JP2019058669A - 漏血検知方法及びそのためのセンサシステム - Google Patents

漏血検知方法及びそのためのセンサシステム Download PDF

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Abstract

【課題】注射針の抜けによる漏血を汗などの液体による濡れと正確に区別し且つこれを速やかに検知する方法及びそのためのセンサシステムを提供する。【解決手段】注射針を挿入した皮膚の部位に与えられる基体に与えられた一対の電極間の電気的変化から漏血を検知する方法である。電極間に少なくとも1kHz以上の周波数の高周波電圧(電流)を与え赤血球由来の誘電緩和を検知する。【選択図】図1

Description

本発明は、人工透析等において体内に挿入された注射針の抜けによる漏血を検知する方法及びそのためのセンサシステムに関し、特に、この漏血のみを正確且つ迅速に検知する漏血検知方法及びそのためのセンサシステムに関する。
人工透析等において、皮膚から体内に挿入された注射針(透析針)を長時間に亘って留置しておかなければならない場合があるが、注射針が抜けて漏血を生じると、患者の安全に影響を与えかねない。一方、このような留置針の状態を常時人手によってモニタすることは非常に手間となる。そこで、注射針の抜けによる漏血を検知してこれを報知できるシステムが求められている。
例えば、特許文献1では、電気抵抗の変化から漏血を検知する方法を開示している。注射針の近傍に回路部品を粘着テープで固定しその回路表面をガーゼなどの液体吸収性の布で覆う。この布が漏血によって血液で濡れると、回路は開回路状態から閉回路状態に変化して通電し、漏血を検知できるとしている。
ところで、液体の付着による電気抵抗の変化は、例えば、発汗による汗であっても血液と同様に生じる。故に、単に、電気抵抗の変化から漏血を検知しようとするだけでは誤動作を生じかねない。
例えば、特許文献2では、漏血による赤色変化を光学的に検知する方法を開示している。注射針を挿入した皮膚の部位に吸液パッドを貼付し、注射針の抜け等により漏血を生じて吸液パッドに血液が吸収されて形成される赤色変化を光学的に取得してこれを画像解析した上で、所定の大きさに達したときに漏血と判定するのである。かかる方法では、発汗などで無色の液体が吸液パッドに吸着されても赤色変化を与えないため、発汗と区別して漏血を検知することができる。
更に、特許文献3では、静電容量を検出し、発汗と区別して漏血を検知する方法を開示している。透析患者の腕の下に敷かれたシートの表面に櫛歯状に容量電極を設け、かかる容量電極の静電容量に対応して発振周波数が変化するように発振回路を与えて、この発振周波数から静電容量を算出している。そして、漏血の場合の静電容量の増加時間と比較して発汗の場合の静電容量の増加時間は短いことから、静電容量の増加速度に基づいて発汗と区別して漏血の判定を行うことができるとしている。
特開2006−55588号公報 特開2017−42302号公報 特開2014−151096号公報
上記したように、透析等における留置針のモニタの手間を省力化すべく、注射針の抜け等による漏血を誤動作なく検知するシステムが求められている。一方で、誤動作なく検知するためにより長い時間を要することとなると、漏血が進むため、これも好ましくない。そこで、漏血を汗などの液体による濡れと正確に区別し且つこれを速やかに検知できるシステムが求められている。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、注射針の抜けによる漏血を汗などの液体による濡れと正確に区別し且つこれを速やかに検知する方法及びそのためのセンサシステムを提供することにある。
本発明による漏血検知方法は、注射針を挿入した皮膚の部位に与えられる基体に与えられた一対の電極の間の電気的変化から漏血を検知する方法であって、前記電極の間に少なくとも1kHz以上の周波数の高周波電源を接続し赤血球由来の誘電緩和を検知することを特徴とする。
かかる発明によれば、血液固有の物性から漏血を検知するため、これを汗などの液体による濡れと正確に区別できて、しかも、高周波電源を用いた誘電分散測定により電気的に速やかに検知できるのである。
上記した漏血検知方法の発明において、前記周波数をf(但し、n=1,2,3)、前記電極の間において計測されるリアクタンスをX、C=−1/[2πf・X]として、C及びC/Cを算出し(但し、f<f)、これらがいずれも所定値よりも大きいときを漏血と判定することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、測定周波数を限定できて誘電分散測定を簡略化できるのである。
上記した漏血検知方法の発明において、前記電極は、前記基体に印刷で与えられることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、注射針を挿入した皮膚の部位に沿って電極を与えることができて、漏血を正確且つ迅速に検知できるのである。
また、本発明による漏血センサシステムは、注射針を挿入した皮膚の部位に与えられる基体に与えられた一対の電極の間の電気的変化から漏血を検知するセンサシステムであって、一対の前記電極を与えられた前記基体を含むセンサ部と、前記電極に少なくとも1kHz以上の周波数の高周波電源を接続し電流を与える高周波印加部と、赤血球由来の誘電緩和を検知する計算部と、を含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、血液固有の物性から漏血を検知するため、これを汗などの液体による濡れと正確に区別できて、しかも、高周波電源を用いた誘電分散測定により電気的に速やかに検知できるのである。
上記した漏血センサシステムの発明において、前記計算部は、前記周波数をf(但し、n=1,2,3)、前記電極の間において計測されるリアクタンスをX、C=−1/[2πf・X]として、C及びC/Cを算出し(但し、f<f)、これらがいずれも所定値よりも大きいときを漏血と判定することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、測定周波数を限定できて誘電分散測定を簡略化できるのである。
上記した漏血センサシステムの発明において、前記電極は、前記基体に印刷で与えられることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、注射針を挿入した皮膚の部位に沿って電極を与えることができて、漏血を正確且つ迅速に検知できるのである。
上記した漏血センサシステムの発明において、前記基体は粘着シート体からなりその粘着面側に前記電極を与えられることを特徴としてもよい。又は、前記基体は布地からなりその表面に前記電極を与えられることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、基体に与えられた電極を簡単に使用でき、又は、基体の吸液性を容易に設定できる。
本発明による漏血センサシステムの構成図である。 本発明による漏血センサの電極の写真である。 本発明による測定結果(C)を示す図である。 本発明による測定結果(C/C)を示す図である。 本発明の実証実験で血液を測定した結果のグラフである。 本発明の実証実験でPBSを測定した結果のグラフである。 血液の誘電緩和を説明するグラフである。 本発明による測定結果(C)を示す図である。 本発明による測定結果(C/C)を示す図である。 本発明の実証実験で血液を測定した結果のグラフである。 本発明の実証実験でPBSを測定した結果のグラフである。 本発明による測定結果(C)を示す図である。 本発明による測定結果(C/C)を示す図である。 本発明の実証実験で血液を測定した結果のグラフである。 本発明の実証実験でPBSを測定した結果のグラフである。
以下に、本発明の1つの実施例による漏血センサシステム及び漏血検知方法について図1及び2を用いて詳細を説明する。
図1に示すように、一対の注射針13,15のうち、注射針13を皮膚から刺し込んで動脈に挿入し、注射針15を静脈に挿入する。動脈からの血液はチューブ12を介して透析装置10に送られ処理された後にチューブ14を介して静脈に戻る。ここで、一対の注射針13,15はパッチ21の下部で皮膚から差し込まれている。
センサシステム20は、表面、あるいは内部に電極23を与えられたパッチ21を含むセンサ部22と、電極23に高周波電源を接続し電流を与える高周波印加部25と、電極23からの信号から赤血球由来の誘電緩和を検知する計算部27と、を含み、電極23の電気的変化から漏血を検知する。
パッチ21は、一対の注射針13,15の皮膚からの差し込み部位、その周囲、又は、注射針13,15のそれぞれの皮膚からの差し込み部周囲に貼付などされて与えられる。パッチ21は、紙や布地、ガーゼなどの吸液性を有するシート体を含み、基体24の上に導電性インクからなる電極23を印刷で与えられており、貼付部に沿って変形可能である。これにより、注射針13,15の挿入部に電極23を正確に与え得る。
図2に示すように、電極23は、一対の電極23a,23bを布地からなる基体24の一方の面に与えてもよいし、基体24を挟んでそれぞれの面に与えてもよい。また、電極23の形状は、互いに櫛歯状であってもよいし、図示したもの以外に、渦巻きなどを描くようなものであってもよい。
なお、電極23の印刷において用いられる導電性インクは流動性を有するため、特に、上記したような紙や布などからなる吸液性のシート体に印刷するとにじみが生じ易い。そこで、グラビアオフセット印刷や、反転転写印刷、スクリーンオフセット印刷をはじめ、半固化したインクを転写するような印刷技術を用いることが好ましい。また、断線を防ぐためには、数μm以上の厚膜印刷の可能なスクリーンオフセット印刷が特に好ましい。
また、基体24を粘着シート体とすることも好ましい。すなわち、粘着シート体の粘着面上に電極を印刷によって形成させるのである。さらに電極をガーゼなどの布で覆ってその周囲において粘着面を露出させて、市販の絆創膏のような構造にしてもよい。これによれば、皮膚等に貼り付けて簡単に使用できるパッチ21を安価に大量に製造し得る。
高周波印加部25は、高周波電源部から特定の周波数の高周波パルス電圧(電流)を電極23に与える電源装置である。
計算部27は、電極23からの信号を処理しインピーダンスを測定し、赤血球由来の誘電緩和を検知するよう計算処理を行う。つまり、血液の誘電分散(誘電率や誘電損率の周波数依存)の測定では、数MHz付近に赤血球に由来して誘電率や誘電損率が大きく変化する周波数領域(β分散)が存在する。例えば、誘電率や誘電損率に関連するパラメータとして、血液のリアクタンスの周波数依存を測定すると、1kHz〜100MHzあたりで、顕著には100kHz〜10MHzあたりで特有の変化が生じ、他の液体との区別ができ得る。
ここで、周波数をf[Hz]、測定されるリアクタンスをX[Ω]、ω=2πfとすると、インダクタンス成分が小さくなる周波数、例えば、f<1[MHz]の低周波領域を選択すると、インダクタンス成分を無視できて、X=−1/(ω・C)となる。つまり、C=−1/(ω・X)となる。かかるCの値は、汗や水、お茶などの液体と比べ、血液では大きくなる。このことからCの時間変化をモニタし、血液の存在可能性が判定できる。例えば、Cが予め定めた閾値を超えたとき、漏血と判定し得る。
一方、汗に血液が徐々に混ざっていく場合には、Cの時間変化も連続的であり、Cのモニタだけでは漏血の誤判定ともなり得る。そこで、血液固有の物性である誘電緩和を確認することで、明確に漏血を判定できる。例えば、1kHz〜1MHzの周波数領域にある2つの周波数f,f(但し、f<f)を選択し、logC−logC=log(C/C)の時間変化をモニタし、漏血を確実に判定できる。例えば、C/Cが予め定めた閾値を超えたとき、漏血と判定し得る。
上記した実施例によれば、血液固有の物性から漏血を検知できるため、これを汗などの液体による濡れと正確に区別できて、しかも、誘電分散測定により電気的に速やかに検知できる。そして、周波数f(但し、n=1,2,3)に対応するCについて、C及びC/C(但し、f<f)を算出し、これらがいずれも所定値よりも大きいときを漏血と判断することで、誘電分散測定を簡略化でき、センサシステムを小型化できるのである。
[実施例及び実証実験]
次に、上記した漏血センサシステムの測定例について述べる。合わせて、実証実験についても述べる。
まず、血液(Tennessee Blood Services社製)及び汗に見立てたリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用意し、パッチ21への滴下量を変化させた。なお、ここでは、f=10.2kHz、f=207.5kHz、f=311.1kHzとした。また、実証実験として、センサ部22をケミカルインピーダンスアナライザに接続して、周波数を走査しつつ、C及びC/Cの値を算出した。
図3に示すように、パッチ21へ血液を与えていない状態(「空気」と記載)から等時間隔的に血液を滴下し、滴下合計量として1,4,14,24,34,44μLを与えた状態でのC値を上段に、パッチ21へ同様にPBSを与えた状態でのC値を下段に示した。なお、ここで用いたパッチ21は、アルミ箔からなる一対の電極23a,23bを布地からなる基体24を挟んで与えたものである。
ここで、C=25[nF]を閾値に設定し漏血判定したとき、PBS44μLまでの模擬発汗で動作をせず、血液14μL以上で動作をした。図3から判るように、発汗が多量に起きたとき、例えば、PBS44μLのときのC値よりも大きな閾値が設定されていれば、PBS44μLに対応する程度の発汗でも動作しないのである。その一方で、この閾値を上回るC値を有する血液量で動作することになるのである。つまり、閾値の設定がPBS44μLのときのC値よりも小さく設定されていれば、PBS44μLの発汗で動作をするのである。例えば、C=[5nF]とすれば、PBS34μL以上でも動作することになるとともに、4μLを越える血液量でも動作することになる。
なお、実際の発汗では、汗の成分に個人差等があり、他の液体が混入することもあって、閾値の設定を確定的に求めることは難しいのである。そこで、更にC/Cを算出して確定判定を行うのである。
図4に示すように、パッチ21へ同様に血液を与えた状態でのC/C値を上段に、パッチ21へPBSを与えた状態でのC/C値を下段に示した。
ここで、C=5[nF]、C/C=1.2を閾値に設定し漏血判定したとき、PBS44μLまでの発汗では、PBS14μLの時のみにC/C=1.2の閾値を超える。しかし、PBS14μLの時のCは閾値(C=5[nF])を下回っているため動作しない。結局、PBS44μLまでの発汗では動作しない。一方、血液については、4μL以上でC/C=1.2の閾値を超えている。血液4μL以上では、Cも閾値を超えているため、結果血液4μL以上で動作をした。故に、インダクタンスの大きな影響を受けない範囲で、C値の閾値判定に合わせて、C/C値の閾値判定を行うことで漏血を確定的に判定できるのである。また、Cのみで判定した場合は検出限界が14μLであるが、Cに加えC/Cでも判定する場合は検出限界が4μLに改善される。
図5及び6に示すように、誘電分散を測定すると、血液では100kHz〜1MHzあたりで誘電緩和に起因するC値の落ち込み(図5のP1部分)が見られるが、PBSでは同様の周波数範囲でC値の変化は小さい(図6のp1部分)。上記したC/C値の閾値判定はこのC値の落ち込みから発汗などと区別し、さらにC値の測定結果と合わせることで漏血を確定的に判定しようとするものである。
図7(a)には、血液のリアクタンスXを周波数に対して計測したグラフ、図7(b)には、Xの傾きを示した。なお、ここで用いたパッチ21は、アルミ箔からなる一対の電極23a,23bを基体24の一面に隣接して配置させたものである。図から判るように、誘電緩和によるリアクタンスの落ち込みが明瞭に見られる(図のL1参照)。かかる落ち込みは血液の赤血球由来とされる。
次に、f=10.2kHz、f=51.8kHz、f=207.5kHzで同様の測定を行った。
図8に示すように、パッチ21(図2参照)へ血液を与えていない状態(「空気」と記載)から滴下合計量として10,20,30,40,50μLを与えた状態でのC値を上段に、パッチ21へ同様にPBSを与えた状態でのC値を下段に示した。
ここで、C=1.2[μF]を閾値に設定し漏血判定したとき、PBS40μLまでの模擬発汗では動作をせず、血液40μL以上で動作をした。また、C=1.0[μF]を閾値に設定し漏血判定したとき、PBS20μLまでの模擬発汗では動作をせず、血液20μL以上で動作をした。
図9に示すように、パッチ21(図2参照)へ同様に血液を与えた状態でのC/C値を上段に、パッチ21へPBSを与えた状態でのC/C値を下段に示した。
ここで、C/C=5.0を閾値に設定し漏血判定したとき、PBS50μLまでの模擬発汗でも動作をせず、一方、血液では10μL以上で動作をした。
図10及び11に示すように、誘電分散を測定すると、ここでも血液では特に100kHz〜1MHzあたりで誘電緩和に起因するC値の落ち込み(図10のP2部分)が見られ、PBSでは同様の周波数範囲でC値の変化は小さかった(図11のp2部分)。
リアクタンスX、若しくは、このXから求められるC値に基づいて漏血を判定する方法を説明したが、同様に、リアクタンスXに基づく変化から他のパラメータでも漏血を判定できる。例えば、クラマース・クローニッヒの関係式から、リアクタンスXが変化する場合はコンダクタンスの値もそれに伴って変化し、導電率なども変化する。つまり、コンダクタンスや導電率といった他のパラメータの変化量からも同様に漏血を判定できる。
上記した実証実験では、基体24に布地を用いたが、基体24として粘着シートを用いたパッチ21も製作した。詳細には、シリコーンゴム上にスクリーン印刷されたストレッチャブルAgインク(東洋紡株式会社製/サンプル名:SSP2801)を150℃の温度で30分間焼成し電極23を形成させた。次いで、シリコーンゴム上の電極23を医療用粘着テープの粘着面側に転写した。つまり、スクリーンオフセット印刷によって、電極23を医療用粘着テープの粘着面上に形成させた。さらに、電極23を医療用ガーゼ(2層積層されたもの)で覆ってパッチ21とした。このパッチ21を用いて、上記と同様にPBSや血液を滴下する試験を行った。なお、ここでは、f=10.1kHz、f=51.3kHz、f=202kHzとした。
すなわち、図12示すように、パッチ21(図2参照)へ血液を与えていない状態(「空気」と記載)から滴下合計量として1,3,6,10,15,20,25,30,35,40,45,50μLを与えた状態でのC値を上段に、パッチ21へ同様にPBSを与えた状態でのC値を下段に示した。
ここで、C1=300[μF]を閾値に設定し漏血判定したとき、PBS45μLまでの模擬発汗では動作をせず、血液30μL以上で動作をした。また、C=150[μF]を閾値に設定し漏血判定したとき、PBS15μLまでの模擬発汗では動作をせず、血液15μL以上で動作をした。
図13に示すように、パッチ21(図2参照)へ同様に血液を与えた状態でのC/C値を上段に、パッチ21へPBSを与えた状態でのC/C値を下段に示した。
ここで、C/C=5.0を閾値に設定し漏血判定したとき、PBS50μLまでの模擬発汗でも動作をせず、一方、血液では1μL以上で動作をした。
図14及び15に示すように、誘電分散を測定すると、ここでも血液では特に100kHz〜1MHzあたりで誘電緩和に起因するC値の落ち込み(図14のP3部分)が見られ、PBSでは同様の周波数範囲でC値の変化は小さかった(図15のp3部分)。
以上のように、基体24として粘着シートを用いたパッチ21によっても、C値の変化について、基体24として布地を用いた場合と同様の傾向であることが判る。他方、粘着シートを用いたパッチの場合、布地を用いたパッチに比べて少量の血液でC値が大きく変化した。
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
10 透析装置
12、14 チューブ
13、15 注射針
20 センサシステム
21 パッチ
22 センサ部
23 電極
25 高周波印加部
27 計算部

Claims (8)

  1. 注射針を挿入した皮膚の部位に与えられる基体に与えられた一対の電極の間の電気的変化から漏血を検知する方法であって、
    前記電極に少なくとも1kHz以上の周波数の高周波電源を接続し赤血球由来の誘電緩和を検知することを特徴とする漏血検知方法。
  2. 前記周波数をf(但し、n=1,2,3)、前記電極の間において計測されるリアクタンスをX、C=−1/[2πf・X]として、C及びC/Cを算出し(但し、f<f)、これらがいずれも所定値よりも大きいときを漏血と判定することを特徴とする請求項1記載の漏血検知方法。
  3. 前記電極は、前記基体に印刷で与えられることを特徴とする請求項1又は2に記載の漏血検知方法。
  4. 注射針を挿入した皮膚の部位に与えられる基体に与えられた一対の電極の間の電気的変化から漏血を検知するセンサシステムであって、
    一対の前記電極を与えられた前記基体を含むセンサ部と、前記電極に少なくとも1kHz以上の周波数の高周波電源を接続し電流を与える高周波印加部と、赤血球由来の誘電緩和を検知する計算部と、を含むことを特徴とする漏血センサシステム。
  5. 前記計算部は、前記周波数をf(但し、n=1,2,3)、前記電極の間において計測されるリアクタンスをX、C=−1/[2πf・X]として、C及びC/Cを算出し(但し、f<f)、これらがいずれも所定値よりも大きいときを漏血と判定することを特徴とする請求項4記載の漏血センサシステム。
  6. 前記電極は、前記基体に印刷で与えられることを特徴とする請求項4又は5に記載の漏血センサシステム。
  7. 前記基体は粘着シート体からなりその粘着面側に前記電極を与えられることを特徴とする請求項6記載の漏血センサシステム。
  8. 前記基体は布地からなりその表面に前記電極を与えられることを特徴とする請求項6記載の漏血センサシステム。

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