JP2019056239A - 消音システム - Google Patents

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【課題】共鳴による消音装置の振動によって生じる騒音を抑制することができる消音システムを提供する。【解決手段】消音システムにおいては、第1空間と第2空間とを仕切る仕切部32を貫通して管状部材34が設置され、管状部材を通過する音を消音する消音装置36が管状部材に設置されている。消音装置は、仕切部と仕切部の一方の表面に沿って仕切部の表面から離間して設置された化粧板38との間の空間において、管状部材の一方の端部側に配置されている。消音装置と管状部材との間、および、消音装置と化粧板との間の少なくとも一方に弾性体または粘弾性体48A、48Bが配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、住宅の外壁等の仕切部を貫通して通気スリーブ等の管状部材が設置され、管状部材を通過する音を消音する消音装置が管状部材に設置された消音システムに関する。
住宅の壁に設けられた換気のための通気スリーブからの音漏れが騒音の問題となっている。この騒音対策として、通気スリーブに適用される様々な消音装置が開発されている。吸音材および共鳴器等の消音装置を通気スリーブ内に配置する場合、または、通気スリーブの屋外側に防音フード等を配置する場合は、防音効果は得られるが、圧力損失が大きくなり換気効率が低下するという問題があった。
この問題を解決するためには、例えば、通気スリーブの外周部に消音装置を配置することが考えられる。しかし、通気スリーブの外周部に消音装置を配置するためには、例えば、コンクリートからなる壁に設けられた穴を拡大する大掛かりな施工が必要となる。これに対し、壁の室内側の表面と化粧板との間の空間に消音装置を配置することが発案されている(特許文献1,2参照)。
ここで、特許文献1には、共鳴型消音機構を、通気スリーブの筒軸芯方向における仕切部の外の位置で、且つ、仕切部と化粧板との間の位置で、通気スリーブの外周部に形成することが記載されている。
特許文献2には、消音容器と、消音容器の屋外側の開口に取り付けられた減音装置とにより構成された消音換気装置において、減音装置を給気筒と、共鳴音吸音材とより構成し、給気筒の屋内側(消音容器側)の先端に有孔筒を設置し、有孔筒の周囲に共鳴音吸音材を配置することが記載されている。
また、本発明に関連性のある先行技術文献として、特許文献3には、レンジフードの上部に形成された防音室より連通垂設される接続用筒体と、レンジフード本体の下端縁が内上方へ一体に延設されてなる集気板の上部開口筒部分とを弾性体でなる吸音筒体にて連通接続することが記載されている。
特許第4820163号公報 特開2013−164229号公報 特開平6−221637号公報
例えば、特許文献1,2に記載の消音装置は、壁または化粧板に直接接触されて機械的に固定されている。しかし、通気スリーブの長さ等によって決定される共鳴周波数の音が通気スリーブおよび消音装置を通過する場合、消音装置が共鳴周波数の音に共鳴して、音のエネルギーが消音装置の中に蓄えられて消音装置自体が大きく振動し、消音装置が音源となって音が放射されて騒音が発生するという問題がある。
また、経時とともに、消音装置の振動によって消音装置と化粧板との間の機械的な固定部に隙間が生じ、消音装置の振動によって消音装置と化粧板とが物理的に接触することによっても騒音が発生するようになるという問題がある。
上記のように、共鳴による消音装置の振動によって騒音装置から騒音が発せられるという問題は、本発明者らによって初めて知見された全く新たな問題である。共鳴による消音装置の振動によって生じる騒音は、特に消音装置を室内側に設置した場合に問題となるが、従来の消音システムにおいて、消音装置を室内側に配置しているものはほとんど存在していなかったため、従来の消音システムでは全く考慮されていなかった。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、共鳴による消音装置の振動によって生じる騒音を抑制することができる消音システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、第1空間と第2空間とを仕切る仕切部を貫通して管状部材が設置され、管状部材を通過する音を消音する消音装置が管状部材に設置された消音システムであって、
消音装置は、仕切部と仕切部の一方の表面に沿って仕切部の表面から離間して設置された化粧板との間の空間において、管状部材の一方の端部側に配置され、
消音装置と管状部材との間、および、消音装置と化粧板との間の少なくとも一方に弾性体または粘弾性体が配置されている消音システムを提供する。
ここで、弾性体または粘弾性体の損失係数が0.01以上であることが好ましい。
また、消音装置は、内径が管状部材の内径よりも大きい拡張部を備える筒状の拡張型の消音器を有することが好ましい。
消音装置は、さらに、管状部材内に挿入された筒状の第1挿入部と、化粧板に形成された開口穴内に挿入された筒状の第2挿入部とを有し、
消音器は、第1挿入部の一方の端面と第2挿入部の一方の端面との間に接続され、
弾性体または粘弾性体は、第1挿入部の外周面と管状部材の内周面との間、および、第2挿入部の外周面と化粧板に形成された開口穴の内周面との間の少なくとも一方に配置されていることが好ましい。
消音装置は、さらに、管状部材内に挿入された筒状の挿入部を有し、
消音器の一方の端面は挿入部の一方の端面に接続され、消音器の他方の端部は化粧板に形成された開口穴内に挿入され、
弾性体または粘弾性体は、挿入部の外周面と管状部材の内周面との間、および、消音器の他方の端部の外周面と化粧板に形成された開口穴の内周面との間の少なくとも一方に配置されていることが好ましい。
消音装置は、さらに、拡張部の空間内に配置された吸音材を有することが好ましい。
また、消音器の他方の端面は、消音器の他方の端面以外の消音器本体から取り外し可能であり、消音器本体から消音器の他方の端面を取り外した場合に拡張部の空間内に配置された吸音材を交換可能であることが好ましい。
また、消音装置は、管状部材の第一共鳴の共鳴周波数の音を消音する共鳴型の消音器を有することが好ましい。
消音装置は、さらに、一方の端部が管状部材内に挿入され、他方の端部が化粧板に形成された開口穴内に挿入された筒状の連通部を備え、
連通部の壁面には、開口部が形成され、
消音器は、連通部の外周面上に配置され、
消音器の内部空間と管状部材の内部空間とは開口部によって連通され、
弾性体または粘弾性体は、連通部の一方の端部の外周面と管状部材の内周面との間、および、連通部の他方の端部の外周面と化粧板に形成された開口穴の内周面との間の少なくとも一方に配置されていることが好ましい。
また、消音装置は、音エネルギーを熱エネルギーに変換して消音を行う吸収型の消音器を有することが好ましい。
消音装置は、さらに、管状部材内に挿入された筒状の挿入部と、吸音材と、を備え、
消音器は、空洞部および空洞部と外部とを連通する開口部を有し、挿入部の一方の端面に接続され、
吸音材は、消音器の空洞部内の少なくとも一部に、または、消音器の開口部の少なくとも一部を覆う位置に配置され、
消音器の開口部は、管状部材の中心軸側を向いて配置されており、
挿入部は、中心軸を管状部材の中心軸に一致させて配置されており、
消音器内の音波の進行方向における空洞部の深さLdは、管状部材の軸方向における開口部の幅Loよりも大きく、
消音装置を含む消音システムにおける管状部材の第一共鳴の共鳴周波数における音波の波長をλとすると、空洞部の深さLdは、0.011×λ<Ld<0.25×λを満たし、
弾性体または粘弾性体は、挿入部の外周面と管状部材の内周面との間、および、消音器の他方の端部の外周面と化粧板に形成された開口穴の内周面との間の少なくとも一方に配置されていることが好ましい。
消音装置は、さらに、管状部材内に挿入された筒状の挿入部と、吸音材と、を備え、
消音器は、空洞部および空洞部と外部とを連通する開口部を有し、挿入部の一方の端面に接続され、
吸音材は、消音器の空洞部内の少なくとも一部に、または、消音器の開口部の少なくとも一部を覆う位置に配置され、
消音器の開口部は、管状部材の中心軸側を向いて配置されており、
挿入部は、中心軸を管状部材の中心軸に一致させて配置されており、
消音器内の音波の進行方向における空洞部の深さLdは、管状部材の軸方向における開口部の幅Loよりも大きく、
消音器の開口部の面積をS1、空洞部の内壁の表面積をSdとすると、面積Sdに対する面積S1の割合S1/Sdは、0<S1/Sd<40%を満たし、
弾性体または粘弾性体は、挿入部の外周面と管状部材の内周面との間、および、消音器の他方の端部の外周面と化粧板に形成された開口穴の内周面との間の少なくとも一方に配置されていることが好ましい。
本発明の消音システムは、消音装置と化粧板との間、および、消音装置と管状部材との間の少なくとも一方を弾性体または粘弾性体によって固定することにより、共鳴による消音装置自体の振動を抑え、消音装置が音源となって音が放射されて騒音が発生するのを抑制することができる。また、消音装置自体の振動が抑えられるため、消音装置と化粧板との間の固定部に隙間が生じるのを抑制することができ、消音装置の振動によって消音装置と化粧板とが物理的に接触して騒音が発生することも抑制することができる。
本発明の消音システムの模式的な構成を表す第1実施形態の断面図である。 第1実施形態の消音装置の各部のサイズを表す概念図である。 本発明の消音システムの模式的な構成を表す第2実施形態の断面図である。 本発明の消音システムの模式的な構成を表す第3実施形態の断面図である。 本発明の消音システムの模式的な構成を表す第4実施形態の断面図である。 通気スリーブの音場空間を説明するための概念図である。 透過音圧の実測で用いた消音装置の構成を表す断面図である。 透過音圧を測定するための実測システムを表す概念図である。 消音装置が無しおよび有りの場合の透過音圧と1/3オクターブバンドの中心周波数との関係を表すグラフである。 消音装置が非固定および固定の場合の透過音圧と1/3オクターブバンドの中心周波数との関係を表すグラフである。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の消音システムを詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、「直交」および「平行」とは、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、「直交」および「平行」とは、厳密な直交あるいは平行に対して±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な直交あるいは平行に対しての誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
本明細書において、「同じ」は、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含むものとする。また、本明細書において、「全体」および「全周」などというとき、100%である場合のほか、技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含み、例えば99%以上、95%以上、または90%以上である場合を含むものとする。
また、本明細書において、「消音」とは騒音を消し、「防音」とは騒音を防ぎ、「吸音」とは騒音を吸収することを意味するが、いずれも技術分野で許容される誤差範囲を含むものとする。例えば、「消音」とは、騒音を100%消す場合の他、例えば、99%以上、95%以上、または90%以上の騒音を消す場合等を含むものとする。「防音」および「吸音」についても同様である。
[第1実施形態]
図1は、本発明の消音システムの模式的な構成を表す第1実施形態の断面図である。図1に示す消音システム30は、コンクリート壁32を貫通して通気スリーブ34が設置され、消音装置36が通気スリーブ34に設置された構成を有する。
コンクリート壁32は、第1空間と第2空間とを仕切る本発明の仕切部であり、例えば、外壁等の壁であるが、これに限定されず、スラブ、屋根等であってもよい。コンクリート壁32には、その厚み方向に貫通する貫通穴が形成されている。
本実施形態において、第1空間は室外空間であり、第2空間は室内空間である。ただし、これに限定されず、例えば、第1空間および第2空間の両方が室内空間であってもよいし、両方が室外空間であってもよい。
通気スリーブ34は、本発明の管状部材であり、例えば、換気口および空調用ダクト等の筒状の通気スリーブであるが、これに限定されず、各種機器に用いられる一般的なダクト等であってもよい。
通気スリーブ34の軸方向の長さはコンクリート壁32の厚みと同じであり、通気スリーブ34の外径はコンクリート壁32に形成された貫通穴の内径と同じである。通気スリーブ34は、コンクリート壁32に形成された貫通穴の中に嵌め込まれて設置されている。
コンクリート壁32の厚みは100mm、貫通穴の直径は114mmである。通気スリーブ34の内径は100mm、外径は貫通穴の直径と同じ114mmであり、長さはコンクリート壁32の厚みと同じ100mmである。
また、消音システム30には、室内の美観性を向上させるために、コンクリート壁32の一方(第2空間側)の表面に沿ってコンクリート壁32の表面から一定の間隔離間してコンクリート壁32を覆うように化粧板38が設置されている。つまり、コンクリート壁32と化粧板38との間には空間が存在する。化粧板38には、その厚み方向に貫通する開口穴が形成されている。化粧板38に形成された開口穴の中心軸は、コンクリート壁32に形成された貫通穴の中心軸と一致している。
化粧板38の厚みは10mmである。化粧板38に形成された開口穴の直径は、通気スリーブ34の内径と同じ114mmである。化粧板38とコンクリート壁32との間の距離は109mmである。
消音装置36は、通気スリーブ34を通過する音を消音するものである。消音装置36は、コンクリート壁32と化粧板38との間の空間において、通気スリーブ34の軸方向の一方(第2空間側)の端部側に配置されている。
第1実施形態の消音装置36は、アクリル樹脂製の拡張ダクトであり、第1挿入部40Aと、消音器42と、第2挿入部40Bとを有する。
第1挿入部40Aおよび第2挿入部40Bは、両端が開放された筒状の部材である。
消音器42は、両端面の中央部が開放された筒状の拡張型の消音器であり、内径が第1挿入部40Aおよび第2挿入部40Bの内径よりも拡張された拡張部を有する。消音器42は、第1挿入部40Aと第2挿入部40Bとの間、さらに詳しくは、第1挿入部40Aの軸方向の一方(第2空間側)の端面と第2挿入部40Bの軸方向の一方(第1空間側)の端面との間に接続されている。
本発明において、拡張型の消音器とは、内径が通気スリーブの内径よりも大きい拡張部を備える筒状の消音器のことを言う。
第1挿入部40Aおよび第2挿入部40Bの外径は108mmであり、通気スリーブ34の内径および化粧板38に形成された開口穴の直径よりも小さい。
また、図2に示すように、第1挿入部40Aおよび第2挿入部40Bの内径φ1は88mmである。消音器42の内径φ2は140mmであり、通気スリーブ34の内径よりも大きい。また、第1挿入部40Aの軸方向の長さL1は30mmである。消音器42の軸方向の長さL2は、化粧板38とコンクリート壁32との間の距離と同じ109mmである。第2挿入部40Bの軸方向の長さL3は、化粧板38の厚みと同じ10mmである。
第1挿入部40Aは、消音器42の軸方向の一方(第1空間側)の端面がコンクリート壁32の一方の表面および通気スリーブ34の軸方向の一方(第2空間側)の端面に接する位置まで通気スリーブ34内に挿入されている。第2挿入部40Bは、消音器42の軸方向の他方(第2空間側)の端面が化粧板38の一方(第1空間側)の表面に接する位置まで化粧板38に形成された開口穴内に挿入されている。
第1挿入部40Aの外周面と通気スリーブ34の内周面との間には、制振および固定材料として弾性体または粘弾性体48Aが配置され、第1挿入部40Aの外周面は、弾性体または粘弾性体48Aによって通気スリーブ34の内周面に固定されている。弾性体または粘弾性体48Aの厚みは3mmであり、第1挿入部40Aの外径と通気スリーブ34の内径との差分に等しい。また、第2挿入部40Bの外周面と化粧板38に形成された開口穴の内周面との間には弾性体または粘弾性体48Bが配置され、第2挿入部40Bの外周面は、弾性体または粘弾性体48Bによって化粧板38に形成された開口穴の内周面に固定されている。弾性体または粘弾性体48Bの厚みは3mmであり、第2挿入部40Bの外径と化粧板38に形成された開口穴の内径との差分に等しい。弾性体または粘弾性体48A、48Bとしては、損失係数が0.06〜0.08であるシリコーンゴムを使用している。
弾性体または粘弾性体48A、48Bの損失係数は、固定材料としてはコンクリートの損失係数(鈴木浩平、「ダンピングと制振の技術−制振材料と新しいダンパの開発−」、計測と制御、公益社団法人 計測自動制御学会、1998年8月、第37巻、第8号、p.531−540参照)よりも大きい0.01以上であるのが好ましく、制振材料としては0.1以上であるのが好ましい。損失係数は、振動の減衰特性を表す指標である。
弾性体または粘弾性体48A、48Bの厚みは、消音装置36の振動および騒音の抑制等の観点から、0.01mm〜20mmであるのが好ましく、0.1mm〜10mmであるのがより好ましく、0.5mm〜5mmであるのが最も好ましい。
第1実施形態の消音システム30では、第1挿入部40A、40Bおよび消音器42を有する消音装置36を通気スリーブ34内に挿入して設置する構成とすることにより、既存の換気口および空調用ダクト等に大規模な工事等を行うことなく簡易に設置することが可能となる。従って、消音器42が劣化あるいは破損した時の交換が簡易である。また、住宅の通気スリーブなどに使用する場合は、コンクリート壁の貫通穴径を変える必要がなく施工が簡易である。また、リノベーション時に後付けで設置することが簡易である。
第1実施形態の消音システム30においては、弾性体または粘弾性体48A、48Bによって通気スリーブ34と消音装置36との間、および、消音装置36と化粧板38との間の両方が固定されている。これにより、共鳴による消音装置36自体の振動を抑え、消音装置36が音源となって音が放射されて騒音が発生するのを抑制することができる。また、消音装置36自体の振動が抑えられるため、消音装置36と化粧板38との固定部に隙間が生じるのを抑制することができ、消音装置36の振動によって消音装置36と化粧板38とが物理的に接触することによって騒音が発生するのを抑制することができる。
なお、上記実施形態においては、消音装置36と通気スリーブ34との間、および、消音装置36と化粧板38との間の両方に弾性体または粘弾性体48A、48Bを配置しているが、これに限定されず、消音装置36と通気スリーブ34との間、および、消音装置36と化粧板38との間の少なくとも一方に弾性体または粘弾性体を配置することができる。つまり、第1挿入部40Aの外周面と通気スリーブ34の内周面との間、および、第2挿入部40Bの外周面と化粧板38に形成された開口穴の内周面との間の少なくとも一方に弾性体または粘弾性体を配置することができる。
消音装置36と化粧板38との間、または、消音装置36と通気スリーブ34との間のいずれか一方のみを弾性体または粘弾性体によって固定する場合であっても、消音装置36の振動を大幅に抑制することができる。
消音装置36と化粧板38との間のみを固定する場合、消音装置36の振動を化粧板38によって直接的に抑制することができる。一方、消音装置36の第1挿入部40Aの外周面と通気スリーブ34の内周面との間には弾性体または粘弾性体が配置されていないため、弾性体または粘弾性体の厚みの分だけ第1挿入部40Aおよび第2挿入部40Bの外径および内径を小さくする必要がなく、通気スリーブ34の開口を大きくすることができ、圧力損失を低減することができる。
また、消音装置36と化粧板38との間、および、消音装置36と通気スリーブ34との間の両方を固定する場合、消音装置36をより強固に固定することができ、消音装置36の振動をより確実に抑制することができる。
前述のように、例えば、引用文献2には、消音換気装置において、消音容器と減音装置との間に設置された有孔筒の周囲に共鳴音吸音材を配置することが記載されている。この共鳴音吸音材が弾性体または粘弾性体である場合が考えられる。また、特許文献3には、レンジフードの接続用筒体と集気板の上部開口筒部分とを弾性体でなる吸音筒体にて連通接続することが記載されている。
しかし、特許文献2および3は、いずれも消音装置と通気スリーブとの間、または、消音装置と化粧板との間に弾性体または粘弾性体を配置することを記載していない。
消音装置36の形成材料としては、例えば、金属材料、樹脂材料、強化プラスチック材料、および、カーボンファイバ等を挙げることができる。
金属材料としては、例えば、アルミニウム、チタン、マグネシウム、タングステン、鉄、スチール、クロム、クロムモリブデン、ニクロムモリブデン、および、これらの合金等の金属材料を挙げることができる。
樹脂材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリアミドイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラート、ポリイミド、および、トリアセチルセルロース等の樹脂材料を挙げることができる。
強化プラスチック材料としては、炭素繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)、および、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP:Glass Fiber Reinforced Plastics)を挙げることができる。
また、弾性体または粘弾性体48A、48Bの材料としては、損失係数が0.01以上のゴム、接着材、および、パテ材等を使用することができる。
損失係数は、JIS G 0602:1993に準ずる片持梁法または中央加振法により測定することができる。例えば、リオン株式会社製の損失係数測定システムを用いて損失係数の測定を行うことができる。
ゴムとしては、例えば、損失係数が0.04〜0.06である合成ゴム、および、0.06〜0.08のシリコーンゴムを用いることができる。また、防振用シリコーンゴム、例えば信越化学製のKE−5560は0.2〜0.3と高い損失係数を有しているので好ましい。
接着材としては、損失係数が0.01以上であるアクリル系接着材、および、エポキシ系接着材を用いることができる。特に弾性接着材を用いるとさらに好ましい。例えば、セメダイン製(PM100、PM155、PM300、PM165、PM200/PM210、EP001K)、スリーボンドホールディングス製(1220シリーズ、1530シリーズ、3950シリーズ)のものなどを用いることができる。
パテ材としては、損失係数が0.01以上であるラッカーパテ、石膏パテ、炭酸カルシウムパテ、瞬間接着パテ、二液混合型パテなどを用いることができる。特に高い弾性を有するパテが好ましい。例えば、ボンド製(MPX−1、PX2000、KU920、化粧ボード用、G10、G10Z、SU25、シリコーンコーク、変成シリコーンコーク)のものなどを用いることができる。
[第2実施形態]
図3は、本発明の消音システムの模式的な構成を表す第2実施形態の断面図である。
第2実施形態の消音システム50において、コンクリート壁32および通気スリーブ34の構成は第1実施形態の場合と同じである。
化粧板38の厚みは10mm、化粧板38とコンクリート壁32との間の距離は109mmであり、第1実施形態の場合と同じである。一方、化粧板38に形成された開口穴の直径は120mmであり、通気スリーブ34の内径よりも大きい。
第2実施形態の消音装置56は、アクリル樹脂製であり、連通部60と、消音器62とを有する。
連通部60は、両端が開放された筒状の部材であり、その壁面には、開口部64が形成されている。
消音器62は、ヘルムホルツ共鳴器(共鳴型の消音器)であり、連通部60の外周面上に配置されている。ヘルムホルツ共鳴器は、連通部60の壁面に形成された開口部64の背面に閉空間(内部空間)が形成された構造である。つまり、消音器62の内部空間と通気スリーブ34の内部空間(音場空間)とは、連通部60の壁面に形成された開口部64によって連通されている。
本発明において、共鳴型の消音器とは、例えば、通気スリーブの第一共鳴の共鳴周波数の音を消音する消音器のことを言う。
上記構造により、第2実施形態の消音装置56であるヘルムホルツ共鳴器は、通気スリーブの第一共鳴の共鳴周波数の音、例えば、500Hz近傍の音に共鳴し、第1実施形態の消音装置36では消音することが困難な500Hz近傍の低周波音を消音することができる。
なお、消音器62は、ヘルムホルツ共鳴器に限らず、例えば、通気スリーブ34の第一共鳴の共鳴周波数の音を消音する共鳴型の消音器であればよく、微細貫通孔を利用した共鳴器、サイドブランチ型共鳴器、膜振動を利用した共鳴器等が利用可能である。
また、共鳴型の消音器62として、略直方体形状の1以上の消音器を連通部60の外周面上に配置し、連通部60の壁面に各々の消音器に対応する任意の形状の開口部64を形成してもよい。あるいは、共鳴型の消音器62として、ドーナツ形状の消音器を連通部60の外周面上に配置し、開口部64を消音器の壁面の全周にわたってスリット状に形成してもよい。
連通部60の外径は通気スリーブ34の内径と同じ114mmであり、化粧板38に形成された開口穴の直径よりも小さい。連通部60の内径は108mmである。連通部60の軸方向の長さは、第1実施形態の消音装置36の軸方向の長さL1+L2+L3と同じ149mmである。
また、連通部60の壁面に形成された開口部64の面積は、6940mm2であり、その半径方向の長さ、つまり、連通部60の壁面の厚みは、3mmである。消音器62の内部空間の体積は、821840mm3である。
ここで、連通部60の壁面に形成された開口部64の面積は、この開口部64を通る連通部60の中心軸を軸とする円周面における面積である。
連通部60の軸方向の一方(第1空間側)の端部は、消音器62の軸方向の一方(第1空間側)の端面がコンクリート壁32の一方の表面および通気スリーブ34の軸方向の一方の端面に接する位置まで通気スリーブ34内に挿入されている。また、連通部60の軸方向の他方(第2空間側)の端部は、消音器62の軸方向の他方(第2空間側)の端面が化粧板38の一方(第1空間側)の表面に接する位置まで化粧板38に形成された開口穴内に挿入されている。
連通部60の他方の端部の外周面と化粧板38に形成された開口穴の内周面との間には弾性体または粘弾性体68が配置され、連通部60の他方の端部の外周面は、弾性体または粘弾性体68によって化粧板38に形成された開口穴の内周面に固定されている。
弾性体または粘弾性体68の種類および厚みは、第1実施形態で使用したものと同じである。
第2実施形態の消音システム50においても、第1実施形態の場合と同様に、消音装置56自体の振動を抑え、消音装置56が音源となって騒音が発生するのを抑制することができる。
また、第2実施形態の消音システム50においては、弾性体または粘弾性体68によって消音装置56と化粧板38との間のみが固定されている。つまり、通気スリーブ34と消音装置56との間は弾性体または粘弾性体によって固定されていない。従って、第1実施形態の消音システム30の場合と比べて、弾性体または粘弾性体の厚みの分だけ連通部60の外径および内径を大きくすることができるため、通気スリーブ34の開口を大きくすることができ、圧力損失を低減することができる。
[第3実施形態]
図4は、本発明の消音システムの模式的な構成を表す第3実施形態の断面図である。
第3実施形態の消音システム70においても、コンクリート壁32および通気スリーブ34の構成は第1実施形態の場合と同じである。
化粧板38の厚みは10mm、化粧板38とコンクリート壁32との間の距離は109mmであり、第1実施形態の場合と同じである。一方、化粧板38に形成された開口穴の直径は152mmであり、後述する消音器82の外径よりも大きい。
第3実施形態の消音装置76は、アクリル樹脂製の拡張ダクトであり、挿入部80と、消音器82とを有する。
挿入部80は、両端が開放された筒状の部材である。
消音器82は、両端面の中央部が開放された筒状の拡張型の消音器であり、内径が挿入部80の内径よりも拡張された拡張部を有する。消音器82の軸方向の一方(第1空間側)の端面は挿入部80の軸方向の一方(第2空間側)の端面に接続されている。
また、消音器82には、拡張部の空間内の全体にわたって吸音材84が配置されている。なお、吸音材84は、消音装置76の内部空間のどの位置に配置してもよいが、圧力損失を低減するために拡張部の空間内のみに配置するのが好ましい。消音器82の他方(第2空間側)の端面は、これ以外の消音器本体から取り外し可能である。このような構造にすることにより、消音器本体から消音器82の他方の端面を取り外した場合に拡張部の空間内に配置された吸音材84を交換することが可能である。
挿入部80の外径は、通気スリーブ34の内径と同じ114mmであり、内径は108mmである。消音器82の外径は146mmである。消音器82の内径は140mmであり、通気スリーブ34の内径よりも大きい。また、挿入部80の軸方向の長さは、第1実施形態の消音装置36の軸方向の長さL1と同じ30mmである。消音器82の軸方向の長さは、化粧板38の厚みの10mmと、化粧板38とコンクリート壁32との間の距離の109mmとを加えた119mmである。
挿入部80は、消音器82の一方(第1空間側)の端面がコンクリート壁32の一方の表面および通気スリーブ34の軸方向の一方(第2空間側)の端面に接する位置まで通気スリーブ34内に挿入されている。また、消音器82の他方(第2空間側)の端部は、消音器82の他方(第2空間側)の端面が化粧板38の他方(室内側)の表面と一致する位置まで化粧板38に形成された開口穴内に挿入されている。
消音器82の他方の端部の外周面と化粧板38に形成された開口穴の内周面との間には弾性体または粘弾性体88が配置され、消音器82の他方の端部の外周面は、弾性体または粘弾性体88によって化粧板38に形成された開口穴の内周面に固定されている。
弾性体または粘弾性体88の種類および厚みは、第1実施形態で使用したものと同じである。
第3実施形態の消音システム70においても、第1実施形態の場合と同様に、消音装置76自体の振動を抑え、消音装置76が音源となって騒音が発生するのを抑制することができる。
また、第3実施形態の消音システム70においても、第2実施形態の場合と同様に、通気スリーブ34の開口を大きくすることができ、圧力損失を低減することができる。
さらに、第3実施形態の消音システム70においては、弾性体または粘弾性体88によって消音器82と化粧板38との間が固定されている。つまり、消音器82の他方の端面は化粧板38によって覆われていない。また、消音器82の他方の端面は消音器本体から取り外し可能である。従って、消音器82の他方の端面を消音器本体から取り外して吸音材84を容易に交換することが可能となる。
[第4実施形態]
図5は、本発明の消音システムの模式的な構成を表す第4実施形態の断面図である。図5に示す消音システム10は、コンクリート壁12を貫通して通気スリーブ14が設置され、消音装置16が通気スリーブ14に設置された構成を有する。
第4実施形態の消音システム10において、コンクリート壁12および通気スリーブ14の構成は、第1実施形態のコンクリート壁32および通気スリーブ34の場合と同じである。
つまり、通気スリーブ14の軸方向の長さはコンクリート壁12の厚みと同じであり、通気スリーブ14の外径はコンクリート壁12に形成された貫通穴の内径と同じである。通気スリーブ14は、コンクリート壁12に形成された貫通穴の中に嵌め込まれて設置されている。
また、化粧板18は、コンクリート壁12の一方(第2空間側)の表面から離間して配置されている。化粧板18には、その厚み方向に貫通する開口穴が形成されている。化粧板に形成された開口穴の中心軸は、コンクリート壁12に形成された貫通穴の中心軸と一致している。
消音装置16は、通気スリーブ14を通過する音を消音するものである。消音装置16は、コンクリート壁12と化粧板18との間の空間において、通気スリーブ14の軸方向の一方(第2空間側)の端部側に配置されている。
第4実施形態の消音装置16は、挿入部20と、消音器22とを有する。
挿入部20は、両端が開放された筒状の部材である。挿入部20の外径は、通気スリーブ14の内径よりもわずかに小さく、通気スリーブ14内に挿入可能である。
消音器22は、両端面の中央部が開放された筒状(ドーナツ状)の吸収型の消音器であり、その内部に空洞部24を有する。消音器22の外径は、挿入部20の外径よりも大きく、化粧板18に形成された開口穴の直径よりも小さい。消音器22の内径は、通気スリーブ14の内径よりも大きい。消音器22の軸方向の一方(第1空間側)の端面は、消音器22が挿入部20の内径を塞がないように、挿入部20の中心軸と消音器22の中心軸とを一致させて挿入部20の軸方向の一方(第2空間側)の端面に接続されている。
本発明において、吸収型の消音器とは、音エネルギーを熱エネルギーに変換して消音を行う消音器のことを言う。
消音器22の一方の端部には、空洞部24と外部とを連通する開口部26が、消音器22の中心軸(通気スリーブ14の中心軸)の方向を向くように、消音器22の壁面の全周にわたってスリット状に形成されている。つまり、消音器22は、軸方向に平行な断面において、空洞部24と開口部26からなるL字型の空間を有する消音器である。空洞部24は、開口部26および挿入部20の内部空間を通して、通気スリーブ14の内部空間、つまり、通気スリーブ14内に生じる第一共鳴の音場空間に接続されている。
挿入部20は、その中心軸と通気スリーブ14の中心軸とを一致させて、消音器22の一方の端面がコンクリート壁12の一方の表面および通気スリーブ14の一方の端面に接する位置まで通気スリーブ14内に挿入されている。消音器22の軸方向の他方(第2空間側)の端部は、消音器22の他方の端面が化粧板18の一方(第2空間側)の表面と一致する位置まで化粧板18に形成された開口穴内に挿入されている。なお、消音器22の他方の端面は、化粧板18の一方の表面から突出していてもよい。
これにより、消音器22の開口部26は、通気スリーブ14の開口端補正距離内の空間に配置されている。
ここで、消音システム10内における通気スリーブ14の第一共鳴の音場空間について説明する。
図6は、2つの空間を隔てるコンクリート壁12を貫通して設置された通気スリーブ14の第一共鳴モードにおける音圧の分布をシミュレーションによって求めたものである。図6からわかるように、通気スリーブ14の第一共鳴の音場空間は、通気スリーブ14内、および、開口端補正距離内の空間である。周知のとおり、開口端補正の距離だけ音場の定在波の腹が通気スリーブ14の外側にはみ出している。なお、円筒形の通気スリーブ14の場合の開口端補正距離は、大凡1.2×管直径で与えられる。
消音器22の開口部26は、この通気スリーブ14の第一共鳴の音場空間に接続される位置に配置されていればよい。
なお、消音器22の壁面の全周にわたってスリット状の開口部26を形成することに限定されず、例えば、矩形状、多角形状、円形状、楕円形状等の種々の形状の1以上の開口部を形成してもよい。
また、軸方向における消音器22の開口部26の位置にも限定はない。開口部26の位置によって、より好適に消音する周波数帯を制御することが可能である。
図5に示すように、消音器22の空洞部24内の音波の進行方向における空洞部24の深さをLdとし、軸方向における消音器22の開口部26の幅をLoとすると、空洞部24の深さLdは、開口部26の幅Loよりも大きい。
空洞部24内の音波の進行方向は、シミュレーションにより求めることができる。図5に示す例において、空洞部24は軸方向に延在しているため、空洞部24内における音波の進行方向は軸方向(図5中左右方向)である。従って、空洞部24の深さLdは、軸方向における開口部26の中心位置から空洞部24の遠い側(第2空間側)の端面までの長さである。
なお、位置によって空洞部24の深さが異なる場合には、空洞部24の深さLdは、各位置での深さの平均値である。また、位置によって開口部26の幅が異なる場合には、開口部26の幅Loは、各位置での幅の平均値である。
また、消音システム10内における通気スリーブ14内に生じる第一共鳴の共鳴周波数における音波の波長をλとすると、消音器22の空洞部24の深さLdは、0.011×λ<Ld<0.25×λを満たす。すなわち、空洞部24の深さLdは、λ/4よりも小さく、消音器22は、共鳴によって消音するものではなく、音エネルギーを熱エネルギーに変換して消音を行う吸収型の消音器である。
共鳴型の消音器を用いて通気スリーブ14の最低共鳴周波数の音を消音する場合には、少なくとも共鳴周波数の波長λの1/4の長さが必要となる。
また、通気スリーブ14の共鳴は複数の周波数で発生するが、共鳴型の消音器は、特定の周波数(周波数帯域)の音を選択的に消音するものである。
これに対して、第4実施形態の消音システム10は、空洞部24と開口部26とを有し、消音器22内の音波の進行方向における空洞部24の深さLdが、軸方向における開口部26の幅Loよりも大きく、通気スリーブ14の第一共鳴の共鳴周波数における音波の波長をλとすると、空洞部24の深さLdが、0.011×λ<Ld<0.25×λを満たす消音器22を、通気スリーブ14の第一共鳴の音場空間に接続して配置する構成とする。
消音器22は、その壁面近傍における流体の粘性、および、壁面の凹凸(表面粗さ)、あるいは、後述する消音器22内に配置される吸音材等によって音エネルギーを熱エネルギーに変換して消音を行う。この壁面近傍における流体の粘性、および、壁面の凹凸(表面粗さ)、あるいは、消音器22内に配置される吸音材は、本発明における変換機構である。
消音器22の開口部26の幅Loが空洞部24の深さLdよりも小さいことによって、通気スリーブ14内の音波が消音器22内に流入する際に、音圧を保ったまま気体(空気)分子の移動速度が速くなる。変換機構による音エネルギーから熱エネルギーへの変換効率は、音圧および気体分子の移動速度に依存する。そのため、音圧を保ったまま気体分子の移動速度が速くなることによって、変換機構による音エネルギーから熱エネルギーへの変換効率が高くなる。
この消音の原理は音波の波長に依存しないので、空洞部24の深さLdが通気スリーブ14の第一共鳴の共鳴周波数における波長λの1/4よりも小さくても、高い防音性能を発現させることができる。従って、消音器22を小型化して通気スリーブ14の通気性を維持しつつ、高い防音性能を得ることができる。
同様に、消音器22による消音の原理は音波の波長に依存しないので、通気スリーブ14の長さおよび形状等が異なる場合でも、防音性能を発現させることができ、通気スリーブ14に合わせた設計が不要であり汎用性が高い。
また、消音器22による消音の原理は音波の波長に依存しないので、広い周波数帯域の音を消音することができる。
また、消音器22の空洞部24の面積をS0とし、開口部26の面積をS1とすると、開口部26の面積S1は、空洞部24の面積S0よりも小さいのが好ましい。開口部26の面積S1を、空洞部24の面積S0よりも小さくすることで、通気スリーブ14内の音波が消音器22内に流入する際に、音圧を保ったまま気体(空気)分子の移動速度を速くすることができるため、変換機構による音エネルギーから熱エネルギーへの変換効率をより高くすることができる。
ここで、空洞部24の面積S0および開口部26の面積S1はそれぞれ、空洞部24または開口部26を通る通気スリーブ14の中心軸を軸とする円周面における面積である。
なお、通気スリーブ14の半径方向の位置によって空洞部24の面積が異なる場合には、空洞部24の面積S0は、各位置での面積の平均値である。
また、開口部26の面積S1は、開口が最小となる面積である。
気体分子の移動速度を速くする観点では開口部26の面積S1が小さいほど好ましいが、開口部26の面積S1が小さすぎると音波が空洞部24内に流入しにくくなるため防音性能が低くなる。以上の観点から、開口部26の面積S1は空洞部24の面積S0の0.1%<S1/S0<40%が好ましく、0.3%<S1/S0<35%がより好ましく、0.5%<S1/S0<30%がより好ましい。
また、防音性能および通気性の観点から、消音器22の空洞部24の深さLdは、0.011×λ<Ld<0.25×λを満たし、0.016×λ<Ld<0.25×λを満たすのが好ましく、0.021×λ<Ld<0.25×λを満たすのがより好ましい。
また、軸方向に平行な断面において、空洞部24の深さ方向に直交する方向の空洞部24の幅Lw(図5参照)は、0.001×λ<L<0.061×λを満たすのが好ましく、0.001×λ<L<0.051×λを満たすのが好ましく、0.001×λ<Lw<0.041×λを満たすのがより好ましい。
また、消音器22をL字型の空間を有する形状とすることで、消音器22の実効外径、すなわち、消音システム10の外径をより小さくすることができ、高い防音性能を維持しつつ、より高い通気性を得ることができる。
なお、実効外径は、円相当直径であり、断面が円形ではない場合、その断面積と同じ円の直径を実効外径とする。
また、消音器22の他方の端部の外周面と化粧板18に形成された開口穴の内周面との間には、制振および固定材料として弾性体または粘弾性体28が配置され、消音器22と化粧板18との間が弾性体または粘弾性体28によって固定されている。
弾性体または粘弾性体28の種類および厚みは、第1実施形態で使用したものと同じである。
第4実施形態の消音システム10においても、第1実施形態の場合と同様に、消音装置16自体の振動を抑え、消音装置16が音源となって騒音が発生するのを抑制することができる。
また、第4実施形態の消音システム10においては、消音器22の他方の端部の外周面と化粧板18の内周面との間を弾性体または粘弾性体28によって固定するため、消音装置16の中でも特に大きく振動する消音器22自体の振動を直接的に抑制し、消音装置16の振動を効果的に抑制することができる。
また、図5に示す消音システム10の消音装置16において、消音器22の空洞部24内の少なくとも一部、または、消音器22の開口部26の少なくとも一部を覆う位置に吸音材を配置してもよい。吸音材としては従来公知のものを使用することができる。
また、消音装置16は、複数の消音器22を有する構成としてもよい。例えば、軸方向に複数の消音器22を有し、軸方向の少なくとも2箇所以上の位置に、複数の消音器22の開口部26が配置される構成としてもよい。
[透過音圧の実測結果]
次に、消音システムを実際に作製し、透過音圧を実測して防音性能を評価した結果について説明する。
図7に、透過音圧の実測で用いた消音装置90を示す。
図7の左側は軸方向に平行な断面における消音装置90の断面図であり、右側は軸方向に垂直な断面における消音装置90の断面図である。消音装置90は、アクリル樹脂製であり、挿入部92と、消音器94とを有する。
挿入部92は、両端が開放された筒状の部材である。
消音器94は、挿入部92の外周面上に配置されていること以外、図5に示す消音器22と同様のL字型の吸収型の消音器である。消音器94の軸方向の一方(図7中左側)の端部には、消音器94の内部空間(空洞部)と挿入部92の内部空間とを連通する開口部96が、消音器94の中心軸(挿入部92の中心軸)の方向を向くように、消音器94の壁面(挿入部92の壁面)の全周にわたってスリット状に形成されている。
挿入部92の外径は100mm、内径は94mm、厚みは3mm、長さは155mmである。消音器94の外径は165mm、内径は159mm、厚みは3mm、長さは100mmである。消音器94に形成された開口部96の軸方向の長さは15mmである。また、消音器94の一方の端面から挿入部92の一方(図7中左側)の端面までの長さは50mm、消音器94の他方(図7中右側)の端面から挿入部92の他方(図7中右側)の端面までの長さは5mmである。
この消音システムで用いる通気スリーブの第一共鳴の共鳴周波数は500Hzであり、その波長λは0.68mである。従って、消音装置90は、音エネルギーを熱エネルギーに変換する変換機構となっている。
まず、リファレンスとして、図8に示すような簡易小型防音室を用いて、消音装置90を配置しない場合の透過音圧の測定を行なった。
図8に示す簡易小型防音室は、5面が吸音ウレタンフォームW1(厚み10cm、富士ゴム産業株式会社製 U00F2)で囲まれ、さらに、5面の吸音ウレタンフォームW1の外側がアクリル板W2(厚み5mm)で囲まれている。5面のアクリル板W2は、4本のアルミフレームFR(3cm角)によって固定されている。通気スリーブ104が設置された残りの1面は、内側から順に、アルミ板W3(厚み3mm)、グラスウールW4(厚み92mm:アルミ板W3とアクリル板W5との間隔、正城通商株式会社製 32501211、密度32kg/m3 ノンホルムアルデヒド)、アクリル板W5(厚み5mm)、空気層(厚み10cm)およびアクリル板W6(厚み5mm)を有する壁部材によって囲まれている。アルミ板W3、アクリル板W5およびアクリル板W6は、それぞれ2本のアルミフレームFR(3cm角)によって固定されている。
また、5面の吸音ウレタンフォームW1のうち、左右面に配置される3面の内側の面には、波型の吸音ウレタンフォームW7(最大厚み35mm、富士ゴム産業株式会社製 U00F6)を配置した。防音室内の大きさは、90cm×80cm×80cmとした。アルミ板W3、グラスウールW4およびアクリル板W5を有する壁部材には、壁部材を貫通して、内径10cm、長さ10cmの塩化ビニル製の通気スリーブ(管状部材)104を設置した。通気スリーブ104の防音室内の端面にはカバー部材98として横ガラリ(株式会社ユニックス製 SG−CB)を取り付けた。
防音室内には、ピンクノイズを発生させるスピーカSP(FOSTEX社製 かんすぴセット KANSPI−8)を2つ配置した。また、防音室外のアクリル板W6から50cm離間した位置には、音波検出用の測定用マイクロフォンMP1(株式会社アコー製 TYPE4152N)を配置した。また、消音装置90が振動して放射される音を検出するための測定用マイクロフォンMP2(株式会社アコー製 TYPE4152N)を消音装置90の外周面から1mmの位置に配置した。
まず、消音装置90ではなく、塩化ビニル製の通気スリーブ(長さ109mm、図示省略)を通気スリーブ104に接続し、2つのスピーカSPからピンクノイズを発生させて、測定用マイクロフォンMP1で、サンプリングレート25000Hzで10秒間、音圧を測定した。測定した音圧のデータに対してフーリエ変換を行い、周波数スペクトルを算出した。フーリエ変換後のデータは1/3オクターブバンドに変換した。このデータをリファレンスデータとする。
次に、図8に示すように、消音装置90を通気スリーブ104に接続し、上記と同様に音圧を測定した。また、消音装置90を設置した際は、測定用マイクロフォンMP2でも同様に音圧データの測定を行った。さらに、室内側のアクリル板W6(化粧板)に形成された開口穴の内周面と消音装置90の室内側の端部の外周面との間に、弾性体として損失係数が0.04〜0.06である合成ゴムを詰め、同様に測定用マイクロフォンMP2で音圧データの測定を行った。
図9に、測定用マイクロフォンMP1で測定した音圧データ(マイク音圧)を示す。リファレンスデータ(消音装置無)を見ると、500Hz近傍および1000Hz近傍に高い音圧が出現している。この周波数において通気スリーブ104で共鳴が生じ、音が高く透過するためである。また、消音装置90を配置した場合(消音装置有)、これらの2つのピーク音が大きく消音されていることがわかる。
また、図10に、測定用マイクロフォンMP2で測定した音圧データを示す。消音装置90を化粧板W6に固定しない時は、上記通気スリーブ104の共鳴周波数において高い音圧が生じており、特に500Hzにおいてはその音圧は突出している。これは、共鳴により消音装置90が振動し、共鳴音が消音装置90から放射されていることが原因と考えられる。一方、消音装置90を弾性体で化粧板W6に固定することにより、500Hz近傍の音圧が大きく減少していることがわかる。これは弾性体により消音装置90の振動が抑制されたためと考えられる。
なお、本発明の消音システムにおいて使用する消音装置の構成は特に限定されず、図1および図4に示すような拡張型の消音器、図3に示すような共鳴型の消音器、図5に示すような吸収型の消音器、および、これらの2以上を組み合わせた消音器等を有する各種の消音装置を使用することができる。
特に、共鳴型の消音器は、共鳴周波数の音に共鳴して大きく振動することから、本発明の消音システムを適用することによって大きな制振効果および騒音の抑制効果を得ることができる。
また、第3実施形態の消音装置76として、図5に示す消音装置16を使用することもできる。
また、第2〜第4実施形態において、弾性体または粘弾性体は、通気スリーブと消音装置との間、および、消音装置と化粧板との間の少なくとも一方に配置することができる。
つまり、第2実施形態において、弾性体または粘弾性体は、連通部60の一方の端部の外周面と通気スリーブ34の内周面との間、および、連通部60の他方の端部の外周面と化粧板38に形成された開口穴の内周面との間の少なくとも一方に配置することができる。
第3実施形態において、弾性体または粘弾性体は、挿入部80の外周面と通気スリーブ34の内周面との間、および、消音器82の他方の端部の外周面と化粧板38に形成された開口穴の内周面との間の少なくとも一方に配置することができる。
第4実施形態において、弾性体または粘弾性体は、挿入部20の外周面と通気スリーブ14の内周面との間、および、消音器22の他方の端部の外周面と化粧板18に形成された開口穴の内周面との間の少なくとも一方に配置することができる。
また、第2実施形態において、連通部60の他方の端部の外周面を化粧板38に形成された開口穴の内周面に固定しているが、これに限定されず、第3実施形態の場合と同様に、消音器62の他方の端部の外周面を化粧板38に形成された開口穴の内周面に固定してもよい。
また、第1実施形態および第2実施形態において、第3実施形態の場合と同様に、消音器の内部に吸音材を配置してもよい。一方、第3実施形態において、吸音材を配置しない構成としてもよい。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および変更をしてもよいのはもちろんである。
10、30、50、70 消音システム
12、32 コンクリート壁
14、34、104 通気スリーブ
16、36、56、76、90 消音装置
18、38 化粧板
20、80、92 挿入部
22、42、62、82、94 消音器
24 空洞部
26、64、96 開口部
28、48A、48B、68、88 弾性体または粘弾性体
40A 第1挿入部
40B 第2挿入部
60 連通部
84 吸音材
98 カバー部材

Claims (12)

  1. 第1空間と第2空間とを仕切る仕切部を貫通して管状部材が設置され、前記管状部材を通過する音を消音する消音装置が設置された消音システムであって、
    前記消音装置は、前記仕切部と前記仕切部の一方の表面に沿って前記仕切部の表面から離間して設置された化粧板との間の空間において、前記管状部材の一方の端部側に配置され、
    前記消音装置と前記管状部材との間、および、前記消音装置と前記化粧板との間の少なくとも一方に弾性体または粘弾性体が配置されている消音システム。
  2. 前記弾性体または粘弾性体の損失係数が0.01以上である請求項1記載の消音システム。
  3. 前記消音装置は、内径が前記管状部材の内径よりも大きい拡張部を備える筒状の拡張型の消音器を有する請求項1または2に記載の消音システム。
  4. 前記消音装置は、さらに、前記管状部材内に挿入された筒状の第1挿入部と、前記化粧板に形成された開口穴内に挿入された筒状の第2挿入部とを有し、
    前記消音器は、前記第1挿入部の一方の端面と前記第2挿入部の一方の端面との間に接続され、
    前記弾性体または前記粘弾性体は、前記第1挿入部の外周面と前記管状部材の内周面との間、および、前記第2挿入部の外周面と前記化粧板に形成された開口穴の内周面との間の少なくとも一方に配置されている請求項3に記載の消音システム。
  5. 前記消音装置は、さらに、前記管状部材内に挿入された筒状の挿入部を有し、
    前記消音器の一方の端面は前記挿入部の一方の端面に接続され、前記消音器の他方の端部は前記化粧板に形成された開口穴内に挿入され、
    前記弾性体または前記粘弾性体は、前記挿入部の外周面と前記管状部材の内周面との間、および、前記消音器の他方の端部の外周面と前記化粧板に形成された開口穴の内周面との間の少なくとも一方に配置されている請求項3に記載の消音システム。
  6. 前記消音装置は、さらに、前記拡張部の空間内に配置された吸音材を有する請求項5に記載の消音システム。
  7. 前記消音器の他方の端面は、前記消音器の他方の端面以外の消音器本体から取り外し可能であり、前記消音器本体から前記消音器の他方の端面を取り外した場合に前記拡張部の空間内に配置された吸音材を交換可能である請求項6に記載の消音システム。
  8. 前記消音装置は、前記管状部材の第一共鳴の共鳴周波数の音を消音する共鳴型の消音器を有する請求項1または2に記載の消音システム。
  9. 前記消音装置は、さらに、一方の端部が前記管状部材内に挿入され、他方の端部が前記化粧板に形成された開口穴内に挿入された筒状の連通部を備え、
    前記連通部の壁面には、開口部が形成され、
    前記消音器は、前記連通部の外周面上に配置され、
    前記消音器の内部空間と前記管状部材の内部空間とは前記開口部によって連通され、
    前記弾性体または前記粘弾性体は、前記連通部の一方の端部の外周面と前記管状部材の内周面との間、および、前記連通部の他方の端部の外周面と前記化粧板に形成された開口穴の内周面との間の少なくとも一方に配置されている請求項8に記載の消音システム。
  10. 前記消音装置は、音エネルギーを熱エネルギーに変換して消音を行う吸収型の消音器を有する請求項1または2に記載の消音システム。
  11. 前記消音装置は、さらに、前記管状部材内に挿入された筒状の挿入部と、吸音材と、を備え、
    前記消音器は、空洞部および前記空洞部と外部とを連通する開口部を有し、前記挿入部の一方の端面に接続され、
    前記吸音材は、前記消音器の前記空洞部内の少なくとも一部に、または、前記消音器の前記開口部の少なくとも一部を覆う位置に配置され、
    前記消音器の前記開口部は、前記管状部材の中心軸側を向いて配置されており、
    前記挿入部は、中心軸を前記管状部材の中心軸に一致させて配置されており、
    前記消音器内の音波の進行方向における前記空洞部の深さLdは、前記管状部材の軸方向における前記開口部の幅Loよりも大きく、
    前記消音装置を含む前記消音システムにおける前記管状部材の第一共鳴の共鳴周波数における音波の波長をλとすると、前記空洞部の深さLdは、0.011×λ<Ld<0.25×λを満たし、
    前記弾性体または前記粘弾性体は、前記挿入部の外周面と前記管状部材の内周面との間、および、前記消音器の他方の端部の外周面と前記化粧板に形成された開口穴の内周面との間の少なくとも一方に配置されている請求項10に記載の消音システム。
  12. 前記消音装置は、さらに、前記管状部材内に挿入された筒状の挿入部と、吸音材と、を備え、
    前記消音器は、空洞部および前記空洞部と外部とを連通する開口部を有し、前記挿入部の一方の端面に接続され、
    前記吸音材は、前記消音器の前記空洞部内の少なくとも一部に、または、前記消音器の前記開口部の少なくとも一部を覆う位置に配置され、
    前記消音器の前記開口部は、前記管状部材の中心軸側を向いて配置されており、
    前記挿入部は、中心軸を前記管状部材の中心軸に一致させて配置されており、
    前記消音器内の音波の進行方向における前記空洞部の深さLdは、前記管状部材の軸方向における前記開口部の幅Loよりも大きく、
    前記消音器の開口部の面積をS1、前記空洞部の内壁の表面積をSdとすると、面積Sdに対する面積S1の割合S1/Sdは、0<S1/Sd<40%を満たし、
    前記弾性体または前記粘弾性体は、前記挿入部の外周面と前記管状部材の内周面との間、および、前記消音器の他方の端部の外周面と前記化粧板に形成された開口穴の内周面との間の少なくとも一方に配置されている請求項10に記載の消音システム。
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