JP2019053206A - 光学用積層体および表示装置 - Google Patents

光学用積層体および表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】青色光をカットし、外観に優れ、他の機能も兼ね備えた光学用積層体と当該光学用積層体を備えた表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置の表示面側に配置して使用される光学用積層体5であって、前記光学用積層体5は、透明基材シート1と、当該透明基材シート1の一方の面側に存在する機能性層2と、当該透明基材シート1の他方の面側に存在する青色光カット層3と、当該青色光カット層3の外側に存在する粘着層4とを有し、前記青色光カット層3は、平均粒径30〜150nmの無機粒子を1〜5質量%含有し、波長450nmの光をカットすることを特徴とする光学用積層体5であり。また、当該光学用積層体5を備えた表示装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学用積層体および当該光学用積層体を備えた表示装置に関するものである。
近年、液晶方式や有機EL方式などのフラットパネルディスプレイ、看板、道路標識などの案内表示ディスプレイ等、様々な表示装置が用いられている。さらに、パーソナルコンピューター(PC)、携帯端末、携帯ゲーム機器などのフラットパネルディスプレイには、表示装置の表示面を保護するために保護シートが貼付される。
フラットパネルディスプレイの表示面には薄いガラス基材が用いられることがある。そのため、このようなガラス基材に貼付される保護シートには、高硬度性、低反射性、防眩性(アンチグレア)、耐傷付き性等の機能を有する光学用シートが好ましく用いられる。
ところで、近年、青色光(ブルーライト)が引き起こす健康上の障害が問題となってきている。青色光とは、可視光線の中でも波長が380〜500nmの短波長で高エネルギーの光を指し、バックライトにLED等を使う表示装置から多く発せられている。PCを使用した長時間の作業中などに、肉眼が青色光に長時間さらされると、睡眠障害、眼精疲労、ドライアイ、肩こり、頭痛などの原因になる場合があると言われている。
特許文献1には、特定の化学構造を有するブルーライト吸収剤を含有した紫外線硬化型の樹脂組成物とそれを用いた積層体が開示されている。当該積層体は、電子表示装置に使用されるものである。
特許文献2には、有機系紫外線吸収剤、有機系赤外線吸収剤及びこれらと相溶するバインダー樹脂からなる薄膜を積層して、可視光線を選択的に透過し、不用な紫外線及び赤外線を遮断する効果のある光線選択透過性フィルムが開示されている。
特許第5459446号公報 特開平5−42622号公報
特許文献1に記載の発明は、紫外線硬化型の樹脂組成物を用いて形成される層が、ブルーライトカット機能とともに高硬度性の機能を併せ持っているため、ブルーライトカット機能に制約が生じることとなり、さらに他の機能を付与することが困難である。また、特許文献2に記載の発明は、ガラス面に密着、接着させて使用したときに、高硬度等の他の機能をさらに付与することが困難なものである。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、青色光をカットし、外観に優れ、他の機能も兼ね備えた光学用積層体と当該光学用積層体を備えた表示装置を提供することを課題としている。ここで、青色光のカットとは、青色光の透過量を低減させることを意味する。また、他の機能とは、高硬度性、低反射性、防眩性および耐傷付き性のいずれか1つ以上の機能を意味している。
本発明者らは、上記の課題を解消するために検討を重ねた。その結果、青色光カット層と他の機能を有する層とを分離することによって、他の機能を有する層の機能性を害することがなく、他の機能を有する層の切り替えも容易に行うことができることを見出した。また、青色光カット層にナノサイズの無機微粒子を含有させることによって、透明性を害することなく、外観に優れ、密着性の向上を図ることが可能となることを見出した。
本発明は、上記のような知見を基に、完成するに至ったものである。即ち、本発明は以下のような構成を有している。
(1)本発明の光学用積層体は、表示装置の表示面側に配置して使用される光学用積層体であって、前記光学用積層体は、透明基材シートと、当該透明基材シートの一方の面側に存在する機能性層と、当該透明基材シートの他方の面側に存在する青色光カット層と、当該青色光カット層の外側に存在する粘着層とを有し、前記青色光カット層は、平均粒径30〜150nmの無機粒子を1〜5質量%含有し、波長450nmの光をカットすることを特徴としている。
(2)本発明の光学用積層体は、前記青色光カット層が、波長450nmの光の分光透過率を5%以上低減させることが好ましい。
(3)本発明の光学用積層体は、前記青色光カット層が、波長が380〜500nmの青色光を吸収する染料または顔料を1〜10%質量%含有することが好ましい。
(4)本発明の光学用積層体は、前記無機粒子がシリカを主成分とすることが好ましい。
(5)本発明の光学用積層体は、前記機能性層および前記青色光カット層が、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂を主成分とする層であることが好ましい。
(6)本発明の光学用積層体は、前記粘着層が、アクリル系またはシリコーン系の粘着剤を主成分とすることが好ましい。
(7)本発明の表示装置は、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の光学用積層体を備えている。
本発明の光学用積層体および当該光学用積層体を備えた表示装置は、青色光をカットし、外観に優れ、他の機能も兼ね備えている。
本発明の実施形態の構成を示す模式的断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、具体的な実施形態例を挙げつつ説明する。但し、本発明の実施形態は、以下の実施形態のみに限定されるものではない。
本実施形態の光学用積層体は、表示装置の表示面側に配置して使用されるものである。表示装置は、パーソナルコンピューター(PC)、携帯端末、携帯ゲーム機器、薄型テレビ、広告用・情報表示用ディスプレイなど、各種用途に用いられている。表示装置の表示面は、平面だけではなく、曲面となったものでもよい。
[光学用積層体の構成]
本実施形態の光学用積層体の構成を図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態の構成を示す模式的断面図である。図1の光学用積層体5は、透明基材シート1の一方の面に機能性層2、透明基材シート1の他方の面に青色光カット層3、青色光カット層3の外側に粘着層4を有している。
光学用積層体5は、粘着層4を介して、表示装置の表示面側のガラス基材6に配置して使用される。
本実施形態の光学用積層体5を構成する各層を形成する材料について、以下詳細に説明する。
(透明基材シート1)
透明基材シート1を形成する材料は、有機系材料であっても無機系材料であってもよい。
有機系材料としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ナイロン系樹脂、ウレタン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂が好ましい。さらに、透明性、耐候性、耐溶剤性、剛性、コスト等の観点から、ポリエチレンテレフタレートを用いることがより好ましい。透明基材シート1は、2種類以上の有機系材料を混合して形成されていてもよい。また、透明基材シート1は、2種類以上の有機系材料を積層して形成されていてもよい。
無機系材料としては、例えば、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス、強化ガラス(アルミノケイ酸塩ガラス)等が挙げられる。これらの中では、強化ガラス(アルミノケイ酸塩ガラス)が好ましい。
透明基材シート1には、本発明の特性を害さない範囲で各種添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、有機粒子、無機粒子、顔料、染料、帯電防止剤、核剤、カップリング剤等が挙げられる。
透明基材シート1は、機能性層2や青色光カット層3との密着性を向上させるために、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、例えば、サンドブラスト処理や溶剤処理等の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等の表面酸化処理などが挙げられる。
透明基材シート1の厚さは、光学用積層体としての機械的強度、形態安定性の確保の観点から、50〜250μmであることが好ましい。より好ましくは、100〜200μmである。
(機能性層2)
本実施形態の機能性層2とは、透明基材シート1の一方の面に設けられ、光学用積層体5に機能性を付与するための層である。光学用積層体5は表示装置の表示面側に配置して使用されることから、光学用積層体5における機能性は、当該表示装置の表示面に対して付与されることとなる。
ここで、機能性とは、高硬度性、低反射性、防眩性および耐傷付き性のいずれか1つ以上の機能性を意味している。以下、それぞれの機能性について説明する。個々の機能性を有した機能性層2はいずれも、適宜、公知の知見に基づいて形成することができる。
高硬度性とは、表面硬度が高いことであり、光学用積層体に対して、外力から表面形態を保護したり、機械的強度を付与するという特性である。また、高硬度性を有する機能性層2は、皮脂や化粧品等に対する防汚性、指滑り性、撥水性等を光学用積層体5の表面に付与することができる。高硬度性を付与するためには、通常、後記する硬化型樹脂を用いて層を形成する方法等を用いることができる。
低反射性とは、可視光線の鏡面反射率が低いことであり、光学用積層体5の表面における反射光を低減させるという特性である。低反射性を付与するためには、屈折率の異なる層を用いて多層構造を形成する方法や微粒子を添加して層表面に凹凸を形成する方法等を用いることができる。
防眩性とは、ギラギラせず、まぶしくないという特性であり、光学用積層体5の表面をぎらつかせないようにするものである。防眩性を付与するためには、微粒子を添加して層表面に凹凸を形成する方法等を用いることができる。
耐傷付き性とは、外力によって表面に傷が付かないようにするという特性である。耐傷付き性を付与するためには、後記する硬化型樹脂を用いて層を形成する方法や表面平滑剤を添加する方法等を用いることができる。
機能性層2は、耐久性や耐熱性の観点から、硬化型樹脂から構成されることが好ましい。硬化型樹脂は、活性エネルギー線硬化型であっても熱硬化型であってもよいが、製造時における物性の均一性や生産性の観点から、活性エネルギー線硬化型であることが好ましい。活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、γ線等の高エネルギー線のことをいう。これらの中では、紫外線が安全性、操作性、コスト等の面から望ましい。
機能性層2に用いられる硬化型樹脂は、活性エネルギー線硬化型の樹脂であれば、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。また、熱硬化型樹脂であれば、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。これらの中では、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂が硬度、耐久性、取扱性の観点から好ましい。
硬化型のアクリル系樹脂とは、アクリル系の重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマーからなる硬化型重合体の組成物である。アクリル系の重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマーとしては、単官能のものと多官能のものがある。
アクリル系の重合性不飽和基を有する単官能のモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸n−ウンデシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、アクリル系の重合性不飽和基を有する単官能のオリゴマーの具体例としては、エトキシ化o-フェニルフェノールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート等が挙げられる。
アクリル系の重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマーからなる組成物が硬化型となるためには、アクリル系の重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマーとして、多官能(メタ)アクリル酸エステルを有していることが好ましい。多官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能の(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリル酸エステルは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
機能性層2に用いられる硬化型樹脂としては、硬度を確保するために、4官能以上の(メタ)アクリル酸エステルを使用することが好ましい。
活性エネルギー線硬化型または熱硬化型のアクリル系硬化型樹脂とするためには、上記の重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマーに、重合開始剤を加えて、活性エネルギー線硬化型または熱硬化型の重合体組成物とすることが必要である。
活性エネルギー線重合開始剤としては、公知のものを使用することができる。例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロプル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、プロピオフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミン安息香酸エステルなどを挙げることができる。これらの活性エネルギー線重合開始剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。活性エネルギー線重合開始剤の添加量は、重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマーに対して、1〜10質量%であることが好ましい。
また、活性エネルギー線重合開始剤に加えて、増感剤をさらに含有させることもできる。増感剤としては、たとえば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
熱重合開始剤としては、公知のものを使用することができる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などを挙げることができる。熱重合開始剤の添加量は、重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマーに対して、1〜10質量%であることが好ましい。
機能性層2には、上記の硬化型樹脂、機能性を付与するための各種成分に加えて、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の成分を含有させても良い。例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、レベリング剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、抗菌剤、防汚剤等が挙げられる。
機能性層2の厚さは、特に限定されないが、機能性の種類に応じて、適宜設定することができる。機能性層2の厚さは、例えば、1〜10μmである。
(青色光カット層3)
青色光とは、可視光線の中でも波長が380〜500nmの高エネルギーの光を指す。肉眼が青色光に長時間さらされると、睡眠障害、眼精疲労、ドライアイ、肩こり、頭痛などの原因になる可能性があり、近年、健康上の問題となってきているものである。
本実施形態では、機能性層2とは別に、青色光カット層3を独立して設けることによって、機能性層2が有する機能性の特性に影響を与えることなく、光学用積層体5に青色光をカットする性能を付与することができる。
青色光カット層3は、波長450nmの光をカットするものである。ここで、波長450nmの光は、380nmから500nmの青色の可視光線を代表する波長として選定したものである。
また、波長450nmの光をカットするとは、波長450nmの光の透過量を低減させることである。青色光カット層3を設けた光学用積層体5では、青色光カット層3を設けていない光学用積層体5に比べて、波長450nmの光の分光透過率が減少することを意味している。このとき、波長450nmの光の分光透過率の低減量は5%以上が好ましく、8%以上がより好ましい。
また、本実施形態では、機能性層2とは別に、青色光カット層3を独立して設けることによって、種々の機能性層2を有した複数種類の光学用積層体5に対して、青色光カット層3を一律に同一の処方で設けることが可能となる。そのため、複数種類の光学用積層体5に共通の青色光カット層3を設ける際の製造ラインの切り替えを容易に行うことができる。
青色光カット層3を構成する樹脂は、機能性層2のときと同様に、耐久性や耐熱性の観点から、硬化型樹脂から構成されることが好ましい。硬化型樹脂は、活性エネルギー線硬化型であっても熱硬化型であってもよいが、製造時における物性の均一性や生産性の観点から、活性エネルギー線硬化型であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型樹脂の中でも、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂が硬度、耐久性、取扱性の観点から好ましい。
青色光カット層3を構成する硬化型樹脂、硬化型のアクリル系樹脂、アクリル系の重合性不飽和基を有するモノマーまたはオリゴマー、重合開始剤、他の成分等については、前記した機能性層2の場合と同様であるので、それらについての詳細な説明を省略する。
青色光カット層3には、さらに、波長が380〜500nmの青色光を吸収する成分として、染料または顔料を添加することが好ましい。青色光を吸収する染料としては、例えば、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール(BASF社製、Tinuvin234)、2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−p−クレゾール(BASF社製、Tinuvin326)や、BASF社製、Lumogen F Violet570などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、青色光を吸収する顔料としては、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレート樹脂、アクリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒドなどが挙げられる。青色光を吸収する染料・顔料は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
青色光を吸収する染料と顔料とを比較すると、樹脂との相溶性、分散性の観点から、染料が好ましい。染料としては、波長450nmの光のカット性の観点からベンゾトリアゾール系の染料が好ましい。
青色光カット層3における染料または顔料の添加量は、波長450nmの光の分光透過率を低減させる程度に応じて、適宜設定することができる。染料または顔料の添加量は、染料または顔料の吸収スペクトル、吸光効率、層内での分散の程度等によって変動し得るものであるが、b値の増大の抑制も考慮して、青色光カット層3の1〜10%質量%用いられる。また、染料または顔料には、凝集を防止し、青色光カット層3における均一な分散を確保するために、適宜、分散安定剤等を添加してもよい。尚、波長450nmの光の分光透過率の低減量は、一般に、当該可視光が青色光カット層3を通過する際に、青色光カット層3の厚さ方向に存在する染料または顔料の絶対量によって決定されるものである。
これらの染料または顔料を青色光カット層3に添加することによって青色光を吸収させるが、添加量を多くすると、青色光カット層3が黄色に変色し、光学用積層体5としての透明性や外観が低下する。光学用積層体5の変色の程度は、透過光のL表色系の色度図におけるb値によって特定することができる。光学用積層体5の透過光のb値は、8以下が好ましく、6以下がより好ましい。尚、透過光のb値はJIS Z8722に準拠して、光源D65を使用して測定することができる。
青色光カット層3は、平均粒径30〜150nmの無機粒子を含有している。微粒子の平均粒径が30〜150nmであると、微粒子が青色光カット層3中に存在していても、光学用積層体5の透明性を大きく損なうことはない。一方、平均粒径が150nmを超えると、光学用積層体5を表示装置の表示面側に配置したときに、表示画像の不良が発生する懸念がある。ここで、無機粒子の平均粒径は、無機粒子の一次粒子についての数値であり、電子顕微鏡法等の方法によって測定されるものである。
青色光カット層3は、平均粒径30〜150nmの無機粒子を含有していることによって、粘着層4との密着性の向上を図ることができる。これは、青色光カット層3中に無機粒子が含有されていると、青色光カット層3の粘着層4側の表面に凹凸が生じて、表面積が増大し、青色光カット層3の上に形成される粘着層4との密着性が向上することに起因している。青色光カット層3の表面の凹凸に起因する粘着層4との密着性の向上効果は、無機粒子の平均粒径が大きいほど、また、無機粒子の含有率が大きいほど増大する傾向にある。また、青色光カット層3の表面に凹凸が存在すると、青色光カット層3の製造時において、ブロッキングを防止することができるため好ましい。しかし、無機粒子の平均粒径が150nmを超えると、外観的に、光学用積層体5のヘイズが増大し、画面上に細かな輝度ムラが発生し、ギラツキが出てくる傾向にある。
青色光カット層3における無機粒子の含有率は、青色光カット層3の質量に対して1〜5質量%であることが好ましい。この含有率の範囲内にあるとき、光学用積層体5の透明性を損なうことなく、青色光カット層3と粘着層4との密着性を向上させることができる。無機粒子の含有率が5質量%を超えると、外観的に、光学用積層体5のヘイズが増大し、画面上に細かな輝度ムラが発生し、ギラツキが出てくる傾向にある。
無機粒子としては、例えば、シリカ(酸化ケイ素)、酸化チタン、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化亜鉛、酸化鉄、カーボン等が挙げられる。これらの中では、性能、入手のし易さ、取扱性等から、シリカを主成分とするものが好ましい。ここで、主成分とは、50質量%を超える割合で存在する成分であることを意味する。
無機粒子は、青色光カット層3を構成する樹脂中における分散性を向上させるために、界面活性剤の付与の他、水酸基やカルボン酸などの官能基の付与等の表面処理がなされていてもよい。
青色光カット層3の厚さは、特に限定されないが、染料または顔料の添加量や無機粒子の含有率等に応じて、適宜設定することができる。青色光カット層3の厚さは、例えば、1〜10μmである。一般に、青色光カット層3の厚さが小さいと、青色光カット層3表面の凹凸が大きくなり、粘着層4との密着性が向上して好ましいが、製造時の加工性が低下する傾向にある。
(粘着層)
粘着層4を形成する粘着剤としては、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤などを使用することができる。これらの中では、粘着力の観点から、アクリル系粘着剤またはシリコーン系粘着剤を主成分とするものが好ましい。中でも透明度、耐候性、耐久性、コスト等の観点からアクリル系粘着剤が特に好ましい。また、粘着剤は、溶剤系、エマルジョン系、水系のいずれであってもよいが、溶剤系粘着剤が好ましく、粘着剤と溶剤及び必要に応じて助剤を含むものが好ましい。溶剤としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)などが挙げられる。
アクリル系粘着剤は、カルボキシル基または窒素含有官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーを重合成分として含むアクリル共重合体を主成分として含有する。
アクリル共重合体は、官能基を持たない(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、これにカルボキシル基または窒素含有官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーを共重合させたものである。カルボキシル基または窒素含有官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーは架橋剤を用いる場合の反応点となり、架橋により粘着力や凝集力、耐熱性の制御を可能とする。カルボキシル基または窒素含有官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーの含有量はアクリル共重合体を構成するモノマーの全質量に対して、0.1〜20質量%とすることが好ましい。より好ましくは0.5〜15質量%であり、さらに好ましくは1〜10質量%である。
アクリル共重合体を構成する官能基を持たない(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらは必要に応じ2種類以上を併用しても良い。
また、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、無水フマル酸等のカルボキシル基含有モノマーを挙げることができる。窒素含有官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、アミド基またはアミノ基を有するモノマーを挙げることができ、具体的には、(メタ)アクリルアミド、モルホリルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−tert−ブチルアミノエチルアクリレート等を挙げることができる。なお、これらは必要に応じ2種類以上を併用しても良い。
アクリル共重合体を重合する際には、例えば、溶液重合法を適用することができる。溶液重合法としては、イオン重合法やラジカル重合法など挙げられる。その際に使用される溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、クロロホルム、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
アクリル共重合体は、架橋剤を配合することにより架橋処理を施すことができる。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、ブチル化メラミン化合物などが挙げられ、これらは必要に応じ2種類以上を併用しても良い。
これら架橋剤の中でも、アクリル共重合体を容易に架橋できることから、イソシアネート化合物、エポキシ化合物が好ましい。イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。エポキシ化合物としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、テトラグリシジルキシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。架橋剤の含有量は、所望とする粘着物性に応じて適宜選択することが好ましい。
粘着剤には、必要に応じて他の助剤が添加されていてもよい。他の助剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、充填剤などが挙げられる。
粘着層4の厚さは、透明度、耐候性、耐久性、コスト等の観点から、1〜100μmであることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。
[光学用積層体の製造方法]
本実施形態の光学用積層体は、例えば、以下のようにして製造することができる。
(1)機能性層形成工程
透明基材シートの一方の面に機能性層を形成する。
(2)青色光カット層形成工程
透明基材シートの他方の面に青色光カット層を形成する。
(3)粘着層形成工程
青色光カット層の上に粘着層を形成する。
上記(1)機能性層形成工程において、機能性層の代表例として、高硬度層を例にとって説明する。高硬度層の形成は、以下のようにして行うことができる。
まず、硬化型樹脂を含む高硬度層形成用の塗工液を透明基材シートに塗工して未硬化塗膜を形成する。
高硬度層形成用の硬化型樹脂としては、前記したように、活性エネルギー線硬化型の樹脂または熱硬化型の樹脂を使用する。塗工液には、所定の重合開始剤および増感材、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を適宜添加することができる。塗工液の溶剤としては、硬化型樹脂の種類に応じて適切な溶剤を使用し、塗工に適した粘度となるように濃度を調整する。
高硬度層形成用の塗工液の塗工方法としては、特に限定されないが、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター、印刷機等を用いた方法を挙げることができる。
次に、塗膜が形成された透明基材シートを加熱することによって、塗膜を乾燥させる。次いで、未硬化塗膜を硬化させる。未硬化塗膜が、活性エネルギー線硬化型の樹脂を含有する場合には、活性エネルギー線の照射によって硬化させる。未硬化塗膜が、熱硬化型の樹脂を含有する場合には、加熱炉や赤外線ランプ等を用いた加熱によって硬化させる。活性エネルギー線の照射条件や加熱条件は、公知の条件を適宜使用することができる。
上記(2)青色光カット層形成工程において、青色光カット層の形成は、上記(1)機能性層形成工程と同様にして行うことができる。青色光カット層形成用の塗工液には、無機粒子、青色光を吸収する染料・顔料等が添加されている。
上記(3)粘着層形成工程において、粘着層の形成は、以下のようにして行うことができる。
青色光カット層の上に、粘着層形成用の塗工液を塗布・乾燥して粘着層を形成する。粘着剤としては、前記したようにアクリル系またはシリコーン系の粘着剤を主成分とするものを用いる。粘着層形成用の塗工液は、粘着剤と溶剤及び必要に応じて助剤を含むものである。溶剤は粘着剤の種類に応じて、適宜適切なものを選んで用いることができる。
粘着層形成用の塗工液の塗工方法は、前記した高硬度層形成用の塗工液の塗工方法と同様の方法を用いることができる。乾燥は、加熱乾燥機や真空乾燥機などによって行う。
本発明の光学用積層体は、粘着層を介して、表示装置の表示面側に配置して使用されるものである。上記の光学用積層体の製造方法によって得られた光学用積層体は、表示装置の表示面側に配置されるまでの間、粘着層を保護するために、粘着層に剥離シートが積層されていることが好ましい。剥離シートとしては公知のものを適宜使用することができる。
光学用積層体は、実際の使用に際しては、まず、表示装置の表示面側に配置されるように、所定の形状に切断される。その後、光学用積層体は、粘着層を保護している剥離シートを剥がしてから、粘着層を介して、表示装置の表示面側に配置される。このようにして、光学用積層体を備えた表示装置を製造することができる。
本実施形態を下記の実施例によって、さらに具体的に説明する。
ここで、透明基材シートとしてのポリエチレンテレフタレート(PET)シートは、東洋紡社製、A4100、膜厚100μmのものを用いた。また、青色光カット層に添加する無機粒子として以下のものを用いた。
(i)シリカ粒子:日産化学社製、オルガノシリカゾル40%MIBK分散液、平均粒径10nm
(ii)シリカ粒子:CIKナノテック、コロイダルシリカ30%MIBK分散液、平均粒径30nm
(iii)シリカ粒子:日産化学社製、オルガノシリカゾル30%MIBK分散液、平均粒径50nm
(iv)シリカ粒子:日産化学社製、オルガノシリカゾル40%MIBK分散液、平均粒径100nm
(v)シリカ粒子:日産化学社製、オルガノシリカゾルMIBK分散液、平均粒径150nm
(vi)シリカ粒子:日産化学社製、オルガノシリカゾルMIBK分散液、平均粒径200nm
(実施例1)
<高硬度層形成用の塗工液の調製>
エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート(商品名A−9300、新中村化学(株)製)49質量部、レベリング剤(商品名BYK−310、ビッグケミージャパン(株)製)0.1質量部、光重合開始剤(商品名IRGACURE184、BASF(株)製)1.5質量部、メチルエチルケトン49.4質量部を混合して、高硬度層形成用の塗工液を調製した。
<高硬度層形成用の塗工液の塗工・乾燥条件>
PETシートの片方の面に、高硬度層形成用の塗工液を約5μm厚にバー塗工した。その後、80℃の熱風乾燥機にて60秒間乾燥した。
<紫外線の照射条件>
高圧水銀ランプ紫外線照射機(アイグラフィックス社製)を用いて、照射強度200mW/cm、積算光量300mJ/cm、酸素濃度10000ppm以下の条件で、紫外線を照射した。
以上の工程を経て、厚さ5μmの高硬度層をPETシート上に形成した。
<青色光カット層の形成>
上記の高硬度層形成用塗工液に、さらに、平均粒径100nmのシリカ粒子40%分散液を3.1%質量部および青色光カット成分として2−(5−クロロ−2−ベンゾトリアゾリル)−6−tert−ブチル−p−クレゾール(BASF社製、Tinuvin326)2.5質量部を添加し、青色光カット層形成用の塗工液を調製した。
その後、高硬度層形成時と同様の条件で、高硬度層と反対側の面に塗工・乾燥および紫外線の照射を行い、青色光カット層を形成した。表1には、乾燥後の青色光カット層の組成を示した。
<粘着層の形成>
アクリル系接着剤(商品名SKダイン1811L、綜研化学(株)製)100質量部、イソシアネート系架橋剤(商品名L−45、綜研化学(株)製)1質量部、および希釈溶剤として酢酸エチル67.4質量部を混合して粘着剤組成物を調製した。
上記で調整した粘着剤組成物を前記で得られた高硬度層形成および青色光カット層を形成した透明基材シート(PETフィルム)の青色光カット層上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるようにアプリケータ塗工した。その後、100℃で120秒間加熱乾燥し、セパレートフィルム(商品名38RL−07(2)、王子エフテックス(株)製)を貼り合わせ、温度23℃、湿度50%RHの環境下で1週間のエージングを行って架橋反応を進行させ、高硬度層と反対側に青色光カット層、粘着層を有する光学用積層体を得た。
(実施例2〜7、比較例1〜6)
青色光カット層の組成を表1に記載された組成とした以外は、上記の実施例1の製造条件を共通して用いて、実施例2〜7および比較例1〜6の光学用積層体を作製した。但し、比較例1では青色光カット層を形成しなかった。
上記の実施例、比較例で得られた光学用積層体は、以下に記載する方法で、各種性能の測定および評価を行った。
<青色光カット率>
JIS A5759に準拠して、島津製作所社製、分光光度計UV3160を使用して波長450nmにおける分光透過率(%)を測定し、その値を青色透過率とし、青色透過率を100%から引いた値を青色光カット率(%)とした。
<450nm分光低減率>
JIS A5759に準拠して、島津製作所社製、分光光度計UV3160を使用して青色光カット層を有していない光学用積層体である比較例1の波長450nmにおける分光透過率を測定した。各実施例・比較例の青色光カット率の数値と比較例1の青色光カット率の数値(8.5%)との差を求めて、450nm分光低減率とした。
<全光線透過率>
JIS K7361−1に準拠して、日本電色社製、ヘイズメータNDH7000を用いて測定した。
<ヘイズ>
JIS K7136に準拠して、日本電色社製、ヘイズメータNDH7000を用いて測定した。
<ギラツキ>
ギラツキは、肉眼による官能試験として行った。5名のパネラーによって、ギラツキの有無とその程度を下記の基準に従って判定し、それらの平均値によって判定を行った。
<b値>
JIS Z8722に準拠して、光源D65を使用して、光学用積層体を透過した光について測定を行った。測定装置として、日本電色社製、SE2000を使用した。色度bは、JIS Z8729に記載のL表色系の色度図によった。
<密着性>
JIS K5600−5−6に準拠して粘着層のクロスカット試験を行った。
<青色光低減効果の評価>
450nm分光低減率が、8%を超えるとき◎(優)、5%を超え8%以下のとき○(良)、5%以下のとき×(不良)と判定した。
<粘着層の密着効果の評価>
粘着層の密着効果は、粘着層のクロスカット試験において、100/100のときA+(優)、95〜99/100のときA(良)、50〜94/100のときB(可)、1つ以上が完全に剥離しているときまたは49以下/100のときC(不可)と判定した。
<ヘイズの評価>
ヘイズは、1.0%以下のとき◎(優)、1.0%を超え1.5%以下のとき○(良)、1.5%を超えるとき×(不良)と判定した。
<ギラツキの評価>
ギラツキが無いとき◎(優)、ギラツキが僅かなとき○(良)、ギラツキが少しあるとき△(可)、ギラツキが明確にあるとき×(不良)と判定した。
性能と評価結果を表1に示した。
Figure 2019053206
表1において、実施例1〜7の光学用積層体は、青色光低減効果、粘着層の密着効果、外観において、いずれも良好な性能を有していた。
比較例1の光学用積層体は、青色光カット層を有していないため、青色光低減効果および粘着層の密着効果において性能に劣るものであった。比較例2の光学用積層体は、青色光カット層内に染料を含有していないため、450nm分光低減率が0%であり、青色光低減効果において性能に劣るものであった。比較例3の光学用積層体は、青色光カット層の無機粒子の含有率が5質量%を超えるため、外観において劣るものであった。比較例4の光学用積層体は、青色光カット層内に無機粒子を含有していないため、粘着層の密着効果において劣るものであった。比較例5の光学用積層体は、青色光カット層が含有する無機粒子の平均粒径が10nmと小さいため、粘着層の密着効果に劣るものであった。比較例6の光学用積層体は、青色光カット層が含有する無機粒子の平均粒径が200nmと大きいため、ヘイズおよびギラツキにおいて劣るものであった。
1 透明基材シート
2 機能性層
3 青色光カット層
4 粘着層
5 光学用積層体
6 表示装置の表示面のガラス基材

Claims (7)

  1. 表示装置の表示面側に配置して使用される光学用積層体であって、
    前記光学用積層体は、透明基材シートと、当該透明基材シートの一方の面側に存在する機能性層と、当該透明基材シートの他方の面側に存在する青色光カット層と、当該青色光カット層の外側に存在する粘着層とを有し、
    前記青色光カット層は、平均粒径30〜150nmの無機粒子を1〜5質量%含有し、波長450nmの光をカットすることを特徴とする光学用積層体。
  2. 前記青色光カット層は、波長450nmの光の分光透過率を5%以上低減させることを特徴とする請求項1に記載の光学用積層体。
  3. 前記青色光カット層が、波長が380〜500nmの青色光を吸収する染料または顔料を1〜10%質量%含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学用積層体。
  4. 前記無機粒子は、シリカを主成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学用積層体。
  5. 前記機能性層および前記青色光カット層は、活性エネルギー線硬化型のアクリル系樹脂を主成分とする層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学用積層体。
  6. 前記粘着層は、アクリル系またはシリコーン系の粘着剤を主成分とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学用積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学用積層体を備えた表示装置。
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