JP2019056886A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成でレーザー光のスキューを調整できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、感光体ドラムにレーザー光を照射する露光装置を備え、前記感光体ドラムの回転軸39が挿入される、鉛直方向に沿った側縁を有する溝57と、前記溝57に挿入された前記回転軸39に斜め下方から当接して該回転軸39を前記側縁に押し当てる外周縁を有する調整部材65と、前記調整部材65を回転させるダイヤル67と、前記ダイヤル67の回転を規制するロック機構と、を有する。前記外周縁は、半径が異なる複数の円弧を有する。前記ダイヤル67を回転して前記調整部材65を回転させると、前記複数の円弧のいずれかと前記回転軸39との当接位置において前記ダイヤル67の回転が前記ロック機構によって規制されると共に前記回転軸39が前記側縁に押し当てられる位置が鉛直方向に移動する。
【選択図】図5

Description

本発明は、静電潜像が形成される感光体ドラムを備える画像形成装置に関する。
電子写真式の画像形成装置では、露光装置の光学素子から出力されるレーザー光によって感光体ドラムが露光されて、感光体ドラムに静電潜像が形成される。この際、レーザー光と感光体ドラムとが僅かに位置ずれしていると、感光体ドラム上の画像にスキュー(ゆがみ)が発生し、色ずれが生じる。一般的に、光学素子と感光体ドラムとの間には複数の部品が介在するため、両者を精度よく位置決めすることは困難である。
特許文献1には、感光体ドラムの回転軸に対して傾きを持つように配置された露光装置を備え、トナー像の傾きが露光装置の傾きと同一となるように、感光体ドラムの周速を微調整する画像形成装置が開示されている。また、特許文献2には、ミラーをステッピングモーターで微調整する露光装置を備える画像形成装置が開示されている。
特開平8−146317号公報 特開2000−98685号公報
しかしながら上記特許文献1や特許文献2に記載されている露光装置のように、露光装置内の部品を微調整する構成を有する場合、構成や制御が複雑化したり露光装置が大型化したりするという問題がある。
本発明は上記事情を考慮して、簡易な構成でレーザー光のスキューを調整できる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、感光体ドラムにレーザー光を照射して静電潜像を形成する露光装置を備える画像形成装置であって、前記感光体ドラムの回転軸が挿入される、鉛直方向に沿った側縁を有する溝と、前記溝に挿入された前記回転軸に斜め下方から当接して該回転軸を前記側縁に押し当てて該側縁と共に前記回転軸を支持する円弧状の外周縁を有する、回転可能な調整部材と、前記調整部材と係合して該調整部材を回転させるダイヤルと、前記ダイヤルの回転を規制するロック機構と、を有し、前記外周縁は、前記調整部材の回転方向に沿って配置された、前記調整部材の回転中心からの半径が異なる複数の円弧を有し、前記ダイヤルを回転して前記調整部材を回転させると、前記複数の円弧のいずれかと前記回転軸との当接位置において前記ダイヤルの回転が前記ロック機構によって規制されると共に、前記回転軸が前記側縁に押し当てられる位置が鉛直方向に移動することを特徴とする。
本発明の画像形成装置において、前記ロック機構は、前記ダイヤルの回転中心に対して等中心角で配置された複数の係合部と、前記ダイヤルの回転軸方向において、前記複数の係合部のいずれかと係合する被係合部と、前記回転軸方向に前記係合部を付勢した前記被係合部に係合させるバネと、を有し、前記複数の係合部のいずれかを前記被係合部に係合させると、前記複数の円弧のいずれかと前記回転軸との当接位置において前記ダイヤルの回転が規制されると共に前記ダイヤルの回転にクリック感が付与されることを特徴としても良い。
本発明の画像形成装置において、前記複数の円弧は同じ中心角度を有し、前記ダイヤルと前記調整部材とは、互いに係合するギア部をそれぞれ有し、前記ダイヤルのギア部の歯数をZ1、前記調整部材のギア部の歯数をZ2、隣接する前記係合部間の中心角度をθ、前記複数の円弧のそれぞれの中心角度をγ、としたとき、γ=θ×Z2/Z1の関係が成立することを特徴としても良い。
本発明の画像形成装置において、前記溝の近傍に形成された開口を有し、前記ダイヤルは、前記開口から操作可能であることを特徴としても良い。
本発明によれば、ダイヤルによって調整部材を回転させることで、感光体ドラムの回転軸を鉛直方向に移動させることができる。したがって、簡易な構成によって感光体ドラムを鉛直方向に移動させることができるので、レーザー光の書き込み位置を細かく調整することができる。
本発明の一実施形態に係るカラープリンターの内部構造を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、ドラムユニットが装着された作像フレームを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、ドラムユニットを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、右側板の装着区画を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、右側板を外した状態での調整板とダイヤルギアとを示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、右側板を外した状態での第1軸、第2軸及び凸部を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、右側板の装着区画を斜め前方から見た斜視図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、調整板とダイヤルギアとを示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、調整板を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、ダイヤルギアを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、ダイヤルギアを示す裏面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、ダイヤルギアの断面図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、回転軸の移動を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るカラープリンターにおいて、レーザー光のスキューの調整方法を模式的に説明する図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に画像形成装置について説明する。
まず、図1を参照して、画像形成装置としてのカラープリンター1の全体の構成について説明する。図1はカラープリンターの内部構成を模式的に示す正面図である。以下の説明において、図1の紙面左側をカラープリンター1の前側(正面側)とし、左右方向は、カラープリンター1を前側から見た方向を基準とする。各図に示されるFr、Rr、L、Rは、それぞれカラープリンター1の前側、後側、左側、右側を示す。
カラープリンター1の装置本体2には、用紙Pが収容される給紙カセット3と、給紙カセット3から用紙Pを給紙する給紙装置5と、フルカラーのトナー像を用紙Pに形成する画像形成部7と、トナー像を用紙に定着する定着装置9と、トナー像が定着された用紙Pを排紙トレイ11に排出する排紙装置13と、が備えられている。用紙Pは、給紙装置5によって給紙カセット3から送り出され、画像形成部7においてフルカラーのトナー像が転写された後、定着装置9においてトナー像が定着され、排紙装置13から排紙トレイ11に排紙される。
画像形成部7は、作像ユニット17と、作像ユニット17の下方に配置される露光装置19と、作像ユニット17の上方に配置される4つのトナーコンテナ21と、を備えている。4つのトナーコンテナ21には、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー(現像剤)がそれぞれ収容されている。
次に、図1と図2を参照して作像ユニット17について説明する。図2は、ドラムユニットと現像ユニットとが装着された作像フレームを示す斜視図である。
作像ユニット17は、4つのドラムユニット23と、4つの現像ユニット25と、中間転写ユニット27と、ドラムユニット23と現像ユニット25とが支持される作像フレーム29(図2参照)と、を備えている。4つのドラムユニット23と4つの現像ユニット25とは、トナーの各色に対応している。
次に、図3を参照してドラムユニット23について説明する。図3はドラムユニットの斜視図である。
静電潜像が形成される感光体ドラム31を含むユニットとしてのドラムユニット23には、感光体ドラム31を帯電する帯電装置33と、感光体ドラム31の表面に残留したトナーを除去するクリーニング装置35と、が一体に設けられている。感光体ドラム31の両端の開口部にはそれぞれフランジ部材37が固定されている。両フランジ部材37間には、回転軸39が貫通している。回転軸39の両端部には、それぞれ押圧レバー41が挿通されている。押圧レバー41と回転軸39との間には、回転軸39を下方に付勢する付勢部材としてのバネ43が介装されている。
帯電装置33とクリーニング装置35とは、感光体ドラム31の外周面に沿って、感光体ドラム31の回転方向に沿って順に配置されている。
再度図1を参照して、現像ユニット25は、感光体ドラム31に形成された静電潜像をトナーで現像する現像装置を備えている。
中間転写ユニット27は、無端状の中間転写ベルト47と、中間転写ベルト47の中空部に配置される4本の一次転写ローラー49と、を備えている。また、装置本体2には、中間転写ユニット27の後方に、中間転写ベルト47に対向する二次転写ローラー48が設けられている。
図2を参照して作像フレーム29について説明する。作像フレーム29は、前後方向に対向する前側板29a及び後側板29bと、左右方向に対向する左側板29c及び右側板29dと、を有する四角筒状の枠部材である。左側板29cと右側板29dとには、ドラムユニット23と現像ユニット25とが装着される4つの装着区画Sが、前後方向に並列して形成されている。4つの装着区画Sは、作像フレーム29の前方から後方に向かって、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、の順序で配置されている。
左側板29cの各装着区画Sには、フランジ受け溝51が形成されている。フランジ受け溝51は、左側板29cの上縁から下方に切り欠かれている。
図4〜図8を参照して、右側板29dの各装着区画Sについて説明する。この例では、イエローのトナーに対応するドラムユニット23及び現像ユニット25の装着区画S(最も前方の装着区画)について説明する。図4は右側板の装着区画を示す正面図、図5は右側板を外した状態での調整板とダイヤルギアとを示す正面図、図6は右側板を外した状態での第1軸、第2軸及び凸部を示す正面図、図7は装着区画を斜め前方から見た斜視図、図8は調整板とダイヤルギアとを示す断面図である。
図4や図7に示されるように、右側板29dの各装着区画Sには、外側から内側に凹んだ凹部55が形成されている。凹部55には、右側板29dの上縁から切り欠かれた溝57が形成されている。この溝57には、ドラムユニット23が装着区画Sに装着された際に、感光体ドラム31の回転軸39が挿入される。溝57は、鉛直方向に沿った一対の側縁57aと、下に凸に円弧状に湾曲する底縁57bと、を有している。溝57の幅は、回転軸39の径よりもやや広い。右側板29dの上縁と溝57の一対の側縁57aとの間の角は、円弧状に面取りされている。
さらに、各装着区画Sには、溝57の下方と斜め前下方とに、それぞれ下開口59と横開口61とが形成されている。装着区画Sにドラムユニット23と現像ユニット25とが装着されると、下開口59からドラムユニット23に含まれる帯電装置33が露出し、横開口61から現像ユニット25の現像装置が露出するようになっている。両開口59、61は、凹部55と連通している。また、凹部55には、溝57と横開口61との間に、第1孔55aと第2孔55bとが形成されている。
図5や図8に示されるように、溝57と横開口61との間において、右側板29dの凹部55の内側には、調整部材としての調整板65と、ダイヤルとしてのダイヤルギア67と、が設けられている。
図5や図6、図8に示されるように、調整板65は、右側板29dの内側に設けられる第1内板29eと右側板29dとの間に回転可能に支持され、ダイヤルギア67は、右側板29dの内側に設けられる第2内板29fと右側板29dとの間に回転可能に支持されている。第1内板29eには、右方向に水平に延びる第1軸29gが設けられている。第1軸29gは、右側板29dの第1孔55aに挿通されている。第2内板29fには、右方向に水平に延びる第2軸29hが設けられている。第2軸29hは、右側板29dの第2孔55bに挿通されている。さらに、図6及び図8に示されるように、第2内板29fには、第2軸29hから後方に水平に延びる凸部29iが被係合部として形成されている。
次に、調整板65について、図9を参照して説明する。図9は調整板の正面図である。
調整板65は、円板状の部材であり、円筒状の軸孔部71と、軸孔部71を中心として一方の側(後側)に設けられた略半円状の調整部73と、軸孔部71を中心として他方の側(前側)に設けられた略半円状のギア部75と、を有している。調整部73の外周縁には、円周方向に沿って順に第1円弧77、第2円弧78、第3円弧79と、が形成されている。第1円弧77、第2円弧78、第3円弧79は、軸孔部71の中心からの半径が異なり、この順に半径が徐々に大きくなっている。一例として、隣接する円弧間の半径の差は0.1mmである。隣接する円弧は、径方向に沿った段部80で接続している。ギア部75には、円周方向に沿ってギア歯81が所定の間隔で形成されている。さらに、ギア部75には、ギア歯81の内側に沿って円弧状のリブ83が形成されている。リブ83の先端は、断面半円状に形成されている。
調整板65は、軸孔部71と調整部73とが一体に形成された部品Aと、ギア部75と軸孔85とが形成された部品Bとを、軸孔部71と軸孔85を同軸上となるように重ね合せて結合することで形成されている。部品Aは板金材料で形成され、部品Bは樹脂で形成されている。なお、調整板65の構成はこの構成に限らない。
図5や図8に示されるように、調整板65は、リブ83が右側板29dに面する姿勢で、第1内板29eの第1軸29gに支持されている。詳細には、調整板65の軸孔部71に第1軸29gが挿通され、軸孔部71が第1孔55aを貫通している。これにより、調整板65は、第1軸29gを中心として回転可能、且つ、軸方向へ移動不能に支持される。調整板65の回転時、リブ83の先端面が右側板29dの内面に対して摺動する。また、図5に示されるように、調整部73の外周縁の一部は、溝57の下端部内に、前方斜め下方から露出している。
次に、ダイヤルギア67について、図10と、図11A及び図11Bを参照して説明する。図10はダイヤルギアの斜視図、図11Aはダイヤルギアの裏面図、図11Bはダイヤルギアの断面図である。
ダイヤルギア67、円板状の部材であり、軸孔部91と、軸孔部91と同軸上に設けられるギア部93及びラック部95と、を有している。ラック部95の外径は、ギア部93の外径よりも大きい。ギア部93には、調整板65のギア部75のギア歯81と噛み合い可能なギア歯97が、外周縁に沿って形成されている。ラック部95には、ラック歯99が、外周縁に沿って所定の間隔で形成されている。
ダイヤルギア67の一方の面(ギア部93側の面)には、軸孔部91の周囲に、円環状の溝101が形成されている。図11A、図11Bに示されるように、ダイヤルギア67の他方の面(ラック部95側の面)には、軸孔部91の周囲に、円環状のリブ103が形成されている。リブ103には、係合部としての複数個(例えば5個)の凹部105が、円周方向に沿って等しい中心角度で形成されている。各凹部105の両側面は、円周方向の外方向に傾斜している。
図5や図8に示されるように、ダイヤルギア67は、ギア部93が右側板29dの内面に対向する姿勢で、軸孔部91が、第2内板29fの第2軸29hに挿通されている。図8に示されるように、ダイヤルギア67の溝101と右側板29dとの間には、バネ111が介装されている。バネ111は、ダイヤルギア67を、該ダイヤルギア67の軸方向に沿って第2内板29fの方向に付勢している。これにより、リブ103に形成された複数の凹部105(図11A、図11B参照)の一つが第2内板29fの凸部29iに係合して、ダイヤルギア67の回転が規制されている。ギア部93のギア歯97は、調整板65のギア部75のギア歯81と噛み合って、調整板65とダイヤルギア67とが係合している。さらに、図7に示されるように、ラック部95のラック歯99は、斜め前方から見た時に右側板29dの横開口61から覗いている。
ダイヤルギア67を一方向に回転させると、調整板65はダイヤルギア67とは反対方向に回転する。これにより、調整板65の調整部73の外周縁が、溝57の下端部内に露出する位置が変化する。つまり、ダイヤルギア67を回転させることで、調整板65の第1円弧77、第2円弧78、第3円弧79のいずれかを、溝57の下端部内に露出させることができる。
また、ダイヤルギア67は、調整板65の円弧のいずれかが溝57の下端部内に露出する位置において、右側板29dに対する回転が規制されるようになっている。詳細には、ダイヤルギア67を回転させると、凸部29iと係合した凹部105の一方の傾斜側面が凸部29iに当接し、傾斜側面が凸部29iから離れる方向に案内され、バネ111の付勢力に抗してリブ103が凸部29iに乗り上げる。さらにダイヤルギア67を回転させると、やがて、ダイヤルギア67がバネ111で凸部29iの方向に付勢されて、次の凹部105が凸部29iに係合する。この際、ダイヤルギア67の回転にクリック感が付与される。このように、右側板29dの凸部29iと、ダイヤルギア67の凹部105と、バネ111とは、調整板65の円弧のいずれかが溝57の下端部内に露出する位置での、ダイヤルギア67の右側板29dに対する回転を規制するロック機構115を構成している。つまり、複数の凹部105は、等中心角で配置された複数の係合部の一例であり、凸部29iは、ダイヤルギア67の回転軸方向において、複数の係合部のいずれかと係合する被係合部の一例であり、バネ111は係合部を被係合部に係合する方向に付勢するバネの一例である。
ここで、ダイヤルギア67の凹部105間の角度をθ(図11A参照)、ダイヤルギア67のギア部93の歯数をZ1、調整板65のギア部75の歯数をZ2とする。いずれかの凹部105が凸部29iに係合するまでダイヤルギア67を回転した際に、いずれかの円弧を溝57の下端部内に露出させて回転軸39に当接させるためには、調整板65の第1円弧77、第2円弧78、第3円弧79の、それぞれの中心間の角度をγ(図9参照)とすると、
γ=θ×Z2/Z1
の関係を満足するように、θ、Z1、Z2が決定される。
これにより、いずれかの円弧の中心を回転軸39に当接させた状態を初期状態から、ダイヤルギア67をクリック感が得られるまで回転させると、調整板65の回転方向において該円弧に隣接する円弧の中心が回転軸39に当接することになる。
上記説明した装着区画Sにドラムユニット23が装着されると、図2に示されるように、感光体ドラム31の左側のフランジ部材37は、左側板29cのフランジ受け溝51に挿入される。また、図4に示されるように、感光体ドラム31の回転軸39の右端は、右側板29dの溝57に挿入される。前述のように、溝57の下端部内には、調整板65の調整部73の外周縁(例えば、第1円弧77)が斜め下方から露出している。回転軸39が溝57に挿入されると、外周縁が回転軸39に斜め左下方から当接して、回転軸39を溝57の後側の側縁57aに押し当てる。一例として、調整板65の外周縁と回転軸39との当接位置は、回転軸39の中心を通る垂線に対して45度の位置である。これにより、回転軸39は、調整板65の調整部73の外周縁と溝57の側縁57aとによって位置決めされている。
さらに、各押圧レバー41が右側板29dと係合して、バネ43が押圧レバー41に対して回転軸39を下方に押圧する。このように、回転軸39は、バネ43によって、調整板65の調整部73の外周縁と溝57の側縁57aとに押圧される。
再度図1を参照して、露光装置19は、作像ユニット17の下方に配置されている。露光装置19は、各ドラムユニット23の感光体ドラム31に向かってレーザー光を照射する。レーザー光は、感光体ドラム31の表面の接線方向に対する入射角がゼロであり、該接線方向に垂直な法線方向に対して約10度傾いた方向から入射する。
この画像形成部7においては、感光体ドラム31が帯電装置33で帯電された後、露光装置19によって画像データに対応する露光が行われて、感光体ドラム31に静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置によってトナー像に現像される。トナー像は、中間転写ユニット27の一次転写ローラー49によって、感光体ドラム31から中間転写ベルト47に転写される。4つのドラムユニット23と4つの現像ユニット25とで現像されたトナー像が中間転写ベルト47に転写されることで、中間転写ベルト47にフルカラーのトナー像が形成される。フルカラーのトナー像は、二次転写ローラー48によって中間転写ベルト47から用紙Pに転写される。また、感光体ドラム31に残留したトナーは、クリーニング装置35で除去される。フルカラーのトナー像が転写された用紙は定着装置9に搬送されて定着され、排紙装置13から排紙トレイ11に排出される。
上記構成を有する作像ユニット17において、感光体ドラム31の回転軸39を鉛直方向に移動させる手順について、図7及び図8と、図12を参照して説明する。図12は溝内の回転軸を示す図である(バネ43は図示省略されている)。
図12の実線に示されるように、回転軸39は、調整板65の調整部73の外周縁(この例では第1円弧77)と右側板29dの溝57の側縁57aとによって鉛直方向に位置決めされている。回転軸39が側縁57aに押し当てられている位置をP1とする。回転軸39を上方に移動させる場合は、図7や図8に示されるように、横開口61から指を入れて、ダイヤルギア67のラック部95のラック歯99に指を掛け、ダイヤルギア67を図5の時計回り方向に回転させる。ダイヤルギア67をクリック感が得られるまで回転させると、調整板65の調整部73の第2円弧78が溝57の下端部内に露出して、図12の鎖線に示されるように、第2円弧78が回転軸39に当接する。第2円弧78は第1円弧77よりも半径が大きいので、回転軸39との当接位置が上方へ移動して、回転軸39を調整板65の半径方向の外方向に押し出す。回転軸39は側縁57aに押し当てられて半径方向の外方向への移動は規制されているので、側縁57aに沿って鉛直方向を上方に移動する。この際の回転軸39が側縁57aに押し当てられている位置をP2とする。一例として、P1からP2への移動距離は0.28mmである。
さらに回転軸39を上方に移動させる場合は、ダイヤルギア67をクリック感が得られるまでさらに図5の時計回り方向に回転させる。すると、調整板65の調整部73の第3円弧79が溝57の下端部内に露出して、図12の二点鎖線に示されるように、第3円弧79が回転軸39に当接する。第3円弧79は第2円弧78よりも半径が大きいので、回転軸39との当接位置がさらに上方へ移動して、回転軸39を側縁57aに沿って鉛直方向を上方に移動させる。この際の回転軸39が側縁57aに押し当てられている位置をP3とする。一例として、P2からP3への移動距離も0.28mmである。
回転軸39を下方に移動させる場合は、ダイヤルギア67を図5の反時計回り方向に回転させる。ダイヤルギア67をクリック感が得られるまで回転させると、調整板65の調整部73の第2円弧78が溝57の下端部内に露出して、第2円弧78が回転軸39に当接する。第2円弧78は第3円弧79よりも半径が小さいので、回転軸39との当接位置が下方へ移動し、側縁57aに沿って鉛直方向を下方に移動する。
このように、ダイヤルギア67を操作して調整板65を回転させることで、調整板65の外周縁と回転軸39との当接位置が変化する。そして、当接位置における外周縁の半径に応じて回転軸39が側縁57aへ押し当てられる位置が鉛直方向に移動するので、感光体ドラム31を鉛直方向に移動させることができる。一例として、0.28mm刻みで感光体ドラム31を移動させることができる。
次に、図13を参照して、露光装置19のレーザー光のスキューの調整について説明する。図13は感光体ドラムの移動方向とスキューとの関係を説明する図である。
一般に、レーザー光のスキューの調整は、レーザー光を感光体ドラム31の周方向に変位させることで行われる。言い換えると、図12の左端の図に示されるように、感光体ドラム31を、感光体ドラム31の表面の法線方向(Y方向)と直交する方向(X方向)に変位させる。ここで、Y方向に移動させた場合と、X方向に移動させた場合との、レーザー光による書き込み位置のずれについて説明する。レーザー光の入射方向の法線方向に対する入射角度をφとする。
図13の真ん中の図に示されるように、感光体ドラム31をY方向に距離Dだけ移動させた場合の、レーザー光の書き込み位置のズレをαとする。αは、入射角度φがゼロに近いほど小さくなる。一方、図13の右端の図に示されるように、感光体ドラム31をX方向に同じ距離Dだけ移動させた場合の、レーザー光の書き込み位置のズレをβとする。図13に示されるように、βはαよりも大きい。
このように、書き込み位置のズレ量は、感光体ドラム31、すなわち、回転軸39をX方向へ移動させる方が、Y方向へ移動させるよりも高い感度を持つ。言い換えると、回転軸39の移動量に対する書き込み位置のズレ量の割合(調整感度)は、Y方向の方がX方向よりも低い。一般に、調整作業においては、調整感度が低い方が、細かい調整が容易である。調整感度が高い場合は調整作業に高い精度が必要となり、製造工程において不利となる。したがって、この場合、回転軸39をY方向へ移動させる場合の方が、回転軸39をX方向へ移動させる場合よりも調整感度は低くなるので、調整が容易となる。
なお、入射角φが45度の場合、回転軸39をX方向へ変位させた場合とY方向へ変位させた場合とでは書き込み位置のズレ量が同じとなる。また、0度の場合は、回転軸をY方向へ変位させても書き込み位置がずれない。したがって、入射光の入射角度は0度よりも大きく、且つ、45度以下とする。
上記説明したように本発明のカラープリンター1によれば、ダイヤルギア67によって調整板65を回転させることで、感光体ドラム31の回転軸39を鉛直方向に移動させることができる。したがって、簡易な構成で容易に感光体ドラム31の回転軸39を鉛直方向に移動させることができる。そして、回転軸39を鉛直方向に移動させることで、感光体ドラム31の軸方向に対するレーザー光のスキューに合わせて書き込み位置を調整する調整作業の調整感度を低くすることができる。したがって、感光体ドラム31の軸方向に対するレーザー光のスキューに合わせて書き込み位置を細かく調整することができる。
さらに、ダイヤルギア67をクリック感が得られるまで回転させると、ロック機構115によって、調整板65の円弧77、78、79のいずれかの中心が回転軸39に当接する位置で、ダイヤルギア67の右側板29dに対する回転が規制されるようになっている。クリック感が得られるまでダイヤルギア67を回転させた際の回転軸39の移動距離(上記実施形態では0.28mm)が予めわかっていれば、ダイヤルギア67をどれだけ回転させれば良いかの目安となる。したがって、スキュー補正時の調整作業を容易にできる。
さらに、クリック感が得られるまでダイヤルギア67を回転させた後は、ダイヤルギア67はバネ111で付勢されて凹部105が凸部29iに係合するので、ダイヤルギア67の不用意な回転を抑制できる。したがって、調整板65の位置ずれを抑制でき、回転軸39を高い精度で位置決めできる。
なお、万が一調整板65が少し変位しても、回転軸は同じ円弧内に押し当てられるので、鉛直方向における回転軸39の位置は変化しない。したがって、感光体ドラム31の位置の変動を抑制できる。なお、円弧の数は3つに限らず、2つ、あるいは、4つ以上としても良い。
さらに、溝57内において、回転軸39はバネ43で下方に付勢されているので、溝57内での回転軸39の移動を防止できる。
さらに、ダイヤルギア67は、右側板29dの横開口61から視認でき、横開口61から指を入れて回転させることができるので、作業性が良い。
また、調整板65とダイヤルギア67とは、イエローのトナーに対応するドラムユニット23が装着される装着区画Sに設けられている。つまり、ブラックのトナーに対応するドラムユニット23から最も離れた位置に装着されるドラムユニット23の装着区画Sに、調整板65とダイヤルギア67とを設けることで、効率的に色ずれを修正することができる。ただし、全ての装着区画Sに設けることもできる。また、本実施形態では、回転軸39の右端部を調整板65で調整できるようにしたが、回転軸39の左端部を調整板65で調整するようにしても良い。あるいは、両端部を調整板65で調整できるようにしても良い。
さらに、入射角度φが0度よりも大きく、45度以下の範囲で、調整板65を用いて回転軸39の鉛直方向への調整が可能であるので、入射角度φを比較的広い範囲内で設定できる。したがって、露光装置19の配置や作像ユニット17の配置に裕度が得られる。
また、ダイヤルギア67に目盛り等を記しておけば、調整作業をより容易に行うことができる。
また、ロック機構115において、ダイヤルギア67に複数の凹部105を形成し、第2内板29fに、凹部105と係合する凸部29iを形成したが、凹部を第2内板29fに形成して、凸部をダイヤルギア67に形成してもよい。さらに、凹部又は凸部を、右側板29dに形成して、ダイヤルギア67をバネ111によって右側板29dの方向に付勢してもよい。
なお、上記した本発明の実施形態の説明は、本発明に係る画像形成装置における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、この態様に限定されるものではない。さらに、上記した本発明の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、且つ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
1 カラープリンター(画像形成装置)
19 露光装置
23 ドラムユニット(ユニット)
29 作像フレーム(フレーム)
29i 凸部(被係合部)
31 感光体ドラム
39 回転軸
43 バネ(付勢部材)
57 溝
57a 側縁
61 横開口(開口)
65 調整板(調整部材)
67 ダイヤルギア(ダイヤル)
75 ギア部
77、78、79 円弧
95 ギア部
105 凹部(係合部)
111 バネ
115 ロック機構

Claims (4)

  1. 感光体ドラムにレーザー光を照射して静電潜像を形成する露光装置を備える画像形成装置であって、
    前記感光体ドラムの回転軸が挿入される、鉛直方向に沿った側縁を有する溝と、
    前記溝に挿入された前記回転軸に斜め下方から当接して該回転軸を前記側縁に押し当てて該側縁と共に前記回転軸を支持する円弧状の外周縁を有する、回転可能な調整部材と、
    前記調整部材と係合して該調整部材を回転させるダイヤルと、
    前記ダイヤルの回転を規制するロック機構と、
    を有し、
    前記外周縁は、前記調整部材の回転方向に沿って配置された、前記調整部材の回転中心からの半径が異なる複数の円弧を有し、前記ダイヤルを回転して前記調整部材を回転させると、前記複数の円弧のいずれかと前記回転軸との当接位置において前記ダイヤルの回転が前記ロック機構によって規制されると共に、前記回転軸が前記側縁に押し当てられる位置が鉛直方向に移動することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記ロック機構は、
    前記ダイヤルの回転中心に対して等中心角で配置された複数の係合部と、
    前記ダイヤルの回転軸方向において、前記複数の係合部のいずれかと係合する被係合部と、
    前記回転軸方向に前記係合部を付勢して前記被係合部に係合させるバネと、
    を有し、
    前記複数の係合部のいずれかを前記被係合部に係合させると、前記複数の円弧のいずれかと前記回転軸との当接位置において、前記ダイヤルの回転が規制されると共に前記ダイヤルの回転にクリック感が付与されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記複数の円弧は同じ中心角度を有し、
    前記ダイヤルと前記調整部材とは、互いに係合するギア部をそれぞれ有し、
    前記ダイヤルのギア部の歯数をZ1、
    前記調整部材のギア部の歯数をZ2、
    隣接する前記係合部間の中心角度をθ、
    前記複数の円弧のそれぞれの中心角度をγ、としたとき、
    γ=θ×Z2/Z1
    の関係が成立することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記溝の近傍に形成された開口を有し、
    前記ダイヤルは、前記開口から操作可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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