JP2019045056A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転周波数が低い低周波数領域で圧縮機を運転する場合に、高圧圧力に対する圧縮機の保護を確保しつつ冷媒回路の高圧圧力の許容範囲が広がった利便性の高い冷凍装置を提供する。【解決手段】冷媒回路2は、循環する冷媒が蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって低圧圧力の状態と高圧圧力の状態になる。圧縮機36は、冷媒回路の中に設置され、運転周波数を変更可能に構成されている。圧縮機36を所定周波数以下の低周波数領域で運転する場合に、高圧圧力に対する圧縮機36の保護のために低圧圧力に基づいた圧縮機36の運転周波数の制御を行う。【選択図】図1
Description
本発明は、冷凍装置、特に圧縮機を用いて冷凍サイクルが行われる冷凍装置に関する。
従来から、圧縮機などの保護のために、冷凍装置に使用される圧縮機においては許容される吐出圧力が予め設定されている。運転周波数を変更することによって容量を変更可能な圧縮機においては、例えば特許文献1(特開2000−55485号公報)に記載されているように、許容される吐出圧力が運転周波数に応じて設定されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている冷凍装置である空気調和機の制御ように、従来は、圧縮機の運転周波数と圧縮機の吐出圧力との関係に着目して、許容される吐出圧力が決められてきたため、運転周波数が低い低周波数領域では圧縮機の吐出圧力が低く抑えられる傾向にあった。従って、小さな室内熱交換器が接続された場合には、圧縮機の運転周波数を下げると、許容される吐出圧力を超えてしまって頻繁に圧縮機が停止するという問題があった。
本発明の課題は、運転周波数が低い低周波数領域で圧縮機を運転する場合に、高圧圧力に対する圧縮機の保護を確保しつつ冷媒回路の高圧圧力の許容範囲が広がった利便性の高い冷凍装置を提供することである。
本発明の第1観点に係る冷凍装置は、循環する冷媒が蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって低圧圧力の状態と高圧圧力の状態になる冷媒回路と、冷媒回路の中に設置され、運転周波数を変更可能に構成されている圧縮機とを備え、圧縮機を所定周波数以下の低周波数領域で運転する場合に、高圧圧力に対する圧縮機の保護のために低圧圧力に基づいた圧縮機の運転周波数の制御を行う。
第1観点に係る冷凍装置によれば、圧縮機を低周波数領域で運転する場合に、高圧圧力に対する圧縮機の保護のために低圧圧力に基づいた圧縮機の運転周波数の制御を行うことから、例えば低圧圧力とは無関係に高圧圧力と運転周波数との関係で下限運転周波数を決めて下限運転周波数以上で運転していた従来の技術に比べて、低圧圧力に基づいた運転周波数の制御が行われるため低周波数領域において許容できる高圧圧力を高く設定することができる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置は、第1観点に係る冷凍装置であって、圧縮機の運転周波数と低圧圧力とを用いて得られる所定圧力閾値よりも高圧圧力が高くなる場合に圧縮機の運転周波数の上限値を小さくする、ものである。
第2観点に係る冷凍装置によれば、圧縮機の運転周波数と低圧圧力とを用いて得られる所定圧力閾値よりも高圧圧力が高くなる場合に圧縮機の運転周波数の上限値を小さくすることから、上限値を簡単に調整して高圧圧力が過大になるのを簡単且つ確実に抑制することができる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置は、第1観点または第2観点に係る冷凍装置であって、冷媒回路の中に設置されている第1利用側熱交換器を収容する第1利用側ユニットと、冷媒回路の中に設置されている第2利用側熱交換器を収容する第2利用側ユニットと、冷媒回路の中に設置されている熱源側熱交換器、第1膨張弁及び第2膨張弁、並びに圧縮機を収容し、圧縮機から熱源側熱交換器の後に第1膨張弁を通って第1利用側熱交換器に冷媒が流れるとともに圧縮機から熱源側熱交換器の後に第2膨張弁を通って第2利用側熱交換器に冷媒が流れるように接続されている熱源側ユニットとをさらに備える、ものである。
第3観点に係る冷凍装置によれば、圧縮機が第1利用側熱交換器と第2利用側熱交換器の両方に流れる冷媒を圧縮するために圧縮機の容量が大きくなることから、高圧圧力が高くなり易いので、低周波数領域において許容できる高圧圧力を高く設定することによるメリットを享受できるケースが多くなる。
本発明の第4観点に係る冷凍装置は、第3観点に係る冷凍装置であって、第1利用側熱交換器の蒸発温度を検出するための第1温度センサと、第2利用側熱交換器の蒸発温度を検出するための第2温度センサと、熱源側熱交換器の凝縮温度を検出するための第3温度センサとをさらに備え、高圧圧力の代わりにサーモオン状態の第1利用側熱交換器と第2利用側熱交換器の蒸発温度のうちの温度の低い方を用いるとともに低圧圧力の代わりに凝縮温度を用いて制御を行う、ものである。
第4観点に係る冷凍装置によれば、低周波数領域の制御を従来に対して変更するために第1温度センサ、第2温度センサ及び第3温度センサを用いることができ、この制御のために従来の構成に対して付加する機材が少なくて済む。
本発明の第5観点に係る冷凍装置は、第1観点または第2観点に係る冷凍装置であって、冷媒回路の中に設置されている第1利用側熱交換器を収容する第1利用側ユニットと、冷媒回路の中に設置されている第2利用側熱交換器を収容する第2利用側ユニットと、冷媒回路の中に設置されている熱源側熱交換器、第1膨張弁及び第2膨張弁、並びに圧縮機を収容し、第1利用側熱交換器から第1膨張弁の後に熱源側熱交換器を通って圧縮機に冷媒が流れるとともに第2利用側熱交換器から第2膨張弁の後に熱源側熱交換器を通って圧縮機に冷媒が流れるように接続されている熱源側ユニットとをさらに備える、ものである。
第5観点に係る冷凍装置によれば、圧縮機が第1利用側熱交換器と第2利用側熱交換器の両方に流れる冷媒を圧縮するために圧縮機の容量が大きくなることから、高圧圧力が高くなり易いので、低周波数領域において許容できる高圧圧力を高く設定することによるメリットを享受できるケースが多くなる。
本発明の第6観点に係る冷凍装置は、第5観点に係る冷凍装置であって、第1利用側熱交換器の凝縮温度を検出するための第1温度センサと、第2利用側熱交換器の凝縮温度を検出するための第2温度センサと、熱源側熱交換器の蒸発温度を検出するための第3温度センサとをさらに備え、高圧圧力の代わりに蒸発温度を用いるとともに低圧圧力の代わりにサーモオン状態の第1利用側熱交換器と第2利用側熱交換器の凝縮温度のうちの温度の高い方を用いて制御を行う、ものである。
第6観点に係る冷凍装置によれば、低周波数領域の制御を従来に対して変更するために第1温度センサ、第2温度センサ及び第3温度センサを用いることができ、この制御のために従来の構成に対して付加する機材が少なくて済む。
本発明の第7観点に係る冷凍装置は、第3観点から第6観点に係る冷凍装置であって、第1利用側熱交換器の容積が圧縮機のシリンダ容積の20倍以下である、ものである。
第7観点に係る冷凍装置によれば、第1利用側熱交換器の容積が圧縮機のシリンダ容積の20倍以下であることにより、大容量の圧縮機に能力の小さな第1利用側ユニットを接続することができる。
本発明の第8観点に係る冷凍装置は、第7観点に係る冷凍装置であって、第1利用側熱交換器の熱交容積を圧縮機のシリンダ容積で除して圧縮機の最小運転周波数を掛けた値が100よりも小さい、ものである。
第8観点に係る冷凍装置によれば、第1利用側熱交換器の熱交容積を圧縮機のシリンダ容積で除して圧縮機の最小運転周波数を掛けた値が100よりも小さいことにより、圧縮機が最小運転周波数に近い運転周波数で運転される場合に高圧圧力が高くなり易く、高圧圧力の許容範囲を広げるメリットを享受することのできるケースが多くなる。
本発明の第9観点に係る冷凍装置は、第1観点から第8観点のいずれかに係る冷凍装置であって、制御は、高圧圧力と低圧圧力との差圧が高低差圧制限値を超えない範囲で行われる、ものである。
第9観点に係る冷凍装置によれば、高圧圧力と低圧圧力との差圧が高低差圧制限値を超えない範囲で運転周波数の制御が行われるので、圧縮機の保護を十分に図ることができる。
第1観点、第3観点、第5観点、第8観点または第9観点に係る冷凍装置では、高圧圧力に対する圧縮機の保護を確保しつつ冷媒回路の高圧圧力の許容範囲を広げて利便性を向上させることができる。
第2観点に係る冷凍装置では、高圧圧力に対する圧縮機の保護を確実に行いつつ冷媒回路の高圧圧力の許容範囲を広げるために低周波数領域の制御を変更するコストの上昇を抑えることができる。
第4観点または第6観点に係る冷凍装置では、低周波数領域の制御を従来に対して変更することにともなうコストの上昇を抑えることができる。
第7観点に係る冷凍装置では、冷凍装置の用途を広げることができる。
(1)冷凍装置の構成の概要
本発明の一実施形態に係る冷凍装置の例として空気調和装置1の冷媒回路を、図1に示す。空気調和装置1は、多室型空気調和装置であって、1つの熱源側ユニットである室外機19に対して、複数の利用側ユニットである室内機11,12,13,14が並列に接続される構成である。そして、各室内機11〜14は、それぞれ異なる部屋6,7,8,9に設置されている。
本発明の一実施形態に係る冷凍装置の例として空気調和装置1の冷媒回路を、図1に示す。空気調和装置1は、多室型空気調和装置であって、1つの熱源側ユニットである室外機19に対して、複数の利用側ユニットである室内機11,12,13,14が並列に接続される構成である。そして、各室内機11〜14は、それぞれ異なる部屋6,7,8,9に設置されている。
室外機19は、圧縮機36、アキュムレータ37、四路切換弁38、熱源側熱交換器である室外熱交換器35、膨張弁31,32,33,34、及び熱源側ファンである室外ファン39を収容している。室内機11は、利用側熱交換器である室内熱交換器21及び利用側ファンである室内ファン51を収容しており、同様に室内機12,13,14は、室内熱交換器22,23,24及び室内ファン52,53,54を収容している。
圧縮機36は、後述する制御部40によって運転周波数の制御ができるように構成されている。圧縮機36の運転周波数(Hz)は、圧縮機36の1秒間あたりの回転数(s−1)と言い換えることもできる。ここで、圧縮機36は、冷凍サイクルの低圧の冷媒を圧縮して高圧の冷媒を吐出する機器である。圧縮機36は、インバータにより運転周波数制御が可能な圧縮機用モータ36aによって回転駆動される容積式圧縮機である。圧縮機36は、例えばロータリー圧縮機またはスイング圧縮機であり、シリンダ容積が例えば10〜50cm3である。圧縮機36を駆動するモータは、最小運転周波数が例えば1〜50Hzである。
室外ファン39は、制御部40によって回転数制御が可能な室外ファン用モータ39aにより駆動される。室外ファン39は、例えばプロペラファンであり、回転数を変えることによって風量を変更できるように構成されている。膨張弁31〜34は、制御部40によってそれぞれの弁開度が個別に変更されるように制御される。室内ファン51,52,53,54は、制御部40によって回転数制御が可能な室内ファン用モータ51a,52a,53a,54aによりそれぞれが駆動される。室内ファン51〜54は、例えば遠心ファンまたは多翼ファンであり、回転数を変えることによって風量を変更できるように構成されている。
室内熱交換器21〜24の各容積は、部屋6〜9の状況(例えば室内空間の体積など)に適したものが用いられ、例えば50〜1000cm3である。
空気調和装置1の冷媒回路2は、圧縮機36、アキュムレータ37、四路切換弁38、室外熱交換器35、膨張弁31〜34、室内熱交換器21〜24が接続されて構成されている。
冷媒経路r1を流れる冷媒は、圧縮機36と室内熱交換器21と膨張弁31と室外熱交換器35と四路切換弁38とアキュムレータ37を流れる。冷媒経路r2を流れる冷媒は、圧縮機36と室内熱交換器22と膨張弁32と室外熱交換器35と四路切換弁38とアキュムレータ37を流れる。冷媒経路r3を流れる冷媒は、圧縮機36と室内熱交換器23と膨張弁33と室外熱交換器35と四路切換弁38とアキュムレータ37を流れる。冷媒経路r4を流れる冷媒は、圧縮機36と室内熱交換器24と膨張弁34と室外熱交換器35と四路切換弁38とアキュムレータ37を流れる。
冷媒経路r1〜r4では、それぞれに蒸気圧縮式の冷凍サイクルが実施される。この冷媒回路2を循環する冷媒としては、例えば、地球温暖化係数が小さい単一冷媒のR32(組成は、HFC−32が100%)が用いられている。
また、四路切換弁38と室内熱交換器21〜24との間は、ガス冷媒配管17により接続され、膨張弁31〜34と室内熱交換器21〜24との間は、液冷媒配管18により接続される。
また、空気調和装置1は、例えばサーミスタからなる多くの温度センサを備えている。室外温度センサ97は、室外機19が設置されている室外空間の外気温度を検知する。吐出管温度センサ90は、圧縮機36の吐出配管に取り付けられ、圧縮機36から吐出される冷媒の吐出温度Toを検出する。暖房運転時に蒸発温度を検知する室外熱交温度センサ95は、熱源側熱交換器である室外熱交換器35に取り付けられ、暖房運転時の蒸発温度Teを検出する。室内熱交温度センサ91,92,93,94は、室内熱交換器21,22,23,24に取り付けられ、暖房運転時の凝縮温度Tc1〜Tc4を検出する。液管温度センサ81,82,83,84は、室外熱交換器35から分岐して室内熱交換器21〜24へと延びる液冷媒配管18の各部18a,18b,18c,18dに取り付けられ、液管温度Tl1〜Tl4を検出する。室内温度センサ61〜64は、室内機11〜14にそれぞれ取り込まれる室内空気の温度である室内温度Tr1〜Tr4を検知するように、それぞれが対応する室内機11〜14内に配置されている。ガス管温度センサ71〜74は、四路切換弁38から分岐して室内熱交換器21〜24へと延びるガス冷媒配管17の各部17a,17b,17c,17dに取り付けられる。これら温度センサの検出値に基づき、制御部40が空気調和装置1の動作を制御する。
(2)動作
(2−1)冷房時の冷媒の流れ
次に空気調和装置1の動作の概略を説明する。冷房運転時は、四路切換弁38が図1において実線で示す状態に保持される。圧縮機36から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四路切換弁38を介して室外熱交換器35に流入し、室外ファン39により供給される外気と室外熱交換器35で熱交換して凝縮・液化する。液化した冷媒は、膨張弁31〜34で減圧され、室内ファン51〜54により供給される室内空気と室内熱交換器21〜24でさらに熱交換して蒸発する。冷媒の蒸発によって冷却された室内空気は、室内ファン51〜54によってそれぞれの部屋6〜9へと吹き出され、部屋6〜9を冷房する。また、室内熱交換器21〜24で蒸発して気化した冷媒は、ガス冷媒配管17を通って室外機19に戻り、四路切換弁38及びアキュムレータ37を経て圧縮機36に吸い込まれる。
(2−1)冷房時の冷媒の流れ
次に空気調和装置1の動作の概略を説明する。冷房運転時は、四路切換弁38が図1において実線で示す状態に保持される。圧縮機36から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四路切換弁38を介して室外熱交換器35に流入し、室外ファン39により供給される外気と室外熱交換器35で熱交換して凝縮・液化する。液化した冷媒は、膨張弁31〜34で減圧され、室内ファン51〜54により供給される室内空気と室内熱交換器21〜24でさらに熱交換して蒸発する。冷媒の蒸発によって冷却された室内空気は、室内ファン51〜54によってそれぞれの部屋6〜9へと吹き出され、部屋6〜9を冷房する。また、室内熱交換器21〜24で蒸発して気化した冷媒は、ガス冷媒配管17を通って室外機19に戻り、四路切換弁38及びアキュムレータ37を経て圧縮機36に吸い込まれる。
上記のように、冷房運転においては、室内熱交換器21〜24(利用側熱交換器の例)が冷媒の蒸発器として機能して部屋6〜9の内部の室内空気を冷やし、室外熱交換器35(熱源側熱交換器の例)が冷媒の放熱器として機能する。
(2−2)暖房時の冷媒の流れ
暖房運転時は、四路切換弁38が図1において破線で示す状態に保持される。圧縮機36から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四路切換弁38を介して各室内機11〜14の室内熱交換器21〜24に流入し、室内ファン51〜54により供給される室内空気と室内熱交換器21〜24で熱交換して凝縮・液化する。冷媒の凝縮によって加熱された室内空気は、室内ファン51〜54によってそれぞれの部屋6〜9へと吹き出され、部屋6〜9を暖房する。室内熱交換器21〜24において液化した冷媒は、液冷媒配管18を通って室外機19に戻る。室外機19に戻った冷媒は、膨張弁31〜34で減圧され、室外ファン39により供給される室外空気と室外熱交換器35でさらに熱交換して蒸発する。室外熱交換器35で蒸発して気化した冷媒は、四路切換弁38及びアキュムレータ37を経て圧縮機36に吸い込まれる。
暖房運転時は、四路切換弁38が図1において破線で示す状態に保持される。圧縮機36から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四路切換弁38を介して各室内機11〜14の室内熱交換器21〜24に流入し、室内ファン51〜54により供給される室内空気と室内熱交換器21〜24で熱交換して凝縮・液化する。冷媒の凝縮によって加熱された室内空気は、室内ファン51〜54によってそれぞれの部屋6〜9へと吹き出され、部屋6〜9を暖房する。室内熱交換器21〜24において液化した冷媒は、液冷媒配管18を通って室外機19に戻る。室外機19に戻った冷媒は、膨張弁31〜34で減圧され、室外ファン39により供給される室外空気と室外熱交換器35でさらに熱交換して蒸発する。室外熱交換器35で蒸発して気化した冷媒は、四路切換弁38及びアキュムレータ37を経て圧縮機36に吸い込まれる。
上記のように、暖房運転においては、室内熱交換器21〜24が冷媒の放熱器として機能して部屋6〜9の内部の室内空気を暖め、室外熱交換器35が冷媒の蒸発器として機能する。
(3)制御
(3−1)
図2には、空気調和装置1の制御系統の概要が示されている。制御部40は、室内制御装置41〜44と室外制御装置45とを含んでいる。具体的には、室外機19の電装品ボックス(図示せず)の中の制御基板(室外制御装置45に対応)および室内機11〜14の電装品ボックス(図示せず)の中の制御基板(室内制御装置41〜44に対応)が接続されて制御部40が構成されている。室内制御装置41〜44は、CPU41a〜44a及びメモリ41b〜44bを含んで構成されている。また、室外制御装置45は、CPU45a、メモリ45b及びタイマ45cを含んで構成されている。メモリ41b〜45bには、室内機11〜14及び室外機19を制御するためのプログラム及びデータが記述されている。CPU41a〜45aは、メモリ41b〜45bに記述されているプログラムを実行することにより、各機器を制御するための信号を生成する。さらに、室内機11〜14には、ユーザが操作入力するリモートコントローラ111〜114の指令を受け付ける受信部、空調空気の吹出方向を変えるモータのドライバ、及び運転モードなどを表示する表示部などが設けられている。
(3−1)
図2には、空気調和装置1の制御系統の概要が示されている。制御部40は、室内制御装置41〜44と室外制御装置45とを含んでいる。具体的には、室外機19の電装品ボックス(図示せず)の中の制御基板(室外制御装置45に対応)および室内機11〜14の電装品ボックス(図示せず)の中の制御基板(室内制御装置41〜44に対応)が接続されて制御部40が構成されている。室内制御装置41〜44は、CPU41a〜44a及びメモリ41b〜44bを含んで構成されている。また、室外制御装置45は、CPU45a、メモリ45b及びタイマ45cを含んで構成されている。メモリ41b〜45bには、室内機11〜14及び室外機19を制御するためのプログラム及びデータが記述されている。CPU41a〜45aは、メモリ41b〜45bに記述されているプログラムを実行することにより、各機器を制御するための信号を生成する。さらに、室内機11〜14には、ユーザが操作入力するリモートコントローラ111〜114の指令を受け付ける受信部、空調空気の吹出方向を変えるモータのドライバ、及び運転モードなどを表示する表示部などが設けられている。
図2に示すように、制御部40には、上述の各温度センサの検出値が入力され、これらの値に基づいて冷房運転や暖房運転の制御が行われる。
(3−2)冷房運転制御
制御部40は、停止状態から圧縮機36を起動して冷房運転を始めるときの起動制御、起動後の冷媒状態が安定した通常冷房運転状態における膨張弁31〜34の弁開度調整のための目標吐出管温度制御及び過熱度制御、通常冷房運転状態における圧縮機36の容量制御、室外熱交換器35に着いた霜を溶かすための除霜制御などを行う。
制御部40は、停止状態から圧縮機36を起動して冷房運転を始めるときの起動制御、起動後の冷媒状態が安定した通常冷房運転状態における膨張弁31〜34の弁開度調整のための目標吐出管温度制御及び過熱度制御、通常冷房運転状態における圧縮機36の容量制御、室外熱交換器35に着いた霜を溶かすための除霜制御などを行う。
通常冷房運転状態における目標吐出管温度制御においては、吐出管温度を用いて膨張弁31〜34の弁開度を制御することにより、間接的に圧縮機36の吸入側の過熱度制御を行うとともに、圧縮機36の吐出温度の管理及び圧縮機36が吸入する冷媒が湿り状態になっても圧縮機36の運転が管理できるように構成されている。圧縮機36に吸入される冷媒が湿り状態になっても、圧縮機36が損傷しない範囲で吐出管温度制御が行われる。制御部40は、吐出管温度センサ90が検知した吐出温度Toが目標吐出管温度Tmに近づくように、膨張弁31〜34の弁開度を調整する。制御部40は、目標吐出管温度Tmを、例えば蒸発温度Teと凝縮温度Tcとに基づいて設定する。目標吐出管温度Tmは、通常の運転状態であれば、後述する吐出過熱度が10℃以上確保される値となる。
通常冷房運転状態における過熱度制御は、目標吐出管温度制御により決定される各膨張弁31〜34の弁開度を、冷房運転時の冷媒の分配が適正に行われるように補正する制御である。制御部40は、液管温度センサ81〜84が検出する液管温度Tl1〜Tl4と室内熱交温度センサ91〜94が検出する蒸発温度Te1〜Te4とを使って室内機11〜14毎に過熱度SH1〜SH4を算出することができる。そして、制御部40は、算出した過熱度SH1〜SH4が目標過熱度になるように各膨張弁31〜34の弁開度を補正する。
(3−3)暖房運転制御
制御部40は、停止状態から圧縮機36を起動して暖房運転を始めるときの起動制御、起動後の冷媒状態が安定した通常暖房運転状態における膨張弁31〜34の弁開度調整のための目標吐出管温度制御及びサブククール制御、通常暖房運転状態における圧縮機36の容量制御、室外熱交換器35に着いた霜を溶かすための除霜制御などを行う。
制御部40は、停止状態から圧縮機36を起動して暖房運転を始めるときの起動制御、起動後の冷媒状態が安定した通常暖房運転状態における膨張弁31〜34の弁開度調整のための目標吐出管温度制御及びサブククール制御、通常暖房運転状態における圧縮機36の容量制御、室外熱交換器35に着いた霜を溶かすための除霜制御などを行う。
通常暖房運転状態における目標吐出管温度制御においても、制御部40は、吐出管温度センサ90が検知した吐出温度Toが目標吐出管温度Tmに近づくように、膨張弁31〜34の弁開度を調整する。制御部40は、目標吐出管温度Tmを、例えば蒸発温度Teと凝縮温度Tcとに基づいて設定する。目標吐出管温度Tmは、通常の運転状態であれば、後述する吐出過熱度が10℃以上確保される値となる。
通常暖房運転状態におけるサブクール制御は、目標吐出管温度制御により決定される各膨張弁31〜34の弁開度を、暖房運転時の冷媒の分配が適正に行われるように補正する制御である。制御部40は、液管温度センサ81〜84が検出する液管温度Tl1〜Tl4と室内熱交温度センサ91〜94が検出する凝縮温度Tc1〜Tc4とを使って室内機11〜14毎に過冷却度SC1〜SC4を算出する。そして、制御部40は、算出した過冷却度SC1〜SC4が目標過冷却度になるように各膨張弁31〜34の弁開度を補正する。
(3−4)通常運転時の圧縮機の容量制御
通常運転状態における圧縮機36の容量制御は、各室内機11〜14からの要求に基づいて圧縮機36の運転周波数を上下させる制御である。具体的には、室内機11〜14の室内温度センサ61〜64が検知する室内温度TF1〜Tr4と、リモートコントローラ111〜114で設定された設定温度Ts1〜Ts4との差に基づき、制御部40が、必要な圧縮機36の出力を決めて、圧縮機36の目標運転周波数を変更する。
通常運転状態における圧縮機36の容量制御は、各室内機11〜14からの要求に基づいて圧縮機36の運転周波数を上下させる制御である。具体的には、室内機11〜14の室内温度センサ61〜64が検知する室内温度TF1〜Tr4と、リモートコントローラ111〜114で設定された設定温度Ts1〜Ts4との差に基づき、制御部40が、必要な圧縮機36の出力を決めて、圧縮機36の目標運転周波数を変更する。
(3−4−1)過大な高圧圧力からの圧縮機36の保護
圧縮機36の動作について、圧縮機36の軸やけなどを防止して信頼性を確保するために、冷媒回路2の冷凍サイクルにおける冷媒の高圧圧力についての高圧制限値HPR及び高圧圧力HPと低圧圧力HLの差である高低差圧(HP−HL)についての高低差圧制限値HDRが設けられている。以下において、過大な高圧圧力HPから圧縮機36を保護するための制御を圧縮機保護制御と呼ぶ場合がある。
圧縮機36の動作について、圧縮機36の軸やけなどを防止して信頼性を確保するために、冷媒回路2の冷凍サイクルにおける冷媒の高圧圧力についての高圧制限値HPR及び高圧圧力HPと低圧圧力HLの差である高低差圧(HP−HL)についての高低差圧制限値HDRが設けられている。以下において、過大な高圧圧力HPから圧縮機36を保護するための制御を圧縮機保護制御と呼ぶ場合がある。
図3には、圧縮機保護制御の概念が模式的に示されている。図3に示されているように、圧縮機保護制御のために、低周波数領域ArLで用いられる高低差圧制限値HDRと、高周波数領域ArHで用いられる高圧制限値HPRの2種類が設けられている。高低差圧制限値HDRのグラフの縦軸が高低差圧で、高圧制限値HPRのグラフの縦軸が高圧圧力であるので、低圧圧力LPの値によってはこれらのグラフの関係が変わるが、空気調和装置1においては、斜線で示された部分が高圧圧力HPの許容範囲が拡張された部分である。なお、図3において、2点差線は、低周波数領域ArLでも高低差圧制限値HDRを用いていた従来の高低差圧制限値HDRの一例を示している。なお、ここで、低周波数領域ArLは、圧縮機36で使用可能な下限の運転周波数Dfである最小運転周波数F0から所定周波数F1までの領域である。高周波数領域ArHは、所定周波数F1から圧縮機36で使用可能な上限の運転周波数Dfである最大運転周波数F2までの領域である。
高周波数領域ArHでは、圧縮機36の運転周波数Dfと高圧圧力HPとに基づいて圧縮機36の保護を図っている。それに対して、低周波数領域ArLでは、圧縮機36の運転周波数Dfと高圧圧力HPと低圧圧力HLとに基づいて圧縮機36の保護を図っている。高圧圧力HPが高いと、既に説明したように圧縮機36の軸やけなどの不具合が発生する可能性が高くなるが、同じ高圧圧力HPでも高低差圧(HP−HL)が小さいと圧縮機36に掛かる負担が減少するため上述のような不具合の発生する可能性を下げることができる。低周波数領域ArLでは、圧縮機36の運転周波数Dfと高圧圧力HPと低圧圧力LPとに基づいて圧縮機36の保護を図ることによって低周波数領域ArLで用いられる高低差圧制限値HDRの方が高周波数領域ArHで用いられる高圧制限値HPRよりも高く設定できているとみなすことができる。例えば、高低差圧制限値HDRは、高圧圧力HPが高圧制限値HPR0(図3の2点差線の値)を超えないという条件を踏まえて設定されていると考えることができる。単純に低圧圧力LPの分が全て圧縮機36に掛かる圧力の軽減に繋がっていると考えて、高低差圧制限値HDRを、HDR=HPR0+LPという式で与えるとすると、HPR0+LP≧HPとなるように制御すればよいと考えることができる。低圧圧力LPの下限値LPLを決めておけば、HDR=HPR0+LPLを満たす一定の高低差圧制限値HDRを用いて制御を行うことができると考えることができる。実際には、種々のリスクを考慮して、上述のような単純な設定はされないが、このような考え方に沿って、低周波数領域ArLにおける高圧圧力HPの許容範囲の拡大が行われている。
従って、低周波数領域ArLにおいても高周波数領域ArHと同様に運転周波数Dfと高圧圧力HPとに基づいて圧縮機36の保護を図ろうとすると、図3の2点差線で示されている高圧制限値HPR0以下に制限することが好ましい。見方を変えると、図3の2点差線で示されている高圧制限値HPR0以下に制限して圧縮機36が使用されている場合には、高圧圧力が高くなり過ぎないように圧縮機保護制御を行うために低圧圧力LPを監視する必要がなくなる。
(3−4−2)圧縮機保護制御
次に、図4及び図5を用いて過大な高圧圧力からの圧縮機36の保護のための圧縮機保護制御の一例について説明する。圧縮機保護制御は、通常冷房運転または通常暖房運転を行っていて(サーモオン状態)であって、圧縮機36が運転中である状態において行われる。制御部40は、圧縮機保護制御を行うか否かを判断する(ステップS1)。制御部40は、ここでは通常冷房運転または通常暖房運転を行っていて圧縮機36が運転中であると判断すれば圧縮機保護制御に入るように構成されているが、圧縮機保護制御に入る条件はこのような条件に限られるものではない。例えば、除霜運転が行われていないなどの他の条件を追加してもよい。
次に、図4及び図5を用いて過大な高圧圧力からの圧縮機36の保護のための圧縮機保護制御の一例について説明する。圧縮機保護制御は、通常冷房運転または通常暖房運転を行っていて(サーモオン状態)であって、圧縮機36が運転中である状態において行われる。制御部40は、圧縮機保護制御を行うか否かを判断する(ステップS1)。制御部40は、ここでは通常冷房運転または通常暖房運転を行っていて圧縮機36が運転中であると判断すれば圧縮機保護制御に入るように構成されているが、圧縮機保護制御に入る条件はこのような条件に限られるものではない。例えば、除霜運転が行われていないなどの他の条件を追加してもよい。
圧縮機保護制御を行うと判断した場合、制御部40は、空気調和装置1の制御を行っているので目標運転周波数TFの値を認知していることから、この目標運転周波数TFが所定周波数F1(Hz)よりも大きいか否かを判断する(ステップS2)。つまり、ここでは、低周波数領域ArLにおける圧縮機保護制御を行うか、高周波数領域ArHにおける圧縮機保護制御を行うかを判断している。
目標運転周波数TFがF1より大きい場合(TF>F1)には、図4の破線のグラフで示されている高圧圧力の高圧制限値HPRを超えないように制御する。制御部40は、高圧制限値HPRを凝縮温度Tcの高温制限値HTRに換算して、凝縮温度Tcが高温制限値HTRを超えないように監視することによって圧縮機保護制御を行う。高圧制限値HPRから凝縮温度の高温制限値HTRへの換算は、例えば冷媒回路2を循環するR32冷媒のモリエル線図などを用いて簡単に行うことができる。
制御部40は、CPU45aにより高圧圧力HPの高圧制限値HPRから高温制限値HTRを算出してもよく、予め換算された高温制限値HTRをメモリ45bに記憶していてもよい。この比較においては、冷房運転においては、室外熱交換器35の室外熱交温度センサ95において検出される凝縮温度Tcを用い、暖房運転においては、サーモオン状態にある室内熱交換器21〜24の室内熱交温度センサ91〜94のうちの最も高い温度を凝縮温度Tcとして用いる。つまり、制御部40は、ステップS2で目標運転周波数がF1より大きいと判断した場合には、凝縮温度の高温制限値HTRと、室外熱交温度センサ95(冷房運転時)または室内熱交温度センサ91〜94(暖房運転時)の検出結果から得られた凝縮温度Tcとを比較する(ステップS3)。その比較によって、凝縮温度Tcに関して空気調和装置1の状態が、復帰域にあるか、垂下域にあるか、または無変化域にあるかが判断される。高温制限値HTRと凝縮温度Tcとの比較は、図6に示されているような概念に従って行われる。その比較によって、凝縮温度Tcに関して空気調和装置1の状態が、復帰域にあるか、垂下域にあるか、または無変化域にあるかが判断される。制御部40は、凝縮温度Tcが上昇している場合には、Tc≦HTRであれば復帰域にあると判断し、Tc>HTRであれば垂下域にあると判断する。それに対して、凝縮温度Tcが下降している場合、制御部40は、Tc≧(HTR−m1)であれば垂下域にあると判断し、(HTR−m1)>Tc≧(HTR−m2)であれば無変化域にあると判断し、(HTR−m2)>Tcであれば復帰域にあると判断する。ここで、m1、m2は正の定数であり、且つm2>m1である。
ステップS3において垂下域にあると判断された場合はステップS8の処理が行われ、無変化域にあると判断された場合にはステップS10の処理が行われ、復帰域にあると判断された場合はステップS11の処理が行われるが、これらステップS8,S10,S11以降の処理については、ステップS7において垂下域、無変化域または復帰域にあると判断された場合と同じであるのでステップS7の説明後に詳細に説明する。
目標運転周波数がF1より大きい場合(ステップS2の「No」の場合)に、制御部40は、低周波数領域ArLにおける圧縮機保護制御を行う。制御部40は、高圧圧力HPが第1高圧圧力閾値HPT1(図4に破線で示された値)を超えているか否かを判断する。第1高圧圧力閾値HPT1は、例えば、圧縮機36の現在の運転周波数Dfをパラメータとする関数から計算される値である。第1高圧圧力閾値HPT1は、第1凝縮温度閾値HTT1に換算される。そして、制御部40は、凝縮温度Tcが第1凝縮温度閾値HTT1を超えているか否かを判断する(ステップS6)。凝縮温度Tcが第1凝縮温度閾値HTT1以下の場合(ステップS6の「Yes」の場合)には、そのまま冷房運転または暖房運転を継続する(ステップS5)。凝縮温度Tcが第1凝縮温度閾値HTT1以下で行われる運転の場合には、圧縮機保護制御のための低圧圧力LPの監視は不要になる。
凝縮温度Tcが第1凝縮温度閾値HTT1を超える場合(ステップS6の「No」の場合)には、図4の実線で示されている第2高圧圧力閾値HPT2を用いた圧縮機保護制御が行われる。第2高圧圧力閾値HPT2は、運転周波数Dfと低圧圧力LPとを用いて得ることができる。この実施形態では、圧縮機保護制御に、第2高圧圧力閾値HPT2の代わりに第2凝縮温度閾値HTT2を用いる。第2高圧圧力閾値HPT2から第2凝縮温度閾値HTT2への換算は、例えば冷媒回路2を循環するR32冷媒のモリエル線図などを用いて簡単に行うことができる。第2凝縮温度閾値HTT2は、例えば運転周波数Dfと蒸発温度Teを用いて得られる。具体的には、例えば次の(1)式を用いて算出してもよい。(1)式において、k1,k2,k3は予め定められている定数である。なお、定数k1,k2,k3は、運転周波数Dfに対応して複数準備されていてもよい。
HTT2=k1×Df+k2×Te+k3 …(1)
HTT2=k1×Df+k2×Te+k3 …(1)
制御部40を、圧縮機保護制御の際に、(1)式を用いて第2凝縮温度閾値HTT2をCPU45aにより算出するように構成してもよいが、予め決定された運転周波数Dfと蒸発温度Teと第2凝縮温度閾値HTT2との関係をメモリ45bに記憶しておくように構成してもよい。
制御部40は、第2凝縮温度閾値HTT2と凝縮温度Tcとの比較を行う(ステップS7)。第2凝縮温度閾値HTT2と凝縮温度Tcとの比較は、図7に示されているような概念に従って行われる。その比較によって、凝縮温度Tcに関して空気調和装置1の状態が、復帰域にあるか、垂下域にあるか、または無変化域にあるかが判断される。制御部40は、凝縮温度Tcが上昇している場合には、Tc≦HTT2であれば復帰域にあると判断し、Tc>HTT2であれば垂下域にあると判断する。それに対して、凝縮温度Tcが下降している場合、制御部40は、Tc≧(HTT2−n1)であれば垂下域にあると判断し、(HTT2−n1)>Tc≧(HTT2−n2)であれば無変化域にあると判断し、(HTT2−n2)>Tcであれば復帰域にあると判断する。ここで、n1、n2は正の定数であり、且つn2>n1である。
ステップS7において、垂下域にあると判断された場合、制御部40は、周波数上限値UDfの低下が限界であるか否かを判断する(ステップS8)。制御部40は、最小運転周波数F0と同じかまたは最小運転周波数F0よりも大きな運転周波数下限値LDfをメモリ45bに記憶している。制御部40は、タイマ45cを用いて時間を計測し、下垂域にあって且つ運転周波数Dfが運転周波数下限値LDfである状態が一定時間tt0にわたり継続した場合には、周波数上限値UDfの低下が限界であると判断する(ステップS8の「Yes」)。周波数上限値UDfの低下が限界であると判断された場合、制御部40は、サーモオフして圧縮機36を停止させる(ステップS4)。サーモオフした場合には、サーモオフ状態を所定時間継続したと判断された後に(ステップS13の「Yes」)、通常冷房運転または通常暖房運転に復帰する(ステップS5)。制御部40は、このような操作によって運転周波数Dfが小さくなることで不具合を発生しないように圧縮機36を制御している。
ステップS8において周波数上限値UDfの低下が未だ限界に達していないと判断した場合(ステップS8の「No」)、制御部40は、圧縮機36の運転周波数Dfの周波数上限値UDfを下げる(ステップS9)。制御部40は、運転周波数Dfの周波数上限値UDfを下げることにより、凝縮温度Tcが第2凝縮温度閾値HTT2を超えない範囲に戻るように圧縮機36の運転周波数Dfを制御している。言い換えると、制御部40は、運転周波数Dfの周波数上限値UDfを下げることにより、高圧圧力HPが第2高圧圧力閾値HPT2を超えない範囲(HP≦HPT2)に戻るように圧縮機36の運転周波数Dfを制御している。具体的には、例えば、垂下域に入った時点で、タイマ45cをスタートさせ、タイマ45cで一定時間tt1がカウントされるごとに一定の値k4(正の実数)を運転周波数Dfから減じて周波数上限値UDfを得る。つまり、制御部40は、一定の時間ttが経過する度に、UDf=Df−k4の式の計算を行う。なお、周波数上限値UDfの初期値は例えば予め準備されてメモリ45bに記憶されている。制御部40は、周波数上限値UDfを小さくすることによって運転周波数Dfを小さくすることができる。
図8には、一般的な多室型空気調和装置についての高圧圧力HPと運転周波数Dfとの関係が示されている。図8においては、容量の大きい圧縮機に能力の小さい室内機を接続した場合の冷媒回路の高圧圧力HPと圧縮機の運転周波数Dfの典型的な挙動が1点差線で示されており、第2高圧圧力閾値HPT2と運転周波数Dfとの関係が実線で示されている。容量の大きい圧縮機に能力の小さい室内機を接続した場合に、上述の第1高圧圧力閾値HPT1を超えても通常暖房運転、通常冷房運転を快適に行えるようにすることが目的であるので、低周波数領域ArLにおいては圧縮機の運転周波数Dfを小さくすることで第2高圧圧力閾値HPT2以下に制御することができ、第1高圧圧力閾値HPT1を超えても高低差圧(HP−LP)を考慮した圧縮機の保護を図れることが図8から分かる。
ステップS7において、無変化域にあると判断された場合、制御部40は、圧縮機36の運転周波数Dfの周波数上限値UDfを維持する(ステップS10)。具体的には、例えば、タイマ45cをリセットして、垂下域で行っていた運転周波数Dfの周波数上限値UDfを下げる操作を延期する。
ステップS7において、復帰域にあると判断された場合、制御部40は、圧縮機36の運転周波数Dfの周波数上限値UDfによる制限を解除する(ステップS11)。具体的には、例えば、垂下域で行っていたタイマ45cをリセットして、周波数上限値UDfによる制限を解除する。
ステップS9,S10,S11の操作が終了した後、制御部40は、通常冷房運転または通常暖房運転を継続する(ステップS5)。通常冷房運転または通常暖房運転を継続する場合には、制御部40は、ステップS1以下の操作を繰り返す(ステップS5からステップS1に戻る)。例えば、空気調和装置1の電源がオフになったり、除霜運転などの通常でない運転が始まったりした場合には、図5に示されている圧縮機保護制御のルーチンから抜け出すことになるが、ルーチンから抜け出す場合についての説明は省略する。ステップS7からステップS5までの操作によって、空気調和装置1は、高低差圧制限値HDR以下で運転されるように制御されている。
(4)容量の大きな圧縮機と能力の小さな室内機
既に説明したように、多室型空気調和装置である空気調和装置1が備える大容量の圧縮機36に接続されている室内機11〜14のうちの少なくとも1つの能力が小さい場合には、その能力の小さい室内機のみを運転した場合に、圧縮機36の運転周波数Dfの変化に応じて高圧圧力HPが高くなる状況が発生し易い。大容量の圧縮機36は、シリンダ容積が大きい圧縮機であり、能力が小さい室内機が備える室内熱交換器の容積は小さい。ここでは、室内機11の能力が小さく、室内機11が備える室内熱交換器21の容積(以下熱交容積と呼ぶ。)が小さい場合を例に挙げて説明する。このような場合、室内機11の室内熱交換器21の熱交容積が圧縮機36のシリンダ容積の20倍以下である場合に、低周波数領域ArLの運転周波数Dfで圧縮機36を運転すると、高圧圧力HPが高くなる状況が発生し易くなる傾向が顕著になる。このような場合には、本実施形態のように低周波数領域ArLにおいて、高圧圧力HPと運転周波数Dfとの関係だけで決まる第1高圧圧力閾値HPT1だけで制御する場合に比べ、高圧圧力HPと低圧圧力LPと運転周波数Dfとの関係で決まる第2高圧圧力閾値HPT2を用いることで、圧縮機36を保護するために頻繁に圧縮機36が停止するという状況を避けることができる。その結果、大容量の圧縮機36を備える多室型空気調和装置である空気調和装置1においても、非常に小さな能力の室内機11による快適な空気調和を行わせることができる。室内熱交換器の熱交容積が圧縮機のシリンダ容積の20倍以下である場合は、例えば、シリンダ容積が10cm3のときに熱交容積が200cm3以下である場合、シリンダ容積が25cm3のときに熱交容積が500cm3以下である場合、熱交容積が100cm3のときにシリンダ容積が5cm3以上である場合、熱交容積が500cm3のときにシリンダ容積が25cm3以上である場合などである。
既に説明したように、多室型空気調和装置である空気調和装置1が備える大容量の圧縮機36に接続されている室内機11〜14のうちの少なくとも1つの能力が小さい場合には、その能力の小さい室内機のみを運転した場合に、圧縮機36の運転周波数Dfの変化に応じて高圧圧力HPが高くなる状況が発生し易い。大容量の圧縮機36は、シリンダ容積が大きい圧縮機であり、能力が小さい室内機が備える室内熱交換器の容積は小さい。ここでは、室内機11の能力が小さく、室内機11が備える室内熱交換器21の容積(以下熱交容積と呼ぶ。)が小さい場合を例に挙げて説明する。このような場合、室内機11の室内熱交換器21の熱交容積が圧縮機36のシリンダ容積の20倍以下である場合に、低周波数領域ArLの運転周波数Dfで圧縮機36を運転すると、高圧圧力HPが高くなる状況が発生し易くなる傾向が顕著になる。このような場合には、本実施形態のように低周波数領域ArLにおいて、高圧圧力HPと運転周波数Dfとの関係だけで決まる第1高圧圧力閾値HPT1だけで制御する場合に比べ、高圧圧力HPと低圧圧力LPと運転周波数Dfとの関係で決まる第2高圧圧力閾値HPT2を用いることで、圧縮機36を保護するために頻繁に圧縮機36が停止するという状況を避けることができる。その結果、大容量の圧縮機36を備える多室型空気調和装置である空気調和装置1においても、非常に小さな能力の室内機11による快適な空気調和を行わせることができる。室内熱交換器の熱交容積が圧縮機のシリンダ容積の20倍以下である場合は、例えば、シリンダ容積が10cm3のときに熱交容積が200cm3以下である場合、シリンダ容積が25cm3のときに熱交容積が500cm3以下である場合、熱交容積が100cm3のときにシリンダ容積が5cm3以上である場合、熱交容積が500cm3のときにシリンダ容積が25cm3以上である場合などである。
例えば、4台の室内機11〜14のうちの1台の室内機11だけが運転されているとすると、圧縮機36の運転周波数は非常に小さくなる。例えば、暖房運転において、部屋6の室温が30℃で外気温度が20℃のような暖房過負荷運転の場合に、圧縮機36の運転周波数が20Hz以下になることがある。
室内熱交換器21の熱交容積を圧縮機36のシリンダ容積で除して圧縮機36の最小運転周波数F0を掛けた値が100よりも小さい場合に、低周波数領域ArLの運転周波数で圧縮機36を運転しても、大容量の圧縮機36を備える空気調和装置1において、非常に小さな能力の室内機11による快適な空気調和を行わせることができる。室内熱交換器21の熱交容積を圧縮機のシリンダ容積で除して圧縮機36の最小運転周波数F0を掛けた値が100よりも小さい場合は、例えば、最小運転周波数F0が4Hz、熱交容積が500cm3より小さく、シリンダ容積が20cm3以上の場合、最小運転周波数F0が5Hz、熱交容積が300cm3、シリンダ容積が15cm3の場合、最小運転周波数F0が6Hz、熱交容積が180cm3より小さく、シリンダ容積が11cm3以上の場合などである。
(5)変形例
(5−1)変形例A
上記実施形態では、4台の室内機11〜14を接続できる液管用およびガス管用の4対の接続ポートが室外機19に設けられ、室外機19に2台〜4台の室内機を接続可能な多室型の空気調和装置1に本発明を適用しているが、接続する室内機の台数は4台に限られるものではなく、5台以上であってもよく、2台または3台であってもよい。また、4台の室内機11〜14を接続できる構成の場合に、3台以下の室内機を1つの室外機に接続する場合でも本発明を適用することができる。
(5−1)変形例A
上記実施形態では、4台の室内機11〜14を接続できる液管用およびガス管用の4対の接続ポートが室外機19に設けられ、室外機19に2台〜4台の室内機を接続可能な多室型の空気調和装置1に本発明を適用しているが、接続する室内機の台数は4台に限られるものではなく、5台以上であってもよく、2台または3台であってもよい。また、4台の室内機11〜14を接続できる構成の場合に、3台以下の室内機を1つの室外機に接続する場合でも本発明を適用することができる。
(5−2)変形例B
上記実施形態では、冷房運転と暖房運転とを切り換えることができる空気調和装置1に本発明を適用しているが、他の冷凍装置、例えば、冷房専用の空気調和装置または暖房専用の空気調和装置などに本発明を適用することも可能である。
上記実施形態では、冷房運転と暖房運転とを切り換えることができる空気調和装置1に本発明を適用しているが、他の冷凍装置、例えば、冷房専用の空気調和装置または暖房専用の空気調和装置などに本発明を適用することも可能である。
また、室内機以外に、例えば給湯ユニットなどの熱交換器を有する他の種類のユニットが接続される冷凍装置にも適用することができる。
(5−3)変形例C
上記実施形態では、冷媒回路2の高圧圧力HPと低圧圧力LPを凝縮温度Tcと蒸発温度Teに置き換えて制御する場合について説明したが、圧力センサを用いて冷媒回路2の高圧圧力HPと低圧圧力LPを検出して圧力センサの値に基づいて制御部40が圧縮機保護制御を行うように構成してもよい。
上記実施形態では、冷媒回路2の高圧圧力HPと低圧圧力LPを凝縮温度Tcと蒸発温度Teに置き換えて制御する場合について説明したが、圧力センサを用いて冷媒回路2の高圧圧力HPと低圧圧力LPを検出して圧力センサの値に基づいて制御部40が圧縮機保護制御を行うように構成してもよい。
(6)特徴
(6−1)
上述の実施形態では、冷凍装置である空気調和装置1の圧縮機36の保護制御においては、最小運転周波数F0以上所定周波数F1以下の低周波数領域ArLと、所定周波数F1を超える高周波数領域ArHとに分けて制御を行っている。高周波数領域ArHでは、圧縮機36の運転周波数Dfに応じた高圧制限値HPRを冷媒回路2の高圧圧力HPが超えないように、制御部40が空気調和装置1の運転を制御している。それに対して、低周波数領域ArLでは、高圧圧力HPに対する圧縮機36の保護のために低圧圧力LPに基づいた運転周波数Dfの制御を行っている。従って、高低差圧制限値HDRに対応する、許容される高圧圧力HPの上限を従来よりも高く設定できている。その結果、従来は例えば低圧圧力LPとは無関係に高圧圧力HPと運転周波数Dfとの関係で下限運転周波数(図3の破線によって決まる運転周波数)を決めて下限運転周波数以上で運転していた。高圧圧力HPに対する圧縮機36の保護を確保しつつ冷媒回路2の高圧圧力HPの許容範囲が広がった利便性の高い冷凍装置である空気調和装置1を提供することができる。
(6−1)
上述の実施形態では、冷凍装置である空気調和装置1の圧縮機36の保護制御においては、最小運転周波数F0以上所定周波数F1以下の低周波数領域ArLと、所定周波数F1を超える高周波数領域ArHとに分けて制御を行っている。高周波数領域ArHでは、圧縮機36の運転周波数Dfに応じた高圧制限値HPRを冷媒回路2の高圧圧力HPが超えないように、制御部40が空気調和装置1の運転を制御している。それに対して、低周波数領域ArLでは、高圧圧力HPに対する圧縮機36の保護のために低圧圧力LPに基づいた運転周波数Dfの制御を行っている。従って、高低差圧制限値HDRに対応する、許容される高圧圧力HPの上限を従来よりも高く設定できている。その結果、従来は例えば低圧圧力LPとは無関係に高圧圧力HPと運転周波数Dfとの関係で下限運転周波数(図3の破線によって決まる運転周波数)を決めて下限運転周波数以上で運転していた。高圧圧力HPに対する圧縮機36の保護を確保しつつ冷媒回路2の高圧圧力HPの許容範囲が広がった利便性の高い冷凍装置である空気調和装置1を提供することができる。
(6−2)
上記実施形態では、圧縮機36の運転周波数Dfと低圧圧力LPとを用いて得られる所定圧力閾値である第2高圧圧力閾値HPT2よりも高圧圧力HPが高くなる場合に圧縮機36の運転周波数Dfの上限値である周波数上限値UDfを小さくする。上記実施形態では、具体的には、低圧圧力LPに換算できる蒸発温度Teを用い、(1)式により第2凝縮温度閾値HTT2を算出し、第2凝縮温度閾値HTT2よりも凝縮温度Tcが高くなることを第2高圧圧力閾値HPT2よりも高圧圧力HPが高くなることとみなしている。そして、第2凝縮温度閾値HTT2よりも凝縮温度Tcが高くなった場合に、UDf=Df−k4の式の計算を行って周波数上限値UDfを小さくしている。このように、周波数上限値UDfを簡単に調整して高圧圧力HPが過大になるのを簡単且つ確実に抑制することができている。その結果、高圧圧力に対する圧縮機保護を確実に行いつつ、冷媒回路2の高圧圧力HPの許容範囲を広げるために低周波数領域ArLの制御を変更するコストの上昇を抑えることができる。
上記実施形態では、圧縮機36の運転周波数Dfと低圧圧力LPとを用いて得られる所定圧力閾値である第2高圧圧力閾値HPT2よりも高圧圧力HPが高くなる場合に圧縮機36の運転周波数Dfの上限値である周波数上限値UDfを小さくする。上記実施形態では、具体的には、低圧圧力LPに換算できる蒸発温度Teを用い、(1)式により第2凝縮温度閾値HTT2を算出し、第2凝縮温度閾値HTT2よりも凝縮温度Tcが高くなることを第2高圧圧力閾値HPT2よりも高圧圧力HPが高くなることとみなしている。そして、第2凝縮温度閾値HTT2よりも凝縮温度Tcが高くなった場合に、UDf=Df−k4の式の計算を行って周波数上限値UDfを小さくしている。このように、周波数上限値UDfを簡単に調整して高圧圧力HPが過大になるのを簡単且つ確実に抑制することができている。その結果、高圧圧力に対する圧縮機保護を確実に行いつつ、冷媒回路2の高圧圧力HPの許容範囲を広げるために低周波数領域ArLの制御を変更するコストの上昇を抑えることができる。
(6−3)
冷房運転をしている多室型空気調和装置である空気調和装置1においては、室内機11〜14のうちの1つを第1利用側ユニットとみなし、室内熱交換器21〜24のうちのその第1利用側ユニットに対応するものを第1膨張弁の下流に接続された第1利用側熱交換器とみなすことができる。また、冷房運転をしている室内機11〜14の残りの3つのうちの1つを第2利用側ユニットとみなし、室内熱交換器21〜24のうちのその第2利用側ユニットに対応するものを第2膨張弁の下流に接続された第2利用側熱交換器とみなすことができる。このように圧縮機36が第1利用側熱交換器と第2利用側熱交換器の両方に流れる冷媒を圧縮するために圧縮機36の容量が大きくなる。低周波数領域ArLにおいて、圧縮機36の容量が大きくなると高圧圧力HPが高くなり易いので、許容できる高圧圧力HPを高く設定することによるメリットを享受できるケースが多くなる。
冷房運転をしている多室型空気調和装置である空気調和装置1においては、室内機11〜14のうちの1つを第1利用側ユニットとみなし、室内熱交換器21〜24のうちのその第1利用側ユニットに対応するものを第1膨張弁の下流に接続された第1利用側熱交換器とみなすことができる。また、冷房運転をしている室内機11〜14の残りの3つのうちの1つを第2利用側ユニットとみなし、室内熱交換器21〜24のうちのその第2利用側ユニットに対応するものを第2膨張弁の下流に接続された第2利用側熱交換器とみなすことができる。このように圧縮機36が第1利用側熱交換器と第2利用側熱交換器の両方に流れる冷媒を圧縮するために圧縮機36の容量が大きくなる。低周波数領域ArLにおいて、圧縮機36の容量が大きくなると高圧圧力HPが高くなり易いので、許容できる高圧圧力HPを高く設定することによるメリットを享受できるケースが多くなる。
(6−4)
冷房運転を行っている空気調和装置1において上述の(6−3)のようにみなすと、室内熱交温度センサ91〜94のうちの1つが第1温度センサになり、残りの3つのうちの1つが第2温度センサになる。また、室外熱交温度センサ95が第3温度センサになる。冷房運転時の圧縮機保護制御においては、(1)式の計算に、サーモオン状態の第1利用側熱交換器と第2利用側熱交換器の蒸発温度のうちの温度の低い方を用いるために室内熱交温度センサ91〜94による検出結果を用いている。また、(1)式で計算される第2凝縮温度閾値HTT2との比較に凝縮温度Tcを用いるために室外熱交温度センサ95の検出結果を用いている。このように、低周波数領域ArLの制御を従来に対して変更するための第1温度センサ、第2温度センサ及び第3温度センサとして室内熱交温度センサ91〜94及び室外熱交温度センサ95を用いることができ、この保護制御のために従来の構成に対して付加する機材が少なくて済む。
冷房運転を行っている空気調和装置1において上述の(6−3)のようにみなすと、室内熱交温度センサ91〜94のうちの1つが第1温度センサになり、残りの3つのうちの1つが第2温度センサになる。また、室外熱交温度センサ95が第3温度センサになる。冷房運転時の圧縮機保護制御においては、(1)式の計算に、サーモオン状態の第1利用側熱交換器と第2利用側熱交換器の蒸発温度のうちの温度の低い方を用いるために室内熱交温度センサ91〜94による検出結果を用いている。また、(1)式で計算される第2凝縮温度閾値HTT2との比較に凝縮温度Tcを用いるために室外熱交温度センサ95の検出結果を用いている。このように、低周波数領域ArLの制御を従来に対して変更するための第1温度センサ、第2温度センサ及び第3温度センサとして室内熱交温度センサ91〜94及び室外熱交温度センサ95を用いることができ、この保護制御のために従来の構成に対して付加する機材が少なくて済む。
(6−5)
暖房運転をしている多室型空気調和装置である空気調和装置1においては、室内機11〜14のうちの1つを第1利用側ユニットとみなし、室内熱交換器21〜24のうちのその第1利用側ユニットに対応するものを第1膨張弁の上流に接続された第1利用側熱交換器とみなすことができる。また、暖房運転をしている室内機11〜14の残りの3つのうちの1つを第2利用側ユニットとみなし、室内熱交換器21〜24のうちのその第2利用側ユニットに対応するものを第2膨張弁の上流に接続された第2利用側熱交換器とみなすことができる。このように圧縮機36が第1利用側熱交換器と第2利用側熱交換器の両方に流れる冷媒を圧縮するために圧縮機36の容量が大きくなる。低周波数領域ArLにおいて、圧縮機36の容量が大きくなると高圧圧力HPが高くなり易いので、許容できる高圧圧力HPを高く設定することによるメリットを享受できるケースが多くなる。
暖房運転をしている多室型空気調和装置である空気調和装置1においては、室内機11〜14のうちの1つを第1利用側ユニットとみなし、室内熱交換器21〜24のうちのその第1利用側ユニットに対応するものを第1膨張弁の上流に接続された第1利用側熱交換器とみなすことができる。また、暖房運転をしている室内機11〜14の残りの3つのうちの1つを第2利用側ユニットとみなし、室内熱交換器21〜24のうちのその第2利用側ユニットに対応するものを第2膨張弁の上流に接続された第2利用側熱交換器とみなすことができる。このように圧縮機36が第1利用側熱交換器と第2利用側熱交換器の両方に流れる冷媒を圧縮するために圧縮機36の容量が大きくなる。低周波数領域ArLにおいて、圧縮機36の容量が大きくなると高圧圧力HPが高くなり易いので、許容できる高圧圧力HPを高く設定することによるメリットを享受できるケースが多くなる。
(6−6)
暖房運転を行っている空気調和装置1において上述の(6−5)のようにみなすと、室内熱交温度センサ91〜94のうちの1つが第1温度センサになり、残りの3つのうちの1つが第2温度センサになる。また、室外熱交温度センサ95が第3温度センサになる。暖房運転時の圧縮機保護制御においては、(1)式の計算に、蒸発温度Teとして室外熱交温度センサ95の検出結果を用いている。また、(1)式で計算される第2凝縮温度閾値HTT2との比較にサーモオン状態の第1利用側熱交換器と第2利用側熱交換器の凝縮温度のうちの温度の高い方を用いているために室内熱交温度センサ91〜94による検出結果を用いている。このように、低周波数領域ArLの制御を従来に対して変更するための第1温度センサ、第2温度センサ及び第3温度センサとして室内熱交温度センサ91〜94及び室外熱交温度センサ95を用いることができ、この保護制御のために従来の構成に対して付加する機材が少なくて済む。
暖房運転を行っている空気調和装置1において上述の(6−5)のようにみなすと、室内熱交温度センサ91〜94のうちの1つが第1温度センサになり、残りの3つのうちの1つが第2温度センサになる。また、室外熱交温度センサ95が第3温度センサになる。暖房運転時の圧縮機保護制御においては、(1)式の計算に、蒸発温度Teとして室外熱交温度センサ95の検出結果を用いている。また、(1)式で計算される第2凝縮温度閾値HTT2との比較にサーモオン状態の第1利用側熱交換器と第2利用側熱交換器の凝縮温度のうちの温度の高い方を用いているために室内熱交温度センサ91〜94による検出結果を用いている。このように、低周波数領域ArLの制御を従来に対して変更するための第1温度センサ、第2温度センサ及び第3温度センサとして室内熱交温度センサ91〜94及び室外熱交温度センサ95を用いることができ、この保護制御のために従来の構成に対して付加する機材が少なくて済む。
(6−7)
上記実施形態では、低周波数領域ArLにおいて、許容できる高圧圧力HPを高く設定することができるため、室内熱交換器21〜24のうちの第1利用側熱交換器とみなされるものの容積が圧縮機36のシリンダ容積の20倍以下にすることができ、大容量の圧縮機36に能力の小さな第1利用側ユニットを接続することができ、冷凍装置である空気調和装置1の用途を広げることができる。
上記実施形態では、低周波数領域ArLにおいて、許容できる高圧圧力HPを高く設定することができるため、室内熱交換器21〜24のうちの第1利用側熱交換器とみなされるものの容積が圧縮機36のシリンダ容積の20倍以下にすることができ、大容量の圧縮機36に能力の小さな第1利用側ユニットを接続することができ、冷凍装置である空気調和装置1の用途を広げることができる。
(6−8)
上述の(6−7)で説明した第1利用側熱交換器の熱交容積を圧縮機36のシリンダ容積で除して圧縮機36の最小運転周波数F0を掛けた値が100よりも小さくすると、圧縮機36が最小運転周波数F0に近い運転周波数Dfで運転される場合に高圧圧力HPが高くなり易いことから、高圧圧力HPの許容範囲を広げるメリットを享受することのできるケースが多くなる。
上述の(6−7)で説明した第1利用側熱交換器の熱交容積を圧縮機36のシリンダ容積で除して圧縮機36の最小運転周波数F0を掛けた値が100よりも小さくすると、圧縮機36が最小運転周波数F0に近い運転周波数Dfで運転される場合に高圧圧力HPが高くなり易いことから、高圧圧力HPの許容範囲を広げるメリットを享受することのできるケースが多くなる。
(6−9)
上記実施形態では、低周波数領域ArLにおいて、高低差圧(HP−LP)が高低差圧制限値HDRの範囲で制御されるので、圧縮機36の保護を十分に図ることができる。
上記実施形態では、低周波数領域ArLにおいて、高低差圧(HP−LP)が高低差圧制限値HDRの範囲で制御されるので、圧縮機36の保護を十分に図ることができる。
1 空気調和装置(冷凍装置の例)
2 冷媒回路
11〜14 室内機
19 室外機(熱源側ユニットの例)
21〜24 室内熱交換器
31〜34 膨張弁
35 室外熱交換器(熱源側熱交換器の例)
36 圧縮機
40 制御部
91〜94 室内熱交温度センサ
95 室外熱交温度センサ
2 冷媒回路
11〜14 室内機
19 室外機(熱源側ユニットの例)
21〜24 室内熱交換器
31〜34 膨張弁
35 室外熱交換器(熱源側熱交換器の例)
36 圧縮機
40 制御部
91〜94 室内熱交温度センサ
95 室外熱交温度センサ
Claims (9)
- 循環する冷媒が蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって低圧圧力の状態と高圧圧力の状態になる冷媒回路(2)と、
前記冷媒回路の中に設置され、運転周波数を変更可能に構成されている圧縮機(36)と
を備え、
前記圧縮機を所定周波数以下の低周波数領域で運転する場合に、前記高圧圧力に対する前記圧縮機の保護のために前記低圧圧力に基づいた前記圧縮機の運転周波数の制御を行う、冷凍装置。 - 前記圧縮機の運転周波数と前記低圧圧力とを用いて得られる所定圧力閾値よりも前記高圧圧力が高くなる場合に前記圧縮機の運転周波数の上限値を小さくする、
請求項1に記載の冷凍装置。 - 前記冷媒回路の中に設置されている第1利用側熱交換器を収容する第1利用側ユニットと、
前記冷媒回路の中に設置されている第2利用側熱交換器を収容する第2利用側ユニットと、
前記冷媒回路の中に設置されている熱源側熱交換器(35)、第1膨張弁及び第2膨張弁、並びに前記圧縮機を収容し、前記圧縮機から前記熱源側熱交換器の後に前記第1膨張弁を通って前記第1利用側熱交換器に冷媒が流れるとともに前記圧縮機から前記熱源側熱交換器の後に前記第2膨張弁を通って前記第2利用側熱交換器に冷媒が流れるように接続されている熱源側ユニット(19)と
をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載の冷凍装置。 - 前記第1利用側熱交換器の蒸発温度を検出するための第1温度センサと、
前記第2利用側熱交換器の蒸発温度を検出するための第2温度センサと、
前記熱源側熱交換器の凝縮温度を検出するための第3温度センサ(95)と
をさらに備え、
前記高圧圧力の代わりにサーモオン状態の前記第1利用側熱交換器と前記第2利用側熱交換器の蒸発温度のうちの温度の低い方を用いるとともに前記低圧圧力の代わりに前記凝縮温度を用いて前記制御を行う、
請求項3に記載の冷凍装置。 - 前記冷媒回路の中に設置されている第1利用側熱交換器を収容する第1利用側ユニットと、
前記冷媒回路の中に設置されている第2利用側熱交換器を収容する第2利用側ユニットと、
前記冷媒回路の中に設置されている熱源側熱交換器(35)、第1膨張弁及び第2膨張弁、並びに前記圧縮機を収容し、前記第1利用側熱交換器から前記第1膨張弁の後に前記熱源側熱交換器を通って前記圧縮機に冷媒が流れるとともに前記第2利用側熱交換器から前記第2膨張弁の後に前記熱源側熱交換器を通って前記圧縮機に冷媒が流れるように接続されている熱源側ユニット(19)と
をさらに備える、
請求項1または請求項2に記載の冷凍装置。 - 前記第1利用側熱交換器の凝縮温度を検出するための第1温度センサと、
前記第2利用側熱交換器の凝縮温度を検出するための第2温度センサと、
前記熱源側熱交換器の蒸発温度を検出するための第3温度センサ(95)と
をさらに備え、
前記高圧圧力の代わりに蒸発温度を用いるとともに前記低圧圧力の代わりにサーモオン状態の前記第1利用側熱交換器と前記第2利用側熱交換器の凝縮温度のうちの温度の高い方を用いて前記制御を行う、
請求項5に記載の冷凍装置。 - 前記第1利用側熱交換器の容積が前記圧縮機のシリンダ容積の20倍以下である、
請求項3から6のいずれか一項に記載の冷凍装置。 - 前記第1利用側熱交換器の熱交容積を前記圧縮機のシリンダ容積で除して前記圧縮機の最小運転周波数を掛けた値が100よりも小さい、
請求項7に記載の冷凍装置。 - 前記制御は、前記高圧圧力と前記低圧圧力との差圧が高低差圧制限値を超えない範囲で行われる、
請求項1から8のいずれか一項に記載の冷凍装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017167590A JP2019045056A (ja) | 2017-08-31 | 2017-08-31 | 冷凍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2017167590A JP2019045056A (ja) | 2017-08-31 | 2017-08-31 | 冷凍装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019045056A true JP2019045056A (ja) | 2019-03-22 |
Family
ID=65816236
Family Applications (1)
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JP2017167590A Pending JP2019045056A (ja) | 2017-08-31 | 2017-08-31 | 冷凍装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019045056A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5488642A (en) * | 1977-12-23 | 1979-07-13 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Heat source system |
JP2008196775A (ja) * | 2007-02-13 | 2008-08-28 | Sharp Corp | 空気調和機 |
-
2017
- 2017-08-31 JP JP2017167590A patent/JP2019045056A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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