JP2019052825A - 気体供給装置、庫内空気調節装置、及びコンテナ用冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】塩害が生じ得る条件で用いられる気体供給装置(30)のフィルタ(76)の圧力損失が潮解により大きくなってしまうのを予防する。【解決手段】気体供給装置(30)に、フィルタ(76)に付着する塩分量を検出する塩分量検出部(91)と、気体の湿度を検出する湿度検出部(92)と、検出した塩分量と湿度に基づいて、潮解現象が生じるときのフィルタ(76)の圧力損失を予測する圧力損失予測部とを設ける。【選択図】図6
Description
本発明は、対象空間へ気体を供給する気体通路にフィルタユニットとエアポンプとを備えるとともに塩害が生じる条件で用いられる気体供給装置、気体供給装置で生成した窒素濃度が高く酸素濃度が低い混合気体を対象空間へ供給する庫内空気調節装置、及び庫内空気調節装置を備えたコンテナ用冷凍装置に関する。
従来、海上輸送等に用いられるコンテナ内の空気を冷却するために、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えたコンテナ用冷凍装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。コンテナの庫内には、例えば、バナナやアボカド等の植物が積み込まれる。植物は、収穫後であっても空気中の酸素を取り込んで二酸化炭素を放出する呼吸を行う。植物が呼吸を行うと、植物に蓄えられた養分と水分とが減少し、鮮度が低下する。そのため、コンテナの庫内の酸素濃度は、呼吸障害が起きない程度に低い方が好ましい。
そこで、特許文献1には、加圧すると空気中の窒素成分が吸着する吸着剤を用いて、空気よりも窒素濃度が高く酸素濃度が低い窒素濃縮空気(混合気体)を生成し、該窒素濃縮空気をコンテナの庫内に供給することにより、庫内空気の酸素濃度を低下させて植物の呼吸量を低減して植物の鮮度を維持しやすくする庫内空気調節装置が開示されている。この庫内空気調節装置では、吸着剤が収容された吸着筒に、エアポンプによって加圧空気を送り込み、吸着剤に窒素成分を吸着させる吸着動作を行った後、エアポンプによって吸着筒から空気を吸引して吸着剤に吸着した窒素成分を脱着させる脱着動作を行うことで窒素濃縮空気が生成される。
庫内空気調節装置は、構成部品が密閉構造のユニットケース内に収納されていて、1つのユニットに構成された庫内空気調節装置がコンテナ用冷凍装置の庫外空間に取り付けられている。また、空気取込口に設けられるフィルタユニットは、上記庫内空気調節装置とは別に設置され、エアホースで接続されている。フィルタユニットにはフィルタが設けられ、フィルタは、水が直接かからないように板金のカバーで覆われている。
ところで、上記庫内空気調節装置のように塩害を受ける条件で使用される装置では、フィルタに海塩粒子が付着するため、高湿度になると潮解現象によりフィルタに水膜が形成されることとなる。その結果、フィルタの通気抵抗ないし圧力損失が大きくなり、運転中に空気がフィルタを通過しにくい状態になることが考えられる。
従来の庫内空気調節装置では、運転中にエアポンプの吐出側の圧力をチェックしておき、その圧力が設定値以下になるとフィルタが詰まったと判断して警報を発するようにしている。しかし、この従来の技術では、運転中にフィルタが詰まって圧力損失が上昇したことは検出できるが、前もって圧力損失の上昇を予測することはできなかった。
この問題は、海上コンテナに設置されるコンテナ用冷凍装置の庫内空気調節装置に限らず、沿岸に設置される倉庫などにフィルタを介して空気などの気体を送り込むためにポンプやバルブなどの耐塩害性を要する部品を有する気体供給装置においても生じ得る問題である。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、塩害が生じ得る条件で用いられる気体供給装置のフィルタの圧力損失が潮解により大きくなって空気がフィルタを通過しにくくなってしまうのを予防できるようにすることである。
第1の発明は、対象空間へ気体を供給する気体通路(40)と、該気体通路(40)の流入口に設けられたフィルタユニット(75)と、該気体通路(40)の途中に設けられたエアポンプ(31)とを備え、塩害が生じ得る条件で用いられる気体供給装置を前提とする。
そして、この気体供給装置は、上記フィルタユニット(75)に設けられたフィルタ(76)に付着する塩分量を検出する塩分量検出部(91)と、上記流入口から気体通路(40)へ流入する気体の湿度を検出する湿度検出部(92)と、上記塩分量検出部(91)で検出した塩分量と、上記湿度検出部(92)で検出した気体の湿度に基づいて、潮解現象が生じるときの上記フィルタ(76)の圧力損失を予測する圧力損失予測部(55a)と、を備えていることを特徴とする。
この第1の発明では、塩分量検出部(91)で検出されたフィルタ(76)の塩分量と、湿度検出部(92)で検出した気体の湿度に基づいて、潮解現象が生じるときのフィルタ(76)の圧力損失が予測される。つまり、塩分量と湿度を検出した時点では潮解現象が生じていなくても、湿度が上昇して潮解現象が生じる状態になったときのフィルタ(76)の圧力損失が、上記圧力損失予測部(55a)で予測される。
第2の発明は、第1の発明において、上記湿度検出部(92)で検出された湿度が潮解発生基準湿度以下のときに、上記圧力損失予測部(55a)の圧力損失予測値と予め定められた圧力損失基準値とを比較する圧力損失比較部(55b)と、上記圧力損失予測値が上記圧力損失基準値を超えるとアラームを発するアラーム発令部(55c)とを備えていることを特徴とする。
この第2の発明では、湿度の検出値が潮解の生じる湿度に達していないときに、圧力損失予測値と圧力損失基準値とが比較されて、圧力損失予測値が上記圧力損失基準値を超えるとアラーム発令部(55c)でアラームが発令される。
第3の発明は、第2の発明において、上記圧力損失比較部(55b)が、圧力損失予測値と圧力損失基準値との比較に加えて、上記湿度検出部(92)で検出された湿度検出値が潮解発生基準湿度を超えているときに圧力損失実測値と上記圧力損失基準値との比較を行うように構成されていることを特徴とする。
この第3の発明では、湿度の検出値が潮解の生じる湿度に達しているときに、圧力損失実測値と圧力損失基準値とが比較されて、圧力損失実測値が上記圧力損失基準値を超えるとアラーム発令部(55c)でアラームが発令される。
第4の発明は、気体供給装置(30)と、該気体供給装置(30)のフィルタユニット(75)を通じて取り込んだ空気から該空気よりも窒素濃度が高く酸素濃度が低い混合気体を生成する混合気体生成部(38)とを備えた庫内空気調節装置を前提とする。
そして、この庫内空気調節装置は、上記気体供給装置(30)が第1から第3の発明の何れか1つの気体供給装置(30)であり、上記混合気体生成部(38)で生成された気体を上記エアポンプ(31)により対象空間へ供給するように構成されていることを特徴とする。
この第4の発明では、庫内空気調節装置において、湿度が上昇して潮解現象が生じる状態になったときのフィルタ(76)の圧力損失が、圧力損失予測部(55a)で予測される。
第5の発明は、コンテナ(11)に装着されるケーシング(12)と、該ケーシング(12)に取り付けられた冷媒回路(20)の構成部品と、該ケーシング(12)に取り付けられた庫内空気調節装置とを備え、上記コンテナ(11)の庫内空間を冷却するとともに、上記コンテナ(11)の庫内空間へ上記庫内空気調節装置で混合気体を供給するように構成されたコンテナ用冷凍装置を前提とする。
そして、このコンテナ用冷凍装置は、上記庫内空気調節装置(60)が、第4の発明の庫内空気調節装置(60)により構成されていることを特徴とする。
この第5の発明では、コンテナ用冷凍装置において、湿度が上昇して潮解現象が生じる状態になったときのフィルタ(76)の圧力損失が、圧力損失予測部(55a)で予測される。
本発明によれば、塩分量検出部(91)で検出されたフィルタ(76)の塩分量と、湿度検出部(92)で検出した気体の湿度に基づいて、潮解現象が生じるときのフィルタ(76)の圧力損失が予測される。つまり、塩分量と湿度を検出した時点では潮解現象が生じていなくても、湿度が上昇して潮解現象が生じる状態になったときのフィルタ(76)の圧力損失が、上記圧力損失予測部(55a)で前もって予測される。したがって、前もってフィルタ(76)を掃除したり交換したりすることができるので、運転中に空気がフィルタ(76)を通過しにくくなってしまうのを予防できる。
上記第2の発明によれば、湿度の検出値が潮解の生じる湿度に達していないときに、圧力損失予測値と圧力損失基準値とが比較されて、圧力損失予測値が上記圧力損失基準値を超えるとアラーム発令部(55c)でアラームが発令される。したがって、現状では潮解が生じていなくても、湿度が上昇すると潮解が生じると判断されたときは、圧力損失が低下するであろうことがアラームで警告される。このことにより、前もってフィルタ(76)を掃除したり交換したりするタイミングを周りに知らせることができ、運転中に空気がフィルタ(76)を通過しにくくなってしまうのをより確実に予防できる。
上記第3の発明によれば、湿度の検出値が潮解の生じる湿度に達しているときに、圧力損失実測値と圧力損失基準値とが比較されて、圧力損失実測値が上記圧力損失基準値を超えるとアラーム発令部(55c)でアラームが発令される。したがって、その時点で潮解が生じる湿度まで上昇した判断されたときは、圧力損失が低下すると判断されることがアラームで警告される。このことにより、フィルタ(76)を掃除したり交換したりするタイミングを周りに知らせることができ、空気がフィルタ(76)を通過しにくくなってしまうのを抑制できる。
上記第4の発明によれば、庫内空気調節装置において、運転中に空気がフィルタ(76)を通過しにくくなってしまうのを予防できる。
上記第5の発明によれば、コンテナ用冷凍装置において、運転中に空気がフィルタ(76)を通過しにくくなってしまうのを予防できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態は、本発明の気体供給装置を含む庫内空気調節装置を設けたコンテナ用冷凍装置に関するものである。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
- 図1及び図2に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、海上輸送等に用いられるコンテナ(11)に設けられ、該コンテナ(11)の庫内空気を冷却するものである。コンテナ(11)の庫内空間(対象空間)(S)には、植物(15)が箱詰めされた状態で収納されている。植物(15)は、空気中の酸素(O2)を取り込んで二酸化炭素(CO2)を放出する呼吸を行うものであり、例えば、バナナやアボカド等の青果物、野菜、穀物、球根、生花等である。
- 図1及び図2に示すように、コンテナ用冷凍装置(10)は、海上輸送等に用いられるコンテナ(11)に設けられ、該コンテナ(11)の庫内空気を冷却するものである。コンテナ(11)の庫内空間(対象空間)(S)には、植物(15)が箱詰めされた状態で収納されている。植物(15)は、空気中の酸素(O2)を取り込んで二酸化炭素(CO2)を放出する呼吸を行うものであり、例えば、バナナやアボカド等の青果物、野菜、穀物、球根、生花等である。
コンテナ(11)は、一方の端面が開口する細長い箱状に形成されている。コンテナ用冷凍装置(10)は、ケーシング(12)と、冷媒回路(20)と、CA装置(庫内空気調節装置/Controlled Atmosphere System)(60)とを備え、コンテナ(11)の開口端を塞ぐように取り付けられている。
〈ケーシング〉
図2に示すように、ケーシング(12)は、コンテナ(11)の庫外側に位置する庫外壁(12a)と、コンテナ(11)の庫内側に位置する庫内壁(12b)とを備えている。庫外壁(12a)及び庫内壁(12b)は、例えば、アルミニウム合金によって構成されている。
図2に示すように、ケーシング(12)は、コンテナ(11)の庫外側に位置する庫外壁(12a)と、コンテナ(11)の庫内側に位置する庫内壁(12b)とを備えている。庫外壁(12a)及び庫内壁(12b)は、例えば、アルミニウム合金によって構成されている。
庫外壁(12a)は、コンテナ(11)の開口端を塞ぐようにコンテナ(11)の開口の周縁部に取り付けられている。庫外壁(12a)は、下部がコンテナ(11)の庫内側へ膨出するように形成されている。
庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)と対向して配置されている。庫内壁(12b)は、庫外壁(12a)の下部に対応して庫内側へ膨出している。庫内壁(12b)と庫外壁(12a)との間の空間には、断熱材(12c)が設けられている。
このように、ケーシング(12)の下部は、コンテナ(11)の庫内側に向かって膨出するように形成されている。これにより、ケーシング(12)の下部におけるコンテナ(11)の庫外側には庫外収納空間(S1)が形成され、ケーシング(12)の上部におけるコンテナ(11)の庫内側には庫内収納空間(S2)が形成されている。
図1に示すように、ケーシング(12)には、メンテナンス用の2つのサービス用開口(14)が幅方向に並んで形成されている。2つのサービス用開口(14)は、それぞれ開閉自在な第1及び第2サービス扉(16A,16B)によって閉塞されている。第1及び第2サービス扉(16A,16B)は、いずれもケーシング(12)と同様に、庫外壁と庫内壁と断熱材とによって構成されている。
図2に示すように、コンテナ(11)の庫内には、仕切板(18)が配置されている。この仕切板(18)は、略矩形状の板部材に構成され、ケーシング(12)のコンテナ(11)の庫内側の面と対向する姿勢で立設されている。この仕切板(18)によって、コンテナ(11)の庫内空間(S)と庫内収納空間(S2)とが区画されている。
仕切板(18)の上端とコンテナ(11)内の天井面との間には吸込口(18a)が形成されている。コンテナ(11)の庫内空気は、吸込口(18a)を通って庫内収納空間(S2)に取り込まれる。
また、庫内収納空間(S2)には、水平方向に延びる区画壁(13)が設けられている。区画壁(13)は、仕切板(18)の上端部に取り付けられ、後述する庫内ファン(26)が設置される開口が形成されている。区画壁(13)は、庫内収納空間(S2)を、庫内ファン(26)の吸込側の1次空間(S21)と、庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)とに区画する。なお、本実施形態では、庫内収納空間(S2)は、区画壁(13)によって上下に区画され、吸込側の1次空間(S21)が上側、吹出側の2次空間(S22)が下側に形成されている。
コンテナ(11)内には、コンテナ(11)の底面との間に隙間を存して床板(19)が設けられている。床板(19)上には、箱詰めされた植物(15)が載置されている。コンテナ(11)内の底面と床板(19)との間には、床下流路(19a)が形成されている。仕切板(18)の下端とコンテナ(11)内の底面との間には隙間が設けられ、床下流路(19a)に連通している。
床板(19)におけるコンテナ(11)の奥側(図2で右側)には、コンテナ用冷凍装置(10)によって冷却された空気をコンテナ(11)の庫内空間(S)へ吹き出す吹出口(18b)が形成されている。
〈冷媒回路等の構成と配置〉
図3に示すように、冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、凝縮器(22)と、膨張弁(23)と、蒸発器(24)とを、冷媒配管(20a)によって順に接続することによって構成された閉回路である。
図3に示すように、冷媒回路(20)は、圧縮機(21)と、凝縮器(22)と、膨張弁(23)と、蒸発器(24)とを、冷媒配管(20a)によって順に接続することによって構成された閉回路である。
凝縮器(22)の近傍には、庫外ファンモータ(25a)によって回転駆動され、コンテナ(11)の庫外空間の空気(外気)を庫外収納空間(S1)内へ誘引して凝縮器(22)へ送る庫外ファン(25)が設けられている。凝縮器(22)では、圧縮機(21)で加圧されて凝縮器(22)の内部を流れる冷媒と庫外ファン(25)によって凝縮器(22)に送られた外気との間で熱交換が行われる。本実施形態では、庫外ファン(25)は、プロペラファンによって構成されている。
蒸発器(24)の近傍には、庫内ファンモータ(26a)によって回転駆動され、コンテナ(11)の庫内空気を吸込口(18a)から誘引して蒸発器(24)へ吹き出す庫内ファン(26)が2つ設けられている。蒸発器(24)では、膨張弁(23)によって減圧されて蒸発器(24)の内部を流れる冷媒と庫内ファン(26)によって蒸発器(24)に送られた庫内空気との間で熱交換が行われる。
図2に示すように、庫内ファン(26)は、プロペラファン(回転翼)(27a)と、複数の静翼(27b)と、ファンハウジング(27c)とを有している。プロペラファン(27a)は、庫内ファンモータ(26a)に連結され、庫内ファンモータ(26a)によって回転軸周りに回転駆動されて軸方向に送風する。複数の静翼(27b)は、プロペラファン(27a)の吹出側に設けられて該プロペラファン(27a)から吹き出されて旋回する空気流れを整流する。ファンハウジング(27c)は、複数の静翼(27b)が内周面に取り付けられた円筒部材によって構成され、プロペラファン(27a)の外周まで延び、プロペラファン(27a)の外周を取り囲んでいる。
図1に示すように、圧縮機(21)及び凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)に収納されている。凝縮器(22)は、庫外収納空間(S1)の上下方向の中央部分において、該庫外収納空間(S1)を下側の第1空間(S11)と上側の第2空間(S12)とに区画するように設けられている。第1空間(S11)には、上記圧縮機(21)と、該圧縮機(21)を可変速で駆動するための駆動回路が収納されたインバータボックス(29)と、CA装置(60)の気体供給装置(30)とが設けられている。一方、第2空間(S12)には、庫外ファン(25)と、電装品ボックス(17)とが設けられている。第1空間(S11)は、コンテナ(11)の庫外空間に対して開放される一方、第2空間(S12)は、庫外ファン(25)の吹出口のみが庫外空間に開口するように庫外空間との間が板状部材によって閉塞されている。
一方、図2に示すように、蒸発器(24)は、庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)に収納されている。庫内収納空間(S2)における蒸発器(24)の上方位置には、ケーシング(12)の幅方向に並んで2つの庫内ファン(26)が設けられている。
〈CA装置〉
図4に示すように、CA装置(60)は、気体供給装置(30)と、排気部(46)と、センサユニット(50)と、制御部(55)と、フィルタユニット(75)とを備え、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを調節するものである。なお、以下の説明で用いる「濃度」は、全て「体積濃度」を指す。制御部(55)は、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイス(具体的には半導体メモリ)とを用いて構成されている。制御部(55)は、CA装置(60)の各機器を制御する。
図4に示すように、CA装置(60)は、気体供給装置(30)と、排気部(46)と、センサユニット(50)と、制御部(55)と、フィルタユニット(75)とを備え、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度と二酸化炭素濃度とを調節するものである。なお、以下の説明で用いる「濃度」は、全て「体積濃度」を指す。制御部(55)は、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイス(具体的には半導体メモリ)とを用いて構成されている。制御部(55)は、CA装置(60)の各機器を制御する。
[気体供給装置]
−気体供給装置の構成−
気体供給装置(30)は、フィルタユニット(75)から空気(気体)を吸い込み、対象空間(S)であるコンテナ(11)の庫内空間(S)に窒素濃縮空気を供給するための装置である。本実施形態では、気体供給装置(30)は、VPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)によって構成されている。また、気体供給装置(30)は、図1に示すように、庫外収納空間(S1)の左下のコーナー部に配置されている。
−気体供給装置の構成−
気体供給装置(30)は、フィルタユニット(75)から空気(気体)を吸い込み、対象空間(S)であるコンテナ(11)の庫内空間(S)に窒素濃縮空気を供給するための装置である。本実施形態では、気体供給装置(30)は、VPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)によって構成されている。また、気体供給装置(30)は、図1に示すように、庫外収納空間(S1)の左下のコーナー部に配置されている。
図4に示すように、気体供給装置(30)は、エアポンプ(31)と、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)と、空気中の窒素成分を吸着するための吸着剤が設けられた第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)とが接続された空気回路(3)と、該空気回路(3)の構成部品が収納されたユニットケース(36)とを有している。このように気体供給装置(30)は、構成部品がユニットケース(36)の内部に収納されることによって1つのユニットとして構成され、コンテナ用冷凍装置(10)に後付けすることができるように構成されている。
(エアポンプ)
エアポンプ(31)は、外気通路(41),吐出通路(42),吸引通路(43)及び供給通路(44)を含む気体通路(40)の途中に設けられている。気体通路(40)の流入口には、後述のフィルタユニット(75)が設けられている。
エアポンプ(31)は、外気通路(41),吐出通路(42),吸引通路(43)及び供給通路(44)を含む気体通路(40)の途中に設けられている。気体通路(40)の流入口には、後述のフィルタユニット(75)が設けられている。
エアポンプ(31)は、ユニットケース(36)内に設けられ、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する第1ポンプ機構(加圧部)(31a)及び第2ポンプ機構(減圧部)(31b)を有している。第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、モータ(31c)の駆動軸に接続され、モータ(31c)によって回転駆動されることにより、それぞれ空気を吸引して加圧して吐出する。
第1ポンプ機構(31a)の吸込口は、ユニットケース(36)を内外に貫通するように設けられた外気通路(41)の一端が接続されている。外気通路(41)の他端には、エアフィルタを備えたフィルタユニット(75)が設けられている。外気通路(41)は、可撓性を有するチューブによって構成されている。図示を省略するが、フィルタユニット(75)が設けられた外気通路(41)の他端は、庫外収納空間(S1)の凝縮器(22)の上方の第2空間(S12)に設けられている。このような構成により、第1ポンプ機構(31a)は、外気通路(41)の他端に設けられたフィルタユニット(75)を介してユニットケース(36)の外から中へ流入する際に水分が除去された外気を吸い込んで加圧する。一方、第1ポンプ機構(31a)の吐出口には吐出通路(42)の一端が接続されている。該吐出通路(42)の他端は、下流側において2つに分岐して第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)のそれぞれに接続されている。
第2ポンプ機構(31b)の吸込口には、吸引通路(43)の一端が接続されている。該吸引通路(43)の他端は、上流側において2つに分かれ、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)のそれぞれに接続されている。一方、第2ポンプ機構(31b)の吐出口には、供給通路(44)の一端が接続されている。供給通路(44)の他端は、コンテナ(11)の庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)において開口している。供給通路(44)の他端部には、一端から他端へ向かう向きの空気の流通のみを許容し、空気の逆流を防止する逆止弁(65)が設けられている。
なお、本実施形態では、吐出通路(42)と吸引通路(43)とは、バイパス通路(47)によって接続されている。バイパス通路(47)には、制御部(55)によって開閉制御されるバイパス開閉弁(48)が設けられている。
エアポンプ(31)の第1ポンプ機構(31a)及び第2ポンプ機構(31b)は、潤滑用のオイルを使用しないオイルレスのポンプで構成されている。また、エアポンプ(31)の側方には、エアポンプ(31)に向かって送風することでエアポンプ(31)を冷却するための送風ファン(49)が2つ設けられている。
(混合気体生成部)
本実施形態では、以下の方向制御弁(32,33)と吸着筒(34,35)により、混合気体生成部(38)が構成されている。
本実施形態では、以下の方向制御弁(32,33)と吸着筒(34,35)により、混合気体生成部(38)が構成されている。
(方向制御弁)
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、空気回路(3)におけるエアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との間に設けられ、エアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との接続状態を後述する3つの接続状態(第1〜第3の接続状態)に切り換えるものである。この切り換え動作は、制御部(55)によって制御される。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)は、空気回路(3)におけるエアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との間に設けられ、エアポンプ(31)と第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)との接続状態を後述する3つの接続状態(第1〜第3の接続状態)に切り換えるものである。この切り換え動作は、制御部(55)によって制御される。
具体的に、第1方向制御弁(32)は、第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続された吐出通路(42)と、第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続された吸引通路(43)と、第1吸着筒(34)の一端部(加圧時の流入口)とに接続される。この第1方向制御弁(32)は、第1吸着筒(34)を第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通させて第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断する第1状態(図4に示す状態)と、第1吸着筒(34)を第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通させて第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断する第2状態(図5に示す状態)とに切り換わる。
第2方向制御弁(33)は、第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続された吐出通路(42)と、第2ポンプ機構(31b)の吸込口に接続された吸引通路(43)と、第2吸着筒(35)の一端部とに接続される。この第2方向制御弁(33)は、第2吸着筒(35)を第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通させて第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断する第1状態(図4に示す状態)と、第2吸着筒(35)を第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通させて第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断する第2状態(図5に示す状態)とに切り換わる。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を共に第1状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第1吸着筒(34)とが接続され且つ第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第2吸着筒(35)とが接続される第1の接続状態に切り換わる(図4を参照)。この状態では、第1吸着筒(34)で外気中の窒素成分を吸着剤に吸着させる吸着動作が行われ、第2吸着筒(35)で吸着剤に吸着された窒素成分を脱着させる脱着動作が行われる。
第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を共に第2状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第2吸着筒(35)とが接続され且つ第2ポンプ機構(31b)の吸込口と第1吸着筒(34)とが接続される第2の接続状態に切り換わる(図5を参照)。この状態では、第2吸着筒(35)で吸着動作が行われ、第1吸着筒(34)で脱着動作が行われる。
第1方向制御弁(32)を第1状態に設定し、第2方向制御弁(33)を第2状態に設定すると、空気回路(3)が、第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第1吸着筒(34)とが接続され且つ第1ポンプ機構(31a)の吐出口と第2吸着筒(35)とが接続される第3の接続状態に切り換わる(図示省略)。この状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に接続され、第1ポンプ機構(31a)によって第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方に加圧された外気が供給される。この状態では、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の両方で吸着動作が行われる。
(吸着筒)
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)は、内部に吸着剤が充填された円筒部材によって構成されている。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、加圧下で窒素成分を吸着して、減圧下で吸着した窒素成分を脱着させる性質を有している。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)は、内部に吸着剤が充填された円筒部材によって構成されている。第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、加圧下で窒素成分を吸着して、減圧下で吸着した窒素成分を脱着させる性質を有している。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填された吸着剤は、例えば、窒素分子の分子径(3.0オングストローム)よりも小さく且つ酸素分子の分子径(2.8オングストローム)よりも大きな孔径の細孔を有する多孔体のゼオライトで構成されている。このような孔径のゼオライトで吸着剤を構成すれば、空気中の窒素成分を吸着することができる。
また、ゼオライトの細孔内には、陽イオンが存在しているために電場が存在し極性を生じているので、水分子などの極性分子を吸着する性質を有している。そのため、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)に充填されたゼオライトからなる吸着剤には、空気中の窒素だけでなく、空気中の水分(水蒸気)も吸着される。そして、吸着剤に吸着された水分は、脱着動作によって窒素成分と共に吸着剤から脱着される。そのため、水分を含んだ窒素濃縮空気がコンテナ(11)の庫内空間(S)に供給されることとなり、庫内空間(S)の湿度を上げることができる。さらに、吸着剤が再生されるので、吸着剤の長寿命化を図ることができる。
このような構成により、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、エアポンプ(31)から加圧された外気が供給されて内部が加圧されると、吸着剤に該外気中の窒素成分が吸着する。その結果、外気よりも窒素成分が少なくなることで外気よりも窒素濃度が低く且つ酸素濃度が高い酸素濃縮空気が生成される。一方、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)では、エアポンプ(31)によって内部の空気が吸引されて減圧されると、吸着剤に吸着されていた窒素成分が脱着する。その結果、外気よりも窒素成分を多く含むことで外気よりも窒素濃度が高く且つ酸素濃度が低い窒素濃縮空気が生成される。本実施形態では、例えば、窒素濃度92%、酸素濃度8%の成分比率の窒素濃縮空気が生成される。
第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の他端部(加圧時の流出口)には、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)において、第1ポンプ機構(31a)によって加圧された外気が供給されて生成された酸素濃縮空気を、コンテナ(11)の庫外へ導くための酸素排出通路(45)の一端が接続されている。酸素排出通路(45)の一端は、2つに分岐し、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の他端部のそれぞれに接続されている。酸素排出通路(45)の他端は、気体供給装置(30)の外部、即ち、コンテナ(11)の庫外において開口している。酸素排出通路(45)の第1吸着筒(34)の他端部に接続された部分及び第2吸着筒(35)の他端部に接続された部分には、酸素排出通路(45)から第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)への空気の逆流を防止するための逆止弁(61)がそれぞれ設けられている。
酸素排出通路(45)の中途部には、逆止弁(62)とオリフィス(63)とが一端から他端に向かって順に設けられている。逆止弁(62)は、後述する排気用接続通路(71)からの窒素濃縮空気の第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)側への逆流を防止する。オリフィス(63)は、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)から流出した酸素濃縮空気が庫外へ排出される前に減圧する。
(給排切換機構)
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内空間(S)に供給する後述する気体供給動作(図4及び図5を参照)と生成した窒素濃縮空気を庫外へ排出する気体排出動作(図示省略)とを切り換えるための給排切換機構(70)が設けられている。給排切換機構(70)は、排気用接続通路(71)と、排気用開閉弁(72)と、供給側開閉弁(73)とを有している。
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気をコンテナ(11)の庫内空間(S)に供給する後述する気体供給動作(図4及び図5を参照)と生成した窒素濃縮空気を庫外へ排出する気体排出動作(図示省略)とを切り換えるための給排切換機構(70)が設けられている。給排切換機構(70)は、排気用接続通路(71)と、排気用開閉弁(72)と、供給側開閉弁(73)とを有している。
排気用接続通路(71)は、一端が供給通路(44)に接続され、他端が酸素排出通路(45)に接続されている。排気用接続通路(71)の他端は、酸素排出通路(45)のオリフィス(63)よりも庫外側に接続されている。
排気用開閉弁(72)は、排気用接続通路(71)に設けられている。排気用開閉弁(72)は、排気用接続通路(71)の中途部において、供給通路(44)から流入した窒素濃縮空気の流通を許容する開状態と、窒素濃縮空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気用開閉弁(72)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
供給側開閉弁(73)は、供給通路(44)における排気用接続通路(71)が接続される接続部よりも他端側(庫内側)に設けられている。供給側開閉弁(73)は、供給通路(44)の排気用接続通路(71)の接続部よりも庫内側において、窒素濃縮空気の庫内側への流通を許容する開状態と、窒素濃縮空気の庫内側への流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。供給側開閉弁(73)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
(測定ユニット)
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気の濃度を、コンテナ(11)の庫内空間(S)に設けられた後述するセンサユニット(50)の酸素センサ(51)を用いて測定する給気測定動作(図示省略)を行うための測定ユニット(80)が設けられている。測定ユニット(80)は、分岐管(測定用通路)(81)と測定用開閉弁(82)とを備え、供給通路(44)を流れる窒素濃縮空気の一部を分岐させて酸素センサ(51)に導くように構成されている。
空気回路(3)には、生成した窒素濃縮空気の濃度を、コンテナ(11)の庫内空間(S)に設けられた後述するセンサユニット(50)の酸素センサ(51)を用いて測定する給気測定動作(図示省略)を行うための測定ユニット(80)が設けられている。測定ユニット(80)は、分岐管(測定用通路)(81)と測定用開閉弁(82)とを備え、供給通路(44)を流れる窒素濃縮空気の一部を分岐させて酸素センサ(51)に導くように構成されている。
具体的には、分岐管(81)は、一端が供給通路(44)に接続され、他端が酸素センサ(51)の後述する酸素センサボックス(51a)に連結されている。なお、本実施形態では、分岐管(81)は、ユニットケース(36)内において供給通路(44)から分岐し、ユニットケースの内外に亘るように設けられている。
測定用開閉弁(82)は、分岐管(81)のユニットケースの内部に設けられている。測定用開閉弁(82)は、分岐管(81)における窒素濃縮空気の流通を許容する開状態と、分岐管(81)における窒素濃縮空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。測定用開閉弁(82)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。詳細については後述するが、測定用開閉弁(82)は、後述する給気測定動作が実行される際にのみ開状態となり、その他のモードでは閉状態となる。
[排気部]
−排気部の構成−
図2に示すように、排気部(46)は、庫内収納空間(S2)と庫外空間とを繋ぐ排気通路(46a)と、排気通路(46a)に接続された排気弁(46b)と、排気通路(46a)の流入端部(庫内側端部)に設けられたメンブレンフィルタ(46c)とを有している。排気通路(46a)は、ケーシング(12)を内外に貫通するように設けられている。排気弁(46b)は、排気通路(46a)の庫内側に設けられ、排気通路(46a)における空気の流通を許容する開状態と、排気通路(46a)における空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気弁(46b)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
−排気部の構成−
図2に示すように、排気部(46)は、庫内収納空間(S2)と庫外空間とを繋ぐ排気通路(46a)と、排気通路(46a)に接続された排気弁(46b)と、排気通路(46a)の流入端部(庫内側端部)に設けられたメンブレンフィルタ(46c)とを有している。排気通路(46a)は、ケーシング(12)を内外に貫通するように設けられている。排気弁(46b)は、排気通路(46a)の庫内側に設けられ、排気通路(46a)における空気の流通を許容する開状態と、排気通路(46a)における空気の流通を遮断する閉状態とに切り換わる電磁弁によって構成されている。排気弁(46b)の開閉動作は、制御部(55)によって制御される。
−排気部の運転動作−
庫内ファン(26)の回転の回転中に、制御部(55)によって排気弁(46b)を開くことによって、庫内空間(S)に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が庫外へ排出される排気動作が行われる。
庫内ファン(26)の回転の回転中に、制御部(55)によって排気弁(46b)を開くことによって、庫内空間(S)に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が庫外へ排出される排気動作が行われる。
具体的には、庫内ファン(26)が回転すると、吹出側の2次空間(S22)の圧力が、庫外空間の圧力(大気圧)よりも高くなる。これにより、排気弁(46b)が開状態であるときには、排気通路(46a)の両端部の間で生じる圧力差(庫外空間と2次空間(S22)との間の圧力差)により、庫内空間(S)に繋がる庫内収納空間(S2)の空気(庫内空気)が排気通路(46a)を通って庫外空間へ排出される。
[センサユニット]
−センサユニットの構成−
図2に示すように、センサユニット(50)は、庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)に設けられている。センサユニット(50)は、酸素センサ(51)と、二酸化炭素センサ(52)と、固定プレート(53)と、メンブレンフィルタ(54)と、連絡管(56)と、排気管(57)とを有している。
−センサユニットの構成−
図2に示すように、センサユニット(50)は、庫内収納空間(S2)における庫内ファン(26)の吹出側の2次空間(S22)に設けられている。センサユニット(50)は、酸素センサ(51)と、二酸化炭素センサ(52)と、固定プレート(53)と、メンブレンフィルタ(54)と、連絡管(56)と、排気管(57)とを有している。
酸素センサ(51)は、内部にガルバニ電池式センサが収容された酸素センサボックス(51a)を有している。酸素センサ(51)は、ガルバニ電池式センサの電解液に流れる電流値を計測することによって、酸素センサボックス(51a)内の気体中の酸素濃度を測定する。酸素センサボックス(51a)の外面は、固定プレート(53)に固定されている。酸素センサボックス(51a)の外面であって固定プレート(53)への固定面とは反対側の面には、開口が形成され、該開口には、通気性と防水性を有するメンブレンフィルタ(54)が取り付けられている。また、酸素センサボックス(51a)の一方の側面には、コネクタを介して連絡管(56)の一端が連結されている。さらに、酸素センサボックス(51a)の下面には、コネクタ(管継手)を介して測定ユニット(80)の分岐管(81)が連結されている。
二酸化炭素センサ(52)は、二酸化炭素センサボックス(52a)を有し、二酸化炭素センサボックス(52a)内の気体に赤外線を放射し、二酸化炭素に固有の波長の赤外線の吸収量を計測することによって気体中の二酸化炭素濃度を測定する非分散型赤外線方式(NDIR:non dispersive infrared)のセンサである。二酸化炭素センサボックス(52a)の一方の側面には、コネクタを介して連絡管(56)の他端が連結されている。また、二酸化炭素センサボックス(52a)の他方の側面には、コネクタを介して排気管(57)の一端が連結されている。
固定プレート(53)は、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とが取り付けられた状態で、ケーシング(12)に固定されている。
連絡管(56)は、上述のように、酸素センサボックス(51a)の側面と二酸化炭素センサボックス(52a)の側面とに連結され、酸素センサボックス(51a)の内部空間と二酸化炭素センサボックス(52a)の内部空間とを連通させている。
排気管(57)は、上述のように、一端が二酸化炭素センサボックス(52a)の他方の側面に連結され、他端が庫内ファン(26)の吸込口の近傍において開口している。つまり、排気管(57)は、二酸化炭素センサボックス(52a)の内部空間と庫内収納空間(S2)の1次空間(S21)とを連通させている。
−濃度測定動作−
庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)と1次空間(S21)とは、メンブレンフィルタ(54)、酸素センサボックス(51a)の内部空間、連絡管(56)、二酸化炭素センサボックス(52a)の内部空間、及び排気管(57))によって形成される空気通路(58)を介して連通している。そのため、庫内ファン(26)の運転中には、1次空間(S21)の圧力が、2次空間(S22)の圧力よりも低くなる。この圧力差により、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とが接続された空気通路(58)において、2次空間(S22)側から1次空間(S21)側へ庫内空気が流れる。このようにして、庫内空気が酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とを順に通過し、酸素センサ(51)において庫内空気の酸素濃度が測定され、二酸化炭素センサ(52)において庫内空気の二酸化炭素濃度が測定される。
庫内収納空間(S2)の2次空間(S22)と1次空間(S21)とは、メンブレンフィルタ(54)、酸素センサボックス(51a)の内部空間、連絡管(56)、二酸化炭素センサボックス(52a)の内部空間、及び排気管(57))によって形成される空気通路(58)を介して連通している。そのため、庫内ファン(26)の運転中には、1次空間(S21)の圧力が、2次空間(S22)の圧力よりも低くなる。この圧力差により、酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とが接続された空気通路(58)において、2次空間(S22)側から1次空間(S21)側へ庫内空気が流れる。このようにして、庫内空気が酸素センサ(51)と二酸化炭素センサ(52)とを順に通過し、酸素センサ(51)において庫内空気の酸素濃度が測定され、二酸化炭素センサ(52)において庫内空気の二酸化炭素濃度が測定される。
[制御部]
制御部(55)は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を所望の濃度にする濃度調節運転を実行するように構成されている。具体的には、制御部(55)は、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)が所望の組成(例えば、酸素濃度3%、二酸化炭素濃度5%)になるように、気体供給装置(30)及び排気部(46)の動作を制御する。
制御部(55)は、コンテナ(11)の庫内空気の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を所望の濃度にする濃度調節運転を実行するように構成されている。具体的には、制御部(55)は、酸素センサ(51)及び二酸化炭素センサ(52)の測定結果に基づいて、コンテナ(11)の庫内空気の組成(酸素濃度及び二酸化炭素濃度)が所望の組成(例えば、酸素濃度3%、二酸化炭素濃度5%)になるように、気体供給装置(30)及び排気部(46)の動作を制御する。
[フィルタユニット]
図1,図6に示すように、気体供給装置(30)が庫外収納空間(S1)の左下のコーナー部(凝縮器(22)の下方の左端)に配置されているのに対して、気体供給装置(30)へ空気を取り込むために設けられるフィルタユニット(75)は、庫外収納空間(S1)を正面から見て電装品ボックス(17)の左側に配置されている。具体的には、フィルタユニット(75)はケーシング(11)の庫外収納空間(S1)の左側の内面に配置されている。ユニットケース(36)内のエアポンプ(31)には、空気を吸引するための上記外気通路(41)を構成するエアチューブ(85)の一端が接続され、エアチューブ(85)の他端にフィルタユニット(75)が接続されている。フィルタユニットは、中空のフィルタボックスのエアチューブ接続面を除く複数面(3〜4面)が空気を吸い込む空気吸込口として構成され、各空気吸込口にエアフィルタ(76)が装着されている。エアフィルタ(76)は、通気性と防水性を有するメンブレンフィルタにより構成されている。
図1,図6に示すように、気体供給装置(30)が庫外収納空間(S1)の左下のコーナー部(凝縮器(22)の下方の左端)に配置されているのに対して、気体供給装置(30)へ空気を取り込むために設けられるフィルタユニット(75)は、庫外収納空間(S1)を正面から見て電装品ボックス(17)の左側に配置されている。具体的には、フィルタユニット(75)はケーシング(11)の庫外収納空間(S1)の左側の内面に配置されている。ユニットケース(36)内のエアポンプ(31)には、空気を吸引するための上記外気通路(41)を構成するエアチューブ(85)の一端が接続され、エアチューブ(85)の他端にフィルタユニット(75)が接続されている。フィルタユニットは、中空のフィルタボックスのエアチューブ接続面を除く複数面(3〜4面)が空気を吸い込む空気吸込口として構成され、各空気吸込口にエアフィルタ(76)が装着されている。エアフィルタ(76)は、通気性と防水性を有するメンブレンフィルタにより構成されている。
[フィルタの圧力損失抑制]
本実施形態の気体供給装置(30)は、上記フィルタユニット(75)に設けられたエアフィルタ(76)に付着する塩分量を検出する塩分量検出部(91)(図6参照)と、上記流入口から気体通路(40)へ流入する気体の湿度を検出する湿度検出部(92)と、上記気体を加熱する加熱部(93)(図4,図5参照)とを備えている。
本実施形態の気体供給装置(30)は、上記フィルタユニット(75)に設けられたエアフィルタ(76)に付着する塩分量を検出する塩分量検出部(91)(図6参照)と、上記流入口から気体通路(40)へ流入する気体の湿度を検出する湿度検出部(92)と、上記気体を加熱する加熱部(93)(図4,図5参照)とを備えている。
上記制御部(55)は、上記塩分量検出部(91)で検出した塩分量と上記湿度検出部(92)で検出した気体の湿度に基づいて、潮解現象が生じるときの上記フィルタの圧力損失を予測する圧力損失予測部(55a)を備えている。また、上記制御部(55)は、上記湿度検出部(92)で検出された湿度が潮解発生基準湿度より小さいときに、上記圧力損失予測部(55a)の圧力損失予測値と予め定められた圧力損失基準値とを比較する圧力損失比較部(55b)と、上記圧力損失予測値が上記圧力損失基準値を超えるとアラームを発するアラーム発令部(55c)とを備えている。
上記圧力損失比較部(55b)は、上記圧力損失予測値と圧力損失基準値との比較に加えて、上記湿度検出部で検出された湿度検出値が潮解発生基準湿度を超えているときに圧力損失実測値と上記圧力損失基準値とを比較することもできるように構成されている。
上記塩分量検出部(91)は、ACM(Atmospheric Corrosion Monitor)センサを用いると、塩分量を該センサで直接測定することができる。この湿度検出部(92)は、エアフィルタ(76)の周囲の空気の湿度を測定するように、フィルタユニット(75)の近傍に配置されている。
なお、上記加熱部(93)は、エアフィルタ(76)へ流入する気体を加熱することで該気体の相対湿度を下げるものであるが、必ずしも設けなくてよい。
−圧力損失の予測とアラームの発令動作−
図7は、フィルタ表面の塩分量と、その塩分量で潮解現象が生じたときの圧力損失増加率との関係を過去のデータに基づいて表したグラフ、図8は、ポンプ運転時間とフィルタ表面の塩分量の関係を過去のデータに基づいて表したグラフである。ここで、潮解現象は、一般に相対湿度が約75%になると生じ、湿度が上昇すると圧力損失が大きくなる。
図7は、フィルタ表面の塩分量と、その塩分量で潮解現象が生じたときの圧力損失増加率との関係を過去のデータに基づいて表したグラフ、図8は、ポンプ運転時間とフィルタ表面の塩分量の関係を過去のデータに基づいて表したグラフである。ここで、潮解現象は、一般に相対湿度が約75%になると生じ、湿度が上昇すると圧力損失が大きくなる。
上記圧力損失予測部(55a)は、エアポンプ(31)の吸入圧力を気体通路(40)に設けられる圧力センサ(図示せず)により測定し、そのときの外気湿度が例えば75%以下である場合に、高湿度(例えば90%)での潮解現象発生時の圧力損失の増加率を図7のグラフに基づいて過去のデータから予測して、予め定められた閾値(圧力損失基準値)を運転中に超えるかどうかを予測する。そして、圧力損失予測値が圧力損失基準値を超えると、上記アラーム発令部(55c)によりアラームを発令する。
ここで、図8に示すように、運転時間が長くなるとフィルタ表面の塩分量は増加する。また、図7に示すように、フィルタ表面の塩分量が増加すると、潮解現象が生じたときの圧力損失が大きくなる。例えば、図7において、塩分量が0.05g/m2を超えたら圧力損失は約2倍(約100%)に増加する。そこで、通常の湿度であれば吸入圧力が−49KPaになるとアラームを発令する場合、本実施形態では、−24.5KPaでアラームを発令することで、高湿度になるとエアフィルタ(76)で潮解が生じて圧力損失が低下することを事前に周囲に知らせることができる。なお、上記の吸入圧力の値は単なる一例である。
また、外気の湿度が75%を超える状況であれば、既にエアフィルタ(76)で潮解現象が生じた状態で圧力損失が求められているので、圧力損失比較部(55b)及びアラーム発令部(55c)により、その圧力損失実測値と圧力損失基準値(閾値)に基づいてアラームが発令される。
−運転動作−
〈冷媒回路の運転動作〉
本実施形態では、図3に示すユニット制御部(100)によって、コンテナ(11)の庫内空気を冷却する冷却運転が実行される。
〈冷媒回路の運転動作〉
本実施形態では、図3に示すユニット制御部(100)によって、コンテナ(11)の庫内空気を冷却する冷却運転が実行される。
冷却運転では、ユニット制御部(100)によって、圧縮機(21)、膨張弁(23)、庫外ファン(25)及び庫内ファン(26)の動作が、図示しない温度センサの測定結果に基づいて庫内空気の温度が所望の目標温度になるように制御される。このとき、冷媒回路(20)では、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。そして、庫内ファン(26)によって庫内収納空間(S2)へ導かれたコンテナ(11)の庫内空気が、蒸発器(24)を通過する際に該蒸発器(24)の内部を流れる冷媒によって冷却される。蒸発器(24)において冷却された庫内空気は、床下流路(19a)を通って吹出口(18b)から再びコンテナ(11)の庫内空間(S)へ吹き出される。これにより、コンテナ(11)の庫内空気が冷却される。
〈気体供給装置の基本的な運転動作〉
気体供給装置(30)では、第1吸着筒(34)が加圧されると同時に第2吸着筒(35)が減圧される第1動作(図4を参照)と、第1吸着筒(34)が減圧されると同時に第2吸着筒(35)が加圧される第2動作(図5を参照)とが、所定の時間(例えば、14.5秒)ずつ交互に繰り返し行われることにより、窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。また、本実施形態では、第1動作と第2動作との各合間に、第1吸着筒(34)と第2吸着筒(35)のいずれもが加圧される均圧動作(図示せず)が、所定の時間(例えば、1.5秒)行われる。各動作の切り換えは、制御部(55)が第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を操作することによって行われる。
気体供給装置(30)では、第1吸着筒(34)が加圧されると同時に第2吸着筒(35)が減圧される第1動作(図4を参照)と、第1吸着筒(34)が減圧されると同時に第2吸着筒(35)が加圧される第2動作(図5を参照)とが、所定の時間(例えば、14.5秒)ずつ交互に繰り返し行われることにより、窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。また、本実施形態では、第1動作と第2動作との各合間に、第1吸着筒(34)と第2吸着筒(35)のいずれもが加圧される均圧動作(図示せず)が、所定の時間(例えば、1.5秒)行われる。各動作の切り換えは、制御部(55)が第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を操作することによって行われる。
《第1動作》
第1動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図4に示す第1状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断された第1接続状態となる。
第1動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図4に示す第1状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断された第1接続状態となる。
第1ポンプ機構(31a)は、加圧した外気を第1吸着筒(34)へ供給する。第1吸着筒(34)へ流入した空気に含まれる窒素成分は、第1吸着筒(34)の吸着剤に吸着される。このように、第1動作中、第1吸着筒(34)では、上記第1ポンプ機構(31a)から加圧された外気が供給されて該外気中の窒素成分が吸着剤に吸着されることにより、窒素濃度が外気よりも低く酸素濃度が外気よりも高い酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第1吸着筒(34)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第2吸着筒(35)から空気を吸引する。その際、第2吸着筒(35)の吸着剤に吸着された窒素成分が、空気と共に第2ポンプ機構(31b)に吸引されて吸着剤から脱着する。このように、第1動作中、第2吸着筒(35)では、第2ポンプ機構(31b)によって内部の空気が吸引されて吸着剤に吸着された窒素成分が脱着することにより、吸着剤から脱着した窒素成分を含み、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気が生成される。窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)に吸い込まれ、加圧された後、供給通路(44)に吐出される。
《第2動作》
第2動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図5に示す第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第2接続状態となる。
第2動作では、制御部(55)によって、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)が共に、図5に示す第2状態に切り換えられる。これにより、空気回路(3)は、第1吸着筒(34)が第2ポンプ機構(31b)の吸込口に連通して第1ポンプ機構(31a)の吐出口から遮断され、且つ第2吸着筒(35)が第1ポンプ機構(31a)の吐出口に連通して第2ポンプ機構(31b)の吸込口から遮断された第2接続状態となる。
第1ポンプ機構(31a)は、加圧した外気を第2吸着筒(35)へ供給する。第2吸着筒(35)へ流入した空気に含まれる窒素成分は、第2吸着筒(35)の吸着剤に吸着される。このように、第2動作中、第2吸着筒(35)では、上記第1ポンプ機構(31a)から加圧された外気が供給されて該外気中の窒素成分が吸着剤に吸着されることにより、窒素濃度が外気よりも低く酸素濃度が外気よりも高い酸素濃縮空気が生成される。酸素濃縮空気は、第2吸着筒(35)から酸素排出通路(45)に流出する。
一方、第2ポンプ機構(31b)は、第1吸着筒(34)から空気を吸引する。その際、第1吸着筒(34)の吸着剤に吸着された窒素成分が、空気と共に第2ポンプ機構(31b)に吸引されて吸着剤から脱着する。このように、第2動作中、第1吸着筒(34)では、第2ポンプ機構(31b)によって内部の空気が吸引されて吸着剤に吸着された窒素成分が脱着することにより、吸着剤から脱着した窒素成分を含み、窒素濃度が外気よりも高く酸素濃度が外気よりも低い窒素濃縮空気が生成される。窒素濃縮空気は、第2ポンプ機構(31b)に吸い込まれ、加圧された後、供給通路(44)に吐出される。
ところで、上述したように、第1動作中には、第1吸着筒(34)では第1ポンプ機構(31a)によって加圧されて吸着動作が行われ、第2吸着筒(35)では第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作が行われる。一方、第2動作中には、第2吸着筒(35)では第1ポンプ機構(31a)によって加圧されて吸着動作が行われ、第1吸着筒(34)では第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作が行われる。そのため、上述の均圧動作を挟むことなく、第1動作から第2動作へ切り換える又は第2動作から第1動作へ切り換えると、切り換え直後は、切り換え前に脱着動作を行っていた吸着筒内の圧力が著しく低いため、該吸着筒内の圧力が上昇するのに時間がかかり、すぐには吸着動作が行われない。
そこで、本実施形態では、第1動作から第2動作へ切り換える際、及び第2動作から第1動作へ切り換える際に、空気回路(3)を第3接続状態に切り換え、第1吸着筒(34)と第2吸着筒(35)とを、第1方向制御弁(32)及び第2方向制御弁(33)を介して連通させることとしている。これにより、第1吸着筒(34)及び第2吸着筒(35)の互いの内部圧力が、速やかに等しくなる(互いの内部圧力の中間の圧力になる)。このような均圧動作により、切り換え前に第2ポンプ機構(31b)によって減圧されて脱着動作を行っていた吸着筒内の圧力が、速やかに上昇するため、第1ポンプ機構(31a)への接続後、速やかに吸着動作が行われる。
このようにして、気体供給装置(30)では、均圧動作を挟みながら第1動作と第2動作とを交互に繰り返すことによって空気回路(3)において窒素濃縮空気と酸素濃縮空気とが生成される。
また、本実施形態では、エアフィルタ(76)の塩分付着量が多く、高湿度(75%以上)になると潮解現象が生じてエアフィルタ(76)の圧力損失が大きくなると予測されるときは、事前にアラームが発令されて周囲に知らされる。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、塩分量検出部(91)で検出されたフィルタ(76)の塩分量と、湿度検出部(92)で検出した気体の湿度に基づいて、高湿度になって潮解現象が生じるときのフィルタ(76)の圧力損失が予測される。つまり、塩分量と湿度の検出時点では潮解現象が生じていなくても、湿度が上昇して潮解現象が生じる状態になったときのフィルタ(76)の圧力損失が、上記圧力損失予測部(55a)で前もって予測される。
本実施形態によれば、塩分量検出部(91)で検出されたフィルタ(76)の塩分量と、湿度検出部(92)で検出した気体の湿度に基づいて、高湿度になって潮解現象が生じるときのフィルタ(76)の圧力損失が予測される。つまり、塩分量と湿度の検出時点では潮解現象が生じていなくても、湿度が上昇して潮解現象が生じる状態になったときのフィルタ(76)の圧力損失が、上記圧力損失予測部(55a)で前もって予測される。
そして、湿度の検出値が潮解の生じる湿度に達していないときに、圧力損失予測値と圧力損失基準値とが比較されて、圧力損失予測値が上記圧力損失基準値を超えるとアラーム発令部(55c)でアラームが発令される。したがって、現状では潮解が生じていなくても、湿度が上昇すると潮解が生じると判断されたときは、圧力損失が低下すると予測されることがアラームで警告される。このことにより、前もってフィルタ(76)を掃除したり交換したりするタイミングを周りに知らせることができ、運転中に空気がフィルタ(76)を通過しにくくなってしまうのを予防できる。
また、湿度の検出値が潮解の生じる湿度に達しているときには、圧力損失実測値と圧力損失基準値とが比較されて、圧力損失実測値が上記圧力損失基準値を超えるとアラーム発令部(55c)でアラームが発令される。したがって、潮解が生じる湿度まで上昇したと判断されたときは、すでに圧力損失が低下すると状況であることがアラームで警告される。このことにより、フィルタ(76)を掃除したり交換したりするタイミングであることを周りに知らせることができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態では、気体供給装置(30)は、フィルタユニット(75)から空気を吸い込み、対象空間(S)であるコンテナ(11)の庫内空間(S)に窒素濃縮空気を供給するための装置としているが、対象空間(S)はコンテナ(11)の庫内空間(S)でなくてもよいし、供給する気体も窒素濃縮空気でなくてもよい。例えば、沿岸地域の保管庫の庫内へ気体を供給する装置であってもよい。
また、上記実施形態では、塩分量検出部(91)にACMセンサを用いているが、図8のグラフに基づいて塩分付着量を求めたり、ポンプ運転時間と塩分付着量の換算式を使用して塩分量を求めたりする(航路がほぼ同じときに有効)ようにしてもよい。
また、上記湿度検出部は、フィルタ雰囲気に湿度センサを設ける他に、コンテナ(11)の庫内センサを利用してもよい。具体的には、庫内空気調節装置(60)で外気を庫内へ充填するときに空気を庫内空気調節装置(60)の湿度センサへ導入して庫外の湿度を測定したり、コンテナ(11)の換気口をあけて庫外の空気を取り入れ、そのときに湿度を測定したりするようにしてもよい。
以上説明したように、本発明は、対象空間へ気体を供給する気体通路と、気体通路の流入口に設けられたフィルタユニットと、気体通路の途中に設けられたエアポンプとを備えた気体供給装置、対象空間へ酸素の含有量が少なく窒素の含有量が多い混合気体を供給する庫内空気調節装置、及びこの庫内空気調節装置を備えたコンテナ用冷凍装置について有用である。
10 コンテナ用冷凍装置
11 コンテナ
12 ケーシング
20 冷媒回路
30 気体供給装置
31 エアポンプ
38 混合気体生成部
40 気体通路
55a 圧力損失予測部
55b 圧力損失比較部
55c アラーム発令部
60 庫内空気調節装置
75 フィルタユニット
76 フィルタ(エアフィルタ)
91 塩分量検出部
92 湿度検出部
11 コンテナ
12 ケーシング
20 冷媒回路
30 気体供給装置
31 エアポンプ
38 混合気体生成部
40 気体通路
55a 圧力損失予測部
55b 圧力損失比較部
55c アラーム発令部
60 庫内空気調節装置
75 フィルタユニット
76 フィルタ(エアフィルタ)
91 塩分量検出部
92 湿度検出部
Claims (5)
- 対象空間へ気体を供給する気体通路(40)と、該気体通路(40)の流入口に設けられたフィルタユニット(75)と、該気体通路(40)の途中に設けられたエアポンプ(31)とを備え、塩害が生じ得る条件で用いられる気体供給装置(30)であって、
上記フィルタユニット(75)に設けられたフィルタ(76)に付着する塩分量を検出する塩分量検出部(91)と、
上記流入口から気体通路(40)へ流入する気体の湿度を検出する湿度検出部(92)と、
上記塩分量検出部(91)で検出した塩分量と、上記湿度検出部(92)で検出した気体の湿度に基づいて、潮解現象が生じるときの上記フィルタ(76)の圧力損失を予測する圧力損失予測部(55a)と、
を備えていることを特徴とする気体供給装置。 - 請求項1において、
上記湿度検出部(92)で検出された湿度が潮解発生基準湿度以下のときに、上記圧力損失予測部(55a)の圧力損失予測値と予め定められた圧力損失基準値とを比較する圧力損失比較部(55b)と、
上記圧力損失予測値が上記圧力損失基準値を超えるとアラームを発するアラーム発令部(55c)と、
を備えていることを特徴とする気体供給装置。 - 請求項2において、
上記圧力損失比較部(55b)は、圧力損失予測値と圧力損失基準値との比較に加えて、上記湿度検出部(92)で検出された湿度検出値が潮解発生基準湿度を超えているときに圧力損失実測値と上記圧力損失基準値との比較を行うように構成されていることを特徴とする気体供給装置。 - 気体供給装置(30)と、該気体供給装置(30)のフィルタユニット(75)を通じて取り込んだ空気から該空気よりも窒素濃度が高く酸素濃度が低い混合気体を生成する混合気体生成部(38)とを備えた庫内空気調節装置であって、
上記気体供給装置(30)が請求項1から3の何れか1つに記載の気体供給装置(30)であり、
上記混合気体生成部(38)で生成された気体を上記エアポンプ(31)により対象空間へ供給するように構成されていることを特徴とする庫内空気調節装置。 - コンテナ(11)に装着されるケーシング(12)と、該ケーシング(12)に取り付けられた冷媒回路(20)の構成部品と、該ケーシング(12)に取り付けられた庫内空気調節装置(60)とを備え、
上記コンテナ(11)の庫内空間を冷却するとともに、上記コンテナ(11)の庫内空間へ上記庫内空気調節装置(60)で混合気体を供給するように構成されたコンテナ用冷凍装置であって、
上記庫内空気調節装置(60)が、請求項4に記載の庫内空気調節装置(60)により構成されていることを特徴とするコンテナ用冷凍装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017179015A JP2019052825A (ja) | 2017-09-19 | 2017-09-19 | 気体供給装置、庫内空気調節装置、及びコンテナ用冷凍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017179015A JP2019052825A (ja) | 2017-09-19 | 2017-09-19 | 気体供給装置、庫内空気調節装置、及びコンテナ用冷凍装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019052825A true JP2019052825A (ja) | 2019-04-04 |
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ID=66014767
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017179015A Pending JP2019052825A (ja) | 2017-09-19 | 2017-09-19 | 気体供給装置、庫内空気調節装置、及びコンテナ用冷凍装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2019052825A (ja) |
-
2017
- 2017-09-19 JP JP2017179015A patent/JP2019052825A/ja active Pending
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