JP2019053869A - 二次電池、二次電池用電解液及び二次電池用電解液の製造方法 - Google Patents

二次電池、二次電池用電解液及び二次電池用電解液の製造方法 Download PDF

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明博 織田
Akihiro Oda
明博 織田
祐一 利光
Yuichi Toshimitsu
祐一 利光
酒井 政則
Masanori Sakai
政則 酒井
北川 雅規
Masaki Kitagawa
雅規 北川
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Abstract

【課題】使用時間を長時間化することが可能な二次電池を提供する。【解決手段】親水性イオン液体と、水と、金属及び前記金属のイオンの少なくとも一方を含む負極活物質と、ヨウ素及びヨウ素イオンの少なくとも一方を含む正極活物質と、を含む電解液と、を備える二次電池。【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池、二次電池用電解液及び二次電池用電解液の製造方法に関するものである。
二次電池の1種であるフロー電池は、MWh級の大規模蓄電が可能であり、かつ、コストパフォーマンスに優れていると言われており、再生可能エネルギー分野、スマートシティー分野等での適用が期待されている。
フロー電池の例として、バナジウム系レドックスフロー電池において、イオン液体を用いることで、バナジウムイオンのクロスオーバーを抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
コスト、エネルギー密度等の点で優れる電池として、ヨウ素イオンの酸化還元反応と、亜鉛の酸化還元反応とを利用したフロー型のヨウ素亜鉛電池(Zn/I系フロー電池)が提案されている(例えば、特許文献2、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
また、臭素亜鉛電池において、毒性のある臭素を安定化するため、4級アンモニウム塩を添加剤として使用することが報告されている(例えば、非特許文献3参照)。
また、イオン液体である1−ブチル−1−メチルピロリジニウム トリフルオロメタンスルホナートを電解液溶媒に用いることで、亜鉛のデンドライト成長を抑制できることが報告されている(例えば、非特許文献4参照)。
特開2017−117752号公報 米国特許出願公開第2015/0147673号明細書
亜鉛を負極活物質に用いた二次電池は、亜鉛がデンドライト(樹枝状結晶)状に析出してセパレータを突き破り、電池が短絡(ショート)する場合があるため、電池のサイクル特性に課題がある。そのため、亜鉛等の金属を活物質として用いた場合にデンドライト状金属の析出を抑制でき、その結果、使用時間を長時間化することが可能な二次電池とすることが望ましい。
非特許文献1では、電解液にエタノールを添加してデンドライト状亜鉛の析出を抑制し、かつ、負極とセパレータとの間に約2mmのスペースを設けることで電池の短絡を防止して、50サイクルの充放電サイクルを可能としている。また、非特許文献2では、負極集電体とセパレータとの間にワットマン製ろ紙を配置することで、デンドライト状亜鉛の析出が抑制できることが報告されている。しかし、発明者らがこれらの実験の追試を行ったところ、非特許文献1及び非特許文献2に記載の電池特性は全く再現できず、10サイクル以内に電池の短絡が起きることが分かった。
非特許文献4では、イオン液体を用いることによりデンドライト状亜鉛の析出を抑制し、可逆性を向上させているが、電流密度が0.2mAcm−2と極めて低いという問題がある。これは、イオン液体の粘度が高く、バルク領域の亜鉛イオンの供給が追い付かないためである。
本発明の一形態は、使用時間を長時間化することが可能な二次電池、並びに前述の二次電池の製造に使用可能な二次電池用電解液及びその二次電池用電解液の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 親水性イオン液体と、水と、金属及び前記金属のイオンの少なくとも一方を含む負極活物質と、ヨウ素及びヨウ素イオンの少なくとも一方を含む正極活物質と、を含む電解液と、を備える二次電池。
<2> 前記親水性イオン液体を構成するカチオンが、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピロリウムイオン、オキサゾリウムイオン、オキサゾリニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ホスホニウムイオン、及びスルホニウムイオンから選ばれる少なくとも1種のカチオンを含む<1>に記載の二次電池。
<3> 前記親水性イオン液体を構成するアニオンが、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンから選ばれる少なくとも1種を含む<1>又は<2>に記載の二次電池。
<4> 前記親水性イオン液体と前記水との体積比率(親水性イオン液体:水)が90:10〜20:80である<1>〜<3>のいずれか1つに記載の二次電池。
<5> 前記親水性イオン液体と前記水との体積比率(親水性イオン液体:水)が70:30〜25:75である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の二次電池。
<6> 前記親水性イオン液体と前記水との体積比率(親水性イオン液体:水)が50:50〜30:70である<1>〜<5>のいずれか1つに記載の二次電池。
<7> 前記親水性イオン液体を構成するカチオンがアリル基を有するイミダゾリウムイオンを含む<1>〜<6>のいずれか1つに記載の二次電池。
<8> 前記親水性イオン液体を構成するカチオンは、エチルメチルイミダゾリウムイオン、プロピルメチルイミダゾリウムイオン、ブチルメチルイミダゾリウムイオン、アリルメチルイミダゾリウムイオン、アリルメチルピロリジニウムイオン、メチルプロピルピロリジニウムイオン、ブチルトリメチルアンモニウムイオン及びジアリルイミダゾリウムイオンから選ばれる少なくとも1種を含む<1>〜<7>のいずれか1つに記載の二次電池。
<9> 前記金属は、Zn、Li、Na、Mg、Al、Ca、Cr及びFeから選ばれる少なくとも1種を含む<1>〜<8>のいずれか1つに記載の二次電池。
<10> 正極及び負極を更に備える<1>〜<9>のいずれか1つに記載の二次電池。
<11> 前記正極である炭素電極及び前記負極であるニッケル電極の少なくとも一方を含む<10>に記載の二次電池。
<12> 前記正極及び前記負極の少なくとも一方が、多孔質電極である<10>又は<11>に記載の二次電池。
<13> 前記電解液を貯留する貯留部と、前記正極及び前記負極と前記貯留部との間で前記電解液を循環させる送液部と、を更に備えるフロー電池である<10>〜<12>のいずれか1つに記載の二次電池。
<14> 親水性イオン液体と、水と、金属及び前記金属のイオンの少なくとも一方を含む負極活物質と、ヨウ素及びヨウ素イオンの少なくとも一方を含む正極活物質と、を含む二次電池用電解液。
<15> 親水性イオン液体を構成するカチオンを含む化合物と、親水性イオン液体を構成するアニオンを含む化合物と、を混合し、親水性イオン液体を生成する生成工程と、得られた前記親水性イオン液体に、金属のイオン及びヨウ素イオンを溶解させる溶解工程と、を含む二次電池用電解液の製造方法。
<16> 前記生成工程及び前記溶解工程をワンポットで行う<15>に記載の二次電池用電解液の製造方法。
<17> 前記親水性イオン液体を構成するカチオンを含む化合物は、イミダゾール化合物を含み、前記親水性イオン液体を構成するアニオンを含む化合物は、アルキルハライド及びアリルハライドから選ばれる少なくとも1種のハライド化合物を含む<15>又は<16>に記載の二次電池用電解液の製造方法。
本発明の一形態によれば、使用時間を長時間化することが可能な二次電池、並びに前述の二次電池の製造に使用可能な二次電池用電解液及びその二次電池用電解液の製造方法を提供することができる。
本開示の二次電池における電池セルの一例を示す概略構成図である。 第1実施形態のフロー電池を示す概略構成図である。 第2実施形態のフロー電池を示す概略構成図である。 第3実施形態のフロー電池を示す概略構成図である。 実施例1における亜鉛が電析した亜鉛電極の写真である。 実施例1における充電後の電解液の外観写真を示す。 比較例1における亜鉛が電析した亜鉛電極の写真を示す。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において電解液、正極電解液及び負極電解液中の各成分の含有率は、電解液、正極電解液及び負極電解液中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、特に断らない限り、電解液、正極電解液及び負極電解液中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率を意味する。
また、本開示に記載された具体的かつ詳細な内容の一部又は全てを利用せずとも本発明を実施可能であることは、当業者には明らかである。また、本発明の側面をあいまいにすることを避けるべく、公知の点については詳細な説明又は図示を省略する場合もある。
本開示において、「ヨウ素イオン」は、I、I 及びI の少なくともいずれか一つを意味する。
[二次電池]
本開示の二次電池は、親水性イオン液体と、水と、金属及び前記金属のイオンの少なくとも一方を含む負極活物質と、ヨウ素及びヨウ素イオンの少なくとも一方を含む正極活物質と、を含む電解液と、を備える。これにより、本開示の二次電池では、デンドライト状金属の析出を抑制でき、二次電池の使用時間を長時間化することができる。
より詳細には、親水性イオン液体と水とを混合した電解液を用いることにより、親水性イオン液体を用いていない水溶液と比較して粘性が高くなり、デンドライト状金属の析出を抑制できると推測される。
更に、親水性イオン液体と水とを混合した電解液を用いることにより、粘性が高くなりすぎることが抑制される。そのため、活物質の拡散速度が遅くなることに起因する放電容量及び充電容量の低下を抑制でき、十分な電池特性が得られる傾向にある。
<電解液>
本開示で用いる電解液は、親水性イオン液体と、水と、金属及び前記金属のイオンの少なくとも一方を含む負極活物質と、ヨウ素及びヨウ素イオンの少なくとも一方を含む正極活物質と、を含む。
(親水性イオン液体)
本開示で用いる親水性イオン液体は、二次電池の充電状態及び放電状態の少なくともいずれかの状態において親水性であれば特に制限されない。
親水性イオン液体を構成するカチオンは、特に制限はなく、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピロリウムイオン、オキサゾリウムイオン、オキサゾリニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ホスホニウムイオン、及びスルホニウムイオンから選ばれる少なくとも1種のカチオンを含んでいてもよい。中でも、前述のカチオンは、イミダゾリウムイオンを含むことが好ましい。
親水性イオン液体を構成するカチオンは、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
親水性イオン液体を構成するカチオンとしては、具体的には、エチルメチルイミダゾリウムイオン、プロピルメチルイミダゾリウムイオン、ブチルメチルイミダゾリウムイオン、アリルメチルイミダゾリウムイオン、アリルメチルピロリジニウムイオン、メチルプロピルピロリジニウムイオン、ブチルトリメチルアンモニウムイオン、ジアリルイミダゾリウムイオン等が挙げられる。中でも、前述のカチオンは、エチルメチルイミダゾリウムイオン、アリルメチルイミダゾリウムイオン及びジアリルイミダゾリウムイオンが好ましい。
また、親水性イオン液体を構成するカチオンは、アリル基を有するイミダゾリウムイオンを含むことが好ましい。アリル基を有するイミダゾリウムイオンとしては、アリルメチルイミダゾリウムイオン、アリルメチルピロリジニウムイオン、ジアリルイミダゾリウムイオン等が挙げられる。
親水性イオン液体を構成するアニオンとしては、イオン液体が親水性となる点から、Cl(塩化物イオン)、Br(臭化物イオン)、I(ヨウ化物イオン)、CHCH(OH)COO、CF(SO、CHOSO 、NO 、及びBF から選ばれる少なくとも1種のアニオンを含んでいてもよい。中でも、前述のアニオンは、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンから選ばれる少なくとも1種のアニオンを含むことが好ましい。
正極での充電反応により、IからI及びI の両方が生成されることが知られている(前述の非特許文献2参照)。Iは水への溶解度が低く、IはIと反応してI を生成する。これは、IがIに対して過剰に存在する場合のみ、速やかに反応してI になることが分かっており、充電反応の末期にてIが多く存在しない場合にはIが固形分として電解液中に存在し、目詰まり等の原因となりやすい。一方、本開示では、親水性イオン液体中でIは容易に溶解しやすいため、充電反応の末期にてIが多く存在しない場合であっても目詰まり等の問題が生じにくいと考えられる。特に、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオンをアニオン種とする親水性のイオン液体は、Iの溶解度が10M(mol/L)以上と極めて高いため、固形分であるIを抑制でき、かつ、目詰まり等の問題がより生じにくいと考えられる。
また、親水性イオン液体を構成するアニオンは、前述の例示したアニオン以外に、N(SOF) 、N(SOCF) 及びN(SO から選ばれる少なくとも1種のアニオンを追加で含んでいてもよい。
親水性イオン液体の融点は、100℃以下であることが好ましく、90℃以下であることが好ましく、80℃以下であることが好ましい。なお、親水性イオン液体の融点は示差熱分析法で測定できる。
親水性イオン液体の粘度は、特に制限されず、1mPa・s〜500mPa・sであることが好ましく、2mPa・s〜400mPa・sであることがより好ましい。親水性イオン液体の粘度を500mPa・s以下とすることにより、親水性イオン液体を含む電解液の粘度も低くなり、活物質の拡散を阻害しない傾向にあり、すなわち、イオン伝導性の顕著な低下を抑制できる傾向にある。また、イオン伝導性の低下を抑制する点からは、親水性イオン液体の粘度は低ければ低いほどよい。
(親水性イオン液体の合成方法)
親水性イオン液体は従来公知の方法で合成できる(例えば「シーエムシー出版:イオン液体の開発、第二章」参照)。具体的には、アルキルハライド法、酸エステル法、中和法等により親水性イオン液体を合成できる。
例えば、イミダゾール化合物(例えば、メチルイミダゾール)とアルキルハライド、アリルハライド等(エチルヨージド、エチルクロリド、アリルクロリド、アリルヨージドなど)とを混合して親水性イオン液体であるイミダゾリウムハライドを合成してもよい。イミダゾール化合物及びアルキルハライドの両方が共に室温で液体であれば溶媒を用いなくてもよい。溶媒を用いる場合、アセトニトリル等を用いればよい。
親水性イオン液体を合成する温度に特に制限はない。
イオン液体として得られたイミダゾリウムハライドについて、ハライドイオンを更にアニオン交換してもよい。
(水)
本開示の電解液は、親水性イオン液体とともに水を含む。電解液が水を含むことにより、粘性が高くなりすぎることが抑制される。そのため、本開示の二次電池では、活物質の拡散速度が遅くなることに起因する放電容量及び充電容量の低下を抑制でき、二次電池を高出力化できる傾向にある。
親水性イオン液体と水との体積比率(親水性イオン液体:水)は、デンドライト状金属の析出をより好適に抑制し、かつ粘度が高くなりすぎることを好適に抑制する点から、90:10〜20:80であることが好ましく、70:30〜25:75であることがより好ましく、50:50〜30:70であることが更に好ましい。
電解液中における親水性イオン液体と水との合計質量の割合は、10%〜95%であることが好ましく、20%〜95%であることがより好ましい。合計質量の割合を10%以上とすることにより、電解液のイオン伝導性を好適に確保することができる傾向にあり、合計質量の割合を95%以下とすることにより、二次電池の容量を好適に確保することができる傾向にある。
(負極活物質)
本開示にて用いる負極活物質は、金属及び金属のイオンの少なくとも一方を含むものであればよく、前述の金属としては、例えば、Zn、Li、Na、Mg、Al、Ca、Cr及びFeから選ばれる少なくとも1種を含むものであればよい。
本開示において、「金属及び金属のイオンの少なくとも一方を含む負極活物質」は金属単体の状態であってもよく、イオンの状態であってもよく、塩の状態であってもよく、これらが他の物質と結合、相互作用等した状態であってもよい。また、金属のイオンとしては、金属単体のイオンであってもよく、金属と他の元素との組み合わせからなるイオンであってもよい。
また、例えば、「Zn、Li、Na、Mg、Al、Ca、Cr及びFe」もそれぞれ、金属単体の状態であってもよく、イオンの状態であってもよく、塩の状態であってもよく、これらが他の物質と結合、相互作用等した状態であってもよい。イオンの状態としては、例えば、亜鉛イオン(Zn2+)、リチウムイオン(Li)、ナトリウムイオン(Na)、マグネシウムイオン(Mg2+)、アルミニウムイオン(Al3+)、カルシウムイオン(Ca2+)、クロムイオン(Cr3+、Cr2+)及び鉄イオン(Fe2+)並びに、これらの錯体であるZn(OH) 2−、Zn(NH 2+、Al(OH) 、が挙げられる。
負極活物質は、亜鉛イオンを含む化合物を含んでいてもよい。亜鉛イオンを含む化合物は、電解液中で解離してZn2+イオンを生成するものが好ましい。亜鉛イオンを含む化合物としては、ZnCl、ZnSO、Zn(NO、Zn(OCOCH、ZnI、ZnBr、Zn(OH)、ZnO等が挙げられる。
負極活物質は、リチウムイオンを含む化合物を含んでいてもよい。リチウムイオンを含む化合物としては、LiPF、LiClO、LiBF、LiClF、LiAsF、LiSbF、LiAlO、LiAlCl、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO、LiCl、LiI等が挙げられる。
負極活物質は、ナトリウムイオンを含む化合物を含んでいてもよい。ナトリウムイオンを含む化合物としては、NaPF、NaClO、NaBF、NaCl、NaI、NaBr、NaNO等が挙げられる。
負極活物質は、マグネシウムイオンを含む化合物を含んでいてもよい。マグネシウムイオンを含む化合物としては、MgCl、MgSO、Mg(NO、Mg(OCOCH、MgI、MgBr、Mg(OH)等が挙げられる。
負極活物質は、アルミニウムイオンを含む化合物を含んでいてもよい。アルミニウムイオンを含む化合物としては、AlCl、Al(SO、Al(NO、Al(OCOCH、AlI、AlBr、Al(OH)、LiAlO、LiAlCl等が挙げられる。
負極活物質は、カルシウムイオンを含む化合物を含んでいてもよい。カルシウムイオンを含む化合物としては、CaCl、CaSO、Ca(NO、Ca(OCOCH、CaI、CaBr、Ca(OH)等が挙げられる。
負極活物質は、クロムイオンを含む化合物を含んでいてもよい。クロムイオンを含む化合物としては、CrCl、Cr(SO)、Cr(OCOCH、CrI、CrBr3、CrCl、CrSO、Cr(OCOCH、CrI、CrBr2、Cr(OH)等が挙げられる。
負極活物質は、鉄イオンを含む化合物を含んでいてもよい。鉄イオンを含む化合物としては、FeCl、FeSO、Fe(NO、Fe(OCOCH、FeI、FeBr、Fe(OH)等が挙げられる。
(正極活物質)
本開示にて用いる正極活物質は、ヨウ素及びヨウ素イオンの少なくとも一方を含むものであればよい。また、本開示の電解液は、ヨウ素及びヨウ素イオン以外の正極活物質を含んでいてもよい。より具体的には、本開示の電解液は、塩化物イオン、臭化物イオン、塩素、臭素等を含んでいてもよい。
ヨウ素及びヨウ素イオンの少なくとも一方を含む電解液は、例えば、ヨウ素イオンを含む化合物等を水に溶解又は分散して調製できる。
ヨウ素イオンを含む化合物としては特に制限はなく、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化ルビジウム、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化亜鉛等の無機化合物、アンモニウムヨージド、イミダゾリウムヨージド等の有機化合物などが挙げられる。ヨウ素イオンを含む化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(その他の液状媒体)
電解液は、水以外のその他の液状媒体を含んでいてもよく、親水性イオン液体、水及びその他の液状媒体を含む液体に活物質が溶解又は分散されたものであってもよい。
その他の液状媒体とは、室温(25℃)において液体の状態の媒体をいう。液状媒体としては、活物質を分散又は溶解可能な媒体であれば特に制限されない。
その他の液状媒体としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等のケトン系溶剤;ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル、テトラプロピレングリコールジメチルエーテル、テトラプロピレングリコールジエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチルエチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、テトラプロピレングリコールメチル−n−ヘキシルエーテル等のエーテル系溶剤;プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸2−(2−ブトキシエトキシ)エチル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸ジエチレングリコールメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリエチレングリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、エチレングリコールメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等のエステル系溶剤;アセトニトリル、N−メチルピロリジノン、N−エチルピロリジノン、N−プロピルピロリジノン、N−ブチルピロリジノン、N−ヘキシルピロリジノン、N−シクロヘキシルピロリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、sec−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、sec−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、sec−ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec−テトラデシルアルコール、sec−ヘプタデシルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールモノエーテル系溶剤;α−テルピネン、ミルセン、アロオシメン、リモネン、ジペンテン、α−ピネン、β−ピネン、ターピネオール、カルボン、オシメン、フェランドレン等のテルペン系溶剤などが挙げられる。その他の液状媒体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(非イオン性界面活性剤)
電解液は、更に非イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。電解液が非イオン性界面活性剤を含むことにより、充放電反応における電極の金属析出過程において、デンドライト状金属の生成をより好適に抑制できる傾向にある。この理由としては、電極の表面に非イオン性界面活性剤が吸着し、金属電析時の反応速度が制御され、局所的な金属の成長を抑制できるためと考えられる。
非イオン性界面活性剤は、デンドライト状金属の析出を抑制できるものであれば特に制限されない。非イオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、アルキルアルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルイミダゾリン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪族アルコールエトキシレート、オクチルフェノールエトキシレート及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。非イオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコール及びオクチルフェノールエトキシレートの少なくとも一方を含むことが好ましく、オクチルフェノールエトキシレートを含むことがより好ましい。
(支持電解質)
電解液は、更に支持電解質を含んでいてもよい。支持電解質は、電解液のイオン伝導率を高めるための助剤である。電解液が支持電解質を含むことで、電解液のイオン伝導率が高まり、二次電池の内部抵抗が低減する傾向にある。
また、親水性イオン液体自身も支持電解質として機能する。
支持電解質としては、電解液中で解離してイオンを形成する化合物であれば特に制限されない。支持電解質としては、HCl、HNO、HSO、HClO、NaCl、NaSO、NaClO、KCl、KSO、KClO、NaOH、LiOH、KOH、アルキルアンモニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩、アルキルピペリジニウム塩、アルキルピロリジニウム塩等が挙げられる。また、ヨウ素イオンを含む化合物等は、正極活物質と支持電解質とを兼ねていてもよい。これらの支持電解質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(pH緩衝剤)
電解液は、更にpH緩衝剤を含んでいてもよい。pH緩衝剤としては、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリス緩衝液等が挙げられる。
(導電材)
電解液は、更に導電材を含んでいてもよい。導電材としては、炭素材料、金属材料、有機導電性材料等が挙げられる。炭素材料及び金属材料は、例えば、粒子状であっても繊維状であってもよい。
炭素材料としては、活性炭(水蒸気賦活又はアルカリ賦活);アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛;カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンファイバー、ハードカーボン、ソフトカーボンなどが挙げられる。
金属材料としては、銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の粒子、繊維などが挙げられる。
有機導電性材料としては、ポリフェニレン誘導体等が挙げられる。
これらの導電材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電材としては、炭素材料粒子が好ましく、活性炭粒子がより好ましい。電解液が導電材として活性炭粒子を含むことで、活性炭粒子表面における電気二重層形成によるエネルギー貯蔵及び放出が可能となり、二次電池のエネルギー密度及び出力密度が向上する傾向にある。
負極活物質(好ましくは前述の金属及び前述の金属の化合物の合計、より好ましくは亜鉛及び亜鉛イオンを含む化合物の合計)の含有率は、電解液全量に対して、1質量%〜90質量%であることが好ましく、3質量%〜80質量%であることがより好ましく、5質量%〜70質量%であることが更に好ましい。活物質の含有率を1質量%以上とすることで、高容量で実用に適した二次電池が得られる傾向にある。また、活物質の含有率を90質量%以下とすることで、電解液中での溶解性又は分散性が良好なものとなる傾向にある。なお、負極電解液中における負極活物質の含有率の好ましい数値範囲も同様である。
正極活物質(好ましくは、ヨウ素及びヨウ素イオンを含む化合物の合計)の含有率は、電解液全量に対して1質量%〜90質量%であることが好ましく、3質量%〜80質量%であることがより好ましく、5質量%〜70質量%であることが更に好ましい。正極活物質の含有率を1質量%以上とすることで、高容量で実用に適した二次電池が得られる傾向にある。また、正極活物質の含有率を90質量%以下とすることで、電解液中での溶解性又は分散性が良好なものとなる傾向にある。なお、正極電解液中における正極活物質の含有率の好ましい数値範囲も同様である。
本開示の電解液は、親水性イオン液体と、水と、前述の負極活物質と、前述の正極活物質と、を含む正極電解液、及び、親水性イオン液体と、水と、前述の負極活物質と、前述の正極活物質と、を含む負極電解液であってもよい。このとき、正極と負極との間にセパレータは無くてもよく、正極電解液と負極電解液の組成が同じ一液系であってもよい。
あるいは、本開示の電解液は、親水性イオン液体と、水と、前述の正極活物質と、を含む正極電解液、及び、親水性イオン液体と、水と、前述の負極活物質と、を含む負極電解液であってもよい。このとき、正極と負極との間にセパレータが設けられていることが好ましい。
正極電解液と負極電解液の組成が同じ一液系である場合、金属イオンとヨウ素イオンの両方を含む塩、例えば、ヨウ化亜鉛を正極活物質及び負極活物質として用いることが好ましい。
(正極及び負極)
本開示の二次電池は、正極及び負極を備えていてもよい。正極は、正極活物質と酸化還元反応を行う電極であり、負極は、負極活物質と酸化還元反応を行う電極である。
正極及び負極としては、従来公知の電池(二次電池、フロー電池等)に用いられる正極及び負極を用いてもよい。
正極及び負極としては、使用する電位範囲において電気化学的に安定な材質を用いることが好ましい。正極及び負極の形状としては、特に制限されず、メッシュ、多孔体、パンチングメタル、平板等が挙げられる。正極及び負極としては、カーボンフェルト、グラファイトフェルト、カーボンペーパー等の炭素電極;カーボンブラックとバインダを用いて平板としたカーボンプラスチック電極;ステンレス鋼、アルミニウム、銅、亜鉛、チタン、ニッケル等の金属又は合金からなる金属板、金属メッシュ等の金属電極;などが挙げられる。中でも、正極は炭素電極であることが好ましく、負極はニッケル電極であることが好ましい。
また、ガラス基材上又は高分子基材上に、InSnO、SnO、In、ZnO等の導電材、フッ素ドープ酸化錫(SnO:F)、Sbドープ酸化錫(SnO:Sb)、Snドープ酸化インジウム(In:Sn)、Alドープ酸化亜鉛(ZnO:Al)、Gaドープ酸化亜鉛(ZnO:Ga)等の不純物がドープされた導電材などを含む少なくとも1つの層を形成した積層体を、正極及び負極として用いることもできる。
正極及び負極の少なくとも一方は、それらの表面積を増やすため、多孔質電極であってもよく、カーボンプラスチック電極、金属電極の表面にカーボンフェルト、グラファイトフェルト等を配置したものであってもよい。また、正極及び負極の少なくとも一方に電解液が透過可能な孔が設けられ、この孔を介して電子の授受が行われるようにしてもよい。
負極は、正極よりも鉛直上方側に配置されていてもよい。
還元状態(放電状態)のヨウ化物イオン(I)が酸化(充電)されてI 、I、I などとなると、詳細なメカニズムは不明であるが、I 、I、I と親水性イオン液体の錯体(又はイミダゾリウムイオン等のカチオン及びI からなる塩)が液下部に溜まる。このため、負極は正極よりも上側に配置することにより、セパレータを設けていない場合であっても、正極における充電生成物(I 、I及びI を含む充電生成物)が負極に触れることが抑制される傾向にある。
一方、負極側では、酸化状態(放電状態)の金属イオンが還元(充電)されて生成される金属が負極上に堆積するため、セパレータを設けていない場合であっても、負極における充電生成物である金属が正極に触れることが抑制される傾向にある。
以上のように、セパレータを設けていない場合であっても、二次電池の充放電反応が好適に生じるため、セパレータのコストを減らしたり、セパレータ起因の抵抗を下げたりすることができると考えられる。
負極が正極よりも上側に配置されている二次電池の構成を図1に示す。図1は、本開示の二次電池における電池セルの一例を示す概略構成図である。図1に示すように、電池セル1の下部に正極2、上部に負極3が配置されており、電池セル1内に電解液4が貯留されている。また、電池セル1は、電解液4を撹拌するための攪拌機5を備えている。この構成により、セパレータを設けていない場合であっても、正極2における充電生成物(I 、I及びI を含む充電生成物)が負極3に触れることが抑制され、負極3における充電生成物である金属が正極2に触れることが抑制される傾向にある。
(セパレータ)
本開示の二次電池は、正極と負極との間にセパレータを備えていてもよい。なお、本開示の二次電池では、セパレータは必須の構成ではない。
セパレータとしては、二次電池の使用条件に耐え得る膜であれば特に制限されず、イオン伝導性高分子膜、イオン伝導性固体電解質膜、ポリオレフィン多孔質膜、セルロース多孔質膜等が挙げられる。
イオン伝導性高分子膜としては、例えば、カチオン交換膜及びアニオン交換膜が挙げられる。市販のカチオン交換膜としては、例えば、商品名Nafion(アルドリッチ社)及び商品名Fumasep(Fumatech社)が挙げられ、市販のアニオン交換膜としては、例えば、商品名セレミオン(旭硝子株式会社)及びネオセプタ(アストム社)が挙げられる。
本開示の二次電池は、電解液を貯留する貯留部と、正極及び負極と貯留部との間で電解液を循環させる送液部と、を更に備える電池(以下、フロー電池ともいう。)であってもよい。
(貯留部)
フロー電池は、電解液を貯留する貯留部を備える。貯留部は、電解液を貯留する構成であればよく、例えば、前述の正極電解液を貯留する正極電解液貯留部と、前述の負極電解液を貯留する負極電解液貯留部とを備える構成であってもよい。貯留部としては、例えば、貯留タンクが挙げられる。
(送液部)
フロー電池は、正極及び負極と貯留部との間で電解液を循環させる送液部を備える。貯留部が正極電解液貯留部及び負極電解液貯留部を備える場合、正極電解液貯留部に貯留された正極電解液が送液部を通じて正極が配置された活物質反応槽(電池セル)に供給され、負極電解液貯留部に貯留された負極電解液が送液部を通じて負極が配置された活物質反応槽に供給される構成であってもよい。
フロー電池では、送液部は例えば、正極及び負極が配置された活物質反応槽と貯留部との間で電解液を循環させる循環経路及び送液ポンプを備えていてもよい。また、貯留部が正極電解液貯留部及び負極電解液貯留部を備える場合、正極電解液及び負極電解液を循環させる循環経路及び送液ポンプを備えていてもよい。
活物質反応槽と貯留部との間で循環させる電解液の量、例えば、活物質反応槽と貯留部との間で循環させる正極電解液の量及び活物質反応槽と貯留部との間で循環させる負極電解液の量は、送液ポンプを用いて適宜調整すればよく、例えば、電池スケールに応じて適宜設定することができる。
(第1実施形態のフロー電池)
図2は、第1実施形態のフロー電池を示す概略構成図である。フロー電池は、負極6と、正極7と、正極7及び負極6を隔てるセパレータ8と、各電極と電子の授受を行う双極板9と、双極板9と接触した集電板10と、を備えるフロー電池セルを備える。さらに、図2におけるフロー電池は、フロー電池セルとともに、正極電解液11aを貯留する正極電解液貯留部12aと、負極電解液11bを貯留する負極電解液貯留部12bと、送液ポンプ13と、循環経路14と、電源15と、外部負荷16と、を備える。フロー電池では、正極電解液11aは、循環経路14を通り、正極電解液貯留部12aに貯留される。また、負極電解液11bは、循環経路14を通り、負極電解液貯留部12bに貯留される。このようにして、充放電反応中には、正極電解液11a及び負極電解液11bが、送液ポンプ13を作動させることで、それぞれ正極7及び負極6内に流通し、正極電解液貯留部12a及び負極電解液貯留部12bに再び戻ってくるサイクルを繰り返す。充放電を行う際の制御部(図示せず)による電気的な制御は、電源15及び外部負荷16を用いて行われる。
(第2実施形態のフロー電池)
図3は、第2実施形態のフロー電池を示す概略構成図である。図3に示すフロー電池では、セパレータを備えていないセパレータフリーのフロー電池である。また、第2実施形態のフロー電池は、セル下部に正極(図示せず)、セル上部に負極(図示せず)が配置されている。
第2の実施形態のフロー電池では、電解液の循環をセル下部とセル上部に分けて行う。Iが充電されてI、I 、I 等になると、セル下部に電解液17a(正極電解液11a)として溜まる。また、電解液17b(負極電解液11b)は亜鉛イオンを含み、電解液17aもIを含む限り、充電できる。正極における充電生成物I、I 等は負極に触れにくいため、セパレータがなくても自己放電が抑制される傾向にある。また、第2の実施形態のフロー電池は、セパレータを備えていてもよい。
(第3実施形態のフロー電池)
図4は、第3実施形態のフロー電池を示す概略構成図である。図4に示すフロー電池のように、電解液の循環をセル下部とセル上部に分けて行わず、一液電解液11cを用い、一つの貯留部12cにしてもよい。第3実施形態のフロー電池においても、正極における充電生成物であるI、I 、I 等がセル下部に溜まり、負極に触れにくいため、セパレータがなくても自己放電が抑制される傾向にある。
[二次電池用電解液]
本開示の二次電池用電解液は、親水性イオン液体と、水と、金属及び前記金属のイオンの少なくとも一方を含む負極活物質と、ヨウ素及びヨウ素イオンの少なくとも一方を含む正極活物質と、を含む。二次電池用電解液に含まれる各成分は、前述の本開示の電解液と同様である。
本開示の二次電池用電解液を二次電池に用いることにより、デンドライト状金属の析出を抑制でき、二次電池の使用時間を長時間化することができる。
[二次電池用電解液の製造方法]
本開示の二次電池用電解液の製造方法は、親水性イオン液体を構成するカチオンを含む化合物と、親水性イオン液体を構成するアニオンを含む化合物と、を混合し、親水性イオン液体を生成する生成工程と、得られた前記親水性イオン液体に、金属のイオン及びヨウ素イオンを溶解させる溶解工程と、を含む。
(生成工程)
生成工程は、親水性イオン液体を構成するカチオンを含む化合物と、親水性イオン液体を構成するアニオンを含む化合物と、を混合し、親水性イオン液体を生成する工程である。
親水性イオン液体を構成するカチオンを含む化合物としては、前述の親水性イオン液体を構成するカチオンを含むものであれば特に限定されず、例えば、イミダゾール化合物、より具体的には、メチルイミダゾールを含むことが好ましい。
親水性イオン液体を構成するアニオンを含む化合物としては、前述の親水性イオン液体を構成するアニオンを含むものであれば特に限定されず、例えば、アルキルハライド及びアリルハライドから選ばれる少なくとも1種のハライド化合物、より具体的には、エチルヨージド、エチルクロリド、アリルクロリド、及びアリルヨージドから選ばれる少なくとも1種のハライド化合物を含むことが好ましい。
親水性イオン液体を構成するカチオンを含む化合物と、親水性イオン液体を構成するアニオンを含む化合物と、を混合する際、両方の化合物がともに共に室温で液体であれば溶媒を用いなくてもよい。溶媒を用いる場合、アセトニトリル等を用いればよい。
(溶解工程)
溶解工程は、生成工程にて得られた親水性イオン液体に、金属のイオン及びヨウ素イオンを溶解させる工程である。例えば、金属のイオンとしては、前述の通りであり、具体的には、亜鉛イオンを含む化合物等の金属のイオンを含む化合物を親水性イオン液体に溶解させてもよい。また、前述のヨウ素イオンを含む化合物を親水性イオン液体に溶解させてもよい。
溶解工程では、水と親水性イオン液体とを混合した液体に金属のイオン及びヨウ素イオンを溶解させてもよく、親水性イオン液体に金属のイオン及びヨウ素イオンを溶解させて得た混合液に水を加えてもよく、水に金属のイオン及びヨウ素イオンを溶解させて得た混合液に親水性イオン液体を加えてもよい。
二次電池用電解液の製造する際、必要に応じて混合液の加熱を行ってもよい。
本開示の二次電池用電解液の製造方法では、生成工程及び溶解工程をワンポットで行ってもよい。ワンポットとはひとつの容器で連続的に合成するという意味である。
具体的には、例えば、メチルイミダゾールとアルキルハライドとを混合して親水性イオン液体を生成し、生成した親水性イオン液体と水とを混合し、その後、ヨウ素イオンを含む化合物と亜鉛イオンを含む化合物とを混合液に加えて金属のイオン及びヨウ素イオンを混合液に溶解させることにより二次電池用電解液をワンポットで合成できる。このように二次電池用電解液をワンポットで合成することにより、コストを削減することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(電解液1の調製)
ジアリルイミダゾールヨージドは文献(Journal of Power Sources 195 (2010) 7471-7479)の方法を基に合成した。具体的には、1M(mol/L)アリルイミダゾール(和光純薬工業株式会社)と1Mアリルヨージド(和光純薬工業株式会社)とをガラス溶液中に加え、撹拌子で100rpmで撹拌しながら、50℃にて10時間反応させた。その後、室温まで冷却し、ジアリルイミダゾリウムヨージドを得た。次に、ジアリルイミダゾリウムヨージド100mLと精製水100mLとを混合し、混合液にヨウ化亜鉛(和光純薬工業株式会社)を4.5Mとなるように混合し、溶解させ、電解液1を調製した。
電解液1を−40℃にて5時間保管後も、沈殿物は確認できず、また、電解液1の凝固も確認できなかった。
(亜鉛電析実験)
前述のようにして調製した電解液1を用い、−1.3V(Ag/AgCl参照電極に対する電位)にて、亜鉛電極(面積:1cm、厚さ:0.25mm)に亜鉛を60分間電析させた。図5に、亜鉛が電析した亜鉛電極の写真を示す。図5に示すように、亜鉛電極上に平滑で強固な亜鉛が電析された。
(二次電池の作製及び電池特性)
正極にカーボンペーパー(東レ株式会社、φ2.5mm)、負極にニッケルフォーム(厚さ1.7mm、住友電気工業株式会社、セルメット、2cm×5cmを折りたたんだもの)を用い、かつグラッシーカーボン製のセルを用いた。セルの下部にカーボンペーパー5枚を置き、カプトンテープで絶縁したネオジム磁石5mm×10cm×10cmをカーボンペーパーに置いた。セルをSUS板の上に乗せ、カーボンペーパーとグラッシーカーボンとの間の接触抵抗を減らした。ニッケルフォームとセルはカプトンテープで絶縁した。ニッケルフォームの先端は、セルの上部側の面から約1.5cmとした。30mLの電解液1をセル内に入れた。以上のようにして二次電池を作製した。
次に、作製した二次電池の電池特性を評価した。充放電試験装置としては、Biologic−BCS−815(Biologic社)を用いた。電池試験は25℃にて行った。電流値は40mA(10mA・cm−2)にて0.5V〜2.2Vにて充放電を行った。1サイクル目の放電容量は3.5Ahであった。50サイクル後の放電容量維持率([50サイクル目放電容量/1サイクル目放電容量]×100)は98%であり、セパレータがないセル構造にて優れた電池特性を示した。
図6に充電後の電解液の外観写真を示す。図6に示すように、電解液の下部にIの充電生成物が生成したことを確認した。
前述のようにして別の二次電池を作製し、作製した二次電池を−20℃に2時間保管後、同温度にて電池試験した。1サイクル目の放電容量は2.5Ahであり、25℃における放電容量の約71%であった。
[実施例2]
ジアリルイミダゾリウムヨージドの代わりに1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(和光純薬工業株式会社)を用いて電解液2を調製した以外は実施例1と同様に実験を行った。
電解液2を−40℃にて5時間保管後も、沈殿物は確認できず、また、電解液2の凝固も確認できなかった。
1サイクル目の放電容量は2.9Ahであった。50サイクル後の放電容量維持率は99%であり、セパレータがないセル構造にて優れた電池特性を示した。
−20℃における1サイクル目の放電容量は1.9Ahであり、25℃における放電容量の約66%であった。
[実施例3]
ジアリルイミダゾリウムクロリドの代わりに1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(和光純薬工業株式会社)を用いて電解液3を調製した以外は実施例1と同様に実験を行った。
電解液3を−40℃にて5時間保管後も、沈殿物は確認できず、また、電解液3の凝固も確認できなかった。
1サイクル目の放電容量は2.7Ahであった。50サイクル後の放電容量維持率は100%であり、セパレータがないセル構造にて優れた電池特性を示した。
[実施例4]
(電解液4の調製)
1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロリド40mLと精製水60mLとを混合し、混合液にヨウ化亜鉛(和光純薬工業株式会社)を4.5Mとなるように混合し、溶解させ、電解液4を調製した。電解液1の代わりに電解液4を調製した以外は実施例1と同様に実験を行った。
電解液4を−40℃にて5時間保管後も、沈殿物は確認できず、また、電解液4の凝固も確認できなかった。
1サイクル目の放電容量は2.7Ahであった。50サイクル後の放電容量維持率は100%であり、セパレータがないセル構造にて優れた電池特性を示した。
−20℃における1サイクル目の放電容量は1.7Ahであり、25℃における放電容量の約63%であった。
[実施例5]
(電解液5の調製)
メチルプロピルピペリジニウムクロリド50mLと精製水50mLとを混合し、混合液にヨウ化亜鉛(和光純薬工業株式会社)を4.5Mとなるように混合し、溶解させ、電解液5を調製した。電解液1の代わりに電解液5を調製した以外は実施例1と同様に実験を行った。
電解液5を−40℃にて5時間保管後も、沈殿物は確認できず、また、電解液5の凝固も確認できなかった。
1サイクル目の放電容量は2.6Ahであった。50サイクル後の放電容量維持率は95%であり、セパレータがないセル構造にて優れた電池特性を示した。
−20℃における1サイクル目の放電容量は1.8Ahであり、25℃における放電容量の約69%を保持した。
[実施例6]
(電解液6の調製)
メチルプロピルピペリジニウムクロリド30mLと精製水70mLとを混合し、混合液にヨウ化亜鉛(和光純薬工業株式会社)を4.5Mとなるように混合し、溶解させ、電解液6を調製した。電解液1の代わりに電解液6を調製した以外は実施例1と同様に実験を行った。
電解液6を−40℃にて5時間保管後も、沈殿物は確認できず、また、電解液6の凝固も確認できなかった。
1サイクル目の放電容量は2.3Ahであった。50サイクル後の放電容量維持率は95%であり、セパレータがないセル構造にて優れた電池特性を示した。
−20℃における1サイクル目の放電容量は1.1Ahであり、25℃における放電容量の約48%を保持した。
[フロー電池の評価]
実施例1にて調製した電解液1を正極電解液及び負極電解液として用いて自作の試験用セルを作製し、この試験用セルを用いて、フロー電池の特性を評価した。具体的には、ガスケットとしてエチレンプロピレンゴム製ガスケットを、正極としてカーボンフェルト(東洋紡株式会社、商品名「XF30A」、面積:5cm、厚さ:4.3mm)及びカーボンプラスチック(昭和電工株式会社)を備える電極を、負極としてニッケルフォーム(住友電気工業株式会社)及び亜鉛ホイル(厚さ:0.25mm、シグマ・アルドリッチ社)を備える電極を、セパレータとしてナフィオン212(シグマ・アルドリッチ社)をそれぞれ用いた。
正極電解液20mL及び負極電解液20mLをそれぞれ約7mL・min−1にて循環させた。充放電試験装置としては、Biologic−BCS−815(Biologic社)を用いた。電流値は50mA(10mA・cm−2)にて0.5V〜2.2Vにて充放電を行った。
1サイクル目の放電容量は2.4Ahであった。50サイクル後の放電容量維持率は95%であり、セパレータがないセル構造にて優れた電池特性を示した。
[比較例1]
(電解液7の調製)
1−アリル−3−メチルイミダゾリウムクロリド(和光純薬工業株式会社)100mLに、ヨウ化亜鉛(和光純薬工業株式会社)を4.5Mとなるように混合し、溶解させ、電解液7を調製した。電解液1の代わりに電解液7を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。
電解液7を−40℃にて5時間保管後も、沈殿物は確認できず、また、電解液7の凝固も確認できなかった。
(亜鉛電析実験)
前述のようにして電解液7を用い、−1.3V(Ag/AgCl参照電極に対する電位)にて、亜鉛電極(面積:1cm、厚さ:0.25mm)に亜鉛を10分間電析させた。図7に、亜鉛が電析した亜鉛電極の写真を示す。図7に示すように、亜鉛電極のエッジが平滑でなく、亜鉛がデンドライト成長したと考えられる。
1サイクル目の放電容量は0.004Ahであった。電解液7は水を実質的に含んでいないため、粘度が高く、活物質イオンの拡散が遅くなり、電池として十分に機能しなかったと考えられる。
[比較例2]
(電解液8の調製)
水に、ヨウ化亜鉛(和光純薬工業株式会社)を4.5Mとなるように混合し、溶解させ、電解液8を調製した。電解液1の代わりに電解液8を用いた以外は実施例1と同様に実験を行った。
電解液8を−40℃にて5時間保管後も、沈殿物は確認できなかったが電解液8が凝固した。
1サイクル目の放電容量は2.9Ahであった。12サイクル目に電池がショートした。電池セルを確認したところ、亜鉛電極にてデンドライトが成長し、正極と負極がショートしたことが確認された。
−20℃における放電容量は0.0001Ahであり、−20℃では放電できなかった。また充電容量も0.0001Ahであり、−20℃では充電できなかった。
1 電池セル
2 正極
3 負極
4 電解液
5 攪拌機
6 負極
7 正極
8 セパレータ
9 双極板
10 集電板
11a 正極電解液
11b 負極電解液
11c 一液電解液
12a 正極電解液貯留部
12b 負極電解液貯留部
12c 貯留部
13 送液ポンプ(送液部)
14 循環経路
15 電源
16 外部負荷
17a I、I 、I 等を豊富に含む電解液
17b 亜鉛イオンを含む電解液

Claims (17)

  1. 親水性イオン液体と、水と、金属及び前記金属のイオンの少なくとも一方を含む負極活物質と、ヨウ素及びヨウ素イオンの少なくとも一方を含む正極活物質と、を含む電解液と、を備える二次電池。
  2. 前記親水性イオン液体を構成するカチオンが、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピロリウムイオン、オキサゾリウムイオン、オキサゾリニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ホスホニウムイオン、及びスルホニウムイオンから選ばれる少なくとも1種のカチオンを含む請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記親水性イオン液体を構成するアニオンが、塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1又は請求項2に記載の二次電池。
  4. 前記親水性イオン液体と前記水との体積比率(親水性イオン液体:水)が90:10〜20:80である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の二次電池。
  5. 前記親水性イオン液体と前記水との体積比率(親水性イオン液体:水)が70:30〜25:75である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の二次電池。
  6. 前記親水性イオン液体と前記水との体積比率(親水性イオン液体:水)が50:50〜30:70である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の二次電池。
  7. 前記親水性イオン液体を構成するカチオンがアリル基を有するイミダゾリウムイオンを含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の二次電池。
  8. 前記親水性イオン液体を構成するカチオンは、エチルメチルイミダゾリウムイオン、プロピルメチルイミダゾリウムイオン、ブチルメチルイミダゾリウムイオン、アリルメチルイミダゾリウムイオン、アリルメチルピロリジニウムイオン、メチルプロピルピロリジニウムイオン、ブチルトリメチルアンモニウムイオン及びジアリルイミダゾリウムイオンから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の二次電池。
  9. 前記金属は、Zn、Li、Na、Mg、Al、Ca、Cr及びFeから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の二次電池。
  10. 正極及び負極を更に備える請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の二次電池。
  11. 前記正極である炭素電極及び前記負極であるニッケル電極の少なくとも一方を含む請求項10に記載の二次電池。
  12. 前記正極及び前記負極の少なくとも一方が、多孔質電極である請求項10又は請求項11に記載の二次電池。
  13. 前記電解液を貯留する貯留部と、前記正極及び前記負極と前記貯留部との間で前記電解液を循環させる送液部と、を更に備えるフロー電池である請求項10〜請求項12のいずれか1項に記載の二次電池。
  14. 親水性イオン液体と、水と、金属及び前記金属のイオンの少なくとも一方を含む負極活物質と、ヨウ素及びヨウ素イオンの少なくとも一方を含む正極活物質と、を含む二次電池用電解液。
  15. 親水性イオン液体を構成するカチオンを含む化合物と、親水性イオン液体を構成するアニオンを含む化合物と、を混合し、親水性イオン液体を生成する生成工程と、
    得られた前記親水性イオン液体に、金属のイオン及びヨウ素イオンを溶解させる溶解工程と、
    を含む二次電池用電解液の製造方法。
  16. 前記生成工程及び前記溶解工程をワンポットで行う請求項15に記載の二次電池用電解液の製造方法。
  17. 前記親水性イオン液体を構成するカチオンを含む化合物は、イミダゾール化合物を含み、
    前記親水性イオン液体を構成するアニオンを含む化合物は、アルキルハライド及びアリルハライドから選ばれる少なくとも1種のハライド化合物を含む請求項15又は請求項16に記載の二次電池用電解液の製造方法。
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