸462に前記中間部材501のブラケット513が挿通されている。これにより、上記中間部材501は一方端部で軸462を中心として水平面上で回動可能に軸支され開閉可能となっている。即ち、該中間部材501の開閉軸線はパチンコ機10の背面からみて前記開閉機構410形成側端部の反対側(図14および図16の右側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして中間部材501が後方側に十分に開放できるようになっている。
前記第1基板ケース201Aは、図13に示すように開閉機構410により該開閉機構410形成側端部(図13では左側端部)で回動させて一方側へ(図13では左方に)開放し得るようになっているが、上記のような中間部材501の支持構造とすることにより、該中間部材501は図14に示すように第1基板ケース201Aとは逆方向に(図14では右方に)開放し得るようになっている。すなわち、該中間部材501と第1基板ケース201Aとが、左右逆方向に開閉し得る構造、さらに具体的にいえば、左右から折り重ねるようにして閉じ得るとともに、その閉じた状態からそれぞれ左右に開放し得る構造となっている。
上記中間部材501の自由端部側(図9及び図11では左端部側)およびこれに対応する球集合板460上の位置には、中間部材501と球集合板460とを封止するための封止手段が設けられている。この封止手段は、第1封止部520aと第2封止部520bとを有している。この第1封止部520aおよび第2封止部520bについて以下順次説明する。
図20に示すように、第1封止部520aは、球集合板460に遊技盤30側から挿通されて中間部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底部に有する凹部465と、中間部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されている。
中間部材501の自由端において球集合板460に当接する上下2箇所のコーナー部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、中間部材501の長さ方向に沿って延出し、上下1組の延出片のうち内側に位置する延出片の先端部が外方に屈曲して外側の延出片に向かって延び、これら上下の延出片の先端部分が、中間部材501の奥行方向に沿って延びる円筒状部を支持するような形状となるように、中間部材501のコーナー部が成形されている。上記円筒状部の内部にはネジ溝が形成されてネジ519が螺入し得るようになっており、この円筒状部が挿入部514となっている。また、上記上下1組の方形状の延出片は、ネジ519による固定状態を保持するのに十分な強度を有するとともに、ニッパ等の適宜手段により容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、この延出片が切断部514Aとなっている。
一方、球集合板460において上記中間部材501の上下のコーナー部に対応する位置にはそれぞれ、凹部465が設けられている。下側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から円形の平面形状をなして陥入し、その底部にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から、下側の一隅を部分円状に角落ちさせた概略方形状の平面形状をなして陥入し、その底部にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上下の凹部465のネジ挿通孔にはそれぞれ、遊技盤30側からネジ519が挿通され、該ネジ519の頭部が凹部465内に収容されるとともに、軸部が前記中間部材501の挿入部514に螺合し、これにより中間部材501の自由端部が球集合板460に固定されるようになっている。
球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では、球集合板460の凹部465がネジ519のネジ頭を収容して遊技盤30により閉塞された状態、すなわちネジ519のネジ頭が球集合板460と遊技盤30との間に挟まれた状態となるため、外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、中間部材501と球集合板460とが封止されるようになっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的として中間部材501を開放する場合には、前記切断部514Aを切断することにより、中間部材501と球集合板460との封止状態を外側から(パチンコ機10の背面側から)、痕跡を残しながら解除することができる。
なお、固定手段として、ネジにかえてナイラッチ等を用いるようにしてもよい。ナイラッチは、頭部から延出する軸部の先端部が径方向に拡張するように成形されたナイロン製の締結具であり、締結対象の部材に設けた孔部に押し込んで弾性的に係合させることにより当該部材を締結するものである。
第2封止部520bは、中間部材501に背面側から挿通されて中間部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、中間部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底部に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されている。
中間部材501の自由端は、高さ方向における中段をなす帯域部分が内側に陥入して、正面視概略コ字状の形状を有しており、その陥入部分の底部から、高さ方向に長く延びる概略直方体状の基台部515Bが外側(中間部材501の自由端側)に突出し、さらに該基台部515Bの外側端面から、破断ネジ挿通部515が外側に突出した形状となっている。基台部515Bの外側端面の上端部および下端部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、中間部材501の長さ方向に沿って延出し、上下の延出片の先端部同士がたがいに近接し合う方向に円弧状に湾曲するように延びて接合し、正面視半円状の周壁部515Cが形成されている。この周壁部515Cを含む上下の延出片は全体として正面視U字状に形成され、その先端部分の内側における奥行方向中央付近には、奥行方向に対し垂直となるように、即ち例えば遊技盤30の裏面に対し平行となるように、底壁515Dが設けられ、該底壁515Dにはネジ挿通孔(図示せず)が穿設されている。上記周壁部515Cを含む上下の延出片および底壁515Dにより、破断ネジ挿通部515が構成されている。上記上下の延出片は、前記第1封止部520aの切断部514Aと同様に、十分な強度を有するとともに容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、また、前記底壁515Dは上下の延出片の先端部の間の空間のみを閉塞しこれより内側の脚部(立ち上がり部)の間の空間は閉塞しないように設けられていて、この脚部は奥行方向に貫通する形状となっている。このように構成されることにより、上記上下の延出片の脚部が第2封止部520bの切断部515Aとなっている。
一方、図16に示すように、球集合板460において上記上下の破断ネジ挿通部515に対応する位置にはそれぞれ、螺入部463が設けられている。上下の螺入部463は、球集合板460における前記支持体412挿通用の上下の開口部461の間の位置から、背面側(中間部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。
図20に示すように、中間部材501を閉じて球集合板460に当接させた状態では、破断ネジ挿通部515の周壁部515Cの球集合板460側端縁も球集合板460に当接し、螺入部463の全体が該周壁部515Cにより包囲されるようになっている。この状態で、破断ネジ522が破断ネジ挿通部515に背面側(中間部材501側)から挿通されて螺入部463に螺入され、これにより中間部材501が球集合板460に固定される。破断ネジ522は所定の高トルクで回転させることにより外側頭部522aと内側頭部522bとの間で破断して外側頭部522aが分離し、内側頭部522bが破断ネジ挿通部515の内部に収容された状態で残留する。この状態では、ドライバによって破断ネジ522を回転させることはできず、しかも内側頭部522bは破断ネジ挿通部515の周壁部515Cで包囲されているため、痕跡を残さずに破断ネジ522を取り除くことは不可能である。これにより、中間部材501と球集合板460とが封止された状態となる。
一方、前記切断部515Aを切断することにより、中間部材501と球集合板460との封止状態を痕跡を残しながら解除することができる。
中間部材501の自由端は、前記したように中段をなす帯域部分が内側に陥入した正面視概略コ字状の形状を有しているが、その陥入部分を挟む上段および下段の突出部分の先端面には、それぞれ前記第1封止部520aが設けられている。さらに、下段の突出部分の先端面において、第1封止部520aの上方の位置に、破断ネジ挿通部516が設けられている。この破断ネジ挿通部516は、前記陥入部分の底部に設けられた破断ネジ挿通部515とほぼ同様の上下の延出片(周壁部を含む)および底壁を有する構成となっている。また、図16に示すように、球集合板460において上記中間部材501の下段の突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516に対応する位置には螺入部464が設けられており、この螺入部464は前記螺入部463と同様に、背面側(中間部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。本実施形態に示す第2封止部520bは、中間部材501の陥入部分の底部に設けられた上下の破断ネジ挿通部515および突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516と、これら破断ネジ挿通部515、516にそれぞれ対応するように球集合板460に設けられた螺入部463、464と、破断ネジ挿通部515、516のそれぞれに設けられた切断部515A、516Aと、破断ネジ522とで構成され、高さ方向に並ぶ3点で中間部材501と球集合板460との封止がなされ得るようになっている。
上記中間部材501の陥入部分の底部に設けられた上下の破断ネジ挿通部515は、図9および図11に示すように、前記開閉機構410におけるブラケット413の上下の支持部413aの間に挟持されるような位置に形成され、これら支持部413aの間のスペースをほぼ閉塞し、第1基板ケース201Aを枢着する軸411であるリベットの頭部に近接している。
図9乃至図11ならびに図21に示すように、上記中間部材501の外側面(第1基板ケース201A側面)における固定端部(図9、図11及び図21では右側端部)には、先端に係止爪が形成された矩形状の係止片517が後方に(第1基板ケース201A側に)突出するように配設され、一方、第1基板ケース201Aの自由端部には、矩形状の突起部851が側方に(図21では右方に)突出するように配設されており、図22に示すように該係止片517が突起部851に弾性的に係止し得るようになっている。この係止片517は、中間部材501に一体成型されている。
また、上記中間部材501の外側面における自由端部には、図11に示すように、矩形状凹部518が形成されている。この矩形状凹部518は、前記連結台座部材430の長さ(約48mm)および厚み(約13mm)にそれぞれほぼ等しい長さ(中間部材501の長手方向に沿った長さ)および深さを有し、図9に示すように、内部に連結台座部材430をほぼ隙間なく収容することができ、収容状態で該連結台座部材430の外側面(開放側面)と中間部材501の外側面とが面一となるようになっている。これにより、第1基板ケース201Aとの間にできる限り間隙が形成されないようになっている。
また、上記パチンコ機10においては、中間部材501の一方端部およびこれに対応する球集合板460の位置に、第1および第2封止部520a、520bで構成される封止手段を設けた構造としていたが、これと同様のまたは異なる封止手段を他方端部にも設け、これにより、中間部材501の両端部を封止した状態で固定する構造とするようにしてもよい。この場合、前記中間部材501の開閉構造(回動可能に軸支した構造)を設けた端部にさらに封止手段を設けるようにしてもよいが、両端部が封止手段により固定されるため、開閉構造は省略することができる。
上記のように、遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間に中間部材501が介装されていることにより、遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間の間隙が補填され、これによって、不正行為を行い得るようなスペースが形成されないようになっている。さらに、この中間部材501が封止手段520により封止した状態で固定されていることにより、不正に取り外すことが困難となっており、もしこの封止が不正に破られたとしても、痕跡が残るため、封止が破られたことが一目瞭然であり、これにより不正行為が容易に発覚する。
さらに、封止手段が第1封止部520aと第2封止部520bとを有し、第1封止部520aが、球集合板460に遊技盤30側から挿通されて中間部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底部に有する凹部465と、中間部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されているため、球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、中間部材501が封止した状態で固定され、これを痕跡を残すことなく不正に取り外そうとすると球集合板460を遊技盤30から取り外すことが必要となり、したがって不正行為を行うことが困難となっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的として中間部材501を開放する場合に、切断部514Aを切断することによって痕跡を残しながら中間部材501の封止状態を解除することができる。また、球集合板460が遊技盤30に取り付けられていない状態では中間部材501を自在に開放し得るため、作業性が良好である。
さらに、第2封止部520bが、中間部材501に背面側から挿通されて中間部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、中間部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底部に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されているため、中間部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から固定することができ、これにより、容易に中間部材501を封止した状態で固定することができる。このとき、前記球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態であっても、中間部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から封止・固定することができるので、たとえば前記第1封止部520aによる封止状態を解除した後に、第2封止部520bによって再度中間部材501と球集合板460とを封止することができる。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的として中間部材501を開放する場合には、切断部515A、516Aを切断することによって痕跡を残しながら中間部材501の封止状態を解除することができる。
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、破断ネジ挿通部515が、第1制御基板ユニット201を枢着する軸411に近接していることにより、第1制御基板ユニット201を枢着部分から不正に取り外そうとしても、破断ネジ挿通部515が障害となって枢着部分を取り外すことが困難となっており、また中間部材501は封止した状態で固定されているため、破断ネジ挿通部515を取り除こうとしても痕跡を残さずにこれを取り除くことは困難となっている。したがって不正行為がさらに効果的に防止される。
さらに、中間部材501のコーナー部に第1封止部520aが設けられ、コーナー部以外に第2封止部520bが設けられていることにより、第1封止部520aによって中間部材501をコーナー部で容易かつ確実に封止することができるとともに、この中間部材501の封止を第2封止部520bによってさらに確実に行うことができる。また、複数個所に第1および第2封止部が設けられているので、封止および解除を行う行程の1回につき1箇所ずつで封止および解除を行うようにすれば、封止および解除の行程を複数回行うことができ、その行程ごとに開封履歴を残すことができる。
さらに、中間部材501が中空体に成形され、内部がリブ512により多数の室に区画された構成としたことによって、中間部材501の内部に不正基板を設置するのに十分なスペースが形成されておらず、したがって不正行為を効果的に防止することができる。
さらに、中間部材501が、球集合板460に対向する面が開放された構成としたことにより、中間部材501を閉じた状態では上記開放された面も球集合板460に当接して閉塞されるため、中間部材501の内部に不正基板を設置する等の不正行為は困難となっている。このとき、前記したように中間部材501の内部がリブ512により多数の室に区画されていても、中間部材501の開放部分が外部に露出しておればそこからリブ512を切断して不正行為のためのスペースを確保されるおそれがあるが、上記のように中間部材501の開放面を球集合板460に対向させることにより、リブ512を切断することも困難となっている。
さらに、中間部材501と第1制御基板ユニット201とが、たがいに左右逆方向に開閉される開閉構造を有する構成としたことにより、中間部材501および第1制御基板ユニット201のそれぞれを開放した状態における荷重が左右いずれか一方の端部に集中せず、左右両端部に分散することとなる。よって、たとえば点検などに際して中間部材501および第1制御基板ユニット201を開放する場合等に、これら中間部材501および第1制御基板ユニット201の荷重により球集合板460に変形が生じるといった不具合が防止される。球集合板460に変形が生じると、遊技球の排出に不具合をきたすおそれがある。
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、中間部材501に、第1制御基板ユニット201の他方端部(自由端部)に係止する係止片が一体成型された構成としたことにより、第1制御基板ユニット201の自由端部を保持するための部材(例えばナイラッチ等)を別に用意する必要がなく、部品点数を少なくすることができる。また、中間部材501が不正に取り外されたとした場合、第1制御基板ユニット201の自由端部が保持されずに遊離した状態となるため、不正行為が容易に発覚することとなり、したがって不正を行うことがより困難となる。
また、パチンコ機10の組み立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460に中間部材501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品の少なくとも一部が中間部材501で覆われるようにすることで、電気部品が中間部材501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
なお、図22には、球集合板460に中間部材501および第1制御基板ユニット201を取り付けた状態が示されており、このように、球集合板460、中間部材501および第1制御基板ユニット201を一体とした状態で遊技盤30に取り付けるという工程も可能であり、パチンコ機10の組み立て方法は特定のものに限定されないが、前記のように球集合板460および中間部材501をユニットとして遊技盤30に取り付けた後に第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程がとりわけ作業性が良好である。
(特徴構成)
上記パチンコ機10においては、第1制御基板ユニット201の主要部をなす第1基板ケース201Aの一側部分が、金属よりなる連結部材を含む取付構造により遊技盤30の裏面側に支持固定され、該第1基板ケース201Aの他側部分が、外部との電波の送受信が可能に構成されたシールを貼付することにより封印された構成となっている。
第1基板ケース201Aは、以上の説明から明らかなように正面視概略横長の長方形状の外形を有し、その一側部分(第1基板ケース201Aの背面視における左側部分)が、鋼板よりなる支持体412やブラケット413等の、金属よりなる連結部材を含む開閉機構410を介して遊技盤30の裏面側に支持固定されている。
第1基板ケース201Aは、前記したように外側ケース(第1ケースまたは第2ケース)70および内側ケース(第2ケースまたは第1ケース)85を有してなるものであるが、より詳細には、図24および図25に示すような構成となっている。図24は第1基板ケース201Aの斜視図、図25は第1基板ケース201Aの分解斜視図である。なお図24および図25に示す第1基板ケース201Aは、前記図8ないし図23を参照しながら詳述した実施態様に比して、例えば封止部材87A等のように細部に若干の構成上の相違を有しているが、基本的には同様のものである。
図24および図25に示すように、第1基板ケース201Aは、比較的大きな厚み(奥行)を有する背面視概略横長の長方形状で前面側(遊技盤30側)が開放された形状の外側ケース70に、主制御装置261の制御基板80が収容され、該制御基板80の前面側から蓋をするようにして、比較的小さい厚みを有する背面視概略横長の長方形状の内側ケース85が、図24中の矢印A1に示すように長さ方向にスライドさせて嵌着された構成となっている。
第1基板ケース201Aにおいて、前記開閉機構410を介して遊技盤30の裏面側に支持固定された一側部分に対向する他側部分(第1基板ケース201Aの背面視における右側部分)には、前記矩形状の突起部851が形成されている。この矩形状突起部851は、図25に示すように、外側ケース70および内側ケース85の右側端縁部分に、互いに合同な縦長の長方形状を有する突起片851R、851Fをそれぞれ右方へ突出するように形成しておき、外側ケース70に内側ケース85を嵌着するとともにこれら突起片851R、851Fを重合させるようにすることによって構成されている。両突起片851R、851Fにはそれぞれ、上下2点に、厚さ方向に貫通するネジ孔852R、852Fが穿設されており、これらネジ孔852R、852Fにネジ(図示せず)を螺入することにより両突起片851R、851Fが締結固定されるようになっている。
上記外側ケース70の突起片851Rの上方および下方にはそれぞれ、外側連結部72が設けられ、内側ケース85の突起片851Fの上方および下方にはそれぞれ、内側連結部88が設けられている。上記外側連結部72の構造は前述の連結台座部材430の第2台座封止部432の構造とほぼ同様であり、外側ケース70の右側端縁部分に繋がるリブに、有底のネジ止め凹部を有する突起体が一体成型されており、そのリブの底面と有底部分の底面は面一となっている。上記内側連結部88は、内側ケース85の右側端縁部分に一体的に形成され、内部にネジ溝が形成された円筒状の構造を有するものとなっている。上記外側連結部72および内側連結部88は、ネジを用いて締結することにより連結固定される。
なお、上記外側ケース70および内側ケース85の両突起片851R、851Fや外側および内側連結部72、88を締結固定するネジとしては、金属製のネジであってもよいが、これにかえて、例えば、高い強度や耐熱性を有するポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリプチレンテレフタレート等の高機能樹脂(エンジニアリングプラスチック)等よりなる樹脂性のネジを使用してもよい。
前記第1基板ケース201Aの矩形状突起部851には、図26に示すようにシール601が貼付され、これにより第1基板ケース201Aの右側端縁部分が封印される。シール601は、横断面コの字形状をなすように折り曲げた状態で、前記外側ケース70および内側ケース85の両突起片851R、851Fを跨ぐようにして貼付されている。
シール601は、図28および図29に示すように、前記第1基板ケース201Aの矩形状突起部851の上下面を除く3面を折り曲げ状態でほぼ全面的に覆い得る長方形状の平面形状を有し、図27に示すように、基材層602、粘着材層603および剥離紙604を積層して構成され、粘着材層603上にはICタグユニット605が配置されている。
基材層602は、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルムよりなり、シール601を剥がす力に伴う応力によって一部が破壊される程度の適度な脆性を有するとともに、粘着材層603を構成する粘着剤に対する溶解性を有するトルエン等の有機溶剤や粘着剤層の粘着力が低下する温度(例えば50℃以上)の熱により変色するものとなっている。これにより、第1基板ケース201Aの矩形状突起部851からシール601を不正に剥がすことを意図して溶剤をかけたり熱を加えたりすると、基材層602が変色して不正行為の痕跡が残るようになっている。
粘着剤層603を構成する粘着剤は、一旦貼付した後に剥がされると基材層602から剥がれる程度の粘着力を有している。よって、シール601が剥がされた場合には再度貼付することが困難であり、さらに粘着剤層603の一部が被着体側に残存することとなる。これにより、シール601を不正に剥がした場合に痕跡を残すことができる。
ICタグユニット605は、ICチップ605aおよびアンテナ605bより構成されており、帯状に延びる長尺状のアンテナ605bの中央付近にICチップ605aが配置されている。ICチップ605aは集積回路として形成されるものであり、制御部およびメモリー領域を有する。メモリー領域には、識別データとしてのID情報が格納されている。アンテナ605bは、アルミ等の金属薄層で形成されており、その厚みはICチップ605aの厚みよりも薄い。また、アンテナ605bは、共振周波数が2.45GHz等の一定周波数となるようにアンテナパターンとして作製されている。
ICチップ605aのメモリー領域に格納されたID情報は、制御部により呼び出されてアンテナ605bから発信し得るように構成されており、アンテナ605bから発信されたID情報をリーダー/ライターとして形成されるスキャナーで受信して読み取ることができるようになっている。詳細には、スキャナーから前記周波数の微弱な電波で呼び出しが行われ、この電波で誘導電磁界が形成される。この誘導電磁界内にアンテナ605bが位置する程度に、スキャナーをアンテナ605bに近接させると、アンテナ605bに電磁誘導により起電力が発生する。ICチップ605aではこの起電力を電源として、メモリー領域に格納されているID情報が制御部で呼び出されてアンテナ605bから送信され、このように発信されたID情報をスキャナーで受信して読み取ることができるようになっている。
ICタグユニット605(アンテナ605b)は、図29に示すように、粘着剤層603が形成された基材層602に対し、当該基材層602の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って斜めに配置されている。詳細には、アンテナ605bは基材層602の対角線上にはなく、アンテナ605bの長手方向が基材層602の両対角線と交差している。この場合、長尺状のアンテナ605bはその長手方向が基材層602のすべての辺方向と交差することとなる。そして、前記矩形状突起部851を構成する両突起片851R、851Fに跨ってシール601が貼付されているのに伴って、アンテナ605bも両突起片851R、851Fに跨っている。
また、シール601には、アンテナ605bの長手方向に沿って多数のアンテナ用切り込み606が等間隔に並置するようにして形成されている。アンテナ用切り込み606は、アンテナ605bの長手方向に対して略直交する方向に延びる直線状であり、基材層603の表面側から粘着剤層603の背面側まで貫通している(なお、図28ではアンテナ用切り込み606は図示省略している)。ちなみに、アンテナ用切り込み606が延びる方向は、アンテナ605bの長手方向に対して略直交する方向であるため、基材層603のすべての辺方向と交差している。また、アンテナ用切り込み606は、アンテナ605bに若干掛かる構成となっている。この場合に、アンテナ605bはアンテナ用切り込み606により分断されていないため、ID情報の送信に関して弊害は生じない。また、アンテナ用切り込み606がアンテナ605bを挟んで直線状に並ばないように、アンテナ605bの一側に位置するアンテナ用切り込み606と他側に位置するアンテナ用切り込み606とはずらして形成されている。詳細には、アンテナ605bの一側に位置するアンテナ用切り込み606と他側に位置するアンテナ用切り込み606とは、アンテナ605bの長手方向に沿って交互に並ぶように形成されている。
上記シール601を第1基板ケース201Aの矩形状突起部851から剥がそうとする場合、できるだけ該シール601を損なわないようにするには、剥がす力に伴う応力が、基材層603の隅角に対して局所的に集中したりシール601の折り曲げ部分に集中したりしないように、シール601の短辺に沿う方向に剥がすことが必要となるが、この方向はアンテナ605bの延びる方向に対して交差する方向である。従って、剥がす力に伴う応力がアンテナ605bの周囲に位置するアンテナ用切り込み606の端部に集中することで、アンテナ用切り込み606を端緒とする断裂が生じて基材層603が破壊され、これに伴いアンテナ605bが分断されることとなる。アンテナ605bが分断されるとID情報がアンテナ605bから送信されなくなるので、ID情報をスキャナーで読み取ることができなくなる。よって、シール601を第1基板ケース201Aの矩形状突起部851からできる限りきれいに剥がして第1基板ケース201Aを開封し、制御基板80に対して不正を行った後に、第1基板ケース201Aを封印すべくシール601を再度きれいに原状に復すように貼ったとしても、当該不正行為を容易に発見することができる。
シール601の4隅には、基材層603の表面側から粘着剤層603の背面側まで貫通する隅部切り込み607がそれぞれ形成されている。詳細には、隅部切り込み607は、シール601の隅角の内側にて当該隅角に沿うようにしてL字状に形成されている。よって、シール601がその一辺に沿う方向に剥がされるのではなく隅角側から(即ちシール601の辺に対し斜方向に)剥がされたとしても、隅部切り込み607からシール601に破壊が生じることとなる。これにより、不正行為の痕跡を残すことができる。
シール601の外縁には、図28に示すように、外側端部から内側に向けて多数の外縁切り込み608が形成されている。これら外縁切り込み608は、内側から外側に向けて開く鋭角のV字状となっており、さらにシール601の外周に沿う方向に等間隔で形成されている。従って、第1基板ケース201Aの矩形状突起部851からシール601を剥がそうとすると、この剥がす力に伴う応力が外縁切り込み608の内側端部に集中してシール601に破れなどといった破壊が生じる。これにより、シール601が剥がされたことの痕跡を残すことができ、制御基板80に対して不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
ただし、上記のように外縁切り込み608が形成された構成においては、シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿ってシール601が剥がされるとシール601の破壊が生じ難い。即ち、シール601をその角から剥がす場合や、シール601の外縁における隣り合う外縁切り込み608間を摘んで剥がす場合などは、剥がす力に伴う応力が少数の外縁切り込み608の内側端部に集中するため、外縁切り込み608を介したシール601の破壊が生じ易いのに対し、矩形状のシール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って剥がす場合には、剥がす力に伴う応力が多数の外縁切り込み608の内側端部に分散されるため、外縁切り込み608を介したシール601の破壊が生じ難い。よって、後者の方式でシール601が剥がされると、外縁切り込み608では不正の痕跡が残らない場合がある。ところが、前述したように、アンテナ605bがシール601の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるようにして斜めに配置されているので、シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿ってシール601が剥がされたとしてもアンテナ605bが分断されることとなる。これにより、不正行為を容易に発見することができる。
基材層603の表面には、図28に示すように、インク塗布部609、識別情報部610および機種情報部611が設けられている。インク塗布部609には、紫外線等の特定の波長の光が照射されることにより模様が表れる特殊インクが塗布されている。識別情報部610には、複数の数字が記載されており、当該識別情報部610に記載される数字は遊技機毎に異なっている。この場合に、識別情報部610に記載される数字はICチップ605aに格納されているID情報と対応づけて設定されている。例えば、ID情報が数字で登録されている場合には、ID情報の数字と識別情報部610に記載された数字との和が、遊技ホールなどに設置された複数の遊技機において同一となるように設定されている。機種情報部611には、当該遊技機の機種名や当該遊技機の製造メーカー名などが記載されている。
ここで、シール601の図28における上部領域R1は、図26に示すように、外側ケース70の突起片851Rの表側面(重合面と反対側の面)に貼付することを意図して形成された領域となっている。よって、第1基板ケース201Aに対峙する位置からは、インク塗布部609および識別情報部610を視認することができるので、インク塗布部609および識別情報部610の確認作業を容易に行うことができる。また、シール601の図28における中間領域R2は、図26に示すように、外側ケース70および内側ケース85の両突起片851R、851Fの突出端面(即ち矩形状突起部851の突出端面)に貼付することを意図して形成された領域となっている。よって、機種情報部611に記載された内容は第1基板ケース201Aを取り外すことなく確認することができる。なお、下部領域R3は、内側ケース85の突起片851Fの表側面(重合面と反対側の面)に貼付することを意図して形成された領域となっている。また、前記したように、第1基板ケース201Aが遊技盤30の裏面側に取り付けられた状態では、矩形状突起部851には中間部材501の外側面に形成された係止片517が弾性的に係止しており、このため矩形状突起部851の突出端面から内側ケース85の突起片851Fの表側面にかけて貼付されているシール601の中間領域R2および下部領域R3や上部領域R1の一部はこの係止片517に覆われた状態となっているが、この係止片517は容易に取り外すことができるため、インク塗布部609、識別情報部610または機種情報部611の確認作業を行うことも容易である。
上述のようにインク塗布部609および識別情報部610が設けられていることにより、第1基板ケース201Aが不正に交換された場合に、その交換がなされていることを容易に発見することができる。即ち、交換された不正用の基板ケースが正規の第1基板ケース201Aと外観上区別できなかったとしても、インク塗布部609に特定の光を照射し模様が表れないことを確認することで交換されたことを発見することができる。また、不正用の基板ケースのシールにICタグユニットが設けられていたとしても、ID情報をスキャナーで読み取り、その情報と識別情報部610の情報とを確認することで交換されたことを発見することができる。
上記構成によれば、制御基板80を収容する外側ケース70と内側ケース85とを跨ぐようにしてICタグユニット605を有するシール601が貼り付けられているので、第1基板ケース201Aを開封するためには、矩形状突起部851からシール601を剥がし当該矩形状突起部851のネジ固定を解除する必要がある。この場合に、シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が基材層603の隅角部分に集中し、基材層603は適度な脆性を有しているので、基材層603が大きく破壊されることとなる。また、シール601の外縁には、内側から外側端部に向けて鋭角のV字状に開いた外縁切り込み337が形成されているので、シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が外縁切り込み337の内側端部(内側に尖った部位)に集中し、基材層603がより破壊されやすくなっている。さらに、シール601が第1基板ケース201Aの矩形状突起部851に対して略コ字状に折り曲げて貼り付けられているので、シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が折り曲げ部分に集中し、同様に基材層603が大きく破壊されることとなる。この場合、シール601が不正に剥がされたこと、即ち、制御基板80に対して不正が行われたことの痕跡が明確に残ることとなる。よって、制御基板80に対して不正を行おうとする者は、シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って剥がすことで、剥がす力に伴う応力を基材層603の一辺全体に分散させ、ベース部材が極力破壊されないようにすることとなる。ところが、アンテナ605bをその長手方向がシール601のすべての辺方向と交差するように配置する構成とすることにより、シール601をその一辺全体から剥がそうとすると、アンテナ605bの長手方向と交差する方向に破壊が生じる。そして、アンテナ605bが長尺状であり、アンテナ605bの長手方向と交差する方向の寸法は短くなっていることにより、破壊が生じた位置にてアンテナ605bが分断されることとなる。この場合、遊技ホールの管理者等がスキャナーによりICチップ605aに格納されたID情報を確認できなくなるため、主基板270に対して不正が行われたことを容易に且つ確実に発見することができる。
また、上記のとおり、アンテナ605bを基材層603の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるように配置する構成とすることにより、アンテナ605bを基材層603の一辺に沿って設ける構成に比べ、アンテナ605bの長さ寸法が大きく確保されている。よって、シール601が剥がされた場合におけるアンテナ605bの分断が生じる機会を多く設けることができる。
また、ICチップ605aをアンテナ605bの長手方向の略中央に配置する構成とすることにより、上記のとおりアンテナ605bがシール601の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って配置された構成においてはICチップ605aの位置はシール601の中央付近となる。よって、ICチップ605aの厚みに起因してシール601が剥がし易くなることを抑制することができる。即ち、ICチップ605aは所定の厚みを有するため、シール601におけるICチップ605aの周囲と第1基板ケース201Aの矩形状突起部851との間には隙間が生じることとなる。この場合に、ICチップ605aがシール601の外縁側にあるとその外縁と第1基板ケース201Aの矩形状突起部851との隙間に指を掛けることでシール601が剥がし易くなる。これに対して、ICチップ605aの位置がシール601の中央付近であることにより、ICチップ605aの厚みに起因してシール601の外縁と第1基板ケース201Aの矩形状突起部851との間に隙間が生じることはない。
また、基材層603におけるアンテナ605bの周囲にアンテナ用切り込み606を形成する構成とすることにより、シール601が剥がされた場合にアンテナ用切り込み606の端部から基材層603が破壊されるのに伴ってアンテナ605bも破壊され、その位置にてアンテナ605bが分断されることとなる。よって、アンテナ605bが分断され易くなり、主基板270に対して不正が行われた場合の発見をより確実に行うことができる。特に、アンテナ用切り込み606をアンテナ605bの長手方向及び基材層603のすべての辺方向に対して交差する方向に延びる線状の切り込みとすることにより、シール601がその一辺に沿う方向に剥がされた場合の剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込み606のアンテナ側端部に集中し易くなる。これにより、シール601がその一辺に沿う方向に剥がされた場合のアンテナ605bの分断をより確実に発生させることができる。なお、アンテナ用切り込み606はアンテナ605bに達する位置まで形成されているので、シール601が不正に剥がされた場合にアンテナ605bが分断され易い構成となっている。また、アンテナ用切り込み606がアンテナ605bを挟んで直線上に並ばないように形成されていることにより、例えば、遊技機の製造時におけるシール601の貼り付け作業時などといった不正と関係のない場合にアンテナ605bを挟んで位置するアンテナ用切り込み606が繋がりそれに伴ってアンテナ605bが分断されてしまうことを抑制することができる。
また、シール601の4隅に、基材層603の表面側から粘着材層603の背面側まで貫通するL字状の隅部切り込み607をそれぞれ形成する構成とすることにより、シール601がその隅角側から剥がされた場合には、剥がす力に伴う応力が隅部切り込み607の端部に集中し、隅部切り込み607からシール601に破れなどといった破壊が生じる。よって、制御基板80に対して不正が行われたことの痕跡がシール601に残り、当該不正が行われたことを容易に発見することができる。また、当該隅部切り込み607を介したシール601の破壊を回避すべく、シール601の一辺に沿う方向に当該シール601が剥がされたとしても、上記のとおりアンテナ605bの分断が生じるので不正を容易に発見することができる。
なお、粘着材層603を構成する粘着剤に対して溶解性を示す溶剤がシール601にかけられたり塗布されたりした場合、基材層603が変色する構成とすることにより、溶剤により粘着材層603の接着力を弱めアンテナ605bを分断させることなくシール601を剥がし制御基板80に対して不正行為が行われたとしても、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。また、シール601に対して所定温度以上の熱が加えられた場合も同様に、基材層603が変色する構成とすることにより、所定温度以上の熱を加えることにより粘着材層603の接着力を弱めアンテナ605bを分断させることなくシール601を剥がし制御基板80に対して不正行為が行われたとしても、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
(作用)
上述の通り、パチンコ機10においては、第1基板ケース201Aの一側部分が、金属よりなる連結部材を含む取付構造により遊技盤30の裏面側に支持固定され、該第1基板ケース201Aの一側部分に対向する他側部分が、外部との電波の送受信が可能に構成されたシール601を貼付することにより封印された構成となっているので、電波の送受信が阻害されることなく該シール601を確実に作動させることができる。概略横長の長方形状の外形を有する第1基板ケース201Aの一側部分(本実施形態では左側部分)は、その直近に、取付構造を構成する要素でいずれも鋼板よりなる支持体412やブラケット413、第2係合部433等の連結部材が集中して配置され、さらには、外側封止部71と内側封止部86とを連結する封止部材87、連結台座部材430を第1基板ケース201Aに連結封止するための締結具である金属製の破断ネジ439、連結台座部材430に設けられる係合部材である金属製の第2係合部433、中間部材501と球集合板460とを封止するための締結具である金属製のネジ519および破断ネジ522ならびに上記封止部材87および破断ネジ439をそれぞれ収容する収容部781、431がいずれもまた、第1基板ケース201Aの一側部分(左側部分)またはその近傍に配置されていることもあって、特に金属が多量に存在する環境となっている。一方、第1基板ケース201Aの他側部分(本実施形態では右側部分)は外側ケース70および内側ケース85の両突起片851R、851Fや外側および内側連結部72、88を締結固定するための小型のネジが使用されている程度であって金属はごく僅かしか存在しない環境となっている。本パチンコ機10においては、この金属の存在量が僅少な環境となっている側の部分(右側部分)にシール601を貼付するようにしたので、金属による影響がシール601の機能に実質的に及ばない構成となっている。即ち、シール601のICチップ605aに格納されている識別情報を金属部材により阻害されることなく確実に送受信することができるようになっている。これにより、不正行為の有無を正しく検知することができて信頼性の高いパチンコ機10となっている。
また、第1基板ケース201Aの取付構造が、金属(鋼板)よりなるブラケット413が回動可能に枢着された構造であり、該第1基板ケース201Aがこのブラケット413を介して遊技盤30の裏面側に開閉可能に取り付けられているので、例えば点検の際に第1基板ケース201Aを分離することなく開放した状態で作業できるため作業性が良好となるといった利点を有する構成となっているが、これによって第1基板ケース201Aの一側部分(左側部分)に金属部材が偏在した構成となっており、そのぶん金属による影響が大となっているため、この一側部分に対向する他側部分(右側部分)にシール601を貼付するようにして金属による影響を回避する構成としたことによる効果もそれだけ大となっている。
さらに、上記外側ケース70および内側ケース85の両突起片851R、851Fや外側および内側連結部72、88を締結固定するネジとして樹脂性のネジを使用すれば、シール601が貼付される第1基板ケース201Aの他側部分(右側部分)から金属をさらに徹底して排除することができる。
また、第1基板ケース201Aの外側ケース70および内側ケース85の端縁部分に突起片851R、851Fをそれぞれ形成しておき、これら突起片851R、851Fを重合させることによって突起部851が構成され、この突起部851にシール601を貼付することにより第1基板ケース201Aの端縁部分が封印されているので、シール601を容易かつ確実に貼付することができて作業性が良好で信頼性の高い封印構造となっている。即ち、板状の突起片851R、851Fを重合して突起部851を構成することにより、該突起部851が第1基板ケース201Aに比して厚みが小さくなるように(具体的には半分以下の厚みとなるように)形成されており、これによりシール601をより貼付しやすく、かつより強固に貼付することができる構造となっている。
また、第1基板ケース201Aの突起部851にシール601が貼付されているので、シール601の貼付位置が遊技機30の裏面側のうち外側寄りの箇所となっており、工場でのシール601の読取確認作業を遊技機の完成状態で行うことができる。また、シール601の貼付位置が制御基板80の収容部分から突出させて別個の領域として確保されているため、制御基板80がシール601に隠れることがなく、したがって該制御基板80に対する不正の有無を目視により確認する場合にシール601が障害となることがない。
(変更態様)
図30は、第1基板ケースが別の取付構造により取り付けられる構成とした例を示す図である。同図に示す例においては、第1基板ケース271Aの下側部分が、金属よりなる回動操作式の固定具277を用いた取付構造により遊技盤30の裏面側に支持固定されるようになっている。上記固定具277は、蝶ネジ状の頭部を有して手動で回動操作し得る構成となっており、第1基板ケース271Aの前面(遊技盤30側面)において、下端縁より若干上方の左寄り部および右寄り部の左右2箇所に、前方(遊技盤30側方向)へ突出するようにして配設されている。第1基板ケース271Aが取り付けられる取付台251には、上記固定具277の配設位置に対応して、左右2箇所に横長形状の貫通孔256が穿設されている。第1基板ケース271Aは、上記貫通孔256に固定具277を挿通させるようにして取付台251に載置し、この状態で固定具277を90°回動操作してロックすることにより固定される。一方、第1基板ケース271Aの下側部分に対向する上側部分がシール612を貼付することにより封印されている。シール612は、設置箇所にあわせて外形および寸法が若干変更されているが、それ以外の構成はICタグユニット等を含めすべて前記実施形態に示されたシール601と同様のものとなっている。シール612は、第1基板ケース271Aの上端縁部分の中央において、外側ケース73および内側ケース89を跨ぐようにして貼付されている。
この実施形態においては、第1基板ケース271Aの下側部分すなわち一側部分が金属よりなる連結部材である固定具277により支持固定されているが、この下側部分に対向する上側部分すなわち他側部分にシール612を貼付するようにしたので、金属による影響がシール612の機能に実質的に及ばず、シール612のICチップに格納されている識別情報を金属により阻害されることなく確実に送受信することができるようになっている。
図31は、金属よりなる連結部材を含む取付構造が設けられる位置ならびにシールを貼付することにより封印される位置の他の例を示す模式図である。同図に示す例では、基板ケース211の一側部分(左側部分)D1が金属よりなる連結部材を含む取付構造(図示省略)により支持固定され、他側部分(右側部分)D2にシール613が貼付されている。このシール613の貼付位置は、上記基板ケース211の他側部分(右側部分)D2内に位置する上端縁上の右端近傍となっている。このように、基板ケースの支持固定位置ないしシールの貼付位置は、基板ケースのいずれかの端縁の中央部以外にも、基板ケースのいずれかの隅部としてもよい。
図32は、基板ケースの矩形状突起部の別の例を示す図である。同図に示す例においては、前記実施形態と同様に、基板ケース212の右側端縁部分に矩形状突起部853が形成され、該矩形状突起部853の上下2箇所にネジ穴854H、854Lがそれぞれ設けられているが、これら上下のネジ穴854H、854Lは、互いに逆方向からネジが螺入されるようになっている。即ち、上位のネジ穴854Hにおいては矩形状突起部853の外側面(パチンコ機10の後方を向いた面)にネジ頭部を収容する凹部が形成され、矩形状突起部853の外側からネジが螺入されるようになっており、一方、下位のネジ穴854Lにおいては矩形状突起部853の内側面(パチンコ機10の前方を向いた面)にネジ頭部を収容する凹部が形成され、矩形状突起部853の内側からネジが螺入されるようになっている。さらに、シール614は前記実施形態と同様にして矩形状突起部853に貼付されるが、このとき、アンテナ615の一方端部が上位のネジ穴854Hの頭部収容凹部を跨ぐとともに、アンテナ615の他方端部が下位のネジ穴854Lの頭部収容凹部を跨ぐようになっている。この構成によれば、上下のネジ穴854H、854Lのいずれにおいても、ネジ頭部を露出させるためにはアンテナ615が配置されている部分でシール614を剥がすことが必要であるため、より確実にアンテナ615を分断することができ、したがって矩形状突起部853から不正にネジを取り外そうとした場合にその痕跡をより確実に残すことができる。
さらに、この実施形態においては、矩形状突起部853の上端および下端に、該矩形状突起部853の横断面よりもやや大きい横寸法および縦寸法を有する上フランジ853Hおよび下フランジ853Lがそれぞれ形成されている。この構成においては、シール614の両短辺部が上フランジ853Hおよび下フランジ853Lに沿って貼付され、さらにシール614の両長辺部は基板ケース212の右側端面212Eに沿って貼付される。即ち、シール614の周縁が、上下のフランジ853H、853Lおよび基板ケース212の右側端面212Eに包囲されるようにして貼付される。これにより、シール614を矩形状突起部853に貼付する際に、上下のフランジ853H、853Lおよび基板ケース212の右側端面212Eが、シール614の周縁を貼付位置に案内し得るガイド構造となって位置決めが容易となり作業性が向上する。また、シール614が貼付された状態ではその周縁が上下のフランジ853H、853Lおよび基板ケース212の右側端面212Eに包囲されているためより剥がし難くなっており、したがって矩形状突起部853における封印がさらに確実になされている。
図33および図34は、シールがカバー部材により覆われる構成とした例を示す。同図に示す例においては、基板ケース213の矩形状突起部855の外郭形状にほぼ対応する形状を有するとともに矩形状突起部855よりやや大きい寸法(容積)を有する内腔部616aを備える概略直方体状のカバー部材616が、上記矩形状突起部855に着脱可能に取り付けられるようになっている。上記カバー部材616は、一方側端面部のみ開放されて開口616bが形成され、上面部および下面部にはそれぞれ係合片616H、616Lが形成されている。上記下面部の係合片616Lは、図34に示すように、カバー部材616の下面部において、開口616b側端縁のやや一方寄り部分(図34ではやや上方寄りの部分)を内側方向へ直角に延びる互いに平行な2条の溝をなすように切り欠くことにより、これら溝状の切り欠きの間の部分を上下に容易に弾性変形し得る可撓性の片状体とすることによって形成されている。上記係合片616Lの先端部には、内方(上方)へ突起する係合爪が形成されている。一方、カバー部材616の上面部には、図33に示すように、上記下面部の係合片616Lと対称をなすようにして、同様の係合片616Hが形成されている。
基板ケース213の矩形状突起部855の上面部および下面部には、上記カバー部材616の上下の係合片616H、616Lに対応して、係合突起855H、855Lがそれぞれ形成されている。即ち、図34に示すように、基板ケース213の矩形状突起部855において、基板ケース213の外側ケース74から突出する突起片855Rの下面に、下方へ突出するようにして係合突起855Lが形成されている。一方、上記突起片855Rの上面には、図33に示すように、上記下面の係合突起855Lと対称をなすようにして、同様の係合突起855Hが形成されている。
上記カバー部材616は、基板ケース213の矩形状突起部855を開口616bから内腔部616a内に挿入するようにして、該矩形状突起部855に嵌着される。上記カバー部材616が矩形状突起部855に全的に(矩形状突起部855の根幹部まで)嵌着されると、前記上下の係合片616H、616Lが上下の係合突起855H、855Lにそれぞれ弾性的に係合し、これによりカバー部材616が矩形状突起部855を覆った状態で係止される。
上記カバー部材616は、光透過性を有する樹脂を成形して得られたものとなっており、矩形状突起部855に嵌着された状態で、該矩形状突起部855に貼付されているシール617の状況や識別情報部に記載された記号情報等を外部から視認したり読み取ったりすることができるようになっている。また、上記カバー部材616が嵌着された状態で、外側からスキャナーを近接させることにより、シール617のID情報を受信して読み取ることも可能となっている。このとき、上記カバー部材616は前記したように上下の係合片616H、616Lが上下の係合突起855H、855Lにそれぞれ弾性的に係合することにより取付位置に保持されており、この係合を解除して容易に取り外すことができるので、もしなんらかの理由によりシール617の視認やスキャナーによるID情報の読み取りに困難が生じた場合でも、カバー部材616を取り外しシール617を露出させて直接的に視認やID情報の読み取り等の作業を行うことができ、作業後には再びカバー部材616を容易に取り付けることができる。
また、上記カバー部材616は、シール617を外部からの衝撃に対し保護するのに十分な機械的強度を有するとともに、十分な耐熱性を有するものとなっている。
また、上記カバー部材616の内腔部616aは前記したように矩形状突起部855よりやや大きい寸法(容積)を有するので、上記カバー部材616が嵌着された状態ではシール617と内腔部616aとの間に間隙が形成され、この間隙中の空気が断熱層となって、これによりシール617が外部の熱に対しより確実に保護されるようになっている。
上記のようにシール617がカバー部材616により覆われる構成によれば、シール617を外部からの衝撃や熱に対し効果的に保護することができる。
遊技機は、ホールに設置された後、遊技機裏面に遊技球が衝突したり部品検査時に擦れたりすること等により、機械的な衝撃を受けることも多く、この衝撃によってシール617のICタグユニットが破損するおそれがある。また、遊技機を工場から出荷する段階で、熱収縮性のシートを巻きつけて該遊技機を保護することがなされているが、熱収縮性のシートは遊技機に密着させるために高温の熱が印加されるため、シール617の環境がICタグユニットの保証温度以上の高温に達すると、該ICタグユニットが破損するおそれがある。
これに対し、上記のようにカバー部材616で覆うようにすることでシール617が効果的に保護され、ICタグユニットが衝撃や熱により破損してID情報の読み取りが不可能となるといった不具合を防止することができ、これにより遊技機の信頼性をさらに向上させることができる。
上記カバー部材616は、遊技機の使用状況に応じて、任意の段階で取り付けるようにすればよい。例えば、基板ケース213の矩形状突起部855にシール617を貼付した後に直ちにカバー部材616を取り付け、遊技機がホールに設置された後も継続して取り付けた状態としておき、点検等の必要時のみ一時的に取り外すようにしたり、あるいは、遊技機の搬送時やホール設置後といったいくつかの段階のうち、必要な段階を選択してカバー部材616を取り付けるようにしたりといった使用態様が挙げられる。
上記カバー部材は、上記のように分離可能に構成する以外にも、例えば図35に示すように、基板ケース以外の遊技機構成部材に支持される構成としてもよい。同図に示す例においては、中間部材502の右側端における裏面側(基板ケース214側)に、カバー部材618が上下方向の軸により矢印A2に示すように回動可能に枢支されており、基板ケース214が中間部材502の裏面側に取り付けられた状態で、カバー部材618を上記のように回動させることにより、基板ケース214の矩形状突起部856に着脱し得るようになっており、カバー部材618を矩形状突起部856に嵌着した状態では、前記と同様の係合構造(図示省略)により係止されるようになっている。
さらには、例えば図36ないし図38に示すように、上記カバー部材を、基板ケース以外の遊技機構成部材に着脱可能に支持される構成としてもよい。図36は、中間部材にカバー部材が着脱可能に支持された例を示す背面斜視図(遊技盤側からみた斜視図)、図37は図36の背面図、図38は図36の下面図である。同図に示す例においては、カバー部材619が、基板ケース215の矩形状突起部(図示せず)の外側面(遊技機の後方を向いた面)の形状に相似であって該矩形状突起部の外側面より僅かに大きい寸法を有する縦長の長方形に成形され、一方長縁に沿って軸619Aが形成されるとともに、上下の短縁の中央部からそれぞれカバー部材619の内面側へむけて垂直に延出する係合爪619Cが形成された構成となっている。一方、中間部材503には、一方側端面に該中間部材503を遊技盤の裏面に支持するための枢支部503Hが形成され、この枢支部503H形成側端面(図中の左側端面)における裏面側端縁(基板ケース215側端縁)に沿って、前記カバー部材619の軸619Aの長さに対応する間隔をもって軸受部503Aが上下にそれぞれ形成され、これら軸受部503Aの中間の位置から、遊技機の前方へむけて水平に延びる突条503Pが形成されており、前記カバー部材619の軸619Aが、上下の軸受部503Aおよび突条503Pの後方端(遊技機の後方へむかうほうの端)の形成位置に合わせて嵌着され、この状態で、該軸619Aの上下端が上下の軸受部503Aによりそれぞれ後方(遊技機の後方)から支承されるとともに、中央部が突条503Pの後方端により前方(遊技機の前方)から支承されるようになっている。これにより、カバー部材619が、図中の矢印A3に示すように上下方向の軸619Aを中心として回動可能に枢支されるようになっている。カバー部材619をこのようにして中間部材503に嵌着した状態で基板ケース215側へ回動させると、前記係合爪619Cが基板ケース215の矩形状突起部に弾性的に係止し、該矩形状突起部がカバー部材619により覆われた状態に保持される。
上記構成によれば、カバー部材619を任意の時点で中間部材503に着脱することができ、例えば、中間部材503に予めカバー部材619を取り付けておき、中間部材503に基板ケース215を取り付けた後に矩形状突起部をカバー部材619で覆うようにし、遊技機の搬送後はカバー部材619を遊技機から取り外しておいて後は任意の時点で再度着脱するようにするといった使用態様も可能である。
上記カバー部材は、上記のように中間部材502、503に保持される構成とする以外にも、例えば中間部材が配置されない場合には集合板に保持されるようにする等、遊技機における中間部材以外の適宜位置に保持される構成としてもよい。
上記のような構成によれば、カバー部材618、619が遊技機構成部材(中間部材502、503)に保持されるため、カバー部材618,619を別に取り扱う必要がないといった作業面での利点があるが、基板ケース214、215が中間部材502、503に取り付けられていない状態ではカバー部材618を基板ケース214、215に着脱できないため、任意の時点でシールの保護を図るという観点からは前記の例のようにカバー部材が分離可能に構成されているほうが望ましい。
本発明は、基板ケースを備える遊技機であれば、適宜実施可能であり、その適用範囲は広いものである。
パチンコ球を使用するパチンコ機等の遊技機においては、CPU(中央演算装置)や遊技に関わる制御プログラムが記憶されたROM等の電子部品が実装された制御基板を備え、その制御基板によって一連の遊技が制御される構成としたものがある。この制御基板を基板ケースに収容し、この基板ケースの取付台等の周辺部材も含めた基板ユニットとして一体化して、遊技盤の裏面側に配設するようにした構成も採用されている。
この種の遊技機においては、不正な利益を得ることを目的として、制御基板を不正に取り外して当該基板内のROM(CPUやROMが1チップ化されている場合は当該チップ)を交換し遊技内容を変更したり、リード線等により外部から不正な電気信号を制御基板に入力させたりする等、制御基板に対しての不正行為が数多く報告されており、従来より各種の不正対策が検討されている。例えば、制御基板を収容する基板ケースに、ICチップおよびアンテナを備えるシールを貼付し、これにより基板ケースを封印するようにする方法が特許文献1に開示されている。同文献に開示されたシールは、ICチップに格納されている識別情報がアンテナにより読取体に対して送信可能となっている。このシールを基板ケースに貼付しておくようにすることにより、基板ケースを不正に開封すべくこのシールを剥がすとアンテナが破壊されて遊技ホールの管理者等がスキャナーによりICチップに格納されたID情報を確認できなくなるため、制御基板に対して不正が行われたことを容易かつ確実に発見することができる。
ところで、基板ケースとしては通常、樹脂を成形してなるものが用いられているが、この基板ケースを取り付けるために、例えば前記特許文献1にも示されているように、蝶ネジ状の頭部を有して取付台に挿通されロックされる構成の固定具や、あるいは鋼製のヒンジ等のような、金属よりなる連結部材が使用される場合がある。この場合、この金属製の連結部材が前記ICチップに格納されている識別情報の送受信を阻害し、識別情報を正しく読み取ることが困難となり、その結果不正行為の有無が正しく検知できなくなるという問題がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みて案出されたものであり、外部との電波の送受信が可能に構成されたシールを貼付することにより封印されている基板ケースを備える遊技機において、電波の送受信が阻害されることなく該シールを確実に作動させることができて不正行為の有無を正しく検知することが可能な、信頼性の高い遊技機を提供することを目的とする。
本発明にかかる遊技機は、手段1として、
制御基板を搭載する基板ユニットが遊技盤の裏面側に配設された遊技機であって、
前記基板ユニットが、第1ケースと第2ケースとの間に制御基板を収容した構成を有する基板ケースを備え、
前記基板ケースの一側部分が、金属よりなる連結部材を含む取付構造により遊技盤の裏面側に支持固定され、
前記基板ケースの他側部分が、外部との電波の送受信が可能に構成されたシールを貼付することにより封印されていることを特徴とするものである。
なお本発明において、「基板ケースの一側部分」と「基板ケースの他側部分」とは、基板ケースにおいて相対向する互いに離れた部位を意味し、例えば正面視方形状の基板ケースの場合、左右方向に離れた部位や、上下方向に離れた部位、対角方向に離れた部位等をいずれも含意し、「表側部分/裏側部分」は含意しない。
また、「金属よりなる連結部材」とは、例えば鋼製の添板、ヒンジ、ブラケット等のような、一定のスペースを占有する部材を意味する。
また、「基板ケースをシールを貼付することにより封印する」とは、破壊、変色等の痕跡をなんら残さずに、もしくは電波の送受信機能をなんら損なわずにシールを剥がすことによっては、基板ケースを開封することが不可能な状態とすること、即ち基板ケースを開封するにはシールの少なくとも一部に破壊、変色等の痕跡を残すこと、もしくは電波の送受信機能を損なうことが必要な状態とすることを意味する。
上記のような構成とすることにより、電波の送受信が阻害されることなくシールを確実に作動させることができる。即ち、基板ケースの一側部分においては取付構造を構成する金属製の連結部材がシールの機能に影響を与える可能性があるが、上記構成によればシールはこの金属製の連結部材が存在する一側部分ではなくこれに対向する他側部分に貼付されているので、金属による影響がシールの機能に実質的に及ばない構成となっている。したがって、シールによる外部との電波の送受信を金属部材により阻害されることなく確実に行うことができる。これにより、不正行為の有無を正しく検知することができて信頼性の高い遊技機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段2として、手段1の遊技機において、
前記基板ケースの取付構造が、金属製のブラケットが回動可能に枢着された構造であり、該基板ケースがこのブラケットを介して遊技盤の裏面側に開閉可能に取り付けられていることを特徴とする。
上記のように基板ケースを開閉可能とすることにより、例えば点検の際に基板ケースを分離することなく開放した状態で作業できるため作業性が良好となるといった利点があるが、このような取付構造の場合は特に、基板ケースの一側部分およびその近傍に金属製の連結部材が集中して使用されることとなり、そのぶん金属による影響が大となるので、この一側部分に対向する他側部分にシールを貼付するようにして金属による影響を回避する構成とした本発明の効果もそれだけ大となる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段3として、手段1または手段2の遊技機において、
前記基板ケースの一側部分が金属製の封止部材を用いて封止され、
前記基板ケースの一側部分が、連結台座部材を介して前記取付構造により遊技盤の裏面側に支持固定され、かつ、この連結台座部材が金属製の締結具を用いて基板ケースに連結封止され、
前記連結台座部材に、前記取付構造に含まれる連結部材に係合する金属製の係合部材が設けられ、
前記遊技盤の裏面と基板ユニットとの間に、箱形状に成形されるとともに内部に複数のリブが形成されるようにした中間部材が介装され、かつ、この中間部材において前記基板ケースの一側部分と同じ側に位置する一側部分に、該中間部材と球集合板とを封止するための金属製の締結具を含む封止手段が設けられ、
前記基板ケースの一側部分および連結台座部材に、上記基板ケースの封止部材ならびに連結台座部材を基板ケースに連結封止するための締結具を収容する収容部がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
なお本発明において、「基板ケースを封止する」とは、基板ケースを痕跡を残すことなく開封することができないようにすること、即ち基板ケースを開封するには少なくとも一部を破壊または切断することが必要な状態とすることを意味する。また、「連結台座部材を基板ケースに連結封止する」「中間部材と球集合板とを封止する」とは、痕跡を残すことなくこれら連結台座部材や中間部材の固定状態を解除することができないようにすることを意味する。
上記構成においては、基板ケースの封止部材、連結台座部材を基板ケースに連結封止するための締結具、連結台座部材に設けられる係合部材ならびに中間部材と球集合板とを封止するための締結具がいずれも金属製となっており、これらの金属製の部材や、さらには基板ケースの封止部材ならびに連結台座部材を基板ケースに連結封止するための締結具を収容する収容部がすべて、前記基板ケースを遊技盤の裏面側に支持固定するための取付構造に含まれる金属よりなる連結部材とともに、基板ケースの一側部分およびその近傍に集中して配置されているので、この基板ケースの一側部分が、さらに多量の金属が集中して存在する環境となっており、したがって金属による影響がさらに大となっているため、この一側部分に対向する他側部分にシールを貼付するようにして金属による影響を回避する構成とした本発明の効果もさらに大となっている。
また、本発明にかかる遊技機は、手段4として、手段1または手段3の遊技機において、
前記第1ケースおよび第2ケースの端縁部分に突起片をそれぞれ形成しておき、これら突起片を重合させることによって突起部が構成され、この突起部にシールを貼付することにより前記基板ケースの端縁部分が封印されていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、シールを容易かつ確実に貼付することができて作業性が良好で信頼性の高い封印構造とすることができる。即ち、突起片を重合して突起部を構成することにより、該突起部を基板ケースに比して厚みが小さくなるように形成することができ、これによりシールをより貼付しやすく、かつより強固に貼付することが可能な構造とすることができる。
なお、前記突起部の形状は特に限定されないが、シールの形状に対応した形状(例えば矩形状等)としておくと、シールを所定の位置および姿勢に貼付しやすく作業性が良好となる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段5として、手段4の遊技機において、
前記突起部が、シールを貼付位置に案内し得るガイド構造を有することを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、シールを突起部に貼付する際に、ガイド構造によりシールが貼付位置に案内されて位置決めが容易となり作業性が向上する。
また、本発明にかかる遊技機は、手段6として、手段5の遊技機において、
前記ガイド構造が、シールの周縁を包囲する構造であることを特徴とする。
ガイド構造としては、例えばシールの貼付位置に部分的に突条を形成したもの等でもよいが、上記のようにシールの周縁を包囲する構造とすることにより、シールを貼付位置により正確に案内することができる。また、シールが貼付された状態ではその周縁がガイド構造により包囲されるためより剥がし難くなり、したがって突起部における封印がさらに確実になされる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段7として、手段1から手段6のいずれかの遊技機において、
前記シールが、有機溶剤ないし粘着剤層の粘着力が低下する温度の熱により変色するものであることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、基板ケースからシールを不正に剥がすことを意図して溶剤をかけたり熱を加えたりした場合に、シールが変色することによって不正行為の痕跡を残すことができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段8として、手段1から手段7のいずれかの遊技機において、
前記シールが、長方形状の平面形状を有し、ICチップおよびアンテナを有するICタグユニットを備え、該アンテナがシールの一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるように配置されていることを特徴とする。
シールが剥がされた場合には、剥がす動作に伴う応力によりアンテナが分断され、ICチップに格納されたID情報を確認できなくなるため、シールが不正に剥がされたことを発見することができるが、上記のようにアンテナがシールの一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるように配置されている構成とすることにより、アンテナをシールの一辺に沿って設ける構成に比べ、アンテナの長さ寸法を大きく確保することができ、したがってアンテナの分断が生じる機会を多く設けることができて不正行為をより確実に検知することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段9として、手段8の遊技機において、
シールにおけるアンテナの周囲にアンテナ用切り込みが形成されていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、シールが剥がされた場合にアンテナ用切り込みの端部からシールが破壊されるのに伴ってアンテナも破壊され、その位置にてアンテナが分断されることとなるため、アンテナがより分断され易くなって、不正が行われた場合の発見がより確実になされることとなる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段10として、手段9の遊技機において、
前記アンテナ用切り込みが、アンテナの長手方向およびシールのすべての辺方向に対して交差する方向に延びる線状の切り込みであることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、シールがその一辺に沿う方向に剥がされた場合の剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込みのアンテナ側端部に集中し易くなる。これにより、シールがその一辺に沿う方向に剥がされた場合のアンテナの分断をより確実に発生させることができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段11として、手段1から手段10のいずれかの遊技機において、
前記シールの外縁に、内側から外側端部に向けて鋭角のV字状に開いた外縁切り込みが形成されていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、シールをその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が外縁切り込みの内側端部(内側に尖った部位)に集中し、シールがより破壊されやすくなっている。
また、本発明にかかる遊技機は、手段12として、手段8から手段11のいずれかの遊技機において、
前記シールの4隅に、L字状の隅部切り込みがそれぞれ形成されていることを特徴とする。
上記のような構成とすることにより、シールがその隅角側から剥がされた場合には、剥がす力に伴う応力が隅部切り込みの端部に集中し、隅部切り込みからシールに破れなどといった破壊が生じる。よって、不正が行われたことの痕跡がシールに残り、当該不正が行われたことを容易に発見することができる。また、当該隅部切り込みを介したシールの破壊を回避すべく、シールの一辺に沿う方向に当該シールが剥がされたとしても、前記のとおりアンテナの分断が生じるので不正を容易に発見することができる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段13として、手段1から手段12のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機であることを特徴とする。
パチンコ機の基本構成としては、操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて有価物体の一例である球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カード書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
パチンコ機にあっては、基板ケースにおいて、金属製の連結部材が存在する一側部分ではなくこれに対向する他側部分にシールが貼付されているので、金属による影響がシールの機能に実質的に及ばない構成となっており、したがって、シールによる外部との電波の送受信を金属部材により阻害されることなく確実に行うことができ、これにより、不正行為の有無を正しく検知することができて信頼性の高いパチンコ機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段14として、手段1から手段12のいずれかの遊技機において、
遊技機がスロット機であることを特徴とする。
スロット機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。
この場合、有価物体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
スロット機にあっては、基板ケースにおいて、金属製の連結部材が存在する一側部分ではなくこれに対向する他側部分にシールが貼付されているので、金属による影響がシールの機能に実質的に及ばない構成となっており、したがって、シールによる外部との電波の送受信を金属部材により阻害されることなく確実に行うことができ、これにより、不正行為の有無を正しく検知することができて信頼性の高いスロット機が得られる。
また、本発明にかかる遊技機は、手段15として、手段1から手段12のいずれかの遊技機において、
遊技機がパチンコ機とスロット機を融合させた遊技機であることを特徴とする。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、有価物体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機にあっては、基板ケースにおいて、金属製の連結部材が存在する一側部分ではなくこれに対向する他側部分にシールが貼付されているので、金属による影響がシールの機能に実質的に及ばない構成となっており、したがって、シールによる外部との電波の送受信を金属部材により阻害されることなく確実に行うことができ、これにより、不正行為の有無を正しく検知することができて信頼性の高い、パチンコ機とスロット機を融合させた遊技機が得られる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、便宜上、パチンコ機を挙げて説明するが、本発明は、パチンコ機以外の弾球遊技機(例えばアレンジボール機や雀球遊技機など)、その他、遊技球を用いる種々の形態の遊技機に適用することができる。
(パチンコ機の正面構成)
図1は本実施形態のパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の左側面図であり、図3は、その平面図である。図4は、外枠11に対して内枠12と前面枠(セット)14と、セット板400を開放した状態を示す斜視図である。(但し、図4では便宜上、遊技盤30面上の遊技領城内の構成〔釘、センター役物等〕を空白で示しているが、アウト口36は描いてある)。
図1ないし図4に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11は、木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。なお、外枠11は、軽量化を図るために、樹脂やアルミニウム等の軽金属により構成されていてもよい。
前記内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて遊技球発射ハンドル18の設置箇所の反対側(図1のパチンコ機10の左側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に十分に開放できるようになっている。また、内枠12は合成樹脂、具体的にはABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂から成る。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できるという利点が発揮される。
下皿ユニット13は、内枠12に対してネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13の前面側には、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18と灰皿22と音出力口24(内枠12の左右上端部位置)が設けられている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、後述の上皿19が満タンになった場合等に排出口16より排出される遊技球を停留する役割がある。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜くためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に停留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して遊技者の持球貯留箱(ドル箱)に排出することができる。
そして、遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出するように配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38(図4参照)によって遊技球が遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、遊技球発射ハンドル18と後述するセットハンドルと発射モーターなどで構成されている。
音出力口24は、内枠12の左右上端部位置に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。また、灰皿22は、図1に示すように、下皿15の左方に設けられている。灰皿22は左右方向(水平方向)の軸線を軸心にして回動(例えば前方側に向けて前回り)するように支持されている。
なお、下皿ユニット13はその大部分が内枠12と同様、ABS樹脂にて成形されている。こうすることで、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。特に、下皿15を形成する表面層と下皿15の奥方の前面パネル部分とを難燃性のABS樹脂にて成形している。このため、この部分は燃えにくくなっている。
また、前面枠14は、図4に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。しかも前面枠14は内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられている。
つまり、この前面枠14の側面の少なくとも一部が内枠12の外側壁(リブ)12b内に嵌まり込むようにして取り付けられているので、内枠12と前面枠14との隙間から異物(針状あるいは薄板状等のものであって、具体的には針金、ピアノ線、セルロイド板等)を差し入れるなどの不正行為を防止できるようになっている。また、前面枠14は、内枠12と同様に、合成樹脂、具体的にはABS樹脂により構成されているので、粘性が高く衝撃に強くでき、低コストで製造できる。
一方、前面枠14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19(図1参照)が前面枠14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。
図4に示すように、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓部孔21が形成されている。
そして、樹脂ベース20の後側には、図4及び図5に示す遊技盤30が着脱可能に装着されている。図5に示すように、遊技盤30は四角形状の合板よりなり、上部一方のコーナーが肩落ちされており(後に述べる)、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。
従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓部孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている(図4では遊技盤30のアウト口36が示されている)。そして、ここでは、遊技盤30の前記内枠12の外枠11に対する枢着部(パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にした枢着)に近いコーナー(隅)が、図5に示すように、略三角形状に角落ち(切り欠き)720されている。
次に、図5を用いて遊技盤30の構成を説明する。図5は遊技盤30の構成を示す正面図である。遊技盤30の左右やや下方位置には、2組一対の一般入賞口31、31が階段状に配置され、中央下方には、上始動口33aと下始動口33b(作動チャッカ33bで構成)とからなる始動口33ならびに可変入賞装置32が配置されている。これら一般入賞口31、31、可変入賞装置32および始動口33は、遊技領域から裏面へ向けて貫通する開口となっており、これらの開口に対応して入賞装置が取り付けられている。即ち、此れらに対応した入球検出センサが、遊技盤30の背面に設けられており、これらのセンサは、図示しない電気配線を通じて後述する主制御基板(主制御装置)に接続されている。また、下始動口33bの入口には、一対の開閉羽根が設けられており、遊技球を案内する開放位置と、下始動口33b内に遊技球が入りにくくなる閉塞位置を採りうる。開閉羽根は、遊技盤30の裏面側に配設されたソレノイドによって駆動される。
そして、この一般入賞口31、31、可変入賞装置32及び始動口33に遊技球が入球した場合には、上記各検出センサで検出され、この検出センサの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出されると共に、始動口33に遊技球が入球した場合には、後述する抽選が開始されることになる。
上記可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるようになっている。具体的には、遊技盤30の横方向に複数の遊技球を通過させることのできる幅を持つ収容部の入口からの入球を収容部に収容し、該収容部に設けた排出部から検出センサに至って検出するように構成されている。そして、前記遊技盤30の遊技領域に、窓部101と遊技盤30との間の流下空間を流下する遊技球を入球させる始動口33が設けられ、前記始動口33への入球により、主制御装置によって、所定の確率の当否抽選が行われ、該当たり抽選によって遊技状態が特別遊技状態に移行し、該特別遊技状態において、少なくとも1回、前記可変入賞装置32が、非受球状態から受球状態に切り替わり、前記受球状態において、前記収容部の入口から収容部に収容された規定数の入賞球を、前記検出センサにより検出することによって規定数の賞球を払い出すように構成してある。
尚、上記入賞感知センサにて各々検出された検出結果は、後述する主制御基板に取り込まれ、該主制御基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
かかる場合、各種入賞口に入賞した遊技球を入賞球処理装置に一旦集め、その入賞球処理装置で入賞球の存在を1つずつ順番に確認した上で払出を行う従来方式(いわゆる証拠球方式)とは異なり、本実施の形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる(すなわち、本パチンコ機10では入賞球処理装置を廃止している)。故に、払い出す遊技球が多量にあっても、その払出をいち早く実施することが可能となる。但し、本発明に従来の「証拠球方式」を適用してもよい。
また、遊技盤30の中央には液晶パネルを用いた装飾図柄表示装置42が配置されており、その左右横側部には、スルーゲート34,34が配置されている。これらのスルーゲートは、遊技球の通過によって、後述の始動口33の羽根物を開閉作動させる。
その他に、遊技盤30の左右下方位置には、上記一般入賞口31、31を備えた装飾部材35が設けられ、また、遊技盤30の下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って、遊技盤30裏面の図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。さらに、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の誘導釘が植設されているとともに、同様の機能を有する風車が配設されている。
また、遊技盤30には、遊技球発射装置38から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するためのレールユニット50が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成型品(例えば、フッ素樹脂が添加されて成形されたもの)にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール51と外レール52とを有する。
なお、レールユニット50はフッ素樹脂を添加して成形されているので、遊技球の摩擦抵抗を少なくできる。内レール51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、一部(主に左側部)か内レール51に向かい合うようにして外レール52が形成されている。
かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51、52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。なお、球案内通路は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図5の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51および外レール52間の球案内通路から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、外レール52には、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図5の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)に返しゴム54が取着されている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52の内側面には、遊技球の飛翔をより滑らかなものとするべく、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくするべく、長尺状をなすステンレス製の金属帯としての摺動プレートが取着されている。
また、レールユニット50の外周部には、外方へ張り出した円弧状のフランジ56が形成されている。フランジ56は、遊技盤30に対する取付面を構成する。レールユニット50が遊技盤30に取り付けられる際には、遊技盤30上にフランジ56が当接され、その状態で、当該フランジ56に形成された複数の透孔にネジ等が挿通されて遊技盤30に対するレールユニット50の締結がなされるようになっている。
内レール51および外レール52間の球案内通路の入口には、同球案内通路の一部を閉鎖するようにして凸部57が形成されている。この凸部57は、内レール51からレールユニット50下端部にかけて略鉛直方向に設けられ、遊技領域まで至らず球案内通路内を逆流してくるファール球をファール球通路に導くための役目をなす。
なお、遊技盤30の右下隅部および左下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図5のS1,S2)やプレートを貼着するためのスペースとなっており、この貼着スペースを確保するために、フランジ56に切欠58,59が形成されている。遊技盤30の右下隅部や左下隅部に、証紙等のシール(図5のS1,S2)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール)により略円形状に区画形成されている。本実施形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール51および外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。
従って、遊技領域と言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域の向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域の向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域の下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域の上側限界位置は外レール52によって特定される。
前記樹脂ベースにおいて、窓部孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置38より発射された直後に遊技球を案内するための発射レールが取り付けられている。発射レールは、その後方の金属板を介して樹脂ベースに取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レールに沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レールとレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置38から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路を介して下皿15に排出される。
ファール球が誘導レール内を逆流してくる際、その多くは外レール52に沿って流れ、外レール52の下端部に到達した時点で下方に落下するが、一部のファール球は誘導レール内で暴れ、内レール51側へ跳ね上がるものもある。この際、跳ね上がったファール球は、球案内通路入口の前記凸部57に当たり、ファール球通路に誘導される、これにより、ファール球の全てがファール球通路に確実に案内されるようになり、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。また、遊技球発射装置38には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
図4中の符号67は、上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。この排出口67には、略水平方向の回転軸を軸心として略水平状態と略垂直状態とに変位する開閉式のシャッタが取り付けられている、前面枠14を内枠12から開放した状能(図4の状態)では、バネ等の付勢力によりシャッタが略水平状態から略垂直状態となり、排出口67から遊技球がこぼれ落ちないようにこの排出口67を閉鎖する。
また、前面枠14を閉鎖した状態では、当該前面枠14の裏面に設けられた球通路樋69(図4参照)によりシャッタが押し開けられて略水平状態になり、排出口67の方へ排出された遊技球はもれなく球通路樋69を通って上皿19に排出されるようになる。従って、本パチンコ機10においては、前面枠14の開放に際し払出通路内等の遊技球がパチンコ機10外にこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できるようになっている。
図4に示すように、内枠12の上側には、前面枠14が内枠12に対して開かれたことを検出する前面枠セット開検出スイッチ90が設けられている。前面枠14が開かれると、前面枠セット開検出スイッチ90からホール内(パチンコ店内)用コンピュータヘ出力されるようになっている。また、前面枠14が閉じられると、前面枠14の金属製の補強板が、内枠12の一対の金具に接触するようになっており、前面枠14のアースが確保されている。
ここで、前述した前面枠14について、図1乃至図4を参照しつつより詳細に説明する。
前面枠14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、ベース部材が窓部101を形成する開口を備えており、その左右側の略中央部が、上下側に比べて比較的緩やかに湾曲して細化した形状となっている。なお、前記略中央部が直線状になるようにしてもよい。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に、演出装置700の一つとして、各種ランプ等の発光部が設けられている。これら発光部は、大当たり遊技状態時や羽根開放時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光部を内蔵した環状電飾部102が左右対称に設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光部を内蔵した中央電飾部103が設けられている。
本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり遊技状態時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり遊技状態中であることを報知する。さらに、上皿19周りにも、同じくLED等の発光部を内蔵した上皿電飾部104が設けられている。
その他、中央電飾部103の左右側方には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ810、813(LED:後に言及)とが設けられている。また、環状電飾部102の下端部に隣接するようにして、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓部107が設けられている。この小窓部107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓部107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。更に、遊技領域内にも、入賞口用等の電飾ランプ、LEDが存在するが、こうした発光部も演出装置700の一部を構成する。
また、図1に示すように、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタンと、返却ボタンと、度数表示部とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタンは、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタンは、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
そして、度数表示部はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置部から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
(パチンコ機の背面構成)
図6及び図7は、パチンコ機10の背面図と、セット板400を一部開いた斜視図である。先ず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12および遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにしてまたは前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構)等が取り付けられている。
本実施形態では、各種制御基板を3つの制御基板にユニット化し、これら制御基板ユニットを個別に内枠12または遊技盤30の裏面に装着するようにしている。ここでは便宜上、これらのユニットを「第1制御基板ユニット201」、「第2制御基板ユニット202」および「第3制御基板ユニット203」と称することとする。この場合、第1制御基板ユニット201および第2制御基板ユニット202として、主制御基板と音声ランプ制御基板とがそれぞれ取付台に搭載してユニット化され、第3制御基板ユニット203として、払出制御基板、発射制御基板および電源基板が、セット板400の第2パーツを構成する排出通路盤にユニット化されている。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202および第3制御基板ユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12または遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。かかる構成については後に詳述する。これは、各ユニット201、202、203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
図5に示す一般入賞口31、可変入賞装置32および始動口33に入賞した遊技球は何れも前記裏枠セットの回収通路を介して集合し、さらに排出通路盤の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図5参照)も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
その他、図6に示すように、内枠12の背面構成において、遊技盤30の右下部には、後述する払出機構部352より払い出される遊技球を上皿19、下皿15、または排出通路の何れかに振り分けるための遊技球分配部が設けられている。
第1制御基板ユニット201は、遊技盤30の裏面側に配設され、制御基板を収容する第1基板ケース201Aを有し、この第1基板ケース201Aに主制御装置261が搭載されている。ここで、主制御装置261は、主たる遊技の制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主制御基板を具備しており、この主制御基板が透明樹脂材料等よりなる後述の第1基板ケースに収容された構成とされる。
第2制御基板ユニット202は、台座に音声ランプ制御装置が搭載された構成を有し、装飾図柄表示装置42の裏面側を覆う位置に配置され、遊技盤30に取り付けられている。音声ランプ制御装置は、音声ランプ基板を具備している。
第3制御基板ユニット203は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314が含まれる。払出制御装置311、発射制御装置312および電源制御装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311により、賞品球や貸出球の払出が制御される。
また、発射制御装置312により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射モーターの制御が行われ、電源制御装置313により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)および図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源制御装置313およびカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ケース315(この内側に位置するもう一つの基板ケース),316,318にそれぞれ収容された構成とされ、セット板400の上部から側部にかけて配置された概略逆L字状をなす払出ユニットならびに下部に配置された排出通路盤とともに、第3制御基板ユニット203を構成している。
図6に示すように、払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モーター部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モーターが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。また、電源制御装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。
そして、図4に示す通り、前記内枠12の外枠11に対する枢着部725に近い前記遊技盤30のコーナーが、図5に示すように、略三角形状(遊技盤の中心側は円弧状)に角落ち720されている。前記枢着部725は、図4に示すように、外枠11に固定のブラケット726(上端部)(下端部は図外)に、内枠12に固定の取り付け金具を枢着することで構成されている。
ここで、上述したエラー状態などの状態報知について図1及び図6に基づいて述べる。[遊技球の払い出しに関するエラー報知]
(タンク球無し)
タンク球無しの報知は、タンクとタンクレールに遊技球が無いことを報知するもので、図1に示す右コーナーLED810が点灯し、図6に示すモニターLED811が消灯し、状態表示812が「1」を点滅表示する。
(下受け皿満タン)
下受け皿満タンの報知は、図1に示す右コーナーLED813が点灯し、図6に示すモニターLED811が消灯する。そして、状態表示812が「2」を点滅表示する。
(払出ユニット異常)
払出モーター駆動中にも関わらず払出カウントスイッチに遊技球の通過がない状態を示すもので、右コーナーLED810が点灯し、モニターLED811が消灯し、状態表示812が、「3」を点滅表示する。
[電源に関するエラー報知]
(ヒューズ切れ1及びヒューズ切れ2)
ヒューズ切れ1は、図6に示す第1ヒューズ814に定格以上の電流が流れたとき、ヒューズ切れ2は、第2ヒューズ815に以上の定格以上の電流が流れたときに飛んでしまった状態であるが、このエラー状態報知は、表示されない。
[その他のエラー報知]
その他のエラーとしては、「ガラス枠開放」、「内枠開放」、「遊技球等貸出装置未接続」、「遊技球等貸出装置通信異常」、「コマンド異常」、「コネクタ未接続」がある。そのうち、遊技球等貸出装置が未接続の場合は、図6に示すモニターLED816及びモニターLED817が消灯する。そして、遊技球等貸出装置通信異常は、前記状態表示812が「U」を点滅表示する。
また、コマンド異常は、ハーネスの破損等によるコマンド不良を示すもので、前記状態表示812が「C」を点滅表示する(電源投入時にコマンド異常になった場合は点灯表示)。更に、コネクタ未接続は、モニターLED818が消灯する(ただし、発射動作中は点滅する)。
尚、図6において、819は、遊技機電源コードを示し、820は、電源スイッチを示し、821は、外部接続アース線を示す。
次に、第1制御基板ユニット201について説明する。第1制御基板ユニット201には、主制御装置261が搭載され、該主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を収容してなるものである。
前記第1制御基板ユニット201は、第1基板ケース201Aおよび連結台座部材430を含み、第1基板ケース201Aは、第1制御基板ユニット201の主要部をなす部材であり、図8乃至図16に示すように、外側ケース(第1ケースまたは第2ケース)70および内側ケース(第2ケースまたは第1ケース)85を含む。この実施例では、外側ケース70が主制御装置261の制御基板80を収容する容積のある方であり、内側ケース85がその蓋体に相当する方である。なお、外側ケース70および内側ケース85は、いずれを第1ケースとしてもよい。
この第1基板ケース201Aは、前記外側ケース70側に設けられる外側封止部71と、前記内側ケース85側に設けられる内側封止部86と、その外側封止部71と内側封止部86とを連結する金属製の封止部材87とを有し、その封止部材87によって前記外側封止部71と内側封止部86とが連結されている場合に前記制御基板80を取り出すときには第1基板ケース201Aを破壊するか或いは所定の部位を切断することを必要とするものである。
前記外側ケース70の外側封止部71と内側ケース85の内側封止部86とは対を成すもので、この実施例では、個別に使用することのできる4個の封止部(封止、開封の再使用不可)から構成されており、それぞれを、封止部材87を用いて封止するよう構成されたものであり、こうした封止構造は、公知に属するものと変わらないものであるから、ここでの詳細説明は省略する。
なお、外側ケース70および内側ケース85において、外側封止部71および内側封止部86が設けられた側端縁のほぼ中央部には、該外側封止部71および内側封止部86と並置するようにして、3個の封止部材87を収容し得る収容部871が設けられており、これにより、第1基板ケース201Aの定期検査等で封止を解いた後に、収容部871から封止部材87をとり出して、再び第1基板ケース201Aの封止を行うことができるようになっている。
図8は、遊技球が流下する遊技領域を前面側に形成してある遊技盤30の裏面の斜視図である。図9は、第1基板ケース201Aを開閉機構410から取り外した状態を示す。
上記開閉機構410は、第3部材としての回動連結のための軸411を備え、一端側、即ち、コの字形に折り曲げられた一枚の支持板(約2mm厚の鋼板)からなる第1部材としての支持体412が、図16に示すようにそのコの字の底部部分で遊技盤30の裏面側にネジで固定され、他端側は、その軸411を基点にして回動するように枢着された第2部材としてのブラケット413で構成されている。前記軸411は、リベット構造であり、その両端部を変形させることよって容易に抜き取り出来ないようにされている。
前記第1部材としての支持体412のコの字の底部部分にはネジ孔が設けられ、図16に示すように、遊技盤30の裏面と球集合板460(入賞装置に入球した遊技球を受けて下方へ誘導する排出通路が形成されているもの)との間でネジ固定され、球集合板460の開口部461(又は切り欠き部)を介して遊技機の裏面側に向かう方向に突出する。
上記構造とすることにより、球集合板460を遊技盤30に取り付けた後は支持体412が外側から取り外せない状態となるので、例えば後述する第1基板ケース201Aを不正に取り外したりすることがより困難となる。
上記球集合板460については、その外周部の複数個所を遊技盤30の裏面に対して固定するが、そのうちの少なくとも一つが固定解除できないように、破断ネジ等でするか、ビス留めしたあと、ビス頭部を覆うキャップを取り付けるようにする等して、球集合板460が遊技盤30から容易に外されるのを防止する構造としてもよい。
上記切り欠き係合部415は、後述の第2係合部433とでもって、第1係合部414の抜け出し防止の規制機構440を構成する。前記ブラケット413(約2mm厚の鋼板)には、図17に示すように、前記支持体412に枢支連結される一枚の支持板からなる支持部413aが形成されており、その支持部413aは、ブラケット本体部から直角に折り曲げられて側面視で門型に形成されている。そして、このブラケット413は、第1係合部414(後述の連結台座部材430に対する)に構成され、その第1係合部414には、図17に示す切り欠き係合部415が形成されている。この切り欠き係合部415は、切り欠き部分の両側の先端部が互いに対向する方向に鉤状に突出し、全体として概略C字形状となるように形成されている。
尚、前記第1基板ケース201Aは、既述の通り、外側封止部71を備える外側ケース70と内側封止部86を備える内側ケース85を有し、主に外側ケース70の内部に遊技を制御する制御基板を収容する構成のものである。
次に、図9乃至図19に基づいて、連結台座部材430について述べる。
この連結台座部材430は、前記開閉機構410と前記第1基板ケース201Aとにそれぞれ連結されるものであり、言わば従来から用いられていた基板ケースを取り付けるための台座に相当するものであって、合成樹脂で成型されており、ここでは、幅は、前記第1基板ケース201Aの幅と実質的に同じ幅(約150mm)で、長さが約48mm(第1基板ケース201Aの長手方向に向かう長さ)、厚みが13mm、肉厚は、2mmのものであり、第1基板ケース201Aの内側ケース85の側面に接当する側が開放され、リブが多数設けられ、破断ネジ439を収容する収容部431が、ここでは3個形成されており、そこに破断ネジ439がそれぞれ1本づつセットされるようになっているが、周壁、リブの端面は同じレベルに形成され、内側ケース85の側面に密着接当可能にされており、反対側の側面(遊技盤30側)は、平坦に形成されている。
破断ネジは、螺合させて締結(本締め)するのに必要な程度のトルクで回転させて締結した後、さらに大きい所定の高トルクで回転させると破断する破断部を備える金属製のネジであり、具体的には例えば図15に示す破断ネジKのように、頭部K10および軸部K20で構成され、頭部K10が、外側頭部K11および内側頭部K12が軸方向に並置するように形成された構成を有し、外側頭部K11と内側頭部K12との間に、くびれるようにテーパ状に細径化した形状を有する破断部K13が設けられたものとなっている。使用時には、ドライバを外側頭部K11の溝に嵌合し必要なトルクで回転させて軸部K20を締結対象部材のネジ孔に螺入し本締めした後、外側頭部K11をさらに高トルクで回転させると破断部K13で破断して外側頭部K11が離脱し、以降はドライバにより破断ネジKを回転させることができずその取り外しが不可能となる。
前記第1基板ケース201Aのうち、前記連結台座部材430と連結封止される部位である第1台座封止部450が、その内側ケース85の端部に設けられており、ここでは該第1基板ケース201Aの幅方向に、所定の間隔を隔てて4個突設されている。この第1台座封止部450は、外側ケース70の外側封止部71と内側ケース85の内側封止部86との位置と平面視で位相がずれるように変位して配置されており、従って、第1基板ケース201Aを背面から(遊技機の背面から)見たときに、前記外側封止部71と内側封止部86に重なることなく、視認できる状態にある。
即ち、前記外側封止部71と内側封止部86の位置する側に前記第1台座封止部450が配置され、且つ、前記第1基板ケース201Aの背面視(正面)において、前記第1台座封止部450が見えるように前記外側および内側封止部71、86と平面位相をずらせて配置されているのである。
そして、前記連結台座部材430には、前記第1基板ケース201Aの前記第1台座封止部450と連結封止される部位である第2台座封止部432が、ここでは、4個が、前記4個の第1台座封止部450と対応する位置に突設されている。この1個の第2台座封止部432の構造は、この連結台座部材430の本体に繋がるリブに、有底のネジ止め凹部を有する突起体が一体成型されており、そのリブの底面と有底部分の底面は面一で、且つ、前記収容部431のリブ及び周壁のレベルと面一とされている。
そして、前記第1、及び第2台座封止部450、432は、破断ネジを用いて連結封止される。
前記連結台座部材430の内部に、前記開閉機構410の前記第1係合部414と係合する部位である第2係合部433が設けられる。この第2係合部433は、この実施例では、後述する第1被覆部材430Aとは別体成型の第2被覆部材430Bに取り付けられる。勿論、別体の第2被覆部材430Bが存在せず、第2係合部433が連結台座部材430の樹脂成型時に埋め込まれたり、或いは、それ自体の弾性変形を利用して、連結台座部材430に形成された挿入部434の内部に挿入設置されるように構成されてもよいものである。
前記第2係合部433は、ここでは、弾性を備えた一枚の薄い板体(鋼板)を折曲成形して構成されている。即ち、概略縦長の長方形状の板体の一方長辺に沿って延びる帯状部を直角に折曲し、さらにこの帯状部の両端部を内側方向(板体の他方長辺側方向)へ90℃未満の小角度(例えば20〜60°程度)だけ折曲して弾性係合爪を形成した構成となっている。一方、前記第1係合部414は金属製の平板状体で構成され、そこに切り欠き係合部415が形成され、該切り欠き係合部415に前記第2係合部433の係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構440Dが構成されている。そして、前記開閉機構410の前記第1係合部414を挿入して前記連結台座部材430の内部の前記第2係合部433に係合させるために前記連結台座部材430に、挿入部434が形成されている。
このように、前記規制機構440Dは、前記第1係合部414と前記第2係合部433との係合において、前記開閉機構410の第1係合部414が前記挿入部434に挿入されて前記第2係合部433と係合されたあとにその挿入方向とは逆の抜き出す方向への移動を規制するものである。
なお図10には、図示を明確化するため、第1係合部414を前記挿入部434に挿入した状態で、第2部材すなわちブラケット413ごと第1制御基板ユニット201が球集合板460から分離した状態が示されているが、実際のパチンコ機10においては、ブラケット413は第1基板ケース201A側(連結台座部材430)よりも先に、球集合板460側(第1部材すなわち支持体412)に取り付けられた構造となっている。
ここで、更に、前記連結台座部材430について詳述する。前記第2係合部433を被覆するべく、前記連結台座部材430は、第1被覆部材430Aと第2被覆部材430Bとから構成されている。第1被覆部材430Aおよび第2被覆部材430Bは、それぞれ別体として成形され、組み合わせて連結台座部材430として構成され、且つ、これらの少なくとも一方、ここでは第1被覆部材430Aに凹面が形成され、他方、即ち、第2被覆部材430Bに対向するよう組み合わせることで前記第1係合部を挿入するための前記挿入部434を形成している。具体的には、前記挿入部434は、その入口が、入口側から内部に向かって幅狭となるようにテーパ状に形成され、且つ、挿入方向に沿って複数、ここでは4本の案内リブが形成されている。
そして、この第2被覆部材430Bに、前記第2係合部433が設けられるが、その第2係合部433を、第2被覆部材430Bに形成した係止突片430Cに、その入口の側からスライド挿入して係止させ、且つ、ネジ止めされる。
前記第2被覆部材430Bは、前記第1被覆部材430Aよりも小さく構成され、前記連結台座部材430と前記第1基板ケース201Aとが連結した状態においては、前記第2被覆部材430Bの取り外し方向側に前記第1基板ケース201Aが位置された状態となり、前記第1基板ケース201Aと前記第1被覆部材430Aとにより被覆された状態となるように構成されているものである。
また、前記連結台座部材430は、前記第1基板ケース201Aよりも小さく構成され、前記第1基板ケース201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結されるように構成されているものである。
更に、上述した通り、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433を金属製の係合部材により構成してある。
前記第1基板ケース201Aの側面に、係止リブ420、420、420が前記連結台座部材430の略周部に沿って配置されて突出するように備えられ、該係止リブ420、420、420に所定の方向、即ち、第1基板ケース201Aの裏面に沿って第1、第2台座封止部や第1連結部の位置する側から第1基板ケース201Aの中央側に向けてスライド移動させることによって、係合するリブ係合部435が前記連結台座部材430の側部に設けられると共にその一つの係止リブ420が、前記連結台座部材430の収容部431の周壁の内側に形成されたリブ係合部436に係合するように設けられている。
前述の別体構成の前記第2被覆部材430Bの両側部にカム面を備えた係合片430D、430Dが突設され、第1被覆部材430Aの内部に前記係合片430D、430Dに係合する門型の係合部430E、430Eがそれぞれ設けられ、前記第2被覆部材430Bを前記第1被覆部材430Aに対して押し付けることで前記カム面作用により前記係合片430D、430Dの素材の弾性変形を利用して門型の係合部430E、430Eへの係合が行われるように構成されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、遊技機に取り付けられた第1制御基板ユニット201が遊技盤30の裏面に対して開閉することにより、遊技盤裏面の設置物に対しての検査、メンテナンスが容易に行い得るのである。
そして、封止部により封止されることにより、制御基板に対して不正な改変を行ったり、不正品に交換されることを防止でき、また、第1、第2台座封止部450、432により連結封止することによって、第1制御基板ユニット201を不正品に交換されることを防止できる。
更に、連結台座部材430に対して開閉機構410を簡単な操作により装着できるので、作業性が向上するのであり、そして、第1係合部414と第2係合部433とを一度係合させるとその解除が規制機構440Dによって規制され、係合部分は被覆されているので、連結状態の第1基板ケース201Aおよび開閉機構410、即ち第1制御基板ユニット201ごと不正に持ち去ることを防止できるのである。
次に、第1被覆部材430Aと第2被覆部材430Bとがそれぞれ別体に成形され、組み合わせて前記連結台座部材430として構成されることで、第2係合部433を被覆することを行い得ながら、第2係合部433を第2被覆部材430Bに備えておいて、これを後に組み合わせるという作業で、この、第2係合部433を前記連結台座部材430の内部に備えることができる。
また、前記連結台座部材430と前記第1基板ケース201Aとが連結した状態においては、第2被覆部材430Bが前記第1基板ケース201Aの側に位置して、前記第1被覆部材430Aとで挟まれた状態となって第2係合部433の被覆が行われ、その被覆が容易に外れない。
更に、連結台座部材430は、前記第1基板ケース201Aよりも小さく構成され、前記第1基板ケース201Aのうち、基板裏面側で一端側に寄せて連結される構成であるので、従来のような基板ケースと同等の大型の台座を必要とすることがない状態で、その第1基板ケース201Aの開閉を行い得るのである。
更に、前記第1及び第2被覆部材430A、430Bを透明樹脂により成型し、これらに被覆される第2係合部433を金属製の係合部材により構成してあることで、第1係合部414と第2係合部433の係合状態が確実におこなわれているかどうか外部から視認でき、また、強固な係合がされていることが視認されることで、安易な取り外しが行われないようにすることができる。
また、前記第2係合部433を板金で構成してその一部を変形させることで第1係合部414に対する係合を行う構成であるので、極めて構造が簡単であり、同時に、係合状態の解除が容易に行われないものである。
更に、挿入部434の入口をテーパ状として、且つ、案内リブを設けることで、第1係合部414の挿入を容易にすることができると共に内部への侵入がガイドされてスムースに行い得るのである。
また、外側ケース70の前記外側封止部71と内側ケース85の内側封止部86の位置する側に前記第1台座封止部450及び第2台座封止部432が配置されるものの、前記第1、及び第2台座封止部450、432が見えるように前記外側および内側封止部と平面位相をずらせて配置されていることで、前記第1、及び第2台座封止部450、432が前記第1基板ケース201Aの背面視(正面)において、視認可能となり、前記第1、及び第2台座封止部450、432が不正に解除されているかどうか容易に分かるのである。
また、第1基板ケース201Aの側面に、係止リブ420を突出するように設け、前記連結台座部材430を係止させて位置決めすることができ、その後の前記第1台座封止部450及び第2台座封止部432の連結が行い易いのである。
更に、前記第2被覆部材430Bを第1被覆部材430Aに取り付けるに、第2被覆部材430Bのカム面を備えた係合片430Dと、第1被覆部材430Aの前記係合片430Dに係合する係合部430Eの存在によって、第2被覆部材430Bを第1被覆部材430Aに向けて押圧するだけで、素材の弾性変形でもって係合が行われることになり、簡単に組み付けができる。
また、連結台座部材430に、破断ネジ439を収容する収容部431を設けることで、第1基板ケース201Aの定期検査等で封止を解いた後に、そこから破断ネジ439をとり出して、再び新たな第1台座封止部450と第2台座封止部432との封止を行うことができる。
上記開閉機構410の他端側(前記支持体412と反対側)である第2部材、第1、第2台座封止部450,432を、破断ネジで連結させてもよい。
例えば、製造時において開閉機構端部を連結台座部材挿入口に挿入して連結する操作に際し、第1、第2台座封止部の間に、前記開閉機構410の他端側である第2部材の一部が入り込む(挟まれる)ように構成されており、次回以降の連結封止では、これら3部品を一つの破断ネジで留めるようにする。この開閉機構410の他端側である第2部材は、第3台座封止部を構成するもので、前記ブラケット413の本体部の両側部から、前記支持部413aとは反対側に向けて延設され、且つ、その後にブラケット本体部と平行になるように曲折された細幅の取り付け板416からなり、その取り付け板416に2個一対のネジ孔(後述の連結台座部材430と第1基板ケース201Aに対する)が形成されている(ネジ孔ではあるがネジ切りはされていない;図19参照)。
また、第1台座封止部450に形成された切断部450A(図9他参照)を切断して、破断ネジは第2台座封止部及び第2部材に残すようにすれば連結封止を解除できる。
更に、別の変形例として、第1、第2連結部の両方に切断部を形成し、破断ネジを第2部材に残すようにしてもよい。
また、この例では、第1係合部414を構成する金属製の平板状体に切り欠き係合部415が形成されており、該切り欠き係合部415に前記第2係合部433の係合爪を係合させることによって、抜け出し防止の規制機構が構成されている。
遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間には、中間部材501が介装されている。図14及び図16に示すように、遊技盤30の裏面には球集合板460が設けられ、第1制御基板ユニット201はこの球集合板460に外側から取り付けられる構成となっているが、該球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の間隙が形成されている。パチンコ機10の機種によっては、遊技盤30の裏面の設計に応じて、当該部位の寸法(奥行)が異なる。このため、この寸法の変動に対応できるように、球集合板460と第1制御基板ユニット201との間には、若干の余裕、すなわち間隙が形成されているのである。前記中間部材501は、この球集合板460と第1制御基板ユニット201との間の間隙を補填するためのものであり、当該間隙にほぼ対応した寸法を有するものとなっている。
上記中間部材501は、球集合板460に対向する面が開放された概略横長で中空の箱形の形状を有し、その上端部にはほぼ矩形状の切欠部511が形成されている。この切欠部511は、球集合板460と第1制御基板ユニット201とを電気的に接続するスペースを確保するためのものである。
上記中間部材501の内部には、図14に示すように、複数のリブ512が形成されている。このリブ512は、中間部材501の補強の機能だけでなく、該中間部材501の内部に不正基板を設置し得るスペースが形成されないようにするという機能も奏するものである。また、このリブ512は、球集合板460側に設けた電気部品等に接当しないように区画配置されると共にその高さが部分的に変えられている(リブの外縁面が同じレベルではない)。
上記中間部材501は透明樹脂よりなるものであり、これにより、例えば中間部材501より内方側(遊技盤30側)の球集合板460に取り付けられている中継基板、LED基板等の電気部品に対しなんらかの不正行為がなされたか否かが、該中間部材501の外側からでも容易に視認することができ、したがって不正をより効果的に防止し得るようになっている。
上記中間部材501の一方端部には、上下1対の板状のブラケット513が突設されている。該ブラケット513の先端部には孔または切欠が形成されており、一方、前記球集合板460における前記開閉機構410形成側端部とは反対側の端部(図14および図16では右側端部)には、上下1対の軸462がそれぞれ上方に突出するように設けられており、この軸462に前記中間部材501のブラケット513が挿通されている。これにより、上記中間部材501は一方端部で軸462を中心として水平面上で回動可能に軸支され開閉可能となっている。即ち、該中間部材501の開閉軸線はパチンコ機10の背面からみて前記開閉機構410形成側端部の反対側(図14および図16の右側)で上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして中間部材501が後方側に十分に開放できるようになっている。
前記第1基板ケース201Aは、図13に示すように開閉機構410により該開閉機構410形成側端部(図13では左側端部)で回動させて一方側へ(図13では左方に)開放し得るようになっているが、上記のような中間部材501の支持構造とすることにより、該中間部材501は図14に示すように第1基板ケース201Aとは逆方向に(図14では右方に)開放し得るようになっている。すなわち、該中間部材501と第1基板ケース201Aとが、左右逆方向に開閉し得る構造、さらに具体的にいえば、左右から折り重ねるようにして閉じ得るとともに、その閉じた状態からそれぞれ左右に開放し得る構造となっている。
上記中間部材501の自由端部側(図9及び図11では左端部側)およびこれに対応する球集合板460上の位置には、中間部材501と球集合板460とを封止するための封止手段が設けられている。この封止手段は、第1封止部520aと第2封止部520bとを有している。この第1封止部520aおよび第2封止部520bについて以下順次説明する。
図20に示すように、第1封止部520aは、球集合板460に遊技盤30側から挿通されて中間部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底部に有する凹部465と、中間部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されている。
中間部材501の自由端において球集合板460に当接する上下2箇所のコーナー部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、中間部材501の長さ方向に沿って延出し、上下1組の延出片のうち内側に位置する延出片の先端部が外方に屈曲して外側の延出片に向かって延び、これら上下の延出片の先端部分が、中間部材501の奥行方向に沿って延びる円筒状部を支持するような形状となるように、中間部材501のコーナー部が成形されている。上記円筒状部の内部にはネジ溝が形成されてネジ519が螺入し得るようになっており、この円筒状部が挿入部514となっている。また、上記上下1組の方形状の延出片は、ネジ519による固定状態を保持するのに十分な強度を有するとともに、ニッパ等の適宜手段により容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、この延出片が切断部514Aとなっている。
一方、球集合板460において上記中間部材501の上下のコーナー部に対応する位置にはそれぞれ、凹部465が設けられている。下側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から円形の平面形状をなして陥入し、その底部にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上側の凹部465は、球集合板460の取付面(遊技盤30側面)から、下側の一隅を部分円状に角落ちさせた概略方形状の平面形状をなして陥入し、その底部にはネジ挿通孔が穿設された構成となっている。上下の凹部465のネジ挿通孔にはそれぞれ、遊技盤30側からネジ519が挿通され、該ネジ519の頭部が凹部465内に収容されるとともに、軸部が前記中間部材501の挿入部514に螺合し、これにより中間部材501の自由端部が球集合板460に固定されるようになっている。
球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では、球集合板460の凹部465がネジ519のネジ頭を収容して遊技盤30により閉塞された状態、すなわちネジ519のネジ頭が球集合板460と遊技盤30との間に挟まれた状態となるため、外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、中間部材501と球集合板460とが封止されるようになっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的として中間部材501を開放する場合には、前記切断部514Aを切断することにより、中間部材501と球集合板460との封止状態を外側から(パチンコ機10の背面側から)、痕跡を残しながら解除することができる。
なお、固定手段として、ネジにかえてナイラッチ等を用いるようにしてもよい。ナイラッチは、頭部から延出する軸部の先端部が径方向に拡張するように成形されたナイロン製の締結具であり、締結対象の部材に設けた孔部に押し込んで弾性的に係合させることにより当該部材を締結するものである。
第2封止部520bは、中間部材501に背面側から挿通されて中間部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、中間部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底部に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されている。
中間部材501の自由端は、高さ方向における中段をなす帯域部分が内側に陥入して、正面視概略コ字状の形状を有しており、その陥入部分の底部から、高さ方向に長く延びる概略直方体状の基台部515Bが外側(中間部材501の自由端側)に突出し、さらに該基台部515Bの外側端面から、破断ネジ挿通部515が外側に突出した形状となっている。基台部515Bの外側端面の上端部および下端部からは、それぞれ、上下1組の方形状の延出片が、互いに平行となるように、水平に平伏した状態で、中間部材501の長さ方向に沿って延出し、上下の延出片の先端部同士がたがいに近接し合う方向に円弧状に湾曲するように延びて接合し、正面視半円状の周壁部515Cが形成されている。この周壁部515Cを含む上下の延出片は全体として正面視U字状に形成され、その先端部分の内側における奥行方向中央付近には、奥行方向に対し垂直となるように、即ち例えば遊技盤30の裏面に対し平行となるように、底壁515Dが設けられ、該底壁515Dにはネジ挿通孔(図示せず)が穿設されている。上記周壁部515Cを含む上下の延出片および底壁515Dにより、破断ネジ挿通部515が構成されている。上記上下の延出片は、前記第1封止部520aの切断部514Aと同様に、十分な強度を有するとともに容易に切断し得る肉厚を有するものとなっており、また、前記底壁515Dは上下の延出片の先端部の間の空間のみを閉塞しこれより内側の脚部(立ち上がり部)の間の空間は閉塞しないように設けられていて、この脚部は奥行方向に貫通する形状となっている。このように構成されることにより、上記上下の延出片の脚部が第2封止部520bの切断部515Aとなっている。
一方、図16に示すように、球集合板460において上記上下の破断ネジ挿通部515に対応する位置にはそれぞれ、螺入部463が設けられている。上下の螺入部463は、球集合板460における前記支持体412挿通用の上下の開口部461の間の位置から、背面側(中間部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。
図20に示すように、中間部材501を閉じて球集合板460に当接させた状態では、破断ネジ挿通部515の周壁部515Cの球集合板460側端縁も球集合板460に当接し、螺入部463の全体が該周壁部515Cにより包囲されるようになっている。この状態で、破断ネジ522が破断ネジ挿通部515に背面側(中間部材501側)から挿通されて螺入部463に螺入され、これにより中間部材501が球集合板460に固定される。破断ネジ522は所定の高トルクで回転させることにより外側頭部522aと内側頭部522bとの間で破断して外側頭部522aが分離し、内側頭部522bが破断ネジ挿通部515の内部に収容された状態で残留する。この状態では、ドライバによって破断ネジ522を回転させることはできず、しかも内側頭部522bは破断ネジ挿通部515の周壁部515Cで包囲されているため、痕跡を残さずに破断ネジ522を取り除くことは不可能である。これにより、中間部材501と球集合板460とが封止された状態となる。
一方、前記切断部515Aを切断することにより、中間部材501と球集合板460との封止状態を痕跡を残しながら解除することができる。
中間部材501の自由端は、前記したように中段をなす帯域部分が内側に陥入した正面視概略コ字状の形状を有しているが、その陥入部分を挟む上段および下段の突出部分の先端面には、それぞれ前記第1封止部520aが設けられている。さらに、下段の突出部分の先端面において、第1封止部520aの上方の位置に、破断ネジ挿通部516が設けられている。この破断ネジ挿通部516は、前記陥入部分の底部に設けられた破断ネジ挿通部515とほぼ同様の上下の延出片(周壁部を含む)および底壁を有する構成となっている。また、図16に示すように、球集合板460において上記中間部材501の下段の突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516に対応する位置には螺入部464が設けられており、この螺入部464は前記螺入部463と同様に、背面側(中間部材501側)へ延出する円筒状に形成され、その内部にはネジ溝が設けられて破断ネジ522が螺入され得るようになっている。本実施形態に示す第2封止部520bは、中間部材501の陥入部分の底部に設けられた上下の破断ネジ挿通部515および突出部分に設けられた破断ネジ挿通部516と、これら破断ネジ挿通部515、516にそれぞれ対応するように球集合板460に設けられた螺入部463、464と、破断ネジ挿通部515、516のそれぞれに設けられた切断部515A、516Aと、破断ネジ522とで構成され、高さ方向に並ぶ3点で中間部材501と球集合板460との封止がなされ得るようになっている。
上記中間部材501の陥入部分の底部に設けられた上下の破断ネジ挿通部515は、図9および図11に示すように、前記開閉機構410におけるブラケット413の上下の支持部413aの間に挟持されるような位置に形成され、これら支持部413aの間のスペースをほぼ閉塞し、第1基板ケース201Aを枢着する軸411であるリベットの頭部に近接している。
図9乃至図11ならびに図21に示すように、上記中間部材501の外側面(第1基板ケース201A側面)における固定端部(図9、図11及び図21では右側端部)には、先端に係止爪が形成された矩形状の係止片517が後方に(第1基板ケース201A側に)突出するように配設され、一方、第1基板ケース201Aの自由端部には、矩形状の突起部851が側方に(図21では右方に)突出するように配設されており、図22に示すように該係止片517が突起部851に弾性的に係止し得るようになっている。この係止片517は、中間部材501に一体成型されている。
また、上記中間部材501の外側面における自由端部には、図11に示すように、矩形状凹部518が形成されている。この矩形状凹部518は、前記連結台座部材430の長さ(約48mm)および厚み(約13mm)にそれぞれほぼ等しい長さ(中間部材501の長手方向に沿った長さ)および深さを有し、図9に示すように、内部に連結台座部材430をほぼ隙間なく収容することができ、収容状態で該連結台座部材430の外側面(開放側面)と中間部材501の外側面とが面一となるようになっている。これにより、第1基板ケース201Aとの間にできる限り間隙が形成されないようになっている。
また、上記パチンコ機10においては、中間部材501の一方端部およびこれに対応する球集合板460の位置に、第1および第2封止部520a、520bで構成される封止手段を設けた構造としていたが、これと同様のまたは異なる封止手段を他方端部にも設け、これにより、中間部材501の両端部を封止した状態で固定する構造とするようにしてもよい。この場合、前記中間部材501の開閉構造(回動可能に軸支した構造)を設けた端部にさらに封止手段を設けるようにしてもよいが、両端部が封止手段により固定されるため、開閉構造は省略することができる。
上記のように、遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間に中間部材501が介装されていることにより、遊技盤30の裏面と第1制御基板ユニット201との間の間隙が補填され、これによって、不正行為を行い得るようなスペースが形成されないようになっている。さらに、この中間部材501が封止手段520により封止した状態で固定されていることにより、不正に取り外すことが困難となっており、もしこの封止が不正に破られたとしても、痕跡が残るため、封止が破られたことが一目瞭然であり、これにより不正行為が容易に発覚する。
さらに、封止手段が第1封止部520aと第2封止部520bとを有し、第1封止部520aが、球集合板460に遊技盤30側から挿通されて中間部材501を球集合板460に固定する固定手段であるネジ519と、球集合板460の遊技盤30側に設けられネジ519が挿通される孔を底部に有する凹部465と、中間部材501に設けられネジ519が挿入され固定される挿入部514と、ネジ519による固定状態を解除するために挿入部514に設けられた切断部514Aとから構成されているため、球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態では外部からネジ519を取り外すことが不可能であり、これにより、中間部材501が封止した状態で固定され、これを痕跡を残すことなく不正に取り外そうとすると球集合板460を遊技盤30から取り外すことが必要となり、したがって不正行為を行うことが困難となっている。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的として中間部材501を開放する場合に、切断部514Aを切断することによって痕跡を残しながら中間部材501の封止状態を解除することができる。また、球集合板460が遊技盤30に取り付けられていない状態では中間部材501を自在に開放し得るため、作業性が良好である。
さらに、第2封止部520bが、中間部材501に背面側から挿通されて中間部材501を球集合板460に固定する破断ネジ522と、中間部材501に設けられ破断ネジ522が挿通される孔を底部に有する破断ネジ挿通部515、516と、球集合板460に設けられ破断ネジ522が螺入される螺入部463、464と、破断ネジ522による固定状態を解除するために破断ネジ挿通部515、516に設けられた切断部515A、516Aとから構成されているため、中間部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から固定することができ、これにより、容易に中間部材501を封止した状態で固定することができる。このとき、前記球集合板460が遊技盤30に取り付けられた状態であっても、中間部材501を破断ネジ522により球集合板460に外側から封止・固定することができるので、たとえば前記第1封止部520aによる封止状態を解除した後に、第2封止部520bによって再度中間部材501と球集合板460とを封止することができる。一方、たとえば球集合板460の裏側の点検などを目的として中間部材501を開放する場合には、切断部515A、516Aを切断することによって痕跡を残しながら中間部材501の封止状態を解除することができる。
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、破断ネジ挿通部515が、第1制御基板ユニット201を枢着する軸411に近接していることにより、第1制御基板ユニット201を枢着部分から不正に取り外そうとしても、破断ネジ挿通部515が障害となって枢着部分を取り外すことが困難となっており、また中間部材501は封止した状態で固定されているため、破断ネジ挿通部515を取り除こうとしても痕跡を残さずにこれを取り除くことは困難となっている。したがって不正行為がさらに効果的に防止される。
さらに、中間部材501のコーナー部に第1封止部520aが設けられ、コーナー部以外に第2封止部520bが設けられていることにより、第1封止部520aによって中間部材501をコーナー部で容易かつ確実に封止することができるとともに、この中間部材501の封止を第2封止部520bによってさらに確実に行うことができる。また、複数個所に第1および第2封止部が設けられているので、封止および解除を行う行程の1回につき1箇所ずつで封止および解除を行うようにすれば、封止および解除の行程を複数回行うことができ、その行程ごとに開封履歴を残すことができる。
さらに、中間部材501が中空体に成形され、内部がリブ512により多数の室に区画された構成としたことによって、中間部材501の内部に不正基板を設置するのに十分なスペースが形成されておらず、したがって不正行為を効果的に防止することができる。
さらに、中間部材501が、球集合板460に対向する面が開放された構成としたことにより、中間部材501を閉じた状態では上記開放された面も球集合板460に当接して閉塞されるため、中間部材501の内部に不正基板を設置する等の不正行為は困難となっている。このとき、前記したように中間部材501の内部がリブ512により多数の室に区画されていても、中間部材501の開放部分が外部に露出しておればそこからリブ512を切断して不正行為のためのスペースを確保されるおそれがあるが、上記のように中間部材501の開放面を球集合板460に対向させることにより、リブ512を切断することも困難となっている。
さらに、中間部材501と第1制御基板ユニット201とが、たがいに左右逆方向に開閉される開閉構造を有する構成としたことにより、中間部材501および第1制御基板ユニット201のそれぞれを開放した状態における荷重が左右いずれか一方の端部に集中せず、左右両端部に分散することとなる。よって、たとえば点検などに際して中間部材501および第1制御基板ユニット201を開放する場合等に、これら中間部材501および第1制御基板ユニット201の荷重により球集合板460に変形が生じるといった不具合が防止される。球集合板460に変形が生じると、遊技球の排出に不具合をきたすおそれがある。
さらに、第1制御基板ユニット201の一方端部が軸411により回動可能に枢着され、中間部材501に、第1制御基板ユニット201の他方端部(自由端部)に係止する係止片が一体成型された構成としたことにより、第1制御基板ユニット201の自由端部を保持するための部材(例えばナイラッチ等)を別に用意する必要がなく、部品点数を少なくすることができる。また、中間部材501が不正に取り外されたとした場合、第1制御基板ユニット201の自由端部が保持されずに遊離した状態となるため、不正行為が容易に発覚することとなり、したがって不正を行うことがより困難となる。
また、パチンコ機10の組み立てにおいては、例えば、球集合板460に中継基板、LED基板、スイッチ、配線等の電気部品を取り付け、この球集合板460に中間部材501を取り付けてこれらをユニットとして構成し、このユニットを遊技盤30に取り付け、この後第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程にすると作業性が良好となるが、このような場合に、電気部品の少なくとも一部が中間部材501で覆われるようにすることで、電気部品が中間部材501によって保護され、取り付け作業時に電気部品が破損されることが防止される。
なお、図22には、球集合板460に中間部材501および第1制御基板ユニット201を取り付けた状態が示されており、このように、球集合板460、中間部材501および第1制御基板ユニット201を一体とした状態で遊技盤30に取り付けるという工程も可能であり、パチンコ機10の組み立て方法は特定のものに限定されないが、前記のように球集合板460および中間部材501をユニットとして遊技盤30に取り付けた後に第1制御基板ユニット201を取り付けるという工程がとりわけ作業性が良好である。
(特徴構成)
上記パチンコ機10においては、第1制御基板ユニット201の主要部をなす第1基板ケース201Aの一側部分が、金属よりなる連結部材を含む取付構造により遊技盤30の裏面側に支持固定され、該第1基板ケース201Aの他側部分が、外部との電波の送受信が可能に構成されたシールを貼付することにより封印された構成となっている。
第1基板ケース201Aは、以上の説明から明らかなように正面視概略横長の長方形状の外形を有し、その一側部分(第1基板ケース201Aの背面視における左側部分)が、鋼板よりなる支持体412やブラケット413等の、金属よりなる連結部材を含む開閉機構410を介して遊技盤30の裏面側に支持固定されている。
第1基板ケース201Aは、前記したように外側ケース(第1ケースまたは第2ケース)70および内側ケース(第2ケースまたは第1ケース)85を有してなるものであるが、より詳細には、図24および図25に示すような構成となっている。図24は第1基板ケース201Aの斜視図、図25は第1基板ケース201Aの分解斜視図である。なお図24および図25に示す第1基板ケース201Aは、前記図8ないし図23を参照しながら詳述した実施態様に比して、例えば封止部材87A等のように細部に若干の構成上の相違を有しているが、基本的には同様のものである。
図24および図25に示すように、第1基板ケース201Aは、比較的大きな厚み(奥行)を有する背面視概略横長の長方形状で前面側(遊技盤30側)が開放された形状の外側ケース70に、主制御装置261の制御基板80が収容され、該制御基板80の前面側から蓋をするようにして、比較的小さい厚みを有する背面視概略横長の長方形状の内側ケース85が、図24中の矢印A1に示すように長さ方向にスライドさせて嵌着された構成となっている。
第1基板ケース201Aにおいて、前記開閉機構410を介して遊技盤30の裏面側に支持固定された一側部分に対向する他側部分(第1基板ケース201Aの背面視における右側部分)には、前記矩形状の突起部851が形成されている。この矩形状突起部851は、図25に示すように、外側ケース70および内側ケース85の右側端縁部分に、互いに合同な縦長の長方形状を有する突起片851R、851Fをそれぞれ右方へ突出するように形成しておき、外側ケース70に内側ケース85を嵌着するとともにこれら突起片851R、851Fを重合させるようにすることによって構成されている。両突起片851R、851Fにはそれぞれ、上下2点に、厚さ方向に貫通するネジ孔852R、852Fが穿設されており、これらネジ孔852R、852Fにネジ(図示せず)を螺入することにより両突起片851R、851Fが締結固定されるようになっている。
上記外側ケース70の突起片851Rの上方および下方にはそれぞれ、外側連結部72が設けられ、内側ケース85の突起片851Fの上方および下方にはそれぞれ、内側連結部88が設けられている。上記外側連結部72の構造は前述の連結台座部材430の第2台座封止部432の構造とほぼ同様であり、外側ケース70の右側端縁部分に繋がるリブに、有底のネジ止め凹部を有する突起体が一体成型されており、そのリブの底面と有底部分の底面は面一となっている。上記内側連結部88は、内側ケース85の右側端縁部分に一体的に形成され、内部にネジ溝が形成された円筒状の構造を有するものとなっている。上記外側連結部72および内側連結部88は、ネジを用いて締結することにより連結固定される。
なお、上記外側ケース70および内側ケース85の両突起片851R、851Fや外側および内側連結部72、88を締結固定するネジとしては、金属製のネジであってもよいが、これにかえて、例えば、高い強度や耐熱性を有するポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリプチレンテレフタレート等の高機能樹脂(エンジニアリングプラスチック)等よりなる樹脂性のネジを使用してもよい。
前記第1基板ケース201Aの矩形状突起部851には、図26に示すようにシール601が貼付され、これにより第1基板ケース201Aの右側端縁部分が封印される。シール601は、横断面コの字形状をなすように折り曲げた状態で、前記外側ケース70および内側ケース85の両突起片851R、851Fを跨ぐようにして貼付されている。
シール601は、図28および図29に示すように、前記第1基板ケース201Aの矩形状突起部851の上下面を除く3面を折り曲げ状態でほぼ全面的に覆い得る長方形状の平面形状を有し、図27に示すように、基材層602、粘着材層603および剥離紙604を積層して構成され、粘着材層603上にはICタグユニット605が配置されている。
基材層602は、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルムよりなり、シール601を剥がす力に伴う応力によって一部が破壊される程度の適度な脆性を有するとともに、粘着材層603を構成する粘着剤に対する溶解性を有するトルエン等の有機溶剤や粘着剤層の粘着力が低下する温度(例えば50℃以上)の熱により変色するものとなっている。これにより、第1基板ケース201Aの矩形状突起部851からシール601を不正に剥がすことを意図して溶剤をかけたり熱を加えたりすると、基材層602が変色して不正行為の痕跡が残るようになっている。
粘着剤層603を構成する粘着剤は、一旦貼付した後に剥がされると基材層602から剥がれる程度の粘着力を有している。よって、シール601が剥がされた場合には再度貼付することが困難であり、さらに粘着剤層603の一部が被着体側に残存することとなる。これにより、シール601を不正に剥がした場合に痕跡を残すことができる。
ICタグユニット605は、ICチップ605aおよびアンテナ605bより構成されており、帯状に延びる長尺状のアンテナ605bの中央付近にICチップ605aが配置されている。ICチップ605aは集積回路として形成されるものであり、制御部およびメモリー領域を有する。メモリー領域には、識別データとしてのID情報が格納されている。アンテナ605bは、アルミ等の金属薄層で形成されており、その厚みはICチップ605aの厚みよりも薄い。また、アンテナ605bは、共振周波数が2.45GHz等の一定周波数となるようにアンテナパターンとして作製されている。
ICチップ605aのメモリー領域に格納されたID情報は、制御部により呼び出されてアンテナ605bから発信し得るように構成されており、アンテナ605bから発信されたID情報をリーダー/ライターとして形成されるスキャナーで受信して読み取ることができるようになっている。詳細には、スキャナーから前記周波数の微弱な電波で呼び出しが行われ、この電波で誘導電磁界が形成される。この誘導電磁界内にアンテナ605bが位置する程度に、スキャナーをアンテナ605bに近接させると、アンテナ605bに電磁誘導により起電力が発生する。ICチップ605aではこの起電力を電源として、メモリー領域に格納されているID情報が制御部で呼び出されてアンテナ605bから送信され、このように発信されたID情報をスキャナーで受信して読み取ることができるようになっている。
ICタグユニット605(アンテナ605b)は、図29に示すように、粘着剤層603が形成された基材層602に対し、当該基材層602の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って斜めに配置されている。詳細には、アンテナ605bは基材層602の対角線上にはなく、アンテナ605bの長手方向が基材層602の両対角線と交差している。この場合、長尺状のアンテナ605bはその長手方向が基材層602のすべての辺方向と交差することとなる。そして、前記矩形状突起部851を構成する両突起片851R、851Fに跨ってシール601が貼付されているのに伴って、アンテナ605bも両突起片851R、851Fに跨っている。
また、シール601には、アンテナ605bの長手方向に沿って多数のアンテナ用切り込み606が等間隔に並置するようにして形成されている。アンテナ用切り込み606は、アンテナ605bの長手方向に対して略直交する方向に延びる直線状であり、基材層603の表面側から粘着剤層603の背面側まで貫通している(なお、図28ではアンテナ用切り込み606は図示省略している)。ちなみに、アンテナ用切り込み606が延びる方向は、アンテナ605bの長手方向に対して略直交する方向であるため、基材層603のすべての辺方向と交差している。また、アンテナ用切り込み606は、アンテナ605bに若干掛かる構成となっている。この場合に、アンテナ605bはアンテナ用切り込み606により分断されていないため、ID情報の送信に関して弊害は生じない。また、アンテナ用切り込み606がアンテナ605bを挟んで直線状に並ばないように、アンテナ605bの一側に位置するアンテナ用切り込み606と他側に位置するアンテナ用切り込み606とはずらして形成されている。詳細には、アンテナ605bの一側に位置するアンテナ用切り込み606と他側に位置するアンテナ用切り込み606とは、アンテナ605bの長手方向に沿って交互に並ぶように形成されている。
上記シール601を第1基板ケース201Aの矩形状突起部851から剥がそうとする場合、できるだけ該シール601を損なわないようにするには、剥がす力に伴う応力が、基材層603の隅角に対して局所的に集中したりシール601の折り曲げ部分に集中したりしないように、シール601の短辺に沿う方向に剥がすことが必要となるが、この方向はアンテナ605bの延びる方向に対して交差する方向である。従って、剥がす力に伴う応力がアンテナ605bの周囲に位置するアンテナ用切り込み606の端部に集中することで、アンテナ用切り込み606を端緒とする断裂が生じて基材層603が破壊され、これに伴いアンテナ605bが分断されることとなる。アンテナ605bが分断されるとID情報がアンテナ605bから送信されなくなるので、ID情報をスキャナーで読み取ることができなくなる。よって、シール601を第1基板ケース201Aの矩形状突起部851からできる限りきれいに剥がして第1基板ケース201Aを開封し、制御基板80に対して不正を行った後に、第1基板ケース201Aを封印すべくシール601を再度きれいに原状に復すように貼ったとしても、当該不正行為を容易に発見することができる。
シール601の4隅には、基材層603の表面側から粘着剤層603の背面側まで貫通する隅部切り込み607がそれぞれ形成されている。詳細には、隅部切り込み607は、シール601の隅角の内側にて当該隅角に沿うようにしてL字状に形成されている。よって、シール601がその一辺に沿う方向に剥がされるのではなく隅角側から(即ちシール601の辺に対し斜方向に)剥がされたとしても、隅部切り込み607からシール601に破壊が生じることとなる。これにより、不正行為の痕跡を残すことができる。
シール601の外縁には、図28に示すように、外側端部から内側に向けて多数の外縁切り込み608が形成されている。これら外縁切り込み608は、内側から外側に向けて開く鋭角のV字状となっており、さらにシール601の外周に沿う方向に等間隔で形成されている。従って、第1基板ケース201Aの矩形状突起部851からシール601を剥がそうとすると、この剥がす力に伴う応力が外縁切り込み608の内側端部に集中してシール601に破れなどといった破壊が生じる。これにより、シール601が剥がされたことの痕跡を残すことができ、制御基板80に対して不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
ただし、上記のように外縁切り込み608が形成された構成においては、シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿ってシール601が剥がされるとシール601の破壊が生じ難い。即ち、シール601をその角から剥がす場合や、シール601の外縁における隣り合う外縁切り込み608間を摘んで剥がす場合などは、剥がす力に伴う応力が少数の外縁切り込み608の内側端部に集中するため、外縁切り込み608を介したシール601の破壊が生じ易いのに対し、矩形状のシール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って剥がす場合には、剥がす力に伴う応力が多数の外縁切り込み608の内側端部に分散されるため、外縁切り込み608を介したシール601の破壊が生じ難い。よって、後者の方式でシール601が剥がされると、外縁切り込み608では不正の痕跡が残らない場合がある。ところが、前述したように、アンテナ605bがシール601の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるようにして斜めに配置されているので、シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿ってシール601が剥がされたとしてもアンテナ605bが分断されることとなる。これにより、不正行為を容易に発見することができる。
基材層603の表面には、図28に示すように、インク塗布部609、識別情報部610および機種情報部611が設けられている。インク塗布部609には、紫外線等の特定の波長の光が照射されることにより模様が表れる特殊インクが塗布されている。識別情報部610には、複数の数字が記載されており、当該識別情報部610に記載される数字は遊技機毎に異なっている。この場合に、識別情報部610に記載される数字はICチップ605aに格納されているID情報と対応づけて設定されている。例えば、ID情報が数字で登録されている場合には、ID情報の数字と識別情報部610に記載された数字との和が、遊技ホールなどに設置された複数の遊技機において同一となるように設定されている。機種情報部611には、当該遊技機の機種名や当該遊技機の製造メーカー名などが記載されている。
ここで、シール601の図28における上部領域R1は、図26に示すように、外側ケース70の突起片851Rの表側面(重合面と反対側の面)に貼付することを意図して形成された領域となっている。よって、第1基板ケース201Aに対峙する位置からは、インク塗布部609および識別情報部610を視認することができるので、インク塗布部609および識別情報部610の確認作業を容易に行うことができる。また、シール601の図28における中間領域R2は、図26に示すように、外側ケース70および内側ケース85の両突起片851R、851Fの突出端面(即ち矩形状突起部851の突出端面)に貼付することを意図して形成された領域となっている。よって、機種情報部611に記載された内容は第1基板ケース201Aを取り外すことなく確認することができる。なお、下部領域R3は、内側ケース85の突起片851Fの表側面(重合面と反対側の面)に貼付することを意図して形成された領域となっている。また、前記したように、第1基板ケース201Aが遊技盤30の裏面側に取り付けられた状態では、矩形状突起部851には中間部材501の外側面に形成された係止片517が弾性的に係止しており、このため矩形状突起部851の突出端面から内側ケース85の突起片851Fの表側面にかけて貼付されているシール601の中間領域R2および下部領域R3や上部領域R1の一部はこの係止片517に覆われた状態となっているが、この係止片517は容易に取り外すことができるため、インク塗布部609、識別情報部610または機種情報部611の確認作業を行うことも容易である。
上述のようにインク塗布部609および識別情報部610が設けられていることにより、第1基板ケース201Aが不正に交換された場合に、その交換がなされていることを容易に発見することができる。即ち、交換された不正用の基板ケースが正規の第1基板ケース201Aと外観上区別できなかったとしても、インク塗布部609に特定の光を照射し模様が表れないことを確認することで交換されたことを発見することができる。また、不正用の基板ケースのシールにICタグユニットが設けられていたとしても、ID情報をスキャナーで読み取り、その情報と識別情報部610の情報とを確認することで交換されたことを発見することができる。
上記構成によれば、制御基板80を収容する外側ケース70と内側ケース85とを跨ぐようにしてICタグユニット605を有するシール601が貼り付けられているので、第1基板ケース201Aを開封するためには、矩形状突起部851からシール601を剥がし当該矩形状突起部851のネジ固定を解除する必要がある。この場合に、シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が基材層603の隅角部分に集中し、基材層603は適度な脆性を有しているので、基材層603が大きく破壊されることとなる。また、シール601の外縁には、内側から外側端部に向けて鋭角のV字状に開いた外縁切り込み337が形成されているので、シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が外縁切り込み337の内側端部(内側に尖った部位)に集中し、基材層603がより破壊されやすくなっている。さらに、シール601が第1基板ケース201Aの矩形状突起部851に対して略コ字状に折り曲げて貼り付けられているので、シール601をその隅角から剥がしていくと、剥がす力に伴う応力が折り曲げ部分に集中し、同様に基材層603が大きく破壊されることとなる。この場合、シール601が不正に剥がされたこと、即ち、制御基板80に対して不正が行われたことの痕跡が明確に残ることとなる。よって、制御基板80に対して不正を行おうとする者は、シール601の一辺全体からその辺に直交する方向に沿って剥がすことで、剥がす力に伴う応力を基材層603の一辺全体に分散させ、ベース部材が極力破壊されないようにすることとなる。ところが、アンテナ605bをその長手方向がシール601のすべての辺方向と交差するように配置する構成とすることにより、シール601をその一辺全体から剥がそうとすると、アンテナ605bの長手方向と交差する方向に破壊が生じる。そして、アンテナ605bが長尺状であり、アンテナ605bの長手方向と交差する方向の寸法は短くなっていることにより、破壊が生じた位置にてアンテナ605bが分断されることとなる。この場合、遊技ホールの管理者等がスキャナーによりICチップ605aに格納されたID情報を確認できなくなるため、主基板270に対して不正が行われたことを容易に且つ確実に発見することができる。
また、上記のとおり、アンテナ605bを基材層603の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って延びるように配置する構成とすることにより、アンテナ605bを基材層603の一辺に沿って設ける構成に比べ、アンテナ605bの長さ寸法が大きく確保されている。よって、シール601が剥がされた場合におけるアンテナ605bの分断が生じる機会を多く設けることができる。
また、ICチップ605aをアンテナ605bの長手方向の略中央に配置する構成とすることにより、上記のとおりアンテナ605bがシール601の一隅部側からその対角方向の隅部側に亘って配置された構成においてはICチップ605aの位置はシール601の中央付近となる。よって、ICチップ605aの厚みに起因してシール601が剥がし易くなることを抑制することができる。即ち、ICチップ605aは所定の厚みを有するため、シール601におけるICチップ605aの周囲と第1基板ケース201Aの矩形状突起部851との間には隙間が生じることとなる。この場合に、ICチップ605aがシール601の外縁側にあるとその外縁と第1基板ケース201Aの矩形状突起部851との隙間に指を掛けることでシール601が剥がし易くなる。これに対して、ICチップ605aの位置がシール601の中央付近であることにより、ICチップ605aの厚みに起因してシール601の外縁と第1基板ケース201Aの矩形状突起部851との間に隙間が生じることはない。
また、基材層603におけるアンテナ605bの周囲にアンテナ用切り込み606を形成する構成とすることにより、シール601が剥がされた場合にアンテナ用切り込み606の端部から基材層603が破壊されるのに伴ってアンテナ605bも破壊され、その位置にてアンテナ605bが分断されることとなる。よって、アンテナ605bが分断され易くなり、主基板270に対して不正が行われた場合の発見をより確実に行うことができる。特に、アンテナ用切り込み606をアンテナ605bの長手方向及び基材層603のすべての辺方向に対して交差する方向に延びる線状の切り込みとすることにより、シール601がその一辺に沿う方向に剥がされた場合の剥がす力に伴う応力がアンテナ用切り込み606のアンテナ側端部に集中し易くなる。これにより、シール601がその一辺に沿う方向に剥がされた場合のアンテナ605bの分断をより確実に発生させることができる。なお、アンテナ用切り込み606はアンテナ605bに達する位置まで形成されているので、シール601が不正に剥がされた場合にアンテナ605bが分断され易い構成となっている。また、アンテナ用切り込み606がアンテナ605bを挟んで直線上に並ばないように形成されていることにより、例えば、遊技機の製造時におけるシール601の貼り付け作業時などといった不正と関係のない場合にアンテナ605bを挟んで位置するアンテナ用切り込み606が繋がりそれに伴ってアンテナ605bが分断されてしまうことを抑制することができる。
また、シール601の4隅に、基材層603の表面側から粘着材層603の背面側まで貫通するL字状の隅部切り込み607をそれぞれ形成する構成とすることにより、シール601がその隅角側から剥がされた場合には、剥がす力に伴う応力が隅部切り込み607の端部に集中し、隅部切り込み607からシール601に破れなどといった破壊が生じる。よって、制御基板80に対して不正が行われたことの痕跡がシール601に残り、当該不正が行われたことを容易に発見することができる。また、当該隅部切り込み607を介したシール601の破壊を回避すべく、シール601の一辺に沿う方向に当該シール601が剥がされたとしても、上記のとおりアンテナ605bの分断が生じるので不正を容易に発見することができる。
なお、粘着材層603を構成する粘着剤に対して溶解性を示す溶剤がシール601にかけられたり塗布されたりした場合、基材層603が変色する構成とすることにより、溶剤により粘着材層603の接着力を弱めアンテナ605bを分断させることなくシール601を剥がし制御基板80に対して不正行為が行われたとしても、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。また、シール601に対して所定温度以上の熱が加えられた場合も同様に、基材層603が変色する構成とすることにより、所定温度以上の熱を加えることにより粘着材層603の接着力を弱めアンテナ605bを分断させることなくシール601を剥がし制御基板80に対して不正行為が行われたとしても、当該不正行為が行われたことを容易に発見することができる。
(作用)
上述の通り、パチンコ機10においては、第1基板ケース201Aの一側部分が、金属よりなる連結部材を含む取付構造により遊技盤30の裏面側に支持固定され、該第1基板ケース201Aの一側部分に対向する他側部分が、外部との電波の送受信が可能に構成されたシール601を貼付することにより封印された構成となっているので、電波の送受信が阻害されることなく該シール601を確実に作動させることができる。概略横長の長方形状の外形を有する第1基板ケース201Aの一側部分(本実施形態では左側部分)は、その直近に、取付構造を構成する要素でいずれも鋼板よりなる支持体412やブラケット413、第2係合部433等の連結部材が集中して配置され、さらには、外側封止部71と内側封止部86とを連結する封止部材87、連結台座部材430を第1基板ケース201Aに連結封止するための締結具である金属製の破断ネジ439、連結台座部材430に設けられる係合部材である金属製の第2係合部433、中間部材501と球集合板460とを封止するための締結具である金属製のネジ519および破断ネジ522ならびに上記封止部材87および破断ネジ439をそれぞれ収容する収容部781、431がいずれもまた、第1基板ケース201Aの一側部分(左側部分)またはその近傍に配置されていることもあって、特に金属が多量に存在する環境となっている。一方、第1基板ケース201Aの他側部分(本実施形態では右側部分)は外側ケース70および内側ケース85の両突起片851R、851Fや外側および内側連結部72、88を締結固定するための小型のネジが使用されている程度であって金属はごく僅かしか存在しない環境となっている。本パチンコ機10においては、この金属の存在量が僅少な環境となっている側の部分(右側部分)にシール601を貼付するようにしたので、金属による影響がシール601の機能に実質的に及ばない構成となっている。即ち、シール601のICチップ605aに格納されている識別情報を金属部材により阻害されることなく確実に送受信することができるようになっている。これにより、不正行為の有無を正しく検知することができて信頼性の高いパチンコ機10となっている。
また、第1基板ケース201Aの取付構造が、金属(鋼板)よりなるブラケット413が回動可能に枢着された構造であり、該第1基板ケース201Aがこのブラケット413を介して遊技盤30の裏面側に開閉可能に取り付けられているので、例えば点検の際に第1基板ケース201Aを分離することなく開放した状態で作業できるため作業性が良好となるといった利点を有する構成となっているが、これによって第1基板ケース201Aの一側部分(左側部分)に金属部材が偏在した構成となっており、そのぶん金属による影響が大となっているため、この一側部分に対向する他側部分(右側部分)にシール601を貼付するようにして金属による影響を回避する構成としたことによる効果もそれだけ大となっている。
さらに、上記外側ケース70および内側ケース85の両突起片851R、851Fや外側および内側連結部72、88を締結固定するネジとして樹脂性のネジを使用すれば、シール601が貼付される第1基板ケース201Aの他側部分(右側部分)から金属をさらに徹底して排除することができる。
また、第1基板ケース201Aの外側ケース70および内側ケース85の端縁部分に突起片851R、851Fをそれぞれ形成しておき、これら突起片851R、851Fを重合させることによって突起部851が構成され、この突起部851にシール601を貼付することにより第1基板ケース201Aの端縁部分が封印されているので、シール601を容易かつ確実に貼付することができて作業性が良好で信頼性の高い封印構造となっている。即ち、板状の突起片851R、851Fを重合して突起部851を構成することにより、該突起部851が第1基板ケース201Aに比して厚みが小さくなるように(具体的には半分以下の厚みとなるように)形成されており、これによりシール601をより貼付しやすく、かつより強固に貼付することができる構造となっている。
また、第1基板ケース201Aの突起部851にシール601が貼付されているので、シール601の貼付位置が遊技機30の裏面側のうち外側寄りの箇所となっており、工場でのシール601の読取確認作業を遊技機の完成状態で行うことができる。また、シール601の貼付位置が制御基板80の収容部分から突出させて別個の領域として確保されているため、制御基板80がシール601に隠れることがなく、したがって該制御基板80に対する不正の有無を目視により確認する場合にシール601が障害となることがない。
(変更態様)
図30は、第1基板ケースが別の取付構造により取り付けられる構成とした例を示す図である。同図に示す例においては、第1基板ケース271Aの下側部分が、金属よりなる回動操作式の固定具277を用いた取付構造により遊技盤30の裏面側に支持固定されるようになっている。上記固定具277は、蝶ネジ状の頭部を有して手動で回動操作し得る構成となっており、第1基板ケース271Aの前面(遊技盤30側面)において、下端縁より若干上方の左寄り部および右寄り部の左右2箇所に、前方(遊技盤30側方向)へ突出するようにして配設されている。第1基板ケース271Aが取り付けられる取付台251には、上記固定具277の配設位置に対応して、左右2箇所に横長形状の貫通孔256が穿設されている。第1基板ケース271Aは、上記貫通孔256に固定具277を挿通させるようにして取付台251に載置し、この状態で固定具277を90°回動操作してロックすることにより固定される。一方、第1基板ケース271Aの下側部分に対向する上側部分がシール612を貼付することにより封印されている。シール612は、設置箇所にあわせて外形および寸法が若干変更されているが、それ以外の構成はICタグユニット等を含めすべて前記実施形態に示されたシール601と同様のものとなっている。シール612は、第1基板ケース271Aの上端縁部分の中央において、外側ケース73および内側ケース89を跨ぐようにして貼付されている。
この実施形態においては、第1基板ケース271Aの下側部分すなわち一側部分が金属よりなる連結部材である固定具277により支持固定されているが、この下側部分に対向する上側部分すなわち他側部分にシール612を貼付するようにしたので、金属による影響がシール612の機能に実質的に及ばず、シール612のICチップに格納されている識別情報を金属により阻害されることなく確実に送受信することができるようになっている。
図31は、金属よりなる連結部材を含む取付構造が設けられる位置ならびにシールを貼付することにより封印される位置の他の例を示す模式図である。同図に示す例では、基板ケース211の一側部分(左側部分)D1が金属よりなる連結部材を含む取付構造(図示省略)により支持固定され、他側部分(右側部分)D2にシール613が貼付されている。このシール613の貼付位置は、上記基板ケース211の他側部分(右側部分)D2内に位置する上端縁上の右端近傍となっている。このように、基板ケースの支持固定位置ないしシールの貼付位置は、基板ケースのいずれかの端縁の中央部以外にも、基板ケースのいずれかの隅部としてもよい。
図32は、基板ケースの矩形状突起部の別の例を示す図である。同図に示す例においては、前記実施形態と同様に、基板ケース212の右側端縁部分に矩形状突起部853が形成され、該矩形状突起部853の上下2箇所にネジ穴854H、854Lがそれぞれ設けられているが、これら上下のネジ穴854H、854Lは、互いに逆方向からネジが螺入されるようになっている。即ち、上位のネジ穴854Hにおいては矩形状突起部853の外側面(パチンコ機10の後方を向いた面)にネジ頭部を収容する凹部が形成され、矩形状突起部853の外側からネジが螺入されるようになっており、一方、下位のネジ穴854Lにおいては矩形状突起部853の内側面(パチンコ機10の前方を向いた面)にネジ頭部を収容する凹部が形成され、矩形状突起部853の内側からネジが螺入されるようになっている。さらに、シール614は前記実施形態と同様にして矩形状突起部853に貼付されるが、このとき、アンテナ615の一方端部が上位のネジ穴854Hの頭部収容凹部を跨ぐとともに、アンテナ615の他方端部が下位のネジ穴854Lの頭部収容凹部を跨ぐようになっている。この構成によれば、上下のネジ穴854H、854Lのいずれにおいても、ネジ頭部を露出させるためにはアンテナ615が配置されている部分でシール614を剥がすことが必要であるため、より確実にアンテナ615を分断することができ、したがって矩形状突起部853から不正にネジを取り外そうとした場合にその痕跡をより確実に残すことができる。
さらに、この実施形態においては、矩形状突起部853の上端および下端に、該矩形状突起部853の横断面よりもやや大きい横寸法および縦寸法を有する上フランジ853Hおよび下フランジ853Lがそれぞれ形成されている。この構成においては、シール614の両短辺部が上フランジ853Hおよび下フランジ853Lに沿って貼付され、さらにシール614の両長辺部は基板ケース212の右側端面212Eに沿って貼付される。即ち、シール614の周縁が、上下のフランジ853H、853Lおよび基板ケース212の右側端面212Eに包囲されるようにして貼付される。これにより、シール614を矩形状突起部853に貼付する際に、上下のフランジ853H、853Lおよび基板ケース212の右側端面212Eが、シール614の周縁を貼付位置に案内し得るガイド構造となって位置決めが容易となり作業性が向上する。また、シール614が貼付された状態ではその周縁が上下のフランジ853H、853Lおよび基板ケース212の右側端面212Eに包囲されているためより剥がし難くなっており、したがって矩形状突起部853における封印がさらに確実になされている。
図33および図34は、シールがカバー部材により覆われる構成とした例を示す。同図に示す例においては、基板ケース213の矩形状突起部855の外郭形状にほぼ対応する形状を有するとともに矩形状突起部855よりやや大きい寸法(容積)を有する内腔部616aを備える概略直方体状のカバー部材616が、上記矩形状突起部855に着脱可能に取り付けられるようになっている。上記カバー部材616は、一方側端面部のみ開放されて開口616bが形成され、上面部および下面部にはそれぞれ係合片616H、616Lが形成されている。上記下面部の係合片616Lは、図34に示すように、カバー部材616の下面部において、開口616b側端縁のやや一方寄り部分(図34ではやや上方寄りの部分)を内側方向へ直角に延びる互いに平行な2条の溝をなすように切り欠くことにより、これら溝状の切り欠きの間の部分を上下に容易に弾性変形し得る可撓性の片状体とすることによって形成されている。上記係合片616Lの先端部には、内方(上方)へ突起する係合爪が形成されている。一方、カバー部材616の上面部には、図33に示すように、上記下面部の係合片616Lと対称をなすようにして、同様の係合片616Hが形成されている。
基板ケース213の矩形状突起部855の上面部および下面部には、上記カバー部材616の上下の係合片616H、616Lに対応して、係合突起855H、855Lがそれぞれ形成されている。即ち、図34に示すように、基板ケース213の矩形状突起部855において、基板ケース213の外側ケース74から突出する突起片855Rの下面に、下方へ突出するようにして係合突起855Lが形成されている。一方、上記突起片855Rの上面には、図33に示すように、上記下面の係合突起855Lと対称をなすようにして、同様の係合突起855Hが形成されている。
上記カバー部材616は、基板ケース213の矩形状突起部855を開口616bから内腔部616a内に挿入するようにして、該矩形状突起部855に嵌着される。上記カバー部材616が矩形状突起部855に全的に(矩形状突起部855の根幹部まで)嵌着されると、前記上下の係合片616H、616Lが上下の係合突起855H、855Lにそれぞれ弾性的に係合し、これによりカバー部材616が矩形状突起部855を覆った状態で係止される。
上記カバー部材616は、光透過性を有する樹脂を成形して得られたものとなっており、矩形状突起部855に嵌着された状態で、該矩形状突起部855に貼付されているシール617の状況や識別情報部に記載された記号情報等を外部から視認したり読み取ったりすることができるようになっている。また、上記カバー部材616が嵌着された状態で、外側からスキャナーを近接させることにより、シール617のID情報を受信して読み取ることも可能となっている。このとき、上記カバー部材616は前記したように上下の係合片616H、616Lが上下の係合突起855H、855Lにそれぞれ弾性的に係合することにより取付位置に保持されており、この係合を解除して容易に取り外すことができるので、もしなんらかの理由によりシール617の視認やスキャナーによるID情報の読み取りに困難が生じた場合でも、カバー部材616を取り外しシール617を露出させて直接的に視認やID情報の読み取り等の作業を行うことができ、作業後には再びカバー部材616を容易に取り付けることができる。
また、上記カバー部材616は、シール617を外部からの衝撃に対し保護するのに十分な機械的強度を有するとともに、十分な耐熱性を有するものとなっている。
また、上記カバー部材616の内腔部616aは前記したように矩形状突起部855よりやや大きい寸法(容積)を有するので、上記カバー部材616が嵌着された状態ではシール617と内腔部616aとの間に間隙が形成され、この間隙中の空気が断熱層となって、これによりシール617が外部の熱に対しより確実に保護されるようになっている。
上記のようにシール617がカバー部材616により覆われる構成によれば、シール617を外部からの衝撃や熱に対し効果的に保護することができる。
遊技機は、ホールに設置された後、遊技機裏面に遊技球が衝突したり部品検査時に擦れたりすること等により、機械的な衝撃を受けることも多く、この衝撃によってシール617のICタグユニットが破損するおそれがある。また、遊技機を工場から出荷する段階で、熱収縮性のシートを巻きつけて該遊技機を保護することがなされているが、熱収縮性のシートは遊技機に密着させるために高温の熱が印加されるため、シール617の環境がICタグユニットの保証温度以上の高温に達すると、該ICタグユニットが破損するおそれがある。
これに対し、上記のようにカバー部材616で覆うようにすることでシール617が効果的に保護され、ICタグユニットが衝撃や熱により破損してID情報の読み取りが不可能となるといった不具合を防止することができ、これにより遊技機の信頼性をさらに向上させることができる。
上記カバー部材616は、遊技機の使用状況に応じて、任意の段階で取り付けるようにすればよい。例えば、基板ケース213の矩形状突起部855にシール617を貼付した後に直ちにカバー部材616を取り付け、遊技機がホールに設置された後も継続して取り付けた状態としておき、点検等の必要時のみ一時的に取り外すようにしたり、あるいは、遊技機の搬送時やホール設置後といったいくつかの段階のうち、必要な段階を選択してカバー部材616を取り付けるようにしたりといった使用態様が挙げられる。
上記カバー部材は、上記のように分離可能に構成する以外にも、例えば図35に示すように、基板ケース以外の遊技機構成部材に支持される構成としてもよい。同図に示す例においては、中間部材502の右側端における裏面側(基板ケース214側)に、カバー部材618が上下方向の軸により矢印A2に示すように回動可能に枢支されており、基板ケース214が中間部材502の裏面側に取り付けられた状態で、カバー部材618を上記のように回動させることにより、基板ケース214の矩形状突起部856に着脱し得るようになっており、カバー部材618を矩形状突起部856に嵌着した状態では、前記と同様の係合構造(図示省略)により係止されるようになっている。
さらには、例えば図36ないし図38に示すように、上記カバー部材を、基板ケース以外の遊技機構成部材に着脱可能に支持される構成としてもよい。図36は、中間部材にカバー部材が着脱可能に支持された例を示す背面斜視図(遊技盤側からみた斜視図)、図37は図36の背面図、図38は図36の下面図である。同図に示す例においては、カバー部材619が、基板ケース215の矩形状突起部(図示せず)の外側面(遊技機の後方を向いた面)の形状に相似であって該矩形状突起部の外側面より僅かに大きい寸法を有する縦長の長方形に成形され、一方長縁に沿って軸619Aが形成されるとともに、上下の短縁の中央部からそれぞれカバー部材619の内面側へむけて垂直に延出する係合爪619Cが形成された構成となっている。一方、中間部材503には、一方側端面に該中間部材503を遊技盤の裏面に支持するための枢支部503Hが形成され、この枢支部503H形成側端面(図中の左側端面)における裏面側端縁(基板ケース215側端縁)に沿って、前記カバー部材619の軸619Aの長さに対応する間隔をもって軸受部503Aが上下にそれぞれ形成され、これら軸受部503Aの中間の位置から、遊技機の前方へむけて水平に延びる突条503Pが形成されており、前記カバー部材619の軸619Aが、上下の軸受部503Aおよび突条503Pの後方端(遊技機の後方へむかうほうの端)の形成位置に合わせて嵌着され、この状態で、該軸619Aの上下端が上下の軸受部503Aによりそれぞれ後方(遊技機の後方)から支承されるとともに、中央部が突条503Pの後方端により前方(遊技機の前方)から支承されるようになっている。これにより、カバー部材619が、図中の矢印A3に示すように上下方向の軸619Aを中心として回動可能に枢支されるようになっている。カバー部材619をこのようにして中間部材503に嵌着した状態で基板ケース215側へ回動させると、前記係合爪619Cが基板ケース215の矩形状突起部に弾性的に係止し、該矩形状突起部がカバー部材619により覆われた状態に保持される。
上記構成によれば、カバー部材619を任意の時点で中間部材503に着脱することができ、例えば、中間部材503に予めカバー部材619を取り付けておき、中間部材503に基板ケース215を取り付けた後に矩形状突起部をカバー部材619で覆うようにし、遊技機の搬送後はカバー部材619を遊技機から取り外しておいて後は任意の時点で再度着脱するようにするといった使用態様も可能である。
上記カバー部材は、上記のように中間部材502、503に保持される構成とする以外にも、例えば中間部材が配置されない場合には集合板に保持されるようにする等、遊技機における中間部材以外の適宜位置に保持される構成としてもよい。
上記のような構成によれば、カバー部材618、619が遊技機構成部材(中間部材502、503)に保持されるため、カバー部材618,619を別に取り扱う必要がないといった作業面での利点があるが、基板ケース214、215が中間部材502、503に取り付けられていない状態ではカバー部材618を基板ケース214、215に着脱できないため、任意の時点でシールの保護を図るという観点からは前記の例のようにカバー部材が分離可能に構成されているほうが望ましい。
本発明は、基板ケースを備える遊技機であれば、適宜実施可能であり、その適用範囲は広いものである。