JP2019045399A - 検査方法、検査プログラム及び検査装置 - Google Patents

検査方法、検査プログラム及び検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光源と光学部品との高精度な位置決めを維持しつつ、短時間で光学部品の検査を行う検査方法を提供する。【解決手段】予め光源に対する標準光学部品の相対位置毎に撮像した比較配光画像を含む配光画像情報群を生成し、検査対象光学部品に光を照射し、通過した光の様子を写し出した第1配光画像を第1光学部により撮像する(241)。第1配光画像と、配光画像情報群に含まれる比較配光画像の各々とを比較し(245)、第1配光画像と比較配光画像との類似度に基づいて、検査対象光学部品と前記光源とのずれ量を算出する(248)。ずれ量に基づいて、検査対象光学部品の前記光源に対する位置ずれを修正する(249)。位置ずれが修正された検査対象光学部品に光源から光を照射し、検査対象光学部品を通過した光の様子を写し出した第2配光画像を前記第1光学部により撮像し、第2配光画像に基づいて、検査対象光学部品の状態を判定する。【選択図】図12

Description

本発明は、検査方法、検査プログラム及び検査装置に関する。
従来、各種分野において、例えば、部品同士等、複数の対象物の位置合わせが要求される場合がある。この場合、例えば、撮像装置で撮像して得られる画像に基づいて位置計測を行うことが知られている。このような位置計測の高速度化を図り、精度を向上させる提案も種々されている。例えば、アライメントマークの計測の高速度化を図りつつ、マーク位置を高精度に計測する提案がされている(特許文献1参照)。
特開2007−324159号公報
ところで、組立や、検査を自動的に行う装置において、対象物を所定の位置に合わせる場合、その対象物が数ミリ程度以下であると、その位置合わせには、数十ミクロン程度の精度が要求されることがある。例えば、数ミリ程度以下の光学部品である光変調素子等が対象物となる場合、このような高精度の位置合わせが要求される。
一方、このような微小な光学部品を検査対象とし、その表面の傷や汚れ等の有無を検査する場合、直接観察による外観検査よりも、実際に、その光学部品が所望の機能を発揮できるか否かを検査した方が効率的である場合がある。すなわち、検査装置において実際に光学部品に光源から光を照射し、その光学部品を通過した光が所定の配光状態を実現しているか否かを判定することで、効率的に検査を実施することができる。
ここで、配光状態の判定は、以下の態様で実施することが考えられる。すなわち、光学部品を通過した光をスクリーンに照射することでこのスクリーンに写し出された配光を撮像装置で撮像し、その配光画像を分析することで配光状態を判定することが考えられる。スクリーンに写し出された配光画像を検査に伴う分析に供する場合、その精度を向上させるためには、一画素のサイズがスクリーンにおける照射領域に対して小さくなるようにして設定し、配光画像を撮像することが望ましい。例えば、寸法が数ミリ程度である光学部品に対して、スクリーンの寸法を数十センチ程度に設定することで、分析に適した配光画像を撮像することができる。
しかしながら、このような配光画像の分析は、光源と光学部品との位置合わせが高精度に行われていることが前提となる。
このような高精度な位置合わせを撮像装置で撮像した画像を用いて行う場合、その撮像には、配光画像を撮影する場合と比較して高倍率の光学系を用いることが必要となる。このため、検査に際しては、光源と検査対象となる光学部品との位置決めを行う位置決め用の光学系と、実際に検査を行うための撮像を行う検査用の光学系とを入れ替える作業が伴う。このような入れ替え作業は、検査対象となる光学部品が変わるたびに行わなければならず、手間がかかり、複数の光学部品を検査する際に長時間を要するという問題がある。
特許文献1は、アライメントマークの計測の高速度化を図りつつ、マーク位置を高精度に計測する提案であり、位置決め用の光学系と、検査用の光学系との入れ替えに伴う問題を解決するものとはなっていない。
1つの側面では、本発明は、光源と光学部品との高精度な位置決めを維持しつつ、短時間で光学部品の検査を行うことを目的とする。
1つの態様では、検査方法は、予め光源に対する標準光学部品の相対位置毎に撮像した比較配光画像を含む配光画像情報群を生成する工程と、検査対象光学部品に前記光源から光を照射し、前記検査対象光学部品を通過した光の様子を写し出した第1配光画像を第1光学部により撮像する工程と、前記第1配光画像と、前記配光画像情報群に含まれる前記比較配光画像の各々とを比較し、前記第1配光画像と前記比較配光画像との類似度に基づいて、前記検査対象光学部品と前記光源とのずれ量を算出する工程と、前記ずれ量に基づいて、前記検査対象光学部品の前記光源に対する位置ずれを修正する工程と、位置ずれが修正された前記検査対象光学部品に前記光源から光を照射し、前記検査対象光学部品を通過した光の様子を写し出した第2配光画像を前記第1光学部により撮像する工程と、前記第2配光画像に基づいて、前記検査対象光学部品の状態を判定する工程と、を含む。
また、別の態様では、検査プログラムは、検査対象光学部品に光源から光を照射し、前記検査対象光学部品を通過した光の様子を写し出した第1配光画像と、予め光源に対する標準光学部品の相対位置毎に撮像した比較配光画像を含む配光画像情報群に含まれる前記比較配光画像の各々とを比較し、前記第1配光画像と前記比較配光画像との類似度に基づいて、前記検査対象光学部品と前記光源とのずれ量を算出し、前記ずれ量に基づいて、前記検査対象光学部品の前記光源に対する位置ずれを修正し、位置ずれが修正された前記検査対象光学部品に前記光源から光を照射し、前記検査対象光学部品を通過した光の様子を写し出した第2配光画像に基づいて、前記検査対象光学部品の状態を判定する、処理をコンピュータに実行させる。
さらに、別の態様では、検査装置は、光源と、前記光源に照射される検査対象光学部品及び標準光学部品の前記光源に対する位置合わせを行う位置合わせ部と、前記検査対象光学部品を通過した前記光源の光の様子を写し出した第1配光画像と、前記標準光学部品を通過した前記光源の光の様子を写し出した比較配光画像とを撮像する第1光学部と、前記第1光学部よりも高倍率であり、前記光源と前記標準光学部品との位置関係を撮像する第2光学部と、前記第2光学部によって撮像された位置合わせ画像に基づいて前記位置合わせ部に前記光源と前記標準光学部品との位置合わせをさせ、前記位置合わせ部に前記標準光学部品の前記光源に対する相対位置を変化させ、前記光源に対する前記標準光学部品の相対位置毎に前記第1光学部によって撮像した前記比較配光画像を含む配光画像情報群を生成し、前記第1配光画像と配光画像情報群に含まれる前記比較配光画像の各々とを比較し、前記第1配光画像と前記比較配光画像との類似度に基づいて前記検査対象光学部品と前記光源とのずれ量を算出し、前記ずれ量に基づいて前記位置合わせ部に前記検査対象光学部品と前記光源との位置ずれを修正させ、位置ずれが修正された前記検査対象光学部品に前記光源から光を照射し、前記検査対象光学部品を通過した光の様子を写し出した第2配光画像を前記第1光学部により撮像させ、前記第2配光画像に基づいて、前記検査対象光学部品の状態を判定する制御部と、を含む。
光源と光学部品との高精度な位置決めを維持しつつ、短時間で光学部品の検査を行うことができる。
図1は第1光学部が設置された実施形態の検査装置を模式的に示す説明図である。 図2は検査対象となる光学部品の概略構成を示す説明図である。 図3は光学部品を保持するホルダの斜視図である。 図4は実施形態の検査装置が備える制御部のハードウェア構成を示す図である。 図5は配光画像の一例を示す説明である。 図6は光学部品の位置と配光画像及びそのプロファイルを示す説明図である。 図7は第2光学部が設置された実施形態の検査装置を模式的に示す説明図である。 図8は配光画像情報群の生成工程の一例を示すフローチャートである。 図9は配光画像情報群の一例を示す説明図である。 図10は配光画像情報群における座標の割り振りを示す説明図である。 図11は光学部品の検査工程の一例を示すフローチャートである。 図12は検査工程に含まれる位置合わせ処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図13は第1配光画像と一致した比較配光画像の一例を示す説明図である。 図14は第2実施形態において第1配光画像と比較配光画像との類似度の算出に用いられる特徴点を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては、説明の都合上、実際には存在する構成要素が省略されていたり、寸法が実際よりも誇張されて描かれていたりする場合がある。
(第1実施形態)
まず、図1乃至図7を参照しつつ、第1実施形態の検査装置1及び検査対象である光変調素子25の概略構成について説明する。図1は第1光学部が設置された実施形態の検査装置を模式的に示す説明図である。図2は検査対象となる光学部品の概略構成を示す説明図である。図3は光学部品を保持するホルダの斜視図である。図4は実施形態の検査装置が備える制御部のハードウェア構成を示す図である。図5は配光画像の一例を示す説明である。図6は光学部品の位置と配光画像及びそのプロファイルを示す説明図である。図7は第2光学部が設置された実施形態の検査装置を模式的に示す説明図である。
検査装置1は、検査対象である光変調素子25が所望の品質を備えているか否か、例えば、傷があったり、汚れていたりしないか否かを判定する。検査装置1は、実際に光変調素子25を通過した光をスクリーン13に照射し、これによりスクリーン13に写し出された配光を第1撮像装置11で撮像し、その配光画像を分析することで検査を行う。なお、光変調素子25は、位置合わせのために予め準備しておく比較配光画像を含む配光画像情報群を生成するときに用いられる標準光学部品である場合と、検査の対象となる検査対象光学部品である場合がある。これらについては、後に詳説する。
図1を参照すると、検査装置1は、第1光学部10、位置合わせ部20、照明部30、制御部としてのPC(Personal Computer)40を備える。第1光学部10は、図7に示すように第2光学部50と入れ替えることができる。
第1光学部10は、検査対象光学部品としての光変調素子25を通過した光源33の光の様子を写し出した第1配光画像と、標準光学部品としての光変調素子25を通過した光源33の光の様子を写し出した比較配光画像とを撮像する。第1光学部10は、第1撮像装置11を備える。第1撮像装置11には、第1レンズ12が装着されている。第1レンズ12の下方には、スクリーン13が配置されている。第1光学部10は、検査工程で用いられるのみではなく、検査対象光学部品としての光変調素子25の位置決めを行う際にも利用される。スクリーン13には、後に説明する光変調素子25を通過した光源33の光が照射され、比較配光画像、第1配光画像及び第2配光画像が写し出される。第1撮像装置11は、第1レンズ12を介して、これらの配光画像を撮像する。
位置合わせ部20は、光源33に照射される検査対象光学部品としての光変調素子25及び標準光学部品としての光変調素子25の光源33に対する位置合わせを行う。位置合わせ部20は、第1回転ステージ21、第2回転ステージ22及びXY移動ステージ23を備える。これらの各ステージは、光変調素子25を保持するホルダ24と接続されており、ホルダ24、ひいては、光変調素子25の位置を調整することができる。ここで、第1回転ステージ21は、後に説明する光源33と光変調素子25との位置合わせに用いられる。第1回転ステージ21によって光源33と光変調素子25との位置合わせが行われた状態における光変調素子25の位置が初期位置として設定される。初期位置には、XY座標と、XY平面内における回転座標が含まれる。第2回転ステージ22は、後に説明する比較配光画像を撮像するときに、光変調素子25の位置を順次変化させる。光変調素子25の位置を順次変化させるとき、第2回転ステージ22のXY座標(0,0)及び回転座標0°は、第1回転ステージ21の初期位置に一致させて設定されている。
なお、本実施形態では、第1回転ステージ21と第2回転ステージ22を備えているが、単一の回転ステージとしてもよい。単一の回転ステージとする場合、光源33と光変調素子との位置合わせが完了した位置の座標を基準となる原点、すなわち、XY座標(0,0)、回転座標0°に設定し、比較配光画像を撮像するときのXY座標を指定するようにすればよい。
XY移動ステージ23は、ホルダ24、すなわち、光変調素子25をXY平面内で移動させる。XY移動ステージ23は、比較配光画像を撮像する際に、光源33に対する光変調素子25の位置を変化させるときに用いる。また、XY移動ステージ23は、検査対象となる光変調素子25の位置ずれの修正にも用いる。
ホルダ24には、図2に示すような光変調素子25が保持される。光変調素子25は、矩形の透明板材の中心部に溝形成部25aが設けられている。光変調素子25は、光学部品の一例であり、本実施形態においては、DOE(Diffractive Optical Element;回折光学素子)である。溝形成部25aには、所望の効果を得ることができるように、複数の溝が形成されている。光変調素子25は、回折格子、回折格子アレイやレンズなど、利用に際して位置合わせが必要な素子を含む。
本実施形態では、まず、標準光学部品としての光変調素子25を準備する。標準光学部品としての光変調素子25は、位置合わせのために予め準備しておく比較配光画像を含む配光画像情報群を生成するときに用いられる。標準光学部品は、後に、検査対象となる光変調素子25の位置決めを行う際に、基準とされるマスターに認定された部品である。後の工程において、検査対象となる光変調素子25の位置決めを行う際に用いられる比較配光画像は、この標準光学部品としての光変調素子25を撮像することで得られる。
このため、標準光学部品としての光変調素子25は、傷や汚れがないことが保証された素子が選定される。標準光学部品として傷や汚れがないことを保証するためには、従来公知の手法を採用することができる。例えば、光変調素子25の外観検査によって、傷や汚れがないことを確認し、標準光学部品として認定してもよい。また、位置決め精度を担保することができる倍率を備えた光学部を用いて位置決めを行い、その後、光源によって光を照射し、所定の配光状態を実現していることを確認することで、標準光学部品として認定してもよい。他の光学部品を検査する場合にも、同様の要領で標準光学部品を認定し、比較配光画像を撮像する。
光変調素子25は、図3に示すようなホルダ24に保持される。ホルダ24は、矩形のブロックの中心部に透孔24aが設けられている。透孔24aには、光源33が照射する光が通過する。透孔24aの内周壁には、光変調素子25が載置され、保持する段差部24bが設けられている。段差部24bに光変調素子25が載置されることで、光変調素子25に光源33の光を通過させることができる。ホルダ24は、第1回転ステージ21、第2回転ステージ22及びXY移動ステージ23と接続されており、その位置を変化させることができる。
再び、図1を参照すると、照明部30は、固定状態とされた基板設置ジグ31を備える。基板設置ジグ31には、光源33が実装された基板32が固定されている。本実施形態における光源33は、LED(Light Emitting Diode)である。基板32には、電源34が電気的に接続されており、光源33が点灯できるようになっている。基板設置ジグ31は、ホルダ24の下側に設置されており、光源33によってホルダ24に保持された光変調素子25を照射する。
PC40は、制御部として機能する。PC40が、本実施形態の検査方法を実行する際に、検査装置1の各部の動作を制御する。図4を参照すると、PC40のハードウェア構成が概略的に示されている。図4に示すように、PC40は、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))44を備える。また、PC40は、入出力インターフェイス45、及び可搬型記憶媒体用ドライブ46等を備えている。これらPC40の構成各部は、バス48に接続されている。PC40では、ROM42あるいはHDD44に格納されているプログラム、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ46が可搬型記憶媒体47から読み取ったプログラムをCPU41が実行する。これにより、制御部としての機能が実現され、第1光学部10、位置合わせ部20、照明部30、さらには、後に説明する第2光学部50の動作が制御される。ここで、プログラムには検査プログラムが含まれる。
つぎに、図5を参照して、配光画像P0について説明する。配光画像P0は、標準光学部品としての光変調素子25を撮像した比較配光画像である場合、第1配光画像である場合、そして、第2配光画像である場合があるが、いずれの場合も、第1光学部10によって撮像される。比較配光画像は、光源33に対する標準光学部品としての光変調素子25の相対位置毎に配光を撮像した画像である。第1配光画像は、位置ずれ修正前の検査対象となる光変調素子25を撮像した画像である。第2配光画像は、位置ずれが修正され、品質の検査が実施される状態の光変調素子25を撮影した画像である。配光画像P0は、スクリーン13に写し出される。図5における160mm×200mmの寸法は、スクリーン13の寸法を表している。配光画像P0には、光変調素子25の溝形成部25aに対応する部分が配光部P0rとして明るく表示される。
ここで、図6を参照すると、光源33と光変調素子25との位置に応じて、異なる配光画像が得られることがわかる。図6において(a−1)、(b−1)及び(c−1)は、光変調素子25と光源33との相対位置を示している。(a−2)、(b−2)及び(c−2)は、(a−1)、(b−1)及び(c−1)に対応する配光画像を示している。(a−3)、(b−3)及び(c−3)は、(a−2)、(b−2)及び(c−2)に対応するプロファイルを示している。例えば、(a−1)のように、光変調素子25の中心部に対し、光源33が図面中左側にずれている場合、(a−2)に示すように、配光部P0rの右側が暗く写る。これは、(a−3)に示すプロファイルからも明らかである。(b−1)のように、光変調素子25の中心部と光源33とが一致していると、(b−2)に示すように、配光部P0rの全域が均等の明るさに写される。これは、(b−3)に示すプロファイルからも明らかである。(c−1)に示すように、光変調素子25の中心部に対し、光源33が図面中右側にずれている場合、(c−2)に示すように、配光部P0rの左側が暗く写る。これは、(c−3)に示すプロファイルからも明らかである。このように、光源33と光変調素子25との相対位置と、配光画像P0との間には、相関性が認められる。そこで、本実施形態では、光源33と光変調素子25との相対位置と、配光画像P0との間の相関性を利用して検査対象となる光変調素子25の光源33に対する位置ずれの修正を行う。
そこで、本実施形態では、まず、予め光源33に対する標準光学部品としての光変調素子25の相対位置毎に撮像した比較配光画像を含む配光画像情報群を生成する。ここで、比較配光画像を撮像するためには、光源33と標準光学部品としての光変調素子25との位置が一致していることが求められる。この位置合わせを行うために、図7に示すように、第2光学部50が用いられる。第2光学部50は、第1光学部10と交換して設置できるようになっている。第2光学部50は、第2撮像装置51を備える。第2撮像装置51には、第2レンズ52が装着されている。第2レンズ52は、第1光学部10が備える第1レンズ12よりも高倍率である。第2光学部50は、光源33と標準光学部品としての光変調素子25との位置関係を撮像する。第2光学部50は、検査装置1に含まれるが、比較配光画像を撮影する前提となる光源33と標準光学部品としての光変調素子25との位置合わせにのみ用いられる。すなわち、実際に検査対象となる光変調素子25の位置合わせ行う際には、使用されない。すなわち、検査対象となる光変調素子25が設置される度に第1光学部10との入れ替えが不要となる。この結果、短時間で光変調素子25の検査を行うことができる。なお、第2光学部50は、第1光学部10と異なり、スクリーン13を備えていない。
本実施形態の検査方法は、このような検査装置1を稼動させることで実施することができる。
ここで、図8に示すフローチャートを参照しつつ、配光画像情報群の生成について説明する。図8は配光画像情報群の生成工程の一例を示すフローチャートである。配光画像情報群は、光源33と光変調素子25とのずれ量を示す座標と、その座標における比較配光画像を組として記憶したデータである。
まず、ステップS1では、光源33、すなわち、基板32を基板設置ジグ31に取り付ける。そして、ステップS2で第2光学部50を取り付ける。なお、ステップS1とステップS2の順番は問わず、同時に行ってもよい。
ステップS3で、第2光学部50によって光源33を撮像し、光源33の位置を認識する。光源33の位置情報には、XY座標と回転座標とが含まれる。ステップS3に引き続き行うステップS4では、標準光学部品としての光変調素子25をホルダ24に設置する。そして、ステップS5において、第1回転ステージ21及びXY移動ステージ23によって光変調素子25の位置調整を行い、光源33と光変調素子25との位置合わせを行う。これにより、光源33が光変調素子25の直下に位置する状態となる。このように光源33との位置合わせが行われた光変調素子25のXY座標及び回転座標が初期位置に設定され、XY座標(0,0)及び回転座標0°として記憶される。第2光学部50は、第1光学部10と比較して高倍率である第2レンズ52を備えており、このような第2レンズ52を介して撮像された画像に基づいて光源33と標準光学部品としての光変調素子25との位置合わせが行われる。
このように、配光画像情報群を生成するためには、まず、第1光学部10よりも高倍率である第2光学部50によって、光源33と標準光学部品としての光変調素子25の位置合わせを行う。そして、ステップS6〜ステップS11において、標準光学部品としての光変調素子25の光源33に対する相対位置を変化させつつ、第1光学部10によって相対位置毎に比較配光画像を撮像する。
具体的に、ステップS6において、第2光学部50と入れ替えて、第1光学部10が取り付けられる。ステップS7では、光変調素子25を初期位置、すなわち、光源33との位置合わせが行われた位置へ移動する。なお、すでに、初期位置へ位置している場合には、その確認を行うのみで、格別の移動動作は不要である。
ステップS7に引き続き行われるステップS8では、PC40の指示に基づいて、第1光学部10によって比較配光画像を撮像する。そして、ステップS9において、その比較配光画像を、そのときのXY座標(0,0)と共にデータ保存する。
ステップS10では、PC40は、終了位置に到達し、全ての座標について、比較配光画像の撮像が完了したか否かを判断する。ステップS10でNoと判断したときは、ステップS11へ進み、位置合わせ部20は、光変調素子25を次の座標位置へ移動させる。光変調素子25の座標の移動は、X座標又はY座標を一つずつずらすことによって行う。ステップS11で座標位置を移動した後は、ステップS8〜ステップS10の処理を繰り返す。これにより、座標毎の比較配光画像が撮像され、記憶される。座標は、光源33と光変調素子25との相対位置を示していることから、光源33に対する標準光学部品としての光変調素子25の相対位置毎に撮像した比較配光画像が得られる。
ステップS10でYesと判定したときは、一連の処理は終了となる。この段階で、光源33に対する標準光学部品としての光変調素子25のすべての相対位置毎に撮像した比較配光画像を含む配光画像情報群の生成が完了する。ここで、図9を参照して、配光画像情報群の一例について説明する。配光画像情報群は、XY座標毎に、そのXY座標と、そのXY座標における比較配光画像とが紐づけられたデータとなっている。なお、本実施形態におけるXY座標は、図10に示すように、中心XY座標を(0,0)とし、その中心座標(0,0)からX方向にどれだけ離れているか、さらに、Y方向にどれだけ離れているかによって表現されている。離れる方向については、X方向、Y方向のそれぞれについて+(プラス)と−(マイナス)で表現されている。
このような配光画像情報群は、後に検査対象となる光変調素子25の位置合わせに用いられる。すなわち、配光画像情報は、一度取得できれば、それ以後は、繰り返し利用されるものであり、光変調素子25の実際の検査を行う前に生成されていればよい。
つぎに、図11を参照して、光変調素子25の検査について説明する。図11は光学部品の検査工程の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS21で、検査対象となる光変調素子25をホルダ24に設置する。そして、位置合わせ部20によってホルダ24、すなわち、光変調素子25を初期位置へ移動させる。そして、ステップS23で光源33を点灯させ、ステップS24において、光源33と光変調素子25との位置合わせ処理を行う。ステップS24の位置合わせ処理については、サブルーチンとなっているため、後に詳説する。
ステップS24において位置合わせ処理が完了した後は、PC40は、ステップS25で光変調素子25の検査を行う。ステップS25では、第2配光画像を撮像する。第2配光画像は、光源33と光変調素子25との位置合わせが行われた状態で撮像されたものである。このような第2配光画像をステップS26において、画像処理を行い、その結果に基づいて、ステップS27で光変調素子25が所望の品質を維持しているか否か、すなわち、傷や汚れがないかを判定し、その結果をPC40に表示する。なお、ステップS26における画像処理は、従来、公知の手法を用いることができる。本実施形態では、マッチング処理を行って、所望の画像となっているか否かを判定している。
ここで、ステップS24の位置合わせ処理を実行するためのサブルーチンにつき、図12を参照して説明する。図12は検査工程に含まれる位置合わせ処理のサブルーチンを示すフローチャートである。ステップS241では、PC40の指令に基づいて、検査対象光学部品としての光変調素子25に光源33から光を照射し、その光変調素子25を通過した光の様子を写し出した第1配光画像を撮像する。第1配光画像は第1光学部10によって撮像される。
ステップS241に引き続いて行われるステップS242では、第1配光画像の画像中心を維持して画像の切り出しを行う。そして、ステップS243では、切り出した画像をテンプレート画像として登録する。このように切り出した画像をテンプレート登録するのは、以後の処理で行われる類似度の判定の精度を向上させるためである。すなわち、余分な領域を削除した上で類似度を判定することで、より特徴的な部分の類似度を際立たせ、判定精度を向上させるためである。
ステップS244では、配光画像情報群の中から、比較配光画像を選択する。具体的に、順次、XY座標を呼び出し、そのXY座標に紐づけられている比較配光画像を呼び出す。そして、ステップS245では、選択した比較配光画像と切り出された第1配光画像とのテンプレートマッチングを行う。これにより、両者の類似度を算出する。ステップS245に引き続いて行うステップS246では、算出した類似度の最大値とその位置、すなわち、XY座標を保存する。
ステップS247では、PC40は、選択している比較配光画像のXY座標が終了位置に到達したか否か、すなわち、全ての比較配光画像と、第1配光画像との類似度の算出が完了したか否かを判定する。ステップS247でNoと判定したときは、ステップS244で選択する比較配光画像を変更し、ステップS246までの処理を繰り返す。
ステップS247でYesと判定したときは、ステップS248へ進む。ステップS248では、全ての比較配光画像の中から、最も類似度が高い比較配光画像を選び出し、その比較配光画像のXY座標を、第1配光画像として撮像された光変調素子25の原点からのずれ量として決定する。そして、ステップS249では、そのずれ量に基づいて、位置ずれを修正する。例えば、図13に示すように、XY座標(−6,6)と紐づけられた比較配光画像が最大の類似度を示した場合、第1配光画像として撮像された光変調素子25は、XY座標(−6,6)に位置していると判定される。このため、PC40は、位置合わせ部20に指令を発し、XY座標(−6,6)に位置している光変調素子25が原点と一致するように、位置ずれを修正する。
以上の工程を経ることにより、検査対象光学部品としての光変調素子25の位置合わせが完了する。位置合わせが完了した後は、図11に示すフローチャートにおけるステップS25〜ステップS27へ移行し、光変調素子25の検査を行う。
以上のように、検査対象光学部品としての光変調素子25の検査において、光源33との位置合わせを行うときには、配光画像情報群を用いた類似度に基づいて位置合わせを実施する。従って、検査工程において、第2光学部50が用いられることはなく、第1光学部10と第2光学部50とを入れ替える工程も不要である。この結果、光源33と光変調素子25との高精度な位置決めを維持しつつ、短時間で光変調素子25の検査を行うことができる。複数の光変調素子25を連続して検査するような場合、時間短縮の効果は、より顕著なものとなる。
(第2実施形態)
つぎに、第2実施形態につき、図14を参照しつつ説明する。図14は第2実施形態において第1配光画像と比較配光画像との類似度の算出に用いられる特徴点を示す説明図である。
第1実施形態では、第1配光画像と選択した比較配光画像との類似度をテンプレートマッチングによって算出していた。これに対し、本実施形態では、比較配光画像及び第1配光画像について、それぞれ階調値の分布を示すプロファイル画像を作成し、このプロファイル画像における特徴点の一致度に基づいて類似度を算出する。具体的に、図14を参照すると、特徴点として、階調値の分布に基づく近似直線の傾きを採用する。図14における(a−1)は、光変調素子25の位置が光源33の中心と一致しているときの配光画像を示している。そして、(a−2)は、この配光画像の階調値の分布を示すプロファイル画像である。(a−2)に示すプロファイル画像を参照すると、配光部P0rに対応する位置におけるX方向に沿う階調値の推移は、概ね水平となっている。
これに対し、(b−1)は、光変調素子25がX方向に沿って−100μmずれているときの配光画像を示している。そして、(b−2)は、この配光画像の階調値の分布を示すプロファイル画像である。(b−2)に示すプロファイル画像を参照すると、配光部P0rに対応する位置におけるX方向に沿う階調値の推移を示す近似直線は、傾いている。X方向に対するその傾きは、θbである。
さらに、(c−1)は、光変調素子25がX方向に沿って−200μmずれているときの配光画像を示している。そして、(c−2)は、この配光画像の階調値の分布を示すプロファイル画像である。(c−2)に示すプロファイル画像を参照すると、配光部P0rに対応する位置におけるX方向に沿う階調値の推移を示す近似直線は、傾いている。X方向に対するその傾きは、θcである。ここで、θc>θbである。
すなわち、中心点からのずれ量が大きくなるほど、近似直線の傾きθは大きくなる。この関係に着目すれば、近似直線の傾きから、光源33と光変調素子25とのずれ量を把握することができる。このような近似直線の傾きを用いてずれ量を把握した後は、第1実施形態と同様に位置ずれを修正し、光変調素子25の検査を行うことができる。従って、このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様に、光源33と光変調素子25との高精度な位置決めを維持しつつ、短時間で光変調素子25の検査を行うことができる。
なお、第1実施形態及び第2実施形態における上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
1 検査装置
10 第1光学部
11 第1撮像装置
12 第1レンズ
13 スクリーン
20 位置合わせ部
21 第1回転ステージ
22 第2回転ステージ
23 XY移動ステージ
25 光変調素子
30 照明部
31 基板設置ジグ
32 基板
33 光源
40 PC
50 第2光学部
51 第2撮像装置
52 第2レンズ
P0 配光画像
P0r 配光部

Claims (7)

  1. 予め光源に対する標準光学部品の相対位置毎に撮像した比較配光画像を含む配光画像情報群を生成する工程と、
    検査対象光学部品に前記光源から光を照射し、前記検査対象光学部品を通過した光の様子を写し出した第1配光画像を第1光学部により撮像する工程と、
    前記第1配光画像と、前記配光画像情報群に含まれる前記比較配光画像の各々とを比較し、前記第1配光画像と前記比較配光画像との類似度に基づいて、前記検査対象光学部品と前記光源とのずれ量を算出する工程と、
    前記ずれ量に基づいて、前記検査対象光学部品の前記光源に対する位置ずれを修正する工程と、
    位置ずれが修正された前記検査対象光学部品に前記光源から光を照射し、前記検査対象光学部品を通過した光の様子を写し出した第2配光画像を前記第1光学部により撮像する工程と、
    前記第2配光画像に基づいて、前記検査対象光学部品の状態を判定する工程と、
    を含む検査方法。
  2. 前記配光画像情報群は、前記第1光学部よりも高倍率である第2光学部によって、前記光源と前記標準光学部品の位置合わせを行った後、前記標準光学部品の前記光源に対する相対位置を変化させつつ、前記第1光学部によって前記相対位置毎に前記比較配光画像を撮像して生成する請求項1に記載の検査方法。
  3. 前記類似度は、前記比較配光画像と前記第1配光画像とのテンプレートマッチングにより算出する請求項1又は2に記載の検査方法。
  4. 前記類似度は、前記比較配光画像及び前記第1配光画像について、それぞれ階調値の分布を示すプロファイル画像を作成し、前記プロファイル画像における特徴点の一致度に基づいて算出する請求項1又は2に記載の検査方法。
  5. 前記特徴点は、前記階調値の分布に基づく近似直線の傾きである請求項4に記載の検査方法。
  6. 検査対象光学部品に光源から光を照射し、前記検査対象光学部品を通過した光の様子を写し出した第1配光画像と、予め光源に対する標準光学部品の相対位置毎に撮像した比較配光画像を含む配光画像情報群に含まれる前記比較配光画像の各々とを比較し、
    前記第1配光画像と前記比較配光画像との類似度に基づいて、前記検査対象光学部品と前記光源とのずれ量を算出し、
    前記ずれ量に基づいて、前記検査対象光学部品の前記光源に対する位置ずれを修正し、
    位置ずれが修正された前記検査対象光学部品に前記光源から光を照射し、前記検査対象光学部品を通過した光の様子を写し出した第2配光画像に基づいて、前記検査対象光学部品の状態を判定する、
    処理をコンピュータに実行させる検査プログラム。
  7. 光源と、
    前記光源に照射される検査対象光学部品及び標準光学部品の前記光源に対する位置合わせを行う位置合わせ部と、
    前記検査対象光学部品を通過した前記光源の光の様子を写し出した第1配光画像と、前記標準光学部品を通過した前記光源の光の様子を写し出した比較配光画像とを撮像する第1光学部と、
    前記第1光学部よりも高倍率であり、前記光源と前記標準光学部品との位置関係を撮像する第2光学部と、
    前記第2光学部によって撮像された位置合わせ画像に基づいて前記位置合わせ部に前記光源と前記標準光学部品との位置合わせをさせ、前記位置合わせ部に前記標準光学部品の前記光源に対する相対位置を変化させ、前記光源に対する前記標準光学部品の相対位置毎に前記第1光学部によって撮像した前記比較配光画像を含む配光画像情報群を生成し、前記第1配光画像と配光画像情報群に含まれる前記比較配光画像の各々とを比較し、前記第1配光画像と前記比較配光画像との類似度に基づいて前記検査対象光学部品と前記光源とのずれ量を算出し、前記ずれ量に基づいて前記位置合わせ部に前記検査対象光学部品と前記光源との位置ずれを修正させ、位置ずれが修正された前記検査対象光学部品に前記光源から光を照射し、前記検査対象光学部品を通過した光の様子を写し出した第2配光画像を前記第1光学部により撮像させ、前記第2配光画像に基づいて、前記検査対象光学部品の状態を判定する制御部と、
    を含む検査装置。
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