JP2019047277A - 画像処理装置、プログラム及び方法、並びに、映像符号化装置、映像復号装置、及び映像処理システム - Google Patents

画像処理装置、プログラム及び方法、並びに、映像符号化装置、映像復号装置、及び映像処理システム Download PDF

Info

Publication number
JP2019047277A
JP2019047277A JP2017167459A JP2017167459A JP2019047277A JP 2019047277 A JP2019047277 A JP 2019047277A JP 2017167459 A JP2017167459 A JP 2017167459A JP 2017167459 A JP2017167459 A JP 2017167459A JP 2019047277 A JP2019047277 A JP 2019047277A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
processing
image
linear filter
pixel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017167459A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6919424B2 (ja
Inventor
中川 聰
Satoshi Nakagawa
聰 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP2017167459A priority Critical patent/JP6919424B2/ja
Publication of JP2019047277A publication Critical patent/JP2019047277A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6919424B2 publication Critical patent/JP6919424B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Abstract

【課題】映像の符号化/復号の過程で必要となる画像のフィルタ処理をより効率的かつ高品質に行う画像処理装置を提供する。【解決手段】画像処理装置の制限付き線形フィルタ処理部は、対象画素と周辺画素の画素値の差分値の中に所定の差分制限値を超える差分値があった場合、その差分値の絶対値を差分制限値以下の所定の値に変更する制限値処理部と、対象画素の画素値と各周辺画素の変更処理後の各差分値とを入力とし、線形フィルタ係数に基づく線形フィルタ処理を行う線形フィルタ処理部と、を有し、線形フィルタ処理の後の対象画素の画素値を出力する。【選択図】図1

Description

この発明は、画像処理装置、プログラム及び方法、並びに、映像符号化装置、映像復号装置、及び映像処理システムに関し、例えば、映像を圧縮符号化する映像符号化装置や、符号化された映像を復号する映像復号装置に適用し得る。
従来、H.264/MPEG−4 AVC(以下、単に「AVC」と呼ぶ)やH.265/MPEG−H HEVC(以下、単に「HEVC」と呼ぶ)等に代表される映像符号化方式による映像情報の圧縮符号化処理は、入力された対象画像を分割した処理単位ごとに、イントラ予測や動き補償予測等のインター予測を行った予測画像と、入力された対象画像との差分である予測残差信号に、離散コサイン変換等の空間変換を施した変換係数を量子化して、これをエントロピー符号化することによって高効率の映像圧縮を実現している。
ここで、従来の映像符号化装置300の構成例について図8を用いて説明する。
図8に示す従来の映像符号化装置300は、差分抽出部301、変換部302、量子化部303、エントロピー符号化部304、逆量子化部305、逆変換部306、加算部307、ループ内フィルタ部308、参照画像バッファ309、インター予測部310、イントラ予測部311、及び切替部312を有している。
映像符号化装置300では、HEVCのような符号化技術が適用されるものとする。そうすると、入力された符号化対象フレームは、符号化ユニット等の処理単位領域ごとに、動き補償を伴うインター予測部310もしくは画面内の符号化済み画素等から予測を行うイントラ予測部311による予測画像が生成される。
そして、映像符号化装置300では、差分抽出部301を用いて、処理単位領域ごとの予測画像との差分である予測残差信号が取得される。そして、映像符号化装置300では、その予測残差信号が、変換部302により、DCT(離散コサイン変換)やDST(離散サイン変換)により変換されて変換係数が得られる。そして、映像符号化装置300では、得られた変換係数が量子化部303により量子化される。そして、映像符号化装置300では、量子化された変換係数が、エントロピー符号化部304により、可変長符号や算術符号で符号化されて、符号化ストリームが出力される。映像符号化装置300では、量子化された変換係数は、逆量子化部305による逆量子化及び逆変換部306による逆変換処理がなされた後、加算部307により予測画像に加算され、再構成画像が得られる。そして、映像符号化装置300では、再構成画像に対して、ループ内フィルタ部308により、ブロック歪を軽減するデブロッキングフィルタ処理等が適用された後、後続の画像の符号化時のインター予測の動き補償のための参照画像として参照画像バッファ309に保持される。
次に、従来の映像復号装置400の構成例について図9を用いて説明する。
図9に示す従来の映像復号装置400は、エントロピー復号部404、逆量子化部405、逆変換部406、加算部407、ループ内フィルタ部408、参照画像バッファ部409、インター予測部410、イントラ予測部411、及び切替部412を有している。
映像復号装置400では、映像符号化装置300で生成された符号化ストリームが入力されると、符号化ストリームはエントロピー復号部404により復号され、復号データとしてDCT等の変換係数、符号化モード情報、及び動きベクトル情報が得られる。映像復号装置400では、変換係数は、逆量子化部405による逆量子化処理、及び逆変換部406による逆変換処理がなされて予測残差が得られる。そして、映像復号装置400では、この予測残差と予測画像(インター予測を行うインター予測部410、もしくはイントラ予測を行うイントラ予測部411により生成された予測画像)が加算部407により加算されることで、映像符号化装置300内と同じ再構成画像が得られる。そして、映像復号装置400では、再構成画像はループ内フィルタ部408によりデブロッキングフィルタなどが適用された後、復号画像として出力されるとともに、後続のインター予測のための参照画像として参照画像バッファ部409に保持される。
ところで、現在では、HEVCの次世代の映像符号化方式が検討されており、ISO/IECとITU−Tのジョイントの検討チームであるJoint Video Exploration Team(JVET)において、Joint Exploration Test Model(JEM)という映像符号化方式が開発中である(非特許文献1参照)。
JEMのバージョン6においてはループ内フィルタとしてデブロッキングフィルタに加えて、バイラテラルフィルタ(Bilateral filter)が用いられている。バイラテラルフィルタは、エッジを保存する性質のあるノイズ除去平滑化フィルタであり、(i,j)の位置の画素に対して、近傍の(k,l)の位置の画素に対する重みをω(i,j,k,l)としてフィルタ処理を行う。また、バイラテラルフィルタは、重みとしてガウシアンフィルタのような画素位置間の距離だけでなく、画素値の差にも依存する以下の(1)式のような重みを用いるフィルタである。
Figure 2019047277
(1)式において、I(i,j),I(k,l)はフィルタ処理前の再構成画像の画素値であり、σ、σはフィルタ強度を制御するパラメーターである。JEMではσは変換ユニット(TU)のサイズと、(イントラ/インター)予測モードに依存する値が用いられ、σとしては量子化パラメーターに依存する値が用いられている。
バイラテラルフィルタに用いる画素は、図11に示すように、対象画素Cの上下左右に隣接する4画素A,B,L,Rであり、対象画素Cの位置のフィルタ後の画素値Iを以下の(2)式のように求めることができる。
Figure 2019047277
図10は、従来のJEMにおけるバイラテラルフィルタの処理を行うバイラテラルフィルタ処理部30の構成例について示したブロック図である。
図10に示す従来のJEMにおけるバイラテラルフィルタ処理部30は、フィルタ処理部31、フィルタ係数算出部32、及び差分値算出部33を有している。
図10に示す従来のバイラテラルフィルタ処理部30では、差分値算出部33が対象画素の画素値と周辺画素の画素値の差分値を算出する。そして、図10に示す従来のバイラテラルフィルタ処理部30では、フィルタ係数算出部32が、バイラテラルフィルタのフィルタ係数を算出してフィルタ処理部31に供給する。フィルタ処理部31は、供給されたフィルタ係数を用いて、対象画素の画素値と差分値に基づき、対象画素に対してバイラテラルフィルタを適用した画素(以下、「フィルタ結果画素」と呼ぶ)の画素値を算出する。
図10に示すバイラテラルフィルタ処理部30では、フィルタ係数算出部32が上記の(1)式のような重みωの算出処理を、LUT(look up table)を用いて行う。また、図10に示すバイラテラルフィルタ処理部30では、フィルタ処理部31が、上記の(2)式の除算処理についてLUT、乗算、シフトの組み合わせで行う。
Jianle Chen,et al."Algorithm Description of Joint Exploration Test Model 6(JEM6)," JVET−F1001−v2,[Online],[2017年8月21日検索],INTERNET<http://phenix.it-sudparis.eu/jvet/doc_end_user/documents/6_Hobart/wg11/JVET-F1001-v2.zip>
しかしながら、従来のバイラテラルフィルタ処理では演算処理量が多く、演算量低減のために用いているLUTも大きなテーブルサイズが必要であったり、並列処理化が困難であるなどの問題がある。
また、従来技術のバイラテラルフィルタでは、フィルタの重みが再構成画像から自動的に導出されるようになっており、対象画像の性質によっては必ずしも最適ではないフィルタ処理が行われることがあるという問題があった。
以上のような問題に鑑みて、映像の符号化/復号の過程で必要となる画像のフィルタ処理をより効率的かつ高品質に行うことができる画像処理装置、プログラム及び方法、並びに、映像符号化装置、映像復号装置、及び映像処理システムが望まれている。
第1の本発明の画像処理装置は、(1)線形フィルタ係数を記憶する記憶手段と、(2)対象画素の画素値と、前記対象画素の周辺画素の画素値との差分値を算出する差分値算出手段と、(3)前記差分値算出手段で算出された差分値の中に、絶対値が所定の差分制限値を超える差分値があった場合、その差分値の絶対値を前記差分制限値以下の所定の値に変更する差分値制限処理を行う制限値処理手段と、(4)前記対象画素の画素値と、前記制限値処理手段による変更処理後のそれぞれの前記周辺画素に対応する差分値とを入力とし、前記対象画素に対する前記記憶手段に記憶された前記線形フィルタ係数に基づく線形フィルタ処理を行い、前記線形フィルタ処理の後の前記対象画素の画素値を出力する線形フィルタ処理手段とを有することを特徴とする。
第2の本発明の画像処理プログラムは、コンピュータを、(1)線形フィルタ係数を記憶する記憶手段と、(2)対象画素の画素値と、前記対象画素の周辺画素の画素値との差分値を算出する差分値算出手段と、(3)前記差分値算出手段で算出された差分値の中に、絶対値が所定の差分制限値を超える差分値があった場合、その差分値の絶対値を前記差分制限値以下の所定の値に変更する差分値制限処理を行う制限値処理手段と、(4)前記対象画素の画素値と、前記制限値処理手段による変更処理後のそれぞれの前記周辺画素に対応する差分値とを入力とし、前記対象画素に対する前記記憶手段に記憶された前記線形フィルタ係数に基づく線形フィルタ処理を行い、前記線形フィルタ処理の後の前記対象画素の画素値を出力する線形フィルタ処理手段として機能させることを特徴とする。
第3の本発明は、画像処理装置が行う画像処理方法において、(1)前記画像処理装置は、記憶手段、差分値算出手段、制限値処理手段、線形フィルタ処理手段を有し、(2)前記記憶手段は、線形フィルタ係数を記憶し、(3)前記差分値算出手段は、対象画素の画素値と、前記対象画素の周辺画素の画素値との差分値を算出し、(4)前記制限値処理手段は、前記差分値算出手段で算出された差分値の中に、絶対値が所定の差分制限値を超える差分値があった場合、その差分値の絶対値を前記差分制限値以下の所定の値に変更する差分値制限処理を行い、(5)前記線形フィルタ処理手段は、前記対象画素の画素値と、前記制限値処理手段による変更処理後のそれぞれの前記周辺画素に対応する差分値とを入力とし、前記対象画素に対する前記記憶手段に記憶された前記線形フィルタ係数に基づく線形フィルタ処理を行い、前記線形フィルタ処理の後の前記対象画素の画素値を出力することを特徴とする。
第4の本発明の映像符号化装置は、(1)前記映像データの符号化対象フレームに対する予測画像を生成する予測画像生成手段と、(2)前記予測画像と前記符号化対象フレームとの差分を示す予測残差信号に所定の変換処理、及び量子化処理を施して量子化データを生成する変換/量子化手段と、(3)前記量子化データを符号化して符号化データを出力する符号化手段と、(4)前記量子化データに逆量子化処理及び所定の逆変換処理を施して予測残差信号を復元した復元予測残差信号を取得する逆量子化/逆変換手段と、(5)前記予測画像に前記復元予測残差信号を加算して再構成画像を取得する再構成画像取得手段と、(6)前記再構成画像に所定のフィルタ処理を施すループ内フィルタ手段と、(7)前記ループ内フィルタによるフィルタ処理後の再構成画像を保持して前記予測画像生成手段に参照画像として供給する参照画像バッファ手段を有し、(8)前記ループ内フィルタ手段は、少なくとも、請求項1に記載の画像処理装置を用いてフィルタ処理を行うことを特徴とする。
第5の本発明の映像復号装置は、(1)符号化された映像データを復号して復号データを取得する復号処理手段と、(2)前記映像データの復号対象フレームの予測画像を生成する予測画像生成手段と、(3)前記復号データに、逆量子化処理及び所定の逆変換処理を施して、復号対象フレームの予測残差信号を取得する逆量子化/逆変換手段と、(4)前記予測画像に前記予測残差信号を加算して再構成画像を取得する再構成画像取得手段と、(5)前記再構成画像に所定のフィルタ処理を施すループ内フィルタ手段と、(6)前記ループ内フィルタによるフィルタ処理後の復号画像を保持して前記予測画像生成手段に参照画像として供給する参照画像バッファ手段とを有し、(7)前記ループ内フィルタ手段は、少なくとも、請求項1に記載の画像処理装置を用いてフィルタ処理を行うことを特徴とする。
第6の本発明の映像処理システムは、映像データを符号化して符号化データを出力する映像符号化装置と、前記符号化データを復号して復号画像を得る映像復号装置とを備える映像処理システムにおいて、前記映像符号化装置として第4の本発明の映像符号化装置を適用し、前記映像復号装置として第5の本発明の映像復号装置を適用したことを特徴とする。
本発明によれば、映像の符号化/復号の過程で必要となる画像のフィルタ処理をより効率的かつ高品質に行うことができる。
第1の実施形態に係る制限付き線形フィルタ処理部の機能的構成について示したブロック図である。 第1の実施形態に係る映像処理システムの構成例について示したブロック図である。 第1の実施形態に係る映像符号化装置の機能的構成について示したブロック図である。 第1の実施形態に係る映像復号装置の機能的構成について示したブロック図である。 第1の実施形態に係る制限付き線形フィルタ処理部で用いられる処理対象画素に対する参照パターンの例について示した説明図である。 第2の実施形態に係る制限付き線形フィルタ処理部の機能的構成について示したブロック図である。 第2の実施形態に係る制限付き線形フィルタ処理部で用いられる処理対象画素に対する参照パターンの例について示した説明図である。 従来の映像符号化装置の機能的構成について示したブロック図である。 従来の映像復号装置の機能的構成について示したブロック図である。 従来のバイラテラルフィルタ処理部の機能的構成について示したブロック図である。 従来のバイラテラルフィルタ処理部で行われるフィルタ処理の例について示した説明図である。
(A)第1の実施形態
以下、本発明による画像処理装置、プログラム及び方法、並びに、映像符号化装置、映像復号装置、及び映像処理システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。第1の実施形態では、本発明の画像処理装置、プログラム及び方法を、制限付き線形フィルタ処理部に適用した例について説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図2は、第1の実施形態に係る映像処理システム1の全体構成について示したブロック図である。図2において括弧内の符号は、後述する第2、第3の実施形態で用いられる符号である。
映像処理システム1は、符号化対象の入力映像(入力フレーム列)を符号化したストリームデータ(以下、「符号化ストリーム」と呼ぶ)を出力する映像符号化装置100と、映像符号化装置100で生成された符号化ストリームを復号して復号映像(復号フレーム列)を得る映像復号装置200とを有している。
映像符号化装置100に供給される入力映像の入力方式は限定されないものであり、リアルタイムにカメラで撮影(撮像)された映像信号としてもよいし、HDDやDVD等のデータ記録媒体に記録されたデータ(オフラインデータ)に基づく映像を読み込むようにしてもよいし、通信により供給されるデータ(オンラインデータ)に基づく映像を読み込むようにしてもよい。
映像復号装置200に供給される符号化ストリームのデータについても入力方式は限定されないものであり、リアルタイムに通信により符号化ストリームを受信(映像符号化装置100から受信)するようにしてもよいし、データ記録媒体に記録された符号化ストリームのデータをオフラインで読み込むようにしてもよい。
図3は、この実施形態に係る映像符号化装置100の全体構成について示したブロック図である。なお、図3において、括弧内の符号は後述する第2、第3の実施形態で用いられる符号である。
映像符号化装置100は、差分処理部101、変換部102、量子化部103、エントロピー符号化部104、逆量子化部105、逆変換部106、加算部107、ループ内フィルタ部108、参照画像バッファ109、インター予測部110、イントラ予測部111、切替部112、及びフィルタ係数決定部120を有している。また、ループ内フィルタ部108は、制限付き線形フィルタ処理部10を有している。
映像符号化装置100は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータにプログラム(実施形態に係る映像符号化プログラムを含む)をインストールすることにより構築するようにしてもよい。また、上述の映像符号化プログラムには、制限付き線形フィルタ処理部10に相当するプログラム(実施形態に係る画像処理プログラム)が含まれる。
インター予測部110は、入力フレーム(符号化対象フレーム)の各処理単位領域に対して、参照画像バッファ109を参照し、動き補償を伴うインター予測を行い、予測画像を生成する。
イントラ予測部111は、入力された入力フレーム(符号化対象フレーム)の各処理単位領域に対して、画面内の符号化済の再構成画素等から予測を行い、予測画像を生成する。
切替部112は、符号化モードに応じて予測画像の出力元(インター予測部110の予測画像、又はイントラ予測部111の予測画像)を切り替える。
差分処理部101は、入力フレーム(符号化対象フレーム)と予測画像との差分である予測残差信号を求める。
変換部102は、予測残差信号をDCT(離散コサイン変換)やDST(離散サイン変換)によって変換して変換係数を得る処理を行う。
量子化部103は、変換部102により得られた変換係数を量子化する処理を行う。
エントロピー符号化部104は、量子化された変換係数や予測モード情報、動きベクトル情報等を多重化してエントロピー符号化する処理を行う。
逆量子化部105は、量子化された変換係数を逆量子化する処理を行う。
逆変換部106は、逆量子化部105により得られた変換係数を逆変換処理して元のデータ(残差信号等)を復元する処理を行う。
加算部107は、復元された予測残差信号に予測画像を加算して再構成画像を求める処理を行う。
ループ内フィルタ部108は、少なくとも制限付き線形フィルタ処理部10を用いてフィルタ処理を行うものである。
フィルタ係数決定部120は、ループ内フィルタ部108で用いる線形フィルタ係数を決定する処理を行う。
ループ内フィルタ部108でフィルタされた復号画像はインター予測の動き補償のための参照画像として参照画像バッファ109に保持され、エントロピー符号化部104からの符号化ストリームが符号化処理結果として出力される。
ループ内フィルタ部108は、再構成画像にフィルタ処理を施す制限付き線形フィルタ処理部10を有している。また、映像符号化装置100では、制限付き線形フィルタ処理部10で用いる線形フィルタ係数を決定するフィルタ係数決定部120が設けられている。また、映像符号化装置100では、フィルタ係数決定部120で決定した線形フィルタ係数は、エントロピー符号化部104で符号化されて符号化ストリームに多重化して出力される。
なお、ループ内フィルタ部108には制限付き線形フィルタ処理部10のほかに、HEVCで用いられているデブロッキングフィルタや、サンプル適応オフセット(SAO(Sample Adaptifve Offset))のようなフィルタを組み合わせて用いても良い。また、制限付き線形フィルタ処理部10をサンプル適応オフセットのフィルタタイプの一種として、サンプル適応オフセットと制限付き線形フィルタ処理部10を処理単位領域ごとに選択的に用いるように構成しても良い。
次に、図4を用いて、第1の実施形態の映像復号装置200の構成について説明する。なお、図4において、括弧内の符号は後述する第2、第3の実施形態で用いられる符号である。
図4に示すように、第1の実施形態の映像復号装置200は、エントロピー復号部204、逆量子化部205、逆変換部206、加算部207、ループ内フィルタ部208、参照画像バッファ209、インター予測部210、イントラ予測部211、切替部212を有している。また、ループ内フィルタ部208は、制限付き線形フィルタ処理部10を有している。
映像復号装置200は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータにプログラム(実施形態に係る映像復号プログラムを含む)をインストールすることにより構築するようにしてもよい。また、上述の映像復号プログラムには、制限付き線形フィルタ処理部10に相当するプログラム(実施形態に係る画像処理プログラム)が含まれる。
エントロピー復号部204は、入力された符号化ストリームをエントロピー復号して量子化された変換係数や符号化モード情報、動きベクトル情報等を取得する。
逆量子化部205は、復号された結果から得られた量子化された変換係数を逆量子化して、変換係数を得るものである。
逆変換部206は、逆量子化部205が逆量子化した変換係数を逆変換して予測残差信号を取得する。
インター予測部210は、参照画像バッファ209の画像を参照して、動き補償予測に基づく予測画像を生成する。
イントラ予測部211は、画面内の再構成画素等から予測を行って予測画像を生成する。
切替部212は、復号された符号化モード情報にしたがって、予測画像の取得元(インター予測部210の予測画像、又はイントラ予測部211の予測画像)を切り替える処理を行う。
加算部207は、逆変換部206から得られた予測残差信号と予測画像(切替部212により選択された予測画像)とを加算して再構成画像を得る処理を行う。
ループ内フィルタ部208は、再構成画像に対して制限付き線形フィルタを含むループ内フィルタを適用する処理を行う。
ループ内フィルタ部208で得られた復号画像は復号処理結果として出力されるとともに、後続のインター予測のための参照画像として参照画像バッファ209に保持される。
映像復号装置200では、ループ内フィルタ部208に制限付き線形フィルタ処理部10を用いている。また、映像復号装置200では、この制限付き線形フィルタ処理部10で用いる線形フィルタ係数の情報として、符号化ストリームからエントロピー復号して得られた線形フィルタ係数を用いる。
また、映像復号装置200では、映像符号化装置100と同様に、ループ内フィルタ部208には、制限付き線形フィルタ処理部10の他に、HEVCで用いられているデブロッキングフィルタや、サンプル適応オフセットのようなフィルタを組み合わせて用いても良い。また、制限付き線形フィルタ処理部10をサンプル適応オフセットのフィルタタイプの一種として、サンプル適応オフセットと制限付き線形フィルタを処理単位領域ごとに選択的に用いるように構成しても良い。
上述の通り、第1の実施形態では、映像符号化装置100のループ内フィルタ部108、及び映像復号装置200のループ内フィルタ部208に、制限付き線形フィルタ処理部10が含まれている。以下では、ループ内フィルタ部108、208に搭載される制限付き線形フィルタ処理部10の構成例について説明する。
図1は、第1の実施形態の制限付き線形フィルタ処理部10の構成例について示したブロック図である。
図1に示すように、制限付き線形フィルタ処理部10は、線形フィルタ処理部11、線形フィルタ係数記憶部12、差分値算出部13、及び制限値処理部14を有している。
線形フィルタ係数記憶部12は、フィルタ係数決定部120もしくはエントロピー復号部204から得られる線形フィルタ係数を記憶する。
差分値算出部13は、処理対象となる領域内のそれぞれの画素ごとに、処理対象画素とその周辺画素を入力し、周辺画素と対象画素の差分値を算出する。
制限値処理部14は、所定の差分制限値が入力され、差分値算出部13からの差分値の絶対値が差分制限値を超える差分値に対して制限を施す処理を行う。
線形フィルタ処理部11は、対象画素と制限値処理部14からの制限された差分値を入力して、線形フィルタ係数記憶部12のフィルタ係数を参照して線形フィルタ処理を行い、対象画素に対するフィルタ結果の画素値として出力する。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態の映像処理システム1の動作(映像符号化装置100、映像復号装置200、及び制限付き線形フィルタ処理部10の動作)について説明する。
まず、映像符号化装置100のループ内フィルタ部108、及び映像復号装置200のループ内フィルタ部208が備える制限付き線形フィルタ処理部10の動作について説明する。
図1に示すように、第1の実施形態の制限付き線形フィルタ処理部10では、線形フィルタ係数は自由に設定可能な線形フィルタとする代わりに、フィルタの入力となる周辺画素との差分値に対して制限値処理を施すことでエッジ保存する性質を実現する。
制限付き線形フィルタ処理部10では、例えば、図5に示すように処理対象の画素cに対してその上下左右(垂直方向及び水平方向)に隣接する4つの画素n、n、n、nを参照して、フィルタ処理結果の画素値c’を求める。制限付き線形フィルタ処理部10では、例えば、以下の(3)式を用いて、画素値c’を求めるようにしてもよい。
c’=Clip1(c+((Σf(n,−c,u)+b+r)>>s))…(3)
(3)式において、a,bは線形フィルタ係数であり、線形フィルタ係数記憶部12から供給されるパラメーターである。また、(3)式において、添え字iは周辺画素nの位置i=0〜3である。さらに、(3)式において、r,sは整数演算で固定少数演算を行うためのシフト量sと丸め「r=1<<(s−1)」を表している。さらにまた、(3)式において、Clip1は画素値の値を有効な画素値の範囲にクリッピングする関数である。Clip1は、例えば、8ビット画像が処理対象の場合は0〜255の範囲にクリッピングし、10ビット画像の場合は0〜1023の範囲にクリッピングするものとする。JEMではクリッピングの上限、下限の値を指定可能となっているため、制限付き線形フィルタ処理部10において、(3)式の演算を行う際に、上述のClip1に替えて、JEMの機能を用いて指定した範囲にクリッピングする処理を用いても良い。なお、ループ内フィルタ部108、208において、制限付き線形フィルタ処理部10の結果を、さらに処理(例えば、さらに他のフィルタ処理)する場合には、上述の(3)式からクリッピング処理(Clip1の処理)を省略しても良い。
また、f(x,u)は差分値を制限するための関数であり、例えば、以下の(4)式のような関数を用いることができる。
これにより、差分制限値uよりも差分値xの絶対値が大きい場合(すなわち、対象画素値と周辺画素値の差が大きい場合)は、当該周辺画素が、制限付き線形フィルタ処理部10のフィルタ結果(上述の(3)式の結果)へ与える影響を抑制する。
制限付き線形フィルタ処理部10において、差分値を制限する関数としては、例えば、以下の式(5)のような関数を用いても良い。(5)式では、差分値xの絶対値が差分制限値uを超える場合に、差分値を±uに制限する関数であり、同様にこのような画素のフィルタ結果への影響を抑制することができる。
Figure 2019047277
(3)式では、定数項bを設けているが、定数項bを用いない構成や、定数項bの有無を上位シンタックス等でシグナリング可能(映像符号化装置100側からエントロピー復号部204に通知可能)としても良い。また、(3)式において、フィルタ係数の固定少数精度を表すシフト量sもあらかじめ定めた固定値としても良いし、シフト量sの値を上位シンタックス等でシグナリング可能としても良い。
なお、制限付き線形フィルタ処理部10は、周辺画素nが画面外の画素を含む場合や、スライスやタイルのような画面分割境界外の画素を含む場合の動作は、参照できない(しない)画素の値をn=cとみなして(すなわち(n−c)=0として)処理するよう構成としても良い。
制限付き線形フィルタ処理部10において、制限値uは、従来技術のσと同様な量子化パラメーターに依存する値として算出するようにしても良いし、映像符号化装置100が明示的に指定可能な値としてシグナリングするようにしても良い。
以上のように、制限付き線形フィルタ処理部10の制限付き線形フィルタ処理部10では、上記の(3)式(又は(3)式を変形した式)に相当する処理を行う。
差分値算出部13では、フィルタ対象画素cと周辺画素nとの差分値n−cを求める処理を行うが、以下の(6)式、(7)式のように構成しても良い。すなわち、フィルタ対象の領域のフィルタ処理前の再構成画像をI(x,y)として、x方向とy方向の勾配画像I(x,y)とI(x,y)を処理対象領域にわたって求め、中間画像として保持するようにしてもよい。
(x,y)=I(x+1,y)−I(x,y) …(6)
(x,y)=I(x,y+1)−I(x,y) …(7)
図5のn,nに対しては差分値(―I(x,y−1),―I(x−1,y))の符号が反転した値となるが、後の処理で対応する係数aの符号を反転して適用することで打ち消すことができる。
制限値処理部14では、所定の差分制限値uを用いて、差分値算出部13で求めた差分値に対して、(4)式もしくは(5)式で表されるような関数を適用し、f(I,u),f(I,u)を求め、これを処理対象領域にわたって中間画像として保持する。
線形フィルタ処理部11では、制限値処理部14で求めた制限された差分値と、対象画素値を入力として、線形フィルタ係数記憶部12からの線形フィルタ係数a,bを用いた、(制限された)差分値の線形結合を求める(3)式の処理を行い、得られた結果を対象画素に対するフィルタ処理結果の画素値とする。この時、n,nに対する係数a,aの符号を反転した値(−a,−a)を線形フィルタ係数記憶部12に記憶しておくことで、符号の反転した制限された差分値を含む係数との積和処理を簡単化しても良い。
図1に示すような、制限付き線形フィルタ処理部10を用いる映像復号装置200では、エントロピー復号部204で、符号化ストリームに多重化された制限付き線形フィルタで用いる線形フィルタ係数を復号し、ループ内フィルタ部208に含まれる制限付き線形フィルタ処理部10の線形フィルタ係数記憶部12に格納する。
線形フィルタ係数を符号化ストリームに多重化する方法としては、例えば、スライスヘッダやピクチャパラメーターセット等のパラメーターセットのような上位シンタックスで符号化する方法を適用してもよい。例えば、符号化ストリームの符号化方式としてHEVCと同様な符号化方式を適用した場合を想定する。この場合、HEVCのサンプル適応オフセット(SAO)と同様に符号化ツリーユニット(HEVCでは最大64x64画素の領域、JEMではさらに大きな符号化ツリーユニットを利用可能)のような処理単位領域ごとに、制限付き線形フィルタを、SAOの処理タイプ(例えばBO,EOなどの処理タイプがある)の一種として選択的に用いるように構成し、処理タイプとして制限付き線形フィルタタイプを選択している場合は、対象の処理単位領域で用いる線形フィルタ係数a,bをシグナリングするようにしても良い。さらに、この場合、4つの線形フィルタ係数aに関しては、他のSAOの処理タイプ(BOやE0)の4つのオフセット値を符号化するのと同じエントロピー符号化方法を流用するなどして構成しても良い。
以上のように、映像符号化装置100の制限付き線形フィルタ処理部10で得られた線形フィルタ係数と同様のものが、映像復号装置200のループ内フィルタ部208側に伝送される。映像復号装置200では、得られた線形フィルタ係数を用いて、制限付き線形フィルタ処理(制限付き線形フィルタ処理部10を用いたフィルタ処理)を行うことで復号処理を行う。
上述のように、制限付き線形フィルタ処理部10を備える映像符号化装置100では、フィルタ係数決定部120で、最適な線形フィルタ係数の設計を行い、得られた線形フィルタ係数をループ内フィルタ部108に含まれる制限付き線形フィルタ処理部10の線形フィルタ係数記憶部12に格納する。また、映像符号化装置100のエントロピー符号化部104が、得られた線形フィルタ係数を上述のような符号化方法により符号化ストリームに多重化する。
次に、フィルタ係数決定部120による線形フィルタ係数の設計処理について説明する。
以下では、同じ線形フィルタ係数を用いる領域内の各対象画素cとし、cに対する(3)式の制限付き線形フィルタによる結果をc’とし、対象画素の位置の入力画像の画素値をCとする。
フィルタ係数決定部120は、フィルタ処理後の画素値c’の入力画像の画素値Cに対する誤差の和が最少となるよう線形フィルタ係数a,bを設計する。すなわち、フィルタ係数決定部120は、以下の(8)式のような誤差の二乗和Eが最少となるような線形フィルタ係数a,bを、最小二乗法を用いて求める。フィルタ係数決定部120は、誤差の二乗和Eについては、同じ線形フィルタ係数を用いることになる領域内の画素を収集することで求める。
E=Σ(c’−C …(8)
(8)式のような誤差の二乗和Eを最小化する係数a,bを求める場合、Eをa,bで偏微分した式が0となるようなa,bを、以下の(9)式のような連立方程式を解くことによって求めることができる。
Figure 2019047277
(3)式では、制限された差分値f(I,u),f(I,u)に関する、a,bを係数とする一次式でありf(I,u),f(I,u)を入力値とみなす単純な最小二乗法で線形フィルタ係数a,bを求めることができる。
フィルタ係数決定部120は、制限付き線形フィルタ処理部10と、HEVCのSAOのようなフィルタを処理単位領域ごとに選択的に用いる場合は、このようにして最適設計した制限付き線形フィルタと、その他の(BOやEOといった)SAOタイプのいずれを用いるかを評価(例えば、それぞれのフィルタタイプによるフィルタ処理結果の入力画像に対する誤差(歪)を評価)する。そして、フィルタ係数決定部120は、最も入力画像からの画質劣化が少ないフィルタタイプを選択する。また、フィルタ係数決定部120は、例えば、レート歪最適化処理を用いてフィルタタイプを選択する。すなわち、フィルタ係数決定部120は、それぞれのフィルタタイプのフィルタを用いた場合の、入力画像に対するフィルタ処理結果の歪Dと、そのフィルタタイプを用いるために必要となる(フィルタタイプ情報と、オフセットもしくは線形フィルタ係数の符号化に必要となる)符号量Rのトレードオフを、ラグランジュ乗数λを用いてレート歪コスト「J=D+λR」として評価する。そして、フィルタ係数決定部120は、レート歪コストJが最少となるようなフィルタタイプのフィルタを対象領域に対して用いるよう選択する。
以上のようにして、映像符号化装置100では最適設計した線形フィルタ係数を用いた制限付き線形フィルタ処理を、ループ内フィルタ部108で行うことによって符号化処理を行う。
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
第1の実施形態の映像処理システム1では、ループ内フィルタ部108、208(制限付き線形フィルタ処理部10)において、従来技術のようにLUTを必要とするような複雑な演算処理を用いずに、周辺画素との差分値に簡単な制限値処理を加えるだけで差分値の大きな周辺画素からの影響を抑制するようにしている。すなわち、第1の実施形態のループ内フィルタ部108、208(制限付き線形フィルタ処理部10)では、従来のバイラテラルフィルタと同様なエッジを保存する性質をもつフィルタ処理を容易に施すことが可能となる。
また、第1の実施形態のループ内フィルタ部108、208(制限付き線形フィルタ処理部10)では、フィルタ係数側ではなく、フィルタの入力値側に対して非線形な処理を施しているので、フィルタ処理自体は線形な係数演算となり、フィルタ係数の最適設計を容易に行うことが可能となる。
(B)第2の実施形態
以下、本発明による画像処理装置、プログラム及び方法、並びに、映像符号化装置、映像復号装置、及び映像処理システムの第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。第2の実施形態では、本発明の画像処理装置、プログラム及び方法を、制限付き線形フィルタ処理部に適用した例について説明する。
(B−1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態の映像処理システム1Aの全体構成についても、上述の図2を用いて示すことができる。以下では、第2の実施形態について、第1の実施形態との差異を説明する。
図2に示す通り、映像処理システム1Aでは、映像符号化装置100と映像復号装置200が、映像符号化装置100Aと映像復号装置200Aに置き換えられている点で第1の実施形態と異なっている。
第2の実施形態の映像符号化装置100A、映像復号装置200Aについても、第1の実施形態と同様に図3、図4を用いて示すことができる。
図3に示すように、映像符号化装置100Aでは、第1の実施形態と比較して、ループ内フィルタ部108、エントロピー符号化部104、フィルタ係数決定部120が、それぞれループ内フィルタ部108A、エントロピー符号化部104A、フィルタ係数決定部120Aに置き換えられている。また、図4に示すように、映像復号装置200Aでは、第1の実施形態と比較して、エントロピー復号部204、ループ内フィルタ部208が、それぞれエントロピー復号部204A、ループ内フィルタ部208Aに置き換えられている。さらに、図3、図4に示すように、ループ内フィルタ部108A、208Aでは、制限付き線形フィルタ処理部10が制限付き線形フィルタ処理部20に置き換えられている。
次に、制限付き線形フィルタ処理部20について、第1の実施形態の制限付き線形フィルタ処理部10との差異を説明する。
制限付き線形フィルタ処理部20は、制限付き線形フィルタで参照する周辺画素の参照パターンを複数用意し、選ばれた参照パターンの周辺画素を用いて制限付き線形フィルタ処理を行う点で第1の実施形態と異なっている。
図6は、第2の実施形態に係る制限付き線形フィルタ処理部20の機能的構成について示したブロック図である。
第2の実施形態の制限付き線形フィルタ処理部20では、差分値算出部13が差分値算出部23に置き換わっている点で第1の実施形態と異なっている。
差分値算出部23は、選ばれた参照パターンの情報(以下、「パターンタイプ情報」と呼ぶ)の入力を受け、制限付き線形フィルタ処理で用いる周辺画素をパターンタイプ情報で指定されたパターンにしたがって、周辺画素との差分値の求め方を変更可能としている点で第1の実施形態と異なっている。制限付き線形フィルタ処理部20の詳細処理については後述する。
制限付き線形フィルタ処理部20では、例えば、図5の十字型のパターンや、図7のようなX字型のパターン等、複数の周辺画素の参照パターンのいずれかを用いて線形フィルタ処理を行う。第2の実施形態の制限付き線形フィルタ処理部20では、図5の十字型のパターン、又は図7のX字型のパターンのいずれかの周辺画素の参照パターンを用いるものとして説明するが、制限付き線形フィルタ処理部20で適用する周辺画素の参照パターンの数や種類は限定されないものである。
映像符号化装置100Aのループ内フィルタ部108Aは、いずれかのパターン(図5の十字型のパターン、又は図7のX字型のパターン)を指定する情報が設定されたパターンタイプ情報を、制限付き線形フィルタ処理部20(差分値算出部23)に供給する。また、映像符号化装置100Aのエントロピー符号化部304は、指定されたパターンタイプ情報を符号化ストリームに多重化して、映像復号装置200A側に通知する(シグナリングする)。
符号化ストリーム上にパターンタイプ情報を多重化して通知(シグナリング)する方法は限定されないものである。例えば、パターンタイプ情報は、パラメーターセットのような上位シンタックスでシグナリングを行うようにしても良い。また、例えば、パターンタイプ情報をHEVCのようなSAOのタイプの一種として指定するようにしてもよい。HEVCのSAOにおいて、処理対象の画素と近傍の画素との関係に基づきオフセットを設定するモードとしてEO(Edge Offse)がある。EOでは、複数の参照パターン(EOクラス)のいずれかを選択することが可能となっており、EO0、EO1、…といった複数のSAOのタイプからの選択として指定している。そこで、この実施形態では、このSAOのタイプ情報を利用して、制限付き線形フィルタに係るパターンタイプ情報(制限付き線形フィルタの参照パターン)を、複数のSAOタイプ(例えばLO0,LO1)から選択して指定し、復号側にシグナリング(符号化ストリームに多重化して通知)するものとして説明する。例えば、映像符号化装置100Aで符号化する際に、SAOのタイプとして複数の制限付き線形フィルタタイプのいずれか(例えば、LO0、LO1のいずれか)をSAOタイプ情報として指定することでシグナリングするようにしてもよい。例えば、LO0を図5の十字型のパターンとし、LO1を図7のX字型のパターンとして取り扱うようにしてもよい。そして、映像復号装置200A側では、復号する際に、SAOのタイプ情報に設定された制限付き線形フィルタタイプ(例えば、LO0、LO1のいずれか)を読み取ることで、設定されたパターンタイプ情報を認識するようにしてもよい。
以下では、パターンタイプ情報(制限付き線形フィルタの参照パターンタイプ)について、上述のようにSAOのタイプの一種として処理するものとして説明する。
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態の映像処理システム1Aの動作を説明する。
以下では、第2の実施形態の映像処理システム1Aの動作について、第1の実施形態との差異を説明する。
以下では、制限付き線形フィルタ処理部20の動作を中心に説明する。
第2の実施形態の復号装置では、エントロピー復号部204Aで復号したSAOタイプ情報に含まれる制限付き線形フィルタのパターンタイプ情報を抽出し、差分値算出部23に供給するとともに、制限付き線形フィルタタイプを用いる場合の線形フィルタ係数を、制限付き線形フィルタ処理部20の線形フィルタ係数記憶部12に供給する。
制限付き線形フィルタ処理部20の差分値算出部23では、パターンタイプ情報で指定された、図5、又は図7のような参照パターンにしたがって対象画素cに隣接する画素を周辺画素n,n,n,nとして選択し、対象画素cとの差分を求めて制限値処理部14に供給する。
ここでは、第1の実施形態のように、勾配画像I(x,y)とI(x,y)を対象領域にわたって求める構成とする。そして、差分値算出部23は、パターンタイプ情報で図7のX字型の参照パターンが指定されていた場合は、I(x,y)とI(x,y)に代わって、斜め方向の勾配画像I(x,y)とI(x,y)を求め、I,Iに代わってI,Iを制限値処理部14に供給する。
(x,y)=I(x+1,y−1)−I(x,y)…(10)
(x,y)=I(x+1,y+1)−I(x,y)…(11)
制限付き線形フィルタ処理部20では、制限値処理部14以降の処理は、第1の実施形態と同様であるため詳しい説明を省略する。
第2の実施形態の映像符号化装置100Aでは、フィルタ係数決定部120Aが、第1の実施形態のようなフィルタ係数の設計処理を、利用可能な複数の参照パターンについてそれぞれ行う。そして、フィルタ係数決定部120Aは、それぞれ得られた線形フィルタ係数を用いる制限付き線形フィルタタイプと、その他のBOやEOといったSAOタイプを選択する。その際、フィルタ係数決定部120Aは、第1の実施形態と同様に画像品質のみによる選択方式、あるいはレート歪最適化処理による選択方式により選択する処理を行う。そして、フィルタ係数決定部120Aは、制限付き線形フィルタ処理に用いるフィルタタイプを選択すると、その選択に対する線形フィルタ係数を、制限付き線形フィルタ処理部20の線形フィルタ係数記憶部12に供給し、選択された制限付き線形フィルタに対応するパターンタイプ情報を差分値算出部23に供給する。
選択されたパターンタイプ情報は、例えば、SAOタイプの一種としてエントロピー符号化部104Aで線形フィルタ係数と共にエントロピー符号化される(符号化ストリームに多重化される)。
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて以下のような効果を奏することができる。
第2の実施形態の制限付き線形フィルタ処理部20では、第1の実施形態と同様にエッジを保存する性質をもつ最適な線形フィルタを施すことが可能になり、さらに複数の参照パターンから最適なものを選択可能となる。これにより、第2の実施形態の制限付き線形フィルタ処理部20では、第1の実施形態と比較して、より画質劣化が低減できるとともに、より符号化効率の高い符号化ストリームが生成可能となる。
(C)第3の実施形態
以下、本発明による画像処理装置、プログラム及び方法、並びに、映像符号化装置、映像復号装置、及び映像処理システムの第3の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。第3の実施形態では、本発明の画像処理装置、プログラム及び方法を、制限付き線形フィルタ処理部に適用した例について説明する。
(C−1)第3の実施形態の構成
第3の実施形態の映像処理システム1Bの全体構成についても、上述の図2を用いて示すことができる。以下では、第3の実施形態について、第1の実施形態との差異を説明する。
図2に示す通り、映像処理システム1Bでは、映像符号化装置100が映像符号化装置100Bに置き換えられている点で第1の実施形態と異なっている。
第3の実施形態の映像符号化装置100Bについても、第1の実施形態と同様に図3を用いて示すことができる。
図3に示すように、映像符号化装置100Bでは、第1の実施形態と比較して、エントロピー符号化部104、フィルタ係数決定部120が、それぞれエントロピー符号化部104B、フィルタ係数決定部120Bに置き換えられている。さらに、図4に示すように、映像復号装置200Bでは、第1の実施形態と比較して、エントロピー復号部204が、エントロピー復号部204Bに置き換えられている。
第3の実施形態では、映像符号化装置100B側で、制限付き線形フィルタ処理部10で用いる差分制限値uを設定し、シグナリング(符号化ストリームに多重化して映像復号装置200側に通知)する。
映像符号化装置100Bのフィルタ係数決定部120Bでは、差分制限値uを算出する。具体的には、フィルタ係数決定部120Bは、線形フィルタ係数a,bに加えて、差分制限値uも算出(算出方法については後述)し、算出した差分制限値uを、ループ内フィルタ部108内の制限付き線形フィルタ処理部10に供給する。また、フィルタ係数決定部120Bは、算出した差分制限値uを、エントロピー符号化部104Bにも供給する。エントロピー符号化部104Bは、差分制限値uについても符号化ストリームに多重化して出力する。
そして、第3の実施形態の映像復号装置200Bでは、エントロピー復号部204Bでストリームから線形フィルタ係数とともに差分制限値uが抽出され、ループ内フィルタ部208内の制限付き線形フィルタ処理部10に差分制限値uとして供給される。
(C−2)第3の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第3の実施形態の映像処理システム1Bの動作を説明する。
以下では、第3の実施形態の映像処理システム1Bの動作について、第1の実施形態との差異を説明する。以下では、第3の実施形態において、差分制限値uを映像符号化装置100B(フィルタ係数決定部120B)側で明示的に指定してシグナリング(符号化ストリームに多重化して映像復号装置200B側に通知)する点を中心に説明する。
差分制限値uは、周辺画素と対象画素との差分が、量子化ノイズ等によって生じたものか、もともとの符号化対象フレームのエッジのような部分の画素値の差によって生じたものであるかを見積もり、後者の場合のフィルタ結果に与える影響を抑制するためのパラメーターである。量子化ノイズ等によって生じる画素値の誤差は、主に量子化パラメーターから推定可能であり、従来技術のσのようにあらかじめ量子化パラメーターに依存する値として規定しておくことによって、明示的なシグナリング(映像符号化装置100Bから映像復号装置200Bへの通知)なしに用いることも可能である。
ここでは、量子化ノイズ等による誤差成分を映像符号化装置100B側で推定して明示的に差分制限値uをシグナリングするものとして説明する。
次に、フィルタ係数決定部120Bが差分制限値uを算出する際の処理の例について説明する。
映像符号化装置100Bのフィルタ係数決定部120Bでは、符号化対象の入力画像の画素値T(x,y)と、符号化処理によって生成されるフィルタ処理前の再構成画像の画素値R(x,y)が入手可能である。すなわち、フィルタ係数決定部120Bでは、R(x,y)−T(x,y)と計算することによって画素ごとに、量子化ノイズ等によってどれだけの誤差が生じているかが算出可能である。
フィルタ係数決定部120Bでは、この誤差(R(x,y)−T(x,y))を、符号化の対象領域全体にわたって統計処理することによって、再構成画像に生じている誤差の程度(誤差の分布)を推定することができる。フィルタ係数決定部120Bにおいて、誤差に対する統計処理の方法としては、例えば、|R−T|の最大値(差分絶対値の最大値)、|R−T|の平均値(差分絶対値の平均値)、(R−T)の平均値の平方根等の処理を適用することができる。フィルタ係数決定部120Bは、これらの統計値に対して、適切な係数をかけた値を差分制限値uとして算出するようにしてもよい。
なお、第3の実施形態において、制限付き線形フィルタ処理部10を、第2の実施形態と同様に制限付き線形フィルタ処理部20に置き換えて、パターンタイプ情報も供給するように構成してもよい(すなわち、第2の実施形態と第3の実施形態を組み合わせて適用するようにしてもよい)。
(C−3)第3の実施形態の効果
第3の実施形態によれば、第1及び第2の実施形態と比較して、以下のような効果を奏することができる。
第3の実施形態の映像処理システム1Bでは、映像符号化装置100B側で再構成画像に生じている量子化ノイズ等による誤差成分を、実際の入力画像と再構成画像から算出し、算出した誤差成分に応じた差分制限値uを設定している。これにより、第3の実施形態の映像処理システム1Bでは、より厳密に差分制限値uを設定することが可能となり、制限付き線形フィルタ処理において、実際のノイズ振幅よりも大きな変化をしている画像のエッジ部分等の周辺画素からの影響を抑制したフィルタ処理を施すことが可能となる。
(D)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
(D−1)本発明の画像処理装置は上記実施形態に限定されず、その他のさまざまな符号化処理/復号処理に利用可能である。すなわち、本発明の画像処理装置は、上記の実施形態以外の種々の映像符号化処理/映像復号処理の過程で発生するループ内のフィルタ処理に適用可能である。
HEVCと同様なサンプル適応オフセット処理のフィルタタイプの一種として本発明の画像処理装置(制限付き線形フィルタ処理部)を用いる場合、HEVCと同様なBOやEOとの組み合わせだけでなく、これらの一部のみのSAOタイプやBOやEOとは異なる処理タイプのフィルタと組み合わせて、これらのSAOタイプと制限付き線形フィルタタイプのSAO処理からの選択が可能な構成としても良い。
本発明の実施形態では、イントラ予測が参照する参照画素はループ内フィルタ処理前の再構成画像として説明したが、従来技術のバイラテラルフィルタのように、変換領域ごとに制限付き線形フィルタを適用して、隣接するイントラ予測では予測に利用する参照画素として、フィルタ前の再構成画像を用いるのではなく、制限付き線形フィルタの処理結果を参照画素として予測処理に用いるようにしても良い。
(D−2)上記の各実施形態の制限付き線形フィルタ処理部では、差分値を制限する関数の例として、(4)式や(5)式の関数を例示したが、これら以外の関数形を用いたり、複数の関数から選択可能とするなどの構成としても良い。
(D−3)上記の各実施形態の制限付き線形フィルタ処理部では、線形フィルタ処理において、(3)式を適用する例について説明したが、(3)式の形式に限定されず、対象画素cと制限された差分値の線形結合となるような様々な演算式を用いても良い。また、(3)式ではクリッピング処理を用いているが、例えば、線形フィルタ係数a,bのとりうる範囲を制限することでクリッピング処理を不要とする(線形結合の演算結果が常にクリッピング範囲内となるような制限を設ける)ように、制限付き線形フィルタ処理部を構成するようにしてもよい。
(D−4)第2の実施形態の制限付き線形フィルタ処理部において、参照パターンとして図5や図7のような参照パターンを例示したが、その他の参照パターンを用いたり、参照する画素数も4画素に限定されないような参照パターンを用いても良い。
(D−5)上記の各実施形態の制限付き線形フィルタ処理部10、20において、線形フィルタ処理部11で適用する線形フィルタ係数は、予め設定された値(例えば、工場出荷された後ユーザにより設定された値)や予め設定された固定値(例えば、工場出荷時に設定された値)を適用するようにしてもよい。
また、同様に、上記の各実施形態の制限付き線形フィルタ処理部10、20において、制限値処理部14で適用する差分制限値uは、予め設定された値(例えば、ユーザにより設定された値)や予め設定された固定値(例えば、工場出荷時に設定された値)を適用するようにしてもよい。
(D−6)上記の各実施形態では、本発明の画像処理装置としての制限付き線形フィルタ処理部を、映像符号化装置や映像復号装置に適用した例について説明したが、画像処理装置としての制限付き線形フィルタ処理部を独立した装置として実現するようにしてもよい。
1…映像処理システム、10…制限付き線形フィルタ処理部、11…線形フィルタ処理部、12…線形フィルタ係数記憶部、13…差分値算出部、14…制限値処理部、100…映像符号化装置、101…差分処理部、102…変換部、103…量子化部、104…エントロピー符号化部、105…逆量子化部、106…逆変換部、107…加算部、108…ループ内フィルタ部、109…参照画像バッファ、110…インター予測部、111…イントラ予測部、112…切替部、120…フィルタ係数決定部、200…映像復号装置、204…エントロピー復号部、205…逆量子化部、206…逆変換部、207…加算部、208…ループ内フィルタ部、209…参照画像バッファ、210…インター予測部、211…イントラ予測部、212…切替部。

Claims (16)

  1. 線形フィルタ係数を記憶する記憶手段と、
    対象画素の画素値と、前記対象画素の周辺画素の画素値との差分値を算出する差分値算出手段と、
    前記差分値算出手段で算出された差分値の中に、絶対値が所定の差分制限値を超える差分値があった場合、その差分値の絶対値を前記差分制限値以下の所定の値に変更する差分値制限処理を行う制限値処理手段と、
    前記対象画素の画素値と、前記制限値処理手段による変更処理後のそれぞれの前記周辺画素に対応する差分値とを入力とし、前記対象画素に対する前記記憶手段に記憶された前記線形フィルタ係数に基づく線形フィルタ処理を行い、前記線形フィルタ処理の後の前記対象画素の画素値を出力する線形フィルタ処理手段と
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記記憶手段は、外部から供給された線形フィルタ係数を記憶することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記制限値処理手段は、外部から供給された差分制限値を用いて差分値制限処理を行うことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の画像処理装置。
  4. 前記差分値算出手段は、前記対象画素を中心として前記線形フィルタ処理手段の前記線形フィルタ処理で参照する周辺画素の参照パターンを複数備え、いずれかの参照パターンを指定するパターンタイプ情報が供給されると、前記対象画素の画素値と、前記パターンタイプ情報で指定された参照パターンに従った位置の周辺画素の画素値との差分値を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 前記差分値算出手段は、前記対象画素を含む対象画像に対して、差分値算出方向の勾配画像を算出し、前記制限値処理手段は、勾配画像に対して差分値制限処理を施した結果を中間画像として取得し、
    前記線形フィルタ処理手段は、前記中間画像の値を用いて前記線形フィルタ処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  6. コンピュータを、
    線形フィルタ係数を記憶する記憶手段と、
    対象画素の画素値と、前記対象画素の周辺画素の画素値との差分値を算出する差分値算出手段と、
    前記差分値算出手段で算出された差分値の中に、絶対値が所定の差分制限値を超える差分値があった場合、その差分値の絶対値を前記差分制限値以下の所定の値に変更する差分値制限処理を行う制限値処理手段と、
    前記対象画素の画素値と、前記制限値処理手段による変更処理後のそれぞれの前記周辺画素に対応する差分値とを入力とし、前記対象画素に対する前記記憶手段に記憶された前記線形フィルタ係数に基づく線形フィルタ処理を行い、前記線形フィルタ処理の後の前記対象画素の画素値を出力する線形フィルタ処理手段と
    して機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
  7. 画像処理装置が行う画像処理方法において、
    前記画像処理装置は、記憶手段、差分値算出手段、制限値処理手段、線形フィルタ処理手段を有し、
    前記記憶手段は、線形フィルタ係数を記憶し、
    前記差分値算出手段は、対象画素の画素値と、前記対象画素の周辺画素の画素値との差分値を算出し、
    前記制限値処理手段は、前記差分値算出手段で算出された差分値の中に、絶対値が所定の差分制限値を超える差分値があった場合、その差分値の絶対値を前記差分制限値以下の所定の値に変更する差分値制限処理を行い、
    前記線形フィルタ処理手段は、前記対象画素の画素値と、前記制限値処理手段による変更処理後のそれぞれの前記周辺画素に対応する差分値とを入力とし、前記対象画素に対する前記記憶手段に記憶された前記線形フィルタ係数に基づく線形フィルタ処理を行い、前記線形フィルタ処理の後の前記対象画素の画素値を出力する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  8. 映像データの符号化対象フレームに対する予測画像を生成する予測画像生成手段と、
    前記予測画像と前記符号化対象フレームとの差分を示す予測残差信号に所定の変換処理、及び量子化処理を施して量子化データを生成する変換/量子化手段と、
    前記量子化データを符号化して符号化データを出力する符号化手段と、
    前記量子化データに逆量子化処理及び所定の逆変換処理を施して予測残差信号を復元した復元予測残差信号を取得する逆量子化/逆変換手段と、
    前記予測画像に前記復元予測残差信号を加算して再構成画像を取得する再構成画像取得手段と、
    前記再構成画像に所定のフィルタ処理を施すループ内フィルタ手段と、
    前記ループ内フィルタ手段によるフィルタ処理後の再構成画像を保持して前記予測画像生成手段に参照画像として供給する参照画像バッファ手段を有し、
    前記ループ内フィルタ手段は、少なくとも、請求項1に記載の画像処理装置を用いてフィルタ処理を行う
    ことを特徴とする映像符号化装置。
  9. 前記画像処理装置の線形フィルタ処理で用いる線形フィルタ係数を決定するフィルタ係数決定手段をさらに備え、
    前記画像処理装置の前記線形フィルタ処理手段は、前記フィルタ係数決定手段が決定した線形フィルタ係数を用いて線形フィルタ処理を行い、
    前記符号化手段は、前記フィルタ係数決定手段が決定した線形フィルタ係数を前記符号化データに多重化する
    ことを特徴とする請求項8に記載の映像符号化装置。
  10. 前記フィルタ係数決定手段は、前記画像処理装置の差分値制限処理で用いる差分制限値をさらに決定し、
    前記画像処理装置の前記制限値処理手段は、前記フィルタ係数決定手段が決定した差分制限値を用いて差分値制限処理を行い、
    前記符号化手段は、前記フィルタ係数決定手段が決定した差分制限値を前記符号化データに多重化する
    ことを特徴とする請求項9に記載の映像符号化装置。
  11. 前記画像処理装置の前記差分値算出手段は、前記対象画素を中心として前記線形フィルタ処理手段の線形フィルタ処理で参照する周辺画素の参照パターンを複数備え、いずれかの参照パターンを指定するパターンタイプ情報が供給されると、前記対象画素の画素値と、前記パターンタイプ情報で指定された参照パターンに従った位置の周辺画素の画素値との差分値を算出し、
    前記フィルタ係数決定手段は、前記差分値算出手段に入力するパターンタイプ情報をさらに決定し、
    前記画像処理装置の前記差分値算出手段は、前記フィルタ係数決定手段が決定した前記パターンタイプ情報で指定された参照パターンに従った位置の周辺画素の画素値との差分値を算出し、
    前記符号化手段は、前記フィルタ係数決定手段が決定したパターンタイプ情報を前記符号化データに多重化する
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の映像符号化装置。
  12. 符号化された映像データを復号して復号データを取得する復号処理手段と、
    前記映像データの復号対象フレームの予測画像を生成する予測画像生成手段と、
    前記復号データに、逆量子化処理及び所定の逆変換処理を施して、復号対象フレームの予測残差信号を取得する逆量子化/逆変換手段と、
    前記予測画像に前記予測残差信号を加算して再構成画像を取得する再構成画像取得手段と、
    前記再構成画像に所定のフィルタ処理を施すループ内フィルタ手段と、
    前記ループ内フィルタによるフィルタ処理後の復号画像を保持して前記予測画像生成手段に参照画像として供給する参照画像バッファ手段とを有し、
    前記ループ内フィルタ手段は、少なくとも、請求項1に記載の画像処理装置を用いてフィルタ処理を行う
    ことを特徴とする映像復号装置。
  13. 前記復号処理手段は、前記復号データから、前記画像処理装置の線形フィルタ処理で用いる線形フィルタ係数を取得し、
    前記画像処理装置の前記線形フィルタ処理手段は、前記復号処理手段が取得した線形フィルタ係数を用いて線形フィルタ処理を行う
    ことを特徴とする請求項12に記載の映像復号装置。
  14. 前記復号処理手段は、前記復号データから、前記画像処理装置の差分値制限処理で用いる差分制限値を取得し、
    前記画像処理装置の前記制限値処理手段は、前記復号処理手段が取得した差分制限値を用いて差分値制限処理を行う
    ことを特徴とする請求項13に記載の映像復号装置。
  15. 前記画像処理装置の前記差分値算出手段は、前記対象画素を中心として前記線形フィルタ処理手段の線形フィルタ処理で参照する周辺画素の参照パターンを複数備え、いずれかの参照パターンを指定するパターンタイプ情報が供給されると、前記対象画素の画素値と、前記パターンタイプ情報で指定された参照パターンに従った位置の周辺画素の画素値との差分値を算出し、
    前記画像処理装置の前記差分値算出手段は、前記復号処理手段が取得した前記パターンタイプ情報で指定された参照パターンに従った位置の周辺画素の画素値との差分値を算出する
    ことを特徴とする請求項13又は14に記載の映像復号装置。
  16. 映像データを符号化して符号化データを出力する映像符号化装置と、前記符号化データを復号して復号画像を得る映像復号装置とを備える映像処理システムにおいて、前記映像符号化装置として請求項8の映像符号化装置を適用し、前記映像復号装置として請求項12の映像復号装置を適用したことを特徴とする映像処理システム。
JP2017167459A 2017-08-31 2017-08-31 映像符号化装置、映像復号装置、及び映像処理システム Active JP6919424B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017167459A JP6919424B2 (ja) 2017-08-31 2017-08-31 映像符号化装置、映像復号装置、及び映像処理システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017167459A JP6919424B2 (ja) 2017-08-31 2017-08-31 映像符号化装置、映像復号装置、及び映像処理システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019047277A true JP2019047277A (ja) 2019-03-22
JP6919424B2 JP6919424B2 (ja) 2021-08-18

Family

ID=65816669

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017167459A Active JP6919424B2 (ja) 2017-08-31 2017-08-31 映像符号化装置、映像復号装置、及び映像処理システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6919424B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005167399A (ja) * 2003-11-28 2005-06-23 Noritsu Koki Co Ltd 画像ノイズ除去方法
WO2011129100A1 (ja) * 2010-04-13 2011-10-20 パナソニック株式会社 画像符号化方法および画像復号化方法
JP2012065120A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Sharp Corp フィルタ係数設定装置、フィルタ係数設定方法、および、画像符号化装置
WO2013048630A1 (en) * 2011-08-18 2013-04-04 Qualcomm Incorporated Method and device for video coding applying parition - based filters, and storage medium

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005167399A (ja) * 2003-11-28 2005-06-23 Noritsu Koki Co Ltd 画像ノイズ除去方法
WO2011129100A1 (ja) * 2010-04-13 2011-10-20 パナソニック株式会社 画像符号化方法および画像復号化方法
JP2012065120A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Sharp Corp フィルタ係数設定装置、フィルタ係数設定方法、および、画像符号化装置
WO2013048630A1 (en) * 2011-08-18 2013-04-04 Qualcomm Incorporated Method and device for video coding applying parition - based filters, and storage medium

Also Published As

Publication number Publication date
JP6919424B2 (ja) 2021-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6865872B2 (ja) 映像サンプルのブロックをデブロックする方法
US10743016B2 (en) Inherited motion information for decoding a current coding unit in a video coding system
US9813709B2 (en) Intra-prediction encoding method, intra-prediction decoding method, intra-prediction encoding apparatus, intra-prediction decoding apparatus, program therefor and recording medium having program recorded thereon
RU2696311C1 (ru) Устройство и способ для компенсации движения видео с выбираемым интерполяционным фильтром
US20110069752A1 (en) Moving image encoding/decoding method and apparatus with filtering function considering edges
CN109792541A (zh) 用于视频译码的去振铃滤波器
EP3682639A1 (en) System and method for reducing blocking artifacts and providing improved coding efficiency
US9167271B2 (en) Image processing device, method, and program, dynamic image encoding device, method, and program, dynamic image decoding device, method, and program, and encoding/decoding system and method
EP2378775B1 (en) Image decoding device and image coding device
JP2010514246A (ja) 画像圧縮及び伸張
KR20150135519A (ko) 인트라 예측 샘플을 생성하는 방법, 장치 및 시스템
KR20090097688A (ko) 영상의 인트라 예측 부호화/복호화 방법 및 장치
JP2019534629A (ja) 画像処理方法及びこのための装置
EP3058748A1 (en) Method and apparatus for pre-prediction filtering for use in block-prediction techniques
JPH07131757A (ja) 画像処理装置
KR102598789B1 (ko) 비디오 코딩에서의 필터링을 위한 장치 및 방법
JP5627507B2 (ja) 動画像符号化装置、動画像復号装置、動画像符号化方法、動画像復号方法、およびプログラム
WO2012172667A1 (ja) 動画像符号化方法、動画像復号化方法及び装置
JP6919424B2 (ja) 映像符号化装置、映像復号装置、及び映像処理システム
JP2017073602A (ja) 動画像符号化装置、動画像符号化方法及び動画像符号化用コンピュータプログラム
KR20200134302A (ko) 이미지 처리 장치 및 방법
Boyadjis et al. Super-resolution of HEVC videos via convex optimization
Boyadjis et al. Video enhancement with convex optimization methods
JP5728330B2 (ja) 動画像符号化装置、動画像復号装置、動画像符号化方法、動画像復号方法、およびプログラム
KR20220130067A (ko) 에러에 강인한 인-루프 필터를 이용하는 영상 부호화/복호화 방법과 그에 관한 시그널링 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200513

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210607

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210622

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210705

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6919424

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150