JP2019056402A - カシメナット、カシメナット用カシメ工具及びカシメナットの取付方法 - Google Patents

カシメナット、カシメナット用カシメ工具及びカシメナットの取付方法 Download PDF

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Abstract

【課題】取付後に破損し難くかつ緩み難いカシメナットを提供する。【解決手段】カシメナット1は、ネジ穴7が形成されたナット部2と、下孔4の内周面25に圧着させるべくナット部2の端面2aから軸方向に延びて形成されたカシメ部5とを備え、ナット部2は、被取付板3の取付面3aに着座される着座面8を有し、カシメ部5は、筒状に形成されると共に先端に向かうにつれて外周が縮径または内周が拡径するテーパ状に形成されたものである。【選択図】図4

Description

本発明は、被取付板に取り付けるためのカシメナットと、そのカシメナットを被取付板に取り付けるためのカシメナット用カシメ工具と、カシメナットを被取付板に取り付けるカシメナットの取付方法に関する。
中板又は厚板で構成される被取付板にナットを取り付ける場合、一般にナットは溶接にて取り付けられる。
被取付板にナットを溶接する場合、ナットの雌ネジにセット具の雄ネジをねじ込み、被取付板にナットを固定した後、ナットと被取付板の接触部の一部を溶接する。
また、ボルト孔端部に取り付けられるカシメナットとしては、特許文献1記載のものが知られている。このカシメナットは、雌ネジ孔縁部から軸方向に突起するカシメ部を有する。カシメ部は、内径を雌ネジ孔より小さく形成されており、ボルト状のカシメロッドが挿入されることで強制的に外側に押し曲げられて広げられる。
またさらに、特許文献2記載の圧入ナットは、パネルの取付孔に挿入されるナット固定部を有する。ナット固定部は、上から順に、段部、溝部及び挿入部を有する。段部及び挿入部の側面には、ネジ山が形成されている。挿入部は、取付孔に挿入されることで取付孔の側面の部分を変形させ、その変形された材料をネジ山の間に入り込ませる。段部は、取付孔の側面の材料を溝部に入り込ませる。
特開平10−252733号公報 特開2013−113396号公報
ところで、被取付板にナットを溶接する方法では、以下の課題がある。
1.ナットの雌ネジ部が、溶接時の熱によって変形する
2.ナットの雌ネジ部の熱膨張により、セット具の雄ネジ部と、ナットの雌ネジ部とが圧着される
3.セット具を取り外したナットの雌ネジ部に、他のナットを溶接した際のスパッタが付着する
4.ヒュームコレクタ等の設備投資が必要となる
5.溶接ワイヤ、CO2ガス等の費用が生じる
6.溶接ワイヤ、CO2ガス等を欠品させないよう管理する必要がある
他方、特許文献1記載のカシメナットと、特許文献2記載の圧入ナットとは、溶接を用いないため、溶接に伴う上記課題を解決可能である。
しかし、特許文献1記載のカシメナットは、カシメ部の基部を押し曲げるため、その曲げ点が弱く、取付後のナットに高トルクが負荷された時にカシメ部の基部が破損し易いという欠点がある。
また、特許文献2記載の圧入ナットは、単に圧入によって取り付けられるため、取付後のナットに高トルクが負荷された時に緩み易い欠点がある。
そこで本発明は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、取付後に破損し難くかつ緩み難いカシメナットと、このカシメナットの取り付けに好適なカシメナット用工具および取付方法を提供することにある。
本発明の一の態様によれば、被取付板の下孔に取り付けるためのカシメナットであって、
ネジ穴が形成されたナット部と、
前記下孔の内周面に圧着させるべく前記ナット部の端面から軸方向に延びて形成されたカシメ部とを備え、
前記ナット部は、前記被取付板の取付面に着座される着座面を有し、
前記カシメ部は、筒状に形成されると共に先端に向かうにつれて外周が縮径または内周が拡径するテーパ状に形成された
ことを特徴とするカシメナットが提供される。
好ましくは、前記カシメ部は、前記下孔より軸方向に長く形成されるとよい。
また、本発明の一の態様によれば、カシメナットを被取付板の下孔に取り付けるためのカシメナット用カシメ工具であって、
前記カシメ部の先端に当接されるカシメ側押圧部と、
前記カシメ部とは反対側の前記ナット部の端面に当接されるナット側押圧部と、
前記カシメ部の径方向内方への変形を規制すべく前記カシメ部内に挿入されるピンと、
前記カシメ側押圧部及び前記ナット側押圧部を、対向させて保持すると共に、相対的に近接離間させる工具本体と、
を備えたことを特徴とするカシメナット用カシメ工具が提供される。
好ましくは、前記ピンは、前記カシメ側押圧部に出没自在に設けられるとよい。
好ましくは、前記カシメ側押圧部には、前記ピンを突出方向に付勢するスプリングが設けられるとよい。
また、本発明の一の態様によれば、カシメナットを被取付板の下孔に取り付けるための取付方法であって、
前記カシメナットのカシメ部を被取付板の下孔内に挿入する第1ステップと、
前記カシメ部内に、径方向内方への変形を規制するためのピンを挿入する第2ステップと、
前記カシメ部を、軸方向にカシメることで径方向外方に変形させて前記下孔の内周面に圧着させる第3ステップと、
を備えることを特徴とするカシメナットの取付方法が提供される。
本発明によれば、取付後に破損し難くかつ緩み難いカシメナットと、このカシメナットの取り付けに好適なカシメナット用工具および取付方法を提供できる。
本発明の一実施の形態に係るカシメナットの側面図である。 図1のA−A線矢視図である。 カシメナット用カシメ工具の概略側面図である。 被取付板のピアス孔にカシメナットのカシメ部をせん断面側から挿入した状態の側断面図である。 カシメナットをカシメナット用カシメ工具にセットした状態の側断面図である。 カシメられて変形し始めた変形初期のカシメナットの側断面図である。 変形中期のカシメナットの側断面図である。 変形後期のカシメナットの側断面図である。 図4の姿勢から被取付板に取り付けられたカシメナットの側断面図である。 金属板に取り付けられたカシメナットの断面を示す図面代用写真である。 被取付板のピアス孔にカシメナットのカシメ部を破断面側から挿入した状態の側断面図である。 図11の姿勢から被取付板に取り付けられたカシメナットの側断面図である。 他の実施の形態を示すカシメナットとカシメナット用カシメ工具の側断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係るカシメナットの側面図である。図中一点鎖線は中心軸Cであり、中心軸Cより左側はカシメナットの断面を示す。図2はカシメナットをカシメ部側から視た図1のA−A線矢視図である。図中の破線はナット部に形成された雌ネジの谷を表す。
図1、図2及び図4に示すように、カシメナット1は、ナット部2と、ナット部2の一方の端面2aから軸方向に延びて形成され、被取付板3の下孔4に挿入されるカシメ部5とを備える。
ナット部2は、概ね六角ナットと同じ形状に形成される。具体的には、ナット部2は、六角筒状に形成されるナット本体部6と、ナット本体部6に同軸に形成されるネジ穴7とを備える。ネジ穴7の内周面には、雌ネジ7aが形成される。また、ナット部2は、被取付板3の取付面3aに着座される着座面8を有する。着座面8は、後述するカシメ部5から径方向外方に突出されるナット本体部6の端面2aにて構成される。
カシメ部5は、筒状に形成されると共に、ナット部2の端面から中心軸Cの軸方向に延びて形成される。また、カシメ部5は、先端に向かうにつれて外周が縮径するテーパ状に形成される。中心軸Cの軸方向に対する外周面の傾斜角度θは、概ね1°以上7°以下の範囲内であればよい。なお、上述の各数値はあくまで例示であり、適宜変更可能である。また、カシメ部の形状はこれに限るものではない。カシメ部の変形例については後述する。
カシメ部5の基端は、ナット本体部6の二面幅sより小径に形成されると共に、下孔4の最も細い部分の直径φと同じ寸法に形成される。カシメ部5の先端は、直径φよりも小径に形成される。カシメ部5の内径dは、全長に亘って一定に形成されると共に、雌ネジ7aの谷径D1より僅かに大きく形成される。また、カシメ部5の軸方向の長さaは、下孔4の軸方向の長さbより長く形成される。カシメ部5は、下孔4と同じ長さbになるまで軸方向にカシメられたとき、下孔4の内面全体に圧着され、かつ、被取付板3を変形させない程度の長さに設定される。なお、カシメ部5の基端は、二面幅sと同じ寸法の直径に形成されてもよい。
ナット部2及びカシメ部5は、一般構造用圧延鋼材で形成される。なお、ナット部2及びカシメ部5は、一般的に六角ナットに用いられる他の材料で形成されてもよく、例えば、ステンレス鋼材で形成されてもよい。
また、被取付板3は、平板で構成される。なお、被取付板3は、カシメナット1の着座面8を着座させる取付面を有するものであれば他のものであってもよい。例えば、被取付板3は、車両のシャシフレーム等に用いられるチャネル材で構成されてもよい。
つぎに、カシメナット1を被取付板3に取り付けるためのカシメナット用カシメ工具について説明する。
図3及び図5に示すように、カシメナット用カシメ工具10は、カシメ部5の先端に当接されるカシメ側押圧部11と、カシメ部5とは反対側のナット部2の端面2bに当接されるナット側押圧部12と、カシメ部5の径方向内方への変形を規制すべくカシメ部5内に挿入されるピン13と、カシメ側押圧部11及びナット側押圧部12を対向させて保持すると共に相対的に近接離間させる工具本体14とを備える。
カシメ側押圧部11は、カシメ部5より大径の有底円筒状に形成される。カシメ側押圧部11には、ピン13を出没可能に収容すると共にスプリング15を収容するための収容穴16が形成される。収容穴16は、断面円形に形成されると共にカシメ側押圧部11と同軸に形成される。また、カシメ側押圧部11には、ピン13の突出方向への移動を規制するための係止部17が形成される。係止部17は、収容穴16の開口を縮径させるように収容穴16の開口に臨むカシメ側押圧部11を収容穴16内に突出させて形成される。係止部17が、実質的にカシメ部5を押圧する部分をなす。
ピン13は、カシメ側押圧部11に出没自在に設けられる。ピン13は、概ね円柱状に形成される挿入部13aと、挿入部13aの一端に設けられ係止部17に係止される被係止部13bとを備える。
挿入部13aは、基端を収容穴16内に挿入されると共に先端を収容穴16外に突出される。挿入部13aの先端部は、若干先細となるように形成されると共に、角を丸めて形成される。これにより、カシメ部5内にピン13を容易に挿入させることができると共に、カシメた後のカシメ部5内からピン13を容易に抜くことができる。また、挿入部13aの基端側は、係止部17の内周面に摺接するように形成される。これにより、挿入部13aは、係止部17に径方向の移動を規制され、軸方向に正確に案内される。
被係止部13bは、挿入部13aから径方向外方に突起して形成される。具体的には、被係止部13bは、挿入部13aの基端を拡径させて形成される。また、被係止部13bは、収容穴16の内周面に摺接するように形成される。これにより、被係止部13bは、径方向の移動を規制され、軸方向に正確に案内される。なお、ピン13には、カシメ部5との圧着や凝着を防ぐための表面処理が施されてもよい。具体的には、表面処理は、物理蒸着法又は化学蒸着法によって施されるとよい。この場合、表面処理によって形成される被膜は、窒化チタン、窒化クロム等の高い摺動性と硬度を有する材料で構成されるとよい。
スプリング15はコイルバネで構成される。スプリング15は、収容穴16の底面16aとピン13との間に設けられる。スプリング15は、ピン13を収容穴16から突出させる方向に付勢する。なお、スプリング15はコイルバネに限るものではない。例えばスプリング15は、エアスプリングであってもよく、他のタイプのスプリングであってもよい。
ナット側押圧部12は、ナット部2より大径の円柱状に形成される。
工具本体14は、概ねC字状に形成されるアーム部18と、アーム部18の内周側に設けられナット側押圧部12を保持する固定側保持部19と、アーム部18の内周側に出没自在に設けられカシメ側押圧部11を保持する可動側保持部20と、アーム部18に設けられ可動側保持部20を駆動させる駆動部21とを備える。
固定側保持部19は、チャックで構成され、複数種類の大きさのナット側押圧部12を着脱可能に保持する。
可動側保持部20は、チャックで構成され、複数種類の大きさのカシメ側押圧部11を着脱可能に保持する。また、可動側保持部20は、固定側保持部19に対向して配置される。
駆動部21は、可動側保持部20を固定側保持部19に対して近接離間させる方向に駆動させる。また、駆動部21には、可動側保持部20を固定側保持部19側に駆動させているとき反力を検出する機能と、予め設定されたしきい値より大きな反力を検出したとき可動側保持部20の駆動方向を反転させる機能とが備えられる。ここでしきい値は、例えばカシメ側押圧部11が被取付板3に当接したときの反力と等しく設定される。この反力の値は、予め計算或いは実験等で求められ、駆動部21に設定されている。すなわち、駆動部21は、カシメナット1をカシメているときに反力を逐次検出し、検出される反力が予め設定されたしきい値以上に増大したとき可動側保持部20の駆動方向を反転させて可動側保持部20を固定側保持部19から離間させる。
また、工具本体14は、図示しないバランサー又はホイスト等に吊り下げられており、被取付板3の下孔4の位置に自由に移動可能となっている。また、工具本体14には、電源コード22が接続されている。電源コード22は駆動部21に電源を供給する。なお、駆動部21は電動式に限るものではない。例えば、油圧で駆動される油圧式であってもよく、他の方式で駆動されるものであってもよい。
次にカシメナット1の取付方法について説明する。
被取付板3にカシメナット1を取り付ける場合、予め工具本体14にナット側押圧部12とカシメ側押圧部11を取り付けておく。
図4に示すように、まず、被取付板3にプレス加工にて下孔4(ピアス孔)を形成する。このとき、プレス加工用のパンチ(図示せず)と対向する面側(せん断面23側)では、孔縁にダレ(孔縁が全周に亘って凹む現象)が発生する。また、被取付板3を貫通したパンチが抜け出る面側(破断面24側)では、孔径の拡大が発生する。
次に、被取付板3の下孔4内にカシメナット1のカシメ部5を挿入する。このとき、カシメ部5は、下孔4のせん断面23側及び破断面24側のいずれから挿入してもよいが、説明の便宜上、まずはせん断面23側から挿入した場合について説明する。
下孔4内にカシメ部5が挿入されると、ナット部2の着座面8が被取付板3の取付面3aであるせん断面23に当接される。これにより、被取付板3に対するカシメナット1の軸方向の位置が決まる。またこのとき、カシメ部5の先端部は下孔4を貫通して下孔4から突出される。また、下孔4の破断面24側内周面25とカシメ部5との間には、全周に亘って間隙が形成される。
図5に示すように、この後、カシメナット1を下孔4内に挿入させた姿勢のままカシメナット用カシメ工具にセットする。具体的には、予め工具本体14に取り付けられているナット側押圧部12及びカシメ側押圧部11の間にカシメナット1を挿入し、着座面8とは反対側のナット部2の端面2bをナット側押圧部12に当接させる。この後、工具本体14を駆動させてカシメ側押圧部11をカシメ部5の先端に接近させる。これにより図5に示す如く、カシメ部5内にピン13が挿入され、カシメ側押圧部11がカシメ部5の先端に当接される。
この後さらに工具本体14を駆動させてカシメ側押圧部11をナット側押圧部12に接近させる。これにより、カシメナット1は、カシメ側押圧部11とナット側押圧部12とによって軸方向に圧縮され、カシメられる。
図6に示すように、カシメ部5には、内面5aに沿う軸方向の力Faが負荷されると共に、外面5bに沿う傾斜方向の力Fbが負荷される。また、カシメ部5は、ピン13によって径方向内方への変形を規制される。このため、カシメ部5に生じた軸方向の圧縮力Faと傾斜方向の圧縮力Fbは、カシメ部5の基端部に集中して合わさり、カシメ部5の基端部を径方向外方に変形させる力Fcとして作用する。これにより、カシメ部5は、軸方向に潰れつつ基端部を拡径させるように座屈変形する。
拡径された基端部は下孔4の内周面25を構成する被取付板3に強固に圧着され拡径方向の変形を規制される。このとき、被取付板3はほとんど変形することはなく、拡径されたカシメ部5から被取付板3に作用される力Fcは、カシメ部5を被取付板3に圧着させる力として効率よく用いられる。基端部の座屈変形が被取付板3によって完全に規制されると、図7に示すように、力Fcによって座屈変形する箇所が基端部から先端側に移動される。この後、座屈変形する箇所は基端部から順次先端側に移動される。これにより、カシメ部5は基端部から順に被取付板3に圧着される。
図8に示すように、駆動部21(図3参照)は、カシメ側押圧部11が被取付板3に当接して被取付板3からしきい値以上の反力を受けると、これを検出し、駆動方向を反転させる。すなわち、駆動部21は、カシメ側押圧部11をナット側押圧部12から離間させる方向に移動させる。これにより、カシメナット1は、カシメ側押圧部11及びナット側押圧部12から離脱される。
図9に示すように、被取付板3に取り付けられたカシメナット1は、カシメ部5を軸方向に潰されると共に拡径されて下孔4の内周面25に強固に圧着される。またさらに、下孔4の直径は、せん断面23側より破断面24側が大きい。このため、破断面24側のカシメ部5は、せん断面23側のカシメ部5より大径となり、カシメナット1の抜け止めとして好適に機能すると共に、着座面8との間で被取付板3の一部を挟んでカシメナット1を被取付板3に強固に固定させる。
図10は、実験用に模したカシメナットを上述の方法で金属板に取り付け、その断面を撮影したものである。金属板は、実験用に被取付板3を模したものである。金属板は、被取付板3と同じ材料、同じ厚さに形成されている。図10に示す通り、上述の方法によれば、カシメナットは下孔4の内周面に隙間無く圧着されることが解る。
なお、下孔4は、プレス加工にて形成されるものとしたが、これに限るものではない。例えば下孔4は、ドリル加工にて形成されてもよく、他の加工方法で形成されてもよい。
このように、カシメナット1は、ネジ穴7が形成されたナット部2と、下孔4の内周面25に圧着させるべくナット部2の端面から軸方向に延びて形成されたカシメ部5とを備え、ナット部2は、被取付板3の取付面3aに着座される着座面8を有し、カシメ部5は、筒状に形成されると共に先端に向かうにつれて外周が縮径するテーパ状に形成されるものとした。このため、下孔4の内周面25に広い面積でカシメ部5を圧着させることができ、取付後に破損し難くかつ緩み難いカシメナットを提供できる。
そして、特許文献1記載のカシメナットでは、耐トルク性上、小型(M8以下)のナットが対象となるが、本実施の形態に係るカシメナット1は、小型に限ることなく大型(M8より大)のナットでも被取付板3に強固に取り付けることができる。
また、特許文献2記載の圧入ナットは、パネルが圧入により変形して圧入ナットのナット固定部の凹凸に入り込むことを前提としており、柔らかく薄いパネルを取付対象とする。このため、仮に中板で構成される被取付板3の下孔4に圧入ナットのナット固定部を圧入した場合、被取付板3が厚すぎ、被取付板3の材料を変形させてナット固定部の凹凸に入り込ませるのは困難である。しかし、本実施の形態に係るカシメナット1は、中板で構成される被取付板3であっても被取付板3を変形させることなくカシメナット自身が変形して被取付板3に圧着される。このため、本実施の形態に係るカシメナット1は、被取付板3の厚さや硬さに応じて材料やカシメ部5の寸法を適宜変更することで被取付板3に対する圧着力をコントロールできる。そして、本実施の形態に係るカシメナット1は、様々な厚さや硬さの被取付板3に強固に取り付けることができる。
また、カシメナット用カシメ工具10は、カシメ部5の先端に当接されるカシメ側押圧部11と、カシメ部5とは反対側のナット部2の端面2bに当接されるナット側押圧部12と、カシメ部5の径方向内方への変形を規制すべくカシメ部5内に挿入されるピン13と、カシメ側押圧部11及びナット側押圧部12を、対向させて保持すると共に、ナット側押圧部12に対してカシメ側押圧部11を近接離間させる工具本体14とを備えるものとした。このため、被取付板3にカシメナット1を簡易な構造の工具で容易に取り付けることができる。
また、ピン13は、カシメ側押圧部11に出没自在に設けられるものとしたため、部品点数を減らすことができ、カシメナット用カシメ工具10を簡易にできる。
また、カシメ側押圧部11には、ピン13を突出方向に付勢するスプリング15が設けられるため、ピン13を別途駆動する必要がなく、カシメナット用カシメ工具10を簡易にできる。
また、カシメナット1の取付方法は、カシメナット1のカシメ部5を被取付板3の下孔4内に挿入し、カシメ部5内に、径方向内方への変形を規制するためのピン13を挿入し、カシメ部5を、軸方向にカシメることで径方向外方に変形させて下孔4の内周面25に圧着させるものとした。このため、被取付板3にカシメナット1を溶接によることなく取り付けることができる。
以上、本発明の実施形態を詳細に述べたが、本発明は以下のような他の実施形態も可能である。
(1)上述の実施の形態では、下孔4内にカシメ部5をせん断面23側から挿入する場合について説明したが、これに限るものではない。図11に示すように、カシメ部5は、破断面24側から下孔4に挿入されてもよい。図12に示すように、破断面24側から下孔4に挿入されたカシメナット1を上述と同様の方法でカシメると、カシメ部5は、上述の実施の形態と同様に軸方向に潰されると共に拡径されて下孔4の内周面25に強固に圧着される。またさらに、拡径されたカシメ部5は、せん断面23側の孔縁のダレにも入り込む。ダレに入り込んだカシメ部5は、カシメナット1の抜け止めとして機能する。
(2)カシメナット1のナット部2は、概ね六角ナットと同じ外形状に形成されるものとしたが、これに限るものではない。ナット部2の外形状は、円形であってもよく、他の形状であってもよい。
(3)工具本体14はプレス機であってもよい。この場合、複数組のカシメ側押圧部11及びナット側押圧部12が工具本体14たるプレス機に設けられるとよい。これにより、一回のプレスで複数のカシメナット1を取り付けることができる。
(4)駆動部21は、しきい値を変更可能に記憶する機能を備えてもよい。しきい値固定の駆動部21は、安価に得られる反面、被取付板3の厚さや硬さが変更になった場合、他の駆動部21に変更しなければならない可能性がある。しかし、しきい値可変の駆動部21は、被取付板3の厚さや硬さに応じてしきい値を変更することで様々な厚さや硬さの被取付板3に対応できる。
(5)カシメ部5は、筒状に形成されると共に先端に向かうにつれて外周が縮径するテーパ状に形成されるものとしたが、これに限るものではない。図13に示すように、カシメナット30のカシメ部31は、筒状に形成されると共に先端に向かうにつれて内周が拡径するテーパ状に形成されるものであってもよい。この場合、カシメ部31の内周面の傾斜角度θ’は、概ね1°以上7°以下の範囲内に設定されるとよい。また、カシメナット用カシメ工具32のピン33は、一端に設けられ係止部17に係止される被係止部13bと、被係止部13bから他端に向かうにつれて外周が縮径するテーパ状に形成された挿入部34とを備えることが好ましい。挿入部34の外周面は、カシメ部31内に挿入されたとき、カシメ部31の内周面に沿うように形成されるとよい。
このように、カシメ部31は、筒状に形成されると共に先端に向かうにつれて内周が拡径するテーパ状に形成されるものであっても、上述と同様の方法で軸方向に圧縮させることで径方向外方に変形させることができる。そして、下孔4の内周面25に広い面積でカシメ部31を圧着させることができる。
前述の各実施形態の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 カシメナット
2 ナット部
2a 端面
3 被取付板
3a 取付面
4 下孔
5 カシメ部
7 ネジ穴
8 着座面
25 内周面
30 カシメナット
31 カシメ部

Claims (6)

  1. 被取付板の下孔に取り付けるためのカシメナットであって、
    ネジ穴が形成されたナット部と、
    前記下孔の内周面に圧着させるべく前記ナット部の端面から軸方向に延びて形成されたカシメ部とを備え、
    前記ナット部は、前記被取付板の取付面に着座される着座面を有し、
    前記カシメ部は、筒状に形成されると共に先端に向かうにつれて外周が縮径または内径が拡径するテーパ状に形成された
    ことを特徴とするカシメナット。
  2. 前記カシメ部は、前記下孔より軸方向に長く形成された
    ことを特徴とする請求項1に記載のカシメナット。
  3. 請求項1又は2に記載のカシメナットを被取付板の下孔に取り付けるためのカシメナット用カシメ工具であって、
    前記カシメ部の先端に当接されるカシメ側押圧部と、
    前記カシメ部とは反対側の前記ナット部の端面に当接されるナット側押圧部と、
    前記カシメ部の径方向内方への変形を規制すべく前記カシメ部内に挿入されるピンと、
    前記カシメ側押圧部及び前記ナット側押圧部を、対向させて保持すると共に、相対的に近接離間させる工具本体と、
    を備えたことを特徴とするカシメナット用カシメ工具。
  4. 前記ピンは、前記カシメ側押圧部に出没自在に設けられたことを特徴とする請求項3に記載のカシメナット用カシメ工具。
  5. 前記カシメ側押圧部には、前記ピンを突出方向に付勢するスプリングが設けられたことを特徴とする請求項4に記載のカシメナット用カシメ工具。
  6. 請求項1又は2に記載のカシメナットを被取付板の下孔に取り付けるための取付方法であって、
    前記カシメナットのカシメ部を被取付板の下孔内に挿入する第1ステップと、
    前記カシメ部内に、径方向内方への変形を規制するためのピンを挿入する第2ステップと、
    前記カシメ部を、軸方向にカシメることで径方向外方に変形させて前記下孔の内周面に圧着させる第3ステップと、
    を備えることを特徴とするカシメナットの取付方法。
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