JP2019052118A - 抗ウイルス洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、有機汚れの有無に関わらず、ウイルスに対する不活化効果を有する抗ウイルス洗浄剤組成物、ならびにそれを用いたウイルスの不活化方法を提供することを目的とする。【解決手段】 下記の(A)〜(C)成分を、組成物全体に対し下記割合で含有するとともに、(D)成分として水を含有し、且つ組成物のpH(JIS Z−8802:2011「pH測定方法」)が25℃で11以上であることを特徴とする抗ウイルス洗浄剤組成物:(A)第4級アンモニウム塩0.5〜5質量%、(B)非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤1〜20質量%、(C)アルカリ剤0.07〜10.0質量%。【選択図】 なし

Description

本発明は、ウイルスに対する不活化効果を発現する抗ウイルス洗浄剤組成物及びこれを含有する抗ウイルス洗浄材、ならびにこれらを用いたウイルスの不活化方法に関する。
近年の食中毒発生状況においては発生件数、患者数共にノロウイルスを病因物質とする事案が最も高く、その感染力の強さに起因して大規模な食中毒の発生につながっており問題となっている。ノロウイルスによる食中毒の原因は、カキ等の2枚貝を食することにあるといわれていたが、最近では、食品、糞便や嘔吐物に含まれるノロウイルスが、人から人へ感染すること、さらに、汚染された食品や水を介して清浄な表面に接触することなどにより広がってしまうといった、二次汚染が主原因であることがわかってきた。
この二次汚染を防ぐためには、手洗いの徹底はもちろんのこと、ノロウイルスに汚染された食品、糞便や嘔吐物、ならびにそれらが付着した調理器具や用具、調理台や作業台、便器や便座、水道の蛇口、出入口のドアノブ、床や壁等の表面を有効かつ安全に洗浄することが重要とされる。
「ノロウイルス」は、カリシウイルス科のノロウイルス属に属し、RNAのみを持ったRNA型ウイルスであり、カプシドと呼ばれるタンパク質の殻でRNAを覆う構造を有し、エンベロープと呼ばれる糖と脂質からなる膜は持っていない。
一般的にエンベロープを持っているウイルスは、薬剤により簡単にエンベロープが破壊され、宿主細胞のレセプターと結合できなくなるので不活化できる。しかし、ノロウイルスはこのエンベロープを持っていないために、薬剤に対して抵抗性を有する。
ノロウイルスを不活化する方法として、次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いる方法が知られている(非特許文献1)。しかしながら、次亜塩素酸ナトリウム溶液による洗浄方法では、被洗浄物が金属硬表面やプラスチック硬表面である場合には、さび、劣化及び腐蝕等が生じることがある。さらに被洗浄物によっては、次亜塩素酸ナトリウムの漂白作用・効果により脱色されてしまうといった問題がある。また、被洗浄施設内に次亜塩素酸ナトリウムの臭いが蔓延してしまうといった問題や、万が一、誤って酸性洗剤等と併用して用いてしまった場合には、毒性の高い塩素ガスが発生し、最悪の場合は死に至るという恐れもある。
さらに、多くの既存の次亜塩素酸ナトリウムを有効成分とする洗浄剤組成物(次亜塩素酸ナトリウム系洗浄剤組成物)は、ノロウイルスに対して不活化効果は有するものの、被洗浄物が糞便や嘔吐物等により汚染されているような場合、すなわち、有機汚れの存在下においては、その効果は低減又は消失することが報告されている(非特許文献1)。なお、非特許文献1に記載されるウイルス不活性化試験においては、ノロウイルスの代替ウイルスであるネコカリシウイルスが用いられている。ノロウイルスは培養細胞や動物実験への感染が成功していないために、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)のノロウイルス試験法では、ネコカリシウイルスF9株が代替ウイルスとして一般的に用いられており、抗ウイルス試験や実験等の場合には、日本国内外でノロウイルスの代替ウイルスとしてネコカリシウイルスが用いられているのが現状である。
また、特許第4647912号公報(特許文献1)には、(a)所定の一般式で表される第四級アンモニウム塩;および(b)モノエタノールアミンを(a):(b)の質量比20:1〜1:20で含む消毒薬組成物の、ヒトの皮膚表面を除く表面消毒、機器消毒もしくは洗濯物の消毒、または化学的トイレ(toilets)における殺ウイルス剤としての使用が開示されている。しかしながら、当該殺ウイルス剤は、パルボウイルス、ピコルナウイルス又はポリオウイルスに対するものとされ、ノロウイルスに対する有効性や、有機汚れの存在下における有効性については明らかではない。
特許第4647912号公報
「平成27年度 ノロウイルスの不活化条件に関する調査 報告書」国立医薬品食品衛生研究所食品衛生管理部、平成28年11月18日
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、ノロウイルスに対して不活化効果を有する、非次亜塩素酸ナトリウム系抗ウイルス洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、第4級アンモニウム塩を有効成分とする洗浄剤組成物(第4級アンモニウム塩系洗浄剤組成物)のpH値が、11以上の範囲にある場合に、ノロウイルスに対する不活化効果が得られることを見出した。
また、第4級アンモニウム塩系洗浄剤組成物は、有機汚れによりそのpH値が11未満に変動した場合には、ノロウイルスに対する不活化効果が低減又は消失することを見出した。そこで、当該洗浄剤組成物のpH値をよりアルカリ性に設定することによって、当該洗浄剤組成物は有機汚れの存在下であってもpH11以上を維持することができ、ノロウイルスに対する不活化効果が低減又は消失しないことを見出した。
本発明は、これらの知見に基づくものであり、以下の発明を包含する。
[1] 下記の(A)〜(C)成分を、組成物全体に対し下記割合で含有するとともに、(D)成分として水を含有し、且つ組成物のpH(JIS Z−8802:2011「pH測定方法」)が25℃で11以上であることを特徴とする抗ウイルス洗浄剤組成物:
(A)第4級アンモニウム塩0.5〜5質量%
(B)非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤1〜20質量%、
(C)アルカリ剤0.07〜10.0質量%。
[2] 前記第4級アンモニウム塩が、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム又は塩化ジデシルジメチルアンモニウムであることを特徴とする[1]の抗ウイルス洗浄剤組成物。
[3] 前記非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグルコシド、アミンオキシド、及び脂肪酸アルカノールアミドから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする[1]又は[2]の抗ウイルス洗浄剤組成物。
[4] 前記アルカリ剤が、無機アルカリ性物質から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかの抗ウイルス洗浄剤組成物。
[5] さらに、キレート剤、及び/又は水溶性溶剤を含むことを特徴とする[1]〜[4]のいずれかの抗ウイルス洗浄剤組成物。
[6] 前記キレート剤が、ヒドロキシカルボン酸及びその塩、ならびにアミノカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする[5]の抗ウイルス洗浄剤組成物。
[7] 前記水溶性溶剤がグリコール系溶剤及びアルコールから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[5]の抗ウイルス洗浄剤組成物。
[8] pH(JIS Z−8802:2011「pH測定方法」)が25℃で12.1を超えることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかの抗ウイルス洗浄剤組成物。
[9] [1]〜[8]のいずれかの抗ウイルス洗浄剤組成物を、不織布に含浸させてなることを特徴とする抗ウイルス洗浄材。
[10] [9]の抗ウイルス洗浄材をウイルスの不活化に使用することを特徴とする抗ウイルス洗浄材の使用方法。
[11] [1]〜[8]のいずれかの抗ウイルス洗浄剤組成物を、被洗浄物の表面に噴霧させてなることを特徴とするウイルスの不活化方法。
本発明によれば、ウイルス、特にノロウイルスに対して不活化効果を有する第4級アンモニウム塩系抗ウイルス洗浄剤組成物を提供することができる。
本発明の抗ウイルス洗浄剤組成物(以下、単に「本発明の組成物」と記載する場合がある)は、(A)第4級アンモニウム塩と、(B)非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤と、(C)アルカリ剤と、(D)水とを用いて得られる。
本発明の組成物に用いられる第4級アンモニウム塩(成分(A))としては、抗菌洗浄剤に一般的に用いられるものを利用することができ、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化デシルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、臭化ベンザルコニウム、臭化セトリモニウム、臭化ドミフェン、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム等が挙げられるが、これらに限定はされない。好ましくは塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、及び塩化ジデシルジメチルアンモニウムを利用することができる。本発明の組成物において、第4級アンモニウム塩は上記より選択されるものを単独で用いても、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、本発明の組成物においては、塩化ベンザルコニウムを好適に利用することができる。
本発明の組成物中には、第4級アンモニウム塩を0.5〜5質量%、好ましくは、0.5〜2.5質量%、より好ましくは1〜2質量%の範囲に設定される量にて含めることができる。第4級アンモニウム塩の量が少ないと、ウイルスの不活化効果が得られない、又は当該効果が乏しい場合があり、一方、第4級アンモニウム塩の量が多すぎると、当該ウイルスの不活化効果は飽和になりむしろ経済的に不利となる場合がある。
本発明の組成物に用いられる非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤(成分(B))としては、抗菌洗浄剤に一般的に用いられるものを利用することができ、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸アルカノールアミド等の非イオン界面活性剤やアミンオキシド等の両性界面活性剤を挙げることができる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられるが、これらに限定はされない。好ましくは平均炭素数が8〜18個、好ましくは9〜16個、より好ましくは9〜15個である第1級又は第2級アルコールに、平均で2〜20モル、好ましくは2〜15モルのエチレンオキシド又はプロピレンオキシドが付加されてなるものを利用することができる。
アルキルポリグルコシドとしては、下記式:
−(OR(R
[式中、Rは平均炭素数8〜18個の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基を示し、
は炭素数2〜4個のアルキレン基を示し、
は炭素数5〜6個の還元糖に由来する残基を示し、
mは0〜5となる整数を示し、
nは1〜2となる整数を示す。]
で表されるものが挙げられるが、好ましくは、Rは平均炭素数8〜16個のアルキル基であり、Rは炭素数2〜4個のアルキレン基であり、Zはグルコース、フルクトース、マルトース又はスクロースに由来する残基であるものを利用することができる。
脂肪酸アルカノールアミドとしては、アルカノールアミンと脂肪酸、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸クロリド等とが反応して生成されるものが挙げられ、特に限定はされない。
アミンオキシドとしては、としては、下記式:
−O
[式中、Rは水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル等を示す。]で表されるものが挙げられる。
本発明の組成物において、非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤は上記より選択されるものを単独で用いても、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、本発明の組成物においては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとして、炭素数が12〜15個であるアルキル基と、付加された7〜12モルのエチレンオキシドを有するもの、炭素数が9〜11個であるアルキル基と、付加された7〜12モルのエチレンオキシドを有するもの、及び炭素数が12〜14個であるアルキル基と、付加された7〜12モルのエチレンオキシドを有するものと、ならびにアルキルポリグルコシドとしてカプリリル/カプリルグルコシドとの組み合わせを好適に利用することができる。
本発明の組成物中には、非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤を1〜20質量%、好ましくは、5〜15質量%、より好ましくは7〜12質量%、さらに好ましくは9〜12質量%の範囲に設定される量にて含めることができる。非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の量が少ないと、洗浄効果が得られない、又は当該効果が乏しい場合がある。一方、非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤の量が多すぎると、使用後の対象物のヌルつき、べたつきがひどくなる場合があり好ましくない。
本発明の組成物に用いられるアルカリ剤(成分(C))としては、抗菌洗浄剤に一般的に用いられるものを利用することができ、無機アルカリ性物質(例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩等)が挙げられるが、これらに限定はされない。好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムを利用することができる。本発明の組成物において、アルカリ剤は上記より選択されるものを単独で用いても、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、本発明の組成物においては、アルカリ金属水酸化物を好適に利用することができ、特に、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムの組み合わせを好適に利用することができる。
本発明の組成物中、アルカリ剤は当該組成物のpHを11以上、好ましくは12以上(25℃にて)とする量にて含めることができる。より好ましくは、本発明の組成物のpHを12.1を越える(例えば、12.2以上、12.3以上、12.4以上、12.5以上)、さらに好ましくは13以上の範囲とする量にて含めることができる。pHの上限は特に限定されないが、14未満とすることができる。本発明の組成物のpHを11以上とするために、本発明の組成物に配合されるアルカリ剤の量は、例えば、0.07〜10質量%、1〜10.0質量%、5〜10.0質量%、7〜10.0質量%、8〜10.0質量%、又は8.5〜10.0質量%を例示することができ、これらの範囲より適宜選択することができる(これらの範囲に限定はされない)。アルカリ剤の量が少ないと、洗浄効果が乏しくなる場合があり、また、有機汚れの存在下もしくは非存在下において、組成物のpHを11以上に維持することができない場合がある。
本発明の組成物に用いられる水(成分(D))としては、水道水、軟水、イオン交換水、純水、精製水等が挙げられるが、当該組成物の貯蔵安定性の点から、軟水、イオン交換水、純水、精製水等の使用が好ましい。
本発明の組成物中には、水を他の成分との総和が100質量%になるのに必要な量として残質量%配合される。
本発明の組成物にはさらに、キレート剤、及び/又は水溶性溶剤を本発明のウイルス不活化効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
キレート剤としては、抗菌洗浄剤に一般的に用いられるものを利用することができ、例えば、ヒドロキシカルボン酸及びその塩、ならびにアミノカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸等が挙げられ、アミノカルボン酸としては、メチルグリシンジ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミンテトラ酢酸等が挙げられる。これらの塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩及びアルカノールアミン塩等が挙げられる。好ましくは、入手の容易さや、洗浄力、貯蔵安定性の効果の点から、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウムを利用することができる。本発明の組成物において、キレート剤は上記より選択されるものを単独で用いても、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、本発明の組成物においては、グルコン酸ナトリウムを好適に利用することができる。
本発明の組成物中には、キレート剤を0.1〜5質量%、好ましくは、0.5〜3質量%の範囲に設定することができる。キレート剤の量が少ないと、洗浄効果や、組成物の貯蔵安定性が乏しくなる場合があり、一方、キレート剤の量が多すぎると、キレート剤に由来する洗浄力の向上効果は飽和になり、むしろ経済的に不利となる場合がある。
水溶性溶剤としては、抗菌洗浄剤に一般的に用いられるものを利用することができ、例えば、グリコールエーテル系溶剤及びアルコールから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等)、ジエチレングリコールエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等)、プロピレングリコールエーテル類(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等)、ジプロピレングリコールエーテル類(例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル等)、アルキレングリコール類(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)等が挙げられる。
アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、メトキシブチルアルコール、ベンジルアルコール、3−メチル−3−メトキシブタノール等が挙げられる。
好ましくは、入手の容易さや、すすぎ性、油汚れへの浸透性及び汚れの溶解性の点から、ジエチレングリコールエーテル類、ジプロピレングリコールエーテル類を利用することができる。
本発明の組成物において、水溶性溶剤は上記より選択されるものを単独で用いても、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。例えば、本発明の組成物においては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルの組み合わせを好適に利用することができる。
本発明の組成物中には、水溶性溶剤を5〜20質量%、好ましくは7〜15質量%、より好ましくは7〜10質量%の範囲に設定される量にて含めることができる。水溶性溶剤の量が少ないと、洗浄効果、特に、油汚れへの浸透性や汚れの溶解性等が乏しくなる場合があり、一方、水溶性溶剤の量が多すぎると、当該組成物の貯蔵安定性が乏しくなる場合がある。
また、本発明の組成物には、必要に応じてさらに他の添加剤、例えば、皮膚刺激緩和剤、染料、香料、防腐剤、金属腐食抑制剤、ホップ抽出物、ポリリジン等の殺菌剤、他の界面活性剤を本発明のウイルス不活化効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。なお、皮膚刺激緩和剤としては、保湿効果のある、例えば、アロエ抽出液、ヘチマ抽出液、シソ抽出液、セージ抽出液、グリセリン、ソルビトール等があげられる。
本発明の組成物は、各成分が液体である場合には混合攪拌することにより、また固形成分を含む場合には水にまず溶解後、他の液体成分を添加し混合攪拌することが一般的であるが、その組成によっては、各成分の添加順序、溶解順序、必要に応じて行われる加温/冷却等の製造手順は、特に制限されるものではない。
本発明の組成物のpH(JIS Z−8802:2011「pH測定方法」)は、25℃で11以上、好ましくは12以上の範囲である。本発明の組成物のpHを11以上とすることによって、ウイルスに対する不活化効果を奏することが可能となる。より好ましくは、本発明の組成物のpH(JIS Z−8802:2011「pH測定方法」)は、25℃で12.1を越える(例えば、12.2以上、12.3以上、12.4以上、12.5以上)、より好ましくは13以上の範囲である。本発明の組成物のpHを12.1を越える範囲に設定することによって、有機汚れの存在下、すなわち有機汚れとの接触もしくは混合条件下においても、当該組成物のpHをノロウイルスの不活性化に有効なpH11以上に維持することができる。これによって、本発明の組成物は有機汚れの存在下においても、ノロウイルスに対して不活化効果を保持することができる。本発明の組成物のpHは、上記アルカリ剤、好ましくはアルカリ金属水酸化物、より好ましくは、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムの組み合わせを用いて、上記範囲に調整できる。
本明細書において、「有機汚れ」とはタンパク質成分を多量に含む組成物(例えば、糞便、嘔吐物、食品等)の付着物や混入物を意味する。
本発明の組成物を用い、ウイルスの付着した被洗浄物を洗浄することによって、ウイルスを不活化することができる。本発明の組成物を用いて不活化できるウイルスとしては、カリシウイルスが挙げられ、好ましくはノロウイルスである。
本発明の組成物は、上記pH値を有し、かつウイルスに対して不活化効果を有する限り、例えば、2倍〜200倍、3倍〜150倍、10倍〜100倍等に適宜希釈して用いてもよい。希釈は水を用いて行うことができる。
本発明の組成物を用いた被洗浄物の洗浄は、以下の方法により行うことができる。
(1)本発明の組成物は不織布に含浸させて抗ウイルス洗浄材(以下、「本発明の抗ウイルス洗浄材」と記載する場合がある)とすることができ、これをウイルスの不活化を行う被洗浄物に対してふき取り作業を行うことにより、ウイルスの不活化と共に、被洗浄物の洗浄を行うことができる。被洗浄物としては、医療現場、介護現場、食品工場、喫茶店、レストラン、ホテル、居酒屋、学校(学校給食)、セントラルキッチン、スーパーのバックヤード等の調理台、冷蔵庫、保管庫のほか、テーブル、机、出入口のドアノブ、便器や便座、水道の蛇口、床や壁等の硬表面を有するもの等があげられる。また、本発明の抗ウイルス洗浄材は、おしぼり、濡れティッシュ等としても使用可能である。特に、本発明の抗ウイルス洗浄材によれば、被洗浄物が有機汚れにより汚染されていたとしても、ウイルスの不活化効果を低下又は失うことなく、ふき取り作業によりウイルスの不活化及び被洗浄物の洗浄を行うことができる。
本発明の抗ウイルス洗浄材を構成する不織布の原材料としては、木綿のようなセルロース系材料、羊毛又は絹のようなタンパク質系材料、レーヨン、ポリエステル、アクリル等の化学重合系材料等が挙げられる。なかでも、セルロース系材料、化学重合系材料が好ましい。
(2)本発明の組成物は、上記のほか、適宜の方法により使用することができる。例えばスプレー等により被洗浄物の表面に噴霧し、所定時間後、概ね1〜5分間程度放置し、適宜、水ですすいだ後に、乾燥させる。具体的には、本発明の組成物を内填した専用のディスペンサーを用いて、使用時毎に、約6〜12ml/mの割合で被洗浄物の表面に噴霧することにより、ウイルスの不活化と共に、被洗浄物の洗浄を行うことができる。被洗浄物としては、上述のものを挙げることができる。特に、本発明の組成物によれば、被洗浄物が有機汚れにより汚染されていたとしても、ウイルスの不活化効果を低下又は失うことなく、噴霧することによりウイルスの不活化及び被洗浄物の洗浄を行うことができる。
本発明の組成物は、プラスチック容器、ポンプ付き容器、パウチ、チューブ等に充填されて提供される。また、1回毎に使用される相当量で、個包装し、携帯性をもたせて提供することもできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
I.抗ウイルス洗浄剤組成物の調製
下記表1の組成に従って、各成分を混合し、組成物1−6の抗ウイルス洗浄剤組成物を調製した。得られた抗ウイルス洗浄剤組成物は黄色透明の液体であった。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルは、3種類を組み合わせて使用し、ポリオキシエチレンアルキル(C12−15)エーテルは、炭素数が12〜15個であるアルキル基と、7〜12モルのエチレンオキシドが付加されてなるものであり、ポリオキシエチレンアルキル(C9−11)エーテルは、炭素数が9〜11個であるアルキル基と、7〜12モルのエチレンオキシドが付加されてなるものであり、ポリオキシエチレンアルキル(C12−14)エーテルは、炭素数が12〜14個であるアルキル基と、7〜12モルのエチレンオキシドが付加されてなるものを示す。
表1中、各成分の量は質量%にて示す。
各抗ウイルス洗浄剤組成物について、貯蔵安定性を評価した。各抗ウイルス洗浄剤組成物を250mLのポリ容器に入れ、室温にて1ヶ月間保管した後、各組成物の外観を目視により観察して評価した。
結果、組成物1、2、5、6は良好な貯蔵安定性を示し、組成物中に、沈殿や白濁等が全く見られなかった。一方、組成物3、4は、一部に沈殿や白濁、分離等が確認された。
各抗ウイルス洗浄剤組成物を水で100倍に希釈し(100倍希釈液)、以下の不活化試験に用いた。pHは、JIS Z−8802:2011「pH測定方法」にしたがって、25℃における値を測定した(表1)。
II.ネコカリシウイルス(feline calicivirus,FCV)不活化試験
1.試験方法
ノロウイルスの代替ウイルスであるFCVを用いて、上記「I.抗ウイルス洗浄剤組成物の調製」にて調製した抗ウイルス洗浄剤組成物のノロウイルス不活化効果の判定試験を行った。試験方法は公知の手法(食品衛生検査指針微生物編(2015)「ウイルス不活化試験」;「平成27年度 ノロウイルスの不活化条件に関する調査 報告書」国立医薬品食品衛生研究所食品衛生管理部等)に準じた手法で行った。
すなわち、ウイルス液(FCV F9株)と各抗ウイルス洗浄剤組成物(100倍希釈液)とを1:9の割合で混合し、室温で30秒間放置し、その後2%FBSを添加したDMEM培地で7倍希釈して反応を停止した。次いで、それぞれ7倍階段希釈を行い、各希釈液をネコ腎由来細胞(CRFK細胞)に接種して、50%感染終末点法(TCID50/ml)で生存ウイルス量を定量した。
有機汚れを想定した有機物負荷試験を行うために、1%肉エキス(ナカライテスク)を添加したMEM培地とウイルス液とを等量混合して0.5%肉エキスを含むウイルス液を調製し、このウイルス液についても上記と同様の操作を行い、生存ウイルス量を定量した。
有効性の判定に際しては、反応後のウイルス希釈を7倍階段希釈で行ったことから、実測値(log)をlog10へと換算し、当該換算値に基づいて判定を行った。不活化効果については感染価減少量に基づいて判定し、接種したウイルスとの感染価(log10換算値)の差に従って、A:十分な効果あり(4log10以上の感染価減少量)、B:効果あり(2log10以上4log10未満の感染価減少量)、ならびにC:効果なし(2log10未満の感染価減少量)と判定した。
対照として、市販のアルカリ性除菌洗浄剤(製品A、B及びC)を同様に用いて判定試験を行った。製品A及びBは塩化ベンザルコニウムを有効成分として含み、製品Cはジアルキルジメチルアンモニウム塩を有効成分として含む。
2.結果
FCV不活化試験の結果を下記表2に示す。
有機物の負荷なし条件下において、組成物1−5の抗ウイルス洗浄剤組成物はいずれも、ウイルスに対して不活化効果を示すことが確認された。一方、組成物6の抗ウイルス洗浄剤組成物は、ウイルス不活化効果を示さないことが確認された。
また、有機物の負荷あり条件下においては、組成物1−4の抗ウイルス洗浄剤組成物が、ウイルスに対して不活化効果を示すことが確認された。一方、組成物5、6の抗ウイルス洗浄剤組成物は、ウイルス不活化効果を示さないことが確認された。
市販のアルカリ性除菌洗浄剤(製品A、B及びC)については、有機物の負荷なし条件下においては、製品Aのみがウイルスに対して不活化効果を示したが、有機物の負荷あり条件下においてはいずれの製品も、ウイルス不活化効果を示さないことが確認された。
以上の結果は、組成物1−5の抗ウイルス洗浄剤組成物はいずれもノロウイルスを不活化することが可能であり、特に、組成物1、2、3、4の抗ウイルス洗浄剤組成物については、有機汚れの存在下においても、その効果が失われないことを示す。一方、市販の除菌洗浄剤は、製品Aによれば、有機汚れの非存在下においてはノロウイルスを不活化することが可能であるが、有機汚れの存在下においては、いずれの製品もノロウイルスを不活化できないことを示す。そして、これらのウイルス不活化効果の有無ならびにウイルス不活化効果を有さない組成物6及び製品B、Cと、pH値との関係から、反応液のpH値が11未満となる場合には、ウイルス不活化効果が得られないことが示された。
III.洗浄力試験
(1)焼き付き油汚れ
1.試験方法
厨房内のレンジ・フライヤー周囲にこびりついた油汚れを想定して、ステンレス(SUS−304,26mm×76mm)の試験ピースに大豆油(関東化学製、37308−02)を約1.0mL塗布し、180℃に設定した恒温器(ヤマト科学製、精密恒温器DH412)の中にて1時間又は3時間、焼き付けた。
上記「I.抗ウイルス洗浄剤組成物の調製」にて調製した組成物1−6の各抗ウイルス洗浄剤組成物、ならびに市販のアルカリ性除菌洗浄剤(製品A、B及びC)の200mLを、200mLビーカーにそれぞれ入れ、この中に上記方法で作製した試験ピース3枚を10分間浸漬した。
10分後、試験ピースを取り出し、水道水で軽くすすぎ、抗ウイルス洗浄剤組成物を除去して乾燥させた後、下記式より洗浄率を求めた。
洗浄率(%)={(W1−W2)/(W1−W0)}×100
W0:大豆油を焼き付ける前のステンレス試験ピースの重さ(g)
W1:ステンレス試験ピース上に大豆油を焼き付けた後の重さ(g)
W2:大豆油を焼き付けたステンレス試験ピースを試験溶液に浸漬・乾燥後の重さ(g)
2.結果
抗ウイルス洗浄剤組成物の焼き付いた油汚れに対する洗浄力の測定結果を下記表3に示す。表3の結果は、各試験における平均値(n=3)を示す。表3中、「A」は85%以上の洗浄率、「B」は60%以上、85%未満の洗浄率、「C」は60%未満の洗浄率を示す。
この結果より、組成物1−5の各抗ウイルス洗浄剤組成物は、1時間の焼き付け油汚れに対して、市販のアルカリ性除菌洗浄剤と比べても遜色のない洗浄力を有することが確認された。また、3時間の焼き付け油汚れに対して、組成物1、2の各抗ウイルス洗浄剤組成物は、その他の組成物3−6や市販のアルカリ性除菌洗浄剤と比べて、高い洗浄力を有することが確認された。
(2)油汚れ
1.試験方法
床の油汚れを想定して、白色のビニルタイル(30cm×30cm)に、×10、×50又は×100の量にてカーボンブラックで着色した食用油(約3mL)をその表面に塗布し、室温で24時間、乾燥させた。このタイルを7.5cm×4cmに裁断し、試験ピースとした。
試験ピース1枚に対し、上記「I.抗ウイルス洗浄剤組成物の調製」にて調製した組成物1−6の各抗ウイルス洗浄剤組成物、ならびに市販のアルカリ性除菌洗浄剤(製品A、B及びC)を4.5mL滴下した。
次いで、ウォッシャビリティーテスター(テスター産業製)に設置し、スポンジを10往復させ、洗浄を行い、その後、水道水で軽くすすいだ。
各段階におけるタイル表面の明度を、色差計(コニカミノルタ製)を用いて測定し、下記式より洗浄率を求めた。
洗浄率(%)={(L2−L1)/(L0−L1)}×100
L0:カーボンブラックの汚れを塗布する前のタイルの明度
L1:カーボンブラックの汚れを塗布した後のタイルの明度
L2:洗浄試験後のタイルの明度
2.結果
抗ウイルス洗浄剤組成物の油汚れに対する洗浄力の測定結果下記表4に示す。表4の結果は、各試験における平均値(n=2)を示す。表4中、「A」は85%以上の洗浄率、「B」は60%以上、85%未満の洗浄率、「C」は60%未満の洗浄率を示す。
この結果より、組成物1−5の各抗ウイルス洗浄剤組成物は、油汚れに対して、市販のアルカリ性除菌洗浄剤と比べても遜色のない洗浄力を有することが確認された。
以上の結果より、組成物1、2、3、4、5の抗ウイルス洗浄剤組成物は、ノロウイルスに対する優れた不活化効果を有するものであることが確認された。特に、組成物1、2、3、4の抗ウイルス洗浄剤組成物は、有機汚れの存在下においても、ノロウイルスに対する優れた不活化効果を保持した。さらに、組成物1、2の抗ウイルス洗浄剤組成物は、貯蔵安定性及び洗浄力の面においても、特に良好な性質を有することが確認された。

Claims (11)

  1. 下記の(A)〜(C)成分を、組成物全体に対し下記割合で含有するとともに、(D)成分として水を含有し、且つ組成物のpH(JIS Z−8802:2011「pH測定方法」)が25℃で11以上であることを特徴とする抗ウイルス洗浄剤組成物:
    (A)第4級アンモニウム塩0.5〜5質量%
    (B)非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤1〜20質量%、
    (C)アルカリ剤0.07〜10.0質量%。
  2. 前記第4級アンモニウム塩が、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム又は塩化ジデシルジメチルアンモニウムであることを特徴とする請求項1記載の抗ウイルス洗浄剤組成物。
  3. 前記非イオン界面活性剤及び/又は両性界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグルコシド、アミンオキシド、及び脂肪酸アルカノールアミドから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の抗ウイルス洗浄剤組成物。
  4. 前記アルカリ剤が、無機アルカリ性物質から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗ウイルス洗浄剤組成物。
  5. さらに、キレート剤、及び/又は水溶性溶剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗ウイルス洗浄剤組成物。
  6. 前記キレート剤が、ヒドロキシカルボン酸及びその塩、ならびにアミノカルボン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項5に記載の抗ウイルス洗浄剤組成物。
  7. 前記水溶性溶剤がグリコール系溶剤及びアルコールから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項5に記載の抗ウイルス洗浄剤組成物。
  8. pH(JIS Z−8802:2011「pH測定方法」)が25℃で12.1を超えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の抗ウイルス洗浄剤組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の抗ウイルス洗浄剤組成物を、不織布に含浸させてなることを特徴とする抗ウイルス洗浄材。
  10. 請求項9に記載の抗ウイルス洗浄材をウイルスの不活化に使用することを特徴とする抗ウイルス洗浄材の使用方法。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の抗ウイルス洗浄剤組成物を、被洗浄物の表面に噴霧させてなることを特徴とするウイルスの不活化方法。
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