JP2019052653A - 自動変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成要素の数を少なく抑えて外形寸法の小型化や軽量化を図ることができ、また、レシオカバレッジをより広く取ることが可能な自動変速機を提供する。【解決手段】入力軸と、出力ギヤと、第1遊星歯車機構のキャリアと第2遊星歯車機構のキャリアとを連結する第1連結部材と、第1遊星歯車機構のリングギヤと第3遊星歯車機構のキャリアとを連結する第2連結部材と、第2遊星歯車機構のサンギヤと第3遊星歯車機構のリングギヤとを連結する第3連結部材と、第1遊星歯車機構のキャリアと入力軸とを連結可能な第1クラッチと、第3遊星歯車機構のキャリアと入力軸とを連結可能な第2クラッチと、第1遊星歯車機構のサンギヤを固定可能な第1ブレーキと、第3遊星歯車機構のリングギヤを固定可能な第2ブレーキと、第1連結部材を固定可能な切替機構と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、入力部材の回転を複数の遊星歯車機構を介して複数段に変速して出力部材から出力する自動変速機に関する。
従来、車両に搭載される自動変速機として、複数の遊星歯車機構とクラッチやブレーキからなる複数の係合機構とを用いて変速を行うように構成された自動変速機が知られている。この種の自動変速機として、特許文献1、2に示す自動変速機がある。特許文献1に記載の自動変速機は、2個の遊星歯車機構と5個のクラッチやブレーキなどの係合機構とを備え、前進6段および後進1段の変速段の設定が可能な自動変速機である。また、特許文献2に記載の自動変速機は、4個の遊星歯車機構と7個のクラッチやブレーキなどの係合機構を備え、前進10段および後進1段の変速段の設定が可能な自動変速機である。
しかしながら、特許文献1に示す従来の前進6段の自動変速機は、クラッチやブレーキなど構成要素の数が比較的に多く、また、外形寸法(特に軸方向の長さ寸法)が比較的に大きいという課題がある。また、自動変速機の全体の変速比(レシオカバレッジ)をさらに広げる余地がある。すなわち、同じ前進6段の変速段を有する自動変速機でも、内部機構の構成を見直すことにより、構成要素の数の削減や寸法の小型化・軽量化を図る余地がある。また、レシオカバレッジをより広くすることも可能である。
また、特許文献2に示す自動変速機は、前進10段および後進1段の変速段の設定が可能であるものの、より小型の車両に搭載することなどを考えると、設定可能な変速段の段数を少なくしても、外形寸法の更なる小型化や軽量化を図ることができる他の構成の自動変速機を構築することが考えられる。この場合において、特許文献2に記載の既存の自動変速機の構成を可能な限り流用しながらも、各変速段の変速比や段間比を適切に設定できるような最適な設計で、新たな自動変速機の開発を行うことが必要である。
特開2000−161450号公報 特開2015−230036号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、構成要素の数を少なく抑えて外形寸法の小型化や軽量化を図ることができ、また、レシオカバレッジをより広く取ることが可能な自動変速機を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明にかかる自動変速機は、第1要素(Sa)と、第3要素(Ra)と、第1要素(Sa)と第3要素(Ra)とに噛合するギヤ(Pa)を自転及び公転自在に軸支する第2要素(Ca)とからなる第1遊星歯車機構(P1)と、第4要素(Sb)と、第6要素(Rb)と、第4要素(Sb)及び第6要素(Rb)に噛合するギヤ(Pb)を自転及び公転自在に軸支する第5要素(Cb)とからなる第2遊星歯車機構(P2)と、第7要素(Sc)と、第9要素(Rc)と、第7要素(Sc)及び第9要素(Rc)に噛合するギヤ(Pc)を自転及び公転自在に軸支する第8要素(Cc)とからなる第3遊星歯車機構(P3)と、第1遊星歯車機構(P1)の第2要素(Ca)と入力部材(2)とを連結する連結状態と、この連結を断つ解放状態とに切換自在に構成された第1クラッチ(C1)と、第3遊星歯車機構(P3)の第9要素(Rc)と入力部材(2)とを連結する連結状態と、この連結を断つ解放状態とに切換自在に構成された第2クラッチ(C2)と、第1遊星歯車機構(P1)の第1要素(Sa)を固定する固定状態と、この固定を解除する解放状態とに切換自在に構成された第1ブレーキ(B1)と、第3遊星歯車機構(P3)の第9要素(Rc)を固定する固定状態と、この固定を解除する解放状態とに切換自在に構成された第2ブレーキ(B2)と、第1遊星歯車機構(P1)の第2要素(Ca)と第2遊星歯車機構(P2)の第5要素(Cb)とを連結する第1連結部材(M1)と、第1遊星歯車機構(P1)の第3要素(Ra)と第3遊星歯車機構(P3)の第8要素(Cc)とを連結する第2連結部材(M2)と、第2遊星歯車機構(P2)の第4要素(Sb)と第3遊星歯車機構(P3)の第9要素(Rc)とを連結する第3連結部材(M3)と、第1連結部材(M1)を固定する固定状態と、この固定を解除する解放状態とに切換自在に構成された切替機構(F1)と、第2遊星歯車機構(P2)の第6要素(Rb)に接続された出力部材(3)と、を備えることを特徴とする。
本発明にかかる自動変速機によれば、3つの遊星歯車機構と、1つの切替機構と、2つのクラッチと、2つのブレーキとを備えた構成の自動変速機において、切替機構やクラッチやブレーキなどの構成要素として必要最小限の構成要素を備えたコンパクトな自動変速機を構成することができる。また、従来の遊星歯車式の自動変速機と比較して、レシオカバレッジがより広い自動変速機を構成することができる。
また、上記の自動変速機では、自動変速機(TM)は、車両に搭載された駆動源(ENG)からの駆動力の回転を変速して駆動輪(W)側に出力する変速機であって、前進6速段、後進1速段の設定が可能であり、第1ブレーキ(B1)を固定状態とし、切替機構(F1)を固定状態とすることで前進第1速段を確立し、第1ブレーキ(B1)及び第2ブレーキ(B2)を固定状態とすることで前進第2速段を確立し、第2クラッチ(C2)を連結状態とし、第1ブレーキ(B1)を固定状態とすることで前進第3速段を確立し、第1クラッチ(C1)を連結状態とし、第1ブレーキ(B1)を固定状態とすることで前進第4速段を確立し、第1クラッチ(C1)及び第2クラッチ(C2)を連結状態とすることで前進第5速段を確立し、第1クラッチ(C1)を連結状態とし、第2ブレーキ(B2)を固定状態とすることで前進第6速段を確立し、第2クラッチ(C2)を連結状態とし、切替機構(F1)を固定状態とすることで後進段を確立するように構成してもよい。
この構成によれば、3つの遊星歯車機構と、1つの切替機構と、2つのクラッチと、2つのブレーキとを備えた構成の自動変速機において、切替機構やクラッチやブレーキなどの構成要素として必要最小限の構成要素を備えたコンパクトな自動変速機でありながら、最適な変速比を有する前進6速段、後進1速段の変速段を確立することが可能となる。
また、この自動変速機では、第3遊星歯車機構(P3)のリングギヤ(Rc)と、第2ブレーキ(B2)と、第2クラッチ(C2)とを一体に接続する第4連結部材(M4)を備えるとよい。
この構成によれば、第4連結部材にて第3遊星歯車機構(P3)のリングギヤ(Rc)と、第2ブレーキ(B2)と、第2クラッチ(C2)とを一体に接続する構成を採用したことで、自動変速機の部品点数を少なく抑えて構成の簡素化、小型化を図りながらも、適切な変速比の設定などが可能な自動変速機を構成することができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる自動変速機によれば、構成要素の数を少なく抑えて外形寸法の小型化や軽量化を図ることができ、また、レシオカバレッジをより広く取ることが可能となる。
本発明の一実施形態にかかる自動変速機を示すスケルトン図である。 本実施形態の自動変速機の遊星歯車機構の共線図である。 本実施形態の自動変速機の各変速段における係合機構の状態を示す一覧表である。 本実施形態の自動変速機における(a)1速段(Low)と(b)6速段(6th)それぞれの動力伝達経路を示す図である。 本実施形態の自動変速機の各変速段の段間比とレシオカバレッジを示す表である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる自動変速機を示すスケルトン図である。同図に示す自動変速機TMは、内燃機関(エンジン)等の駆動源ENGが出力する駆動力がロックアップクラッチLC及びダンパDAを有するトルクコンバータTCを介して伝達される入力軸(入力部材)2と、入力軸2と同心に配置された出力ギヤ(出力部材)3とを備えている。入力軸2及び出力ギヤ3は、筐体1内に回転自在に軸支されている。
出力ギヤ3の回転は、図外のデファレンシャルギヤ、またはプロペラシャフトを介して車両の左右の駆動輪に伝達される。なお、トルクコンバータTCに代えて、摩擦係合自在に構成される単板型、または多板型の発進クラッチを設けてもよい。
筐体1内には、第1〜第3の3つの遊星歯車機構P1〜P3が入力軸2と同心に配置されている。第1遊星歯車機構P1は、サンギヤSaと、リングギヤRaと、サンギヤSaとリングギヤRaとに噛合するピニオンPaを自転及び公転自在に軸支するキャリアCaとからなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成されている。
図2は、第1〜第3の3つの遊星歯車機構P1〜P3の共線図(速度線図)である。本明細書において、共線図は、サンギヤ、キャリア、リングギヤの3つの要素の相対回転速度の比を直線(速度線)で表すことができる図と定義する。共線図において、3つの要素は、ギヤ比(リングギヤの歯数/サンギヤの歯数)に対応する間隔で並ぶ。
図2の右側に示す第1遊星歯車機構P1の共線図を参照して、第1遊星歯車機構P1の3つの要素Sa,Ca,Raを、共線図の並び順に左側から夫々第1要素、第2要素及び第3要素とすると、第1要素はサンギヤSa、第2要素はキャリアCa、第3要素はリングギヤRaになる。
ここで、サンギヤSaとキャリアCa間の間隔とキャリアCaとリングギヤRa間の間隔との比は、第1遊星歯車機構P1のギヤ比をhとして、h:1に設定される。なお、共線図において、下の横線と上の横線は夫々回転速度が「0」と「1」(入力軸2と同じ回転速度)であることを示している。
第2遊星歯車機構P2も、サンギヤSbと、リングギヤRbと、サンギヤSb及びリングギヤRbに噛合するピニオンPbを自転及び公転自在に軸支するキャリアCbとからなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成される。
図2の中央に示す第2遊星歯車機構P2の共線図を参照して、第2遊星歯車機構P2の3つの要素Sb,Cb,Rbを、共線図の並び順に左側から夫々第4要素、第5要素及び第6要素とすると、第4要素はサンギヤSb、第5要素はキャリアCb、第6要素はリングギヤRbになる。サンギヤSbとキャリアCb間の間隔とキャリアCbとリングギヤRb間の間隔との比は、第2遊星歯車機構P2のギヤ比をjとして、j:1に設定される。
第3遊星歯車機構P3も、サンギヤScと、リングギヤRcと、サンギヤSc及びリングギヤRcに噛合するピニオンPcを自転及び公転自在に軸支するキャリアCcとからなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成される。
図2の左側に示す第3遊星歯車機構P3の共線図を参照して、第3遊星歯車機構P3の3つの要素Sc,Cc,Rcを、共線図の並び順に左側から夫々第7要素、第8要素及び第9要素とすると、第7要素はサンギヤSc、第8要素はキャリアCc、第9要素はリングギヤRcになる。サンギヤScとキャリアCc間の間隔とキャリアCcとリングギヤRc間の間隔との比は、第3遊星歯車機構P3のギヤ比をkとして、k:1に設定される。
図1に示すように、第3遊星歯車機構P3のサンギヤScは、入力軸2に連結されている。また、第2遊星歯車機構P2のリングギヤRbは、出力ギヤ3に連結されている。
また、第1遊星歯車機構P1のキャリアCaと第2遊星歯車機構P2のキャリアCbとが連結されて、第1連結体M1(Ca−Cb)が構成されている。また、第1遊星歯車機構P1のリングギヤRaと第3遊星歯車機構P3のキャリアCcとが連結されて、第2連結体M2(Ra−Cc)が構成されている。また、第2遊星歯車機構P2のサンギヤSbと第3遊星歯車機構P3のリングギヤRcとが連結されて、第3連結体M3(Sb−Rc)が構成されている。また、この自動変速機TMには、第3遊星歯車機構P3のリングギヤRcと、第2ブレーキB2と、第2クラッチC2とを一体に連結する第4連結体(第4連結部材)M4が設けられている。
また、本実施形態の自動変速機TMは、切替機構F1と、第1クラッチC1と、第2クラッチC2と、第1ブレーキB1と、第2ブレーキB2とからなる5つの係合機構を備える。切替機構F1は、2ウェイクラッチであり、第1連結体M1の正転(入力軸2の回転方向と同一方向への回転)を許容し逆転を阻止する逆転阻止状態と、第1連結体M1を筐体1に固定して回転を阻止する固定状態とに切換自在に構成されている。
第1クラッチC1は、油圧作動型の湿式多板クラッチであり、第1遊星歯車機構P1のキャリアCaと入力軸2とを連結する連結状態と、この連結を断つ解放状態とに切換自在に構成されている。また、第2クラッチC2は、油圧作動型の湿式多板クラッチであり、第3遊星歯車機構P3のリングギヤRcと入力軸2とを連結する連結状態と、この連結を断つ解放状態とに切換自在に構成されている。
第1ブレーキB1は、油圧作動型の湿式多板ブレーキであり、第1遊星歯車機構P1のサンギヤSaを筐体1に固定する固定状態と、この固定を解除する解放状態とに切換自在に構成されている。また、第2ブレーキB2は、油圧作動型の湿式多板ブレーキであり、第3遊星歯車機構P3のリングギヤRc(第3連結体M3)を筐体1に固定する固定状態と、この固定を解除する解放状態とに切換自在に構成されている。
切替機構F1、第1、第2クラッチC1、C2及び第1、第2ブレーキB1、B2は、トランスミッション・コントロール・ユニットからなる制御部ECU(図示せず)により、車両の走行速度等の車両情報に基づいて、状態が切り換えられる。
入力軸2の軸線上には、駆動源ENG及びトルクコンバータTC側から、第1クラッチC1、第1遊星歯車機構P1、第2遊星歯車機構P2、第3遊星歯車機構P3、第2クラッチC2の順番で配置されている。
そして、第2ブレーキB2が第3遊星歯車機構P3の径方向外方に配置され、切替機構F1は第1遊星歯車機構P1の径方向外方に配置され、第1ブレーキB1は第1クラッチC1の径方向外方に配置されている。このように、切替機構F1および2つのブレーキB1、B2を遊星歯車機構、またはクラッチの径方向外方に配置することにより、これらを遊星歯車機構及びクラッチと共に入力軸2の軸線上に並べて配置した場合に比べて、自動変速機TMの軸長の短縮化を図ることができる。なお、第2ブレーキB2を第2クラッチC2の径方向外方に配置してもよい。
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態の自動変速機TMの各変速段を確立させる場合を説明する。図3は、各変速段における切替機構F1、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2の状態を表示した係合表であり、第1、第2クラッチC1、C2の「○」印は連結状態、空欄は解放状態を示している。また、第1、第2ブレーキB1、B2の「○」印は固定状態、空欄は解放状態を示している。また、切替機構F1の列の「○」印は固定状態、無印は逆転阻止状態を示している。
1速段(Low)を確立させる場合には、切替機構F1を固定状態とし、第1ブレーキB1を固定状態とする。切替機構F1を固定状態とすることで、第1連結体M1の回転が阻止され、第1遊星歯車機構P1のキャリアCa及び第2遊星歯車機構P2のキャリアCbの回転速度が「0」になる。また、第1ブレーキB1を固定状態とすることで、第1遊星歯車機構P1のサンギヤSaの回転速度が「0」になる。
これにより、第1遊星歯車機構P1のサンギヤSa,キャリアCa,リングギヤRaが相対回転不能なロック状態となる。また、第2遊星歯車機構P2のキャリアCbを含む第1連結体M1の回転速度も「0」になり、第3遊星歯車機構P3のキャリアCcを含む第2連結体M2の回転速度も「0」になる。そして、出力ギヤ3が連結された第2遊星歯車機構P2のリングギヤRbの回転速度が図2に示す「Low」となり、1速段が確立される。
2速段(2nd)を確立させる場合には、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2を固定状態とする。第1ブレーキB1を固定状態とすることで、第1遊星歯車機構P1のサンギヤSaの回転速度が「0」になる。また、第2ブレーキB2を固定状態とすることで、第2遊星歯車機構P2のサンギヤSbの回転速度も「0」になる。これにより、出力ギヤ3が連結された第2遊星歯車機構P2のリングギヤRbの回転速度が図2に示す「2nd」となり、2速段が確立される。
3速段(3rd)を確立させる場合には、第2クラッチC2を連結状態とし、第1ブレーキB1を固定状態とする。第1ブレーキB1を固定状態とすることで、第1遊星歯車機構P1のサンギヤSaの回転速度が「0」になる。また、第2クラッチC2を連結状態とすることで、第2遊星歯車機構P2のサンギヤSbの回転速度が、入力軸2の回転速度と同一速度の「1」となる。そして、キャリアCbの回転速度は、j/(j+1)となる。そして、出力ギヤ3が連結されたリングギヤRbの回転速度が図2に示す「3rd」となり、3速段が確立される。
4速段(4th)を確立させる場合には、第1クラッチC1を連結状態とし、第1ブレーキB1を固定状態とする。第1クラッチC1を連結状態とすることで、第1遊星歯車機構P1のキャリアCaの回転速度が、入力軸2の回転速度と同一速度の「1」となる。また、第1連結体M1の連結によって第2遊星歯車機構P2のキャリアCbの回転速度も「1」となる。また、第1ブレーキB1を固定状態とすることで、第1遊星歯車機構P1のサンギヤSaの回転速度が「0」になる。そして、第1遊星歯車機構P1のリングギヤRa(第2連結体M2)の回転速度が(h+1)/hとなる。そして、第3遊星歯車機構P3のキャリアCc及び第3連結体M3の回転速度が(h+1)(k+1)/h・kとなり、出力ギヤ3が連結された第2遊星歯車機構P2のリングギヤRbの回転速度が図2に示す「4th」となり、4速段が確立される。
5速段(5th)を確立させる場合には、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を連結状態とする。第1クラッチC1を連結状態とすることで、第1遊星歯車機構P1のキャリアCaの回転速度が、入力軸2の回転速度と同一速度の「1」となる。また、第2クラッチC2を連結状態とすることで、第2遊星歯車機構P2のサンギヤSbの回転速度が、入力軸2の回転速度と同一速度の「1」となる。これにより、第1遊星歯車機構P1は、キャリアCaとサンギヤSaとが同一速度の「1」となり、各要素が相対回転不能なロック状態となる。また、第2遊星歯車機構P2も、キャリアCbとサンギヤSbとが同一速度の「1」となり、各要素が相対回転不能なロック状態となる。また、第3遊星歯車機構P3も、サンギヤScとリングギヤRcとが同一速度の「1」となり、各要素が相対回転不能なロック状態となる。これにより、出力ギヤ3が連結された第2遊星歯車機構P2のリングギヤRbの回転速度が図2に示す「5th」(=「1」)となり、5速段が確立される。
6速段(6th)を確立させる場合には、第1クラッチC1を連結状態とし、第2ブレーキB2を固定状態とする。第1クラッチC1を連結状態とすることで、第1遊星歯車機構P1のキャリアCaの回転速度が、入力軸2の回転速度と同一速度の「1」となる。また、第2ブレーキB2を固定状態とすることで、第2遊星歯車機構P2のサンギヤSb及び第3遊星歯車機構P3のリングギヤRcの回転速度が「0」になる。そして、出力ギヤ3が連結された第2遊星歯車機構P2のリングギヤRbの回転速度が図2に示す「6th」となり、6速段が確立される。
後進段(Rvs)を確立させる場合には、切替機構F1を固定状態とし、第2クラッチC2を連結状態とする。第2クラッチC2を連結状態とすることで、第3遊星歯車機構P3も、サンギヤScとリングギヤRcとが同一速度の「1」となり、各要素が相対回転不能なロック状態となる。また、切替機構F1を固定状態とすることで、第1連結体M1の回転が阻止されて回転速度が「0」になる。そして、出力ギヤ3が連結された第2遊星歯車機構P2のリングギヤRbの回転速度が図2に示す逆転の「Rvs」となり、後進段が確立される。
本実施形態の自動変速機TMでは、3つの遊星歯車機構と、1つの切替機構F1と、2つのクラッチC1、C2と、2つのブレーキB1、B2とを備えた構成の自動変速機において、遊星歯車機構及び切替機構やクラッチやブレーキなどの構成要素として必要最小限の構成要素を備えたコンパクトな自動変速機を構成することができる。
ここで、本実施形態の自動変速機TMは、特許文献1に示す従来の前進6速段を確立可能な遊星歯車式の自動変速機と比較して、より広いレシオカバレッジを取ることが可能である。以下、その理由について説明する。
図4は、本実施形態の自動変速機TMにおける(a)1速段(Low)と(b)6速段(6th)それぞれの動力伝達経路を示す図である。また、図5は、自動変速機TMの各変速段の段間比とレシオカバレッジを示す表である。本実施形態の自動変速機TMは、図4(b)に示す経路で動力が伝達される6速段(オーバードライブ側)のレシオ(ODレシオ)は、特許文献1に記載の自動変速機と同じ値となる。その一方で、本実施形態の自動変速機TMでは、図4(a)に示す経路で動力が伝達される1速段(Low)では、第2遊星歯車機構P2と第3遊星歯車機構P3の2組の遊星歯車機構を順に動力が伝達される構成である。そのため、特許文献1の従来の自動変速機よりも当該1速段(アンダードライブ側)のレシオ(UDレシオ)が広い。そのため、特許文献1に記載の従来の自動変速機と比較して、当該1速段のレシオ(UDレシオ)をより小さな値(深い値)に設定することができる。具体的には、UDレシオを1/2以下の値に設定することができる。これにより、図5に示すように、自動変速機TMの全体としてのレシオ(レシオカバレッジ)としてより大きな値を取ることが可能となる。
また、本実施形態の自動変速機TMは、特許文献2に記載された従来構造の前進10速段、後進1速段の自動変速機と比較して、遊星歯車機構(P4)、クラッチ(C2)、ブレーキ(B3)を取り除き、部品変更は最小限に留め、従来繋がっていなかった遊星歯車機構(P3)のリングギヤ(R3)とクラッチ(C3)及びブレーキ(B2)を一体に繋ぐ連結部材(本実施形態の第4連結体M4)を設けたことにより、既存前進10速段の自動変速機のその他の回転部品の構成に大きな変更を加えること無く、軸方向の長さ寸法(全長)を短縮しレシオカバレッジが広い前進6速段、後進1速段の自動変速機を実現したものである。
しかしながら、下記で詳細に述べるように、特許文献2に示す既存の前進10速段の自動変速機から単に遊星歯車機構やクラッチ、ブレーキなどの構成要素を取り除いただけ、あるいは単にブレーキ(B2)とクラッチ(C3)とを連動させただけでは、前進6速段の有効な構成の自動変速機を構築することは不可能である。
すなわち、遊星歯車機構(P3)のリングギヤ(R3)とクラッチ(C3)及びブレーキ(B2)を新規の部品で繋ぐ場合、複数種類の方法が存在する。そして、本実施形態の自動変速機TMが備える上記の第4連結体M4による繋ぎ方以外では、システムとして有効な前進6速段を設定可能な自動変速機を構築することはできない。例えば、本実施形態の第4連結体M4にかえて、詳細な図示は省略するが、第2ブレーキB2と第2クラッチC2と第3遊星歯車機構P3のキャリアCcを繋ぐ他の連結部材を設ける構成や、第2ブレーキB2と第3遊星歯車機構P3のリングギヤRcを繋ぐ連結部材と第2クラッチC2と第3遊星歯車機構P3のキャリアCcとを繋ぐ連結部材との両方を設ける構成では、有効な前進6速段の自動変速機を構成することができない。さらには、特許文献2の自動変速機の構成から、ブレーキ(B3)を取り除くだけの構成や、クラッチ(C3)とブレーキ(B2)を連結する連結部材を設けるだけの構成でも、有効な6速段を形成することができないため、それらの構成も採用できない。
また、本実施形態の自動変速機TMは、上記で説明したように、既存の前進10速段の自動変速機の骨格の一部構成を流用したことと、軸方向の寸法(全長)を小型化したことによる効果によって、開発工数を最小限に抑えることができ、新規な自動変速機をより安価に市場投入することが可能となる。また、既存の自動変速機の骨格の一部構成を流用したことにより、故障などの不具合が生じるおそれを効果的に低減することができるので、信頼性の高い自動変速機を提供することができる。
また、本実施形態の自動変速機TMは、軸方向の寸法(全長)を短縮したことで、駆動源としての電動機(電気モータ)を自動変速機と一体に設けるか、あるいは隣りに配置して設けることなどが容易に可能となる。これにより、駆動源と自動変速機を含む駆動装置のレイアウトの最適化、省スペース化を図ることができる。
また、特許文献2に記載の従来の自動変速機では、変速比が1以下となるオーバードライブ(OD)の変速段である9速段において遊星歯車機構のキャリアが固定されるため、キャリアに設けたピニオンギヤに潤滑油が供給され難くなり、ピニオンギヤの冷却性が低下するところ、本実施形態の自動変速機TMでは、特許文献2の自動変速機と異なり、オーバードライブ(OD)の変速段で遊星歯車機構のキャリアが固定されることがないため、キャリアに設けたピニオンギヤに潤滑油が供給され易くなり、ピニオンギヤの冷却性が向上する。また、その分、キャリア及びピニオンギヤに供給する潤滑油の油量を少なく抑えることができるので、潤滑油の供給によって自動変速機内で生じる摩擦(フリクション)の低減を図ることができる。
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
TM 自動変速機
1 筐体
2 入力軸(入力部材)
3 出力ギヤ(出力部材)
F1 切替機構
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
B1 第1ブレーキ
B2 第2ブレーキ
M1 第1連結体(第1連結部材)
M2 第2連結体(第2連結部材)
M3 第3連結体(第3連結部材)
M4 第4連結体(第4連結部材)
P1 第1遊星歯車機構
Sa サンギヤ(第1要素)
Ca キャリア(第2要素)
Ra リングギヤ(第3要素)
Pa ピニオン(ギヤ)
P2 第2遊星歯車機構
Sb サンギヤ(第4要素)
Cb キャリア(第5要素)
Rb リングギヤ(第6要素)
Pb ピニオン(ギヤ)
P3 第3遊星歯車機構
Sc サンギヤ(第7要素)
Cc キャリア(第8要素)
Rc リングギヤ(第9要素)
Pc ピニオン(ギヤ)
TC トルクコンバータ
DA ダンパ
ENG 駆動源
LC ロックアップクラッチ

Claims (3)

  1. 第1要素と、第3要素と、前記第1要素と前記第3要素とに噛合するギヤを自転及び公転自在に軸支する第2要素とからなる第1遊星歯車機構と、
    第4要素と、第6要素と、前記第4要素及び前記第6要素に噛合するギヤを自転及び公転自在に軸支する第5要素とからなる第2遊星歯車機構と、
    第7要素と、第9要素と、前記第7要素及び前記第9要素に噛合するギヤを自転及び公転自在に軸支する第8要素とからなる第3遊星歯車機構と、
    前記第1遊星歯車機構の前記第2要素と入力部材とを連結する連結状態と、この連結を断つ解放状態とに切換自在に構成された第1クラッチと、
    前記第3遊星歯車機構の第9要素と前記入力部材とを連結する連結状態と、この連結を断つ解放状態とに切換自在に構成された第2クラッチと、
    前記第1遊星歯車機構の第1要素を固定する固定状態と、この固定を解除する解放状態とに切換自在に構成された第1ブレーキと、
    前記第3遊星歯車機構の第9要素を固定する固定状態と、この固定を解除する解放状態とに切換自在に構成された第2ブレーキと、
    前記第1遊星歯車機構の前記第2要素と前記第2遊星歯車機構の前記第5要素とを連結する第1連結部材と、
    前記第1遊星歯車機構の前記第3要素と前記第3遊星歯車機構の前記第8要素とを連結する第2連結部材と、
    前記第2遊星歯車機構の前記第4要素と前記第3遊星歯車機構の前記第9要素とを連結する第3連結部材と、
    前記第1連結部材を固定する固定状態と、この固定を解除する解放状態とに切換自在に構成された切替機構と、
    前記第2遊星歯車機構の前記第6要素に接続された出力部材と、を備える
    ことを特徴とする自動変速機。
  2. 前記自動変速機は、車両に搭載された駆動源からの駆動力の回転を変速して駆動輪側に出力する変速機であって、前進6速段、後進1速段の設定が可能であり、
    前記第1ブレーキを固定状態とし、前記切替機構を固定状態とすることで前進第1速段を確立し、
    前記第1ブレーキ及び前記第2ブレーキを固定状態とすることで前進第2速段を確立し、
    前記第2クラッチを連結状態とし、前記第1ブレーキを固定状態とすることで前進第3速段を確立し、
    前記第1クラッチを連結状態とし、前記第1ブレーキを固定状態とすることで前進第4速段を確立し、
    前記第1クラッチ及び前記第2クラッチを連結状態とすることで前進第5速段を確立し、
    前記第1クラッチを連結状態とし、前記第2ブレーキを固定状態とすることで前進第6速段を確立し、
    前記第2クラッチを連結状態とし、前記切替機構を固定状態とすることで後進段を確立する
    ことを特徴とする請求項1に記載の自動変速機。
  3. 前記第3遊星歯車機構のリングギヤと、前記第2ブレーキと、前記第2クラッチとを一体に接続する第4連結部材を備える
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速機。
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