非特許文献1に示されている標準規格では、ブロック境界のみを対象としてフィルタ処理が施される。このため、フィルタ処理による画質改善効果が十分ではなかった。
上述の非特許文献1に示されている標準規格に対して、非特許文献2に示されている手法では、画面全体を対象として適応的なフィルタ処理が施される。しかしながら、この適応的なフィルタは、画面全体に対する原画像との二乗誤差を最小化するためのものであり、視覚的に重要な絵柄であるエッジ成分の保持を、確実に行うことはできなかった。
非特許文献3に示されている手法では、復号の際のフィルタ処理に、非特許文献4に示されている画像復元処理フィルタを採用する。しかしながら、非特許文献4に示されている手法では、フィルタ処理対象画素の近傍の絵柄との類似性に応じてフィルタ係数を決定するため、フィルタ処理対象画素の近傍の絵柄が圧縮符号化によって大きく劣化している場合には、不適切なフィルタ係数が算出されてしまい、適切な画像復元を行うことができない。圧縮劣化によって局所的な絵柄が大きく劣化する特徴的なケースとして、例えばエッジの絵柄がある。このため、非特許文献3、4に示されている手法では、視覚的に重要な絵柄であるエッジ成分に関して、十分な画質を得ることができない場合があり、主観画質の向上を的確には実現できない場合があった。
そこで、本発明は、上述の課題を鑑みてなされたものであり、主観画質の向上を的確に実現できる動画像符号化装置、動画像復号装置、動画像符号化方法、動画像復号方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
(1) 本発明は、符号化処理ループ内で適応フィルタ処理を許容し、フィルタ処理単位ブロックごとにフィルタ処理を制御する動画像符号化装置(例えば、図1の動画像符号化装置AAに相当)であって、入力画像(例えば、図2の原画像aに相当)に対して、局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数(例えば、図2の原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1に相当)を算出する第1のフィルタ係数算出手段(例えば、図2の第1のフィルタ係数算出部51に相当)と、局所復号画像(例えば、図2のローカルデコード画像kに相当)に対して、前記局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数(例えば、図2のローカルデコード画像kにより得られたNLMフィルタ係数m2に相当)を算出する第2のフィルタ係数算出手段(例えば、図2の第2のフィルタ係数算出部52に相当)と、前記局所復号画像に、前記第1のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数を適用する第1のフィルタ係数適用手段(例えば、図2の第1のフィルタ係数適用部61に相当)と、前記局所復号画像に、前記第2のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数を適用する第2のフィルタ係数適用手段(例えば、図2の第2のフィルタ係数適用部62に相当)と、予め定められた単位領域(例えば、後述のN×N個の画素からなる単位領域に相当)ごとに、前記第1のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数と、前記第2のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数と、のいずれを用いて前記局所復号画像に対してフィルタ処理を行うかを判断するフィルタ係数適否判断手段(例えば、図2のフィルタ係数適否判断部63に相当)と、前記第1のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数と、前記第2のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数と、のうち、前記フィルタ係数適否判断手段により前記単位領域ごとに用いると判断されたものを用いて、前記局所復号画像に対してフィルタ処理を行うフィルタ処理手段(例えば、図2のフィルタ処理部64に相当)と、前記フィルタ係数適否判断手段による判断結果(例えば、後述の適否情報rに相当)を符号化する適否情報符号化手段(例えば、図2の適否情報符号化部66に相当)と、前記第1のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数のうち、前記フィルタ係数適否判断手段により用いると判断されたものを符号化するフィルタ係数符号化手段(例えば、図2のフィルタ係数符号化部65に相当)と、を備え、前記フィルタ係数適否判断手段は、前記単位領域ごとに、前記第1のフィルタ係数適用手段により得られる画像の前記入力画像からの劣化尺度と、前記第2のフィルタ係数適用手段により得られる画像の前記入力画像からの劣化尺度と、を求めるとともに、前記単位領域ごとに、前記劣化尺度に基づいて、前記第1のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数と、前記第2のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数と、のいずれを用いて前記局所復号画像に対してフィルタ処理を行うかを判断することを特徴とする動画像符号化装置を提案している。
この発明によれば、符号化処理ループ内で適応フィルタ処理を許容して、フィルタ処理単位ブロックごとにフィルタ処理を制御する動画像符号化装置に、第1のフィルタ係数算出手段、第2のフィルタ係数算出手段、第1のフィルタ係数適用手段、第2のフィルタ係数適用手段、フィルタ係数適否判断手段、フィルタ処理手段、適否情報符号化手段、およびフィルタ係数符号化手段を設けた。第1のフィルタ係数算出手段により、入力画像に対して、局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数を算出し、第2のフィルタ係数算出手段により、局所復号画像に対して、局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数を算出することとした。また、第1のフィルタ係数適用手段により、局所復号画像に、第1のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数を適用し、第2のフィルタ係数適用手段により、局所復号画像に、第2のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数を適用することとした。また、フィルタ係数適否判断手段により、予め定められた単位領域ごとに、第1のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数と、第2のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数と、のいずれを用いて局所復号画像に対してフィルタ処理を行うかを判断することとした。具体的には、まず、単位領域ごとに、第1のフィルタ係数適用手段により得られる画像の入力画像からの劣化尺度と、第2のフィルタ係数適用手段により得られる画像の入力画像からの劣化尺度と、を求めることとした。次に、単位領域ごとに、これら求めた劣化尺度に基づいて、第1のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数と、第2のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数と、のいずれを用いて局所復号画像に対してフィルタ処理を行うかを判断することとした。また、フィルタ処理手段により、第1のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数と、第2のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数と、のうち、フィルタ係数適否判断手段により単位領域ごとに用いると判断されたものを用いて、局所復号画像に対してフィルタ処理を行うこととした。また、適否情報符号化手段により、フィルタ係数適否判断手段による判断結果を符号化することとした。また、フィルタ係数符号化手段により、第1のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数のうち、フィルタ係数適否判断手段により用いると判断されたものを符号化することとした。
このため、(1)の動画像符号化装置は、局所的な絵柄の類似性に基づくフィルタを用いてフィルタ処理を行うことができるため、主観画質の向上を図ることができる。
また、(1)の動画像符号化装置は、第1のフィルタ係数算出手段により、入力画像により得られたフィルタ係数を算出し、第2のフィルタ係数算出手段により、局所復号画像により得られたフィルタ係数を算出することができる。そして、フィルタ係数適否判断手段により、入力画像により得られたフィルタ係数を用いた場合の入力画像からの劣化尺度と、局所復号画像により得られたフィルタ係数を用いた場合の入力画像からの劣化尺度と、を比較して、比較結果に応じて、いずれのフィルタ係数をフィルタ処理に用いるかを判断することができる。このため、入力画像により得られたフィルタ係数と、局所復号画像により得られたフィルタ係数と、のうち、例えば、フィルタ処理に用いた場合に入力画像からの劣化が少ない方を、フィルタ処理に用いると判断することができる。また、例えば、基本的には局所復号画像により得られたフィルタ係数をフィルタ処理に用いると判断し、入力画像により得られたフィルタ係数を用いた方が、局所復号画像により得られたフィルタ係数を用いる場合と比べて、入力画像からの劣化を予め定められたレベル以上に抑えることができる場合には、入力画像により得られたフィルタ係数をフィルタ処理に用いると判断することもできる。以上によれば、視覚的に重要な絵柄であるエッジ成分といった、局所的な絵柄が大きく劣化するケースに関しても、十分な画質を得ることができるため、上述の主観画質の向上を的確に実現できる。
また、(1)の動画像符号化装置は、フィルタ係数符号化手段により、入力画像により得られたフィルタ係数のうち、フィルタ処理に用いられたもののみを符号化する。ここで、局所復号画像により得られたフィルタ係数については、動画像符号化装置で生成された符号化データを復号する動画像復号装置においても算出することができる。このため、動画像復号装置でのフィルタ処理の実現を担保しつつ、伝送する情報量を削減できる。
(2) 本発明は、(1)の動画像符号化装置について、前記第1のフィルタ係数適用手段により得られる画像の前記入力画像からの劣化尺度は、当該画像の当該入力画像に対する劣化の度合いが大きくなるに従って、大きな数値で表され、前記第2のフィルタ係数適用手段により得られる画像の前記入力画像からの劣化尺度は、当該画像の当該入力画像に対する劣化の度合いが大きくなるに従って、大きな数値で表され、前記フィルタ係数適否判断手段は、前記第2のフィルタ係数適用手段により得られる画像についての劣化尺度から、前記第1のフィルタ係数適用手段により得られる画像についての劣化尺度を減算した差分値が、予め定められた閾値(例えば、後述の予め定められた閾値THに相当)以上である単位領域に対しては、前記第1のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数を用いると判断し、前記差分値が前記閾値未満である単位領域に対しては、前記第2のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数を用いると判断することを特徴とする動画像符号化装置を提案している。
この発明によれば、(1)の動画像符号化装置において、第1のフィルタ係数適用手段により得られる画像の入力画像からの劣化尺度は、この画像の入力画像に対する劣化の度合いが大きくなるに従って大きな数値で表され、第2のフィルタ係数適用手段により得られる画像の入力画像からの劣化尺度は、この画像の入力画像に対する劣化の度合いが大きくなるに従って大きな数値で表されるものとした。また、フィルタ係数適否判断手段により、第2のフィルタ係数適用手段により得られる画像についての劣化尺度から、第1のフィルタ係数適用手段により得られる画像についての劣化尺度を減算した差分値が、予め定められた閾値以上である単位領域に対しては、第1のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数を用いると判断し、差分値が閾値未満である単位領域に対しては、第2のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数を用いると判断することとした。
このため、(2)の動画像符号化装置は、入力画像からの劣化を、入力画像により得られたフィルタ係数を用いた方が、局所復号画像により得られたフィルタ係数を用いる場合と比べて、閾値により定まるレベル以上に抑えることができる場合に、第1のフィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数を用いると判断することができる。したがって、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
(3) 本発明は、(1)または(2)の動画像符号化装置について、前記フィルタ係数適否判断手段は、前記第1のフィルタ係数適用手段により得られる画像の前記入力画像からの劣化尺度として、当該入力画像と、当該第1のフィルタ係数適用手段により得られる画像と、のMean Square ErrorまたはStructural Similarityを用い、前記第2のフィルタ係数適用手段により得られる画像の前記入力画像からの劣化尺度として、当該入力画像と、当該第2のフィルタ係数適用手段により得られる画像と、の前記Mean Square Errorおよび前記Structural Similarityのうち前記第1のフィルタ係数適用手段により得られる画像の前記入力画像からの劣化尺度として用いたものを用いることを特徴とする動画像符号化装置を提案している。
この発明によれば、(1)または(2)の動画像符号化装置において、フィルタ係数適否判断手段により、第1のフィルタ係数適用手段により得られる画像の入力画像からの劣化尺度として、入力画像と、第1のフィルタ係数適用手段により得られる画像と、のMean Square ErrorまたはStructural Similarityを用いることとした。また、フィルタ係数適否判断手段により、第2のフィルタ係数適用手段により得られる画像の入力画像からの劣化尺度として、入力画像と、第2のフィルタ係数適用手段により得られる画像と、のMean Square ErrorおよびStructural Similarityのうち第1のフィルタ係数適用手段により得られる画像の入力画像からの劣化尺度として用いたものを用いることとした。
このため、(3)の動画像符号化装置は、入力画像により得られたフィルタ係数を用いた場合の入力画像からの劣化尺度として、Mean Square Errorを用いた場合には、局所復号画像により得られたフィルタ係数を用いた場合の入力画像からの劣化尺度として、Mean Square Errorを用いることができる。また、入力画像により得られたフィルタ係数を用いた場合の入力画像からの劣化尺度として、Structural Similarityを用いた場合には、局所復号画像により得られたフィルタ係数を用いた場合の入力画像からの劣化尺度として、Structural Similarityを用いることができる。以上によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
(4) 本発明は、(1)〜(3)のいずれかの動画像符号化装置について、前記適否情報符号化手段は、前記フィルタ係数適否判断手段による判断結果を、フラグ情報として表現し(例えば、後述の2次元情報や多段階層構造を用いて表現することに相当)、当該フラグ情報を算術符号化または可変長符号化を用いて符号化することを特徴とする動画像符号化装置を提案している。
この発明によれば、(1)〜(3)のいずれかの動画像符号化装置において、適否情報符号化手段により、フィルタ係数適否判断手段による判断結果を、フラグ情報として表現し、このフラグ情報を算術符号化または可変長符号化を用いて符号化することとした。
このため、(4)の動画像符号化装置は、伝送する情報量の増加を抑制しつつ、入力画像により得られたフィルタ係数と、局所復号画像により得られたフィルタ係数と、のいずれを用いてフィルタ処理を行ったかを単位領域ごとに示すことができる。
(5) 本発明は、(4)の動画像符号化装置について、前記適否情報符号化手段は、前記フラグ情報について、2次元情報または多段階層構造を用いて表現することを特徴とする動画像符号化装置を提案している。
この発明によれば、(4)の動画像符号化装置において、適否情報符号化手段により、フラグ情報について、2次元情報または多段階層構造を用いて表現することとした。
このため、(5)の動画像符号化装置は、2次元情報または多段階層構造を用いて上述のフラグ情報を表現することができ、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
(6) 本発明は、(1)〜(5)のいずれかの動画像符号化装置について、前記フィルタ係数符号化手段は、前記単位領域を構成するN×N個の各画素に対するL×L個のフィルタ係数を、N×N×L×Lの4次元の信号として直交変換するフィルタ係数情報直交変換手段と、前記フィルタ係数情報直交変換手段による直交変換の結果に対して、量子化し、算術符号化または可変長符号化により符号化する変換係数符号化手段と、を備えることを特徴とする動画像符号化装置を提案している。
この発明によれば、(1)〜(5)のいずれかの動画像符号化装置において、フィルタ係数符号化手段に、フィルタ係数情報直交変換手段および変換係数符号化手段を設けた。フィルタ係数情報直交変換手段により、単位領域を構成するN×N個の各画素に対するL×L個のフィルタ係数を、N×N×L×Lの4次元の信号として直交変換することとした。また、変換係数符号化手段により、フィルタ係数情報直交変換手段による直交変換の結果に対して、量子化し、算術符号化または可変長符号化により符号化することとした。
このため、(6)の動画像符号化装置は、ファイル係数情報直交変換手段による直交変換により、単位領域を構成するN×N個の各画素の画素間相関が高くなるに従って、エネルギを大幅に圧縮することができる。したがって、直交変換の結果を量子化および符号化して、符号化データのデータ量をさらに削減できる。
(7) 本発明は、(1)〜(6)のいずれかの動画像符号化装置について、フィルタ処理単位ブロックごとに制御するフィルタ処理に、Non Local Meansに基づくフィルタを用いることを特徴とする動画像符号化装置を提案している。
この発明によれば、(1)〜(6)のいずれかの動画像符号化装置において、フィルタ処理単位ブロックごとに制御するフィルタ処理に、Non Local Meansに基づくフィルタを用いることとした。
このため、(7)の動画像符号化装置は、Non Local Meansに基づくフィルタを用いてフィルタ処理を行うことができ、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
(8) 本発明は、復号処理ループ内で適応フィルタ処理を許容し、フィルタ処理単位ブロックごとにフィルタ処理を制御して、(1)〜(7)のいずれかの動画像符号化装置(例えば、図1の動画像符号化装置AAに相当)において生成された符号化データを復号する動画像復号装置(例えば、図4の動画像復号装置BBに相当)であって、前記適否情報符号化手段および前記フィルタ係数符号化手段により生成された符号化データ(例えば、図5の適否情報に関する符号化データcと、図5のフィルタ係数に関する符号化データと、に相当)を復号するフィルタ情報復号手段(例えば、図5のフィルタ係数復号部131および適否情報復号部133に相当)と、復号画像(例えば、図5のデコード画像Eに相当)に対して、前記局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数を算出する復号画像フィルタ係数算出手段(例えば、図5のフィルタ係数算出部132に相当)と、前記フィルタ情報復号手段により復号されたフィルタ係数(例えば、図5の原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1に相当)と、前記復号画像フィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数(例えば、図5のデコード画像Eにより得られたNLMフィルタ係数Fに相当)と、のうち、前記フィルタ情報復号手段により復号された前記単位領域ごとの前記判断結果に応じたものを用いて、前記復号画像に対してフィルタ処理を行う復号画像フィルタ処理手段(例えば、図5のフィルタ処理部134に相当)と、を備えることを特徴とする動画像復号装置を提案している。
この発明によれば、復号処理ループ内で適応フィルタ処理を許容し、フィルタ処理単位ブロックごとにフィルタ処理を制御して、(1)〜(7)のいずれかの動画像符号化装置において生成された符号化データを復号する動画像復号装置に、フィルタ情報復号手段、復号画像フィルタ係数算出手段、および復号画像フィルタ処理手段を設けた。フィルタ情報復号手段により、適否情報符号化手段およびフィルタ係数符号化手段により生成された符号化データを復号することとした。また、復号画像フィルタ係数算出手段により、復号画像に対して、局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数を算出することとした。また、復号画像フィルタ処理手段により、フィルタ情報復号手段により復号されたフィルタ係数と、復号画像フィルタ係数算出手段により算出されたフィルタ係数と、のうち、フィルタ情報復号手段により復号された単位領域ごとの判断結果に応じたものを用いて、復号画像に対してフィルタ処理を行うこととした。
このため、(8)の動画像復号装置は、局所的な絵柄の類似性に基づくフィルタ係数を用いてフィルタ処理を行うことができるため、主観画質の向上を図ることができる。
また、(8)の動画像復号装置は、フィルタ情報復号手段により、動画像符号化装置においてフィルタ処理に用いられた入力画像により得られたフィルタ係数を求めるとともに、復号画像フィルタ係数算出手段により、復号画像により得られたフィルタ係数を算出することができる。そして、復号画像フィルタ処理手段により、動画像符号化装置において入力画像により得られたフィルタ係数が用いられた単位領域に対しては、この入力画像により得られたフィルタ係数を用いてフィルタ処理を行うことができる。一方、動画像符号化装置において局所復号画像により得られたフィルタ係数が用いられた単位領域に対しては、復号画像により得られたフィルタ係数を用いてフィルタ処理を行うことができる。このため、視覚的に重要な絵柄であるエッジ成分といった、局所的な絵柄が大きく劣化するケースに関しても、十分な画質を得ることができるため、上述の主観画質の向上を的確に実現できる。
また、(8)の動画像復号装置は、動画像符号化装置において算出された局所復号画像により得られたフィルタ係数については、復号画像により得られたフィルタ係数として算出し、動画像符号化装置において算出された入力画像により得られたフィルタ係数については、動画像符号化装置から伝送された符号化データを復号して求めることができる。このため、局所復号画像により得られたフィルタ係数については、伝送される必要がないため、動画像復号装置での復号の実現を担保しつつ、伝送される情報量を削減できる。
(9) 本発明は、(8)の動画像復号装置について、前記フィルタ情報復号手段は、前記適否情報符号化手段により生成された符号化データ(例えば、図5の適否情報に関する符号化データcに相当)を、算術符号化または可変長符号化を用いて復号して、フラグ情報として表現された前記フィルタ係数適否判断手段による判断結果(例えば、図5の適否情報rに相当)を求めることを特徴とする動画像復号装置を提案している。
この発明によれば、(8)の動画像復号装置において、フィルタ情報復号手段により、適否情報符号化手段により生成された符号化データを、算術符号化または可変長符号化を用いて復号して、フラグ情報として表現されたフィルタ係数適否判断手段による判断結果を求めることとした。
このため、(9)の動画像復号装置は、伝送される情報量の増加を抑制しつつ、入力画像により得られたフィルタ係数と、局所復号画像により得られたフィルタ係数と、のいずれを用いて動画像符号化装置においてフィルタ処理が行われたのかを、単位領域ごとに判断することができる。
(10) 本発明は、(9)の動画像復号装置について、前記フラグ情報は、2次元情報または多段階層構造を用いて表現されることを特徴とする動画像復号装置を提案している。
この発明によれば、(9)の動画像復号装置において、フラグ情報を、2次元情報または多段階層構造を用いて表現することとした。
このため、(10)の動画像復号装置は、2次元情報または多段階層構造を用いて上述のフラグ情報を判断することができ、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
(11) 本発明は、(8)〜(10)のいずれかの動画像復号装置について、フィルタ情報復号手段は、前記フィルタ係数符号化手段により生成された符号化データを算術復号または可変長復号により復号する変換係数復号手段と、前記変換係数復号手段による復号結果に対して、逆量子化し、N×N×L×Lの4次元の信号として逆直交変換して、前記単位領域を構成するN×N個の各画素に対するL×L個のフィルタ係数を求めるフィルタ係数情報逆直交変換手段と、を備えることを特徴とする動画像復号装置を提案している。
この発明によれば、(8)〜(10)のいずれかの動画像復号装置において、フィルタ情報復号手段に、変換係数復号手段およびフィルタ係数情報逆直交変換手段を設けた。変換係数復号手段により、フィルタ係数符号化手段により生成された符号化データを算術復号または可変長復号により復号することとした。また、フィルタ係数情報逆直交変換手段により、変換係数復号手段による復号結果に対して、逆量子化し、N×N×L×Lの4次元の信号として逆直交変換して、単位領域を構成するN×N個の各画素に対するL×L個のフィルタ係数を求めることとした。
このため、(11)の動画像復号装置は、符号化データから、動画像符号化装置においてフィルタ処理に用いられた入力画像により得られたフィルタ係数を復元することができ、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
(12) 本発明は、符号化処理ループ内で適応フィルタ処理を許容し、フィルタ処理単位ブロックごとにフィルタ処理を制御する動画像符号化方法であって、入力画像(例えば、図2の原画像aに相当)に対して、局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数(例えば、図2の原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1に相当)を算出する第1のステップ(例えば、図2の第1のフィルタ係数算出部51による処理に相当)と、局所復号画像(例えば、図2のローカルデコード画像kに相当)に対して、前記局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数(例えば、図2のローカルデコード画像kにより得られたNLMフィルタ係数m2に相当)を算出する第2のステップ(例えば、図2の第2のフィルタ係数算出部52による処理に相当)と、前記局所復号画像に、前記第1のステップにおいて算出したフィルタ係数を適用する第3のステップ(例えば、図2の第1のフィルタ係数適用部61による処理に相当)と、前記局所復号画像に、前記第2のステップにおいて算出したフィルタ係数を適用する第4のステップ(例えば、図2の第2のフィルタ係数適用部62による処理に相当)と、予め定められた単位領域(例えば、後述のN×N個の画素からなる単位領域に相当)ごとに、前記第1のステップにおいて算出したフィルタ係数と、前記第2のステップにおいて算出したフィルタ係数と、のいずれを用いて前記局所復号画像に対してフィルタ処理を行うかを判断する第5のステップ(例えば、図2のフィルタ係数適否判断部63による処理に相当)と、前記第1のステップにおいて算出したフィルタ係数と、前記第2のステップにおいて算出したフィルタ係数と、のうち、前記第5のステップにおいて前記単位領域ごとに用いると判断したものを用いて、前記局所復号画像に対してフィルタ処理を行う第6のステップ(例えば、図2のフィルタ処理部64による処理に相当)と、前記第5のステップにおける判断結果(例えば、後述の適否情報rに相当)を符号化する第7のステップ(例えば、図2の適否情報符号化部66による処理に相当)と、前記第1のステップにおいて算出したフィルタ係数のうち、前記第5のステップにおいて用いると判断したものを符号化する第8のステップ(例えば、図2のフィルタ係数符号化部65による処理に相当)と、を備え、前記第5のステップでは、前記単位領域ごとに、前記第3のステップにおいて得た画像の前記入力画像からの劣化尺度と、前記第4のステップにおいて得た画像の前記入力画像からの劣化尺度と、を求めるとともに、前記単位領域ごとに、前記劣化尺度に基づいて、前記第1のステップにおいて算出したフィルタ係数と、前記第2のステップにおいて算出したフィルタ係数と、のいずれを用いて前記局所復号画像に対してフィルタ処理を行うかを判断することを特徴とする動画像符号化方法を提案している。
この発明によれば、第1に、入力画像に対して局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数を算出するとともに、局所復号画像に対して局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数を算出する。第2に、入力画像を用いて算出したフィルタ係数を局所復号画像に適用するとともに、局所復号画像を用いて算出したフィルタ係数を局所復号画像に適用する。第3に、予め定められた単位領域ごとに、入力画像を用いて算出したフィルタ係数と、局所復号画像を用いて算出したフィルタ係数と、のいずれを用いて局所復号画像に対してフィルタ処理を行うかを判断する。具体的には、まず、単位領域ごとに、入力画像を用いて算出したフィルタ係数の適用により得られた画像の入力画像からの劣化尺度と、局所復号画像を用いて算出したフィルタ係数の適用により得られた画像の入力画像からの劣化尺度と、を求める。次に、単位領域ごとに、これら求めた劣化尺度に基づいて、入力画像を用いて算出したフィルタ係数と、局所復号画像を用いて算出したフィルタ係数と、のいずれを用いて局所復号画像に対してフィルタ処理を行うかを判断する。第4に、入力画像を用いて算出したフィルタ係数と、局所復号画像を用いて算出したフィルタ係数と、のうち、上述の用いると判断したものを用いて、局所復号画像に対してフィルタ処理を行う。第5に、上述の用いる判断した結果を符号化する。第6に、入力画像を用いて算出したフィルタ係数のうち、上述の用いると判断したものを符号化する。以上によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
(13) 本発明は、復号処理ループ内で適応フィルタ処理を許容し、フィルタ処理単位ブロックごとにフィルタ処理を制御して、(12)の動画像符号化方法において生成された符号化データを復号する動画像復号方法であって、前記第7のステップおよび前記第8のステップにおいて生成した符号化データ(例えば、図5の適否情報に関する符号化データcと、図5のフィルタ係数に関する符号化データと、に相当)を復号する第9のステップ(例えば、図5のフィルタ係数復号部131および適否情報復号部133による処理に相当)と、復号画像(例えば、図5のデコード画像Eに相当)に対して、前記局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数を算出する第10のステップ(例えば、図5のフィルタ係数算出部132による処理に相当)と、前記第9のステップにおいて復号したフィルタ係数(例えば、図5の原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1に相当)と、前記第10のステップにおいて算出したフィルタ係数(例えば、図5のデコード画像Eにより得られたNLMフィルタ係数Fに相当)と、のうち、前記第9のステップにおいて復号した前記単位領域ごとの前記判断結果に応じたものを用いて、前記復号画像に対してフィルタ処理を行う第11のステップ(例えば、図5のフィルタ処理部134による処理に相当)と、を備えることを特徴とする動画像復号方法を提案している。
この発明によれば、まず、(12)の動画像符号化方法において生成された符号化データを復号し、復号画像に対して局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数を算出する。次に、上述の符号化データの復号により得られたフィルタ係数と、上述の算出したフィルタ係数と、のうち、上述の符号化データの復号により得られた単位領域ごとの判断結果に応じたものを用いて、復号画像に対してフィルタ処理を行う。以上によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
(14) 本発明は、符号化処理ループ内で適応フィルタ処理を許容し、フィルタ処理単位ブロックごとにフィルタ処理を制御する動画像符号化方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、入力画像(例えば、図2の原画像aに相当)に対して、局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数(例えば、図2の原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1に相当)を算出する第1のステップ(例えば、図2の第1のフィルタ係数算出部51による処理に相当)と、局所復号画像(例えば、図2のローカルデコード画像kに相当)に対して、前記局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数(例えば、図2のローカルデコード画像kにより得られたNLMフィルタ係数m2に相当)を算出する第2のステップ(例えば、図2の第2のフィルタ係数算出部52による処理に相当)と、前記局所復号画像に、前記第1のステップにおいて算出したフィルタ係数を適用する第3のステップ(例えば、図2の第1のフィルタ係数適用部61による処理に相当)と、前記局所復号画像に、前記第2のステップにおいて算出したフィルタ係数を適用する第4のステップ(例えば、図2の第2のフィルタ係数適用部62による処理に相当)と、予め定められた単位領域(例えば、後述のN×N個の画素からなる単位領域に相当)ごとに、前記第1のステップにおいて算出したフィルタ係数と、前記第2のステップにおいて算出したフィルタ係数と、のいずれを用いて前記局所復号画像に対してフィルタ処理を行うかを判断する第5のステップ(例えば、図2のフィルタ係数適否判断部63による処理に相当)と、前記第1のステップにおいて算出したフィルタ係数と、前記第2のステップにおいて算出したフィルタ係数と、のうち、前記第5のステップにおいて前記単位領域ごとに用いると判断したものを用いて、前記局所復号画像に対してフィルタ処理を行う第6のステップ(例えば、図2のフィルタ処理部64による処理に相当)と、前記第5のステップにおける判断結果(例えば、後述の適否情報rに相当)を符号化する第7のステップ(例えば、図2の適否情報符号化部66による処理に相当)と、前記第1のステップにおいて算出したフィルタ係数のうち、前記第5のステップにおいて用いると判断したものを符号化する第8のステップ(例えば、図2のフィルタ係数符号化部65による処理に相当)と、をコンピュータに実行させ、前記第5のステップでは、前記単位領域ごとに、前記第3のステップにおいて得た画像の前記入力画像からの劣化尺度と、前記第4のステップにおいて得た画像の前記入力画像からの劣化尺度と、を求めるとともに、前記単位領域ごとに、前記劣化尺度に基づいて、前記第1のステップにおいて算出したフィルタ係数と、前記第2のステップにおいて算出したフィルタ係数と、のいずれを用いて前記局所復号画像に対してフィルタ処理を行うかを判断するためのプログラムを提案している。
この発明によれば、プログラムをコンピュータに実行させることで、第1に、入力画像に対して局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数を算出するとともに、局所復号画像に対して局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数を算出する。第2に、入力画像を用いて算出したフィルタ係数を局所復号画像に適用するとともに、局所復号画像を用いて算出したフィルタ係数を局所復号画像に適用する。第3に、予め定められた単位領域ごとに、入力画像を用いて算出したフィルタ係数と、局所復号画像を用いて算出したフィルタ係数と、のいずれを用いて局所復号画像に対してフィルタ処理を行うかを判断する。具体的には、まず、単位領域ごとに、入力画像を用いて算出したフィルタ係数の適用により得られた画像の入力画像からの劣化尺度と、局所復号画像を用いて算出したフィルタ係数の適用により得られた画像の入力画像からの劣化尺度と、を求める。次に、単位領域ごとに、これら求めた劣化尺度に基づいて、入力画像を用いて算出したフィルタ係数と、局所復号画像を用いて算出したフィルタ係数と、のいずれを用いて局所復号画像に対してフィルタ処理を行うかを判断する。第4に、入力画像を用いて算出したフィルタ係数と、局所復号画像を用いて算出したフィルタ係数と、のうち、上述の用いると判断したものを用いて、局所復号画像に対してフィルタ処理を行う。第5に、上述の用いる判断した結果を符号化する。第6に、入力画像を用いて算出したフィルタ係数のうち、上述の用いると判断したものを符号化する。以上によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
(15) 本発明は、復号処理ループ内で適応フィルタ処理を許容し、フィルタ処理単位ブロックごとにフィルタ処理を制御して、(14)のプログラムをコンピュータに実行させることで生成された符号化データを復号する動画像復号方法を、コンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記第7のステップおよび前記第8のステップにおいて生成した符号化データ(例えば、図5の適否情報に関する符号化データcと、図5のフィルタ係数に関する符号化データと、に相当)を復号する第9のステップ(例えば、図5のフィルタ係数復号部131および適否情報復号部133による処理に相当)と、復号画像(例えば、図5のデコード画像Eに相当)に対して、前記局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数を算出する第10のステップ(例えば、図5のフィルタ係数算出部132による処理に相当)と、前記第9のステップにおいて復号したフィルタ係数(例えば、図5の原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1に相当)と、前記第10のステップにおいて算出したフィルタ係数(例えば、図5のデコード画像Eにより得られたNLMフィルタ係数Fに相当)と、のうち、前記第9のステップにおいて復号した前記単位領域ごとの前記判断結果に応じたものを用いて、前記復号画像に対してフィルタ処理を行う第11のステップ(例えば、図5のフィルタ処理部134による処理に相当)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
この発明によれば、プログラムをコンピュータに実行させることで、まず、(14)のプログラムをコンピュータに実行させることで生成された符号化データを復号し、復号画像に対して局所的な絵柄の類似性に基づいてフィルタ係数を算出する。次に、上述の符号化データの復号により得られたフィルタ係数と、上述の算出したフィルタ係数と、のうち、上述の符号化データの復号により得られた単位領域ごとの判断結果に応じたものを用いて、復号画像に対してフィルタ処理を行う。以上によれば、上述した効果と同様の効果を奏することができる。
本発明によれば、主観画質の向上を的確に実現できる。また、動画像復号装置での復号の実現を担保しつつ、伝送する情報量を削減できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
[動画像符号化装置AAの構成および動作]
図1は、本発明の一実施形態に係る動画像符号化装置AAの構成を示すブロック図である。動画像符号化装置AAは、予測値生成部1、DCT/量子化部2、エントロピー符号化部3、逆DCT/逆量子化部4、NLMフィルタ係数算出部5、NLMフィルタ処理部6、およびローカルメモリ7を備え、符号化制御単位(マクロブロック;MB)ごとに符号化を行う。
予測値生成部1は、入力画像としての原画像aと、ローカルメモリ7から出力される後述のフィルタ済みローカルデコード画像eと、を入力とする。この予測値生成部1は、イントラ予測やインター予測などの予測方法を用いて予測値を生成する。そして、最も高い符号化性能が期待される予測方法を用いて生成した予測値を、予測値fとして出力する。
DCT/量子化部2は、原画像aと、予測値fと、の差分を入力とする。このDCT/量子化部2は、入力される信号に対してDCT処理および量子化処理を施し、量子化されたDCT係数(残差信号)gとして出力する。
エントロピー符号化部3は、量子化されたDCT係数(残差信号)gを入力とする。このエントロピー符号化部3は、入力される信号に対してエントロピー符号化を行い、符号化データbとして出力する。
逆DCT/逆量子化部4は、量子化されたDCT係数(残差信号)gを入力とする。この逆DCT/逆量子化部4は、入力される信号に対して逆量子化処理および逆DCT処理を施し、逆DCTされた画素信号hとして出力する。
ローカルメモリ7は、NLMフィルタ処理部6から出力される後述のフィルタ済みローカルデコード画像eを入力とする。このローカルメモリ7は、フィルタ済みローカルデコード画像eを蓄積し、適宜、予測値生成部1に出力する。
NLMフィルタ係数算出部5は、原画像aと、局所復号画像としてのローカルデコード画像kと、を入力とする。このNLMフィルタ係数算出部5は、詳細については図2を用いて後述するが、原画像aの全ての画素に対してNLMフィルタ係数を算出して、原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1として出力するとともに、ローカルデコード画像kの全ての画素に対してNLMフィルタ係数を算出して、ローカルデコード画像kにより得られたNLMフィルタ係数m2として出力する。なお、ローカルデコード画像kとは、予測値fと、逆DCTされた画素信号hと、を加算したもののことである。
NLMフィルタ処理部6は、原画像aと、ローカルデコード画像kと、原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1と、ローカルデコード画像kにより得られたNLMフィルタ係数m2と、を入力とする。このNLMフィルタ処理部6は、詳細については図2を用いて後述するが、NLMフィルタ係数m1、m2のうちいずれを用いるべきかを単位領域ごとに判定し、判定結果に応じたNLMフィルタ係数を用いてローカルデコード画像kに対してフィルタ処理を施す。そして、フィルタ処理を施したローカルデコード画像を、フィルタ済みローカルデコード画像eとして出力するとともに、後述の適否情報に関する符号化データcと、後述のフィルタ係数に関する符号化データdと、を出力する。
図2は、NLMフィルタ係数算出部5およびNLMフィルタ処理部6の構成を示すブロック図である。
[NLMフィルタ係数算出部5の構成および動作]
NLMフィルタ係数算出部5は、第1のフィルタ係数算出部51および第2のフィルタ係数算出部52を備える。
第1のフィルタ係数算出部51は、原画像aを入力とする。この第1のフィルタ係数算出部51は、原画像aを構成する各画素に対してNLMフィルタ係数を算出して、原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1として出力する。NLMフィルタ係数とは、局所的な絵柄の類似性に基づくフィルタ係数の一種である。この原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1の算出方法について、図3を用いて以下に説明する。
NLMフィルタでは、フィルタ処理対象画素iの近傍のL×L個(Lは、L≧2を満たす任意の整数)の画素を対象としたフィルタ処理を行う。フィルタ処理対象画素iと、フィルタ係数算出画素jと、のそれぞれについて、近傍のM×M個(Mは、1≦M≦Lを満たす任意の整数)の画素の領域との類似性を評価し、類似性が高いほど、大きなフィルタ係数を設定する。具体的には、入力される原画像aを以下の式(1)のように表すものとすると、フィルタ処理対象画素iに対するフィルタ係数算出画素jにおけるフィルタ係数w(i、j)は、以下の式(2)により求めることができる。
なお、式(2)において、Niは、フィルタ処理対象画素iの近傍のM×M個の画素の領域を示し、Njは、フィルタ係数算出画素jの近傍のM×M個の画素の領域を示すものとする。また、v(Ni)は、Niに対するグレーレベルでの明度を示し、v(Nj)は、Njに対するグレーレベルでの明度を示すものとする。また、hは、フィルタの強度を示すものとする。また、z(i)は、以下の式(3)により求めることができるものとする。
図2に戻って、第2のフィルタ係数算出部52は、ローカルデコード画像kを入力とする。この第2のフィルタ係数算出部52は、図3を用いて上述した方法と同様の方法により、ローカルデコード画像kを構成する各画素に対してNLMフィルタ係数を算出して、ローカルデコード画像kにより得られたNLMフィルタ係数m2として出力する。
[NLMフィルタ処理部6の構成および動作]
NLMフィルタ処理部6は、第1のフィルタ係数適用部61、第2のフィルタ係数適用部62、フィルタ係数適否判断部63、フィルタ処理部64、フィルタ係数符号化部65、および適否情報符号化部66を備える。
第1のフィルタ係数適用部61は、ローカルデコード画像kと、原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1と、を入力とする。この第1のフィルタ係数適用部61は、原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1を、ローカルデコード画像kに対して適用して、以下の式(4)に示す画素値NL[v](i)を算出し、原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1の適用結果pとして出力する。
第2のフィルタ係数適用部62は、ローカルデコード画像kと、ローカルデコード画像kにより得られたNLMフィルタ係数m2と、を入力とする。この第2のフィルタ係数適用部62は、ローカルデコード画像kにより得られたNLMフィルタ係数m2を、ローカルデコード画像kに対して適用して、上述の式(4)に示した画素値NL[v](i)を算出し、ローカルデコード画像kにより得られたNLMフィルタ係数m2の適用結果qとして出力する。
フィルタ係数適否判断部63は、原画像aと、原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1の適用結果pと、ローカルデコード画像kにより得られたNLMフィルタ係数m2の適用結果qと、を入力とする。このフィルタ係数適否判断部63は、N×N個(Nは、N≧1を満たす任意の整数)の画素からなる単位領域ごとに、NLMフィルタ係数m1およびNLMフィルタ係数m2のどちらを用いるかを判断し、判断結果を適否情報rとして出力する。
具体的には、まず、N×N個の画素からなる単位領域ごとに、NLMフィルタ係数m1を適用した場合の原画像aからの劣化尺度を、適用結果pを用いて求めるとともに、NLMフィルタ係数m2を適用した場合の原画像aからの劣化尺度を、適用結果qを用いて求める。なお、NLMフィルタ係数m1を適用した場合の原画像aからの劣化尺度は、NLMフィルタ係数m1を適用した場合の原画像aに対する劣化の度合いが大きくなるに従って、大きな数値で表されるものとする。また、NLMフィルタ係数m2を適用した場合の原画像aからの劣化尺度は、NLMフィルタ係数m2を適用した場合の原画像aに対する劣化の度合いが大きくなるに従って、大きな数値で表されるものとする。
次に、N×N個の画素からなる単位領域ごとに、NLMフィルタ係数m2を適用した場合の劣化尺度からNLMフィルタ係数m1を適用した場合の劣化尺度を減算した差分値と、予め定められた閾値THと、を比較する。そして、上述の差分値が閾値TH以上である単位領域に対しては、原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1を用いると判断する。一方、上述の差分値が閾値TH未満である単位領域に対しては、ローカルデコード画像kにより得られたNLMフィルタ係数m2を用いると判断する。
なお、フィルタ係数適否判断部63は、上述の2つの劣化尺度として、例えばMSE(Mean Square Error)やSSIM(Structural SIMilarity)といった、原画像と符号化画像からの劣化度を評価できるものを用いるものとする。
フィルタ処理部64は、ローカルデコード画像kと、原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1と、ローカルデコード画像kにより得られたNLMフィルタ係数m2と、適否情報rと、を入力とする。このフィルタ処理部64は、適否情報rに基づいて、NLMフィルタ係数m1およびNLMフィルタ係数m2のうち、フィルタ係数適否判断部63により単位領域ごとに用いると判断されたものを用いて、ローカルデコード画像kに対してNLMフィルタ処理を行って、フィルタ済みローカルデコード画像eとして出力する。
フィルタ係数符号化部65は、原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1と、適否情報rと、を入力とする。このフィルタ係数符号化部65は、フィルタ係数適否判断部63によりNLMフィルタ係数m1を用いると判断された単位領域を、適否情報rに基づいて識別し、識別した各単位領域におけるNLMフィルタ係数m1を符号化し、フィルタ係数に関する符号化データdとして出力する。
ここで、各単位領域におけるNLMフィルタ係数m1は、N×N個の各画素に対してL×L個ずつ存在している。そこで、上述の各単位領域におけるNLMフィルタ係数m1の符号化では、まず、各単位領域におけるNLMフィルタ係数m1を、N×N×L×Lの4次元の信号として直交変換により周波数領域に変換し、低周波成分から高周波成分に向けたスキャン順序に従って1次元信号化する。次に、1次元化した信号を、量子化し、算術符号化または可変長符号化により符号化し、上述のフィルタ係数に関する符号化データdとして出力する。なお、量子化においては、周波数成分ごとに量子化幅が異なることを許容するものとする。
適否情報符号化部66は、適否情報rを入力とする。この適否情報符号化部66は、適否情報rを、2次元情報である1bitのフラグ情報として表現して符号化し、適否情報に関する符号化データcとして出力する。
なお、上述の適否情報rを2次元情報である1bitのフラグ情報として表現する際には、NLMフィルタ係数m1を適用する単位領域を「0」で表し、NLMフィルタ係数m2を適用する単位領域を「1」で表す。ただし、NLMフィルタ係数m1を適用する単位領域を「1」で表し、NLMフィルタ係数m2を適用する単位領域を「0」で表してもよい。
また、上述の適否情報rをフラグ情報として表現したものの符号化では、原画像aのフレームサイズをW×Hとすると、1フレームあたり(W/N)×(H/N)個のフラグ情報について、算術符号化または可変長符号化により符号化する。算術符号化としては、例えばCABACを用いることができ、可変長符号化としては、例えばラン長符号化を用いることができる。また、(W/N)×(H/N)個のフラグ情報は、2次元のベクトルまたは4分木表現による階層構造として表現することができる。
[動画像復号装置BBの構成および動作]
図4は、本発明の一実施形態に係る動画像復号装置BBの構成を示すブロック図である。動画像復号装置BBは、エントロピー復号部110、予測値生成部120、NLMフィルタ処理部130、およびメモリ140を備え、動画像符号化装置AAにおいて生成された符号化データbを復号して復号済み画像Aを生成する。
エントロピー復号部110は、符号化データbを入力とする。このエントロピー復号部110は、符号化データ構造に従って符号化データbに記載されている内容を解析し、エントロピー復号して、エントロピー復号の結果として得られる予測情報Bおよび残差信号Cを出力する。
予測値生成部120は、予測情報Bと、メモリ140から出力される復号済み画像Aと、を入力とする。この予測値生成部120は、予測情報Bに基づいて予測方法を決定し、決定した方法に従って、復号済み画像Aを用いて予測値Dを生成し、出力する。
NLMフィルタ処理部130は、適否情報に関する符号化データcと、フィルタ係数に関する符号化データdと、デコード画像Eと、を入力とする。ここで、デコード画像Eとは、残差信号Cと予測値Dとを加算したもののことである。このNLMフィルタ処理部130は、詳細については図5を用いて後述するが、NLMフィルタ係数m1およびNLMフィルタ係数m2のうち単位領域ごとに動画像符号化装置AAのフィルタ係数適否判断部63で判断されたものを用いて、デコード画像Eに対してフィルタ処理を行って、復号済み画像Aとして出力する。
メモリ140は、NLMフィルタ処理部130から出力される復号済み画像Aを入力とする。このメモリ140は、復号済み画像Aを蓄積し、適宜、予測値生成部120に出力する。
図5は、NLMフィルタ処理部130の構成を示すブロック図である。
[NLMフィルタ処理部130の構成および動作]
NLMフィルタ処理部130は、フィルタ係数復号部131、フィルタ係数算出部132、適否情報復号部133、およびフィルタ処理部134を備える。
フィルタ係数復号部131は、フィルタ係数に関する符号化データdを入力とする。このフィルタ係数復号部131は、フィルタ係数に関する符号化データdについて、動画像符号化装置AAで用いられた符号化方法に従って算術復号または可変長復号を行い、逆量子化および逆直交変換を行って、単位領域ごとにN×N×L×Lのフィルタ係数情報を求め、上述の原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1を得る。そして、この原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1を出力する。
フィルタ係数算出部132は、デコード画像Eを入力とする。このフィルタ係数算出部132は、図3を用いて上述した方法と同様の方法により、デコード画像Eの全ての画素に対してNLMフィルタ係数を算出して、デコード画像Eにより得られたNLMフィルタ係数Fとして出力する。
適否情報復号部133は、適否情報に関する符号化データcを入力とする。この適否情報復号部133は、適否情報に関する符号化データcについて、動画像符号化装置AAで用いられた符号化方法に従って算術復号または可変長復号を行って、上述の適否情報rを得る。そして、この適否情報rを出力する。
フィルタ処理部134は、デコード画像Eと、デコード画像Eにより得られたフィルタ係数Fと、原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1と、適否情報rと、を入力とする。このフィルタ処理部134は、まず、適否情報rに基づいて、フィルタ処理部64においてNLMフィルタ係数m1が用いられた単位領域と、フィルタ処理部64においてNLMフィルタ係数m2が用いられた単位領域と、を判別する。次に、デコード画像Eのうち、NLMフィルタ係数m1が用いられた単位領域については、NLMフィルタ係数m1を用いてNLMフィルタ処理を行い、NLMフィルタ係数m2が用いられた単位領域については、デコード画像Eにより得られたNLMフィルタ係数Fを用いてNLMフィルタ処理を行って、復号済み画像Aとして出力する。
以上の動画像符号化装置AAは、NLMフィルタ係数m1、m2を算出し、これらを用いてフィルタ処理を行う。このため、NLMフィルタを用いてフィルタ処理を行うことができるため、主観画質の向上を図ることができる。
また、動画像符号化装置AAは、NLMフィルタ係数m2を適用した場合の劣化尺度からNLMフィルタ係数m1を適用した場合の劣化尺度を減算した差分値が、閾値TH以上である単位領域に対しては、原画像aにより得られたNLMフィルタ係数m1を用いると判断する。一方、上述の差分値が閾値TH未満である単位領域に対しては、ローカルデコード画像kにより得られたNLMフィルタ係数m2を用いると判断する。このため、基本的には、NLMフィルタ係数m2を用いてフィルタ処理を行うが、NLMフィルタ係数m1を用いた方が、NLMフィルタ係数m2を用いる場合と比べて、原画像aからの劣化を閾値THにより定まるレベル以上に抑えることができる場合には、NLMフィルタ係数m1を用いることとなる。したがって、視覚的に重要な絵柄であるエッジ成分といった、局所的な絵柄が大きく劣化するケースに関しても、十分な画質を得ることができるため、上述の主観画質の向上を的確に実現できる。
また、動画像符号化装置AAは、図3を用いて上述した方法により算出した全てのNLMフィルタ係数m1のうち、フィルタ処理に用いたもののみを符号化して、フィルタ係数に関する符号化データdとして動画像復号装置BBに伝送する。ここで、NLMフィルタ係数m2については、NLMフィルタ係数Fとして動画像復号装置BBで算出できる。このため、動画像復号装置BBでのフィルタ処理の実現を担保しつつ、伝送する情報量を削減できる。
また、動画像符号化装置AAは、適否情報符号化部66により、適否情報rを、2次元情報である1bitのフラグ情報として表現する。このため、動画像復号装置BBに伝送する情報量の増加を抑制しつつ、NLMフィルタ係数m1、m2のいずれを用いてフィルタ処理を行ったかを、単位領域ごとに示すことができる。
また、動画像符号化装置AAは、フィルタ係数符号化部65により、NLMフィルタ係数m1を直交変換する。ここで、単位領域を構成するN×N個の各画素の画素間相関が高くなるに従って、エネルギを大幅に圧縮することができる。このため、直交変換の結果を量子化および符号化して、動画像復号装置BBに伝送する情報量をさらに削減できる。
また、以上の動画像復号装置BBは、動画像符号化装置AAにおいてNLMフィルタ係数m1が用いられた単位領域に対しては、NLMフィルタ係数m1を用いてフィルタ処理を行う。一方、動画像符号化装置AAにおいてNLMフィルタ係数m2が用いられた単位領域に対しては、このNLMフィルタ係数m2に相当するNLMフィルタ係数Fを算出し、このNLMフィルタ係数Fを用いてフィルタ処理を行う。このため、視覚的に重要な絵柄であるエッジ成分といった、局所的な絵柄が大きく劣化するケースに関しても、十分な画質を得ることができるため、上述の主観画質の向上を的確に実現できる。
なお、本発明の動画像符号化装置AAの処理や、動画像復号装置BBの処理を、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶し、記録媒体に記録されたプログラムを動画像符号化装置AAや動画像復号装置BBに読み込ませ、実行することによって、本発明を実現できる。
また、上述のプログラムは、このプログラムを記憶装置などに格納した動画像符号化装置AAや動画像復号装置BBから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネットなどのネットワーク(通信網)や電話回線などの通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上述のプログラムは、上述の機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述の機能を動画像符号化装置AAや動画像復号装置BBにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計なども含まれる。
例えば、上述の実施形態では、局所的な絵柄の類似性に基づくフィルタとして、NLMフィルタを用いたが、これに限らず、NLMフィルタと同様の性質を持つフィルタ、例えばTotal Variationや、上述の非特許文献5に示されているBilateral Filterや、上述の非特許文献6に示されているSUSAN Filterなどを用いてもよい。
また、上述の実施形態では、適否情報符号化部66は、単位領域ごとにNLMフィルタ係数m1およびNLMフィルタ係数m2のどちらを用いるかを示す適否情報のフラグ情報について、2次元情報を用いて表現したが、これに限らず、例えば多段階層構造を用いて表現してもよい。