以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部9aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部9bという。)と、第1の可変表示部9aおよび第2の可変表示部9bよりも遊技者が表示内容を視認することが容易な表示領域(以下、背景図柄表示部9cという。)とがある。なお、表示内容を視認することが容易とは、例えば、表示領域のサイズが大きいことであったり、可変表示部9aおよび第2の可変表示部9bにおける表示内容が常に単色であるのに対して表示色が変わったりすることである。また、この実施形態では、背景図柄演出部9cには、左・中・右の3つの表示領域に識別情報(以下、背景図柄ともいう。)が表示制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。この実施の形態では、2つの可変表示部(第1の可変表示部9aおよび第2の可変表示部9b)に対して1つの背景図柄演出部9cが設けられ、背景図柄演出部9cにおいて、2つの可変表示部において可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)のいずれかに対応した演出が実行されるので、飾り図柄の状況(例えば、大当り図柄が導出表示されるか否か)を把握しづらくする。なお、この実施の形態では、背景図柄は、演出表示装置9(液晶表示装置)における演出用の図柄変動表示を行うためのものであり、演出用識別情報、装飾図柄、および演出図柄に相当する。
演出表示装置9の左方には、演出表示装置9の表示画面の一部に被さるような態様で動作可能な演出用の可動部材78が設けられている。この実施の形態では、可動部材78は、演出制御用マイクロコンピュータ200によって可動部材用モータ78aが駆動されることによって動作される。また、演出表示装置9の左方には、可動部材78が原点位置にあることを検出するための原点位置センサ78bも設けられている。
演出表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部9aは、第1特別図柄表示器8aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。また、第2可変表示部9bは、第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部9aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部9bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部18cという。)がある。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部18cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部18cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部18cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部18cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置9の左下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、第1始動入賞口13の右方には、釘の列19が設けられており、遊技領域7の右方から流下した遊技球が第1始動入賞口13が設けられた領域に進入しないように構成されている。このように、この実施の形態では、第1始動入賞口13が遊技領域7の左方に設けられているとともに、遊技領域7の右方から流下した遊技球が進入することを防止する釘の列19が設けられていることによって、遊技領域7の左方を狙って遊技球を発射操作した場合にのみ、第1始動入賞口13に遊技球が入賞可能に構成されている。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13が遊技領域7の左方に設けられているとともに、釘の列19も設けられている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1始動入賞口13が遊技領域7の左方に設けられているだけで釘の列19は設けないように構成してもよいし、第1始動入賞口13の右方に釘の列19が設けられているだけで第1始動入賞口13自体は遊技領域7の中央付近に設けられているように構成してもよい。
演出表示装置9の右方には、ゲート32が設けられている。ゲート32を通過した遊技球は、ゲートスイッチ32aによって検出される。また、ゲート32の下方には、普通始動入賞口17が設けられている。普通始動入賞口17を通過した遊技球は、普通始動口スイッチ17aによって検出される。普通始動口スイッチ17aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば1個)の遊技球が賞球として払い出される。
普通始動入賞口17の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する有利状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ23aで検出される。第1カウントスイッチ23aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特別可変入賞球装置20の下方には、小当り用の特殊入賞口24を形成する特殊可変入賞球装置22と、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15とが設けられており、図1に示すように、左側に特殊可変入賞球装置22が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置15が配置されている。詳細は後述するが、これら特殊可変入賞球装置22および可変入賞球装置15は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口24や第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特殊可変入賞球装置22は、第2特別図柄表示器8bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口24を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置15は、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口14を開状態とする開放制御を実行する。
なお、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22と可変入賞球装置15とは、同様の構造を有するように形成されているのであるが、図1に示すように、可変入賞球装置15と比較して特殊可変入賞球装置22の方が若干大きい。また、図1に示すように、特殊可変入賞球装置22と可変入賞球装置15とは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置20に入賞することなく遊技領域7を落下した遊技球は、まず可変入賞球装置15の上に落下するのであるが、この際に可変入賞球装置15の底面部材が後退移動されて第2始動入賞口14が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口14に入賞し、特殊可変入賞球装置22の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口14が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置15の底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置22の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置22の底面部材が後退移動されて特殊入賞口24が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口24に入賞する。さらに、特殊入賞口24も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置22の底面部材の上を移動して、そのままアウト口26の方へ落下することになる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、特殊可変入賞球装置22が左側に配置され、可変入賞球装置15が右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置22および可変入賞球装置15の底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置15の方から特殊可変入賞球装置22の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置15の方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置22の方が下流側に設けられているといえる。
特殊入賞口24内には、特殊入賞口24内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(第2カウントスイッチ25a、図5参照)が設けられている。第2カウントスイッチ25aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置22において開状態となった特殊入賞口24を遊技球が通過(進入)したときには、大入賞口に遊技球が入賞したときと比較すると賞球の数が少ないものの、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置22が開放制御されて特殊入賞口24が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置22が閉鎖制御されて特殊入賞口24が閉状態となれば、特殊入賞口24に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
また、第2始動入賞口14内には、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ14aが設けられている。第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、ゲート32、普通始動入賞口17、特別可変入賞球装置20(大入賞口)、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)、および特殊可変入賞球装置22(特殊入賞口24)が遊技領域7の右方に設けられているので、大当り遊技中や後述するKT状態中である場合には、遊技者は遊技領域7の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行う。
また、本実施の形態では、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの所要時間が0.6秒以上になるよう構成されている。具体的には、ゲート32および可変入賞球装置32の設置位置や、遊技球の流下経路を形成する釘群により調整されている。詳しくは後述するが、本実施の形態では遊技球がゲート32を通過したことにもとづいて可変入賞球装置15が開放状態に制御され得る構成であり(ただし、この実施の形態では、普通始動入賞口17に遊技球が入賞したことにもとづいて可変入賞球装置15が開放状態に制御される場合もある)、後述する第1KT状態では遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15が開放状態に制御されるまでの時間が0.5秒となっており、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの所要時間である0.6秒よりも短いことから、第1KT状態において一の遊技球がゲート32を通過した場合に可変入賞球装置15が開放状態に制御された場合、該一の遊技球がそのまま可変入賞球装置15に入賞可能となっている。
演出表示装置9の下方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、または遊技球が普通始動入賞口17に入賞し普通始動口スイッチ17aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数および普通始動入賞口17に入賞した入賞球数の合計数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過または普通始動入賞口17への遊技球の入賞がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aまたは普通入賞口スイッチ17aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
なお、この実施の形態では、ゲート32を遊技球が通過したことにもとづいて普通図柄の変動表示が実行されることから、ゲート32は普通始動領域としての役割を担っているのであるが、後述するように、大当り図柄が導出表示された場合にもゲート32を遊技球が通過したことにもとづいて大当り遊技状態に移行するので、ゲート32は作動領域としての役割も担っている。従って、ゲート32は、普通始動領域と作動領域との両方の役割を担う兼用ゲートとして構成されている。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。遊技者が打球操作ハンドル5を継続して操作した場合には、0.6秒毎に遊技球が打ち出される。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示部8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示部9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示部8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部18cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置20が開放される。特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、2ラウンド、6ラウンド、16ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、特別可変入賞球装置20の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。なお、大当り遊技状態におけるラウンド数は、大当りの種別によって異なる。本実施の形態において大当りの種別は2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りがあり、例えば、2R通常大当りまたは2R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、6R通常大当りまたは6R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、16R確変大当りが発生すれば16ラウンドの大当り遊技状態が付与される。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、停止時の第2特別図柄が小当り図柄になると、小当り遊技状態に移行する。すなわち、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能な程度の一定時間が経過するまで特殊可変入賞球装置22が開放される。これにより、小当り遊技状態にも、大当り遊技状態よりも少ないものの、遊技者が出玉を得ることができるような開放態様としている。
確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が低確率状態より高められる。
ここで、本実施の形態における遊技状態について説明する。まず、本実施の形態における遊技状態には、通常状態(低確率/非KT状態)と、通常状態よりも小当りになりやすいKT状態(いわゆる小当りタイム)とがある。さらに、KT状態には第1KT状態と第2KT状態との2種類があり、この実施の形態では、遊技状態には、低確率状態且つ非KT状態(低確率/非KT状態:通常状態)に制御されている場合と、低確率且つ第1KT状態(低確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第1KT状態(高確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第2KT状態(高確率/第2KT状態)に制御されている場合とがある。
KT状態のうち第1KT状態は、後述するように、小当りが発生しやすく特殊可変入賞球装置22が開状態となりやすいものの、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が極めて長く、小当りが発生しても下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(例えば、100変動するごとに1球程度)。具体的には、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態に制御されるとともに高ベース状態に制御されて可変入賞球装置15の開放時間が長くなるように制御される。また、KT状態のうち第2KT状態は、後述するように、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が短く、小当りが発生した場合に下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞しやすい。具体的には、第2KT状態では、小当りが発生しやすい状態に制御されるとともに低ベース状態に制御されて可変入賞球装置15の開放時間が短くなるように制御される。
確変状態は、低確率状態よりも大当りになりやすい遊技状態である。具体的には、確変状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、低確率状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の10倍あるため、確変状態を、低確率状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。
また、KT状態は、通常状態(低確率/非KT状態)よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、この実施の形態では、普図当りとなって可変入賞球装置15が開状態となる確率はKT状態の方が通常状態より高くなっている。そして、第1特別図柄の変動時には小当りと決定される場合がないのに対して、第2特別図柄の変動時には小当りと決定される場合があるよう構成されている(ただし、後述する強制はずれの場合を除く)ため、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、KT状態では、主に第2特別図柄の変動を行わせることにより小当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
なお、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態とするための構成としては、これに限るものではない。例えば、KT状態であっても普図当りとなって可変入賞球装置15が開状態となる確率は通常状態と同じ(例えば、10%または100%)であるが、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、KT状態の方が通常状態よりも短く構成することにより、KT状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなり、KT状態を通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態とするものであってもよい。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器8aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。
また、背景図柄表示部9cでは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示されているときに、第1特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部9cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。リーチ演出を行う場合には、例えば、可変表示中に左右の背景図柄が停止表示される。そして、後述するように例外はあるが、基本的に第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄表示部9cにおいて背景図柄の停止図柄が導出表示される(3つの表示領域において背景図柄が最終停止される。)。第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、背景図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であることを遊技者に想起させるような背景図柄(例えば、左中右が揃った状態の3つの背景図柄)になる。以下、そのような背景図柄も、大当り図柄という。
第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときに、第2特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部9cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
そして、第1特別図柄または第2特別図柄が単独で可変表示されている場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了し第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了し、背景図柄の停止図柄が導出表示される。また、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている場合、具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている期間が存在する場合には、遅く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了する。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、3つの背景図柄のうち停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、背景図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、背景図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と背景図柄表示部9cにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、背景図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景図柄表示部9cの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に図2〜図4は、特殊可変入賞球装置22を示す図である。以下では、図2〜図4を参照して特殊可変入賞球装置22について説明する。なお、この実施の形態については、図2〜図4を用いて特殊可変入賞球装置22の構造について説明を行っているが、特殊可変入賞球装置22よりも若干サイズが小さいだけで、可変入賞球装置15の構造も特殊可変入賞球装置22の構造と同様である。
図2〜図4に示すように、特殊可変入賞球装置22は、左右方向に長い矩形板状のベース板部101を備えている。特殊可変入賞球装置22は、このベース板部101が遊技領域7に例えば螺子などで固定されることで、遊技領域7に固定支持される。ベース板部101の略中央領域には、前方に向けて開口する特殊入賞口24(可変入賞球装置15の場合は第2始動入賞口14)が形成されるとともに、ベース板部101における特殊入賞口24よりも上方の位置には、底面部材23が後退移動した際に、底面部材23を遊技領域7の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔102が形成されている。なお、本実施形態において特殊入賞口24は詳しくは、ベース板部101の左右方向中央よりやや左側に形成されているが、これよりも左または右であってもよい。
底面部材23は、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔102は、底面部材23の傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材23は、図3に示す前進移動された状態と、図4に示す後退移動した状態とに進退移動可能とされており、ベース板部101の背面側(後方)には、底面部材23を進退移動させる駆動装置(図示せず)が配置されている。
図2〜図4に戻り、ベース板部101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部112が形成されており、この流路形成台部112の上部には、前進移動した状態の底面部材23の上方側端部(右端部)である上流領域23Uと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する上流側流路部113と、底面部材23の下方側端部(左端部)である下流領域23Lと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する下流側流路部114とが形成されている。
また、流路形成台部112の上部には、上流側流路部113および下流側流路部114の底面部材23側の端部から下方に凹み、正面視で、特殊入賞口24を左右および下方から囲うようにして、底面部材23の下方に落下した遊技球を特殊入賞口24に案内する案内流路部115が形成されている。
上流側流路部113および下流側流路部114は、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。また、案内流路部115の底部は、特殊入賞口24側に向けて左下がりに延びるとともに、特殊入賞口24の前方の位置で凹んでいる。そして、案内流路部115の底部において上記凹んだ空間には、遊技球を特殊入賞口24側(遊技領域7の背面側)に向けて後方に案内する三角形状のガイド部116が配設されている。
またさらに、流路形成台部112の前部(遊技者側)には、上流側流路部113、下流側流路部114および案内流路部115を前方から覆う被覆部117が一体に形成されている。この被覆部117は、上流側流路部113、下流側流路部114および案内流路部115を前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠4側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、本実施形態では、被覆部117が流路形成台部112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
特殊可変入賞球装置22では、ベース板部101と被覆部117との間において、上流側流路部113、底面部材23、および下流側流路部114からなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、本実施形態では、ベース板部101および被覆部117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片118が形成されている。
本実施形態において、規制片118は、ベース板部101および被覆部117に一体形成され、ベース板部101から前方に突出する、または被覆部117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片118がない場合よりも遅延させる。これら規制片118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部101および被覆部117に交互に形成されている。また、規制片118は、底面部材23の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、本実施形態では、被覆部117のうちの上流側流路部113を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されるとともに、被覆部117のうちの下流側流路部114を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されている。また、ベース板部101および被覆部117のうちの底面部材23を覆う部位には、ベース板部101および被覆部117に交互に形成された規制片118が合計5つ形成されている。なお、このような規制片118の数は、特段限定されるものではない。また、本実施形態では、規制片118の大部分が、前方(遊技者側)から被覆部117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片118の配置により、図3を参照し、本実施形態の特殊可変入賞球装置22(および同様に構成された可変入賞球装置15)では、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)が閉鎖されているとき、遊技球Pが特殊入賞口24(または第2始動入賞口14)に入賞せずに、特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)を基本的に通過する。一方で、図4を参照し、底面部材23が後退移動した特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)が開放されているとき、遊技球Pが、流路形成台部112の案内流路部115に落下することが可能となり、この案内流路部115を流下して、特殊入賞口24(または第2始動入賞口14)に入賞することが可能となる。
図5は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ25a、ゲートスイッチ32a、および普通始動口スイッチ17aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、特殊可変入賞球装置22を開閉するソレノイド106、および可変入賞球装置15を開閉するソレノイド206を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、払出制御基板37に搭載されている払出制御手段(払出制御用マイクロコンピュータ(図示せず)で構成される。)が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの払出制御コマンド(例えば、賞球数を指定する賞球個数指定コマンド)を受信して、球払出装置97を駆動して賞球を払い出す制御を行う。また、払出制御基板37には、例えば、余剰球受皿(下皿)4が満タン状態であることを検出する満タンスイッチ48が接続されており、払出制御手段は、満タンスイッチ48からの検出信号を入力すると、余剰球受皿(下皿)4が満タン状態であることを示す払出制御コマンド(満タン検出指定コマンド)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bと、背景図柄を可変表示する背景図柄表示部9cと、図柄保留記憶表示部18cとの表示制御を行う。
図6は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図6に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU201およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU201は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ202および入力ポート203を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU201は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)209に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ202に入力する。入力ドライバ202は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図6には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図5に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU201は、入出力ポート204bを介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU201は、入出力ポート204aを介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
また、演出制御用CPU201は、入出力ポート204cを介して可動部材用モータ78aに駆動信号を出力して可動部材78を動作させる。また、演出制御用CPU201は、入出力ポート204cを介して原点位置センサ78bからの検出信号を入力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。さらに、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22内に特殊入賞口ランプ24aが設けられており、ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して特殊入賞口ランプ24aに供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU201とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU201は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU201は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP209に出力する。VDP209は、演出制御用CPU201から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置9の表示制御を行うVDP209が演出制御基板80に搭載されている。VDP209は、演出制御用マイクロコンピュータ200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP209は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図6に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図7は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS4)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ25a、ゲートスイッチ32a、および普通始動口スイッチ17aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bについては、ステップS32で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りの種別、すなわち、2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、9R確変大当り、および16R確変大当りのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(6)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
図8に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。また、本実施の形態では大当りの種別を決定する乱数と小当りの種別を決定する乱数として、共通の乱数(ランダム2)を設けるものとしたが、それぞれ異なる乱数が設けられているものであってもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置20、特殊可変入賞球装置22を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。そして、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26C)。普通図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて普通図柄表示器10や可変入賞球装置15を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、保留記憶処理を行う(ステップS27)。保留記憶処理では、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU56は、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ25aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ25aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
また、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示を実行する。
また、CPU56は、エラー報知に関する制御を行うエラー報知処理を行う(ステップS34)。ステップS34では、CPU56は、例えば、払出制御基板37に搭載されている払出制御手段から満タン検出指定コマンドを受信した場合には、演出表示装置9において満タンエラー報知を表示されるために、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して満タンエラー報知指定コマンドを送信する制御を行う。また、満タンエラー報知の表示を開始した後、払出制御手段から満タン検出指定コマンドを受信しない状態となった場合(余剰球受皿(下皿)4の満タン状態が解消された場合)には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して満タンエラー解除指定コマンドを送信する制御を行う。その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU56は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図10(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/非KT状態、低確率/第1KT状態)において用いられる非確変時大当り判定テーブルと、確変状態(高確率状態(高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態))において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。非確変時大当り判定テーブルには、図10(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図10(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図10(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図10(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、図10(B)に記載されている各数値が設定されている。また、図10(B)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、この実施の形態では、後述するように、第2特別図柄の変動表示が行われる場合にのみ小当り決定処理(ステップS162B参照)が行われて小当りとなる場合があるとともに、KT状態では右打ち操作されることから第2特別図柄の変動表示が実行される頻度が高くなっている。従って、この実施の形態では、KT状態において、大当り遊技状態よりも小当り遊技状態に制御される頻度が高くなっている。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図10(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図10(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図10(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図10(B)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。この実施の形態では、図10(B)に示すように、小当りになる確率(割合)は、122/320となるように設定されており、概ね1/3程度となるように設定されている。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、無条件に全てはずれとされる。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、図10(B)に示す小当り判定テーブルを用いた抽選処理を行い、概ね1/3程度の確率で小当りとすることに決定される(ただし、後述するように、強制はずれとされる場合がある)。
図11は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「2R通常大当り」、「2R確変大当り」、「6R通常大当り」、「6R確変大当り」、「9R確変大当り」、または「16R確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図11(A)に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、9%の確率で「16R確変大当り」と決定され、56%の確率で「6R確変大当り」と決定され、35%の確率で「6R通常大当り」と決定される。また、図11(B)に示すように、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、10%の確率で「16R確変大当り」と決定され、50%の確率で「9R確変大当り」と決定され、5%の確率で「2R確変大当り」と決定され、35%の確率で「2R通常大当り」と決定される。
「16R確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率状態に移行させる大当りである。また、「9R確変大当り」とは、9ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率状態に移行させる大当りである。また、「6R確変大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率状態に移行させる大当りである。また、「2R確変大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率状態に移行させる大当りである。
「6R通常大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に低確率状態に移行させる大当りである。また、「2R通常大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に低確率状態に制御される大当りである。
この実施の形態では、「16R確変大当り」、「9R確変大当り」、「6R確変大当り」、および「6R通常大当り」となる場合には、その大当り遊技の各ラウンドにおいて所定期間(本例では、30秒間)が経過するか所定数(本例では、10個)の遊技球が入賞するまで大入賞口が開放状態に制御され、ラウンドごとに最大で10個の大入賞口への入賞が可能である。これに対して、「2R確変大当り」および「2R通常大当り」となる場合には、その大当り遊技の各ラウンドにおいて短い期間(本例では、1.8秒間)のみ大入賞口が開放状態に制御され、ラウンドごとに入賞可能な大入賞口への入賞数は2〜3個程度である。
また、この実施の形態では、大当り遊技を終了するときに、大当り遊技前の遊技状態および大当り種別に応じて第1KT状態、第2KT状態または非KT状態のいずれかに制御されるのであるが、大当り遊技後の遊技状態の遷移の仕方については後述する(図33参照)。
図12〜図14は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図12〜図14に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図12〜図14に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#01〜#07の7種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#01〜#32の32種類とが用いられる。以下、例えば変動パターン#n(n=01〜07または01〜32)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図12(A)に示す非KT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図12(A)に示すように、非KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#01〜#05のいずれかに決定される。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)である場合には、図12(B)に示すKT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図12(B)に示すように、KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#06〜#07のいずれかに決定される。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図13(C)に示す非KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(C)に示すように、非KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#01〜#03のいずれかに決定される。具体的には、はずれと決定する場合には第2変動パターン#01が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、小当りと決定する場合にも第2変動パターン#02が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、大当りと決定する場合にも第2変動パターン#03が決定されて、5分間というある程度長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。
この実施の形態では、非KT状態中であっても第2特別図柄の変動表示が実行されて小当りとなると、特殊入賞口24への遊技球の入賞によりある程度の賞球を期待できる状況が生じてしまう。そこで、この実施の形態では、図13(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行されても、変動時間を極端に長くし変動表示の実行頻度を低下させることによって却って小当りの発生頻度を低下させるようにし、非KT状態中であるにもかかわらず小当りによる賞球の獲得を狙われてしまう事態を防止している。なお、この実施の形態において、「小当りの発生頻度」とは、例えば、単位時間(例えば、1分)あたりの小当りの発生割合であり、KT状態では、例えば、単位時間あたりの小当りの発生割合が通常状態よりも高い状態となっている。
なお、この実施の形態では、図13(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、大当りとなる場合であっても変動時間を5分と比較的長くすることによって、非KT状態中に不当に特殊入賞口24への入賞による賞球を狙う行為を防止するようにしている。ただし、大当りとなる場合には、小当りとなる場合と比較して第1保留記憶の消化を長くしなくてもよいので、小当りとなる場合よりも短い変動時間となるように構成している。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、低確率/第1KT状態である場合には、その低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図13(D)に示す低確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#04〜#06のいずれかに決定される。
なお、図13(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#04に決定される。また、低確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合には、小当りとしては比較的長めの7秒の変動時間である第2変動パターン#05(第2始動入賞口開放準備用の変動パターン)に決定される。この実施の形態では、既に説明したように、第1KT状態に制御される場合には、小当りの頻度が高くなるものの可変入賞球装置15の開放時間を長くすることによって実際には特殊可変入賞球装置22内の特殊入賞口24には滅多に入賞しないように設定されている。しかしながら、低確率/第1KT状態に移行した直後の状態では可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22の底面部材上にある程度の遊技球が溜まっている可能性があり、直ちに特殊可変入賞球装置22を開状態に制御してしまったのでは、相当数の遊技球が特殊入賞口24に入賞してしまう可能性がある。そこで、この実施の形態では、第1KT状態の1変動目では、少なくとも7秒の変動時間を確保することによって、第1KT状態に移行する前から可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22の底面部材上に溜まっている遊技球が全て落下するまでに十分な時間が経過してから特殊可変入賞球装置22を開状態に制御して特殊入賞口24への入賞を可能とすることにより、第1KT状態において想定以上の賞球が得られるような事態が生じることを防止している。また、低確率/第1KT状態の1変動目として大当りと決定する場合には第2変動パターン#06が決定されて、2分間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2〜49変動目の変動表示を実行する場合であれば、図13(E)に示す低確率/第1KT時且つ2〜49変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜49変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#07〜#13のいずれかに決定される。また、図13(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜49変動目としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#07や、変動時間が1秒とさらに短い短縮変動の第2変動パターン#08に決定される場合がある。一方で、低確率/第1KT状態の2〜49変動目としてはずれと決定する場合には、リーチを伴う第2変動パターン#09に決定される場合がある。また、低確率/第1KT状態の2〜49変動目として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#10や、変動時間が1秒とさらに短い短縮変動の第2変動パターン#11に決定される場合がある。一方で、低確率/第1KT状態の2〜49変動目として小当りと決定する場合には、リーチを伴う第2変動パターン#12に決定される場合がある。第2変動パターン#07,#10は第2保留記憶が記憶されていないときのみ選択され得る変動パターンであり、第2変動パターン#08,#11は第2保留記憶が1個以上記憶されているときのみ選択され得る変動パターンである。これにより、保留記憶の消化を早め稼働率を高める構成としている。また、低確率/第1KT状態の2〜49変動目として大当りと決定する場合には、リーチを伴う第2変動パターン#13に決定される。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから50変動目の変動表示(すなわち、低確率/第1KT状態における最終変動)を実行する場合であれば、図13(F)に示す低確率/第1KT時且つ50変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の50変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#14〜#16のいずれかに決定される。
この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御されている場合には、例えば、演出表示装置9において「チャンスタイム中」などの文字表示が表示される。図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の50変動目としてはずれや小当りと決定する場合には、演出表示装置9において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示を伴う第2変動パターン#14や第2変動パターン#15に決定される。また、図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の50変動目として大当りと決定する場合には、演出表示装置9において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示の後に所定の復活表示を伴う第2変動パターン#16に決定される。
なお、この実施の形態では、図12に示すように、KT状態中に第1特別図柄の変動表示で大当りとなった場合には、変動時間が10秒の第1変動パターン#07を決定するように構成されている。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、第1特別図柄の大当り変動の変動時間を長い変動時間としてしまうと、該第1特別図柄の大当り変動中に実行される第2特別図柄の変動は強制はずれとされる構成であるため、第2KT状態であるにもかかわらず強制はずれが頻発して遊技者が小当りによる利益を一切受けられないこととなる。そのため、この実施の形態では、第1特別図柄の大当り変動の変動時間を短い変動時間とすることにより、強制はずれが頻発する前に第1特別図柄の変動にもとづく大当り遊技状態に移行するように構成されている。
なお、本実施の形態とは異なり、第1特別図柄の大当り変動中に第2特別図柄の変動を開始した場合にも、該第2特別図柄の変動を強制はずれとしない構成(例えば、第1特別図柄の大当り図柄停止時に第2特別図柄の変動中であるときは、第2特別図柄を強制はずれとする構成)の遊技機であれば、KT状態中の第1特別図柄の大当りの変動時間を長い変動時間(例えば、1分)としてもよい。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、大当りの変動時間をはずれと同じ短い変動時間としてしまうと、遊技者が小当りによる利益を一切受けられなくなる。そのため、KT状態中の第1特別図柄の大当りの変動時間を長い変動時間(例えば、1分)とすれば、そのようなケースであっても、少なくとも複数回小当りが発生可能な十分な時間(例えば、1分)が確保されるように構成される。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第1KT状態である場合には、その高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや9R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図14(G)に示す高確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#17〜#21のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の1変動目と同様に、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合にも、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#17に決定される場合がある。一方で、高確率/第1KT状態の1変動目としてはずれと決定する場合にも、リーチを伴う第2変動パターン#18に決定される場合がある。また、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、第2始動入賞口開放準備用の変動パターン(第2変動パターン#19)に決定される場合がある。一方で、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、リーチを伴う第2変動パターン#20に決定される場合がある。また、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として大当りと決定する場合には、リーチを伴う第2変動パターン#21に決定される。
また、高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや9R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2変動目以降の変動表示を実行する場合であれば、図14(H)に示す高確率/第1KT時且つ2変動目以降用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#22〜#28のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の2〜49変動目と同様に、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降としてはずれと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#22や、変動時間が1秒とさらに短い短縮変動の第2変動パターン#23に決定される場合がある。一方で、高確率/第1KT状態の2変動目以降としてはずれと決定する場合には、リーチを伴う第2変動パターン#24に決定される場合がある。また、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#25や、変動時間が1秒とさらに短い短縮変動の第2変動パターン#26に決定される場合がある。一方で、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合には、リーチを伴う第2変動パターン#27に決定される場合がある。第2変動パターン#22,#25は第2保留記憶が記憶されていないときのみ選択され得る変動パターンであり、第2変動パターン#23,#26は第2保留記憶が1個以上記憶されているときのみ選択され得る変動パターンである。これにより、保留記憶の消化を早め稼働率を高める構成としている。また、高確率/第1KT状態の2変動目以降として大当りと決定する場合には、リーチを伴う第2変動パターン#28に決定される。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第2KT状態である場合には、図14(I)に示す高確率/第2KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#29〜#32のいずれかに決定される。
なお、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#25に決定される場合がある。一方で、高確率/第2KT状態においてはずれと決定する場合には、リーチを伴う第2変動パターン#30に決定される場合がある。また、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#31に決定される。また、高確率/第2KT状態において大当りと決定する場合には、リーチを伴う第2変動パターン#32に決定される。
なお、図13および図14に示す例では、第1KT状態の場合に5秒または1秒の短縮変動を実行し、第2KT状態の場合に1.5秒の短縮変動を実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率状態の場合に5秒または1秒の短縮変動を実行し、高確率状態の場合に1.5秒の短縮変動を実行するように構成してもよい。
次に、KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15は、KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを説明するための説明図である。このうち、図15(1)は、第1KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを示し、図15(2)は、第2KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを示している。
まず、図15(1)を用いて、第1KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15(1)に示すように、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aにて遊技球が検出されると、または普通始動入賞口17に遊技球が入賞して普通始動入賞口17aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器10にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図15(1)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図15(1)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間0.1秒を経過してから、可変入賞球装置15が5.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置15が開状態となっているときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図15(1)に示すように、特殊可変入賞球装置22が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能となる。しかしながら、第1KT状態では、図15(1)に示すように、下流側の特殊可変入賞球装置22の開放時間が0.8秒と短いのに対して、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が5.5秒と長い。従って、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態ではあるものの、特殊入賞口24に遊技球が入賞することは極めて稀である(例えば、100変動表示ごとに1球程度)。
なお、第1KT状態では、図15(1)に示すように、可変入賞球装置15の開放を終了した後、次の可変入賞球装置15の開放を行えるのは、次の普通図柄の変動時間0.2秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間0.1秒とを合計した少なくとも0.5秒を経過した後である。従って、この実施の形態では、第1KT状態では、可変入賞球装置15の開放した後のインターバル期間として少なくとも0.5秒の閉鎖期間が設けられていることになる。
また、本実施の形態では、第1KT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球がゲート32を通過した後、可変入賞球装置15が開放状態に制御されるのは、普通図柄の変動時間0.2秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間0.1秒とを合計した0.5秒を経過した後であるとともに、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの所要時間が約0.6秒であるよう構成されている。このように、第1KT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15が開放状態に制御されるまでの時間の方が、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球がゲート32を通過してから該遊技球が可変入賞球装置15に到達するまでの時間よりも短いため、可変入賞球装置15が既に開放状態に制御されているときに遊技球が該可変入賞球装置15に到達することとなる。従って、第1KT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態でゲート32を通過した遊技球は、可変入賞球装置15に入賞しやすくなっている。
次に、図15(2)を用いて、第2KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15(2)に示すように、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aにて遊技球が検出されると、または普通始動入賞口17に遊技球が入賞して普通始動入賞口17aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器10にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図15(2)に示すように、普通図柄の変動時間は1.0秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図15(2)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒を経過してから、可変入賞球装置15が0.2秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置15が開状態となっているときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図15(2)に示すように、特殊可変入賞球装置22が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能となる。
第2KT状態では、第1KT状態とは異なり可変入賞球装置15の開放時間が0.2秒と極めて短い。また、この実施の形態では、第2KT状態では、可変入賞球装置15の開放した後のインターバル期間(閉鎖期間)として少なくとも3.8秒(普通図柄の変動時間1.0秒+図柄確定時間0.2秒+第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒)という比較的長い期間が確保されている。従って、第2KT状態では、図15(2)に示すように、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が短いとともにインターバル期間(閉鎖期間)が長いので、第1KT状態と比較して下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が進入しやすく特殊入賞口24に遊技球が入賞しやすい。
また、本実施の形態では、第2KT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球がゲート32を通過した後、可変入賞球装置15が開放状態に制御されるのは、普通図柄の変動時間1.0秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間2.6秒とを合計した3.8秒を経過した後であるとともに、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの所要時間が約0.6秒であるよう構成されている。このように、第2KT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15が開放状態に制御されるまでの時間の方が、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球がゲート32を通過してから該遊技球が可変入賞球装置15に到達するまでの時間よりも長いため、可変入賞球装置15が開放状態に制御される前に遊技球が該可変入賞球装置15に到達することとなる。従って、第2KT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態でゲート32を通過した遊技球は、可変入賞球装置15に入賞しにくくなっている。
なお、この実施の形態では、普通図柄の変動表示を実行したり可変入賞球装置15を開放制御したりする処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)によって普通図柄プロセス処理(ステップS26C参照)が実行されることによって行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS26Cの普通図柄プロセス処理において、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態、第1KT状態または第2KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率(例えば、10%または100%)により普図当りとするか否かを決定する。
なお、この実施の形態では、第1KT状態と第2KT状態とで普通図柄の変動時間と図柄確定時間とはそれぞれ0.2秒ずつで同じであり、第2始動入賞口開放処理前時間が第1KT状態では0.1秒と短く第2KT状態では2.6秒と長くすることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態と第2KT状態とで変動時間や図柄確定時間を異ならせることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。また、例えば、可変入賞球装置15を閉鎖した後の第2始動入賞口開放処理後時間を制御可能に構成し、第1KT状態と第2KT状態とで第2始動入賞口開放処理後時間を異ならせることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。特に、上記のいずれかの方法により第1KT状態における可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)が短くなるように構成すれば、第1KT状態における特殊入賞口24への入賞を抑制することができる。
この実施の形態では、後述するように、第1KT状態では、高ベース状態であることを示す高ベースフラグをセットすることによって高ベース状態に制御することによって、図15(1)に示すように、可変入賞球装置15の開放時間が長くなるように制御している。また、第2KT状態では、高ベースフラグをセットせず低ベース状態に制御することによって、図15(2)に示すように、可変入賞球装置15の開放時間が短くなるように制御している。
なお、例えば、可変入賞球装置15の開放時間を延長することを示す特殊フラグ(開放延長フラグ)を設けるようにし、その特殊フラグがセットされていれば図15(1)に示すような可変入賞球装置15を長時間開放する第1開放パターン(ロング開放)で制御し、特殊フラグがセットされていなければ図15(2)に示す可変入賞球装置15を短時間開放する第2開放パターン(ショート開放)で制御するように構成してもよい。つまり、第1KT状態でのみ特殊フラグをセットし、大当り遊技状態を含む他の状態では、特殊フラグをセットしないように制御するように構成してもよい。
また、第1KT状態であっても、低確率/第1KT状態中の最後の変動表示を実行する場合には、可変入賞球装置15の開放時間を短くしてもよい。例えば、低確率/第1KT状態の50回の特別図柄の短縮変動期間のうち、49回目の特別図柄の変動停止に応じて、前述の特殊フラグを消去するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/第1KT状態の終了後に、左打ち報知を行うときに、可変入賞球装置15がロング開放していることに対して遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
なお、上記のように、可変入賞球装置15の開放制御用のフラグ(特殊フラグ)を用いて可変入賞球装置15を構成する場合、さらに、特別図柄の変動表示の短縮変動用のフラグを用いて特別図柄の変動表示を制御するようにしてもよく、この場合、特殊フラグと短縮変動用のフラグとを別々に管理して制御を行うように構成してもよい。
また、低確率/非KT状態中においては可変入賞球装置15をショート開放するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/非KT状態(左打ち状態)である場合に可変入賞球装置15の開放確率が高くなるように構成する場合には、遊技球を数個発射操作しただけでは可変入賞球装置15に入賞しないようすることができ、低確率/非KT状態中に右打ち操作が行われてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、図15に示すように、普通図柄の変動時間が0.2秒と短い時間に設定されている。これは、例えば、第1KT状態において比較的変動時間が長い第2特別図柄の変動表示が実行される場合に、普通図柄が変動停止中であり且つ普通図柄の保留記憶がない状態では可変入賞球装置15が閉鎖状態となっており、第2特別図柄の変動停止タイミングを狙った攻略が可能となってしまうためである(小当りとなった場合に、普通図柄の変動時間が長いとゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22に到達するまでに可変入賞球装置15が開放せず、特殊入賞口24の入賞が可能となってしまう)。これに対して、この実施の形態では、普通図柄の変動時間を短くすることにより、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達する前に可変入賞球装置15の開放が開始されるように設定されているので、第1KT状態において第2特別図柄の変動表示にもとづく小当り発生タイミングを狙った発射操作による攻略要素を排除することができる。
図16および図17は、演出制御用マイクロコンピュータ200に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図16に示す例において、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜8030(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ200は、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜8030(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)(はずれ指定コマンド))である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を16R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド(16R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を9R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド(9R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド(6R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド(6R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9006(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果6指定コマンド(2R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果7指定コマンド(2R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9008(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果8指定コマンド(小当り指定コマンド))である。
以下、表示結果1指定コマンド〜表示結果8指定コマンドを、表示結果指定コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は変動パターンコマンドの直前に表示結果指定コマンドを送信するので、演出制御用マイクロコンピュータ200が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定できるので、表示結果指定コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドと第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が表示結果指定コマンドを送信するのではなく、15R確変大当り/9R確変大当り/6R確変大当り/6R通常大当り/2R確変大当り/2R通常大当り/小当り/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ200は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド))である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド))である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。B004(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。B005(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB401(H)は、特殊入賞口24に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(特殊入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB402(H)は、普通始動入賞口17に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(普通始動口入賞指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドC801(H)は、非KT状態中にゲート32を遊技球が通過したことを指定する演出制御コマンド(ゲート通過1指定コマンド)である。コマンドC802(H)は、KT状態中にゲート32を遊技球が通過したことを指定する演出制御コマンド(ゲート通過2指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、以下、ゲート通過1指定コマンドとゲート通過2指定コマンドとを包括的にゲート通過指定コマンドと表現する場合もある。
なお、この実施の形態では、KT状態であるか否かに応じてゲート通過1指定コマンドまたはゲート通過2指定コマンドを送信する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、KT状態であるか否かを含めて状態に関係なく共通のゲート通過指定コマンドを送信するように構成してもよい。
コマンドD000(H)は、第1客待ち状態(第1特別図柄の変動が行われておらず、第1保留記憶が記憶されていない状態)であることを指定する演出制御コマンド(第1客待ちデモ表示指定コマンド)である。コマンドD001(H)は、第2客待ち状態(第2特別図柄の変動が行われておらず、第2保留記憶が記憶されていない状態)であることを指定する演出制御コマンド(第2客待ちデモ表示指定コマンド)である。なお、第1客待ちデモ表示指定コマンドは通常状態においてのみ送信され得るコマンドとしてもよい。また、第2客待ちデモ表示指定コマンドはKT状態においてのみ送信され得るコマンドとしてもよい。
コマンドE000(H)は、遊技状態が低確率/非KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/非KT背景指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が低確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、遊技状態が高確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE003(H)は、遊技状態が高確率/第2KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第2KT背景指定コマンド)である。
コマンドEE00(H)は、満タンエラー報知の表示を行うことを指定する演出制御コマンド(満タンエラー報知指定コマンド)である。コマンドEE01(H)は、満タンエラー報知の表示を解除することを指定する演出制御コマンド(満タンエラー解除指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図16および図17に示された内容に応じて第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示状態や背景図柄表示部9cの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図16および図17に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板31から演出制御基板80に送信される。
図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置20を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。その後、CPU56は、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S308の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。第1大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1ゲート通過待ち処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1ゲート通過待ち処理では、ゲート32への遊技球の通過を待機する制御を行う。ゲート32への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では5)に更新する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置20を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置20に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や特別可変入賞球装置20の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ23aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置20の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS308):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、高ベースフラグ、KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図19は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま第1始動口スイッチ通過処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図20参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ソフトウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム5)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム5)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する第1変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム5)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図20は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図20に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン決定用乱数(ランダム5)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、さらに、第1有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS216)。
図21は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技(特別可変入賞球装置20を所定回開放)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS51A)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0であれば、第1客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する(ステップS52A)。
第1保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53A)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54A)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。なお、本例では、第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値と、第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値とが抽出された順番についても特定可能に保存される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する(ステップS55A)。具体的に、確変フラグおよび高ベースフラグがオフである場合には低確率/非KT状態であると判定して低確/非KT背景指定コマンドを、確変フラグがオフで高ベースフラグがオンである場合には低確率/第1KT状態であると判定して低確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンおよび高ベースフラグがオンである場合には高確率/第1KT状態であると判定して高確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで高ベースフラグがオフである場合には高確率/第2KT状態であると判定して高確/第2KT背景指定コマンドを、送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS56A)。具体的に、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされている場合には第2特別図柄の大当り変動中であると判定する。第2特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS57A以降の処理を行うことなくステップS66Aへ移行する。これにより、第2特別図柄の大当り変動中に第1特別図柄の変動を開始する場合には、大当り判定値が記憶されているか否かにかかわらず強制的にはずれとする構成になっている。
なお、強制的にはずれとする方法については、上述したものに限られない。例えばステップS56Aにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、大当り判定用乱数(ランダム1)としてはずれの乱数値(固定値)を設定する処理を行い、ステップS58Aへ移行することにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
また、大当り判定とは別に、小当りとするか否かを決定するための小当り判定を行う遊技機では、ステップS56Aにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、ステップS57A〜S62Aの処理を行わずに、小当り判定用乱数(大当り判定用乱数と共通の乱数であってもよいし、全く異なる乱数であってもよい)としてはずれの乱数値(固定値)を設定して小当り判定を行うことにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
第2特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS57A)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS58A)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS59A)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグをセットする(ステップS60A)。そして、ランダム2にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、および6R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS61A)、大当り種別を記憶し(ステップS62A)、ステップS66Aへ移行する。また、ステップS59Aにおいて大当りとしない場合(すなわち、はずれとする場合)、ステップS66Aへ移行する。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合には、無条件に全てはずれと決定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合にも、低い確率で小当りと決定する場合があるように構成してもよい。
そして、ステップS66Aにおいて、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS66A)。なお、図示は省略したが、ステップS66Aの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS58Aでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
図22は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、KT状態であることを示すKTフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1700)。KTフラグがセットされていなければ(すなわち、KT状態でなければ)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターンを決定するための変動パターンテーブルとして、図12(A)に示す非KT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルを選択する(ステップS1701)。KTフラグがセットされていれば(すなわち、KT状態であれば)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターンを決定するための変動パターンテーブルとして、図12(B)に示すKT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルを選択する(ステップS1702)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1701,S1702にて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム5)とにもとづいて、図12に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS1703)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。また、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS1704)。
また、ステップS1703にて第1特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1変動時間タイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS1705)、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS1706)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する(ステップS1707)
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、大当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド、表示結果2指定コマンド、表示結果4指定コマンド、表示結果5指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う。
図23は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS1121A)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1122A)、演出制御用マイクロコンピュータ200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1123A)。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1124A)。
第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU56は、第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示しているか否かを確認する(ステップS1125A)。なお、第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示しているか否かは、例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄停止処理に対応した値となっているとともに、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示していれば、CPU56は、ステップS1123Aに移行して演出制御用マイクロコンピュータ200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1123A)とともに、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1124A)。
ステップS1125A〜S1125Aの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の変動表示が大当りとなれば、第1特別図柄の変動表示は強制的に停止され、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当りが発生する事態が生じないようにしている。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ200側では、第1特別図柄の変動表示が強制はずれとされた場合には、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の停止表示を停止するとともに、ステップS302で送信された表示結果1指定コマンドにもとづいて、第1飾り図柄の変動表示結果として強制的にはずれ図柄を停止表示するように制御する。
なお、この実施の形態では、図18に示す第1特別図柄プロセス処理および図29に示す第2特別図柄プロセス処理において、タイマ割込ごとに、それぞれ第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312参照)および第2始動口スイッチ通過処理(ステップS322参照)が実行されるので、第1特別図柄または第2特別図柄の大当り図柄の停止表示中であっても、新たな始動入賞が発生した場合には新たな保留記憶を記憶するように構成されている。
第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示していなければ(ステップS1125AのN)、そのまま処理を終了する。
図24は、第1特別図柄停止処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、まず、CPU56は、高ベース状態の残余回数を示す高ベース回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS2010)、「0」である場合、ステップS2016へ移行する。高ベース回数カウンタの値が「0」でない場合、すなわち、低確率/第1KT状態である場合、CPU56は、高ベース回数カウンタの値を「1」減算し(ステップS2011)、「0」になったか否かを判定する(ステップS2012)。高ベース回数カウンタの値が「0」にならない場合、ステップS2016へ移行する。高ベース回数カウンタの値が「0」になった場合、CPU56は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグをリセットする(ステップS2013)とともに、KT状態であることを示すKTフラグをリセットする(ステップS2015)。
この実施の形態では、後述するように、高ベースフラグがセットされて高ベース状態における変動表示の実行回数が管理されるのは、6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技の終了時に低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に制御され50回の変動表示が実行される場合である。低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)である場合には、50回目の変動表示を終了すると、ステップS2012でYと判定されてステップS2013で高ベースフラグがリセットされるとともに、ステップS2015でKTフラグもリセットされ、低確率/低ベース状態(通常状態(非KT状態))に移行することになる。
ステップS2016において、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2016)。第1大当りフラグがセットされている場合、CPU56は、セットされていれば、確変フラグ、高ベースフラグ、KTフラグ高ベース回数カウンタをリセットする(ステップS2021)。
次いで、CPU56は、大入賞口開放前タイマを設定し(ステップS2022)、大当り種別に応じたラウンド1用開放パターンデータをセットし(ステップS2023)、大当りのラウンド数を示すラウンド数カウンタに「1」をセットし(ステップS2024)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1ゲート通過待ち処理に対応した値に設定する(ステップS2025)。
第1大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS2016のN)、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理に対応した値に設定する(ステップS2026)。
なお、詳細については後述するが、大当り図柄を停止表示したときに、遊技者に対して遊技領域7の右方に遊技球を発射操作することを促す右打ち報知を実行可能に構成されている。また、大当り図柄を停止表示したときに、右打ち報知として、遊技者に対してゲート32を狙って遊技球を発射操作することを促す発射促進報知を実行可能に構成されている。
また、逆に、通常状態(低確率/非KT状態)でゲート32や普通始動入賞口17での遊技球の通過を検出した場合には、認識度合いが低い態様(例えば、小音量の音出力や小画面表示)により、遊技者に対して遊技領域7の左方に遊技球を発射操作することを促す左打ち報知を行うように構成してもよい。一方で、通常状態(低確率/非KT状態)で第2始動入賞口14や特殊入賞口24への遊技球の入賞を検出した場合には、認識度合いが高い態様(例えば、大音量の音出力や大画面表示)により左打ち報知を行うように構成してもよい。そのように構成すれば、的確に発射報知を行うことができる。特に、上記の構成により、偶発的に遊技領域7の右方に遊技球を発射操作した遊技者に対しては、遊技機の周囲への認識度合いが低い態様により軽度な左打ち報知を行う一方で、右打ち操作を意図的に行う遊技者に対しては、遊技機の周囲への認識度合いが高い態様により左打ち報知を行うように構成してもよい。そのように構成すれば、意図的に右打ち操作を行う遊技者に対して、遊技店の店員から左打ち操作に戻すように促すことができる。
また、上記の場合に、ゲート32や普通始動入賞口17、第2始動入賞口14、特殊入賞口24での遊技球の検出数が一定数に達した場合に左打ち報知を行うように構成してもよい。また、ゲート32や普通始動入賞口17では所定期間内(例えば、1分間)に複数回(例えば、5回)遊技球を検知した場合に左打ち報知を行い、第2始動入賞口14や特殊入賞口24では所定数よりも少ない特定数(例えば、1個)以上遊技球を検出した場合に左打ち報知を行うように構成してもよい。
また、例えば、ゲート32や普通始動入賞口17での遊技球の検出では外部信号の出力を行わない一方で、第2始動入賞口14や特殊入賞口24での遊技球の検出では外部信号の出力を行うように構成してもよい。
なお、本実施の形態では特定の条件が満たされたときにデモ表示を行うものであるが、通常状態においてデモ表示を行っているときにゲート32、普通始動入賞口17、第2始動入賞口14または特殊入賞口24への遊技球の入賞を検出した場合には、実行していたデモ表示の実行を終了して左打ち報知を行うものであってもよい。
図25は、特別図柄プロセス処理における第1ゲート通過待ち処理(ステップS305)を示すフローチャートである。第1ゲート通過待ち処理において、CPU56は、ゲートスイッチ32aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2501)。ゲートスイッチ32aからの検出信号を入力していなければ、そのまま処理を終了する。ゲートスイッチ32aからの検出信号を入力していれば、CPU56は、第1大当り開始指定コマンドを送信し(ステップS2502)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理に対応した値に設定する(ステップS2503)。
この実施の形態では、第1ゲート通過待ち処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示結果として大当り図柄が導出表示されると直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、ゲート32を遊技球が通過し、ゲートスイッチ32aで検出されたことを条件として、大当り遊技に移行するように構成されている。
図26は、特別図柄プロセス処理における第1大入賞口開放前処理(ステップS306)を示すフローチャートである。第1大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放前タイマの値を−1する(ステップS1401)。なお、ラウンド1の開始前である場合には、ステップS1401の処理が実行されることによって、第1特別図柄停止処理のステップS2022でセットした大入賞口開放前タイマの値が計測されることにより、ラウンド1の開始前の大当り表示時間(ファンファーレ期間)が計測されることになる。また、ラウンド1以降である場合には、ステップS1401の処理が実行されることによって、大入賞口開放中処理でセットした大入賞口開放前タイマの値が計測されることにより、各ラウンド後(最終ラウンド後を除く)のインターバル期間が計測されることになる。
なお、この実施の形態では、大当り表示時間(ファンファーレ期間)とインターバル期間とを共通の時間計測タイマを用いて計測する場合を示しているが、大当り表示時間(ファンファーレ期間)とインターバル期間とを別々のタイマを用いて時間を計測するように構成してもよい。
次いで、CPU56は、大入賞口開放前タイマがタイムアウト(時間計測タイマの値が0)したら(ステップS1411)、CPU56は、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータに現在のラウンド数をセットして、演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS1412)。
次いで、CPU56は、大入賞口への遊技球の入賞数をカウントするための入賞個数カウンタを初期化する(ステップS1413)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
次いで、CPU56は、大入賞口を開放状態に制御する(ステップS1414)。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置20を開放状態にする。
次いで、CPU56は、大当り種別および開始するラウンドに応じた開放時間を、大入賞口の開放時間を計測するための開放時間タイマにセットする(ステップS1415)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS1416)。
図27および図28は、特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS308)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2200A)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2204Aに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1大当りフラグをリセットし(ステップS2201A)、第1大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2202A)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2203A)、処理を終了する。
ステップS2204Aでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS2204A)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2205A)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2205AのY)、CPU56は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2206A)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS62Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2207A)とともに、KT状態であることを示すKTフラグをセットしてKT状態に移行する(ステップS2208A)。そして、ステップS2223Aに移行する。なお、16R確変大当りであった場合には、高ベースフラグのセットは行われないので、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に制御されることになる。
16R確変大当りでなければ、CPU56は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2209A)。なお、6R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS62Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2212A)とともに、高ベースフラグをセットして高ベース状態に移行し(ステップS2213A)、さらにKTフラグをセットしてKT状態に移行する(ステップS2214A)。そして、ステップS2223Aに移行する。従って、6R確変大当りであった場合には、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に制御されることになる。
なお、6R確変大当りである場合には、高ベースフラグをセットするだけで高ベース回数カウンタのセットは行わない。この場合、高ベース回数カウンタは大当り遊技を開始するときに0にリセットされているので(第1特別図柄停止処理のステップS2021参照)、高ベース回数カウンタの値は0のままである。従って、6R確変大当りにもとづく大当り遊技の終了後は、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に制御され、その後の変動表示において高ベース回数カウンタの値が0であることから、第1特別図柄停止処理のステップS2010でYと判定されてステップS2011の高ベース回数カウンタの減算処理は行われない。そして、次回の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)が維持されることになる。
6R確変大当りでもなければ(すなわち、6R通常大当りであれば)、CPU56は、高ベースフラグをセットして高ベース状態に移行する(ステップS2219A)とともに、KTフラグをセットしてKT状態に移行する(ステップS2220A)。また、CPU56は、高ベース回数カウンタに「50」をセットする(ステップS2221A)。そして、ステップS2223Aに移行する。従って、6R通常大当りであった場合には、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に制御されることになる。
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS2223A)。
図29は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器8b、特別可変入賞球装置20、および特殊可変入賞球装置22を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。なお、図19に示した第1始動口スイッチ通過処理の「第1」を「第2」と読み替えれば、第2始動口スイッチ通過処理が説明されることになる。その後、CPU56は、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS350〜S361のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS350〜S361の処理は、以下のような処理である。
第2特別図柄通常処理(ステップS350):第2特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第2大当りフラグをセットする。また、大当りとしない場合には、第2特別図柄の可変表示の表示結果を小当りとするか否かを決定する。小当りとする場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS351に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第2大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。また、小当りフラグは、小当り遊技が終了するときにリセットされる。
第2変動パターン設定処理(ステップS351):第2特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS352に対応した値(この例では2)に更新する。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS352):第2特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS353に対応した値(この例では3)に更新する。
第2特別図柄変動中処理(ステップS353):第2特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第2変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS351でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
第2特別図柄停止処理(ステップS354):第2特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第2大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS355に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS359に対応した値(この例では9)に更新する。第2大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合(はずれとした場合(強制はずれとしば場合を含む))には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS350に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS355):第2特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第2ゲート通過待ち処理では、ゲート32への遊技球の通過を待機する制御を行う。ゲート32への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS356に対応した値(この例では6)に更新する。
第2大入賞口開放前処理(ステップS356):第2特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。第2大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置20を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置20に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS357に対応した値(この例では7)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第2大入賞口開放中処理(ステップS357):第2特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や特別可変入賞球装置20の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ23aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置20の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS356に対応した値(この例では6)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS358に対応した値(この例では8)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS358):第2特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、高ベースフラグ、KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
第2小当り開放前処理(ステップS359):第2特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。第2小当り開放前処理では、特殊可変入賞球装置22を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特殊入賞口24に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド106を駆動して特殊可変入賞球装置22を開放制御にする。また、タイマによって第2小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS360に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。なお、第2小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第2小当り開放中処理(ステップS360):第2特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。特殊可変入賞球装置22の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22の開放時間0.8秒(図15参照)が経過すると閉成条件が成立する。また、特殊入賞口に遊技球が入賞し、第2カウントスイッチ25aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して特殊入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。また、閉成条件が成立した場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS361に対応した値(この例では11(10進数))に更新する。
第2小当り終了処理(ステップS361):第2特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図30は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(ステップS350)を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理が実行される状態は、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS350を示す値となっている場合である。なお、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS350を示す値となっている場合とは、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技(特別可変入賞球装置20を所定回開放)中でも小当り遊技中(特殊可変入賞球装置22を開放)中でもない場合である。
第2特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS51B)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第2保留記憶数が0であれば、第2客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する(ステップS52B)。
第2保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第2乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53B)、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54B)。すなわち、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する(ステップS55B)。なお、具体的な背景指定コマンドの送信の仕方は、第1特別図柄通常処理のステップS55Aで示した処理と同様である。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS56B)。具体的に、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグがセットされている場合には第1特別図柄の大当り変動中であると判定する。第1特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS57B以降の処理を行うことなくステップS66Bへ移行する。これにより、第1特別図柄の大当り変動中に第2特別図柄の変動を開始する場合には、大当り判定値が記憶されているか否かにかかわらず強制的にはずれとする構成になっている。
なお、強制的にはずれとする方法については、上述したものに限られない。例えばステップS56Bにて第1特別図柄の大当り変動中である場合に、大当り判定用乱数(ランダム1)としてはずれの乱数値(固定値)を設定する処理を行い、ステップS58Bへ移行することにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
また、ステップS56Bにて第1特別図柄の大当り変動中である場合に、ステップS57B〜S62Bの処理を行わずに、小当り判定用乱数(大当り判定用乱数と共通の乱数であってもよいし、全く異なる乱数であってもよい)としてはずれの乱数値(固定値)を設定して小当り判定を行うことにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
第1特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS57B)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS58B)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS59B)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグをセットする(ステップS60B)。そして、ランダム2にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、9R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS61B)、大当り種別を記憶し(ステップS62B)、ステップS66Bへ移行する。
また、ステップS59Bにおいて大当りとしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当り判定モジュールを実行する(ステップS63B)。小当り判定モジュールは、大当り判定用乱数(小当り判定用の乱数でもよい)が、あらかじめ決められている小当り判定値と一致したら小当りとすることに決定するプログラムである。小当りとすることに決定した場合には(ステップS64B)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて小当りとなることを示す小当りフラグをセットする(ステップS65B)。そして、ステップS66Bへ移行する。
そして、ステップS66Bにおいて、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS66B)。なお、図示は省略したが、ステップS66Bの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS58Bでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
第2変動パターン設定処理(ステップS351)は、図22に示した第1変動パターン設定処理(ステップS301)と同様である。すなわち、図22に示す第1変動パターン設定処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2変動パターン処理が説明されたことになる。ただし、第2変動パターン設定処理では、CPU56は、まず、ステップS1700と同様の処理を行い、KTフラグがセットされているか否かを確認する。KTフラグがセットされていなければ(すなわち、KT状態でなければ)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動パターンを決定するための変動パターンテーブルとして、図13(C)に示す非KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルを選択する。KTフラグがセットされていれば(すなわち、KT状態であれば)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変フラグおよび高ベースフラグがセットされているか否かや、変動回数に応じて、変動パターンを決定するための変動パターンテーブルとして、図13(D)〜図14(I)に示すいずれかのKT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルを選択する。例えば、確変フラグがオフで高ベースフラグがオンであれば(低確率/第1KT状態であれば)、1変動目であれば図13(D)に示す第2特別図柄用変動パターンテーブルを選択し、2〜49変動目であれば図13(E)に示す第2特別図柄用変動パターンテーブルを選択し、50変動目であれば図13(F)に示す第2特別図柄用変動パターンテーブルを選択する。また、例えば、確変フラグおよび高ベースフラグの両方がオンであれば(高確率/第1KT状態であれば)、1変動目であれば図14(G)に示す第2特別図柄用変動パターンテーブルを選択し、2変動目以降であれば図14(H)に示す第2特別図柄用変動パターンテーブルを選択する。また、例えば、確変フラグがオンで高ベースフラグがオフであれば(高確率/第2KT状態であれば)、図14(I)に示す第2特別図柄用変動パターンテーブルを選択する。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS352)では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、大当りとするか小当りとするかの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド、表示結果6指定コマンド〜表示結果8指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う。
第2特別図柄変動中処理(ステップS353)は、図23に示した第1特別図柄変動中処理(ステップS303)と同様である。すなわち、図23に示す第1特別図柄変動中処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2特別図柄変動中処理が説明されたことになる。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS355)は、図25に示した第1ゲート通過待ち処理(ステップS305)と同様である。すなわち、図25に示す第1ゲート通過待ち処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2ゲート通過待ち処理が説明されたことになる。
第2大入賞口開放前処理(ステップS356)は、図26に示した第1大入賞口開放前処理(ステップS305)と同様である。すなわち、図26に示す第1大入賞口開放前処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2大入賞口開放前処理が説明されたことになる。
図31および図32は、特別図柄プロセス処理における第2大当り終了処理(ステップS358)を示すフローチャートである。第2大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2200B)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2204Bに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第2大当りフラグをリセットし(ステップS2201B)、第2大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2202B)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2203B)、処理を終了する。
ステップS2204Bでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS2204B)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2205B)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2205BのY)、CPU56は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2206B)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS62Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2207B)とともに、KTフラグをセットしてKT状態に移行する(ステップS2208B)。そして、ステップS2223Bに移行する。なお、16R確変大当りまたは2R確変大当りであった場合には、高ベースフラグのセットは行われないので、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に制御されることになる。
16R確変大当りでなければ、CPU56は、今回終了した大当りの種別が9R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2209B)。なお、9R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS62Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。9R確変大当りまたは2R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2212B)とともに、高ベースフラグをセットして高ベース状態に移行し(ステップS2213B)、さらにKTフラグをセットしてKT状態に移行する(ステップS2214B)。そして、ステップS2223Bに移行する。従って、9R確変大当りまたは2R確変大当りであった場合には、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に制御されることになる。
なお、9R確変大当りまたは2R確変大当りである場合には、高ベースフラグをセットするだけで高ベース回数カウンタのセットは行わない。この場合、高ベース回数カウンタは大当り遊技を開始するときに0にリセットされているので(第2特別図柄停止処理でステップS2021と同様の処理が実行される)、高ベース回数カウンタの値は0のままである。従って、9R確変大当りまたは2R確変大当りにもとづく大当り遊技の終了後は、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に制御され、その後の変動表示において高ベース回数カウンタの値が0であることから、第2特別図柄停止処理でステップS2010と同様の処理でYと判定されてステップS2011と同様の処理の高ベース回数カウンタの減算処理は行われない。そして、次回の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)が維持されることになる。
9R確変大当りおよび2R確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、2R通常大当りであれば)、CPU56は、高ベースフラグをセットして高ベース状態に移行する(ステップS2219B)とともに、KTフラグをセットしてKT状態に移行する(ステップS2220B)。また、CPU56は、高ベース回数カウンタに「50」をセットする(ステップS2221B)。そして、ステップS2223Bに移行する。従って、2R通常大当りであった場合には、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に制御されることになる。
そして、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄通常処理(ステップS350)に対応した値に更新する(ステップS2223B)。
ここで、この実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。図33は、この実施の形態における遊技状態の遷移の仕方を説明するための説明図である。まず、この実施の形態では、低確率/低ベース状態(通常状態(非KT状態))では、遊技者は遊技領域7の左方を狙って遊技球の発射操作(左打ち)を行う。そのため、通常状態では、主として第1始動入賞口13への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。また、主として第1特別図柄の変動表示が実行されることから、低確率/低ベース状態において大当りが発生した場合には、主として16R確変大当り、6R確変大当り、または6R通常大当りが発生する。
図33に示すように、低確率/低ベース状態において16R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される(ステップS2206A〜S2208A参照)。また、低確率/低ベース状態において6R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持される(ステップS2209A、S2212A〜S2214A参照)。また、低確率/低ベース状態において6R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される(ステップS2219A〜S2221A参照)。
KT状態(高確率/高ベース状態、低確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)に移行した後である場合には、この実施の形態では、遊技者は遊技領域7の右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行う。そのため、KT状態では、主として第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。また、主として第2特別図柄の変動表示が実行されることから、KT状態において大当りが発生した場合には、主として16R確変大当り、9R確変大当り、2R確変大当り、または2R通常大当りが発生する。
図33に示すように、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)において16R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される(ステップS2206B〜S2208B参照)。また、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)において9R確変大当りまたは2R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持される(ステップS2209B、S2212B〜S2214B参照)。なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、9R確変大当りまたは2R確変大当りとなる確率が合計で55%であるので(図11参照)、一旦高確率/高ベース状態となると55%の割合で高確率/高ベース状態がループすることになる。また、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)において2R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される(ステップS2219B〜S2221B参照)。
図33に示すように、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)において16R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される(ステップS2206B〜S2208B参照)。また、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)において9R確変大当りまたは2R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持される(ステップS2209B、S2212B〜S2214B参照)。また、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)において2R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される(ステップS2219B〜S2221B参照)。なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、2R通常大当りとなる確率が35%であるので(図11参照)、一旦低確率/高ベース状態となると35%の割合で低確率/高ベース状態がループすることになる。なお、6R通常大当りや2R通常大当りが発生して低確率/高ベース状態となった後、次の大当りが発生することなく、50回の変動表示が終了した場合には、図33に示すように、低確率/低ベース状態(通常状態(非KT状態))に移行する(ステップS2010〜S2015参照)。
図33に示すように、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)において16R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/低ベース状態が維持される(ステップS2206B〜S2208B参照)。なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、16R確変大当りとなる確率が10%であるので(図11参照)、一旦高確率/低ベース状態となると10%の割合で高確率/低ベース状態がループすることになる。また、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)において9R確変大当りまたは2R確変大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するまで高確率/高ベース状態が維持される(ステップS2209B、S2212B〜S2214B参照)。また、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)において2R通常大当りが発生した場合には、その大当り遊技の終了後に低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持される(ステップS2219B〜S2221B参照)。
なお、図33では、低確率/低ベース状態(通常状態(非KT状態))では第1特別図柄の変動表示が実行される場合について説明したが、低い割合で第2特別図柄の変動表示が実行される可能性もありうる。この場合、16R確変大当りが発生した場合には、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行することになる。また、9R確変大当りまたは2R確変大当りが発生した場合には、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行することになる。また、2R通常大当りが発生した場合には、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持されることになる。
また、図33では、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)では第2特別図柄の変動表示が実行される場合について説明したが、低い割合で第1特別図柄の変動表示が実行される可能性もありうる。この場合、16R確変大当りが発生した場合には、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行することになる。また、6R確変大当りが発生した場合には、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行することになる。また、6R通常大当りが発生した場合には、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持されることになる。
また、図33では、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)では第2特別図柄の変動表示が実行される場合について説明したが、低い割合で第1特別図柄の変動表示が実行される可能性もありうる。この場合、16R確変大当りが発生した場合には、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行することになる。また、6R確変大当りが発生した場合には、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行することになる。また、6R通常大当りが発生した場合には、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持されることになる。
また、図33では、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)では第2特別図柄の変動表示が実行される場合について説明したが、低い割合で第1特別図柄の変動表示が実行される可能性もありうる。この場合、16R確変大当りが発生した場合には、高確率/低ベース状態(高確率/第2KT状態)に移行することになる。また、6R確変大当りが発生した場合には、高確率/高ベース状態(高確率/第1KT状態)に移行することになる。また、6R通常大当りが発生した場合には、低確率/高ベース状態(低確率/第1KT状態)に移行し、次の大当りが発生するか50回の変動表示を終了するまで低確率/高ベース状態が維持されることになる。
図34は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS36)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否か(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否か(すなわち、特別図柄停止処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ200側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS36)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS29)について説明する。図35は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS5111)、KTフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5112)。KTフラグがセットされていなければ(すなわち、非KT状態であれば)、CPU56は、ゲート通過1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う(ステップS5113)。KTフラグがセットされていれば(すなわち、KT状態であれば)、CPU56は、ゲート通過2指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う(ステップS5114)。そして、CPU56は、ゲート/普通始動口スイッチ通過処理(ステップS5112)を実行する。
ゲートスイッチ32aがオン状態となっていなければ、CPU56は、普通始動入賞口17に遊技球が入賞して普通始動口スイッチ17aがオン状態となったか否かを確認する(ステップS5115)。普通始動口スイッチ17aがオン状態となったことを検出すると、CPU56は、普通始動口入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う(ステップS5116)。そして、CPU56は、ゲート/普通始動口スイッチ通過処理(ステップS5112)を実行する。
この実施の形態では、ステップS5111〜S5114の処理が実行されることによって、ゲート32への遊技球の通過を検出した場合には、KT状態であるか否かに応じてゲート通過1指定コマンドまたはゲート通過2指定コマンドが送信される。なお、この実施の形態では、ゲート32は兼用ゲートとして構成され作動領域の役割も担っているのであるが、大当り図柄を停止表示した後大当り遊技を開始する前のゲート通過待ち状態であるか否かには関係なく(KT状態中であるか否かのみにもとづいて)、ゲート通過1指定コマンドまたはゲート通過2指定コマンドが送信される。
そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS5100〜S5104に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
なお、この実施の形態では、ゲート通過待ち状態であるか否かに関係なく、ステップS5111でゲート32への遊技球の通過を検出した場合にはステップS5117のゲート/普通始動口スイッチ通過処理が実行されて普通図柄の変動表示が実行されるのであるが、そのような態様にかぎられない。例えば、ゲート通過待ち状態でないときにゲート32を遊技球が通過した場合にのみ普通図柄の変動表示を実行するようにし、ゲート通過待ち状態ではゲート32を遊技球が通過しても普通図柄の変動表示を実行しないように構成してもよい。
また、この実施の形態では、ゲート32は普通始動領域と作動領域との兼用ゲートとして用いられているのであるが、タイマ割込処理内において特別図柄プロセス処理(ステップS26A,S26B参照)は普通図柄プロセス処理(ステップS26C参照)よりも先に実行されるので、作動領域としてのゲート32の遊技球の通過の検出処理を行った後に普通始動領域としてのゲート32の遊技球の通過の検出処理が行われる。そのため、大当り遊技の開始のための処理を早く実行することができる。
ゲート/普通始動口スイッチ通過処理(ステップS5117):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタ(ゲート32を通過した遊技球数および普通始動入賞口17に入賞した遊技球数をカウントするためのカウンタ)のカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS5100):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS5101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS5101):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS5102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS5102):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS5100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物開放前時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(ステップS5103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物開放前処理(ステップS5103):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせ、可変入賞球装置15の開放を開始する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS5104)を示す値(具体的には「4」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS5104):CPU56は、普通図柄プロセスタイマを計測し、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、可変入賞球装置15を閉鎖する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS5100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図36は、普通図柄通常処理(ステップS5100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS5121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS5121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS5121のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出す(ステップS5122)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS5123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、普通図柄当りとするか否かを決定するための普通図柄判定テーブルを用いて、乱数(普通図柄当り判定用乱数値)にもとづく抽選処理を行い、普通図柄当りとするか否かを決定する(ステップS5127)。なお、この実施の形態では、ステップS5127において、CPU56は、確変状態であるか否かや、KT状態であるか否か、高ベース状態であるか否かに関係なく、一律に10/11の確率で普通図柄当りとすることに決定する。
ステップS5127において、読み出した普通図柄当り判定用乱数値が当りの範囲内である場合(当りである場合)、CPU56は、表示結果として当り図柄を設定し(ステップS5128)、ステップS5130へ移行する。また、ステップS5127において、読み出した普通図柄当り判定用乱数値が当りの範囲内でない場合(はずれである場合)、CPU56は表示結果としてはずれ図柄を設定し(ステップS5129)、ステップS5130へ移行する。
ステップS5130において、CPU56は、高ベースフラグがセットされていれば、普通図柄変動時間として0.2秒を普通図柄プロセスタイマにセットする(ステップS5130のY,S5131)。また、高ベースフラグがセットされていなければ、すなわち通常状態または第2KT状態であれば、普通図柄変動時間として1.0秒を普通図柄プロセスタイマにセットする(ステップS5130のN,S5132)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS5101)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS5133)。
図37は、普通図柄変動処理(ステップS5101)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS5141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS5141のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS5144)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS5141のY)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間として0.2秒に相当する値をセットする(ステップS5142)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS5102)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS5143)。
図38は、普通図柄停止処理(ステップS5102)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS3701)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS3702)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS3702のN)、そのまま処理を終了する。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS3702のY)、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(ステップS5127にて当りと判定されたかどうか)を確認する(ステップS3703)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、例えば、ステップS5127にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(ステップS3703のN)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS5100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS3708)。
ステップS3703において、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(ステップS3703のY)、CPU56は、高ベースフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3704)、セットされている場合、すなわち、第1KT状態である場合には、普通電動役物開放前時間として0.1秒を普通図柄プロセスタイマにセットする(ステップS3706)。また、高ベースフラグがセットされていない場合、すなわち、通常状態または第2KT状態である場合には、普通電動役物開放前時間として2.6秒を普通図柄プロセスタイマにセットする(ステップS3705)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、普通電動役物開放前処理(ステップS5103)に対応した値(具体的には「3」)に更新する(ステップS3707)
図39は、普通電動役物開放前処理(ステップS5103)を示すフローチャートである。普通電動役物開放前処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS3801)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS3802)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS3802のN)、そのまま処理を終了する。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通電動役物開放前時間が経過したときは(ステップS3802のY)、CPU56は、高ベースフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3803)、セットされている場合、すなわち、第1KT状態である場合には、普通電動役物開放時間として5.5秒を普通図柄プロセスタイマにセットする(ステップS625)。また、高ベースフラグがセットされていない場合、すなわち、通常状態または第2KT状態である場合には、普通電動役物開放時間として0.2秒を普通図柄プロセスタイマにセットする(ステップS624)。
このように、本実施の形態では、第1KT状態では普通電動役物開放時間として5.5秒をセットするとともに、通常状態または第2KT状態では普通電動役物開放時間として0.2秒をセットすることにより、第1KT状態は通常状態または第2KT状態よりも第2始動入賞口14に始動入賞しやすい状態としている。したがって、第1KT状態は通常状態または第2KT状態よりも、可変入賞球装置15の下流に設けられている特殊可変入賞球装置22に遊技球が達しにくく構成されている。
なお、遊技状態が第1KT状態である場合に第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなるようにする制御の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第1KT状態である場合には、通常状態または第2KT状態である場合と比較して、可変入賞球装置15を多くの回数開放する(例えば、通常状態または第2KT状態では可変入賞球装置15の開放回数として1回をセットするのに対して、第1KT状態では可変入賞球装置15の開放回数として2回をセットする)ように制御してもよい。そのようにすれば、第1KT状態である場合には、可変入賞球装置15の開放回数を多くすることによって、第2始動入賞口14に始動入賞しやすくすることができる。
また、例えば、第1KT状態である場合には、通常状態または第2KT状態である場合と比較して、上記に示した可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御と、可変入賞球装置15の開放回数を多くする制御とを組み合わせて実行してもよい。
次いで、CPU56は、可変入賞球装置15を開放状態に制御する(ステップS3806)。具体的には、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置15を開状態にする。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、普通電動役物作動処理(ステップS5104)に対応した値(具体的には「4」)に更新する(ステップS3807)。
図40は、普通電動役物作動処理(ステップS5104)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS3901)。そして、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS3902)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS3901のN)、そのまま処理を終了する。
ステップS3902において、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたときは(ステップS3902のY)、CPU56は、可変入賞球装置15を閉鎖状態に制御する(ステップS3911)。具体的には、ソレノイド16の駆動を停止して可変入賞球装置15を閉鎖状態にする。
そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS5100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS3912)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図41は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU201は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU201は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU201は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU201は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU201は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU201は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部9bの表示制御を実行する。さらに、背景図柄表示部9cの表示状態の制御を行う背景図柄プロセス処理を実行する(ステップS706)。また、図柄保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS707)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
図42は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図16および図17参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図43〜図47は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU201は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU201は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU201は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU201は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU201は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果8指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU201は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。その後、演出制御用CPU201は、確定コマンド受信時処理を実行する(ステップS621)。
受信した演出制御コマンドが第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドであれば(ステップS622)、演出制御用CPU201は、第1大当り開始指定コマンド受信フラグまたは第2大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。なお、この実施の形態では、ステップS623でセットされる第1大当り開始指定コマンド受信フラグ、第2大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
その後、演出制御用CPU201は、指示報知を終了する(ステップS624)。指示報知とは、遊技球の打ち方を報知する演出であり、遊技領域7の略右側への遊技球の打ち出しを促す第1指示報知と、作動領域としてのゲート32への遊技球の打ち出しを促す第2指示報知とが設けられている。また、第1指示報知としては、演出表示装置9の全面に「右打ち」という文字を含む画像を表示する第1通常指示報知と、演出表示装置9の一部(右上部分)に「右打ち」という文字を含む画像を表示する第1縮小指示報知とが設けられているとともに、第2指示報知としては、演出表示装置9の全面に「ゲートを狙え」という文字を含む画像を表示する第2通常指示報知と、演出表示装置9の一部(右上部分)に「ゲートを狙え」という文字を含む画像を表示する第2縮小指示報知とが設けられている。
本実施の形態では、大当り図柄が停止表示されると第1指示報知が開始され、第1指示報知が開始されてから10秒が経過するまでにゲート32への遊技球の通過が検出されなかった場合には第1指示報知の画像に第2指示報知の画像を重畳表示するようになっている。
また、演出制御用CPU201は、指示報知を第1指示報知から第2指示報知へ切り替えるまでの期間を計測するための指示報知用タイマをリセットする(ステップS625)。
また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において右打ち操作を促す右打ち表示(小)の表示を新たに開始する制御を行う(ステップS626)。ステップS626では、例えば、演出表示装置9の表示画面の右上端部において小サイズの右打ち表示の表示を開始する制御を行う。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU201は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。なお、この実施の形態では、ステップS628でセットされる大当り終了指定コマンド受信フラグのことを、エンディングフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS629)、演出制御用CPU201は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS630)。
受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU201は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが低確/非KT背景指定であれば(ステップS633)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を低確率/非KT状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS634)。また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において右打ち表示が表示されていれば、その右打ち表示を消去する制御を行う(ステップS635)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第1KT状態であることを示す第1KT状態フラグをリセットする(ステップS636)。
受信した演出制御コマンドが低確/第1KT背景指定であれば(ステップS637)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を低確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS638)。また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において右打ち操作を促す右打ち表示(小)の表示を開始する制御を行う(ステップS639)。ステップS639では、例えば、演出表示装置9の表示画面の右上端部において小サイズの右打ち表示の表示を開始する制御を行う。また、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグをセットする(ステップS640)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグや、第2KT状態であることを示す第2KT状態フラグをリセットする(ステップS641)。
受信した演出制御コマンドが高確/第1KT背景指定であれば(ステップS642)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、黄色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS643)。また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において右打ち操作を促す右打ち表示(小)の表示を開始する制御を行う(ステップS650)。ステップS650では、例えば、演出表示装置9の表示画面の右上端部において小サイズの右打ち表示の表示を開始する制御を行う。また、演出制御用CPU201は、確変状態フラグおよび第1KT状態フラグをセットする(ステップS651)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第2KT状態フラグをリセットする(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが高確/第2KT背景指定であれば(ステップS653)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/第2KT状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS654)。また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において右打ち操作を促す右打ち表示(大)の表示を開始する制御を行う(ステップS655)。ステップS655では、例えば、演出表示装置9の表示画面の中央下部において大サイズの右打ち表示(第1KT状態中や大当り遊技中に表示する右打ち表示と比較して大きいサイズの右打ち表示)の表示を開始する制御を行う。また、演出制御用CPU201は、確変状態フラグおよび第2KT状態フラグをセットする(ステップS656)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第1KT状態フラグをリセットする(ステップS657)。
受信した演出制御コマンドが満タンエラー報知指定コマンドであれば(ステップS658)、演出制御用CPU201は、現在大当り遊技中であるか否かを確認する(ステップS659)。なお、現在大当り遊技中であるか否かは、例えば、後述する背景図柄プロセスフラグの値が大当り表示処理〜大当り終了演出処理であることを示す4〜7の値となっているか否かを確認することにより判定できる。現在大当り遊技中であれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において満タンエラー報知(大)の表示を開始する制御を行う(ステップS660)。ステップS660では、例えば、演出表示装置9の表示画面の左下端部に大サイズで「満タンエラー!」などの文字表示を行う。現在大当り遊技中でなければ、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において満タンエラー報知(小)の表示を開始する制御を行う(ステップS661)。ステップS661では、例えば、演出表示装置9の表示画面の左下端部に小サイズで「満タン」などの文字表示を行う。
受信した演出制御コマンドが満タンエラー解除指定コマンドであれば(ステップS662)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に満タンエラー報知が表示されていれば、その満タンエラー報知の表示を消去する制御を行う(ステップS663)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS664)、演出制御用CPU201は、第1賞球数カウンタおよび第2賞球数カウンタにそれぞれ15(大入賞口への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS665)。
第1賞球数カウンタは、連荘中の賞球数をカウントするためのカウンタであり、連荘開始の契機となった大当り遊技および連荘中に発生した全ての大当り遊技で大入賞口に遊技球が入賞したことにもとづく賞球および連荘中の確変状態、第1KT状態および第2KT状態において発生した全ての小当り遊技で特殊入賞口24に遊技球が入賞したことにもとづく賞球が随時加算される。また、第2賞球数カウンタは、第2KT状態中の賞球数をカウントするためのカウンタであり、第2KT状態開始の契機となった大当り遊技および第2KT状態中に発生した全ての大当り遊技で大入賞口に遊技球が入賞したことにもとづく賞球および第2KT状態中において発生した全ての小当り遊技で特殊入賞口24に遊技球が入賞したことにもとづく賞球が随時加算される。
また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において連荘中の賞球数を示す連荘中賞球数表示を表示中であれば、加算後の第1賞球数カウンタの値にもとづいて連荘中賞球数表示を更新するとともに、演出表示装置9において第2KT状態中の賞球数を示すスペシャルラッシュ中賞球数表示を表示中であれば、加算後の第2賞球数カウンタの値にもとづいてスペシャルラッシュ中賞球数表示を更新する(ステップS666)。
受信した演出制御コマンドが特殊賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS667)、演出制御用CPU201は、第1賞球数カウンタおよび第2賞球数カウンタにそれぞれ10(特殊入賞口24への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS668)。また、演出制御用CPU201は、連荘中賞球数表示を表示中であれば、加算後の第1賞球数カウンタの値にもとづいて連荘中賞球数表示を更新するとともに、スペシャルラッシュ中賞球数表示を表示中であれば、加算後の第2賞球数カウンタの値にもとづいてスペシャルラッシュ中賞球数表示を更新する(ステップS669)。
次いで、演出制御用CPU201は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS670)。第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態であれば)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において賞球加算表示(例えば、「+10」などの文字表示)を表示させる(ステップS671)。また、演出制御用CPU201は、スピーカ27から所定の入賞音を出力させる(ステップS672)とともに、特殊入賞口ランプ24aを点灯表示させる(ステップS673)。
一方、第2KT状態フラグがセットされていなければ(第2KT状態でなければ)、ステップS671〜S673の処理を実行することなく、ステップS611に戻る。
ステップS670〜S673の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2KT状態中に特殊入賞口24に遊技球が入賞したことにもとづいて、賞球加算表示の表示、入賞音の出力、および特殊入賞口ランプ24aの点灯表示が行われる一方で、特殊入賞口24に遊技球が入賞しても第2KT状態でなければ、賞球加算表示の表示、入賞音の出力、および特殊入賞口ランプ24aの点灯表示は行われない。
なお、必ずしも賞球加算表示の表示、入賞音の出力、および特殊入賞口ランプ24aの点灯表示の全てを行う必要はなく、これらのうちのいずれか1つまたは2つのみを実行するように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、大入賞口入賞指定コマンドや特殊入賞口入賞指定コマンドを受信したことにもとづいて(大入賞口や特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて)、連荘中賞球数表示やスペシャルラッシュ中賞球数表示を更新する場合を示したが、さらに、普通始動口入賞指定コマンドを受信したことにもとづいて(普通始動入賞口17への入賞が発生したことにもとづいても、連荘中賞球数表示やスペシャルラッシュ中賞球数表示を更新するように構成してもよい。この場合、例えば、普通始動口入賞指定コマンドを受信したことにもとづいて第1賞球数カウンタおよび第2賞球数カウンタにそれぞれ1を加算し、加算後の第1賞球数カウンタおよび第2賞球数カウンタの値にもとづいて連荘中賞球数表示やスペシャルラッシュ中賞球数表示を更新するようにすればよい。
受信した演出制御コマンドが第1客待ちデモ表示指定コマンドであれば(ステップS674)、演出制御用CPU201は、第1客待ちデモ表示指定コマンドを受信したことを示す第1デモコマンド受信フラグをセットする(ステップS675)。また、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグまたは第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS676)。第1KT状態フラグまたは第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、KT状態であれば)、ステップS611に戻る。第1KT状態フラグおよび第2KT状態フラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、非KT状態であれば)、演出制御用CPU201は、可動部材78の初期動作を行うための可動部材初期動作処理を実行する(ステップS677)。
受信した演出制御コマンドが第2客待ちデモ表示指定コマンドであれば(ステップS678)、演出制御用CPU201は、第2客待ちデモ表示指定コマンドを受信したことを示す第2デモコマンド受信フラグをセットする(ステップS679)。また、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグまたは第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS680)。第1KT状態フラグおよび第2KT状態フラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、非KT状態であれば)、ステップS611に戻る。第1KT状態フラグまたは第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、KT状態であれば)、演出制御用CPU201は、可動部材初期動作処理を実行する(ステップS681)。
この実施の形態では、ステップS674〜S681の処理が実行されることによって、客待ちデモ表示指定コマンドを受信したことを契機として可動部材初期動作処理が実行されるのであるが、第1客待ちデモ表示指定コマンドを受信した場合には非KT状態であることを条件として可動部材初期動作処理が実行され、第2客待ちデモ表示指定コマンドを受信した場合にはKT状態であることを条件として可動部材初期動作処理が実行される。
ステップS677,S681の可動部材初期動作処理では、演出制御用CPU201は、原点位置センサ78bからの検出信号を入力しているか否かを確認することにより、可動部材78が原点位置にあるか否かを判定する。また、可動部材78が原点位置になければ、演出制御用CPU201は、可動部材用モータ78aを駆動し、可動部材78を原点位置まで動作(初期動作)させる制御を行う。
なお、可動部材78が原点位置にある場合であっても、可動部材78を動作させ再び原点位置まで戻すようにしてもよい。
また、可動部材78を原点位置まで動作させる初期動作に失敗した場合には、可動部材78を用いた演出の実行を制限する(例えば、次に電源投入が行われるまで、可動部材78を用いた演出を実行しない)ように構成してもよい。
受信した演出制御コマンドがゲート通過1指定コマンドであれば(ステップS682)、すなわち、非KT状態中にゲート32を遊技球が通過した場合であれば、演出制御用CPU201は、大当り遊技中であるか否かを確認する(ステップS683)。なお、大当り遊技中であるか否かは、例えば、後述する背景図柄プロセス処理で用いられる背景図柄プロセスフラグの値が大当り表示処理〜大当り終了演出処理を示す値(「4」〜「7」)となっているか否かを確認することにより判定できる。大当り遊技中でなければ、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において、遊技者に対して遊技領域7の左方を狙って発射操作(左打ち操作)を行うことを促す左打ち表示を表示する制御を行う(ステップS684)。すなわち、この場合、非KT状態であり且つ大当り遊技状態でないにもかかわらず、右打ち操作が行われてゲート32を遊技球が通過した場合であるので、左打ち操作に戻すことを遊技者に促すべく左打ち表示が表示される。
なお、この実施の形態では、ゲート通過1指定コマンドを受信したことにもとづいて(ステップS682参照)、非KT状態中にゲート32を遊技球が通過したと判定する場合を示しているが、KT状態であるか否かに関係なく共通のゲート通過指定コマンドを送信するように構成した場合には、ゲート通過指定コマンド以外の演出制御コマンドにもとづいて遊技状態を把握した上で、左打ち表示を行うように構成してもよい。この場合、例えば、その前に受信した背景指定コマンドが低確/非KT背景指定コマンドであれば非KT状態であると特定し、それ以外の背景指定コマンドであればKT状態であると特定して、非KT状態であり且つ大当り遊技状態でない場合に、ゲート通過指定コマンドを受信したことにもとづいて左打ち表示を行うように構成すればよい。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU201は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS685)。そして、ステップS611に移行する。
図48は、確定コマンド受信時処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU201は、表示結果2指定コマンド〜表示結果7指定コマンドのいずれかが表示結果指定コマンド格納領域に格納されているか否かを判定することにより、停止表示された図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(ステップS4401)。表示結果2指定コマンド〜表示結果7指定コマンドのいずれかが表示結果指定コマンド格納領域に格納されている場合、すなわち大当り図柄が停止表示された場合、受信した図柄確定指定コマンドは第2図柄確定指定コマンドであるか否かを判定し(ステップS4401A)、第1図柄確定指定コマンドであればステップS4404へ移行する。
受信した図柄確定指定コマンドが第2図柄確定指定コマンドであれば、演出制御用CPU201は、通常状態であるか否かを判定し(ステップS4401B)、KT状態であれば(第1KTフラグおよび第2KTフラグのいずれかがセットされていれば)ステップS4404へ移行する。
通常状態であれば、演出制御用CPU201は、大当り変動中であることを示す大当り準備中表示を既に実行したことを示す準備中表示済フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4402)、セットされている場合は準備中表示済フラグをリセットし(ステップS4403)、ステップS4404へ移行する。
ステップS4404では、演出制御用CPU201は、第1通常指示報知を開始し(ステップS4404)、指示報知用タイマに10秒に相当する値をセットする(ステップS4406)。
また、ステップS4402において、準備中表示を実行したことを示す準備中表示済フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU201は、第1縮小指示報知を開始し(ステップS4405)、ステップS4406へ移行する。準備中表示とは、通常状態において、第2特別図柄の大当り変動中に第1特別図柄の変動が開始されたときに実行される演出であり、具体的には「大当り準備中」という文字を含む画像が演出表示装置9に表示される演出である。なお、この実施の形態では、「大当り準備中」という文字を含む静止画像を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、準備中表示として、大当り遊技が開始されるまでの期間(第2特別図柄の変動表示の残り変動時間)に対応する表示を行うように構成してもよい。
このように、本実施の形態では、第1特別図柄の大当り図柄が停止表示したときには第1通常指示報知を行う。また、第2特別図柄の大当り図柄が停止表示したときには、KT状態であれば第1通常指示報知を行う。また、第2特別図柄の大当り図柄が停止表示したときには、通常状態であれば準備中表示を実行していた場合にのみ第1通常指示報知を行い、準備中表示を実行していなかった場合には第1縮小指示報知を行う。
図49は、図41に示す背景図柄プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。
まず、演出制御用CPU201は、指示報知に関する制御を行うための指示報知制御処理を行い(ステップS4501)、デモ表示に関する制御を行うためのデモ表示制御処理(ステップS4502)を行う。
その後、演出制御用CPU201は、背景図柄プロセスフラグの値に応じてステップS900〜S908のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900):背景図柄の変動開始条件が成立したか否か判定し、背景図柄の変動開始条件が成立した場合には、背景図柄表示部9cにおいて変動が開始されるように制御する。背景図柄の変動開始条件は、コマンド解析処理でいずれかの変動パターンコマンドが受信されたことが確認された場合に成立する。そして、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動開始処理(ステップS901)に応じた値に更新する。
背景図柄変動開始処理(ステップS901):左中右の背景図柄の変動が開始されるように制御する。また、受信している表示結果コマンドに応じて背景図柄の停止図柄を決定し、背景図柄の変動時間を設定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動中処理(ステップS902)に対応した値に更新する。
背景図柄変動中処理(ステップS902):背景図柄の変動時間の終了を監視する。変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理(ステップS903)に対応した値に更新する。
背景図柄停止処理(ステップS903):背景図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)、大当り表示処理(ステップS904)、または小当り中処理(ステップS908)に対応した値に更新する。なお、大当り表示処理(ステップS904)に対応した値に更新する場合には、第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドを受信していることを条件に、大当り表示処理(ステップS904)に対応した値に更新する。また、小当り中処理(ステップS908)に対応した値に更新する場合には、小当り開始指定コマンドを受信していることを条件に、小当り中表示処理(ステップS908)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS904):大当り表示の制御を行う。そして、実際に大当り遊技が開始されたことを示すことになる大入賞口開放中表示コマンド(第1ラウンドに関する大入賞口開放中表示コマンド)を受信したら背景図柄プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS905)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS905):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS906):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS907):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンド(第1エンディング指定コマンド、第2エンディング指定コマンド)を受信したら、エンディング演出を実行する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に応じた値に更新する。
小当り中処理(ステップS908):小当り遊技中の表示制御を行う。そして、小当り終了指定コマンドを受信したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に応じた値に更新する。
図50は、指示報知制御処理について示すフローチャートである。指示報知制御処理において、演出制御用CPU201は、第1指示報知中であるか否かを判定し(ステップS4601)、第1指示報知中であれば指示報知タイマの値を1減算し(ステップS4602)、指示報知タイマがタイムアウトするか否かを判定する(ステップS4603)。タイムアウトしていた場合(第1指示報知の実行から10秒が経過した場合)、第1通常指示報知の実行中であれば第2通常指示報知を開始し(ステップS3503のY,S4605)、第1縮小指示報知の実行中であれば第2縮小表示報知を開始する(ステップS4506)。
このように、本実施の形態では第1指示報知の開始から10秒後に第2指示報知を実行することとなる。また、第1通常指示報知を実行していた場合には10秒後に第2通常指示報知を行い、第1縮小指示報知を実行していた場合には10秒後に第2縮小指示報知を行うこととなる。
なお、第2指示報知を実行するとき、第1指示報知画像に対して第2指示報知画像を重畳表示することとしてもよいし、または第1指示報知画像を消去して第2指示報知画像を表示することとしてもよい。
図51および図52は、デモ表示制御処理を示すフローチャートである。デモ表示制御処理において、演出制御用CPU201は、第1デモコマンド受信フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4701)、セットされていなければステップS4706へ移行する。セットされている場合には、通常状態であるか否かを判定し(ステップS4702)、通常状態でなければステップS4705へ移行する。具体的に、第1KTフラグおよび第2KTフラグのいずれもセットされていなければ通常状態であると判定する。
通常状態であれば、演出制御用CPU201は、第1デモ表示を開始するまでの時間(例えば、30秒)に相当する値を計測するための第1デモ待機タイマをセットし(ステップS4703)、第1デモ表示の待機中であることを示す第1デモ待機中フラグをセットする(ステップS4704)。そして、第1デモ受信フラグをリセットする(ステップS4705)。
その後、演出制御用CPU201は、第1デモ待機中フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4706)、セットされている場合には第1特別図柄変動が開始される場合(ステップS4707のY)、または第2特別図柄の変動にもとづいて大当り遊技状態に制御される場合(ステップS4708のY)、ステップS4712へ移行する。これにより、第1特別図柄変動が開始されるか第2特別図柄の変動にもとづいて大当り遊技状態に制御される場合には第1デモ表示を実行しないようになっている。具体的に、ステップS4707では第1飾り図柄の変動を示す変動パターンコマンドを受信した場合には第1特別図柄変動が開始されたと判定する。また、ステップS4708では第2大当り開始指定コマンドを受信した場合に第2特別図柄の変動にもとづいて大当り遊技状態に制御されると判定する。
第1デモ待機中フラグがセットされており、第1特別図柄変動が開始されず(ステップS4707のN)、第2特別図柄の変動にもとづいて大当り遊技状態に制御されない場合(ステップS4708のN)、第1デモ待機タイマの値を1減算し(ステップS4709)、第1デモ待機タイマがタイムアウトした場合には、第1デモ表示を開始し(ステップS4711)、第1デモ待機フラグをリセットする(ステップS4712)。
その後、演出制御用CPU201は、第1デモ表示中である場合(ステップS4713のY)、第1特別図柄の変動が開始されるか(ステップS4714のY)、または第2特別図柄の変動にもとづいて大当り遊技状態に制御される場合(ステップS4715のY)、第1デモ表示を終了する(ステップS4716)。
また、演出制御用CPU201は、第2デモコマンド受信フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4801)、セットされていなければステップS4806へ移行する。セットされている場合には、KT状態であるか否かを判定し(ステップS4802)、KT状態でなければステップS4805へ移行する。具体的に、第1KTフラグおよび第2KTフラグのいずれかがセットされていればKT状態であると判定する。
KT状態であれば、演出制御用CPU201は、第2デモ表示を開始するまでの時間(例えば、30秒)に相当する値を計測するための第2デモ待機タイマをセットし(ステップS4803)、第2デモ表示の待機中であることを示す第2デモ待機中フラグをセットする(ステップS4804)。そして、第2デモ受信フラグをリセットする(ステップS4805)。
その後、演出制御用CPU201は、第2デモ待機中フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4806)、セットされている場合には第2特別図柄変動が開始される場合(ステップS4807のY)、またはKT状態でない場合(ステップS4808のN)、ステップS4812へ移行する。これにより、第2特別図柄変動が開始されるかKT状態が終了した場合には第2デモ表示を実行しないようになっている。具体的に、ステップS4807では第2飾り図柄の変動を示す変動パターンコマンドを受信した場合には第2特別図柄変動が開始されたと判定する。また、ステップS4808では第1KTフラグおよび第2KTフラグのいずれかもセットされていなければKT状態が終了したと判定する。
第2デモ待機中フラグがセットされており、第2特別図柄変動が開始されず(ステップS4807のN)、KT状態が終了していない場合(ステップS4808のY)、第2デモ待機タイマの値を1減算し(ステップS4809)、第2デモ待機タイマがタイムアウトした場合には、第2デモ表示を開始し(ステップS4811)、第2デモ待機フラグをリセットする(ステップS4812)。
その後、演出制御用CPU201は、第2デモ表示中である場合(ステップS4813のY)、第2特別図柄の変動が開始されるか(ステップS4814のY)、またはKT状態が終了した場合(ステップS4815のN)、第2デモ表示を終了する(ステップS4816)。
図53は、背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)を示すフローチャートである。背景図柄変動開始待ち処理において、演出制御用CPU201は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。
次いで、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグまたは第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS813)。第1KT状態フラグおよび第2KT状態フラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、非KT状態であれば)、演出制御用CPU201は、第1特別図柄の変動表示を実行する場合であるか否かを確認する(ステップS814)。なお、第1特別図柄の変動表示を実行する場合であるか否かは、例えば、受信した変動パターンコマンドで示される変動パターンが第1変動パターン#01〜#07を指定するものであるか否かを確認することにより判定できる。第1特別図柄の変動表示を実行する場合でなければ(すなわち、第2特別図柄の変動表示を実行する場合であれば)、そのまま処理を終了する。第1特別図柄の変動表示を実行する場合であれば、演出制御用CPU201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始処理(ステップS901)に対応した値に更新する(ステップS816)。
第1KT状態フラグまたは第2KT状態フラグがセットされていなければ(すなわち、KT状態であれば)、演出制御用CPU201は、第2特別図柄の変動表示を実行する場合であるか否かを確認する(ステップS815)。なお、第2特別図柄の変動表示を実行する場合であるか否かは、例えば、受信した変動パターンコマンドで示される変動パターンが第2変動パターン#01〜#32を指定するものであるか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄の変動表示を実行する場合でなければ(すなわち、第1特別図柄の変動表示を実行する場合であれば)、そのまま処理を終了する。第2特別図柄の変動表示を実行する場合であれば、演出制御用CPU201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始処理(ステップS901)に対応した値に更新する(ステップS816)。
ステップS813〜S816の処理が実行されることによって、この実施の形態では、非KT状態である場合には、第1特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において背景図柄の変動表示が実行され、KT状態である場合には、第2特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において背景図柄の変動表示が実行される。言い換えれば、第1特別図柄の変動表示が実行される場合であってもKT状態である場合や、第2特別図柄の変動表示が実行される場合であっても非KT状態である場合には、背景図柄の変動表示は実行されない。
図54は、背景図柄変動開始処理(ステップS901)を示すフローチャートである。背景図柄変動開始処理において、演出制御用CPU201は、背景図柄の停止図柄を決定する(ステップS920)。なお、この実施の形態では、表示結果1指定コマンドを受信した場合(はずれと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が全く不一致のはずれ図柄または左右の背景図柄のみが一致したリーチはずれ図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果2指定コマンドを受信した場合(16R確変大当りと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が奇数図柄で揃った図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果3指定コマンドや表示結果4指定コマンド、表示結果6指定コマンドを受信した場合(9R確変大当りや6R確変大当り、2R確変大当りと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が偶数図柄で揃った図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果5指定コマンドや表示結果7指定コマンドを受信した場合(6R通常大当りや2R通常大当りと決定されている場合)には、左右の背景図柄のみが一致したリーチはずれ図柄と同様の組み合わせを決定する。また、表示結果8指定コマンドを受信した場合(小当りと決定されている場合)には、小当り図柄(例えば、「135」)の背景図柄の組み合わせを決定する。
次いで、演出制御用CPU201は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS921)。第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態であれば)、演出制御用CPU201は、今回開始する変動表示がリーチを伴う変動表示であるか否かを確認する(ステップS922)。なお、リーチを伴う変動表示であるか否かは、例えば、受信した変動パターンコマンドで指定される変動パターンがリーチを含むものであるか否かを確認することにより判定できる。リーチを伴う変動表示であれば、ステップS924に移行する。リーチを伴う変動表示でなければ、演出制御用CPU201は、今回開始する変動表示が小当りとなる変動表示であるか否かを確認する(ステップS923)。なお、小当りとなる変動表示であるか否かは、例えば、受信した表示結果指定コマンドが表示結果8指定コマンドであるか否かを確認することにより判定できる。小当りとなる変動表示でなければ、ステップS924に移行する。一方、小当りとなる変動表示であれば、そのままステップS930に移行する。
リーチを伴う変動表示であった場合(ステップS922のY)または小当りとなる変動表示でなかった場合(ステップS923のN)には、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示されている右打ち表示(大)を右打ち表示(小)に変更する制御を行う(ステップS924)。ステップS924では、例えば、演出表示装置9の表示画面の中央下部において表示されている大サイズの右打ち表示を小サイズの右打ち表示に変更する制御を行う。そして、ステップS930に移行する。
次いで、演出制御用CPU201は、受信した変動パターンコマンドで示される変動パターンに応じて、使用する背景図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS930)。そして、ステップS930で選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS931)。次いで、演出制御用CPU201は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS932)。例えば、背景図柄表示部9cにおいて変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP209に制御信号(表示制御実行データ)を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
次いで、演出制御用CPU201は、変動時間に応じた値を背景図柄変動時間タイマに設定して背景図柄変動時間タイマをスタートさせる(ステップS933)。そして、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動中処理(ステップS902)に応じた値に更新する(ステップS934)。
図55は、背景図柄プロセス処理における背景図柄変動中処理(ステップS902)を示すフローチャートである。背景図柄変動中処理において、演出制御用CPU201は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS940)、普通図柄変動時間タイマの値を1減算する(ステップS941)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS942)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS943)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS944)。
次に、演出制御用CPU201は、背景図柄の変動表示中に連荘中賞球数表示の表示開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS945)。なお、連荘中賞球数表示の表示開始タイミングとなっているか否かは、例えば、背景図柄変動開始処理のステップS933でセットした背景図柄変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。連荘中賞球数表示の表示開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において、現在の第1賞球数カウンタの値にもとづいて連荘中賞球数表示を表示させる(ステップS946)。なお、この実施の形態では、第2KT状態中である場合にはスペシャルラッシュ中賞球数表示が表示されているのであるが(後述するステップS9010参照)、第2KT状態中の連荘中賞球数表示の表示タイミングとなると、ステップS946の処理が実行されることによって、スペシャルラッシュ中賞球数表示に加えて連荘中賞球数表示も表示される。
次に、演出制御用CPU201は、第2KT状態を終了しているか否かを確認する(ステップS947)。なお、第2KT状態を終了しているか否かは、例えば、第2KT状態フラグの状態を確認することにより判定できる。第2KT状態を終了していれば、演出制御用CPU201は、スピーカ27からの第2KT用の楽曲の音出力を終了させる(ステップS948)。すなわち、この実施の形態では、第2KT状態に制御される場合には、その契機となった16R確変大当りにもとづく大当り遊技の開始時に第2KT用の楽曲の音出力が開始される(後述するステップS982参照)のであるが、ステップS948の処理が実行されることによって、その第2KT用の楽曲の音出力が終了される。
次いで、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において、連荘中賞球数表示およびスペシャルラッシュ中賞球数表示を消去する(ステップS949)。また、この実施の形態では、第2KT状態中では「スペシャルラッシュ中」などの文字表示が表示されているのであるが、ステップS949では、その「スペシャルラッシュ中」などの文字表示も消去する。
次いで、演出制御用CPU201は、通常状態において、第2特別図柄の大当り変動中であり、第1特別図柄の変動が開始された場合(ステップS950のY,S951のY,S952のY)、大当り準備中表示を実行し(ステップS953)、準備中表示済フラグをセットする(ステップS954)。ステップS950では第1KT状態フラグおよび第2KT状態フラグのいずれもセットされていなければ通常状態であると判定する。ステップS951では第2飾り図柄プロセス処理(ステップS705B)において第2飾り図柄の変動中の処理を実行しており、第2飾り図柄についての表示結果2指定コマンド、表示結果3指定コマンド、表示結果6指定コマンド、表示結果7指定コマンドのいずれかが格納されていれば第2特別図柄の大当り変動中であると判定する。ステップS952では第1特別図柄についての変動パターンコマンドを受信したときに第1特別図柄の変動が開始されたものと判定する。
なお、上述したように、通常状態において第2特別図柄の大当り変動を行っているときに第1特別図柄の変動を開始するときには、第1特別図柄の変動を強制はずれとするのであるが、その際に遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ200に対して、第1特別図柄の変動を強制はずれとする旨を示す強制はずれ指定コマンドを送信することとしてもよく、その場合、演出制御用マイクロコンピュータ200は該強制はずれ指定コマンドを受信したことにもとづいて大当り準備中表示を実行することとしてもよい。あるいは、変動表示結果が強制はずれに決定された場合にのみ、遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動表示結果が強制はずれ以外では決定されない特別な変動パターンを決定し、この特別な変動パターンを示す変動パターンコマンドを、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信し、演出制御用マイクロコンピュータ200は該変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて大当り準備中表示を実行することとしてもよい。
そして、演出制御用CPU201は、背景図柄変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS955)、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動停止処理(ステップS903)に応じた値に更新する(ステップS956)。
図56および図57は、背景図柄プロセス処理における背景図柄変動停止処理(ステップS903)を示すフローチャートである。背景図柄変動停止処理において、演出制御用CPU201は、まず、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグ1がセットされているか否かを確認する(ステップS970A)。停止図柄表示フラグ1がセットされていれば、ステップS974に移行する。この実施の形態では、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS973で停止図柄表示フラグ1がセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグ1がリセットされる。従って、停止図柄表示フラグ1がセットされているということは、大当り図柄を確定表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS971の背景図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS974に移行する。
停止図柄表示フラグ1がセットされていなければ、演出制御用CPU201は、背景図柄の停止図柄として小当り図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグ2がセットされているか否かを確認する(ステップS970B)。停止図柄表示フラグ2がセットされていれば、ステップS989に移行する。この実施の形態では、背景図柄の停止図柄として小当り図柄を表示した場合には、ステップS988で停止図柄表示フラグ2がセットされる。そして、小当り遊技中の演出を実行するときに停止図柄表示フラグ2がリセットされる。従って、停止図柄表示フラグ2がセットされているということは、小当り図柄を確定表示したが小当り遊技中の演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS971の背景図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS989に移行する。
停止図柄表示フラグ1および停止図柄表示フラグ2のいずれもセットされていなければ、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において停止表示中の左中右の背景図柄の停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄、小当り図柄)を確定表示させる制御を行う(ステップS971)。
ステップS971の処理で大当り図柄を確定表示した場合には(ステップS972のY)、演出制御用CPU201は、停止図柄表示フラグ1をセットする(ステップS973)。
次いで、演出制御用CPU201は、いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグ(第1大当り開始指定コマンド受信フラグ、第2大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS974)。いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU201は、停止図柄表示フラグ1をリセットする(ステップS975)。なお、演出制御用CPU201は、セットされていた大当り開始指定コマンド受信フラグもリセットする。
次いで、演出制御用CPU201は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS976)。次いで、演出制御用CPU201は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS977)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS978)。
次いで、演出制御用CPU201は、確変状態フラグ、第1KT状態フラグ、または第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS979)。確変状態フラグ、第1KT状態フラグ、および第2KT状態フラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、低確率/非KT状態であれば)、演出制御用CPU201は、第1賞球数カウンタをリセットする(ステップS980)。すなわち、低確率/非KT状態で大当りが発生した場合であるので、いわゆる初当りが発生した場合であり、第1賞球数カウンタをリセットする。
次いで、演出制御用CPU201は、今回の大当りが16R確変大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS981)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、16R確変大当りを指定する表示結果指定コマンド(表示結果2指定コマンド)を受信しているか否かを確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、第2KT状態開始の契機となる大当り遊技が開始される場合であるので、演出制御用CPU201は、スピーカ27から第2KT用の楽曲の音出力を開始させる制御を行う(ステップS982)。
一方、16R確変大当りでなかった場合には、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第2賞球数カウンタをリセットする(ステップS983)。すなわち、この場合、第2KT状態中であった場合には16R確変大当り以外の大当りが発生して第2KT状態が終了する場合であるので、第2賞球数カウンタをリセットする。
その後、演出制御用CPU201は、背景図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS904)に応じた値に更新する(ステップS985)。
ステップS971の処理で大当り図柄を確定表示していなければ(ステップS972のN)、ステップS971の処理で小当り図柄を確定表示した場合には(ステップS987のY)、演出制御用CPU201は、停止図柄表示フラグ2をセットする(ステップS988)。
次いで、演出制御用CPU201は、小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS989)。小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合(すなわち、小当り開始指定コマンドを受信している場合)には、演出制御用CPU201は、停止図柄表示フラグ2をリセットする(ステップS990)。なお、演出制御用CPU201は、セットされていた小当り開始指定コマンド受信フラグもリセットする。
次いで、演出制御用CPU201は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS991)。第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、演出制御用CPU201は、小当り中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS992)。次いで、演出制御用CPU201は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS993)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS994)。
また、演出制御用CPU201は、スピーカ27から特殊可変入賞球装置22の開放に対応した所定の開放音を出力させる(ステップS995)とともに、特殊入賞口ランプ24aを点灯表示させる(ステップS996)。
一方、第2KT状態フラグがセットされていなければ(すなわち、第2KT状態中でなければ)、ステップS992〜S996の処理を実行することなく、ステップS997に移行する。ステップS991の判定処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2KT状態中に小当り遊技が行われる場合にのみ、小当り遊技中の演出が実行され、特殊可変入賞球装置22の開放に対応した所定の開放音が出力されるとともに、特殊入賞口ランプ24aが点灯表示される。
なお、この実施の形態では、第2KT状態中に小当りとなった場合に所定の開放音を出力するとともに特殊入賞口ランプ24aを点灯表示させる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、所定の開放音の出力と特殊入賞口ランプ24aの点灯表示とのいずれか一方のみを実行するように構成してもよい。また、例えば、第2KT状態中であっても、これら所定の開放音の出力と特殊入賞口ランプ24aの点灯表示とのいずれも実行しないように構成してもよく、そもそも小当り遊技中の演出や小当り中処理そのものを実行しないように構成してもよい。
そして、演出制御用CPU201は、背景図柄プロセスフラグの値を小当り中処理(ステップS908)に応じた値に更新する(ステップS997)。
ステップS971の処理で大当り図柄や小当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS972のN、且つステップS987のN)、演出制御用CPU201は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS998A)。第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態であれば)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示されている右打ち表示が右打ち表示(小)であれば、右打ち表示(小)を右打ち表示(大)に変更する制御を行う(ステップS998B)。ステップS998Bでは、例えば、演出表示装置9の表示画面の中央下部において表示されている小サイズの右打ち表示を大サイズの右打ち表示に変更する制御を行う。そして、演出制御用CPU201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に応じた値に更新する(ステップS999)。
図58は、背景図柄プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS907)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU201は、まず、演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS9000)。なお、演出期間計測タイマは、ラウンド後処理(ステップS906参照)において、大当り遊技の全てのラウンドを終了したことにもとづいてセットされる。次いで、演出制御用CPU201は、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS9001)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS9001のN)、演出制御用CPU201は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS9002)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS9003)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタを表示させたりする演出を実行する。
そして、演出制御用CPU201は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS9004)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS9005)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS9006)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS9001のY)、演出制御用CPU201は、今回終了する大当り遊技が9R確変大当り、6R確変大当り、または2R確変大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS9007)。なお、9R確変大当りまたは6R確変大当りであるか否かは、例えば、9R確変大当りを指定する表示結果指定コマンド(表示結果3指定コマンド)や、6R確変大当りを指定する表示結果指定コマンド(表示結果4指定コマンド)、2R確変大当りを指定する表示結果指定コマンド(表示結果6指定コマンド)を受信しているか否かを確認することにより判定できる。9R確変大当り、6R確変大当りまたは2R確変大当りであれば(すなわち、大当り遊技終了後に高確率状態/第1KT状態となる場合であれば)、演出制御用CPU201は、表示されていなければ、演出表示装置9において、第1賞球数カウンタにもとづいて連荘中賞球数表示の表示を開始させる制御を行う(ステップS9008)。なお、ステップS9008では、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において「ノーマルラッシュ中」などの文字表示の表示も開始させる制御を行う。
9R確変大当り、6R確変大当りおよび2R確変大当りのいずれでもなければ、演出制御用CPU201は、今回終了する大当り遊技が16R確変大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS9009)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、16R確変大当りを指定する表示結果指定コマンド(表示結果2指定コマンド)を受信しているか否かを確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば(すなわち、大当り遊技終了後に高確率状態/第2KT状態となる場合であれば)、演出制御用CPU201は、表示されていなければ、演出表示装置9において、第2賞球数カウンタにもとづいてスペシャルラッシュ中賞球数表示の表示を開始させる制御を行う(ステップS9010)。なお、ステップS9010では、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において「スペシャルラッシュ中」などの文字表示の表示も開始させる制御を行う。
なお、図58では、図示を省略しているが、今回終了する大当り遊技が6R通常大当りや2R通常大当りにもとづくものであれば(すなわち、大当り遊技終了後に低確率状態/第1KT状態となる場合であれば)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において「チャンスタイム」などの文字表示の表示を開始させる制御を行う。
なお、低確率状態/第1KT状態に制御され「チャンスタイム」などの文字表示が表示されている場合であっても、例えば、第1賞球数カウンタにもとづいて連荘中賞球数表示を表示するように構成してもよい。
そして、演出制御用CPU201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に応じた値に更新する(ステップS9014)。
図59は、背景図柄プロセス処理における小当り中処理(ステップS908)を示すフローチャートである。小当り中処理において、演出制御用CPU201は、まず、小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS9201)。小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(すなわち、まだ小当り終了指定コマンドを受信していない場合)には、演出制御用CPU201は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS9202)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS9203)。すなわち、小当り遊技に対応した演出を継続して行う。
ただし、既に説明したように、この実施の形態では、第2KT状態中でない場合には、そもそも小当り中演出に応じたプロセステーブルがセットされないので(ステップS991参照)、小当り終了指定コマンドを受信していなくても、小当り遊技に対応した演出は実行されない。
そして、演出制御用CPU201は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS9204)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS9205)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS9206)。
小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合(すなわち、小当り終了指定コマンドを受信している場合)には、演出制御用CPU201は、小当り遊技に対応した演出を終了し、ステップS9207に移行する。そして、演出制御用CPU201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に応じた値に更新する(ステップS9207)。
次に、高確率/第2KT状態における右打ち表示の表示例について説明する。図60は、高確率/第2KT状態における右打ち表示の表示例を説明するための説明図である。なお、図60において、(A)(B)(C)の順に表示画面が遷移する。
高確率/第2KT状態に制御されると、演出表示装置9において右打ち表示(大)309が表示される(ステップS655参照)。図60(A)に示す例では、右打ち表示(大)309として、演出表示装置9の表示画面の中央下部において大サイズの「右打ち!」の文字表示が表示される場合が示されている。
次いで、高確率/第2KT状態中にリーチを伴う変動表示または小当りとならない変動表示が実行される場合には、図60(B)に示すように、演出表示装置9に表示されている右打ち表示(大)309を右打ち表示(小)310に変更される。図60(B)に示す例では、大サイズの「右打ち!」の文字表示から小サイズの「右打ち!」の文字表示に変更される場合が示されている。
そして、変動表示を終了し、背景図柄の停止図柄としてはずれ図柄を停止表示する場合であれば、図60(C)に示すように、演出表示装置9に表示されている右打ち表示(小)310が再び右打ち表示(大)309に変更される。図60(C)に示す例では、小サイズの「右打ち!」の文字表示から大サイズの「右打ち!」の文字表示に変更される場合が示されている。
なお、図60では高確率/第2KT状態における右打ち表示の表示例を示したが、大当り遊技中である場合や低確率/第1KT状態中、高確率/第1KT状態中である場合には、右打ち表示(小)が表示される(ステップS626,S639,S650参照)。
次に、満タンエラー報知の表示例について説明する。図61は、満タンエラー報知の表示例を説明するための説明図である。満タンスイッチ48からの検出信号が入力され、満タンエラーが検出されると、現在大当り遊技中であれば、図61(A)に示すように、演出表示装置9において満タンエラー報知(大)313が表示され(ステップS660参照)、現在大当り遊技中でなければ(大当り遊技中でなければ、KT状態中であっても非KT状態中であっても)、図61(B)に示すように、演出表示装置9において満タンエラー報知(小)314が表示さる(ステップS661参照)。例えば、図61(A)に示す例では、大当り遊技中であることにもとづいて、所定のキャラクタ311が表示され、キャラクタ311のセリフとして「大当り中!」などの文字表示312が表示されるとともに、満タンエラー報知(大)313として、演出表示装置9の表示画面の左下端部に大サイズで「満タンエラー!」などの文字表示が表示される場合が示されている。また、図61(B)に示す例では、満タンエラー報知(小)314として、演出表示装置9の表示画面の左下端部に小サイズで「満タン」などの文字表示が表示される場合が示されている。
図62および図63は、本実施の形態における指示報知の表示例を示す説明図である。図62に示す表示例では、第1特別図柄の変動にもとづいて大当りとなる場合の指示報知の表示例について示している。例えば、まず、図62(1)に示すように第1飾り図柄に対応する背景図柄が変動表示され、図62(2)に示すように背景図柄が大当り図柄で停止表示される。次に、図62(3)に示すように第1通常指示報知55Aが行わる。このときの第1通常指示報知55Aは、「右打ち」という文字と右矢印が含まれる画像を表示することにより行われる。そして、ゲート32を遊技球が通過しないまま10秒が経過した場合に、図62(4)に示すように第2通常指示報知55Bが行われる。
このときの第2通常指示報知55Bは、「ゲートを狙え」という文字と、ゲート32を通過する遊技球を示す画像(遊技球が通過している四角形の領域はゲート32を示している)とを表示することにより行われる。
図63に示す表示例では、通常状態において第2特別図柄の変動にもとづいて大当りとなる場合の指示報知の表示例について示している。例えば、図63(1)に示すように、通常状態であるにもかかわらず第1特別図柄の変動が行われないことにより第1デモ表示が行われているとともに、第2飾り図柄の大当り変動が行われている。そして、第1特別図柄の変動が開始された場合には、図63(2)に示すように大当り準備中表示が行われて準備中表示済フラグがセットされた後、図63(3)に示すように大当り図柄にて第2特別図柄の変動が終了する。このとき、準備中表示済フラグがセットされていることから図63(4)に示すように第1通常指示報知56Aが行われ、ゲート32を遊技球が通過しないまま10秒が経過した場合に、図63(5)に示すように第2通常指示報知56Bが行われる。このとき、第1通常指示報知56Aと第2通常指示報知56Bとを並行して別々に表示してもよいし、第1通常指示報知56Aを表示せずに第2通常指示報知56Bのみを表示してもよい。
このときの第1通常指示報知56Aは、「右打ち」という文字と右矢印が含まれる画像を表示することにより行われ、第2通常指示報知56Bは、「ゲートを狙え」という文字と、ゲート32を通過する遊技球を示す画像(遊技球が通過している四角形の領域はゲート32を示している)とを表示することにより行われる。
また、図63(6)に示すように、第1特別図柄の変動が行われることなく大当り図柄にて第2特別図柄の変動が終了した場合、図63(7)に示すように第1縮小指示報知56Cが行われ、ゲート32を遊技球が通過しないまま10秒が経過した場合に、図63(8)に示すように第2縮小指示報知56Dが行われる。
このときの第1縮小指示報知56Cは「右打ち」という文字を示す画像のみを表示することにより行われる。また第2縮小指示報知56Dは「ゲートを狙え」という文字を示す画像のみを表示することにより行われる。
このように、本実施の形態では、通常状態にて第2特別図柄の大当り変動が行われる場合、第1特別図柄の変動が行われたときには大当り準備中表示を行い、第1特別図柄の変動が行われないときには大当り準備中表示の実行を制限する(実行しない)ようになっている。
また、このように、本実施の形態では、通常状態にて第2特別図柄の大当り変動が行われる場合、第1特別図柄の変動が行われたときには第1通常指示報知および第2通常指示報知を行い、第1特別図柄の変動が行われないときには第1通常指示報知および第2通常指示報知よりも視認性の低い第1縮小指示報知および第2縮小指示報知を行うようになっている。
図64は、大当り遊技状態が終了して第1KT状態に制御される際のタイミングチャートである。図64に示すタイミングチャートは、大当り遊技状態の制御の有無、高ベースフラグおよびKTフラグのセットの有無、普通図柄変動の実行の有無、可変入賞球装置15の開放の有無、第2特別図柄の変動の有無、および特殊可変入賞球装置22の開放の有無についてタイミング毎に示している。
例えば、大当り遊技状態に制御されている間(図64におけるタイミングT0以前)は、普通図柄の変動時間として1.0秒が、普通図柄の変動停止時間として0.2秒が、普通図柄が当りである場合に可変入賞球装置15の開放前の時間として2.6秒が、可変入賞球装置15の開放時間として0.2秒が、それぞれ設定される。このとき、大当り遊技状態に制御されている間の可変入賞球装置15の閉鎖期間は、普通図柄の変動時間である1.0秒と、普通図柄の図柄確定期間である0.2秒と、可変入賞球装置15の開放前の時間である2.6秒とを足し合わせた3.8秒である。なお、大当り遊技状態に制御されている間は特別図柄の変動や特殊可変入賞球装置22の開放制御は行われない。
また、第1KT状態に制御されている間(図64におけるタイミングT0以降)は、普通図柄の変動時間として0.2秒が、普通図柄の変動停止時間として0.2秒が、普通図柄が当りである場合に可変入賞球装置15の開放前の時間として0.1秒が、可変入賞球装置15の開放時間として5.5秒が、それぞれ設定される。このとき、大当り遊技状態に制御されている間の可変入賞球装置15の閉鎖期間は、普通図柄の変動時間である0.2秒と、普通図柄の図柄確定期間である0.2秒と、可変入賞球装置15の開放前の時間である0.1秒とを足し合わせた0.5秒である。また、第1KT状態に制御されてから1回目の第2特別図柄の変動時間として7.0秒が、小当り時の特殊可変入賞球装置22の開放時間として0.8秒が、第1KT状態に制御されてから2回目以降の第2特別図柄の変動時間として1.0秒(第2保留記憶数≧1であるとする)が、それぞれ設定される。
このとき、大当り遊技状態に制御されている間の可変入賞球装置15の閉鎖期間(3.8秒)よりも、第1KT状態に制御されてから1回目の第2特別図柄の変動時間(7.0秒)の方が長くなっている。これは、例えば、タイミングT0の直前に可変入賞球装置15の開放前の待機が開始された場合に、最大で2.6秒間に亘り可変入賞球装置15が閉鎖されることが想定され、仮に第1KT状態に制御されてから1回目の第2特別図柄の変動時間が短すぎると、可変入賞球装置15が閉鎖している間に特殊可変入賞球装置22が開放状態に制御されてしまい、第1KT状態であるにもかかわらず特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞することが考えられる。そこで、可変入賞球装置15が閉鎖制御されている間は特殊可変入賞球装置22が開放制御されることがないよう、第2特別図柄の変動時間を長くしたものである。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技の進行を制御する遊技制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、遊技制御手段からの情報にもとづいて演出を制御する演出制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200)とを備える。また、遊技制御手段は、所定条件(本例では、大当り図柄を導出表示したこと)が成立した後の所定状態(本例では、ゲート通過待ち状態)において特定領域(本例では、ゲート32)を遊技媒体(本例では、遊技球)が通過したことにもとづいて、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能である。また、遊技制御手段は、特定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて、普通識別情報(本例では、普通図柄)の可変表示を実行可能であり、普通識別情報の可変表示の表示結果が所定表示結果(本例では、当り図柄)となったことにもとづいて、可変装置(本例では、可変入賞球装置15)を進入容易状態(本例では、開放状態)に制御する。また、遊技制御手段は、所定状態であるか否かにかかわらず、特定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて共通の特定通過情報(本例では、ゲート通過1指定コマンド、ゲート通過2指定コマンド)を出力する。そのため、情報が共通化されているので、遊技制御手段のプログラム容量を削減することができ、適切に情報を出力することができる。
なお、この実施の形態では、ゲート32を普通始動領域と作動領域とで兼用で用いるとともに、ゲートスイッチ32aも共通のスイッチとして用いる場合を示しているが、ゲート32を遊技球が通過したことにもとづいて所定の通過フラグをセットするように構成する場合に、ゲート通過待ち状態であるか否かに関係なく共通の通過フラグをセットするように構成してもよいし、ゲート通過待ち状態であるか否かに応じて異なる通過フラグをセットするように構成してもよい。
また、この実施の形態では、1つの兼用ゲート32のみを設けるように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、普通始動領域と作動領域とで兼用に用いるゲート32とは別に、作動ゲートの役割を兼ねない(普通始動領域のみの役割を果たす)ゲートを設けるように構成してもよい。
また、例えば、ゲート32の近傍にランプまたはLEDを設けるように構成し、ゲート通過待ち状態である場合にのみ、そのゲート32近傍のランプまたはLEDを点灯または点滅させるように構成してもよい。
また、例えば、ゲート通過待ち状態でありゲート32が作動領域として機能していることを演出表示装置9上で報知する一方、ゲート32が普通始動領域として有効(普通保留記憶数が3以下であるとき)である場合には演出表示装置9上で報知しないように構成してもよい。また、逆にゲート32が普通始動領域として有効である場合にも演出表示装置9上で報知するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、演出制御手段は、特定通過情報を入力したことにもとづいて、普通識別情報の可変表示に対応した演出(本例では、左打ち表示の表示)を実行可能である。そのため、普通識別情報の可変表示に対応した演出を適切に実行することができる。
なお、この実施の形態では、「普通識別情報の可変表示に対応した演出」として、左打ち表示の表示を行う場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、普通図柄の変動表示に対応した第4図柄や小図柄を変動表示可能に構成した遊技機において、ゲート通過指定コマンドの受信にもとづいて、それらの第4図柄や小図柄の変動表示を実行するように構成してもよい。また、例えば、ルーレット表示を行うような態様により、特別図柄や演出図柄の変動表示においてリーチ演出が実行されるか否か、または可変入賞球装置15が開放状態に制御されるか否かを報知する所定演出を実行可能に構成した遊技機において、ゲート通過指定コマンドの受信にもとづいて所定演出を実行するように構成してもよい。そのように「普通識別情報の可変表示に対応した演出」として様々な演出態様が考えられる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御手段は、始動領域(本例では、第1始動入賞口13)を遊技媒体(本例では、遊技球)が通過したことにもとづいて第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示を実行し、可変装置(本例では、可変入賞球装置15)を遊技媒体が通過したことにもとづいて第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を実行する。また、遊技制御手段は、有利状態とは異なる遊技者にとって有利な特殊状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり、特殊状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能である。また、始動領域は、遊技媒体が流下する流下経路のうち第1経路(本例では、遊技領域7の左方)に設けられ、特定領域(本例では、ゲート32)および可変装置は、流下経路のうち第1経路とは異なる第2経路(本例では、遊技領域7の右方)に設けられている。そして、演出制御手段は、有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御されておらず且つ特別状態に制御されていない場合に、特定通過情報を入力したことにもとづいて、第1経路への遊技媒体の発射を促進する促進報知(本例では、左打ち表示の表示)を実行可能である。そのため、適切に促進報知を実行することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御手段は、特別状態に制御されていない場合に特定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて、第1特定通過情報(本例では、ゲート通過1指定コマンド)を出力し、特別状態に制御されている場合に特定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて、第1特定通過情報とは異なる第2特定通過情報(本例では、ゲート通過2指定コマンド)を出力する。そして、演出制御手段は、有利状態に制御されていない場合に第1特定通過情報を入力したことにもとづいて、促進報知を実行可能である。そのため、適切に促進報知を実行することができるとともに、演出制御手段における処理負担を軽減することができる。
なお、この実施の形態では、KT状態であるか否かに応じてゲート通過1指定コマンドまたはゲート通過2指定コマンドを送信する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、高ベース状態であるか否かに応じて異なるゲート通過指定コマンドを送信するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、遊技制御手段は、特定領域とは異なる特別領域(本例では、普通始動入賞口17)を遊技媒体(本例では、遊技球)が通過したことにもとづいて、普通識別情報(本例では、普通図柄)の可変表示を実行可能である。また、遊技制御手段は、特定領域を遊技媒体が通過した場合と特別領域を遊技媒体が通過した場合とで、異なる情報出力処理を実行する(本例では、ゲート32を遊技球が入賞した場合にはゲート通過1指定コマンドまたはゲート通過2指定コマンドを送信し、普通始動入賞口17に遊技球が入賞した場合には普通始動口入賞指定コマンドを送信する)。そのため、遊技媒体が通過した領域に応じて異なる情報出力処理が実行されるので、演出制御手段に対して適切に状態を通知することができる。
なお、この実施の形態では、普通始動入賞口17に遊技球が入賞した場合には、ゲート通過指定コマンドとは異なる普通始動口入賞指定コマンドを送信する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、普通始動入賞口17に遊技球が入賞した場合には、何もコマンドを送信しないように構成してもよい。そのようにゲート32を遊技球が通過した場合と普通始動入賞口17に遊技球が入賞した場合とで、何らかの形式で異なる情報出力処理が実行されるものであればよい。
また、この実施の形態では、普通始動入賞口17をゲート32の下流側に設けるように構成しているが、さらに普通始動入賞口17が可変入賞球装置15に対しても下流側となるように設けてもよい。そのような構成によれば、遊技制御手段は、有利状態において特別可変装置(本例では、特別可変入賞球装置20)を進入容易状態(本例では、開放状態)に制御する。また、特別領域は、特定領域(本例では、ゲート32)および可変装置(本例では、可変入賞球装置15)の下流側であり、且つ特別可変装置の上流側に設けられている。そのため、遊技媒体が特別領域を通過する前に可変装置に進入可能となるので、特別状態中の可変表示の効率を高めつつ、有利状態の消化時間を延長することができる。
例えば、一般的な入賞口では遊技球が入賞すると少なくとも4個以上の賞球を払い出さなければならないが、特別図柄や普通図柄の大当り/当り抽選を受け付けるための始動入賞口に関しては賞球の払出数に関する制約がない。そこで、この実施の形態では、特別可変入賞球装置20の上流側に普通始動入賞口17を設けることによって(遊技領域7の右方を流下する遊技球の一部が普通始動入賞口17に入賞する分、特定可変入賞球装置20に所定数の遊技球が入賞するまでの時間が長くかかるので)、大当り遊技中の賞球数を低下させることなく、短時間の賞球数の上昇を抑えることができ、射幸性を抑えることができる。
また、例えば、ゲート32への遊技球の通過割合が低くなるようにゲート32の周辺の釘が調整される場合も考えられるところ、この場合には、可変入賞球装置15の開放頻度が低下してしまい無駄球が増加してしまうので、遊技者にとって不利となり興趣が低下してしまうおそれがある。この実施の形態では、そのような場合であっても、普通始動入賞口17が設けられているので、右打ち操作中における普通図柄の抽選機会を増やすことができ、遊技者が可変入賞球装置15の開放契機を得る機会を増やすことができ、遊技の興趣の低下を抑えることができる。
また、射幸性を抑えた健全な遊技機を実現するためには、出玉性能に関する試射試験において次の出玉率に関する基準を満たす必要がある。なお、出玉率とは、発射された遊技球に対する払い出された遊技球の割合であり、1分あたり100球(1時間あたり6000球)発射される遊技機を前提としたものである。(1)短時間(1時間)あたりの出玉率が33%〜220%、(2)中時間(4時間)あたりの出玉率が40%〜150%、(3)長時間(10時間)あたりの出玉率が50%〜133%に収まるように構成する必要がある。この場合、特に(1)の短時間の出玉率を満たすように遊技機を設計することが難しく、大当り遊技における出玉数を低下させたり、大当り遊技中のラウンド間のインターバル期間などを長くしたり、遊技領域7を流下してきた遊技球がこぼれて入賞しにくくなるように特別可変入賞球装置20を構成したり、遊技盤6のレイアウトを構成したりすることが考えられる。しかしながら、そのように構成してしまうと、遊技者が得られる利益が低下してしまい、遊技の興趣が低下してしまうおそれがある(例えば、入賞しにくいレイアウトとしたりインターバル期間を長くしたりしてしまうと、特別可変入賞球装置20への入賞効率が低下する点で、遊技の興趣が低下してしまう)。そこで、この実施の形態では、特別可変入賞球装置20の上流側に普通始動入賞口17を設けることによって、遊技者の利益が低下することを抑えつつ、短時間の出玉率であっても上記の基準範囲内に収まるようにすることができ、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、特定領域は、遊技媒体が流下する流下経路のうち所定経路(本例では、遊技領域7の右方)に設けられている。また、演出制御手段は、所定条件が成立したことにもとづいて所定経路への遊技媒体の発射を促進する所定促進報知(本例では、第1通常指示報知、第1縮小指示報知)を実行し、該所定促進報知の実行から所定期間(本例では、10秒)が経過した後に特定領域への遊技媒体の発射を促進する特定促進報知(本例では、第2通常指示報知、第2縮小指示報知)を実行可能である。そのため、演出の煩雑さを抑制しつつ、有利状態に制御する契機を適切に報知することができる。
なお、この実施の形態では、KT状態中であるか否かに関係なく第2指示報知(作動領域としてのゲート32への遊技球の打ち出しを促す報知)を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、KT状態中でない場合にのみ第2指示報知を実行するように構成してもよい。以下、KT状態中でない場合にのみ第2指示報知を実行する変形例1について説明する。
図65は、変形例1における指示報知制御処理を示すフローチャートである。変形例1において、ステップS4601〜S4603の処理は、図50に示したそれらの処理と同様である。次いで、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグまたは第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS4603X)。第1KT状態フラグまたは第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第1KT状態または第2KT状態であれば)、そのまま処理を終了する。第1KT状態フラグおよび第2KT状態フラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、非KT状態であれば)、ステップS4604以降の処理に移行し、第2通常指示報知または第2縮小指示報知を実行する処理を行う。なお、ステップS4604〜S4606の処理は、図50に示したそれらの処理と同様である。
図65に示す変形例1によれば、遊技制御手段は、有利状態とは異なる遊技者にとって有利な特殊状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり、特殊状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能である。また、演出制御手段は、所定条件が成立した後の所定状態(本例では、ゲート通過待ち状態)において、特定領域への遊技媒体の発射を促進する特定促進報知(本例では、第2通常指示報知、第2縮小指示報知)を実行可能であり、特別状態に制御されている場合に特定促進報知を実行しない。そのため、有利状態の開始の契機を適切に報知しつつ、特別状態での演出の煩わしさを解消することができる。
なお、この実施の形態では、所定条件が成立した後の所定状態として大当り図柄が導出表示された後のゲート通過待ち状態をゲート32の通過を狙わせる状態として示しているが、KT状態である場合も第2特別図柄の変動表示を実行させるためにゲート32の通過を狙わせる状態となっているといえる。
また、この実施の形態では、ゲート通過待ち状態であるか否かに関係なく共通のゲート通過指定コマンド(ゲート通過1指定コマンド、ゲート通過2指定コマンド)を送信する場合を示したが、ゲート通過待ち状態であるか否かに応じて異なるゲート通過指定コマンドを送信するように構成してもよい。以下、ゲート通過待ち状態であるか否かに応じて異なるゲート通過指定コマンドを送信する変形例2について説明する。
図66は、変形例2における演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。変形例2では、図66に示すように、ゲート通過1指定コマンドおよびゲート通過2指定コマンドに代えて、ゲート通過A指定コマンドおよびゲート通過B指定コマンドが用いられる。変形例2において、コマンドC811(H)は、ゲート通過待ち状態でないときにゲート32を遊技球が通過したことを指定する演出制御コマンド(ゲート通過A指定コマンド)である。コマンドC812(H)は、ゲート通過待ち状態中にゲート32を遊技球が通過したことを指定する演出制御コマンド(ゲート通過B指定コマンド)である。
変形例2では、図35に示す普通図柄プロセス処理において、CPU56は、ステップS5112〜S5114の処理に代えて、まず、ゲート通過待ち状態であるか否かを確認する。なお、ゲート通過待ち状態であるか否かは、例えば、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1ゲート通過待ち処理を示す値となっているか否かや、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2ゲート通過待ち処理を示す値となっているか否かを確認することにより判定できる。ゲート通過待ち状態でなければ、CPU56は、ゲート通過A指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う。一方、ゲート通過待ち状態であれば、CPU56は、ゲート通過B指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う。
なお、ゲート通過待ち状態であるか否かに加えて、さらにKT状態中であるか否かも特定可能な態様でゲート通過指定コマンドを送信可能に構成してもよい。この場合、例えば、非KT状態中でゲート通過待ち状態でないときにゲート32を遊技球が通過したことを指定するゲート通過1A指定コマンドと、非KT状態中でゲート通過待ち状態中にゲート32を遊技球が通過したことを指定するゲート通過1B指定コマンドと、KT状態中でゲート通過待ち状態でないときにゲート32を遊技球が通過したことを指定するゲート通過2A指定コマンドと、KT状態中でゲート通過待ち状態中にゲート32を遊技球が通過したことを指定するゲート通過2B指定コマンドとを送信可能に構成してもよい。そして、普通図柄プロセス処理において、KT状態中であるか否かを判定するとともにゲート通過待ち状態であるか否かを判定し、その判定結果にもとづいて、これら4種類のいずれかのゲート通過指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行うようにすればよい。
図66に示す変形例2によれば、遊技の進行を制御する遊技制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、遊技制御手段からの情報にもとづいて演出を制御する演出制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200)とを備える。また、遊技制御手段は、所定条件(本例では、大当り図柄を導出表示したこと)が成立した後、特定領域(本例では、ゲート32)を遊技媒体(本例では、遊技球)が通過したことにもとづいて、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能である。また、遊技制御手段は、特定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて、普通識別情報(本例では、普通図柄)の可変表示を実行可能であり、普通識別情報の可変表示の表示結果が所定表示結果(本例では、当り図柄)となったことにもとづいて、可変装置(本例では、可変入賞球装置15)を進入容易状態(本例では、開放状態)に制御する。また、遊技制御手段は、特定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて、状態に応じて異なる特定通過情報(本例では、ゲート通過A指定コマンド、ゲート通過B指定コマンド)を出力する。そのため、演出制御手段側で適切に状態を把握することができ、適切に情報を出力することができる。
なお、変形例2では、「状態に応じて異なる特定通過情報を出力する」場合として、ゲート通過待ち状態であるか否かに応じてゲート通過A指定コマンドまたはゲート通過B指定コマンドを送信する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、「状態に応じて異なる特定通過情報を出力する」場合には、図17に示したように、KT状態であるか否かに応じてゲート通過1指定コマンドまたはゲート通過2指定コマンドを送信するものも含まれる概念である。
また、「状態に応じて異なる特定通過情報を出力する」場合として、例えば、確変状態であるか否かや高ベース状態であるか否かに応じて、異なるゲート通過指定コマンドを送信するように構成してもよい。また、「状態に応じて異なる特定通過情報を出力する」場合として、例えば、ゲート通過待ち状態でないときにゲート32を遊技球が通過したときにはゲート通過指定コマンドを送信する一方で、ゲート通過待ち状態でゲート32を遊技球が通過したときには、ゲート通過指定コマンドを送信せず、ゲート通過指定コマンドとは異なるコマンド(例えば、大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド))を送信するように構成したものであってもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時変動可能であるとともにKT状態に制御可能に構成した遊技機について説明したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄と第2特別図柄とを入賞順に変動させたり、第2特別図柄を優先変動させたりする遊技機や、KT状態に制御しない遊技機であっても、普通始動領域と作動領域とを兼用した兼用ゲートを備えるように構成した場合に、ゲート通過待ち状態であるか否かに関係なく、共通のゲート通過指定コマンドを送信したり、状態に応じて異なるゲート通過指定コマンドを送信したりするように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、遊技の進行を制御する遊技制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、遊技制御手段からの情報にもとづいて演出を制御する演出制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200)とを備える。遊技制御手段は、第1識別情報の可変表示に関する情報を、保留記憶として記憶する第1保留記憶手段(本例では、第1保留記憶バッファ)と、第2識別情報の可変表示に関する情報を、保留記憶として記憶する第2保留記憶手段(本例では、第2保留記憶バッファ)とを含み、有利状態(本例では、大当り遊技状態)とは異なる状態であって遊技者にとって有利な特殊状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり、特殊状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能であり、情報(本例では、演出制御コマンド)を演出制御手段に出力可能である。また、演出制御手段は、特別状態に制御されているか否かに応じて第1識別情報と第2識別情報とのうちのいずれか一方の可変表示に対応して演出識別情報(本例では、背景図柄)の可変表示を実行可能である。また、第1識別情報の可変表示を終了したときに第1保留記憶手段が記憶する保留記憶がないことにもとづいて第1情報(本例では、第1客待ちデモ表示指定コマンド)を演出制御手段に出力可能であり、第2識別情報の可変表示を終了したときに第2保留記憶手段が記憶する保留記憶がないことにもとづいて第2情報(本例では、第2客待ちデモ表示指定コマンド)を演出制御手段に出力可能である。そのため、2つの識別情報の可変表示状態に関する情報を演出制御手段に適切に出力することができる。
例えば、特開2015−156952号公報に記載された遊技機のように第1識別情報の可変表示および第2識別情報の可変表示を同時に実行可能に構成された遊技機では、2つの識別情報の可変表示状態に関する情報を演出制御手段に適切に出力する必要がある。これに対して、この実施の形態によれば、第1識別情報の可変表示を終了したときに第1保留記憶手段が記憶する保留記憶がないことにもとづいて第1情報を演出制御手段に出力可能であり、第2識別情報の可変表示を終了したときに第2保留記憶手段が記憶する保留記憶がないことにもとづいて第2情報を演出制御手段に出力可能であるので、2つの識別情報の可変表示状態に関する情報を演出制御手段に適切に出力することができる。
また、この実施の形態によれば、特別状態に制御されているか否かに対応する情報(本例では、背景指定コマンド)を演出制御手段に出力可能である。また、演出制御手段は、特別状態に制御されている場合に、第1識別情報の可変表示が実行されているか否かに関係なく、第2情報を受信したことにもとづいて不在時演出(本例では、第2デモ表示の表示)を実行可能である。そのため、第1識別情報の可変表示および第2識別情報の可変表示を同時に実行可能に構成された遊技機において適切なタイミングにて不在時演出を実行することができる。
また、この実施の形態によれば、特別状態に制御されているか否かに対応する情報(本例では、背景指定コマンド)を演出制御手段に出力可能である。また、演出制御手段は、特別状態に制御されていない場合に、第2識別情報の可変表示が実行されているか否かに関係なく、第1情報を受信したことにもとづいて不在時演出(本例では、第1デモ表示の表示)を実行可能である。そのため、第1識別情報の可変表示および第2識別情報の可変表示を同時に実行可能に構成された遊技機において適切なタイミングにて不在時演出を実行することができる。
なお、この実施の形態では、第1客待ちデモ表示指定コマンドや第2客待ちデモ表示指定コマンドを受信したことにもとづいて第1デモ表示や第2デモ表示を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、非KT状態中に第1客待ちデモ表示指定コマンドを受信したことにもとづいて所定のメニュー案内画像表示を表示したり、KT状態中に第2客待ちデモ表示指定コマンドを受信したことにもとづいて所定のメニュー案内画像表示を表示したりしてもよい。この場合、例えば、所定のメニュー案内画像表示として、演出モードの切り替えを行ったり、液晶画面やLEDの輝度調整を行ったり、スピーカ27から出力する音の音量調整を行ったりするための案内画面を表示するようにしてもよい。
また、この実施の形態によれば、特別状態に制御されているか否かに対応する情報(本例では、背景指定コマンド)を演出制御手段に出力可能である。また、特別状態に制御されていない場合に、第1識別情報の可変表示に対応して演出識別情報の可変表示を実行可能であり(本例では、非KT状態では第1特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行する)、特別状態に制御されている場合に、第2識別情報の可変表示に対応して演出識別情報の可変表示を実行可能である(本例では、KT状態では第2特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行する)。また、演出制御手段は、第1識別情報の可変表示および第2識別情報の可変表示に対応して演出識別情報よりも視認性が低い所定識別情報(本例では、第1飾り図柄、第2飾り図柄)の可変表示を実行可能である(本例では、第1特別図柄の変動表示に対応して第1飾り図柄の変動表示を実行し、第2特別図柄の変動表示に対応して第2特別図柄の変動表示を実行する)。そのため、特別状態に制御されているか否かに応じて視認性が高い演出識別情報の可変表示の対象となる方の識別情報を異ならせつつ、所定識別情報の可変表示によって演出識別情報の可変表示の対象でない方の識別情報の可変表示状態も報知可能とすることができる。
なお、この実施の形態では、視認性が低い所定識別情報の可変表示として、演出表示装置9の表示画面上に設けられた第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の変動表示と、演出表示装置9の表示画面上に設けられた第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の変動表示とを実行する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出表示装置9(液晶表示装置)外に設けられたLEDやランプを点灯表示させることによって第1飾り図柄や第2飾り図柄の変動表示を実行するものであってもよい。
また、この実施の形態によれば、特別状態に制御されているか否かに対応する情報(本例では、背景指定コマンド)を演出制御手段に出力可能である。また、演出制御手段は、可動部材の位置検出処理(本例では、可動部材初期動作処理)を実行可能である。この場合、特別状態に制御されていない場合に、第2識別情報の可変表示が実行されているか否かに関係なく、第1情報を受信したことにもとづいて位置検出処理を実行可能であり(本例では、非KT状態では第1客待ちデモ表示指定コマンドを受信したときに可動部材初期動作処理を実行する)、特別状態に制御されている場合に、第1識別情報の可変表示が実行されているか否かに関係なく、第2情報を受信したことにもとづいて位置検出処理を実行可能である(本例では、KT状態では第2客待ちデモ表示指定コマンドを受信したときに可動部材初期動作処理を実行する)。そのため、可動部材の位置検出処理を適切なタイミングにて実行することができる。
なお、この実施の形態では、特別状態に制御されているか否かに対応する情報として、背景指定コマンドを遊技状態を特定可能な態様で送信する場合を示したが(図17参照)、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率/非KT状態、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、および高確率/第2KT状態のいずれの遊技状態であるかを指定する状態指定コマンドを送信するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、可変表示の実行にもとづいて、有利状態(本例では、大当り遊技状態)とは異なる状態であって遊技者にとって有利な特殊状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり、特殊状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能である。また、所定経路(本例では、遊技領域7の右方)への遊技媒体(本例では、遊技球)の発射操作を促すための発射促進報知(本例では、右打ち表示の表示)を実行可能である。この場合、特別状態に制御されている場合に、所定態様により発射促進報知を実行可能であり(本例では、図60(A)に示すように、演出表示装置9の表示画面の中央下部において大サイズの「右打ち!」の文字表示を表示する)、可変表示期間が所定期間以上であること(本例では、リーチを伴う変動表示であること)にもとづいて、可変表示の実行中に所定態様とは異なる特定態様により発射促進報知を実行可能である(本例では、図60(B)に示すように、大サイズの「右打ち!」の文字表示から小サイズの「右打ち!」の文字表示に変更される)。そのため、可変表示の種類によって発射促進報知の態様を変化させることにより、適切な発射促進報知を実行することができる。
例えば、特開2017−086643号公報に記載された遊技機では、特別状態に制御されている場合において発射促進報知の態様が一様であり、必ずしも適切な発射促進報知を実行することはできない。具体的には、例えば、リーチを伴う変動表示が実行される場合は一般に変動時間が長く、右打ちしても直ちに大入賞口や特殊入賞口24への入賞が期待できず、小当りとならない変動表示が実行される場合にも、右打ちしても直ちに大入賞口や特殊入賞口24への入賞が期待できないところ、このような利益が得られにくい期間に、利益が得られやすい期間と同様の態様で発射促進報知(本例では、右打ち表示の表示)が実行され、遊技者が継続して右打ち操作を行ってしまうと、発射操作した遊技球が無駄に消化され、遊技者の不利益が大きくなる可能性がある。これに対して、この実施の形態によれば、特別状態に制御されている場合に、所定態様により発射促進報知を実行可能であり、可変表示期間が所定期間以上であることにもとづいて、可変表示の実行中に所定態様とは異なる特定態様により発射促進報知を実行可能であるので、可変表示の種類によって発射促進報知の態様を変化させることにより、適切な発射促進報知を実行することができる。
なお、この実施の形態では、特定態様による発射促進報知として、小サイズの右打ち表示の表示に切り替える場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、可変表示期間が所定期間以上であることにもとづいて、発射促進報知を一時的に行わない(例えば、右打ち表示を一時的に消去する)ように構成してもよい。
また、この実施の形態では、リーチを伴う変動表示であるか否かを判定することにより、可変表示期間が所定期間以上であるか否かを判定する場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、変動パターンコマンドで指定される変動パターンにもとづいて変動時間自体を確認し、変動時間が所定時間(例えば、15秒)以上であるか否かを判定することによって、特定態様による発射促進報知に切り替えるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、リーチを伴う変動表示であれば、その変動開始時に所定態様(本例では、大サイズ)から特定態様(本例では、小サイズ)に切り替えて発射促進報知(本例では、右打ち表示の表示)を行う場合を示しているが、切り替えのタイミングは、この実施の形態で示した態様にかぎられない。例えば、その変動表示中のリーチ発生前のタイミングで所定態様から特定態様に切り替えてもよいし、リーチ発生後のタイミングで所定態様から特定態様に切り替えてもよい。
また、この実施の形態によれば、可変表示の実行中に特定態様により発射促進報知を実行した場合に、可変表示の表示結果として可変装置の動作に対応しない所定表示結果が導出表示されたことにもとづいて、特定態様から所定態様に変更して発射促進報知を実行可能である(本例では、図60(C)に示すように、背景図柄の停止図柄としてはずれ図柄を停止表示する場合に、小サイズの「右打ち!」の文字表示から大サイズの「右打ち!」の文字表示に変更される)。そのため、適切なタイミングにて発射促進報知の態様を変化させることができる。
また、この実施の形態によれば、特別状態として、第1特別状態(本例では、第1KT状態)と、該第1特別状態よりも有利度が高い第2特別状態(本例では、第2KT状態)とに制御可能である。また、第1特別状態に制御されている場合に、第2特別状態に制御されている場合とは異なる特殊態様により発射促進報知を実行可能である(本例では、演出表示装置9の表示画面の右上端部において小サイズの「右打ち」の文字表示を表示する)。そのため、第2特別状態に制御されている場合の発射促進報知の態様の変化を際立たせることができる。
また、この実施の形態によれば、可変表示期間が所定期間以上であること(本例では、リーチを伴う変動表示であること)、または可変表示の表示結果として特殊状態に制御されないことに対応する表示結果が導出表示されること(本例では、小当りとなる変動表示でないこと)にもとづいて、可変表示の実行中に特定態様により発射促進報知を実行可能である。そのため、利益が得られない期間に対応して、特定態様により発射促進報知を実行することができる。
また、この実施の形態によれば、所定演出(本例では、リーチ)が実行される場合に可変表示の実行中に特定態様により発射促進報知を実行可能であり、特定態様として所定態様よりも認識度合いが低い態様により発射促進報知を実行可能である(本例では、図60に示すように、右打ち表示(大)309よりも小サイズの右打ち表示310に変更される)。そのため、発射操作の停止を遊技者に促しつつ、所定演出の演出効果の低下を抑えることができる。
なお、この実施の形態では、所定態様として大サイズの右打ち表示(大)309を表示し、特定態様として小サイズの右打ち表示310を表示する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、所定態様として赤色や虹色などの比較的目立ちやすい表示色で右打ち表示を表示し、特定態様として青色や緑色などの比較的目立ちにくい表示色で右打ち表示を表示するように構成してもよい。また、例えば、所定態様として表示画面の中央付近など比較的目立ちやすい箇所に右打ち表示を表示し、特定態様として表示画面の端部など比較的目立ちにくい箇所に右打ち表示を表示するように構成してもよい。また、例えば、アニメーション表示の有無で所定態様と特定態様とを切り替えるように構成してもよい。この場合、例えば、所定態様として右向きの矢印表示が順に動いていくような態様のアニメーション表示として右打ち表示の表示を行い、特定態様として右向きの矢印表示が静止しているような静止画表示として右打ち表示の表示を行うものであってもよい。そのように何らかの形式で、所定態様として目立ちやすい態様で右打ち表示を表示し、特定態様として目立ちにくい態様で右打ち表示を表示するものであればよい。
また、この実施の形態によれば、有利状態(本例では、大当り遊技状態)とは異なる状態であって遊技者にとって有利な特別状態(本例では、KT状態)に制御可能である。また、貯留部(本例では、余剰球受皿(下皿)4)に貯留されている遊技媒体(本例では、遊技球)の数が所定数を超えたことにもとづいて、特定報知(本例では、図61に示す満タンエラー報知)を実行可能である。この場合、有利状態に制御されている場合に、所定態様により特定報知を実行可能であり(本例では、図61(A)に示すように、大当り遊技中である場合には、演出表示装置9において満タンエラー報知(大)313を表示する)、特別状態に制御されている場合に、所定態様よりも認識度合いが低い特定態様により特定報知を実行可能である(本例では、図61(B)に示すように、KT状態中である場合には、演出表示装置9において満タンエラー報知(小)314を表示する)。そのため、遊技の状態に対応して適切な特定報知を実行することができる。
例えば、特開2015−051137号公報に記載された遊技機では、有利状態に制御されている場合と特別状態に制御されている場合とで特定報知の態様が一様であり、必ずしも適切な特定報知を実行することはできない。具体的には、この実施の形態で示したように、特別状態(KT状態)に制御可能に構成した遊技機では、第2特別図柄の変動表示結果がはずれとなる場合があるように構成した場合や、特殊入賞口24への流下経路に釘が複数設けられて入賞が困難に構成されている場合に、特別状態において小当り遊技中に貯留部(皿)にある程度遊技球を貯めておく必要がある。しかしながら、このような状況下で特定報知(満タンエラー報知)に従って貯留部(皿)からある程度の遊技球を抜いてしまうと、特別状態において遊技球の補充を頻繁に行う必要が生じてしまい、遊技者目線から見ると却って不適切な報知となる場合がある。また、特別状態(KT状態)を備えない遊技機であっても、高ベース状態において、大当りに当選しなければ、貯留部(皿)から遊技球が減り続けうる状態であるので、特定報知(満タンエラー報知)に従って貯留部(皿)からある程度の遊技球を抜いてしまうと、遊技球の補充を頻繁に行う必要が生じてしまい、遊技者目線から見ると却って不適切な報知となる場合がある。これに対して、この実施の形態によれば、有利状態に制御されている場合に、所定態様により特定報知を実行可能であり、特別状態に制御されている場合に、所定態様よりも認識度合いが低い特定態様により特定報知を実行可能であるので、遊技の状態に対応して適切な特定報知を実行することができる。
なお、この実施の形態では、所定態様として大サイズの満タンエラー報知を行い、特定態様として小サイズの満タンエラー報知を行う場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、所定態様として赤色や虹色などの比較的目立ちやすい表示色で特定報知(満タンエラー報知)を行い、特定態様として青色や緑色などの比較的目立ちにくい表示色で特定報知(満タンエラー報知)を行うように構成してもよい。また、例えば、所定態様として表示画面の中央付近など比較的目立ちやすい箇所に特定報知(満タンエラー報知)を行い、特定態様として表示画面の端部など比較的目立ちにくい箇所に特定報知(満タンエラー報知)を行うように構成してもよい(この場合、表示画面の端部などで特定報知(満タンエラー報知)を行う場合には、リーチ演出や予告演出など他の演出の邪魔にならない表示箇所で特定報知(満タンエラー報知)を行うようにすることが望ましい)。また、例えば、演出表示装置(液晶表示装置)としてメイン表示装置とサブ表示装置とを備えるように構成されている場合に、所定態様としてメイン表示装置およびサブ表示装置において特定報知(満タンエラー報知)を行い、特定態様としてサブ表示装置のみにおいて特定報知(満タンエラー報知)を行うように構成してもよい。また、所定態様として所定の報知音の出力を伴うまたは音量が大きい特定報知(満タンエラー報知)を行い、特定態様として所定の報知音の出力を伴わないまたは音量が小さい特定報知(満タンエラー報知)を行うように構成してもよい。また、所定態様として所定の報知表示の表示数が多い特定報知(満タンエラー報知)を行い、特定態様として所定の報知表示の表示数が少ない特定報知(満タンエラー報知)を行うように構成してもよい。また、所定態様と特定態様とでLEDやランプの発光態様が異なる特定報知(満タンエラー報知)を行うように構成してもよい。そのように何らかの形式で、所定態様として目立ちやすい態様で特定報知(満タンエラー報知)を行い、特定態様として目立ちにくい態様で特定報知(満タンエラー報知)を行うものであればよい。
また、この実施の形態では、特定報知(満タンエラー報知)を行う場合のみ所定態様から特定態様への切り替えを行い、その他のエラーに関しては表示態様を切り替えないように構成されている。例えば、ドア開放エラーや、球切れエラー、賞球エラー、電波エラー、磁気エラー、振動エラー、異常入賞など満タンエラー以外のエラーに関しては、表示態様の切り替えを行わないように構成している。すなわち、これらのエラーに関しては、重要度が高いエラーであり視認性を低下させる意味もないので、常時視認しやすい態様で表示するように構成している。
また、この実施の形態によれば、特別状態に制御されていない場合においても特定態様により特定報知を実行可能である(本例では、図61(B)に示すように、非KT状態中である場合にも、演出表示装置9において満タンエラー報知(小)314を表示する)。そのため、利益が得られにくい特別状態に制御されていない場合においても適切な特定報知を実行することができる。
なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、KT状態と非KT状態とで異なる態様で満タンエラー報知を実行するように構成してもよい。また、さらに、第1KT状態と第2KT状態とで異なる態様で満タンエラー報知を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示および第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を実行可能であり、有利状態(本例では、大当り遊技状態)および特別状態(本例では、KT状態)とは異なる状態であって遊技者にとって有利な特殊状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能である。また、特別状態は、特殊状態に制御される頻度を高めた状態であり、第1識別情報の可変表示と第2識別情報の可変表示とを同時に実行可能であり(本例では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に実行可能である)、特別状態に制御されている場合に、特別状態に制御されていない場合と比べて、短い可変表示期間により第2識別情報の可変表示を実行可能である(本例では、図12〜図14に示すように、KT状態である場合には、非KT状態では選択されない変動時間が1秒や2秒、5秒の変動パターンが選択される場合がある)。また、第2識別情報の可変表示が実行される場合に、第1識別情報の可変表示が実行される場合と比べて、高い割合により特殊状態に制御可能である(本例では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合にのみ、小当りと決定する場合がある)。そのため、有利状態よりも利益の増加度合いが低い特別状態において適切な特定報知を実行することができる。
なお、この実施の形態では、打球供給皿(上皿)3に加えて余剰球受皿(下皿)4を設けるように構成する場合を示しているが、余剰球受皿(下皿)4を設けず、打球供給皿(上皿)3のみを設けるように遊技機を構成し、打球供給皿(上皿)3に球抜き用の開口部を設けるように構成してもよい。すなわち、貯留部(この例では、打球供給皿(上皿)3)は、払い出される遊技媒体(この例では、遊技球)が通過する払出通路(この例では、打球供給皿(上皿)3の入口側の通路)と発射される遊技媒体が通過する発射通路(この例では、打球供給皿(上皿)3の出口側の通路)との間に設けられ、遊技者の操作により開閉可能な遊技媒体を排出するための開口部(この例では、球抜き用の開口部)が設けられているように構成されていてもよい。そのような構成によれば、貯留部に設けられた開口部を開放状態とすると発射可能な遊技媒体の貯留数を一定数確保できない構造である場合に、適切な特定報知を実行することができる。
上記に示した実施の形態において、例えば、特に特殊入賞口24への入賞が期待できる第2KT状態において賞球数表示を強調表示するように構成してもよい。以下、第2KT状態において賞球数表示を強調表示する変形例3について説明する。
なお、上記に示した実施の形態では、第1賞球数カウンタと第2賞球数カウンタとを別々に備え、連荘中の賞球数と第2KT状態中の賞球数とを別々にカウントする場合を示したが、本変形例3では、1つの賞球数カウンタのみを用いて連荘中であるか第2KT状態中であるかに関係なく、大当り遊技中およびKT状態中に大入賞口および特殊入賞口24への入賞によって得られた賞球数を累積的にカウントするものとする。
また、本変形例3では、第1KT状態中では、演出表示装置9において第1KTパターンにより賞球数表示が表示される。例えば、演出表示装置9の表示画面の右上端部において賞球数表示が表示される。また、第2KT状態中では、演出表示装置9において第2KTパターンにより賞球数表示が表示される。例えば、演出表示装置9の表示画面の中央付近において賞球数表示が表示される。また、大当り遊技中では、演出表示装置9において大当りパターンにより賞球数表示が表示される。例えば、演出表示装置9の表示画面の左下端部において賞球数表示が表示される。
また、本変形例3では、演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)は、演出制御メイン処理において、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に獲得した賞球数を示す賞球数表示の表示を制御する賞球数表示処理を実行する。また、本変形例3では、大入賞口に1つの遊技球が入賞した場合と特殊入賞口24に1つの遊技球が入賞した場合とでともに15個の賞球が払い出されるものとする。
図67〜図70は、変形例3における賞球数表示処理を示すフローチャートである。賞球数表示処理において、演出制御用CPU201は、まず、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS500)。大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、大入賞口への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU201は、大入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS501)、第1賞球増加演出の実行中であることを示す第1賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS502)。第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第1賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS506に移行する。
第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第1賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第1賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS503)。また、演出制御用CPU201は、第1賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS504)。そして、ステップS510に移行する。
本変形例3では、大当り遊技中やKT状態(第1KT状態、第2KT状態)中に賞球数表示が表示されているのであるが、賞球数表示が表示されているときに大入賞口や特殊入賞口24に遊技球が入賞すると、賞球数表示で示される賞球数が1つずつ増加していくような態様の賞球増加演出が実行される。本変形例3では、賞球増加演出には第1賞球増加演出〜第3賞球増加演出の3種類がある。第1賞球増加演出は、大当り遊技中に大当りパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的高速の第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。また、第2賞球増加演出は、第1KT状態中に第1KTパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的高速の第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。また、第3賞球増加演出は、第2KT状態中に第2KTパターンによる賞球数表示が表示されているときに、比較的低速の第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で実行される演出である。
本変形例3では、大入賞口入賞フラグがセットされていた(大入賞口への入賞が発生した)ということは、大当り遊技中であり大当りパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS503において大当りパターンにより表示されている賞球数表示において第1速度で賞球数が1ずつ増加していく第1賞球増加演出が開始される。
大入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、大入賞口への入賞が発生していなければ)、演出制御用CPU201は、第1賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS505)。第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第1賞球増加演出の実行中でなければ)、ステップS510に移行する。
ステップS502またはステップS505で第1賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第1賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.1秒経過したか否か)を確認する(ステップS506)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS507)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU201は、再び演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第1賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS508)。そして、ステップS510に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU201は、第1賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS509)、第1賞球増加演出を終了する。そして、ステップS510に移行する。
本変形例3では、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS30参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算されるのであるが、ステップS500〜S509の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、本変形例3では、1回の大入賞口への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.1秒×15=1.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の大入賞口への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の大入賞口への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第1賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて3.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。ただし、本変形例3では、第1賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第1速度が0.1秒と比較的速いので、少なくとも大当り遊技を終了するまでには、全ての賞球数が増加する演出が終了するように構成されている。
次いで、演出制御用CPU201は、特殊入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS510)。特殊入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、特殊入賞口24への入賞が発生していれば)、演出制御用CPU201は、特殊入賞口入賞フラグをリセットし(ステップS511)、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS512)。第2KTフラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、ステップS523に移行する。第2KT状態フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS513)。第1KT状態フラグもセットされていなければ(すなわち、非KT状態であれば)、そのまま処理を終了する。すなわち、非KT状態中に稀に特殊入賞口24への入賞が発生したとしても、そもそも賞球数表示が行われていないので、賞球増加演出を行うことなく、そのまま処理を終了する。
第1KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第1KT状態中であれば)、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出の実行中であることを示す第2賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS514)。第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第2賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS519に移行する。
第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第2賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第2賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS515)。また、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS516)。そして、ステップS540に移行する。
本変形例3では、第1KT状態フラグがセットされていた(第1KT状態中)ということは、第1KTパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS515において第1KTパターンにより表示されている賞球数表示において第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していく第2賞球増加演出が開始される。
特殊入賞口入賞フラグがセットされていなければ(すなわち、特殊入賞口24への入賞が発生していなければ)、第3賞球増加演出の実行中であることを示す第3賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS517)。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第3賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS533に移行する。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第3賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS518)。第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、第2賞球増加演出の実行中でなければ)、ステップS540に移行する。
ステップS514またはステップS518で第2賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第2賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.1秒経過したか否か)を確認する(ステップS519)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS520)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU201は、再び演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第2賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS521)。そして、ステップS540に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU201は、第2賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS522)、第2賞球増加演出を終了する。そして、ステップS540に移行する。
本変形例3では、第1KT状態中に発生した小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS30参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算されるのであるが、ステップS510〜S522の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、第1速度(本例では、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、本変形例3では、第1KT状態中では1回の特殊入賞口24への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.1秒×15=1.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の特殊入賞口24への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の特殊入賞口24への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第2賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて3.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。ただし、本変形例3では、第2賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第1速度が0.1秒と比較的速いので、少なくとも小当り遊技を終了するまでには、全ての賞球数が増加する演出が終了するように構成されている。
ステップS512で第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9においてエフェクト演出を開始する制御を行う(ステップS523)。次いで、演出制御用CPU201は、入賞演出の実行中であることを示す入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS524)。入賞演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、入賞演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、待機中の入賞演出の数をカウントするための入賞演出待機数カウンタの値を1加算する(ステップS525)。そして、ステップS529に移行する。
入賞演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、入賞演出の実行中でなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において賞球増加表示(例えば、「+15」などの文字表示)を表示する制御を行う(ステップS526)とともに、演出表示装置9において入賞演出を開始する制御を行う(ステップS527)。また、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグをセットする(ステップS528)。そして、ステップS529に移行する。
次いで、演出制御用CPU201は、第3賞球増加演出の実行中であることを示す第3賞球増加演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS529)。第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、既に第3賞球増加演出の実行中であれば)、ステップS533に移行する。
第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ第3賞球増加演出が実行されていなければ)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2KTパターンで表示されている賞球数表示の拡大表示を開始する制御を行う(ステップS530)。また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第3賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS531)。また、演出制御用CPU201は、第3賞球増加演出実行中フラグをセットする(ステップS532)。そして、ステップS540に移行する。
本変形例3では、第2KT状態フラグがセットされていた(第2KT状態中)ということは、第2KTパターンによる賞球数表示が表示されている場合であるから、ステップS531において第2KTパターンにより表示され拡大表示されている賞球数表示において第2速度(本例では、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していく第3賞球増加演出が開始される。
ステップS517またはステップS529で第3賞球増加演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、第3賞球増加演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、エフェクト演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS533)。なお、エフェクト演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS523でエフェクト演出を開始するときに、エフェクト演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。エフェクト演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9においてエフェクト演出を終了する制御を行う(ステップS534)。
次いで、演出制御用CPU201は、賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了したか否か(すなわち、賞球数を1増加させる演出を開始してから0.5秒経過したか否か)を確認する(ステップS535)。賞球数表示において賞球数を1増加させる表示が終了していれば、演出制御用CPU201は、賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致する状態となったか否かを確認する(ステップS536)。賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数とまだ一致していなければ、演出制御用CPU201は、再び演出表示装置9において第2速度で賞球数を1増加させる演出を開始し、第3賞球増加演出を開始する制御を行う(ステップS537)。そして、ステップS540に移行する。
賞球数が1増加した後の賞球数表示が賞球数カウンタで示される賞球数と一致していれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において第2KTパターンで表示されている賞球数表示の拡大表示を終了する制御を行う(ステップS538)。また、演出制御用CPU201は、第3賞球増加演出実行中フラグをリセットし(ステップS539)、第3賞球増加演出を終了する。そして、ステップS540に移行する。
本変形例3では、第2KT状態中に発生した小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生した場合には、直ちに賞球15個の払出制御が行われる(ステップS30参照)とともに、直ちに賞球数カウンタに15が加算されるのであるが、ステップS510,S517,S529〜S532,S535〜S359の処理が実行されることによって、賞球数表示は直ちに15が加算された値に更新されるのではなく、エフェクト演出が実行されるとともに賞球数表示が拡大表示され、第2速度(本例では、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していくような態様で賞球数表示が更新される。従って、本変形例3では、第2KT状態中では1回の特殊入賞口24への入賞に対して、15個全ての賞球数の更新が終了するまで0.5秒×15=7.5秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる。なお、この場合、15個全ての賞球数の更新が終わる前に次の特殊入賞口24への入賞が発生してしまう場合も考えられるが、例えば、15個の賞球のうちの5個目までしか賞球数の増加表示が行われていない段階で次の特殊入賞口24への入賞が発生した場合であっても、引き続き次の6個目の賞球数が増加する態様の表示が行われ、新たな入賞で追加された分の賞球数も含めて全ての賞球数の増加表示が終わるまで、第3賞球増加演出が継続して実行されることになる(この場合、追加で発生した賞球数分も含めて15.0秒をかけて賞球数表示の更新が行われることになる)。
ここで、本変形例3では、第3賞球増加演出が実行される場合には、賞球数が更新されていく第2速度が0.5秒と比較的遅いので、小当り遊技を終了するまでに全ての賞球数が増加する演出が終了しない場合もある。本変形例3では、賞球数表示処理は、演出制御メイン処理で実行される演出として構成され、変動表示の実行中であるかや、大当り遊技中または小当り遊技中であるかに関係なく、タイマ割込の発生ごとに実行されるので、小当り遊技中に第3賞球増加演出が終了しなかった場合には、その小当り遊技終了後の変動表示にわたって第3賞球増加演出が継続して実行される(さらに、変動表示を挟んで複数の小当り遊技にわたって第3賞球増加演出が実行されてもよい)。
次いで、演出制御用CPU201は、入賞演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS540)。入賞演出実行中フラグがセットされていれば(すなわち、入賞演出の実行中であれば)、演出制御用CPU201は、入賞演出の終了タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS541)。なお、入賞演出の終了タイミングとなっているか否かは、例えば、ステップS527で入賞演出を開始するときに、入賞演出の演出期間を計測するためのタイマをセットしておき、そのタイマがタイムアウトしたか否かを確認することにより判定できる。入賞演出の終了タイミングとなっていれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において入賞演出を終了する制御を行う(ステップS542)。
次いで、演出制御用CPU201は、入賞演出待機数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS543)。入賞演出待機数カウンタの値が0でなければ(すなわち、未実行の待機中の入賞演出があれば)、演出制御用CPU201は、入賞演出待機数カウンタの値を1減算する(ステップS544)。また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において賞球増加表示(例えば、「+15」などの文字表示)を表示する制御を行う(ステップS545)とともに、演出表示装置9において入賞演出を開始する制御を行う(ステップS546)。
入賞演出待機数カウンタの値が0であれば(すなわち、未実行の待機中の入賞演出がなければ)、演出用CPU201は、入賞演出実行中フラグをリセットする(ステップS547)。
本変形例3では、ステップS524〜S528,S540〜S547の処理が実行されることによって、第2KT状態中に特殊入賞口24への入賞が発生した場合には、賞球増加表示が表示されるとともに入賞演出が実行される。この場合、入賞演出の実行中に新たに次の特殊入賞口24への入賞が発生する場合もありうるのであるが、そのような場合には実行中の入賞演出が終了するまで待機し、その実行中の入賞演出が終了してから次の賞球増加表示の表示および入賞演出を実行する(遅れて賞球増加表示の表示および入賞演出を実行する)。
ここで、本変形例3では、賞球増加表示の表示や入賞演出が遅れて実行される場合があることから、小当り遊技を終了するまでに全ての賞球増加表示の表示や入賞演出を実行できない場合も考えられる。本変形例3では、賞球数表示処理は、演出制御メイン処理で実行される演出として構成され、変動表示の実行中であるかや、大当り遊技中または小当り遊技中であるかに関係なく、タイマ割込の発生ごとに実行されるので、小当り遊技中に賞球増加表示の表示や入賞演出が終了しなかった場合には、その小当り遊技終了後の変動表示にわたって賞球増加表示の表示や入賞演出が実行される(さらに、変動表示を挟んで複数の小当り遊技にわたって賞球増加表示の表示や入賞演出が実行されてもよい)。
なお、本変形例3では、特殊入賞口24への入賞が発生したときにエフェクト演出も実行されるのであるが、エフェクト演出に関しては特殊入賞口24への入賞が発生したタイミングで直ちに実行される(ステップS523,S533,S534参照)。
また、本変形例3では、賞球数表示演出を演出制御メイン処理において実行する演出として構成しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、背景図柄プロセス処理において、ステップS900〜S908の処理を実行する前に賞球数表示演出を実行するように構成してもよい。
また、本変形例3では、特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加表示の表示や入賞演出を実行する場合を示しているが、例えば、さらに特殊入賞口ランプ24aを点灯表示させるように構成してもよい。
また、本変形例3では、大入賞口や特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて賞球増加演出を実行して賞球数が1ずつ増加していく演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、いわゆる一般入賞口(入賞しても可変入賞球装置の開放などは行われず、所定個数(例えば、5個)の賞球の払い出しのみが行われる入賞口)を備えるように構成した遊技機において、一般入賞口への入賞が発生した場合にも賞球増加演出を実行して賞球数が1ずつ増加していく演出を実行するように構成してもよい。この場合、一般入賞口への入賞が発生した場合には、賞球増加演出において一律に第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数が1ずつ増加していく演出を実行してもよいし、第2KT状態であれば一般入賞口への入賞が発生した場合であっても、賞球増加演出において第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数が1ずつ増加していく演出を実行してもよい。また、このように構成した場合であっても、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)であれば、一般入賞口への入賞が発生しても賞球増加演出を実行しないように構成してもよい。
次に、本変形例3における賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図71〜図74は、賞球増加演出の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図71は、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。また、図72は、第1KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。また、図73および図74は、第2KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例を示している。なお、図71〜図74において、(A)(B)(C)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図71を用いて、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図71(A)に示す例では、大当り遊技中である場合には、演出表示装置9において、大当りパターンによる賞球数表示400が表示されるとともに、例えば、キャラクタ401が表示され、キャラクタ401のセリフとして「大当り中!」などの文字表示402が表示される場合が示されている。なお、本変形例3では、図71に示すように、大当りパターンによる賞球数表示400として、演出表示装置9の表示画面の左下端部において賞球数表示400を表示する場合が示されている。
次いで、大当り遊技中に大入賞口への入賞が発生したものとする。この場合、図71(B)に示すように、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出が実行され、第1賞球増加演出が実行される(ステップS500〜S509参照)。本変形例3では、第1賞球増加演出では、第1速度として比較的速い速度(本例では、0.1秒)で賞球数表示の更新が行われ、図71(C)に示すように、全ての賞球数表示の更新が終了すると、第1賞球増加演出が終了する。
次に、図72を用いて、第1KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図72(A)に示す例では、第1KT状態中である場合には、演出表示装置9において、第1KTパターンによる賞球数表示403が表示されるとともに、小当りが発生した場合には、例えば、「小当り発生!」などの文字表示404が表示される場合が示されている。なお、本変形例3では、図72に示すように、第1KTパターンによる賞球数表示403として、演出表示装置9の表示画面の右上端部において賞球数表示403を表示する場合が示されている。
次いで、小当り遊技中に特殊入賞口24への入賞が発生したものとする。この場合、図72(B)に示すように、演出表示装置9において第1速度で賞球数を1増加させる演出が実行され、第2賞球増加演出が実行される(ステップS510〜S522参照)。本変形例3では、第2賞球増加演出では、第1速度として比較的速い速度(本例では、0.1秒)で賞球数表示の更新が行われ、図72(C)に示すように、全ての賞球数表示の更新が終了すると、第2賞球増加演出が終了する。
次に、図73および図74を用いて、第2KT状態中の小当り遊技において特殊入賞口24への入賞が発生したことにもとづいて実行される賞球増加演出の演出態様の具体例について説明する。図73(A)に示す例では、第2KT状態中である場合には、演出表示装置9において、第2KTパターンによる賞球数表示405が表示されるとともに、小当りが発生した場合には、例えば、「小当り発生!」などの文字表示406が表示される場合が示されている。なお、本変形例3では、図73および図74に示すように、第2KTパターンによる賞球数表示405として、演出表示装置9の表示画面の中央付近において賞球数表示405を表示する場合が示されている。
次いで、小当り遊技中に特殊入賞口24への入賞が発生したものとする。この場合、図73(B)に示すように、演出表示装置9においてエフェクト演出が開始される(ステップS523参照)とともに、賞球数表示405の拡大表示が開始される(ステップS530参照)。なお、図73(B)に示す例では、エフェクト演出として、賞球数表示405の周囲に所定のエフェクト画像407(例えば、キラキラ光るような態様の画像)が表示される場合が示されている。また、特殊入賞口24への入賞が発生すると、図73(B)に示すように、賞球増加表示が表示される(ステップS526参照)とともに入賞演出が開始される(ステップS527参照)。なお、図73(B)に示す例では、入賞演出として所定のキャラクタ408が表示される演出が実行されるとともに、賞球増加表示として「+15」などの文字表示409が表示される場合が示されている。
また、図73(C)に示すように、演出表示装置9において第2速度で賞球数を1増加させる演出が開始され、第3賞球増加演出が開始される(ステップS510,S517,S529〜S539参照)。本変形例3では、図73(C)〜図74(H)に示すように、第3賞球増加演出では、第1賞球増加演出や第2賞球増加演出と比較して、第2速度として比較的遅い速度(本例では、0.5秒)で賞球数表示の更新が行われる。
次いで、図73(D)に示すように、エフェクト演出が終了したものとし(入賞演出は継続している)、入賞演出の実行中に新たに次の特殊入賞口24への入賞が発生したものとする。この場合、図74(E)に示すように、演出表示装置9においてエフェクト演出が開始される(ステップS523参照)。ただし、この場合、まだ入賞演出の実行中であるので、新たな賞球増加表示の表示と入賞演出はまだ実行されない。
次いで、図74(F)に示すように、エフェクト演出が終了したものとし、さらに、図74(G)に示すように、入賞演出を終了したものとする。そして、入賞演出を終了すると、未実行の待機中の入賞演出があることにもとづいて、図74(H)に示すように、遅れて賞球増加表示が表示される(ステップS526参照)とともに入賞演出が開始される(ステップS527参照)。
そして、その後、図74(E)で追加で発生した特殊入賞口24への入賞にもとづく賞球数分も含めて全ての賞球数表示の更新が行われるまで、第2賞球増加演出が実行される。
なお、図73および図74に示す例では、エフェクト演出として、賞球数表示405の周囲にキラキラ光るような態様のエフェクト画像407を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、エフェクト演出として、賞球数表示405を覆うような態様の画像を表示するなど、何らかの形式で賞球数表示405に作用するような態様の演出を実行するように構成してもよい。そのように賞球数表示405に作用することにより、賞球数表示405が視認しにくくなるような演出を実行するものであってもよい。
また、本変形例3では、大当り遊技中に獲得した賞球数にKT状態中に獲得した賞球数を加算して賞球数表示を行っていく場合を示したが、そのような態様にかぎらず、大当り遊技中に獲得した賞球数とKT状態中に獲得した賞球数とを別々に表示するように構成してもよい。例えば、大当り遊技中である場合には、図71に示した態様で演出表示装置9の表示画面の左下端部に大当り遊技で獲得した賞球数を表示するとともに、図72に示した態様で演出表示装置9の表示画面の右上端部に第1KT状態中に獲得した賞球数も表示したり、図73(A)に示した態様で演出表示装置9の表示画面の中央付近に第2KT状態中に獲得した賞球数も表示したり(KT状態中に獲得した賞球数を別個独立に表示する)してもよい。
また、例えば、(1)KT状態が一旦終了して大当り遊技が開始するときに、KT状態中に獲得した賞球数の賞球数表示を消去し、大当り遊技中に表示する賞球数表示に合算して表示するように構成してもよいし、(2)KT状態を終了して非KT状態に移行するまでKT状態中に獲得した賞球数の賞球数表示を継続するように構成してもよい。なお、(2)の態様によれば、KT状態中のみの賞球の獲得数を認識することができることにより、遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、第2KT状態中の小当り遊技における演出の演出タイミングについて説明する。図75は、第2KT状態中の小当り遊技における演出の演出タイミングを説明するためのタイミングチャートである。図75に示すように、第2KT状態中の小当り遊技において、特殊入賞口24が開放状態であるときに1つ目の入賞が発生すると、賞球数表示の拡大表示が開始され(ステップS530参照)、1つ目の入賞に対する賞球数の更新表示が開始されて第3賞球増加演出が開始される(ステップS510,S517,S529〜S539参照)とともに、エフェクト演出が実行される(ステップS523参照)。また、図75に示すように、1つ目の入賞に対する入賞演出が開始される(ステップS527参照)。
次いで、図75に示すように、第2KT状態中の小当り遊技において、第2賞球増加演出や入賞演出の実行中であるときに2つ目の入賞が発生すると、2つ目の入賞にもとづくエフェクト演出が直ちに実行されるとともに、2つ目の入賞で増加した分の賞球数も引き継いで第3賞球増加演出が継続して実行される。また、図75に示す例では、2つ目の入賞が発生したときに未だ入賞演出を実行中であることから、2つ目の入賞に対する入賞演出が直ちには実行されず、図75に示すように、1つ目の入賞に対する入賞演出を終了してから、遅れて2つ目の入賞に対する入賞演出が実行される。
そして、その後、特殊入賞口24(特殊可変入賞球装置22)が閉鎖状態に制御され小当り遊技を終了した後であっても、第3賞球増加演出において全ての賞球数表示の更新が終わっていない場合や、全ての入賞演出を終了していなければ、図75に示すように、特殊入賞口24の閉鎖後、小当り遊技終了後の変動表示やさらに次の小当り遊技においても、第3賞球増加演出や入賞演出を継続して実行可能である。
本変形例3によれば、所定の契機(本例では、大入賞口や特殊入賞口24に遊技球が入賞したこと)にもとづいて計数表示(本例では、賞球数表示)を更新表示可能であり、第1表示態様(本例では、大当りパターンによる賞球数表示)、および該第1表示態様よりも強調表示する第2表示態様(本例では、第2KTパターンによる賞球数表示)により、計数表示を更新表示可能である(本例では、図71に示すように、大当り遊技状態中の大当りパターンでは演出表示装置9の左下端部で賞球数表示400を更新表示し、図73および図74に示すように、第2KT状態中の第2KTパターンでは演出表示装置9の中央付近で賞球数表示405を拡大表示するとともにエフェクト画像407を表示して更新表示する)。そのため、計数表示を更新表示する表示態様を複数種類備えることにより、計数表示の更新表示を行う場合に遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本変形例3によれば、所定の契機(本例では、特殊入賞口24に遊技球が入賞したこと)となったか否かを判定し、所定の契機になったと判定されたことにもとづいて、入賞演出(本例では、図73および図74に示す入賞演出)を実行可能である。また、所定の契機になったと判定されたことにもとづいて直ちに入賞演出を実行する第1パターン、および該第1パターンよりも遅いタイミングにおいて入賞演出を実行する第2パターンにより、入賞演出を実行可能である(本例では、図75に示すように、特殊入賞口24への入賞が発生したときに入賞演出の実行中でなければ直ちに入賞演出を実行し、特殊入賞口24への入賞が発生したときに入賞演出の実行中であった場合には遅れて入賞演出を実行する)。そのため、入賞演出を実行するタイミングを複数種類備えることにより、入賞演出を実行する場合に遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本変形例3によれば、所定の契機(本例では、大入賞口や特殊入賞口24に遊技球が入賞したこと)にもとづいて計数表示(本例では、賞球数表示)を更新表示可能である。また、更新後の計数結果を表示するまでの期間が第1期間である第1パターン、および更新後の計数結果を表示するまでの期間が第1期間よりも長い第2期間である第2パターンにより、計数表示を更新表示可能である(本例では、大当りパターンで賞球数表示400を表示する場合には、第1速度(例えば、0.1秒)で賞球数を1ずつ増加させる表示を行い、第2KTパターンで賞球数表示405を表示する場合には、第2速度(例えば、0.5秒)で賞球数を1ずつ増加させる表示を行う)。そのため、計数表示を更新表示するパターンを複数種類備えることにより、計数表示の更新表示を行う場合に遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や背景図柄(演出図柄)、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ200は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。