本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施形態に基づいて以下に説明する。以下の実施形態では、本発明が遊技機のうちのスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。
[スロットマシンの全体構造]
まず、本実施形態に用いたスロットマシン1の全体構造について、図1を用いて説明する。図1は、スロットマシンの正面図である。本実施形態のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施形態のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L,2C,2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L,2C,2Rの外周部には、図3に示すように、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L,2C,2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L,2C,2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転されることで、各リール2L,2C,2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L,2C,2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
前面扉1bの各リール2L,2C,2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。表示領域51aには、遊技の進行に応じた演出、スロットマシン1での異常、スロットマシン1の前面扉1bが開いていることなどの所定の情報が表示される。つまり、表示領域51aは、遊技者に所定の情報を報知するための報知手段として機能する。
前面扉1bには、図1に示すように、遊技者が操作可能な操作手段として、メダル投入部4、MAXBETスイッチ6、精算スイッチ10、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、演出用スイッチ56が設けられている。
具体的には、メダル投入部4はメダルをスロットマシン1に投入するために操作される。MAXBETスイッチ6は、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数を設定する際に操作される。精算スイッチ10は、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される。スタートスイッチ7は、ゲームを開始する際に操作される。ストップスイッチ8L,8C,8Rは、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作される。
なお、本実施形態では、回転を開始した3つのリール2L,2C,2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。また、特に区別する必要がない場合にはリール2L,2C,2Rを単にリールという場合がある。また、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作によりリール2L,2C,2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
前面扉1bには、図1に示すように、遊技者に所定の情報を報知するための報知手段として、遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20並びに、1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16が設けられている。
クレジット表示器11には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示される。遊技補助表示器12には、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー状態中にその内容を示すエラーコード、ナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報などが表示される。投入要求LED17を点灯させることで、メダルの投入が可能な状態を報知する。スタート有効LED18を点灯させることで、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を報知する。ウェイト中LED19を点灯させることでウェイト中である旨を報知する。ここで、ウェイトとは、前回のゲーム開始から一定期間(本実施形態では4.1秒)経過していないためにリールの回転開始を待機している状態である。リプレイ中LED20を点灯させることで、リプレイゲーム中である旨を報知する。1BETLED14を点灯させることで、賭数が1設定されている旨を報知する。2BETLED15を点灯させることで、賭数が2設定されている旨を報知する。3BETLED16を点灯させることで、賭数が3設定されている旨を報知する。
[スロットマシンの内部構造]
図2はスロットマシンの内部構造を示す斜視図である。前面扉1bの内側には、例えば、設定値表示器24、演出制御基板90などが設けられている。設定値表示器24は、設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される。ここで、設定値とは、内部抽選における小役などの当選確率の高低に対応する値である。
筐体1aの内部には、例えば、リールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、電源ボックス100などが設けられている。リールユニット2は、リール2L,2C,2R、リールモータ32L,32C,32R(図4参照)、各リール2L,2C,2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L,33C,33R(図4参照)からなる。
[ゲームの流れ]
本実施形態のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(所謂ばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rが回転することで図柄が変動表示され、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されることで対応するリールの回転が停止する。そして、透視窓3の上中下段に3つの図柄が表示結果として導出表示される。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止することで入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与される。このとき、クレジットが加算されるか、あるいはクレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
本実施形態では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
[スロットマシンの構成]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
[遊技制御基板の構成]
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L,33C,33Rからの信号に基づき、リールモータ32L,32C,32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、スロットマシン1における遊技制御を実行するCPU(Central Processing Unit)、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データなどが記憶されているROM(Read Only Memory)と、ゲーム制御用のワークエリアなどを提供するRAM(Random Access Memory)と、I/Oポートなどを備える。ここで、RAMの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAMの少なくとも一部の内容が保存される。
メイン制御部41は、パラレル出力ポート(図示省略)を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。なお、本実施形態では、コマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、コマンドをシリアル信号にて送信する構成としてもよい。
[演出制御基板の構成]
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続される。また、演出制御基板90は、液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、マイクロコンピュータであり、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dなどを備える。
[設定値について]
ここで、設定値について詳細に説明する。本実施形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わる。詳しくは、内部抽選などの遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
[タイマ割込処理について]
メイン制御部41が実行するタイマ割込処理(メイン)およびサブ制御部91が実行するタイマ割込処理(サブ)について詳細に説明する。
メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行う。メイン制御部41は、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAMのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。メイン制御部41は、その復帰時にRAMのデータが正常であることを条件に、RAMに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させる。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する。サブ制御部91は、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。サブ制御部91は、その復帰時にRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させる。
[入賞役について]
次に、入賞となる役について詳細に説明する。スロットマシン1は、遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
全てのリール2L,2C,2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施形態の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよく、異なる図柄を含む組合せであってもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められている。大きく分けて、入賞となる役の種類は、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。一方、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに次のゲームへ持ち越される。
図5〜図7は、本実施形態のスロットマシン1における役の種類、図柄組合せ、および役に関連する技術事項を説明するための図である。
図5に示すように、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス1(以下、ビッグボーナスをBB1と称する)、ビッグボーナス2(以下、ビッグボーナスをBB2と称する)、ビッグボーナス3(以下、ビッグボーナスをBB3と称する)、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBと称する)の4種類のボーナスが含まれる。BB1〜3に入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行する。例えば、入賞ラインLN上に「青7−青7−青7」が停止したときにBB1に入賞してビッグボーナスに遊技状態が移行する。ビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。RBは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。なお、BBの入賞により制御されるRBも、RBの入賞により制御されるRBも、小役の当選確率が通常遊技状態よりも高まる遊技状態である。BB1におけるRB、BB2におけるRB、BB3におけるRB、またはRBが入賞して移行したRBであるかによって小役などが当選する確率が異なる。
図6に示すように、入賞役のうち小役には、上段ベル1〜8、中段ベルなどが含まれる。以下、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8を区別する必要がない場合には、単に上段ベルと呼ぶ。小役に入賞したときは、役ごとに予め定められた枚数のメダルが払い出される。例えば、上段ベル1〜8、中段ベル、右下がりベルが入賞したときには8枚のメダルが払い出される。
図7に示すように、入賞役のうち再遊技役には、中段リプレイ、右上がりリプレイ、昇格リプレイ、転落リプレイ1、転落リプレイ2、リプレイA、リプレイBが含まれる。これら再遊技役が入賞したときにはリプレイゲーム(再遊技)が付与される。ここで、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値(例えば、クレジット)を用いることなく次の遊技を行うことが可能となる遊技のことをいう。換言すると、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値を用いることなく可変表示部が変動表示可能となる遊技を意味する。本実施形態では、再遊技役が当選すると、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作手順(操作順序、および操作タイミングのうちの少なくとも1つ、操作態様ともいう)に関わらず入賞する。なお、変形例として、再遊技役は、当選したとしても、導出操作手段の操作手順によっては、入賞しない役(つまり、取りこぼしのある役)としてもよい。
[遊技状態について]
図8〜10を用いて、メイン制御部41により制御される遊技状態を説明する。図8は、移行出目の図柄組合せ、および移行出目に関連する技術事項を説明するための図である。図9は、遊技状態の遷移を説明するための図である。図10は、遊技状態の概要を示す図である。
図9に示すように、RT0、RT2において図8に示す移行出目が入賞ラインLNに揃うとRT1に移行する。移行出目は、内部抽選における抽選対象役である左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のうちのいずれかに当選したときに、小役に入賞しない操作手順でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作したときに入賞ラインLNに揃う。
RT0,RT1,またはRT2において、特別役に当選したゲームで当選した特別役に入賞しなかった場合はRT3に移行する。特別役に当選したゲームで当選した特別役に入賞した場合は、RT3に移行することなく、BB1〜3またはRBに移行する。BB1〜3またはRBが終了するとRT2に移行する。RT3においては、特別役の当選フラグが持ち越された状態となり、当選した特別役に入賞されるまでその特別役の当選フラグは持ち越され、入賞すると当選フラグが無効となり、BB1〜3またはRBに遊技状態が移行する。
図10に示すように、RT0〜3のうち、RT0およびRT3は再遊技役に当選する確率が高い有利な状態である。また、RT0〜3、RB、BB1〜3のうち、RBおよびBB1〜3が1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。また、図中の“0”は、その遊技状態中には当選しないことを意味する。例えば、特別役に当選してからその特別役にかかるビッグボーナスが終了する条件が成立するまでの間(RT3、BB1〜3、RB中)は、特別役には当選しない。また、RBおよびBB1〜3においては、再遊技役に当選しない。
[内部抽選について]
次に、本実施形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、図5〜図7に示した各役への入賞を許容するか否かを決定する。ここで、内部抽選においては、抽選対象役として複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。内部抽選は、全てのリール2L,2C,2Rの表示結果が導出される以前であるスタートスイッチ7の検出時に行われる。内部抽選では、まず、内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。次に、取得した乱数値に判定値数を、順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定する。判定値数とは、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態および設定値に対応して定められた値である。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。メイン制御部41は、内部抽選の結果を示す当選番号をRAMに設定する。当選番号は、内部当選フラグの設定、ナビ報知、コマンド作成、リール2L,2C,2Rの停止制御などに用いられる。
また、メイン制御部41は、図9に示した遊技状態の他に、遊技者にとって有利なストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作態様を報知可能なアシストタイム(AT)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御されていない状態(以下、非AT中ともいう)においてATに制御するか否かを決定する。メイン制御部41は、ATに制御されている状態においては当該ATの残りゲーム数を上乗せするか否かを決定する。ATに当選した場合には、その後ATに制御され、ATの残りゲーム数の上乗せが当選した場合は、当選したゲーム数がATの残りゲーム数に加算される。
図11および図12を参照して、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せ、および、抽選対象役により入賞が許容される役の組合せを説明する。図11および図12の縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、入賞役の組合せ欄にその抽選対象役に当選したときに入賞が許容される役の組合せを示す。図11において、特別役と抽選対象役との間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に当選することを示す。また、図11および図12の入賞役の組合せ欄において、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役となる旨を示し、×印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役とならない旨を示している。○印の下に示す数値は、設定値1における判定値数を示す。設定差の欄に「無」と記載されている抽選対象役の判定値数は、設定値に関わらず共通の判定値数が用いられること、すなわち当選確率に設定差がないことを示す。設定差の欄に「有」と記載されている抽選対象役の判定値数は、少なくともいずれか一の設定値の判定値数として他の設定値の判定値数とは異なる判定値数が用いられること、すなわち当選確率に設定差があることを示す。判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役の当選確率は、300/65536となる。
図11に示すように、特別役には通常状態中にしか当選せず、持越中やRB(BB1〜3中のRB含む)では、特別役には当選しない。また、図11の判定値から、小役に当選する確率は、BB1〜3およびRBにおいて同じとなるように、RT0〜3において同じとなるように、また、BB1〜3およびRBにおいてはRT0〜3に比べて極めて高くなるように設定されている。
図12に示すように、リプレイGR11〜GR13にはRT0中にしか当選し得ない。リプレイGR1〜GR6にはRT1中にしか当選し得ない。通常リプレイ1〜3にはRT0〜RT3中のいずれの状態に制御されているときも当選し得る。RT2およびRT3では、内部抽選の対象となる再遊技役が共通であるが、RT2であるか、RT3であるかによって再遊技役の当選確率が異なる。また、判定値から、再遊技役に当選する確率は、RT1、RT2、RT3、RT0の順に高くなるように設定されている。RT0〜3のうちRT0、3は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、2に比較して高い点において、RT1、2よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT0、3のうちRT0は、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT3に比較して高い点において、RT3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
[停止制御について]
次に、リール2L,2C,2Rの停止制御について説明する。停止制御はメイン制御部41によって行われる。メイン制御部41は、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できる。
いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われる。一方、当選していない役は揃わないような制御が行われる。特別役と一般役とが同時に当選している場合は、一般役を入賞ライン上に揃える制御が優先される。一般役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。一般役のうち再遊技役を構成する図柄は、リール2L,2C,2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されている。そのため、特別役と再遊技役とが同時に当選している場合は、遊技者によるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞する。なお、特別役と一般役とが同時に当選している場合に、一般役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、一般役を入賞ライン上に揃える制御を行ってもよい。
なお、停止制御は、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いた制御でも、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる制御であってもよい。
図13を用いて、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明する。なお、小役のうち、中段ベルを構成する図柄は、リール2L,2C,2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されている(図3および図6参照)。そのため、遊技者によるストップスイッチ8L,8C,8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず入賞し得る。
図13に示すように、小役のうち、左ベル1〜4、中ベル1〜4、または右ベル1〜4が当選している場合には、当選している小役の種類および停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、左ベル1が当選したときに、左リール2Lを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段ベルの組合せが入賞ラインLNに停止する。一方、中リール2Cを第1停止とする停止順または右リール2Rを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、上段ベル1、上段ベル8の組合せまたは移行出目のいずれかが入賞ラインLNに停止する。左ベル2〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4についても、同様である。なお、以下、左ベル1〜4を単に左ベルと呼び、中ベル1〜4を単に中ベルと呼び、右ベル1〜4を単に右ベルと呼ぶ場合がある。また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4をいずれも区別する必要のない場合には、単に押し順ベルと呼ぶ場合がある。
このため、押し順ベルの当選時には、押し順ベルの種類に応じた停止順で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。また、特にRT0やRT2では、停止順が一致しない場合に移行出目が停止することから、停止順が一致しなければ一定の割合でRT1へ移行してしまうこととなる。
図13に示すように、リプレイGR1〜6が当選している場合には、その種類および停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。RT1においてリプレイGR1〜6当選時には、その種類に応じた停止順で操作されることで昇格リプレイが入賞する。しかし、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、昇格リプレイを入賞させることによりRT0へ移行させることができるものの、停止順が一致しなければRT1が維持されることとなる。
図13に示すように、リプレイGR11〜13が当選している場合には、その種類および停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。RT0においてリプレイGR11〜13が当選したときには、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、操作された停止順によっては、転落リプレイ1または転落リプレイ2(以下では、転落リプレイ1、転落リプレイ2をまとめて転落リプレイと呼ぶ)が入賞してRT1へ移行してしまう。
なお、以下、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13をいずれも区別する必要のない場合には、単に押し順リプレイと呼ぶ場合がある。
また、図13に示すように、通常リプレイ1〜3が当選している場合にも、その種類および停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なるが、RT0〜3の何れかの状態において通常リプレイ1〜3が当選しても、操作された停止順に関わらず再遊技役(中段リプレイ、右上がりリプレイ、リプレイA、リプレイB)が入賞してリプレイゲームが付与されるだけで、RT0〜3の状態移行が発生しない(遊技の結果に影響しない、遊技者にとっての有利度が変化しない)。
また、ストップスイッチ8L,8C,8Rによる停止操作は有効化条件が成立した後に受け付けられる。有効化条件とは、リールが正常に回転され、回転中の全てのリールの基準位置がリールセンサによって検出され、かつ、リールが定速回転したことである。メイン制御部41は、有効化条件が成立したときにストップスイッチ8L,8C,8Rによる停止操作を受け付ける。
[ATについて]
次に、ATについて詳細に説明する。ATとは、遊技者にとって有利なストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作態様を報知可能な期間である。具体的には、AT中は、遊技状態がRT0またはRT1であるときに、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知が行われる。
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じた報知対象役に当選することにより、ナビ報知を実行する。また、このとき、サブ制御部91は、メイン制御部41から送られたコマンドに基づいて、ナビ演出を実行する。報知対象役は、図13に示した押し順ベルおよび押し順リプレイである。ナビ演出は、ナビ報知により報知された遊技者にとって有利な停止順を、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって報知する。また、本実施形態において、非AT中の通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。なお、本実施形態では、後述する図14に示す第1有利ATまたは第2有利ATに制御されているときには、通常リプレイ1〜3に当選したときであっても、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させるようになっている。
ナビ報知およびナビ演出では、遊技者にとって有利な状態であるRT0に制御されるように、押し順が報知される。具体的には、押し順リプレイに当選したときは、昇格リプレイに入賞するための押し順または、転落リプレイに入賞しないような押し順が報知される。押し順ベルに当選したときは、移行出目が導出されないような押し順である中段ベルに入賞するための押し順が報知される。ここで、遊技者にとって有利な状態であるRT0に制御されるような押し順を正解手順ともいう。また、ナビ報知およびナビ演出を総じて単にナビともいう。
メイン制御部41は、ATに制御するか否かを決定する。より具体的には、メイン制御部41は、非AT中に入賞を許容する役を決定する抽選で特定の役に当選した場合にATに制御するか否かのAT抽選を行う。また、メイン制御部41は、AT中に入賞を許容する役を決定する抽選で特定の役に当選した場合にATゲーム数を上乗せするか否か、および、上乗せするATゲーム数を決定する上乗せ抽選を行う。
メイン制御部41は、ATに当選した場合には、前兆期間を経てATに制御する。ATの制御を開始した後、RT0へ移行するまでの状態を準備状態とも呼ぶ。メイン制御部41は、準備状態において、対象役の当選時にナビ報知を実行する。準備状態かつRT1においては、リプレイGR1〜6の当選時と、押し順ベルの当選時とがナビ報知の対象となる。
メイン制御部41は、RT1において昇格リプレイが入賞してRT0に移行することで準備状態を終了する。これに伴いメイン制御部41は、所定ゲーム数を、RAM91cに割り当てられたATの残りゲーム数として設定し、ATの残りゲーム数の計数を開始する。ATの残りゲーム数の計数が開始されてから、1ゲーム消化するごとに残りゲーム数が1減算される。ATの残りゲーム数が0となった場合には、ATの制御を終了する。これに伴いナビ報知が実行されなくなるので、RT1に移行されやすくなる。RT1に移行することで一連のATの制御が終了する。また、ATの開始後、残りゲーム数が0となる前に上乗せ抽選に当選した場合には、当選したゲーム数をATの残りゲーム数に加算する。
また、ATの開始後、残りゲーム数が0となる前に特別役が当選した場合にはRT0の終了によりATを中断し、これに伴いATのゲーム数の計数も中断する。AT中に特別役が当選し、ATが中断した場合には、その後、当選した特別役の入賞を経て対応するボーナスに制御し、当該ボーナス終了後に移行するRT2において移行出目が停止してRT1に移行した時点でATの制御を再開し、これに伴い準備状態を経てRT0に再度移行することでATの残りゲーム数の計数を再開する。
図14を参照して、AT中の制御状態について説明する。本実施形態に係るスロットマシン1は、上乗せ抽選が実行される期待値と上乗せ抽選に当選したときに付与されるATゲーム数の期待値とが異なる3種類のATを備える。具体的には、メイン制御部41は、上乗せされるATゲーム数の期待値が低い通常AT(第2状態)、ならびに、上乗せされるATゲーム数の期待値が低い第1有利AT(第1状態)および第2有利AT(第1状態)に制御可能である。
ATに当選した場合には、まず通常ATに制御される。通常AT中においては、特定の抽選対象役(例えば、強チェリー、弱チェリー、スイカ)に当選したときに、第1有利ATまたは第2有利ATに移行するか否かを決定する移行抽選が行われる。移行抽選で第1有利ATに移行することが決定した場合には、移行が決定したゲームの次ゲームから第1有利ATに制御される。第1有利ATには16ゲームに亘って制御され、その後、通常ATに制御される。また、通常ATにおいて移行抽選が行われ、第2有利ATに移行することが決定した場合には、移行が決定したゲームの次ゲームから第2有利ATに制御される。第2有利ATには16ゲームに亘って制御され、その後、通常ATに制御される。ここで、通常AT以外の第1有利AT、第2有利ATにおいては、移行抽選は行われない。
AT中に特別役が当選し、ATが中断した場合には、その後、当該ボーナス終了後に、中断したときのAT制御を再開する。具体的には、第1有利ATに制御されているときに特別役に当選した場合は、当該特別役に入賞するまで第1有利ATに制御し、特別役に入賞したら第1有利ATへの制御を中断する。その後、ボーナスが終了した後、第1有利ATへの制御を再開する。第1有利ATおよび第2有利ATに制御する期間は、それぞれ、中断された場合であっても、中断される前と再開後とを合わせて、16ゲームである。
また、本実施形態においては、第1有利ATおよび第2有利ATは、16ゲームという有限の期間に亘って制御されるものとしたが、例えば、特定の役に当選または入賞したことを条件として終了するようしてもよく、所定の上乗せゲーム数を獲得したことを条件として終了するようにしてもよい。また、複数種類の条件のうち、いずれか一の条件が成立したときに終了するように制御するものであってもよく、第1有利AT、第2有利ATの終了条件は、限定されるものではない。
例えば、第1有利ATは、中段リプレイに当選または入賞したことを条件として終了し、第2有利ATは、中段ベルに当選または入賞したことを条件として終了するようにしてもよい。このように、第1有利ATにおいては、第2決定結果である押し順リプレイに当選することが第1決定結果である押し順ベルに当選することよりも不利である点で、押し順ベルに当選することが、押し順リプレイに当選することが有利であるようにしてもよい。また、同様に、第2有利ATにおいては、第1決定結果である押し順ベルに当選することが第2決定結果である押し順リプレイに当選することよりも不利である点で、押し順リプレイに当選することが、押し順ベルに当選することが有利であるようにしてもよい。
また、本実施形態における、第1有利ATまたは第2有利ATへの移行条件は一例であって、どのような条件であってもよい。例えば、第1有利ATに移行するための第1有利AT用の移行条件と、第2有利ATに移行するための第2有利AT用の移行条件とを設けてもよい。このようにすることで、第1有利ATおよび第2有利ATのうちのいずれの有利ATに移行したかを、遊技者は予測することができる。
通常ATから第1有利ATまたは第2有利ATへは特定の抽選対象役に当選または入賞した場合に、必ず移行するようにしてもよい。このようにすることで、第1有利ATまたは第2有利ATに移行したことを遊技者が特定することができる。また、第1有利ATへは第1有利ATへの移行用の抽選対象役に当選または入賞した場合に必ず移行し、第2有利ATへは第有利ATへの移行用の抽選対象役に当選または入賞した場合に必ず移行するようにしてもよい。このようにすることで、第1有利ATに移行したこと、または第2有利ATに移行したことを遊技者が特定することができる。
[AT抽選]
図15を参照して、AT抽選について説明する。メイン制御部41は、RT0〜RT2のうちのいずれかに制御されており、かつ非AT中に、強チェリー、弱チェリーおよびスイカのうちのいずれかに当選したときにAT抽選を行う。メイン制御部41は、図15に示すAT抽選テーブルに従ってAT抽選を行う。例えば、強チェリーに当選したときは、60%の確率でATに当選するようにAT抽選を行う。図15に示すように、AT抽選に当選する確率は弱チェリー、スイカ、強チェリーの順で高い。また、本実施形態において、メイン制御部41は、AT抽選に当選したときに50ゲームのATゲームを設定する。
ここで、メイン制御部41は、特別役と同時に強チェリー、弱チェリーおよびスイカのうちのいずれかに当選したときもAT抽選を行う。また、RT3中(持越中)やRB(BB1〜3中のRB含む)中は、非AT中であってもAT抽選は行われない。なお、AT抽選において、AT抽選当選時に設定するATゲーム数を一律で50ゲームとしたが、設定するATゲーム数を抽選で決定するようにしてもよい。
[上乗せ抽選]
図16を参照して、上乗せ抽選について説明する。メイン制御部41は、RT0〜RT2のうちのいずれかに制御されており、かつAT中に強チェリー、弱チェリー、スイカ、押し順ベル、押し順リプレイ、通常リプレイのうちのいずれかに当選したときに上乗せ抽選を行う。ここで、メイン制御部41は、特別役と同時に強チェリー、弱チェリー、スイカ、押し順ベル、押し順リプレイ、通常リプレイのうちのいずれかに当選したときも上乗せ抽選を行う。また、RT3中(持越中)は、非AT中であっても上乗せ抽選は行われない。また、RB(BB1〜3中のRB含む)中は、上乗せ抽選は行われない。
メイン制御部41は、通常AT、第1有利AT、第2有利ATのうちのいずれのATに制御されているかによって、異なる抽選テーブルを用いて上乗せ抽選を行う。具体的には、通常AT中は図16(a)に示す上乗せ抽選テーブルに従って上乗せ抽選が行われ、第1有利AT中は図16(b)に示す上乗せ抽選テーブルに従って上乗せ抽選が行われ、第2有利AT中は図16(c)に示す上乗せ抽選テーブルに従って上乗せ抽選が行われる。例えば、通常AT中に強チェリーに当選したときは、80%の確率で10ゲーム上乗せされ、15%の確率で20ゲーム上乗せされ、5%の確率で30ゲーム上乗せされる。
図16(a)〜(c)に示すように、押し順ベル、押し順リプレイ、通常リプレイのうちのいずれかに当選したときは、AT状態に応じて、異なる確率で上乗せ抽選が行われる。具体的には、通常AT中は、図16(a)に示すように、押し順ベル、押し順リプレイ、または通常リプレイに当選しても、ATゲーム数は上乗せされない。また、第1有利AT中は、図16(b)に示すように、押し順リプレイ、または通常リプレイに当選しても、ATゲーム数は上乗せされない。また、第2有利AT中は、図16(c)に示すように、押し順ベルに当選しても、ATゲーム数は上乗せされない。
つまり、第1有利ATにおいては、メイン制御部41の抽選結果が押し順リプレイ当選となるときよりも、押し順ベル当選となるときの方が上乗せ抽選されるという点で有利度合いが高い。一方、第2有利ATにおいては、メイン制御部41の抽選結果が押し順ベル当選となるときよりも、押し順リプレイ当選となるときの方が上乗せ抽選されるという点で有利度合いが高い。また、通常ATと第1有利ATとを比較すると、押し順ベルに当選したときの有利度合いは、第1有利AT中は上乗せ当選するという点で通常AT中よりも高い。また、通常ATと第2有利ATとを比較すると、押し順リプレイに当選したときの有利度合いは、第2有利AT中は上乗せ当選するという点で通常AT中よりも高い。
また、第1有利ATおよび第2有利ATは、通常ATに比べてAT抽選が実行される契機が多いことから、上乗せされる機会が多い点で通常ATよりも有利度合いが高い状態である。さらに、付与されるATゲーム数は、第1有利ATおよび第2有利ATにおいては10ゲーム、30ゲームおよび50ゲームのうちのいずれかであって、通常ATにおいては、10ゲーム、20ゲームおよび30ゲームのうちのいずれかである。そのため、付与されるATゲーム数が多い点でも、第1有利ATおよび第2有利ATは通常ATよりも有利度合いが高い状態である。
また、各AT中において1回のゲームで上乗せされるATゲーム数の期待値は、通常AT中が最も低く、第1有利AT中と第2有利AT中とは同程度である。そのため、第1有利ATと第2有利ATとは、1回のゲームで上乗せされるATゲーム数の期待値が高いという点でも、通常ATに比べて有利度合いが高い状態である。なお、第1有利ATおよび第2有利ATにおいて、上乗せされるゲーム数の期待値は同程度であるとしたが、いずれか一方の方が上乗せされるゲーム数の期待値が高くなるようにしてもよい。上乗せされるゲーム数の期待値は、各有利ATに制御される期間を変えることで変えてもよく、上乗せ抽選確率を変えることで変えてもよい。
[設定差について]
図11および図12に示すように、ATに関連する役の当選確率に設定差を設けず、ATに関連しない役の当選確率に設定差を設けるように設定されており、設定値の違いによってATに関連する有利度に差がでないようになっている。
具体的には、押し順ベルのようにATにおいて小役の入賞確率を変化させるために報知の対象となる抽選対象役、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜13、押し順ベルのようにATにおいて遊技状態を移行させるため、または遊技状態の移行を回避するために報知の対象となる抽選対象役については、当選確率に設定差を設けないようにしている。
また、AT抽選または上乗せ抽選の契機となる抽選対象役である、強チェリー、弱チェリー、スイカ、通常リプレイ、押し順リプレイ、および押し順ベルについても、当選確率に設定差を設けないようにしている。
一方、BB1、BB1+共通ベル、BB2、BB2+共通ベル、BB3、BB3+共通ベル、RB、RB+共通ベル、共通ベルのように、ATにおいて報知の対象とならない抽選対象役、AT抽選または上乗せ抽選の契機とならない抽選対象役について設定差を設けることで、払出率を変化させるようになっている。
なお、本実施例において、BB1〜BB3、RBは設定差があるとし、RB(BB1〜3中のRB含む)中はAT抽選と上乗せ抽選とを行わないものとした。しかし、特定の特別役の入賞に伴うボーナス中のRB中にAT抽選または上乗せ抽選を行うようにする場合は、特定の特別役については設定差を設けないようにしてもよい。
[コマンドについて]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、遊技状態コマンド、AT状態コマンド、内部当選コマンド、押し順コマンド、リール加速情報コマンド、加速完了コマンド、停止操作有効コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、遊技終了コマンド、入賞判定コマンド、エラーコマンド、復帰コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
遊技状態コマンドは、当該ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。サブ制御部91は、遊技状態コマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されたことを判定できる。
AT状態コマンドは、AT中か否か、ATの残りゲーム数、いずれのATに制御されているかなどを特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、遊技状態コマンドの後に送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、AT状態コマンドの後に送信される。
押し順コマンドは、停止順を特定可能なコマンドである。押し順コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始されたときであって、内部当選コマンドが送信された後に送信される。また、押し順コマンドは、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送られる停止コマンドが送信された後にも送信される。なお、遊技者にとって有利となる停止順が報知されるナビ報知が実行されるゲームにおいては、ゲーム開始時から遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順コマンドが送信される。一方、ナビ報知が実行されないゲームにおいては、有利な停止順が確定するまでは遊技者にとって有利な停止順を特定不能な押し順コマンドが送信され、有利な停止順が確定したときから遊技者にとって有利な停止順を特定可能な押し順コマンドが送信される。
遊技状態コマンド、AT状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
リール加速情報コマンドは、遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨を特定可能なコマンドであり、遊技の進行に伴いリールの回転を開始するときに送信する。
加速完了コマンドは、遊技の開始に伴うリールの加速が完了した旨を特定可能なコマンドであり、遊技が開始された際にリール2L,2C,2Rの回転が開始させた後、最初に全てのリール2L,2C,2Rが定速回転となったときに送信される。
停止操作有効コマンドは、ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作が有効であることを特定可能なコマンドである。
滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたことおよび停止するリールを特定可能である。
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
遊技終了コマンド、入賞判定コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドである。エラーコマンドは、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドである。復帰コマンドは、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
これらコマンドは、メイン処理またはタイマ割込処理(メイン)において生成され、RAMに設けられたコマンドキューに一時格納され、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
[ナビ報知実行処理]
次に、メイン制御部41が行うナビ報知実行処理について、図17に基づいて説明する。メイン制御部41は、スタート操作が行われたときに、ナビ報知実行処理を実行する。ナビ報知実行処理では、メイン制御部41は、ナビ報知が行われる状態であるか否かを判定する(ステップSi1)。メイン制御部41は、ナビ報知が行われる状態でない場合(ステップSi1;N)、処理を終了する。一方、メイン制御部41は、ナビ報知が行われる状態である場合(ステップSi1;Y)、通常リプレイ1〜3に内部当選しているか否かを判定する(ステップSi2)。メイン制御部41は、通常リプレイ1〜3に内部当選している場合(ステップSi2;Y)、ナビ報知が行われる状態が第1有利ATまたは第2有利ATであるか否かを判定する(ステップSi3)。メイン制御部41は、第1有利ATまたは第2有利ATでない場合(ステップSi3;N)、処理を終了する。一方、メイン制御部41は、第1有利ATまたは第2有利ATである場合(ステップSi3;Y)、または、通常リプレイ1〜3とは異なる当選役に内部当選している場合(ステップSi2;N)、ナビ報知の開始タイミングになったか否かを判定する(ステップSi4)。メイン制御部41は、ナビ報知の開始タイミングではない場合(ステップSi4;N)、開始タイミングになるまでステップSi4の処理を繰り返し、ナビ報知の開始タイミングになった場合(ステップSi4;Y)、取得した特別役および一般役の当選番号に対応するナビ番号に基づいてナビ報知を実行し(ステップSi5)、処理を終了する。
なお、本実施形態では、ナビ報知によるリールの停止順を識別可能なナビ番号(0〜9)、およびナビ報知により示唆する所定の図柄を識別可能なナビ番号(10〜13)が予め割り当てられている(例えば、後述する図19参照)。抽選対象役のうち報知対象役は、その種類ごと、すなわち、特別役および一般役の当選番号ごとにナビ番号が予め割り当てられており、抽選対象役の種類ごとのナビ番号が設定されたナビ番号テーブルがROMの所定領域に格納されている。
例えば、ナビ番号として、標準押し順(本実施形態では、左リール2Lを第1停止とする停止順)を示す0、リールの停止順のうち、左リール2Lを第1停止とする停止順以外を示す1〜9、入賞ラインLN上に停止する図柄を示す10〜13が設定されている。なお、本実施形態では、ナビ番号0により特定される標準押し順として、左リール2Lを第1停止とする停止順を適用しているが、標準押し順は、遊技者にとって不利にも有利にもならない標準的な押し順であれば、他の停止順であってもよい。
[遊技補助表示器を用いて行う各種の報知に関する制御について]
次に、本実施形態のメイン制御部41が遊技補助表示器12を用いて行う各種の報知に関する制御について、図18〜図20に基づいて説明する。
図18に示すように、遊技補助表示器12は、第1〜第8セグメントをそれぞれ点灯/消灯可能な2つの表示器12L,12Rからなる。各セグメントは赤色に点灯させることが可能である。遊技補助表示器12の各セグメントは、遊技制御基板40上に設けられた所定の出力バッファに格納されている点灯態様データに基づいて、LED駆動回路47により駆動されることで、所定の点灯態様での点灯状態または消灯状態に制御されるようになっている。なお、遊技補助表示器12として、それぞれのセグメントを白色、桃色、黄色、橙色、赤色、緑色、青色などのいずれかの色または複数色に点灯させることが可能な表示器や液晶表示器などを用いてもよい。
メイン制御部41は、遊技補助表示器12の出力バッファに点灯態様データとしてナビ報知表示データを設定することで、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させ、ナビ報知を行うことが可能である。また、出力バッファに点灯態様データとして払出枚数表示データを設定することで、遊技補助表示器12に入賞の発生により付与されるメダルの枚数を表示させる払出枚数報知を行うことが可能である。さらに、出力バッファに点灯態様データとしてエラー表示データを設定することで、遊技補助表示器12にエラー状態中にその内容を示すエラーコードを表示させるエラー報知(メイン)を実行できる。
メイン制御部41は、内部抽選の結果を参照し、特別役(BB1〜3、RB)のいずれかが当選しており、かつ特別役の当選後、所定数(例えば、5ゲーム)が行われることで成立する所定の特別役のナビ報知の実施条件が成立しているか否かを判定する。特別役のナビ報知の実施条件が成立している場合には、特別役のナビ報知の実施条件が成立したことに伴いナビ報知を行う旨を示すフラグをRAMの所定領域に設定し、押し順コマンド設定処理を行う。押し順コマンド設定処理にて当該フラグが参照されることで、当選している特別役を構成する図柄を示唆するナビ番号(10〜13)が送信用ナビ番号として設定されることとなる。
押し順コマンド設定処理が終了した後に、遊技補助表示器12の点灯態様データの設定処理を行う。遊技補助表示器12の点灯態様データの設定処理では、特別役を構成する図柄を示唆するナビ報知を実行しない場合には、押し順コマンド送信処理によりRAMの所定領域に設定されたリールの停止順を識別可能な送信用ナビ番号(「0」〜「9」)を参照し、当該送信用ナビ番号に対応するナビ報知表示データを出力バッファに設定する。一方、特別役を構成する図柄を示唆するナビ報知を実行する場合には、押し順コマンド送信処理により設定された所定の図柄を識別可能な送信用ナビ番号(「10」〜「13」)を参照し、当該送信用ナビ番号に対応するナビ報知表示データを選択して出力バッファに設定する。
(ナビ報知について)
図19の遊技補助表示器の欄に示すように、メイン制御部41は、ナビ報知表示データを設定する際に、ナビ番号が標準押し順の番号「0」であり、ナビ報知を行わないとき(例えば、強チェリー、通常リプレイ1〜3(第1有利ATや第2有利AT以外の状態のとき))には、ナビ報知表示データとして出力バッファの初期値を設定する。すなわち、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、各表示器12L,12Rの第1〜第8セグメントを全て消灯状態に設定することで、遊技補助表示器12を非表示に制御する。また、ナビ番号が標準押し順以外のナビ番号「1」〜「9」のいずれかであり、ナビ報知を行うときには、ナビ番号の数字を表示させるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とするとともに、表示器12Rの第8セグメントを点灯状態とし、その他のセグメントを消灯状態とするナビ報知表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にナビ番号を表示するように制御する。また、特別役が当選しており、かつ実施条件が成立している場合に、特別役に応じた図柄を示唆するナビ番号を含むナビ報知表示データを選択した場合には、当該ナビ番号の数字を表示させるように遊技補助表示器12の各セグメントを点灯状態とするとともに、表示器12Rの第8セグメントを点灯状態とし、その他のセグメントを消灯状態とするナビ報知表示データを出力バッファに設定することで、遊技補助表示器12にナビ番号を表示するように制御する。
報知される停止順ごとに、点灯するセグメントの組合せが異なるため、点灯中のセグメントの組合せからナビ番号を識別可能に表示することができる。これにより、ナビ報知として、内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利となる停止順を、遊技補助表示器12を用いて報知することができるようになっている。また、特別役が当選しており、かつ実施条件が成立している場合には、当選している特別役に応じた図柄(青7、赤7、白7、BAR)が示唆されるナビ番号(「10」〜「13」)を認識可能に表示することで、遊技者にとって有利な停止操作のタイミングとして所定の図柄を示唆するになっている。これにより、ナビ報知として、特別役を入賞させることが可能な停止操作のタイミングを、遊技補助表示器12を用いて報知することができるようになっている。また、メイン制御部41は、ナビ報知を行うときには、ナビ番号とともに表示器12Rの第8セグメインを点灯状態に制御する一方で、ナビ報知を行わないときには、表示器12Rの第8セグメインを消灯状態に制御する。これにより、ナビ報知が実行されているか否かが遊技補助表示器12の点灯態様により認識できるようになっている。
遊技補助表示器12を用いて内部抽選結果に応じた遊技者にとって有利となる停止順(正解手順)を報知する場合に、サブ制御部91は正解手順を特定可能な情報を液晶表示器51にも表示するナビ演出を実行する。具体的には、図19の液晶表示器の欄に示すように、リプレイGR11や左ベルや通常リプレイ3(第1有利ATや第2有利ATのとき)など、正解手順として左第1停止が定められている報知対象役に当選したときには、遊技補助表示器12において「 7.」といった情報が表示されるとともに、液晶表示器51において「1−−」といった情報が表示される。これにより、左から1番目のリール2Lを第1停止させることが報知される。
また、メイン制御部41が特別役を入賞させることが可能な停止操作のタイミングについて遊技補助表示器12を用いて報知する場合には、サブ制御部91は、液晶表示器51を用いて入賞させることが可能な停止操作のタイミングを特定可能な情報を報知する。具体的には、図19の液晶表示器の欄に示すように、BB2に入賞するための操作タイミングを報知するための条件が成立しているときは、遊技補助表示器12において「10.」といった情報が表示されるとともに、液晶表示器51において「赤7をねらえ!」といった情報が表示される。これにより、入賞ラインLN上に赤7が停止するタイミングでストップスイッチ8L,8C,8Rを操作することが報知される。
ここで、サブ制御部91が実行するナビ演出において用いられる液晶表示器51は、メイン制御部41が実行するナビ報知において用いられる遊技補助表示器12に比べて情報を表示する表示面積が広い(図1参照)。そのため、サブ制御部91は、メイン制御部41に比べて、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を特定可能な情報として、多くの情報を報知することができる。その結果、ナビ報知に比べて、液晶表示器51を用いて実行されたナビ演出の方が、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を分かり易く報知することができる。
例えば、遊技補助表示器12には、2桁以下の数字か、あるいは点やハイフンといった単純な記号しか表示できないのに対して、液晶表示器51には丸囲み数字や、リール2L,2C,2Rに描かれている図柄を表示することができる。また、遊技補助表示器12に比べて液晶表示器51は情報を表示する表示面積が広いため、情報に関する表示自体を大きく表示することができる。また、遊技補助表示器12に比べて液晶表示器51に表示できる情報量が多いため、液晶表示器51に表示される表示態様を、遊技補助表示器12に表示される表示態様に比べて派手にすることができる。その結果、液晶表示器51の表示を遊技補助表示器12の表示に比べて目立たせることができる。
また、図1に示すように、液晶表示器51の表示面は遊技者が正面を向いたときに向かい合せになるようにスロットマシン1に設けられている。これに対して、遊技補助表示器12の表示面は遊技者が下を向いたときに向かい合せになるようにスロットマシン1に設けられている。遊技者は、遊技を行っているときには通常正面を向いている。そのため、液晶表示器51の方が、遊技補助表示器12に比べて遊技者の視界に入りやすい。
ここで、本実施形態では、押し順ベルに内部当選したときには、ナビ報知が実行される状態(通常AT、第1有利AT、第2有利AT等)であればナビ報知が実行されない状態よりも遊技者にとっての有利度が高くなっている。例えば、ナビ報知によって遊技者にとって有利な停止順が報知されることで移行出目の導出を回避でき、RT0からRT1への移行を回避できる。一方、通常リプレイに内部当選したときには、ナビ報知が実行される状態であるか否かに関わらず再遊技役が入賞してリプレイゲームが付与されるだけで、RT0〜3の状態移行が発生せず、遊技者にとっての有利度が変化しないようになっている。また、本実施形態では、第1有利AT中に押し順ベルに内部当選するとATゲーム数が上乗せされる一方、通常AT中には押し順ベルや押し順リプレイや通常リプレイに内部当選してもATゲーム数が上乗せされないようになっており、第1有利ATのほうが通常ATよりも遊技者にとって有利な状態になっている。そして、本実施形態では、メイン制御部41は、押し順ベルに内部当選したときには、第1有利ATであるか通常ATであるかに関わらずナビ報知を実行するが、通常リプレイに内部当選したときには、第1有利ATであるときにはナビ報知を実行する一方で通常ATであるときにはナビ報知を実行しないように制御している。
例えば、通常AT中において中ベル1〜4またはリプレイGR12に内部当選すると、図20(a)に示すように、液晶表示器51に「−1−」が表示されるナビ演出が実行されるとともに、遊技補助表示器12に「 8.」が表示されるナビ報知も実行される。一方、通常AT中において通常リプレイ1に内部当選すると、図20(b)に示すように、液晶表示器51に「−1−」が表示されるナビ演出が実行される一方、遊技補助表示器12が消灯されてナビ報知が実行されない。このため、遊技者は、通常AT中であれば液晶表示器51に「−1−」が表示されるナビ演出が実行されているときには、ナビ報知(「 8.」)が実行されていれば中ベル1〜4またはリプレイGR12に内部当選していることをリール停止前に特定できるとともに、ナビ報知が実行されていなければ通常リプレイ1に内部当選していることをリール停止前に特定できる。
一方、例えば、第1有利AT中においては、中ベル1〜4やリプレイGR12に内部当選したときだけでなく、通常リプレイ1に内部当選しても、図20(c)に示すように、液晶表示器51に「−1−」が表示されるナビ演出が実行されるとともに、遊技補助表示器12に「 8.」が表示されるナビ報知も実行される。よって、例えば、「ベルでチャンス!!」との第1有利ATであることを示唆する画像が表示された後に、ナビ演出(「−1−」)が実行されたときにナビ報知(「 8.」)が実行されているか否かを確認しても、ナビ報知が実行されていないことを根拠として通常リプレイ1に内部当選していることを遊技者が特定することができなくなる。このため、例えば、リール停止後において、ベルに入賞して「+10G」が表示される、または、リプレイに入賞して「残念…」が表示されるまで中ベル1〜4に内部当選していたか、リプレイ(リプレイGR12、通常リプレイ1)に内部当選していたかを遊技者が特定できなくなる。
このようにすることで、第1有利ATにおいてATゲーム数が上乗せされる押し順ベルに内部当選したかATゲーム数が上乗せされない通常リプレイに内部当選したかに関わらずメイン制御部41によってナビ報知が実行され、遊技者は、第1有利ATにおいては(ATゲーム数が上乗せされる)押し順ベルに内部当選したか(ATゲーム数が上乗せされない)通常リプレイに内部当選したかをナビ報知が実行されるか否かで特定できなくなるので、第1有利ATにおいてATゲーム数が上乗せされる押し順ベルに内部当選するとナビ報知が実行される一方でATゲーム数が上乗せされない通常リプレイに内部当選するとナビ報知が実行されないスロットマシンよりも第1有利ATにおけるナビ報知の有無によって押し順ベルに内部当選してATゲーム数が上乗せされるか否かがリール停止前に特定され難くなる。
また、本実施形態では、第2有利ATの制御中に押し順リプレイや通常リプレイに内部当選するとATゲーム数が上乗せされる一方、通常ATの制御中には押し順ベルや押し順リプレイや通常リプレイに内部当選してもATゲーム数が上乗せされないようになっており、第2有利ATのほうが通常ATよりも遊技者にとって有利な状態になっている。
そして、本実施形態では、メイン制御部41は、押し順ベルに内部当選したときには、第2有利ATであるか通常ATであるかに関わらずナビ報知を実行するが、通常リプレイに内部当選したときには、第2有利ATであるときにはナビ報知を実行する一方で通常ATであるときにはナビ報知を実行しない。
このようにすることで、第2有利ATにおいてATゲーム数が上乗せされない押し順ベルに内部当選したかATゲーム数が上乗せされる押し順リプレイや通常リプレイに内部当選したかに関わらずメイン制御部41によってナビ報知が実行され、遊技者は、第2有利ATにおいては(ATゲーム数が上乗せされない)押し順ベルに内部当選したか(ATゲーム数が上乗せされる)押し順リプレイや通常リプレイに内部当選したかをナビ報知が実行されるか否かで特定できなくなるので、第2有利ATにおいてATゲーム数が上乗せされない押し順ベルに内部当選するとナビ報知が実行される一方でATゲーム数が上乗せされる押し順リプレイや通常リプレイに内部当選するとナビ報知が実行されないスロットマシンよりも第2有利ATにおけるナビ報知の有無によって押し順リプレイや通常リプレイに内部当選してATゲーム数が上乗せされるか否かがリール停止前に特定され難くなる。
特に、本実施形態では、第1有利ATは、押し順ベルに内部当選したときにATゲーム数が上乗せされる状態であって通常ATよりもATゲーム数が上乗せされ易い状態となっている。また、本実施形態では、第2有利ATは、押し順リプレイや通常リプレイに内部当選したときにATゲーム数が上乗せされる状態であって通常ATよりもATゲーム数が上乗せされ易い状態となっている。
このようにすることで、第1有利ATや第2有利ATにおいて、遊技者は、ATゲーム数が上乗せされるかもしれないとの期待感を持続することができる。
なお、本実施形態では、第1有利ATは、押し順ベルに内部当選したときにATゲーム数が上乗せされる状態であって通常ATよりもATゲーム数が上乗せされ易い状態としたが、第1有利ATが押し順ベルに内部当選したときに通常ATよりも遊技者にとって有利な状態である限りにおいてこれに限定されず、例えば、第1有利ATが押し順ベルに内部当選したときに通常ATよりもベル入賞時のメダルの払い出し枚数が多くなるようにしたり、プレミア演出や設定値示唆演出等が実行され易くなったりしてもよい。また、第2有利ATも第1有利ATと同様に、押し順リプレイや通常リプレイに内部当選したときにATゲーム数が上乗せされる状態であって通常ATよりもATゲーム数が上乗せされ易い状態としたが、第2有利ATが押し順リプレイや通常リプレイに内部当選したときに通常ATよりも遊技者にとって有利な状態である限りにおいてこれに限定されず、例えば、第2有利ATが押し順リプレイや通常リプレイに内部当選したときに通常ATよりもプレミア演出や設定値示唆演出等が実行され易くなってもよい。
また、本実施形態では、メイン制御部41は、第1有利ATや第2有利ATにおいて、通常リプレイに内部当選したときには、押し順ベルに内部当選したときに設定されるナビ番号(7〜9)でナビ報知を実行している。
このようにすることで、第1有利ATや第2有利ATにおけるナビ報知の報知態様によって押し順ベルに内部当選したか通常リプレイに内部当選したかを遊技者が特定することを防止でき、ATゲーム数が上乗せされる当選役に内部当選したか否かがリール停止前に更に特定され難くなる。
なお、本実施形態のように、ATゲーム数が上乗せされる当選役に内部当選したか否かをリール停止前に特定され難くするために、第1有利ATや第2有利ATにおいて通常リプレイに内部当選したときには押し順ベルに内部当選したときに設定されるナビ番号(7〜9)でナビ報知を実行することが好ましいが、押し順ベルに内部当選したときに設定されるナビ番号とは異なるナビ番号(例えば、0、14〜16)でナビ報知を実行してもよい。
(払出枚数表示およびエラー表示について)
本実施形態のメイン制御部41は、ゲームが進行されて、全てのリール2L,2C,2Rが停止されたときに、いずれかの役の入賞が発生しているか否かを判定し、払い出しを伴ういずれかの役(小役)の入賞が発生している場合には、当該入賞の発生により払い出されるメダルの枚数を払出枚数表示データとして出力バッファに設定して、遊技補助表示器12に払い出されるメダル枚数を表示させる。また、本実施形態のメイン制御部41は、ゲームの進行中にエラーを検出したときには、当該エラーの種類に応じて予め定められているエラーコード(E1〜E8)をRAMの所定領域に設定する。設定した後、所定のエラー表示条件が成立したときに、RAMに設定されているエラーコードを含むエラー表示データを、遊技補助表示器12の出力バッファに設定する。所定のエラー表示条件とは、リールの回転制御中にエラーを検出した場合には、全てのリールが停止されることであり、リールの回転制御中以外のときにエラーを検出したことである。
[ナビについて]
図19および図21を用いて、サブ制御部91が実行するナビ演出について説明する。図21は、ナビ態様決定テーブルを示す図である。
サブ制御部91は、メイン制御部41から送られる内部当選コマンドに基づいて報知対象役が押し順リプレイであるか押し順ベルであるか、あるいは通常リプレイであるかを特定でき、報知対象役の種類に応じてナビ演出の演出態様や、ナビ演出の実行タイミングを変えることができる。
サブ制御部91は、押し順コマンドに基づいて、図19の液晶表示器の欄に示したナビ画像のうち、いずれのナビ画像を液晶表示器51に表示するかを決める。また、サブ制御部は、AT状態、報知対象役の種類、および報知対象役に当選したときに当選したAT上乗せゲーム数に応じて、液晶表示器51に表示するナビ画像の色を決定する。ナビ画像の色とは、数字を囲む円の内部の色である。
ナビ画像の色として白色、黄色、青色の3色が設けられている。白色は、報知対象役が押し順ベルおよび押し順リプレイのいずれであるかに関わらず選択される色である。黄色は、報知対象役が押し順ベルのときにだけ選択される色である。青色は、報知対象役が押し順リプレイのときにだけ選択される色である。
例えば、左ベル1〜4およびリプレイGR11のように、正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作したときに異なる役に入賞する場合であっても(図13参照)、正解手順が左第1停止で同じ場合には、図19に示すように、遊技補助表示器12には共通するナビ番号(「 7.」)が同じ態様で表示される。なお、本実施形態では、通常リプレイ1〜3には正解手順がなく、特定手順でストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すれば特定の再遊技役(通常リプレイ1であれば中段リプレイ、通常リプレイ2であればリプレイA、通常リプレイ3であればリプレイB)に入賞するが、遊技補助表示器12には特定手順に対応していないナビ番号が押し順ベルや押し順リプレイと同じ態様で表示される。
例えば、通常リプレイ1であれば中段リプレイに入賞する特定手順が左第1停止であるが、遊技補助表示器12には正解手順が中第1停止である中ベル1〜4およびリプレイGR12と共通するナビ番号(「 8.」)が同じ態様で表示される。また、例えば、通常リプレイ2であればリプレイAに入賞する特定手順が中第1停止であるが、遊技補助表示器12には正解手順が右第1停止である右ベル1〜4およびリプレイGR13と共通するナビ番号(「 9.」)が同じ態様で表示される。また、例えば、通常リプレイ3であればリプレイBに入賞する特定手順が右第1停止であるが、遊技補助表示器12には正解手順が左第1停止である左ベル1〜4およびリプレイGR11と共通するナビ番号(「 7.」)が同じ態様で表示される。このため、通常リプレイ1に内部当選したときにナビ報知に従ってストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されると、右上がりリプレイに入賞することになり、通常リプレイ2、3に内部当選したときにナビ報知に従ってストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されると、中段リプレイに入賞することになる(図13参照)。
一方、液晶表示器51には、同じナビ画像(「1−−」)が表示されるものの、報知対象役に応じてナビ画像の色を変えることができる。
より具体的には、左ベル1に当選した場合に、遊技補助表示器12には「 7.」が表示され、液晶表示器51には白色または黄色で「1−−」が表示される。リプレイGR11に当選した場合に、遊技補助表示器12には「 7.」が表示され、液晶表示器51には白色または青色で「1−−」が表示される。なお、本実施形態では、通常リプレイ3に当選した場合において、遊技補助表示器12には「 7.」が表示される一方、液晶表示器51には白色または青色で「1−−」が表示される。遊技補助表示器12に「 7.」が表示され、液晶表示器51に白色で「1−−」が表示された場合には、左ベルおよびリプレイGR11のうちのいずれの入賞役に当選しているのかを遊技者は特定することができない。一方、遊技補助表示器12に「 7.」が表示され、液晶表示器51に青色で「1−−」が表示された場合には、左第1停止が正解手順の押し順リプレイに入賞したことを遊技者は特定することができる。同様に、遊技補助表示器12に「 7.」が表示され、液晶表示器51に黄色で「1−−」が表示された場合には、左第1停止が正解手順の押し順ベルに入賞したことを遊技者は特定することができる。
このように、メイン制御部41が実行するナビ報知およびサブ制御部91が実行するナビ演出のうちのいずれのナビにおいても、当選した報知対象役が押し順リプレイおよび押し順ベルのいずれであっても、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のうちの正解手順を特定可能な情報が遊技補助表示器12および液晶表示器51に共通態様で表示可能である。また、ナビ報知およびナビ演出のうちのいずれのナビにおいても、第1有利ATまたは第2有利ATにおいて当選した報知対象役が通常リプレイであるときには、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のうちの特定手順を特定不能な情報を、当選した報知対象役が押し順リプレイおよび押し順ベルであるときと共通の態様で遊技補助表示器12および液晶表示器51に表示可能である。このため、当選している報知対象役が、いずれの種類の押し順リプレイであるのか、いずれの種類の押し順ベルであるのか、いずれの種類の通常リプレイであるのか、押し順リプレイ、通常リプレイあるいは押し順ベルのいずれであるのかなどが遊技補助表示器12および液晶表示器51に表示された態様から遊技者に特定されてしまうことを防止できる。また、ナビの実行に用いる演出用データの数を抑えることができるため、メイン制御部41およびサブ制御部91のROMやRAMなどの記憶装置の記憶容量を削減できる。さらに、サブ制御部91は、報知対象役に関わらず正解手順が同じである場合は共通する態様で液晶表示器51にナビ画像を表示するだけでなく、各報知対象役固有の態様で液晶表示器51にナビ画像を表示することができるため、多彩な遊技性を実現することができる。
なお、本実施形態では、図19に示すように、第1有利ATまたは第2有利AT以外の状態(通常AT等)において、通常リプレイ1〜3に内部当選するとナビ報知が実行されずにナビ演出のみが実行されるようにしたが、これに限定されず、例えば、通常ATにおいて、通常リプレイ1〜3に内部当選してもナビ報知だけでなくナビ演出も実行されないようにしてもよい。
また、左ベルに当選したときに実行されるナビに従って操作することで入賞する入賞役は中段ベル(小役)であり、リプレイGR11に当選したときに実行されるナビに従って操作することで入賞する入賞役は中段リプレイ(再遊技役)である。なお、第1有利ATまたは第2有利ATにおいては、通常リプレイ3に当選したときに実行されるナビに従って操作することで入賞する入賞役も中段リプレイ(再遊技役)である。左ベルに実行されるナビ報知の態様およびナビ演出の態様と、リプレイGR11に当選したときに実行されるナビ報知の態様およびナビ演出の態様と、通常リプレイ3に当選したときに実行されるナビ報知の態様およびナビ演出の態様とは共通することがある。そのため、この共通するナビ演出およびナビ報知が実行されたときに発生し得る入賞役の種類は再遊技役と小役とを含む。その結果、共通するナビ演出およびナビ報知が実行されたときに、再遊技役の入賞が発生するのかあるいは小役の入賞が発生するのかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、ナビ画像の色として用いられる色のうち、白色は、押し順ベル、押し順リプレイ、通常リプレイなど、メダルの払い出しやリプレイゲームが付与されるような有利な抽選対象役に当選した場合以外にも用いられる色である。黄色および青色は、それぞれ中段ベルと再遊技役を示す色である。例えば、内部抽選で入賞の発生を許容された入賞役を、スロットマシン1の前面扉1bの外周などに設けられた演出効果LED52の色によって示唆する場合を考える。白色は、いずれの入賞役の当選も示唆しないときや、いずれの入賞役にも当選していないことを示唆するときに用いられる。黄色は、中段ベルの入賞が許容されたことを示唆するときに用いられる。青色は、再遊技役の入賞が許容されたことを示唆するときに用いられる。
つまり、白色は、いずれの入賞役の当選も示唆しないときや、いずれの入賞役にも当選していないことを示唆するため、頻繁に用いられる色である。そのため、遊技者は、白色が押し順ベルおよび押し順リプレイで共通に用いられている色であることを容易に認識することができる。また、押し順ベルと押し順リプレイとで共通して用いられるナビ画像の態様と、押し順ベルに当選しているときにだけ用いられるナビ画像の態様と、押し順リプレイに当選しているときにだけ用いられるナビ画像の態様とは、色によって区別することができるため、視覚的に分かりやすい。
[ナビ画像の色の決定]
図21を用いてナビ画像の色の決定方法について詳細に説明する。図21(a)に示すように、通常AT中に押し順ベルに当選したときは、100%の確率でナビ画像を黄色で表示することに決定する。一方、通常AT中に押し順リプレイに当選したときは、100%の確率でナビ画像を青色で表示することに決定する。つまり、通常AT中は、押し順リプレイに当選したのか、あるいは押し順ベルに当選したのかを遊技者が特定することができない白色のナビ画像を表示しない。
図16(a)に示すように、通常AT中は押し順ベル、押し順リプレイ、通常リプレイに当選してもATゲーム数は上乗せされない。つまり、内部抽選により当選した役が通常リプレイであろうが、押し順リプレイであろうが押し順ベルであろうが、ATゲーム数の上乗せに対する期待感はない。このような状況において、白色のナビ画像が表示されると、押し順ベルおよび押し順リプレイのうちのどちらに当選したのかを無駄に煽られてしまう。内部抽選により当選した役が通常リプレイであっても押し順リプレイであっても押し順ベルであっても、遊技者に期待感を与えられないような通常AT中においては、白色のナビ画像を表示しないことで、どの報知対象役に当選したのかを無駄に煽ることを防止することができる。
図21(b)に示すように、第1有利AT中に押し順ベルに当選したときは、当該押し順ベルに当選したときに得られた上乗せATゲーム数に応じてナビ画像を白色で表示するか、黄色で表示するかをサブ制御部91が決定する。これに対して、押し順リプレイおよび通常リプレイに当選したときは、100%の確率でナビ画像を白色で表示することに決定する。つまり、ナビ画像が黄色で表示された場合に、遊技者は押し順ベルに当選したこと特定できるとともに、ATゲーム数が上乗せされることも特定できる。
押し順ベルに当選したときのナビ画像の色は、得られるATゲーム数が多いほど高い確率で黄色に決定される。これにより、遊技者はナビ画像が黄色で表示された場合に多くのATゲーム数が上乗せされたことを期待できる。また、ナビ画像の色が白色である場合であっても、押し順ベル、押し順リプレイ、通常リプレイのうちのいずれの報知対象役に当選したかを特定することができないため、押し順ベルに当選してATゲーム数が上乗せされたことに対する期待感を失うことはない。
また、本実施形態において、第1有利AT中に青色のナビ画像が表示された場合、押し順リプレイや通常リプレイに当選したことを遊技者が特定できる。第1有利AT中に青色のナビ画像が表示されると、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する前の早い段階で、ATゲーム数が上乗せされていないことを遊技者が特定できてしまう。そこで、本実施形態においては、第1有利AT中に押し順リプレイや通常リプレイに当選した場合は青色のナビ画像を表示させないようにすることで、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する前の早い段階でATゲーム数が上乗せされていないことを遊技者が特定できてしまうという不都合を防止することができる。
また、図21(a),(b)に示すように、通常AT中と第1有利AT中とを比較すると、第1有利AT中の方が高い確率で白色のナビ画像を用いたナビ演出が実行される。これにより、白色のナビ画像を用いたナビ演出を実行することで、遊技者は第1有利AT中であることを予測することができる。なお、本実施形態においては、通常AT中においては白色のナビ画像を用いたナビ演出は実行されないものとしたが、第1有利AT中の方が高い確率で白色のナビ画像を用いたナビ演出が実行されるようにすれば、このような効果は得られる。
また、第1有利AT中においては、通常AT中に比べて有利度合いが高い押し順ベルに当選したことを特定できない白色のナビ画像を用いたナビ演出が実行される機会が通常AT中に比べて増える。その結果、第1有利AT中に押し順ベルに当選したことを遊技者に期待させる機会を増やすことができ、第1有利AT中の遊技の興趣が向上する。
図16(a),(b)に示すように、第1有利AT中は、通常AT中に比べて、内部抽選で当選した抽選対象役が押し順ベルであるときの方が押し順リプレイや通常リプレイであるときに比べて有利度合いが高い。また、第1有利AT中では、当選した報知対象役が押し順リプレイ、押し順ベルのいずれであっても、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のうちの正解手順を特定可能な情報が遊技補助表示器12および液晶表示器51に共通態様で表示可能である。なお、第1有利AT中では、当選した報知対象役が通常リプレイであれば、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のうちの特定手順を特定不能な情報を、当選した報知対象役が押し順リプレイおよび押し順ベルであるときと共通の態様で遊技補助表示器12および液晶表示器51に表示可能である。
このため、当選している報知対象役が、押し順ベル、押し順リプレイ、通常リプレイのいずれであるのかを遊技補助表示器12および液晶表示器51に表示された態様から遊技者に特定されることなく、ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作手順を特定可能な情報を報知することができる。その結果、液晶表示器51に表示された態様によっては、第1有利AT中に有利な押し順ベルであるか、あるいは不利な押し順リプレイや通常リプレイであるかが、遊技者に認識されないため、第1有利AT中における遊技の興趣が向上する。また、押し順ベルに当選していることを特定可能な表示態様でもナビ画像を表示可能であるため、ナビ演出の演出態様であるナビ画像の色に遊技者の注目を集めることができる。
図21(c)に示すように、第2有利AT中に押し順リプレイに当選したときは、当該押し順リプレイに当選したときに得られた上乗せATゲーム数に応じてナビ画像を白色で表示するか、青色で表示するかをサブ制御部91が決定する。これに対して、押し順ベルや通常リプレイに当選したときは、100%の確率でナビ画像を白色で表示することに決定する。つまり、ナビ画像が青色で表示された場合に、遊技者は押し順リプレイに当選したこと特定できるとともに、ATゲーム数が上乗せされることも特定できる。
押し順リプレイに当選したときのナビ画像の色は、得られるATゲーム数が多いほど高い確率で青色に決定される。これにより、遊技者はナビ画像が青色で表示された場合に多くのATゲーム数が上乗せされたことを期待できる。また、ナビ画像の色が白色である場合であっても、押し順ベル、押し順リプレイ、通常リプレイのうちのいずれの報知対象役に当選したかを特定することができないため、押し順リプレイや通常リプレイに当選してATゲーム数が上乗せされたことに対する期待感を失うことはない。
また、本実施形態において、第2有利AT中に黄色のナビ画像が表示された場合、押し順ベルに当選したことを遊技者が特定できる。第2有利AT中に黄色のナビ画像が表示されると、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する前の早い段階で、ATゲーム数が上乗せされていないことを遊技者が特定できてしまう。そこで、本実施形態においては、第2有利AT中に押し順ベルに当選した場合は黄色のナビ画像を表示させないようにすることで、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する前の早い段階でATゲーム数が上乗せされていないことを遊技者が特定できてしまうという不都合を防止することができる。
また、図21(a),(c)に示すように、通常AT中と第2有利AT中とを比較すると、第2有利AT中の方が高い確率で白色のナビ画像を用いたナビ演出が実行される。これにより、白色のナビ画像を用いたナビ演出を実行することで、遊技者は第2有利AT中であることを予測することができる。なお、本実施形態においては、通常AT中においては白色のナビ画像を用いたナビ演出は実行されないものとしたが、第2有利AT中の方が高い確率で白色のナビ画像を用いたナビ演出が実行されるようにすれば、このような効果は得られる。
また、第2有利AT中においては、通常AT中に比べて有利度合いが高い押し順リプレイや通常リプレイに当選したことを特定できない白色のナビ画像を用いたナビ演出が実行される機会が通常AT中に比べて増える。その結果、第2有利AT中に押し順リプレイや通常リプレイに当選したことを遊技者に期待させる機会を増やすことができ、第2有利AT中の遊技の興趣が向上する。
図16(a)および図16(c)に示すように、第2有利AT中は、通常AT中に比べて、内部抽選で当選した抽選対象役が押し順リプレイや通常リプレイであるときの方が押し順ベルであるときに比べて有利度合いが高い。また、第2有利AT中では、当選した報知対象役が押し順リプレイおよび押し順ベルのいずれであっても、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のうちの正解手順を特定可能な情報が遊技補助表示器12および液晶表示器51に共通態様で表示可能である。なお、第2有利AT中では、当選した報知対象役が通常リプレイであれば、左第1停止、中第1停止、および右第1停止のうちの特定手順を特定不能な情報を、当選した報知対象役が押し順リプレイおよび押し順ベルであるときと共通の態様で遊技補助表示器12および液晶表示器51に表示可能である。
このため、当選している報知対象役が、押し順ベル、押し順リプレイ、通常リプレイのいずれであるのかを遊技補助表示器12および液晶表示器51に表示された態様から遊技者に特定されることなく、ストップスイッチ8L,8C,8Rへの操作手順を特定可能な情報を報知することができる。その結果、液晶表示器51に表示された態様によっては、第2有利AT中に有利な押し順リプレイや通常リプレイであるか、あるいは不利な押し順ベルであるかが、遊技者に認識されないため、第2有利AT中における遊技の興趣が向上する。また、押し順リプレイに当選していることを特定可能な表示態様でもナビ画像を表示可能であるため、ナビ演出の演出態様であるナビ画像の色に遊技者の注目を集めることができる。
[電断前後において遊技補助表示器の点灯態様を切替えるタイミングについて]
次に、メイン制御部41がゲームの進行状況などに応じて遊技補助表示器12の点灯態様を切り替えるタイミングについて、図22に基づいて説明する。
図22に示すように、メイン制御部41は、ゲームの進行に伴い少なくとも1つ以上のリールを回転制御しており、かつ遊技補助表示器12にナビ報知を行っている場合に、電断が検出されたときには、電断に関連する制御を行って、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12の点灯態様を非表示に制御するとともに、回転制御を行っているリールのリールモータの励磁パターン、励磁制御のステップ数やナビ番号などを含む制御状態をスロットマシン1への電力供給が再開された際に、電断が検出されたときの内容で復帰させることができるように電断処理を行う。
その後、スロットマシン1への電力供給が再開されることで、メイン制御部41での制御状態を電断前の制御状態に復帰させる際には、電断が検出されたときにRAMに記憶されていた制御状態に基づいて電断前の制御状態に復帰させる。一方、制御状態のうち全てのストップスイッチによる停止操作の受け付け状態については、無効に変更して設定する。これにより、メイン制御部41は、全てのストップスイッチによる停止操作の受け付けが無効化されている状態で復帰する。
また、メイン制御部41は、制御状態を電断前の状態に復帰させる際に、ナビ番号、各リールのリールモータの励磁パターンおよびステップ数については、電断が検出されたときにRAMに記憶されていたままの内容で復帰させる。復帰した際には、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示す復帰コマンド、およびナビ番号を特定可能な押し順コマンドを含むメイン制御部41側での制御状態を特定可能な各種コマンドをサブ制御部91に対して送信する。その後は、ゲーム開始時と共通の制御を実行して、RAMに設定されているナビ番号に基づいてナビ報知表示データを遊技補助表示器12の出力バッファに設定して、遊技補助表示器12におけるナビ番号の表示を再開させるように制御する。その後、RAMに設定されているリールモータの励磁パターンすなわち定速パターンに基づいて、電断前に回転制御していたリールのリールモータを電断が検出されたときの励磁パターンのステップ数から励磁して、該当するリールを再び定速回転で回転させるように制御する。当該リールが定速回転となった場合に、該当するリールのストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化する制御を行う。
この際、該当するリールを再び定速回転で回転させる制御においては、電断が検出された時点で設定されている励磁パターンとして定速パターンに基づいて、該当するリールモータの回転制御を開始させることとなる。このような場合には、該当するリールの状態(回転状態または停止状態)によって、該当するリールが正常に回転される場合もあれば、正常に回転されない場合もある。正常に回転されない場合には、該当するリールについて正常に回転させるために再始動制御が行われる。
リールが正常に回転されて、当該リールが定速回転となったときに、該当するリールのストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化する。その後、受け付けが有効化されたストップスイッチが操作されるまで待機し、ストップスイッチの操作が行われるときに、該当するリールを停止させる制御を行う。
これに対して、サブ制御部91は、電断から復帰した後、復帰コマンドを受信した後、押し順コマンドを受信する。サブ制御部91は、押し順コマンドにより特定されるナビ番号に基づいて、メイン制御部41側においてナビ報知が行われることが特定される場合にはナビ演出を再開させる。その後、ゲームの進行に応じて受信される各種コマンドに基づいて演出の制御を行う。
これにより、メイン制御部41では、電断から復帰し、押し順コマンドなどを送信した後、リールの回転制御を再開して、該当するリールが定速回転となることで、ストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化する。これに対して、サブ制御部91では、電断からの復帰後、押し順コマンドを受信したときに、ナビ演出を再開させる。そのため、サブ制御部91は、メイン制御部41側において停止操作が有効化されるときには、既にナビ演出を行っている状態とすることができる。
このように、本実施形態のメイン制御部41は、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12を非表示に制御する。そのため、電断が検出されたときから、スロットマシン1への電力供給が完全に停止するまでの期間において、遊技補助表示器12にナビ報知によるナビ番号が表示されることがないようになっている。また、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化し、スロットマシン1への電力供給が再開されて、メイン制御部41が復帰したときに、出力バッファにナビ報知表示データを再設定するように制御する。そのため、電力供給が再開されたときからメイン制御部41が復帰するときまでの期間にわたり、遊技補助表示器12にナビ報知によるナビ番号が表示されることがない。
また、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が再開されて、メイン制御部41が復帰したときに、遊技補助表示器12の出力バッファにナビ報知表示データを再設定する。その後、電断が検出されたときに回転制御を行っていたリールを再び定速回転で回転させる制御を行う。該当するリールが定速回転となった場合に、当該リールのストップスイッチによる停止操作の受け付けを有効化するように制御する。そのため、スロットマシン1への電力供給が再開された際には、遊技補助表示器12にナビ報知によるナビ番号の表示を開始させた後に、ストップスイッチによる停止操作の受け付けが有効化されるようになっている。これにより、ナビ番号の表示が既に行われている状態で、停止操作の受け付けが有効化されるようになっている。
例えば、遊技補助表示器12にてナビ報知を行っている状態で、電断が発生した場合に、電断復帰後もナビ報知が行われることとなるが、電断復帰後に、ナビ報知が復帰する前に停止操作を有効化する構成とすると、報知される有利な操作態様とは異なる操作態様にて停止操作がされてしまう虞がある。
これに対して、本実施形態のメイン制御部41は、有効化条件が成立した後に、ストップスイッチ8L,8C,8Rによる停止操作を受け付ける。そのため、電力供給が再開した後、正常回転であるかが不明な状況においてリール2L,2C,2Rが停止されてしまうことを防止できる。また、有効化条件が成立した状態、かつナビ報知を行っている状態で電力供給が停止された後、電力供給が再開されたときに、有効化条件が成立するよりも早いタイミングでナビ報知が再開されることとなる。そのため、ナビ報知が行われることで遊技者が有利操作態様が報知されることを知らずに、誤って有利操作態様以外の操作態様にてストップスイッチ8L,8C,8Rを操作してしまうことを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、電力供給が再開された後には、リールの停止状態に関わらず、電力供給が停止されたときと共通の表示態様にて遊技補助表示器12にナビ番号を表示させて、有利操作態様を報知するので、ナビ報知により有利操作態様を報知させる制御の再開に係る制御を簡素化することができる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、ゲームの開始に伴いリールの回転制御を開始したときに、遊技者にとって有利な有利操作態様を報知するナビ報知を開始した後、有効化条件が成立した状態でストップスイッチ8L,8C,8Rによる停止操作を受け付ける。そのため、ゲームの開始後、有効化条件が成立するよりも早いタイミングでナビ報知が開始されることとなり、遊技者にとって有利な有利操作態様が報知されていることを知らずに誤って有利操作態様以外の操作態様にてストップスイッチ8L,8C,8Rを操作してしまうことを防止できる。
なお、ゲームの開始後、有効化条件が成立するまでに、ナビ報知を開始する構成であればよい。例えば、ゲームを開始させるためにスタートスイッチ7が操作されたときに、ナビ報知を開始する構成であってもよい。また、ゲームを開始させるためにスタートスイッチ7が操作されたときから、有効化条件が成立するときまでの期間内のいずれかのタイミングでナビ報知を開始する構成であってもよい。
本実施形態のメイン制御部41は、有効化条件が成立した後、リールの回転状態に異常が検出されたときに、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作の受け付けを無効化し、再び有効化条件が成立することで、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作の受け付けを有効化する。その一方で、ナビ報知を開始した後は、リールの回転状態に異常が検出されたときでも、ナビ報知による有利操作態様の報知を継続する。そのため、遊技者にとって有利な有利操作態様が報知されていることを知らずに誤って有利操作態様以外の操作態様にてストップスイッチ8L,8C,8Rを操作してしまうことを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、遊技者にとって有利な有利操作態様を特定可能な押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信可能である。それに対して、サブ制御部91は、押し順コマンドに基づいて、メイン制御部41側にてナビ報知が行われる場合に、サブ制御部91側にて制御する液晶表示器51を用いて有利操作態様を報知することが可能である。そのため、有利操作態様を報知する際の演出効果を高めることができる。
本実施形態のメイン制御部41は、電力供給が再開されて、メイン制御部41が電断前の状態に復帰したときに、ナビ報知を再開させるとともに、押し順コマンドをサブ制御部91に対して送信する。その後、リールの回転制御を開始して、有効化条件が成立することで、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作の受け付けを有効化する。そのため、有効化条件が成立するよりも早いタイミングで有利操作態様を特定可能な押し順コマンドがサブ制御部91に対して送信されることとなる。これにより、サブ制御部91側において、スロットマシン1への電力供給が再開されたときにストップスイッチ8L,8C,8Rによる停止操作が有効となる前にナビ演出を開始させることが可能となる。その結果、有利操作態様が報知されていることを遊技者が知らずに誤って有利操作態様以外の操作態様にてストップスイッチ8L,8C,8Rを操作してしまうことを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、ゲームの開始後、リール2L,2C,2Rを所定の定速で回転させる制御を開始させるときから、第3停止操作のストップスイッチが離されたときまでの期間にわたり、遊技者にとって有利なストップスイッチの有利操作態様(停止順および停止タイミング)を識別可能なナビ番号を遊技補助表示器12に継続して表示させる。そのため、ゲームの開始から終了までの期間にわたり継続して遊技者にとって有利な有利操作態様を遊技者に対して認識させることができる。
本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12に、遊技者にとって有利な有利操作態様としてナビ番号を表示させている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止されて、電断が検出されたときに、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化することで、遊技補助表示器12の表示内容を非表示にする。そのため、スロットマシン1への電力供給が停止されて、メイン制御部41などの作動が不安定となる電断時において、遊技補助表示器12で意図しない表示が行われてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態では、メイン制御部41は、遊技補助表示器12にナビ番号を表示させている状態で、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化して、遊技補助表示器12の表示態様を非表示に制御する構成である。しかし、電断が検出されたときに、遊技補助表示器12を非表示に制御する構成であればよい。例えば、出力バッファに設定されているデータに基づいて、遊技補助表示器12の表示態様を制御するLED駆動回路47に対して制御信号を出力する出力ポートをクリアすることで、遊技補助表示器12を非表示に制御する構成であってもよい。また、遊技補助表示器12の表示態様を制御するLED駆動回路47から遊技補助表示器12に対して出力される駆動信号の出力を制限することで、遊技補助表示器12を非表示に制御する構成であってもよい。
本実施形態のメイン制御部41は、ナビ番号を表示させている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止された後、スロットマシン1への電力供給が再開されて、電断前の状態に復帰する場合に、遊技補助表示器12にナビ番号を再表示させた後、電断前に回転制御されていたリールが定速回転となったときに、該当するリールのストップスイッチの操作受付を有効化するように制御する。これにより、電断復帰時に、ストップスイッチの操作受付が有効となる前に、遊技補助表示器12におけるナビ番号の表示を再開させる。そのため、誤ってナビ番号により示唆される有利操作態様以外の操作態様でストップスイッチが操作されてしまうことを防止できる。
本実施形態のメイン制御部41は、遊技補助表示器12に遊技者にとって有利な有利操作態様を示すナビ番号を表示させている状態で、スロットマシン1への電力供給が停止されることで、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化することで、遊技補助表示器12の表示内容を非表示とする構成である。しかし、遊技補助表示器12に表示させている表示内容に関わらず、電断が検出されたときには、遊技補助表示器12の出力バッファを初期化する構成としてもよい。このような構成とすることで、遊技補助表示器12における表示状態に関わらず、電断時において、遊技補助表示器12に意図しない表示が行われてしまうことを防止できる。
[変形例]
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態のその他の変形例を説明する。
[ナビ演出の報知態様について]
本実施形態においては、報知対象役の種類に応じてナビ演出の報知態様を変えるために、ナビ画像の色を変えることとしたが、報知態様を変える方法はこれに限られない。例えば、ナビ画像に用いる数字を囲む図形として、丸、三角、四角を用意し、数字を囲む図形を変えることで報知態様を変えてもよい。
また、各入賞役に対応する図柄の形状で数字を囲うことで、その入賞役に当選していることを報知してもよい。例えば、押し順ベルと押し順リプレイとで共通する態様を、数字を四角で囲った態様とし、押し順ベルに当選しているときにだけベルの形状の真ん中に数字を描いた態様を用い、押し順リプレイに当選しているときにだけリプレイの形状の真ん中に数字を描いた態様を用いてもよい。このように、各役が入賞するときに導出される識別情報である図柄を用いて、報知対象役のナビ演出を行うことで、いずれの入賞役に当選しているかが分かり易い。また、スピーカ53,54から出力される音を変えることや、演出効果LED52の点灯態様を変えることで報知態様を変えてもよい。
当選している抽選対象役とは異なる内容を示唆する態様として複数の態様を設けてもよい。例えば、キャラクタを用いてナビ演出を行う場合に、キャラクタの種類に応じてナビ演出の態様を変えてもよい。このとき、キャラクタの種類に応じて、いずれのATに制御されているかを示唆するようにしてもよい。例えば、キャラクタA〜Cがあり、第1有利AT中は高い確率でキャラクタAが用いられ、第2有利AT中は高い確率でキャラクタBが用いられ、通常AT中は高い確率でキャラクタCが用いられるようにしてもよい。この場合に、キャラクタA、B、Cのいずれが用いられた場合であっても、黄色のナビ画像は当該ゲームにおける押し順ベル当選を意味し、青色のナビ画像は当該ゲームにおける押し順リプレイ当選を意味する。
つまり、当該ゲームにおいて当選した抽選対象役を示す特殊態様とは別に、当該ゲームにおいて当選した抽選対象役とは異なる内容を示す特別態様として複数種類の態様を備えてもよい。これにより、特殊態様に加えて、特別態様についても遊技者に注目させることができ、ナビ演出を多様化させることができ、遊技の興趣が向上する。特別態様が示唆する内容としては、例えば、AT抽選時にボーナス当選したか否か、当該ゲームの前のゲームまでに残っているATゲーム数などが挙げられ、当該ゲームに関する内容以外であれば、どのような内容を示唆してもよい。
[報知対象役について]
本実施例においては、報知対象役を押し順ベルと押し順リプレイと通常リプレイ(第1有利AT、第2有利ATのとき)としたが、ハズレのときにストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様を報知してもよい。なお、この場合、ハズレ時には、押し順ベルと押し順リプレイと通常リプレイとで共通に用いられる白色のナビ画像を表示することが好ましい。
このようにすることで、白色は、押し順ベルや押し順リプレイや通常リプレイに当選したとき以外にも、ナビ演出時に用いられるため、ナビ演出中に頻繁に用いられることとなる。その結果、遊技者は、白色が押し順ベル、押し順リプレイ、通常リプレイで共通に用いられている色であることを容易に認識することができる。また、押し順ベルと押し順リプレイと通常リプレイとで共通して用いられるナビ画像の態様と、押し順ベルに当選しているときにだけ用いられるナビ画像の態様と、押し順リプレイに当選しているときにだけ用いられるナビ画像の態様とは、色によって区別することができるため、視覚的に分かりやすい。
[特定状態、特別状態、通常状態について]
本実施形態においては、特定状態、特別状態および通常状態として、いずれもATである例を示したが、AT中かつチャレンジボーナス(CB)中である状態や、チャンスゾーン(CZ)という状態であってもよい。例えば、CBとは、毎ゲームにおいて全ての小役が当選する状態である。特定状態と特別状態と通常状態とをそれぞれ、CB中とした場合、CBに移行することが決定した場合に、3種類のCB(例えば、特定状態に相当する第1CB、特別状態に相当する第2CB、通常状態に相当する第3CB)のうちのいずれかに移行するようにしてもよい。また、3種類のRTを備え、各RTにおいてATに制御され得るようにして、RTかつATに制御されたARTとして3種類備えるようにしてもよい。
本実施形態においては、内部抽選結果が第1決定結果である押し順ベルのときはATゲーム数が上乗せされ、押し順リプレイのときにはATゲーム数が上乗せされない点で、特定状態である第1有利AT中は第1決定結果である押し順ベルに当選したときの方が第2決定結果である通常リプレイや押し順リプレイに当選したときに比べて有利であるとした。また、同様に、特別状態である第2有利AT中においても、ATゲーム数が上乗せされる点で第2有利AT中は第2決定結果である通常リプレイや押し順リプレイに当選したときの方が第1決定結果である押し順ベルに当選したときに比べて有利であるとした。
しかし、特定状態または特別状態において、第1決定結果と第2決定結果とを比べた場合の有利度合いは、ATゲーム数が上乗せされるか否かという点ではなく、上乗せされるATゲーム数の期待値が異なることで有利度合いが異なるようにしてもよい。また、第1決定結果と第2決定結果とを比べたときに異なる有利度合いは、ATゲーム数のような特典に関する有利度合いが異なればよい。また、有利度合いが異なるとは、その特典が付与される確率が高いか低いかということと、付与される特典が多いか少ないかということとが含まれる。
[特典について]
前述した例では、特典として、ATゲーム数を例示したが、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、BB当選、AT当選、ATに制御可能にするATゲーム数など、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値や、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値としては、具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、例えば、ATに所定ゲーム数(例えば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、例えば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
また、有利な状態への移行に関する権利を特典としてもよい。また、特定の期間に亘って有利な状態に制御する場合は、その期間を特典としてもよい。
[有利な状態について]
前述した例では、有利な状態として、ATを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではない。以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利な状態は、例えば、小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいて全ての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(例えば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利な状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
また、有利な状態とは、例えば、特典を付与するか否かを決定する特典付与抽選において、「特典が付与される確率」、および「特典が付与されることが決定されたときに付与される特典の価値(または特典量の期待値)」のうちの少なくとも一方が、通常の状態(有利な状態とは異なる状態)よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、特典付与抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。また、有利な状態とは、特典を付与させるために消化することが必要な消化必要ゲーム数が、通常の状態よりも少なくなる状態としてもよい。
例えば、特典をATゲーム数とした場合には、有利な状態とは、通常の状態よりも、「AT抽選でのAT当選確率」、および「AT抽選でのAT当選した場合に付与されるATゲーム数の価値」のうちの少なくとも一方が、通常の状態よりも高い状態としてもよい。また、有利な状態とは、AT抽選の実行契機の数が、該通常の状態よりも多いものとしてもよい。例えば、通常の状態でのAT抽選の実行契機が、第1役当選および第2役当選とした場合には、有利な状態でのAT抽選の実行契機は、第1役当選および第2役当選に加えて第3役当選としてもよい。
[第1決定結果および第2決定結果について]
前述した実施の形態では、第1決定結果として左ベル1などの小役を含む抽選対象役を例示し、第2決定結果として通常リプレイ3などの再遊技役を含む抽選対象役を例示した。しかし、第1決定結果および第2決定結果は、これに限るものではない。
例えば、第1決定結果および第2決定結果は、ともに、小役を含む抽選対象役であってもよい。この場合、第1決定結果は、第2決定結果よりも遊技者にとっての有利度合いが高い決定結果となるようにしてもよい。具体的には、第1決定結果となったときには、正解手順で操作されると15枚払出となる小役に入賞する一方、第2決定結果となったときには、正解手順で操作されても8枚払出となる小役にしか入賞しないようにしてもよい。このようにすることで、払い出されるメダルのように付与される遊技用価値が異なる第1表示結果および第2表示結果のうちのいずれが導出されるかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、例えば、第1決定結果および第2決定結果は、ともに、再遊技役を含む抽選対象役であってもよい。この場合においても、第1決定結果は、第2決定結果よりも遊技者にとっての有利度合いが高い決定結果となるようにしてもよい。具体的には、第1決定結果となったときには、正解手順で操作されると有利なRTへの移行契機となる再遊技役に入賞する一方、第2決定結果となったときには、再遊技役に入賞しても状態移行しないようにしてもよい。このようにすることで、有利なRTへの移行権利およびリプレイゲームである場合と、リプレイゲームだけである場合のように、付与される遊技用価値が異なる第1表示結果および第2表示結果のうちのいずれが導出されるかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本実施形態では、第2決定結果を通常リプレイとし、操作された停止順に関わらず再遊技役(中段リプレイ、右上がりリプレイ、リプレイA、リプレイB)が入賞してリプレイゲームが付与されるだけで、遊技者にとっての有利度が変化しないようにしたが、通常リプレイについては、ナビ報知の有無によって遊技者にとっての有利度が変化しない限りにおいて、操作された停止順や操作タイミングによって遊技者にとっての有利度が変化してもよい。例えば、通常リプレイは、操作された停止順が正解手順(例えば、左第1操作、中第1操作、右第1操作)であり、且つ、7が揃うタイミングで操作されることで入賞する7揃いリプレイを含む抽選対象役であってもよく、7揃いリプレイに入賞するとATゲーム数が付与される等の特典が付与されてもよい。この場合、ナビ報知やナビ演出によって不正解手順を報知したり、7を揃える旨の報知(図19参照)をしないようにしたりして7揃いリプレイに入賞させずに再遊技役(中段リプレイ、右上がりリプレイ、リプレイA、リプレイB)に入賞させるようにする必要がある。
[上乗せ抽選について]
なお、本実施形態では、通常AT中は、押し順ベル、押し順リプレイ、または通常リプレイに当選しても、ATゲーム数は上乗せされないようにしたが、押し順ベル、押し順リプレイ、または通常リプレイに当選したときにも、ATゲーム数は上乗せされてもよい。この場合、第1有利ATや第2有利ATが通常ATよりも遊技者にとって有利な状態であるようにするために、第1有利AT中に押し順リプレイまたは通常リプレイに当選したときや、第2有利AT中に押し順ベルに当選したときにも、ATゲーム数は上乗せされてもよい。第1有利ATや第2有利ATにおいて通常ATと同様の当選役でATゲーム数が上乗せされる場合であっても、押し順ベルに当選したときの有利度合い(例えば、上乗せ当選率、上乗せされるATゲーム数の期待値等)が第1有利AT中のほうが通常AT中よりも高く、押し順リプレイや通常リプレイに当選したときの有利度合いが第2有利AT中のほうが通常AT中よりも高くなるようにする必要がある。なお、上述したように、通常リプレイが7揃いリプレイを含む抽選対象役である場合には、通常ATにおいて通常リプレイに当選してATゲーム数が上乗せされてもナビ報知は実行されないが、7揃いリプレイを入賞させるために、例えば、図20(d)に示すように、「7を狙え!!」および「−1−」等の画像が表示されるナビ演出については実行してもよい。
[メイン制御部41が実行する共通の態様によるナビ報知について]
前述した実施の形態では、図19で示したとおり、遊技補助表示器12のナビ報知の態様が、正解手順や特定手順ごとに1つ定められている例について説明した。しかし、第1決定結果と第2決定結果とでナビ報知の態様が共通しているものであれば、他の決定結果に対応するナビ報知の態様が共通していても異なるものであってもよい。例えば、第1決定結果として左ベル1、2が定められ、第2決定結果としてリプレイ1(正解手順が左第1停止)が定められており、第3決定結果として左ベル3、4が定められ、第4決定結果としてリプレイ2(正解手順が左第1停止)が定められているものにおいて、左ベル1、2およびリプレイ1に当選したときの遊技補助表示器12のナビ報知の態様は、「1−」に定められている一方、左ベル3、4およびリプレイ2に当選したときの遊技補助表示器12のナビ演出の態様は、「−1」に定められているものであってもよい。このように構成した場合であっても、当選しているナビ対象役が、押し順リプのいずれであるのか、押し順ベルのいずれであるのか、押し順リプあるいは押し順ベルのいずれであるのかなどがナビ演出の態様から遊技者に特定されてしまうことを防止できる。
また、正解手順で操作することにより8枚払出となる8枚押し順ベルとして、左第1停止で8枚払出となる小役に入賞する一方、その他の停止操作ではずれ出目を停止させる左8枚押し順ベル1〜4が定められ、正解手順で操作することにより3枚払出となる3枚押し順ベルとして、左第1停止で3枚払出となる小役に入賞する一方、その他の停止操作ではずれ出目を停止させる左3枚押し順ベル1〜4が定められているものであってもよい。この場合に、左8枚押し順ベル1および左3枚押し順ベル1のいずれが当選しているときであってもナビ報知の態様として態様aが定められており、左8枚押し順ベル2および左3枚押し順ベル2のいずれが当選しているときであってもナビ報知の態様として態様bが定められており、左8枚押し順ベル3および左3枚押し順ベル3のいずれが当選しているときであってもナビ報知の態様として態様cが定められており、左8枚押し順ベル4および左3枚押し順ベル4のいずれが当選しているときであってもナビ報知の態様として態様dが定められているものであってもよい(態様a〜態様dは各々異なる態様である)。このように、正解手順が同じであっても、第1決定結果と第2決定結果とでナビ報知の態様が共通しており、第3決定結果と第4決定結果とでナビ報知の態様が共通しているものであってもよい。
[メイン側報知装置について]
前述した実施形態では、メイン制御部41によるナビ演出を遊技補助表示器12において実行する例(兼用する例)について説明したが、メイン制御部41により制御され、遊技の進行に応じて所定情報を報知するメイン側報知装置であればこれに限らず、例えば、クレジット表示器11や1〜3BETLED14〜16など、どのようなものであってもよい。このように、メイン側報知装置を兼用してナビ演出を実行することにより、コストを削減できる。
[ナビの態様]
本実施形態においては、ナビの態様は一ゲームの間変わらないものとしたが、所定のタイミングで共通態様から表示結果特有の態様に切替わるようにしてもよい。例えば、全てのリール2L,2C,2Rが回転していて、押し順リプレイと押し順ベルのうち、どちらに当選しているか分からないような状況においては、共通態様でナビ演出を行い、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作して、導出された表示結果に基づいて当選している抽選対象役を特定できるタイミングで当該抽選対象役特有の態様に切り換えてもよい。
また、第1有利AT中のように、押し順リプレイ当選が確定した場合に、ATゲーム数の上乗せが無いような場合は、ATゲームが上乗せされる期待度は、青色、白色、黄色の順で高くなる。そこで、押し順ベルに当選したときに、白色から黄色に変わるようにナビ演出の態様を切替えることで、遊技者の当該ゲームへの期待感を徐々に上げることができる。一方、押し順リプレイに当選したときに、押し順リプレイへの当選が確定となる表示結果が導出されたタイミングで、白色から青色に代わるようにナビ演出の態様を切替えることで、遊技者の期待感を無駄に煽ることを防止することができる。
[特定状態および特別状態における演出]
本実施形態においては、特定状態である第1有利AT中と、特別状態である第2有利AT中の演出について言及はしていないものの、押し順ベル、押し順リプレイ、通常リプレイのいずれの当選が有利であるかを示唆する演出を実行してもよい。これにより、いずれの抽選対象役に当選しているかに対する期待感をより持たせることができ、ナビ画像の色(ナビ演出の態様)により注目させることができる。例えば、第1有利AT中には、示唆演出として「ベルで上乗せかも??」という表示をしてもよい。また、第2有利AT中には、示唆演出として「リプレイで上乗せかも??」という表示をしてもよい。
なお、本実施形態においては第1有利AT中にナビ演出が実行された場合は、ATゲーム数が付与されないこともあるとしたが、ナビ演出が実行された場合に必ずATゲーム数が付与されるようにしてもよい。また、第2有利AT中においては、ナビが実行されない場合にハズレの場合はメダルという特典も、ATゲーム数という特典も、リプレイゲームという特典も、何も付与される可能性はない。そのため、リール2L,2C,2Rを停止している途中でハズレであることを特定することができてしまった場合に、特定してから当該ゲームが終了するまでの遊技への興味が削がれてしまう。そこで、ハズレの場合であってもATゲーム数の上乗せを行うようにしてもよい。このようにすることで、ナビが実行されなかった遊技において、当該遊技に対する興味を損なわせてしまうことを防止できる。
また、本実施形態においては、第1有利AT中、第2有利AT中、通常AT中とで、いずれの状態においても押し順ベルが当選したゲームにおいて、実行されたナビに基づいてストップスイッチが操作されたときには、同じ表示結果(中段ベル)が導出されるようにした。しかし、第1有利AT中、第2有利AT中、通常AT中とで異なる表示結果を導出するようにしてもよい。具体的には、押し順ベルが当選したゲームにおいて、実行されたナビに基づいてストップスイッチが操作されたときには、第1有利AT中では第1有利AT中表示結果を導出し、第2有利AT中では、第1有利AT中表示結果とは異なる第2有利AT中表示結果を導出し、通常AT中では、第1有利AT中表示結果および第2有利AT中表示結果とは異なる通常AT中表示結果を導出するようにしてもよい。このような構成によれば、第1有利AT中表示結果が導出されたときには、第1有利ATに制御されていることを遊技者に示唆できる。また、第2有利AT中表示結果が導出されたときには、第2有利ATに制御されていることを遊技者に示唆できる。また、通常AT中表示結果が導出されたときには、通常ATに制御されていることを遊技者に示唆できる。なお、第1有利AT中表示結果が導出されたときと第2有利AT中表示結果が導出されたときと、通常AT中表示結果が導出されたときとで、付与されるメダルは同一であってもよく、異なっていてもよい。例えば、第1有利AT中表示結果または第2有利AT中表示結果が導出されたときには、通常AT中表示結果が導出されたときよりも、付与されるメダル枚数は多くなるようにしてもよい。このような構成によれば、第1有利AT中および第2有利AT中の遊技の興趣を向上させることができる。一方、通常AT中表示結果が導出されたときには、第1有利AT中表示結果または第2有利AT中表示結果が導出されたときよりも、付与されるメダル枚数は多くなるようにしてもよい。このような構成によれば、通常AT中の遊技の興趣を向上させることができる。
[ナビ報知の報知態様]
本実施形態のナビ報知では、遊技補助表示器12の表示態様がナビ番号となるように、ナビ番号に応じたセグメントの組合せを点灯させる構成である。しかし、ナビ報知として遊技補助表示器12の表示態様は、停止順を直接的に示すような表示態様(例えば、図23の変形例1)であってもよい。また、停止順を直接的に想起するようなものではなく、点灯するセグメントの組合せから即座に停止順を識別することが困難なものであり、対応表などがなければ容易に識別できない表示態様(例えば、図28の変形例2)であってもよい。
具体的には、図23において変形例1として示すように、例えば、左リール2Lのリール番号を「1」、中リール2Cのリール番号を「2」、右リール2Rのリール番号を「3」として、2つの遊技補助表示器12のうちの一方の表示器12Lに第1停止のリール番号を表示し、他方の表示器12Rに第2停止のリール番号を表示することでナビ報知として停止順を直接的に示唆してもよい。より具体的には、遊技補助表示器12に、「21」を表示させることで、中左右の停止順であることを示してもよい。また、青7の図柄を「b7」、赤7の図柄を「r7」、白7の図柄を「S7」、BARの図柄を「br」として、遊技補助表示器12に表示して青7、赤7、白7、BARの図柄を示唆することで、停止タイミングを直接的に示唆してもよい。
[ナビ演出とナビ報知を実行するタイミング]
本実施形態では、サブ制御部91は、ナビ演出を行う場合には、押し順コマンドを受信したときに、ナビ演出を開始させる構成である。しかし、ナビ演出が開始されるタイミングは、メイン制御部41側にてストップスイッチの停止操作が有効化される以前であればよい。例えば、リール加速情報コマンドを受信したタイミング、押し順コマンドを受信した以降から遊技の開始に伴いリールを定速回転まで加速させる制御が完了した旨を示す加速完了コマンドを受信する以前までの期間内のタイミングなどであってもよい。
また、停止操作が有効化されるときに、ナビ報知とナビ演出とを開始する構成としてもよい。このようにすることで、ナビ報知が行われる状態であっても、スタート操作を行ったときから停止操作が有効化されるときまでの期間において、ナビ報知およびナビ演出により報知対象役の当選が示唆されることがない。そのため、スタート操作を行ったときから停止操作が有効化されるときまでの期間にわたり内部抽選にて当選した役への期待感を維持できる。
また、ゲームに関するリールの回転を開始したとき以降に、ナビ報知とナビ演出とを開始する構成としてもよい。このような構成において、例えば、メイン制御部41が、スタート操作が行われた後からゲームに関するリールの回転制御を開始するまでの期間において、遊技の進行を遅延させるフリーズ状態に制御し、フリーズ状態においてリールを用いたリール演出を実行してもよい。このようにすることで、スタート操作が行われた後からゲームに関するリールの回転制御を開始するまでの期間、すなわちフリーズ状態に制御されている期間において、ナビ報知およびナビ演出により報知対象役の当選が示唆されることがない。そのため、当該期間にわたり内部抽選にて当選した役への期待感を維持できる。
また、本実施形態のメイン制御部41は、ナビ報知を開始した後、第3停止操作のストップスイッチが離され際に、当該ナビ報知を終了させ、遊技終了コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成である。そのため、サブ制御部91は、遊技終了コマンドを受信したことに基づいて、メイン制御部41側でのナビ報知が終了される際に、ナビ演出を終了させることが可能である。しかし、ナビ演出は、少なくとも停止順によってゲームの結果が変化する場合に行われる構成であれば良く、例えば、ナビ報知およびナビ演出により示唆される停止順以外の停止順でのストップスイッチが操作されることで報知対象役が入賞しないことが確定した場合、第1停止操作または第2停止操作が行われることで一の役のみが入賞することが確定した場合などにおいては、メイン制御部41側にてナビ報知が終了されるより前に、ナビ演出が終了される構成としてもよい。このような構成とすることで、ゲームの結果が確定した以降にもナビ演出が継続されないようにできる。
[電断の復帰について]
本実施形態では、スロットマシン1への電力供給が再び開始されたことで、メイン制御部41での制御状態を電断前の制御状態に復帰させる際には、電断が検出されたときにRAMに記憶されていた制御状態に基づいて電断前の制御状態に復帰させる構成である。特に、電断前に回転制御を行っていたリールについては、電断時点でのリールモータの励磁パターンおよびステップ数が設定されている状態で復帰させるようになっている。また、電断からの復帰時には、電断時点での励磁パターンすなわち定速パターンおよびステップ数からリールモータの励磁状態を変化させて、リールの回転を再開させるように制御した後、リールが正常に回転されない場合に、該当するリールの励磁パターンを始動パターンに再設定して回転を再始動させる再始動制御を行う構成である。しかし、メイン制御部41は、電断前にいずれかのリールを回転制御している状態で、電力供給が停止され、電力供給が再開された際に、電断前の制御状態に復帰させる場合には、該当するリールについてリールモータの励磁パターンを始動パターンに設定する構成であってもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、例えば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間に例えば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。さらに、メイン制御部41は、例えばAT抽選の高確率状態に制御するときなど抽選確率を向上させるときに、その旨をランプやLED(例えば、遊技補助表示器12など)の点灯制御によって報知するようにしてもよい。より具体的に、メイン制御部41は、遊技補助表示器12によりナビ演出を所定回数実行することによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。あるいは、メイン制御部41は、サブ制御部91にナビ演出を所定回数実行させることによりAT抽選の高確率状態に制御する旨を報知するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。例えば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROMやRAMの容量不足やメインCPUの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、例えば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。