JP2019052658A - ボールジョイント及びそのベアリングシート - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮荷重の繰り返しの入力に起因する劣化を抑制できるとともに、突起の初期の摩耗を抑制できるボールシート及びこれを備えたボールジョイントを提供する。
【解決手段】ボール部28からボールスタッドの軸線方向の圧縮荷重を受けつつボール部28に対して摺動可能な状態で接触する受圧部32を設ける。受圧部32は、外周41a及び内周41bがそれぞれ球状の受圧部本体41を備える。受圧部32は、受圧部本体41の内周41bにボール部28と接触する曲面状の複数の突起42を突設する。受圧部32は、受圧部本体41の内周41bの突起42に対して胴体部31とは反対側に、ボール部28と接触する接触部43を突起42の先端と略等しい高さに形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボールスタッドのボール部を保持するボールジョイントのベアリングシート及びこれを備えたボールジョイントに関する。
従来、例えば自動車などの車両の懸架装置、あるいは操舵装置などに用いるボールジョイントは、ボール部及びスタッド部を一体に有するボールスタッドと、このボールスタッドのボール部を回動可能に保持する合成樹脂製などのベアリングシートである円筒状のボールシートと、このボール部を保持したボールシートを受ける有底円筒状のハウジングとを備えている。ボール部の外周面とボールシートの内周面との間には、潤滑剤である流体状のグリースが介在され、ボール部の回動時の良好な摺動性を確保している。
このようなボールジョイントにおいて、ハウジング、ボールシート及びボールスタッドのボール部を上側とし、ボールスタッドのスタッド部を下側とする、いわゆる圧縮(コンプレッション)タイプと呼ばれるものにおいては、低トルクの要求が強い。そのため、ボールシートの形状も、この要求に応じた仕様となっている。具体的に、このようなボールシートは、入力荷重を受ける受圧部の外周にリブを設けるとともに内周に先端側が平面状の突起を設けて、ボール部の表面とシート内周面との接触面積を制御して隙間を多くし、介在する潤滑剤による潤滑性を向上している(例えば、特許文献1参照。)。
特許第5355280号公報(第4−9頁、図1−4)
上述したボールシートの場合、ボール部との接触面積が少なく隙間が多くなる。特に、合成樹脂製のボールシートは射出成形により製造されるため、受圧部の外周にリブを有するなど、肉厚分布を有する形状の場合には厚肉の部分にひけが生じ、隙間がさらに増加する要因となる。
また、例えばスタッド部側を外部に突出させるための開口部を設けた端部をハウジングに組み込んだ後、ハウジングとともにかしめ変形させることでボール部の外周に追従させる、いわゆる変形シートの場合には、かしめ変形の際に大きな変形を伴う。この場合、樹脂製のボールシートと金属製のハウジングとでは変形率が異なるとともに、ハウジングの鍛造時の寸法誤差などもあるため、ボールシートの外周とハウジングの内周とが隙間なく沿うようにかしめるのは容易でなく、隙間が増加する要因となる。一方で、ボールシートを、内周がボール部の外周に沿うように予め成形する場合には、金型からの抜きや組み付け工程、部品点数などの増加が生じ、生産性の向上が容易でない。
そして、上記のようにボール部と受圧部の内周側との間に隙間が多い場合、入力荷重が集中し、受圧部に過度に高面圧な部位が生じる。そのため、その部位にクリープ変形やクラックが発生しないようにさらなる対策が必要となる。一方、ボール部に対して接触点を小さくしてトルクを抑制する場合、特に低温環境下において初期段階での接触点の潰れや摩耗を抑制することが望まれる。これらの課題は、圧縮タイプのボールジョイントだけでなく、ハウジング、ボールシート及びボールスタッドのボール部を下側とし、ボールスタッドのスタッド部を上側とする引張タイプ(テンションタイプ)のボールジョイントに対しても同様に生じ、また、車両用のボールジョイントだけでなく、任意の箇所に用いるボールジョイントに対しても同様に生じる。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、圧縮荷重の繰り返しの入力に起因する劣化を抑制できるとともに、突起の初期の摩耗を抑制できるボールジョイントのベアリングシート及びこれを備えたボールジョイントを提供することを目的とする。
請求項1記載のボールジョイントのベアリングシートは、ハウジングに収容され、潤滑剤を介してボールスタッドのボール部を保持するボールジョイントのベアリングシートであって、前記ボール部から前記ボールスタッドの軸線方向の圧縮荷重を受けつつ前記ボール部に対して摺動可能な状態で接触する受圧部と、前記ボールスタッドの一部が外部に導出される開口部を端部に有し、前記受圧部の一端側に位置する胴体部とを備え、前記受圧部は、外周及び内周がそれぞれ球状に形成された受圧部本体と、この受圧部本体の内周に突設され、前記ボール部と接触する曲面状の複数の突起と、前記受圧部本体の内周の前記突起に対して前記胴体部とは反対側に、これら突起の先端と略等しい高さに形成され、前記ボール部と接触する接触部とを備えたものである。
請求項2記載のボールジョイントのベアリングシートは、請求項1記載のボールジョイントのベアリングシートにおいて、接触部は、受圧部本体の内周の全周に連続して形成されているものである。
請求項3記載のボールジョイントのベアリングシートは、請求項1または2記載のボールジョイントのベアリングシートにおいて、受圧部の他端側に位置し、潤滑剤を内部に収容する潤滑剤収容部を備えたものである。
請求項4記載のボールジョイントは、ハウジングと、このハウジングに収容される請求項1ないし3いずれか一記載のベアリングシートと、このベアリングシートに保持されるボール部を備えたボールスタッドとを具備したものである。
請求項1記載のボールジョイントのベアリングシートによれば、ボールスタッドの軸線方向の圧縮荷重を受ける受圧部の受圧部本体の内周に突設した複数の突起を曲面状とすることで、ボール部との間で形成される隙間を制御して受圧荷重や潤滑状態を制御でき、圧縮荷重の繰り返しの入力に起因する劣化を抑制できるとともに、受圧部本体の内周の突起に対して胴体部とは反対側の位置に、これら突起の先端と略等しい高さに接触部を形成することで、初期段階でボール部と接触する面積を接触部によって確保でき、突起への荷重の過剰な集中を緩和し、突起の初期の摩耗を抑制できる。
請求項2記載のボールジョイントのベアリングシートによれば、請求項1記載のボールジョイントのベアリングシートの効果に加えて、接触部を受圧部本体の内周の全周に連続して形成することで、ボール部と接触する面積を接触部によってより増加させることができ、突起の初期の摩耗をより確実に抑制できる。
請求項3記載のボールジョイントのベアリングシートによれば、請求項1または2記載のボールジョイントのベアリングシートの効果に加えて、受圧部の他端側に潤滑剤を内部に収容する潤滑剤収容部を設けることで、潤滑状態をより精度よく制御できる。
請求項4記載のボールジョイントによれば、請求項1ないし3いずれか一記載のベアリングシートを備えることで、圧縮荷重の繰り返しに対する耐久性に優れ、かつ、突起の初期の摩耗に伴う性能の低下を抑制したボールジョイントを提供できる。
(a)は本発明の一実施の形態のボールジョイントのベアリングシートを示す断面図、(b)は(a)の一部の拡大図である。 同上ベアリングシートを備えたボールジョイントを示す断面図である。
以下、本発明の一実施の形態の構成を、図1及び図2を参照して説明する。
図2において、11はボールジョイントを示し、このボールジョイント11は、例えば自動車などの車両の懸架装置、あるいは操舵装置などに用いられるものである。そして、ボールジョイント11は、ハウジング(受け側部材)であるソケット16と、ボール側部材であるボールスタッド17と、このボールスタッド17の一部を摺動(回動)可能に保持してソケット16に収容されるベアリングシートである略円筒状のボールシート18と、ソケット16の外周面からボールスタッド17の外周面に亘って配置されたダストカバー19とを備え、ソケット16を上側として配置される圧縮タイプのものである。なお、以下、図1及び図2中の下側を一端側である下側、上側を他端側である上側として説明する。また、ボールスタッド17の直立状態(中立状態)での長手方向(すなわち図1及び図2中の上下方向)を軸方向といい、この軸方向に対して直交する方向を軸直方向というものとする。したがって、ボールジョイント11の中心軸とは、ボールスタッド17の直立状態(中立状態)での中心軸と一致(略一致も含む)するものとする。
ソケット16は、例えば(冷間)鍛造、あるいは鋳造などにより有底円筒状(有蓋円筒状)に形成された金属製である。このソケット16は、円筒状の本体部21と、この本体部21の上端部に連続する縮径部22とを一体に備えている。また、このソケット16には、ボールシート18を収容する収容部である内室23が内部に区画されており、この内室23とソケット16の外部とを連通するソケット開口部24が下端部に形成されている。また、このソケット16の外周には、ダストカバー19の上端部を取り付け固定するカバー取付部25が形成されている。
縮径部22は、本体部21側である下端側から上端側へと徐々に縮径されるように形成されている。
内室23は、本体部21ないし縮径部22に亘って、下端側から上端側へと徐々に縮径される球面状に形成されている。
ソケット開口部24には、内室23に収容されたボールシート18の抜け止め用の保持部材としての円環状のプラグ26が、例えばかしめ固定されて取り付けられている。
一方、ボールスタッド17は、例えば鋼鉄製などであり、球状のボール部28と、このボール部28に連結された軸状のスタッド部29とを一体に備えている。
ボール部28は、外周面の一部がボールシート18に潤滑剤(グリース)Gを介して摺動(回動)可能に保持されている。すなわち、ボール部28は、ボールシート18とともにソケット16の内室23に収容されている。
スタッド部29は、図示しない外部の被接続部材に接続されて荷重が加わる部分であり、ソケット16から外方(図2中の下方)へと突出している。
そして、ボールシート18は、図1(a)及び図2に示すように、例えば耐摩耗性に優れる合成樹脂製などにより略円筒状に形成され、ソケット16の内室23に嵌着保持されて収容されている。このボールシート18は、円筒状のシート本体部である胴体部31と、この胴体部31の上端に連続する受圧部32と、この受圧部32の上端に連続し潤滑剤(グリース)Gを収容する潤滑剤収容部33とを一体に備えている。なお、このボールシート18の外周には、胴体部31、受圧部32、及び潤滑剤収容部33の少なくともいずれかの位置に、ボールシート18をソケット16の内室23に組み付ける際のエアを逃がすためのエア逃がし溝を設けてもよい。
胴体部31は、受圧部32の下端側に位置しており、ボールシート18が内室23に嵌着された状態でソケット16の本体部21の内方に位置する部分である。この胴体部31の下端部には、開口部35が設けられている。また、この胴体部31の下端部には、内方へと突出する内周側突出部36と、外方へと突出する外周側突出部37とがそれぞれ形成されている。さらに、この胴体部31の下端部は、ボールシート18をソケット16の内室23に収容した状態で、ソケット16に取り付けられたプラグ26に当接している。なお、この胴体部31の内周には、潤滑剤Gを収容する凹部(ディンプル)が周方向に略等間隔に離間されて複数設けられていてもよい。
開口部35は、ボールシート18が内室23に嵌着された状態でソケット16のソケット開口部24に連通し、ボールスタッド17のスタッド部29側をソケット16の外部に導出するものである。
内周側突出部36は、開口部35の縁部を構成している。この内周側突出部36は、胴体部31の内周のボール部28の赤道位置E(ボールスタッド17の軸線方向にてボール部28の最大径位置)に対応する位置から下端側へと徐々に中心軸側(内方)に突出するように湾曲して形成されている。また、この内周側突出部36は、ボールシート18単体状態、すなわちソケット16の内室23にボールシート18を収容していない状態では、ボール部28の外周形状に対して僅かに外方に離間される形状となっている。
外周側突出部37は、胴体部31(ボールシート18)の下端部の外周、すなわち内周側突出部36の背面側に位置している。この外周側突出部37は、胴体部31の外周にてボール部28の赤道位置Eよりも下側から下端側へと徐々に径方向(外方)に突出するように湾曲して形成されている。また、この外周側突出部37は、ボールシート18単体状態、すなわちソケット16の内室23にボールシート18を収容していない状態では、内室23の形状に対して僅かに外方に突出する形状となっている。
そして、この外周側突出部37が、ボールシート18をソケット16の内室23に収容保持した状態で内室23の内面に沿って中心軸側(内方)へと押されるように変形されることで、内周側突出部36がボール部28の外周形状に沿うように湾曲し、ボール部28の外周面に対して弾性的に圧縮して液密に密着するように構成されている。
したがって、ボールシート18の胴体部31の下端部は、ボールシート18をソケット16の内室23に組み付けることで僅かに変形してボール部28の外周面に密着する、半成形タイプとなっている。ここで、半成形タイプとは、予め胴体部31の下端部の内周側(内周側突出部36)をボール部28の外周面に密着する球面状に湾曲させて突出させるとともに下端部の外周側を略突出させないいわゆる成形タイプと、予め胴体部31の下端部の内周側に突出部を形成せずに外周側を大きく突出させてボールシート18をソケット16の内室23に組み付けてソケット16をかしめ変形させることでソケット16とともに胴体部31の下端部が大きく変形してボール部28の外周面に密着するいわゆる変形タイプとの中間程度を意味する。すなわち、ボールシート18の半成形タイプの胴体部31の下端部は、成形タイプよりも内周側への突出量(内周側突出部36の突出量)が小さく、変形タイプよりも外周側への突出量(外周側突出部37の突出量)が小さい。
また、受圧部32は、ボールシート18が内室23に嵌着された状態でソケット16の縮径部22の内方に位置し、ボール部28からボールスタッド17の軸線方向(上方向)の圧縮荷重を受けつつボール部28に対して摺動可能な状態で接触する部分である。この受圧部32は、受圧部本体41と、この受圧部本体41の内周に突設された複数の突起42と、この受圧部本体41の内周に突設された接触部43とを一体に備えている。
受圧部本体41は、ソケット16の内室23に対向(密着)する外周41a及びボール部28に対向する内周41bがそれぞれ略一定寸法の球面状に形成されて、全体に亘って薄肉の略一定厚み(一定厚みも含む)となっている。すなわち、この受圧部本体41は、実質的に肉厚の分布(偏り)がない形状となっている。
突起42は、受圧部本体41の内周41bの経線方向及び緯線方向に隣接して複数ずつ配置され、受圧部本体41の内周41bの上側の略全面に位置している。これら突起42は、それぞれ凸曲面状、好ましくは凸球面状に形成されており、先端側がボール部28の外周面と摺接する摺接部を構成している。すなわち、これら突起42は、ボール部28の外周面に対して、いずれも点状に接触している。そして、これら突起42は、その曲率半径に対して受圧部本体41の内周41bからの最大突出寸法が小さい(例えば1/10以下など)、浅い突出形状となっている(図1(b)に拡大して示す)。
接触部43は、受圧部本体41の内周41bに突設されている。この接触部43は、受圧部本体41の内周41bにおいて、突起42に対して胴体部31とは反対側である上側に位置している。また、この接触部43は、突起42の先端(最大突出位置)と略等しい高さ(等しい高さも含む)に突設されている。すなわち、この接触部43は、受圧部本体41に対する厚みが突起42と略等しい、略一定厚み(一定厚みも含む)となっている。換言すれば、この接触部43は、ボール部28の外周面に沿う凹球面状に形成されており、ボール部28の外周面に対して面状に接触して(べた当たりして)摺接する摺接部(べた当て領域)を構成している。この接触部43は、本実施の形態において、受圧部本体41の内周41bの全周に連続して形成されている。すなわち、この接触部43は、ボールジョイント11の中心軸の周囲を囲む帯状に形成されている。そして、この接触部43は、受圧部本体41の内周41bの突起42よりも上側の領域全体に形成されている。すなわち、この接触部43は、最上部に位置する突起42と潤滑剤収容部33との間に、これら突起42と潤滑剤収容部33とそれぞれ隣接して形成されている。
潤滑剤収容部33は、受圧部32に対して胴体部31と反対側である上端部に連続している。この潤滑剤収容部33は、円筒状に形成されており、受圧部32に対して同軸状に位置している。また、この潤滑剤収容部33は、受圧部32に対して上方に突出している。さらに、この潤滑剤収容部33の上端部には、端部開口部45が設けられている。この端部開口部45は、受圧部本体41を厚み方向に貫通して設けられている。この端部開口部45は、開口部35よりも小径に形成されている。この端部開口部45は、潤滑剤収容部33と連続し、潤滑剤Gを溜めるための潤滑剤溜め部となっている。
さらに、図2に示すダストカバー19は、ダストシール、あるいはブーツなどとも呼ばれ、ボールスタッド17の揺動に拘らずソケット16のソケット開口部24を覆い、ソケット16あるいはボールシート18の内部への水分及び塵埃などの侵入を阻止するものである。このダストカバー19は、例えば合成樹脂により略円筒状に形成され、下端側がボールスタッド17のスタッド部29の外周面に固定され、上端側がソケット16のカバー取付部25に嵌着され、この上端側の外周面に取り付けられたリング状の固定部材46により締め付け固定されている。
次に、上記一実施の形態の組み立て動作を説明する。
まず、ボールシート18は、図示しない成形型(金型)を用いて予め射出成形により形成する。このとき、ボールシート18は、受圧部32の受圧部本体41の外周41a及び内周41bがそれぞれ球面状で肉厚の分布を有しないことで、受圧部32にひけが生じにくく、容易に略一定厚みに成形される。また、胴体部31の下端部の内周側突出部36の突出量が成形タイプのものよりも小さいので、成形後に無理抜きをすることなく比較的容易に脱型される。
次いで、別途形成したボール部28を開口部35からボールシート18の内部に圧入する。このとき、ボールシート18の胴体部31の内周側突出部36の突出量が成形タイプのものよりも小さいので、ボール部28を比較的容易に圧入できる。なお、スタッド部29については、ボール部28と一体に成形してもよいし、後からボール部28に溶接などにより連結してもよい。また、潤滑剤Gは、ボールシート18に圧入するボール部28に塗布してもよいし、後工程でボールシート18内に注入してもよい。
そして、鍛造あるいは鋳造により別途形成したソケット16の内室23に対して、ボール部28を保持したボールシート18を圧入する。このとき、外周側突出部37が内室23に沿って中心軸側に向かって内方に変形することで、内周側突出部36がボール部28の外周面に圧接される。さらに、プラグ26をボールスタッド17のスタッド部29に対して挿通してソケット16に取り付け、ソケット16の下端側を中心側へとかしめ変形させることでプラグ26をソケット16のソケット開口部24の内縁部に保持する。この結果、ボールシート18がボールスタッド17とともに、ソケット16の内室23に回り止めされた状態で固定される。
この後、ダストカバー19をボールスタッド17のスタッド部29に対して挿通し、このダストカバー19の上端側を固定部材46によってカバー取付部25に締め付け固定するとともに、ダストカバー19の下端側をボールスタッド17のスタッド部29の外周に固定することにより、ボールジョイント11を完成する。
このように形成したボールジョイント11は、車体側からの荷重がボールスタッド17に加わると、ボールスタッド17が左右方向に揺動する。このとき、ボール部28が曲面状(球面状)の複数の突起42及び接触部43により支持され、かつ、ボール部28とボールシート18との間に潤滑剤Gが介在されていることにより、受圧荷重及び潤滑状態が制御され、ボール部28が円滑に回動(摺動)する。
すなわち、上記一実施の形態によれば、ボールスタッド17の軸線方向の圧縮荷重を受ける受圧部32の受圧部本体41を、外周41a及び内周41bがそれぞれ球状の略一定厚みとすることで、成形時の肉ひけを抑制し、ボールシート18(受圧部本体41の内周41b)とボール部28との間の隙間を精度よく制御できるとともに、この受圧部本体41に突設する複数の突起42を曲面状(球面状)とすることで、ボール部28との接触部に生じるボールシート18のよれ(撓み)の影響を抑制し、突起42の間の細かい凹みを意図的に配置して潤滑剤Gの保持性を向上させたり、ボール部28の外周面に対する接触面積を増やしたりすることができる。換言すれば、これら突起42を曲面状(球面状)としていることで、本来介在されるべき潤滑剤Gがボールシート18とボール部28の外周面とのべた当たりにより全て押し出されるなどの潤滑不良を生じないために必要な空間を確保できる。この結果、ボールシート18とボール部28との間で形成される隙間を制御して受圧荷重や潤滑状態を制御できる。したがって、圧縮荷重が集中して過度に高面圧となる部位が生じることを抑制でき、この過度な面圧に起因するクリープ変形やクラックなどの発生を抑制できるので、圧縮荷重の繰り返しの入力に起因するシート破壊、すなわちボールシート18の劣化(へたり)を抑制できる。
しかも、受圧部本体41の内周41bの突起42に対して胴体部31とは反対側の位置に、これら突起42の先端と略等しい高さに接触部43を形成することで、初期段階でボール部28の外周面と接触する面積を接触部43によって確保でき、突起42への荷重の過剰な集中を緩和し、突起42の初期の摩耗を抑制できる。さらに、接触部43が突起42に対して受圧部本体41の先端側(上端側)に位置するため、ボール部28の外周面とこの接触部43との接触に起因するトルクの上昇の影響が少ない。
特に、潤滑剤Gの温度が低下する低温環境下における突起42の摩耗を確実に抑制できるとともに、高温環境下での潤滑性の低下も生じにくく、荷重限界に変化が生じにくい。
また、接触部43を受圧部本体41の内周41bの全周に連続して形成することで、ボール部28の外周面と接触する面積を接触部43によってより増加させることができ、突起42の初期の摩耗をより確実に抑制できる。
さらに、胴体部31の下端部の内周側に突出させた内周側突出部36を、外周側に突出させた外周側突出部37がソケット16の内室23との接触によりこのソケット16の内室23に沿って変形することでボール部28に圧接させるので、内周側突出部36の突出量を、ソケット16に取り付けた際のボール部28に圧接するための変形量を最小限に抑制し、かつ、成形後に成形型から脱型したり、ボール部28をボールシート18に挿入したりする際に邪魔にならないように設定できる。したがって、ソケット16に取り付けた際の内周側突出部36の過大な変形に伴ってボールシート18とボール部28との間に意図しない隙間が形成されることを抑制でき、受圧荷重や潤滑状態をより精度よく制御できるとともに、成形型からの無理抜きや組み付け工程及び部品点数の増加などを抑制して、生産性の低下を抑制できる。
また、受圧部32の上端側に潤滑剤Gを内部に収容する潤滑剤収容部33を設けることで、潤滑剤Gの保持性を向上でき、この潤滑剤収容部33に収容した潤滑剤Gによって、ボールシート18とボール部28との間の潤滑状態をより精度よく制御できる。
そして、このようなボールシート18をボールジョイント11に備えることで、ボールシート18の劣化(へたり)に起因するボール部28とのがたつきの発生などの不具合を抑制でき、圧縮荷重の繰り返しに対する耐久性に優れ、かつ、突起42の初期の摩耗に伴う性能の低下を抑制したボールジョイント11を提供できる。
なお、上記一実施の形態において、接触部43は、受圧部本体41の内周41bに、柱状の突起として複数設ける構成としてもよいし、受圧部本体41の内周41bの厚みを突起42の上端側の位置から大きくした段差状としてもよい。
また、接触部43の大きさ(面積)は、ボール部28の外周面と接触する面積の増加による突起42の摩耗の抑制と、それに伴うトルクの上昇とのバランスを、ボールシート18の必要な性能に応じて任意に設定できる。
さらに、潤滑剤収容部33は、必須の構成ではない。潤滑剤収容部33を備えない構成の場合、端部開口部45は、受圧部32の上端部に設けることができる。
また、突起42は、球面状に限らず、例えば回転楕円体形状などの曲面状とすることができる。
さらに、ボールジョイント11は、車両の懸架装置に限らず、例えば操舵装置や、その他の装置に用いることができる。
そして、上記ボールジョイント11は、車両用に限らず、その他の任意の用途に用いることができる。
本発明は、例えば自動車などの車両の懸架装置などに好適に用いることができる。
11 ボールジョイント
16 ハウジングであるソケット
17 ボールスタッド
18 ベアリングシートであるボールシート
28 ボール部
31 胴体部
32 受圧部
33 潤滑剤収容部
35 開口部
41 受圧部本体
41a 外周
41b 内周
42 突起
43 接触部
G 潤滑剤

Claims (4)

  1. ハウジングに収容され、潤滑剤を介してボールスタッドのボール部を保持するボールジョイントのベアリングシートであって、
    前記ボール部から前記ボールスタッドの軸線方向の圧縮荷重を受けつつ前記ボール部に対して摺動可能な状態で接触する受圧部と、
    前記ボールスタッドの一部が外部に導出される開口部を端部に有し、前記受圧部の一端側に位置する胴体部とを備え、
    前記受圧部は、
    外周及び内周がそれぞれ球状に形成された受圧部本体と、
    この受圧部本体の内周に突設され、前記ボール部と接触する曲面状の複数の突起と、
    前記受圧部本体の内周の前記突起に対して前記胴体部とは反対側に、これら突起の先端と略等しい高さに形成され、前記ボール部と接触する接触部とを備えた
    ことを特徴とするボールジョイントのベアリングシート。
  2. 接触部は、受圧部本体の内周の全周に連続して形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のボールジョイントのベアリングシート。
  3. 受圧部の他端側に位置し、潤滑剤を内部に収容する潤滑剤収容部を備えた
    ことを特徴とする請求項1または2記載のボールジョイントのベアリングシート。
  4. ハウジングと、
    このハウジングに収容される請求項1ないし3いずれか一記載のベアリングシートと、
    このベアリングシートに保持されるボール部を備えたボールスタッドと
    を具備したことを特徴とするボールジョイント。
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