JP2019044053A - 樹脂多孔質体及びその炭化物、並びに樹脂多孔質体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸着能及び脱離能に優れ、吸着材、吸蔵材等の用途に好適に利用可能な新規の樹脂多孔質体の提供。【解決手段】ナフタレン骨格を有する樹脂を含み、0.1〜400nmの範囲で測定された空孔径分布がピークを示す空孔径が、1〜100nmである、樹脂多孔質体。BET比表面積が300平方メートル/g以上である、樹脂多孔質体。ナフタレン骨格及び当該ナフタレン骨格に直接結合するヒドロキシル基を有するナフタレン化合物と、アルデヒド化合物との重縮合体である、樹脂多孔質体。【選択図】なし
Description
本発明は、樹脂多孔質体及びその炭化物、並びに樹脂多孔質体の製造方法に関する。
従来、内部に空隙を有する樹脂多孔質体は、材料の軽量化、断熱性の付与、遮音性の付与、特定の化合物の吸着等を目的として、広範な分野で利用が検討されている。例えば、特許文献1にはスチレン樹脂から構成された有機多孔質体が記載され、特許文献2にはアクリル樹脂から構成された多孔質樹脂粒子が記載されている。
本発明は、吸着能及び脱離能に優れ、吸着材、吸蔵材等の用途に好適に利用可能な新規の樹脂多孔質体を提供することを目的とする。また、本発明は、上記樹脂多孔質体の炭化物及び上記樹脂多孔質体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、第1の態様として、ナフタレン骨格を有する樹脂を含み、0.1〜400nmの範囲で測定された空孔径分布がピークを示す空孔径が、1〜100nmである、樹脂多孔質体を提供する。
樹脂多孔質体は、連通性を有する空孔が形成されていてよい。
樹脂多孔質体は、BET比表面積が300m2/g以上であってよい。
樹脂多孔質体は、ナフタレン骨格及び当該ナフタレン骨格に直接結合するヒドロキシル基を有するナフタレン化合物と、アルデヒド化合物との重縮合体であってよい。
本発明は、第2の態様として、上記樹脂多孔質体の炭化物を提供する。
本発明は、第3の態様として、ナフタレン骨格及び当該ナフタレン骨格に直接結合するヒドロキシル基を有するナフタレン化合物と、アルデヒド化合物とを溶媒中で重縮合させて湿潤ゲルを得る工程と、湿潤ゲルから溶媒を除去する工程と、を備える、樹脂多孔質体の製造方法を提供する。
本発明によれば、吸着能及び脱離能に優れ、吸着材、吸蔵材等の用途に好適に利用可能な新規の樹脂多孔質体を提供することができる。また、本発明によれば、上記樹脂多孔質体の炭化物及び上記樹脂多孔質体の製造方法を提供することができる。
本発明の好適な実施形態について以下に説明する。
<樹脂多孔質体>
本実施形態に係る樹脂多孔質体は、ナフタレン骨格を有する樹脂を含む。また、本実施形態に係る樹脂多孔質体において、0.1〜400nmの範囲で測定された空孔径分布がピークを示す空孔径(以下、場合により「空孔径ピーク」ともいう。)は、1〜100nmである。
本実施形態に係る樹脂多孔質体は、ナフタレン骨格を有する樹脂を含む。また、本実施形態に係る樹脂多孔質体において、0.1〜400nmの範囲で測定された空孔径分布がピークを示す空孔径(以下、場合により「空孔径ピーク」ともいう。)は、1〜100nmである。
本実施形態に係る樹脂多孔質体は、特定の空孔径ピークを有しており、当該空孔径ピークに起因して、分子サイズの比較的大きい化合物に対する吸着能及び脱離能に優れている。
従来から、ガス等の極小分子用の吸着材である活性炭等で吸着するには大きすぎ、沈殿分離等の物理的な処理方法で回収するには小さすぎる分子サイズ(例えば、2〜20nm)を有する化合物は、分離膜による除去といった作業負担が大きい処理方法で回収することが一般的である。本実施形態に係る樹脂多孔質体は、上記のような分子サイズの化合物に対する吸着能及び脱離能に優れているため、作業負担の小さい吸着法によって容易に当該化合物を回収できる。
樹脂多孔質体は、ナフタレン骨格を有する樹脂を含んでいる。当該樹脂としては、例えば、ナフタレン骨格を有する繰り返し単位を有する樹脂が好ましい。このような樹脂は、例えば、ナフタレン骨格を有するモノマーの重合等により得ることができる。
ナフタレン骨格を有する樹脂としては、例えば、ナフタレン骨格及び当該ナフタレン骨格に直接結合するヒドロキシル基を有する化合物(以下、場合により「ナフタレン化合物」ともいう。)と、アルデヒド化合物との重縮合体が挙げられる。重縮合体は、酸触媒存在下での重縮合体であるノボラック型であってよく、塩基触媒存在下での重縮合体であるレゾール型であってもよく、これらの構造の両方を有していてもよい。
ナフタレン化合物は、ナフタレン環に直接結合するヒドロキシル基を1つ有する化合物であってよく、複数有する化合物であってもよい。当該ヒドロキシル基の数は、例えば、1〜7であり、好ましくは1〜4であり、より好ましくは2〜4であり、更に好ましくは2〜3である。ナフタレン環に直接結合するヒドロキシル基の数が2〜4である場合、活性な反応点が増加し、ゲル構造を形成しやすい。なお、ナフタレン環に直接結合するヒドロキシル基が5以上である場合、反応点が減少し、ゲルの生成速度が低下する傾向がある。
ナフタレン化合物としては、例えば、1−ナフトール、2−ナフトール、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。ナフタレン化合物は、化合物中の水素原子の一部が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、及びハロゲン原子からなる群より選択される1種又は複数種の基で置換されていてもよい。ナフタレン化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルデヒド化合物は、少なくとも1個のアルデヒド基を有する化合物である。アルデヒド化合物としては、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド、へキシルアルデヒド、グルタルアルデヒド等のアルキルアルデヒド、サリチルアルデヒド、3−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ−4−メチルベンズアルデヒド、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド等のヒドロキシベンズアルデヒド、2−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド、3−エトキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンズアルデヒド等のヒドロキシ基とアルコキシ基の両方を有するベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、エトキシベンズアルデヒド等のアルコキシベンズアルデヒド、1−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド、2−ヒドロキシ−1−ナフトアルデヒド、6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド等のヒドロキシナフトアルデヒド、ブロムベンズアルデヒド等のハロゲン化ベンズアルデヒド等が挙げられる。アルデヒド化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂多孔質体は、0.1〜400nmの範囲で測定された空孔径分布がピークを示す空孔径(以下、場合により「空孔径ピーク」ともいう。)が、1〜100nmである。空孔径ピークは、好ましくは2nm以上であり、より好ましくは3nm以上である。また、空孔径ピークは、好ましくは100nm未満であり、より好ましくは50nm未満であり、更に好ましくは30nm未満である。空孔径分布(細孔径分布)は、後述する実施例に記載の方法により測定される。空孔径ピークは、例えば、樹脂の種類の選択、重縮合の反応条件、乾燥方法及び乾燥条件の選択等により、調整することができる。
樹脂多孔質体は、連通性を有する空孔が形成されていてもよい。ここで、連通性を有する空孔とは、空孔同士が連なることにより、樹脂多孔質体が液体(例えば水)を通過させることができるように形成された空孔をいう。樹脂多孔質体においては、必ずしも全ての空孔が連通している必要はなく、一部に独立した空孔(連通性を有しない空孔)が形成されていてもよい。
樹脂多孔質体において、BET比表面積は、例えば300m2/g以上であってよく、吸着能がより優れたものとなるという観点から、好ましくは400m2/g以上であり、より好ましくは500m2/g以上であり、更に好ましくは600m2/g以上である。また、BET比表面積は、例えば、2500m2/g以下であってよい。BET比表面積は、後述する実施例に記載の方法により測定される。BET比表面積は、例えば、樹脂の種類の選択、重縮合の反応条件、乾燥方法及び乾燥条件の選択により、調整することができる。
なお、多孔質体において、2nm未満の径を有する空孔は「ミクロ孔」、2nm以上50nm未満の径を有する空孔は「メソ孔」、50nm以上の径を有する空孔を「マクロ孔」と呼ぶことがある。そのため、例えば、空孔径ピークが2nm以上50nm未満である樹脂多孔質体は、メソ孔が主として形成された多孔質体ということができる。
樹脂多孔質体におけるミクロ孔の細孔容積(以下、場合により「ミクロ孔容積(Vmic)」ともいう。)は、例えば、0.5cc/g以下であってよく、好ましくは、0.3cc/g以下であり、より好ましくは、0.2cc/g以下である。
樹脂多孔質体におけるメソ孔の細孔容積(以下、場合により、「メソ孔容積(Vmeso)」ともいう。)は、例えば0.04cc/g以上であってよく、好ましくは0.4cc/g以上であり、より好ましくは0.5cc/g以上である。このようなメソ孔容積を有する樹脂多孔質体は、メソ孔の特徴的な空孔径に起因して、分子サイズの比較的大きい化合物に対する吸脱着能が一層向上する傾向がある。
樹脂多孔質体において、100nm以下の径を有する空孔の全細孔容積(V)に対するメソ孔容積(Vmeso)の比(Vmeso/V)は、例えば、10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましい。このような樹脂多孔質体は、メソ孔による選択的な吸脱着能が得られやすくなる傾向がある。
なお、本明細書中、樹脂多孔質体の細孔容積は、後述する実施例に記載の方法により測定される値を示す。
樹脂多孔質体の形状は特に限定されず、例えば、塊状、板状、膜状、粉体状などであってよい。樹脂多孔質体の形状は、その用途に応じて適宜選択してよい。例えば樹脂多孔質体を吸着材用途に用いる場合は、吸着対象に対する接触面積を増大させる観点から、粉体状が好ましい。
樹脂多孔質体は、例えば、吸着材、吸蔵材、吸音材、断熱材、電波吸収材、細胞培養用足場材、緩衝材、テンプレート材、触媒、センサー、セパレータ、熱交換器等の用途に好適に用いることができる。
<樹脂多孔質体の製造方法>
本実施形態に係る樹脂多孔質体の製造方法は、ナフタレン骨格及び当該ナフタレン骨格に直接結合するヒドロキシル基を有するナフタレン化合物とアルデヒド化合物とを溶媒中で重縮合させて湿潤ゲルを得る工程(以下、単に「重縮合工程」ともいう。)と、湿潤ゲルから溶媒を除去する工程(以下、単に「溶媒除去工程」ともいう。)と、を備える。
本実施形態に係る樹脂多孔質体の製造方法は、ナフタレン骨格及び当該ナフタレン骨格に直接結合するヒドロキシル基を有するナフタレン化合物とアルデヒド化合物とを溶媒中で重縮合させて湿潤ゲルを得る工程(以下、単に「重縮合工程」ともいう。)と、湿潤ゲルから溶媒を除去する工程(以下、単に「溶媒除去工程」ともいう。)と、を備える。
(重縮合工程)
重縮合工程では、ナフタレン化合物とアルデヒド化合物とを溶媒中で重縮合させる。重縮合工程により、ナフタレン化合物とアルデヒド化合物との重縮合体を分散質とする湿潤ゲルが得られる。重縮合は、塩基触媒、酸触媒等の触媒の存在下で行ってよい。
重縮合工程では、ナフタレン化合物とアルデヒド化合物とを溶媒中で重縮合させる。重縮合工程により、ナフタレン化合物とアルデヒド化合物との重縮合体を分散質とする湿潤ゲルが得られる。重縮合は、塩基触媒、酸触媒等の触媒の存在下で行ってよい。
アルデヒド化合物(B)に対するナフタレン化合物(A)のモル比〔(A)/(B)〕は、好ましくは、0.5〜2である。アルデヒド化合物(B)に対するナフタレン化合物(A)のモル比を上記範囲内とすることにより、より収率よく樹脂多孔質体を得ることができる。
重縮合に用いる塩基触媒としては、特に限定されないが、公知の無機塩基、有機塩基のいずれも適用可能である。無機塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。有機塩基としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジアザビシクロノネン、ジアザビシクロウンデセン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカン−5−エン、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−1−メチル−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン等が挙げられる。塩基触媒は、樹脂多孔質体を収率よく作製することができるという観点から、好ましくは、炭酸ナトリウムである。
塩基触媒の使用量は、ナフタレン化合物及びアルデヒド化合物の合計質量に対して、好ましくは0.0001〜10質量%であり、より好ましくは0.001〜5質量%である。塩基触媒の使用量がこの範囲内である場合、反応速度が十分に早く、かつ、収率がより良好になることに加えて、BET比表面積が高く、かつ、空孔径が1〜100nmである、樹脂多孔質体がより容易に得られやすくなる。
重縮合に用いる酸触媒としては、特に限定されないが、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、臭化水素酸、過塩素酸、リン酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等のスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、モノクロ酢酸、ジクロル酢酸等の有機酸、三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸等が挙げられる。酸触媒は、樹脂多孔質体を収率よく作製することができるという観点から、好ましくは、硝酸である。
酸触媒は、反応系のpHが、1〜6の範囲になるように添加することが好ましく、1〜5の範囲になるように添加することがより好ましい。酸触媒の使用量は、ナフタレン化合物(A)、アルデヒド化合物(B)及び溶媒の合計量に対して、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.05〜5質量%である。酸触媒の使用量がこの範囲内である場合、反応速度が十分に早く、かつ、収率がより良好になることに加えて、BET比表面積が高く、かつ、空孔径が1〜100nmである、樹脂多孔質体がより容易に得られやすくなる。
触媒として、塩基触媒と酸触媒とを組み合わせて使用してよい。使用する塩基触媒と酸触媒は、特に限定されないが、塩基触媒を添加し、任意の時間(例えば、0分〜300分)経過後に、酸触媒を添加することが望ましい。塩基触媒と酸触媒とをこの順番で添加する場合、反応速度が十分に早く、かつ、収率がより良好になることに加えて、BET比表面積が高く、かつ、空孔径が1〜100nmである、樹脂多孔質体が得られやすくなる傾向がある。
触媒として、塩基触媒と酸触媒とを組み合わせて使用する場合、塩基触媒の添加量は、ナフタレン化合物及びアルデヒド化合物の合計質量に対して、好ましくは0.0001〜10質量%であり、より好ましくは0.001〜5質量%である。酸触媒は、反応系のpHが、1〜6の範囲になるように添加することが好ましく、1〜5の範囲になるように添加することがより好ましい。酸触媒の使用量は、ナフタレン化合物、アルデヒド化合物及び溶媒の合計質量に対して、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.05〜5質量%である。酸触媒及び塩基触媒の使用量が上記範囲内である場合、反応速度が十分早くなり、収率が向上し、かつ、BET比表面積が高く、メソ孔を有する樹脂多孔質体が得られやすくなる。
重縮合では、溶媒を使用してよい。溶媒として、水、有機溶媒、又は、水と有機溶媒との混合溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、プロパノール、ブタノール、オクタノール、エチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類等が挙げられる。有機溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒の使用量としては、ナフタレン化合物(A)100質量部に対して、好ましくは200〜2000質量部であり、より好ましくは400〜1800質量部である。反応速度が十分に早く、かつ、収率がより良好になることに加えて、BET比表面積が高く、かつ、空孔径が1〜100nmである、樹脂多孔質体がより容易に得られることとなるという観点、及び、溶媒除去の時間がより短時間になるという観点から、溶媒の使用量は、上記範囲内であることが好ましい。
混合溶媒は、複数の溶媒種を、任意の割合で混合したものであってよい。混合溶媒として、複数の溶媒種を任意の割合で混合して用いることにより、原料を高濃度で溶解させ、反応時間を短縮することができ、かつ、均一な多孔質構造を形成することがより容易になる。
重縮合させる際の温度条件は、反応効率がより高くなるという観点から、好ましくは50〜100℃である。この温度範囲で反応させることで、反応にかかる時間(反応時間)を短縮することができる。
重縮合させる際の時間(反応時間)は、例えば、0.5〜200時間であってよい。
重縮合は、例えば、以下のようにして行うことができる。まず、任意の容器にナフタレン化合物(A)と、アルデヒド化合物(B)と、溶媒と、を仕込む。その後、攪拌を開始し、攪拌しながら触媒(酸触媒又は塩基触媒)を添加する。触媒の種類及び使用量は、上記のとおりである。触媒の使用量は、特に制限されないが、反応性及び生産性を考慮して、適宜決定すればよい。
触媒を添加した後、撹拌を停止する。次いで、反応系を昇温し、ナフタレン化合物(A)とアルデヒド化合物(B)とを溶媒中で重縮合させて、湿潤ゲルを得る。重縮合させる際の反応時間及び反応温度は、上記のとおりである。
(溶媒除去工程)
溶媒除去工程は、湿潤ゲルから溶媒を除去する工程である。溶媒除去工程では、上記重縮合工程を経て得られる湿潤ゲル中の溶媒を除去して、樹脂多孔質体が得られる。
溶媒除去工程は、湿潤ゲルから溶媒を除去する工程である。溶媒除去工程では、上記重縮合工程を経て得られる湿潤ゲル中の溶媒を除去して、樹脂多孔質体が得られる。
溶媒を除去する方法としては、例えば、常圧乾燥、ピンホール乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、加熱減圧乾燥、真空凍結乾燥、超臨界乾燥等の公知のいずれの乾燥方法を用いてもよい。乾燥時の体積収縮及び空孔(特に、空孔径が1〜100nmの空孔)の破壊をより抑制しやすいという観点から、溶媒を除去する方法として、真空凍結乾燥又は超臨界乾燥を好適に用いることができる。
溶媒除去工程では、溶媒の揮発速度を制御することで、乾燥後の体積収縮及び空孔の破壊を抑制することができる。溶媒の揮発速度を効率良く制御できる観点から、溶媒除去工程は、重縮合工程で得られた湿潤ゲル中の溶媒(以下、「第一の溶媒」という。)を他の溶媒(以下、「第二の溶媒」という。)に置換する溶媒置換工程と、溶媒置換された湿潤ゲルから第二の溶媒を揮発させる乾燥工程と、を含むことが好ましい。
溶媒置換工程では、例えば、湿潤ゲル中の溶媒と相溶する他の溶媒を湿潤ゲルに添加することで、湿潤ゲル中の溶媒を他の溶媒に置換してよい。溶媒置換工程では、第一の溶媒を第二の溶媒に直接置換してよく、第一の溶媒及び第二の溶媒以外の溶媒への置換を介して、第二の溶媒に置換してもよい。
第二の溶媒としては、揮発速度が制御しやすい観点から、0〜80℃の沸点を有するものが好ましい。第二の溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、tert−ブタノール、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
乾燥工程では、湿潤ゲルから第二の溶媒を揮発させて、乾燥した樹脂多孔質体を得る。乾燥工程における第二の溶媒の除去方法は、例えば、常圧乾燥、ピンホール乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、加熱減圧乾燥、真空凍結乾燥、超臨界乾燥等であってよい。このうち、真空凍結乾燥あるいは超臨界乾燥は、乾燥後の体積収縮、空孔の破壊を防げることから好適である。
<樹脂多孔質体の炭化物>
本実施形態に係る樹脂多孔質体の炭化物(以下、場合により単に「炭化物」ともいう。)は、上記の樹脂多孔質体を熱分解して得ることができる。熱分解の方法は特に限定されないが、電気マッフル炉を用いた不活性ガス雰囲気下での加熱が簡便である。
本実施形態に係る樹脂多孔質体の炭化物(以下、場合により単に「炭化物」ともいう。)は、上記の樹脂多孔質体を熱分解して得ることができる。熱分解の方法は特に限定されないが、電気マッフル炉を用いた不活性ガス雰囲気下での加熱が簡便である。
熱分解温度としては、特に限定されないが、好ましくは、600〜1200℃であり、より好ましくは、800〜1000℃である。この温度範囲で加熱することにより、熱分解反応が促進され、より均一な分子構造を有する炭化物となる。炭化物の分子構造が均一になる結果として、分子表面での吸着特性のバラつきが抑制できる。
炭化物は、空孔が形成されているものであってよい。炭化物において、0.1〜400nmの範囲で測定された空孔径分布がピークを示す空孔径は、1〜100nmであってよく、好ましくは2nm以上、より好ましくは3nm以上であり、好ましくは50nm未満、より好ましくは30nm未満である。本実施形態では、樹脂多孔質体が剛直なナフタレン骨格を有する樹脂を含むため、熱分解による空孔の破壊が比較的抑制されやすく、上記範囲内の空孔径ピークが得られやすい。
樹脂多孔質体の炭化物のBET比表面積は、吸着能がより優れたものとなるという観点から、好ましくは500m2/g以上であり、より好ましくは700m2/g以上であり、更に好ましくは900m2/g以上である。BET比表面積は、例えば、2500m2/g以下であってよい。BET比表面積は、例えば、後述する実施例に記載の方法と同様の方法で測定することができる。
炭化物におけるミクロ孔の細孔容積(ミクロ孔容積(Vmic))は、例えば0.5cc/g以下であってよく、好ましくは0.4cc/g以下であり、より好ましくは0.3cc/g以下である。
炭化物におけるメソ孔の細孔容積(Vmeso)は、例えば0.04cc/g以上であってよく、好ましくは0.4cc/g以上であり、より好ましくは0.6cc/g以上である。このようなメソ孔容積を有する炭化物は、メソ孔の特徴的な空孔径に起因して、分子サイズの比較的大きい化合物に対する吸脱着能が一層向上する傾向がある。
炭化物において、空孔径が100nm以下である空孔全体の細孔容積(V)に対する、メソ孔容積(Vmeso)の比(Vmeso/V)は、例えば、10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましい。このような炭化物は、メソ孔による選択的な吸脱着能が得られやすくなる傾向がある。
樹脂多孔質体の炭化物は、例えば、吸着材、吸蔵材、吸音材、断熱材、電波吸収材、細胞培養用足場材、緩衝材、テンプレート材、触媒、電極添加剤、キャパシタ電極、高温炉内壁材、センサー、セパレータ、熱交換器等の用途に好適に用いることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[製造条件]
(実施例1)
50mLのラボランスクリュー管に撹拌子を入れ、1,5−ジヒドロキシナフタレンを1g、水を2.05g、プロピレングリコールモノメチルエーテルを4.8g加えて室温で撹拌した後、アルデヒド化合物として、35−38%ホルムアルデヒド水溶液を1g加え、再度室温で撹拌した。更に、触媒(塩基触媒)として、5%炭酸ナトリウム水溶液0.53g添加してから、再度撹拌した。その後、ポリプロピレン容器に移して密閉し、静置した状態にて90℃で3日間、加熱を行うことで、湿潤ゲルを作製した。加熱後、容器から取り出し、tert−ブチルアルコール50mL(和光純薬工業(株)製)に浸漬させ、室温で1日静置後、上澄みをデカンテーションにより除去する操作を合計3回行った。その後、−20℃の冷凍庫で1時間凍結し、デシケータ内に移して、室温下、ダイアフラムポンプ(KNF製)で3日間以上真空乾燥することによってtert−ブチルアルコールを除去することにより、実施例1の樹脂多孔質体を作製した。表1に、各種反応条件(アルデヒド化合物であるホルムアルデヒド(F)に対するナフタレン化合物(R)のモル比(R/F)、塩基触媒(C)に対するナフタレン化合物(R)のモル比(R/C)、溶媒の合計量(S)に対するナフタレン化合物(R)の質量比(R/S)、及び塩基(又は酸)触媒添加後の攪拌時間)を示す。なお、反応に用いた、有機溶媒と水(ホルムアルデヒド水溶液及び炭酸ナトリウム水溶液中の水も含む)との質量比(有機溶媒/水)は、1.5/1.0であった。
(実施例1)
50mLのラボランスクリュー管に撹拌子を入れ、1,5−ジヒドロキシナフタレンを1g、水を2.05g、プロピレングリコールモノメチルエーテルを4.8g加えて室温で撹拌した後、アルデヒド化合物として、35−38%ホルムアルデヒド水溶液を1g加え、再度室温で撹拌した。更に、触媒(塩基触媒)として、5%炭酸ナトリウム水溶液0.53g添加してから、再度撹拌した。その後、ポリプロピレン容器に移して密閉し、静置した状態にて90℃で3日間、加熱を行うことで、湿潤ゲルを作製した。加熱後、容器から取り出し、tert−ブチルアルコール50mL(和光純薬工業(株)製)に浸漬させ、室温で1日静置後、上澄みをデカンテーションにより除去する操作を合計3回行った。その後、−20℃の冷凍庫で1時間凍結し、デシケータ内に移して、室温下、ダイアフラムポンプ(KNF製)で3日間以上真空乾燥することによってtert−ブチルアルコールを除去することにより、実施例1の樹脂多孔質体を作製した。表1に、各種反応条件(アルデヒド化合物であるホルムアルデヒド(F)に対するナフタレン化合物(R)のモル比(R/F)、塩基触媒(C)に対するナフタレン化合物(R)のモル比(R/C)、溶媒の合計量(S)に対するナフタレン化合物(R)の質量比(R/S)、及び塩基(又は酸)触媒添加後の攪拌時間)を示す。なお、反応に用いた、有機溶媒と水(ホルムアルデヒド水溶液及び炭酸ナトリウム水溶液中の水も含む)との質量比(有機溶媒/水)は、1.5/1.0であった。
(実施例2)
50mLのラボランスクリュー管に撹拌子を入れ、1,5−ジヒドロキシナフタレンを1g、水を2.3g、プロピレングリコールモノメチルエーテルを5.8g加えて室温で撹拌した後、35−38%ホルムアルデヒド水溶液を1g加え、再度室温で撹拌した。更に1M硝酸水溶液を0.6g添加し、ポリプロピレン容器に移して密閉し、静置した状態にて80℃で3日間、加熱を行うことで、実施例2の樹脂多孔質体を作製した。表1に、各種反応条件を示す。なお、pHは、酸触媒添加後の反応液中のpHである。
50mLのラボランスクリュー管に撹拌子を入れ、1,5−ジヒドロキシナフタレンを1g、水を2.3g、プロピレングリコールモノメチルエーテルを5.8g加えて室温で撹拌した後、35−38%ホルムアルデヒド水溶液を1g加え、再度室温で撹拌した。更に1M硝酸水溶液を0.6g添加し、ポリプロピレン容器に移して密閉し、静置した状態にて80℃で3日間、加熱を行うことで、実施例2の樹脂多孔質体を作製した。表1に、各種反応条件を示す。なお、pHは、酸触媒添加後の反応液中のpHである。
(実施例3)
50mLのラボランスクリュー管に撹拌子を入れ、1,5−ジヒドロキシナフタレンを1g、水を2.3g、プロピレングリコールモノメチルエーテルを4.8g加えて室温で撹拌した後、35−38%ホルムアルデヒド水溶液1gを加え、再度室温で撹拌した。5%炭酸ナトリウム水溶液を0.26g添加し、5分間撹拌後、更に1M硝酸水溶液1g添加し、室温のまま1時間撹拌した。ポリプロピレン容器に移して密閉し、静置した状態にて80℃で3日間、加熱を行うことで、実施例3の樹脂多孔質体を作製した。表1に各種反応条件を示す。
50mLのラボランスクリュー管に撹拌子を入れ、1,5−ジヒドロキシナフタレンを1g、水を2.3g、プロピレングリコールモノメチルエーテルを4.8g加えて室温で撹拌した後、35−38%ホルムアルデヒド水溶液1gを加え、再度室温で撹拌した。5%炭酸ナトリウム水溶液を0.26g添加し、5分間撹拌後、更に1M硝酸水溶液1g添加し、室温のまま1時間撹拌した。ポリプロピレン容器に移して密閉し、静置した状態にて80℃で3日間、加熱を行うことで、実施例3の樹脂多孔質体を作製した。表1に各種反応条件を示す。
(実施例4〜16)
反応条件を、表1に示すとおりの条件とすること以外は、実施例3と同様にして、実施例4〜16の樹脂多孔質体を作製した。
反応条件を、表1に示すとおりの条件とすること以外は、実施例3と同様にして、実施例4〜16の樹脂多孔質体を作製した。
[樹脂多孔質体の炭化物の製造]
(実施例17)
実施例11の樹脂多孔質体をADVANTEC社製の卓上真空ガス置換炉FUA112DBを使用し、窒素ガス雰囲気下、250℃で1時間加熱後、900℃まで昇温し、4時間加熱することで熱分解した。室温まで自然放冷することで、実施例17の樹脂多孔質体の炭化物を得た。
(実施例17)
実施例11の樹脂多孔質体をADVANTEC社製の卓上真空ガス置換炉FUA112DBを使用し、窒素ガス雰囲気下、250℃で1時間加熱後、900℃まで昇温し、4時間加熱することで熱分解した。室温まで自然放冷することで、実施例17の樹脂多孔質体の炭化物を得た。
[細孔径・BET比表面積測定]
実施例1〜16の樹脂多孔質体のBET比表面積及び空孔分布は、細孔分析装置(Quantachrome製、AutoSorb iQ)を用いて測定した。前処理として、試料管(φ9mm)に50mgの試験用試料を採取し、100℃で1〜2時間真空加熱乾燥することで、試料表面の吸着物質を除去した。測定中は液体窒素を用いて試料を冷却し、不活性ガスとしてヘリウム、吸着ガスとして窒素を用いた。単分子吸着量Wm(g)を、測定結果から得られるBETプロットからBET式を用いて算出し、全表面積Stotal(m2)及びBET比表面積SBET(m2/g)を求めた。空孔分布はKelvin式と脱着等温線を利用したBJH法を用いて求めた。0.1〜400nmの範囲で測定された空孔径分布がピークを示す空孔径(以下、単に、「空孔径ピーク」ともいう。)、及びBET比表面積の測定結果を表1に示す。上記の測定と同時に、ミクロ孔容積Vmic(cc/g)、メソ孔容積Vmeso(cc/g)、100nm以下の細孔容積V(cc/g)を算出し、100nm以下の空孔容積に対するメソ孔容積の比率Vmeso/V(%)を見積もった。空孔分布には、log微分細孔容積分布を用いた。
実施例1〜16の樹脂多孔質体のBET比表面積及び空孔分布は、細孔分析装置(Quantachrome製、AutoSorb iQ)を用いて測定した。前処理として、試料管(φ9mm)に50mgの試験用試料を採取し、100℃で1〜2時間真空加熱乾燥することで、試料表面の吸着物質を除去した。測定中は液体窒素を用いて試料を冷却し、不活性ガスとしてヘリウム、吸着ガスとして窒素を用いた。単分子吸着量Wm(g)を、測定結果から得られるBETプロットからBET式を用いて算出し、全表面積Stotal(m2)及びBET比表面積SBET(m2/g)を求めた。空孔分布はKelvin式と脱着等温線を利用したBJH法を用いて求めた。0.1〜400nmの範囲で測定された空孔径分布がピークを示す空孔径(以下、単に、「空孔径ピーク」ともいう。)、及びBET比表面積の測定結果を表1に示す。上記の測定と同時に、ミクロ孔容積Vmic(cc/g)、メソ孔容積Vmeso(cc/g)、100nm以下の細孔容積V(cc/g)を算出し、100nm以下の空孔容積に対するメソ孔容積の比率Vmeso/V(%)を見積もった。空孔分布には、log微分細孔容積分布を用いた。
実施例17の樹脂多孔質体の炭化物は、上記と同様にして、空孔径及びBET比表面積測定を測定した。結果を表1に示す。
[吸着能及び脱離能の評価]
20mgの試料をラボランスクリュー管(No.3)に分取し、それぞれにメタノール2mlずつ添加した。リボフラビンを20gのメタノールに飽和させ、前述のスクリュー管に2mlずつ添加した。ミックスロータを用いて100rpmで2時間撹拌し、一晩静置後、上澄みを回収して紫外可視吸光スペクトル測定を行った。測定後、測定セル内の溶液をスクリュー管に戻し、溶液を60℃で1時間加熱した。加熱しながら上澄みを回収し、室温まで冷却後、再び紫外可視吸収スペクトルを測定した。測定セルにアズワン製のアクリル製キュベットを使用し、ベースラインにはメタノールを用いた。紫外可視吸収スペクトル測定は日立ハイテク製UV−2900を使用した。なお、紫外可視吸収スペクトル測定において、測定波長は、343nmとした。
20mgの試料をラボランスクリュー管(No.3)に分取し、それぞれにメタノール2mlずつ添加した。リボフラビンを20gのメタノールに飽和させ、前述のスクリュー管に2mlずつ添加した。ミックスロータを用いて100rpmで2時間撹拌し、一晩静置後、上澄みを回収して紫外可視吸光スペクトル測定を行った。測定後、測定セル内の溶液をスクリュー管に戻し、溶液を60℃で1時間加熱した。加熱しながら上澄みを回収し、室温まで冷却後、再び紫外可視吸収スペクトルを測定した。測定セルにアズワン製のアクリル製キュベットを使用し、ベースラインにはメタノールを用いた。紫外可視吸収スペクトル測定は日立ハイテク製UV−2900を使用した。なお、紫外可視吸収スペクトル測定において、測定波長は、343nmとした。
吸着能は、343nmにおける飽和リボフラビン溶液の吸光度から、吸着したリボフラビンの割合を以下の下記式(1)を用いて算出し、20以上を良好、20未満を不良とした。脱離能は、吸着したリボフラビンに対し、脱離したリボフラビンの割合を下記式(2)を用いて算出し、50以上を良好、50未満を不良とした。
実施例1〜16の樹脂多孔質体は、吸着能及び脱離能がいずれも良好であった。また、実施例17の樹脂多孔質体の炭化物も、吸着能及び脱離能が良好であった。
本発明の樹脂多孔質体によれば、特定のガス、化合物等を効率よく多孔質樹脂の内壁表面に吸着させ、分離、精製することができる。さらに、吸着分子の容易な脱離による再利用可能性、流路の目詰まりを生じにくくなるという点で、産業上の利用可能性は高い。また、本発明の樹脂多孔質体は、種々の材料の軽量化、断熱性、遮音性等の付与に用いることが期待できる。また、これまで産業上、製造が困難であった比表面積が高く、0.1〜400nmの範囲で測定された空孔径分布がピークを示す空孔径が、1〜100nmである樹脂多孔質体を、安価に製造することができる。
Claims (6)
- ナフタレン骨格を有する樹脂を含み、
0.1〜400nmの範囲で測定された空孔径分布がピークを示す空孔径が、1〜100nmである、樹脂多孔質体。 - 連通性を有する空孔が形成されている、請求項1に記載の樹脂多孔質体。
- BET比表面積が300m2/g以上である、請求項1又は2に記載の樹脂多孔質体。
- ナフタレン骨格及び当該ナフタレン骨格に直接結合するヒドロキシル基を有するナフタレン化合物と、アルデヒド化合物との重縮合体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂多孔質体。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂多孔質体の炭化物。
- ナフタレン骨格及び当該ナフタレン骨格に直接結合するヒドロキシル基を有するナフタレン化合物とアルデヒド化合物とを溶媒中で重縮合させて湿潤ゲルを得る工程と、
前記湿潤ゲルから前記溶媒を除去する工程と、を備える、樹脂多孔質体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017167766A JP2019044053A (ja) | 2017-08-31 | 2017-08-31 | 樹脂多孔質体及びその炭化物、並びに樹脂多孔質体の製造方法 |
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- 2017-08-31 JP JP2017167766A patent/JP2019044053A/ja active Pending
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