図面につき説明すると、図1A〜2Bは、位置決め部材14、及びこの位置決め部材14上に担持するカートリッジ又はシャトル16を有して、カートリッジ内の封止材2を穿刺部(図示せず)に送給する装置10の例示的実施形態を示す。カートリッジ16は、封止材2を内部に担持する細長い管状部材20と、管状部材20内で封止材2に隣接する支持チューブ又は支持部材30と、ハンドル又はハウジング23とを有することができ、ハンドル又はハウジング23は、管状部材20及び/又は支持部材30に連結及び/又は担持することができる。
図1A〜2Aに示すように、カートリッジ16は、初期的には基端側位置に設け、例えば、この基端側位置では封止材は位置決め部材14における拡張可能な位置決め素子46から基端側に離間する。カートリッジ16全体は、基端側位置から末端側位置に、例えば、図10A〜10Cに示すように、封止材2を穿刺部内に及び/又は位置決め素子46に向かって前進させることができる。若干の態様において、位置決め部材14及びカートリッジ16の相対的長さは、初期位置、すなわち、例えば、図8A〜8Cに示す装置210及び/又は図16A,16Bに示す装置710と同様に、また本明細書の他の箇所で説明するように、カートリッジ16全体が基端側位置から末端側位置に前進しない位置にあるとき、封止材2が位置決め素子46に隣接して配置されるような長さを有する。
図2Bに示すように、カートリッジ16は、ハウジング23内で管状部材20及び支持部材30に連結した展開機構60を有することができる。以下に説明するように、展開機構60は、管状部材20及び/又は支持部材30をハウジング23に対して、また封止材2及び/又は位置決め部材14に対して軸線方向に指向させるよう構成して、例えば封止材2を展開及び/又は圧縮できるようにする。
随意的に、装置10(又は本明細書に記載する他の実施形態のうちいずれか)はシステムの一部であり、このシステムは、例えば送給、アクセス、処置、導入又は他の目的用のシース80(図示しないが、図10A〜10F参照)をも含む。導入シース80は、図10A〜10Fに示すような普通のシース80とするか、又は、例えば、以下に説明するようなブリードバック及び/又はシースロックの機能特徴部を含む図16Cに示すシース780のような特注シースとすることができる。随意的に、装置10及び/又はシステムは、1個又はそれ以上の他のコンポーネント、例えば、ニードル、ガイドワイヤ、穿刺のための他の器具のような1個又はそれ以上の他のコンポーネント、膨張媒体源、及び/又は付加的な封止コンパウンド源(図示せず)を有し、医療処置のためのキットをなすようにすることができる。
概して、図2Aに明示するように、管状部材20は、ハウジング23及び/又は展開機構60内に突入及び/又は連結する基端部22と、導入シース及び/又は穿刺部(図示せず)に導入するサイズの末端部24と、基端部22と末端部24との間に延在するルーメン26とを有することができる。管状部材20は、ほぼ剛性、又は半剛性、又は可撓性とし、例えば、管状部材20を導入シース又は他の部分から組織の穿刺部内に前進できるようにする。末端部24は、テーパ付き、丸め付け、又は非鋭利な遠位先端として終端させることができる。随意的に、以下に説明する他の実施形態と同様に、末端部24は、収縮可能、分裂可能、又は圧潰可能な遠位先端(図示せず)として終端させることができる。
さらに図2A及び2Bにつき説明すると、支持部材30は、管状部材20のルーメン(管腔)26内に摺動可能に収容するサイズの細長い管状本体とすることができる。支持部材30は、ハウジング23及び/又は展開機構60に対して貫入及び/又は連結する基端部32と、管状部材の末端部24の基端側で及び/又は封止材2に隣接して配置する末端部34とを有し、例えば、以下に説明するように、管状部材20を使用中に後退させるとき封止材2と接触し、及び/又は封止材2を穿刺部内に維持するのを促進できるようにする。支持部材30は、基端部32と末端部34との間に延在するルーメン(図示せず)も有し、このルーメン内に位置決め部材14が摺動可能に収容できるようにする。
支持部材30は、ほぼ剛性、半剛性、及び/又はほぼ可撓性とすることができ、例えば、十分なコラム強さを有して、管状部材20が封止材2に対して支持部材30が座屈することなく管状部材20が封止材2に対して基端方向に移動できる、及び/又は以下に説明するように展開機構60で基端部32を押すことによって、支持部材30の末端部34を前進させて封止材2を穿刺部内で圧縮できるようにする。
図2Aに仮想線で示すように、封止材2は管状部材20のルーメン26内で末端部24の近傍、例えば、遠位先端に直ぐ隣接して及び/又は遠位先端によって包囲されるよう配置することができる。ルーメン26は、管状部材20及び封止材2が互いに摺動できる、例えば、以下に説明するように、管状部材20が封止材2及び/又は支持部材30に対して基端方向に後退できるようなサイズにすることができる。例示的実施形態において、封止材2は、凍結乾燥したヒドロゲルから形成した基端側の第1主要セクション2aと、凍結乾燥していない及び/又は架橋していない複数の前駆体から形成した末端側の第2先端セクション2bとを有することができ、第2先端セクション2b(図2Aでは示さないが、図11参照)は、米国特許出願公開第2014/0249575号(2012年1月19日出願の米国特許出願第13/354,278号)に開示されているように(この刊行物は参照によって全体が本明細書に組入れられるものとする)、固形塊又は固形プラグとして形成され、第1セクションに融合又は取付けて第1セクションから末端方向に延在することができる。
封止材2は、生体適合性、生体吸収性及び/又は膨張性を有する1つ又はそれ以上の材料、例えば、凍結乾燥したヒドロゲルを有することができる。封止材2は、中実又は中空の円筒形形状、圧延シート状形状、ディスク形状、又は他の形状若しくは楕円形、三角形、正方形、円錐形、円盤状、多角形状のような断面を有することができる。例えば、封止材2は、封止材の基端部と末端部との間に延在するルーメン(図示せず)を有する固形材料から形成することができる。ルーメンは、マンドレルの周りにシート材料を巻付ける転造により、又は成形により、又は予め形成された中実材料に対する穿孔若しくは材料を除去等により作製することができる。ルーメンは、米国特許出願公開第2014/0249575号(2012年1月19日出願の米国特許出願第13/354,278号)に開示されているように(この刊行物は参照によって全体が本明細書に組入れられるものとする)、位置決め部材14又は他の器具(図示せず)が封止材2内を摺動又は通過できる寸法にすることができる。
幾つかの実施形態において、封止材2は、生体適合性及び/又は生体吸収性のヒドロゲル、例えば、ポリエチレン・グリコール(「PEG」)から形成することができる。例えば、ヒドロゲルは、凍結乾燥したPEGポリマーを含むものとすることができ、このPEGポリマーは、加水分解で分解可能な化学基を含み、例えば、含水環境に晒されると体液を吸収して膨張することができる高分子網目を含むものとすることができる。膨張又は膨大化の大きさ(水和前後比)は大きく、例えば、体積に基づく凍結乾燥サイズの2〜10倍(2Xから10X)である。付加的に又は代替的に、封止材2は、血栓促進性材料、例えば、コラーゲン、フィブリン、カルボキシメチルセルロース、酸化セルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、又は他のタンパク質ベースの材料のような1つ又はそれ以上の生物学的血栓促進性材料、及び/又はポリグリコール酸(PGA)、ポリラクチド(PLA)、ポリビニル・アルコール等のような合成材料を含むことができる。
随意的に、封止材2は、1つ若しくはそれ以上の治療剤及び/又は医薬剤を含み、例えば、治癒を促進し、感染及び/又は他の医療阻害事象等を防止できるようにする。このような薬剤を封止材内に埋込む及び/又は1つ以上のコーティング若しくは層として塗布することができる。付加的に又は代替的に、封止材2は、ほぼ均質にするか又は1つ又はそれ以上の箇所に1つ若しくはそれ以上の異なる材料を含むことができる。例えば、幾つかの実施形態において、封止材2は担体又はコアを有し、非反応状態でこの担体又はコアに対して第1及び第2のヒドロゲル前駆体を配置することができ、これら第1及び第2のヒドロゲル前駆体は、封止材2が含水環境に晒されると、粘着性被覆を生ずることができる。
図2Bにつき説明すると、ハウジング23は、展開機構60に連結したアクチュエータ62を有し、例えば、管状部材20及び/又は支持部材30を選択的に案内して封止材2を露出及び/又は圧縮させることができるようにする。例示的実施形態において、展開機構60は、1つ又は複数の互いに連結したラック&ピニオン素子を有し、管状部材20及び支持部材30を所定シーケンスで後退及び/又は前進させる所望の構成にする。
例えば、図2Bに示すように、展開機構60は、管状部材20の基端部22に連結した第1ラック64と、支持部材30の基端部32に連結した第2ラック66と、第1ラック64と第2ラック66との間に連結したピニオン68とを有する。例示的実施形態において、基端部22,32はラック64,66に取付けることができ、この取付けは、例えば、ラック64,66にステム(図示せず)を設け、これらステムを基端部22,32内に収容することによって行うか、又は基端部22、33をステムに、若しくはラック64,66に直接的に結合、融着、超音波溶接によって行う。
ピニオン68はハウジング23に対して並進移動しないよう固着することができ、例えば、装置10の長手方向軸線11に沿って又は交差する方向への大きな並進移動がなく、ハウジング23に固着した軸周りに自由に回転できるようにする。ラック64,66は、ハウジング23内で例えば、トラック、レール、溝孔等のガイド70,72に沿って摺動可能に取付け、ラック64,66がハウジング内で長手方向軸線11にほぼ平行に摺動できるようにする。ラック64,66の運動は、ラック、及び/又はアクチュエータ62の移動及び/又はピニオン68との相互作用によって制限し、例えば、管状部材20及び支持部材30が移動する距離を制限できるようにする。
概して、ラック64,66及びピニオン68は互いに協調動作する歯を有し、これら歯は、一方の素子の移動により他方の素子の望ましい移動を生ずるよう互いに相互作用する。例えば、図示のように、ピニオン68は、その外周に連続したほぼ均一サイズで互いに離間した歯69を有し、またラック64,66は、その長さに沿ってほぼ連続して延在する同様の歯65,67を有する。幾つかの実施形態において、展開機構は、ラック64,66に連結した複数のピニオン(図示せず)を設けることができ、例えば、これら複数のピニオンは異なる直径又は異なる歯の構成とし、例えば、所要に応じて第1及び第2のラック64,66が異なる並進移動率を生ずるようにすることができる。
図2Bに示す実施形態において、アクチュエータ62は第1ラック64に直接連結したスライダボタンとすることができる。アクチュエータ62はハウジング23における溝孔内で摺動し、これによりアクチュエータ62が図示のような第1の又は末端側位置から第2の又は基端側位置(図示せず)に案内することができる。随意的に、溝孔又はハウジング23はポケット又は他のロック機能特徴部(図示せず)を有し、アクチュエータ62(及びひいては展開機構60、管状部材20、及び/又は支持部材30)を1つ又は複数の所望位置、例えば、末端側位置及び基端側位置に釈放可能に固定できるようにする。
アクチュエータ62を動作させるとき、展開機構60は第1ラック64を基端方向に案内し、したがって、管状部材20を基端方向に後退させることができる。協調動作する歯65,67,69によって、第1ラック64の移動はピニオン68を回転させ、この回転により第2ラック66を末端方向に前進させ、したがって、支持部材30を末端方向に前進させることができる。このように、図2Bに示す展開機構60は、以下にさらに説明するように、ほぼ同時に、管状部材20を基端方向に後退させ、かつ支持部材30を末端方向に前進させて封止材2を展開させることができる。この構成において、管状部材20及び支持部材30の相対移動は1対1とする、すなわち、管状部材20は、支持部材30の前進と等しい距離だけ後退することができる。
歯は、所要に応じて、不連続及び/又は不均一構成として設け、例えば、管状部材20と支持部材30との間の動きに所要の遅延を生ずる、及び/又は後退及び前進が異なる移動率となるようにすることができる。例えば、図3は、ラック64a,66a及び/又はピニオン68aが連続的ではない歯65a,67a,69aを有する代替的実施形態を示す。例えば、ピニオン68aには、外面周りに部分的にしか延在しない歯69aを設ける、又はピニオン68aの周縁周りに互いに離間した歯69aの複数セット(図には簡略化のため1個しか示さない)を設けることができる。
例示的実施形態において、ラック64a,66aは、アクチュエータ62aを初期的には末端側位置に設けるとき、ほぼ連続した歯65a,67aのセットを有して、第1ラック64aの歯65aがピニオン68aの対応する歯69aの第1セットに係合する。この位置において、第2ラック66aにおける歯67aはピニオン68aにおけるいかなる歯にも係合しない。したがって、アクチュエータ62aを初期的に動作させるとき、第1ラック64aは即座に移動し、これにより管状部材20を即座に後退させる。アクチュエータ62a及び第1ラック64aが移動するとき、ピニオン68aが回転し、最終的にピニオン68aにおける歯69aの第2のセット(図示せず)が第2ラック66aの歯67aに係合することができる。アクチュエータ62aをさらに移動させることにより、第2ラック66aが移動し、これにより支持部材30が末端方向に前進させることができる。
ピニオン68aには歯69aがない領域を1つ又は複数設けることによって、支持部材30の前進は、管状部材20の後退の開始後、所望時間又は所望距離だけ遅延させることができる。例えば、この遅延により、封止材2を管状部材20の末端部24から部分的に又は全体的に露出させてから、支持部材30を前進させて封止材2を圧縮させ、これにより封止材2が管状部材20内で圧縮されたり、詰まったりするリスクを減らすことができる。
所要に応じて、ラック64a,66aにおける歯65a,67aのサイズ及び/又は間隔を互いに異ならせ、例えば、アクチュエータ62を動作するときの並進距離を異ならせるようにすることができる。例えば、第2ピニオン(図示せず)をピニオン68aと第2ラック66aとの間に連結し、この第2ピニオンは異なる直径にする及び/又は第2ラック66aの歯67aに対応する歯構成にし、これによりアクチュエータ62を動作させるときに管状部材20が後退する距離よりも大きい又は少ない距離を前進させるようにすることができる。
幾つかの実施形態において、支持部材30の前進は、支持部材30の基端部を第2ラック66に間接的に連結することによって遅延させることができる。例えば、図3Aに示すように、第2ラック66a′には、支持部材30の基端部32内に部分的に突入するステム又は他の延長部79a′を設け、例えば、基端部32が側方に大きく動かないよう支持する。ステム79a′は、支持部材30内に摺動嵌合するサイズにするとともに、内部に貫通する位置決め部材(図示せず)を収容する。代案として、他の支持体(図示せず)をハウジング23a′内に設け、支持部材30の基端部32を側方に移動させることなく軸線方向に移動できるよう支持する。このようにして、初期位置において、支持部材30の基端部32は第2ラック66a′から末端方向に離間することができる。
ラック64a,66a′及びピニオン68aは、図2Bの実施形態と同様に、ほぼ連続した対応歯(図示せず)を有し、アクチュエータ62aを動作させるとき、双方のラック64a,66a′がピニオン68aに起因して即座に移動できる。管状部材20の基端部22は第1ラック64aに直接連結してあるので、第1ラック64aは管状部材20の後退を即座に開始することができる。第2ラック66a′も即座に前進を開始するが、支持部材30は移動を開始せず、開始するのは第2ラック66a′が支持部材30の基端部32に接触又は係合してからである。したがって、管状部材20が、例えば支持部材30の基端部32の第2ラック66a′からのオフセット距離だけ後退するまでは、支持部材30の移動は遅延することができる。
アクチュエータ62,62aのためのスライダボタンを図2B及び3に示すが、他のアクチュエータをハウジング23,23a′に設けることができる。例えば、図4につき説明すると、ハウジング23bの他の実施形態を示し、このハウジング23bは、ほぼ図3の実施形態と同様に、1個又は複数個のピニオン(1個のピニオン68bのみ示す)並びに管状部材20及び支持部材30に連結した第1ラック64b及び第2ラック66bを有する展開機構60bを有する。図3の実施形態とは異なり、アクチュエータ62bは押しボタンアクチュエータであり、ハウジング23b内に少なくとも部分的に押込んで展開機構60bを動作させる。図4Aに明示するように、アクチュエータ62bは、ハウジング23bに対して、例えば、トラック、溝孔又は他のガイド(図示せず)に沿って摺動するシャフト74bを有する。
アクチュエータ62bは、図示の第1又は外側位置から第2又は内側位置(図示せず)へ、さらにハウジング23b内に案内することができる。ピニオン68bは車軸76bを有し、シャフト74b及び車軸76bは対応歯75b,77bを有し、アクチュエータ62bを動作させるとき、これら対応歯75b,77bが相互作用してピニオン68bを回転させる。車軸76bにおける歯77bの外径及びピニオン68bにおける歯69bの外径の相対サイズは、所望の利得が得られるよう、例えば、アクチュエータ62bの比較的僅かな変位が、管状部材20及び/又は支持部材30のより大きい変位を生ずる(又はその逆を生ずる)よう設定することができる。
例えば、上述の実施形態と同様に、第1ラック64bをピニオン68bに連結して、アクチュエータ62bを初期的に動作するとき第1ラック64b(及び管状部材20)は即座に後退する。第2ラック66bは所定遅延に達するまではピニオン68bに連結されず、管状部材20が後退してから所望時間又は所望距離の遅延後に支持部材30の前進を生ずるようにすることができる。代案として、所要に応じて、展開機構60bに他の遅延又は構成を設け、例えば、管状部材20の後退を所定時間遅延させる及び/又は管状部材20の後退が始まる前に支持部材30を前進させることができ、このことは例えば、アクチュエータ62bを部分的に押込むまでは、第1ラック64bにおける歯65bに係合しない歯69bの不連続領域ピニオン68bに設けることによって行うことができる。
図5につき説明すると、これはハウジング23cの例示的実施形態を示し、このハウジング23cには、上述の実施形態とほぼ同様に、ピニオン68c並びに管状部材20及び支持部材30の基端部22,32に連結した第1ラック64c及び第2ラック66cを有する展開機構60cを設ける。アクチュエータ62cは、回転する、又は第1又は末端側位置から第2又は基端側位置(図示せず)に案内されるレバーを有することができる。アクチュエータ62cは、ピニオン68cに連結したシャフト74cを有し、アクチュエータ62cの回転によりピニオン68cを回転させることができる。幾つかの態様において、1個又はそれ以上の付加的なピニオンをピニオン68cとラック64c,66cとの間に連結することができ、例えば、レバー62cが並進移動するときの距離に基づいて、機械的利得及び/又はラック64c,66cの増幅した並進移動を生ずるようにすることができる。
上述の実施形態と同様に、第1ラック64cをピニオン68cに連結し、アクチュエータ62cを初期的に動作させるとき第1ラック64cは即座に後退できるようにする。所定の遅延後までは第2ラック66cをピニオン68cに連結させず、管状部材20の後退後に遅延をもって支持部材30が前進するようにできる。所要に応じ、本明細書に記載の他の実施形態と同様に、他の遅延又は構成を展開機構60cに設けることができる。
随意的にこれら展開機構60〜60cのいずれも、アクチュエータ62〜62c及び/又はラック64〜64c,66〜66cの移動を制限する機能特徴部を有することができる。例えば、図2Bの実施形態につき(単に例として)説明すると、第1ラック64及び/又はトラック70は、ラチェット又は他の一方向機能特徴部(図示せず)を1個又は複数個設け、第1ラック64が末端側位置から基端側位置に向かって基端方向に自由に移動し、末端方向への移動を阻止できるようにすることができる。同様の機能特徴部をアクチュエータ62及び/又はピニオン68に連結し、アクチュエータ62及び/又はピニオン68が一方向のみ移動できようにし、例えば、管状部材20を後退させるが、その後に末端方向に前進させることができないようにすることができる。このようにして、管状部材20が後退して封止材2を少なくとも部分的に露出させた後には、管状部材20が末端方向に前進して封止材2上に戻ることがないようにすることができ、さもないと封止材2を詰まらせたり、封止材2にタメージを与えたりすることになる。付加的又は代替的に、1個又は複数個のロック機能特徴部(図示せず)を位置決め部材14に設け、例えば、以下に説明するように、管状部材20及び/又は支持部材30の移動を制限できるようにする。
随意的に、本明細書に記載の実施形態のいずれにも、ハウジング23に他の望ましい機能特徴部を設けることができる。例えば、図2Bに示すように、ガイド部材78を設け、このガイド部材78は位置決め部材14が貫通するよう摺動可能に位置決め部材14を収容するサイズとすることができる。ガイド部材78は、第2ラック66及び/又は支持部材30の基端部32に整列し、本明細書のあらゆる箇所で説明するように、カートリッジ10が位置決め部材14上で摺動するよう位置決め部材14を収容する。付加的又は代替的に、ばね機構78aをガイド部材78の周りに設ける、及び/又は展開機構60と位置決め部材14との間に連結することができる。例えば、圧縮ばね78aを第1ラック64における止め部と位置決め部材14におけるハブ48との間に設け、本明細書のいたるところで説明するように、処置中に位置決め部材14の取扱いを容易にする及び/又は自動的に後退させることができるようにする。
付加的又は代替的に、ハウジング23には、本明細書に記載の他の実施形態と同様に、シュラウド23a内におけるシースキャッチ組立体を設ける。随意的に、ハウジング23には、カートリッジ16を位置決め部材14に連結するための戻り止め又は他の機能特徴部(図示せず)を1個又は複数個設け、例えば、以下に説明するように、また本明細書に組入れた参考特許文献に記載のように、ハウジング23をハブ48に釈放可能に連結する(図1A〜2A参照)ことができる。付加的又は代替的に、ハウジング23はトリガロック(図示せず)を有し、このトリガロックは、展開機構60に連結し、例えば、以下に説明するようにロックを釈放するまではアクチュエータ62及び/又は展開機構60の移動を阻止できるようにする。
図1A〜2Aにつき説明すると、位置決め部材14には、概して基端部42、末端部44及び末端部44における閉塞又は位置決め素子46を有する細長部材40を設ける。位置決め素子46は拡張可能部材、例えば、バルーン、ワイヤメッシュ構体、拡張可能なフレーム等とすることができ、例えば、本明細書に組入れた参照特許文献に記載のように、収縮した状態にあるとき、導入器内で前進するサイズにすることができる。位置決め素子46は、例えば、位置決め部材14の基端部42から操作できるシリンジ、引張りワイヤ及び/又は他のアクチュエータ(図示せず)のような膨張媒体源を使用して選択的に拡張させることができる。
例えば、図示のように、位置決め素子はバルーン46とし、位置決め部材14は管状本体40を有し、この管状本体40は、基端部42と末端部44との間に延在し、またバルーン46の内部に連通するルーメン(図示せず)を有する。幾つかの実施形態において、位置決め部材14はシリンジ148のような膨張媒体源を有し、このシリンジ148は膨張ライン48cによりハブ48の内部に連通させる、又は位置決め部材14の基端部42におけるハブ48に連結することができる。随意的に、位置決め部材14は内部引張りワイヤ(図示せず)を有し、この内部引張りワイヤによりバルーン46を拡張中に短くし、また収縮中に伸展することができる。使用できるバルーンを有する位置決め部材14の例示的実施形態は米国特許出願公開第2004/0249342号、同第2004/0267308号、同第2006/0253072号、及び同第2008/0009794号に記載されている。これら参照文献の全体の開示は参照により本明細書に組入れられるものとする。
幾つかの実施形態において、位置決め素子は、拡大状態になるようバイアスをかけることができるが、例えば、覆っているスリーブ又は他の拘束具(図示せず)によって圧縮又は収縮させることができる。拘束具を取外して位置決め素子を露出させると、拡張素子が自動的に拡大状態に拡張することができる。位置決め部材14に設ける拡張可能構体に関する更なる情報は、米国特許第6,238,412号、同第6,635,068号、及び同6,890,343号、並びに米国特許出願公開第2007/060950号(2004年10月27日出願の同時係属出願第10/975,205号)に記載されている。これら参照文献は参照により本明細書に組入れられるものとする。
付加的又は代替的に、位置決め部材14は、位置決め部材14の、例えばカートリッジ16及び/又は装置10の他のコンポーネントに対する移動を制限又は容易にする1個の又は複数の付加的な機能特徴部を設けることができる。例えば、図7A〜7Cに示すように、位置決め部材14は、ハウジング23(簡単のため図示しない)内に後退ロック114を設け、位置決め部材14の第1ラック64に対する移動を制限する。後退ロック114は、位置決め部材14の管状本体40に対して軸線方向に固着し、また第1ラック64における開口61よりも大きい外径を有し、さもないと、位置決め部材14及び/又は支持部材30(図示せず)を収容して第1ラック64に対して軸線方向に移動させることになる。例えば、後退ロック114は管状本体40の外面に取付ける環状部材とすることができ、この取付けは、例えば、締まり嵌め、接着剤による結合、融着、超音波溶接等のうち1つ又はそれ以上によって行うことができる。
装置10には図7Aに示すように配置した後退ロック114を設け、例えば、カートリッジ16は図1A〜2Aに示す位置をとる。幾つかの実施形態において、位置決め部材14の管状本体40とカートリッジ16の管状部材20との相対的長さは、封止材2(図示しないが図2A参照)が拡張可能部材46に直ぐ隣接して配置されるよう、すなわち、本明細書のいたるところに、また参照によって本明細書に組入れられる参照文献に記載のように、処置中にカートリッジ16を前進させる必要がないような相対的長さにする。
幾つかの実施形態において、位置決め部材14は、後退ロック4がハウジング23内で第1ラック64に衝合することにより、カートリッジ16に対して基端方向に後退できない。したがって、後退ロック114は、例えば、準備中又は装置10を使用して穿刺部を封止する前の取扱い中に、位置決め部材14の望ましくない基端方向への移動を阻止することができる。
図7Bに示すように、展開機構60(図示せず)のアクチュエータ62を動作させて第1ラック64(及び図示しない管状部材20)を後退させるとき、後退ロック114は第1ラック64から後退に対応する距離115Aだけ離間する状態になり得る。この後、本明細書のいたるところで説明するように、封止処置中に位置決め部材14を例えば、手動で又は自動的に後退させる場合、位置決め部材14が後退できる距離は距離115Bに制限され、すなわち、図7Cに示すように、後退ロック114が再び第1ラック64に衝合する。
付加的又は代替的に、位置決め部材14には自動後退アセンブリ140を設けることができ、この自動後退アセンブリ140を使用して使用中に位置決め部材14を自動的に後退させることができる。例えば、図6A及び6Bは、位置決め部材14′に取付けた又は連結した自動後退アセンブリ140の例示的実施形態を示し、この位置決め部材14′は、概して本明細書のいたるところでまた本明細書に参照により組入れた参照文献に記載した他の位置決め部材と同様である。代案として、自動後退アセンブリ140の特徴を位置決め部材14′のハブ48′に直接組込むことができる(図示せず)。
概して、自動後退アセンブリ140は、チャンバ143を設けたハウジング142を有し、このチャンバ143内にピストン144を摺動可能に配置する。チャンバ143はピストン144とハブ48′との間で、例えばピストン144自体及び/又は他のシール144aによってほぼ封止することができ、流体及び/又は圧力をほぼ漏れがなくチャンバ143に対して導入又は抽出することができる。ピストン144は位置決め部材14′の管状本体40′に、例えば管状本体40′の基端部42′に隣接して連結することができ、この連結は、例えば、締まり嵌め、接着剤による結合、融着、超音波溶接等のうち1つ又はそれ以上によって行うことができる。
さらに、流体/圧力ライン146はチャンバ143に連通し、また図1Aに示すのと同様のシリンジ(図示せず)に連通する膨張ライン48c′に接続することができ、位置決め部材14′の拡張可能部材46′を膨張及び収縮するのに使用するのと同一のシリンジとすることができる。流体/圧力ライン146は流量制御スイッチ146aを有し、使用中に流体/圧力ライン146を選択的に開閉し、例えば、スイッチ146aが開いているときのみチャンバ143がシリンジと連通できるようにする。
使用前に、位置決め部材14′には図6Aに示す末端側位置をとるピストン144を設けることができる。図示のようにこの位置では、管状本体40の基端部42はほぼ伸張した及び/又は真直ぐな状態となる。ピストン144及び基端部42をこの状態に固定するため、スイッチ146aを開き、また流体をチャンバ143内に導入し、この後スイッチ146aを閉じる。
例えば、封止材2を展開又は露出させた後、位置決め部材14′を後退させるのが望ましいとき、拡張可能な部材46を収縮させ、この収縮は、例えば、スイッチ146aを閉位置にして、他の実施形態と同様の膨張ライン48c′を介して流体を抽出することによって行うことができる。拡張部材46が収縮した後、スイッチ146aを開き、また例えば、同一シリンジ又は拡張可能部材48を収縮させるのに使用したのとは異なるシリンジを使用してチャンバ143から流体/圧力ライン146を経由して流体を抽出することができる。この抽出により、図6Bに示すように、ピストン144をハウジング142内で基端方向にハブ48′に向かって摺動させ、これにより拡張可能部材46を基端方向に引張り、例えば、図9A及び9Bに示すプロセスと同様に、封止材2及び間管状部材20(図示せず)内に通過させることができる。ピストン144がハウジング142内で基端方向に移動するとき、管状本体40の基端部42を、やはり図6Bに示すようにチャンバ143内で纏まらせる及び/又は畳み込ます。
幾つかの実施形態において、図2Bに示すばね機構78aに類似する他の自動後退機能特徴部を位置決め部材14に設けることができる。例えば、図8A〜8Cは、本明細書に記載した他の実施形態にほぼ類似する位置決め部材214及びカートリッジ216を有する装置210の他の例示的実施形態を示す。図示のように、位置決め部材214は、基端部242におけるハブ248及び末端部244におけるバルーン246を設けた管状本体240を有する。カートリッジ216は、封止材2及び支持部材230を設けた管状部材220と、本明細書に記載した他の実施形態のいずれかに類似する展開機構260を設けたハウジング233とを有することができる。幾つかの実施形態において、管状本体240及び管状部材220の相対的長さは、管状部材220の末端部224、及びひいては封止材2が、バルーン246に隣接して配置されるよう、したがって、使用中にカートリッジ216を前進させる必要性を排除するような相対的長さにする。
位置決め部材214は、この位置決め部材214がハウジング223に対して移動するのを選択的に阻止するロック、及び/又は位置決め部材214を自動的に後退させるバイアス付与機構を有することができる。例えば、ロックは、液圧式ロック、例えばハブ248のハウジング223内に位置する末端部を包囲する拡張可能なバルーン又は薄膜261を有することができる。薄膜261の内部は、バルーン246の内部に連通する膨張ライン248cに連通させるか、又は所望に応じて個別の膨張ライン(図示せず)に連通させることができる。幾つかの態様において、流体で動作させるとき伸張及び/又は後退できるベローズ構体(図示せず)をハブ248に設ける。幾つかの態様において、ハウジング223からハブ248をロック及び/又は釈放するよう手動で動作させる機械的ロック(図示せず)を設けるか、又は薄膜261を、所望に応じて、拡張可能な戻り止め又は他の機能特徴部をハブ248とハウジング223との間に係合させるよう構成することができる。
初期的には、図8Aに示すように、薄膜261はバルーン246と同様に収縮させることができる。バルーン246が拡張するとき、図8Bに示すように、流体は薄膜261も拡張させ、したがって、ハウジング223に係合し、またその後における位置決め部材214のハウジング223に対する軸線方向移動を阻止する。バルーン246が図8Cに示すようにしぼませるとき、流体は薄膜261の内部からも抽出され、したがって、位置決め部材214がハウジング223から離脱し、位置決め部材214をハウジング223に対するその後の後退を可能にし、例えば、本明細書に記載の他の実施形態と同様に、収縮したバルーン246を、封止材2内に通過させ及び/又は管状部材220内に後退させることができる。幾つかの態様において、ベローズロックは、伸張及び/又は後退し、戻り止め又は他の機能特徴部をハブ248とハウジング223との間に係合させることができる。幾つかの態様において、バルーン246が拡張する前又は後に、機械的ロックを個別に係合させることができる。
ハウジング223及びハブ248は、バルーン246がしぼむとき、又はロックが離脱するとき位置決め部材214を自動的に後退させるよう互いに協調動作する機能特徴部を有することができる。例えば、図8A〜8Cに示すように、展開機構260の第1ラック264(管状部材220に連結した)と位置決め部材214のハブ248との間に連結したばね262を有するバイアス付与機構を設けることができる。例えば、圧縮ばね262を、カートリッジ216のハウジング223内における管状本体240の末端部242の周りに位置決めすることができる。図示のように、ばね262の第1端部を第1ラック264の基端側延長部264aに又はその周りに連結し、ばね262の第2端部をハブ248の末端部に又はその周りに連結することができる。図8Aに示す初期形態において、ばね262は弛緩状態、又は所望に応じて僅かに圧縮された状態にあり、ハウジング223内で第1ラック264に末端方向のバイアスを付与する。
使用中、展開機構260のアクチュエータ(図示せず)を動作させて第1ラック264を基端方向に案内し、この結果、管状部材220の末端部224を後退させて封止材2を露出させ、さらに、図8Bに示すように、本明細書に記載の他の実施形態と同様に、第2ラック266及び支持部材230を前進させる。第1ラック264がハウジング223内で基端方向に並進移動するとき、ばね262の第1端部は第2端部に向かって基端方向に導かれる。しかし、液圧ロック261が動作して、位置決め部材214のハブ248は基端方向に移動しないよう拘束され、したがって、図8Bに示すように、ばね262をより高い潜在エネルギー状態に圧縮することができる。
その後、バルーン246を収縮させて取出すことが望まれるとき、流体を膨張ライン248cから抽出し、これによりバルーン246及び薄膜261双方を収縮させる。ばね262内に蓄積された潜在エネルギーに起因して、位置決め部材214のハブ248は自動的に基端方向に導かれ、したがって、図8Cに示すように、収縮したバルーン246を基端方向に封止材2内に通過させ、また管状部材220の末端部224内に後退させることができる。支持部材230はこの動作中ほぼ静止状態に留まり、したがって、バルーン246が後退するとき封止材2が基端方向に移動するのを阻止することができる。随意的に、図9A及び9Bに示すように、支持チューブ230は、位置決め部材214が後退するとき第2ラック266に係合して支持部材230の後退を阻止する止め部又は他の機能特徴部237を有することができる。付加的又は代替的に、第2ラック266及び/又は展開機構の他のコンポーネント(図示せず)に、第2ラック266の基端方向移動を阻止し、例えば、支持部材230の望ましくない後退を阻止するブレーキ又は他の機能特徴部を設けることができる。
随意的に、バルーン246の収縮に対して所定時間だけ薄膜261の収縮を遅延させる遅延機能をバイアス付与機構に持たせ、例えば、バルーンが収縮を開始してから又はバルーンが完全に収縮してから薄膜261が収縮できるようにする。この遅延により、バルーン246がほぼ収縮してから位置決め部材214が釈放され、またばね262が自動的にバルーン246を封止材2内に通過させて後退するのを確実にすることができる。例えば、幾つかの実施形態において、制限機能(図示せず)を、膨張ライン248cから薄膜261の内部に連通する液圧回路に持たせることができる。これにより、流体を初期的に膨張ライン248c経由で抽出するとき、流体を薄膜261から抽出するよりもバルーン246からより迅速に抽出することができる。
幾つかの実施形態において、バルーン246及び薄膜261内に送給される膨張流体は、収縮における所望のタイミング又は遅延を容易にするものを選択することができる。例えば、異なるサイズのオリフィス又は他の流量制限部を、膨張ライン248cからバルーン246及び薄膜261の内部への流路分岐に設け、所望の粘度を有する流体を供給し、分岐相互間で流体流に遅延を生ぜしめることができる。流量制限部の内径は、バルーン246が完全にしぼんでから薄膜261が収縮し、また位置決め部材214を封止材2内に通過して支持部材230内に後退できるよう選択することができる。
例示的実施形態において、流体の粘度は、例えばX線造影剤を混合することによって水よりも相当高いものとすることができ、これにより蛍光透視法又は他の外部画像形成の下にバルーン246のモニタリングを容易にすることもできる。若干の実施形態において、機械的ロックを任意の時間に単に離脱させることができ、この離脱は、例えばバルーン246が確実にほとんど収縮した後に行わせ、これにより位置決め部材214を後退させ、図8C及び9Bに示すように、バルーン246を封止材2内から支持部材230内に導くことができるようにする。
さらに図10A〜10Cにつき説明すると、図1A〜2Bの装置10(又は本明細書に記載する他の実施形態のうち任意なもの)を使用して、穿刺部内で、例えば、本明細書のいたるところで説明するように、血管外で血管の動脈切開部又は穿刺部に連通する他の身体ルーメンの直ぐ上方若しくは隣接せて、封止材2を位置決め及び送達する。図1A〜2Aに示す実施形態において、カートリッジ16(管状部材20内の封止材2と一緒に)は、初期的には位置決め部材14の基端部42に設けることができる。例えば、位置決め部材14におけるハブ48及びカートリッジ16におけるハウジング23は初期的には互いに連結し、この連結は、例えば1つ又は複数の釈放可能な戻り止め(図示せず)を使用して行うことができる。幾つかの実施形態において、図8A〜8Cの実施形態(又は図16A〜16Dに示す装置710)に示すように、カートリッジ216は、例えば、米国特許第7,335,220号及び米国特許出願公開第2008/0082122号(これらは参照により本明細書に組入れられるものとする)に記載のように、管状部材220の末端部224がバルーン246に隣接配置されるように設けることができる。
図10B及び10Cに示すように、カートリッジ16は位置決め部材14に沿って末端方向に摺動可能とし、この摺動は、例えば、ハウジング23をハブ48から離脱させ、次にカートリッジ16を前進させることによって行い、この前進は、例えば、管状部材20の末端部24が位置決め素子46に隣接配置されるまで行う。例えば、ハウジング23を十分な力でハブ48から離れるよう前進させるとき、ハウジング23及びハブ48における戻り止めは単に互いに分離することができる。幾つかの実施形態において、ハウジング23及びハブ48のうち一方はアクチュエータ又はロックを有するものとし、このアクチュエータ又はロックを動作させることにより(図示せず)、戻り止めを分離する、又はカートリッジ16を位置決め部材14に対して前進させることができるようにする。
随意的に、カートリッジ16及び/又は位置決め部材14には、カートリッジ16の位置決め部材14に対する末端方向移動を制限する互いに協調動作する機能特徴部を設けることができる。例えば、カートリッジ16のハウジング23にはポケットを設け、また位置決め部材14には、カートリッジ16を末端側位置に前進させるときポケット内に収容される戻り止め又は他の機能特徴部(双方とも図示せず)を設けることができる。
付加的又は代替的に、1つ又は複数のマーカーを装置10に設け、例えば、コンポーネントが1つ又は複数の所望位置をとるときを識別する、又は装置の使用を容易にする。例えば、位置決め部材14には、細長部材40上の所定位置に1つ又は複数のマーカー43を設ける。これらマーカーによれば、カートリッジ16が所望の末端側位置に前進しているとき、例えば、カートリッジ16が位置決め部材14上で前進するにつれてマーカー43がハウジング23から露呈するときを視覚的に確認することができる。
図10A〜10Gにつき説明すると、例えば、図1A〜2Bの装置(又は本明細書に記載の他の実施形態のうち任意なもの)を使用して封止材2を送達し、例えば、穿刺部90内での止血を行う、穿刺部90を封止する例示的方法を示す。概して穿刺部90は、患者の皮膚92から途中の組織を経由し、例えば、身体のルーメン94まで延在する。例示的実施形態において、穿刺部90は、大腿動脈、頸動脈等のような血管94に連通する経皮的穿刺部とすることができる。
例示的方法において、穿刺部90は、既知の処置、例えば、ニードル、ガイドワイヤ、1つ又は複数の拡張器等(図示せず)を用いて形成することができる。導入シース80を穿刺部90から血管94内に、例えば、穿刺部90に通過して血管94内に配置したガイドワイヤ(図示せず)上で前進させることができる。導入シース80は、血管94内に1つまた複数の器具(図示せず)がアクセスし、例えば、血管経由で行う1つ又は複数の診断的及び/又は介入的処置を可能にする。血管経由の処置が完了した際、このような器具を穿刺部90から取出し、導入シース80は穿刺部90を経て血管94内に延在させたままにする。
図10Aにつき説明すると、位置決め部材14を、導入シース80のルーメン内に及び/又はこのルーメンを通過するよう、例えば、拡張可能な位置決め素子46を収縮状態にして導入することができる。カートリッジ16は封止材2とともに、例えば、初期的には図2Aに示すように、アクチュエータ62が第1の末端側位置にある状態で、位置決め部材40の基端部42に設けられる。したがって、管状部材20の末端部24は、位置決め部材14を穿刺部90内に前進させるとき、穿刺部90の外側に位置する。
さらに図10Aにつき説明すると、位置決め部材14の末端部44は穿刺部90(導入シース80を介して)内を通過して血管94内に挿入することができる。封止材2が、図8A〜8Cのカートリッジ216と同様に、位置決め素子に直ぐ隣接配置されるようカートリッジを構成する場合、管状部材220の末端部224も導入シース80に通過して血管94に進入することができる。そうでない場合、図10A及び10Bに示すように、管状部材20の末端部24は穿刺部90の外部に留まることができる。
位置決め素子46を血管94内に、すなわち、導入シース80の末端部84を越えて配置した後、位置決め素子46を図示のように拡大状態に拡張させることができる。位置決め素子46が拡張した後、位置決め部材40を少なくとも部分的に引出し、位置決め素子46を血管94の壁96に接触させ、例えば、血管94を穿刺部90からほぼ封止する。図10A及び10Bに示す例示的方法において、このことは、(単独のほぼ連続する行為で完了するが)2ステップのプロセスを含む。先ず、位置決め素子46を血管94内で拡張させた状態で、位置決め素子46が導入シース80の末端部84に接触するまで位置決め部材14を引出し、この接触は、ユーザーに第1の触感フィードバック(すなわち、例えば、基端方向移動に対する増大した重量感及び/又は抵抗感に基づいて、位置決め素子46が導入シース80に接触したという触感)を与える。次に、位置決め素子46が血管壁96に接触して更なる引出しに対する抵抗を生じて、第2の触感フィードバックが得られるまで位置決め部材14を引出すことができる。導入シース80は、位置決め部材14を引出すとき位置決め素子46によって、例えば、図10Bに示すように導入シース80の末端部84が血管94から穿刺部90内に引出されるまで、基端方向に引出される。
基端方向引張り力を位置決め部材14に加える及び/又は維持し、位置決め素子46を血管壁96に保持し、例えば、穿刺部90を血管94から封止する、及び/又は位置決め部材14がそれ以上外れるのを阻止することができる。基端方向引張り力の維持は手動又は引張りデバイス(図示せず)で行い、例えば、次のステップ中における一時的な止血を行うことができる。例示的な引張りデバイスは米国特許出願公開第2004/0267308号に記載されている。
図10Cにつき説明すると、次にカートリッジ16(封止材2を担持している)を位置決め部材14上で穿刺部90内に末端方向に前進させることができる。図示のように、管状部材20の末端部24は導入シース80内に進入し、また位置決め素子46に向かって前進することができる。カートリッジ16は、カートリッジ16のコンポーネントが位置決め部材14の止め部に突当り、これによりそれ以上のカートリッジ16の前進を阻止する及び/又は封止材2を位置決め素子46から所定距離だけ離間させるまで前進させることができる。代案として、カートリッジ16は、末端部24が拡張した位置決め素子46に接触し、カートリッジ16が十分前進したという触感フィードバックが得られるまで、又は封止材2が穿刺部90内に位置決めされるまで、導入シース80内で前進させることができる。
随意的に、カートリッジ16を前進させるとき、導入シース80を管状部材20に連結することができる、本明細書に記載の他の実施形態、又は米国特許出願公開第2009/0088793号(参照により記載全体が本明細書に組入れられるものとする)に記載の実施形態と同様のスリーブ又はロックデバイス(図示せず)をカートリッジ16に設けることができる。幾つかの実施形態において、カートリッジ16のハウジング23には、シースハブ83の整合機能特徴部(図示せず)に係合する1個又は複数個の機能特徴部(図示せず)を設け、本明細書に記載の他の実施形態と同様に、例えば、管状部材20及び/又はカートリッジ16における他のコンポーネントの移動を導入シース80に連結することができる。
若干のシナリオにおいて、図8A〜8Cのカートリッジ216のようなカートリッジを、管状部材220の末端部224及び位置決め素子246に直ぐ隣接する封止材2を有するものとして設ける場合、カートリッジ216は前進させず、単に位置決め部材214と一緒に単にシース80内に導入するだけとする。したがって、位置決め素子246を拡張させ、また装置210全体を引出して位置決め素子246を血管壁96に衝合させる前には、管状部材220の末端部224は、単に血管94内に僅かに露出する。若干の態様において、封止材2は、末端部224内に僅かに引込んだ状態にすることができ、例えば、封止材2の体液への露出を少なくするのが望ましい場合、封止材2は末端部24と同一平面となる、又は図11に示すように、また本明細書のいたるところで説明するように、末端部24から僅かに突出するようにすることができる。
随意的に、図8A〜8Cの実施形態において、位置決め部材214及びカートリッジ216を導入シース80内に前進させ、最終的に管状部材220の基端部222におけるマーカー(図示せず)が導入シース80のハブ83に整列させ、この整列により位置決め素子246がシース80の末端部84を越えて、すなわち血管94内に末端方向に配置されたことの視覚的表示を与える。位置決め素子246を拡張し、位置決め部材214及びカートリッジ216を後退させて位置決め素子246が血管壁96に突当る位置決めをした後、シース80を所望距離だけ後退させて管状部材220の末端部224を穿刺部90内で所望に応じて位置決め素子246に隣接するよう露出させることができる。随意的に、管状部材20には、シース80が十分後退したとき、導入シース80のハブ83と整列する他のマーカー(図示せず)を設けることができる。
所望に応じて、カートリッジ216には、例えば、ハウジング223の末端部にトリガロック(図示せず)を設け、またシース80はハブ83がトリガロックに係合するまで後退させることができるようにする。シース80がトリガロックに係合しないうちは、トリガロックは展開機構260のアクチュエータ262が動作するのを阻止し、したがって、封止材2の意図しない展開を阻止することができる。
幾つかの実施形態において、装置210がシース80内に十分前進したとき、シース80をカートリッジ216に連結することができ、例えば、シース80の移動を管状部材220の移動に連結できるようにする。導入シース80は、シース80及び管状部材220の末端部84,224が互いに整列し、例えば、互いにほぼ同一範囲にわたり延在するような、管状部材220に対する相対的長さを有するのが望ましい。この場合、管状部材220(及びひいてはシース80)が後退するとき、封止材2はシース80の末端部84を越えて露出することができる。
次に、図1A〜2Bの装置10を引き続き参照して図10Dにつき説明すると、アクチュエータ62を動作させる、例えば、アクチュエータ62を第2の基端側位置に案内し、したがって、管状部材20(及び管状部材20に連結された場合の、又はまだ引出しでいない導入シース80)を位置決め部材14、封止材2及び支持部材30に対する後退を開始させることによって、動作させることができる。例えば、展開機構60(図示しないが、例えば図2B参照)に設ける遅延により、図10D及び10Eに示すように、シース末端部84を越えて封止材2が穿刺部90内に大きく露出するまでは、支持部材30が封止材2の大きな基端方向移動を阻止して、管状部材20を後退させることができる。アクチュエータ62を第2位置に向けて案内し続けるとき、支持部材30は、図10E及び10Fに示すように前進を開始し、これにより封止材2を拡張した位置決め素子46及び/又は動脈切開部及び血管壁96に押付けて圧縮することができる。
封止材2が穿刺部90内に露出するとき、封止材2は穿刺部90内で血液及び/又は他の体液に曝される。この被曝により封止材2は体液を吸収し、本明細書のいたるところで説明するように、止血するように活性化する。封止材2は非架橋前駆体から形成した末端側セクションを有する場合、前駆体は架橋し、封止材2を周囲の組織に対して結合し、例えば、血管壁96及び/又は動脈切開部に隣接する他の組織の外面に結合し、又は動脈切開部を填隙する又は貫入し、例えば、随意的に血管94の内部に突入させ、結果として生ずる封止効果を高める、及び/又は封止材2の基端側セクションの移動、例えば動脈切開部及び血管壁96から離れる移動を阻止することができる。
十分な時間経過後、位置決め素子46を収縮させ、また装置10を穿刺部90から引出し、封止材2は、図10Gに示すように、穿刺部90内に残留させ及び/又は血管壁96に押し当てたままにする。初期的には、位置決め部材14は、封止材2内を通過して、例えば、図9A及び9Bに示すように、支持部材30内に後退することができる。随意的に、位置決め部材14は、本明細書のいたるところで説明するように、自動後退アセンブリ(図示せず)を使用して自動的に後退させることができる。
幾つかの実施形態において、アクチュエータ、例えば、単一ボタン又は1対の対向ボタン(図示せず)を位置決め部材14に設けることができる。ボタンはハブ48に配置し、このハブ48は、処置中患者を載置するテーブル又は他の固定表面に取付けることができる。位置決め部材14を血管96及び穿刺部90から取出すとき、絞込み設計によりしぼんだバルーン46を圧縮された封止材2内に通過するよう後退させることができる。
引き続き図9A及び9Bにつき説明すると、支持部材30は位置決め部材214が後退するとき、本明細書のいたるところで説明するように、ほぼ静止した状態に留まり、これにより位置決め部材46が封止材2内に通過して引っ張られるとき、封止材2が血管壁96から離れるよう基端方向に導かれるのを阻止する。所望に応じて、支持部材30はさらに前進し、例えば、封止材2を穿刺部90内で圧縮することができる。依然として穿刺部90内に突入している支持部材30及び装置10の他のコンポーネントは取外し、封止部材2を穿刺部及内に留置し及び/又は血管壁94に押付けた状態にする。
図11につき説明すると、組織における穿刺部を封止する装置310の他の実施形態を示す。上述した実施形態とほぼ同様に、装置310は、位置決め部材314と、位置決め部材314に担持して封止材2を穿刺部(図示せず)内に送達するカートリッジ316とを有する。位置決め部材314は、基端部(図示せず)におけるハブを有する管状本体340と、末端部344におけるバルーン346とを有する。カートリッジ316は、封止材2を含む管状部材320と、この管状部材320内の支持部材330とを有する。図8A〜8Cの実施形態と同様に、管状部材320の管状本体340及び管状部材320の相対的長さは、管状部材320の末端部324、及びひいては封止材2がバルーン346に直ぐ隣接して配置されるような相対的長さにすることができる。したがって、使用中にカートリッジ316全体を前進させる必要はない。
管状部材320は複合材による末端部324を有し、末端部隣接部分とは異なるよう形成した先端の末端セグメント325を含む。末端セグメント325は、例えば、軸線方向、螺旋方向、又は末端セグメント325の少なくとも一部に沿って延在する複数のスリット又は他の脆弱領域(図示せず)を有する。付加的又は代替的に、末端セグメント325は、隣接する末端部324よりも比較的薄い壁厚にする、及び/又は内部の封止材2を露出させるよう容易に分裂、畳み込み、収縮、拡張又は圧壊し得る脆弱材料で形成することができる。
図示のように、封止材2は、基端側又は主セクション2aと、非架橋前駆体から形成した末端側又は先端セクション2bとを有することができる。末端側セクション2bは、例えば、図11に示すように管状部材320の末端セグメント325から少なくとも部分的に突出させることができる。例えば、装置310は末端側セクション2bが露出した状態でユーザーに提供する、又はユーザーが、例えば、カートリッジ316のハンドルにおけるアクチュエータ(ともに図示せず)を使用して、支持部材330を所定距離だけ前進させることができる。末端側セクション2bが少なくとも部分的に末端セグメント325から突出する場合、末端側セクション2bは、随意的に丸み付き又は他の形状にし、例えば、導入シース及び/又は穿刺部内への導入を容易にするほぼ侵襲性のない及び/又はテーパ付き形状(図示せず)にすることができる。
装置310は、穿刺部内に、例えば、前もって配置した導入シース(図示せず)から位置決め素子346を収縮させた状態で導入することができ、位置決め素子346及び末端セグメント325は穿刺部及び/又は血管94内で導入シースを越えて露出させることができる。位置決め素子346は、図11に示すように拡張させ、血管壁96に押し当てるよう導き、また本明細書の他の実施形態と同様に、末端セグメント325を露出させることが必要である場合、導入シースを引出すことができる。
封止材2の末端側セクション2bが部分的に露出している状態で、架橋が始まり、これにより、本明細書の他の実施形態と同様に、封止材2が動脈切開部、血管壁94、及び/又は周囲の組織との結合を生ずることができる。次に、支持部材330を前進させて封止材2を血管壁96及び/又は位置決め素子346に押付け、これにより封止材2が圧縮されるとき、管状部材320の末端セグメント325に外方への拡張力を加える。このことは末端セグメント325を分裂、畳み込み、収縮又は圧壊させ、封止材2を穿刺部内で露出させることができる。位置決め素子346を収縮させ(例えば、本明細書に記載のいずれかの装置及び方法を使用して)、装置310を穿刺部から取出し、このことは本明細書の他の実施形態と同様である。末端側セクション2bの血管壁96に対する結合は、装置310を取出すときの封止材2のからみ付き及び/又は離脱を防止することができる。
このように、末端セグメント325は封止材2上のスカート又はカバーをなし、封止材2の体液に対する時期尚早の露出を減少するが、管状部材320を支持部材330、位置決め素子346及び/又は血管壁96に対して後退させる必要なく、封止材2を露出させるよう開いた状態にすることができる。
図12につき説明すると、組織における穿刺部を封止する他の例示的実施形態である装置410を示す。上述の実施形態とほぼ同様に、装置410は位置決め部材414と、この位置決め部材414に担持し、位置決め部材内の封止材2を穿刺部(図示せず)内に送達するカートリッジ416を有することができる。カートリッジ416は、内部に封止材及び支持部材を担持する管状部材を設けないものとすることができる。その代り、カートリッジ416は、内部に封止材2を担持し、また封止材2に隣接する支持部材430の末端部434を包囲する封止材スリーブ450と、支持部材430の基端部432におけるハンドル又はハブ423とを有することができる。図示のように、カートリッジ416は初期的に位置決め部材414のハブ448に隣接して設けることができるが、代案として、カートリッジ416は、初期的には封止材スリーブ450及び封止材2が位置決め部材414の位置決め素子446に直ぐ隣接して配置されるよう設けることができ、これは、図16A〜16Dに示す装置710、また本明細書のいたるところで説明するのと同様である。
図12Aに明示するように、スリーブ450は、比較的大径であり、導入シース80(図示しないが、例えば、図13A〜13C参照)のハブ又は基端部83に衝合又は接触するサイズにした基端側部分452と、比較的小径であり、導入シース80のハブ83及び/又はルーメンに進入するサイズにした末端側部分454とを有することができる。例えば、導入シースのハブ83は、1個又は複数個のバルブ、例えば、止血バルブを内部に設けることができ、またスリーブの末端側部分454は、ハブ83に進入するサイズにし、かつカートリッジ416を前進させるときバルブを少なくとも部分的に開放し、例えば、以下に説明するように、封止材2及び/又は支持部材430が導入シースのルーメン内に進入するのを容易にすることができる。
スリーブ450は支持部材430に比べて相当短い長さを有することができ、例えば、スリーブ450は支持部材430上で所望距離にわたり基端方向に摺動できるようにする。例えば、スリーブ450は、約5ミリメートルから40ミリメートル(5〜40mm)、約10〜24ミリメートル(10〜24mm)等の全長を有し、末端側部分454は、例えば、約3〜20ミリメートル(3〜20mm)、約12〜24ミリメートル(12〜24mm)、約15〜18ミリメートル(15〜18mm)等の長さを有し、例えば、封止材2をほぼカバーするのに十分な長さとすることができる。
随意的に、スリーブ450は内部ルーメン456を有し、この内部ルーメン456は、支持部材430の外面に対して差別的及び/又は異なる摩擦干渉性を生ずるよう構成することができる。例えば、内部ルーメン456は、スリーブ450が支持部材430に対して自由に基端方向に摺動できるとともに、スリーブ450の支持部材430上での末端方向移動に抵抗する上昇した摩擦を生ずるようにすることができる。付加的又は代替的に、スリーブ450は支持部材430の末端部434に対して釈放可能に取付け、例えば、この取付けは、カートリッジ416を導入シース内に前進させるとき、釈放又は結合に打ち勝つことができる結合力の低い粘着剤等を使用して行うことができる。
例示的実施形態において、スリーブ450は、外側環状本体及びこの環状本体内に少なくとも部分的に収容する管状セクション(図示せず)から形成することができる。若干の態様において、スリーブ450は、単一ピースとして、例えば、成形、機械加工、鋳造等により一体に形成することができる。スリーブ450のコンポーネントは、同一の又は異なる材料、例えば、プラスチック、金属、又は複合材料から形成することができる。スリーブ450を形成する例示的材料及び方法は、米国特許第7,993,367号(参照によりこの開示全体が本明細書に組入れられるものとする)に記載されている。
図13A〜13Cにつき説明すると、装置410を使用し、例えば、本明細書のいたるところで説明するように、血管外から血管又は他の体ルーメン94における動脈切開部の直ぐ上方又は隣接するよう、封止材2を穿刺部90内に位置決め及び送達することができる。図13Aに示すように、カートリッジ416は、封止材2及び支持部材430の末端部434上に位置するスリーブ450とともに、初期的には位置決め部材414の基端部442に設ける。例えば、位置決め部材414におけるハブ448及びカートリッジ416におけるハウジング423は、初期的には、例えば、1個又は複数個の釈放可能戻り止め(図示せず)を使用して互いに連結することができる。図13Bに示すように、カートリッジ416を位置決め部材414に沿って末端方向に摺動することができ、この摺動は、例えばハウジング423をハブ448から離脱させ、次にカートリッジ416を位置決め素子446に向けて前進させることによって行う。
引き続き図13A〜13Cにつき説明すると、装置40は概して導入シース80と連携して使用し、封止材2を穿刺部90に送達することができる。導入シース80は装置410を含むシステム又はキットの一部とする、又は独立したデバイスとすることができる。概して、導入シース80は、基端部82、組織における穿刺部90内に挿入できるサイズの末端部84、及び基端部82と末端部84との間に延在するルーメン86を有する。導入シース80は、ほぼ剛性、半剛性及び/又は可撓性の管状本体から形成し、基端部82にハブ83を有する。導入シース80は患者の皮膚から介在する組織を経て血管又は他の身体ルーメンまで延在する十分な長さを有し、例えば、約10センチメートル〜20センチメートル(10〜20cm)の長さを有し、また約1.6ミリメートル〜5ミリメートル(1.6〜5mm)の外径を有することができる。末端部84にはテーパを付ける及び/又は穿刺部に前進するのを容易にするほぼ侵襲性のない末端チップを設けることができる。
導入シース80は、既知の材料及び/又は方法を使用して、例えば、プラスチックで形成することができ、管状本体及びハブ83を、例えば、締まり嵌め、1個又は複数個の整合コネクタ(図示せず)、接着剤結合、超音波溶接等を使用してほぼ恒久的に互いに連結することができる。ハブ83には、概して1個又は複数個のシール、例えば、1個又は複数個の止血シール(図示せず)を設けることができ、ルーメン86からの血液又は他の体液がハブ83から流出するのを阻止するが、位置決め部材414及び/又はカートリッジ416のような1つ又は複数の機器をルーメン86内に挿通収容できるようにする。随意的に、図示のように、ハブ83は、ルーメン86に連通し、生理食塩水又は他の液体の供給源(図示せず)に接続するための側面ポート89を有することができる。
初期的に、図13Aに示すように、位置決め部材414は、導入シース80のルーメン86内に及び/又はルーメン86を経由して、例えば、拡張可能な位置決め素子446を収縮させた状態で導入することができる。カートリッジ416は、封止材2及び支持部材430とともに、初期的には、例えば図12に示すように、位置決め部材440の基端部442の設けることができる。したがって、スリーブ450の末端部454は、位置決め部材414を穿刺部90内に前進させるとき、初期的には穿刺部90の外側でハブ83から離間して配置することができる。
さらに図13Aにつき説明すると、位置決め部材414の末端部444は穿刺部90から(導入シース80を介して)血管94内に挿入することができる。位置決め素子446を血管94内に配置した後、すなわち、導入シース80の末端部84を越えて配置した後、位置決め素子446を拡大状態に拡張させ、また位置決め素子446が血管壁96に接触するまで少なくとも部分的に引出し、このことは本明細書に記載の他の実施形態と同様である。
図13B及び13Cにつき説明すると、カートリッジ416(封止材2を担持する)を位置決め部材414上で導入シース80に向けて末端方向に前進させることができる。カートリッジ416が前進するとき、スリーブ450は導入シース80に接触し、これによりスリーブ450がそれ以上前進するのを阻止する。例えば、スリーブ450の末端部454は、少なくとも部分的に導入シース80のハブ83内に進入し、またスリーブ450の基端側部分452は、図13Cに明示するように、ハブ83に衝合し、これによりスリーブ450のそれ以上の前進を阻止することができる。スリーブ450を支持部材430に釈放可能に取付ける場合、カートリッジ416をこのポイントまで前進させることにより、スリーブ450を支持部材430の末端部434から釈放することができる。
カートリッジ416をさらに末端方向に位置決め部材446に向けて移動することができ、このときスリーブ450は導入シース80に対してほぼ静止した状態に留まり、この後支持部材430上で基端方向に摺動させることができる。これにより支持部材430の末端部434はスリーブ450の末端側部分454を脱出し、また導入シースのルーメン86に進入し、これにより図13Cに示すように、封止材2をスリーブ450からシースのルーメン86内に、放出することができる。スリーブ450の末端側部分454は、十分な長さを有する、及び/又は導入シースのハブ83内のバルブ(図示せず)を少なくとも部分的に開く他の機能特徴部を有することができ、例えば、封止材2及び支持部材430の末端部434を導入シースのルーメン86内に導入するのを容易にする。このようにして、封止材2がハブ83及びハブ内の任意のバルブを通過して導入シース80のルーメン内に進入するまでは、スリーブ450が封止材2を保護する。
この後、カートリッジ416を、封止材2が位置決め素子446及び/又は血管94に隣接配置されるまで前進させ、封止材2をシースのルーメン86を経て案内する。随意的に、カートリッジ416は、カートリッジ416のコンポーネントが位置決め部材414の止め部に突当るまで前進させ、これによりカートリッジ416のそれ以上の前進を防止する及び/又は封止材2を位置決め素子446から所定距離、例えば、ほぼゼロ〜5ミリメートル(0〜5mm)だけ離間させることができる。幾つかの実施形態において、カートリッジ416は、封止材2が位置決め素子446及び/又は血管94に接触して抵抗が検出されるまで前進させることができる。
この後、導入シース80を少なくとも部分的に後退させ、導入シースの末端部84を越えて封止材2を穿刺部90内に露出させることができる。随意的に、スリーブ450に、導入シース80をスリーブ450の連結する1個又は複数個のロック素子(図示せず)を設けることができる。これにより、ユーザーが導入シース80ではなくスリーブ450を基端方向に引っ張る場合、導入シース80及びスリーブ450を一緒に引出して、導入シース80の末端部84を後退させることができるようになる。
導入シース80を後退させるとき、支持部材430は封止材2の基端方向移動をほぼ阻止し、したがって、封止材2を穿刺部90内に露出させることができる。封止材2が穿刺部90内で露出するとき、封止材2は穿刺部90内の血液及び/又は他の体液に曝される。この被曝により封止材2が体液を吸収し及び/又は穿刺部90内で膨張し、例えば、止血を生ずる。
所望に応じて、封止材2が穿刺部90内で露出した後、支持部材430を前進させ、封止材2を、例えば位置決め素子446に対して、圧縮又はタンピングする(突き固める)ことができる。随意的に、支持部材430には、例えば、基端部432に又はその近傍に1つ又は複数のマーカー(図示せず)を設け、支持部材430を穿刺部90内で所望距離だけ前進させ、この所望距離はマーカーをモニタリングすることによって確認することができる。付加的又は代替的に、位置決め部材414には、所定距離前進するとき支持部材430が通過できる戻り止め又は他の機能特徴部を設けることができる。戻り止めは、支持部材430が所定距離前進したことの聴覚的確認を(マーカーによる視覚的確認に付加して、又は代替案として)提供することができる。
封止材2を支持部材430によって十分な時間にわたり露出させる及び/又はタンピングした後、位置決め素子446を収縮させ、位置決め部材414を血管94及び穿刺部90から引出し、例えば、収縮した位置決め素子446を、封止材2及び支持部材430内に通過させるよう引っ張ることができる。支持部材430は、位置決め部材414の引き出し中ほぼ静止状態に維持することができ、例えば、封止材2の穿刺部90内での移動及び/又は剥離を防止する。随意的に、カートリッジ416には、本明細書に記載の他の実施形態と同様に、位置決め部材414を自動的に後退させる自動後退アセンブリを設けることができる。位置決め部材414を完全に取外した後、支持部材430を穿刺部90から取外し、封止材2を穿刺部90内に留置することができる。
図16A〜16Dにつき説明すると、他の実施形態である装置710をし、この装置710は、概して位置決め部材714と、この位置決め部材714に担持して内部の封止材2を穿刺部(図示せず)に送達するカートリッジ716とを有する。図12の装置410と同様に、カートリッジ716は、封止材2を担持し、また封止材2に隣接する支持部材430の末端部734を包囲する封止材スリーブ750と、及び支持部材730の基端部732におけるハンドル又はハブ723とを有する。封止材スリーブ750は、比較的大径であり、支持部材730の末端部734を包囲し、例えば、図16Dに示すような導入シース780のハブ又は基端部783に衝合又は接触するサイズにした基端側部分752と、比較的小径であり、封止剤2を包囲し、例えば、導入シース780のハブ783及び/又はルーメン786に進入するサイズにした末端側部分754とを有することができる。このハブ783は、封止材スリーブのこの小径部分を釈放可能に収容するキャビティを有することができる。装置410とは異なり、カートリッジ716は、初期的には、封止材スリーブ750及び封止材2が位置決め部材714の位置決め素子746に直ぐ隣接して配置されるように設けることができる。
ハンドル723は、内側ハウジング又はフレーム774及び1個又は複数個のアクチュエータ760〜764を包囲する外側ハウジング又はシュラウド772を有することができ、以下に説明するように、装置710の1個又は複数個のコンポーネントが互いに相対移動できるようにする。図示のように、外側ハウジング772は、内部に第1アクチュエータ760及び第2アクチュエータ762を設けた第1開口又は溝孔773と、内部に第3アクチュエータ764を設けた第2溝孔775を有することができる。開口773は、以下に説明するように、第1及び/又は第2のアクチュエータ760,762と相互作用する1個又は複数個の機能特徴部を有することができる。
内側ハウジング774は、外側ハウジング772に対して軸線方向に、例えば、初期位置と、基端側位置と及び末端側位置との間で摺動可能にする。例えば、外側ハウジング772は、内側ハウジング774の周りに取り付けることができる、二枚貝シェル状半部又は他のコンポーネントを有し、これによって協調動作するレール又は溝(図示せず)により内側ハウジング774が大きな側方移動することなく軸線方向に摺動できる。例示的実施形態において、内側ハウジング774におけるレール又は溝(同様に図示せず)間で摺動可能に収容し得る、1個又は複数個の細長いリブ又はレール(図示せず)を外側ハウジング772の内面に成形又は他の方法で設ける。
ハンドル723は、外側ハウジング772に一体に形成した、又は外側ハウジング772から突出する末端側シュラウド776を有することができる。1個若しくは複数個の戻り止め又は他の機能特徴部、例えば、1対のフォーク状歯778をシュラウド776に設け、ハブ723を図16Dに示すシース780のような導入シースに係合できるようにする。例えば、シース780はハブ783を有し、このハブ783は、ハブ783の互いに対向する側面に沿って軸線方向の延在する1対のポケット783aを有する。フォーク状歯778は、例えば、以下に説明するように、使用中装置710をシース780に導入するときポケット783a内に摺動して収容されるタブ又は戻り止め778aを有する。フォーク状歯778及びポケット783aの相対的長さは、戻り止め778aがポケット783aを通過してその末端部から突出するよう構成する。戻り止め778aには、挿入を容易にする傾斜付き又はテーパ付き末端エッジと、ポケット783aの末端部に係合してフォーク状歯778がポケット783aから抜け戻るのを阻止し、したがって、以下に説明するように、シース780とハブ723の外側ハウジング723とが連動できるようにする平滑基端エッジとを設ける。
図16Cに示すように、装置710は、本明細書に記載したいずれかの他の実施形態と同様のラック・アンド・ピニオン構成を有することができる。例えば、図示のように、ラック766を支持部材730の基端部732に連結し、また外側ハウジング772及び/又は内側ハウジング774内に摺動可能に収容することができる。ピニオン768は内側ハウジング774に対して回転可能に取付け、例えば、本明細書における他の実施形態と同様に、連動歯766a,768aによってラック766に連結する。内側ハウジング774に回動可能に連結した第2又は支持アクチュエータ762、例えばボタンを、連動歯762a,768aによってピニオン768に連結し、選択的にピニオン768を選択的に回転させることができるようにする。例えば、以下に説明するように、第2アクチュエータ762を押込んで、ピニオン768を回転させ、したがって、ラック766を末端方向に前進させ、これにより支持部材730を前進させることができる。
随意的に、図示のように、第1又はロックアクチュエータ760をハブ723に設け、支持部材730の動作及び/又は制限移動を生ずるまでは、外側及び/又は内側のハウジング772,774の相対移動を阻止できるようにする。例えば、図16Cに明示するように、ロックアクチュエータ760は、内側ハウジング774に回動可能に取付けることができ、また外側ハウジング772における開口773の末端エッジ773bに衝合又は係合する末端部760aを有する。この結果、内側ハウジング774は基端側位置にほぼ固定され、ロックアクチュエータ760を動作させてアクチュエータ760の末端部760aを開口773の末端エッジ773bから離脱させるまでは、末端側位置に案内できない。
付加的又は代替的に、第1アクチュエータ760は、支持部材730を内側ハウジング774に対して選択的にロックするための戻り止め又は他のロック機能特徴部760bを有する。例えば、図16Cに示すように、戻り止め760bは第1アクチュエータ760から内方に延在し、任意な他の機能特徴部に係合しない。第1アクチュエータ760を動作させるとき、すなわち、内方に導いてアクチュエータ760の末端部760aを外側ハウジング772の末端エッジ773bから離脱させるとき、戻り止め760bは内側ハウジング774内に下方に降下することができる。本明細書に詳述するように、内側及び外側のハウジング部分774,772が相対移動可能になった後、ハンドル723を基端方向に移動させ、外側シース780を後退させ、また封止材を露出させることができる。
その後に支持アクチュエータ762を動作させるとき、ラック766の末端部766bが戻り止め760bの下方を通過し、また戻り止め760bがポケット(図示せず)内に捕捉されるまで、ラック766が前進して支持部材730に対して封止材を動脈切開部に向けてタンピングさせることができる。戻り止め760bがポケットに捕捉された状態では、ラック766を基端方向に導くことはできず、したがって、ラック766に連結した支持部材730の基端方向移動を阻止することができる。
装置710には、さらに、第3又はバルーン後退アクチュエータ764を設け、例えば、本明細書における他の実施形態と同様に、封止材展開後に、選択的に位置決め素子746を封止材2内に通過させて後退させるようにすることができる。例えば、図16Cに示すように、第3アクチュエータ764は、内側ハウジング774に摺動可能に取付け、また位置決め部材714のハブ748に選択的に連結することができる。ハブ748は、本明細書における他の実施形態又は本明細書に組入れた参照文献と同様に、構成及び/又は動作することができる。
初期的に、第3アクチュエータ764は内側ハウジング774に連結するが、封止材2を展開及び/又はタンピングした後には内側ハウジング774から分離することができる。例えば、図16Cに明示するように、第3アクチュエータ764は、内側ハウジング774から分離することができる第3アーム764cを有し、第3アクチュエータ764の外側及び/又は内側のハウジング772,774に対する基端方向移動により、同様にハブ748を基端方向に移動させ、これにより本明細書における他の実施形態と同様に、位置決め素子746を基端方向に導くことができる。
さらに、第3アクチュエータ764には、ラック766の基端部766cに隣接して摺動可能に位置決めする第2アーム764bを設けることができる。第2アーム764bをこのように位置決めした状態では、第3アーム764cはハブ748との連結状態のままとなることができる。ラック766が、例えば、第2アクチュエータ762を動作させることによって末端方向に導くとき、第2アーム764bはラック766の基端部766cから離れるよう摺動することができ、これにより第3アーム764cは内側ハウジング774から分離することができる。例えば、図示のように、ばね又は他のバイアス付与機構764aを第3アクチュエータ764(又は随意的に外側ハウジング772)に設け、ラック766が末端方向に導かれて第2アーム764bがラック766の基端部766cから離れるとき、第2アーム764bを外方に押圧偏倚できるようにする。さらに、ばね又はバイアス付与機構764aは、第3アーム764cを内側ハウジングから分離するためにアクチュエータを押下げることを必要とし、これにより位置決め素子746の不慮の移動を防止することができる。この後、第3アクチュエータ764は基端方向に導かれ、ハブ748及び位置決め素子746を後退させることができる。
装置710を使用して、本明細書における他の実施形態と同様に、患者の体における身体ルーメンに連通する穿刺部内に封止材2を送達することができる。初期的に図16Dに示す導入シース780は、本明細書のいたるところで説明するように、穿刺部から身体ルーメン内に位置決めすることができる。
随意的に、導入シース780は、例えば、拡張器790及びガイドワイヤ799及び/又は装置710も含むシステムを有する導入キットの一部として設けることができる。拡張器790は、基端部792と、導入シース780のルーメン786内に摺動可能に収容されるサイズの末端部794を有することができ、末端部794は、例えば、ガイドワイヤ799上で拡張器790及び導入シース780を穿刺部(図示せず)内に導入するのを容易にするテーパ付きで侵襲性が少ない及び/又は他の末端チップとして終端させることができる。図示のように、拡張器790は基端ハウジング796を有し、この基端ハウジング796は、装置710の末端シュラウド776と同様の構成としたフォーク状歯798及び戻り止め798aを有することができる。拡張器790を導入シース780のハブ783及びルーメン786内に導き入れ、最終的にフォーク状歯798がハブ783における通路783aに進入し、また戻り止め798aが通路783aから抜出るに至る。
このようにして、拡張器790及び導入シース780は互いに連結され、ガイドワイヤ(図示しないが、本明細書のいたるところで説明するように、穿刺部を経て身体ルーメン内に配置されている)を拡張器790の末端部794及びルーメン796内に装填し、拡張器790及び導入シース780を穿刺部に導入することができる。導入シース780を所望位置に位置決めした後、フォーク状歯798を内側に絞り込んで戻り止め798aをポケット783aから離脱させ、拡張器790を導入シース780のルーメン786から引出すことができる。次に、導入シース780を使用して、本明細書のいたるところで説明するように、身体ルーメンにアクセスし、1つ又は複数の処置を行うことができる。
穿刺部を封止するのが望ましいとき、導入シース780内に導入したいかなる器具をも取外し、例えば、図16A及び16Bに示すように、装置710を準備することができる。位置決め素子746を収縮させた状態で、位置決め部材714の末端部744を導入シース780のハブ783内に、ルーメン786を経て身体ルーメン内に導き入れることができる。封止材スリーブ750及び封止材2は、位置決め素子746に直ぐ隣接して配置されているため、末端部744を導入シース780に進入させるとき、スリーブ750は導入シース780に接触し、スリーブ750のそれ以上の前進を阻止することができる。例えば、スリーブ750の末端部分754は導入シース780のハブ783内に少なくとも部分的に進入し、またスリーブ750の基端部分752はハブ783に衝合し、スリーブ750のそれ以上の前進を阻止する。スリーブ750を支持部材730に釈放可能に取付ける場合、位置決め部材714の前進によりスリーブ750を支持部材730の末端部734から釈放することができる。
位置決め部材714を導入シース780内でさらに前進させ、この際スリーブ750は、導入シース780に対してほぼ静止状態のままとなり、またその後支持部材730上に基端方向に摺動することができる。このようにして、支持部材730の末端部734は、スリーブ750の末端部分754から抜け出して導入シースのルーメン786内に進入し、これにより本明細書における他の実施形態と同様に、封止材2をスリーブ750から導入シースのルーメン786内に放出させることができる。随意的に、スリーブ750の末端部分754は、導入シースのハブ783内におけるバルブ(図示せず)を少なくとも部分的に開くに十分な長さ及び/又は他の機能特徴部を有し、例えば、封止材2及び支持部材730の末端部734を導入シースのルーメン78内への前進を容易にすることができる。このようにして、スリーブ750は、封止材2がハブ783及びこのハブ内におけるあらゆるバルブを通過して導入シース780のルーメン786内に進入するまで、封止材2を保護することができる。
この後、位置決め部材714は、位置決め素子746が導入シース780の末端部784を越えて、すなわち、身体ルーメン内に配置されるまで、前進させることができる。このことを生ずるとき、ハウジングのシュラウド776のフォーク歯778が導入シースのハブ783におけるポケット783aに整列して進入することができ、例えば、最終的に戻り止め778aが、上述したように、ポケット783aの末端部に係合する。戻り止め778aがポケット783aに係合した状態では、導入シース780及び外側ハウジング772が互いにに連結し、したがって、本明細書における他の実施形態と同様に、一緒に移動することができる。
位置決め部材714及び導入シース780の相対的長さは、位置決め素子746が末端部784から露出した状態で、封止材2が、導入シースのルーメン786内で、例えば導入シース780の末端部784の近傍に留まるよう構成することができる。位置決め素子746は、例えば、シリンジ148からの流体を使用して、及び/又は本明細書における他の実施形態と同様に、位置決め素子746を膨張させることによって拡張させることができる。装置710全体及び導入シース780を後退させ(装置のハブ723又は導入シースのハブ783のどちらを操作するかに係わらず)、最終的に拡張した位置決め素子746を穿刺部に隣接して身体ルーメンの壁に接触させる。
適切に位置決めした後、第1アクチュエータ760を動作させ、外側及び内側のハウジング772,774の移動を分離する。例えば、外側ハウジング772を保持しつつ、第1アクチュエータ760を内方に押込み、第1アクチュエータ760の末端部760aを外側ハウジング772の末端部773bから離脱させ、次に外側ハウジング772を基端方向に、すなわち患者及び穿刺部から離れる方向に後退させる。内側ハウジング774が位置決め部材714及び支持部材730の連結された状態で、この行為により内側ハウジング774を外側ハウジング772内で基端側位置(図16A〜16Cに示す)から末端側位置に摺動させ、これにより導入シース780を支持部材730に対して後退させ、封止材2を位置決め素子746に隣接して穿刺部内に露出させる。
内側ハウジング774が末端側位置にある状態で、第2アクチュエータ762を動作させ、支持部材730を前進させ、本明細書における他の実施形態と同様に、例えば、封止材2を拡張した位置決め素子746及び/又は身体ルーメンの外壁、例えば動脈切開部上に対してタンピング又は圧縮することができる。例えば、特に図16Cにつき説明すると、第2アクチュエータ762を内方に押込み、これによりピニオン768を回転させ、ラック766を前進させ、またひいては支持部材730を前進させ、末端部734を位置決め素子746に向けて導き、両者間で封止材2を圧縮することができる。
随意的に、第2アクチュエータ762には、第2アクチュエータ762を完全に押下げしたとき、外側ハウジング772に係合できる1つ又は複数の機能特徴部、例えばタブ又は戻り止め762aを設けることができる。例えば、図16A及び16Bに示すように、外側ハウジング772における開口773は、内側ハウジング774が完全に末端側位置に導かれたとき、第2アクチュエータ762におけるタブ762aに整列し得る1個又は複数個のポケット又は窪み773aを有することができる。タブ762aがポケット773a内に収容された状態では内側ハウジング774は外側ハウジング772に対して基端方向に移動できず、したがって、外側及び内側のハウジング772,774を互いに固定する。
封止材2が支持部材730によって十分な時間露出される及び/又はタンピングされた後、位置決め素子746を収縮させ、また位置決め部材714を身体ルーメンから引出し、例えば、収縮した位置決め素子746を封止材2及び支持部材730内に引っ張り込むことができる。例えば、シリンジ148を使用して位置決め素子746をしぼませ、この後第3アクチュエータ764を動作させ、収縮した位置決め素子746を封止材2に通過させて支持部材730の末端部734内に、本明細書における他の実施形態と同様に、引込むことができる。
随意的に、上述したように、第3アクチュエータ764は、ラック766が十分に前進して第3アクチュエータの第3アーム764cを釈放するまでは、内側ハウジング774に連結されたままにすることができる。この後、第3アクチュエータ764の外側及び内側のハウジング772,774に対する基端方向移動により、ハブ748及び位置決め部材714全体を基端方向に移動し、これにより位置決め素子746を封止材2に通過させて支持部材730の末端部734内に引き込ませる。外側ハウジング772における溝孔775の長さは、位置決め素子746を所望距離だけ末端部734内に引き込むよう構成することができる。
位置決め素子746を封止材2から引き出した後、装置710全体を引き出して位置決め部材730を穿刺部から取外し、封止材2を穿刺部に留置させることができる。
図14につき説明すると、例示的実施形態であるシースキャッチ組立体550を示し、この組立体は穿刺部を封止する装置510及び/又は導入シース580に設けることができる。概して、装置510は、本明細書における他の実施形態と同様に、位置決め部材(図示せず)及びカートリッジ516を有することができる。図示のように、カートリッジ516は、封止材及び/又は支持部材(簡明化のため図示しない)を担持する管状部材に連結できるハウジング523を有する。導入シース580には、概して本明細書の他の実施形態と同様に、基端部582及び末端部584を有する管状本体と、基端部582におけるハブ583とを設ける。
図示のように、シースハブ583は、内部にポケット583bを設けたキャッチアダプタ583aを有する。カートリッジ516のハウジング523は、例えば、図2Bに示すシュラウド23内で、シースキャッチ組立体550を有し、このシースキャッチ組立体550は、ハウジング523内で例えば、第1側方位置と第2側方位置との間で摺動可能なシースキャッチ552を有する。例えば、ハウジング523は末端側通路523aを有し、本明細書のいたるところで説明したいずれかの実施形態と同様に、カートリッジ516を導入シース580内に前進させるとき、キャッチアダプタ583aを末端側通路523a内に収容することができる。
シースキャッチ552が第1位置にある状態で、キャッチアダプタ583aは末端側通路523aに通過して、シースキャッチ552における開口553内に突入することができ、例えば、最終的にキャッチアダプタ583aにおけるポケット583bがシースキャッチ552に整列する。この後、シースキャッチ552を側方に第2位置に導く場合、シースキャッチ552はポケット583bに進入し、これによりその後における導入シース580のハウジング523に対する軸線方向移動を阻止する。
図14に示す実施形態において、シースキャッチ552は、例えば、ばね556又は他のバイアス付与機構によって、第1位置及び第2位置のうち一方に向けてバイアス付与することができる。例えば、シースキャッチ552は第1位置に向けてバイアス付与し、これによりシースキャッチ552のデフォルト位置によりカートリッジ516を導入シース580から分離できるようにする。ばね556のバイアスに打ち勝つためチャンバ558内で摺動可能なピストン534を有する液圧アクチュエータを設けることができる。図示のように、ピストン534はチャンバ内で側方に移動可能であり、ピストン534をシースキャッチ552に係合させて、例えば、ばね556のバイアスに打ち勝ち、シースキャッチ552を第1位置から第2位置に移動させる。
さらに、図示のように、チャンバ558は流体ライン559に連通し、この流体ライン559から流体を送給及び/又は抽出し、これによりピストン534を係合位置と離脱位置との間で案内することができる。幾つかの実施形態において、流体ライン559を位置決め部材(図示せず)における位置決め素子と同一の膨張ラインに接続することができる。例えば、図1Aも参照して説明すると、シリンジ148を押込んで流体を膨張ライン48cに送給し、バルーン46を膨張させる場合、流体をほぼ同時に流体ライン559に送給し、これによりピストン534をシースキャッチ552に係合して第2位置に案内し、これにより導入シース580をハウジング523に連結することができる。その後、シリンジ148を使用して流体を抽出してバルーン46を収縮させる場合、流体は流体ライン559からも抽出され、したがって、ピストン534及びシースキャッチ552を離脱させ、カートリッジ516を導入シース580から分離することができる。
したがって、シースキャッチ組立体550は、流体圧力が流体ライン559にて喪失した場合、例えば、バルーン46が破裂又は他の理由により流体が漏洩した場合、カートリッジ516を導入シース580から即座に分離できる安全機能も提供することができる。流体ライン559における流体がない状態では、ばね556が自動的にシースキャッチ552を第1位置に導き、シースキャッチ552をシースアダプタ583aから離脱させることができる。さらに、バルーンのしぼみ中、ピストン534のための流体ライン559からの流体の流量はバルーン46から抜けるよりも緩慢であり、したがって、バルーン46がしぼんでからシースキャッチ550が釈放し、このことは膨張したバルーン46がばね556によって引っ張られないことを確実にすることができる。さらに、バルーン46が破裂する場合、シースキャッチ組立体550が外れ、したがって、位置決め部材14が身体ルーメンから引出す場合でも、導入シース580が穿刺部内に留まっているので、身体ルーメンに対するアクセスは維持される。
幾つかの実施形態において、導入シースをカートリッジに固定する他の機能特徴部をカートリッジ、例えば、本明細書に記載するいずれかの実施形態におけるハウジングに設けることができる。例えば、図2Bに示すシュラウド23a内に簡単なシースキャッチを設け、このシースキャッチは導入シースのハブ(図示せず)における機能特徴部に自動的に係合する。例えば、シュラウド23a内で、例えば、管状スリーブ又は他の支持体(図示せず)に戻り止めを設けることができ、この戻り止めは、例えば、米国特許第7,993,367号に記載の実施形態と同様に、導入シースのハブ内に自由に進入するが、その後の取外しを阻止するよう構成することができる。このようなシースロックをカートリッジの管状部材に設ける場合、シースがシースロックによって係合されている状態で、管状部材を後退させる展開機構は、同様に、導入シースも自動的に後退させることができる。
例えば、図8A〜8Cの装置210のような装置を導入シース(図示せず)内に挿入した後、シースロックはシースハブをハウジング223(例えば、図2Bに示したのと同様にシュラウド23a内で)に連結することができる。位置決め素子246が血管内で拡張した状態で、装置210全体及び導入シースは、例えば、図10A及び10Bに示す方法と同様に(カートリッジ216がシース内に位置決めされていることは別として)、位置決め素子246が血管壁に当たるよう位置決めされるまで、一緒に引出すことができる。したがって、幾つかの実施形態において、拡張した位置決め素子246は、導入シースを穿刺部内に引き戻すことには使用せず、これにより位置決め素子246に対する応力を減少することができる。
随意的に、装置210は、位置決め素子246を血管壁に当たるよう位置決めした後、カートリッジ216及び導入シースを後退させることができる釈放機能特徴部を有することができる。例えば、位置決め素子246を血管壁に当たるよう位置決めするとき、例えば、ハウジング223における釈放機能特徴部のアクチュエータを動作させ、これによりカートリッジ216及びシースを位置決め部材214に対して所定距離、例えば1.5cm後退させることができる。したがって、管状部材220の末端部224及びシースは、位置決め素子246から離間するよう後退し、この後退は、封止材2の展開直前にシース周りの穿刺部における摩擦に打ち勝つことができる。さもないと、例えば、比較的小さい輪郭の穿刺部の周りにおける組織が導入シースに対して後退に抵抗する摩擦を加え、これにより展開機構260を動作させるとき装置をシースに対して前進させ、単に管状部材220及びシースを後退させて封止材2を血管外部で展開するというよりも、位置決め素子246及び封止材2を一層穿刺部内(また可能性として血管内)に導き入れることになる。
随意的に、ハウジング223と導入シースとの間の連結を生ずるシーススタビライザ(図示せず)を設け、例えば、カートリッジ216がシースに対して末端方向に移動するのを阻止できるようにする。
次に図15A及び15Bにつき説明すると、他の例示的実施形態である装置610を示し、この装置610は、カートリッジ616のハウジング623にブリードバック組立体650を有する。概して、装置610は、封止材及びハウジング623に連結した支持部材(図示せず)を担持する管状部材を設けたカートリッジ616を有することができる。装置610は、さらに、本明細書における他の実施形態と同様に位置決め部材を有することができ、又は位置決め部材を省略することができる。
ブリードバック組立体650は、ハウジング623から突出し、また本明細書における他の実施形態と同様に、ハブ83内に収容される又は他の方法で導入シース80に連結されるシースキャッチ652を有することができる。ブリードバック組立体650は、さらに、ブリードバックポート654に連通し、また導入シース80のルーメン86に連通するルーメン653を有することができる。例えば、図15Bに明示するように、使用中、カートリッジ616、例えば、管状部材(図示せず)を導入シースのルーメン86内に前進させ、最終的にシースキャッチ652がシースハブ83内に進入する。図示のように、シースキャッチ652は、シースハブ83のバルブ83a内に突入する及び/又はバルブを開く先端部652aを有することができる。さらに、シースキャッチ652は、ハブ83の壁83bに弾性的又は他の様式で係合し、その後に導入シース80がハウジング623から分離するのを阻止する。
使用中、装置610(位置決め部材に隣接配置する管状部材末端部は示さない)を、本明細書における他の実施形態と同様に、導入シース80内に導入することができる。導入シース80及び位置決め部材の相対的長さは、シースキャッチ652がシースハブ83に係合するとき、導入シース80の末端部84が、位置決め素子から所定距離だけオフセットされるように決定することができる。例えば、末端部84は、シースキャッチ652が係合するとき、位置決め素子から0.1〜2ミリメートル(0.1〜2.0mm)離間することができる。
この距離及びシースルーメン86内におけるカートリッジ周りの空間に起因して、末端部84が血管内に露出したとき、血液がシースルーメン86内に流れ込むことができる。血管内圧力により、シースルーメン86内の血流をシースキャッチ組立体650のルーメン653内に流入させ、またブリードバックポート654から流出させることができる。装置610を引出して、拡張した位置決め素子を血管壁に突き当たるよう導くとき、位置決め素子は穿刺部及びひいてはシースルーメン86を血管圧力から隔離し、したがって、シースルーメン86を経てブリードバックポート654から流出する血流は遮断され、位置決め素子が血管壁に突き当る位置にあることの視覚的確認を与えることができる。
幾つかの実施形態において、導入シース80及びカートリッジ616の相対的長さは、シースキャッチ652がシースハブ83に係合するときシースの末端部84が位置決め素子に接触する又は僅かに干渉状態になるよう設定することができる。この構成において、装置610が血管内に導入されている間、例えば、位置決め素子が拡張しまた血管内で後退するとき、血液はシースルーメン86内に流入しないようにし得る。この後導入シース80を後退させる(例えば、管状部材とともに)場合、この構成によれば、導入シース80を穿刺部内に再導入することができ、ブリードバック信号を使用して、導入シース80が再び位置決め素子に接触するときを示すようにすることができる。
幾つかの実施形態において、ブリードバックを使用して導入シースを動脈切開部及び/又は血管壁に対する所望位置に位置決めすることができる。例えば、図15A及び15Bに示すように、導入シース80は、末端部84に、シースルーメン86に連通する1個又は複数個のサイドポート85(1個のみ示す)を有するよう設けることができる。サイドポート85はシース80の末端部84から所定距離、例えば、1.5cmオフセットすることができる。
細長拡張器(図示せず)は、シースルーメン86内に導入するサイズの末端部と、この末端部における1個又は複数個のサイドポートから拡張器基端部に延在する比較的小さいブリードバックルーメンとを有するよう設けることができる。拡張器をシースルーメン86内に完全に挿入するとき、これらサイドポートが互いに整列し、シース80の末端部84の外側から拡張器の内部を経て拡張器の基端部におけるブリードバックポートに至る流路を生ずることができる。
このようにして、サイドポートが血管内に配置され、また血圧に曝されるとき、血液はシース80のサイドポート85に進入し、拡張器のサイドポート内に流入して、拡張器ルーメンを上昇移動する。ブリードバックポートから流出する血液は、末端部84が血管内に配置されたことの視覚的確認を与える。例えば、末端部84が血管壁から穿刺部内に引出されるとき、シース80におけるサイドポート85が動脈血圧にもはや曝されなくなった後、ブリードバック信号は止む。したがって、おおよそサイドポートが末端部84からオフセットしている距離だけシースが血管内に突入しているという視覚的確認を与える。代案として、ブリードバックルーメン及びポートを拡張器に設け、この場合、拡張器をシースルーメン86内に完全に挿入するとき、ポートがシース末端部84を越えて露出するよう設けることができる。このポートはシース末端部84から所定距離、例えば約2センチメートル離間し、ブリードバックが停止するとき、シース80を所定距離前進させ、末端部84を血管壁に隣接して位置決めできるようにする。
この後、例えば、装置610を導入して封止材を送達するとき、導入シース80をこの位置に維持することができる。位置決め素子をシースルーメン86内に前進させるとき、位置決め素子の血管壁及び動脈切開部に対する位置は、導入シース80の分かっている位置に基づいて知る。例えば、サイドポート85がシース80の末端部84から2cmオフセットしている場合、ユーザーは、拡張した位置決め素子は血管壁に達するのに2cmだけ後退させる必要があることを知る。シース80を位置決めするこの実施形態は、血管内での拡張した位置決め素子の引きずりを最小限にし、位置決め素子が血管内におけるカルシウム又は他の物質で破裂する、及び/又は血管狭窄又は分岐による誤判定触感位置決めのリスクを減少することができる。
図17A〜17Fは、装置810から動脈切開部位に封止材を送達する方法を線図的に示す。装置810は装置710につき説明した任意の機能特徴部を設けることができる。例えば、装置810は、封止材2を位置決めアセンブリ814の末端部分に配置して設けることができる。位置決めアセンブリ814は穿刺部に貫通し、血管内に突入し、位置決め素子846が血管ルーメン内に位置し、また封止材2は血管壁の外側に位置する(図17A)。位置決め素子846を拡張させることにより、装置810を動脈切開部位に固定する(図17B)。シース880を後退させることにより、封止材2を動脈切開部位に露出させ(図17C)、また支持部材830を前進させることにより、封止材2をタンピングする(図17D)。位置決め素子846をしぼませた後(図17E)、位置決め素子846を封止材2に通過させて基端方向に移動させ(図17F)、封止材2を血管外部に留置することができる。位置決め素子846を引出す間に支持部材830は封止材2の位置を維持することができる。位置決め素子846を引出した後、シース880及び位置決めアセンブリ814を含む装置810全体を患者から引出すことができる。装置810及び装置810を使用する方法を以下に詳細に説明する。
図17A〜17Fに示すように、装置810はハンドル823を有することができる。ハンドル823は外側ハウジング872及び内側ハウジング874を有することができる。外側ハウジング872は、例えば、シース880を位置決めアセンブリ814に対して基端方向に移動するとき、内側ハウジング874に対して移動することができる。
ハンドル823は装置810を制御する1個又は複数個のアクチュエータを有することができる。各アクチュエータは装置810の1つ又は複数の機能を制御することができる。1個又は複数個のアクチュエータはハンドル823に沿う任意の位置に配置することができる。図17A〜17Fにおいて、アクチュエータ860,862,864及び848を、各アクチュエータが制御する手順のステップに基づいてハンドル823に沿って配置する。図17A〜17Fに示すアクチュエータの構成は、ユーザーにとって、処置における順次ステップ毎にユーザーの手を基端方向に移動させることだけを必要とすることによって、装置810を操作することに関連する混乱を減少する。図17A〜17Fは4個のアクチュエータ860,862,864及び848を示すが、それより少ない又は追加のアクチュエータを使用して同一の機能を実施することができる。
装置810は膨張ライン48cを有することができる。膨張ライン48cは位置決め素子846に流体連通する。膨張ライン48cをシリンジ148又は流体を位置決め素子846に送給する他のデバイスに接続する。
装置810は、膨張ライン48cを経る流体流を制御する第1アクチュエータ860を有することができる。第1アクチュエータ860は開放位置と閉鎖位置との間で移動する。図17Aに示すように、第1アクチュエータ860が開放位置にあるとき、シリンジ148は膨張ライン48cを経て流体を送給し、位置決め素子846を拡張させることができる。図17Bにおいて、第1アクチュエータ860は閉鎖位置に移動し、膨張ライン48cを経る流体流を制限し、位置決め素子846の拡張状態を維持する。位置決め素子246が拡張した後、装置810を基端方向に移動して位置決め素子846を動脈切開部に隣接させる。
装置810は、シース880の位置決めアセンブリ814に対する移動を制御する第2アクチュエータ862を有することができる。第2アクチュエータ862は第1位置と第2位置との間で移動する。第1位置(図17A及び17B)では、シース880は位置決めアセンブリ814に対して移動できず、したがって、封止材2の不慮の露出を阻止することができる。第2アクチュエータ862を第1位置から第2位置に移動すると、図17Cに示すように、シース880を位置決めアセンブリ814に対して移動することができる。位置決めアセンブリ814を静止させた状態で、シース880を後退させることにより封止材2を動脈切開部に露出させる。シース880を後退させることにより、外側ハウジング872の一部に対して少なくとも部分的に第2アクチュエータ862をカバーさせる。
装置810は、内側ハウジング874が外側ハウジング872に対して移動するのを阻止するロック機構を有することができる。シース880が後退するとき、外側ハウジング872は第1位置と第2位置との間で移動する。外側ハウジング872が第1位置(図17A及び17B)にあるとき、内側ハウジング874は外側ハウジング872に対して移動することができる。外側ハウジング872が第2位置にあるとき(図17C)、内側ハウジング874は外側ハウジング872に対して基端方向に移動することはできない。
図17C及び17Dに示すように、装置810は第3アクチュエータ864を有することができる。第3アクチュエータ864は第1位置と第2位置との間で移動する。第3アクチュエータ864を第1位置から第2位置に移動すると、支持部材830を前進させ、封止材2をタンピングする。封止材2のタンピングにより、封止材2の移動をほぼ阻止し、止血を促進する。
第3アクチュエータ864を第1位置から第2位置に移動することにより後退ロック816を釈放する。後退ロック816は封止材2をタンピングする前に位置決めアセンブリ814が不慮に後退するのを阻止する。後退ロック816を釈放することにより、位置決めアセンブリ814の少なくとも一部を支持部材830に対して基端方向に移動することができる。
装置は、第1位置と第2位置との間で移動できる第4アクチュエータ848を設けることができる。後退ロック816をロック解除することにより、第4アクチュエータ848を移動させることができる。第4アクチュエータ848を第1位置から第2位置に移動することにより、位置決めアセンブリ814を支持部材830に対して少なくとも部分的に後退させる。
図17Eにおいて、第1アクチュエータ860を開放位置に移動して膨張ライン48cを経る流体の流れを可能にする。第1アクチュエータ860が開放位置にあるとき、シリンジ148により位置決め素子846をしぼませることができる。図17Fにおいて、位置決め部材814を封止材2に通過させるよう後退させ、これにより装置810全体を患者から取外すことができる。
上述したように、装置810は、位置決め素子846に対する流体流を制御する操作機構を有することができる。この操作機構は、図18A〜20Bにつき説明する機能特徴部のいずれかを単独で、又は互いに組合せて設けることができる。
図18A及び18Bは、開放位置と閉鎖位置との間で移動する第1アクチュエータ860aを示す。図18A−1及び18B−1は、膨張ライン48aの断面図を示す。ハンドルの外側ハウジング872aは、第1アクチュエータ860aの一部が突出する開口を有する。図18A及び18Bにおいて第1アクチュエータ860aはバルブであるが、第1アクチュエータ860a及びバルブを個別コンポーネントとすることもできる。バルブは膨張ライン48aを経る流体流を制限するピンチ機構を有することができる。
第1アクチュエータ860aは開放位置(図18A)と閉鎖位置(図18B)との間で移動することができる。開放位置において、流体は膨張ライン48aを経て流動することができる。図18A及び18Bは第1アクチュエータ860aを揺動式ロッカとして示したが、第1アクチュエータ860aは他の形状にすることができる。
図19A及び19Bは、第1アクチュエータ860b及び収縮アクチュエータ866bを有する装置を示す。図19A−1及び19B−1は、膨張ライン48bの断面図を示す。リンク機構部分867bは第1アクチュエータ860bを収縮アクチュエータ866bに連結する。図19A及び19Bに示すリンク機構部分867bは複数のリンク部材を有するが、リンク機構部分867bは1個のリンク部材のみ有することができる(図19Eから19F参照)。外側ハウジング872bは、第1アクチュエータ860b及び収縮アクチュエータ866bが突出する2つの開口を有する。
図18A及び18Bと同様に、第1アクチュエータ860bは第1位置から第2位置に移動して、膨張ライン48bを経る流体流を制限する。第1アクチュエータ860bが第1位置から第2位置に移動することにより、収縮アクチュエータ866bを第1位置から第2位置に移動させる。収縮アクチュエータ866bを第2位置から第1位置に移動することにより、第1アクチュエータ860bを第2位置から開放位置に移動させ、膨張ライン48bを経る流体流の流動を可能にする。
図19A及び19Bと同様に、図19C及び19Dの装置は、リンク機構部分867cによって連結した第1アクチュエータ860c及び収縮アクチュエータ866cを有することができる。リンク機構部分867cは1個又は複数個のリンク部材を有することができる。図19A及び19Bとは異なり、第1アクチュエータ860c及び収縮アクチュエータ866cはバルブ884cとは異なるものとする。例えば、バルブ884cは第1アクチュエータ860c及び収縮アクチュエータ866cに対して末端側に配置することができる。
第1アクチュエータ860cは第1位置から第2位置に移動してバルブ884cを閉鎖し、膨張ラインを経る流体流を制限することができる。第1アクチュエータ860cを第1位置から第2位置に移動することにより、収縮アクチュエータ866cを第1位置から第2位置に移動させる。収縮アクチュエータを第2位置から第1位置に移動することにより、第1アクチュエータ860cを第2位置から第1位置に移動させて、バルブ884cを開放することができる。
図19A〜Dと同様に、図19E及び19Fの装置は、リンク機構部分867dによって連結した第1アクチュエータ860d及び収縮アクチュエータ866dを有することができる。図19A及び19Bとは異なり、リンク機構部分867dは単に1個のリンク部材を有する。さらに、図19A及び19Dと同様に、第1アクチュエータ860d及び収縮アクチュエータ866dはバルブ884dとは異なるものとする。例えば、バルブ884dは第1アクチュエータ860d及び収縮アクチュエータ866dに対して末端側に配置することができる。
第1アクチュエータ860dは第1位置から第2位置に移動してバルブ884dを閉鎖し、膨張ラインを経る流体流を制限することができる。第1アクチュエータ860dを第1位置から第2位置に移動することにより、収縮アクチュエータ866dを第1位置から第2位置に移動させる。収縮アクチュエータを第2位置から第1位置に移動することにより、第1アクチュエータ860dを第2位置から第1位置に移動させて、バルブ884dを開放することができる。
第1アクチュエータ及び収縮アクチュエータを有する装置は、装置を操作することに関連する混乱を少なくするのに有用である。例えば、装置に追加的なアクチュエータを設け、位置決め素子を膨張させるステップと収縮させるステップとを制御する場合、この追加アクチュエータは、ハンドルに沿って第1アクチュエータと収縮アクチュエータとの間に配置することができる。アクチュエータは、各アクチュエータを制御する処置ステップに基づいて配置し、ユーザーは処置の順次のステップ毎に手を基端方向に移動できるようにする。位置決め素子の収縮は装置を引出す前の最終ステップなので、収縮アクチュエータは追加アクチュエータの基端側に配置することができる。
上述したように、第1アクチュエータ及びバルブは別個のコンポーネントとすることができる。図20A〜Bに示すように、第1アクチュエータ960は第1位置と第2位置との間で移動し、バルブ961の位置を制御する。第1アクチュエータ960を第1位置(図20A)から第2位置(図20B)に移動することにより、バルブ961を開放位置から閉鎖位置に移動する。閉鎖位置において、バルブ961は膨張ライン948を経る流体流を制限する。図20A−1及び20B−1は開放形態から閉鎖形態に移動する膨張ライン948の断面図を示す。第1アクチュエータ960を第2位置から第1位置に移動することによって、バルブ961を閉鎖位置から開放位置に移動させ、これにより膨張ライン948を経る流体の流れを可能にする。
第1アクチュエータ960はレバーとすることができる。ピンにより第1アクチュエータ960をバルブ961に連結する。バルブ961はピン機構を有する摺動バルブとし、膨張ライン948を経る流体流を制限する。第1アクチュエータ960を第1位置と第2位置との間で移動することによって、バルブ961を開放位置と閉鎖位置との間で直線的に摺動させる。図20A〜Bは第1アクチュエータ960をレバーとして示したが、装置は、バルブ961を移動させることができる任意な他の機構、例えば、ラック・アンド・ピニオン構成、カム機構、又は任意な他のアクチュエータを有することができる。
装置810は、シース880の位置決めアセンブリ814に対する移動を制御する第2アクチュエータ862を有することができる。外側ハウジング872は、第2アクチュエータ862の少なくとも一部が突出する開口を有することができる。図21A及び21Bに示すように、第2アクチュエータ862はばね負荷ボタンとすることができる。
第2アクチュエータ862aは第1位置(図21A)と第2位置(図21B)との間で移動する。第2アクチュエータ862aが第1位置にあるとき、第2アクチュエータ862aはシースの位置決めアセンブリに対する基端方向移動を阻止する。第2アクチュエータ862aが第2位置にあるとき、シースは位置決めアセンブリに対して基端方向に移動することができる。シースが基端方向に移動するとき、外側ハウジング872aは第2アクチュエータ862aが第1位置に移動するのを阻止する。図21A及び21Bに示す第2アクチュエータ862aはばね機構868aを有するが、本明細書に記載した任意な他のロック機構を使用して、シースの位置決めアセンブリに対する移動を制御することもできる。
図22A及び22Bに示すように、第2アクチュエータ862bは戻り止め869bを有することができる。第2アクチュエータ862bが第1位置(図22A)にあるとき、シースは位置決めアセンブリに対して移動することができない。第2アクチュエータ862bが第2位置(図22B)にあるとき、戻り止め869bは第2アクチュエータ862bを押下げ位置にロックし、これによりシースを位置決めアセンブリに対して基端方向に移動することができる。シースが基端方向に移動するとき、外側ハウジング872bは第2アクチュエータ862b上で移動し、第2アクチュエータ862bを押下げ状態に維持する。
装置810は、さらに、シース880が位置決めアセンブリ814に対して移動できる距離を制限する機構を有することができる。例えば、図21B及び22Bに示すように、内側ハウジング874の末端部が外側ハウジング872の末端部、又はハンドル823における異なる機能特徴部に衝合するまでのみ移動できる。
上述したように、ハンドル823は、内側ハウジング874を外側ハウジング872に対してロックするロック機構を有することができる。図17A〜17Fに示すように、ロック機構は、外側ハウジング872の内壁に沿って位置決めした1個又は複数個の突起863及び内側ハウジング874に位置決めした1個又は複数個の弾性部材875を有することができる。シース880を基端方向に移動するとき、1個又は複数個の弾性部材875が内方に撓み、1個又は複数個の突起863を通過する。1個又は複数個の弾性部材875が内方に撓み、1個又は複数個の突起863を通過した後、内側ハウジング874は外側ハウジング872に対して基端方向に移動できなくなる。
図23A及び23Bにおいて、ロック機構は、外側ハウジング872の内壁に沿う少なくとも2個の突起863、及び内側ハウジング874の基端部に配置した少なくとも2個の弾性部材875を有する。弾性部材875は内方に撓み、1個又は複数個の突起863を通過して末端方向に移動できる。シース880を引出すとき、弾性部材875は内方に撓み、また突起863を通過する。弾性部材875が突起を通過した後、内側ハウジング874は外側ハウジング872に対して基端方向に移動することができない。
代案として、ロック機構は、内側ハウジング874に配置した1個又は複数個の突起863、及び外側ハウジング872の内壁に沿って配置した1個又は複数個の弾性部材を有することができる。本明細書に記載した他のロック機構を使用して内側ハウジング874の外側ハウジング872に対してロックすることもできる。
装置810は、位置決めアセンブリ814を内側ハウジング874から釈放する機構を有することができる。位置決めアセンブリ814を釈放することによって、支持部材830の位置を維持したまま、位置決めアセンブリ814を基端方向に移動することができる。
図24A〜24Cは、外側シース880を後退する前に支持部材830が前進するのを阻止する機構を示す。図24Aに示すように、ロック機構は、第3アクチュエータ864の移動を阻止するタブ873とすることができる。しかし、シース880が基端方向に移動した後(図24B)には、タブ873は基端方向に移動し、第3アクチュエータ864を第1位置(図24B)から第2位置(図24C)に移動することができる。本明細書に記載した他のロック機構を使用して支持部材830が前進するのを阻止することもできる。
図25A及び25Bは、支持部材830を前進させる1つの機構を示す。第3アクチュエータ864を第1位置から第2位置に移動することによって、リンク素子865を伸展させて支持部材830を前進させる。支持部材830は、支持部材830の一部がハンドルの機能特徴部、例えば、内側ハウジング874又は外側ハウジング872の末端部に衝合するまで伸展する。支持部材830が前進する距離は、リンク素子865が伸展する距離によって制限される。
図26A及び26Bは、ばね部材870を有する装置810を示す。第3アクチュエータ864を第1位置から第2位置に移動することによって、ばね部材870を伸展させ、また支持部材830を末端方向に前進させる。支持部材830は、支持部材830の一部がハンドルの機能特徴部、例えば、内側ハウジング874又は外側ハウジング872の末端部に衝合するまで伸展することができる。支持部材830が前進する距離は、ばね部材870が伸展する距離によって制限される。他の機構を使用して支持部材830を前進させることができ、例えば、装置710につき説明したラック・アンド・ピニオン構成又は任意な他のアクチュエータを使用することができる。
上述したように、装置810は、位置決めアセンブリ814の内側ハウジング874に対する位置をロックする後退ロック816を有することができる。第3アクチュエータ864を第1位置から第2位置に移動することによって後退ロック816を釈放することができ、この釈放はレバー817を第1位置から第2位置に移動することによって行う。レバー817が第2位置にあるとき、位置決めアセンブリ814は外側ハウジング872に対して移動することができる。位置決めアセンブリ814の第4アクチュエータ848を後退させることによって、位置決めアセンブリ814を封止材2に通過するよう後退させることができる。位置決めアセンブリ814が後退する間、支持部材830は封止材2の位置を保持する。位置決めアセンブリ814が後退した後、装置810全体を患者から取出す。本明細書に記載した他のロック機構を使用して位置決めアセンブリ814の内側ハウジング874に対する及びをロックすることもできる。
図28A〜28Fは、図17A〜17Fに示す方法に類似の封止材送達方法を線図的に示す。しかし、上述したように、ハンドル823には、4個のアクチュエータ860,862,864及び848を設ける必要はない。例えば、図28A〜28Fに示すように、ハンドルには第1アクチュエータ860を設けない。その代わりに、膨張ライン48cがバルブ882を有する。バルブ882は第1位置と第2位置との間で移動する。バルブ882が、図283に示すように、第1位置にあるとき、流体はシリンジから位置決め部材846に流動することができる。バルブ882が、図28Bに示すように、第1位置から第2位置に移動するとき、流体はもはやシリンジから位置決め部材846に流動することができない。
図29A〜Bは、封止材を動脈切開部位に送達する装置1010を示す。装置1010は、本明細書で詳述した封止材送達装置の機能特徴部のいずれかを有することができる。例えば、装置1010は、ハンドル1023及び位置決め素子1046を設けた位置決めアセンブリ1014を有することができる。位置決めアセンブリ1014の少なくとも一部はシース1080内に貫通することができる。膨張ライン48cは位置決め素子1046からシリンジ148、又は位置決め素子1046を膨張及び収縮させる任意な他の機構まで延在することができる。膨張ライン48cは、位置決め素子1046に対する流体流を制御する第1アクチュエータ1082を有することができる。ハンドル1023は、シース1080を位置決め部材1014に対して後退させることができる第2アクチュエータ1062、支持部材(図示せず)を前進させる第3アクチュエータ1064及び/又は位置決めアセンブリ1014の少なくとも一部をシース1080に対して後退させる第4アクチュエータ1048を有することができる。
シース1080は、シースの末端部分が血管に進入するときを示す機構を有することができる。例えば、シース1080は、シース1080の末端部分に1個又は複数個の流入開口1089を有することができる。シース1080が血管に進入するとき、血液は流入開口内に流入し、ユーザー外部の流出開口から流出する。
図29Aに示すように、シース1080は、ハンドル1023に係合するハブ1083を有することができる。シースハブ1083を押込むことによって、シース1080を位置決めアセンブリ1014から釈放することができる。シースハブには、封止材スリーブ(図示せず)に係合するキャッチを設けることができる。位置決めアセンブリ1014がシース1080に進入するとき、シースキャッチが封止材スリーブに係合し、封止材を封止材スリーブからシース1080に転送する。
装置1010は、さらに、膨張インジケータ1002を有することができる。膨張インジケータ1002は、位置決め素子1046が所定圧力まで膨張した時点を示し、またユーザーに膨張ライン48cを封止するよう合図する。図29Bに示すように、膨張ラインをプランジャシステム1004に接続する。位置決め素子1046が膨張するとき、シャフト部材1005が第1位置から第2位置に移動する。シャフト部材1005が第2位置に移動するとき、インジケータ1002は第1位置から第2位置に移動する。インジケータ1002が第2位置にあるとき、位置決め素子1046は完全に膨張している。位置決め素子1046がしぼむとき、シャフト部材1005は第2位置から第1位置に移動し、インジケータ1002は第2位置から第1位置に移動する。インジケータ1002が第1位置にあるとき、位置決め素子1046は完全には膨張しない。
インジケータ1002は、第1インジケータ1003a及び第2インジケータ1003bを有することができる。位置決め素子1046が完全に膨張していないとき、第1インジケータ1003aをハンドル1023の開口1006を通して見ることができる。位置決め素子1046が完全に膨張するとき、第2インジケータ1003bをハンドル1023の開口1006を通して見ることができる。
本明細書に詳述した封止材送達装置のいずれも、限定しないが、ガイドワイヤ又は拡張器を含むシステムのコンポーネントとすることができる。ガイドワイヤは、上述のガイドワイヤ799につき説明した機能特徴部のいずれかを有することができる。拡張器も、上述の拡張器790及び/又は以下に説明する拡張器1190(図30A〜30B)及び拡張器1290(図31A〜31C)につき説明した1つ又は複数の機能特徴部を有することができる。
図30A〜31Cに示して説明するように、拡張器は、拡張器の末端側先端近傍における流入開口から拡張器の基端部近傍における流出開口まで血液が流動できる流体ルーメンを有することができる。血液はシースの先端が血管に進入するとき血液は基端側ポートから流出する。シースをさらに前進させ、シースの末端側先端が血管ルーメン内に存在することを確実にする。
図30A〜30Dに示すように、拡張器1190は、ルーメンが貫通する細長構体1191を有する。拡張器1190は、さらに、シースに係合する拡張器ハブ1196を有する基端側部分1193、及び/又はテーパ付き端部を有する末端側部分1192を有することができる。図30Aに示すように、拡張器ハブ1196はU字状の形状とすることができる。U字状の拡張器ハブ1196はシースの基端部を収容する開口を画定する。拡張器ハブ1196は、さらに、シースの外面に係合するよう構成したハブ部材1197a,1197bを有することができる。拡張器ハブ1196は、さらに、シースの対応機能特徴部に係合する1個又は複数個のフランジを有することができる。例えば、図30Aに示すように、ハブ部材1197a,1197bは、フランジ1198a,1198bを有することができる、及び/又はハブ1196が拡張器ハブの頂面近傍でフランジ1199a,1199bを有することができる。
拡張器1190は、さらに、拡張器1190の末端側部分1192が血管に進入するときを決定するのに役立つブリードバック機能特徴部を設けることができる。例えば、拡張器1190は、拡張器1190の末端側部分1192における1個又は複数個の流入開口1194を有することができる。図30Aに示すように、拡張器1190は2個の流入開口1194を有することができる。流入開口1194は、細長構体1191のテーパ付き部分の基端側に及び/又は拡張器1190の長手方向軸線に直交する同一平面に沿って配置することができる。拡張器1190は、さらに、拡張器ハブ1196の基端側に配置した1個又は複数個の流出開口1195を有することができる。図30Aに示すように、拡張器1190は1個の流出開口1195を有することができる。流出開口1195は流入開口1194のうち一方と同一平面に沿って配置することができる。拡張器ハブは、血流が流出する方向を示す方向表示の特徴部1197を有することができる。図30Cに示すように、方向表示の特徴部1197は、拡張器ハブ1196の頂面に沿う矢印とすることができる。
細長構体1191に貫通するルーメンは可変直径を有することができる。例えば、ルーメンは、細長構体1191の末端側部分1192及び基端側部分1193における第1直径1189、並びに末端側部分1192と基端側部分1193との間における第2直径1188を有することができる。第1直径1189は第2直径1188よりも小さいものとすることができる。第1直径1189はガイドワイヤの外径よりも大きく、また第2直径1188より小さいものとすることができる。幾つかの実施形態において、第1直径1189は第2直径1188の少なくとも約半分、及び/又は第2直径1188の約3/4より小さい若しくは等しいものとすることができる。幾つかの実施形態において、第1直径1189は第2直径1188の約2/3とする。
ルーメン直径は、細長構体1191の外径が同一のまま可変とすることができる。例えば、基端側部分1193は、基端側部分1193と末端側部分1192との間における部分と同一の外径を有することができる。可変直径により、拡張器1190の基端側部分1193及び末端側部分1192は、ガイドワイヤ周りのシールを形成することができる。このようにして、血液は、流入開口1194を経由してのみ流出開口1195に流れる。
図31A〜Cは、ルーメンが貫通する細長構体1291を有する。拡張器1290は、さらに、シースに係合する拡張器ハブ1296を有する基端側部分1293、及び/又はテーパ付き端部を有する末端側部分1292を有することができる。図31Aに示すように、拡張器ハブ1296は、シースの外面に係合するよう構成したハブ部材1297a,1297bを有することができる。例えば、シースは、ハブ部材1297a,1297bを収容する対応機能特徴部を有することができる。ハブ部材1297a,1297bは、さらに、シースの対応機能特徴部に係合する1個又は複数個のフランジを有することができる。例えば、図31Aに示すように、ハブ部材1297a,1297bは、外向きのフランジ1298a,1298b及び/又は内向きのフランジ1299a,1299bを有することができる。フランジは、ハブ部材1297a,1297bの近傍(例えば、フランジ1299a,1299b)及び/又は末端側部分(例えば、フランジ1298a,1298b)に配置することができる。
拡張器1290は、さらに、拡張器1290の末端部分1292が血管に進入する時点を決定するのに役立つブリードバック機能特徴部を有することができる。例えば、拡張器1290は、拡張器1290の末端側部分1292における1個又は複数個の流入開口1294を有することができる。図31Aに示すように、拡張器1290は2個の流入開口1294を有することができる。流入開口1294は、細長構体1291のテーパ付き部分の基端側に及び/又は拡張器1290の長手方向軸線に直交する同一平面に沿って配置することができる。拡張器1290は、さらに、1個又は複数個の流出開口1295を有することができる。図31Aに示すように、拡張器1290は1個の流出開口1295を有することができる。幾つかの実施形態において、流出開口1295は流入開口1294のうち一方と同一平面に沿って配置することができる。他の実施形態において、流出開口1295は流入開口1294のいずれとも異なる平面に配置することができる。例えば、流出開口1295は流入開口1294を通過する平面に直交する平面上に配置することができる。
細長構体1291に貫通するルーメンは可変直径を有することができる。例えば、ルーメンは、細長構体1291の末端側部分1292及び基端側部分1293における第1直径1289、並びに末端側部分1292と基端側部分1293との間における第2直径1288を有することができる。第1直径1289は第2直径1288よりも小さいものとすることができる。第1直径1289はガイドワイヤの外径よりも大きく、また第2直径1288より小さいものとすることができる。幾つかの実施形態において、第1直径1289は第2直径1288の少なくとも約半分、及び/又は第2直径1288の約3/4より小さい若しくは等しいものとすることができる。幾つかの実施形態において、第1直径1289は第2直径1288の約2/3とする。
ルーメン直径は、細長構体1291の外径が同一のまま可変とすることができる。例えば、基端側部分1293は、基端側部分1293と末端側部分1292との間における部分と同一の外径を有することができる。可変直径により、拡張器1290の基端側部分1293及び末端側部分1292は、ガイドワイヤ周りのシールを形成することができる。このようにして、血液は、流入開口1294を経由してのみ流出開口1295に流れる。
上述したいずれの拡張器においても、いずれの流出開口の直径も、いずれの流入開口の直径よりも小さいものとすることができる。例えば、いずれの流出開口の直径も、いずれの流入開口における直径の半分よりも小さい又は半分に等しいものとすることができる。
図32A〜32Eは、上述したいずれかの位置決めアセンブリがシースにどのように係合するかを示す。図32Aは装置1310をシース1380に導入する前の装置1310を示す。装置1310は、上述の封止材送達装置の機能特徴部のいずれかを有することができる。位置決めアセンブリ1314はシース1380に係合し、これによりハンドル1323の移動によりシース1380も移動することができる。例えば、ハンドル1323は、シース1380のハブ1383に係合するよう構成したシュラウド部分1376を有することができる。図32Aに示すように、シュラウド1376は2個のフォーク状歯1378を有し、各フォーク状歯1378は、フォーク状歯1378の末端部分に配置した逆とげ1379を有することができる。ハブ1383は、フォーク状歯1378を収容する開口1385を有することができる。フォーク状歯のない他の緊締機構、例えば、スナップ嵌合、締まり嵌め、又は他のねじ機構を使用して、装置1310をシース1380に連結することもできる。
上述したように、封止材1302は、初期的には位置決めアセンブリ1314の末端部分に配置する(図32A参照)。位置決めアセンブリ1314をシース1380に進入させる前に、封止材スリーブ1350が封止材1302をカバーし、封止材1302が環境に露出するのと防止する。封止材スリーブ1350は、上述したように、封止材スリーブ450のいずれかの機能特徴部を有することができる。位置決めアセンブリ1314がシース1380に進入するとき、封止材1302は封止材スリーブ1350からシース1380に転送される(図32B参照)。シースハブ1383及び/又はシュラウド1376は封止材スリーブ1350を保持する。シースハブ1383及び/又はシュラウド1376は、シース1380を後退する(図32C)又は支持部材1330を使用して封止材をタンピングする(図32D)ときでさえ、封止材スリーブ1350を保持する。
幾つかの実施形態において、図33に示すように、フォーク状歯はシースハブ1483の外部に係合する。例えば、ハブ1483は、逆とげ1478に係合するよう構成した溝1486を有することができる。シースハブ1483は、さらに、封止材1450の外径よりも小さい内径部を有し、封止材スリーブ1450からシース1480への封止材転送を容易にすることができる。
図34A〜34Iは、本明細書に記載した封止材送達装置及び拡張器のいずれかを有するシステムを使用する方法を示す。この方法は、以下に説明するステップのうち1つ又は複数を有することができる。処置シース(図示せず)を穿刺部1504から血管壁1506内に挿入し、血管ルーメンへのアクセスを確保する。ガイドワイヤ1502を処置シースに貫通して血管内に挿通した後、処置シースを組織から取外し、ガイドワイヤ1502を所定位置に留置し、ガイドワイヤ1502の末端側の先端が血管ルーメン内に位置決めする。拡張器1508を次に閉止システムシース1510内に前進させ、拡張器−シース組立体をガイドワイヤ1502上に前進させることができる(図34A)。拡張器−シース組立体が血管ルーメンに進入する時点を決定するのに、上述の機構のいずれか(例えば、拡張器及び/又はシースにおけるブリードバックポート)を使用することができる。
シース1510の末端部が血管ルーメン内に突入した後、拡張器1508及びガイドワイヤ1502を基端方向に後退させて取出し、また、シース1510の末端部を血管ルーメン内に留置する(図34B)。次に、位置決めアセンブリ1512をシース1510の基端部内に導入し、シース1510内を末端方向に前進させる(図34C〜E)。本明細書に記載のように、位置決めアセンブリ1512は、シース1510内に進入する前に位置決めアセンブリ1512の末端部分に位置する封止材1516を有することができる。位置決め素子1514をシース1510の末端部から突出させ、また血管ルーメン内に突入させた後、位置決め素子1514を血管ルーメン内で拡張させることができる(図34F)。
次に、位置決めアセンブリ1512を引出し、位置決め素子1514を血管穿刺部1504に着座させ、また封止材1516及びシース1510を血管壁1506の外部に配置する(図34G)ことができる。この後、シース1510を部分的に後退させ、封止材1516を露出させる(図34H)。次に、支持部材1518を前進させ、封止材1516を血管壁1506に対してタンピングすることができる(図34I)。この後、位置決め素子1514は、その断面を縮小させ(例えば、しぼませ)、また封止材1516を通過するよう基端方向に後退させる。支持部材1518は、位置決め素子1514の基端方向への後退中封止材を押付けた状態のままにし、封止材の位置を維持する。位置決め素子1514を取外した後、支持部材1518及びシース1510が依然として組織経路内に存在している場合、患者から取出し、封止材1516を血管壁15056に隣接する位置に留置する。
本発明の一実施形態において、位置決め素子1514は、細長バルーンカテーテルシャフトの末端領域に担持した膨張可能なバルーンとする。バルーンカテーテルシャフトは、中心ルーメンが貫通する細長管状本体を有し、膨張可能なバルーンを膨張媒体源に流体連通させ、この膨張媒体源は、シャフトの基端部に接続する。中心コアワイヤは中心ルーメンの少なくとも一部及びバルーンに貫通させ、バルーンの末端部を支持する。コアワイヤは、バルーンを越えて末端方向に、少なくとも約2mm〜10cm、及び好適には、少なくとも3cm〜5cmの長さにわたり突出させ、可撓性前進セグメントをなすようにすることができる。
中心ルーメンの内径は、コアワイヤの外径よりも大きく、膨張ルーメンをなしてバルーンを膨張させることができる。
封止材1516には中心ルーメンを設け、バルーンカテーテルシャフトの末端部で膨張可能バルーンの基端側に予め取付けることができるようにするのが好ましい。封止材1516は、中心ルーメンが貫通する円筒形プラグとして形成する。代案として、封止材1516は、シート又は薄膜の形態として設け、2層、又は3層、又は4層、又はそれ以上の層となるようカテーテルシャフトの周りに卷回することができる。
例えば、図34F及び34Gにつき説明すると、封止材はカテーテルシャフトの末端部に予め配置し、また膨張したバルーンの基端側表面から短い距離だけ離間させる。この離間距離は、図34Gに示すように、血管の予想される壁厚に連係するよう寸法決めし、これにより膨張したバルーンを血管の内壁に突当るよう位置決めし、また封止材が血管の外壁に隣接して外部穿刺部に配置されるようにする。封止材の末端部とバルーンの基端表面との間で軸線方向に測った離間距離は、代表的には約4mm、幾つかの実施形態において、約3mm又は2mmより大きくないものとする。
この構成を使用して、封止材は、製造時点で又はいかなる場合であってもバルーンカテーテルを患者に導入する前の臨床的な場所で、バルーンカテーテルシャフト上に予め配置する。この後、バルーンカテーテル及び封止材は、シース1510による単一ユニットとして患者外部からシース1510の基端部内に案内し、またシース1510によって血管壁まで案内する。この後、バルーンを血管内で膨張させ、バルーンカテーテルと封止材との間に何らの内部相対移動もなく、図34Fに示す末端側位置から図34Gに示す基端側の着座位置までシステムをユニットとして基端方向に引出すことができる。この後、外側スリーブの基端方向後退により封止材を露出させる。
本発明は、種々の変更を加え、また代替的形態にすることができるが、本発明の特別な実施例を図面に示し、また本明細書で詳細に説明した。しかし、本発明は説明した特定形態又は方法に限定するものではなく、逆に、本発明は特許請求の範囲内にあるすべての変更、均等物及び代替物をカバーする。