JP2019052056A - 複合基板、iii族窒化物結晶付複合基板、およびiii族窒化物結晶の製造方法 - Google Patents

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Kazunari Sato
一成 佐藤
祐介 善積
Yusuke Yoshizumi
祐介 善積
上松 康二
Koji Uematsu
康二 上松
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Abstract

【課題】割れを発生させることなく反りの小さいIII族窒化物結晶を製造できる複合基板、III族窒化物結晶付複合基板およびIII族窒化物結晶の製造方法を提供する。【解決手段】複合基板10は、単結晶基板11と、単結晶基板11と化学組成が同じ多結晶基板12とを含み、単結晶基板11と多結晶基板12とはそれぞれの主面で接合され、単結晶基板11側に凸の反りを有する。III族窒化物結晶付複合基板20は、複合基板10と、複合基板10の単結晶基板11上に配置されたIII族窒化物結晶21とを含む。III族窒化物結晶21の製造方法は、複合基板10を準備する工程と、複合基板10の単結晶基板11上にIII族窒化物結晶21を形成する工程とを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、複合基板、III族窒化物結晶付複合基板、およびIII族窒化物結晶の製造方法に関する。
窒化ガリウム基板などのIII族窒化物基板は、発光デバイスおよび電子デバイスに好適に用いられる。窒化ガリウム基板などのIII族窒化物基板は、赤崎勇,III族窒化物半導体,培風館,1999年12月8日,pp114−116(非特許文献1)などに記載のように、一般的には、HVPE(ハイドライド気相成長)法などの気相法でサファイア基板上に窒化ガリウム結晶などのIII族窒化物結晶を成長させることに得られる。
ここで、特開2015−98411号公報は、窒化物半導体層をエピタキシャル成長させることが可能な成長面を有する下地基板を準備する工程と、下地基板を基板ホルダに固定する工程と、固定された下地基板の成長面上に窒化物半導体層をエピタキシャル成長させる工程と、を含み、基板ホルダに固定する工程において、下地基板を成長面側が凸になるように反らせた状態で固定する窒化物半導体基板の製造方法を開示する。
特開2015−98411号公報
赤崎勇,III族窒化物半導体,培風館,1999年12月8日,pp114−116
しかしながら、赤崎勇,III族窒化物半導体,培風館,1999年12月8日,pp114−116(非特許文献1)に記載の方法では、サファイア基板とIII族窒化物結晶との線熱膨張係数の差(サファイア基板の線熱膨張係数は、窒化物ガリウム層の線熱膨張係数に比べて約2×10-6-1大きく、窒化アルミニウム層の線熱膨張係数に比べて約3×10-6-1大きく、窒化インジウム層の線熱膨張係数に比べて約3×10-6-1大きい)があるため、III族窒化物結晶の成長後に高温から室温(たとえば25℃)に降温した後に、サファイア基板から分離されたIII族窒化物結晶は、上記線熱膨張係数の差に基づく熱応力により、III族窒化物結晶の結晶成長面側(サファイア基板側と反対側)に凹の反りが発生するという問題点がある。
また、上記の大きな反りを有するIII族窒化物結晶の主面を研磨により平坦化したIII族窒化物基板は、その主面内のオフ角のばらつきが大きくなる。このため、そのIII族窒化物基板上に成長させるIII族窒化物結晶膜への不純物原子の取り込み量の主面内のばらつきが大きくなり、発光デバイスにおいては発光波長のばらつきが大きくなり、電子デバイスにおけるキャリア濃度のばらつきが大きくなるという問題点がある。
これに対して、特開2015−98411号公報に開示の窒化物半導体基板の製造方法は、下地基板を成長面側に凸になるように反らせた状態で下地基板の成長面側に窒化物半導体層を成長させるため、得られるIII族窒化物層の成長面側に凹の反りを抑制できるが、基板ホルダにより下地基板を機械的かつ強制的に反らせているため、下地基板上に成長させられたIII族窒化物半導体層の端部が多結晶化して、下地基板からIII族窒化物半導体層を分離する際に、III族窒化物層が割れるという問題点がある。
本開示は、上記問題点を解決するため、割れを発生させることなく反りの小さいIII族窒化物結晶を製造できる複合基板、III族窒化物結晶付複合基板およびIII族窒化物結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様にかかる複合基板は、単結晶基板と、前記単結晶基板と化学組成が同じ多結晶基板とを含み、前記単結晶基板と前記多結晶基板とはそれぞれの主面で接合され、前記単結晶基板側に凸の反りを有する。
本開示の一態様にかかるIII族窒化物結晶付複合基板は、前記複合基板と、前記複合基板の前記単結晶基板上に配置されたIII族窒化物結晶とを含む。
本開示の一態様にかかるIII族窒化物結晶の製造方法は、単結晶基板と、前記単結晶基板と化学組成が同じ多結晶基板とを含み、前記単結晶基板と前記多結晶基板とはそれぞれの主面で接合され、前記単結晶基板側に凸の反りを有する複合基板を準備する工程と、前記複合基板の前記単結晶基板上にIII族窒化物結晶を形成する工程とを含む。
本開示によれば、割れを発生させることなく反りの小さいIII族窒化物結晶を製造できる複合基板、III族窒化物結晶付複合基板およびIII族窒化物結晶の製造方法を提供できる。
図1は、本態様にかかる複合基板の一例を示す概略断面図である。 図2は、本態様にかかるIII族窒化物結晶の製造方法を示す概略断面図である。 図3は、本態様にかかるIII族窒化物結晶の上に形成されるIII族窒化物膜の一例を示す概略平面図である。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示の一実施形態にかかる複合基板は、単結晶基板と、単結晶基板と化学組成が同じ多結晶基板とを含み、単結晶基板と多結晶基板とはそれぞれの主面で接合され、単結晶基板側に凸の反りを有する。本実施形態の複合基板は、単結晶基板側に凸の反りを有するため、割れを発生させることなく反りの小さいIII族窒化物結晶を製造することができる。
[2]上記の複合基板において、単結晶基板をサファイア基板とし、多結晶基板をアルミナ多結晶基板とすることができる。かかる複合基板は、単結晶基板側に凸の反りを形成することにより、反りが小さいIII族窒化物結晶を、割れを発生させることなく製造することができる。
[3]本開示の一実施形態にかかるIII族窒化物結晶付複合基板は、上記の複合基板と、複合基板の単結晶基板上に配置されたIII族窒化物結晶とを含む。本実施形態のIII族窒化物結晶付複合基板は、単結晶基板側に凸に反った複合基板の単結晶基板上にIII族窒化物結晶を成長させて得られるため、割れを発生させることなく反りが小さいIII族窒化物結晶を製造することができる。
[4]本開示の一実施形態にかかるIII族窒化物結晶の製造方法は、単結晶基板と、単結晶基板と化学組成が同じ多結晶基板とを含み、単結晶基板と多結晶基板とはそれぞれの主面で接合され、単結晶基板側に凸の反りを有する複合基板を準備する工程と、複合基板の単結晶基板上にIII族窒化物結晶を形成する工程とを含む。本実施形態のIII族窒化物結晶の製造方法は、単結晶基板側に凸に反った複合基板の単結晶基板上にIII族窒化物結晶を成長させるため、割れを発生させることなく反りが小さいIII族窒化物結晶を製造することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施形態についてさらに詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。以下においては、図面を参照しながら説明するが、本明細書および図面において同一または対応する要素に同一の符号を付すものとし、それらについて同じ説明は繰り返さない。また、図面の形状および寸法は、実際の形状および寸法を表すものではなく、分かりやすくするために基板および結晶の長さ方向に比べて厚さ方向を強調して大きく描いている。
本明細書において「A〜B」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちA以上B以下)を意味し、Aにおいて単位の記載がなく、Bにおいてのみ単位が記載されている場合、Aの単位とBの単位とは同じである。さらに、本明細書において、化合物などを化学式で表す場合、原子比を特に限定しないときは従来公知のあらゆる原子比を含むものとし、必ずしも化学量論的範囲のもののみに限定されるべきではない。
≪複合基板≫
図1を参照して、本実施形態にかかる複合基板10は、単結晶基板11と、単結晶基板11と化学組成が同じ多結晶基板12とを含み、単結晶基板11と多結晶基板12とはそれぞれの主面で接合され、単結晶基板11側に凸の反りを有する。本実施形態の複合基板10は、単結晶基板11側に凸の反りを有する。このため、複合基板10の単結晶基板11上にIII族窒化物結晶を成長させると、III族窒化物結晶は結晶成長面側に凸に反った状態で成長する。III族窒化物結晶の結晶成長時の上記反りは、単結晶基板からIII族窒化物結晶を分離する際に発生する反りと反対方向の反りである。このため、本実施形態の複合基板10は、反りの小さいIII族窒化物結晶を、割れを発生させることなく製造することができる。
ここで、反りの小さいIII族窒化物結晶とは、たとえば、直径4インチで厚さ330μmのIII族窒化物結晶については、反りは100μm以下が好ましく、反りは50μm以下がより好ましく、反りは30μm以下がさらに好ましく、反りは10μm以下が特に好ましい。
<単結晶基板>
単結晶基板11は、特に制限はないが、単結晶基板11上に結晶品質の高いIII族窒化物結晶を成長させる観点から、サファイア基板が好ましい。単結晶基板11の厚さは、特に制限はないが、III族窒化物結晶の成長時にウエハトレーに収まりやすい観点から、100μm以上800μm以下が好ましい。
<多結晶基板>
多結晶基板12は、単結晶基板11と化学組成が同じである。ここで、化学組成が同じとは、両者の基板を構成する元素の種類が同じでかつ両者の基板を構成する元素の比率の差が0.1以下であることをいい、両者の基板に不純物として含まれる元素の種類および元素の比率までが同じであることを問わない。多結晶基板12の化学組成が単結晶基板11の化学組成と同じであるため、多結晶基板12の線熱膨張係数は単結晶基板11の線熱膨張係数と同じである。ここで、多結晶基板12の線熱膨張係数と単結晶基板11の線熱膨張係数とが同じとは、両者の基板の線熱膨張係数の差が2.0×10-6-1以下であることをいう。多結晶基板12は、単結晶基板11と化学組成が同じであれば特に制限はなく、単結晶基板11がサファイア基板(Al23の単結晶であり、線熱膨張係数は7.7×10-6-1)のときは、多結晶基板12はアルミナ多結晶基板(Al23の多結晶であり、線熱膨張係数は7.9×10-6-1)が好適である。
<単結晶基板と多結晶基板との接合>
単結晶基板11と多結晶基板12とは、それぞれの主面で接合されている。接合形態は、単結晶基板11と多結晶基板12とを何も介在させずに接合する直接接合(図1を参照)であっても、単結晶基板と多結晶基板とを中間層を介在させて接合する間接接合(図示せず)であってもよい。
<単結晶基板11側に凸の反り>
本実施形態の複合基板10は、単結晶基板11側に凸の反りを有するため、上記のように、反りの小さいIII族窒化物結晶を、割れを発生させることなく製造することができる。複合基板10における単結晶基板11側に凸の反りの大きさは、特に制限はないが、単結晶基板11上に割れを発生させることなく反りの小さいIII族窒化物結晶を成長させる観点から、直径4インチ当たり、10μm以上135μm以下が好ましく、20μm以上85μm以下がより好ましく、35μm以上70μm以下がさらに好ましく、45μm以上55μm以下が特に好ましい。
複合基板10は、単結晶基板11と多結晶基板12とを、凹凸嵌合の治具を用いて、多結晶基板12の塑性変形温度以上の温度でホットプレスすることにより、多結晶基板12を塑性変形させて、単結晶基板11側に凸の反りを付与することができる。ここで、多結晶基板12の化学組成と単結晶基板11の化学組成と同じ(構成元素の種類が同じであり、構成元素の比率の差が0.1以下)であることから、多結晶基板12の線熱膨張係数と単結晶基板11の線熱膨張係数とが同じ(線熱膨張係数の差が2.0×10-6-1以下)である。このため、ホットプレスにより単結晶基板11側に凸の反りを付与された複合基板10は、多結晶基板がアルミナ多結晶基板である場合、アルミナ多結晶基板の塑性変形温度(1500℃程度)よりも低いIII族窒化物結晶の成長温度(800〜1000℃程度)以下においては、付与された上記反りを維持する。
≪III族窒化物結晶付複合基板≫
図2を参照して、本実施形態のIII族窒化物結晶付複合基板20は、上記実施形態の複合基板10と、複合基板10の単結晶基板11上に配置されたIII族窒化物結晶21とを含む。本実施形態のIII族窒化物結晶付複合基板は、単結晶基板側に凸に反った複合基板の単結晶基板上にIII族窒化物結晶を成長させて得られるため、割れを発生させることなく反りが小さいIII族窒化物結晶を製造することができる。
III族窒化物結晶21は、特に制限はなく、GaN(窒化ガリウム)結晶、AlN(窒化アルミニウム)結晶、InN(窒化インジウム)結晶の他、Al1-xGaxN結晶(0<x<1)、In1-yGayN結晶(0<y<1)およびAl1-zInzN結晶(0<z<1)などが挙げられる。
≪III族窒化物結晶の製造方法≫
図2を参照して、本実施形態のIII族窒化物結晶21の製造方法は、単結晶基板11と、単結晶基板11と化学組成が同じ多結晶基板12とを含み、単結晶基板11と多結晶基板12とはそれぞれの主面で接合され、単結晶基板11側に凸の反りを有する複合基板10を準備する工程(図2(A))と、複合基板10の単結晶基板11上にIII族窒化物結晶21を形成する工程(図2(B)〜(D))とを含む。本実施形態のIII族窒化物結晶の製造方法は、単結晶基板側に凸に反った複合基板の単結晶基板上にIII族窒化物結晶を成長させるため、割れを発生させることなく反りが小さいIII族窒化物結晶を製造することができる。
<複合基板を準備する工程>
図2(A)を参照して、複合基板10を準備する工程は、単結晶基板11と多結晶基板12とをそれぞれの主面で接合することにより行う。接合形態は、単結晶基板11と多結晶基板12とを何も介在させずに接合する直接接合(図2(A)を参照)であっても、単結晶基板と多結晶基板とを中間層を介在させて接合する間接接合(図示せず)であってもよい。接合方法は、特に制限はなく、接合後に高温の結晶成長温度でも接合強度を維持できる観点から、接合面を洗浄しそのまま貼り合わせた後600℃〜1200℃程度に昇温して接合する直接接合法、接合面を洗浄しプラズマやイオンなどで活性化させた後に室温(たとえば25℃)〜400℃程度の低温で接合する表面活性化法などが好ましく用いられる。
単結晶基板11と多結晶基板12とを接合させた複合基板10に、多結晶基板12を塑性変形させて単結晶基板11側に凸の反りを付与する。複合基板10に単結晶基板11側に凸の反りを付与する方法は、特に制限はなく、たとえば、凹凸嵌合の治具を用いて多結晶基板の塑性変形温度以上でホットプレスする方法(ホットプレス法)などが好適に用いられる。
<III族窒化物結晶を形成する工程>
図2(B)〜(D)を参照して、III族窒化物結晶21を形成する工程は、特に制限はないが、反りの小さいIII族窒化物結晶を割れを発生させることなく製造する観点から、複合基板10をIII族窒化物結晶の成長温度まで昇温して複合基板10の単結晶基板11上にIII族窒化物結晶21を成長させてIII族窒化物結晶付複合基板20を形成するサブ工程(図2(B))と、III族窒化物結晶付複合基板20を室温(たとえば25℃)まで冷却するサブ工程(図2(C))と、III族窒化物結晶付複合基板20の単結晶基板11からIII族窒化物結晶21を分離するサブ工程(図2(D))を含むことが好ましい。
(III族窒化物結晶付複合基板を形成するサブ工程)
図2(B)を参照して、III族窒化物結晶付複合基板20を形成するサブ工程において、III族窒化物結晶の成長温度において、単結晶基板11側に凸に反った複合基板10の単結晶基板11上にIII族窒化物結晶21を成長させると、結晶成長面側(単結晶基板11側と反対側)が凸に反ったIII族窒化物結晶21を含むIII族窒化物結晶21側が凸に反ったIII族窒化物結晶付複合基板20が形成される。ここで、単結晶基板11側に凸に反った複合基板10の単結晶基板11上に成長させられたIII族窒化物結晶21は、結晶成長面側に凸に反っているが、端部においても多結晶化は発生せず、中央部から端部まで全体に亘って結晶品質の高い単結晶が得られる。これは、複合基板10の単結晶基板11側に凸の反りは、単結晶基板11に接合された多結晶基板12の塑性変形により発生する基板全体に亘る均一な応力に由来するものと考えられる。
III族窒化物結晶21を成長させる方法は、特に制限はないが、結晶品質の高いIII族窒化物結晶21を成長させる観点から、気相法によるエピタキシャル成長方法が好ましく、たとえばHVPE(ハイドライド気相成長)法、MBE(分子線エピタキシ)法、MOVPE(有機金属気相成長)法などが好ましく、さらに結晶成長速度が高い観点からHVPE法がより好ましい。
図2(B)および(C)を参照して、III族窒化物結晶付複合基板を室温まで冷却するサブ工程において、III族窒化物結晶付複合基板20をIII族窒化物結晶の成長温度から室温(たとえば25℃)まで冷却しても、単結晶基板11と多結晶基板12とは、それらの化学組成が同じ(構成元素の種類が同じであり、構成元素の比率の差が0.1以下)であることから、それらの線熱膨張係数が同じ(線熱膨張係数の差が2.0×10-6-1以下)であるため、III族窒化物結晶の成長温度における図2(B)に示すようなIII族窒化物結晶21側に凸の反りは、図2(C)に示すように維持される。
<III族窒化物結晶を分離するサブ工程>
図2(D)を参照して、III族窒化物結晶21を分離するサブ工程において、III族窒化物結晶付複合基板20の単結晶基板11からIII族窒化物結晶21を分離することにより、反りの小さいIII族窒化物結晶21が割れを発生することなく得られる。これは、以下の理由によるものと考えられる。分離されるIII族窒化物結晶21は、単結晶基板11側に凸に反った複合基板10の単結晶基板11上に成長されたものであるため、結晶成長面側(単結晶基板11側と反対側)が凸に反っている。かかるIII族窒化物結晶21の反りは、III族窒化物結晶付複合基板20の単結晶基板11から分離される際に通常発生する結晶成長面側に凹の反りと反対方向の反りである。すなわち、結晶成長の際に付加された反りと単結晶基板から分離される際に付加される反りとが相殺されて、反りの小さいIII族窒化物結晶が割れを発生することなく得られる。
III族窒化物結晶付複合基板20の単結晶基板11からIII族窒化物結晶21を分離する方法は、特に制限はなく、切断による方法、切削または研削による方法、エッチングによる方法など従来方法が好適に適用できる。
なお、上記においては、III族窒化物結晶付複合基板を室温まで冷却するサブ工程とIII族窒化物結晶を分離するサブ工程とを分けて説明したが、III族窒化物結晶付複合基板の冷却条件を調節して、熱応力を発生させることにより、III族窒化物結晶付複合基板20を室温まで冷却するとともに、III族窒化物結晶付複合基板20の単結晶基板11からIII族窒化物結晶21を分離することもできる。
<実施例1>
1.複合基板の作製
直径4インチ(101.6mm)で厚さ400μmのサファイア基板(線熱膨張係数:7.7×10-6-1)と、直径4インチで厚さ1200μmのアルミナ焼結体基板(線熱膨張係数:7.9×10-6-1)とを、室温(25℃)で表面活性化法により接合させた後、両面を研削および研磨することにより、単結晶基板としての直径4インチで厚さ330μmのサファイア基板と多結晶基板としての直径4インチで厚さ1000μmのアルミナ焼結体基板とが接合された直径4インチの複合基板を作製した。次いで、得られた複合基板を、凹凸嵌合のカーボン治具を用いて、単結晶基板側に凸の15μmの反りを有する複合基板を作製した。複合基板の反りは、コーニングトロペル社製ウエハ表面形状測定装置により測定した。結果を表1にまとめた。
2.III族窒化物結晶の作製
上記で選られた直径4インチの複合基板の単結晶基板上に、HVPE法により、結晶成長温度1000℃および結晶成長圧力1気圧(101.3kPa)の条件で、III族窒化物結晶として厚さ500μmのGaN(窒化ガリウム)結晶を成長させることにより、III族窒化物結晶付複合基板を作製した。III族窒化物結晶付複合基板を結晶成長温度から室温(25℃)まで冷却することにより、III族窒化物結晶付複合基板の単結晶基板からIII族窒化物結晶であるGaN結晶を分離させて、直径4インチで厚さ500μmのGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られず、割れも発生しなかった。得られたGaN結晶の反りをコーニングトロペル社製ウエハ表面形状測定装置により測定した。結果を表1にまとめた。
<実施例2>
単結晶基板側に凸の25μmの反りを有する複合基板を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板およびIII族窒化物結晶であるGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られず、割れも発生しなかった。得られた複合基板およびGaN結晶のそれぞれの反りを実施例1と同様にして測定した。結果を表1にまとめた。
<実施例3>
単結晶基板側に凸の40μmの反りを有する複合基板を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板およびIII族窒化物結晶であるGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られず、割れも発生しなかった。得られた複合基板およびGaN結晶のそれぞれの反りを実施例1と同様にして測定した。結果を表1にまとめた。
<実施例4>
単結晶基板側に凸の50μmの反りを有する複合基板を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板およびIII族窒化物結晶であるGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られず、割れも発生しなかった。得られた複合基板およびGaN結晶のそれぞれの反りを実施例1と同様にして測定した。結果を表1にまとめた。
<実施例5>
単結晶基板側に凸の65μmの反りを有する複合基板を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板およびIII族窒化物結晶であるGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られず、割れも発生しなかった。得られた複合基板およびGaN結晶のそれぞれの反りを実施例1と同様にして測定した。結果を表1にまとめた。
<実施例6>
単結晶基板側に凸の80μmの反りを有する複合基板を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板およびIII族窒化物結晶であるGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られず、割れも発生しなかった。得られた複合基板およびGaN結晶のそれぞれの反りを実施例1と同様にして測定した。結果を表1にまとめた。
<実施例7>
単結晶基板側に凸の130μmの反りを有する複合基板を作製したこと以外は、実施例1と同様にして、複合基板およびIII族窒化物結晶であるGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られず、割れも発生しなかった。得られた複合基板およびGaN結晶のそれぞれの反りを実施例1と同様にして測定した。結果を表1にまとめた。
<比較例1>
複合基板に替えて直径4インチで厚さ330μmのサファイア基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、III族窒化物結晶であるGaN結晶を作製した。得られたGaN結晶には、多結晶化は見られなかったが、サファイア基板からの分離の際に部分的な割れが発生した。得られたGaN結晶の反りを実施例1と同様にして測定した。結果を表1にまとめた。
Figure 2019052056
表1を参照して、単結晶基板と、単結晶基板と化学組成が同じ多結晶基板とを含み、単結晶基板と多結晶基板とはそれぞれの主面で接合され、単結晶基板側に凸の反りを有する複合基板を用いて、反りの小さいIII族窒化物結晶を割れを発生させることなく製造することができた。具体的には、直径4インチで厚さ500μmのIII族窒化物結晶について、実施例1〜7においては反りが100μm以下、実施例2〜6においては反りが50μm以下、実施例3〜5においては反りが30μm以下、実施例4においては反りが10μm以下の小さい反りが実現できた。
<実施例8>
実施例4で得られたIII族窒化物結晶である直径4インチで厚さ500μmのGaN結晶の両面を研磨したGaN結晶基板上に、MOVPE法により、結晶成長温度900℃および結晶成長圧力1気圧(101.3kPa)の条件で、III族窒化物結晶膜である直径4インチで厚さ1μmのGaN(窒化ガリウム)結晶膜を成長させた。図3を参照して、得られたGaN結晶膜(III族窒化物結晶膜31)において、中心から円周への方向に延び、かつ、隣接する直線とのなす角が45°である8直線のそれぞれの直線L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8の中心点P0、中心から20mmの点(以下、中間部点P1ともいう)、および中心から40mmの点(以下、外周部点P2ともいう)の3つの点における不純物原子濃度として酸素濃度をSIMS(二次イオン質量分析法)により測定し、上記の中心点P0、中間部点P1、および外周部点P2における酸素濃度の平均値を算出し、中心点P0における酸素濃度の平均値に対する中心点P0における酸素濃度の平均値、中間部点P1における酸素濃度の平均値、および外周部点P2における酸素濃度の平均値の比を算出した。結果を表2にまとめた。
<比較例2>
比較例1で得られたIII族窒化物結晶である直径4インチで厚さ500μmのGaN結晶の両面を研磨したGaN結晶基板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、III族窒化物結晶膜であるGaN結晶膜を成長させた。得られたGaN結晶膜について、実施例1と同様にして、中心点における酸素濃度の平均値に対する中心点における酸素濃度の平均値、中間部点における酸素濃度の平均値、および外周部点における酸素濃度の平均値の比を算出した。結果を表2にまとめた。
Figure 2019052056
表2を参照して、比較例2に示すように、サファイア基板を用いて作製されたGaN結晶基板上に成長されたGaN結晶膜では、中心点における酸素濃度の平均値に対して、中間部点における酸素濃度の平均値は1.04、外周部点における酸素濃度の平均値は1.10と、1.00〜1.10の範囲にばらついた。これに対して、実施例8に示すように、複合基板を用いて作製されたGaN結晶基板上に成長されたGaN結晶膜では、中心点における酸素濃度の平均値に対して、中間部点における酸素濃度の平均値は1.02、外周部点における酸素濃度の平均値は1.05と、1.00〜1.05の範囲にばらつきが小さくなった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 複合基板
11 単結晶基板
12 多結晶基板
20 III族窒化物結晶付複合基板
21 III族窒化物結晶
31 III族窒化物結晶膜
1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8 直線
0 中心点
1 中間部点
2 外周部点

Claims (4)

  1. 単結晶基板と、前記単結晶基板と化学組成が同じ多結晶基板とを含み、
    前記単結晶基板と前記多結晶基板とはそれぞれの主面で接合され、
    前記単結晶基板側に凸の反りを有する、複合基板。
  2. 前記単結晶基板はサファイア基板であり、前記多結晶基板がアルミナ多結晶基板である、請求項1に記載の複合基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載の複合基板と、前記複合基板の前記単結晶基板上に配置されたIII族窒化物結晶とを含む、III族窒化物結晶付複合基板。
  4. 単結晶基板と、前記単結晶基板と化学組成が同じ多結晶基板とを含み、前記単結晶基板と前記多結晶基板とはそれぞれの主面で接合され、前記単結晶基板側に凸の反りを有する複合基板を準備する工程と、
    前記複合基板の前記単結晶基板上にIII族窒化物結晶を形成する工程とを含む、III族窒化物結晶の製造方法。
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