JP2019058292A - めまい防止システム - Google Patents

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Abstract

【課題】就寝時の頭部の前後方向角度を探求可能にして、耳石が三半規管に入ることを防止し得る、めまい防止システムを提供する。【解決手段】傾斜角変更ボタン50を操作し、まくら20を好みの前後方向傾斜角に設定して、就寝する。目覚めたとき、目覚めの良否を自己判断して、めまい度ランク(小、中、大)に分けた計測ボタン61、62、63のうち、該当するものを押し、まくらに設けた計測通信ユニット30からまくらの傾斜角度値情報D1を取得する。取得された傾斜角度値情報と、操作された計測ボタンの種別から判るめまい度ランク情報と、計測日付情報とを対応付けたものを、めまい履歴データとして記憶するとともに、当該めまい履歴データを表示部に一覧表示する。これを見て、めまいのない最適な頭部の前後方向傾斜角を探索する構成とする。【選択図】図2

Description

本発明は、良性発作性頭位めまい症(BPPV)における就寝時の頭部の前後方向角度を探求して、めまいを防止し、目覚めの良好な就眠に導くことが可能なめまい防止システムに関する。
良性発作性頭位めまい症(BPPV、Benign Paroxysmal Positional Vertigo)の最も一般的な原因は、加齢や外傷などに起因して卵形嚢内にある耳石が剥げ落ち、三半規管のリンパ液中に浮遊耳石として迷入することによる。半規管内に発生した浮遊耳石によるクプラの偏位によりめまいが発現する半規管結石症と、耳石が半規管のクプラへ付着して偏位の発生するクプラ結石症とがある。
BPPVを診断する方法や治療する方法については、従来より、多くの研究がなされている。たとえば頭位と眼球運動とを対応付けて診断することができる平衡機能検査装置(特許文献1)や、被験者の頭位の解析結果に対する眼球映像の解析結果によって、被験者がとるべき姿勢を算出する眼振計(特許文献2)がある。またBPPVと診断された場合、半規管から耳石を追い出す理学療法として、エプリー法、セモン法、ローリングマヌエーバー法などが知られている。
特開平9−285468 特開2005−304912
しかしながら、これまでの診断方法や治療方法は、耳石が剥げ落ちて三半規管に迷入した後の事象を研究課題とするものであり、三半規管に入ることを防止することは研究課題としていない。耳石が三半規管に入ることを防止できれば、めまいをなくし、目覚めの良好な就眠に導くことが可能である。
そこで本発明の目的は、就寝時の頭部の前後方向角度を探求可能にして、耳石が三半規管に入ることを防止し得る、めまい防止システムを提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。なお括弧内に実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)まくら(20)を前後方向に傾動させることが可能なベッド(10)を備えたベッド装置(14)と、
前記ベッドを利用者の好みの傾斜角に傾動制御するための傾動制御手段(ベッド傾斜角制御装置13)と、
前記まくらの前後方向傾斜角を前記ベッドの傾斜角または前記まくらの傾斜角から計測する計測手段(就寝傾斜角検出センサ31)と、
前記計測手段の計測結果に基づく傾斜角値情報を送信可能な計測側通信手段(通信制御部35)と、
前記計測側通信手段と有線または無線の通信回線にて接続され、前記傾斜角値情報を受信可能な端末側通信手段(91)を備えた利用者端末(40)と、
を備えるめまい防止システムであって、
前記利用者端末(40)は、
めまいの度合を複数のめまい度ランク(小、中、大)に分け、そのめまい度ランクの各々に対応させて設けられた複数のランク決定用操作手段(目覚め良好時○・目覚め普通時△・目覚め深い時□のボタン;計測ボタン61、62、63)と、
前記複数のランク決定用操作手段の一つが操作されたことに基づき、前記端末側通信手段(91)および前記計測側通信手段(通信制御部35)を通じて、前記計測手段から現在の前記前後方向傾斜角に係る傾斜角度値情報(D1)を取得する取得手段(93)と、
少なくとも前記取得手段から取得された前記傾斜角度値情報(D1)と、前記複数のめまい度ランクのうちで前記操作されたランク決定用操作手段に係るめまい度ランク情報(小、中、大の別)とを対応付けた情報を、めまい履歴データとしてメモリ(100)に記憶する記憶制御手段(94)と、
前記めまい履歴データに関する情報を表示可能な表示手段(液晶表示画面41)と、
前記表示手段に対する制御が可能な表示制御手段(履歴一覧制御手段95)と、を有する、
ことを特徴とするめまい防止システム。
(2)前記利用者端末(40)は、
利用者が操作可能に構成され、利用者の好みの前記前後方向傾斜角を設定可能に構成された傾斜角変更用操作手段(傾斜角変更ボタン50)を更に有し、
前記端末側通信手段(91)は、
前記傾斜角変更用操作手段が操作されたことに基づき、傾斜角設定情報を前記傾動制御手段(13)に対して送信する傾斜角設定情報送信手段を含み、
前記傾動制御手段(13)は、
前記利用者端末からの前記傾斜角設定情報に基づき、前記ベッド装置に対する傾動制御を実行する、
ことを特徴とする上記(1)に記載のめまい防止システム。
(3)前記めまい履歴データは、
前記取得手段から取得された前記傾斜角度値情報(D1)と、前記複数のめまい度ランクのうちで前記操作されたランク決定用操作手段に係るめまい度ランク情報(小、中、大の別)と、計測日付情報とを対応付けたデータで構成され、
前記表示制御手段(98)は、
前記めまい履歴データに関する情報として、少なくとも前記計測日付に対応する前記めまい度ランク情報を前記表示手段(41)に表示可能に構成された、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載のめまい防止システム。
(4)前記利用者端末は、
利用者が操作可能な最適値演算指令用操作手段(最適値演算指令ボタン70)と、
前記最適値演算指令用操作手段が操作された場合、前記メモリに記憶されている過去複数回分のめまい履歴データに基づき、めまい度ランクが低くなる前後方向傾斜角の最適値を算出する最適値算出手段(最適値演算手段96)とを、更に有し、
前記表示制御手段(98)は、
前記最適値に関する情報を前記表示手段(41)に表示可能に構成された、
ことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のめまい防止システム。
(5)前記利用者端末は、
利用者が操作可能な最適値演算指令用操作手段(最適値演算手段96)と、
前記最適値演算指令用操作手段が操作された場合、前記メモリに記憶されている過去複数回分のめまい履歴データのうち、めまい度ランクが低いめまい度ランク情報に係る前後方向傾斜角の平均値を最適値として算出する最適値算出手段(最適値演算手段96)とを、更に有し、
前記表示制御手段(98)は、
前記最適値に関する情報を前記表示手段(41)に表示可能に構成された、
ことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のめまい防止システム。
(6)前記計測手段と前記計測側通信手段は計測通信ユニット(30)として構成され、前記まくらまたは前記ベッドに設けられている、ことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載のめまい防止システム。
本発明のめまい防止システムによれば、耳石が半規管に迷入する事象それ自体をなくしてBPPVのめまいを防止し、目覚めが良好な睡眠をとることが可能になる。また本発明のめまい防止システムは、撮像や画像認識などの複雑かつ大掛かりな処理を伴わないものであるため、被治療者が在宅療法で簡単に利用することができる。
本発明により良性発作性頭位めまい症(BPPV)におけるめまいが防止されまたは症状が軽減される原理の概要を示した図である。 本発明の実施形態に係るめまい防止システムを示した概略図である。 本発明の実施形態に係るめまい防止システムの構成示したブロック図である。 本発明のめまい防止システムを適用することによりBPPVにおける症状が改善されることを示した図である。
(発明の経緯)
良性発作性頭位めまい症(BPPV、Benign Paroxysmal Positional Vertigo)は本邦のめまい疾患統計の中でおよそ40%を占める、最も頻度の高い疾患である。この統計結果は医療機関の立地、性質、科の違いに関わらず一定である。
欧米諸国でも同様の傾向がみられ、とくに加齢によっても耳石の剥離傾向は進むとされ、めまいクリニックを訪れる高齢者めまい患者の50%強がBPPVによるもの、医療機関にかからない高齢者でも約10%に潜在的剥離耳石が存在するとの報告もある。
特に60−70歳代では女性に多く、耳石の主成分が炭酸カルシウムであることから、更年期、骨粗鬆症に伴うカルシウム代謝異常との関連が指摘されている。
通常は剥離耳石が半規管に迷入したとしても、約1ヶ月で代謝され、めまい症状はまったく消失する。しかし高齢者においては、耳石の剥離が頻繁に起こり、半規管内の剥離耳石がなかなか消失に至らない。そのような高齢者患者は、典型的な回転性めまい発作が少ない代わりに、頭部運動や体動時に執拗に誘発される浮動性めまいに悩まされる。
高齢者にとってめまいは、転倒、骨折、寝たきり、痴呆という負のスパイラルを惹起する。さらに高齢者の典型的ではない訴えに医師側もしばしば困惑し、原因不明のめいまい症と診断してしまうことが多い。原因不明のめまい症と診断された高齢BPPV患者は、精神的不安にさらされ、正確な診断を下してくれる医療機関を探して、全国行脚に出かけることになる。
このような高齢者のBPPV患者を放置することは、本邦の医療経済を圧迫することにもなる。もしBPPVの発症を日々の日常生活の中で予防できれば、めまいの50〜60%を制圧したことになり、更に高齢者のQOLを高めることで医療費の大幅な削減となるであろう。
BPPVにおいて剥がれた耳石が三半規管に迷入する機会はいつ訪れるのか。本発明者は、この問題について鋭意研究努力した結果、それは患者が就寝姿勢を取るときであることを見出した。
図1は、本発明により良性発作性頭位めまい症(BPPV)におけるめまいが防止されまたは症状が軽減される原理の概要を示したものである。まず、この図1を参照して、就寝時の頭部の前後方向角度の違いにより、三半規管に入り込む耳石の度合いが異なることを説明する。
図1(a)は、床と平行な横姿勢にした頭部を、内耳の前庭を拡大した状態で示してある。前庭は、平衡感覚(回転加速度)を司る三半規管と、頭の傾き具合を感知する耳石器とに分かれる。三半規管は、前半規管1、外側半規管2、後半規管3という互いに90度の角度をなす3つの半規管からなり、また耳石器は、炭酸カルシウムでできた耳石と有毛細胞からなる卵形嚢6と、球形嚢とで構成されている。半規管1〜3の片方の付け根は膨大部5となっていて卵形嚢6に繋がっており、内部がリンパ液で満たされている。膨大部5の構造は、内部に感覚毛があり、ゲル状の物質であるクプラで結束されている。半規管1〜3のうち前半規管1と後半規管3は、膨大部5でない方の片脚側が接合した総脚部4となっている。
半規管の中に耳石があると、頭部の回転に伴って、半規管内を耳石が移動する。このとき半規管内にあるリンパ液も一緒に動き、クプラを引っ張る。センサである感覚毛がゆさぶられ(耳石の刺激でクプラが動き、感覚毛がゆさぶられる)、それで、めまいが起こる。また、耳石が半規管内で塊状に連なったり(半規管耳石7)、クプラに付着すると(クプラ結石8)、難治性となる。
図1(a)に示すように、頭部が横姿勢にある場合、前半規管1と後半規管3の片脚側が接合した部位である総脚部4は、斜め上方を向く傾斜姿勢となる。このため、卵形嚢内にある耳石が剥げ落ちた場合、耳石が総脚部4から前半規管1と後半規管3内に入りやすい。このときの総脚部4の水平線に対する傾斜角はほぼ45°である。
ところが、図1(b)に示すように、頭部が前後方向に起きあがり、頭部が斜め姿勢になると、総脚部4は、上向きの傾斜姿勢(図1(a))から水平姿勢(図1(b))へと移行する。このため、卵形嚢6内にある耳石が剥げ落ちた場合でも、総脚部4に入り難くなり、結果として耳石が前半規管1または後半規管3内に入ることを防止できる。
BPPVはどの半規管にも起こり得るが、統計上最も頻度が高いのは、解剖時に最も低い位置にある後半規管型(BPPV全体の約2/3)、続いて外側半規管型(BPPV全体の約1/3)である。この事実からすると、就寝時に上半身を起こすことで、剥離耳石が後半規管3や外側半規管2に迷入することから防ぐことができる。
解剖学的に算出される総脚部4の角度と、頭部頸部肩部をホールドする材質を工夫することで、前夜に剥がれ落ちた耳石を三半規管に迷入させることなく、快適な朝の目覚めを迎えることが可能になる。
(めまい防止システム(めまい防止まくらシステム))
本発明のめまい防止システム(めまい防止まくらシステム)について、使用する側面から概要を説明すると、まず、傾斜角変更用操作手段である傾斜角変更ボタン(50)を操作し、まくら(20)を好みの前後方向傾斜角に設定して、就寝する。目覚めたとき、目覚めの良否を自己判断して、ランク決定用操作手段としてめまい度ランク(小、中、大)に分けて設けた複数の傾斜角度計測指示用ボタン60(目覚め良好時○・目覚め普通時△・目覚め深い時□のボタン;計測ボタン61、62、63)のうち、該当するものを押し、まくら(20)またはベッド(10)に設けた計測通信ユニット(30)からまくらの傾斜角度値情報(D1)を取得する。取得された傾斜角度値情報と、操作された計測ボタンの種別から判るめまい度ランク情報と、計測日付情報とを対応付けたものを、めまい履歴データとして記憶するとともに、当該めまい履歴データを表示手段(液晶表示画面41)の表示部に一覧表示する。これを見て、めまいのない最適な頭部の前後方向傾斜角を探索できる構成となっている。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るめまい防止システムの好ましい実施形態について説明する。
図2において、10は腰より上側部を下側部に対して斜めに起こすことが可能なベッド、20はベッド10の上側部に単に置かれた、または反固定的に据え付けられたまくらである。ベッド10は上側部を下側部に対して折り曲げて斜めに起こすことを可能にする昇降機構11と、その駆動モータ12を制御して所望の傾斜角度に上側部を静止させることが可能なベッド傾斜角制御装置13とを備えている。上記ベッド10、昇降機構11、駆動モータ12、ベッド傾斜角制御装置13は、全体として電動ベッド装置14を構成している。
まくら20は、まくら本体(頭部支持具)とまくらカバーとからなり、まくらカバーには、患者が頭部をどのような前後方向角度で傾けて就寝あるいは休息等したかを計測するため、小型の計測通信ユニット30が設けられている。計測通信ユニット30は、ここではまくらカバーに取り付けているが、まくら本体に設けてもよい。また患者の頭部に装着するバンドに設けたり、患者の頭部や胸に直接に、たとえば貼り付ける形で設けることもできる。また本実施形態では計測通信ユニット30を1個だけ設けているが、複数設けてもよい。たとえば、まくらカバーの左端と右端にそれぞれ一個宛、計測通信ユニット30を設けてもよい。またこの実施形態では、まくら20を採用しているが、患者が頭部をどのような前後方向角度で傾けて就寝等したかを計測可能なものであれば、まくら20として機能する他の頭部支持具を採用することができる。また、まくら20を設けなくてもよく、たとえば、まくらを有しない傾動可能な座椅子やリクライニングチェア等を採用してもよい。この場合、計測通信ユニット30は、上記前後方向角度を計測可能な位置に形成すればよい。なお本実施形態の場合、まくら20に計測通信ユニット30が設けられている点で、めまい防止まくらシステムとも称する。
本実施形態のめまい防止まくらシステムは、電動ベッド装置14と、まくら側に設けられた計測通信ユニット30と、該ユニットに無線または有線の通信回線にて繋がれた利用者端末40とで構成される。
(計測通信ユニット30)
計測通信ユニット30は、CPUとメモリを主体に構成され、図3に示すように、就寝傾斜角検出センサ31、計測制御部32、記憶手段33、記憶制御部34、通信制御部35を有している。
まず、まくらの前後方向傾斜角をベッドの傾斜角または前記まくらの傾斜角から計測する計測手段として、加速度センサからなる就寝傾斜角検出センサ31を内蔵している。また、利用者端末40から通信回線を通じて(本実施形態では無線にて)送られて来る計測指示信号(傾斜角設定情報)を受信した際、この内蔵の就寝傾斜角検出センサ31を用いて、直接的にはまくら20の前後方向傾斜角を計測することにより、間接的にまくら20に載せている人体の頭部の前後方向傾斜角を計測する計測制御部32(CPU)を有する。更にまた、就寝傾斜角検出センサ31にて計測された計測結果に基づく前後方向傾斜角に係る傾斜角度値情報(D1)を格納する記憶手段33およびその記憶制御部34(CPU)を有する。この記憶手段33はデータの保持に電力を必要とする揮発性メモリであるRAMからなるが、不揮発性メモリを用いてもよい。また、追加的にカード型メモリ、USBメモリなどのフラッシュメモリなどの外部記憶装置を抜き差し可能な接続手段(外部記憶装置接続手段)に設けるようにしてもよい。この場合、外部記憶装置と記憶手段33との間でデータ通信を行う構成とし、記憶手段33に記憶されているデータの全部または一部を、外部記憶装置に送信可能に構成してもよい。そして、就寝傾斜角検出センサ31にて計測された前後方向傾斜角に係る傾斜角度値情報(D1)を利用者端末40に通信回線を通じて引き渡すことが可能な通信制御部35(CPU)を有する。
上記の計測通信ユニット30としては、ウェラブル生体センサWHS−1(ユニオンツール株式会社製)が利用できる。このウェラブル生体センサは、心拍(心拍脈波、心拍周期もしくは心拍数)と体表温と3軸加速度とを同時に計測できる機能(就寝傾斜角検出センサ31、計測制御部32)と、計測したデータを保持する記憶機能(記憶手段33、記憶制御部34)と、計測した結果のデータをスマホやタブレット等の利用者端末40に無線通信にて引き渡すことが可能な機能(通信制御部35)とを有する。無線機能としては、2.4GHz帯を利用した到達距離約20m(直線)のデータ通信システムを持つ。上記の3軸加速度を計測する機能の一部が就寝傾斜角検出センサ31と働くことになる。なお無線通信をブルーツースで行うタイプのウェラブル生体センサWHS−2(ユニオンツール株式会社製)を用いることもできる。
(利用者端末40)
利用者端末40はCPUによる演算部、メモリ(RAM)、プログラム(ROM)、液晶表示画面による表示部などを備えてコンピュータを構成した端末装置であり、本実施形態では、めまい防止システム専用のアプリケーションにより作動する構成となっている。この端末装置には、たとえば、専用の端末装置であってもよいし、一般的なスマートフォンやタブレット(携帯用端末装置)などに専用のアプリケーションを導入して動作可能な端末装置を採用してもよい。
図2の下側は、上記アプリケーションの下で起動された利用者端末40(たとえば、スマートフォン)の表示部および入力部として機能する液晶表示画面41を示している。液晶表示画面41には、めまい履歴表示エリア42、複数種類の操作ボタン(ソフトキー)50、60、70、80が設けられている。この実施形態では、利用者端末40として、専用のアプリケーションを導入(インストール)したスマートフォンを採用したものとして説明する。また液晶表示画面41はスマートフォンのタッチパッド画面(タッチパッド式の液晶画面)であり、タップ操作、フリック操作、スライド操作等の様々なタッチ操作を行うことができる。
操作ボタン50は、ベッド10の上側部の傾斜角を変更して、まくらの前後方向傾斜角を利用者の好みの傾斜角に傾動制御する場合に操作する傾斜角変更用操作手段としての傾斜角変更ボタンである。利用者端末40は、この傾斜角変更ボタン50が操作されたことに基づき、その操作量または指定値に対応する傾斜角についての傾斜角設定情報を作成する傾斜角設定制御手段92と、この傾斜角設定情報をベッド傾斜角制御装置13に対して送信する傾斜角設定情報送信手段を含む。ベッド傾斜角制御装置13は、この利用者端末40からの傾斜角設定情報に基づき、ベッド10を対応する角度に傾動制御する。
この傾斜角設定とこれに対応する傾斜角制御の形態には、(i)利用者端末40から傾斜角設定値を送信し、ベッド傾斜角制御装置13が受信した傾斜角設定値に対応するまくら20の前後方向傾斜角度となるように、ベッド10の傾きを自動的制御する形態の他、(ii)傾斜角変更ボタン50を操作した操作量についての操作量情報(たとえば押圧時間長さ)と、ベッド10を上昇または下降させる操作方向を示す昇降符号情報(上昇は+符号、下降は−符号)とを送信し、ベッド傾斜角制御装置13が受信した操作量情報と昇降符号情報に従い、受信した操作量だけ昇降符号方向にベッドを傾動させる形態や、(iii)傾斜角変更ボタン50を操作している時間に対応する長さのベッド上昇信号またはベッド下降信号を送信し、ベッド傾斜角制御装置13がベッド上昇信号を受信した場合はその信号の時間長だけベッドのまくら側を上昇させ、ベッド下降信号を受信した場合はその信号の時間長だけベッドのまくら側を下降させる形態も含まれる。
この実施形態の場合、最も簡単な形態として、傾斜角設定制御手段92は、傾斜角変更ボタン50の上縁側が押された場合、その間、無線通信手段91より、傾斜角設定情報として上昇指令信号S1をまくら20側の計測通信ユニット30に対して送信し、ベッド10の上側部の上昇移動を行わせる。また傾斜角変更ボタン50の下縁側が押された場合、その間、無線通信手段91より、傾斜角設定情報として下降指令信号S2をまくら20側の計測通信ユニット30に対して送信し、ベッド10の上側部の下降移動を行わせる。これにより、ベッド10の傾斜角、ひいては就寝中のまくら20の前後方向傾斜角を、好みの傾斜角度に変更して止めることができる。就寝する場合、患者は、この傾斜角変更ボタン50を操作して、まくら20の前後方向傾斜角を好みの前後方向傾斜角に設定してから、就寝することになる。
操作ボタン60は、目覚めたときに就寝中のまくら20の前後方向傾斜角を知るために操作する傾斜角度計測指示用ボタンである。この傾斜角度計測指示用ボタン60は、めまいの度合(めまい度)を複数のランクに分け、そのめまい度ランクの各々に対応させて設けた、傾斜角度の計測を指示する複数の計測ボタンからなる。ここでは、めまい度が「小」「中」「大」の3つに分けられ、それぞれに1個の計測ボタン61、62、63が設けられている。めまい度「小」の計測ボタン61(丸形のボタン)は、すっきりとした感じで目覚めた場合(目覚め「良好」の場合)に、就寝中の頭部の前後方向傾斜角(正確にはまくら20の前後方向傾斜角)の計測を指示すべく操作をする計測ボタン(以下「目覚め良好時計測ボタン61」と称する)である。めまい度「中」の計測ボタン62(三角形のボタン)は、すっきり感もないが不快でもない感じで目覚めた場合(目覚め「普通」の場合)に、就寝中の頭部の前後方向傾斜角の計測を指示すべく操作をする計測ボタン(以下「目覚め普通時計測ボタン62」と称する)である。めまい度「大」の計測ボタン63(四角形のボタン)は、不快な感じで目覚めた場合(目覚め「不快」の場合)に、就寝中の頭部の前後方向傾斜角の計測を指示すべく、操作をする計測ボタン(以下「目覚め不快時計測ボタン63」と称する)である。
図3を参照して、利用者端末40はCPUを含むコンピュータによる制御手段90を有する。この制御手段90には、上記の無線通信手段91、傾斜角設定制御手段92も含まれる。さらに、この制御手段90は、その一部として、上記計測ボタン61〜63の一つが選択的に操作されたことに基づき、計測通信ユニット30に対して計測指示信号S3を送信して計測通信ユニット30においてまくら20の前後方向傾斜角の計測を実行させ、その計測結果の傾斜角度値情報D1を計測通信ユニット30から取得する傾斜角度値取得手段93を有する。傾斜角度値取得手段93は、上記計測ボタン61〜63の一つが選択的に操作されたとき、無線通信手段91により、まくら20側の計測通信ユニット30に対して計測指示信号S3を送信し、計測通信ユニット30において、まくら20の前後方向傾斜角について計測を実行させる送信制御機能と、この計測指示信号S3に応答して、まくら20の計測通信ユニット30側でまくら20の前後方向傾斜角について計測が行われ、その計測結果として、計測通信ユニット30から送信して来る傾斜角度値情報D1を、無線通信手段91より受信する受信制御機能とを有する。
さらに制御手段90は、計測通信ユニット30から取得された傾斜角度値情報D1と、操作した計測ボタン61〜63の種別によるめまい度ランク情報(小、中、大または良好、普通、不快の別)とを対応付けて1セット情報とし、これに計測時の年月日時分情報(以下「計測日付情報」という)を加えたものを「めまい履歴データ」としてRAMまたはカード型記憶媒体に記憶する記憶制御手段94を有する。
また制御手段90は、上記めまい履歴データを計測時毎に区別して計測日付情報と共に表示することにより、液晶表示画面41にめまい履歴データを一覧表示する履歴一覧表示制御手段95を有する。図2に、このめまい履歴データが液晶表示画面41に一覧表示された様子を例示する。このめまい履歴データを見れば、患者は、自分が次に就寝するときに選択設定すべきまくら20の前後方向傾斜角を知ることができる。
また制御手段90は、前後方向傾斜角の最適値を算出し表示する最適値演算手段96を有する。操作ボタン70は、この最適値演算手段を作動させる最適値演算指令ボタンである。この最適値演算指令ボタン70を押すと、最適値演算手段96が作動し、メモリ100のRAMまたはカード型記憶媒体に記憶された過去複数回分の「めまい履歴データ」から、演算によりめまい度ランクが低くなる前後方向傾斜角の最適値を算出する。表示制御手段97は、その結果を「最適傾斜角」として液晶表示画面41に表示する。
上記最適値演算手段96は、最適値演算指令ボタン70を長押しすると、メモリ100に記憶されている過去複数回分のめまい履歴データのうち、めまい度ランクが低いめまい度ランク情報に係る前後方向傾斜角の平均値を最適値として算出する。表示制御手段97は、この最適値に関する情報を、表示手段としての液晶表示画面41に表示する。
さらに制御手段90はクリア制御手段98を有する。操作ボタン80は、メモリ100の最適傾斜角等のデータをクリア(初期化)するクリアボタンである。このクリアボタン80を1回押すことにより、クリア制御手段98は、データを初期化するクリア処理を実行する。たとえば、上記演算により求めた「最適傾斜角」のデータを削除して液晶表示画面41から表示を消去する。また「めまい履歴データ」のうちで不要なものを画面上で選択し、その後にクリアボタン80を所定秒数だけ長押しすることにより、当該不要なめまい履歴データが消去される。なお、操作ボタン80(クリアボタン)に対してどのような操作手順(たとえば、1または複数回押し、連打押し(連続タップ)、長押し等)を行った場合に、どのようなデータ(上記した最適傾斜角のデータや、不要なめまい履歴データ)が削除することができるのかは、適宜定めることができる。勿論、消去(クリア)するデータが異なる場合には、異なる操作手順を割り当てる。また、データを全クリアする操作手順を定めることができる。
(使用例)
就寝するに当たり、患者は傾斜角変更ボタン50を操作することによりベッド10の角度を加減して、まくら20を自分が希望する前後方向傾斜角度に設定する。そして、そのまくら20に頭部を載せた状態で就寝する。
その後、就寝から目覚めた場合、そのときの自己のめまい度が小、中、大のランク(目覚めが良好、普通、不快の別)の何れであったかに応じ、目覚め良好時計測ボタン61、目覚め普通時計測ボタン62、目覚め不快時計測ボタン63のうちの該当するボタンを押圧操作する。まくら20側の計測通信ユニット30に対して計測指示信号S3が送信される。これを受信した計測通信ユニット30は、就寝傾斜角検出センサ31を用いてまくら20の前後方向傾斜角を計測し、自己のメモリ36に履歴保存するとともに、その計測結果を傾斜角度値情報D1として利用者端末40に送り返す。
利用者端末40は、これを受信する。そして、受信した傾斜角度値情報D1と、操作した計測ボタン61〜63の種別によるめまい度ランク情報(小、中、大(目覚め良好、普通、不快の別)とを対応付けて1セット情報とし、これに「計測日付情報」を加えたものを「めまい履歴データ」として内部メモリ100のRAMまたは内蔵するメモリカードに記憶する。このようにして、アプリケーション側からまくら20の傾斜角度値情報を収集する。
たとえば、就眠から目覚めたとき、目覚めが不快であった場合には、目覚め不快時計測ボタン63を押す。すると、そのときのまくら20の傾斜角度が計測され、めまい履歴データとして、たとえば「傾斜角度30°+めまい度ランク大(目覚め不快)+計測日付情報」が収集される。このとき、液晶表示画面41には、「×めまい大 傾き30° *年*月*日*時*分」というように、めまい履歴が表示される。これが初回の計測結果であるとすると、患者はこの好ましくない結果のめまい履歴を見て、次回は、まくら20の傾斜角度を異なる値に変更して就眠してみることになる。
上記変更後の傾斜角度で就寝し、就眠から目覚めたら、そのときのめまい度ランクが小・中・大(目覚め良好、普通、不快)のいずれであるかを自分で判断する。すっきり感もないが不快でもない場合(目覚め「普通」の場合)は、これに対応する目覚め普通時計測ボタン62を押す。すると、まくら20の傾斜角度が計測され、たとえば「傾斜角度40°+めまい度ランク中(目覚め普通)+計測日付情報」がめまい履歴データとして収集され、液晶表示画面41に、「△めまい中 傾き40° *年*月*日*時*分」というめまい履歴が表示される。これが2回目の計測結果であるとすると、患者はこの不十分な結果のめまい履歴を見て、次回は、まくら20の傾斜角度をさらに異なる値に変更して就眠してみることになる。
上記変更後の傾斜角度で就寝し、就眠から目覚めたら、そのときのめまい度ランクが小・中・大(目覚め良好、普通、不快)のいずれであるかを自分で判断する。すっきりとした目覚めである場合(目覚め「良好」の場合)は、これに対応する目覚め良好時計測ボタン61を押す。すると、まくら20の傾斜角度が計測され、たとえば「傾斜角度45°+めまい度ランク小(目覚め良好)+計測日付情報」がめまい履歴データとして収集され、液晶表示画面41には、「○めまい小 傾き45° *年*月*日*時*分」というように、めまい履歴が表示される。よって次回の就寝時には、このめまいのない傾斜角度45°にて就眠することを試みることになる。なお、新たなめまい履歴データは、それまでのめまい履歴データの一覧表示中に、逐次追加表示される。
また、上記めまい履歴データが多数蓄積されてきて、その過去複数回分のめまい履歴データの総合判断としてめまい度ランクが最も低くなる前後方向傾斜角の最適値を知りたい場合には、適値演算指令ボタン70を押し、最適傾斜角を液晶表示画面41に表示させる。また平均値としての最適値を知りたい場合には、適値演算指令ボタン70を長押しして、その最適傾斜角を液晶表示画面41に表示させる。
このようにして、順次学習しながら、まくら20の前後方向傾斜角の最適値を求めて行き、最終的にまくら20の前後方向傾斜角を最適値へと設定変更することができる。これにより、めまいのない就眠を得ることが可能となる。
図4は、良性発作性頭位めまい症(BBPV)の患者を対象とした、対策有無による効果比較の結果を示す図である。図において、縦軸の「VAS(Visual Analogue Scale)」は痛みの評価スケールであり、10cmの水平な直線上に0〜10の評価尺度を付したものに、痛みの程度を患者に印をつけてもらい、その長さをもって痛みの程度を数値化するという、痛みの評価方法として用いられるものを、ここでも用いている。VASは簡便な方法であるが、非常に感度の高い痛みの評価法であると言われている。0〜10の数値で表現され、この値が大きいほど強い痛み、小さいほど弱い痛みとなる。“10”をこれ以上の強い痛みは考えられない最悪の痛みのときの評価値とし、“0”を全く痛みがないときの評価値として、主観的にその間のどの程度の痛みであるかを指差してもらい、何cm目のところであるのかにより痛みの程度を評価する。
図4において、「ヘッドダウン(head−down)」は、介入なしの通常のまくら(就寝時のまくらの前後方向傾斜角の上昇操作なし)で就寝した場合を意味し、ヘッドアップ(head−up)は、まくら(ベット)の傾斜角を調整して、間接的に頭部の前後方向傾斜角度を、めまい度ランクが最も低くなる前後方向傾斜角の最適値(個人差があるが、ここでは45度とする)に調整する介入を行って就寝した場合、具体的には頭部の前後方向傾斜角度を最適値のたとえば45度に維持した状態で就寝した場合を意味する。「3m」は介入期間が3か月、「6m」は介入期間が6か月であることを意味する。なお、45度の維持はベット角度や、写真のように他物質を用いて角度維持した。
図中のnは被験者数、Pはt検定のp値を意味し、得られた差が偶然ではないことを証明するために用いられ、P<0.01は、偶然ではない確率は1%以下であること、つまり、「有意差あり」を意味する。P<0.001は、0.1%以下であり、より有意差があることが分かる。P<0.05が一般的であるが、本結果はいずれもそれよりも小さな値であり、より偶然ではない、確かな有意差であることが分かる。特に0.001は群比較において双方はほぼ確実に違う、本研究ならば確かな効果であると言える数値となっている。
今回の結果は、介入3か月と介入6か月で、被験者数nがそれぞれ約50人(正確な数は図のn数)について、ヘッドアップ効果が認められた。介入3か月では、ヘッドアップすることで、痛みの評価スケールであるVAS値がヘッドダウン時8.5であるのに比し、有意に(p<0.01)低い値6.5に低下し、BBPVの改善がみられた。また介入6か月では介入3か月と比較し、さらにVAS値が低い値4.5(p<0.001)になり、介入期間が長いほど、BBPV改善においてより確かな効果を確認した。
上記では頭部の前後方向傾斜角度の最適値が45度である場合を例にして説明したが、これは、最適値は30度が最適値の人もいれば、55度が最適値の人もいて、人によってまちまちであるが、45度付近の人が多いことから、平均した概ねの値として45度を最適値としたものである。また頭部の前後方向傾斜角度には個人差があるので、ベッドの傾斜角、つまり床からの傾斜角を以って、頭部の前後方向傾斜角として代用とすることができる。
<変形例1>
上記実施形態では、就寝時の頭部の前後方向傾斜角を計測し、その計測結果の傾斜角値情報を通信により取り出すことが可能なウェラブル生体センサ(計測通信ユニット30)を、まくらまたはそのカバーに設け、その3軸加速度センサを、頭部の前後方向傾斜角を検出する傾斜角センサ3として利用した。しかし頭部の前後方向傾斜角を検出するセンサ部と演算処理部とを分離して、たとえば単独の加速度センサや角加速度センサなどをまくらカバーに設け、その演算処理部をまくら内に設けることもできる。その際、加速度センサ等は、まくらカバーの左端と右端にそれぞれ一個宛設け、1個の場合よりも正確に傾斜角を計測できるようにするのが好ましい。
<変形例2>
また上記実施形態では、まくらまたはそのカバーに計測通信ユニット30を設けたが、患者の胸にウェラブル生体センサを貼り付けて、間接的に頭部の前後方向傾斜角を検出してもよい。また、計測通信ユニット30を、患者が装着するカチャーシャ型ないしヘッドホン型の頭部装着具に設けてもよい。
<変形例3>
上記実施形態では、腰より上側部を下側部に対して斜めに起こすことが可能な電動ベッド装置14を例にしたが、電気以外の他の動力源によるベッド、その他の寝具等を使用することもできる。また、まくらと一体になったベッドや、腰より上側部だけからなる背もたれ装置の他、電動ベッド装置14のように、腰より上側部を下側部に対して斜めに起こすことが可能な構成(頭部の前後方向角度を計測可能な構成)であれば、椅子(たとえば、座椅子、ソファ(長椅子)、リクライニングチェア(肘掛け椅子)、車椅子、車両・船舶・航空機等の乗り物用の椅子等)、マットレス、診察台、担架等にも本発明を適用することができる。
<他の実施形態>
上記実施形態では、まくら20の前後方向傾斜角を求め、間接的に頭部の前後方向傾斜角を計測した。その目的は、耳石が三半規管の総脚部4に入り難くなる角度を計測したいが、直接的には計測できないので、間接的にまくら20ないし頭部の前後方向傾斜角を探求するものであった。しかし他の実施形態として、総脚部4の上向き傾斜角度を演算により算出して、当該上向き傾斜角度を計測対象および表示対象とするようにしてもよい。
この他の実施形態の場合、利用者端末の制御手段は、まくらの前後方向傾斜角に既知の所定角度を加算処理して、三半規管における総脚部4の軸線が水平軸線に対して成す角度を、総脚部4の傾斜角(上向き傾斜角度)として算出する演算処理部を有し、この総脚部4の傾斜角をまくらの前後方向傾斜角の代わりに用いることになる。
本発明は、治療用の装置に対し適用し、または被治療者が自宅で使用する簡単かつ安価な装置として適用することができる。
1、2、3 半規管、
4 総脚部、
6 卵形嚢、
10 ベッド、
11 昇降機構、
12 駆動モータ、
13 ベッド傾斜角制御装置、
14 電動ベッド装置、
20 まくら、
31 就寝傾斜角検出センサ、
32 計測制御部、
33 記憶手段、
34 記憶制御部、
35 通信制御部、
36 メモリ、
40 利用者端末、
41 液晶表示画面(タッチパッド画面)、
42 めまい履歴表示エリア、
50 傾斜角変更ボタン、
60 傾斜角度計測指示用ボタン、
61 目覚め良好時計測ボタン、
62 目覚め普通時計測ボタン、
63 目覚め不快時計測ボタン、
70 最適値演算指令ボタン、
80 クリアボタン、
90 制御手段、
91 無線通信手段、
92 傾斜角設定制御手段、
93 傾斜角度値取得手段、
94 記憶制御手段、
95 履歴一覧制御手段、
96 最適値演算手段、
97 表示制御手段、
98 クリア制御手段、
100 メモリ、
S1 上昇指令信号、
S2 下降指令信号、
S3 計測指示信号、
D1 傾斜角度値情報。

Claims (6)

  1. まくらを前後方向に傾動させることが可能なベッドを備えたベッド装置と、
    前記ベッドを利用者の好みの傾斜角に傾動制御するための傾動制御手段と、
    前記まくらの前後方向傾斜角を前記ベッドの傾斜角または前記まくらの傾斜角から計測する計測手段と、
    前記計測手段の計測結果に基づく傾斜角値情報を送信可能な計測側通信手段と、
    前記計測側通信手段と有線または無線の通信回線にて接続され、前記傾斜角値情報を受信可能な端末側通信手段を備えた利用者端末と、
    を備えるめまい防止システムであって、
    前記利用者端末は、
    めまいの度合を複数のめまい度ランクに分け、そのめまい度ランクの各々に対応させて設けられた複数のランク決定用操作手段と、
    前記複数のランク決定用操作手段の一つが操作されたことに基づき、前記端末側通信手段および前記計測側通信手段を通じて、前記計測手段から現在の前記前後方向傾斜角に係る傾斜角度値情報を取得する取得手段と、
    少なくとも前記取得手段から取得された前記傾斜角度値情報と、前記複数のめまい度ランクのうちで前記操作されたランク決定用操作手段に係るめまい度ランク情報とを対応付けた情報を、めまい履歴データとしてメモリに記憶する記憶制御手段と、
    前記めまい履歴データに関する情報を表示可能な表示手段と、
    前記表示手段に対する制御が可能な表示制御手段と、を有する、
    ことを特徴とするめまい防止システム。
  2. 前記利用者端末は、
    利用者が操作可能に構成され、利用者の好みの前記前後方向傾斜角を設定可能に構成された傾斜角変更用操作手段を更に有し、
    前記端末側通信手段は、
    前記傾斜角変更用操作手段が操作されたことに基づき、傾斜角設定情報を前記傾動制御手段に対して送信する傾斜角設定情報送信手段を含み、
    前記傾動制御手段は、
    前記利用者端末からの前記傾斜角設定情報に基づき、前記ベッド装置に対する傾動制御を実行する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のめまい防止システム。
  3. 前記めまい履歴データは、
    前記取得手段から取得された前記傾斜角度値情報と、前記複数のめまい度ランクのうちで前記操作されたランク決定用操作手段に係るめまい度ランク情報と、計測日付情報とを対応付けたデータで構成され、
    前記表示制御手段は、
    前記めまい履歴データに関する情報として、少なくとも前記計測日付に対応する前記めまい度ランク情報を前記表示手段に表示可能に構成された、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のめまい防止システム。
  4. 前記利用者端末は、
    利用者が操作可能な最適値演算指令用操作手段と、
    前記最適値演算指令用操作手段が操作された場合、前記メモリに記憶されている過去複数回分のめまい履歴データに基づき、めまい度ランクが低くなる前後方向傾斜角の最適値を算出する最適値算出手段とを、更に有し、
    前記表示制御手段は、
    前記最適値に関する情報を前記表示手段に表示可能に構成された、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のめまい防止システム。
  5. 前記利用者端末は、
    利用者が操作可能な最適値演算指令用操作手段と、
    前記最適値演算指令用操作手段が操作された場合、前記メモリに記憶されている過去複数回分のめまい履歴データのうち、めまい度ランクが低いめまい度ランク情報に係る前後方向傾斜角の平均値を最適値として算出する最適値算出手段とを、更に有し、
    前記表示制御手段は、
    前記最適値に関する情報を前記表示手段に表示可能に構成された、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のめまい防止システム。
  6. 前記計測手段と前記計測側通信手段は計測通信ユニットとして構成され、前記まくらまたは前記ベッドに設けられている、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のめまい防止システム。
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