以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球(打球)が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部9aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(例えば、打球が第2始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部9bという。)と、第1の可変表示部9aおよび第2の可変表示部9bよりも遊技者が表示内容を視認することが容易な表示領域(以下、背景図柄表示部9cという。)とがある。なお、表示内容を視認することが容易とは、例えば、表示領域のサイズが大きいことであったり、可変表示部9aおよび第2の可変表示部9bにおける表示内容が常に単色であるのに対して表示色が変わったりすることである。また、この実施形態では、背景図柄演出部9cには、左・中・右の3つの表示領域に識別情報(以下、背景図柄ともいう。)が表示制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。この実施の形態では、2つの可変表示部(第1の可変表示部9aおよび第2の可変表示部9b)に対して1つの背景図柄演出部9cが設けられ、背景図柄演出部9cにおいて、2つの可変表示部において可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)のいずれかに対応した演出が実行されるので、飾り図柄の状況(例えば、大当り図柄が導出表示されるか否か)を把握しづらくする。なお、この実施の形態では、背景図柄は、演出表示装置9(液晶表示装置)における演出用の図柄変動表示を行うためのものであり、演出用識別情報、装飾図柄、および演出図柄に相当する。
演出表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部9aは、第1特別図柄表示器8aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。また、第2可変表示部9bは、第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部9aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部9bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部18cという。)がある。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部18cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部18cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部18cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部18cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。第1始動口スイッチ13aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
演出表示装置9の右方には、ゲート32が設けられている。ゲート32を通過した遊技球は、ゲートスイッチ32aによって検出される。また、ゲート32の下方には、作動ゲート17が設けられている。作動ゲート17を通過した遊技球は、作動ゲートスイッチ17aによって検出される。
作動ゲート17の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する有利状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ23aで検出される。第1カウントスイッチ23aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特別可変入賞球装置20の下方には、小当り用の特殊入賞口24を形成する特殊可変入賞球装置22と、第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15とが設けられており、図1に示すように、左側に特殊可変入賞球装置22が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置15が配置されている。詳細は後述するが、これら特殊可変入賞球装置22および可変入賞球装置15は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口24や第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特殊可変入賞球装置22は、第2特別図柄表示器8bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口24を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置15は、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口14を開状態とする開放制御を実行する。
なお、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22と可変入賞球装置15とは、同様の構造を有するように形成されているのであるが、図1に示すように、可変入賞球装置15と比較して特殊可変入賞球装置22の方が若干大きい。また、図1に示すように、特殊可変入賞球装置22と可変入賞球装置15とは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置20に入賞することなく遊技領域7を落下した遊技球は、まず可変入賞球装置15の上に落下するのであるが、この際に可変入賞球装置15の底面部材が後退移動されて第2始動入賞口14が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口14に入賞し、特殊可変入賞球装置22の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口14が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置15の底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置22の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置22の底面部材が後退移動されて特殊入賞口24が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口24に入賞する。さらに、特殊入賞口24も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置22の底面部材の上を移動して、そのままアウト口26の方へ落下することになる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、特殊可変入賞球装置22が左側に配置され、可変入賞球装置15が右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置22および可変入賞球装置15の底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置15の方から特殊可変入賞球装置22の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置15の方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置22の方が下流側に設けられているといえる。
特殊入賞口24内には、特殊入賞口24内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(第2カウントスイッチ25a、図5参照)が設けられている。第2カウントスイッチ25aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置22において開状態となった特殊入賞口24を遊技球が通過(進入)したときには、大入賞口に遊技球が入賞したときと比較すると賞球の数が少ないものの、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置22が開放制御されて特殊入賞口24が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置22が閉鎖制御されて特殊入賞口24が閉状態となれば、特殊入賞口24に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
また、第2始動入賞口14内には、第2始動入賞口14内に入賞した遊技球を検出可能なSスイッチ14aが設けられている。第2始動口スイッチ14aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、ゲート32、作動ゲート17、特別可変入賞球装置20(大入賞口)、可変入賞球装置15(第2始動入賞口14)、および特殊可変入賞球装置22(特殊入賞口24)が遊技領域7の右方に設けられているので、大当り遊技中や後述するKT状態中である場合には、遊技者は遊技領域7の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行う。
また、本実施の形態では、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの所要時間が0.6秒以上になるよう構成されている。具体的には、ゲート32および可変入賞球装置32の設置位置や、遊技球の流下経路を形成する釘群により調整されている。詳しくは後述するが、本実施の形態では遊技球がゲート32を通過したことにもとづいて可変入賞球装置15が開放状態に制御され得る構成であり、後述する第1KT状態では遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15が開放状態に制御されるまでの時間が0.5秒となっており、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの所要時間である0.6秒よりも短いことから、第1KT状態において一の遊技球がゲート32を通過した場合に可変入賞球装置15が開放状態に制御された場合、該一の遊技球がそのまま可変入賞球装置15に入賞可能となっている。
演出表示装置9の下方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。遊技者が打球操作ハンドル5を継続して操作した場合には、0.6秒毎に遊技球が打ち出される。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示部8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示部9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示部8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部18cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置20が開放される。特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または特別可変入賞球装置20が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、2ラウンド、6ラウンド、16ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、特別可変入賞球装置20の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。なお、大当り遊技状態におけるラウンド数は、大当りの種別によって異なる。本実施の形態において大当りの種別は2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りがあり、例えば、2R通常大当りまたは2R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、6R通常大当りまたは6R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、16R確変大当りが発生すれば16ラウンドの大当り遊技状態が付与される。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、停止時の第2特別図柄が小当り図柄になると、小当り遊技状態に移行する。すなわち、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能な程度の一定時間が経過するまで特殊可変入賞球装置22が開放される。これにより、小当り遊技状態にも、大当り遊技状態よりも少ないものの、遊技者が出玉を得ることができるような開放態様としている。
確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が低確率状態より高められる。
ここで、本実施の形態における遊技状態について説明する。まず、本実施の形態における遊技状態には、通常状態(低確率/非KT状態)と、通常状態よりも小当りになりやすいKT状態(いわゆる小当りタイム)とがある。さらに、KT状態には第1KT状態と第2KT状態との2種類があり、この実施の形態では、遊技状態には、低確率状態且つ非KT状態(低確率/非KT状態:通常状態)に制御されている場合と、低確率且つ第1KT状態(低確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第1KT状態(高確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第2KT状態(高確率/第2KT状態)に制御されている場合とがある。
KT状態のうち第1KT状態は、後述するように、小当りが発生しやすく特殊可変入賞球装置22が開状態となりやすいものの、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が極めて長く、小当りが発生しても下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(例えば、100変動するごとに1球程度)。また、KT状態のうち第2KT状態は、後述するように、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が短く、小当りが発生した場合に下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞しやすい。
確変状態は、低確率状態よりも大当りになりやすい遊技状態である。具体的には、確変状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、低確率状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の10倍あるため、確変状態を、低確率状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。
また、KT状態は、通常状態(低確率/非KT状態)よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、この実施の形態では、普図当りとなって可変入賞球装置15が開状態となる確率はKT状態の方が通常状態より高くなっている。そして、第2特別図柄の変動時には大当りとなる場合以外には全て小当りになるよう構成されている(ただし、後述する強制はずれの場合を除く)ため、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、KT状態では、主に第2特別図柄の変動を行わせることにより小当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
なお、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態とするための構成としては、これに限るものではない。例えば、KT状態であっても普図当りとなって可変入賞球装置15が開状態となる確率は通常状態と同じ(例えば、10%または100%)であるが、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、KT状態の方が通常状態よりも短く構成することにより、KT状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなり、KT状態を通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態とするものであってもよい。
次に、本実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。まず、この実施の形態では、通常状態(低確率/非KT状態)では、遊技者は遊技領域7の左方を狙って遊技球の発射操作(左打ち)を行う。そのため、通常状態では、主として第1始動入賞口13への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。通常状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、6R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御される場合に一律に100回の変動表示を終了すると第1KT状態を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率/第1KT状態の契機となる大当りの種別を複数設けるように構成し、その大当り種別に応じて大当り遊技終了後に第1KT状態が継続する変動表示の回数が異なる(例えば、20回や、30回、50回、100回)ように構成してもよい。
KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)に移行した後である場合には、この実施の形態では、遊技者は遊技領域7の右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行う。そのため、KT状態では、主として第2始動入賞口14への始動入賞が発生し、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。KT状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。例えば、2R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、例えば、2R確変大当りまたは6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、例えば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
ただし、後述するように、大当り開始前に非KT状態であったにもかかわらず第2特別図柄の変動表示が実行されて16R確変大当りとなったような場合には、高確率状態に移行するものの、第2KT状態ではなく第1KT状態に移行するように制御する(後述するステップS2208B,S2209B参照)。すなわち、通常状態であるにもかかわらず右打ちされて第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合であり、そのような場合に第2KT状態に移行して小当り遊技において相当数の賞球を得られるようにしてしまうと、一部の遊技者が通常状態にて積極的に右打ちにて遊技を行う可能性があり、本来の遊技性が損なわれてしまう。このことから、通常状態で右打ちして第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生したとしても、第1KT状態にしか移行しないようにすることによるペナルティを科すことにより、通常状態での積極的な右打ち遊技を抑制することができる。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器8aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部9aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部9bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(例えば「7」)が停止表示される。
また、背景図柄表示部9cでは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示されているときに、第1特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部9cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。リーチ演出を行う場合には、例えば、可変表示中に左右の背景図柄が停止表示される。そして、後述するように例外はあるが、基本的に第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄表示部9cにおいて背景図柄の停止図柄が導出表示される(3つの表示領域において背景図柄が最終停止される。)。第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、背景図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であることを遊技者に想起させるような背景図柄(例えば、左中右が揃った状態の3つの背景図柄)になる。以下、そのような背景図柄も、大当り図柄という。
第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときに、第2特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。例えば、背景図柄表示部9cにおける3つの表示領域において背景図柄が可変表示される。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
そして、第1特別図柄または第2特別図柄が単独で可変表示されている場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了し第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了し、背景図柄の停止図柄が導出表示される。また、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている場合、具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている期間が存在する場合には、遅く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、背景図柄の可変表示は終了する。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、3つの背景図柄のうち停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、背景図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、背景図柄表示部9cにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と背景図柄表示部9cにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、背景図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景図柄表示部9cの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に図2〜図4は、特殊可変入賞球装置22を示す図である。以下では、図2〜図4を参照して特殊可変入賞球装置22について説明する。なお、この実施の形態については、図2〜図4を用いて特殊可変入賞球装置22の構造について説明を行っているが、特殊可変入賞球装置22よりも若干サイズが小さいだけで、可変入賞球装置15の構造も特殊可変入賞球装置22の構造と同様である。
図2〜図4に示すように、特殊可変入賞球装置22は、左右方向に長い矩形板状のベース板部101を備えている。特殊可変入賞球装置22は、このベース板部101が遊技領域7に例えば螺子などで固定されることで、遊技領域7に固定支持される。ベース板部101の略中央領域には、前方に向けて開口する特殊入賞口24(可変入賞球装置15の場合は第2始動入賞口14)が形成されるとともに、ベース板部101における特殊入賞口24よりも上方の位置には、底面部材23が後退移動した際に、底面部材23を遊技領域7の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔102が形成されている。なお、本実施形態において特殊入賞口24は詳しくは、ベース板部101の左右方向中央よりやや左側に形成されているが、これよりも左または右であってもよい。
底面部材23は、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔102は、底面部材23の傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材23は、図3に示す前進移動された状態と、図4に示す後退移動した状態とに進退移動可能とされており、ベース板部101の背面側(後方)には、底面部材23を進退移動させる駆動装置(図示せず)が配置されている。
図2〜図4に戻り、ベース板部101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部112が形成されており、この流路形成台部112の上部には、前進移動した状態の底面部材23の上方側端部(右端部)である上流領域23Uと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する上流側流路部113と、底面部材23の下方側端部(左端部)である下流領域23Lと底面部材23の長手方向で連なり、底面部材23とともに遊技球の流路を形成する下流側流路部114とが形成されている。
また、流路形成台部112の上部には、上流側流路部113および下流側流路部114の底面部材23側の端部から下方に凹み、正面視で、特殊入賞口24を左右および下方から囲うようにして、底面部材23の下方に落下した遊技球を特殊入賞口24に案内する案内流路部115が形成されている。
上流側流路部113および下流側流路部114は、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。また、案内流路部115の底部は、特殊入賞口24側に向けて左下がりに延びるとともに、特殊入賞口24の前方の位置で凹んでいる。そして、案内流路部115の底部において上記凹んだ空間には、遊技球を特殊入賞口24側(遊技領域7の背面側)に向けて後方に案内する三角形状のガイド部116が配設されている。
またさらに、流路形成台部112の前部(遊技者側)には、上流側流路部113、下流側流路部114および案内流路部115を前方から覆う被覆部117が一体に形成されている。この被覆部117は、上流側流路部113、下流側流路部114および案内流路部115を前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠4側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、本実施形態では、被覆部117が流路形成台部112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
特殊可変入賞球装置22では、ベース板部101と被覆部117との間において、上流側流路部113、底面部材23、および下流側流路部114からなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、本実施形態では、ベース板部101および被覆部117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片118が形成されている。
本実施形態において、規制片118は、ベース板部101および被覆部117に一体形成され、ベース板部101から前方に突出する、または被覆部117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片118がない場合よりも遅延させる。これら規制片118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部101および被覆部117に交互に形成されている。また、規制片118は、底面部材23の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、本実施形態では、被覆部117のうちの上流側流路部113を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されるとともに、被覆部117のうちの下流側流路部114を前方から覆う部位に、規制片118が1つ形成されている。また、ベース板部101および被覆部117のうちの底面部材23を覆う部位には、ベース板部101および被覆部117に交互に形成された規制片118が合計5つ形成されている。なお、このような規制片118の数は、特段限定されるものではない。また、本実施形態では、規制片118の大部分が、前方(遊技者側)から被覆部117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片118の配置により、図3を参照し、本実施形態の特殊可変入賞球装置22(および同様に構成された可変入賞球装置15)では、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)が閉鎖されているとき、遊技球Pが特殊入賞口24(または第2始動入賞口14)に入賞せずに、特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)を基本的に通過する。一方で、図4を参照し、底面部材23が後退移動した特殊可変入賞球装置22(または可変入賞球装置15)が開放されているとき、遊技球Pが、流路形成台部112の案内流路部115に落下することが可能となり、この案内流路部115を流下して、特殊入賞口24(または第2始動入賞口14)に入賞することが可能となる。
図5は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ25a、ゲートスイッチ32a、および作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、特殊可変入賞球装置22を開閉するソレノイド106、および可変入賞球装置15を開閉するソレノイド206を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bと、背景図柄を可変表示する背景図柄表示部9cと、図柄保留記憶表示部18cとの表示制御を行う。
図6は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図6に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU201およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU201は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ202および入力ポート203を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU201は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)209に、演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ202に入力する。入力ドライバ202は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図6には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図5に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU201は、入出力ポート205を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU201は、入出力ポート204を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。さらに、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22内に特殊入賞口ランプ24aが設けられており、ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して特殊入賞口ランプ24aに供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU201とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU201は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU201は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP209に出力する。VDP209は、演出制御用CPU201から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置9の表示制御を行うVDP209が演出制御基板80に搭載されている。VDP209は、演出制御用マイクロコンピュータ200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP209は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図6に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図7は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS4)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図8に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a第1カウントスイッチ23a、第2カウントスイッチ25a、ゲートスイッチ32a、および作動ゲートスイッチ17aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bについては、ステップS32で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図9は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りの種別、すなわち、2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム6:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(6)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
図8に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。また、本実施の形態では大当りの種別を決定する乱数と小当りの種別を決定する乱数として、共通の乱数(ランダム2)を設けるものとしたが、それぞれ異なる乱数が設けられているものであってもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置20、特殊可変入賞球装置22を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。そして、CPU56は、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26C)。普通図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて普通図柄表示器10や可変入賞球装置15を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、保留記憶処理を行う(ステップS27a)。保留記憶処理では、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU56は、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ25aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第1カウントスイッチ23a、および第2カウントスイッチ25aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
また、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU56は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図10は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/非KT状態、低確率/第1KT状態)において用いられる非確変時大当り判定テーブルと、確変状態(高確率状態(高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態))において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。非確変時大当り判定テーブルには、図10の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図10の右欄に記載されている各数値が設定されている。図10に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図10に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。なお、図10に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、無条件に全てはずれとされる。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、無条件に全て小当りとされる(ただし、後述するように、事後的に強制はずれとされる場合がある)。
図11は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて、大当りの種別を「2R通常大当り」、「2R確変大当り」、「6R通常大当り」、「6R確変大当り」、または「16R確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図11(A)に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、20%の確率で「16R確変大当り」と決定され、45%の確率で「6R確変大当り」と決定され、35%の確率で「6R通常大当り」と決定される。また、図11(B)に示すように、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、30%の確率で「16R確変大当り」と決定され、30%の確率で「6R確変大当り」と決定され、5%の確率で「2R確変大当り」と決定され、35%の確率で「2R通常大当り」と決定される。
「16R確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第2KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第2KT状態にも移行される。後述するステップS2207A,S2208A,S2207B,S2210B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第2KT状態が継続する(ステップS2015参照)。
ただし、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、大当り開始前に非KT状態であった場合には、「16R確変大当り」となっても第2KT状態ではなく第1KT状態に移行する場合がある(後述するステップS2208B,S2209B参照)。
「6R確変大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS2210A,S2211A,S2212B,S2213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS2015参照)。
「6R通常大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS2212A参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS2213A,S2010〜S2013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS2015参照)。
「2R確変大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される。後述するステップS2212B,S2213B参照)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する(ステップS2015参照)。
「2R通常大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである(後述するステップS2214B参照)。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する(ステップS2215B,S2010〜S2013参照)。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する(ステップS2015参照)。
なお、大当り種別の種類は、この実施の形態で示したものにかぎられない。第2特別図柄の変動表示を実行する場合に、16R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当り以外に、3R確変大当り〜7R確変大当りを決定可能に構成してもよく、様々な態様が考えられる。
図12〜図14は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図12〜図14に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図12〜図14に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#01〜#07の7種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#01〜#18の18種類とが用いられる。以下、例えば変動パターン#n(n=01〜07または01〜18)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図12(A)に示す非KT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図12(A)に示すように、非KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#01〜#05のいずれかに決定される。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)である場合には、図12(B)に示すKT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図12(B)に示すように、KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#06〜#07のいずれかに決定される。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図13(C)に示す非KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(C)に示すように、非KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#01〜#02のいずれかに決定される。具体的には、小当りと決定する場合には第2変動パターン#01が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、大当りと決定する場合にも第2変動パターン#02が決定されて、5分間というある程度長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。
この実施の形態では、非KT状態中であっても第2特別図柄の変動表示が実行されて小当りとなると、特殊入賞口24への遊技球の入賞によりある程度の賞球を期待できる状況が生じてしまう。そこで、この実施の形態では、図13(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行されても、変動時間を極端に長くし変動表示の実行頻度を低下させることによって却って小当りの発生頻度を低下させるようにし、非KT状態中であるにもかかわらず小当りによる賞球の獲得を狙われてしまう事態を防止している。なお、この実施の形態において、「小当りの発生頻度」とは、例えば、単位時間(例えば、1分)あたりの小当りの発生割合であり、KT状態では、例えば、単位時間あたりの小当りの発生割合が通常状態よりも高い状態となっている。
なお、この実施の形態では、図13(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、大当りとなる場合であっても変動時間を5分と比較的長くすることによって、非KT状態中に不当に特殊入賞口24への入賞による賞球を狙う行為を防止するようにしている。ただし、大当りとなる場合には、小当りとなる場合と比較して第1保留記憶の消化を長くしなくてもよいので、小当りとなる場合よりも短い変動時間となるように構成している。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、低確率/第1KT状態である場合には、その低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図13(D)に示す低確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#03〜#04のいずれかに決定される。
なお、図13(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合には、小当りとしては比較的長めの7秒の変動時間である第2変動パターン#03(第2始動入賞口開放準備用の変動パターン)に決定される。この実施の形態では、既に説明したように、第1KT状態に制御される場合には、小当りの頻度が高くなるものの可変入賞球装置15の開放時間を長くすることによって実際には特殊可変入賞球装置22内の特殊入賞口24には滅多に入賞しないように設定されている。しかしながら、低確率/第1KT状態に移行した直後の状態では可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22の底面部材上にある程度の遊技球が溜まっている可能性があり、直ちに特殊可変入賞球装置22を開状態に制御してしまったのでは、相当数の遊技球が特殊入賞口24に入賞してしまう可能性がある。そこで、この実施の形態では、第1KT状態の1変動目では、少なくとも7秒の変動時間を確保することによって、第1KT状態に移行する前から可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22の底面部材上に溜まっている遊技球が全て落下するまでに十分な時間が経過してから特殊可変入賞球装置22を開状態に制御して特殊入賞口24への入賞を可能とすることにより、第1KT状態において想定以上の賞球が得られるような事態が生じることを防止している。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2〜99変動目の変動表示を実行する場合であれば、図13(E)に示す低確率/第1KT時且つ2〜99変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#05〜#07,#30のいずれかに決定される。また、図13(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#05や、変動時間が1秒とさらに短い短縮変動の第2変動パターン#030に決定される場合がある。第2変動パターン#05は第2保留記憶が記憶されていないときのみ選択され得る変動パターンであり、第2変動パターン#30は第2保留記憶が1個以上記憶されているときのみ選択され得る変動パターンである。これにより、保留記憶の消化を早め稼働率を高める構成としている。なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定し、第2変動パターン#06にもとづいて変動表示が実行される場合には、演出表示装置9における背景図柄の変動表示において、リーチとなったり滑り演出が実行されるなど図柄煽りの演出が実行される。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから100変動目の変動表示(すなわち、低確率/第1KT状態における最終変動)を実行する場合であれば、図13(F)に示す低確率/第1KT時且つ100変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#08〜#09のいずれかに決定される。
この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御されている場合には、例えば、演出表示装置9において「チャンスタイム中」などの文字表示が表示される。図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として小当りと決定する場合には、演出表示装置9において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示を伴う第2変動パターン#08に決定される。また、図13(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として大当りと決定する場合には、演出表示装置9において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行う終了表示の後に所定の復活表示を伴う第2変動パターン#09に決定される。
なお、この実施の形態では、図12に示すように、KT状態中に第1特別図柄の変動表示で大当りとなった場合には、変動時間が10秒の第1変動パターン#07を決定するように構成されている。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、第1特別図柄の大当り変動の変動時間を長い変動時間としてしまうと、該第1特別図柄の大当り変動中に実行される第2特別図柄の変動は強制はずれとされる構成であるため、第2KT状態であるにもかかわらず強制はずれが頻発して遊技者が小当りによる利益を一切受けられないこととなる。そのため、この実施の形態では、第1特別図柄の大当り変動の変動時間を短い変動時間とすることにより、強制はずれが頻発する前に第1特別図柄の変動にもとづく大当り遊技状態に移行するように構成されている。
なお、本実施の形態とは異なり、第1特別図柄の大当り変動中に第2特別図柄の変動を開始した場合にも、該第2特別図柄の変動を強制はずれとしない構成(例えば、第1特別図柄の大当り図柄停止時に第2特別図柄の変動中であるときは、第2特別図柄を強制はずれとする構成)の遊技機であれば、KT状態中の第1特別図柄の大当りの変動時間を長い変動時間(例えば、1分)としてもよい。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、大当りの変動時間をはずれと同じ短い変動時間としてしまうと、遊技者が小当りによる利益を一切受けられなくなる。そのため、KT状態中の第1特別図柄の大当りの変動時間を長い変動時間(例えば、1分)とすれば、そのようなケースであっても、少なくとも複数回小当りが発生可能な十分な時間(例えば、1分)が確保されるように構成される。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第1KT状態である場合には、その高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図14(G)に示す高確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#10〜#12のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の1変動目と同様に、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、第2始動入賞口開放準備用の変動パターン(第2変動パターン#10)に決定される場合がある。また、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#12が決定される。また、図14(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#11が決定される場合がある。
また、高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2変動目以降の変動表示を実行する場合であれば、図14(H)に示す高確率/第1KT時且つ2変動目以降用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#13〜#15,#31のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の2〜99変動目と同様に、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#13や、変動時間が1秒とさらに短い短縮変動の第2変動パターン#031に決定される場合がある。第2変動パターン#13は第2保留記憶が記憶されていないときのみ選択され得る変動パターンであり、第2変動パターン#31は第2保留記憶が1個以上記憶されているときのみ選択され得る変動パターンである。これにより、保留記憶の消化を早め稼働率を高める構成としている。
また、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#15が決定される。また、図14(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#14が決定される場合がある。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第2KT状態である場合には、図14(I)に示す高確率/第2KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#16〜#18のいずれかに決定される。
なお、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#16に決定される場合がある。また、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、高確率/第2KT状態が継続するか否かを示唆する継続演出を含む第2変動パターン#17に決定される場合がある。また、図14(I)に示すように、高確率/第2KT状態において大当りと決定する場合には、継続演出の後に確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#18が決定される。
なお、この実施の形態では、継続演出やバトル演出を含む変動パターンに決定された場合には、演出表示装置9において背景図柄の変動表示において継続演出やバトル演出が実行されるのであるが、確変大当り(16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り)となる場合にはバトル演出において勝利の態様の演出が実行され、通常大当り(6R通常大当り、2R通常大当り)となる場合にはバトル演出において敗北の態様の演出が実行され、小当りとなる場合にはバトル演出において引き分けの態様の演出が実行される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、例えば、大当り遊技中のラウンド数が少ない2R確変大当りとなる場合もバトル演出において敗北の態様の演出が実行されるように構成してもよい。
また、図13および図14に示す例では、第1KT状態の場合に5秒または1秒の短縮変動を実行し、第2KT状態の場合に1.5秒の短縮変動を実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、低確率状態の場合に5秒または1秒の短縮変動を実行し、高確率状態の場合に1.5秒の短縮変動を実行するように構成してもよい。
次に、KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15は、KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを説明するための説明図である。このうち、図15(1)は、第1KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを示し、図15(2)は、第2KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンを示している。
まず、図15(1)を用いて、第1KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15(1)に示すように、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器10にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図15(1)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図15(1)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間0.1秒を経過してから、可変入賞球装置15が5.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置15が開状態となっているときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図15(1)に示すように、特殊可変入賞球装置22が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能となる。しかしながら、第1KT状態では、図15(1)に示すように、下流側の特殊可変入賞球装置22の開放時間が0.8秒と短いのに対して、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が5.5秒と長い。従って、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態ではあるものの、特殊入賞口24に遊技球が入賞することは極めて稀である(例えば、100変動表示ごとに1球程度)。
なお、第1KT状態では、図15(1)に示すように、可変入賞球装置15の開放を終了した後、次の可変入賞球装置15の開放を行えるのは、次の普通図柄の変動時間0.2秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間0.1秒とを合計した少なくとも0.5秒を経過した後である。従って、この実施の形態では、第1KT状態では、可変入賞球装置15の開放した後のインターバル期間として少なくとも0.5秒の閉鎖期間が設けられていることになる。
また、本実施の形態では、第1KT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球がゲート32を通過した後、可変入賞球装置15が開放状態に制御されるのは、普通図柄の変動時間0.2秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間0.1秒とを合計した0.5秒を経過した後であるとともに、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの所要時間が約0.6秒であるよう構成されている。このように、第1KT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15が開放状態に制御されるまでの時間の方が、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球がゲート32を通過してから該遊技球が可変入賞球装置15に到達するまでの時間よりも短いため、可変入賞球装置15が既に開放状態に制御されているときに遊技球が該可変入賞球装置15に到達することとなる。従って、第1KT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態でゲート32を通過した遊技球は、可変入賞球装置15に入賞しやすくなっている。
次に、図15(2)を用いて、第2KT状態における可変入賞球装置15および特殊可変入賞球装置22の開放パターンについて説明する。図15(2)に示すように、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器10にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図15(2)に示すように、普通図柄の変動時間は1.0秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図15(2)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒を経過してから、可変入賞球装置15が0.2秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置15が開状態となっているときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器8bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図15(2)に示すように、特殊可変入賞球装置22が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口24に遊技球が入賞可能となる。
第2KT状態では、第1KT状態とは異なり可変入賞球装置15の開放時間が0.2秒と極めて短い。また、この実施の形態では、第2KT状態では、可変入賞球装置15の開放した後のインターバル期間(閉鎖期間)として少なくとも3.8秒(普通図柄の変動時間1.0秒+図柄確定時間0.2秒+第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒)という比較的長い期間が確保されている。従って、第2KT状態では、図15(2)に示すように、上流側の可変入賞球装置15の開放時間が短いとともにインターバル期間(閉鎖期間)が長いので、第1KT状態と比較して下流側の特殊可変入賞球装置22に遊技球が進入しやすく特殊入賞口24に遊技球が入賞しやすい。
また、本実施の形態では、第2KT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球がゲート32を通過した後、可変入賞球装置15が開放状態に制御されるのは、普通図柄の変動時間1.0秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間2.6秒とを合計した3.8秒を経過した後であるとともに、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの所要時間が約0.6秒であるよう構成されている。このように、第2KT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15が開放状態に制御されるまでの時間の方が、普通図柄の変動が行われていない状態で遊技球がゲート32を通過してから該遊技球が可変入賞球装置15に到達するまでの時間よりも長いため、可変入賞球装置15が開放状態に制御される前に遊技球が該可変入賞球装置15に到達することとなる。従って、第2KT状態では、普通図柄の変動が行われていない状態でゲート32を通過した遊技球は、可変入賞球装置15に入賞しにくくなっている。
なお、この実施の形態では、普通図柄の変動表示を実行したり可変入賞球装置15を開放制御したりする処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)によって普通図柄プロセス処理(ステップS26C参照)が実行されることによって行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS26Cの普通図柄プロセス処理において、普図当りとするか否かを決定する処理も実行するのであるが、KT状態であるか通常状態であるかに応じて異なる確率(例えば、KT状態であれば10/11、通常状態であれば1/11)により普図当りとするか否かを決定する。なお、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態、第1KT状態または第2KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率(例えば、10%または100%)により普図当りとするか否かを決定するものであってもよい。
なお、この実施の形態では、第1KT状態と第2KT状態とで普通図柄の変動時間と図柄確定時間とはそれぞれ0.2秒ずつで同じであり、第2始動入賞口開放処理前時間が第1KT状態では0.1秒と短く第2KT状態では2.6秒と長くすることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態と第2KT状態とで変動時間や図柄確定時間を異ならせることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。また、例えば、可変入賞球装置15を閉鎖した後の第2始動入賞口開放処理後時間を制御可能に構成し、第1KT状態と第2KT状態とで第2始動入賞口開放処理後時間を異ならせることによって、可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。特に、上記のいずれかの方法により第1KT状態における可変入賞球装置15の閉鎖期間(インターバル期間)が短くなるように構成すれば、第1KT状態における特殊入賞口24への入賞を抑制することができる。
また、例えば、可変入賞球装置15の開放時間を延長することを示す特殊フラグ(開放延長フラグ)を設けるようにし、その特殊フラグがセットされていれば図15(1)に示すような可変入賞球装置15を長時間開放する第1開放パターン(ロング開放)で制御し、特殊フラグがセットされていなければ図15(2)に示す可変入賞球装置15を短時間開放する第2開放パターン(ショート開放)で制御するように構成してもよい。つまり、第1KT状態でのみ特殊フラグをセットし、大当り遊技状態を含む他の状態では、特殊フラグをセットしないように制御するように構成してもよい。
また、第1KT状態であっても、低確率/第1KT状態中の最後の変動表示を実行する場合には、可変入賞球装置15の開放時間を短くしてもよい。例えば、低確率/第1KT状態の100回の特別図柄の短縮変動期間のうち、99回目の特別図柄の変動停止に応じて、前述の特殊フラグを消去するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/第1KT状態の終了後に、左打ち報知を行うときに、可変入賞球装置15がロング開放していることに対して遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
なお、上記のように、可変入賞球装置15の開放制御用のフラグ(特殊フラグ)を用いて可変入賞球装置15を構成する場合、さらに、特別図柄の変動表示の短縮変動用のフラグを用いて特別図柄の変動表示を制御するようにしてもよく、この場合、特殊フラグと短縮変動用のフラグとを別々に管理して制御を行うように構成してもよい。
また、低確率/非KT状態中においては可変入賞球装置15をショート開放するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/非KT状態(左打ち状態)である場合に可変入賞球装置15の開放確率が高くなるように構成する場合には、遊技球を数個発射操作しただけでは可変入賞球装置15に入賞しないようすることができ、低確率/非KT状態中に右打ち操作が行われてしまうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、図15に示すように、普通図柄の変動時間が0.2秒と短い時間に設定されている。これは、例えば、第1KT状態において比較的変動時間が長い第2特別図柄の変動表示が実行される場合に、普通図柄が変動停止中であり且つ普通図柄の保留記憶がない状態では可変入賞球装置15が閉鎖状態となっており、第2特別図柄の変動停止タイミングを狙った攻略が可能となってしまうためである(小当りとなった場合に、普通図柄の変動時間が長いとゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22に到達するまでに可変入賞球装置15が開放せず、特殊入賞口24の入賞が可能となってしまう)。これに対して、この実施の形態では、普通図柄の変動時間を短くすることにより、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達する前に可変入賞球装置15の開放が開始されるように設定されているので、第1KT状態において第2特別図柄の変動表示にもとづく小当り発生タイミングを狙った発射操作による攻略要素を排除することができる。
図16および図17は、演出制御用マイクロコンピュータ200に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図16に示す例において、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜8022(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ200は、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜8022(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部9aまたは第2可変表示部9bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)(はずれ指定コマンド))である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を16R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド(16R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド(6R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド(6R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド(2R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9006(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果6指定コマンド(2R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果7指定コマンド(小当り指定コマンド))である。
以下、表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンドを、表示結果指定コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は変動パターンコマンドの直前に表示結果指定コマンドを送信するので、演出制御用マイクロコンピュータ200が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定できるので、表示結果指定コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドと第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が表示結果指定コマンドを送信するのではなく、15R確変大当り/6R確変大当り/6R通常大当り/2R確変大当り/2R通常大当り/小当り/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ200は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド))である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド))である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。B004(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。B005(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB401(H)は、特殊入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(特殊入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドD000(H)は、第1客待ち状態(第1特別図柄の変動が行われておらず、第1保留記憶が記憶されていない状態)であることを指定する演出制御コマンド(第1客待ちデモ表示指定コマンド)である。コマンドD001(H)は、第2客待ち状態(第2特別図柄の変動が行われておらず、第2保留記憶が記憶されていない状態)であることを指定する演出制御コマンド(第2客待ちデモ表示指定コマンド)である。なお、第1客待ちデモ表示指定コマンドは通常状態においてのみ送信され得るコマンドとしてもよい。また、第2客待ちデモ表示指定コマンドはKT状態においてのみ送信され得るコマンドとしてもよい。
コマンドE000(H)は、遊技状態が低確率/非KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/非KT背景指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が低確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、遊技状態が高確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE003(H)は、遊技状態が高確率/第2KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第2KT背景指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図16および図17に示された内容に応じて第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示状態や背景図柄表示部9cの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図16および図17に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板31から演出制御基板80に送信される。
図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置20を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。その後、CPU56は、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304Aに対応した値(この例では8)に更新する。第1大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1ゲート通過待ち処理(ステップS304A):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第1ゲート通過待ち処理では、作動ゲート17への遊技球の通過を待機する制御を行う。作動ゲート17への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。
第1大入賞口開放前処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置20を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置20に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や特別可変入賞球装置20の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ23aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置20の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図19は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま第1始動口スイッチ通過処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図20参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ソフトウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム5)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム5)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する第1変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム5)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出したりするようにしてもよい。
図20は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図20に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン決定用乱数(ランダム5)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、さらに、第1有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS216)。なお、この第1有効始動入賞コマンドには、事前判定結果が含まれている。
図21は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技(特別可変入賞球装置20を所定回開放)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS52A)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0であれば、第1客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する(ステップS51A)。
第1保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第1乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53A)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54A)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。なお、本例では、第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値と、第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値とが抽出された順番についても特定可能に保存される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する(ステップS60A)。具体的に、確変フラグ、第1KTフラグ、および第2KTフラグがオフである場合には低確率/非KT状態であると判定して低確/非KT背景指定コマンドを、確変フラグがオフで第1KTフラグがオンである場合には低確率/第1KT状態であると判定して低確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第1KTフラグがオンである場合には高確率/第1KT状態であると判定して高確/第1KT背景指定コマンドを、確変フラグがオンで第2KTフラグがオンである場合には高確率/第2KT状態であると判定して高確/第2KT背景指定コマンドを、送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS64AA)。具体的に、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされている場合には第2特別図柄の大当り変動中であると判定する。第2特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS64A以降の処理を行うことなくステップS68Aへ移行する。これにより、第2特別図柄の大当り変動中に第1特別図柄の変動を開始する場合には、大当り判定値が記憶されているか否かにかかわらず強制的にはずれとする構成になっている。
なお、強制的にはずれとする方法については、上述したものに限られない。例えばステップS64AAにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、大当り判定用乱数(ランダム1)としてはずれの乱数値(固定値)を設定する処理を行い、ステップS65Aへ移行することにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
また、大当り判定とは別に、小当りとするか否かを決定するための小当り判定を行う遊技機では、ステップS64AAにて第2特別図柄の大当り変動中である場合に、ステップS64A〜S161Aの処理を行わずに、小当り判定用乱数(大当り判定用乱数と共通の乱数であってもよいし、全く異なる乱数であってもよい)としてはずれの乱数値(固定値)を設定して小当り判定を行うことにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
第2特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS64A)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS65A)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS66A)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグをセットする(ステップS67A)。そして、ランダム2にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、および6R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS160A)、大当り種別を記憶し(ステップS161A)、ステップS68Aへ移行する。また、ステップS66Aにおいて大当りとしない場合(すなわち、はずれとする場合)、ステップS68Aへ移行する。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合には、無条件に全てはずれと決定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合にも、低い確率で小当りと決定する場合があるように構成してもよい。
そして、ステップS68Aにおいて、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS68A)。なお、図示は省略したが、ステップS68Aの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS65Aでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
図22は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、遊技状態に応じて図12(A)〜(B)に示すいずれかの変動パターンテーブルを選択する(ステップS201)。次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS201にて使用することに決定した変動パターンテーブルと、第1特別図柄判定用バッファに格納されている変動パターン決定用乱数(ランダム5)とにもとづいて、図12に示した変動パターンのいずれとするのかを決定する(ステップS1700)。本例では、変動パターンを決定することによって、第1特別図柄の変動時間が決定される。また、変動時間を決定したあと、決定した変動時間が設定されている変動パターンを複数の変動パターンの中から選択するようにしてもよい。
変動パターンを決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS1701)。
また、ステップS1700にて第1特別図柄の変動時間(変動パターン)を決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、決定した変動時間を示す変動時間データを第1特別図柄プロセスタイマに設定して変動時間の計測を開始するとともに(ステップS1702)、後述する計測実行フラグをセットし、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS1703)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果指定コマンド送信処理に対応した値に更新する(ステップS1706)
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、大当りとするか否かの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う。
図23は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS1121A)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1122A)、演出制御用マイクロコンピュータ200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1123A)。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1124A)。
第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、CPU56は、第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示しているか否かを確認する(ステップS1125A)。なお、第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示しているか否かは、例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄停止処理に対応した値となっているとともに、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示していれば、CPU56は、ステップS1123Aに移行して演出制御用マイクロコンピュータ200に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1123A)とともに、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1124A)。
ステップS1125A〜S1125Aの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示の実行中に第2特別図柄の変動表示が大当りとなれば、第1特別図柄の変動表示は強制的に停止され、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当りが発生する事態が生じないようにしている。なお、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ200側では、第1特別図柄の変動表示が強制はずれとされた場合には、図柄確定指定コマンドを受信したことにもとづいて第1可変表示部9aにおける第1飾り図柄の停止表示を停止するとともに、ステップS302で送信された表示結果1指定コマンドにもとづいて、第1飾り図柄の変動表示結果として強制的にはずれ図柄を停止表示するように制御する。
なお、この実施の形態では、図18に示す第1特別図柄プロセス処理および図28に示す第2特別図柄プロセス処理において、タイマ割込ごとに、それぞれ第1始動口スイッチ通過処理(ステップS312参照)および第2始動口スイッチ通過処理(ステップS322参照)が実行されるので、第1特別図柄または第2特別図柄の大当り図柄の停止表示中であっても、新たな始動入賞が発生した場合には新たな保留記憶を記憶するように構成されている。
第2特別図柄表示器8bにて大当り図柄を導出表示していなければ(ステップS1125AのN)、そのまま処理を終了する。
図24は、第1特別図柄停止処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、まず、CPU56は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(ステップS2010)、「0」である場合、すなわち、低確率/第1KT状態でない場合、ステップS2014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」でない場合、すなわち、低確率/第1KT状態である場合、CPU56は、KT回数カウンタの値を「1」減算し(ステップS2011)、「0」になったか否かを判定する(ステップS2012)。KT回数カウンタの値が「0」にならない場合、ステップS2014へ移行する。KT回数カウンタの値が「0」になった場合、すなわち、低確率/第1KT状態の100回目の変動が終了した場合、CPU56は、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをリセットし(ステップS2013)、ステップS2014へ移行する。これにより、低確率/第1KT状態において100回の変動が終了した場合に第1KT状態が終了する(低確率/非KT状態に移行する)こととなる。
ステップS2014において、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS2014)。第1大当りフラグがセットされている場合、CPU56は、セットされていれば、確変フラグ、第1KTフラグ、第2KTフラグ、KT回数カウンタをリセットする(ステップS2015)。
次いで、CPU56は、まだ出力されていなければ、大当り信号1および大当り信号2(図32および図33参照)の外部出力を開始する制御を行う(ステップS2015X)。
次いで、CPU56は、大入賞口開放前タイマを設定し(ステップS2017)、大当り種別に応じたラウンド1用開放パターンデータをセットし(ステップS2018)、大当りのラウンド数を示すラウンド数カウンタに「1」をセットし(ステップS2019)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1ゲート通過待ち処理に対応した値に設定する(ステップS2020)。
この実施の形態では、ステップS2015Xの処理が実行されることによって、大当り信号1および大当り信号2の外部出力に関しては、作動ゲート17を遊技球が通過し大当り遊技が開始される前であっても、大当り図柄が導出表示されたタイミングで大当り信号1および大当り信号2の外部出力が開始されるように構成されている。
なお、詳細については後述するが、大当り図柄を停止表示したときに、遊技者に対して遊技領域7の右方に遊技球を発射操作することを促す右打ち報知を実行可能に構成されている。また、大当り図柄を停止表示したときに、右打ち報知として、遊技者に対して作動ゲート17を狙って遊技球を発射操作することを促す発射促進報知を実行可能に構成されている。
また、逆に、通常状態(低確率/非KT状態)でゲート32や作動ゲート17での遊技球の通過を検出した場合には、認識度合いが低い態様(例えば、小音量の音出力や小画面表示)により、遊技者に対して遊技領域7の左方に遊技球を発射操作することを促す左打ち報知を行うように構成してもよい。一方で、通常状態(低確率/非KT状態)で第2始動入賞口14や特殊入賞口24への遊技球の入賞を検出した場合には、認識度合いが高い態様(例えば、大音量の音出力や大画面表示)により左打ち報知を行うように構成してもよい。そのように構成すれば、的確に発射報知を行うことができる。特に、上記の構成により、偶発的に遊技領域7の右方に遊技球を発射操作した遊技者に対しては、遊技機の周囲への認識度合いが低い態様により軽度な左打ち報知を行う一方で、右打ち操作を意図的に行う遊技者に対しては、遊技機の周囲への認識度合いが高い態様により左打ち報知を行うように構成してもよい。そのように構成すれば、意図的に右打ち操作を行う遊技者に対して、遊技店の店員から左打ち操作に戻すように促すことができる。
また、上記の場合に、ゲート32や作動ゲート17、第2始動入賞口14、特殊入賞口24での遊技球の検出数が一定数に達した場合に左打ち報知を行うように構成してもよい。また、ゲート32や作動ゲート17では所定期間内(例えば、1分間)に複数回(例えば、5回)遊技球を検知した場合に左打ち報知を行い、第2始動入賞口14や特殊入賞口24では所定数よりも少ない特定数(例えば、1個)以上遊技球を検出した場合に左打ち報知を行うように構成してもよい。
また、例えば、ゲート32や作動ゲート17での遊技球の検出では外部信号の出力を行わない一方で、第2始動入賞口14や特殊入賞口24での遊技球の検出では外部信号の出力を行うように構成してもよい。
なお、本実施の形態では特定の条件が満たされたときにデモ表示を行うものであるが、通常状態においてデモ表示を行っているときにゲート32、作動ゲート17、第2始動入賞口14または特殊入賞口24への遊技球の入賞を検出した場合には、実行していたデモ表示の実行を終了して左打ち報知を行うものであってもよい。
なお、この実施の形態では、大当り図柄が導出表示されたタイミングで大当り信号1および大当り信号2の外部出力が実行されるので、例えば、遊技店の閉店前に低確率/第1KT状態を終了した後に第2特別図柄の保留記憶が残存している場合、遊技店の営業終了に伴い遊技者が遊技を終了しているような状況などにおいて、第2特別図柄の長時間(5分)の変動表示を経て大当り図柄が導出表示された際に外部出力できるため、遊技店の閉店から次の開店までの間に遊技店の店員に対して遊技機1の初期化を促すことができる。このとき、店員は初期化(RAMクリア)を行ってから開店させることとなる。
また、遊技店の閉店前に限らず、遊技者が離席した後に大当り図柄が停止表示される場合(例えば、KT状態にて発生した第2保留記憶が通常状態にて消化され、第2特別図柄の長時間(5分)の変動表示を経て大当り図柄が導出表示された場合)があるが、そういった場合にも大当り図柄が導出表示されたタイミングで大当り信号1および大当り信号2の外部出力が実行されるので、遊技店の店員に対して遊技機1の初期化を促すことができる。
図25は、特別図柄プロセス処理における第1ゲート通過待ち処理(ステップS304A)を示すフローチャートである。第1ゲート通過待ち処理において、CPU56は、作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力したか否かを確認する(ステップS2501)。作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力していなければ、そのまま処理を終了する。作動ゲートスイッチ17aからの検出信号を入力していれば、CPU56は、第1大当り開始指定コマンドを送信し(ステップS2502)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理に対応した値に設定する(ステップS2503)。
この実施の形態では、第1ゲート通過待ち処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示結果として大当り図柄が導出表示されると直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、作動ゲート17を遊技球が通過し、作動ゲートスイッチ17aで検出されたことを条件として、大当り遊技に移行するように構成されている。
図26は、特別図柄プロセス処理における第1大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。第1大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口開放前タイマの値を−1する(ステップS1401)。なお、ラウンド1の開始前である場合には、ステップS1401の処理が実行されることによって、第1特別図柄停止処理のステップS2017でセットした大入賞口開放前タイマの値が計測されることにより、ラウンド1の開始前の大当り表示時間(ファンファーレ期間)が計測されることになる。また、ラウンド1以降である場合には、ステップS1401の処理が実行されることによって、大入賞口開放中処理でセットした大入賞口開放前タイマの値が計測されることにより、各ラウンド後(最終ラウンド後を除く)のインターバル期間が計測されることになる。
なお、この実施の形態では、大当り表示時間(ファンファーレ期間)とインターバル期間とを共通の時間計測タイマを用いて計測する場合を示しているが、大当り表示時間(ファンファーレ期間)とインターバル期間とを別々のタイマを用いて時間を計測するように構成してもよい。
次いで、CPU56は、大入賞口開放前タイマがタイムアウト(時間計測タイマの値が0)したら(ステップS1411)、CPU56は、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータに現在のラウンド数をセットして、演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御を行う(ステップS1412)。
次いで、CPU56は、大入賞口への遊技球の入賞数をカウントするための入賞個数カウンタを初期化する(ステップS1413)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。
次いで、CPU56は、大入賞口を開放状態に制御する(ステップS1414)。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置20を開放状態にする。
次いで、CPU56は、大当り種別および開始するラウンドに応じた開放時間を、大入賞口の開放時間を計測するための開放時間タイマにセットする(ステップS1415)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS1416)。
図27は、特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2200A)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2204Aに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第1大当りフラグをリセットし(ステップS2201A)、第1大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2202A)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2203A)、処理を終了する。
ステップS2204Aでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS2204A)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2205A)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2205AのY)、CPU56は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2206A)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2207A)とともに、第2KT状態であることを示す第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS2208A)。そして、ステップS2214Aに移行する。
16R確変大当りでなければ、CPU56は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2209A)。なお、6R確変大当りであるか否かは、例えば、第1特別図柄通常処理のステップS161Aで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2210A)とともに、第1KT状態であることを示す第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2211A)。そして、ステップS2214Aに移行する。
6R確変大当りでもなければ(すなわち、6R通常大当りであれば)、CPU56は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2212A)。また、CPU56は、低確率/第1KT状態の残余回数を示すKT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS2213A)。そして、ステップS2214Aに移行する。
そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS2214A)。
図28は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器8b、特別可変入賞球装置20、および特殊可変入賞球装置22を制御するための処理が実行される。
CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS321)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS322)。なお、図19に示した第1始動口スイッチ通過処理の「第1」を「第2」と読み替えれば、第2始動口スイッチ通過処理が説明されることになる。その後、CPU56は、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS350〜S360のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS350〜S360の処理は、以下のような処理である。
第2特別図柄通常処理(ステップS350):第2特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第2大当りフラグをセットする。一方、大当りとしない場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS351に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第2大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。また、小当りフラグは、小当り遊技が終了するときにリセットされる。
第2変動パターン設定処理(ステップS351):第2特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS352に対応した値(この例では2)に更新する。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS352):第2特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS353に対応した値(この例では3)に更新する。
第2特別図柄変動中処理(ステップS353):第2特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第2変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS351でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において飾り図柄が停止されるように制御する。
第2特別図柄停止処理(ステップS354):第2特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第2大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS354Aに対応した値(この例では11)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS358に対応した値(この例では8)に更新する。第2大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合(強制はずれとした場合)には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS350に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS354A):第2特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。第2ゲート通過待ち処理では、作動ゲート17への遊技球の通過を待機する制御を行う。作動ゲート17への遊技球の通過を検知したときには内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS355に対応した値(この例では5)に更新する。
第2大入賞口開放前処理(ステップS355):第2特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第2大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置20を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特別可変入賞球装置20に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS356に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第2大入賞口開放中処理(ステップS356):第2特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する制御や特別可変入賞球装置20の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ23aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。特別可変入賞球装置20の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS355に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS357に対応した値(この例では7)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS357):第2特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
第2小当り開放前処理(ステップS358):第2特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第2小当り開放前処理では、特殊可変入賞球装置22を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、特殊入賞口24に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド106を駆動して特殊可変入賞球装置22を開放制御にする。また、タイマによって第2小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS359に対応した値(この例では9)に更新する。なお、第2小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第2小当り開放中処理(ステップS359):第2特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。特殊可変入賞球装置22の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。この実施の形態では、特殊可変入賞球装置22の開放時間0.8秒(図15参照)が経過すると閉成条件が成立する。また、特殊入賞口に遊技球が入賞し、第2カウントスイッチ25aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して特殊入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行う。また、閉成条件が成立した場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS360に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
第2小当り終了処理(ステップS360):第2特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ200に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図29は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(ステップS350)を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理が実行される状態は、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS350を示す値となっている場合である。なお、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS350を示す値となっている場合とは、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技(特別可変入賞球装置20を所定回開放)中でも小当り遊技中(特殊可変入賞球装置22を開放)中でもない場合である。
第2特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、まず、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS52B)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第2保留記憶数が0であれば、第2客待ちデモ表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する(ステップS51B)。
第2保留記憶数が0でなければ、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RAM55の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の第2乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53B)、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54B)。すなわち、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各乱数値が抽出された順番を特定することができる。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態に応じた背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信する(ステップS60B)。なお、具体的な背景指定コマンドの送信の仕方は、第1特別図柄通常処理のステップS60Aで示した処理と同様である。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の大当り変動中であるか否かを判定する(ステップS64BB)。具体的に、第1特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第1大当りフラグがセットされている場合には第1特別図柄の大当り変動中であると判定する。第1特別図柄の大当り変動中であると判定した場合には、ステップS64B以降の処理を行うことなくステップS68Bへ移行する。これにより、第1特別図柄の大当り変動中に第2特別図柄の変動を開始する場合には、大当り判定値が記憶されているか否かにかかわらず強制的にはずれとする構成になっている。
なお、強制的にはずれとする方法については、上述したものに限られない。例えばステップS64BBにて第1特別図柄の大当り変動中である場合に、大当り判定用乱数(ランダム1)としてはずれの乱数値(固定値)を設定する処理を行い、ステップS65Bへ移行することにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
また、大当り判定とは別に、小当りとするか否かを決定するための小当り判定を行う遊技機では、ステップS64BBにて第1特別図柄の大当り変動中である場合に、ステップS64B〜S161Bの処理を行わずに、小当り判定用乱数(大当り判定用乱数と共通の乱数であってもよいし、全く異なる乱数であってもよい)としてはずれの乱数値(固定値)を設定して小当り判定を行うことにより、始動入賞時にいずれの大当り判定用乱数(ランダム1)が取得されていたかにかかわらず強制的にはずれとするものであってもよい。
第1特別図柄の大当り変動中でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2乱数格納バッファから大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS64B)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS65B)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS66B)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当りとなることを示す第2大当りフラグをセットする(ステップS67B)。そして、ランダム2にもとづいて大当り種別が16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当りのいずれであるかを判定し(ステップS160B)、大当り種別を記憶し(ステップS161B)、ステップS68Bへ移行する。
また、ステップS66Bにおいて大当りとしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ56は、小当りとなることを示す小当りフラグをセットし(ステップS164B)、そのまま小当りとすることに決定する。そして、ステップS68Bへ移行する。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合には、無条件に全て小当りと決定する場合を示している(強制的にはずれとする場合を除く)が、そのような態様にかぎられない。例えば、第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りと決定しなかった場合にも、乱数にもとづく抽選処理を行って小当りとするか否かを決定するように構成してもよい。この場合、抽選処理を実行するものの100%の確率で小当りと決定するように構成してもよいし、低い確率ではずれと決定する場合があるように構成してもよい。
そして、ステップS68Bにおいて、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS68B)。なお、図示は省略したが、ステップS68Bの直前において停止する図柄の確定をしている。
なお、ステップS65Bでは、遊技状態を加味して、非確変時大当り判定テーブルおよび確変時大当り判定テーブルのいずれかを用いて大当りとするか否かの判定を行う。
第2変動パターン設定処理(ステップS351)は、図22に示した第1変動パターン設定処理(ステップS301)と同様である。すなわち、図22に示す第1変動パターン設定処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2変動パターン処理が説明されたことになる。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS352)では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、大当りとするか小当りとするかの決定結果、および大当り種別の決定結果にもとづいて、いずれかの表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド、表示結果5指定コマンド〜表示結果7指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信する制御を行う。
第2特別図柄変動中処理(ステップS353)は、図23に示した第1特別図柄変動中処理(ステップS303)と同様である。すなわち、図23に示す第1特別図柄変動中処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2特別図柄変動中処理が説明されたことになる。
第2ゲート通過待ち処理(ステップS354A)は、図25に示した第1ゲート通過待ち処理(ステップS304A)と同様である。すなわち、図25に示す第1ゲート通過待ち処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2ゲート通過待ち処理が説明されたことになる。
第2大入賞口開放前処理(ステップS355)は、図26に示した第1大入賞口開放前処理(ステップS304A)と同様である。すなわち、図26に示す第1大入賞口開放前処理において、「第1」を「第2」に読み替えれば、第2大入賞口開放前処理が説明されたことになる。
図30は、特別図柄プロセス処理における第2大当り終了処理(ステップS357)を示すフローチャートである。第2大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS2200B)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS2204Bに移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、第2大当りフラグをリセットし(ステップS2201B)、第2大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS2202B)。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS2203B)、処理を終了する。
ステップS2204Bでは、大当り終了表示タイマの値を1減算する(ステップS2204B)。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS2205B)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS2205BのY)、CPU56は、今回終了した大当りの種別が16R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2206B)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2207B)する。次いで、CPU56は、今回の大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かを確認する(ステップS2208B)。なお、大当りを開始する前に第1KT状態または第2KT状態に制御されていたか否かは、例えば、大当り遊技を開始する前の第2特別図柄停止処理において、大当り開始前に第1KT状態であったことを示す第1KT記憶フラグや第2KT状態であったことを示す第2KT記憶フラグをセットしておき、ステップS2208Bでは、これら第1KT記憶フラグまたは第2KT記憶フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。大当り開始前に第1KT状態でも第2KT状態でもなかった場合には、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2209B)。大当り開始前に第1KT状態または第2KT状態であった場合には、第2KTフラグをセットして第2KT状態に移行する(ステップS2210B)。そして、ステップS2216Bに移行する。
ステップS2208B〜S2210Bの処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにし、大当り開始前に非KT状態であった場合には第1KT状態に移行するように構成している。すなわち、既に説明したように、この実施の形態では、非KT状態(低確率/非KT状態)では、左打ち操作を行うように構成されており主として第1特別図柄の変動表示が実行されることを想定して構成されている。ところが、第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合に無条件に第2KT状態に移行されるように構成してしまったのでは、非KT状態でも敢えて右打ち操作を行って第2KT状態に移行させることが可能となってしまい、本来の遊技性を損ね不必要に射幸性を高めるおそれがある。そこで、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにして、そのような事態を防止し、非KT状態では遊技者に左打ち操作を促すようにしている。
16R確変大当りでなければ、CPU56は、今回終了した大当りの種別が6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS2211B)。なお、6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かは、例えば、第2特別図柄通常処理のステップS161Bで記憶した大当り種別を確認することにより判定できる。6R確変大当りまたは2R確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして確変状態(高確率状態)に移行する(ステップS2212B)とともに、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2213B)。そして、ステップS2216Bに移行する。
6R確変大当りおよび2R確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、2R通常大当りであれば)、CPU56は、第1KTフラグをセットして第1KT状態に移行する(ステップS2214B)。また、CPU56は、KT回数カウンタに「100」をセットする(ステップS2215B)。そして、ステップS2216Bに移行する。
そして、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2特別図柄通常処理(ステップS350)に対応した値に更新する(ステップS2216B)。
図31は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否か(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否か(すなわち、特別図柄停止処理の実行中であるか否か)を確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ200側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS36)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、遊技機1が出力する外部出力信号について説明する。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、情報出力処理(ステップS29)や、第1特別図柄停止処理におけるステップS2015Xの処理、第2特別図柄停止処理におけるステップS2015Xと同様の処理を実行することによって、遊技機1に設けられた外部出力端子板を介して、ホール管理用コンピュータなどの外部装置に対して外部出力信号を出力する。
図32は、遊技機1が出力する外部出力信号を説明するための説明図である。外部出力端子板の端子01には、賞球信号が割り当てられている。賞球信号とは、賞球を所定個数(本例では、10個)払い出すごとに外部出力される信号である。また、外部出力端子板の端子05には、大当り信号1が割り当てられている。大当り信号1は、全ての大当り遊技の期間中にわたって連続して外部出力される信号である。また、外部出力端子板の端子06には、大当り信号2が割り当てられている。大当り信号2は、全ての大当り遊技の期間中、確変状態中、およびKT状態中(第1KT状態中、第2KT状態中)にわたって連続して外部出力される信号である。また、外部出力端子坂の端子07には、特殊入賞口信号が割り当てられている。特殊入賞口入賞信号は、特殊入賞口24への遊技球の入賞を検出したことにもとづいて外部出力される信号である。また、外部出力端子板の端子09には、賞球予定数信号が割り当てられている。賞球予定数信号とは、賞球の払出予定数が所定個数(本例では、10個)になるごとに外部出力される信号である。
なお、図32に示す例では、第1KT状態であるか第2KT状態であるかを区別することなく、共通の特殊入賞口入賞信号を外部出力する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態であるか第2KT状態であるかに応じて異なる特殊入賞口入賞信号を外部出力するように構成してもよい。図33は、遊技機1が出力する外部出力信号の変形例を説明するための説明図である。図33に示す変形例では、外部出力端子坂の端子07には、特殊入賞口信号1が割り当てられているとともに、外部出力端子坂の端子08には、特殊入賞口信号2が割り当てられている。特殊入賞口入賞信号1は、第1KT状態において特殊入賞口24への遊技球の入賞を検出したことにもとづいて外部出力される信号である。また、特殊入賞口入賞信号2は、第2KT状態において特殊入賞口24への遊技球の入賞を検出したことにもとづいて外部出力される信号である。
なお、図32および図33において、さらに小当り遊技の期間中にわたって連続して外部出力される小当り専用の信号を設けるように構成してもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS26C)について説明する。図34は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS5111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS5112)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS5100〜S5103に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS5112):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS5100):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS5101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS5101):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS5102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS5102):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS5100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物開放前時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(ステップS5102A)を示す値(具体的には「5」)に更新する。
普通電動役物開放前処理(ステップS5102A):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせ、可変入賞球装置15の開放を開始する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS5103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS5103):CPU56は、普通図柄プロセスタイマを計測し、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、可変入賞球装置15を閉鎖する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS5100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図35は、普通図柄通常処理(ステップS5100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS5121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS5121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS5121のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出す(ステップS5122)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS5123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、普通図柄判定テーブルを用いて、普通図柄当りとなるか否かを判定する。
図36は、普通図柄判定テーブルを示す説明図である。普通図柄判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)と比較される普通図柄当り判定値が設定されているテーブルであり、通常状態にて用いられる通常普通図柄判定テーブルとKT状態にて用いられるKT用普通図柄判定テーブルとがある。
図36に示すように、この実施の形態では、通常状態では1/10の確率で、KT状態では10/11の確率で当りとすることに決定される。なお、本実施の形態では、通常状態とKT状態とで普通図柄当りとなる確率が異なることにより、KT状態の方が通常状態より第2始動入賞口14への始動入賞が発生しやすいことから小当りが発生しやすい構成としたが、通常状態とKT状態とで普通図柄当りとなる確率は同じであってもよい。
具体的に、CPU56は、KT状態であれば(第1KTフラグまたは第2KTフラグがセットされていれば)KT用普通図柄判定テーブルを選択し(ステップS5123AのY,S5123B)、通常状態であれば(第1KTフラグまたは第2KTフラグがセットされていなければ)通常普通図柄判定テーブルを選択する(ステップS5123AのN,S5123C)。
そして、CPU56は、ステップS5124において、KT状態であればステップS5122にて読み出した普通図柄当り判定用乱数値が[3〜12]の範囲内の値であるか否かを判定し、通常状態であればステップS5122にて読み出した普通図柄当り判定用乱数値が[3]であるか否かを判定する。当りである場合、表示結果として当り図柄を設定し(ステップS5125)、ステップS5130Aへ移行する。
また、ステップS5124において、読み出した普通図柄当り判定用乱数値が当りの範囲内でない場合、CPU56は表示結果としてはずれ図柄を設定し(ステップS5126)、ステップS5130Aへ移行する。
ステップS4130Aにおいて、CPU56は、第1KTフラグがセットされていれば、普通図柄変動時間として0.2秒を普通図柄プロセスタイマにセットする(ステップS5130のY,S5130B)。また、第1KTフラグがセットされていなければ、すなわち通常状態または第2KT状態であれば、普通図柄変動時間として1.0秒を普通図柄プロセスタイマにセットする(ステップS5130のN,S5130C)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS5101)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS5131)。
図37は、普通図柄変動処理(ステップS5101)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS5141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS5141のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS5144)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS5141のY)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間として0.2秒に相当する値をセットする(ステップS5142)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS5102)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS5143)。
図38は、普通図柄停止処理(ステップS5102)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS3701)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS3702)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS3702のN)、そのまま処理を終了する。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS3702のY)、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(ステップS5124にて当りと判定されたかどうか)を確認する(ステップS3703)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、例えば、ステップS5124にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(ステップS3703のN)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS5100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS3708)。
ステップS3703において、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(ステップS3703のY)、CPU56は、第1KTフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3704)、セットされている場合、すなわち、第1KT状態である場合には、普通電動役物開放前時間として0.1秒を普通図柄プロセスタイマにセットする(ステップS3706)。また、第1KTフラグがセットされていない場合、すなわち、通常状態または第2KT状態である場合には、普通電動役物開放前時間として2.6秒を普通図柄プロセスタイマにセットする(ステップS3705)。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、普通電動役物開放前処理(ステップS5102A)に対応した値(具体的には「5」)に更新する(ステップS5164)
図39は、普通電動役物開放前処理(ステップS5102A)を示すフローチャートである。普通電動役物開放前処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS3801)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS3802)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS3802のN)、そのまま処理を終了する。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通電動役物開放前時間が経過したときは(ステップS3802のY)、CPU56は、第1KTフラグがセットされているか否かを判定し(ステップS3803)、セットされている場合、すなわち、第1KT状態である場合には、普通電動役物開放時間として5.5秒を普通図柄プロセスタイマにセットする(ステップS3805)。また、第1KTフラグがセットされていない場合、すなわち、通常状態または第2KT状態である場合には、普通電動役物開放時間として0.2秒を普通図柄プロセスタイマにセットする(ステップS3804)。
このように、本実施の形態では、第1KT状態では普通電動役物開放時間として5.5秒をセットするとともに、通常状態または第2KT状態では普通電動役物開放時間として0.2秒をセットすることにより、第1KT状態は通常状態または第2KT状態よりも第2始動入賞口14に始動入賞しやすい状態としている。したがって、第1KT状態は通常状態または第2KT状態よりも、可変入賞球装置15の下流に設けられている特殊可変入賞球装置22に遊技球が達しにくく構成されている。
なお、遊技状態が第1KT状態である場合に第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなるようにする制御の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第1KT状態である場合には、通常状態または第2KT状態である場合と比較して、可変入賞球装置15を多くの回数開放する(例えば、通常状態または第2KT状態では可変入賞球装置15の開放回数として1回をセットするのに対して、第1KT状態では可変入賞球装置15の開放回数として2回をセットする)ように制御してもよい。そのようにすれば、第1KT状態である場合には、可変入賞球装置15の開放回数を多くすることによって、第2始動入賞口14に始動入賞しやすくすることができる。
また、例えば、第1KT状態である場合には、通常状態または第2KT状態である場合と比較して、上記に示した可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御と、可変入賞球装置15の開放回数を多くする制御とを組み合わせて実行してもよい。
次いで、CPU56は、可変入賞球装置15を開放状態に制御する(ステップS3806)。具体的には、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置15を開状態にする。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、普通電動役物作動処理(ステップS5103)に対応した値(具体的には「3」)に更新する(ステップS3807)。
図40は、普通電動役物作動処理(ステップS5103)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS3901)。そして、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS3902)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS3901のN)、そのまま処理を終了する。
ステップS3902において、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたときは(ステップS3902のY)、CPU56は、可変入賞球装置15を閉鎖状態に制御する(ステップS3911)。具体的には、ソレノイド16の駆動を停止して可変入賞球装置15を閉鎖状態にする。
そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS5100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS3912)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図41は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ200(具体的には、演出制御用CPU201)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU201は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU201は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU201は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU201は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU201は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU201は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部9bの表示制御を実行する。さらに、背景図柄表示部9cの表示状態の制御を行う背景図柄プロセス処理を実行する(ステップS706)。また、図柄保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS707)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
図42は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図16および図17参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図43〜図45は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU201は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU201は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU201は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU201は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU201は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618A)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU201は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。確定コマンド受信フラグは、図柄確定指定コマンドを正常に受信したことを示すフラグである。その後、演出制御用CPU201は、確定コマンド受信時処理を実行する(ステップS620A)。
受信した演出制御コマンドが第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU201は、第1大当り開始指定コマンド受信フラグまたは第2大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。なお、この実施の形態では、ステップS622でセットされる第1大当り開始指定コマンド受信フラグ、第2大当り開始指定コマンド受信フラグのことを、ファンファーレフラグともいう。
その後、演出制御用CPU201は、指示報知を終了する(ステップS3804)。指示報知とは、遊技球の打ち方を報知する演出であり、遊技領域7の略右側への遊技球の打ち出しを促す第1指示報知と、作動ゲート17への遊技球の打ち出しを促す第2指示報知とが設けられている。また、第1指示報知としては、演出表示装置9の全面に「右打ち」という文字を含む画像を表示する第1通常指示報知と、演出表示装置9の一部(右上部分)に「右打ち」という文字を含む画像を表示する第1縮小指示報知とが設けられているとともに、第2指示報知としては、演出表示装置9の全面に「ゲートを狙え」という文字を含む画像を表示する第2通常指示報知と、演出表示装置9の一部(右上部分)に「ゲートを狙え」という文字を含む画像を表示する第2縮小指示報知とが設けられている。
本実施の形態では、大当り図柄が停止表示されると第1指示報知が開始され、第1指示報知が開始されてから10秒が経過するまでにゲート32への遊技球の通過が検出されなかった場合には第1指示報知の画像に第2指示報知の画像を重畳表示するようになっている。
そして、演出制御用CPU201は、指示報知を第1指示報知から第2指示報知へ切り替えるまでの期間を計測するための指示報知用タイマをリセットする(ステップS3805)
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU201は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624A)。なお、この実施の形態では、ステップS624Aでセットされる大当り終了指定コマンド受信フラグのことを、エンディングフラグともいう。
受信した演出制御コマンドが小当り開始指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU201は、小当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。
受信した演出制御コマンドが小当り終了指定コマンドであれば(ステップS627)、演出制御用CPU201は、小当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが低確/非KT背景指定であれば(ステップS630)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を低確率/非KT状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS631)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第1KT状態であることを示す第1KT状態フラグをリセットする(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが低確/第1KT背景指定であれば(ステップS633)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を低確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS634)。また、演出制御用CPU201は、第1KT状態フラグをセットする(ステップS635)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグや、第2KT状態であることを示す第2KT状態フラグをリセットする(ステップS636)。
受信した演出制御コマンドが高確/第1KT背景指定であれば(ステップS637)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/第1KT状態に応じた背景画面(例えば、黄色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS638)。また、演出制御用CPU201は、確変状態フラグおよび第1KT状態フラグをセットする(ステップS639)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第2KT状態フラグをリセットする(ステップS640)。
受信した演出制御コマンドが高確/第2KT背景指定であれば(ステップS641)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9に表示する背景画面を高確率/第2KT状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS642)。また、演出制御用CPU201は、確変状態フラグおよび第2KT状態フラグをセットする(ステップS643)。また、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第1KT状態フラグをリセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが大入賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS650)、演出制御用CPU201は、第1賞球数カウンタおよび第2賞球数カウンタにそれぞれ15(大入賞口への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS651)。
第1賞球数カウンタは、連荘中の賞球数をカウントするためのカウンタであり、連荘開始の契機となった大当り遊技および連荘中に発生した全ての大当り遊技で大入賞口に遊技球が入賞したことにもとづく賞球および連荘中の確変状態、第1KT状態および第2KT状態において発生した全ての小当り遊技で特殊入賞口24に遊技球が入賞したことにもとづく賞球が随時加算される。また、第2賞球数カウンタは、第2KT状態中の賞球数をカウントするためのカウンタであり、第2KT状態開始の契機となった大当り遊技および第2KT状態中に発生した全ての大当り遊技で大入賞口に遊技球が入賞したことにもとづく賞球および第2KT状態中において発生した全ての小当り遊技で特殊入賞口24に遊技球が入賞したことにもとづく賞球が随時加算される。
また、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において連荘中の賞球数を示す連荘中賞球数表示を表示中であれば、加算後の第1賞球数カウンタの値にもとづいて連荘中賞球数表示を更新するとともに、演出表示装置9において第2KT状態中の賞球数を示すスペシャルラッシュ中賞球数表示を表示中であれば、加算後の第2賞球数カウンタの値にもとづいてスペシャルラッシュ中賞球数表示を更新する(ステップS652)。
受信した演出制御コマンドが特殊賞口入賞指定コマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU201は、第1賞球数カウンタおよび第2賞球数カウンタにそれぞれ10(特殊入賞口24への1入賞あたりの賞球数に相当)を加算する(ステップS654)。また、演出制御用CPU201は、連荘中賞球数表示を表示中であれば、加算後の第1賞球数カウンタの値にもとづいて連荘中賞球数表示を更新するとともに、スペシャルラッシュ中賞球数表示を表示中であれば、加算後の第2賞球数カウンタの値にもとづいてスペシャルラッシュ中賞球数表示を更新する(ステップS655)。
次いで、演出制御用CPU201は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS656)。第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態であれば)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において賞球加算表示(例えば、「+10」などの文字表示)を表示させる(ステップS657)。また、演出制御用CPU201は、スピーカ27から所定の入賞音を出力させる(ステップS658)とともに、特殊入賞口ランプ24aを点灯表示させる(ステップS659)。
一方、第2KT状態フラグがセットされていなければ(第2KT状態でなければ)、ステップS657〜S659の処理を実行することなく、ステップS611に戻る。
ステップS656〜S659の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2KT状態中に特殊入賞口24に遊技球が入賞したことにもとづいて、賞球加算表示の表示、入賞音の出力、および特殊入賞口ランプ24aの点灯表示が行われる一方で、特殊入賞口24に遊技球が入賞しても第2KT状態でなければ、賞球加算表示の表示、入賞音の出力、および特殊入賞口ランプ24aの点灯表示は行われない。
なお、必ずしも賞球加算表示の表示、入賞音の出力、および特殊入賞口ランプ24aの点灯表示の全てを行う必要はなく、これらのうちのいずれか1つまたは2つのみを実行するように構成してもよい。
受信した演出制御コマンドが第1客待ちデモ表示指定コマンドであれば(ステップS4301)、演出制御用CPU201は、第1客待ちデモ表示指定コマンドを受信したことを示す第1デモコマンド受信フラグをセットする(ステップS4302)。
受信した演出制御コマンドが第2客待ちデモ表示指定コマンドであれば(ステップS4303)、演出制御用CPU201は、第2客待ちデモ表示指定コマンドを受信したことを示す第2デモコマンド受信フラグをセットする(ステップS4304)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出御用CPU201は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセット、または処理を実行する(ステップS670)。そして、ステップS611に移行する。
図46は、確定コマンド受信時処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU201は、表示結果2指定コマンド〜表示結果6指定コマンドのいずれかが表示結果指定コマンド格納領域に格納されているか否かを判定することにより、停止表示された図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(ステップS4401)。表示結果2指定コマンド〜表示結果6指定コマンドのいずれかが表示結果指定コマンド格納領域に格納されている場合、すなわち大当り図柄が停止表示された場合、受信した図柄確定指定コマンドは第2図柄確定指定コマンドであるか否かを判定し(ステップS4401A)、第1図柄確定指定コマンドであればステップS4404へ移行する。
受信した図柄確定指定コマンドが第2図柄確定指定コマンドであれば、演出制御用CPU201は、通常状態であるか否かを判定し(ステップS4401B)、KT状態であれば(第1KTフラグおよび第2KTフラグのいずれかがセットされていれば)ステップS4404へ移行する。
通常状態であれば、演出制御用CPU201は、大当り変動中であることを示す大当り準備中表示を既に実行したことを示す準備中表示済フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4402)、セットされている場合は準備中表示済フラグをリセットし(ステップS4403)、ステップS4404へ移行する。
ステップS4404では、演出制御用CPU201は、第1通常指示報知を開始し(ステップS4404)、指示報知用タイマに10秒に相当する値をセットする(ステップS4406)。
また、ステップS4402において、準備中表示を実行したことを示す準備中表示済フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU201は、第1縮小指示報知を開始し(ステップS4405)、ステップS4406へ移行する。準備中表示とは、通常状態において、第2特別図柄の大当り変動中に第1特別図柄の変動が開始されたときに実行される演出であり、具体的には「大当り準備中」という文字を含む画像が演出表示装置9に表示される演出である。なお、この実施の形態では、「大当り準備中」という文字を含む静止画像を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、準備中表示として、大当り遊技が開始されるまでの期間(第2特別図柄の変動表示の残り変動時間)に対応する表示を行うように構成してもよい。
このように、本実施の形態では、第1特別図柄の大当り図柄が停止表示したときには第1通常指示報知を行う。また、第2特別図柄の大当り図柄が停止表示したときには、KT状態であれば第1通常指示報知を行う。また、第2特別図柄の大当り図柄が停止表示したときには、通常状態であれば準備中表示を実行していた場合にのみ第1通常指示報知を行い、準備中表示を実行していなかった場合には第1縮小指示報知を行う。
図47は、図41に示す背景図柄プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。
まず、演出制御用CPU201は、指示報知に関する制御を行うための指示報知制御処理を行い(ステップS4501)、デモ表示に関する制御を行うためのデモ表示制御処理(ステップS4502)を行う。
その後、演出制御用CPU201は、背景図柄プロセスフラグの値に応じてステップS900〜S908のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900):背景図柄の変動開始条件が成立したか否か判定し、背景図柄の変動開始条件が成立した場合には、背景図柄表示部9cにおいて変動が開始されるように制御する。背景図柄の変動開始条件は、コマンド解析処理でいずれかの変動パターンコマンドが受信されたことが確認された場合に成立する。そして、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動開始処理(ステップS901)に応じた値に更新する。
背景図柄変動開始処理(ステップS901):左中右の背景図柄の変動が開始されるように制御する。また、受信している表示結果コマンドに応じて背景図柄の停止図柄を決定し、背景図柄の変動時間を設定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動中処理(ステップS902)に対応した値に更新する。
背景図柄変動中処理(ステップS902):背景図柄の変動時間の終了を監視する。変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄停止処理(ステップS903)に対応した値に更新する。なお、背景図柄変動中処理において、演出制御用CPU201は、背景図柄の変動時間を延長することがある。
背景図柄停止処理(ステップS903):背景図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)、大当り表示処理(ステップS904)、または小当り中処理(ステップS908)に対応した値に更新する。なお、大当り表示処理(ステップS904)に対応した値に更新する場合には、第1大当り開始指定コマンドまたは第2大当り開始指定コマンドを受信していることを条件に、大当り表示処理(ステップS904)に対応した値に更新する。また、小当り中処理(ステップS908)に対応した値に更新する場合には、小当り開始指定コマンドを受信していることを条件に、小当り中表示処理(ステップS908)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS904):大当り表示の制御を行う。そして、実際に大当り遊技が開始されたことを示すことになる大入賞口開放中表示コマンド(第1ラウンドに関する大入賞口開放中表示コマンド)を受信したら背景図柄プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS905)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS905):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS906):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS907):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディング指定コマンド(第1エンディング指定コマンド、第2エンディング指定コマンド)を受信したら、エンディング演出を実行する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に応じた値に更新する。
小当り中処理(ステップS908):小当り遊技中の表示制御を行う。そして、小当り終了指定コマンドを受信したら、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に応じた値に更新する。
図48は、指示報知制御処理について示すフローチャートである。指示報知制御処理において、演出制御用CPU201は、第1指示報知中であるか否かを判定し(ステップS4601)、第1指示報知中であれば指示報知タイマの値を1減算し(ステップS4602)、指示報知タイマがタイムアウトするか否かを判定する(ステップS4603)。タイムアウトしていた場合(第1指示報知の実行から10秒が経過した場合)、第1通常指示報知の実行中であれば第2通常指示報知を開始し(ステップS3503のY,S4605)、第1縮小指示報知の実行中であれば第2縮小表示報知を開始する(ステップS4506)。
このように、本実施の形態では第1指示報知の開始から10秒後に第2指示報知を実行することとなる。また、第1通常指示報知を実行していた場合には10秒後に第2通常指示報知を行い、第1縮小指示報知を実行していた場合には10秒後に第2縮小指示報知を行うこととなる。
なお、第2指示報知を実行するとき、第1指示報知画像に対して第2指示報知画像を重畳表示することとしてもよいし、または第1指示報知画像を消去して第2指示報知画像を表示することとしてもよい。
図49および図50は、デモ表示制御処理を示すフローチャートである。デモ表示制御処理において、演出制御用CPU201は、第1デモコマンド受信フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4701)、セットされていなければステップS4706へ移行する。セットされている場合には、通常状態であるか否かを判定し(ステップS4702)、通常状態でなければステップS4705へ移行する。具体的に、第1KTフラグおよび第2KTフラグのいずれもセットされていなければ通常状態であると判定する。
通常状態であれば、演出制御用CPU201は、第1デモ表示を開始するまでの時間(例えば、30秒)に相当する値を計測するための第1デモ待機タイマをセットし(ステップS4703)、第1デモ表示の待機中であることを示す第1デモ待機中フラグをセットする(ステップS4704)。そして、第1デモ受信フラグをリセットする(ステップS4705)。
その後、演出制御用CPU201は、第1デモ待機中フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4706)、セットされている場合には第1特別図柄変動が開始される場合(ステップS4707のY)、または第2特別図柄の変動にもとづいて大当り遊技状態に制御される場合(ステップS4708のY)、ステップS4712へ移行する。これにより、第1特別図柄変動が開始されるか第2特別図柄の変動にもとづいて大当り遊技状態に制御される場合には第1デモ表示を実行しないようになっている。具体的に、ステップS4707では第1飾り図柄の変動を示す変動パターンコマンドを受信した場合には第1特別図柄変動が開始されたと判定する。また、ステップS4708では第2大当り開始指定コマンドを受信した場合に第2特別図柄の変動にもとづいて大当り遊技状態に制御されると判定する。
第1デモ待機中フラグがセットされており、第1特別図柄変動が開始されず(ステップS4707のN)、第2特別図柄の変動にもとづいて大当り遊技状態に制御されない場合(ステップS4708のN)、第1デモ待機タイマの値を1減算し(ステップS4709)、第1デモ待機タイマがタイムアウトした場合には、第1デモ表示を開始し(ステップS4711)、第1デモ待機フラグをリセットする(ステップS4712)。
その後、演出制御用CPU201は、第1デモ表示中である場合(ステップS4713のY)、第1特別図柄の変動が開始されるか(ステップS4714のY)、または第2特別図柄の変動にもとづいて大当り遊技状態に制御される場合(ステップS4715のY)、第1デモ表示を終了する(ステップS4716)。
また、演出制御用CPU201は、第2デモコマンド受信フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4801)、セットされていなければステップS4806へ移行する。セットされている場合には、KT状態であるか否かを判定し(ステップS4802)、KT状態でなければステップS4805へ移行する。具体的に、第1KTフラグおよび第2KTフラグのいずれかがセットされていればKT状態であると判定する。
KT状態であれば、演出制御用CPU201は、第2デモ表示を開始するまでの時間(例えば、30秒)に相当する値を計測するための第2デモ待機タイマをセットし(ステップS4803)、第2デモ表示の待機中であることを示す第2デモ待機中フラグをセットする(ステップS4804)。そして、第2デモ受信フラグをリセットする(ステップS4805)。
その後、演出制御用CPU201は、第2デモ待機中フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4806)、セットされている場合には第2特別図柄変動が開始される場合(ステップS4807のY)、またはKT状態でない場合(ステップS4808のN)、ステップS4812へ移行する。これにより、第2特別図柄変動が開始されるかKT状態が終了した場合には第2デモ表示を実行しないようになっている。具体的に、ステップS4807では第2飾り図柄の変動を示す変動パターンコマンドを受信した場合には第2特別図柄変動が開始されたと判定する。また、ステップS4808では第1KTフラグおよび第2KTフラグのいずれかもセットされていなければKT状態が終了したと判定する。
第2デモ待機中フラグがセットされており、第2特別図柄変動が開始されず(ステップS4807のN)、KT状態が終了していない場合(ステップS4808のY)、第2デモ待機タイマの値を1減算し(ステップS4809)、第2デモ待機タイマがタイムアウトした場合には、第2デモ表示を開始し(ステップS4811)、第2デモ待機フラグをリセットする(ステップS4812)。
その後、演出制御用CPU201は、第2デモ表示中である場合(ステップS4813のY)、第2特別図柄の変動が開始されるか(ステップS4814のY)、またはKT状態が終了した場合(ステップS4815のN)、第2デモ表示を終了する(ステップS4816)。
図51は、背景図柄変動開始処理(ステップS901)を示すフローチャートである。背景図柄変動開始処理において、演出制御用CPU201は、背景図柄の停止図柄を決定する(ステップS920)。なお、この実施の形態では、表示結果1指定コマンドを受信した場合(はずれと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が全く不一致のはずれ図柄または左右の背景図柄のみが一致したリーチはずれ図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果2指定コマンドを受信した場合(16R確変大当りと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が奇数図柄で揃った図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果3指定コマンドや表示結果5指定コマンドを受信した場合(6R確変大当りや2R確変大当りと決定されている場合)には、左中右の背景図柄が偶数図柄で揃った図柄の組み合わせを決定する。また、表示結果4指定コマンドや表示結果6指定コマンドを受信した場合(6R通常大当りや2R通常大当りと決定されている場合)には、左右の背景図柄のみが一致したリーチはずれ図柄と同様の組み合わせを決定する。また、表示結果7指定コマンドを受信した場合(小当りと決定されている場合)には、小当り図柄(例えば、「135」)の背景図柄の組み合わせを決定する。
次いで、演出制御用CPU201は、受信した変動パターンコマンドで示される変動パターンに応じて、使用する背景図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS921)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS922)。次いで、演出制御用CPU201は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS923)。例えば、背景図柄表示部9cにおいて変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP209に制御信号(表示制御実行データ)を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、変動パターンにおいて継続演出の実行が指定されている場合(第2変動パターン#17,#18の場合)には、ステップS921で選択したプロセステーブルに従ってステップS923および後述する背景図柄変動中処理のステップS944の処理が実行されることによって背景図柄の変動表示中に継続演出が実行される。また、変動パターンにおいてバトル演出の実行が指定されている場合(第2変動パターン#11,#12,#14,#15,#18の場合)には、ステップS921で選択したプロセステーブルに従ってステップS923および後述する背景図柄変動中処理のステップS944の処理が実行されることによって背景図柄の変動表示中にバトル演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU201は、変動時間に応じた値を背景図柄変動時間タイマに設定して背景図柄変動時間タイマをスタートさせる(ステップS924)。そして、背景図柄プロセスフラグを、背景図柄変動中処理(ステップS902)に応じた値に更新する(ステップS925)。
図52は、背景図柄プロセス処理における背景図柄変動中処理(ステップS902)を示すフローチャートである。背景図柄変動中処理において、演出制御用CPU201は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS940)、普通図柄変動時間タイマの値を1減算する(ステップS941)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS942)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS943)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS944)。
次に、演出制御用CPU201は、背景図柄の変動表示中に継続演出を実行する場合であって、その継続演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS945)。なお、継続演出を実行する場合であるか否かは、例えば、受信した変動パターンコマンドで第2変動パターン#17,#18が指定されているか否かを確認することにより判定できる。また、継続演出の開始タイミングとなっているか否かは、例えば、背景図柄変動開始処理のステップS924でセットした背景図柄変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。継続演出の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において、現在の第1賞球数カウンタの値にもとづいて連荘中賞球数表示を表示させる(ステップS946)。なお、この実施の形態では、第2KT状態中である場合にはスペシャルラッシュ中賞球数表示が表示されているのであるが(後述するステップS9010参照)、第2KT状態中の継続演出の開始タイミングとなると、ステップS946の処理が実行されることによって、スペシャルラッシュ中賞球数表示に加えて連荘中賞球数表示も表示される。
次に、演出制御用CPU201は、背景図柄の変動表示中に第1KT移行演出を実行する場合であって、その第1演出の開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS947)。なお、第1KT移行演出を実行する場合であるか否かは、例えば、受信した変動パターンコマンドで第2変動パターン#18が指定されているか否かを確認することにより判定できる。すなわち、この実施の形態では、第2変動パターン#18にもとづいて背景図柄の変動表示が実行される場合には、背景図柄の変動表示中に継続演出が実行されて第2KT状態が継続するか否かが示唆された後、第1KT移行演出が実行されて恰も第2KT状態が終了して第1KT状態に移行したかのような演出が実行され(ただし、この段階では内部的にはまだ第2KT状態を終了しておらず、正確には第2KT状態を終了するのは大当り開始時である)、その後バトル演出に発展する。また、第1KT移行演出の開始タイミングとなっているか否かは、例えば、背景図柄変動開始処理のステップS924でセットした背景図柄変動時間タイマの値を確認することにより判定できる。
第1KT移行演出の開始タイミングとなっていれば、演出制御用CPU201は、スピーカ27からの第2KT用の楽曲の音出力を終了させる(ステップS948)。すなわち、この実施の形態では、第2KT状態に制御される場合には、その契機となった16R確変大当りにもとづく大当り遊技の開始時に第2KT用の楽曲の音出力が開始される(後述するステップS982参照)のであるが、ステップS948の処理が実行されることによって、その第2KT用の楽曲の音出力が終了される。
次いで、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において、連荘中賞球数表示およびスペシャルラッシュ中賞球数表示を消去する(ステップS949)。また、この実施の形態では、第2KT状態中では「スペシャルラッシュ中」などの文字表示が表示されているのであるが、ステップS949では、その「スペシャルラッシュ中」などの文字表示も消去する。
次いで、演出制御用CPU201は、背景図柄変動時間延長処理を実行する(ステップS950)。すなわち、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行しているときに第2特別図柄の変動表示を開始したり、第2特別図柄の変動表示を実行しているときに第1特別図柄の変動表示を開始したりする可能性があり、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが並行して実行される場合がありうる。そこで、この実施の形態では、ステップS950の背景図柄変動時間延長処理が実行されることによって、一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに他方の特別図柄の変動表示が開始された場合に、必要に応じて背景図柄の変動パターンを差し替えたり変動時間の延長を行ったりする。
ステップS950では、演出制御用CPU201は、例えば、はずれとなる一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに、大当りとなる他方の特別図柄の変動表示が開始されたときには、大当りとなる方の特別図柄に対応して背景図柄の変動パターンに差し替えるとともに変動時間を延長する処理を行う。また、例えば、大当りとなる一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに、はずれとなる他方の特別図柄の変動表示が開始されたときには、背景図柄の変動パターンの差し替えも変動時間の延長も行わず、現在実行中の背景図柄の変動表示をそのまま実行する。また、例えば、大当りとなる一方の特別図柄の変動表示に対応して背景図柄の変動表示を実行しているときに、大当りとなる他方の特別図柄の変動表示が開始されたときには、既に説明したように、この実施の形態では、後から開始した方の特別図柄の変動表示は途中で強制はずれとなるので、背景図柄の変動パターンの差し替えも変動時間の延長も行わず、現在実行中の背景図柄の変動表示をそのまま実行する。
また、演出制御用CPU201は、通常状態において、第2特別図柄の大当り変動中であり、第1特別図柄の変動が開始された場合(ステップS5000のY,S5001のY,S5002のY)、大当り準備中表示を実行し(ステップS5003)、準備中表示済フラグをセットする(ステップS5004)。ステップS5000では第1KTフラグおよび第2KTフラグのいずれもセットされていなければ通常状態であると判定する。ステップS5001では第2飾り図柄プロセス処理(ステップS705B)において第2飾り図柄の変動中の処理を実行しており、第2飾り図柄についての表示結果2指定コマンド〜表示結果6指定コマンドのいずれかが格納されていれば第2特別図柄の大当り変動中であると判定する。ステップS5002では第1特別図柄についての変動パターンコマンドを受信したときに第1特別図柄の変動が開始されたものと判定する。
なお、上述したように、通常状態において第2特別図柄の大当り変動を行っているときに第1特別図柄の変動を開始するときには、第1特別図柄の変動を強制はずれとするのであるが、その際に遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ200に対して、第1特別図柄の変動を強制はずれとする旨を示す強制はずれ指定コマンドを送信することとしてもよく、その場合、演出制御用マイクロコンピュータ200は該強制はずれ指定コマンドを受信したことにもとづいて大当り準備中表示を実行することとしてもよい。あるいは、変動表示結果が強制はずれに決定された場合にのみ、遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動表示結果が強制はずれ以外では決定されない特別な変動パターンを決定し、この特別な変動パターンを示す変動パターンコマンドを、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ200に対して送信し、演出制御用マイクロコンピュータ200は該変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて大当り準備中表示を実行することとしてもよい。
そして、演出制御用CPU201は、背景図柄変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS951)、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動停止処理(ステップS903)に応じた値に更新する(ステップS952)。
図53および図54は、背景図柄プロセス処理における背景図柄変動停止処理(ステップS903)を示すフローチャートである。背景図柄変動停止処理において、演出制御用CPU201は、まず、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグ1がセットされているか否かを確認する(ステップS970A)。停止図柄表示フラグ1がセットされていれば、ステップS974に移行する。この実施の形態では、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS973で停止図柄表示フラグ1がセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグ1がリセットされる。従って、停止図柄表示フラグ1がセットされているということは、大当り図柄を確定表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS971の背景図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS974に移行する。
停止図柄表示フラグ1がセットされていなければ、演出制御用CPU201は、背景図柄の停止図柄として小当り図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグ2がセットされているか否かを確認する(ステップS970B)。停止図柄表示フラグ2がセットされていれば、ステップS987に移行する。この実施の形態では、背景図柄の停止図柄として小当り図柄を表示した場合には、ステップS986で停止図柄表示フラグ2がセットされる。そして、小当り遊技中の演出を実行するときに停止図柄表示フラグ2がリセットされる。従って、停止図柄表示フラグ2がセットされているということは、小当り図柄を確定表示したが小当り遊技中の演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS971の背景図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS987に移行する。
停止図柄表示フラグ1および停止図柄表示フラグ2のいずれもセットされていなければ、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において停止表示中の左中右の背景図柄の停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄、小当り図柄)を確定表示させる制御を行う(ステップS971)。
ステップS971の処理で大当り図柄を確定表示した場合には(ステップS972のY)、演出制御用CPU201は、停止図柄表示フラグ1をセットする(ステップS973)。
次いで、演出制御用CPU201は、いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグ(第1大当り開始指定コマンド受信フラグ、第2大当り開始指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS974)。いずれかの大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU201は、停止図柄表示フラグ1をリセットする(ステップS975)。なお、演出制御用CPU201は、セットされていた大当り開始指定コマンド受信フラグもリセットする。
次いで、演出制御用CPU201は、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS976)。次いで、演出制御用CPU201は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS977)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS978)。
次いで、演出制御用CPU201は、確変状態フラグ、第1KT状態フラグ、または第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS979)。確変状態フラグ、第1KT状態フラグ、および第2KT状態フラグのいずれもセットされていなければ(すなわち、低確率/非KT状態であれば)、演出制御用CPU201は、第1賞球数カウンタをリセットする(ステップS980)。すなわち、低確率/非KT状態で大当りが発生した場合であるので、いわゆる初当りが発生した場合であり、第1賞球数カウンタをリセットする。
次いで、演出制御用CPU201は、今回の大当りが16R確変大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS981)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、16R確変大当りを指定する表示結果指定コマンド(表示結果2指定コマンド)を受信しているか否かを確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば、第2KT状態開始の契機となる大当り遊技が開始される場合であるので、演出制御用CPU201は、スピーカ27から第2KT用の楽曲の音出力を開始させる制御を行う(ステップS982)。
一方、16R確変大当りでなかった場合には、演出制御用CPU201は、セットされていれば、第2賞球数カウンタをリセットする(ステップS983)。すなわち、この場合、第2KT状態中であった場合には16R確変大当り以外の大当りが発生して第2KT状態が終了する場合であるので、第2賞球数カウンタをリセットする。
その後、演出制御用CPU201は、背景図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS904)に応じた値に更新する(ステップS984)。
ステップS971の処理で小当り図柄を確定表示した場合には(ステップS985のY)、演出制御用CPU201は、停止図柄表示フラグ2をセットする(ステップS986)。
次いで、演出制御用CPU201は、小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS987)。小当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合(すなわち、小当り開始指定コマンドを受信している場合)には、演出制御用CPU201は、停止図柄表示フラグ2をリセットする(ステップS988)。なお、演出制御用CPU201は、セットされていた小当り開始指定コマンド受信フラグもリセットする。
次いで、演出制御用CPU201は、第2KT状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS989)。第2KT状態フラグがセットされていれば(すなわち、第2KT状態中であれば)、演出制御用CPU201は、小当り中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS990)。次いで、演出制御用CPU201は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS991)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS992)。
また、演出制御用CPU201は、スピーカ27から特殊可変入賞球装置22の開放に対応した所定の開放音を出力させる(ステップS993)とともに、特殊入賞口ランプ24aを点灯表示させる(ステップS994)。
一方、第2KT状態フラグがセットされていなければ(すなわち、第2KT状態中でなければ)、ステップS990〜S994の処理を実行することなく、ステップS995に移行する。ステップS989の判定処理が実行されることによって、この実施の形態では、第2KT状態中に小当り遊技が行われる場合にのみ、小当り遊技中の演出が実行され、特殊可変入賞球装置22の開放に対応した所定の開放音が出力されるとともに、特殊入賞口ランプ24aが点灯表示される。
なお、この実施の形態では、第2KT状態中に小当りとなった場合に所定の開放音を出力するとともに特殊入賞口ランプ24aを点灯表示させる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、所定の開放音の出力と特殊入賞口ランプ24aの点灯表示とのいずれか一方のみを実行するように構成してもよい。また、例えば、第2KT状態中であっても、これら所定の開放音の出力と特殊入賞口ランプ24aの点灯表示とのいずれも実行しないように構成してもよく、そもそも小当り遊技中の演出や小当り中処理そのものを実行しないように構成してもよい。
そして、演出制御用CPU201は、背景図柄プロセスフラグの値を小当り中処理(ステップS908)に応じた値に更新する(ステップS995)。
ステップS971の処理で大当り図柄や小当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS972のN、且つステップS985のN)、演出制御用CPU201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に応じた値に更新する(ステップS996)。
図55は、背景図柄プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS907)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU201は、まず、演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS9000)。なお、演出期間計測タイマは、ラウンド後処理(ステップS906参照)において、大当り遊技の全てのラウンドを終了したことにもとづいてセットされる。次いで、演出制御用CPU201は、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS9001)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS9001のN)、演出制御用CPU201は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS9002)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS9003)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタを表示させたりする演出を実行する。
そして、演出制御用CPU201は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS9004)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS9005)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS9006)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていれば(ステップS9001のY)、演出制御用CPU201は、今回終了する大当り遊技が6R確変大当りまたは2R確変大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS9007)。なお、6R確変大当りまたは2R確変大当りであるか否かは、例えば、6R確変大当りを指定する表示結果指定コマンド(表示結果3指定コマンド)や2R確変大当りを指定する表示結果指定コマンド(表示結果5指定コマンド)を受信しているか否かを確認することにより判定できる。6R確変大当りまたは2R確変大当りであれば(すなわち、大当り遊技終了後に高確率状態/第1KT状態となる場合であれば)、演出制御用CPU201は、表示されていなければ、演出表示装置9において、第1賞球数カウンタにもとづいて連荘中賞球数表示の表示を開始させる制御を行う(ステップS9008)。なお、ステップS9008では、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において「ノーマルラッシュ中」などの文字表示の表示も開始させる制御を行う。
6R確変大当りおよび2R確変大当りのいずれでもなければ、演出制御用CPU201は、今回終了する大当り遊技が16R確変大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS9009)。なお、16R確変大当りであるか否かは、例えば、16R確変大当りを指定する表示結果指定コマンド(表示結果2指定コマンド)を受信しているか否かを確認することにより判定できる。16R確変大当りであれば(すなわち、大当り遊技終了後に高確率状態/第2KT状態となる場合であれば)、演出制御用CPU201は、表示されていなければ、演出表示装置9において、第2賞球数カウンタにもとづいてスペシャルラッシュ中賞球数表示の表示を開始させる制御を行う(ステップS9010)。なお、ステップS9010では、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において「スペシャルラッシュ中」などの文字表示の表示も開始させる制御を行う。
なお、図55では、図示を省略しているが、今回終了する大当り遊技が6R通常大当りや2R通常大当りにもとづくものであれば(すなわち、大当り遊技終了後に低確率状態/第1KT状態となる場合であれば)、演出制御用CPU201は、演出表示装置9において「チャンスタイム」などの文字表示の表示を開始させる制御を行う。
そして、演出制御用CPU201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に応じた値に更新する(ステップS9011)。
図56は、背景図柄プロセス処理における小当り中処理(ステップS908)を示すフローチャートである。小当り中処理において、演出制御用CPU201は、まず、小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS9201)。小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合(すなわち、まだ小当り終了指定コマンドを受信していない場合)には、演出制御用CPU201は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS9202)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS9203)。すなわち、小当り遊技に対応した演出を継続して行う。
ただし、既に説明したように、この実施の形態では、第2KT状態中でない場合には、そもそも小当り中演出に応じたプロセステーブルがセットされないので(ステップS989参照)、小当り終了指定コマンドを受信していなくても、小当り遊技に対応した演出は実行されない。
そして、演出制御用CPU201は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS9204)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS9205)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS9206)。
小当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合(すなわち、小当り終了指定コマンドを受信している場合)には、演出制御用CPU201は、小当り遊技に対応した演出を終了し、ステップS9207に移行する。そして、演出制御用CPU201は、背景図柄プロセスフラグの値を背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に応じた値に更新する(ステップS9207)。
図57および図58は、本実施の形態における指示報知の表示例を示す説明図である。図57に示す表示例では、第1特別図柄の変動にもとづいて大当りとなる場合の指示報知の表示例について示している。例えば、まず、図57(1)に示すように第1飾り図柄に対応する背景図柄が変動表示され、図57(2)に示すように背景図柄が大当り図柄で停止表示される。次に、図57(3)に示すように第1通常指示報知55Aが行わる。このときの第1通常指示報知55Aは、「右打ち」という文字と右矢印が含まれる画像を表示することにより行われる。そして、作動ゲート17を遊技球が通過しないまま10秒が経過した場合に、図57(4)に示すように第2通常指示報知55Bが行われる。
このときの第2通常指示報知55Bは、「ゲートを狙え」という文字と、作動ゲート17を通過する遊技球を示す画像(遊技球が通過している四角形の領域は作動ゲート17を示しており、その上の四角形の領域はゲート32を示している)とを表示することにより行われる。
図58に示す表示例では、通常状態において第2特別図柄の変動にもとづいて大当りとなる場合の指示報知の表示例について示している。例えば、図58(1)に示すように、通常状態であるにもかかわらず第1特別図柄の変動が行われないことにより第1デモ表示が行われているとともに、第2飾り図柄の大当り変動が行われている。そして、第1特別図柄の変動が開始された場合には、図58(2)に示すように大当り準備中表示が行われて準備中表示済フラグがセットされた後、図58(3)に示すように大当り図柄にて第2特別図柄の変動が終了する。このとき、準備中表示済フラグがセットされていることから図58(4)に示すように第1通常指示報知56Aが行われ、作動ゲート17を遊技球が通過しないまま10秒が経過した場合に、図58(5)に示すように第2通常指示報知56Bが行われる。このとき、第1通常指示報知56Aと第2通常指示報知56Bとを並行して別々に表示してもよいし、第1通常指示報知56Aを表示せずに第2通常指示報知56Bのみを表示してもよい。
このときの第1通常指示報知56Aは、「右打ち」という文字と右矢印が含まれる画像を表示することにより行われ、第2通常指示報知56Bは、「ゲートを狙え」という文字と、作動ゲート17を通過する遊技球を示す画像(遊技球が通過している四角形の領域は作動ゲート17を示しており、その上の四角形の領域はゲート32を示している)とを表示することにより行われる。
また、図58(6)に示すように、第1特別図柄の変動が行われることなく大当り図柄にて第2特別図柄の変動が終了した場合、図58(7)に示すように第1縮小指示報知56Cが行われ、作動ゲート17を遊技球が通過しないまま10秒が経過した場合に、図58(8)に示すように第2縮小指示報知56Dが行われる。
このときの第1縮小指示報知56Cは「右打ち」という文字を示す画像のみを表示することにより行われる。また第2縮小指示報知56Dは「ゲートを狙え」という文字を示す画像のみを表示することにより行われる。
このように、本実施の形態では、通常状態にて第2特別図柄の大当り変動が行われる場合、第1特別図柄の変動が行われたときには大当り準備中表示を行い、第1特別図柄の変動が行われないときには大当り準備中表示の実行を制限する(実行しない)ようになっている。
また、このように、本実施の形態では、通常状態にて第2特別図柄の大当り変動が行われる場合、第1特別図柄の変動が行われたときには第1通常指示報知および第2通常指示報知を行い、第1特別図柄の変動が行われないときには第1通常指示報知および第2通常指示報知よりも視認性の低い第1縮小指示報知および第2縮小指示報知を行うようになっている。
図59は、大当り遊技状態が終了して第1KT状態に制御される際のタイミングチャートである。図59に示すタイミングチャートは、大当り遊技状態の制御の有無、第1KTフラグのセットの有無、普通図柄変動の実行の有無、可変入賞球装置15の開放の有無、第2特別図柄の変動の有無、および特殊可変入賞球装置22の開放の有無についてタイミング毎に示している。
例えば、大当り遊技状態に制御されている間(図59におけるタイミングT0以前)は、普通図柄の変動時間として1.0秒が、普通図柄の変動停止時間として0.2秒が、普通図柄が当りである場合に可変入賞球装置15の開放前の時間として2.6秒が、可変入賞球装置15の開放時間として0.2秒が、それぞれ設定される。このとき、大当り遊技状態に制御されている間の可変入賞球装置15の閉鎖期間は、普通図柄の変動時間である1.0秒と、普通図柄の図柄確定期間である0.2秒と、可変入賞球装置15の開放前の時間である2.6秒とを足し合わせた3.8秒である。なお、大当り遊技状態に制御されている間は特別図柄の変動や特殊可変入賞球装置22の開放制御は行われない。
また、第1KT状態に制御されている間(図59におけるタイミングT0以降)は、普通図柄の変動時間として0.2秒が、普通図柄の変動停止時間として0.2秒が、普通図柄が当りである場合に可変入賞球装置15の開放前の時間として0.1秒が、可変入賞球装置15の開放時間として5.5秒が、それぞれ設定される。このとき、大当り遊技状態に制御されている間の可変入賞球装置15の閉鎖期間は、普通図柄の変動時間である0.2秒と、普通図柄の図柄確定期間である0.2秒と、可変入賞球装置15の開放前の時間である0.1秒とを足し合わせた0.5秒である。また、第1KT状態に制御されてから1回目の第2特別図柄の変動時間として7.0秒が、小当り時の特殊可変入賞球装置22の開放時間として0.8秒が、第1KT状態に制御されてから2回目以降の第2特別図柄の変動時間として1.0秒(第2保留記憶数≧1であるとする)が、それぞれ設定される。
このとき、大当り遊技状態に制御されている間の可変入賞球装置15の閉鎖期間(3.8秒)よりも、第1KT状態に制御されてから1回目の第2特別図柄の変動時間(7.0秒)の方が長くなっている。これは、例えば、タイミングT0の直前に可変入賞球装置15の開放前の待機が開始された場合に、最大で2.6秒間に亘り可変入賞球装置15が閉鎖されることが想定され、仮に第1KT状態に制御されてから1回目の第2特別図柄の変動時間が短すぎると、可変入賞球装置15が閉鎖している間に特殊可変入賞球装置22が開放状態に制御されてしまい、第1KT状態であるにもかかわらず特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞することが考えられる。そこで、可変入賞球装置15が閉鎖制御されている間は特殊可変入賞球装置22が開放制御されることがないよう、第2特別図柄の変動時間を長くしたものである。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技媒体(本例では、遊技球)を用いた遊技を実行可能な遊技機であって、遊技媒体が流下する流下経路のうち所定経路(本例では、遊技領域7の右方)に設けられ、遊技媒体が通過可能な特定領域(本例では、作動ゲート17)と、所定条件(本例では、大当り図柄が停止表示すること)が成立した後に、特定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2501のYである場合にステップS305〜S307,S355〜S357を実行する部分)、遊技者にとって有利であり有利状態とは異なる所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS358〜S360を実行する部分)、通常状態よりも所定状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2208A,S2211A,S2209B,S2210B,S2213B,S2214Bを実行する部分)、所定条件が成立したことにもとづいて所定経路への遊技媒体の発射を促進する所定促進報知(本例では、第1指示報知)を実行し、該所定促進報知の実行から所定期間(本例では、10秒)が経過した後に特定領域への遊技媒体の発射を促進する特定促進報知(本例では、第2指示報知)を実行可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるステップS4404,S4405,S4604,S4605を実行する部分)こととした。これにより、演出の煩雑さを抑制しつつ、有利状態に制御する契機を適切に報知することができる。
例えば、特開2016−202287号公報には、通常状態よりも小当りになりやすい状態に制御可能であるとともに、所定条件(例えば、大当りとなることを示す大当り図柄を停止表示すること)が成立した後に、特定領域を遊技媒体が通過することを契機として有利状態(大当り遊技状態)に制御する遊技機が記載されており、該遊技機では、有利状態に制御する契機を適切に報知することが好ましいが、所定条件が成立する度に特定領域への遊技媒体の発射を促す報知を行うと演出が煩雑になる虞があった。そこで、本実施の形態のように構成することにより、演出の煩雑さを抑制しつつ、有利状態に制御する契機を適切に報知することができる。
例えば、KT状態が終了して通常状態に移行した後に第2特別図柄にて大当り図柄が停止表示される場合、通常状態における第2特別図柄の変動時間は長くなっているため、第2特別図柄の変動が終了することを待たずに遊技者が休憩などの理由から離席することが想定される。そこで、本実施の形態のように構成することにより、大当り遊技状態に制御する契機を適切に報知することにより、休憩中に大当り遊技状態とならないよう制御することができる。
また、上述した遊技機とは異なり、作動ゲート17を遊技球が通過するか否かにかかわらず大当り図柄が停止表示されることを条件として大当り遊技状態に制御する構成の遊技機が存在するが、遊技者は、遊技球の無駄打ちの抑制を目的として、大当り図柄が停止表示されてから大当り遊技状態が開始されるまで(大入賞口が開放されるまで)待機してから遊技球の打ち出しを行うことがある。そういった遊技者は、作動ゲート17を遊技球が通過することを条件に大当り遊技状態に移行する遊技機においても同様に、大当り図柄が停止表示されてから大当り遊技状態が開始されるまで遊技球の打ち出しを待機しようとすることがあり、その場合は大当り遊技状態が開始されないこととなる。そこで、上述した構成とすることにより、そういった遊技者に対しても大当り遊技状態に制御する契機を適切に報知することができる。
また、所定促進報知および特定促進報知の具体例については上述したものに限られない。具体的に、演出表示装置9以外の演出部材(例えば、スピーカ27、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光部材)を用いた演出を所定促進報知および特定促進報知としてもよい。また、所定促進報知および特定促進報知として複数の演出部材を用いた演出を行うこととしてもよい。また、所定促進報知および特定促進報知として用いる演出部材はそれぞれ異なることとしてもよい。例えば、所定促進報知では遊技効果ランプ9を発光させ、特定促進報知では演出表示装置9に所定画面を表示することとしてもよい。
また、この実施の形態によれば、有利状態に制御されることを特定可能な有利状態信号(本例では、大当り信号1、大当り信号2)を外部出力可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2015Xおよび第2特別図柄停止処理でステップS2015Xと同様の処理を実行する部分)、所定条件が成立したことにもとづいて有利状態信号を外部出力可能である(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄停止処理および第2特別図柄停止処理においてステップS2501を実行する前にステップS2015Xを実行する)こととした。これにより、遊技者がいない無人の遊技機において有利状態となったことを遊技店員に報知することができ、遊技機の初期化を促進することができる。
また、この実施の形態では説明を省略したが、遊技機の電源が投入されたときに所定条件が成立している場合、その旨を報知可能であることとしてもよい(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り図柄を停止表示してから遊技球が作動ゲート17を通過する前に電源が切断されるときに、現在の状況(作動ゲート17への遊技球の通過を待機している状況)に関する情報(本例では、第1ゲート通過待ち処理に対応する特別図柄プロセスフラグの値である「8」)をバックアップしておき、電源投入時に該情報がバックアップされていた場合には所定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ200に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ200は該所定コマンドを受信したときに第1指示報知、第2指示報知、または電源投入時にのみ実行し得る演出を実行することにより所定条件の成立を報知することとしてもよい)。これにより、有利状態に制御する契機を適切に報知することができる。
また、この実施の形態では説明を省略したが、所定条件が成立した状況によって異なる態様にて特定促進報知を実行可能であることとしてもよい(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200は、発生する大当り種別や遊技状態に応じて異なる態様にて第2指示報知を実行することとしてもよい)。これにより、有利状態に制御する契機を状況に応じて適切に報知することができる。
具体的に、大当り専用の変動パターンを用いて変動を行った場合、変動中の演出として味方キャラクタと敵キャラクタとが対決するバトル演出を行い、対決の勝敗が示される前に大当り図柄を停止表示するとともに「ゲートを狙え」の表示を行い、その後の大当り遊技状態においては大当り演出としてバトル演出の続きを行う(すなわち、変動演出と大当り演出とが一連のバトル演出となっている)こととしてもよい。その際、有利な種別の大当り(例えば、ラウンド数が多い大当り、大入賞口の開放期間が長い大当り、確変状態に移行する大当り、KT状態に移行する大当り)となっていればバトルに勝利し、不利な種別の大当り(例えば、ラウンド数が少ない大当り、大入賞口の開放期間が短い大当り、確変状態に移行しない大当り、KT状態に移行しない大当り)となっていればバトルに敗北することとしてもよい。
また、この実施の形態では説明を省略したが、第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示および第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を実行可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS26A,S26Bを実行する部分)、第1識別情報の可変表示に対応する第1演出識別情報(本例では、第1飾り図柄)の可変表示を実行して表示結果を導出表示可能であるとともに、第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示に対応する第2演出識別情報(本例では、第2飾り図柄)の可変表示を実行して表示結果を導出表示可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるステップS705A,S705Bを実行する部分)、通常状態においては、第2演出識別情報の可変表示を視認困難とするとともに、第2演出識別情報の可変表示の表示結果を視認容易とすることとしてもよい(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200は、通常状態においては第2特別図柄の変動中は第2飾り図柄を消去するとともに、第2特別図柄の停止表示時は第2飾り図柄を表示することとしてもよい)。これにより、通常状態において第1識別情報の可変表示に注目させることができる。
また、通常状態においては、第2飾り図柄の変動の表示結果や第2保留記憶数に関する表示についても視認困難とすることとしてもよい。
なお、視認困難であるとは、視認できないことと、視認しにくいこととを含む概念である。
また、以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技媒体(本例では、遊技球)を用いた遊技を実行可能な遊技機であって、遊技媒体が通過可能な特定領域(本例では、作動ゲート17)と、第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示および第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を実行可能であるとともに、第1識別情報および第2識別情報のいずれか一方の可変表示の実行中に第1識別情報および第2識別情報の他方の可変表示を実行可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS26A,S26Bを実行することにより、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して実行可能である部分)、所定条件(本例では、大当り図柄が停止表示すること)が成立した後に、特定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2501のYである場合にステップS305〜S307,S355〜S357を実行する部分)、遊技者にとって有利であり有利状態とは異なる所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS358〜S360を実行する部分)、通常状態よりも所定状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2208A,S2211A,S2209B,S2210B,S2213B,S2214Bを実行する部分)、所定条件が成立したことにもとづいて、特定領域への遊技媒体の発射を促進する特定促進報知(本例では、第2指示報知)を実行可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるステップS4604,S4605を実行する部分)、遊技者が不在であることに対応する不在条件(本例では、通常状態であるにもかかわらず第1特別図柄の変動を実行しないこと)を満たしていないときに第2識別情報の可変表示により所定条件が成立したことにもとづいて、所定態様にて特定促進報知を実行し(本例では、第2通常指示報知を行い)、不在条件を満たしているときに第2識別情報の可変表示により所定条件が成立したことにもとづいて、所定態様よりも視認性の低い特殊態様にて特定促進報知を実行する(本例では、第2縮小指示報知を行う)。これにより、不在条件が成立していることを考慮して、特定領域への遊技媒体の発射を促進する特定促進報知を適切に行うことができる。
例えば、特開2016−202287号公報には、通常状態よりも小当りになりやすい状態に制御可能であるとともに、所定条件(例えば、大当りとなることを示す大当り図柄を停止表示すること)が成立した後に、特定領域を遊技媒体が通過することを契機として有利状態(大当り遊技状態)に制御する遊技機が記載されているが、該遊技機では、特定領域への遊技媒体の発射を促進する特定促進報知を適切に行うことができない虞があった。そこで、本実施の形態のように構成することにより、不在条件が成立していることを考慮して、特定領域への遊技媒体の発射を促進する特定促進報知を適切に行うことができる。
例えば、仮に不在条件を満たしているとき(遊技者がいないとき)にも第2通常指示報知(演出表示装置9の表示領域の全てにおける報知)を行う遊技機である場合には、最後に遊技をおこなっていた最終遊技者は既に遊技を終了した状況であるにもかかわらず、他の遊技者は該最終遊技者が一時的に離席しており、該遊技機の遊技を行った場合にはトラブルに発展するかもしれないと考え、新たな遊技者が該遊技機にて遊技を行うことを敬遠してしまうことが考えられる。そこで、本実施の形態に示した遊技機のように、状況に応じた態様にて特定促進報知を行うことにより新たな遊技者による敬遠意識を排除することができ、遊技機の稼働を促進することができる。
また、遊技を終了した遊技者による遊技にもとづいて発生した有利な状況(大当り遊技状態)を享受しようとする者が存在し、こういった行為が行われたのでは遊技の公平性に欠けることとなる。そこで、本実施の形態に示したように、不在条件を満たしているとき(遊技者がいないとき)には不在条件を満たしていないとき(遊技者がいるとき)よりも視認性の低い特殊態様にて特定促進報知を実行することにより、有利な状況となる手前の段階であることを認識されにくくし、遊技の公平性を担保することができる。
なお、本実施の形態では、通常状態であるにもかかわらず第1特別図柄の変動を実行しないことを「不在条件」とした(正確には、通常状態において第1特別図柄の変動が開始されたときに、不在条件を満たさなくなったものとみなす)が、これに限るものではない。例えば、遊技者が打球操作ハンドル(操作ノブ)5に触れていないことや、いずれかの領域(作動ゲート17、ゲート32、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、特殊入賞口24)への遊技球の通過を所定期間検知しないことを「不在条件」としてもよい。また、例えば、客待ちデモ指定コマンドを受信してから所定期間(例えば、2分)経過するまでに始動入賞が発生しないことを「不在条件」としてもよい。
また、この実施の形態によれば、不在条件を満たしている場合、所定態様にて特定促進報知が行われているか否かにかかわらず不在条件を満たしていることを示す不在演出(本例では、第1デモ表示)を実行可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるステップS4716を実行する部分)こととした。これにより、適切に遊技者の遊技を促すことができる。
なお、本実施の形態では説明を省略したが、デモ表示を開始してから所定期間(例えば、10分)が経過したことを条件として、消費される電力を減少させる節電状態に制御されるものであってもよい。節電状態では、スピーカ27から出力する音量を小さくしたり、画像表示装置5の輝度を低下させたり、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの光量を低下させたりすることにより各演出部材において消費される電力が減少するものである。
また、この実施の形態によれば、遊技の進行を制御する遊技制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、遊技制御手段から送信される情報にもとづいて演出の実行を制御する演出制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200)とを備え、遊技制御手段は、第1識別情報にもとづいて不在条件が成立しているか否かを示す第1不在情報(本例では、第1客待ちデモ表示指定コマンド)と、第2識別情報にもとづいて不在条件が成立しているか否かを示す第2不在情報(本例では、第2客待ちデモ表示指定コマンド)とを送信可能である(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS51A,S51Bを実行する部分)こととした。これにより、状況に応じた適切な演出を実行することができる。
なお、本実施の形態では、第1特別図柄にもとづいて不在条件が成立しているか否かを示す第1客待ちデモ表示指定コマンドと、第2特別図柄にもとづいて不在条件が成立しているか否かを示す第2客待ちデモ表示指定コマンドとをそれぞれ別個に設けることとしたが、これに限るものではなく、第1特別図柄にもとづいて不在条件が成立しているか否かを示すコマンド、および第2特別図柄にもとづいて不在条件が成立しているか否かを示すコマンドとして、共通のコマンドを設けることとしてもよい。例えば、通常状態では第1保留記憶が記憶されていない状態で第1特別図柄の変動が行われていないときに(第2特別図柄の変動の有無や第2保留記憶の有無とはかかわりなく)該共通のコマンドを送信し、KT状態では第2保留記憶が記憶されていない状態で第2特別図柄の変動が行われていないときに(第1特別図柄の変動の有無や第1保留記憶の有無とはかかわりなく)該共通のコマンドを送信することとしてもよい。
また、この実施の形態によれば、遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技制御手段から送信される情報にもとづいて演出の実行を制御する演出制御手段とを備え、遊技制御手段は、特別状態に制御されているか否かを示す特別状態制御情報(本例では、背景指定コマンド)と、不在条件が成立しているか否かを示す不在情報(本例では、第1客待ちデモ表示指定コマンド、第2客待ちデモ表示指定コマンド)とを送信可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS51A,S51B,S60A,S60Bを実行する部分)、演出制御手段は、特別状態制御情報と不在情報とにもとづいて不在条件を満たしていることを示す不在演出を実行可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるステップS4502において、背景指定コマンドおよび客待ちデモ表示指定コマンドにもとづいて客待ちデモ表示を実行可能な部分)こととした。これにより、状況に応じた適切な演出を実行することができる。
また、この実施の形態によれば、第2識別情報の可変表示にもとづいて有利状態に制御するか否かを示す情報を保留記憶(本例では、第2保留記憶)として記憶可能な保留記憶手段(本例では、第2保留記憶バッファ)を備え、有利状態に制御することを示す有利報知演出(本例では、大当り演出)を実行可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるステップS904〜S907を実行する部分)、有利状態に制御する第1識別情報の可変表示の実行中に、有利状態に制御することを示す保留記憶に対応する第2識別情報の可変表示が開始された場合、第2識別情報の可変表示に対応する有利報知演出を実行しない(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS64BBのYである場合にステップS65B以降の処理を行わないことで、大当り乱数が第2保留記憶として記憶されていた場合であっても該第2保留記憶に対する変動を強制的にはずれとし、演出制御用マイクロコンピュータ200は第2識別情報に関する大当り演出を実行しない)。これにより、状況に応じた適切な演出を実行することができる。
また、以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技を実行可能な遊技機であって、第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示および第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を実行可能であるとともに、第1識別情報および第2識別情報のいずれか一方の可変表示の実行中に第1識別情報および第2識別情報の他方の可変表示を実行可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS26A,S26Bを実行することにより、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して実行可能である部分)、第1識別情報の可変表示および第2識別情報の可変表示のいずれか一方の表示結果として特定表示結果(本例では、大当り図柄)が導出表示されることにもとづいて遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS305〜S307,S355〜S357を実行する部分)、第1識別情報の可変表示および第2識別情報の可変表示のいずれか一方の表示結果として所定表示結果(本例では、小当り図柄)が導出表示されることにもとづいて遊技者にとって有利であり有利状態とは異なる所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS358〜S360を実行する部分)、通常状態よりも所定状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2208A,S2211A,S2209B,S2210B,S2213B,S2214Bを実行する部分)、所定条件が成立する旨を報知する報知演出(本例では、大当り準備中表示)を実行可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるステップS5003を実行する部分)通常状態において遊技者が不在であることに対応する不在条件を満たしていないときに第2識別情報の可変表示により所定条件が成立したことにもとづいて、報知演出を実行可能であり(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200はステップS5000のY,S5001のY,S5002のYである場合にS5003を実行し)、通常状態において不在条件を満たしているときに第2識別情報の可変表示により所定条件が成立したことにもとづいて、報知演出の実行を制限する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200はステップS5000のY,S5001のY,S5002のNである場合にS5003を実行しない)。これにより、不在条件が成立していることを考慮して、所定条件が成立した旨の報知を適切に行うことができる。
例えば、特開2016−202287号公報には、通常状態よりも小当りになりやすい状態に制御可能であるとともに、所定条件(例えば、大当りとなることを示す大当り図柄を停止表示すること)が成立した後に、特定領域を遊技媒体が通過することを契機として有利状態(大当り遊技状態)に制御する遊技機が記載されているが、該遊技機では、所定条件が成立した旨の報知を適切に行うことができない虞があった。そこで、本実施の形態のように構成することにより、不在条件が成立していることを考慮して、所定条件が成立した旨の報知を適切に行うことができる。
なお、「実行を制限する」とは、本実施の形態のように実行しないことや、認識しにくい態様にて実行する(例えば、通常より小さい画像や濃度の薄い画像を用いて報知演出を実行したり、通常より小さい音量にて音声を出力する報知演出を実行する)ことを含む概念である。
また、報知演出の具体例については上述したものに限られない。具体的に、演出表示装置9以外の演出部材(例えば、スピーカ27、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光部材)を用いた演出を報知演出としてもよい。また、報知演出として複数の演出部材を用いた演出を行うこととしてもよい。
また、以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、遊技媒体(本例では、遊技球)が進入可能な進入有利状態(本例では、開状態)と遊技媒体が進入不能または困難な進入不利状態(本例では、閉状態)とに変化可能な可変始動装置(本例では、可変入賞球装置15)と、可変始動装置の下流側に設けられ、進入有利状態と進入不利状態とに変化可能な所定可変装置(本例では、特殊可変入賞球装置22)とを備え、可変始動装置を進入有利状態または進入不利状態に変化制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS5103を実行する部分)、第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示を実行可能であるとともに、可変始動装置に遊技媒体が進入したことにもとづいて第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を実行可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS26A,S26Bを実行する部分)、第2識別情報の可変表示に関する情報を保留記憶(本例では、第2保留記憶)として記憶可能な保留記憶手段(本例では、第2保留記憶バッファ)を備え、第1識別情報の可変表示および第2識別情報の可変表示のいずれか一方の表示結果が所定表示結果(本例では、小当り図柄)となったことにもとづいて、所定可変装置を進入有利状態に変化させる所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS358〜S360を実行する部分)、通常状態よりも所定状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2208A,S2211A,S2209B,S2210B,S2213B,S2214Bを実行する部分)特別状態として、第1特別状態(本例では、高確率/第1KT状態)と、該第1特別状態よりも有利度合いが高い第2特別状態(本例では、高確率/第2KT状態)とに制御可能であり、有利状態に制御されているとき、第1特別状態に制御されているときよりも長い特定期間に亘って可変始動装置を進入不利状態に変化制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS26Cを実行することにより、図59に示すように、大当り遊技状態においては可変入賞球装置15を3.8秒閉鎖状態に制御し、第1KT状態においては可変入賞球装置15を0.5秒閉鎖状態に制御する部分)、第1特別状態に制御されて最初の第2識別情報の可変表示としては、保留記憶手段に記憶されている保留記憶数にかかわらず第1期間の可変表示を実行可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1KT状態に制御されて1回目の変動では図13(D)または図14(G)に示す変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定することにより保留記憶数にかかわらず7.0秒に亘り第2特別図柄の変動を実行可能であり)、第1特別状態に制御されて2回目以降の第2識別情報の可変表示としては、第1特別状態において保留記憶手段に記憶されている保留記憶数が所定数以上である場合、第1期間よりも短い第2期間の可変表示を実行可能である(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1KT状態に制御されて2回目以降の変動では図13(E)または図14(H)に示す変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定することにより第2保留記憶数が1以上であれば1.0秒(第1KT状態に制御されて1回目の変動時間7.0秒よりも短い時間)に亘り第2特別図柄の変動を実行可能である)。これにより、特別状態における興趣を向上させることができる。
例えば、特開2015−156952号公報には、遊技媒体が進入可能な進入有利状態と遊技媒体が進入不能または困難な進入不利状態とに変化可能な可変始動装置(アタッカー)を備え、小当り遊技状態において所定可変装置を進入有利状態に変化させる遊技機であって、小当り遊技状態に制御される頻度を高めた特別状態に制御可能であり、所定可変装置が進入不利状態に制御されているときに該所定可変装置上を流下する遊技球を遅延させることにより、小当り遊技状態において所定可変装置へ遊技媒体が進入しやすくし、特別状態における有利度合いを高めた遊技機が記載されているが、該遊技機では、特別状態における遊技性が単調であり、興趣が不十分であった。そこで、本実施の形態のように構成することにより、特別状態における興趣を向上させることができる。
例えば、この実施の形態では、第1KT状態に制御される場合には、小当りの頻度が高くなるものの可変入賞球装置15の開放時間を長くすることによって実際には特殊可変入賞球装置22内の特殊入賞口24には滅多に入賞しないように設定されているが、低確率/第1KT状態に移行した直後の状態では可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22の底面部材上にある程度の遊技球が溜まっている可能性があり、直ちに特殊可変入賞球装置22を開状態に制御してしまったのでは、相当数の遊技球が特殊入賞口24に入賞してしまう可能性がある。そこで、第1KT状態の1変動目では、少なくとも7秒の変動時間を確保することによって、第1KT状態に移行する前から可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22の底面部材上に溜まっている遊技球が全て落下するまでに十分な時間が経過してから特殊可変入賞球装置22を開状態に制御して特殊入賞口24への入賞を可能とすることにより、第1KT状態において想定以上の賞球が得られるような事態が生じることを防止している。
また、これにより、複数の特別状態(第1KT状態、第2KT状態)を設けたときに、一部の特別状態(第1KT状態)における所定可変装置(特殊可変入賞球装置22)への遊技球の進入を抑制させることができる。従って、該一部の特別状態(第1KT状態)を有利度合いの低い特別状態とすることができ、複数の特別状態の有利度合いを異ならせることを実現することができる。
また、この実施の形態によれば、第1特別状態に制御されて最初の第2識別情報の可変表示としては、保留記憶手段に記憶されている保留記憶数にかかわらず特定期間よりも長い第1期間の可変表示を実行可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1KT状態に制御されて1回目の変動では図13(D)または図14(G)に示す変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定することにより保留記憶数にかかわらず7.0秒(大当り遊技状態における可変入賞球装置15の閉鎖時間3.8秒よりも長い時間)に亘り第2特別図柄の変動を実行可能であり)、第1特別状態に制御されて2回目以降の第2識別情報の可変表示としては、第1特別状態において保留記憶手段に記憶されている保留記憶数が所定数以上である場合、特定期間よりも短い第2期間の可変表示を実行可能である(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1KT状態に制御されて2回目以降の変動では図13(E)または図14(H)に示す変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定することにより第2保留記憶数が1以上でれあれば1.0秒(大当り遊技状態における可変入賞球装置15の閉鎖時間3.8秒よりも短い時間)に亘り第2特別図柄の変動を実行可能である)。これにより、特別状態における興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では説明を省略したが、第2特別状態に制御されている場合、第2特別状態に制御されてから何回目の第2識別情報の可変表示であるにかかわらず、保留記憶手段に記憶されている保留記憶数にもとづいて異なる変動時間にて第2識別情報の可変表示を実行することとしてもよい(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2KT状態において第2特別図柄の変動を行う場合、第2KT状態に制御されてから実行した変動回数にかかわらず、第2保留記憶数が1以上であれば1秒に亘って第2特別図柄の変動を行い、第2保留記憶数が0であれば3秒に亘って第2特別図柄の変動を行うこととしてもよい。)。これにより、特別状態における興趣を向上させることができる。
また、以上に説明したように、この実施の形態によれば、識別情報(本例では、第1特別図柄、第2特別図柄)の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、遊技媒体(本例では、遊技球)が通過可能な特別領域(本例では、ゲート32)と、遊技媒体が進入可能な進入有利状態(本例では、開状態)と遊技媒体が進入不能または困難な進入不利状態(本例では、閉状態)とに変化可能な可変始動装置(本例では、可変入賞球装置15)と、可変始動装置の下流側に設けられ、進入有利状態と進入不利状態とに変化可能な所定可変装置(本例では、特殊可変入賞球装置22)とを備え、特別領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて普通識別情報(本例では、普通図柄)の可変表示を実行可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS5100〜S5102を実行する部分)、普通識別情報の可変表示にもとづいて可変始動装置を進入有利状態に変化させることが可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS5103を実行する部分)、可変始動装置に遊技媒体が進入したことにもとづいて識別情報の可変表示を実行可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS26Bを実行する部分)、識別情報の可変表示の表示結果が所定表示結果(本例では、小当り図柄)となったことにもとづいて、所定可変装置を進入有利状態に変化させる所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS358〜S360を実行する部分)、所定状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能であり(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2208A,S2211A,S2209B,S2210B,S2213B,S2214Bを実行する部分)特別状態として、第1特別状態(本例では、高確率/第1KT状態)と、該第1特別状態よりも有利度合いが高い第2特別状態(本例では、高確率/第2KT状態)とに制御可能であり、第1特別状態では、普通識別情報の可変表示が行われていないときに特別領域を通過した遊技媒体が可変始動装置に進入可能となるように可変始動装置を制御する(本例では、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの最短所要時間が0.6秒であり、第1KT状態では遊技球がゲート32を通過してから0.5秒後に可変入賞球装置15を開放状態に制御することにより、第1KT状態において一の遊技球がゲート32を通過した場合に可変入賞球装置15が開放状態に制御された場合、該一の遊技球がそのまま可変入賞球装置15に入賞可能となっている)。これにより、特別状態における興趣を向上させることができる。
例えば、特開2015−156952号公報には、遊技媒体が進入可能な進入有利状態と遊技媒体が進入不能または困難な進入不利状態とに変化可能な可変始動装置(アタッカー)を備え、小当り遊技状態において所定可変装置を進入有利状態に変化させる遊技機であって、小当り遊技状態に制御される頻度を高めた特別状態に制御可能であり、所定可変装置が進入不利状態に制御されているときに該所定可変装置上を流下する遊技球を遅延させることにより、小当り遊技状態において所定可変装置へ遊技媒体が進入しやすくし、特別状態における有利度合いを高めた遊技機が記載されているが、該遊技機では、特別状態における遊技性が単調であり、興趣が不十分であった。そこで、本実施の形態のように構成することにより、特別状態における興趣を向上させることができる。
例えば、この実施の形態では、図15に示すように、第1KT状態では普通図柄の変動時間が0.2秒と短い時間に設定されている。これは、例えば、第1KT状態において比較的変動時間が長い第2特別図柄の変動表示が実行される場合に、普通図柄が変動停止中であり且つ普通図柄の保留記憶がない状態では可変入賞球装置15が閉鎖状態となっており、第2特別図柄の変動停止タイミングを狙った攻略が可能となってしまうためである(小当りとなった場合に、普通図柄の変動時間が長いとゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15や特殊可変入賞球装置22に到達するまでに可変入賞球装置15が開放せず、特殊入賞口24の入賞が可能となってしまう)。これに対して、この実施の形態では、普通図柄の変動時間を短くすることにより、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達する前に可変入賞球装置15の開放が開始されるように設定されているので、第1KT状態において第2特別図柄の変動表示にもとづく小当り発生タイミングを狙った発射操作による攻略要素を排除することができる。
また、これにより、複数の特別状態(第1KT状態、第2KT状態)を設けたときに、一部の特別状態(第1KT状態)における所定可変装置(特殊可変入賞球装置22)への遊技球の進入を抑制させることができる。従って、該一部の特別状態(第1KT状態)を有利度合いの低い特別状態とすることができ、複数の特別状態の有利度合いを異ならせることを実現することができる。
また、この実施の形態によれば、第2特別状態では、第1特別状態よりも長い期間に亘って可変始動装置を進入不利状態に制御し(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図15(1)に示すように第1KT状態では可変入賞球装置15を0.5秒間に亘り閉鎖状態に制御し、図15(2)に示すように第2KT状態では可変入賞球装置15を3.8秒間に亘り閉鎖状態に制御し)、普通識別情報の可変表示が行われていないときに特別領域を通過した遊技媒体が可変始動装置に進入困難となるように可変始動装置を制御する(本例では、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの最短所要時間が0.6秒であり、該遊技球が可変入賞球装置15上を流下する時間が0.5秒であり、第2KT状態では可変入賞球装置15を3.8秒間に亘り閉鎖状態に制御することから、第2KT状態において一の遊技球がゲート32を通過した場合に可変入賞球装置15が開放状態に制御された場合、該一の遊技球がそのまま可変入賞球装置15に入賞困難となっている)。これにより、第2特別状態において遊技者に利益を与えやすくすることができる。
なお、本実施の形態では、第1KT状態よりも第2KT状態の方が普通図柄の変動時間が長い構成とすることにより、第2KT状態の方が第1KT状態よりも長い期間に亘って可変入賞球装置15を閉鎖状態に制御することを実現することとしたが、他の制御によって第2KT状態の方が第1KT状態よりも長い期間に亘って可変入賞球装置15を閉鎖状態に制御することを実現してもよい。
例えば、第1KT状態よりも第2KT状態の方が普通図柄の図柄確定時間が長い構成とすることにより、第2KT状態の方が第1KT状態よりも長い期間に亘って可変入賞球装置15を閉鎖状態に制御することを実現してもよい。
また、例えば、本実施の形態に示したように、第1KT状態よりも第2KT状態の方が、普通図柄が当りである場合に可変入賞球装置15を開放状態に制御するまでの待機時間(図38に示す普通電動役物開放前時間)が長い構成とすることにより、第2KT状態の方が第1KT状態よりも長い期間に亘って可変入賞球装置15を閉鎖状態に制御することを実現してもよい。
また、上述した普通図柄の変動時間、普通図柄の図柄確定時間、および普通図柄が当りである場合に可変入賞球装置15を開放状態に制御するまでの待機時間のうち複数の時間の調整を組み合わせて行うことにより、第2KT状態の方が第1KT状態よりも長い期間に亘って可変入賞球装置15を閉鎖状態に制御することを実現してもよい。
また、この実施の形態によれば、通常状態では、第1特別状態よりも長い期間に亘って可変始動装置を進入不利状態に制御し(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図15(1)に示すように第1KT状態では可変入賞球装置15を0.5秒間に亘り閉鎖状態に制御し、通常状態では第2KT状態と同様に可変入賞球装置15を3.8秒間に亘り閉鎖状態に制御し)、普通識別情報の可変表示が行われていないときに特別領域を通過した遊技媒体が可変始動装置に進入困難となるように可変始動装置を制御する(本例では、遊技球がゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの最短所要時間が0.6秒であり、該遊技球が可変入賞球装置15上を流下する時間が0.5秒であり、通常状態では可変入賞球装置15を3.8秒間に亘り閉鎖状態に制御することから、通常状態において一の遊技球がゲート32を通過した場合に可変入賞球装置15が開放状態に制御された場合、該一の遊技球がそのまま可変入賞球装置15に入賞困難となっている)。これにより、通常状態において特別領域を狙って遊技媒体が打ち出されること(右打ち)を防止することができる。
なお、本実施の形態では、第1KT状態よりも通常状態の方が普通図柄の変動時間が長い構成とすることにより、通常状態の方が第1KT状態よりも長い期間に亘って可変入賞球装置15を閉鎖状態に制御することを実現することとしたが、他の制御によって通常状態の方が第1KT状態よりも長い期間に亘って可変入賞球装置15を閉鎖状態に制御することを実現してもよい。
例えば、第1KT状態よりも通常状態の方が普通図柄の図柄確定時間が長い構成とすることにより、通常状態の方が第1KT状態よりも長い期間に亘って可変入賞球装置15を閉鎖状態に制御することを実現してもよい。
また、例えば、本実施の形態に示したように、第1KT状態よりも通常状態の方が、普通図柄が当りである場合に可変入賞球装置15を開放状態に制御するまでの待機時間(図38に示す普通電動役物開放前時間)が長い構成とすることにより、通常状態の方が第1KT状態よりも長い期間に亘って可変入賞球装置15を閉鎖状態に制御することを実現してもよい。
また、上述した普通図柄の変動時間、普通図柄の図柄確定時間、および普通図柄が当りである場合に可変入賞球装置15を開放状態に制御するまでの待機時間のうち複数の時間の調整を組み合わせて行うことにより、通常状態の方が第1KT状態よりも長い期間に亘って可変入賞球装置15を閉鎖状態に制御することを実現してもよい。
なお、本実施の形態では、第1特別図柄の変動にもとづいて小当り遊技状態に制御され得ない構成としたが、これに限るものではなく、第1特別図柄が小当り図柄で停止表示したことにもとづいて小当り遊技状態に制御可能な構成としてもよい。その場合、第1特別図柄の小当り変動が行われているときに第2特別図柄の変動が開始されるときには、第2特別図柄を強制的にはずれとすることとしてもよい。
また、本実施の形態では、第2特別図柄の変動が実行された場合には、強制はずれとされる場合を除いて大当りまたは小当りとなる(通常のはずれにならない)構成としたが、これに限るものではなく、第2特別図柄の変動が行われたときであっても通常のはずれとなり得ることとしてもよい。例えば、小当り割合を1/2とすることによりはずれとなり得る構成とし、小当りが連続するとき(1回目の小当り変動の後に大当り変動またははずれ変動が行われることなく2回目の小当り変動が行われるとき)には、小当りが連続しないとき(小当りの次の変動が大当りまたははずれであるとき)には実行されない特別な演出(例えば、小当りが連続することを報知する演出)を実行してもよい。
また、以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技媒体(本例では、遊技球)が進入可能な進入有利状態(本例では、開状態)と遊技媒体が進入不能または困難な進入不利状態(本例では、閉状態)とに変化可能な可変始動装置(本例では、可変入賞球装置15)と、可変始動装置の下流側に設けられ、進入有利状態と進入不利状態とに変化可能な所定可変装置(本例では、特殊可変入賞球装置22)とを備え、複数の開放パターンのうちのいずれかの開放パターンにより可変始動装置を制御可能である(図15参照)。また、可変始動装置に遊技媒体が進入したことにもとづいて可変表示を実行可能であり、可変表示の表示結果が所定表示結果(本例では、小当り図柄)となったことにもとづいて、所定可変装置を進入有利状態に変化させる所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり、所定状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能である。また、特別状態として、第1特別状態(本例では、高確率/第1KT状態)と、該第1特別状態とは有利度合いが異なる第2特別状態(本例では、高確率/第2KT状態)とに制御可能である。そして、第1特別状態に制御されている場合と第2特別状態に制御されている場合とで、異なる割合で特定開放パターンにより可変始動装置を制御可能である(本例では、第1KT状態では、図15(1)に示すように、可変入賞球装置15を5.5秒間開放し、第2KT状態では、図15(2)に示すように、可変入賞球装置15を0.2秒間だけ開放する)。そのため、特別状態における遊技性の単調さを解消することができ、特別状態に制御する場合の遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、第1KT状態では必ず可変入賞球装置15を5.5秒間開放し、第2KT状態では必ず可変入賞球装置15を0.2秒間開放する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1KT状態であっても低い確率で可変入賞球装置15を0.2秒間開放する場合があるように構成したり、第2KT状態であっても低い確率で可変入賞球装置15を5.5秒間開放する場合があるように構成したりしてもよい。少なくとも第2KT状態の場合の方が可変入賞球装置15をショート開放する割合が高くなるように構成されていればよい。
また、この実施の形態によれば、複数種類の有利状態(本例では、16R確変大当り、6R確変大当り、6R通常大当り、2R確変大当り、2R通常大当り)に制御可能であり、第2特別状態は、第1特別状態と比較して有利度が高い(本例では、第1KT状態では小当り遊技で特殊入賞口24に遊技球が入賞するのは稀であるのに対して、第2KT状態では小当り遊技で特殊入賞口24に遊技球が入賞可能である)。また、有利状態の種類に対応して第2特別状態に制御可能である(本例では、16R確変大当りにもとづく大当り遊技の終了後に高確率/第2KT状態に移行される)。そのため、有利状態の種類と特別状態の種類とを対応付けることにより、いずれの種類の有利状態となるかに注目させることができる。
なお、さらに、大当りの種類に応じて大当り遊技中に異なる演出を実行するように構成してもよい。そのように構成すれば、大当り遊技中にどの演出が実行されるかに対して注目させることができる。
また、この実施の形態によれば、有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御されている期間と第2特別状態に制御されている期間とで、少なくとも一部の演出を引き継いで演出を実行可能である(本例では、16R確変大当りにもとづく大当り遊技の開始時に第2KT用の楽曲の音出力を開始し、第2KT状態を終了するまで第2KT用の楽曲の音出力を継続する)。そのため、第2特別状態に制御されていることを遊技者により強く印象付けることにより、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、第2KT状態の契機となる16R確変大当りにもとづく大当り遊技からその後の第2KT状態にわたって楽曲の音出力を引き継ぐ場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、動画像を引き継いで表示たり、ラウンド数表示を引き継いで表示したり、賞球数表示を引き継いで表示したりするように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、可変始動装置の上流側に設けられ、進入有利状態と進入不利状態とに変化可能な特定可変装置(本例では、特別可変入賞球装置20)を備え、特定可変装置を進入有利状態に変化させる有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能である。また、可変始動装置を進入有利状態に制御するか否か(本例では、普図当りとするか否か)を決定し、状態に関係なく同じ割合により可変始動装置を進入有利状態に制御するか否かを決定する(本例では、普通図柄プロセス処理(ステップS26C)において、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態、第1KT状態または第2KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率により普図当りとするか否かを決定する)。そのため、特定可変装置への遊技媒体の進入に関して、有利状態中も進入有利状態に制御可能な可変始動装置の影響を受けないようにすることができるので、有利状態の消化期間を短縮することができ、遊技に対する興趣の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、有利状態に制御した後に特殊状態(本例では、確変状態)に制御可能であり、第1特別状態(本例では、高確率/第1KT状態)と同じ割合により開放パターンが選択されて可変始動装置が制御され且つ異なる割合により可変表示パターンが選択されて可変表示が実行される第3特別状態(本例では、低確率/第1KT状態)に制御可能である。そして、有利状態に制御された後に特殊状態に制御されない場合に第3特別状態に制御可能である(本例では、6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技終了後には、低確率/第1KT状態に移行される)。そのため、有利状態に制御された後に特殊状態に制御されない場合において、遊技者が遊技を終了することを思いとどまらせる契機を与えることができる。
また、この実施の形態によれば、可変始動装置および所定可変装置は、遊技媒体の流下を遅延させるための遅延手段(本例では、規制片118)が設けられている。そのため、遅延手段を設けることにより遊技媒体の流下速度が遅延され、第1特別状態においては可変始動装置への遊技媒体の進入割合をより一層高めることができ、第2特別状態においては所定可変装置への遊技媒体の進入割合をより一層高めることができる。
また、この実施の形態によれば、第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示および第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を実行可能であるとともに、第1識別情報および第2識別情報のいずれか一方の可変表示の実行中に第1識別情報および第2識別情報の他方の可変表示を実行可能である(本例では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して実行可能である)。また、所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御するか否かを決定可能であるとともに、可変表示時間(本例では、変動時間)を決定可能であり、第2識別情報の可変表示を実行する場合には、第1識別情報の可変表示を実行する場合と比較して、高い割合により所定状態に制御すると決定可能である(本例では、第2特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りとすることに決定可能である)。そして、特別状態に制御されている場合には、非特別状態に制御されている場合と比較して、第2識別情報の可変表示の可変表示時間として短い時間を決定可能である(本例では、図13(C)に示すように、非KT状態では第2特別図柄の変動時間は15分または5分であるのに対して、図13(D)〜図14(I)に示すように、KT状態では第2特別図柄の変動時間は1.5秒〜2分20秒である)。そのため、特別状態に制御される遊技機における遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並行して実行可能な場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時には実行しないように構成してもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14との入賞順に第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを実行するように構成してもよいし、いずれかの特別図柄(例えば、第2特別図柄)の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。なお、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄の変動表示よりも優先して実行するように構成する場合、第2特別図柄の変動表示でもはずれとなる場合が含まれるように構成して、必要以上に射幸性が高くなりすぎないようにすることが望ましい。
また、この実施の形態によれば、遊技媒体(本例では、遊技球)が通過可能な所定領域(本例では、作動ゲート17)を備え、有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能である。そして、可変表示の表示結果として特定表示結果(本例では、大当り図柄)が導出表示された後、所定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて有利状態に制御可能である。そのため、特別状態終了後に遊技者が遊技を休憩した場合に、遊技者の休憩中に有利状態への制御が進行してしまわないように制限することができる。特に、この実施の形態では、非KT状態では第2特別図柄の変動時間が15分や5分と長いので、低確率/第1KT状態を終了した直後に第2特別図柄の変動表示が実行されて長時間の変動表示であるために遊技者が休憩に入ってしまったような場合に、その第2特別図柄の変動表示が大当りとなっても休憩中に大当り遊技が進行してしまうことを制限することができ、遊技者の利益が損なわれる事態を防止することができる。
なお、この実施の形態では、ゲート32とは別に作動ゲート17を設ける場合を示しているが、ゲート32と作動ゲート17とを共通のゲートとして構成するようにしてもよい。
また、必ずしも作動ゲート17を設ける必要はなく、大当り図柄が導出表示されると、そのまま図柄確定表示時間経過後に大当り遊技に移行するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、有利状態に制御されることを特定可能な有利状態信号(本例では、大当り信号1、大当り信号2)を外部出力可能である。また、可変表示の表示結果として特定表示結果(本例では、大当り図柄)が導出表示されたときに有利状態信号を外部出力可能である。そのため、遊技者がいない無人の遊技機において有利状態となったことを遊技店員に報知することができ、遊技機の初期化を促進することができる。
なお、有利状態信号(本例では、大当り信号1、大当り信号2)の外部出力は必ずしも必須ではなく、有利状態信号を外部出力しないように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、可変表示の表示結果が特定表示結果(本例では、大当り図柄)となったことにもとづいて、第1領域(本例では、大入賞口)に遊技媒体(本例では、遊技球)が進入可能となる有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能であり、可変表示の表示結果が所定表示結果(本例では、小当り図柄)となったことにもとづいて、第2領域(本例では、特殊入賞口24)に遊技媒体が進入可能となる所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能である。所定状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能であり、特別状態として、第1特別状態(本例では、高確率/第1KT状態)と、該第1特別状態と比較して有利度が高い第2特別状態(本例では、高確率/第2KT状態)とに制御可能である。そして、第2領域に遊技媒体が進入したことに対応して特別信号(本例では、特殊入賞口入賞信号)を外部出力可能である。そのため、第2領域への遊技媒体の進入状況を外部に通知することができ、遊技機の外部において適切な遊技機の管理を行うことができる。
例えば、図32に示す例において、大当り信号1が出力されていないときに、賞球率(遊技球の発射数100個あたり得られた賞球数、BA)がBA>100となっている場合には、大当り遊技中でないにもかかわらず不正に賞球を得る行為が行われた可能性があり、ホール管理コンピュータ側で異常と判定することができる。ただし、このような場合であっても、大当り信号2が出力されているとともに特殊入賞口入賞信号が出力されたのであれば、KT状態中の小当り遊技において賞球が得られる場合があるので、BA>100となっていても異常とは判定しないようにし、適切な遊技機外部からの管理を行うことができる。
また、この実施の形態によれば、第1特別状態に制御されている場合と第2特別状態に制御されている場合とで共通の特別信号を外部出力可能である(本例では、図32に示すように、第1KT状態であるか第2KT状態であるかに関係なく、共通の特殊入賞口入賞信号を外部出力する)。そのため、遊技機側の外部出力処理の簡略化を図ることができる。
なお、図33に示す変形例のように、特別信号として、第1特別信号(本例では、特殊入賞口入賞信号1)と、該第1特別信号とは異なる第2特別信号(本例では、特殊入賞口入賞信号2)とを外部出力可能であり、第1特別状態に制御されている場合に第1特別信号を外部出力可能であり、第2特別状態に制御されている場合に第2特別信号を外部出力可能である(図33に示すように、第1KT状態中は特殊入賞口入賞信号1を外部出力し、第2KT状態中は特殊入賞口入賞信号2を外部出力する)ように構成してもよい。そのように構成すれば、遊技機の状態を遊技機の外部において適切に管理することができる。
例えば、図33に示す変形例において、大当り信号1が出力されておらず大当り信号2が出力されている場合に、特殊入賞口入賞信号1が出力されていれば第1KT状態中の賞球率(BA1)として算出し、特殊入賞口入賞信号2が出力されていれば第2KT状態中の賞球率(BA2)として算出するようにしてもよい。そして、第2KT状態中では小当り遊技において相応の賞球が得られる場合があるので、BA2>100となっていても異常と判定しないようにし、第1KT状態中では小当りとなりやすいものの賞球が得られるのは稀であることから、BA1>100となっていれば異常と判定するようにしてもよい。そのような構成により、適切な遊技機外部からの管理を行うことができる。
また、例えば、図32および図33に示す例において、大当り信号2が出力されていないにもかかわらず(すなわち、KT状態でないにもかかわらず)、特殊入賞口入賞信号(特殊入賞口入賞信号1や特殊入賞口入賞信号2を含む)が出力された場合にも、異常と判定して遊技店員などに通知するように構成してもよい。また、特殊入賞口入賞信号の出力頻度が異常に高い場合にも、異常と判定して遊技店員などに通知するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図32および図33に示すように、外部出力端子坂に設けられる端子数にかぎりがある(本例では、10端子)ことから、特殊入賞口24への入賞を検出したことを示す特殊入賞口入賞信号のみを出力可能に構成し、大入賞口への入賞を検出した場合に関しては特に外部出力信号の出力を行わないように構成している。そのように構成しても、特殊入賞口24への入賞状況さえホール管理コンピュータなどの外部装置に通知すれば、遊技機1の異常状態をある程度検出することができる。
なお、特別信号(本例では、特殊入賞口入賞信号)の外部出力は必ずしも必須ではなく、特別信号を外部出力しないように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、可変表示の表示結果が所定表示結果(本例では、小当り図柄)となったことにもとづいて、有利状態(本例では、大当り遊技状態)とは異なる所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能であり、所定状態に制御される頻度を高めた特別状態(本例では、KT状態)に制御可能である。特別状態において遊技媒体(本例では、遊技球)が進入可能な特定領域(本例では、特殊入賞口24)とを備え、特別状態として、第1特別状態(本例では、高確率/第1KT状態)と、該第1特別状態と比較して有利度が高い第2特別状態(本例では、高確率/第2KT状態)とに制御可能である。また、第2特別状態において特定領域に遊技媒体が進入したことにもとづいて進入演出(本例では、賞球加算表示の表示、入賞音の出力、特殊入賞口ランプ24aの点灯表示)を実行可能であり、第1特別状態において特定領域に遊技媒体が進入した場合には進入演出を実行しない(本例では、第2KT状態でないときに特殊入賞口24に遊技球が入賞しても、賞球加算表示の表示、入賞音の出力、および特殊入賞口ランプ24aの点灯表示を実行しない)。そのため、第1特別状態におけるイレギュラーな遊技媒体の進入(本例では、第1KT状態では本来滅多に特殊入賞口24に入賞しない)によっては進入演出が実行されないようにすることにより、遊技状態との演出上の整合を図ることができるとともに、第2特別状態における特定領域への遊技媒体の進入を強調することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。従って、特別状態に制御する場合の演出上の改善を行うことができる。
また、この実施の形態によれば、有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能であり、有利状態として、第1有利状態(本例では、6R確変大当り、2R確変大当り)と第2有利状態(本例では、16R確変大当り)とに制御可能である。また、第1有利状態に制御された後に第1特別状態に制御可能であるとともに、第2有利状態に制御された後に第2特別状態に制御可能であり(本例では、6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技終了後に高確率/第1KT状態に移行し、16R確変大当りにもとづく大当り遊技終了後に高確率/第2KT状態に移行する)、第2有利状態に制御されている期間から第2特別状態に制御されている期間にわたって特殊演出(本例では、第2KT用の楽曲の音出力)を実行可能である。そのため、第2特別状態における演出効果を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、進入演出として、遊技価値が加算されることに対応する加算演出(本例では、賞球加算表示の表示)、遊技媒体の進入に対応する音出力による演出(本例では、入賞音の出力)、および発光体の発光による演出(本例では、特殊入賞口ランプ24aの点灯表示)のうちの少なくともいずれかの演出を実行する。そのため、第2特別状態における特定領域への遊技媒体の進入を強調することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、進入演出(本例では、賞球加算表示の表示、入賞音の出力、特殊入賞口ランプ24aの点灯表示)、および特殊演出(本例では、第2KT用の楽曲の音出力)の実行は必ずしも必須ではなく、これらのうちのいずれか一方または両方の演出を実行しないように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ200側において、第1特別図柄の変動表示に対応して第1飾り図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示に対応して第2飾り図柄の変動表示と、背景図柄の変動表示とを実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、第1特別図柄の変動表示に対応した小図柄や第4図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示に対応した小図柄や第4図柄の変動表示とを実行可能に構成してもよい。この場合、第4図柄の変動表示は、演出表示装置9(液晶表示装置)の表示画面内に表示するように構成してもよいし、演出表示装置9以外のランプやLEDなどによって構成してもよい。
[変形例1]
以下に、上記した実施の形態の変形例1について記載する。この変形例1では、主に、通常状態(低確率/非KT状態)と、KT状態(特に低確率/第1KT状態)において演出表示装置9に表示される表示画面(画面レイアウト)の一例や、低確率/第1KT状態から通常状態に移行するときの第2保留記憶に対応した保留表示の表示制御の一例について説明する。なお、以下では、第1保留記憶に対応した保留表示を第1保留表示といい、第2保留記憶に対応した保留表示を第2保留表示ということがある。
詳細は以下の説明で明らかとなるが、この変形例1では、上記した実施の形態とは異なり、演出表示装置9には、特別図柄の変動表示に応じて背景図柄(図63に示す第1背景図柄表示部91a、第2背景図柄表示部92aに表示される背景図柄)が変動表示されるとともに背景図柄よりも小さな小図柄(図63に示す第1小図柄表示部91b、第2小図柄表示部92bに表示される小図柄)が変動表示され、また、遊技状態に応じて、第1保留表示(図63に示す第1保留表示部61における第1保留表示)または第2保留表示(図63に示す第2保留表示部62における第2保留表示)が表示され(つまり、上記した実施の形態のように第1、第2保留表示が合算して表示されず)、遊技状態に応じて、第1特定表示(図63に示す第1特定表示部61aにおける第1特定表示)または第2特定表示(図63に示す第2特定表示部62aにおける第2特定表示)が表示され、第1保留記憶数に対応した保留数表示(図63に示す第1保留記憶数表示71)が表示される。また、この変形例1においては、主として上記した実施の形態と異なる部分について説明し、その他の部分については、特にことわりのない限り、上記した実施の形態と同様の構成および処理であるとしてその説明を省略する。
図60は、変形例1における保留記憶表示制御処理(ステップS707)を示すフローチャートである。この保留記憶表示制御処理では、演出表示装置9に表示される第1保留表示、第2保留表示、および第1保留記憶数に対応した保留数表示の表示制御が行われる。
保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU201は、第1有効始動入賞コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS7071)。なお、第1有効始動入賞コマンドを受信したか否かは、例えば、図45に示すステップS670の処理で、受信したコマンド(演出制御コマンド)の種類に応じたフラグが設定されているか否かによって認識可能である。
演出制御用CPU201は、第1有効始動入賞コマンドを受信した場合(ステップS7071のY)には、第1保留記憶数に対応した保留数表示を更新する(ステップS7072)。具体的には、演出制御用CPU201は、第1有効始動入賞コマンドを受信すると第1保留記憶数を1加算し、第1変動パターンコマンドを受信すると第1保留記憶数を1減算し、当該第1保留記憶数を例えば第1保留数記憶バッファに記憶する。したがって、演出制御用CPU201は、第1有効始動入賞コマンドを受信したときに、1加算した第1保留記憶数を示す保留数表示(第1保留記憶数表示71)を更新表示する。なお、演出制御用CPU201は、第1保留記憶に対応する特別図柄の変動表示が開始されるとき(第1変動パターンコマンドを受信したとき)に、1減算した第1保留記憶数を示す保留数表示(第1保留記憶数表示71)を更新表示する。
その後、演出制御用CPU201は、非KT状態であるか否かを判定し(ステップS7073)、非KT状態ではない場合(ステップS7073のN)には、処理を終了し、非KT状態である場合(ステップS7073のY)には、保留予告決定処理を実行する(S7074)。なお、非KT状態(あるいは、KT状態)であるか否かは、例えば、図44に示すステップS631、S634、S638、S642の処理により現在表示されている背景画像の種類によって認識可能である。
ステップS7074の保留予告決定処理では、第1保留表示の表示態様を通常態様(例えば、「白」)とは異なる複数の特別態様(例えば、「青」、「緑」、「赤」)のいずれかに変化させる保留予告を行うか、行う場合にはどの特別態様にどのように変化させるか(つまり、変化の内容)を決定する。具体的には、演出制御用CPU201は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1有効始動入賞コマンドを受信するときに、第1入賞時判定結果コマンドも受信する。詳細には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ通過処理において、有効な始動入賞に基づいて抽出されて第1保留記憶バッファに記憶された大当り判定用乱数(ランダム1)、大当り種別判定用乱数(ランダム2)、変動パターン決定用乱数(ランダム5)に基づいて、大当りか否かの判定および変動パターンの判定を行い、この判定結果を示すコマンドとして、第1入賞時判定結果コマンドを送信する。したがって、演出制御用CPU201は、第1有効始動入賞コマンドとともに受信する第1入賞時判定結果コマンドに基づいて、保留予告を決定する。例えば、演出制御用CPU201は、第1入賞時判定結果コマンドが示す変動パターンが、大当りの変動パターンのときには、高い割合で、大当り期待度が高いことを示唆する特別態様(例えば、「赤」)に変化させることを決定する。また例えば、演出制御用CPU201は、第1入賞時判定結果コマンドが示す変動パターンが、はずれの変動パターンのときには、高い割合で、特別態様に変化させない(通常態様のままにする)ことを決定する。なお、これに限らず、例えば、演出制御用CPU201は、第1入賞時判定結果コマンドが示す変動パターンが、大当り期待度の高いもの(つまり、大当りのときに選択され易く、はずれのときに選択され難い変動パターン)であるときには、高い割合で、大当り期待度が高いことを示唆する特別態様(例えば、「赤」)に変化させることを決定し、第1入賞時判定結果コマンドが示す変動パターンが、大当り期待度の低いもの(つまり、大当りのときに選択され難く、はずれのときに選択され易い変動パターン)であるときには、高い割合で、大当り期待度を示唆しない通常態様に決定するものとしてもよい。また、第1保留表示の表示態様を始動入賞時(つまり、第1有効始動入賞コマンドの受信時)に特別態様に変化させるのではなく、他のタイミング(例えば、第1保留表示がシフト表示されるタイミングや、特別図柄の変動表示中の所定タイミング)で変化させることを決定してもよい。また、保留予告決定処理において、第1保留表示が消去されて当該第1保留表示に対応する第1特別図柄の変動表示が開始されるときに表示される後述の第1特定表示(第1特定表示部61aにおける第1特定表示)の表示態様まで予め決定されるものとしてもよい。
その後、演出制御用CPU201は、ステップS7074の処理で決定した態様(通常態様または特別態様)で第1保留表示部61における第1保留表示を1増加する(ステップS7075)。
一方、第1有効始動入賞コマンドを受信していない場合(ステップS7071のN)には、演出制御用CPU201は、第2有効始動入賞コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS7076)。演出制御用CPU201は、第2有効始動入賞コマンドを受信した場合(ステップS7076のY)には、KT状態であるか否かを判定し(ステップS7077)、第2有効始動入賞コマンドを受信していない場合(ステップS7076のN)には、ステップS7083へ移行する。
演出制御用CPU201は、KT状態ではない場合(ステップS7077のN)には、処理を終了し、KT状態である場合(ステップS7077のY)には、チャンスタイム終了迄残り9変動以下であるか否かを判定する(ステップS7078)。ここで、チャンスタイムとは、6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技後に、特別図柄が100回変動される迄(つまり、大当り遊技終了後の100回転迄)制御される低確率/第1KT状態のことをいう。なお、チャンスタイム終了迄の残りの変動回数は、例えば、演出制御用CPU201が、大当り遊技終了後に図44に示すステップS633の処理により初めて低確/第1KT背景指定コマンドを受信してからの変動回数を記憶し、チャンスタイムの規定回数(100回)から減算することで認識可能である。
チャンスタイム終了迄残り9変動以下ではない場合(ステップS7078のN)には、演出制御用CPU201は、保留予告決定処理を実行する(ステップS7079)。なお、ステップS7079の保留予告決定処理は、ステップS7074の処理で説明した保留予告決定処理と同様であり、ステップS7074の保留予告決定処理における「第1」を「第2」と読み替えることで説明できる。その後、演出制御用CPU201は、ステップS7079の処理で決定した態様(通常態様または特別態様)で第2保留表示部62における第2保留表示を1増加する(ステップS7080)。
チャンスタイム終了迄残り9変動以下である場合(ステップS7078のY)には、演出制御用CPU201は、チャンスタイム終了迄残り5変動以下であるか否かを判定する(ステップS7081)。チャンスタイム終了迄残り5変動以下である場合(ステップS7081のY)には、演出制御用CPU201は、処理を終了する。なお、この際、演出制御用CPU201は、既に表示している第2保留表示がある場合には、全ての第2保留表示を非表示に制御するものとしてもよい。チャンスタイム終了迄残り5変動以下ではない場合(つまり、残り9変動〜6変動の場合;ステップS7081のN)には、演出制御用CPU201は、通常態様で第2保留表示部62における第2保留表示を1増加する(ステップS7082)。
第1有効始動入賞コマンドも第2始動入賞コマンドも受信していない場合には、演出制御用CPU201は、所定の状態変化があったか否かを判定する(ステップS7083)。具体的には、演出制御用CPU201は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される背景指定コマンドや大当り開始指定コマンドにもとづいて、所定の状態変化として、大当り遊技状態からKT状態への変化、またはKT状態から非KT状態への変化があったか否かを判定する。所定の状態変化がない場合(ステップS7083のN)には、演出制御用CPU201は、処理を終了し、所定の状態変化があった場合(ステップS7083のY)には、状態変化に応じて、表示されている第1保留表示または第2保留表示を非表示とする(ステップS7084)。具体的には、演出制御用CPU201は、遊技状態が大当り遊技状態からKT状態に変化したときには、第1保留表示を非表示とし、遊技状態がKT状態(正確には第1KT状態)から非KT状態に変化したときには、第2保留表示を非表示とする。なお、演出制御用CPU201は、遊技状態が大当り遊技状態からKT状態に変化したときに第2保留記憶を有している場合には、当該第2保留記憶に対応した第2保留表示を表示し、遊技状態がKT状態(正確には第1KT状態)から非KT状態に変化したときに第1保留記憶を有している場合には、当該第1保留記憶に対応した第1保留表示を表示する。
ここで、上述した保留記憶表示制御処理において、特徴的な点を以下に説明する。
第1有効始動入賞コマンドを受信したとき(ステップS7071のY)には、保留数表示更新(ステップS7072)が実行されるのに対して、第2有効始動入賞コマンドを受信したとき(ステップS7076のY)には、保留数表示更新は実行されない。このことから、第1保留記憶数に対応した保留数は更新表示されるのに対して、第2保留記憶数に対応した保留数は表示されないことが分かる。また、第1保留記憶数に対応した保留数は遊技状態(KT状態であるか非KT状態であるか)にかかわらず更新表示されるのに対して、第2保留記憶数に対応した保留数は遊技状態にかかわらず表示されないことも分かる。
また、第1有効始動入賞コマンドを受信したとき(ステップS7071のY)には、非KT状態でなければ(ステップS7073のN)第1保留表示が増加されず(ステップS7075の処理が実行されず)、第2有効始動入賞コマンドを受信したとき(ステップS7076のY)には、KT状態でなければ(ステップS7077のN)第2保留表示が増加されない(ステップS7080、S7082の処理が実行されない)。また、大当り後にKT状態に移行したときには第1保留表示は非表示となり、KT状態から非KT状態に移行したときには第2保留表示は非表示となる(ステップS7083、S7084)。このことから、第1保留表示は、KT状態のときには表示されず非KT状態(通常状態)のときに表示され、第2保留表示は非KT状態のときには表示されずKT状態のときに表示されることが分かる。
また、第2有効始動入賞コマンドを受信したとき(ステップS7076のY)には、チャンスタイム終了迄の残回数が9回以下になると保留予告は実行されない(ステップS7078のYによりS7079が実行されない)。また、チャンスタイム終了迄の残回数が5回以下になると第2保留表示は増加されない(ステップS7081のYによりS7082が実行されない)。このことから、第2保留表示は、チャンスタイム終了迄の残回数が9回〜6回になると、保留予告の実行が制限され(通常態様で表示され)、チャンスタイム終了迄の残回数が5回以下になると、保留予告の実行が制限されるとともにKT状態であっても第2保留表示の追加が制限される(非表示となる)ことが分かる。このように、第2保留表示については同じ遊技状態であってもチャンスタイム終了迄の残回数に応じて異なる表示制御が行われるが、この理由については図64を参照して後述する。
図61は、変形例1における背景図柄変動開始処理(ステップS901)を示すフローチャートである。この背景図柄変動開始処理では、図51を参照して説明した処理と同じ処理については同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
背景図柄変動開始処理において、演出制御用CPU201は、特定表示制御処理を実行する(ステップS920A)。ここで、図62を参照して特定表示制御処理について説明する。
図62は、変形例1における特定表示制御処理(ステップS920A)を示すフローチャートである。この特定表示制御処理では、演出表示装置9に表示される第1特定表示(図63に示す第1特定表示部61aにおける第1特定表示)、第2特定表示(図63に示す第2特定表示部62aにおける第2特定表示)、および遮蔽演出の表示制御が行われる。ここで、第1特定表示とは、第1特別図柄の変動表示中に当該変動表示に対応して、変動表示が開始されてから終了するまでの間、第1保留表示部61とは異なる第1特定表示部61aで表示され、当該変動表示の実行を特定するための表示である。また、第2特定表示とは、第2特別図柄の変動表示中に当該変動表示に対応して、変動表示が開始されてから終了するまでの間、第2保留表示部62とは異なる第2特定表示部62aで表示され、当該変動表示の実行を特定するための表示である。また、第1特定表示(または第2特定表示)は、第1保留表示部61(または第2保留表示部62)に表示される第1保留表示(または第2保留表示)と同じ形状と大きさで表示される。しかし、第1特定表示と第1保留表示(または第2特定表示と第2保留表示)とは、形状が異なっていてもよいし、大きさが異なってもよく、全く別の態様で表示してもよい。たとえば、第1特定表示と第1保留表示(または第2特定表示と第2保留表示)とは形や色の一部が近似した態様で表示することが望ましい。また、遮蔽演出とは、第2保留表示および第2特定表示を視認困難に遮蔽する演出のことをいう。
特定表示制御処理において、演出制御用CPU201は、受信した変動パターンコマンドが第1変動パターンである(つまり、第1特別図柄についての変動パターンコマンドである)か否かを判定する(ステップS9301)。第1変動パターンである場合(ステップS9301のY)には、演出制御用CPU201は、非KT状態であるか否かを判定し(ステップS9302)、非KT状態ではない場合(ステップS9302のN)には、処理を終了し、非KT状態である場合(ステップS9302のY)には、特定予告決定処理を実行する(S9303)。なお、非KT状態(あるいは、KT状態)であるか否かは、例えば、図44に示すステップS631、S634、S638、S642の処理により現在表示されている背景画像の種類によって認識可能である。
ステップS9303の特定予告決定処理では、第1特定表示の表示態様を通常態様(例えば、「白」)とは異なる複数の特別態様(例えば、「青」、「緑」、「赤」)のいずれかに変化させる特定予告を行うか、行う場合にはどの特別態様にどのように変化させるか(つまり、変化の内容)を決定する。具体的には、演出制御用CPU201は、受信した第1変動パターンコマンドに基づいて、特定予告を決定する。例えば、演出制御用CPU201は、第1変動パターンが、大当りの変動パターンのときには、高い割合で、大当り期待度が高いことを示唆する特別態様(例えば、「赤」)に変化させることを決定する。また例えば、演出制御用CPU201は、第1変動パターンが、はずれの変動パターンのときには、高い割合で、特別態様に変化させない(通常態様のままにする)ことを決定する。なお、これに限らず、例えば、演出制御用CPU201は、第1変動パターンが、大当り期待度の高いもの(つまり、大当りのときに選択され易く、はずれのときに選択され難い変動パターン)であるときには、高い割合で、大当り期待度が高いことを示唆する特別態様(例えば、「赤」)に変化させることを決定し、第1変動パターンが、大当り期待度の低いもの(つまり、大当りのときに選択され難く、はずれのときに選択され易い変動パターン)であるときには、高い割合で、大当り期待度を示唆しない通常態様に決定するものとしてもよい。また、第1特定表示の表示態様を変動開始時(つまり、第1変動パターンコマンドの受信時)に特別態様に変化させるのではなく、他のタイミング(例えば、特別図柄の変動表示中の所定タイミング)で変化させることを決定してもよい。また、前述した保留予告決定処理(ステップS7074)において、始動入賞時に(つまり、先読みに基づいて)予め第1特定表示の表示態様が決定されている場合には、先読みに基づいて決定された第1特定表示の表示態様に基づいて、特定予告決定処理における第1特定表示の表示態様が決定されてもよい。具体的には、例えば、先読みに基づいて第1特定表示の表示態様が「緑」に決定されていた場合には、「緑」よりも大当り期待度が高いことを示唆する特別態様(例えば、「赤」)を決定可能である一方、「緑」よりも大当り期待度が低いことを示唆する態様(例えば、「緑」)に決定することを禁止する(つまり、大当り期待度の成り下がりを禁止する)ものとしてもよい。また、例えば、先読みに基づいて第1特定表示の表示態様が決定されていた場合には、先読みに基づいて決定された表示態様で第1特定表示態様を表示するものとし、特定予告決定処理では表示態様を決定しないものとしてもよい。
その後、演出制御用CPU201は、ステップS9303の処理で決定した態様(通常態様または特別態様)で第1特定表示部61aにおける第1特定表示の表示を設定する(ステップS9304)。
一方、第1変動パターンではない場合(つまり、第2特別図柄についての変動パターンコマンドである場合;ステップS9301のN)には、演出制御用CPU201は、KT状態であるか否かを判定し(ステップS9305)、KT状態ではない場合(ステップS9305のN)には、処理を終了し、KT状態である場合(ステップS7077のY)には、チャンスタイム終了迄残り9変動以下であるか否かを判定する(ステップS9306)。
チャンスタイム終了迄残り9変動以下ではない場合(ステップS9306のN)には、演出制御用CPU201は、特定予告決定処理を実行する(ステップS9307)。なお、ステップS9307の特定予告決定処理は、ステップS9303の処理で説明した特定予告決定処理と同様であり、ステップS9303の特定予告決定処理における「第1」を「第2」と読み替えることで説明できる。その後、演出制御用CPU201は、ステップS9307の処理で決定した態様(通常態様または特別態様)で第2特定表示部62aにおける第2特定表示の表示を設定する(ステップS9308)。
チャンスタイム終了迄残り9変動以下である場合(ステップS9306のY)には、演出制御用CPU201は、チャンスタイム終了迄残り5変動以下であるか否かを判定する(ステップS9309)。チャンスタイム終了迄残り5変動以下ではない場合(つまり、残り9変動〜6変動の場合;ステップS9309のN)には、演出制御用CPU201は、通常態様で第2特定表示部62aにおける第2特定表示の表示を設定する(ステップS9310)。
チャンスタイム終了迄残り5変動以下である場合(ステップS9309のY)には、演出制御用CPU201は、遮蔽演出の表示を設定する(ステップS9311)。ここで、遮蔽演出は、第2保留表示および第2特定表示の視認性を困難にする演出であり、例えば、第2保留表示や第2特定表示の前面のレイヤに表示される画面の透過度を、チャンスタイム終了迄の残回数の減少に応じて徐々に下げることにより、第2保留表示や第2特定表示の視認が困難となるブラックアウト演出である。なお、第2背景図柄表示部92aにおける背景図柄や第2小図柄表示部92bにおける小図柄や第1保留記憶数表示71は、ブラックアウト演出よりも前面のレイヤで表示される等することにより、ブラックアウト演出が実行されても視認可能にすればよい。
なお、上記した特定表示制御処理では説明しなかったが、チャンスタイム中においては、チャンスタイム終了迄の残回数を示す残回数表示81(図63参照)の表示設定が行われる。具体的には、大当り遊技終了後に低確率/第1KT状態に制御される(つまり、チャンスタイムに突入する)と、残回数表示81が示す回数として、初期回数(低確率/第1KT状態に制御される100回)が表示設定され、特別図柄の変動表示が開始される毎に1減算された回数が表示設定されることで、残回数表示81は、低確率/第1KT状態に制御される(チャンスタイムの)残回数を示す。
ここで、上述した特定表示制御処理において、特徴的な点を以下に説明する。
第1変動パターンを受信したとき(ステップS9301のY)には、非KT状態でなければ(ステップS9302のN)第1特定表示の表示が設定されず(ステップS9304の処理が実行されず)、第2変動パターンを受信したとき(ステップS9301のN)には、KT状態でなければ(ステップS9305のN)第2特定表示の表示が設定されない(ステップS9308、S9310の処理が実行されない)。このことから、第1特定表示は、KT状態のときには表示されず非KT状態(通常状態)のときに表示され、第2特定表示は非KT状態のときには表示されずKT状態のときに表示されることが分かる。
また、第2変動パターンを受信したとき(ステップS9301のN)には、チャンスタイム終了迄の残回数が9回以下になると特定予告は実行されない(ステップS9306のYによりS9307が実行されない)。また、チャンスタイム終了迄の残回数が5回以下になると第2特定表示は表示設定されない(ステップS9309のYによりS9310が実行されない)。このことから、第2特定表示は、チャンスタイム終了迄の残回数が9回〜6回になると、特定予告の実行が制限され(通常態様で表示され)、チャンスタイム終了迄の残回数が5回以下になると、特定予告の実行が制限されるとともにKT状態であっても第2特定表示の表示が制限される(非表示となる)ことが分かる。このように、第2特定表示については同じ遊技状態であってもチャンスタイムの残回数に応じて異なる表示制御が行われるが、この理由については図64を参照して後述する。
説明は図61に戻り、背景図柄変動開始処理において、演出制御用CPU201は、受信した変動パターンコマンドが第1変動パターンであるか否かを判定する(ステップS920B)。第1変動パターンである場合(ステップS920BのY)には、演出制御用CPU201は、非KT状態であるか否かを判定し(ステップS920C)、非KT状態ではない場合(ステップS920CのN)には、背景図柄変動パターンとして第1非表示演出を設定する(ステップS920F)。一方、非KT状態である場合(ステップS920CのY)には、演出制御用CPU201は、背景図柄および小図柄の停止図柄を決定し(ステップS920D)、背景図柄パターンとして第1変動演出のいずれかを設定する(ステップS920E)。ここで、背景図柄変動パターンは、変動パターンに応じて設定され、背景図柄や小図柄の変動態様(例えば、変動中にリーチ図柄を仮停止させたり、擬似連を示唆する擬似連図柄を仮停止させたりするといった変動態様)を規定する演出パターンである。第1変動演出は、第1変動パターンに応じて設定され、第1背景図柄表示部91aにおける背景図柄や第1小図柄表示部91bにおける小図柄の変動態様に対応した複数の演出パターンであり、第1非表示演出は、第1変動パターンに応じて設定され、第1背景図柄表示部91aにおける背景図柄や第1小図柄表示部91bにおける小図柄を変動表示させない(非表示の)演出パターンである。
一方、第1変動パターンではない場合(つまり、第2特別図柄についての変動パターンコマンドである場合;ステップS920BのN)には、演出制御用CPU201は、KT状態であるか否かを判定し(ステップS920G)、KT状態ではない場合(ステップS920GのN)には、背景図柄変動パターンとして第2非表示演出を設定する(ステップS920J)。一方、KT状態である場合(ステップS920GのY)には、演出制御用CPU201は、背景図柄および小図柄の停止図柄を決定し(ステップS920H)、背景図柄パターンとして第2変動演出のいずれかを設定する(ステップS920I)。ここで、第2変動演出は、第2変動パターンに応じて設定され、第2背景図柄表示部92aにおける背景図柄や第2小図柄表示部92bにおける小図柄の変動態様に対応した複数の演出パターンであり、第2非表示演出は、第2変動パターンに応じて設定され、第2背景図柄表示部92aにおける背景図柄や第2小図柄表示部92bにおける小図柄を変動表示させない(非表示の)演出パターンである。
その後、演出制御用CPU201は、設定された背景図柄変動パターン(ステップS920E、S920F、S920I、920J参照)や、設定された特定表示(ステップS9304、S9308、S9310参照)や、設定された遮蔽演出(ステップS9311参照)等に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS920K)。これにより、後続の処理によって、特別図柄の変動表示に伴って、設定された内容の各種演出が演出装置(演出表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)から出力される。
ここで、上述した背景図柄変動開始処理において、特徴的な点を以下に説明する。
第1変動パターンを受信したとき(ステップS920BのY)には、非KT状態でなければ(ステップS920CのN)背景図柄変動パターンとして第1非表示演出が設定されることにより、第1背景図柄表示部91aにおいて背景図柄が表示されず、第1小図柄表示部91bにおいて小図柄が表示されない(ステップS920F)。一方、第2変動パターンを受信したとき(ステップS920BのN)には、KT状態でなければ(ステップS920GのN)背景図柄変動パターンとして第2非表示演出が設定されることにより、第2背景図柄表示部92aにおいて背景図柄が表示されず、第2小図柄表示部92bにおいて小図柄が表示されない(ステップS920F)。このことから、非KT状態(通常状態)では、第1特別図柄の変動表示が行われると当該変動表示に応じて背景図柄および小図柄が変動表示されるが、第2特別図柄の変動表示が行われたとしても当該変動表示に応じて背景図柄および小図柄は表示されないことが分かる。また、KT状態では、第2特別図柄の変動表示が行われると当該変動表示に応じて背景図柄および小図柄が変動表示されるが、第1特別図柄の変動表示が行われたとしても当該変動表示に応じて背景図柄および小図柄は表示されないことが分かる。
また、背景図柄と小図柄とは、それぞれが別々の特別図柄の変動表示に対応して変動表示することはない(例えば、背景図柄が第1特別図柄の変動表示に対応し、小図柄が第2特別図柄の変動表示に対応して別々に変動表示するものではない)。このため、背景図柄と小図柄は互いに同期して変動表示され、違和感のない演出が実現されるとともに、小図柄の変動表示の対象(第1特別図柄または第2特別図柄)が遊技状態に応じて特定されることが分かる。
[画面レイアウト]
次に、上述した図60〜図62のフローチャートに示す処理によって表示される演出表示装置9における画面レイアウト(表示画面)について図63を参照して説明する。図63(1)は、通常状態(低確率/非KT状態)における画面レイアウトの一例を示し、図63(2)は、チャンスタイム(低確率/第1KT状態)における画面レイアウトの一例を示す。
図63(1)に示すように、通常状態(低確率/非KT状態)においては、演出表示装置9(液晶表示装置)には、表示画面の左下部の第1保留表示部61において第1保留表示が表示される。具体的には、第1保留表示部61には、第1保留記憶数の最大記憶数(ここでは4)に対応した数の第1保留表示が左右に配列される。また、表示画面の中央下部であって第1保留表示部61の右に隣接して設けられる第1特定表示部61aにおいて第1特定表示が表示される。そして、第1保留記憶に対応した第1特別図柄の変動表示が開始されると、第1保留表示部61に表示される第1保留表示のうち開始される変動表示に対応した保留表示(一番右側の保留表示)が1つ消去されて第1特定表示部61aにシフト(移動)されて第1特定表示として表示され、残りの第1保留表示は、1つずつ右側に向かってシフト(移動)される。なお、第1保留表示部61や第1特定表示部61aは、演出表示装置9の表示画面の何れの位置に配置されてもよく、第1保留表示や第1特定表示はシフトされるのではなく、一度表示が消去されてから別の位置に再表示されるものとしてもよい。
また、図63(1)に示すように、通常状態においては、演出表示装置9(液晶表示装置)には、表示画面の左中央部において第1保留記憶数に対応した保留数表示である第1保留記憶数表示71が表示される。なお、第1保留記憶数表示の態様としては、第1保留記憶数を示す数字そのものであってもよいし、第1保留記憶数に応じた数の表示ランプが点灯表示されるものであってもよい。
また、図63(1)に示すように、通常状態においては、演出表示装置9(液晶表示装置)には、表示画面の中央部の第1背景図柄表示部91aにおいて、第1特別図柄の変動表示に対応した背景図柄が変動表示され、表示画面の右上部の第1小図柄表示部91bにおいて第1特別図柄の変動表示に対応した小図柄が変動表示される。
図63(2)に示すように、チャンスタイム(低確率/第1KT状態)においては、演出表示装置9(液晶表示装置)には、表示画面の左下部の第2保留表示部62において第2保留表示が表示される。具体的には、第2保留表示部62には、第2保留記憶数の最大記憶数(ここでは4)に対応した数の第2保留表示が左右に配列される。また、表示画面の中央下部であって第2保留表示部62の右に隣接して設けられる第2特定表示部62aにおいて第2特定表示が表示される。そして、第2保留記憶に対応した第2特別図柄の変動表示が開始されると、第2保留表示部62に表示される第2保留表示のうち開始される変動表示に対応した保留表示(一番右側の保留表示)が1つ消去されて第2特定表示部62aにシフト(移動)されて第2特定表示として表示され、残りの第2保留表示は、1つずつ右側に向かってシフト(移動)される。なお、第2保留表示部62や第2特定表示部62aは、演出表示装置9の表示画面の何れの位置に配置されてもよく、第2保留表示や第2特定表示はシフトされるのではなく、一度表示が消去されてから別の位置に再表示されるものとしてもよい。
また、図63(2)に示すように、チャンスタイムにおいても、演出表示装置9(液晶表示装置)には、表示画面の左中央部において第1保留記憶数に対応した保留数表示である第1保留記憶数表示71が表示される。その一方で、第2保留記憶数に対応した保留数表示は表示されない。
また、図63(2)に示すように、チャンスタイムにおいては、演出表示装置9(液晶表示装置)には、表示画面の中央部の第2背景図柄表示部92aにおいて、第2特別図柄の変動表示に対応した背景図柄が変動表示され、表示画面の右上部の第2小図柄表示部92bにおいて第2特別図柄の変動表示に対応した小図柄が変動表示される。
また、図63(2)に示すように、チャンスタイムにおいては、演出表示装置9(液晶表示装置)には、表示画面の右下隅にチャンスタイム終了迄の残回数を示す残回数表示81が表示され、表示画面の左上隅に現在チャンスタイム中であることを示す表示(例えば、「チャンスタイム中」などの文字表示)が行われ、表示画面の上部に、チャンスタイム中(KT状態中)では遊技領域7の右方を狙った発射操作(右打ち)を行うことを遊技者に指示する右打ち表示が行われる。
ここで、図示はしないが、高確率/第1KT状態および高確率/第2KT状態のときの画面レイアウトについて簡単に説明する。高確率/第1KT状態では、図63(2)に示す低確率/第1KT状態のときと同様の画面レイアウトが表示されるが、残回数表示81が表示されない点と、表示画面の左上隅に高確率/第1KT状態であることを示す表示(例えば、「ノーマルラッシュ中」などの文字表示)が行われる点が異なる。高確率/第2KT状態では、図63(2)に示す低確率/第1KT状態のときと同様の画面レイアウトが表示されるが、残回数表示81が表示されない点と、表示画面の左上隅に高確率/第2KT状態であることを示す表示(例えば、「スペシャルラッシュ中」などの文字表示)が行われる点が異なる。
以上のように、通常状態においては、演出表示装置9には、第1保留表示が表示可能であるとともに第1特定表示が表示可能であり、第1特別図柄の変動表示に対応して背景図柄と小図柄が変動表示される。一方、通常状態においては、演出表示装置9には、第2保留表示や第2特定表示は表示されず、第2特別図柄が変動表示しても当該第2特別図柄の変動表示に対応した背景図柄や小図柄は表示されない。また、チャンスタイム中(あるいはKT状態)においては、演出表示装置9には、第2保留表示が表示可能であるとともに第2特定表示が表示可能であり、第2特別図柄の変動表示に対応して背景図柄と小図柄が変動表示される。一方、チャンスタイム中(あるいはKT状態)においては、演出表示装置9には、第1保留表示や第1特定表示は表示されず、第1特別図柄が変動表示しても当該第1特別図柄の変動表示に対応した背景図柄や小図柄は表示されない。このように、通常状態においては、第2特別図柄の変動表示に対応する背景図柄や小図柄の変動表示は行われず、第2保留表示や第2特定表示も表示されないので、通常状態において変動時間の非常に長い(例えば、5分や15分の)第2特別図柄の変動表示が行われたとしても、第2特別図柄の変動表示に対する遊技者の認識度合いを低下させることができ、適切な演出制御を行うことが可能となる。また、チャンスタイム中のようなKT状態においては、通常状態よりも変動時間の短い第2特別図柄の変動表示の結果、単位時間あたりの小当りの発生頻度が高められるため、遊技者は、小当りを発生する契機となる第2特別図柄の変動表示に注目する。このため、KT状態においては、第1特別図柄の変動表示が行われていたとしても、第1特別図柄の変動表示に対応する背景図柄や小図柄の変動表示は行わず、第1保留表示や第1特定表示も行わないことで第1特別図柄の変動表示の認識度合いを低下させ、第2特別図柄の変動表示に対してより注目させることができる。
また、図63(1)、(2)から分かるように、通常状態においては、第1小図柄表示部91bにおいて第1特別図柄の変動表示に応じて小図柄が変動表示され、チャンスタイム中(あるいはKT状態)においては、第2小図柄表示部92bにおいて第2特別図柄の変動表示に応じて小図柄が変動表示される。したがって、通常状態における第1背景図柄表示部91aにおける背景図柄や、チャンスタイム中(あるいはKT状態)における第2背景図柄表示部92aにおける背景図柄の変動表示が、所定の演出(例えば、リーチ演出等)により非表示(あるいは視認困難)になったとしても、遊技者は、小図柄を確認することで、遊技状態に応じた適切な特別図柄の変動表示を認識することができる。
また、図63(1)、(2)から分かるように、第2保留記憶の数を示す表示は遊技状態にかかわらず表示されない。これは以下の理由による。すなわち、通常状態において第2保留表示は表示されないにもかかわらず、第2保留記憶の数を示す表示を行うと演出の不整合が生じる虞がある。また、チャンスタイム中においては、チャンスタイム終了迄の残回数が5回以下になると、第2保留表示は、その表示が制限される(遮蔽演出により遮蔽される、あるいは、非表示に制御される)。このため、例えば、チャンスタイム中に第2保留表示の表示が制限されているにもかかわらず、第2保留記憶の数が表示されると演出の不整合が生じる虞がある。したがって、チャンスタイム中のときには、初めから第2保留記憶の数を表示しないことで、チャンスタイム終了迄の残回数が5回以下になって、第2保留表示の表示が制限されたときにも違和感のない演出を実現するようにしている。以上の理由により、遊技状態にかかわらず第2保留記憶の数を示す表示は行われないものとしているが、例えばチャンスタイムとは異なるKT状態(次の大当りまでKT状態が保証されている状態)では、第2保留表示が制限されないので第2保留記憶の数が表示されるものとしてもよい。
また、図63(1)、(2)から分かるように、第1保留記憶の数を示す第1保留記憶数表示71は、遊技状態にかかわらず表示される。これは以下の理由による。すなわち、非KT状態(通常状態)では、第1保留表示の表示が制限されることがないので、通常状態では第1保留記憶数表示71を表示することで遊技者の認識性を確保している。また、KT状態においても第1特別図柄の変動時間は長くない(例えば、10秒以下)ため、KT状態が開始されたときに第1保留記憶が残っていたとしてもすぐに消化され、KT状態においては右打ちが行われるため第1保留記憶が新たに発生することはまれである。このため、KT状態において第1保留記憶数表示71を表示したとしても、その数字は「0」であることが殆どであり、遊技者に対して違和感を覚えさせることも少ない。また、むしろ第1保留記憶数表示71が「0」を示していることを遊技者に認識させることで、右打ち遊技(つまり、第2特別図柄を変動表示させる遊技)であることを認識させ、より右打ち遊技に集中させることが可能となる。以上の理由により、遊技状態にかかわらず第1保留記憶数表示71の表示が行われるものとしているが、KT状態のときには非表示にされるものとしてもよい。
なお、通常状態においては、第2特別図柄の変動表示に対応して第4図柄が変動表示されるものとし、チャンスタイム中のようなKT状態においては、第1特別図柄の変動表示に対応して第4図柄が変動表示されるものとしてもよい。ここで、第4図柄の変動表示は、演出表示装置9の表示画面の一部の領域であって第1小図柄表示部91bや第2小図柄表示部92bよりも小さな領域において、所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。なお、第4図柄が変動表示される領域(第4図柄表示領域)は、演出表示装置9の表示画面とは異なる領域であってもよく、例えば、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するものとしてもよい。このように、第4図柄の変動表示を行うことで、通常状態において第2特別図柄の変動表示に対応した背景図柄や小図柄が表示されない場合や、KT状態において第1特別図柄の変動表示に対応した背景図柄や小図柄が表示されない場合であっても、第4図柄によって第1特別図柄や第2特別図柄の変動状態を確認することができる。また、第4図柄は、背景図柄や小図柄と比較して視認性が低いことから、通常状態においては遊技者に対して第2特別図柄の変動表示に対する認識度合いを低下させることができ、KT状態においては遊技者に対して第1特別図柄の変動表示に対する認識度合いを低下させることができる。
また、演出表示装置9の枠外に第1保留表示や第2保留表示に対応した保留表示ランプ(不図示)を設け、遊技状態にかかわらず、当該保留表示ランプが点灯表示されるものとしてもよい。なお、この保留表示ランプの表示制御は、遊技制御用マイクロコンピュータ560により制御されるものとしてもよいし、演出制御用マイクロコンピュータ200により制御されるものとしてもよい。また、両者のそれぞれによって表示制御される保留表示ランプを別々に設けるものとしてもよい。このように保留表示ランプを別途設けることで、通常状態において第2保留表示が表示されない場合やKT状態において第1保留表示が表示されない場合でも、保留表示ランプによって第1保留記憶数や第2保留記憶数を確認することができる。また、保留表示ランプは、演出表示装置9の枠外に設けられることで第1保留表示部61や第2保留表示部62における保留表示よりも視認性が低いことから、通常状態においては遊技者に対して第2保留表示に対する認識度合いを低下させることができ、KT状態においては遊技者に対して第1保留表示の認識度合いを低下させることができる。
また、上記した変形例1では、遊技状態に応じて、第1保留表示または第2保留表示が表示され、遊技状態に応じて第1特定表示または第2特定表示が表示されるため、第1保留表示部61と第2保留表示部62の表示位置は同じ(表示画面の左下部)であるとし、第1特定表示部61aと第2特定表示部62aの表示位置は同じ(表示画面の中央下部)であるとしたが、これらは互いに異なる位置であってもよい。同様に、上記では第1背景図柄表示部91aと第2背景図柄表示部92aの表示位置は同じ(表示画面の中央部)であるとし、第1小図柄表示部91bと第2小図柄表示部92bの表示位置は同じ(表示画面の右上部)であるとしたが、これらは互いに異なる位置であってもよい。また例えば、第1背景図柄表示部91aと第2背景図柄表示部92a(あるいは、第1小図柄表示部91bと第2小図柄表示部92b)の表示位置が同じであっても、それぞれで表示される背景図柄(あるいは小図柄)の表示態様を異ならせることで、第1特別図柄の変動表示に対応するものか、第2特別図柄の変動表示に対応するものかを区別可能であるものとしてもよい。また例えば、第1小図柄表示部91bと第2小図柄表示部92bの表示位置を異なる位置(特に互いに重ならない位置)にする場合には、それぞれの表示位置で小図柄を表示することが可能となる。この場合には、通常状態においては、第2特別図柄の変動表示に応じて第2小図柄表示部92bで小図柄を変動表示してもよい。ただし、この場合には、第2小図柄表示部92bにおける小図柄は第1小図柄表示部91bの小図柄よりも視認性が低いことが好ましい。同様に、チャンスタイム中のようなKT状態においては、第1特別図柄の変動表示に応じて第1小図柄表示部91bで小図柄を変動表示してもよい。ただし、この場合には、第1小図柄表示部91bにおける小図柄は第2小図柄表示部92bの小図柄よりも視認性が低いことが好ましい。
[チャンスタイム中の第2保留表示等の表示制御例]
次に、上述した図60〜図62のフローチャートの処理によって表示されるチャンスタイム中の第2保留表示および第2特定表示の表示制御の一例について図64を参照して説明する。
図64(1)は、チャンスタイム中においてチャンスタイム終了迄の残回数が10回以上のときの演出表示装置9(液晶表示装置)における表示演出の一例を示す。図64(1)に示すように、このときには、第2保留表示部62において第2保留表示が表示されるとともに第2特定表示部62aにおいて第2特定表示が表示される。また、保留予告および特定予告が実行可能であるため、第2保留表示が特別態様に変化可能であるとともに、特定表示も特別態様に変化可能である。なお、チャンスタイム中では、遊技者に右打ちを行わせるように右打ち表示が行われる。
図64(2)は、チャンスタイム中においてチャンスタイム終了迄の残回数が9回〜6回のときの演出表示装置9(液晶表示装置)における表示演出の一例を示す。図64(2)に示すように、このときには、第2保留表示部62において第2保留表示が表示されるとともに第2特定表示部62aにおいて第2特定表示が表示される。しかし、保留予告および特定予告の実行が禁止されるため、第2保留表示は通常態様で表示されるとともに、第2特定表示も通常態様で表示される。
図64(3)は、チャンスタイム中においてチャンスタイム終了迄の残回数が5回以下のときの演出表示装置9(液晶表示装置)における表示演出の一例を示す。図64(3)に示すように、このときには、第2保留表示部62および第2特定表示部62aの表示領域を視認困難に遮蔽する遮蔽演出(ブラックアウト演出)が実行される。これにより、第2保留表示部62における第2保留表示が視認困難になるとともに、第2特定表示部62aにおける第2特定表示が視認困難となる。なお、このブラックアウト演出は、チャンスタイム終了迄の残回数の減少に応じて徐々にブラックアウトする(透過度が低下する)。このため、第2保留表示および第2特定表示を視認困難にするとともに、チャンスタイム終了迄の残回数が減少していることを印象的に示唆することができる。
ところで、図60〜図62のフローチャートからわかるように、チャンスタイム終了迄の残回数が5回以下のとき、第2保留表示の追加表示および第2特定表示は非表示に制御される。したがって、遮蔽演出(ブラックアウト演出)が実行されないものとしても、第2保留表示部62における第2保留表示の追加表示を視認困難(非表示)にするとともに、第2特定表示部62aにおける第2特定表示を視認困難(非表示)にすることができる。また、遮蔽演出(ブラックアウト演出)が実行されるときには、第2保留表示の追加表示および第2特定表示は非表示に制御されずに、図64(2)と同様に表示制御されるものとしてもよい。このようにしても、第2保留表示および第2特定表示は、その上面のレイヤに表示されるブラックアウト演出によって遮蔽されるので、第2保留表示および第2特定表示を視認困難にするとともに、第2保留表示および第2特定表示の表示制御のフローをより簡潔にすることができる。
また、図64(3)に示すように、遮蔽演出によって、第2保留表示および第2特定表示が視認困難に表示制限されるため、第2保留表示がシフト表示される演出(第2保留表示が順次右にシフト表示される演出および第2保留表示が第2特定表示にシフト表示される演出)も同様に制限される(視認困難となる)。なお、遮蔽演出が実行されない場合であっても、チャンスタイム終了迄の残回数が5回以下のときには、既に表示している第2保留表示がある場合には、全ての第2保留表示を非表示に制御するものとし、第2保留表示がシフト表示される演出も非表示に制限されるものとしてもよい。
また、上記では、画面全体を遮蔽する遮蔽演出(ブラックアウト演出)によって、第2保留表示や第2特定表示が遮蔽されることにより視認困難(あるいは非表示)となるものとしたが、例えば、表示画面のレイアウトを変更することによって、第2保留表示や第2特定表示を視認困難(あるいは非表示)にするものとしてもよい。ここで、「表示画面のレイアウトを変更する」とは、演出表示装置9の表示画面において表示される各種表示アイテムの表示位置、表示サイズを変更することを含む概念であり、表示アイテムとは、背景図柄や保留表示等、演出表示装置9に演出として表示されている全ての表示を含む概念である。表示画面のレイアウトの変更としては、例えば、残回数表示81の表示領域を拡張するものとしてもよい。具体的には、残回数表示81の表示領域を左方に拡張することで、第2保留表示が表示される第2保留表示部62および第2特定表示が表示される第2特定表示部62aの表示領域を遮蔽するものとしてもよい。また、表示画面のレイアウトの変更としては、例えば、第2背景図柄表示部92aを下方に拡張することで第2保留表示および第2特定表示を遮蔽するものであってもよい。また、遮蔽演出はブラックアウト演出に限るものではなく、他の表示演出や可動体(可動する演出役物)を用いることで第2保留表示および第2特定表示を遮蔽する演出であってもよい。また、第2保留表示および第2特定表示は、完全に遮蔽されるものではなく、その視認性が低下することによって視認が困難となるものであってもよい。例えば、演出表示装置9において、第2保留表示および第2特定表示の表示位置を変更(例えば、右上隅に変更)し、あるいは、表示サイズを変更する(例えば、縮小表示する)ことにより、視認性を低下させるものとしてもよい。
また、上記したブラックアウト演出は、チャンスタイム終了迄の残回数が5回以下になることを条件に開始され、第2保留表示や第2特定表示が視認困難に表示制御されるものとした。しかし、ブラックアウト演出は、チャンスタイム終了迄の残回数が例えば10回以下になることを条件に開始され、残回数が減少することに応じてその透過度が低くなり、残回数が10回〜6回のときには、第2保留表示や第2特定表示が視認可能である一方、残回数が5回に達すると第2保留表示や第2特定表示が視認困難になるものとしてもよい。このようにすると、第2保留表示や第2特定表示が視認困難になる表示制御をより違和感のないものとすることができる。また、遮蔽演出としてブラックアウト演出以外の演出を用いる場合も同様の演出を適用することができる。
図64(4)はチャンスタイムの最終変動(チャンスタイム開始後100回転目)の変動表示が終了したときの演出表示装置9(液晶表示装置)における表示演出の一例を示す。図64(4)に示すように、チャンスタイムの最終変動が終了すると、第2特別図柄の変動表示の結果(例えば、はずれ(または小当り)を示す停止図柄)に対応した背景図柄(例えば、「3」「9」「4」)が停止し、同様に、第2特別図柄の変動表示の結果に対応した小図柄(例えば、「3」「9」「4」)が停止する。なお、背景図柄と小図柄とは、互いに異なる図柄であってもよい。そして、チャンスタイムの終了に伴って、右打ち表示が終了し(非表示となり)、代わって遊技者に左打ちを促す左打ち報知が実行される。なお、図示はしていないが、この最終変動の変動中においては、チャンスタイムが終了することを報知する終了表示(たとえば、「チャンスタイム終了!」という文字表示)が表示されるとともに、第1賞球数カウンタの値にもとづいて、連荘中賞球数表示が表示される。これにより、連荘が終了したこと、およびその間に獲得された全ての賞球数(トータル獲得賞球数)が報知される。また、このとき、初当りからチャンスタイム終了迄の一連の期間における大当りの回数(連荘回数)が併せて報知されるものとしてもよい。
図64(5)は、チャンスタイムが終了した直後(つまり、チャンスタイムが開始されてから101回転目)の通常状態における演出表示装置9(液晶表示装置)における表示演出の一例を示す。図64(5)に示すように、遊技状態が第1KT状態から通常状態に切り替わると、第2保留表示部62における第2保留表示および第2特定表示部62aにおける第2特定表示は非表示に制御され、新たに第2有効始動入賞コマンドが発生しても(つまり、新たな第2始動入賞口14への有効入賞が生じても)第2保留表示および第2特定表示は表示されない。一方、図64(4)に示す左打ち報知に基づいて遊技者が左打ちを行うことによって新たに第1始動入賞コマンドが発生すると(つまり、新たな第1始動入賞口への有効入賞が生じると)第1特定表示部61aにおいて第1特定表示が表示され、第1特別図柄の変動表示に応じて、第1背景図柄表示部91aにおいて背景図柄が変動表示されるとともに、第1小図柄表示部91bにおいて小図柄が変動表示される。これにより、チャンスタイム終了後の101回転目の変動表示の開始が遊技者に認識される。なお、第1特別図柄の変動表示中に新たに第1始動入賞コマンドが発生すると、第1保留記憶数が更新されることにより、第1保留記憶数表示71が更新表示されるとともに、第1保留表示部61における第1保留表示が追加表示される。
ここで、図64を参照して説明したように、チャンスタイム終了迄の残回数に応じて第2保留表示や第2特定表示の表示制御が異なる理由について説明する。図63を参照して説明したように、本変形例1では、通常状態(非KT状態)においては第2特別図柄の変動時間が非常に長く(例えば、5分や15分)、また、通常状態では左打ちが推奨されるため、第2特別図柄の変動表示が行われていることを認識させないために第2保留表示や第2特定表示は非表示に制御される。このため、チャンスタイム終了後に通常状態で制御されると、図64(5)を参照して前述したように、第2保留表示や第2特定表示は表示されない。したがって、仮に、チャンスタイムの最終変動(チャンスタイム開始後100回転目)の変動表示が終了するときに第2保留表示が表示されていると、通常状態に切り替わったときに、この第2保留表示が突然非表示に制御されるので、遊技者に違和感を与える可能性がある。また、例えば、チャンスタイムの最終変動の終了時に特別態様に変化している第2保留表示があれば、これが非表示になることで遊技者を落胆させ、あるいは、第2保留表示があったにもかかわらず通常状態ではその演出(背景図柄等)が表示されないことで演出の不整合を引き起こしてしまう可能性がある。しかし、上記したように、この変形例1では、チャンスタイムの最終変動が終了する前から(つまり、チャンスタイム終了迄の残回数が5回になってから)第2保留表示や第2特定表示を視認困難に表示制御しているので、第2保留表示や第2特定表示に対する遊技者の認識度合いを低下させ、通常遊技状態に移行したときに第2保留表示や第2特定表示が非表示に制御されても違和感を与えないようにすることができる。また、チャンスタイム終了迄の残回数が5回以下になると第2保留表示や第2特定表示を視認困難に表示制御するが、第2特別図柄の変動表示に対応した背景図柄や小図柄は視認可能に表示制御するので、チャンスタイム中に第2特別図柄の変動表示が行われていることも適切に認識させることができる。
ところで、上記した変形例1では、チャンスタイム終了迄の残回数が5回以下になることを条件に、第2保留表示や第2特定表示を視認困難に表示制御するものとしているが、残回数が5回以下になることを条件としているのは以下の理由による。すなわち、上記した変形例1では、第2保留記憶の最大記憶数が4であるため最大4つの第2保留表示が表示可能であり、第2特別図柄の変動表示中に第2特定表示も表示されるため、第2保留表示および第2特定表示を表示することで最大で5変動分の情報を遊技者に認識させることが可能となる。したがって、チャンスタイム終了迄の残回数が5回に達したときに第2保留表示および第2特定表示を視認困難に表示制御することで、チャンスタイム終了後には、チャンスタイム中に視認されていた第2特定表示や第2保留表示が非表示になるという事態を防止することができる。なお、残回数が5回以下になることを条件とせずに、残回数が5回よりも多い所定回数(例えば10回)以下になることを条件として、第2保留表示や第2特定表示を視認困難に表示制御するものとしてもよい。また、チャンスタイム終了後(通常状態に移行してから)所定回数の変動表示が行われるまで、第2保留表示および第2特定表示を視認困難に表示制御するものとしてもよく、すなわち、KT状態が終了するタイミングを含む前後の期間に亘って、第2保留表示および第2特定表示を視認困難に表示制御するものとしてもよい。
また、上記した変形例1では、チャンスタイム終了迄の残回数が9回以下になることを条件に、第2保留表示の保留予告や第2特定表示の特定予告を制限する(実行しない)ものとしているが、残回数が9回以下になることを条件としているのは以下の理由による。すなわち、前述したように、残回数が5回以下になると第2保留表示や第2特定表示が視認困難に表示制御される。したがって、この視認困難に表示制御される第2保留表示や第2特定表示の態様が特別態様に変化していると、遊技者に対して期待感を持たせておきながらその表示が視認困難になり、遊技者の期待感を損ねる可能性があり、あるいは演出の不整合が生じる可能性がある。このため、残回数が9回以下になることを条件に第2保留表示の保留予告を制限することにより、最大保留数である4つめの第2保留表示が4変動後に第2特定表示としてシフト表示され、このとき残回数が5回以下になることで視認困難に制御されても通常態様の第2特定表示が視認困難に表示制御されるに過ぎないため、上記した演出の不整合等を回避することが可能となる。なお、第2保留表示については最大4変動分シフト表示される可能性があることを考慮して残回数が9回以下になることを条件に第2保留表示の保留予告を制限する必要があったが、第2特定表示についてはこのような事情は当てはまらない。このため、第2特定表示については表示が視認困難となる残回数が5回以下になることを条件に特定予告が制限されるものとしてもよい。また、残回数が9回以下になることを条件とせずに、残回数が9回よりも多い所定回数(例えば20回)以下になることを条件として、第2保留表示の保留予告や第2特定表示の特定予告を制限するものとしてもよい。
ところで、KT状態のような単位時間あたりの小当りの発生頻度が高められた特別状態で制御可能な遊技機においては、遊技者は、KT状態が終了して通常状態に移行するときに残存している第2保留記憶に基づいて大当りするか否かの当否結果を確認するために、KT状態終了後には遊技球を発射することなく意図的に遊技機を占拠する場合がある。このような場合には、遊技店においては当該遊技機の稼働が低下してしまうため適切ではない。また、KT状態終了後に残存している第2保留記憶に関する第2保留表示を遊技者に認識可能としてしまうと、長時間(例えば15分の長変動の保留が4つあれば、全て非表示となるまで60分)第2保留表示が表示される不自然な表示状態でKT状態が終了することになる。さらに言えば、残存している第2保留記憶に基づいて大当りするとは限らないにもかかわらず、当該第2保留記憶に基づく変動表示が終了して当否結果が表示されるまで(保留消化されるまで)にある程度(例えば15分)の時間を要するため、遊技者が遊技を終了する機会を逸してしまい、遊技者が遊技を継続すると遊技者に不利益を与えてしまう可能性がある。しかしながら、上記したように、本変形例1によれば、KT状態終了後には、第2保留表示や第2特定表示が表示されないこと、およびチャンスタイム中から(終了5変動前から)第2保留表示や第2特定表示を視認困難に制御することにより、遊技者に対して、残存している第2保留記憶があることを過度に認識させないようにすることができる。このため、遊技者の意図的な遊技機の占拠を防止することが可能となり、これにより遊技機の稼働の低下を防止することが可能となり、KT状態終了時に違和感のない表示を実現可能となり、遊技者が遊技を終了する機会を逸することを防止することが可能となる。
なお、上記した変形例1では、KT状態において第2保留表示や第2特定表示が表示されるものとしたが、第2保留表示や第2特定表示は、遊技状態にかかわらず常に表示されない(あるいは視認困難である)ものとしてもよい。これは、例えば、以下のようなKT当りと非KT当りを所定の割合で有する遊技機の場合に好適である。ここで、KT当りとは、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に決定可能な大当りであって、大当り遊技終了後には次に大当りするまでKT状態で制御される大当りのことをいう。また、非KT当りとは、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に決定可能な大当りであって、大当り終了後にすぐに通常遊技状態で制御される大当りのことをいう。このようなKT当りと非KT当りとを有する遊技機においては、KT当りに当選した後のKT状態では、遊技の興趣の向上のために第2保留表示を表示することが考えられる。そして、このような遊技状態のときに非KT当りに当選すると、非KT当りを示す第2特別図柄が停止したとき(つまり、大当りが確定したとき)にはKT状態において右打ちを行っていることにより、最大4つの第2保留表示が表示されている可能性が高い。しかし、非KT当りに当選すると、大当り遊技後に通常状態に制御されることで、大当りが確定する前に表示されていた第2保留表示が非表示に制御されてしまう。すると、大当り確定前に例えば特別態様に変化している第2保留表示が非表示になることで遊技者を落胆させ、あるいは、第2保留表示があったにもかかわらず通常状態ではその演出(背景図柄等)が表示されないことで演出の不整合を引き起こしてしまう可能性がある。したがって、このような演出の不整合等を回避するためには、KT状態のときに、非KT当りを示す第2保留記憶よりも後に記憶された第2保留記憶に関する第2保留表示を視認困難に表示制御(例えば非表示)しておくことが好ましい。したがって、例えば、始動入賞時の先読み(第2入賞時判定結果コマンド)に基づいて、非KT当りを示す始動入賞が発生したタイミングで、その後の始動入賞(第2保留記憶)に関する第2保留表示を視認困難に表示制御することが考えられる。しかし、このような先読みに基づく表示制御を行うと、大当りであることを事前に確定示唆してしまうので遊技の興趣性を低減させる虞がある。このため、このような非KT当りを有する遊技機においては、KT状態であっても(遊技状態にかかわらず)第2保留表示は常に表示されない(あるいは視認困難である)ものとすればよい。このようにすることで、KT状態において大当りを事前に確定示唆することなく、非KT当りに当選しても第2保留表示が表示されていないことにより通常遊技状態に移行したときの演出の不整合も回避することができる。
なお、上記した非KT当りを有する遊技機において、例えば、始動入賞時の先読みに基づいて、非KT当りを示す始動入賞が発生したタイミングで、その後の始動入賞(第2保留記憶)に関する第2保留表示を視認困難に表示制御することに加えて、始動入賞時の先読みに基づいて、所定の割合ではずれ(または小当り)を示す始動入賞が発生したタイミングで、その後の始動入賞(第2保留記憶)に関する第2保留表示を所定期間(所定の変動回数)視認困難に表示制御するものとしてもよい。このようにすると、大当りではないときにも所定期間第2保留表示が視認困難に表示制御されることがある(いわゆるガセがある)ので、KT状態において大当りを事前に確定示唆することなく、非KT当りに当選しても第2保留表示が表示されていないことにより通常遊技状態に移行したときの演出の不整合も回避することができる。
また、上記したように、KT当りと非KT当りを有する遊技機においては、遊技状態にかかわらず第2保留表示を視認困難にする表示制御や、先読みに基づいて、非KT当りのときに加えて所定の割合ではずれ(または小当り)のときに所定期間第2保留表示を視認困難にする表示制御を行うことにより演出の不整合を回避できる。そして、これらの表示制御(以下、特定表示制御という)は、KT当りと非KT当りを有する遊技機に限らず、KT当りと、非KT当りに準じた大当り(以下、準非KT当りという)を所定の割合で有する遊技機に適用することもできる。ここで、準非KT当りとは、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に決定可能な大当りであって、大当り終了後に所定回数(例えば第2保留記憶の最大数である4回)よりも少ない回数(例えば1回)だけKT状態に制御してから通常遊技状態に移行する大当りのことをいう。このような準非KT当りを所定の割合で有する遊技機では、KT状態で制御されているときに準非KT当りに当選したときには大当り遊技後にKT状態で制御される回数が第2保留記憶数の最大数よりも少ない。このため、KT状態で制御されているときに第2保留表示を表示してしまうと、準非KT当り後のKT状態が終了して通常遊技状態に制御されて第2保留表示が非表示となるときに、準非KT当りを示す第2特別図柄が停止したとき(つまり、大当りが確定したとき)に表示されていた可能性のある最大4つの第2保留表示の一部(後に記憶された保留記憶に関する第2保留表示)が非表示となる虞がある。このため、非KT当りに代え(あるいは加えて)準非KT当りを所定の割合で有する遊技機においても、上記した特定表示制御を行うことで演出の不整合等を回避することができる。
なお、上記ではKT当りは、大当り遊技終了後には次に大当りするまでKT状態で制御される大当りであるとしたが、大当り終了後に所定回数(例えば第2保留記憶の最大数である4回)よりも多い回数(例えば100回)だけKT状態に制御される大当りであるとしてもよい。このようにしても、KT状態のときに非KT当り、または準非KT当りに当選する可能性があるので、同様に、上記した特定表示制御を適用することができる。
また、上記した変形例1は、所定の割合(65%)で次に大当りするまで高確率状態で制御される遊技機(いわゆるループ機)に適用するものとしたが、いずれの大当りに当選しても大当り遊技後に所定回数の変動表示が終了するまで高確率状態で制御される遊技機(いわゆるST機)に適用してもよい。また、この場合には、高確率状態で制御されるときには同時にKT状態に制御されるものとして、KT状態に制御されるときには、第2特別図柄の変動時間が通常状態よりも短く設定されることにより単位時間あたりの小当りの発生頻度が高められるものとすればよい。この場合も同様に、高確率状態で制御される最終変動の5変動前から第2保留表示や第2特定表示を視認困難に表示制御し、最終変動の9変動前から第2保留表示の保留予告や第2特定表示の特定予告を制限するものとすればよい。
また、高確率状態で制御されているときに、変動毎に低確率状態に移行するかの抽選(転落抽選)を行う遊技機(いわゆる転落抽選タイプの遊技機)や、所定回数の変動表示が終了する迄の所定期間(ST期間)において高確率状態で制御される遊技機(いわゆるSTタイプの遊技機)において、高確率状態で制御されているときには第2KT状態で制御され、低確率状態で制御されているときには非KT状態で制御されるものとしてもよい。このような遊技機において、高確率状態/第2KT状態から、低確率状態/非KT状態(通常状態)に移行する場合において、KT状態(第2KT状態)で制御される最終変動(すなわち、転落抽選タイプでは転落抽選に当選した変動、STタイプではST期間の最終変動)において、第2保留表示を視認困難に制御し、また、第2特定表示を視認困難に制御するものとしてもよい。
また、上記した変形例1では、上述したように、通常状態(非KT状態)において第2始動入賞口14への遊技球の入賞が検出されたとしても、第2保留表示や第2特定表示は表示されず、かつ、第2特別図柄の変動表示に応じた背景図柄や小図柄も表示されない(つまり、表示演出が制限される)。しかし、通常状態において第2始動入賞口14への遊技球の入賞が検出されたときには、表示演出を制限するだけではなく、第2始動入賞口14への入賞を狙った右打ちを行わせない報知演出(例えば、左打ち報知)を行うものとしてもよい。このようにすることで、通常状態における第2始動入賞口14への遊技球入賞という事象に対して、第2特別図柄が変動表示される契機であるという遊技者の認識度合いを低下させることで、左打ち報知が行われる(右打ちを行うことが禁止される)契機であるという遊技者の認識度合いを相対的に高めることができる。このため、不正な小当りを狙った右打ちを軽減させることが可能となる。
また、上記した変形例1において、第1小図柄表示部91bと第2小図柄表示部92bの表示位置を異なる位置(特に互いに重ならない位置)にする場合には、強制はずれのときには、通常状態であっても第2小図柄表示部62bにおいて小図柄を停止表示し、KT状態であっても第1小図柄表示部91bにおいて小図柄を停止表示するものとしてもよい。例えば、通常状態においては第1特別図柄の変動表示に応じて第1小図柄表示部91bにおいて小図柄が変動表示されるが、この第1特別図柄の変動表示が大当り変動であることにより、同時に変動表示されていた第2特別図柄の変動表示が強制はずれにされる場合には、第2特別図柄が停止表示されるときに、第2小図柄表示部92bにおいて強制はずれを示す小図柄が停止表示されるものとしてもよい。同様に、KT状態においては第2特別図柄の変動表示に応じて第2小図柄表示部92bにおいて小図柄が変動表示されるが、この第2特別図柄の変動表示が大当り変動であることにより、同時に変動表示されていた第1特別図柄の変動表示が強制はずれにされる場合には、第1特別図柄が停止表示されるときに、第1小図柄表示部91bにおいて強制はずれを示す小図柄が停止表示されるものとしてもよい。
また、上記した変形例1において、第1小図柄表示部91bと第2小図柄表示部92bの表示位置を異なる位置(特に互いに重ならない位置)にする場合には、大当りのときには、通常状態であっても第2小図柄表示部92bにおいて小図柄を停止表示するものとしてもよい。例えば、通常状態においては第1特別図柄の変動表示に応じて第1小図柄表示部91bにおいて小図柄が変動表示されるが、同時に変動表示されていた第2特別図柄の変動表示が大当り変動である場合には、第2特別図柄が停止表示されるときに、第2小図柄表示部92bにおいて大当りを示す小図柄が停止表示されるものとしてもよい。また、大当りを示す第2特別図柄の変動表示が行われているときに第1特別図柄の変動表示が開始されたときには、第2小図柄表示部92bにおいて大当りを示す小図柄が停止表示された後に、第1通常指示報知56Aが行われ、または第2通常指示報知56Bが行われることで積極的に大当りであることが報知されるものとすればよい。また、このときには、第1特別図柄の変動が開始されたとしても当該第1特別図柄の変動に関する演出は制限され(例えば、第1特別図柄の変動に応じた背景図柄や小図柄の変動表示は実行されず)、代わりに第2特別図柄の変動表示に応じた演出(大当りを示す特別な演出)が行われるものとしてもよい。一方、第1特別図柄の変動表示が行われることなく第2特別図柄の変動表示(大当り変動)が終了したときには、第2小図柄表示部92bにおいて大当りを示す小図柄が停止表示された後に、第1縮小指示報知56Cが行われ、または第2縮小指示報知56Dが行われることで消極的に大当りであることが報知されるものとすればよい。なお、通常状態において第2特別図柄の変動表示がはずれ(または小当り)変動である場合には、これまで述べてきたとおり、第2小図柄表示92bにおいて小図柄は表示されない(つまり、はずれや小当りの場合には表示演出によっては報知されない)ものとすればよい。
また、上記した変形例1において、第1小図柄表示部91bと第2小図柄表示部92bの表示位置を異なる位置(特に互いに重ならない位置)にする場合には、大当りのときには、KT状態であっても第1小図柄表示部61bにおいて小図柄を停止表示するものとしてもよい。例えば、KT状態においては第2特別図柄の変動表示に応じて第2小図柄表示部92bにおいて小図柄が変動表示されるが、同時に変動表示されていた第1特別図柄の変動表示が大当り変動である場合には、第1特別図柄が停止表示されるときに、第1小図柄表示部91bにおいて大当りを示す小図柄が停止表示されるものとしてもよい。なお、KT状態においては、遊技者は右打ちを行うことが常であるため、大当りを示す第1特別図柄の変動表示が行われているときには第2特別図柄の変動表示が開始されることが殆どである。そして、このようなときには、第1小図柄表示部91bにおいて大当りを示す小図柄が停止表示された後に、第1通常指示報知56Aが行われ、または第2通常指示報知56Bが行われることで積極的に大当りであることが報知されるものとすればよい。また、このときには、第2特別図柄の変動が開始されたとしても当該第2特別図柄の変動に関する演出は制限され(例えば、第2特別図柄の変動に応じた背景図柄や小図柄の変動表示は実行されず)、代わりに第1特別図柄の変動表示に応じた演出(大当りを示す特別な演出)が行われるものとしてもよい。一方、稀ではあるが、例えばKT状態に制御されたときに誤って第1始動入賞口13に遊技球を入賞させて離席したときのように、第2特別図柄の変動表示が行われることなく第1特別図柄の変動表示(大当り変動)が終了したときには、第1小図柄表示部91bにおいて大当りを示す小図柄が停止表示された後に、第1縮小指示報知56Cが行われ、または第2縮小指示報知56Dが行われることで消極的に大当りであることが報知されるものとしてもよい。あるいは、KT状態においては、遊技者は右打ちを行うのが常であるため、右打ちによって例えば作動ゲート17を遊技球が通過することを契機に第1通常指示報知56Aが行われ、または第2通常指示報知56Bが行われることで積極的に大当りであることが報知されるものとしてもよい。なお、KT状態において第1特別図柄の変動表示がはずれ変動である場合には、これまで述べてきたとおり、第1小図柄表示部91bにおいて小図柄は表示されない(つまり、はずれの場合には表示演出によっては報知されない)ものとすればよい。
また、上記した変形例1において、ステップS7079の保留予告決定処理では、KT状態(第1KT状態または第2KT状態)の違いについて言及しなかったが、第1KT状態であるか第2KT状態であるかに応じて保留予告決定処理が実行されるものとしてもよい。具体的には、保留予告決定処理において、第1KT状態のときには第2KT状態のときよりも第2保留表示の表示態様が特別態様に変化され易い(つまり、保留予告が行われ易い)ものとしてもよい。これは以下の理由による。すなわち、KT状態のうち第1KT状態では、小当りが発生しやすいものの特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(つまり、小当りにより賞球を得難い)。一方で、KT状態のうち第2KT状態では、小当りが発生しやすく、かつ、特殊可変入賞球装置22に遊技球が入賞しやすい(つまり、小当りにより賞球を得易い)ことで遊技者に利益を与えやすい状態となる。したがって、第2KT状態では、遊技者は小当り(つまり、はずれ)を期待する一方で、第2KT状態が終了する可能性のある大当りに当選することをそれほど期待しない(むしろ、長期間大当りしないこと期待する)。これに対して、第1KT状態では、遊技者は小当りが発生しても賞球を得難いので、小当りではなく大当りを期待する。このため、第1KT状態のときには第2KT状態のときよりも保留予告が行われ易くすることにより、第1KT状態では大当りを期待する遊技者の期待感を高め、第2KT状態では小当りを期待する遊技者の期待感を損ねないようにすることができる。なお、同様の理由で、ステップS9307の特定予告決定処理では、第1KT状態のときには第2KT状態のときよりも第2特定表示の表示態様が特別態様に変化され易い(つまり、特定予告が行われ易い)ものとしてもよい。また、第2特別図柄の変動表示の表示結果として、大当り以外に小当りではないはずれ(通常のはずれ)を所定の割合で有する場合には、第2保留表示や第2特定表示が小当りであることを期待させる態様(例えば、「小」という文字表示)に変化する保留予告や特定予告を行うものとしてもよい。
また、上記した変形例1では、図60を参照して説明したように、演出制御用マイクロコンピュータ200が、チャンスタイム終了迄の残回数を把握し、チャンスタイム終了迄の残回数が9回以下になると保留予告の実行を制限するものとした。しかし、保留予告を制限するか否かは、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって判定されるものとしてもよい。具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技後に低確率/第1KT状態に制御してからの変動回数をカウントすることで、チャンスタイム終了迄の残回数を把握し、チャンスタイム終了迄の残回数が9回以下になると、第2有効始動入賞が発生したときに送信する第2入賞時判定結果コマンドとして、保留予告を禁止するコマンドを送信するものとすればよい。このようにすれば、第2入賞時判定結果コマンドを受信する演出制御用マイクロコンピュータ200は、チャンスタイム終了迄の残回数を把握することなく、第2入賞時判定結果コマンドにもとづいて保留予告を実行するか禁止するかを判断することができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ200は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から所定の保留予告コマンドを受信したときにのみ、保留予告を実行することが可能であるものとし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、チャンスタイム終了迄の残回数が9回以下になると、第2有効始動入賞が発生したとしても保留予告コマンドを送信しないものとしてもよい。このようにしても、演出制御用マイクロコンピュータ200は、チャンスタイム終了迄の残回数を把握することなく、保留予告コマンドにもとづいて保留予告を実行するか禁止するかを判断することができる。なお、同様にして、特定予告を制限するか否かは、演出制御用マイクロコンピュータ200ではなく、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって判定されるものとしてもよい。
以上に説明したように、この変形例1によれば、識別情報の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り状態)に制御可能な遊技機であって、第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示および第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を並行して実行可能な可変表示実行手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS26A,S26Bを実行する部分)と、遊技者にとって有利であり有利状態とは異なる所定状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能な所定状態制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS358〜S360を実行する部分)と、通常状態(本例では、非KT状態)と、当該通常状態よりも第2識別情報の可変表示の実行時間として高い割合で短い変動時間が選択される(本例では、図13参照)ことにより所定状態に制御される頻度が高い特別状態(本例では、KT状態)とに制御可能である状態制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2208A,S2211A,S2209B,S2210B,S2213B,S2214Bを実行する部分)と、第1識別情報の可変表示に関する情報を第1保留記憶として記憶可能な第1保留記憶手段(本例では、第1保留記憶バッファ)と、第2識別情報の可変表示に関する情報を第2保留記憶として記憶可能な第2保留記憶手段(本例では、第2保留記憶バッファ)と、第1保留記憶に対応した第1保留表示(本例では、第1保留表示部61における第1保留表示)と、第2保留記憶に対応した第2保留表示(本例では、第2保留表示部62における第2保留表示)とを表示可能な保留表示手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるステップS707を実行する部分)と、を備え、保留表示手段は、特別状態が終了するタイミングを含む特定期間(本例では、チャンスタイム終了迄残り5変動以下である期間)において、第2保留表示を視認困難とすることが可能である(本例では、図64参照)、こととした。これにより、特別状態で制御可能な遊技機において、第2保留表示について適切な表示制御を実現することができる。より具体的には、特別状態が終了する際に、第2保留表示について適切な表示制御を実現することができる。なお、特定期間は、特別状態(本例ではKT状態)が終了するタイミングを含む期間であればよく、特別状態が終了する前から終了迄の期間(例えば終了前の5変動)に限らず、特別状態が終了してから(通常状態に移行してから)の所定期間(例えば終了後の5変動)を含むものであってもよい。
例えば、特開2017−86643号公報(従来技術1)や、特開2016−202287号公報(従来技術2)には、所定回数(例えば50回)の高確率状態(特別状態)では、第2識別情報の変動時間を通常状態(低確率状態)よりも短く設定することにより、通常状態よりも小当りの発生頻度を高めた状態で制御可能であることが記載されている。ところで、上記したような特別状態で制御可能な従来技術1、2では、通常状態では第2識別情報の変動時間が比較的長く設定される。具体的には、従来技術1では、180秒〜300秒に設定され、従来技術2では、10時間に設定されている。このように、従来技術1、2に記載されたような、通常状態において第2識別情報の変動時間が長い遊技機では、通常状態において、第2保留記憶に対応した保留表示(第2保留表示)を視認可能とするのは適切ではない。そこで、上記した変形例1のように構成することで、特別状態で制御可能な遊技機において、第2保留表示について適切な表示制御を実現することができる。
また、この変形例1によれば、第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を行うときに、当該第2識別情報に対応した特定表示(本例では、第2特定表示部62aにおける第2特定表示)を表示可能な特定表示手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるステップS9308,S9310を実行する部分)をさらに備え、上記特定期間(本例では、チャンスタイム終了迄残り5変動以下である期間)以外の期間では、保留表示手段が第2保留表示を表示可能であるとともに特定表示手段が特定表示を表示可能であり、特定期間では、保留表示手段が第2保留表示を視認困難とすることが可能である(本例では、ステップS7081のYである場合にステップS7082を実行しない)とともに特定表示手段が特定表示を視認困難とする(本例では、ステップS9309のYである場合にステップS9310を実行しない)ことが可能である、こととした。これにより、特別状態が終了する際に、第2識別情報に対応した特定表示についても適切な表示制御を実現することができる。
また、この変形例1によれば、開始条件の成立にもとづいて、有利状態に制御するか否かを決定する事前決定手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS65A,S65Bを実行する部分)と、事前決定手段の決定前に、第2保留記憶にもとづいて有利状態となるか否かを判定する特定判定手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS312,S215,S216,S322を実行する部分)と、を備え、保留表示手段は、特定判定手段の判定結果に応じて、当該特定判定手段の判定対象となった第2保留記憶に対応した第2保留表示を第1特別態様に変化させる第1態様変化演出(本例では、保留予告)を実行可能であり、特定表示手段は、事前決定手段の決定結果に応じて、当該事前決定手段の決定対象となった第2識別情報に対応した特定表示を第2特別態様に変化させる第2態様変化演出(本例では、特定予告)を実行可能であり、特定期間を含む所定期間(本例では、チャンスタイム終了迄残り9変動以下である期間)では、保留表示手段が第1態様変化演出の実行を制限する(本例では、ステップS7078のYである場合にステップS7079を実行しない)とともに特定表示手段が第2態様変化演出の実行を制限する(本例では、ステップS9306のYである場合にステップS9307を実行しない)、こととした。これにより、第2保留記憶に対応した第2保留表示や第2識別情報に対応した特定表示が視認困難となる特定期間における演出の不整合を回避することができる。
また、この変形例1によれば、状態制御手段は、特別状態として、第1特別状態(本例では、第1KT状態)と当該第1特別状態よりも有利度合が高い第2特別状態(本例では、第2KT状態)とに制御可能である、こととした。これにより、特別状態における遊技性の単調さを解消することができ、特別状態に制御する場合の遊技の興趣を向上させることができる。
また、この変形例1によれば、識別情報の可変表示に対応して、演出図柄(本例では、第1背景図柄表示部91aや第2背景図柄表示部92aにおける背景図柄)の可変表示と当該演出図柄よりも小さい縮小図柄(本例では、第1小図柄表示部91bや第2小図柄表示部92bにおける小図柄)の可変表示とを実行可能な演出制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるS920D,S920E,S920H,S920I,S920Kを実行する部分)を備え、演出制御手段は、通常状態(本例では、非KT状態)において、第1識別情報の可変表示に対応した演出図柄(本例では、第1背景図柄表示部91aにおける背景図柄)の可変表示を実行し、第2識別情報の可変表示に対応した演出図柄(本例では、第2背景図柄表示部92aにおける背景図柄)の可変表示を実行せず(本例では、ステップS920CのYである場合にステップS920Eを実行し、ステップS920GのNである場合にステップS920Jを実行する)、特別状態(本例では、KT状態)において、第2識別情報の可変表示に対応した演出図柄の可変表示を実行し、第1識別情報の可変表示に対応した演出図柄の可変表示を実行せず(本例では、ステップS920GのYである場合にステップS920Iを実行し、ステップS920CのNである場合にステップS920Fを実行する)、通常状態と特別状態のいずれに制御されているかに応じて、第1識別情報と第2識別情報のいずれかの可変表示に対応した縮小図柄(本例では、第1小図柄表示部91bまたは第2小図柄表示部92bにおける小図柄)の可変表示を実行する(本例では、非KT状態であるかKT状態であるかに応じてステップS920DとS920Hのいずれかを実行する)、こととした。これにより、縮小図柄について状態に対応した適切な表示制御を実現することができるとともに、通常状態において遊技者に第2識別情報の可変表示に対する認識度合いを低下させることができる。
また、この変形例1によれば、保留表示手段は、通常状態(本例では、非KT状態)において、第1保留表示は表示可能であるが、第2保留表示は表示不能である(本例では、ステップS7073のYである場合にステップS7075を実行し、ステップS7077のNである場合にステップS7080やS7082を実行しない)、こととした。これにより、通常状態において第2保留記憶に対応した第2保留表示に対する遊技者の視認性を低下させることができ、第2保留表示について適切な表示制御を実現することができる。
また、この変形例1によれば、保留表示手段は、通常状態と特別状態のいずれに制御されているかにかかわらず、第1保留記憶の数に対応した第1保留記憶数表示(本例では、第1保留記憶数表示71)を表示し、第2保留記憶の数に対応した第2保留数表示を表示しない(本例では、ステップS7071のYである場合にステップS7072を実行し、ステップS7076のYである場合であってもステップS7072に相当する処理を実行しない)、こととした。これにより、第1保留記憶の数に対する遊技者の認識性を確保しつつ、第2保留記憶の数に対する遊技者の視認性を低下させることができ、第1保留記憶及び第2保留記憶のそれぞれの保留記憶数について適切な表示制御を実現することができる。
また、この変形例1によれば、遊技媒体(本例では、遊技球)が流下する流下経路のうち所定経路(本例では、遊技領域7の右方)に設けられ、遊技媒体が通過可能な特定領域(本例では、作動ゲート17)と、所定条件(本例では、大当り図柄が停止表示すること)が成立した後に、特定領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能である有利状態制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2501のYである場合にステップS305〜S307,S355〜S357を実行する部分)と、所定条件が成立したことにもとづいて所定経路への遊技媒体の発射を促進する所定促進報知(本例では、第1指示報知)を実行し、該所定促進報知の実行から所定期間(本例では、10秒)が経過した後に特定領域への遊技媒体の発射を促進する特定促進報知(本例では、第2指示報知)を実行可能な促進報知手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるステップS4404,S4405,S4604,S4605を実行する部分)と、をさらに備える、こととした。これにより、演出の煩雑さを抑制しつつ、有利状態に制御する契機を適切に報知することができる。
[変形例2]
以下に、上記した実施の形態の変形例2について記載する。この変形例2では、主に、KT状態(第1KT状態または第2KT状態)において、遊技者に付与された遊技価値(本例では、獲得賞球数)の表示制御の一例について説明する。なお、以下では、大当り後に第2KT状態で制御される大当り(16R確変大当りまたは突確大当り)に当選してから次に大当りするまでに(つまり、大当り遊技状態と、その後の第2KT状態とを含む期間において)獲得された賞球数をスペシャルラッシュ中出玉(あるいは特定出玉)といい、この特定出玉の表示を特定出玉表示という。また、初めて大当りに当選して大当り遊技状態に制御されてからKT状態が終了する(通常状態に移行する)までの間に獲得された賞球数の総数をトータル出玉(あるいは特別出玉)といい、この特別出玉の表示を特別出玉表示ということがある。特定出玉表示は第2賞球数カウンタの値に基づいて表示され、特別出玉表示は第1賞球数カウンタの値に基づいて表示される。また、この変形例2においては、主として上記した実施の形態と異なる部分について説明し、その他の部分については、特にことわりのない限り、上記した実施の形態と同様の構成および処理であるとしてその説明を省略する。
変形例2では、上記した実施の形態とは異なる大当り種別判定テーブルが用いられる。具体的には、図11に記載の大当り種別判定テーブルに代え、図65に記載の大当り種別判定テーブルが用いられる。図65(a)に示すように、この変形例2では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、35%の確率で「16R確変大当り」と決定され、25%の確率で「2R確変大当り(突確大当り)」と決定され、40%の確率で「16R通常大当り」と決定される。また、図65(b)に示すように、この変形例2では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、45%の確率で「16R確変大当り」と決定され、15%の確率で「2R確変大当り(突確大当り)」と決定され、40%の確率で「16R通常大当り」と決定される。
「16R確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御することで16回のラウンドにおいて特別可変入賞球装置20が所定期間(例えば、遊技球が10個入賞するか、29秒経過するまで)開放され、その大当り遊技状態の終了後に、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態に制御される大当りである。「2R確変大当り(突確大当り)」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御するが、2ラウンドの各ラウンドでは極めて短い時間(例えば、0.1秒間)しか特別可変入賞球装置20が開放されないことにより実質的に賞球を獲得し難い大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態に制御される大当りである。「16R通常大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御することで16回のラウンドにおいて特別可変入賞球装置20が所定期間(例えば、遊技球が10個入賞するか、29秒経過するまで)開放され、その大当り遊技状態の終了後に、100回の変動表示が終了されるまで低確率/第1KT状態に制御される大当りである。なお、低確率/第1KT状態に制御される100回の変動表示が終了した後は、通常状態に移行される。また、低確率/第1KT状態に制御される100回の変動表示が終了する前であっても、次の大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態は終了して大当り遊技状態に移行し、大当り遊技状態の終了後には、大当りの種類に応じた遊技状態に制御される。
また、上記した実施形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、大当りとなる場合以外には全て小当りになるものとしたが、変形例2では、図65(c)、(d)に示す小当り判定テーブルが用いられて小当りとするか否かが決定される。具体的には、図65(c)に示すように、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、100%の確率で「ハズレ」と決定され、「小当り」と決定されず、図65(d)に示すように、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、70%の確率で「小当り」と決定され、30%の確率で「ハズレ」と決定される。このように、変形例2では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、大当りにならない場合に小当りにもならない場合がある。詳細は図73を参照して後述するが、このように変形例2では、必ずしも小当りにならないため、連続して小当りが発生するときには、当該事実を報知するための特殊演出(図73に示す小当りコンボ表示86)が行われる。なお、変形例2において、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には小当りが発生しないものとしているが、第2特別図柄の変動表示を実行する場合よりも低い割合(例えば1%)で小当りが発生するものとしてもよい。このようにしても、第2特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄の変動表示が行われる場合よりも高確率で小当りと決定されるので、第2特別図柄の変動表示の有利度合を第1特別図柄の変動表示よりも高くすることができる。
図66は、変形例2における賞球加算表示処理(図45のステップS657)を示すフローチャートである。詳細は図72を参照して後述するが、変形例2の賞球加算表示処理が行われることにより、特殊可変入賞球装置22の特殊入賞口24への遊技球の入賞個数に応じて異なる態様の賞球加算表示が行われる。なお、この変形例2では、図45のステップS652,S655において、演出制御用CPU201は、特別出玉表示の表示が設定されていれば(後述するステップS976L参照)、加算後の第1賞球数カウンタの値にもとづいて特別出玉表示を更新するとともに、特定出玉表示の表示が設定されていれば(後述するステップS976C,S976G,S976K参照)、加算後の第2賞球数カウンタの値にもとづいて特定出玉表示を更新する。
賞球加算表示処理において、演出制御用CPU201は、受信した特殊入賞口入賞指定コマンドに基づいて、1回の小当り開放期間における何個目の特殊入賞口24への入賞であるかを確認し、これが所定個数(本例では3個)以上であるか否かを判定する(ステップS657A)。なお、1回の小当り開放期間とは、1回小当りに当選することによって制御される小当り遊技状態において特殊入賞口24が開放される期間のことをいう。ここで、この小当り開放期間には、特殊入賞口24が閉鎖された後の所定時間(例えば、0.2秒間)を含むものとしてもよい。これは、特殊入賞口24が閉鎖されてからも特殊入賞口24内に滞留した遊技球が第2カウントスイッチ25aによって検出されるまでに所定時間要することがあるためである。
演出制御用CPU201は、1回の小当り開放期間における3個目以上の特殊入賞口24への入賞である場合(ステップS657AのY)には、賞球加算表示を特別加算態様で表示し(ステップS657B)、1回の小当り開放期間における3個目未満(1個目または2個目)の特殊入賞口24への入賞である場合(ステップS657AのN)には、賞球加算表示を通常加算態様で表示する(ステップS657C)。ここで、賞球加算表示は、特殊入賞口24へ遊技球が1つ入賞したことにより賞球(この場合は「10個」)が獲得されたことを示す表示演出であり、例えば「+10」などの文字表示である(図72に示す賞球加算表示83参照)。また、通常加算態様は、賞球加算表示を例えば黒文字の小サイズで表示する表示態様であり(図72(1)、(2)参照)、特別加算態様は、賞球加算表示を例えば赤文字の中サイズで表示することにより通常加算態様よりも強調表示した表示態様である(図72(3)参照)。なお、通常加算態様と特別加算態様はこれに限るものではなく、特別加算態様は、通常加算態様よりも強調表示されたものであればよい。これにより、1回の小当り開放期間において所定個数(3個)以上の特殊入賞口24への入賞があった場合に、強調された賞球加算表示によってその旨が遊技者に報知される。
なお、図45のステップS658においても、図66に示すステップS657と同様の処理が行われるものとしてもよい。すなわち、1回の小当り開放期間における3個目以上の特殊入賞口24への入賞である場合には、入賞音としてスピーカ27から特別音が出力されるものとし、1回の小当り開放期間における3個目未満の特殊入賞口24への入賞である場合には、入賞音としてスピーカ27から通常音が出力されるものとし、特別音は通常音よりも強調された(例えば音量が大きい、出力時間が長い、より高音である等)音であるものとしてもよい。これにより、1回の小当り開放期間において所定個数(3個)以上の特殊入賞口24への入賞があった場合に、強調された入賞音によってその旨が遊技者に報知される。
なお、図66に示すフローチャートおよび図45に示すフローチャートからわかるように、第2KT状態に制御されているとき(ステップS656のY)には、特殊入賞口24に遊技球が入賞する毎に賞球加算表示が表示され(ステップS657)、また、特定出玉表示が表示されている場合には、賞球加算表示に対応して、第2賞球数カウンタに基づいて特定出玉表示の表示内容も更新される(変形例2のステップS655)。これにより、小当り遊技が行われると相応の賞球を得易い第2KT状態において、小当り遊技状態における遊技球の入賞を強調することができる。その一方で、小当り遊技が行われても賞球を得難い第1KT状態に制御されているとき(ステップS656のN)には、賞球加算表示は表示されない。
図67は、変形例2におけるプロセステーブル選択処理(図53のステップS976)を示すフローチャートである。詳細は図68〜図71を参照して後述するが、変形例2のプロセステーブル選択処理が行われることにより、大当り遊技状態やKT状態において特定出玉表示や特別出玉表示が表示され、2R確変大当り(突確大当り)に当選した場合には、大当り遊技状態に制御されていることに関する報知演出(大当り報知演出)が実行されない一方で、特定出玉表示は継続表示される。なお、この変形例2では、図67に示す処理が行われることにより、図53のステップS983の処理が割愛される。
プロセステーブル選択処理において、演出制御用CPU201は、大当り開始指定コマンドを受信したときに第2KT状態に制御されていたか否か(すなわち、第2KT状態に制御されているときに大当りしたか否か)を判定する(ステップS976A)。第2KT状態ではないとき(第1KT状態または非KT状態のとき)に大当りした場合(ステップS976AのN)には、演出制御用CPU201は、大当り開始指定コマンドが16R通常大当りの大当り開始指定コマンドであるか(つまり、16R通常大当りであるか)否かを判定し(ステップS976J)、16R確変大当りまたは2R確変大当り(突確大当り)である場合(ステップS976JのN)には、特定出玉表示(図70に示す特定出玉表示82)の表示を設定する(ステップS976K)。これにより、第2KT状態ではないときに16R確変大当りまたは2R確変大当りに当選すると、特定出玉表示の表示が開始されることになる。なお、特定出玉表示は、第2賞球数カウンタの値に基づいて表示される。一方、16R通常大当りである場合(ステップS976JのY)には、特定出玉表示の表示は設定されず(ステップS976Kの処理は実行されず)、ステップS976Lへ移行する。
第2KT状態のときに大当りした場合(ステップS976AのY)には、演出制御用CPU201は、2R確変大当り(突確大当り)であるか否かを判定し(ステップS976B)、突確大当りである場合(ステップS976BのY)には、表示されている特定出玉表示(図70に示す特定出玉表示82)の表示を継続設定し(ステップS976C)、大当り遊技状態に移行していることを報知する大当り報知演出として非報知タイプの大当り報知演出を設定する(ステップS976D)。なお、第2KT状態に制御されるのは16R確変大当りまたは2R確変大当りに当選したときであるため、第2KT状態のときには特定出玉表示の表示が設定されている(ステップS976Kまたは後述のステップS976G参照)。このため、ステップS976Cでは、既に表示設定されている特定出玉表示が継続して表示設定される。また、ステップS976Dにおいて、非報知タイプの大当り報知演出が設定されると、演出表示装置9で大当り報知演出が実行されず、あるいは、実行されたとしても視認性が低い(例えば、ごく限られた領域で表示される)大当り報知演出が実行される。このため、遊技者には大当り遊技状態に移行していることが演出的に報知されない。
演出制御用CPU201は、突確大当りでない場合(ステップS976BのN)には、16R確変大当りであるか否かを判定し(ステップS976E)、16R確変大当りである場合(ステップS976EのY)には、第2賞球数カウンタをリセットし(ステップS976F)、表示されている特定出玉表示を終了し、新たに特定出玉表示を設定する(ステップS976G)。これにより、新たにカウントが開始される第2賞球数カウンタに基づいて特定出玉表示が示されることになる。なお、リセットされる前の第2賞球数カウンタに基づいて表示されていた特定出玉表示は、終了されるのではなく、履歴表示として記憶管理され、新たに表示される特定出玉表示とは別に表示されるものとしてもよい。このようにすることで、第2KT状態で制御される大当り(16R確変大当りまたは突確大当り)に当選してから次に大当りするまでの間(つまり、1回の大当りによって)獲得された賞球数の履歴を、1回の大当り毎に確認することができる。なお、この履歴表示は、KT状態が終了して通常状態に移行したときにリセットされるものとすればよい。
演出制御用CPU201は、16R通常大当りである場合(ステップS976EのN)には、第2賞球数カウンタをリセットし(ステップS976H)、表示されている特定出玉表示を終了する(ステップS976I)。なお、リセットされる前の第2賞球数カウンタに基づいて表示されていた特定出玉表示は、終了されるのではなく、履歴表示として記憶管理されて表示されるものとしてもよい。
ステップS976G,S976I,S976JのY,S976Kの処理の後には、演出制御用CPU201は、特別出玉表示(図70に示す特別出玉表示85)の表示を設定し(ステップS976L)、大当り遊技状態に移行していることを報知する大当り報知演出として大当りの種類に応じた報知タイプの大当り報知演出を設定する(ステップS976M)。なお、ステップS976Lにおいて、特別出玉表示は、第1賞球数カウンタの値に基づいて表示され、第1賞球数カウンタは、図53のステップS980の処理でリセットされることにより、いわゆる初当りが発生したときにリセットされる。また、ステップS976Mにおいて、報知タイプの大当り報知演出が設定されると、演出表示装置9で大当り報知演出が実行されることにより、遊技者には大当り遊技状態に移行していることが演出的に報知される。
ステップS976D,S976Mの処理の後には、演出制御用CPU201は、設定された大当り報知演出(ステップS976D,S976M)や、設定された特定出玉表示(ステップS976C,S976G,S976I,S976K)や特別出玉表示(ステップS976L)等に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS976N)。これにより、後続の処理によって、設定された内容の各種演出が演出装置(演出表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)から出力される。
また、この変形例2では、図55に示すステップS9007〜S9010の処理が以下のように修正される。すなわち、変形例2では、図67に示す処理で特定出玉表示の表示設定や特別出玉表示の表示設定が行われていれば、その表示設定がそのまま継続される。これにより、大当り遊技状態が終了しても、大当り遊技状態において表示されていた特定出玉表示や特別出玉表示が、大当り遊技後のKT状態において継続的に表示されることになる。なお、このとき、特定出玉表示や特別出玉表示の表示位置や表示サイズなどの表示態様が変更されるものであってもよい。また、特別出玉表示は、通常状態に制御されるときに非表示に設定されるものとすればよい。また、特別出玉表示は、大当り遊技終了時に非表示に設定されることにより、大当り遊技状態では表示され、大当り遊技後のKT状態では表示されないものとしてもよい。
なお、図67に示すフローチャートからわかるように、16R確変大当りや2R確変大当り(突確大当り)に当選して大当り遊技後に第2KT状態に制御されるとき(ステップS976JのN)には、特定出玉表示の表示が設定される(ステップS976K)が、16R通常大当りに当選して大当り遊技後に第1KT状態に制御されるとき(ステップS976JのY)には、特定出玉表示の表示が設定されない。なお、第1KT状態に制御されるときには、特定出玉表示が表示されないのではなく、特定出玉表示が制限されるものとしてもよい。具体的には、第1KT状態に制御されているときには、第2KT状態に制御されているときよりも視認性が低い態様で(例えば、表示サイズが縮小されて)特定出玉表示が表示されるものとしてもよい。あるいは、第1KT状態に制御されているときには、第2KT状態に制御されているときとは異なり、ごく短期間だけ(例えば、1変動のみ)特定出玉表示が表示されるものとしてもよい。
ところで、第2KT状態では、小当り遊技において相応の賞球を得易い状態であるため、遊技者に付与された遊技価値(獲得賞球数)を報知するために、特定出玉表示を表示する(より具体的には、遊技球の入賞に応じて更新表示する)ことで、第2KT状態での獲得賞球数の増加を遊技者に視認可能となる点で興趣を向上できる。その一方で、第1KT状態では、小当り遊技において賞球を得難い状態であるため、打ち出した遊技球の数に比べて獲得可能な賞球数が少なくなることで遊技価値(獲得賞球数)が減少し得る状態である。このため、このような状態において遊技価値を報知するのは適切ではない。したがって、第2KT状態では特定出玉表示が表示されることで、小当りを期待する遊技者の期待感を高め、第1KT状態では特定出玉表示が表示されないことで遊技者を落胆させないようにすることができる。
また、図67に示すフローチャートからわかるように、特別出玉表示の表示設定と特定出玉表示の表示設定は別々に行われる(ステップS976C,S976G,S976I,S976K,S976L)。このため、大当り遊技後のKT状態において特定出玉表示と特別出玉表示を区別して表示することが可能である(後述する図68参照)。
また、図67に示すフローチャートからわかるように、第2KT状態に制御されているときに突確大当りに当選したとき(ステップS976BのY)には大当り報知演出が実行されないことにより、大当り遊技状態に移行したことが遊技者に報知されず(ステップS976D)、突確大当り以外の大当りに当選したときには大当り報知演出が実行されることにより、大当り遊技状態に移行したことが遊技者に報知される(ステップS976M)。また、第2KT状態に制御されているときに突確大当りに当選したときには、特定出玉表示が継続表示される(ステップS976D)。これにより、遊技者に突確大当りに当選したことを気付かせず、前回の大当り(今回の突確大当りの前の大当り)に基づいて第2KT状態が未だ継続されている(つまり、未だ大当りしていない)かの如く見せることができる。
ところで、突確大当りに当選した場合には、特別可変入賞球装置20が短時間開放されるため、これによって突確大当り当選したことを気付かせてしまう可能性もある。このため、突確大当りに当選した場合には、特別可変入賞球装置20に代え、特殊入賞口24が開放されるものとしてもよい。このようにすると、小当りに当選したかの如く見せることができるので、突確大当りに当選したことをより気付かせないようにすることができる。
また、突確大当りに当選したときに大当り信号(大当り信号1または大当り信号2)が外部出力されると、当該大当り信号に基づいて遊技機の外部に設置された大当りカウンタがカウントアップ表示される場合がある。このように大当りカウンタがカウントアップ表示されてしまうと、突確大当りに当選したことを気付かせてしまう可能性がある。このため、第2KT状態においては、突確大当りに当選した場合には大当り信号を外部出力せず、突確大当り以外の大当りに当選した場合に大当り信号を外部出力するものとしてもよい。なお、第1KT状態で制御されているときに突確大当りに当選した場合(ステップS976JのN)には、その後の遊技状態が第1KT状態から第2KT状態に変わるので、大当り報知演出が実行される(ステップS976M)。このため、第1KT状態で制御されているときに大当りした場合には、大当りの種類にかかわらず、大当り信号を外部出力するものとしてもよい。
また、図67に示すフローチャートからわかるように、第2KT状態に制御されているときに表示される特定出玉表示は、突確大当りに当選したときには、その表示が継続され、(ステップS976C)、16R通常大当りに当選したときには、その表示が終了し(ステップS976I)、16R確変大当りに当選したときには、第2賞球数カウンタがリセットされることにより、その表示が新たに開始される(ステップS976G)。したがって、第2KT状態において突確大当りに当選した場合には、特定出玉表示の更新が継続されることにより、第2KT状態が長く継続している(つまり、未だ大当りしていない)かの如く見せることができる。また、第2KT状態では、小当り遊技において相応の賞球を得易い状態であることから、遊技者は第2KT状態が長く続くこと(つまり、大当りしないこと)を期待する。このため、第2KT状態において突確大当りに当選したときには、大当り報知演出を実行せず、かつ、特定出玉表示を継続表示することにより、あたかも第2KT状態が継続している(断続していない)かの如く見せ、実際の大当り確率よりも第2KT状態が長く続く(つまり、長期間大当りしない)ように見せることができる。
[画面レイアウト]
次に、上述した図66、図67等のフローチャートに示す処理によって表示される演出表示装置9における画面レイアウト(表示画面)について図68を参照して説明する。図68(1)は、第1KT状態(低確率状態)における画面レイアウトの一例を示し、図63(2)は、第2KT状態(高確率状態)における画面レイアウトの一例を示す。なお、図66に示す変形例2の画面レイアウトにおいて、図63に示す変形例1の画面レイアウトと共通する部分については、同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図68(1)に示すように、低確率/第1KT状態(チャンスタイム)においては、演出表示装置9(液晶表示装置)には、表示画面の左上隅に現在チャンスタイム中であることを示す表示(例えば、「チャンスタイム中」などの文字表示)が行われ、その下に、特別出玉表示85(例えば、「TOTAL 2040pt」というトータル出玉を示す文字表示)が表示される。この特別出玉表示85により、初当りから第1KT状態に制御されている現在までに付与された遊技価値(獲得された賞球総数であるトータル出玉)が遊技者に報知される。
図68(2)に示すように、高確率/第2KT状態(スペシャルラッシュ)においては、演出表示装置9(液晶表示装置)には、表示画面の左上隅に現在スペシャルラッシュ中であることを示す表示(例えば、「スペシャルラッシュ中」などの文字表示)が行われ、その下に、特別出玉表示85(例えば、「TOTAL 2040pt」というトータル出玉を示す文字表示)が表示される。この特別出玉表示85により、初当りから第2KT状態に制御されている現在までに付与された遊技価値(獲得された賞球総数であるトータル出玉)が遊技者に報知される。また、表示画面の右下隅には、特定出玉表示82(例えば、「スペシャルラッシュ中 2040pt」というスペシャルラッシュ中出玉を示す文字表示)が表示される。この特定出玉表示82により、第2KT状態で制御される契機となった大当り(16R確変大当りまたは突確大当り)に当選してから次に大当りする(正確には突確大当り以外の大当りに当選する)までに(つまり、大当り遊技状態と、その後の第2KT状態とを含む期間において)獲得された賞球数が遊技者に報知される。
図68(1)、(2)に示すように、第2KT状態では特定出玉表示82が表示されるのに対して、第1KT状態では特定出玉表示82が表示されない。これにより、小当り遊技において相応の賞球を得易い第2KT状態では、特定出玉表示82が表示されることで小当りを期待する遊技者の期待感を高め、小当り遊技において賞球を得難い第1KT状態では、特定出玉表示82が表示されないことで遊技者を落胆させないようにすることができる。また、図68(2)に示すように、第2KT状態では、特別出玉表示85と特定出玉表示82が区別可能に表示される。これにより、遊技者は、特定出玉表示82に注目することで、第2KT状態がどれだけ継続し、その間にどれほどの賞球を獲得できたかを確認することができるとともに、特別出玉表示85に注目することで、今までに獲得されたトータル出玉(賞球総数)も確認することができる。
[特定出玉表示と特別出玉表示の表示制御例]
次に、図69を参照して、特定出玉表示と特別出玉表示の表示制御の一例について説明する。図69(1)は、初当りとして第2KT状態で制御される契機となる16R確変大当りに当選したときのタイムチャートの一例を示し、図69(2)は、第1KT状態で制御される契機となる16R通常大当りに当選したときのタイムチャートの一例を示す。
図69(1)のタイムチャートに示すように、初当りとして(非KT状態において)、16R確変大当りに当選すると、大当り遊技状態において、当該大当り遊技状態に移行していることを報知する大当り報知演出が実行され、その後、第2KT状態に制御される。そして、この第2KT状態に制御されているときに、2R確変大当り(突確大当り)に当選しても大当り遊技状態に移行していることを報知する大当り報知演出は実行されない(非報知である)。そして、その後の第2KT状態に制御されているときに16R通常大当りに当選すると大当り遊技状態において大当り報知演出が実行される。このとき、特定出玉表示は、16R確変大当りの大当り遊技が開始されてから第2KT状態で制御されている間に亘って継続的に更新表示され、突確大当りに当選してもなお継続的に更新表示される(第2賞球数カウンタがリセットされない)。そして、突確大当りではない大当り(16R通常大当り)に当選することで、特定出玉表示の表示が終了し、第2賞球数カウンタがリセットされる。なお、突確大当りではない大当りとして16R確変大当りに当選した場合には、第2賞球数カウンタがリセットされることにより、特定出玉表示のカウント表示が新たに開始される。
これに対して、特別出玉表示は、図69(1)に示すように、初当り(16R確変大当り)してから、第1賞球数カウンタに基づいて継続的に更新表示され、図69(2)に示すように、第1KT状態で制御される契機となる16R通常大当りに当選して、規定回数(100回)の第1KT状態が終了することで、その表示が終了する(第1賞球数カウンタは次の初当りのときにリセットされる)。なお、特別出玉表示は、第1KT状態に制御される最終変動(はずれ変動)において、連荘中の結果表示としても表示される。
次に、図70、図71を参照して、図69に示すタイムチャートに対応して演出表示装置9において表示される表示演出の一例について説明する。図70は、図69(1)に示すタイムチャートに対応して演出表示装置9において表示される表示演出の一例を示し、図71は、図69(2)に示すタイムチャートに対応して演出表示装置9において表示される表示演出の一例を示す。
図70(1)に示すように、初当りとして16R確変大当りに当選すると、大当り遊技状態における大当り報知演出として、例えば特別可変入賞球装置20への遊技球入賞を狙った右打ちを行うことが報知され、大当り遊技状態に移行していることが報知される。また、このときには、初当りしてからカウントが開始される第2賞球数カウンタに基づいて特定出玉表示82(例えば、「2040pt」)が表示されるとともに、初当りしてからカウントが開始される第1賞球数カウンタに基づいて特別出玉表示85(例えば、「2040pt」)が表示される。なお、このときには、特定出玉表示82が示す出玉(獲得賞球数)と、特別出玉表示85が示す出玉は一致する。
図70(2)に示すように、大当り遊技後に、第2KT状態に制御されると、特定出玉表示82は、演出表示装置9(液晶表示装置)の表示画面の右下隅に継続的に表示され、特別出玉表示85は、表示画面の左上隅に継続的に表示される。また、第2KT状態では、右打ちを行うことで第2特別図柄の変動表示が実行され、大当りではない場合に所定の確率(70%)で小当りに当選する。小当りに当選すると、第2背景図柄表示部92aに表示される背景図柄と第2小図柄表示部92bに表示される小図柄が、小当りを示す図柄(例えば、「1」「3」「5」)で停止表示される。なお、小当りを示す図柄としては、通常のはずれ目とは異なる特殊図柄(例えば、絵図柄)が停止表示されるものとしてもよい。
図70(3)に示すように、小当りに当選して小当り遊技状態に制御されているときに、1回の小当り開放期間において特殊入賞口24へ遊技球が1つ入賞すると、遊技球の入賞に応じた入賞演出として、賞球加算表示83(例えば、「+10」の文字表示)が表示される。なお、この賞球加算表示83は、通常加算態様または特別加算態様で表示されるが、詳細については図72を参照して後述する。そして、このとき、第1賞球数カウンタおよび第2賞球数カウンタが更新表示されることにより、賞球加算表示83の表示に対応して、特定出玉表示82および特別出玉表示85の表示内容も更新される(例えば、「2040pt」から「2050pt」に更新表示される)。
このように、第2KT状態では、小当りが発生して小当り開放期間において特殊入賞口24へ遊技球が入賞する毎に賞球加算表示83が表示され、賞球加算表示83が表示されることに対応して、特定出玉表示82および特別出玉表示85の表示内容が更新される。なお、図示はしないが、大当り遊技状態またはKT状態において、更新表示される特別出玉表示85が示す値(第1賞球数カウンタが示すトータル出玉)が既定の目標値(例えば、2500pt、5000pt、7500pt等のように所定間隔毎に設定された目標値)に達したときに、当該事実を報知する到達出玉表示演出(例えば、「2500pt OVER」といった文字表示)が実行される。また、このように、到達出玉表示演出が実行される場合には、KT状態においては特別出玉表示85は表示されないものとしてもよい。なお、第2KT状態のときに小当りに当選して小当り遊技状態に制御されているときには、第2特定表示や第2保留表示が非表示に制御されるものとし、小当り遊技状態であることにより注目させるものとしてもよい。
図70(4)に示すように、第2KT状態に制御されているときに、突確大当りに当選すると、第2背景図柄表示部92aに表示される背景図柄と第2小図柄表示部92bに表示される小図柄は、大当りを示す図柄とは異なる図柄(例えば、「3」「5」「7」のはずれ目)で停止表示される。これにより、突確大当り当選したことは遊技者には報知されない。なお、このとき、大当りを示す図柄とは異なる図柄として小当りを示す図柄(例えば、「1」「3」「5」)が停止表示されるものとしてもよい。このようにすることで、突確大当りではなく小当りに当選したかの如く見せることができる。
図70(5)に示すように、突確大当りに当選して大当り遊技状態に移行しても大当り報知演出は実行されないことにより、突確大当りに当選したことが報知されない。また、このときには、特定出玉表示82はそのまま継続表示される(第2賞球数カウンタはリセットされない)。したがって、あたかも大当りに当選していないかの如く(小当りに当選したか、単なるはずれであったかの如く)見せることができる。なお、この大当り遊技状態において遊技球が特別可変入賞球装置20に入賞した場合には、小当り遊技状態において遊技球が特殊入賞口24に入賞したときに表示される賞球加算表示83と同様の演出が行われるものとすればい。このようにすることで、突確大当りに当選したことをより気付かせないようにすることができる。なお、前述したように、突確大当りに当選した場合には、特別可変入賞球装置20に代え、特殊入賞口24が開放されるものとすることで、より小当りに当選したかの如く見せることができる。
図70(6)に示すように、第2KT状態に制御されているときに、16R通常大当りに当選すると、第2背景図柄表示部92aに表示される背景図柄と第2小図柄表示部92bに表示される小図柄は、大当りを示す図柄(例えば、「6」「6」「6」のぞろ目)で停止表示される。これにより、大当りに当選したことが遊技者に報知される。
図70(7)に示すように、16R通常大当りに当選して大当り遊技状態に移行すると、大当り報知演出として、例えば特別可変入賞球装置20への遊技球入賞を狙った右打ちを行うことが報知され、大当り遊技状態に移行していることが報知される。また、このときには、第2賞球数カウンタがリセットされ、特定出玉表示82の表示が終了する。なお、特別出玉表示85は、第1賞球数カウンタに基づいて更新表示される(例えば、16R通常大当りの大当り遊技中に獲得された賞球数が加算されて「4540pt」が表示される)。
なお、図70(6)において、第2KT状態に制御されているときに、16R確変大当りに当選すると、図70(7A)に示すように、大当り遊技状態に移行して大当り報知演出が実行され、このときには、第2賞球数カウンタがリセットされ、特定出玉表示82の表示が新たに開始される。これにより、第2KT状態に制御される契機となる1回の大当り(正確には、第2KT状態中の突確大当りは含めない)によって獲得された賞球総数は、複数回の大当りに跨らず、1回の大当り毎に表示されることになる。これにより、第2KT状態に制御される契機となる1回の大当り毎にどれだけ賞球を獲得できたか、つまり、第2KT状態がどれだけの期間継続したか(すなわち、どれだけ長い期間大当りしなかったか)を確認することができる。なお、このときには、特定出玉表示82が示す出玉(獲得賞球数)と、特別出玉表示85が示す出玉は一致しなくなる。
なお、前述したように、第2賞球数カウンタがリセットされ、これまで表示されていた特定出玉表示82の表示が終了するときには、終了表示される特定出玉表示82が履歴表示として別表示されるものとしてもよい。また、履歴表示が示す出玉(スペシャルラッシュ中出玉)を不揮発性メモリに所定期間(例えば1週間)記憶するものとし、記憶されている履歴表示に基づいて、今回の履歴表示が示す出玉のランキングを表示するものとしてもよい。なお、特定出玉表示82(履歴表示)のランキングが高いということは、第2KT状態に制御されている期間が長い(小当りに当選した回数が多い)ということになり、すなわち、長期間大当りに当選しなかったことになる(ただし、報知されない突確大当りに当選したことは除く)。このため、特定出玉表示82(履歴表示)のランキングは、いわゆる「ハマり」ランキングということができる。なお、この履歴表示のランキング(あるいは、履歴表示が示す出玉)は、ホール店員の操作に基づいてリセット可能としてもよい。
一方、図71(1)に示すように、16R通常大当りに当選して第1KT状態に制御されると、演出表示装置9(液晶表示装置)の表示画面には、特定出玉表示82は表示されず、表示画面の左上に特別出玉表示85が継続表示される。
図71(2)に示すように、第1KT状態のときにおいても右打ちを行うことで第2特別図柄の変動表示が実行され、大当りではない場合に所定の確率(70%)で小当りに当選する。しかし、第2KT状態では小当りに当選して小当り遊技状態に制御されることで相応の賞球を獲得可能であるのに対して、第1KT状態では小当りに当選して小当り遊技状態に制御されても賞球を獲得し難い。このため、第1KT状態においては、小当りに当選したとしても、小当りであることを報知しない図柄(例えば、通常のはずれ目と同様の態様の図柄「1」「2」「4」)が停止表示される。なお、第1KT状態のときに小当りに当選して小当り遊技状態に制御されているときには、第2特定表示や第2保留表示の表示を継続する(変化させない)ことで小当り遊技状態であることを分かり難くするものとしてもよい。なお、第1KT状態のときにおいて、大当り(突確大当りを含む)に当選した場合には、大当り図柄が停止表示されることにより、大当りしたことが報知される。
図71(3)に示すように、第1KT状態に制御される100回目の最終変動(はずれ変動)では、変動中に、初当りから現在までに獲得されたトータル出玉を示す特別出玉表示85が表示される。これにより、連荘中に獲得された賞球総数が表示される。なお、このとき、連荘回数が併せて表示されるものとしてもよい。そして、図71(4)に示すように、100回転目の最終変動が終了すると、第2特別図柄の変動表示の結果(例えば、はずれ(または小当り)を示す停止図柄)に対応した背景図柄と小図柄(例えば、「1」「4」「9」)が停止し、第1KT状態(チャンスタイム)の終了に伴って、右打ち表示が終了し(非表示となり)、代わって遊技者に左打ちを促す左打ち報知が実行される。
なお、図70、図71で示したように、本変形例2では、特別出玉表示85はKT状態(第1KT状態および第2KT状態)において表示されるものとしたが、これに限るものではない。例えば、第2KT状態においては、小当り遊技状態に制御されることで相応の賞球を獲得可能である(つまり、特別出玉表示が加算更新される)ため、特別出玉表示85を表示するが、第1KT状態においては、小当り遊技状態に制御されても賞球を獲得し難い(つまり、特別出玉表示が更新されない)ため、原則として特別出玉表示85を表示せず、100回目の最終変動においてのみ例外的に特別出玉表示85を表示するものとしてもよい。あるいは、第1KT状態においては、視認性の低い態様で特別出玉表示85が表示されるものとしてもよい。すなわち、特別出玉表示85は、第2KT状態では常に表示されるのに対して、第1KT状態では100回目の最終変動においてのみ表示され、あるいは、視認性が低い態様で表示されることにより、その表示が制限されるものとしてもよい。なお、前述したように、特定出玉表示82も、第2KT状態では常に表示されるのに対して、第1KT状態ではその表示が制限される。このため、特別出玉表示85と特定出玉表示82とを含めて、遊技者に付与される遊技価値(獲得賞球数)は、第2KT状態では表示されるのに対して、第1KT状態では制限されるものとすることができる。
[賞球加算表示]
次に、図72を参照して、第2KT状態において表示される賞球数加算表示83の表示態様について説明する。なお、図72では、特別出玉表示85の表示は割愛しているが、実際には、図70(3)に示した場合と同様に表示されているものとする。
図72(1)、(2)に示すように、1回の小当り開放期間において特殊入賞口24へ1個目、2個目の遊技球が入賞すると、それぞれの入賞に対応して賞球数加算表示83が通常加算態様(例えば、黒文字の小サイズ)で表示される。また、図72(3)に示すように、1回の小当り開放期間において特殊入賞口24へ3個目以上の遊技球が入賞すると、それぞれの入賞に対応して賞球数加算表示83が特別加算態様(例えば、赤文字の中サイズ)で表示される。なお、図72(1)〜(3)において、賞球数加算表示83が表示される表示位置は、互いに重ならない(あるいは、一部重なるとしても全ては重ならない)位置であるものとしてもよい。すなわち、1回の小当り開放期間において、何個目の特殊入賞口24への入賞であるかに応じて互いに異なる位置に賞球数加算表示83が表示されるものとしてもよい。このようにすると、特殊入賞口24へ短期間(例えば、1秒間)に連続して例えば3個の遊技球が入賞したとしても、それぞれの遊技球が入賞したことが互いに区別可能に表示されるので、1個の遊技球の入賞に応じた賞球数加算表示83の表示時間を長く(例えば5秒に)設定することも可能となり、より強調した賞球数加算表示を実行可能となる。
ところで、第2KT状態は、小当り遊技において相応の賞球を得易い状態であり、この間に獲得された賞球数は特定出玉表示82として表示されるため、遊技者は、小当りに当選したときにできるだけ多くの遊技球の特殊入賞口24への入賞を期待する。その一方で、1回の小当り開放期間においては、特殊入賞口24は短時間(例えば、0.8秒間)しか開放されないため、多くの遊技球が特殊入賞口24へ入賞することは困難である。このため、1回の小当り開放期間において、所定個数(この場合は3個)以上の遊技球が入賞した場合には、この入賞に対応する賞球加算表示83を強調表示する(特別加算態様で表示する)ことで、そのレア感を演出することにしている。なお、本変形例2では、所定個数を3個としたが、これに限るものではなく、1回の小当り開放期間の長さに応じて適宜設定されるものとすればよい。
[小当りコンボ演出]
次に、図73を参照して、第2KT状態において実行される小当りコンボ演出について説明する。ここで、小当りコンボ演出とは、複数回の変動表示に亘って連続して小当りに当選したときに、何回連続して小当りに当選しているかを報知する演出であり、小当りコンボ表示86が表示される演出である。なお、図73では、特別出玉表示85の表示は割愛しているが、実際には、図70(3)に示した場合と同様に表示されているものとする。
図73(1)に示すように、第2KT状態において小当りに当選し、次の変動表示(次変動)においても小当りに当選すると、図73(2)に示すように、演出表示装置9(液晶表示装置)の表示画面の左上に2回連続して小当りに当選していることを報知する小当りコンボ表示86(例えば、「2コンボ中」という文字表示)が表示される。
更に次の変動表示(次々変動)においても小当りに当選すると、図73(3A)に示すように、表示画面の左上に表示されている小当りコンボ表示86が更新表示される(例えば、「3コンボ中」という文字表示に更新表示される)。一方、次々変動において小当りに当選しない場合(通常のハズレの場合)には、小当りコンボ表示86の表示が終了する。
このように、変形例2では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に必ずしも小当りにならないため、連続して小当りが発生するときには、当該事実を報知するための小当りコンボ表示86が表示されることで、遊技の興趣性が向上する。なお、図73に示す小当りコンボ演出は、以下の処理によって実現するものとすればよい。すなわち、図54に示すステップS990の処理において、連続する小当りであるときにはコンボカウンタをカウントアップし、コンボカウンタに応じた小当りコンボ表示86を表示設定するものとし、図53のステップS996の処理が実行された後に、小当りコンボ表示86が表示されている場合には非表示設定し、コンボカウンタをリセットするものとすればよい。なお、前述してきたように、第1KT状態では、小当りが発生しても当該事実を報知しないので、小当りコンボ表示86は表示されない。
なお、小当りコンボ表示86が表示されているときに大当りしたときには、コンボカウンタをリセットして小当りコンボ表示86を非表示とするものとすればよい。
なお、上記した変形例2では、第2KT状態に制御されているときに突確大当り以外の大当りに当選すると第2賞球数カウンタがリセットされることで、特定出玉表示82の更新表示が終了するものとした。すなわち、特定出玉表示82は、第2KT状態に制御される契機となる1回の大当り(正確には、第2KT状態中の突確大当りは含めない)によって獲得された賞球総数を示し、複数回の大当りに跨らず、1回の大当り毎に表示されるものとした。しかし、これに限らず、特定出玉表示82は、複数回の大当りに跨って更新表示されるものとしてもよい。具体的には、特定出玉表示82は、第2KT状態で制御される契機となる大当り(突確大当りまたは16R確変大当り)に当選する限り、継続して更新表示されるものとしてもよい。このようにすると、大当り遊技状態および第2KT状態が継続している間に獲得された賞球数を特定出玉表示82として表示することが可能となる。
また、上記した変形例2では、特定出玉表示82は、第2KT状態において突確大当りに当選した場合に継続表示される(第2賞球数カウンタがリセットされない)ものとしたが、これに限るものではない。具体的には、上記した変形例2において、16R確変大当りは、16R確変大当りAと16R確変大当りBに分類されるものとし、16R確変大当りAに当選した場合には、突確大当りに当選した場合と同様に特定出玉表示82が継続表示される(リセットされない)ものとし、16R確変大当りBに当選した場合には、新たに特定出玉表示82が表示される(一度リセットされる)ものとしてもよい。このように、遊技者に報知されない突確大当りに限らず、遊技者に報知される特定の大当り(16R確変大当りA)のときにも特定出玉表示82が継続表示されるものとしてもよい。このようにすることで、同じ16R確変大当りであっても、どの種類の大当りに当選するかによって、特定出玉表示82の更新態様が異なることになるので、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、上記した変形例2は、所定の割合(60%)で次に大当りするまで高確率状態で制御される遊技機(いわゆるループ機)に適用するものとしたが、いずれの大当りに当選しても所定回数の変動表示が終了する迄の所定期間(ST期間;例えば100回転)において高確率状態で制御される遊技機(いわゆるST機)に適用してもよい。なお、ST機においても、上記した変形例2と同様に、大当り遊技後に第2KT状態に制御される大当りとして、実質的に出玉を獲得することが困難な2R確変大当り(突確大当り)と、出玉を獲得することが可能な大当り(例えば、16R確変大当り)とを少なくとも設けるものとすればよい。このようにすると、このST機において、第2KT状態において突確大当りに当選すると、その時点からST期間が開始されるが、突確大当りに当選したことを報知しないことにより、いつST期間が終了するか分かり難くすることが可能となり、あたかもST期間が延長されたかの如く見せることができる。また、このようにST期間が延長されるほど(つまり、突確大当りに当選するほど)、第2KT状態における小当り遊技によって獲得される賞球数が増えるので、いつ終了するか分からないST期間とともに、更新表示(継続表示)される特定出玉表示によって、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、上記した変形例2では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。例えば、特定出玉表示82として、AT期間中やART期間中に遊技者に払い出されたメダル数を適用するものとし、特別出玉表示85として、AT期間やART期間を含む所定期間において遊技者に払い出されたメダルの総数を適用するものとしてもよい。
また、上記した変形例2では、遊技者に付与された遊技価値として払い出しに係る球数(賞球数)についての表示(特別出玉表示、特定出玉表示)が行われるものとした。しかし、表示される遊技価値は、払出数(賞球数)の表示に限らず、例えば差玉の表示であってもよい。なお、差玉の算出方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。第1の方法としては、打球発射装置の近傍又は遊技球の発射通路中に発射センサを設けて発射された遊技球の数(実発射数)を集計し、合計払出数(賞球数)から実発射数を引くことによって、差玉を算出することができる。第2の方法としては、アウト口と入賞口とのそれぞれの遊技球の通過数を集計してアウト数として算出し、合計払出数(賞球数)からアウト数を引くことによって、差玉を算出することができる。第3の方法としては、アウト口と入賞口とのそれぞれに進入した遊技球が通過する排出通路にアウトセンサを設けてアウトセンサを通過した遊技球の数(アウトセンサ通過数)を集計し、合計払出数(賞球数)からアウトセンサ通過数を引くことによって、差玉を算出することができる。また、本発明をスロット機に適用する場合においても、同様に差玉の表示が行われるものとしてもよく、すなわち、IN(投入メダル数)とOUT(払出メダル数)の差が表示されるものとしてもよい。また、遊技者に付与された遊技価値として、払出数(賞球数)の合計表示と差玉の合計表示とのいずれを表示するかは、遊技者の操作によって切替可能としてもよいし、ホール店員の設定操作によって切替可能としてもよい。
以上に説明したように、この変形例2によれば、識別情報の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、非特別状態(本例では、非KT状態)と、当該非特別状態よりも有利な特別状態(本例では、KT状態)とに制御可能な状態制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2208A,S2211A,S2209B,S2210B,S2213B,S2214Bを実行する部分)と、付与した遊技価値(本例では、賞球数)に関する特定表示(本例では、特定出玉表示82)を表示可能な特定表示手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるステップS976C,S976G,S976K,S976Lを実行する部分)と、を備え、状態制御手段は、特別状態として、第1特別状態(本例では、第1KT状態)と当該第1特別状態よりも有利な第2特別状態(本例では、第2KT状態)とに制御可能であり、特定表示手段は、第2特別状態に制御されているときには特定表示を表示可能であり、第1特別状態に制御されているときには特定表示を制限可能である(本例では、図68参照)、こととした。これにより、特別状態に制御可能な遊技機において、演出を改善することができ、特別状態における遊技の興趣を向上させることができる。
また、この変形例2によれば、遊技媒体が進入容易な進入容易状態(本例では、開状態)と、遊技媒体が進入困難な進入困難状態(本例では、閉状態)とに状態を変化可能な可変始動装置(本例では、可変入賞球装置15)と、可変始動装置の下流側に設けられ、遊技媒体が進入可能な所定可変装置(本例では、特殊可変入賞球装置22)と、非特定開放パターンと、当該非特定開放パターンよりも所定可変装置に遊技媒体が流下し易い特定開放パターンとで、可変始動装置の状態を制御可能な可変始動装置制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS26Cを実行することにより、図15(1),(2)に示すように、可変入賞球装置15を5.5秒または0.2秒開放状態に制御する部分)と、を備え、第1特別状態に制御されているときは、可変始動装置が非特定開放パターンで制御され易い(本例では、図15(1)に示すように、可変入賞球装置15が5.5秒間開放される)ことにより、所定可変装置に遊技媒体が進入困難な状態となり、第2特別状態で制御されているときは、可変始動装置が特定開放パターンで制御され易い(本例では、図15(2)に示すように、可変入賞球装置15が0.2秒間だけ開放される)ことにより、所定可変装置に遊技媒体が進入容易な状態となる、こととした。これにより、可変始動装置の開放パターンによって特別状態の有利度合を変化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この変形例2によれば、第1識別情報(本例では、第1特別図柄)の可変表示および第2識別情報(本例では、第2特別図柄)の可変表示を並行して実行可能な可変表示実行手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS26A,S26Bを実行する部分)と、可変表示の変動パターンを選択する変動パターン選択手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS301,S351を実行する部分)と、遊技者にとって有利であり有利状態とは異なる特殊状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS358〜S360を実行する部分)と、を備え、第2識別情報の可変表示に基づいて特殊状態に制御される割合は、第1識別情報の可変表示に基づいて特殊状態に制御される割合よりも高く(本例では、図65(c),(d)参照)、変動パターン選択手段は、特別状態で制御されているときには、非特別状態で制御されているときよりも、第2識別情報の可変表示の変動パターンとして、特定の変動パターンの変動時間(本例では、図13に示す第2変動パターン♯01の15分)よりも短い変動時間の変動パターン(本例では、図13に示す変動時間が7秒の第2変動パターン♯03)を選択し易い、こととした。これにより、第2識別情報の可変表示の変動パターンの選択割合を変化させることによって、特別状態と非特別状態とで有利度合を変化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この変形例2によれば、遊技者にとって有利であり有利状態とは異なる特殊状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS358〜S360を実行する部分)と、特殊状態に制御されているときに遊技媒体が進入可能な所定可変装置(本例では、特殊可変入賞球装置22)と、第2特別状態に制御されている場合に特殊状態に制御されるときに所定可変装置に遊技媒体が進入する毎に、特別演出(本例では、賞球加算表示83)を実行可能な特別演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるステップS657B,S657Cを実行する部分)と、を備え、特定表示手段は、特別演出の実行に対応して、特定表示の表示内容を変更する変更演出(本例では、特定出玉表示82の表示内容を更新すること)を実行可能である、こととした。これにより、特殊状態での所定可変装置への遊技媒体の進入を強調することができ、第2特別状態における遊技の興趣を向上させることができる。
また、この変形例2によれば、遊技者にとって有利であり有利状態とは異なる特殊状態(本例では、小当り遊技状態)に制御可能な特殊状態制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS358〜S360を実行する部分)と、第2特別状態に制御されている場合において、連続する識別情報の可変表示に基づいて連続して特殊状態に制御されるときに、特殊演出(本例では、小当りコンボ表示86)を実行可能な特殊演出実行手段と、を備える、こととした。これにより、特殊状態が連続して発生したことを強調することができ、第2特別状態における遊技の興趣を向上させることができる。
また、この変形例2によれば、特定表示手段は、特定表示(本例では、特定出玉表示82)とは異なる表示であって、有利状態と特別状態とを含む所定期間に対応して付与された遊技価値(本例では、賞球数)に関する特別表示(本例では、特別出玉表示85)を表示可能であり、特別状態に制御されているときに、特定表示と特別表示とを区別して表示可能である(本例では、図70(2)と図71(3)参照)、こととした。これにより、所定期間に対応して付与された遊技価値(本例では、賞球数)を遊技者が把握することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この変形例2によれば、有利状態に制御されることに関する有利報知(本例では、大当り報知演出)を実行可能な有利報知実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ200におけるステップS976D,S976Mを実行する部分)を備え、有利状態には、第1有利状態(本例では、16R確変大当り)と、当該第1有利状態よりも有利度合が低い第2有利状態(本例では、突確大当り)とが含まれ、第1有利状態に制御されると、当該第1有利状態の終了後に第2特別状態に制御され、第2有利状態に制御されると、当該第2有利状態の終了後に第2特別状態に制御され、有利報知実行手段は、第2特別状態に制御されているときにおいて、第1有利状態に制御されることに関する有利報知を実行し(本例では、16R確変大当りに基づく大当り報知演出を実行し)、第2特別状態に制御されているときにおいて、第2有利状態に制御されることに関する有利報知の実行を制限する(本例では、突確大当りに基づく大当り報知演出を実行しない)、こととした。これにより、有利状態の種類に応じて有利報知の実行・制限が変化するため、第2特別状態における遊技の興趣を向上させることができる。
また、この変形例2によれば、有利状態に制御されることを特定可能な有利状態信号(本例では、大当り信号1、大当り信号2)を外部出力可能な信号出力手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS2015Xおよび第2特別図柄停止処理でステップS2015Xと同様の処理を実行する部分)を備え、信号出力手段は、第2特別状態に制御されている場合に第1有利状態に制御されるときには有利状態信号を外部出力し、第2特別状態に制御されている場合に第2有利状態に制御されるときには有利状態信号を外部出力しない、こととした。これにより、有利報知の内容に整合した有利状態信号を外部出力することができるため、外部出力の内容によって遊技の興趣を低減させることがない。
また、この変形例2によれば、有利状態には、有利度合が異なる特定有利状態(本例では、16R通常大当り)と特別有利状態(本例では、突確大当り)とが含まれ、特定表示手段は、特別状態に制御されているときに、当該特別状態に対応して付与された遊技価値(本例では、賞球数)に関する特定表示(例えば、特定出玉表示82)を表示し、特別状態に制御されている場合に特定有利状態に制御されるときには特定表示を終了し、特別状態に制御されている場合に特別有利状態に制御されるときには特定表示を継続する(本例では図70(4)〜(7)参照)、こととした。これにより、有利状態の種類に応じて特定表示の継続・終了が変化するため、特別状態における遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態や変形例1、2では、低確率/第1KT状態が所定回数(本例では、100回)の変動表示を実行したことにもとづいて終了するように構成する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、第2KT状態(本例では、高確率/第2KT状態)も所定回数(例えば、100回)の変動表示を実行したことにもとづいて終了するように構成してもよい。また、例えば、所定回数の変動表示を実行したことにもとづいて第1KT状態から第2KT状態に移行するように構成してもよく、逆に所定回数の変動表示を実行したことにもとづいて第2KT状態から第1KT状態に移行するように構成してもよい。
また、この実施の形態や変形例1、2では、大当りについてのみ複数の大当り種別を設けるように構成する場合を示したが、小当りについても複数の小当り種別を設けるように構成してもよい。この場合、例えば、小当り種別に応じて特殊可変入賞球装置22などの開放時間が異なるように構成したり、小当り種別に応じて開放対象の可変入賞球装置が異なるように構成したりすることによって、小当り種別によって有利度が異なるように構成してもよい。開放対象の可変入賞球装置が異なるように構成する場合、例えば、小当り種別に応じて特別可変入賞球装置20が開放する場合と特殊可変入賞球装置22が開放する場合とがあるように構成してもよいし、小当り用の特殊可変入賞球装置を複数設けるように構成し、小当り種別に応じていずれの特殊可変入賞球装置が開放するかが異なるように構成してもよい。
また、この実施の形態や変形例1、2では、主として16R確変大当りの場合に第2KT状態(高確率/第2KT状態)に移行し、6R確変大当りや2R確変大当りの場合に高確率/第1KT状態に移行し、6R通常大当りや2R通常大当りの場合に低確率/第1KT状態に移行する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、同じ大当り種別であっても、第1KT状態に移行する場合と第2KT状態に移行する場合との両方があるように構成してもよい。この場合、例えば、同じ6R確変大当りや6R通常大当りであっても、第1KT状態に移行する場合と第2KT状態に移行する場合との両方があるように構成してもよい。
なお、この実施の形態や変形例1、2では、内部的にはKT状態に制御するように構成されているのであるが、第1KT状態に制御されている場合には、小当りが発生しやすくなるものの滅多に特殊入賞口24への入賞は発生せず、遊技者から見ると実質的にいわゆる高ベース状態に制御されているのと同様に見える。そのため、いわゆる高ベース状態に制御する遊技機と同様の遊技性を実現でき、遊技者に違和感を与えないようにすることができるとともに、有利度が異なる複数種類のKT状態を実現することができ、遊技興趣を向上させることができる。
また、上記の実施の形態や変形例1、2において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態や変形例1、2では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や背景図柄(演出図柄)、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の実施の形態や変形例1、2では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態や変形例1、2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ200に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ200に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ200は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態や変形例1、2では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態や変形例1、2では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の実施の形態や変形例1、2では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。