JP2019047573A - スイッチトリラクタンスモータの制御装置 - Google Patents

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英樹 窪谷
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直志 藤吉
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Abstract

【課題】スイッチトリラクタンスモータの回生時に効率低下を抑制しつつ振動および騒音を低減させること。【解決手段】スイッチトリラクタンスモータの制御装置において、回生領域で印加する負電圧を式(1)に基づいて算出し(ステップS2)、回転数とトルクに基づいて、回生領域で負電圧を印加し始める励磁終了角と、該励磁終了角での電流値である最大電流値とを決定し(ステップS8)、励磁終了角と最大電流値に基づいてスイッチトリラクタンスモータで発生する磁束を推定し(ステップS9)、推定した磁束を用いて、回生領域で正電圧を印加し始める励磁開始角を決定する(ステップS11)。【選択図】図5

Description

本発明は、スイッチトリラクタンスモータの制御装置に関する。
特許文献1には、スイッチトリラクタンスモータの回生制動時に、制動トルクが一定になるよう電流値をモータ回転数とモータトルクに応じて制御することが開示されている。
特開2007−236135号公報
特許文献1に記載の構成では、回生制動時に電流を制御しているものの、電圧の制御については考慮されていない。具体的には、電圧、回転数、トルクから成り行きで複数回のスイッチングを行うか否かが決定してしまうため、回生制動時に複数回のスイッチングを行いスイッチング損失が大きくなる虞がある。
さらに、スイッチトリラクタンスモータでは、効率だけではなく、振動と騒音を低減することも考慮されることが望まれる。特に、スイッチトリラクタンスモータの回生時については考慮しきれていない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、スイッチトリラクタンスモータの回生時に効率低下を抑制しつつ振動および騒音を低減させることができるスイッチトリラクタンスモータの制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、突極構造のステータと、突極構造のロータとを有し、三相のコイルに励磁電流が流れることによって駆動するスイッチトリラクタンスモータの制御装置において、スイッチトリラクタンスモータの回生領域において印加する負電圧を下式(1)に基づいて算出する手段と、スイッチトリラクタンスモータの回転数とトルクに基づいて、回生領域で負電圧を印加し始める位相である励磁終了角と、励磁終了角での電流値である最大電流値とを決定する手段と、励磁終了角と最大電流値に基づいて、スイッチトリラクタンスモータで発生する磁束を推定する手段と、推定した磁束を用いて、回生領域で正電圧を印加し始める位相である励磁開始角を決定する手段とを備えることを特徴とする。
Figure 2019047573
ただし、式(1)において、Eは電圧、Rは抵抗値、iは電流、ωは回転数、θは位相、Lはインダクタンスである。
本発明によれば、スイッチトリラクタンスモータの回生領域において電流の変化が緩やかになるため、起振力の変化が緩やかになり、回生時に振動および騒音を低減可能である。さらに、インバータのスイッチング回数を減少できるのでスイッチング損失を低減でき、回生時の高効率化を図ることが可能である。
図1は、実施形態のシステム構成を模式的に示す図である。 図2は、スイッチトリラクタンスモータの構成を模式的に示す図である。 図3は、インバータ回路例を示す回路図である。 図4は、図3に示す三相のコイルのうち、いずれか一相のコイルを含む閉回路を模式的に示す回路図である。 図5は、回生制御フローを示すフローチャートである。 図6(a)は、電流波形の一部を模式的に示す図である。図6(b)は、磁束を推定する際に用いるマップを模式的に示す図である。 図7は、回生制御時の電圧波形および電流波形を示す図である。 図8は、適用車両の一例を示すスケルトン図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態におけるスイッチトリラクタンスモータの制御装置について具体的に説明する。
[1.システム構成]
図1は、実施形態のシステム構成を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施形態のシステム構成は、スイッチトリラクタンスモータ(以下「SRモータ」という)1と、インバータ2と、印加電圧調整器3と、バッテリ4と、制御部100とを含む構成である。SRモータ1の制御装置は、少なくともインバータ2および制御部100を含む。
SRモータ1は、インバータ2および印加電圧調整器3を介してバッテリ4と電気的に接続され、インバータ2とは三相のコイル12を介して電気的に接続されている。そのSRモータ1は、回転子に永久磁石を使用しない電動機であり、三相のコイル12に励磁電流が流れることによって駆動する。さらに、SRモータ1は、電動機としてだけではなく、発電機としても機能する。
図2に示すように、SRモータ1は、突極構造のステータ10と、突極構造のロータ20とを備えている。ステータ10は、環状構造の内周部に突極としてのステータ歯11を複数備え、各ステータ歯11にはインバータ2に接続されたコイル12が巻回されている。ロータ20は、図示しないロータ軸と一体回転する回転子であり、ステータ10の径方向内側に配置され、環状構造の外周部には突極としてのロータ歯21を複数備えている。そして、図2に示すSRモータ1は、十八極のステータ10と、十二極のロータ20とを備える三相電動機である。
また、三相のSRモータ1には、一対のステータ歯11およびコイル12aにより構成されるA相(U相)と、一対のステータ歯11およびコイル12bにより構成されるB相(V相)と、一対のステータ歯11およびコイル12cにより構成されるC相(W相)と、が含まれる。
インバータ2は、三相の電流をコイル12に通電できるように複数のスイッチング素子を備えた電気回路(インバータ回路)によって構成されている。つまり、インバータ2は、インバータ回路に接続されたそれぞれのコイル12に対して、相ごとに電流を流す。図3に示すように、インバータ2を構成するインバータ回路は、相ごとに設けられた複数のダイオードおよびトランジスタと、一つのコンデンサCoと、を備えている。詳細には、A相の回路において、二つのトランジスタTra1,Tra2と、四つのダイオードDa1,Da2,Da3,Da4とを備えている。また、B相の回路において、二つのトランジスタTrb1,Trb2と、四つのダイオードDb1,Db2,Db3,Db4とを備えている。さらに、C相の回路において、二つのトランジスタTrc1,Trc2と、四つのダイオードDc1,Dc2,Dc3,Dc4とを備えている。
印加電圧調整器3は、インバータ2とバッテリ4との間に設けられており、SRモータ1に印加する電圧を降圧するものである。印加電圧調整器3は、例えば降圧コンバータによって構成されている。
制御部100は、SRモータ1を駆動制御する電子制御装置(ECU)によって構成される。その制御部100は、CPUと、各種プログラム等のデータが格納された記憶部と、SRモータ1を駆動制御するための各種の演算を行う演算処理部とを備える。また、制御部100には、SRモータ1の回転数を検出する回転数センサ51からレゾルバ信号が入力される。演算処理部は、そのレゾルバ信号に基づいてSRモータ1の回転数(モータ回転数)を演算するなど、モータ制御のための演算処理を行う。そして、演算処理部における演算の結果、インバータ2を制御するための指令信号が制御部100からインバータ2に出力される。
例えば、制御部100は、レゾルバ信号から、回転方向におけるステータ歯11とロータ歯21との相対的な位置関係に基づいて、通電対象となるコイル12の切り替えを相ごとに繰り返す制御を実行する。この制御において制御部100は、ある相のコイル12に励磁電流を流してステータ歯11を励磁させ、ステータ歯11と、そのステータ歯11の近くのロータ歯21との間に磁気吸引力を発生させることにより、ロータ20を回転させる。このように、制御部100は、インバータ2を制御することにより、SRモータ1に印加する電圧および励磁電流を制御する。
[2.回生制御]
制御部100は、SRモータ1が発電機として機能する回生制御時に、SRモータ1の回転数とトルクに応じて適切な電圧を決定し、必要な電流値や励磁終了角から適切な励磁開始角を選定する。具体的には、SRモータ1での回生時に電流値の変化が少なくなるよう、制御部100はSRモータ1の抵抗値、回転数、位相に応じて、印加する電圧を適切な大きさに制御する。加えて、回生時の励磁条件(励磁開始角、励磁終了角、最大電流値)についても、インバータ2のスイッチング回数が減少し、電流値の変化が少なくなるよう、制御部100はSRモータ1の回転数、トルクに応じて適切な励磁条件を選定する。なお、この説明において、励磁開始角θonは回生領域において正電圧を印加し始める位相、励磁終了角θoffは回生領域において負電圧を印加し始める位相、最大電流値Irefは回生領域における励磁電流の最大値である。
[2−1.電圧制御]
図4を参照して、回生制御時に印加する電圧値の算出方法について説明する。図4は、図3に示す三相のコイル12のうち、いずれか一相のコイルを含む閉回路を模式的に示す回路図である。なお、説明の便宜上、図4には一相のコイルを含む閉回路のみ記載されているが、図4に示す閉回路は三相のコイル12のうち、どの相についても成り立つ閉回路である。
図4に示す閉回路における電圧は、下式(2)のように表される。
Figure 2019047573
上式(2)において、Eは電圧(起電力)、Rは抵抗値、iは電流、eは誘導起電力、Lはコイル12のインダクタンス、ωは回転数、θは位相である。
そして、上式(2)を電流の時間変化を表す式に変形することができる。電流の時間変化を表す式は、下式(3)のように表される。
Figure 2019047573
上式(3)において、電流値を一定の値に保つ場合には、右辺がゼロになる。この際の電圧Eは、上式(3)の右辺を変形して下式(4)のように表すことができる。
Figure 2019047573
上式(4)において、電圧Eは、電流i、回転数ω、位相θの関数となる。なお、上式(4)において抵抗値Rは一定の値である。このように、制御部100は上式(4)に基づいて算出した電圧を、回生領域において印加する負電圧に決定することができる。
[2−2.回生制御フロー]
図5は、回生制御フローを示すフローチャートである。なお、図5に示す制御フローは制御部100によって実施される。
制御部100は、SRモータ1の回生時における電圧および励磁条件を決定するために用いる各種情報を読み込む(ステップS1)。この各種情報には、SRモータ1の位相、アクセル開度、車両状態が含まれる。さらに、ステップS1の処理では、情報の読み込みに加え、読み込んだ情報を用いて演算を行う。具体的には、制御部100は、位相に基づいてSRモータ1の回転数を演算し、アクセル開度に基づいて要求トルクに対応したSRモータ1の指令トルクを導出し、車両状態に基づいてバッテリ4で使用可能な許容電圧範囲を演算する。許容電圧範囲は下限値E1から上限値E2までの範囲であり、例えばバッテリ4の充電容量(SOC)や温度特性などに基づいて定まる。
また、制御部100はステップS1の処理で読込まれた情報に基づいて、SRモータ1の回生時に印加する必要がある電圧(必要電圧)Eaを演算する(ステップS2)。必要電圧Eaは上式(4)を用いて演算される。
そして、制御部100は必要電圧Eaが許容電圧範囲内の電圧であるか否かを判定する(ステップS3)。ステップS3の処理では、必要電圧Eaが許容電圧範囲の下限値E1以上かつ上限値E2以下であるか否かが判定される。
必要電圧Eaが許容電圧範囲内の電圧であることによりステップS3で肯定的に判定された場合(ステップS3:Yes)、制御部100は回生領域において印加する電圧を必要電圧Eaに決定する(ステップS4)。
必要電圧Eaが許容電圧範囲内の電圧ではないことによりステップS3で否定的に判定された場合(ステップS3:No)、制御部100は必要電圧Eaが許容電圧範囲の下限値E1よりも低いか否かを判定する(ステップS5)。
必要電圧Eaが許容電圧範囲の下限値E1よりも低いことによりステップS5で肯定的に判定された場合(ステップS5:Yes)、制御部100は回生領域において印加する電圧を許容電圧範囲の下限値E1に決定する(ステップS6)。
必要電圧Eaが許容電圧範囲の下限値E1よりも低くないことによりステップS5で否定的に判定された場合(ステップS5:No)、必要電圧Eaが許容電圧範囲を上回るため、制御部100は回生領域において印加する電圧を許容電圧範囲の上限値E2に決定する(ステップS7)。
そして、制御部100は、SRモータ1の回転数とトルク(指令トルク)に基づいて、回生領域における励磁終了角θoffを決定する(ステップS8)。ステップS8の処理では、励磁終了角θoffに加えて、励磁終了角θoffでの電流値(以下「最大電流値」という)Irefを決定する。この最大電流値Irefは、ステップS1の処理で演算されたSRモータ1の回転数とトルク(指令トルク)に基づいて決定される。
また、制御部100は、励磁終了角θoffと最大電流値Irefとに基づいて磁束φを推定する(ステップS9)。
ここで、磁束φは、下式(5)に示す理論式(ファラデーの法則を表す式)に基づいて、下式(6)のように表すことができる。
Figure 2019047573
Figure 2019047573
上式(5),(6)において、vは電圧(誘導起電力)、φは磁束、iは電流、θは位相、tは時間である。
ステップS9の処理を実施する際、ステップS8の処理で最大電流値Irefと励磁終了角θoffとが既に決定している。この最大電流値Irefと励磁終了角θoffとの関係は、図6(a)に示す電流波形のように表される。そして、上式(6)に示すように、磁束φは電流iと位相θの関数である。そのため、制御部100は、最大電流値Irefと励磁終了角θoffと図6(b)に示すマップとを用いて磁束φを推定することができる。図6(b)に示すマップは、横軸が電流i、縦軸が磁束φであり、同じ電流を励磁しても位相θが異なれば発生する磁束φの大きさが異なることを表している。そのため、図6(b)に示すマップ上には、電流iと磁束φとの対応関係を表す線が位相θごとに複数本存在する。具体的には、電流iが同じ場合、図6(b)に「対向」と記載された側(実線で記載)の位相θにおける磁束φは、図6(b)に「非対向」と記載された側(破線で記載)の位相θにおける磁束φよりも大きくなる。「対向」とは、ロータ歯21とステータ歯11とが径方向に対向することを意味する。「非対向」とは、ロータ歯21とステータ歯11とが径方向に対向していないことを意味する。例えば、対向から非対向に向けて位相θが変化すると、電流値が一定であっても、発生する磁束は減少する。
また、制御部100は、推定した磁束φに基づいて位相差dθを推定する(ステップS10)。上述したステップS9の処理において図6(b)に示すマップを用いた磁束φの推定が行われたことにより、ステップS10の処理では位相差dθを推定することができる。この推定された位相差dθは、励磁開始角θonと励磁終了角θoffとの差を表すものである。また、制御部100は位相差dθを求める際に、推定された磁束φと、上式(6)とを用いてもよい。
そして、制御部100は、ステップS8で決定した励磁終了角θoffと、ステップS9で推定した位相差dθとに基づいて、回生領域における励磁開始角θonを決定する(ステップS11)。ステップS11の処理では励磁終了角θoffから位相差dθを引いて励磁開始角θonを求める。このステップS11の処理を実施すると、この制御ルーチンは終了する。
上述した図5に示す制御フローのように、制御部100は、回生時の印加電圧を決定するとともに、回生領域における励磁条件である励磁開始角θon、励磁終了角θoff、最大電流値Irefを決定することができる。この印加電圧と励磁条件とを用いて制御部100が回生制御を実施した際の電圧波形および電流波形の一例を図7に示す。
[2−3.電圧波形および電流波形]
図7は、回生制御時の電圧波形および電流波形を示す図である。図7にはインダクタンスの変化が波形状の破線で示されている。なお、インダクタンスの変化方向が減少である場合を回生領域、インダクタンスの変化方向が増加である場合をモータ領域とする。回生領域において、制御部100は上述した回生制御を実施する。回生制御とは、ある相の閉回路内を電流が流れている状態で負電圧を印加する制御のことをいう。
図7に示すように、制御部100は励磁開始角θonで正電圧を印加して電流を立ち上げる。この正電圧は上式(4)により求めた電圧の正の値である。また、位相θが変化して励磁開始角θonに到達後、励磁終了角θoffに到達するまでは正電圧を印加し続ける。これにより、励磁開始角θonから励磁終了角θoffまでの電圧波形は1パルスの矩形波(正電圧の矩形波)となる。そして、励磁終了角θoffに到達すると、制御部100は負電圧を印加する。この負電圧は上式(4)により求めた電圧の負の値である。励磁終了角θoffで負電圧を印加すると電流は最大電流値Irefを超えない。このように閉回路内を電流が流れている状態で負電圧を印加することにより回生が実施される。また、励磁終了角θoffに到達した後も負電圧を印加し続ける。これにより、励磁終了角θoffから電流値がゼロになるまでの電圧波形は1パルスの矩形波(負電圧の矩形波)となる。さらに、上式(4)により求めた負電圧は理論上、電流を一定に保つ値となるため、図7に示すように、励磁終了角θoff後の電流は緩やかに変化する状態となる。そして、電流値が減少してゼロになると回生が終了する。
以上のように、SRモータ1の制御装置によれば、回生時に、SRモータ1の抵抗値、回転数、位相に応じた電圧に制御するので、回生領域における電流の変化が緩やかになる。そのため、回生時に起振力(ラジアル力、トルクリプル)の変化を緩やかにすることができる。これにより、回生制御時にSRモータ1の振動および騒音を低減することも可能である。加えて、回生時にモータ損失を低減でき、高効率化を図れる。さらに、回生制御によるインバータ2のスイッチング回数を減少させてスイッチング損失を低減できるので高効率化を図れる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、上述した印加電圧調整器3に代えて、SRモータ1に印加する電圧を昇圧する昇圧部(昇圧コンバータ)を設けてもよい。
また、上述したSRモータ1の制御部100は、各種の車両に適用することが可能である。その適用可能な車両の一例を図8に示す。図8に示す車両200は、エンジン201と、車輪202と、変速機(T/M)203と、デファレンシャルギヤ204と、駆動軸205と、走行用動力源としてのSRモータ(SRM)1と、を備えている。車両200は、四輪駆動車であり、エンジン201が左右の前輪202FL,202FRを駆動し、リヤモータであるSRモータ1が左右の後輪202RL,202RRを駆動する。
SRモータ1は、いわゆるインホイールモータであり、左右の後輪202RL,202RRにそれぞれ一つずつ設けられている。車両200のリヤ側駆動装置では、左後輪202RLには左後SRモータ1RLが接続され、かつ右後輪202RRには右後SRモータ1RRが接続されている。後輪202RL,202RRは、互いに独立して回転可能である。
左後輪202RLは、左後SRモータ1RLの出力トルク(モータトルク)によって駆動される。また、右後輪202RRは、右後SRモータ1RRの出力トルク(モータトルク)によって駆動される。
左後SRモータ1RLおよび右後SRモータ1RRは、インバータ2を介してバッテリ(B)4に接続されている。また、左後SRモータ1RLおよび右後SRモータ1RRは、バッテリ4から供給される電力によって電動機として機能するとともに、左右の後輪202RL,202RRから伝達されるトルク(外力)を電力に変換する発電機として機能する。なお、インバータ2には、左後SRモータ1RL用の電気回路と、右後SRモータ1RR用の電気回路と、が含まれる。
制御部100は、左後SRモータ1RLおよび右後SRモータ1RRと、エンジン201と、を制御する。例えば、制御部100には、SRモータ用制御部(SRモータ用ECU)と、エンジン用制御部(エンジン用ECU)と、が含まれる。この場合、エンジン用ECUは、吸気制御、燃料噴射制御、点火制御等によって、エンジン201の出力トルクを目標とするトルク値に調節するエンジントルク制御を実行する。また、SRモータ用ECUは、回転数センサ51から入力される信号に基づいて、左後SRモータ1RLおよび右後SRモータ1RRについてのモータ制御を実行する。回転数センサ51には、左後SRモータ1RLの回転数を検出する左後回転数センサ51RLと、右後SRモータ1RRの回転数を検出する右後回転数センサ51RRと、が含まれる。
さらに、SRモータ1の制御部100を適用可能な車両は、上述した図8に示す車両例(以下「適用例1」という)に限定されない。例えば、SRモータ1の制御部100の適用例は、適用例1とは異なり、全ての車輪202にSRモータ1が設けられた構成であってもよい(適用例2)。また、適用例1とは異なり、フロント側駆動装置が設けられていない後輪駆動車であってもよい(適用例3)。
SRモータ1の制御部100の適用例は、適用例1〜3とは異なり、車両200の走行用動力源がインホイールモータとしてのSRモータ1のみである構成であってもよい(適用例4)。また、適用例4とは異なり、SRモータ1がインホイールモータではない構成であってもよい(適用例5)。
SRモータ1の制御部100の適用例は、適用例5とは異なり、フロント側駆動装置として適用例1の構成が搭載されていてもよい(適用例6)。また、適用例3とは異なりリヤ側駆動装置が設けられていない、あるいは適用例4とは異なり駆動装置の配置が前後で逆である構成であってもよい(適用例7)。
1 スイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)
2 インバータ
3 印加電圧調整器
4 バッテリ
10 ステータ
11 ステータ歯
12 コイル
20 ロータ
21 ロータ歯
51 回転数センサ
100 制御部

Claims (1)

  1. 突極構造のステータと、突極構造のロータとを有し、三相のコイルに励磁電流が流れることによって駆動するスイッチトリラクタンスモータの制御装置において、
    前記スイッチトリラクタンスモータの回生領域において印加する負電圧を下式(1)に基づいて算出する手段と、
    前記スイッチトリラクタンスモータの回転数とトルクに基づいて、前記回生領域で前記負電圧を印加し始める位相である励磁終了角と、該励磁終了角での電流値である最大電流値とを決定する手段と、
    前記励磁終了角と前記最大電流値に基づいて、前記スイッチトリラクタンスモータで発生する磁束を推定する手段と、
    推定した前記磁束を用いて、前記回生領域で正電圧を印加し始める位相である励磁開始角を決定する手段と
    を備えることを特徴とするスイッチトリラクタンスモータの制御装置。
    Figure 2019047573
    ただし、式(1)において、Eは電圧、Rは抵抗値、iは電流、ωは回転数、θは位相、Lはインダクタンスである。
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