JP2019056353A - 可変容量圧縮機 - Google Patents

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Takashi Toida
崇 戸井田
田口 幸彦
Yukihiko Taguchi
幸彦 田口
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    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
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Abstract

【課題】可変容量圧縮機において、クランク室などの制御圧室の冷媒を吸入室に排出する排出通路の開度を調整する第2制御弁のスプールの安定した動作を確保する。
【解決手段】可変容量圧縮機の第2制御弁400のスプール430は、弁室410に配置された弁部431と、背圧室420に配置された受圧部432と、挿通孔442aに挿通されて弁部431と受圧部432とを連結する軸部433と、を有し、挿通孔442aの軸線方向に移動する。スプール430は、挿通孔442aの軸線に対して傾斜可能に形成されている。スプール430は、挿通孔442aに軸線に対して最大に傾斜したとき、弁部431の外周面が弁室410の内面に当接すると共に軸部433の外周面が442a挿通孔の内面に当接する。
【選択図】図5

Description

本発明は、制御圧室の圧力に応じて吐出容量が変化する可変容量圧縮機に関する。
この種の従来の可変容量圧縮機として、特許文献1に記載された可変容量圧縮機が知られている。特許文献1に記載された可変容量圧縮機は、吐出室内の冷媒を制御圧室としてのクランク室に供給する供給通路の開度を調整する第1制御弁と、前記クランク室内の冷媒を吸入室に排出する排出通路の開度を調整する第2制御弁と、前記供給通路における前記第1制御弁よりも前記クランク室側に設けられ、前記クランク室から前記第1制御弁に向かう冷媒の逆流を阻止する逆止弁と、前記供給通路における前記第1制御弁と前記逆止弁との間の領域と前記吸入室とを連通する絞り通路と、を備えている。
前記第2制御弁は、前記供給通路における前記第1制御弁と前記逆止弁との間の領域に連通する背圧室と、区画部材によって前記背圧室と区画され、弁孔を介して前記クランク室に連通すると共に前記排出通路の一部を構成する弁室と、前記背圧室内に配置された受圧部、前記弁室内に配置された弁部及び前記区画部材に形成された貫通孔を通って前記受圧部と前記弁部とを接続する軸部を有するスプールと、を有している。
前記第2制御弁は、前記第1制御弁が前記供給通路を開放して前記供給通路における前記第1制御弁と前記逆止弁との間の前記領域の圧力が前記クランク室の圧力よりも高くなると、前記弁部が前記弁孔を閉鎖するように前記スプールが移動し、これによって、前記排出通路の開度を最小開度とする一方、前記第1制御弁が前記供給通路を閉鎖して前記供給通路における前記第1制御弁と前記逆止弁との間の前記領域の圧力が前記クランク室の圧力よりも低くなると、前記弁部が前記弁孔を開放するように前記スプールが移動し、これによって、前記排出通路の開度を最大開度とするように構成されている。
特開2016−108960号公報
ところで、前記従来の可変容量圧縮機においては、前記第1制御弁が前記供給通路を開放すると、前記吐出室内の冷媒の一部が前記背圧室に流入する。ここで、前記スプールの前記受圧部の最外周面とその摺動面となる前記背圧室の内面(内周面)との間には、摺動のための隙間が形成されており、前記背圧室に流入する冷媒には、異物が含まれる場合がある。このため、前記異物が前記スプールの前記最外周面と前記背圧室の前記内面(内周面)との間に挟まってしまい、前記スプールの移動が阻害されるおそれがあった。これに対し、前記受圧部の前記最外周面と前記背圧室の前記内面(内周面)との隙間を大きくすることが考えられる。しかし、そのようにすると、前記軸部が傾いた状態で前記軸部の外周面が前記貫通孔の内面に押し付けられ、あるいは、前記受圧部が傾いた状態で前記受圧部の前記最外周面が前記背圧室の前記内面(内周面)に押し付けられてしまうおそれがある。このような状態は、前記スプールの移動を阻害する要因となる接触面圧の増大を招くため好ましくない。
そこで、本発明は、クランク室などの制御圧室の冷媒を吸入室に排出する排出通路の開度を調整する第2制御弁を備えた可変容量圧縮機において、前記第2制御弁のスプールの安定した動作を確保することを目的とする。
本発明の一側面によると、外部から冷媒が導かれる吸入室と、前記吸入室内の冷媒を吸入して圧縮する圧縮部と、前記圧縮部によって圧縮された冷媒が吐出される吐出室と、制御圧室とを有し、前記制御圧室の圧力に応じて吐出容量が変化する可変容量圧縮機が提供される。前記可変容量圧縮機は、前記吐出室内の冷媒を前記制御圧室に供給する供給通路に設けられ、前記供給通路の開度を制御する第1制御弁と、前記供給通路における前記第1制御弁よりも前記制御圧室側に設けられ、前記制御圧室から前記第1制御弁に向かう冷媒の流れを阻止する逆止弁と、前記供給通路における前記第1制御弁と前記逆止弁との間の領域である弁間領域と前記吸入室とを連通する絞り通路と、前記制御圧室内の冷媒を前記吸入室に排出する排出通路に設けられ、前記排出通路の開度を制御する第2制御弁と、を含む。前記第2制御弁は、弁孔を介して前記制御圧室に連通すると共に排出孔を介して前記吸入室に連通し、前記弁孔及び前記排出孔と共に前記排出通路の一部を形成する弁室と、区画部によって前記弁室と区画され、前記弁間領域に連通する背圧室と、前記弁室内に配置された弁部と、前記背圧室内に配置された受圧部と、前記区画部に貫通形成された挿通孔に隙間を有して挿通されると共に前記弁部と前記受圧部とを連結する軸部とを有し、前記弁間領域の圧力と前記制御圧室の圧力との差に応じて前記挿通孔の軸線方向に移動するスプールと、を有し、前記スプールの前記弁部が前記弁孔を閉鎖することによって前記排出通路の開度を最小開度とし、前記弁部が前記弁孔を開放することによって前記排出通路の開度を最大開度とするように構成されている。前記スプールは、前記挿通孔の軸線に対して傾斜可能に形成され、前記挿通孔の軸線に対して最大に傾斜したとき、前記弁部の外周面が前記弁室の内面に当接すると共に前記軸部の外周面が前記挿通孔の内面に当接するか、前記弁部の外周面が前記弁室の内面に当接すると共に前記受圧部の外周面が前記背圧室の内面に当接するか、又は、前記軸部の外周面が前記挿通孔の内面に当接すると共に前記受圧部の外周面が前記背圧室の内面に当接する。
前記可変容量圧縮機における前記第2制御弁においては、前記受圧部の外周面と前記背圧室の内面との間に比較的大きな隙間が形成されることになるので、前記背圧室に流入する冷媒に異物が含まれる場合であっても、当該異物に起因する前記スプールの動作不良が抑制される。また、前記スプールは、前記挿通孔の軸線に対して傾斜した状態で一つの面に押し付けられることがなく、前記スプールの移動を阻害する要因となる接触面圧の増大が防止される。この結果、前記スプールの安定した動作が確保される。
本発明の一実施形態に係る可変容量圧縮機の断面図である。 前記可変容量圧縮機の第1制御弁の断面図である。 前記第1制御弁におけるコイル通電量と設定圧力との関係を示す図である。 前記可変容量圧縮機の逆止弁の断面図であり、(A)は、前記第1制御弁が開弁しているときの前記逆止弁の状態を示す図、(B)は、前記第1制御弁が閉弁しているときの前記逆止弁の状態を示す図である。 前記可変容量圧縮機の第2制御弁の断面図であり、(A)は、前記第1制御弁が開弁しているときの前記第2制御弁の状態を示す図、(B)は、前記第1制御弁が閉弁しているときの前記第2制御弁の状態を示す図である。 前記第2制御弁の弁室及び背圧室を示す図である。 図6のA部拡大図である。 前記第2制御弁のスプールの拡大断面図である。 前記スプールが最大に傾斜した状態を示す図(拡大図)である。 前記可変容量圧縮機の要部拡大断面図であり、前記可変容量圧縮機の絞り通路を示す図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る可変容量圧縮機の断面図である。実施形態に係る可変容量圧縮機は、主に車両用のエアコンシステム(エア・コンディショナー・システム)に適用されるクラッチレス圧縮機として構成されている。なお、図1における上側が重力方向の上側であり、図1における下側が重力方向の下側である。
図1に示されるように、可変容量圧縮機100は、複数のシリンダボア101aが形成されたシリンダブロック101と、シリンダブロック101の一端に設けられたフロントハウジング102と、シリンダブロック101の他端にバルブプレート103を介して設けられたシリンダヘッド104と、を含む。
そして、フロントハウジング102、センターガスケット(図示省略)、シリンダブロック101、シリンダガスケット152、吸入弁形成板150、バルブプレート103、吐出弁形成板151、ヘッドガスケット153、シリンダヘッド104が順次接続され、複数の通しボルト105によって締結されて圧縮機ハウジングが形成されている。また、シリンダブロック101とフロントハウジング102とによってクランク室140が形成されており、水平方向に延びる駆動軸110がクランク室140内を横断して設けられている。
駆動軸110の軸方向の中間部の周囲には、斜板111が配置されている。斜板111は、駆動軸110に固定されたロータ112にリンク機構120を介して連結され、駆動軸110と共に回転する。また、斜板111は、駆動軸110の軸線Oに直交する平面に対する角度(斜板111の傾角)が変更可能に構成されている。
リンク機構120は、ロータ112から突設された第1アーム112aと、斜板111から突設された第2アーム111aと、一端側が第1連結ピン122を介して第1アーム112aに対して回動自在に連結され、他端側が第2連結ピン123を介して第2アーム111aに対して回動自在に連結されたリンクアーム121と、を含む。
駆動軸110が挿通される斜板111の貫通孔111bは、斜板111が最大傾角と最小傾角の範囲で傾動可能な形状に形成されている。貫通孔111bには駆動軸110と当接する最小傾角規制部が形成されている。斜板111が駆動軸110に直交するときの斜板111の傾角を0°とした場合、貫通孔111bの前記最小傾角規制部は、斜板111の傾角がほぼ0°となると駆動軸110に当接し、斜板111のそれ以上の傾動を規制するように形成されている。斜板111は、その傾角が最大傾角となるとロータ112に当接してそれ以上の傾動が規制される。
駆動軸110には、斜板111の傾角を減少させる方向に斜板111を付勢する傾角減少バネ114と、斜板111の傾角を増大させる方向に斜板111を付勢する傾角増大バネ115とが装着されている。傾角減少バネ114は、斜板111とロータ112との間に配置され、傾角増大バネ115は、斜板111と駆動軸110に固定されたバネ支持部材116との間に装着されている。
ここで、斜板111の傾角が最小傾角であるとき、傾角増大バネ115の付勢力の方が傾角減少バネ114の付勢力よりも大きくなるように設定されており、駆動軸110が回転していないとき、斜板111は、傾角減少バネ114の付勢力と傾角増大バネ115の付勢力とがバランスする傾角に位置決めされる。
駆動軸110の一端(図1における左端)は、外側に部分的に突出したフロントハウジング102の突出部102a内を貫通してフロントハウジング102の外側まで延在している。そして、駆動軸110の前記一端には、図示省略の動力伝達装置が連結される。駆動軸110と突出部102aとの間には軸封装置130が設けられており、クランク室140内は外部空間から遮断されている。
駆動軸110と駆動軸110に固定されたロータ112とからなる連結体は、ラジアル方向においては軸受131、132で支持され、スラスト方向においては軸受133、スラストプレート134で支持されている。そして、駆動軸110は、外部駆動源からの動力が前記動力伝達装置に伝達されることにより、前記動力伝達装置の回転と同期して回転するように構成されている。なお、駆動軸110の他端、すなわち、スラストプレート134側の端部と、スラストプレート134との隙間は、調整ネジ135によって所定の隙間に調整されている。
各シリンダボア101a内には、ピストン136が配置されている。ピストン136のクランク室140内に突出する突出部に形成された内側空間には、斜板111の外周部及びその近傍が収容されており、斜板111は、一対のシュー137を介してピストン136と連動するように構成されている。そして、駆動軸110の回転に伴う斜板111の回転によってピストン136がシリンダボア101a内を往復動する。
シリンダヘッド104には、中央部に配置された吸入室141と、吸入室141を環状に取り囲む吐出室142とが区画形成されている。吸入室141とシリンダボア101aとは、バルブプレート103に設けられた連通孔103a及び吸入弁形成板150に形成された吸入弁(図示省略)を介して連通している。吐出室142とシリンダボア101aとは、吐出弁形成板151に形成された吐出弁(図示省略)及びバルブプレート103に設けられた連通孔103bを介して連通している。
シリンダブロック101の上部には、冷媒(冷媒ガス)の圧力脈動による騒音・振動を低減するため、マフラが設けられている。マフラは、吐出ポート106aが形成された蓋部材106と、シリンダブロック101の上部に形成されたマフラ形成壁101bとが図示省略のシール部材を介してボルトにより締結されることによって形成されている。
蓋部材106とマフラ形成壁101bで囲まれたマフラ空間143は、連通路144を介して吐出室142に連通しており、マフラ空間143内には、吐出逆止弁200が配置されている。吐出逆止弁200は、連通路144とマフラ空間143との接続部に配置されている。吐出逆止弁200は、連通路144(上流側)とマフラ空間143(下流側)との圧力差に応答して動作し、前記圧力差が所定値より小さい場合は連通路144を閉鎖し、前記圧力差が所定値より大きい場合は連通路144を開放する。
連通路144、吐出逆止弁200、マフラ空間143及び吐出ポート106aは、可変容量圧縮機100の吐出通路を構成し、吐出室142は、前記吐出通路を介して前記エアコンシステムの冷媒回路の高圧側に接続されている。
また、シリンダヘッド104には、吸入通路104aが形成されている。吸入通路104aは、シリンダヘッド104の径方向外側から吐出室142の一部を横切るように直線状に延びている。そして、吸入室141は、吸入通路104aを介して前記エアコンシステムの冷媒回路の低圧側に接続されている。
前記エアコンシステムの前記冷媒回路の低圧側の冷媒は、吸入通路104aを介して吸入室141に導かれる。吸入室141内の冷媒は、ピストン136の往復運動によってシリンダボア101a内に吸入され、圧縮されて吐出室142に吐出される。すなわち、本実施形態においては、シリンダボア101a及びピストン136によって吸入室141内の冷媒を吸入して圧縮する圧縮部が構成されている。そして、吐出室142に吐出された冷媒(前記圧縮部によって圧縮された冷媒)は、前記吐出通路を介して前記エアコンシステムの前記冷媒回路の高圧側へと導かれる。また、前記エアコンシステムの前記冷媒回路の高圧側から吐出室142に向かう冷媒(冷媒ガス)の逆流が吐出逆止弁200によって阻止される。
可変容量圧縮機100は、吐出室142内の冷媒をクランク室140に供給するための供給通路145を有する。供給通路145には、第1制御弁300が設けられている。第1制御弁300は、供給通路145の開度を制御し、これにより、吐出室142内の冷媒(吐出冷媒)のクランク室140への供給量を制御するように構成されている。供給通路145及び第1制御弁300の構成等については後述する。
供給通路145における第1制御弁300よりもクランク室140側(下流側)の位置には逆止弁350が設けられている。逆止弁350は、第1制御弁300の開閉に連動して供給通路145を開閉するように構成されている。具体的には、逆止弁350は、第1制御弁300が開弁して供給通路145を開放しているとき、供給通路145を開放して吐出室142からクランク室140に向かう冷媒の流れを許容し、第1制御弁300が閉弁して供給通路145を閉鎖しているとき、供給通路145を閉鎖してクランク室140から第1制御弁300に向かう冷媒の流れ(逆流)を阻止するように構成されている。逆止弁350の構成等については後述する。
また、可変容量圧縮機100には、クランク室140内の冷媒を吸入室141に排出するための排出通路が設けられている。本実施形態において、前記排出通路は、二つの通路(第1排出通路146a及び第2排出通路146b)で構成されている。
第1排出通路146aは、シリンダブロック101に形成された連通路101c、シリンダブロック101に形成された空間部101d及び第2制御弁400を経由する通路である。第1排出通路146aは、第2制御弁400によって開閉される。第1排出通路146a及び第2制御弁400の構成等については後述する。
第2排出通路146bは、連通路101c、空間部101d、吸入弁形成板150に形成された絞り通路(固定絞り)150a及びバルブプレート103に形成された連通孔103cを経由する通路である。第2排出通路146bは、クランク室140と吸入室141とを常時連通している。ここで、第2制御弁400によって開放されたときの第1排出通路146aの通路断面積は、第2排出通路146bにおける絞り通路(固定絞り)150aの通路断面積より大きく設定されている。
第2制御弁400は、第1制御弁300が閉弁して供給通路145を閉鎖しているときに、第1排出通路146aを開放するように構成されている。第2制御弁400が第1排出通路146aを開放すると、クランク室140内の冷媒は、第1排出通路146a及び第2排出通路146bを介して吸入室141に排出される。すなわち、前記排出通路が第1排出通路146aと第2排出通路146bとの両方で構成される。このため、前記排出通路の開度が最大となり、クランク室140内の冷媒が速やかに吸入室141に排出されてクランク室140の圧力が吸入室141の圧力と同等となる。この場合、斜板111の傾角が最大となって、ピストン136のストローク(すなわち、可変容量圧縮機100の吐出容量)が最大となる。
また、第2制御弁400は、第1制御弁300が開弁して供給通路145を開放しているときに、第1排出通路146aを閉鎖するように構成されている。第2制御弁400が第1排出通路146aを閉鎖すると、クランク室140内の冷媒は、第2排出通路146bのみを介して吸入室141に排出される。すなわち、前記排出通路が第2排出通路146bのみによって構成される。このため、前記排出通路の開度が最小となり、クランク室140内の冷媒が吸入室141に排出されることが制限されてクランク室140の圧力が上昇し易くなる。そして、吐出室142内の冷媒がクランク室140に供給されることでクランク室140の圧力が上昇すると斜板111の傾角が最大から減少する。このため、第1制御弁300による供給通路145の開度に応じてピストン136のストローク(可変容量圧縮機100の吐出容量)が可変に制御され得る。
このように、可変容量圧縮機100は、供給通路145を介して吐出室142内の冷媒をクランク室140に供給すると共に、前記排出通路(第1排出通路146a及び第2排出通路146b)を介してクランク室140内の冷媒を吸入室141に排出することでクランク室140の圧力を調整し、これによって、吐出容量を制御するように構成されている。したがって、本実施形態においては、クランク室140が本発明の「制御圧室」に相当する。
なお、供給通路145における第1制御弁300と逆止弁350との間の(以下「弁間領域」という)は、絞り通路147を介して吸入室141に連通している。また、可変容量圧縮機100の内部には、潤滑用のオイルが封入されており、駆動軸110の回転に伴うオイルの撹拌や冷媒ガスの移動に伴うオイルの移動によって、可変容量圧縮機100内部が潤滑される。
次に、第1制御弁300、逆止弁350、供給通路145、第2制御弁400及び第1排出通路146a及び絞り通路147について詳細に説明する。
「第1制御弁300」
本実施形態において、第1制御弁300は、シリンダヘッド104に形成された収容穴104bに収容されている。
図2は、第1制御弁300の断面図である。図2に示されるように、第1制御弁300の外周面には、3つのOリング300a〜300cが取り付けられている。そして、これら3つのOリング300a〜300cにより、収容穴104b内における第1制御弁300の外側空間が、シリンダヘッド104に形成された連通路104cを介して吸入室141に連通する第1領域S1と、シリンダヘッド104に形成された連通路104dを介して吐出室142に連通すると共に供給通路145の一部を形成する第2領域S2と、収容穴104bの底部側に位置すると共に供給通路145の一部を形成する第3領域S3と、に区画されている。
第1制御弁300は、弁ユニットと、弁ユニットを開閉作動させる駆動ユニット(ソレノイド)と、を含み、連通路104c及び第1領域S1を介して導入される吸入室141の圧力と、外部信号に応じてソレノイドに流れる電流により発生する電磁力とに応答して供給通路145の開度を制御するように構成されている。
第1制御弁300の弁ユニットは、円筒状の弁ハウジング301を有している。弁ハウジング301の内部には、その一端(下端)側から第1感圧室302、弁室303及び第2感圧室307が軸方向に順番に並んで形成されている。
第1感圧室302は、弁ハウジング301の外周面に形成された連通孔301aを介して収容穴104b内の第3領域S3に連通している。第1感圧室302は、供給通路145の一部を形成する。
弁室303は、弁ハウジング301の外周面に形成された連通孔301b、収容穴104b内の第2領域S2及び連通路104dを介して吐出室142に連通している。弁室303は、供給通路145の一部を形成する。
第2感圧室307は、弁ハウジング301の外周面に形成された連通孔301e、収容穴104b内の第1領域S1及び連通路104cを介して吸入室141に連通している。
第1感圧室302と弁室303とは、これらと同様に供給通路145の一部を形成する弁孔301cを介して互いに連通しており、弁室303と第2感圧室307との間には、支持孔301dが形成されている。
第1感圧室302内には、ベローズ305が配設されている。ベローズ305は、内部が真空にされると共にバネを内蔵している。ベローズ305は、弁ハウジング301の軸方向に変位可能に配置され、第1感圧室302内の圧力、すなわち、クランク室140内の圧力を受ける感圧手段としての機能を有する。
弁室303内には、円柱状の弁体304の一端が収容されている。弁体304は、その外周面が支持孔301dに摺動支持されており、弁ハウジング301の軸線方向に移動可能である。弁体304の前記一端は、弁孔301cを開閉する弁部を構成し、弁体304の他端は、第2感圧室307内に突出して第2感圧室307内の圧力、すなわち、吸入室141の圧力を受ける受圧部を構成している。
弁体304の前記一端の中央には、棒状の連結部306が突出形成されている。連結部306の端部(先端)はベローズ305に接離可能に連結されており、ベローズ305の変位を弁体304に伝達する伝達部としての機能を有する。
駆動ユニットは、円筒状のソレノイドハウジング312を有する。ソレノイドハウジング312は、弁ハウジング301の他端(上端)に同軸に連結されている。ソレノイドハウジング312内には、電磁コイルを樹脂で覆ったモールドコイル314が収容されている。また、ソレノイドハウジング312内において、モールドコイル314の内側には、固定コア310が収容されている。固定コア310は、弁ハウジング301からモールドコイル314の中央付近まで延びている。弁ハウジング301とは反対側のソレノイドハウジング312の端部は、固定コア310を囲むように設けられた有底筒状のスリーブ313によって閉鎖されている。
固定コア310は、中央に挿通孔310aを有し、挿通孔310aの一端は、第2感圧室307に開口している。また、固定コア310とスリーブ313の閉鎖端との間には、円筒状の可動コア308が収容されている。
挿通孔310aには、ソレノイドロッド309が隙間を有して挿通されている。ソレノイドロッド309の一端(下端)は、弁体304の前記他端に固定されており、ソレノイドロッド309の他端(上端)は、可動コア308に形成された貫通孔に嵌合(圧入)されている。つまり、弁体304、可動コア308及びソレノイドロッド309は一体化されている。また、固定コア310と可動コア308との間には、可動コア308を固定コア310から離れる方向(開弁方向)に付勢する強制開放バネ311が設けられている。
可動コア308、固定コア310及びソレノイドハウジング312は、磁性材料で形成されて磁気回路を構成する。一方、スリーブ313は、ステンレス系材料などの非磁性材料で形成されている。
モールドコイル314は、信号線等を介して、可変容量圧縮機100の外部に設けられた制御装置(図示せず)に接続されている。モールドコイル314は、前記制御装置から制御電流Iが供給されると、電磁力F(I)を発生する。モールドコイル314が電磁力F(I)を発生すると、可動コア308が固定コア310に向かって吸引されて、弁体304が閉弁方向に移動する。
第1制御弁300の弁体304には、モールドコイル314による電磁力F(I)の他に、強制開放バネ311による付勢力f、弁室303の圧力(吐出圧力Pd)による力、第1感圧室302の圧力(クランク室圧力Pc)による力、第2感圧室307の圧力(吸入圧力Ps)による力及びベローズ305に内蔵するバネによる付勢力Fが作用する。
ここで、ベローズ305の有効受圧面積Sb、弁体304により遮蔽する弁孔301cの面積であるシール面積Sv、弁体304の円筒外周面の断面積Srを、Sb=Sv=Srとしてあるので、弁体304に作用する力のつりあいは、下式(1)で示され、下式(1)を変形すると下式(2)となる。なお、式(1)、(2)において、「+」は弁体304が弁孔301cを閉じる方向(弁体304の閉弁方向)を示し、「−」は弁体304が弁孔301cを開く方向(弁体304の開弁方向)を示す。
F(I)−f+Ps・Sb−F=0・・・(1)
Ps=(F+f−F(I))/Sb・・・(2)
ベローズ305、連結部306及び弁体304の連結体は、吸入室141の圧力が制御電流Iにより設定された設定圧力より高くなると、吐出容量を増大させるために、弁孔301c、すなわち、供給通路145の開度(通路断面積)を小さくしてクランク室140の圧力を低下させ、吸入室141の圧力が前記設定圧力を下回ると、吐出容量を減少するために、弁孔301c、すなわち、供給通路145の開度を大きくしてクランク室140の圧力を上昇させる。つまり、第1制御弁300は、吸入室141の圧力が設定圧力に近づくように供給通路145の開度を自律制御する。
弁体304には、ソレノイドロッド309を介してモールドコイル314の電磁力が閉弁方向に作用するので、モールドコイル314への通電量が増加すると供給通路145の開度を小さくする方向(すなわち、閉弁方向)の力が増大し、図3に示されるように設定圧力が低下する方向に変化する。前記制御装置は、例えば400Hz〜500Hzの範囲の所定の周波数でパルス幅変調(PWM制御)によりモールドコイル314への通電を制御し、モールドコイル314を流れる電流値が所望の値となるようにパルス幅(デューティ比)を変更する。
前記エアコンシステムの作動時、つまり可変容量圧縮機100の作動状態では、前記制御装置は、前記エアコンシステムにおける空調設定(設定温度等)や外部環境に基づいてモールドコイル314への通電量を調整する。これにより、吸入室141の圧力が前記通電量に対応する設定圧力になるように吐出容量が制御される。一方、前記エアコンシステムの非作動時、つまり可変容量圧縮機100の非作動状態では、前記制御装置は、モールドコイル314への通電をOFFする。これにより、供給通路145が強制開放バネ311によって開放され、可変容量圧縮機100の吐出容量は最小の状態に制御される。
「逆止弁350」
本実施形態において、逆止弁350は、駆動軸110の軸線Oよりも下方に配置されている。図4(A)、(B)は、逆止弁350の断面図である。図4(A)は、第1制御弁300が開弁しているとき(弁孔301cが開放されているとき)の逆止弁350の状態を示し、図4(B)は、第1制御弁300が閉弁しているとき(弁孔301cが閉鎖されているとき)の逆止弁350の状態を示している。逆止弁350は、シリンダブロック101に形成された収容室101eと、弁体351とを含む。
収容室101eは、シリンダブロック101のシリンダヘッド104側の端面(シリンダヘッド104との合わせ面)に開口すると共に駆動軸110の軸線Oに平行に延びる段付き円柱状の穴として形成されている。収容室101eは、開口側(前記合わせ面側)の大径室101e1と、大径室101e1よりも小径の底部101e2側の小径室101e3とを有している。また、収容室101e(大径室101e1)の開口は、シリンダガスケット152によって覆われている。
弁体351は、収容室101eに収容されており、収容室101e内を駆動軸110の軸線Oに平行な方向に移動可能である。したがって、シリンダガスケット152は、収容室101eの弁体351の移動方向の一方の壁面を構成し、収容室101eの底部101e2は、収容室101eの弁体351の移動方向の他方の壁面を構成している。
シリンダガスケット152には、弁体351が接離する弁座部152aが形成されており、弁座部152aのほぼ中央には、弁体351によって開閉される第1ポート152bが開口している。第1ポート152bは、吸入弁形成板150、バルブプレート103、吐出弁形成板151及びヘッドガスケット153を貫通しており、シリンダヘッド104に形成された空間部104e及び連通路104fを介して収容穴104b内の第3領域S3に連通している(図1参照)。つまり、収容室101eは、第1ポート152b、空間部104e、連通路104f、収容穴104b内の第3領域S3、第1制御弁300(第1感圧室302、弁孔301c、弁室303)、収容穴104bの第2領域S2及び連通路104dを介して吐出室142に連通している。
収容室101eの底部101e2には、シリンダブロック101に形成された連通路101fの一端が第2ポート101e4として開口している。連通路101fの他端は、クランク室140に開口している。つまり、収容室101eは、第2ポート101e4及び連通路101fを介してクランク室140に連通している。
弁体351は、略円筒状の側壁部351aと、側壁部351aの一端側の開口を閉鎖する端壁部351bと、を有する。弁体351は、端壁部351bがシリンダガスケット152側に位置すると共に側壁部351aの開口端が収容室101eの底部101e2側に位置するように、収容室101eに収容されている。
本実施形態において、弁体351の側壁部351aは、大外径部351a1と、大外径部351a1より小径に形成されて大外径部351a1の端壁部351b側に配置された第1小外径部351a2と、大外径部351a1より小径に形成されて大外径部351a1を挟んで第1小外径部351a2とは反対側(つまり、開口端側)に配置された第2小外径部351a3と、を有する。また、弁体351は、側壁部351aの内部空間351a4と、側壁部351aの第1小外径部351a2に形成された貫通孔351a5とで構成される内部通路351cを有している。
収容室101eにおいて、弁体351は、端壁部351bがシリンダガスケット152の弁座部152aに当接することによって一方の移動が規制され、側壁部351aの開口端(端壁部351bとは反対側の端部)が収容室101eの底部101e2に当接することによって他方の移動が規制される。そして、弁体351の端壁部351bが弁座部152aから離間すると第1ポート152bが開放される。これにより、第1ポート152bと第2ポート101e4とが弁体351の内部通路351cを介して連通する。一方、弁体351の端壁部351bが弁座部152aに当接すると第1ポート152bが閉鎖される。これにより、内部通路351cを介した第1ポート152bと第2ポート101e4との連通が遮断される。
弁体351は、例えば金属や樹脂材料で形成され得るが、軽量化のために樹脂材料で形成されるのが好ましい。弁体351が樹脂材料で形成される場合、樹脂材料としてはポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂やナイロン(ポリアミド)系樹脂などが好適に選択され得る。
「供給通路145」
図4(A)を参照すると、第1制御弁300が開弁しているとき、逆止弁350の弁体351は、端壁部351bがシリンダガスケット152の弁座部152aから離間して第1ポート152bを開放する。すると、第1ポート152bと第2ポート101e4とが大径室101e1及び弁体351の内部通路351cを介して連通する。このため、吐出室142とクランク室140とは、連通路104d、収容穴104bの第2領域S2、第1制御弁300(弁室303、弁孔301c、第1感圧室302)、収容穴104bの第3領域S3、連通路104f、空間部104e、逆止弁350(第1ポート152b、大径室101e1、内部通路351c、第2ポート101e4)及び連通路101fを経由する第1通路によって連通し、当該第1通路を介して吐出室142内の冷媒がクランク室140に供給される。つまり、前記第1通路によって供給通路145が形成される。
そして、逆止弁350において、弁体351の端壁部351bが弁座部152aに当接すると、供給通路145の一部を形成する第1ポート152bが閉鎖されるため、供給通路145が閉鎖されることになる。
「第2制御弁400」
第2制御弁400は、重力方向における逆止弁350の上方に配置されている。特に制限されるものではないが、本実施形態において、第2制御弁400は、駆動軸110の軸線O上に配置されている。図5(A)、(B)は、第2制御弁400の断面図である。図5(A)は、第1制御弁300が開弁しているときの状態を示し、図5(B)は、第1制御弁300が閉弁しているときの状態を示している。
第2制御弁400は、弁室410と、背圧室420と、スプール430とを含む。図6は、主に第2制御弁400の弁室410及び背圧室420を示す図である。本実施形態においては、シリンダヘッド104に形成された収容穴104gに弁室形成部材440が装着されることによって、弁室410及び背圧室420が形成されている。
収容穴104gは、吸入室141内に駆動軸110の軸線Oに平行に延びるように形成された略円柱状のボス部104hに形成されている。具体的には、収容穴104gは、ボス部104hの先端面104h1に開口すると共にボス部104h内を駆動軸110の軸線Oに平行に延びる段付き円柱状の穴として形成されている。ここで、ボス部104hの先端面104h1とヘッドガスケット153との間には所定の隙間が形成されており、収容穴104gは、吸入室141内に開口している。また、収容穴104gは、開口側の大径穴部104g1と底部104g2側の小径穴部104g3を有している。
弁室形成部材440は、円筒状の側壁部441と、側壁部441の一端側の開口を閉鎖する端壁部442と、を有する。弁室形成部材440の軸方向の長さは、収容穴104gの大径穴部104g1の深さ(軸方向の長さ)よりも大きく設定されており、側壁部441の外径は、収容穴104gの大径穴部104g1の内径よりも小さく、かつ、収容穴104gの小径穴部104g3の内径よりも大きく設定されている。
弁室形成部材440は、端壁部442側から収容穴104g(の大径穴部104g1)に装着されている。また、弁室形成部材440の側壁部441の開口端(端壁部442とは反対側の端面)は、バルブプレート103に当接している。そして、バルブプレート103によって閉鎖された、弁室形成部材440の側壁部441の内側空間によって弁室410が形成され、収容穴104gにおける弁室形成部材440の端壁部442よりも底部104g2側の空間(すなわち、主に小径穴部104g3)によって背圧室420が形成されている。
ここで、本実施形態において、弁室形成部材440の側壁部441の外周面と収容穴104gの大径穴部104g1の内周面との隙間は、側壁部441の外周面に装着されたOリング450によってシールされている。また、弁室形成部材440は、収容穴104gの小径穴部104g3に配置された付勢部材(例えば圧縮コイルバネ)460によってバルブプレート103に向けて付勢されている。但し、これに限られるものではない。付勢部材(例えば皿バネ)460が大径穴部104g1と小径穴部104g3との段差部に設けられてもよいし、側壁部441を大径穴部104g1に圧入して付勢部材460とOリング450とを省略してもよい。
弁室410と背圧室420とは、弁室形成部材440の端壁部442によって区画されている。したがって、本実施形態においては、弁室形成部材440の端壁部442が本発明の「区画部」に相当する。
また、弁室形成部材440の端壁部442には、スプール430の軸部433(後述する)が挿通される挿通孔442aが形成されている。本実施形態において、挿通孔442aは、駆動軸110の軸線O上に配置されており、弁室形成部材440の端壁部442を水平方向に貫通している。
図7は、図6のA部拡大図である。図7に示されるように、本実施形態において、挿通孔442aは、軸線方向の中間位置に配置された円柱状のストレート孔部442a1と、ストレート孔部442a1の一端側から弁室410側に向かって徐々に拡径する第1テーパ孔部442a2と、ストレート孔部442a1の他端側から背圧室420側に向かって徐々に拡径する第2テーパ孔部442a3と、ストレート孔部442a1から第2テーパ孔部442a3への移行部442a4と、を有する。移行部442a4は、曲面で形成されている。但し、これに限られるものではなく、移行部442a4が平面で形成されてもよい。
図6に戻って、弁室410には、弁孔103d及び排出孔441aが開口している。弁孔103dは、挿通孔442aと同様、駆動軸110の軸線O上に配置されている。弁孔103dは、バルブプレート103及び吸入弁形成板150を貫通しており、弁室410とシリンダブロック101に形成された空間部101dとを連通している。したがって、弁室410は、弁孔103d、空間部101d及び連通路101cを介してクランク室140に連通している。弁孔103dの周囲には、弁座部103eが形成されている。
排出孔441aは、弁室形成部材440の側壁部441の収容穴104gから突出した部位に形成されて側壁部441の内外を連通している。したがって、弁室410は、排出孔441aを介して吸入室141に連通している。
背圧室420には、シリンダヘッド104に形成された連通路104iの一端が開口している。本実施形態において、連通路104iの前記一端は、背圧室420の重力方向における下側の面に開口している。連通路104iは、背圧室420から斜め下方に延びており、連通路104iの他端は、供給通路145における第1制御弁300と逆止弁350との間の前記弁間領域、具体的には、空間部104eに連通している(図1参照)。したがって、背圧室420の圧力は、供給通路145における第1制御弁300と逆止弁350との間の前記弁間領域(空間部104e)の圧力と同等になる。
スプール430は、弁室410内に配置された弁部431と、背圧室420内に配置された受圧部432と、弁室形成部材440の端壁部442に貫通形成された挿通孔442aに挿通されて弁部431と受圧部432とを連結する軸部433と、を有する。スプール430は、挿通孔442aの軸線方向(=駆動軸110の軸線O方向)に移動可能に構成されている。図8は、スプール430の拡大断面図である。
弁部431は、弁孔103dを開閉する部位である。弁部431は、弁室410を形成する弁室形成部材440の側壁部441の内周面の内径よりも小さい外径を有して形成されている。弁部431は、その一端面431aが弁孔103dの周囲の弁座部103eに当接することによって弁孔103dを閉鎖し、その一端面431aが弁座部103eから離間することによって弁孔103dを開放するように構成されている(図5(A)、図5(B))。また、弁部431は、他端面431bが弁室形成部材440の端壁部442に当接することによって挿通孔442aを閉鎖し、これによって、挿通孔442aを介した弁室410と背圧室420との連通を遮断するように構成されている(図5(B))。
本実施形態において、弁部431は、円柱状に形成された円柱部431cと、円柱部431c側から一端面431a側に向かって徐々に縮径するテーパ部431dと、円柱部431cからテーパ部431dへの移行部431eとを有する。移行部431eは、曲面で形成されている。但し、これに限られるものではなく、移行部431eが平面で形成されてもよい。
受圧部432は、背圧室420の圧力を受ける部位である。受圧部432は、背圧室420を形成する収容穴104gの小径穴部104g3に配置された付勢部材460の内径部に接触しないように、その外径が設定されている。受圧部432は、弁部431の一端面431aが弁座部103eに当接したときに、その一端面432aが弁室形成部材440の端壁部442に当接することによって挿通孔442aを閉鎖し、これによって、挿通孔442aを介した弁室410と背圧室420との連通を遮断するように構成されている(図5(A))。
軸部433は、弁部431及受圧部432よりも小径に形成されており、弁室形成部材440の端壁部442に形成された挿通孔442aに隙間を有して挿通されている。すなわち、軸部433は、挿通孔442aのストレート孔部442a1の内径よりも小さい外径を有して形成されている。本実施形態において、軸部433は、弁部431と一体に形成されており、軸部433に受圧部432が圧入等によって固定されてスプール430が形成されている。
スプール430は、弁部431の一端面431aが弁座部103eに当接することによって一方の移動が規制され、弁部431の他端面431bが弁室形成部材440の端壁部442に当接することによって他方に移動が規制される。
ここで、第2制御弁400において、スプール430の軸部433が挿通される挿通孔442aは、弁室形成部材440の端壁部442を水平方向に貫通している。このため、スプール430は、基本的には、挿通孔442aの軸線にほぼ平行な状態(ほぼ水平な状態)で、軸部433の外周面における重力方向の下側の部位が挿通孔442aのストレート孔部442a1の内面を摺動して移動する(図5(A)、(B))。
但し、本実施形態においては、上述のように、弁部431の外周面とこれに対向する弁室410の内面(側壁部441の内周面)との間、受圧部432の外周面とこれに対向する背圧室420の内面(小径穴部104g3の内周面)との間、及び、軸部433の外周面と挿通孔442aの内面との間には、それぞれ隙間が形成されている。このため、スプール430は、挿通孔442aの軸線に対して傾斜可能である。さらに言えば、スプール430は、挿通孔442aの軸線に対して傾斜した状態で移動することが可能である。
そして、本実施形態においては、図9に示されるように、スプール430が挿通孔442aの軸線に対して傾斜したとき、弁部431の外周面が弁室410の内面(側壁部441の内周面)に当接すると共に軸部433の外周面が挿通孔442aの内面に当接することによって、スプール430がそれ以上傾斜しないように構成されている。換言すれば、スプール430は、挿通孔442aの軸線に対して最大に傾斜したとき、弁部431の外周面が弁室410の内面に摺動可能に当接すると共に軸部433の外周面が挿通孔442aの内面に摺動可能に当接するように構成されている。
具体的には、スプール430は、挿通孔442aの軸線に対して最大に傾斜したとき、弁部431の移行部431eが弁室410の内面(側壁部441の内周面)に摺動可能に当接する共に軸部433の外周面が挿通孔442aの移行部442a4に摺動可能に当接するように形成されている。ここで、弁部431の移行部431eは、弁室410の内面(側壁部441の内周面)における排出孔441aの開口を避けた部位に当接するように設定されている。換言すれば、排出孔441aは、弁室410の内面(側壁部441の内周面)における弁部431の外周面が当接しない部位に開口するように形成されている。
また、本実施形態において、スプール430は、軸部433が挿通される挿通孔442aとの関係において、少なくとも弁部431の一端面431aが弁座部103eに当接して弁孔103dを閉鎖しているとき、その重心Gが挿通孔442aのストレート孔部442a1に位置するように形成されている。好ましくは、スプール430は、弁部431の一端面431aが弁座部103eに当接しているとき及び弁部431の他端面431bが弁室形成部材440の端壁部442に当接する弁座部103eに当接しているときのそれぞれにおいて、その重心Gが挿通孔442aのストレート孔部442a1に位置するように形成される(図5(A)、(B))。
スプール430は、逆止弁350の弁体351と同様、例えば金属や樹脂材料で形成され得るが、軽量化のために樹脂材料で形成されるのが好ましい。前記樹脂材料としてはポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂やナイロン(ポリアミド)系樹脂などが好適に選択され得る。
「第1排出通路146a」
図5(B)を参照すると、第1制御弁300が閉弁しているとき(すなわち、第1制御弁300が供給通路145を閉鎖しているとき)、第2制御弁400においては、スプール430の弁部431の一端面431aが弁座部103eから離間している。すなわち、弁孔103dが開放されており、弁孔103dと排出孔441aとが弁室410を介して連通している。このため、クランク室140と吸入室141とは、連通路101c、空間部101d、弁孔103d、弁室410及び排出孔441aを経由する第2通路によって連通し、当該第2通路を介してクランク室140内の冷媒が吸入室141に排出される。つまり、前記第2通路によって第1排出通路146aが形成される。
そして、第2制御弁400において、スプール430の弁部431の一端面431aが弁座部103eに当接すると、第1排出通路146aの一部を形成する弁孔103dが閉鎖される(弁室410を介した弁孔103dと排出孔441aとの連通が遮断される)ため、第1排出通路146aが閉鎖されることになる。
「絞り通路147」
図10は、可変容量圧縮機100の要部拡大断面図であり、絞り通路147を示す図である。本実施形態において、供給通路145における第1制御弁300と逆止弁350との間の前記弁間領域と吸入室141とを連通する絞り通路147は、空間部104eと吸入室141とを連通するように形成されている。具体的には、絞り通路147は、ヘッドガスケット153における空間部104eに対応する位置に形成された第1貫通孔153aと、ヘッドガスケット153における吸入室141に対応する位置に形成された第2貫通孔153bと、吐出弁形成板151に形成されて第1貫通孔153aと第2貫通孔153bとを連通する連通溝103fとによって形成されている。
「逆止弁350の動作」
弁体351には、第1ポート152bを介して供給通路145における第1制御弁300と逆止弁350との間の弁間領域の圧力Pxが作用すると共に、第2ポート101e4を介してクランク室140の圧力Pcが作用する。そして、弁体351は、これらの圧力差ΔP(=Px−Pc)に応答して収容室101e内を移動する。
第1制御弁300が開弁する(供給通路145を開放する)と、吐出室142内の冷媒が第1制御弁300の下流側に供給されて供給通路145における第1制御弁300と逆止弁350との間の領域の圧力Pxが上昇する。すると、圧力差ΔP(=Px−Pc)>0となって、図4(A)に示されるように、弁体351の端壁部351bが弁座部152aから離間して第1ポート152bを開放すると共に弁体351の側壁部351aの前記開口端が収容室101eの底部101e2に当接する。これにより、第1ポート152bと第2ポート101e4とが、大径室101e1及び弁体351の内部通路351cを介して連通する。そして、第1制御弁300を通過した吐出室142内の冷媒が、連通路104f、空間部104e、第1ポート152b、大径室101e1、弁体351の内部通路351c、第2ポート101e4及び連通路101fを通過してクランク室140に供給される。すなわち、逆止弁350は、供給通路145を開放する。
第1制御弁300が閉弁する(供給通路145を閉鎖する)と、吐出室142内の冷媒が第1制御弁300の下流側に供給されず、また、供給通路145における第1制御弁300と逆止弁350との間の前記弁間領域にある冷媒は、空間部104eと吸入室141とを連通する絞り通路147を経由して吸入室141に流出する。このため、供給通路145における第1制御弁300と逆止弁350との間の弁間領域の圧力Pxが低下する。すると、圧力差ΔP(=Px−Pc)<0となって、図4(B)に示されるように、弁体351の側壁部351aの前記開口端が収容室101eの底部101e2から離間すると共に弁体351の端壁部351bが弁座部152aに当接して第1ポート152bを閉鎖する。すなわち、逆止弁350は、供給通路145を閉鎖する。これにより、クランク室140から第1制御弁300に向かう冷媒の流れが阻止される。
このように、逆止弁350は、第1制御弁300が供給通路145を開放しているときには供給通路145を開放して吐出室142からクランク室140への冷媒の流れを許容する一方、第1制御弁300が供給通路145を閉鎖しているときには供給通路145を閉鎖してクランク室140から第1制御弁300に向かう冷媒の流れを阻止するように構成されている。なお、逆止弁350は、弁体351を弁座部152aに向けて付勢する付勢手段(圧縮コイルバネ等)を有してもよい。また、ここではシリンダガスケット152が弁座部152a及び第1ポート152bを有しているが、これに限られるものではなく、例えばバルブプレート103や吸入弁形成板150が弁座部152a及び第1ポート152bを有してもよい。
「第2制御弁400の動作」
スプール430において、弁部431には、弁孔103dを介して空間部101dの圧力、すなわち、クランク室140の圧力Pcが作用し、受圧部432には、背圧室420の圧力、すなわち、供給通路145における第1制御弁300と逆止弁350との間の前記弁間領域の圧力Pxが作用する。そして、スプール430は、これらの圧力差ΔP(=Px−Pc)に応答して軸線方向に移動する。
第1制御弁300が開弁する(供給通路145を開放する)と、吐出室142内の冷媒が第1制御弁300の下流側に供給され、供給通路145における第1制御弁300と逆止弁350との間の前記弁間領域の圧力Pxが上昇する。すると、圧力差ΔP(=Px−Pc)>0となって、図5(A)に示されるように、スプール430の弁部431の一端面431aが弁座部103eに当接して弁孔103dを閉鎖する。すなわち、第2制御弁400は、第1排出通路146aを閉鎖する。これにより、前記排出通路が第2排出通路146bのみで構成されてクランク室140内の冷媒の吸入室141への排出量が制限され、クランク室140の圧力が上昇し易くなる。
第1制御弁300が閉弁する(供給通路145を閉鎖する)と、吐出室142内の冷媒は、第1制御弁300の下流側に供給されず、また、供給通路145における第1制御弁300と逆止弁350との間の前記弁間領域にある冷媒は、絞り通路147を経由して吸入室141に流出する。このため、供給通路145における第1制御弁300と逆止弁350との間の弁間領域の圧力Pxが低下する。すると、圧力差ΔP(=Px−Pc)<0となり、図5(B)に示されるように、スプール430の弁部431の一端面431aが弁座部103eから離間して弁孔103dを開放し、弁孔103dと排出孔441aとが弁室410を介して連通する。すなわち、第2制御弁400は、第1排出通路146aを開放する。これにより、前記排出通路が第1排出通路146aと第2排出通路146bとの両方で構成され、クランク室140内の冷媒が速やかに吸入室141に排出されてクランク室140の圧力が吸入室141の圧力と同等となる。
このように、第2制御弁400は、第1制御弁300が供給通路145を開放しているときには第1排出通路146aを閉鎖し、これによって、前記排出通路全体としての開度を最小にしてクランク室140の圧力が上昇し易くする一方、第1制御弁300が供給通路145を閉鎖しているときには第1排出通路146aを開放し、これによって、前記排出通路全体としての開度を最大にしてクランク室140内の冷媒の速やかな排出(すなわち、クランク室140の圧力の速やかな低下)を可能としている。なお、ここではバルブプレート103が弁孔103d及び弁座部103eを有しているが、これに限られるものではなく、例えば、吐出弁形成板151やヘッドガスケット153が弁孔103d及び弁座部103eを有してもよい。
「可変容量圧縮機100の動作」
まず、車両のエンジンが停止している場合など、可変容量圧縮機100が停止している状態では、第1制御弁300のモールドコイル314への通電はOFFになっており、第1制御弁300は供給通路145を最大に開放する。逆止弁350は、供給通路145を開放している。第2制御弁400は、第1排出通路146aを閉鎖しており、前記排出通路は、第2排出通路146bのみで構成されている。すなわち、前記排出通路の開度が最小となっている。
上記の状態で車両のエンジンが始動し、可変容量圧縮機100の駆動軸110が回転すると、吐出逆止弁200が前記吐出通路を閉鎖しているので、吐出室142内の冷媒のすべてが供給通路145を経由してクランク室140に供給される。このため、クランク室140の圧力が上昇して斜板111の傾角は最小となり、ピストン136のストローク(吐出容量)が最小となる。このとき、可変容量圧縮機100は非作動状態で運転されている状態となっている。なお、吐出室142内の冷媒は、吐出室142、供給通路145、クランク室140、第2排出通路146b、吸入室141及びシリンダボア101aで形成される内部循環路を循環する。
次いで、前記エアコンシステムが作動すると、第1制御弁300のモールドコイル314に電流が流れて第1制御弁300が供給通路145を閉鎖する。すると、吐出室142内の冷媒が供給通路145における第1制御弁300よりも下流に供給されず、また、供給通路145における第1制御弁300と逆止弁350との間の領域にある冷媒は、絞り通路147を経由して吸入室141に流出し、圧力差ΔP(=Px−Pc)<0となる。したがって、逆止弁350は、供給通路145を閉鎖し、第2制御弁400は、第1排出通路146aを開放する。これにより、クランク室140から第1制御弁300に向かう冷媒の逆流が阻止されると共に、前記排出通路が第1排出通路146aと第2排出通路146bの両方で構成される。すなわち、前記排出通路の開度が最大となる。
このため、クランク室140内の冷媒が速やかに吸入室141に流出し(排出され)、クランク室140の圧力が吸入室141の圧力と同等となる。この結果、斜板111の傾角が最大となってピストン136のストローク(すなわち、可変容量圧縮機100の吐出容量)が最大となる。そして、吐出逆止弁200が開弁して前記エアコンシステムを冷媒が循環し、前記エアコンシステムが作動状態となる。
その後、吸入室141の圧力がモールドコイル314に流れる電流によって設定された設定圧力まで低下すると、第1制御弁300が供給通路145を開放して吐出室142内の冷媒が供給通路145における第1制御弁300よりも下流に供給される。すると、圧力差ΔP(=Px−Pc)>0となる。したがって、逆止弁350が供給通路145を開放し、吐出室142内の冷媒がクランク室140に供給される。また、第2制御弁400が第1排出通路146aを閉鎖し、前記排出通路は第2排出通路146bのみで構成されてクランク室140内の圧力が上昇し易い状態になる。そして、吸入室141の圧力が前記設定圧力を維持するように、第1制御弁300の開度が調整されて吐出容量が可変制御される吐出容量制御状態となる。
本実施形態に係る可変容量圧縮機100において、第2制御弁400のスプール430は、挿通孔442aの軸線に対して傾斜可能に形成されており、挿通孔442aの軸線に対して最大に傾斜したとき、弁部431の外周面が弁室410の内面に当接する共に軸部433の外周面が挿通孔442aの内面に当接するように形成されている。このため、受圧部432の外周面と背圧室420の内面との間には比較的大きな隙間が形成されることになり、背圧室420に流入する冷媒に異物が含まれる場合であっても、当該異物に起因するスプール430の動作不良が抑制される。特に、本実施形態においては、受圧部432の外周面が背圧室420の内面を摺動移動することがないので、前記異物に起因するスプール430の動作不良が効果的に防止される。また、スプール430は、挿通孔442aの軸線に対して傾斜した状態で一つの面に押し付けられる(例えば、軸部433が傾斜した状態で挿通孔442aの内面に押し付けられる)ことがなく、スプール430の移動を阻害する要因となる接触面圧の増大が防止される。この結果、スプール430の安定した動作が確保される。
また、本実施形態において、スプール430は、挿通孔442aの軸線に対して最大に傾斜したとき、弁部431の移行部431eが弁室410の内面に当接する共に軸部433の外周面が挿通孔442aの移行部442a4に当接するように形成されている。すなわち、スプール430は、挿通孔442aの軸線に対して最大に傾斜したとき、弁部431の外周面における軸部433とは反対側の端部に近い部位が弁室410の内面に当接する共に軸部433の外周面が挿通孔442aの内面における背圧室420に近い部位に当接する。このため、2つの当接位置の間の距離が比較的長く確保され、最大傾斜時におけるスプール430のより安定した動作が確保され得る。特に、本実施形態においては、弁部431の移行部431e及び挿通孔442aの移行部442a4が曲面で形成されているので、最大傾斜時においてもスプール430は滑らかに移動することができる。
また、本実施形態において、挿通孔442aは、弁室形成部材440の端壁部442を水平方向に貫通しており、スプール430は、弁部431が弁孔103dを閉鎖しているとき、その重心Gが挿通孔442aのストレート孔部442a1に位置するように形成されている。このため、弁部431が弁孔103dを閉鎖しているときに、例えばスプール430に振動が加わった場合であっても、スプール430が傾斜することが抑制され、弁部431が弁孔103dを閉鎖する状態が安定して維持され得る。
なお、上述の実施形態において、第2制御弁400のスプール430は、挿通孔442aの軸線に対した最大に傾斜したとき、弁部431の外周面が弁室410の内周面に当接すると共に、軸部433の外周面が挿通孔442aに内面に当接するように形成されている。しかし、これに限られるものではない。スプール430は、挿通孔442aの軸線に対した最大に傾斜したとき、弁部431の外周面が弁室410の内周面に当接すると共に受圧部432の外周面が背圧室420の内周面に当接するよう構成されてもよい。あるいは、スプール430は、挿通孔442aの軸線に対して最大に傾斜したとき、軸部433の外周面が挿通孔442aの内面に当接すると共に受圧部432の外周面が背圧室420の内周面に当接するように形成されてもよい。これらの場合においても、受圧部432の外周面と背圧室420の内面との間には比較的大きな隙間が形成され、2つの当接位置の間の距離が比較的長く確保され、かつ、スプール430は、挿通孔442aの軸線に対して傾斜した状態で一つの面に押し付けられることがないので、上述の実施形態と同様の効果が得られる。但し、背圧室420に流入した異物に起因するスプール430の動作不良の防止という観点においては、受圧部432の外周面が背圧室420の内面を摺動移動することがない上述の実施形態の方が有利である。
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は上述の実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて更なる変形や変更が可能である。
100…可変容量圧縮機、101a…シリンダボア(圧縮部)、103d…弁孔、136…ピストン(圧縮部)、140…クランク室(制御圧室)、141…吸入室、142…吐出室、145…供給通路、146a…第1排出通路、146b…第2排出通路、147…絞り通路、300…第1制御弁、350…逆止弁、400…第2制御弁、410…弁室、420…背圧室、430…スプール、431…弁部、431c…円柱部、431d…テーパ部、431e…移行部、432…受圧部、433…軸部、440…弁室形成部材、441…弁室形成部材の側壁部、441a…排出孔、442…弁室形成部材の端壁部(区画部)、442a…挿通孔、442a1…ストレート孔部、442a2…第1テーパ孔部、442a3…第2テーパ孔部、442a4…移行部

Claims (7)

  1. 外部から冷媒が導かれる吸入室と、前記吸入室内の冷媒を吸入して圧縮する圧縮部と、前記圧縮部によって圧縮された冷媒が吐出される吐出室と、制御圧室とを有し、前記制御圧室の圧力に応じて吐出容量が変化する可変容量圧縮機であって、
    前記吐出室内の冷媒を前記制御圧室に供給する供給通路に設けられ、前記供給通路の開度を制御する第1制御弁と、
    前記供給通路における前記第1制御弁よりも前記制御圧室側に設けられ、前記制御圧室から前記第1制御弁に向かう冷媒の流れを阻止する逆止弁と、
    前記供給通路における前記第1制御弁と前記逆止弁との間の領域である弁間領域と前記吸入室とを連通する絞り通路と、
    前記制御圧室内の冷媒を前記吸入室に排出する排出通路に設けられ、前記排出通路の開度を制御する第2制御弁と、
    を含み、
    前記第2制御弁は、
    弁孔を介して前記制御圧室に連通すると共に排出孔を介して前記吸入室に連通し、前記弁孔及び前記排出孔と共に前記排出通路の一部を形成する弁室と、
    区画部によって前記弁室と区画され、前記弁間領域に連通する背圧室と、
    前記弁室内に配置された弁部と、前記背圧室内に配置された受圧部と、前記区画部に貫通形成された挿通孔に隙間を有して挿通されると共に前記弁部と前記受圧部とを連結する軸部とを有し、前記弁間領域の圧力と前記制御圧室の圧力との差に応じて前記挿通孔の軸線方向に移動するスプールと、
    を有し、
    前記スプールの前記弁部が前記弁孔を閉鎖することによって前記排出通路の開度を最小開度とし、前記弁部が前記弁孔を開放することによって前記排出通路の開度を最大開度とするように構成されており、
    前記スプールは、前記挿通孔の軸線に対して傾斜可能に形成され、前記挿通孔の軸線に対して最大に傾斜したとき、前記弁部の外周面が前記弁室の内面に当接すると共に前記軸部の外周面が前記挿通孔の内面に当接するか、前記弁部の外周面が前記弁室の内面に当接すると共に前記受圧部の外周面が前記背圧室の内面に当接するか、又は、前記軸部の外周面が前記挿通孔の内面に当接すると共に前記受圧部の外周面が前記背圧室の内面に当接する、
    可変容量圧縮機。
  2. 前記スプールは、前記挿通孔の軸線に対して最大に傾斜したとき、前記弁部の外周面における前記軸部とは反対側の端部に近い部位が前記弁室の内面に当接すると共に前記軸部の外周面が前記挿通孔の内面における前記背圧室に近い部位に当接するように形成されている、
    請求項1に記載の可変容量圧縮機。
  3. 前記弁部は、円柱状に形成された円柱部と、前記円柱部側から前記弁孔の周囲の弁座部に接離する接離部側に向かって徐々に縮径するテーパ部と、前記円柱部から前記テーパ部への移行部と、を有し、
    前記スプールが前記挿通孔の軸線に対して最大に傾斜したとき、前記弁部の前記移行部が前記弁室の内面に当接する、
    請求項1又は2に記載の可変容量圧縮機。
  4. 前記挿通孔は、軸線方向の中間位置に配置されたストレート孔部と、前記ストレート孔部の一端側から前記弁室側に向かって徐々に拡径する第1テーパ孔部と、前記ストレート孔部の他端側から前記背圧室側に向かって徐々に拡径する第2テーパ孔部と、前記ストレート孔部から前記第2テーパ孔部への移行部と、を有し、
    前記スプールが前記挿通孔の軸線に対して最大に傾斜したとき、前記軸部の外周面が前記挿通孔の前記移行部に当接する、
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の可変容量圧縮機。
  5. 前記挿通孔は、前記区画部を水平方向に貫通しており、
    前記スプールは、前記弁部が前記弁孔を閉鎖しているとき、その重心が前記挿通孔の前記ストレート孔部に位置するように形成されている、
    請求項4に記載の可変容量圧縮機。
  6. 前記移行部が曲面で形成されている、請求項3〜5のいずれか一つに記載の可変容量圧縮機。
  7. 前記排出孔は、前記弁室の内面における前記弁部の外周面が当接しない部位に開口するように形成されている、請求項1〜6のいずれか一つに記載の可変容量圧縮機。
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